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特許7499477照明システム、制御方法、プログラム及び環境制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】照明システム、制御方法、プログラム及び環境制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/20 20200101AFI20240607BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240607BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20240607BHJP
   H05B 47/125 20200101ALI20240607BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20240607BHJP
【FI】
H05B45/20
H05B45/10
H05B47/11
H05B47/125
H05B47/18
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022578327
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 JP2022002196
(87)【国際公開番号】W WO2022163528
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】P 2021014002
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】明田 孝典
(72)【発明者】
【氏名】田中 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 仁
(72)【発明者】
【氏名】長友 真吾
(72)【発明者】
【氏名】北村 一樹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 達也
(72)【発明者】
【氏名】古賀 達雄
(72)【発明者】
【氏名】山田 知典
(72)【発明者】
【氏名】浦 千人
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-118435(JP,A)
【文献】特開2008-039518(JP,A)
【文献】特開平10-071192(JP,A)
【文献】特表2015-506080(JP,A)
【文献】特開2013-191685(JP,A)
【文献】特開2000-035371(JP,A)
【文献】国際公開第2019/087232(WO,A1)
【文献】特開2016-058397(JP,A)
【文献】特開2009-086468(JP,A)
【文献】特開2019-175780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00 - 39/10
H05B 45/00 - 45/58
H05B 47/00 - 47/29
F21K 9/00 - 9/90
F21S 2/00 - 45/70
F21V 1/00 - 17/20
F21V 23/00 - 99/00
A61L 9/00 - 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内に配置される照明装置と、
前記照明装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、除菌装置から供給される除菌物質が前記照明装置による照明対象空間に存在している情報を取得した場合に、前記照明対象空間に除菌物質の存在を示すサインを提示するように前記照明装置の照明光を白色とは異なる色のカラー照明光に制御する、
照明システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記除菌物質が存在しなくなった情報を取得した場合に、除菌処理が終了したことを示すサインを提示するように前記照明装置の照明光を制御する、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記除菌物質は、次亜塩素酸又は除菌用アルコールである、
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記照明装置を複数備え、
前記制御装置は、前記複数の照明装置のうち前記サインを提示する少なくとも1つの照明装置を制御する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記照明装置は、
青色光を放射する青色LEDと、
緑色光を放射する緑色LEDと、
赤色光を放射する赤色LEDと、
白色光を放射する白色LEDと、を有する光源を備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項6】
前記照明装置は、
第1青色光を放射する第1青色LEDと、
第2青色光を放射する第2青色LEDと、
前記第1青色光によって励起されて緑色光を放射する緑色蛍光体粒子を含む第1波長変換部と、
前記第2青色光によって励起されて赤色光を放射する赤色蛍光体粒子を含む第2波長変換部と、
前記第1青色光及び前記第2青色光及び白色光とは異なる色の可視光を放射する可視光LEDと、を有する光源を備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項7】
前記照明装置は、
第1紫色光を放射する第1紫色LEDと、
第2紫色光を放射する第2紫色LEDと、
第3紫色光を放射する第3紫色LEDと、
前記第1紫色光によって励起されて青色光を放射する青色蛍光体粒子を含む第1波長変換部と、
前記第2紫色光によって励起されて緑色光を放射する緑色蛍光体粒子を含む第2波長変換部と、
前記第3紫色光によって励起されて赤色光を放射する赤色蛍光体粒子を含む第3波長変換部と、を有する光源を備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項8】
前記照明装置は、
第1青色光を放射する第1青色LEDと、
第2青色光を放射する第2青色LEDと、
第3青色光を放射する第3青色LEDと、
前記第1青色光によって励起されて前記第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する第1波長変換部と、
前記第2青色光によって励起されて前記第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する第2波長変換部と、
前記第3青色光によって励起されて前記第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する第3波長変換部と、を有する光源を備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項9】
前記照明装置は、
第1青色光を放射する第1青色LEDと、
第2青色光を放射する第2青色LEDと、
第3青色光を放射する第3青色LEDと、
第4青色光を放射する第4青色LEDと、
前記第1青色光によって励起されて前記第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する第1波長変換部と、
前記第2青色光によって励起されて前記第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する第2波長変換部と、
前記第3青色光によって励起されて前記第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する第3波長変換部と、
前記第4青色光によって励起されて前記第4青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色、緑色、赤色とは異なる色から白色までの第4中間色の光を発する第4波長変換部と、を有する光源を備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項10】
前記照明装置は、
第1青色光を放射する第1青色LEDと、
第2青色光を放射する第2青色LEDと、
第3青色光を放射する第3青色LEDと、
