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特許7499609垂直接触型プローブ、プローブカード及びソケット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】垂直接触型プローブ、プローブカード及びソケット
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20240607BHJP
   H01R 33/76 20060101ALI20240607BHJP
   H01L 23/32 20060101ALI20240607BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
G01R1/073 E
H01R33/76 Z
H01L23/32 A
H01L21/66 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020087527
(22)【出願日】2020-05-19
(65)【公開番号】P2021181933
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520175994
【氏名又は名称】株式会社高田RF技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】土屋 昌俊
(72)【発明者】
【氏名】高田 透
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-327689(JP,A)
【文献】特開2011-204401(JP,A)
【文献】国際公開第2009/147929(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/075220(WO,A1)
【文献】特開2009-193710(JP,A)
【文献】特開平9-330777(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0270057(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/073
G01R 31/26
H01R 33/76
H01L 23/32
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ICあるいはパッケージド半導体の電極と回路基板の電極端子に接触させた状態で半導体素子を検査するための垂直接触型プローブであって、
エラストマコネクタと、1本以上の第1針状導電部材と、1本以上の第2針状導電部材と、第1ホルダと、第2ホルダと、を備え、
前記エラストマコネクタは、エラストマシートと、前記エラストマシートの厚み方向に挿通された複数の金属細線と、を備え、
前記第1ホルダに形成された凹部内に前記エラストマコネクタが嵌め込まれた状態で、前記エラストマコネクタが前記第1ホルダと前記第2ホルダに挟持されることによって保持されており、
前記第1針状導電部材は、前記第1ホルダに形成された貫通孔に挿入されることにより、前記エラストマコネクタの第1面側に、前記第1針状導電部材の第1端が前記金属細線に接し、前記エラストマシートの厚み方向に延在した状態で前記第1ホルダによって保持され、かつ前記貫通孔内で前記第1針状導電部材の長さ方向に前記第1ホルダに対して相対的に移動でき、
前記第2針状導電部材は、前記第2ホルダに形成された貫通孔に挿入されることにより、前記エラストマコネクタの第2面側に、前記第2針状導電部材の第1端が前記金属細線に接し、前記エラストマシートの厚み方向に延在した状態で前記第2ホルダによって保持され、かつ前記貫通孔内で前記第2針状導電部材の長さ方向に前記第2ホルダに対して相対的に移動でき、
前記第2針状導電部材の第2端が前記電極端子に接触された状態で、前記第1針状導電部材の第2端を前記電極に接触させて前記半導体素子を検査する、垂直接触型プローブ。
【請求項2】
前記第2針状導電部材の形状が、第1端と第2端がともに平坦な円柱状である、請求項1に記載の垂直接触型プローブ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の垂直接触型プローブと、電極端子を備える回路基板と、を備え、
前記垂直接触型プローブは、前記第1針状導電部材が前記エラストマコネクタの下側に位置し、前記第2針状導電部材が前記エラストマコネクタの上側に位置し、
前記回路基板は、前記第2針状導電部材の第2端が前記電極端子に接触した状態で前記垂直接触型プローブの上側に設けられている、プローブカード。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の垂直接触型プローブと、電極端子を備える回路基板と、パッケージド半導体を着脱自在に装着するための装着部が設けられたソケット本体と、を備え、
前記垂直接触型プローブは、前記第1針状導電部材が前記エラストマコネクタの上側に位置し、前記第2針状導電部材が前記エラストマコネクタの下側に位置し、
前記回路基板は、前記第2針状導電部材の第2端が前記電極端子に接触した状態で前記垂直接触型プローブの下側に設けられ、
前記ソケット本体は、前記装着部に装着したパッケージド半導体の電極が前記第1針状導電部材の第2端に接触するように位置決めされて前記垂直接触型プローブの上側に設けられている、ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直接触型プローブ、プローブカード及びソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