前記第1青色光によって励起されて前記第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する第1波長変換部と、
前記第2青色光によって励起されて前記第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する第2波長変換部と、
前記第3青色光によって励起されて前記第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する第3波長変換部と、
前記第1青色光、前記第2青色光、前記第3青色光、前記第1中間色の光、前記第2中間色の光、前記第3中間色の光及び白色光とは異なる色の可視光を放射する可視光LEDと、を有する光源を備える、
請求項1~4のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項11】
前記照明装置である第1照明装置とは別体であり前記施設内に配置される第2照明装置を更に備え、
前記第2照明装置の照明光は、相関色温度が2700K以上6000K以下の白色光であり、
前記制御装置は、前記第2照明装置を制御する、
請求項1~10のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項12】
施設内に配置される照明装置を制御する制御方法であって、
前記照明装置による照明対象空間に除菌物質が存在している情報を取得した場合に、前記照明対象空間に除菌物質の存在を示すサインを提示するように前記照明装置の照明光を白色とは異なる色のカラー照明光に制御する、
制御方法。
【請求項13】
コンピュータシステムに、
請求項12の制御方法を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項1~11のいずれか一項に記載の照明システムと、
前記除菌物質を発生する除菌装置と、を備える、
環境制御システム。
【請求項15】
前記照明対象空間に赤外線光源から赤外線を放射して前記照明対象空間を撮像することで生成した画像に基づいて、前記照明対象空間の前記除菌物質の存否を検出する赤外線画像センサを更に備え、
前記制御装置は、前記赤外線画像センサの検出結果に基づいて前記照明装置を制御する、
請求項14に記載の環境制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、照明システム、制御方法、プログラム及び環境制御システムに関し、より詳細には、照明装置を備える照明システム、照明装置を制御する制御方法、プログラム及び環境制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のエリアを照明する複数の照明器具と、人非存在エリア又は人存在エリアを照明する1又は2以上の照明器具の制御値を制御する照明制御部と、を有する照明制御システムが知られている(特許文献1)。
【0003】
例えば、複数の照明器具のうち1つの照明器具の照明エリアに人が存在する場合、人由来の飛沫、接触等により、照明エリア内の環境が汚染されてしまう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-175780号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、施設内の照明対象空間を利用している人に、より適切な環境を提供することが可能な照明システム、制御方法、プログラム及び環境制御システムを提供することにある。
【0006】
本開示に係る一態様の照明システムは、照明装置と、制御装置と、を備える。前記照明装置は、施設内に配置される。前記制御装置は、前記照明装置を制御する。前記制御装置は、除菌装置から供給される除菌物質が前記照明装置による照明対象空間に存在している情報を取得した場合に、前記照明対象空間に除菌物質の存在を示すサインを提示するように前記照明装置の照明光を白色とは異なる色のカラー照明光に制御する。
【0007】
本開示に係る一態様の制御方法は、施設内に配置される照明装置を制御する制御方法であって、前記照明装置による照明対象空間に除菌物質が存在している情報を取得した場合に、前記照明対象空間に除菌物質の存在を示すサインを提示するように前記照明装置の照明光を白色とは異なる色のカラー照明光に制御する。
【0008】
本開示に係る一態様のプログラムは、コンピュータシステムに上記一態様の制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0009】
本開示に係る一態様の環境制御システムは、前記照明システムと、前記除菌物質を発生する除菌装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1に係る照明システムのブロック図である。
図2図2は、同上の照明システムの使用形態を示す概略説明図である。
図3図3は、同上の照明システムにおける照明装置の光源を示し、一部破断した平面図である。
図4図4は、同上の照明システムの動作のフローチャートである。
図5図5は、同上の照明システムの動作例の説明図である。
図6図6は、同上の照明システムにおける照明装置の変形例1における光源を示し、一部破断した平面図である。
図7図7は、同上の照明システムにおける照明装置の変形例2における光源を示し、一部破断した平面図である。
図8図8は、同上の照明システムにおける照明装置の変形例3における光源を示し、一部破断した平面図である。
図9図9は、同上の照明システムにおける照明装置の変形例4における光源を示し、一部破断した平面図である。
図10図10は、同上の照明システムにおける照明装置の変形例5における光源を示し、一部破断した平面図である。
図11図11は、実施形態2に係る照明システムの使用形態を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記の実施形態1、2等において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
(実施形態1)
以下では、実施形態1に係る照明システム10について図1~5に基づいて説明する。
【0013】
(1)概要
実施形態1に係る照明システム10は、図1に示すように、複数の照明装置1と、制御装置3と、を備える。制御装置3は、複数の照明装置1を制御する。複数の照明装置1は、図2に示すように、施設200内に配置される。施設200としては、ビル、特に、オフィスビルを想定している。以下では、説明の便宜上、施設200内において複数の照明装置1が面する空間を対象空間201という。対象空間201は、施設200内の人P10によって利用される空間である。対象空間201の例としては、会議室、ワーキングスペース、コワーキングスペース、レクリエーションルームが挙げられる。施設200は、オフィスビルに限らず、事務所、工場、病院、ホテル、スタジアム、アミューズメント施設、空港、戸建て住宅、集合住宅等であってもよい。
【0014】
制御装置3は、除菌装置6から供給される除菌物質(例えば、次亜塩素酸)が照明装置1による照明対象空間に存在している情報を取得した場合に、照明対象空間に除菌物質の存在を示すサインを提示するように照明装置1の照明光を白色とは異なる色のカラー照明光に制御する。これにより、カラー照明光と当該カラー照明光を出力している照明装置1とを情報の媒体として活用することが可能となる。図5では、複数(例えば、12)の照明装置1のうち白色とは異なる色(例えば、紫色)のカラー照明光を照らしている1つの照明装置1の光出射面にドットハッチングを施し、白色の照明光を照らしている照明装置1の光出射面にはドットハッチングを施していない。
【0015】
(2)詳細
以下、実施形態1に係る照明システム10について、図1~5に基づいて更に詳細に説明する。
【0016】
照明システム10は、上述のように、複数の照明装置1と、制御装置3と、を備える。
【0017】
複数の照明装置1は、例えば、図2に示すように、施設200において対象空間201に面する天井202に配置されている。対象空間201は、天井202下の空間である。施設200内の対象空間201には、人P10が利用可能な什器として、机220、椅子230等が配置されている。複数の照明装置1は、対象空間201から見て正方形状であるが、これに限らず、例えば、長方形状又は円形状であってもよい。複数の照明装置1は、対象空間201から見て2次元アレイ状に配置されている。複数の照明装置1は、天井埋め込み型の照明器具でもよいし、天井直付け型の照明器具でもよいし、システム天井に含まれるグリッド状の支持部材に支持されるパネル状の照明器具でもよいし、天井吊り下げ型の照明器具でもよい。
【0018】
複数の照明装置1の各々は、光源11(図3参照)を備える。光源11は、例えば、図3に示すように、青色LED(Light Emitting Diode)11Bと、緑色LED11Gと、赤色LED11Rと、白色LED11Wと、を有する。
【0019】
青色LED11Bは、青色光を放射する。緑色LED11Gは、緑色光を放射する。赤色LED11Rは、赤色光を放射する。白色LED11Wは、白色光を放射する。白色LED11Wから放射される白色光の相関色温度は、例えば、2700K以上6000K以下である。白色LED11Wは、例えば、青色LEDチップと、青色LEDチップから放射された青色光の一部を波長変換して青色光とは異なる波長の光を放射する波長変換要素を含む波長変換部と、を有する。波長変換要素は、蛍光体粒子である。波長変換部は、例えば、透光性材料部と、蛍光体粒子と、を含む。この場合、波長変換部は、透光性材料部と蛍光体粒子との混合体により形成されている。波長変換部では、透光性材料部内に多数の蛍光体粒子が存在している。透光性材料部の材料(透光性材料)は、可視光に対する透過率が高い材料が好ましい。透光性材料は、例えば、シリコーン系樹脂である。蛍光体粒子としては、例えば、黄色の光を放射する黄色蛍光体粒子を採用することができる。黄色蛍光体粒子から放射される光(蛍光)は、例えば、530nm~580nmの波長域に主発光ピーク波長がある発光スペクトルを有するのが好ましい。黄色蛍光体粒子は、例えば、Ceで付活されたYAl12であるが、これに限らない。また、波長変換部は、波長変換要素として、黄色蛍光体粒子のみを含む場合に限らず、例えば、黄色蛍光体粒子と、黄緑色蛍光体粒子と、緑色蛍光体粒子と、赤色蛍光体粒子と、を含んでいてもよい。つまり、波長変換部は、複数種の蛍光体粒子を含んでいてもよい。黄緑色蛍光体粒子は、黄緑色の光を放射する。緑色蛍光体粒子は、緑色の光を放射する。赤色蛍光体粒子は、赤色の光を放射する。
【0020】
また、光源11は、図3に示すように、実装基板110を有している。実装基板110は、例えば、プリント配線板である。青色LED11B、緑色LED11G、赤色LED11R及び白色LED11Wは、実装基板110に実装されている。光源11は、1つの実装基板110上に、青色LED11Bと、緑色LED11Gと、赤色LED11Rと、白色LED11Wとのセットを複数有している。
【0021】
複数の照明装置1の各々は、複数の青色LED11Bを駆動する第1駆動回路と、複数の緑色LED11Gを駆動する第2駆動回路と、複数の赤色LED11Rを駆動する第3駆動回路と、複数の白色LED11Wを駆動する第4駆動回路と、第1~第4駆動回路を制御する制御回路と、を備える。複数の照明装置1の各々では、制御回路が第1~第4駆動回路を制御することにより、照明光として、白色の光、青色の光、緑色の光、赤色の光のいずれか、又は、これらの2つ以上を混色して得られる色の光を出力可能である。要するに、複数の照明装置1の各々は、XYZ表色系のxy色度図において、青色LED11Bから放射される青色の光の色度点と、緑色LED11Gから放射される緑色の光の色度点と、赤色LED11Rから放射される赤色の光の色度点と、を頂点とする三角形の範囲内の任意の色度点に相当する色の光を、カラー照明光又は白色光として出力することが可能である。白色光は、XYZ表色系のxy色度図における黒体軌跡上の色度点に相当する色度の光であるのが好ましい。
【0022】
制御装置3は、図1に示すように、施設200(図2参照)内に配置されている複数の除菌装置6から各除菌装置6の稼働情報を取得する第1取得部31を有する。また、制御装置3は、施設200内に配置されている複数の赤外線画像センサ7から除菌物質の存否に関する検出結果を取得する第2取得部32を有する。図2の例では、施設200において、複数の照明装置1の各々に隣接して除菌装置6と赤外線画像センサ7とが配置されている。なお、施設200では、複数の机220の各々について同時使用を許可する人数を所定人数(2人)と想定しており、施設200の利用時間帯(例えば、午前8時~午後8時)の最初の時点では、机220ごとに2つの椅子230を配置されている。
【0023】
複数の除菌装置6の各々は、例えば、次亜塩素酸のミストを発生させるミスト発生装置である。ミスト発生装置は、次亜塩素酸のミストを生成する霧化装置と、霧化装置で生成された次亜塩素酸のミストを照明対象空間へ噴射する送風装置と、を有する。複数の除菌装置6には、個別の識別情報(アドレス)が設定されている。照明システム10では、例えば、各除菌装置6の稼働状況を示す信号と識別情報とを制御装置3へ送信することによって、制御装置3の第1取得部31が、複数の除菌装置6それぞれの検出結果を複数の除菌装置6それぞれの識別情報とともに取得することができる。
【0024】
複数の赤外線画像センサ7の各々は、例えば、赤外線画像センサ7に隣接する照明装置1の照明対象空間に赤外線光源から赤外線を放射して照明対象空間を撮像することで生成した画像に基づいて、照明対象空間の除菌物質の存否を検出する。複数の赤外線画像センサ7の各々は、例えば、照明対象空間に配置されている机220の天面に、除菌物質(例えば、次亜塩素酸のミストにより形成された液滴)が残存しているか否かを検出する。赤外線画像センサ7は、赤外線光源と、赤外線カメラと、を含む。赤外線光源は、例えば、赤外線画像センサ7に隣接する照明装置1の照明対象空間に赤外線を放射する。赤外線カメラは、例えば、赤外線画像センサに隣接する照明装置1の照明対象空間を撮像する。赤外線光源は、例えば、波長2900nmの赤外線を放射する。赤外線光源から放射させる赤外線の波長は、除菌物質(例えば、次亜塩素酸のミストが散布されることにより机220の天面、施設200の床面等に形成された次亜塩素酸の液滴)に吸収されやすい波長である。赤外線カメラにおける撮像素子は、赤外線イメージセンサである。赤外線画像センサ7は、赤外線カメラで撮像して生成した赤外線画像に基づいて照明対象空間内の除菌物質の存否を検出することができる。赤外線画像センサ7は、赤外線画像を画像処理することで除菌物質(液滴等)の特徴量を求めて除菌物質を検出することができる。複数の赤外線画像センサ7には、個別の識別情報(アドレス)が設定されている。照明システム10では、例えば、複数の赤外線画像センサ7が除菌物質の検出結果と赤外線画像センサ7の識別情報とを制御装置3へ送信することによって、制御装置3の第2取得部32が、複数の赤外線画像センサ7それぞれの検出結果を識別情報とともに取得することができる。
【0025】
また、制御装置3は、複数の照明装置1を制御する制御部33を有する。制御装置3と複数の照明装置1とは例えば信号線Lsを介して接続されており、制御装置3から複数の照明装置1に制御信号を伝送可能となっている。複数の照明装置1には、それぞれ個別の識別情報(固有アドレス)が設定されている。複数の照明装置1は、それぞれ固有アドレスを記憶している記憶部を有している。制御装置3では、制御部33は、動作モードとして、例えば、複数の照明装置1のうち2以上の照明装置1を一括して同じ制御内容で制御する第1モード(一括制御モード)と、1又は2以上の照明装置1をあらかじめ個々に設定した制御内容で制御する第2モード(パターン制御モード)と、複数の照明装置1を個別に制御する第3モード(個別制御モード)と、を有している。制御部33は、複数の照明装置1それぞれの固有アドレスを記憶しているメモリを含んでいる。また、制御部33は、第1モードのときに利用する一括制御用アドレスと、第2モードのときに利用するグループ制御アドレスと、を上述のメモリに記憶している。この場合、複数の照明装置1の記憶部は、固有アドレスに加えて、グループ制御用アドレス、一括制御用アドレスを記憶している。
【0026】
制御装置3では、複数の照明装置1それぞれの識別情報、複数の除菌装置6それぞれの識別情報、複数の赤外線画像センサ7それぞれの識別情報に基づいて、1つの照明装置1の識別情報と1つの除菌装置6の識別情報と1つの赤外線画像センサ7の識別情報とが対応付けられて、制御部33の有するメモリに記憶されていてもよい。
【0027】
制御部33から各照明装置1への制御信号は、制御対象の照明装置1の固有アドレス、一括制御用アドレス又はグループ制御用アドレスに対応するアドレスデータと、制御対象の照明装置1の制御内容(照明光の色、点灯、消灯、点滅、照度等)を示す制御データと、を含む。照明光の色は、白色又は白色とは異なる色(例えば、紫色、赤色、青色、緑色等)である。制御内容は、照明光の色を示す制御内容を含む制御データを含む代わりに、照明光の色度を示す制御内容を含む制御データを含んでいてもよい。