BGA(Ball Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、QFP(Quad Flat Package)、CSP(Chip Size Package)等の半導体デバイスはICチップがパッケージの中に搭載されたものである。このようなパッケージ化された半導体デバイスの製造においては、多数の半導体ICが形成されている半導体ウェハー内の各半導体ICをウェハー状態で電気検査(オンウェハー検査)した後にウェハーを切断することにより矩形状にチップ化する。チップ化されたものをICチップと呼ぶ。その後、オンウェハー検査において選別された良品のICチップをセラミックやプラスチックで作られたパッケージの中に搭載し、パッケージ化する。その後、パッケージ化されたもの(パッケージド半導体と呼ぶ)を最終的に電気検査する工程を行う。オンウェハー検査においては測定対象である半導体IC(DUT)の電極にプローブカードに取り付けられたプローブを接触させて測定器と電気接続を行う。一方、パッケージド半導体の検査においては、測定対象である個別のパッケージド半導体(DUT)をソケットに挿入装着し、パッケージの電極をソケット内に取り付けられたプローブに接触させて測定器と電気接続を行う。
ここでは前記半導体ICと前記パッケージド半導体を合わせて半導体素子と呼ぶ。本発明は半導体素子を検査するためのプローブカードとソケットの双方に適用できるプローブに関するものである。
【0003】
特許文献1には、エラストマシートに複数の金属細線が斜めに挿通されたエラストマコネクタの上側に、ホルダで保持された導電性の針状部材と、装着部を有するソケット本体を設け、エラストマコネクタの下側に回路基板を設けたソケットが開示されている。前記ソケットでは、回路基板の電極端子が金属細線の下端に接触しており、針状部材の下端が金属細線の上端に接触している。また、ソケット本体の装着部にDUTを装着したとき、DUTの電極が針状部材の上端に接触することで、DUTの電極と回路基板の電極端子とが金属細線及び針状部材を介して接続され、DUTの検査が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3233193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のようなソケットでは、検査時にDUTを接触させたとき、エラストマコネクタが厚み方向に圧縮変形する。そのため、エラストマコネクタの圧縮変形に伴って斜めに挿通されている金属細線がさらに傾斜し、金属細線の先端がエラストマコネクタの面方向にスライドして回路基板の電極に擦れる。回路基板として一般に用いられるFR-4等のPCB(Printed Circuit Board)は、回路パターンを形成するCu等の金属膜の厚みが数10μmオーダーであり、検査時に金属細線の先端が繰り返し擦れても検査に問題は生じにくい。
【0006】
一方、半導体ICの電極あるいはパッケージド半導体の電極はともにファインピッチ化が進んでおり、プローブカードによる半導体ICのオンウェハー検査においても、ソケットによるパッケージド半導体の検査においてもファインピッチ化した電極端子を有する回路基板が必要である。回路基板の回路パターンのファインピッチ化には軟らかくて薄いAu薄膜が主に用いられる。そのため、特許文献1のソケットに用いられるようなプローブでは、繰り返し金属細線が擦れることによって回路基板のAu薄膜が消耗しやすく、充分な耐久性を得ることが難しい。
【0007】
また、半導体素子は高周波化も進んでいるため、プローブカードやソケットに用いられるプローブは、動作周波数が極めて高いDUTの高周波検査に適用できることも重要である。
【0008】
本発明は、電極間隔が小さい半導体素子(DUT)即ち半導体ICあるいはパッケージド半導体の検査においても耐久性に優れ、かつ、動作周波数が高いDUTの高周波検査にも対応できる垂直接触型プローブ、前記垂直接触型プローブを備えるプローブカード及びソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の構成を有する。
[1]半導体ICあるいはパッケージド半導体の電極と回路基板の電極端子に接触させた状態で半導体素子を検査するための垂直接触型プローブであって、エラストマコネクタと、1本以上の第1針状導電部材と、1本以上の第2針状導電部材と、第1ホルダと、第2ホルダと、を備え、前記エラストマコネクタは、エラストマシートと、前記エラストマシートの厚み方向に挿通された複数の金属細線と、を備え、前記第1針状導電部材は、前記エラストマコネクタの第1面側に、前記第1針状導電部材の第1端が前記金属細線に接し、前記エラストマシートの厚み方向に延在した状態で前記第1ホルダによって保持され、前記第2針状導電部材は、前記エラストマコネクタの第2面側に、前記第2針状導電部材の第1端が前記金属細線に接し、前記エラストマシートの厚み方向に延在した状態で前記第2ホルダによって保持され、前記第2針状導電部材の第2端が前記電極端子に接触された状態で、前記第1針状導電部材の第2端を前記電極に接触させて前記半導体素子を検査する、垂直接触型プローブ。
[2]前記第2針状導電部材の形状が、第1端と第2端がともに平坦な円柱状である、[1]に記載の垂直接触型プローブ。
[3][1]又は[2]に記載の垂直接触型プローブと、電極端子を備える回路基板と、を備え、前記垂直接触型プローブは、前記第1針状導電部材が前記エラストマコネクタの下側に位置し、前記第2針状導電部材が前記エラストマコネクタの上側に位置し、前記回路基板は、前記第2針状導電部材の第2端が前記電極端子に接触した状態で前記垂直接触型プローブの上側に設けられている、プローブカード。