【0028】
制御部33は、第2取得部32において複数の赤外線画像センサ7のうち1以上の赤外線画像センサから照明対象空間に除菌物質が存在することを示す検出結果の情報を取得したときに、除菌物質の存在を示すサインを提示するように上記1以上の赤外線画像センサ7に対応付けられた1以上の照明装置1の照明光を白色とは異なる色のカラー照明光に制御する。より詳細には、制御部33は、図4に示すように、赤外線画像センサ7からの除菌物質の存在を示す情報を第1取得部31が取得すると(ステップS11:Yes)、除菌物質の存在を示すサインを提示するように上記1以上の赤外線画像センサ7に対応付けられた上記1以上の照明装置1の照明光を白色とは異なる色(例えば、紫色)のカラー照明光に制御する(ステップS12)。その後、制御部33は、第1取得部31が上記1以上の赤外線画像センサ7から除菌物質がないことを示す検出結果の情報を取得すると(ステップS13:Yes)、上記1以上の赤外線画像センサ7に対応付けられた上記1以上の照明装置1に対するカラー照明光の制御を終了する(ステップS14)。「カラー照明光の制御を終了する」とは、例えば、照明装置1の照明光を白色に制御すること、又は、照明装置1を消灯させること、を意味する。制御装置3は、除菌物質が存在しなくなった情報を取得した場合に、除菌処理が終了したことを示すサインを提示するように照明装置1の照明光を制御してもよい。この場合、照明システム10は、例えば、所定時間(例えば、3分)の間、照明装置1の照明光を、白色とは異なり、かつ、除菌処理中の色(例えば、紫色)とは異なる色(例えば、緑色又は青色)のカラー照明光に制御してもよい。
【0029】
制御装置3(図1参照)は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、制御装置3としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0030】
(3)制御方法及びプログラム
実施形態1に係る制御方法は、施設200内に配置される複数の照明装置1を制御する制御方法である。実施形態1に係る制御方法では、施設200内に配置される照明装置1を制御する制御方法であって、照明装置1による照明対象空間に除菌物質が存在している情報を取得した場合に、照明対象空間に除菌物質の存在を示すサインを提示するように照明装置1の照明光を白色とは異なる色のカラー照明光に制御する。
【0031】
実施形態1に係るプログラムは、コンピュータシステム(制御装置3)に、上述の制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0032】
(4)環境制御システム
環境制御システムは、照明システム10と、複数の除菌装置6と、複数の赤外線画像センサ7と、を備える。環境制御システムでは、例えば、赤外線画像センサ7によって照明対象空間の人P10の存否を更に検出し、照明対象空間に人P10が滞在している状態から滞在していない状態になったときに、制御装置3が、除菌装置6を制御して除菌装置6による除菌処理を開始させる。これにより、環境制御システムでは、施設200内の人P10が、除菌処理中の照明対象空間と除菌処理が終了している照明対象空間とを視覚的に判断することが可能となる。また、環境制御システムでは、施設200を利用している人P10の感染症リスクの低減への貢献を期待できる。また、環境制御システムでは、制御装置3が除菌装置6に除菌処理を開始させる時点よりも所定時間だけ前の時点から、除菌処理の際のカラー照明光とは異なる色(例えば、赤色)のカラー照明光を照明装置1から出力させることによって除菌処理の開始を予告するように構成されていてもよい。
【0033】
(5)まとめ
実施形態1に係る照明システム10は、複数の照明装置1と、制御装置3と、を備える。複数の照明装置1は、施設200内に配置される。制御装置3は、除菌装置6から供給される除菌物質が照明装置1による照明対象空間に存在している情報を取得した場合に、照明対象空間に除菌物質の存在を示すサインを提示するように照明装置1の照明光を白色とは異なる色のカラー照明光に制御する。これにより、実施形態1に係る照明システム10では、施設200内の照明対象空間を利用している人P10に、より適切な環境を提供することが可能となる。ここにおいて、照明システム10は、制御装置3が照明対象空間に除菌物質が存在する情報を取得したときには照明装置1を、照明対象空間に除菌物質が存在すること(机220、椅子230等を除菌処理中であること)を示すサインを提示するサイネージ用照明の用途として利用することができる。図5では、複数(例えば、12)の照明装置1のうち白色とは異なる色(例えば、紫色)のカラー照明光を照らしている1つの照明装置1の光出射面にドットハッチングを施し、白色の照明光を照らしている照明装置1の光出射面にはドットハッチングを施していない。また、図5では、複数の机220のうちカラー照明光が照射されている机220の天面と、この机220の近くにある2つの椅子230の座面とに、ドットハッチングを施してある。また、照明システム10は、制御装置3が照明対象空間に除菌物質が存在している情報を取得していないときには、その照明対象空間に対応する照明装置1を、施設200の対象空間201を照明する主照明の用途として利用できる。
【0034】
また、実施形態1に係る環境制御システムは、照明システム10と、複数の除菌装置6と、複数の赤外線画像センサ7と、を備える。これにより、実施形態1に係る環境制御システムは、照明対象空間の除菌物質の存否に基づいて複数の照明装置1を制御することが可能となる。また、環境制御システムでは、施設200を利用している人P10の感染症リスクの低減への貢献を期待できる。
【0035】
(6)実施形態1に係る照明システムにおける照明装置の変形例
(6.1)変形例1
複数の照明装置1の各々の備える光源11は、例えば、図6に示すように、第1青色LED111と、第2青色LED112と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、可視光LED13(以下、第1可視光LED13ともいう)と、可視光LED14(以下、第2可視光LED14ともいう)と、を有している。
【0036】
第1青色LED111は、第1青色光を放射する。第2青色LED112は、第2青色光を放射する。第1波長変換部121は、第1青色光によって励起されて緑色光を放射する緑色蛍光体粒子を含む。第2波長変換部122は、第2青色光によって励起されて赤色光を放射する赤色蛍光体粒子を含む。第1可視光LED13は、第1青色光及び第2青色光及び白色光とは異なる色の可視光(以下、第1可視光ともいう)を放射する。第2可視光LED14は、第1青色光及び第2青色光及び白色光とは異なる色の可視光(以下、第2可視光ともいう)を放射する。第2青色光のピーク波長は、第1青色光のピーク波長と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1可視光は、例えば、赤色光である。第2可視光は、例えば、緑色光である。第1可視光と第2可視光とは互いに異なる色に限らず、同じ色であってもよい。また、光源11は、第1可視光LED13と第2可視光LED14との両方を含んでいる場合に限らず、少なくとも一方を含んでいればよい。
【0037】
第1青色LED111と、第2青色LED112と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、第1可視光LED13と、第2可視光LED14とは、実装基板110に設けられている。また、光源11は、1つの実装基板110上に、第1青色LED111と、第2青色LED112と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、第1可視光LED13と、第2可視光LED14とのセットを複数有している。
【0038】
複数の照明装置1の各々は、複数の第1青色LED111を駆動する駆動回路と、複数の第2青色LED112を駆動する駆動回路と、複数の第1可視光LEDを駆動する駆動回路と、複数の第2可視光LED14を駆動する駆動回路と、各駆動回路を制御する制御回路と、を備える。
【0039】
変形例1では、照明装置1を主照明用途で利用するときに、照明装置1の照明光の演色性を向上させることが可能となる。
【0040】
(6.2)変形例2
複数の照明装置1の各々の備える光源11は、例えば、図7に示すように、第1紫色LED131と、第2紫色LED132と、第3紫色LED133と、第1波長変換部141と、第2波長変換部142と、第3波長変換部143と、を有する。また、光源11は、可視光LED15を更に有する。
【0041】
第1紫色LED131は、第1紫色光を放射する。第2紫色LED132は、第2紫色光を放射する。第3紫色LED133は、第3紫色光を放射する。第1波長変換部141は、第1紫色光によって励起されて青色光を放射する青色蛍光体粒子を含む。第2波長変換部142は、第2紫色光によって励起されて緑色光を放射する緑色蛍光体粒子を含む。第3波長変換部143は、第3紫色光によって励起されて赤色光を放射する赤色蛍光体粒子を含む。可視光LED15は、可視光(例えば、赤色光)を放射する。第1紫色光と、第2紫色光と、第3紫色光とは、互いにピーク波長が同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。可視光LED15から放射される可視光は、赤色光に限らず、例えば、緑色光であってもよい。また、光源11は、可視光LED15を有していない構成であってもよい。
【0042】
第1紫色LED131と、第2紫色LED132と、第3紫色LED133と、第1波長変換部141と、第2波長変換部142と、第3波長変換部143と、可視光LED15とは、実装基板110に設けられている。また、光源11は、1つの実装基板110上に、第1紫色LED131と、第2紫色LED132と、第3紫色LED133と、第1波長変換部141と、第2波長変換部142と、第3波長変換部143と、可視光LED15とのセットを複数有している。
【0043】
複数の照明装置1の各々は、複数の第1紫色LED131を駆動する駆動回路と、複数の第2紫色LED132を駆動する駆動回路と、複数の第3紫色LED133を駆動する駆動回路と、複数の可視光LED15を駆動する駆動回路と、各駆動回路を制御する制御回路と、を備える。
【0044】
変形例2では、照明装置1を主照明用途で利用するときに、照明装置1の照明光の演色性を向上させることが可能となる。
【0045】
(6.3)変形例3
複数の照明装置1の各々の備える光源11は、例えば、図8に示すように、第1青色LED111と、第2青色LED112と、第3青色LED113と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、第3波長変換部123と、を有する。第1青色LED111は、第1青色光を放射する。第2青色LED112は、第2青色光を放射する。第3青色LED113は、第3青色光を放射する。第1波長変換部121は、第1青色光によって励起されて第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する。第2波長変換部122は、第2青色光によって励起されて第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する。第3波長変換部123は、第3青色光によって励起されて第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する。第1中間色と第2中間色と第3中間色とは互いに異なる色である。第1青色LED111と、第2青色LED112と、第3青色LED113と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、第3波長変換部123とは、実装基板110に設けられている。また、光源11は、1つの実装基板110上に、第1青色LED111と、第2青色LED112と、第3青色LED113と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、第3波長変換部123とのセットを複数有している。
【0046】
複数の照明装置1の各々は、複数の第1青色LED111を駆動する駆動回路と、複数の第2青色LED112を駆動する駆動回路と、複数の第3青色LED113を駆動する駆動回路と、各駆動回路を制御する制御回路と、を備える。
【0047】
変形例3では、照明装置1を主照明用途で利用するときに、照明装置1の照明光の演色性を向上させることが可能となる。
【0048】
(6.4)変形例4
複数の照明装置1の各々の備える光源11は、例えば、図9に示すように、第1青色LED111と、第2青色LED112と、第3青色LED113と、第4青色LED114と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、第3波長変換部123と、第4波長変換部124と、を有する構成であってもよい。第1青色LED111は、第1青色光を放射する。第2青色LED112は、第2青色光を放射する。第3青色LED113は、第3青色光を放射する。第4青色LED114は、第4青色光を放射する。第1波長変換部121は、第1青色光によって励起されて第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する。第2波長変換部122は、第2青色光によって励起されて第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する。第3波長変換部123は、第3青色光によって励起されて第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する。第4波長変換部124は、第4青色光によって励起されて第4青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色、緑色、赤色とは異なる色から白色までの第4中間色の光を発する。第1中間色と第2中間色と第3中間色と第4中間色とは互いに異なる色である。第1青色LED111と、第2青色LED112と、第3青色LED113と、第4青色LED114と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、第3波長変換部123と、第4波長変換部124とは、実装基板110に設けられている。また、光源11は、1つの実装基板110上に、第1青色LED111と、第2青色LED112と、第3青色LED113と、第4青色LED114と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、第3波長変換部123と、第4波長変換部124とのセットを複数有している。
【0049】
複数の照明装置1の各々は、複数の第1青色LED111を駆動する駆動回路と、複数の第2青色LED112を駆動する駆動回路と、複数の第3青色LED113を駆動する駆動回路と、複数の第4青色LED114を駆動する駆動回路と、各駆動回路を制御する制御回路と、を備える。
【0050】
変形例4では、照明装置1を主照明用途で利用するときに、照明装置1の照明光の演色性を向上させることが可能となる。
【0051】
(6.5)変形例5
複数の照明装置1の各々の備える光源11は、例えば、図10に示すように、第1青色LED111と、第2青色LED112と、第3青色LED113と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、第3波長変換部123と、可視光LED16と、を有する構成であってもよい。第1青色LED111は、第1青色光を放射する。第2青色LED112は、第2青色光を放射する。第3青色LED123は、第3青色光を放射する。第1波長変換部121は、第1青色光によって励起されて第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する。第2波長変換部122は、第2青色光によって励起されて第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する。第3波長変換部123は、第3青色光によって励起されて第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する。可視光LED16は、第1青色光、第2青色光、第3青色光、第1中間色の光、第2中間色の光、第3中間色の光及び白色光とは異なる色の可視光を放射する。第1中間色と第2中間色と第3中間色とは互いに異なる色である。第1青色LED111と、第2青色LED112と、第3青色LED113と、可視光LED16と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、第3波長変換部123とは、実装基板110に設けられている。また、光源11は、1つの実装基板110上に、第1青色LED111と、第2青色LED112と、第3青色LED113と、可視光LED16と、第1波長変換部121と、第2波長変換部122と、第3波長変換部123とのセットを複数有している。
【0052】
複数の照明装置1の各々は、複数の第1青色LED111を駆動する駆動回路と、複数の第2青色LED112を駆動する駆動回路と、複数の第3青色LED113を駆動する駆動回路と、複数の可視光LED16を駆動する駆動回路と、各駆動回路を制御する制御回路と、を備える。
【0053】
変形例5では、照明装置1を主照明用途で利用するときに、照明装置1の照明光の演色性を向上させることが可能となる。
【0054】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る照明システム10aについて、図11に基づいて説明する。実施形態2に係る照明システム10aに関し、実施形態1に係る照明システム10と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0055】
照明システム10aは、複数(例えば、9つ)の照明装置1である複数(例えば、9つ)の第1照明装置1とは別体であり施設200内に配置される複数(例えば、12個)の第2照明装置2を更に備える。
【0056】
複数の第2照明装置2の照明光は、白色光である。ここにおいて、複数の第2照明装置2の照明光は、相関色温度が2700K以上6000K以下の白色光である。
【0057】
制御装置3は、複数の照明装置1及び複数の第2照明装置2を制御する。制御装置3は、複数の第2照明装置2の識別情報及び位置情報を記憶している。
【0058】
照明システム10aでは、複数の第2照明装置2は、一方向において複数の第1照明装置1のうち1又は2の照明装置1に隣り合うように配置されている。複数の第1照明装置1の各々の光出射面は、長方形状である。複数の第2照明装置2の各々の光出射面は、長方形状である。照明システム10aでは、各第1照明装置1の光出射面の面積は、各第2照明装置2の光出射面の面積よりも小さい。照明システム10aでは、各第1照明装置1の照明エリアは、第2照明装置2の照明エリアよりも狭い。
【0059】
照明システム10aは、複数の第2照明装置2の照明光を主照明として利用することができる。
【0060】
照明システム10aでは、制御装置3は、除菌装置6から供給される除菌物質が複数の照明装置1のうち少なくとも1つの照明装置1の照明対象空間に存在している情報を取得した場合に、当該少なくとも1つの照明装置1の照明対象空間に除菌物質の存在を示すサインを提示するように当該少なくとも1つの照明装置1の照明光を白色とは異なる色のカラー照明光に制御する。これにより、実施形態2に係る照明システム10aでは、施設200内の照明対象空間を利用している人P10に、より適切な環境を提供することが可能となる。また、照明システム10aでは、カラー照明光と当該カラー照明光を出力している第1照明装置1とを情報の媒体として活用することが可能となる。図11では、複数(例えば、9)の第1照明装置1のうち白色とは異なる色(例えば、赤色)のカラー照明光を照らしている1つの第1照明装置1の光出射面にドットハッチングを施し、白色の照明光を照らしている第1照明装置1の光出射面にはドットハッチングを施していない。また、図11では、複数の机220のうちカラー照明光が照射されている机220の天面と、この机220の近くにある2つの椅子230の座面とに、ドットハッチングを施してある。
【0061】
照明システム10aでは、複数の第2照明装置2の各々は、照明光の相関色温度を調整可能であってもよい。
【0062】
(変形例)
上記の実施形態1、2は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態1、2は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能であり、構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0063】
例えば、制御装置3では、照明装置1の位置情報、照明装置1の照明エリア、除菌装置6の位置情報、赤外線画像センサ7の位置情報、机220の位置情報等に基づいて、制御部33の有するメモリに、1つの除菌装置6の識別情報及び1つの赤外線画像センサ7の識別情報を1つの照明装置1の識別情報に対応付けて記憶されていてもよいし、1つの除菌装置6の識別情報及び1つの赤外線画像センサ7の識別情報を2以上の照明装置1の識別情報に対応付けて記憶されていてもよい。
【0064】
また、照明システム10の備える照明装置1の数は、複数に限らず、1つであってもよい。
【0065】
また、照明装置1又は照明システム10が、除菌装置6と赤外線画像センサ7とを備えていてもよい。
【0066】
また、照明装置1は、施設200において天井202に配置される照明装置に限らず、例えば、壁面又は床面に配置される照明装置であってもよい。
【0067】
また、照明装置1は、例えば、ダウンライト、スポットライトであってもよい。照明システム10は、複数の照明装置1が配光特性の異なる複数種類の照明装置を含んでいてもよい。これにより、照明システム10は、照明光をアンビエント照明として出力する照明装置と、照明光をタスク照明として出力する照明装置と、を含むことが可能となり、タスクアンビエント照明を実現することが可能となる。
【0068】
また、照明装置1は、光源と導光板とで照明光の配向を決めるように構成された照明装置であってもよい。
【0069】
また、除菌装置6は、次亜塩素酸のミストを発生するミスト発生装置に限らず、除菌用アルコールのミストを発生するミスト発生装置であってもよい。この場合、除菌物質は、除菌用アルコールである。
【0070】
また、除菌装置6は、ラジカルを含む帯電微粒子水を発生する静電霧化装置であってもよい。この場合、除菌物質は、ラジカルを含む帯電微粒子水である。
【0071】
また、制御装置3の制御部33の有するメモリでは、1つの赤外線画像センサ7の識別情報を2以上の照明装置1の識別情報に対応付けて記憶されていてもよい。
【0072】
また、制御装置3は、例えば、施設200の施設情報を記憶している管理装置と通信ネットワークを介して接続可能であってもよい。この場合、制御装置3は、施設200の施設情報を参照して照明装置1の位置情報と除菌装置6の位置情報と赤外線画像センサ7の位置情報とに基づいて照明装置1と除菌装置6と赤外線画像センサ7とを対応付けてもよい。管理装置は、例えば、サーバである。通信ネットワークは、インターネットを含み得る。通信ネットワークは、単一の通信プロトコルに準拠したネットワークだけではなく、異なる通信プロトコルに準拠した複数のネットワークで構成されていてもよい。通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。通信ネットワークは、例えば、リピータハブ、スイッチングハブ、ブリッジ、ゲートウェイ、ルータ等のデータ通信機器を含み得る。
【0073】
施設情報は、例えば、施設200の構造を表す3次元データの一部又は全体である。3次元データは、コンピュータを用いて構築される仮想空間において施設200を表現するデータである。この種の3次元データは、例えば、BIM(Building Information Modeling)データである。以下では、3次元データを、「BIMデータ」という。
【0074】
BIMデータには、施設200の形状及び寸法を表すデータだけではなく、施設200を構成する部材に関するデータ、施設200に配置された設備機器に関するデータのように、施設200に関連する多種類のデータが統合されている。また、BIMデータには、施設200の基準位置の緯度・経度の情報、及び施設200の向きに関する情報が含まれている。つまり、BIMデータは、施設200を建てるためのデータだけではなく、施設200に関連する様々なデータの総体を表している。BIMデータは、例えば3次元CAD(Computer Aided Design)システムを用いて表現された情報であって、施設200の形状及び寸法を表すデータを用いて作成される。BIMデータを用いることで、例えばディスプレイに施設200の全体又は部分を表す図形を表示することが可能である。BIMデータは、施設200に応じて階層化されている。BIMデータは、例えば施設200の全体を正面図若しくは斜視図で表す情報、施設200の複数のフロアそれぞれを平面図若しくは斜視図で表す情報、又は一つのフロアを平面図若しくは斜視図で表す情報を含んでいる。例えば、BIMデータは、施設200である1つの建物全体の斜視図を表すデータ、建物内の1つのフロアの平面図を表すデータ、又は部屋を内側から見た斜視図を表すデータ等を含む。施設情報(BIMデータ)及び位置情報の表示は、いずれも例えばJava(登録商標)等のプログラム言語で記述されたプログラムを実行可能なソフトウェアを用いれば可能である。例えば、WebGL(Web Graphics Library)に対応したウェブブラウザであれば、施設200の3次元データを表示部に表示することが可能である。
【0075】
(態様)
以上説明した実施形態1、2等から、本明細書には以下の態様が開示されている。
【0076】
第1の態様に係る照明システム(10;10a)は、照明装置(1)と、制御装置(3)と、を備える。照明装置(1)は、施設(200)内に配置される。制御装置(3)は、除菌装置(6)から供給される除菌物質が照明装置(1)による照明対象空間に存在している情報を取得した場合に、照明対象空間に除菌物質の存在を示すサインを提示するように照明装置(1)の照明光を白色とは異なる色のカラー照明光に制御する。
【0077】
第1の態様に係る照明システム(10;10a)は、施設(200)内の照明対象空間を利用している人(P10)に、より適切な環境を提供することが可能となる。
【0078】
第2の態様に係る照明システム(10;10a)では、第1の態様において、制御装置(3)は、除菌物質が存在しなくなった情報を取得した場合に、除菌処理が終了したことを示すサインを提示するように照明装置(1)の照明光を制御する。
【0079】
第2の態様に係る照明システム(10;10a)は、除菌処理が終了したことを照明装置(1)の照明光によって知らせることが可能となる。
【0080】
第3の態様に係る照明システム(10;10a)では、第1又は2の態様において、除菌物質は、次亜塩素酸又は除菌用アルコールである。
【0081】
第4の態様に係る照明システム(10;10a)は、第1~3の態様のいずれか一つにおいて、照明装置(1)を複数備える。制御装置(3)は、複数の照明装置(1)のうちサインを提示する少なくとも1つの照明装置(1)を制御する。
【0082】
第5の態様に係る照明システム(10;10a)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、照明装置(1)は、青色光を放射する青色LED(11B)と、緑色光を放射する緑色LED(11G)と、赤色光を放射する赤色LED(11R)と、白色光を放射する白色LED(11W)と、を有する光源(11)を備える。
【0083】
第5の態様に係る照明システム(10;10a)では、カラー照明光の色の自由度が高くなる。
【0084】
第6の態様に係る照明システム(10;10a)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、照明装置(1)は、第1青色LED(111)と、第2青色LED(112)と、第1波長変換部(121)と、第2波長変換部(122)と、可視光LED(13、14)と、を有する光源(11)を備える。第1青色LED(111)は、第1青色光を放射する。第2青色LED(112)は、第2青色光を放射する。第1波長変換部(121)は、第1青色光によって励起されて緑色光を放射する緑色蛍光体粒子を含む。第2波長変換部(122)は、第2青色光によって励起されて赤色光を放射する赤色蛍光体粒子を含む。可視光LED(13、14)は、第1青色光及び前記第2青色光及び白色光とは異なる色の可視光を放射する。
【0085】
第6の態様に係る照明システム(10;10a)では、第5の態様と比べて、照明装置(1)を主照明用途で利用するときの照明装置(1)の照明光の演色性を向上させることが可能となる。
【0086】
第7の態様に係る照明システム(10;10a)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、照明装置(1)は、第1紫色LED(131)と、第2紫色LED(132)と、第3紫色LED(133)と、第1波長変換部(141)と、第2波長変換部(142)と、第3波長変換部(143)と、を有する光源(11)を備える。第1紫色LED(131)は、第1紫色光を放射する。第2紫色LED(132)は、第2紫色光を放射する。第3紫色LED(133)は、第3紫色光を放射する。第1波長変換部(141)は、第1紫色光によって励起されて青色光を放射する青色蛍光体粒子を含む。第2波長変換部(142)は、第2紫色光によって励起されて緑色光を放射する緑色蛍光体粒子を含む。第3波長変換部(143)は、第3紫色光によって励起されて赤色光を放射する赤色蛍光体粒子を含む。
【0087】
第7の態様に係る照明システム(10;10a)では、第5の態様と比べて、照明装置(1)を主照明用途で利用するときの照明装置(1)の照明光の演色性を向上させることが可能となる。
【0088】
第8の態様に係る照明システム(10;10a)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、照明装置(1)は、第1青色LED(111)と、第2青色LED(112)と、第3青色LED(113)と、第1波長変換部(121)と、第2波長変換部(122)と、第3波長変換部(123)と、を有する光源(11)を備える。第1青色LED(111)は、第1青色光を放射する。第2青色LED(112)は、第2青色光を放射する。第3青色LED(113)は、第3青色光を放射する。第1波長変換部(121)は、第1青色光によって励起されて第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する。第2波長変換部(122)は、第2青色光によって励起されて第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する。第3波長変換部(123)は、第3青色光によって励起されて第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する。
【0089】
第8の態様に係る照明システム(10;10a)では、第5の態様と比べて、照明装置(1)を主照明用途で利用するときの照明装置(1)の照明光の演色性を向上させることが可能となる。
【0090】
第9の態様に係る照明システム(10;10a)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、照明装置(1)は、第1青色LED(111)と、第2青色LED(112)と、第3青色LED(113)と、第4青色LED(114)と、第1波長変換部(121)と、第2波長変換部(122)と、第3波長変換部(123)と、第4波長変換部(124)と、を有する光源(11)を備える。第1青色LED(111)は、第1青色光を放射する。第2青色LED(112)は、第2青色光を放射する。第3青色LED(113)は、第3青色光を放射する。第4青色LED(114)は、第4青色光を放射する。第1波長変換部(121)は、第1青色光によって励起されて第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する。第2波長変換部(122)は、第2青色光によって励起されて第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する。第3波長変換部(123)は、第3青色光によって励起されて第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する。第4波長変換部(124)は、第4青色光によって励起されて第4青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色、緑色、赤色とは異なる色から白色までの第4中間色の光を発する。
【0091】
第9の態様に係る照明システム(10;10a)では、第5の態様と比べて、照明装置(1)を主照明用途で利用するときの照明装置(1)の照明光の演色性を向上させることが可能となる。
【0092】
第10の態様に係る照明システム(10;10a)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、照明装置(1)は、第1青色LED(111)と、第2青色LED(112)と、第3青色LED(113)と、第1波長変換部(121)と、第2波長変換部(122)と、第3波長変換部(123)と、可視光LED(16)と、を有する光源(11)を備える。第1青色LED(111)は、第1青色光を放射する。第2青色LED(112)は、第2青色光を放射する。第3青色LED(113)は、第3青色光を放射する。第1波長変換部(121)は、第1青色光によって励起されて第1青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの第1中間色の光を発する。第2波長変換部(122)は、第2青色光によって励起されて第2青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの第2中間色の光を発する。第3波長変換部(123)は、第3青色光によって励起されて第3青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの第3中間色の光を発する。可視光LED(16)は、第1青色光、第2青色光、第3青色光、第1中間色の光、第2中間色の光、第3中間色の光及び白色光とは異なる色の可視光を放射する。
【0093】
第10の態様に係る照明システム(10;10a)では、第5の態様と比べて、照明装置(1)を主照明用途で利用するときの照明装置(1)の照明光の演色性を向上させることが可能となる。
【0094】
第11の態様に係る照明システム(10a)は、第1~10の態様のいずれか一つにおいて、照明装置(1)である第1照明装置(1)とは別体であり施設(200)内に配置される第2照明装置(2)を更に備える。第2照明装置(2)の照明光は、相関色温度が2700K以上6000K以下の白色光である。制御装置(3)は、第2照明装置(2)を制御する。
【0095】
第11の態様に係る照明システム(10a)は、第2照明装置(2)を主照明の用途に利用することが可能となる。
【0096】
第12の態様に係る制御方法は、施設(200)内に配置される照明装置(1)を制御する制御方法であって、照明装置(1)による照明対象空間に除菌物質が存在している情報を取得した場合に、照明対象空間に除菌物質の存在を示すサインを提示するように照明装置(1)の照明光を白色とは異なる色のカラー照明光に制御する。
【0097】
第12の態様に係る制御方法は、施設(200)内の照明対象空間を利用している人(P10)に、より適切な環境を提供することが可能となる。
【0098】
第13の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、第12の態様に係る制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0099】
第13の態様に係るプログラムは、施設(200)内の照明対象空間を利用している人(P10)に、より適切な環境を提供することが可能となる。
【0100】
第14の態様に係る環境制御システムは、第1~11の態様のいずれか一つの照明システム(10;10a)と、除菌物質を発生する除菌装置(6)と、を備える。
【0101】
第14の態様に係る環境制御システムは、施設(200)内の照明対象空間を利用している人(P10)に、より適切な環境を提供することが可能となる。
【0102】
第15の態様に係る環境制御システムは、第14の態様において、赤外線画像センサ(7)を更に備える。赤外線画像センサ(7)は、照明対象空間に赤外線光源から赤外線を放射して照明対象空間を撮像することで生成した画像に基づいて、照明対象空間の除菌物質の存否を検出する。制御装置(3)は、赤外線画像センサ(7)の検出結果に基づいて照明装置(1)を制御する。
【0103】
第15の態様に係る環境制御システムは、照明対象空間の除菌物質の存否に基づいて照明装置(1)を制御することが可能となる。
【0104】
第16の態様に係る照明システム(10;10a)では、第1~4の態様のいずれか一つにおいて、
照明装置(1)は、
青色光を放射する青色LED、
青緑色光を放射する青緑色LED、
緑色光を放射する緑色LED、
黄色光を放射する黄色LED、
橙色光を放射する橙色LED、
赤色光を放射する赤色LED、
青色光を放射する青色LEDと、当該青色光によって励起されて当該青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの中間色の光を発する波長変換部と、を有する青色光源、
青色光を放射する青色LEDと、当該青色光によって励起されて当該青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青緑色から白色までの中間色の光を発する波長変換部を有する青緑色光源、
青色光を放射する青色LEDと、当該青色光によって励起されて当該青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの中間色の光を発する波長変換部を備える緑色光源、
青色光を放射する青色LEDと、当該青色光によって励起されて当該青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、黄色から白色までの中間色の光を発する波長変換部を備える黄色光源、
青色光を放射する青色LEDと、当該青色光によって励起されて当該青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、橙色から白色までの中間色の光を発する波長変換部を備える橙色光源、
青色光を放射する青色LEDと、当該青色光によって励起されて当該青色光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの中間色の光を発する波長変換部を備える赤色光源、
紫色光より短波長の光を放射するLEDと、当該短波長の光によって励起されて当該短波長の光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青色から白色までの中間色の光を発する波長変換部を備える青色光源、
紫色光より短波長の光を放射するLEDと、当該短波長の光によって励起されて当該短波長の光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、青緑色から白色までの中間色の光を発する波長変換部を備える青緑色光源、
紫色光より短波長の光を放射するLEDと、当該短波長の光によって励起されて当該短波長の光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、緑色から白色までの中間色の光を発する波長変換部を備える緑色光源、
紫色光より短波長の光を放射するLEDと、当該短波長の光によって励起されて当該短波長の光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、黄色から白色までの中間色の光を発する波長変換部を備える黄色光源、
紫色光より短波長の光を放射するLEDと、当該短波長の光によって励起されて当該短波長の光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、橙色から白色までの中間色の光を発する波長変換部を備える橙色光源、
紫色光より短波長の光を放射するLEDと、当該短波長の光によって励起されて当該短波長の光よりも長波長の光を放射する蛍光体粒子を含み、赤色から白色までの中間色の光を発する波長変換部を備える赤色光源、
のうちの少なくとも3種以上を有する。
【符号の説明】
【0105】
1 照明装置(第1照明装置)
2 第2照明装置
3 制御装置
6 除菌装置
7 赤外線画像センサ
11 光源
11R 赤色LED
11G 緑色LED
11B 青色LED
11W 白色LED
111 第1青色LED
112 第2青色LED
13 可視光LED
14 可視光LED
121 第1波長変換部
122 第2波長変換部
123 第3波長変換部
124 第4波長変換部
131 第1紫色LED
132 第2紫色LED
133 第3紫色LED
141 第1波長変換部
142 第2波長変換部
143 第3波長変換部
15 可視光LED
16 可視光LED
10、10a 照明システム
200 施設
201 対象空間
P10 人
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
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図10
図11