[4][1]又は[2]に記載の垂直接触型プローブと、電極端子を備える回路基板と、パッケージド半導体を着脱自在に装着するための装着部が設けられたソケット本体と、を備え、前記垂直接触型プローブは、前記第1針状導電部材が前記エラストマコネクタの上側に位置し、前記第2針状導電部材が前記エラストマコネクタの下側に位置し、前記回路基板は、前記第2針状導電部材の第2端が前記電極端子に接触した状態で前記垂直接触型プローブの下側に設けられ、前記ソケット本体は、前記装着部に装着したパッケージド半導体の電極が前記第1針状導電部材の第2端に接触するように位置決めされて前記垂直接触型プローブの上側に設けられている、ソケット。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電極間隔が小さい半導体素子即ち半導体ICあるいはパッケージド半導体の検査においても耐久性に優れ、かつ、動作周波数が高いDUTの高周波検査にも対応できる垂直接触型プローブ、前記垂直接触型プローブを備えるプローブカード及びソケットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の垂直接触型プローブを示した平面図である。
図2図1の垂直接触型プローブのI-I断面図である。
図3】本実施形態のプローブカードを示した断面図である。
図4】本実施形態のソケットを示した断面図である。
図5】実施例1のソケットの高周波特性(Sパラメータ)の測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[垂直接触型プローブ]
本発明の垂直接触型プローブは、半導体素子即ち半導体ICあるいはパッケージド半導体の電極と回路基板の電極端子に接触させた状態で半導体素子を検査するための垂直接触型プローブである。プローブが「垂直接触型」であるとは、検査時にプローブの上下に半導体素子の電極と回路基板の電極端子をそれぞれ接触させるタイプのプローブであることを意味する。
【0013】
以下、本発明の垂直接触型プローブの実施形態の一例を示して説明する。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0014】
図1は、本実施形態の垂直接触型プローブ1を示した平面図である。図2は、垂直接触型プローブ1のI-I断面図である。垂直接触型プローブ1は、プローブカード及びソケットの双方に適した形態のプローブである。
垂直接触型プローブ1は、エラストマコネクタ10と、1本以上の第1針状導電部材20と、1本以上の第2針状導電部材30と、第1ホルダ40と、第2ホルダ50と、を備えている。
【0015】
エラストマコネクタ10は、エラストマシート12と、エラストマシート12の厚み方向に対して斜めに挿通された複数の金属細線14と、を備えている。
この例のエラストマシート12の平面視形状は、矩形状である。なお、エラストマシート12の平面視形状は、矩形状には限定されず、DUTの形態に応じて適宜設定できる。エラストマシート12のサイズも、DUTの形態に応じて適宜設定できる。
【0016】
エラストマシート12の平均厚みは、0.015mm以上1mm以下が好ましく、0.03mm以上0.5mm以下がより好ましい。エラストマシート12の平均厚みが前記範囲の下限値以上であれば、機械的強度や剛性が向上し、取り扱いが容易になる。エラストマシート12の平均厚みが前記範囲の上限値以下であれば、高周波特性に優れる。
【0017】
エラストマシート12を構成するエラストマとしては、特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等のエラストマ性の熱硬化性樹脂、合成ゴムまたはポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、軟質塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。耐環境特性、耐熱性に優れる点から、シリコーンゴムが好ましい。エラストマシート12を構成するエラストマは、1種でもよく、2種以上でもよい。
【0018】
エラストマシート12の体積抵抗率は、10Ω・cm以上が好ましく、10Ω・cm以上1019Ω・cm以下がより好ましい。
エラストマシート12の硬度は、5以上95以下が好ましく、10以上90以下がより好ましい。
【0019】
各々の金属細線14は、エラストマシート12の厚み方向に対して斜めになっており、かつ互いに平行になっている。各金属細線14の両端部はエラストマシート12の両面から突き出ている。各金属細線14の両端の突き出た部分の平均長さは、例えば、5μm以上60μm以下とすることができる。なお、各々の金属細線14は、傾斜させずにエラストマシート12の厚み方向に挿通されていてもよい。また、検査時に金属細線14と第1針状導電部材20及び第2針状導電部材30との接触が確保できる範囲であれば、各々の金属細線14の両端部はエラストマシート12の両面と面一の位置になっていてもよく、エラストマシート12の両面よりも沈み込んだ位置にあってもよい。
【0020】
金属細線14の両端のエラストマシート12の平面方向の平均のズレ(オフセット量)は、DUTの形態に応じて適宜設定でき、例えば、0mm以上2mm以下とすることができる。金属細線14のオフセット量は、エラストマシート12の厚み、エラストマシート12の厚み方向に対する金属細線14の傾斜角度を調節することによって制御できる。
【0021】
金属細線14の平均線径は、2μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。なお、金属細線の線径とは、金属細線の長さ方向に垂直な断面の直径であり、断面形状が円でない場合はその外接円の直径である。
【0022】
エラストマコネクタ10の平面視での金属細線14の平均密度、及び金属細線14同士の平均間隔は、DUTの形態に応じて適宜設定できる。金属細線14の平均密度は、例えば、50本/mm以上120000本/mm以下とすることができる。金属細線14同士の平均間隔は、例えば、1μm以上50μm以下とすることができる。
【0023】
金属細線14の材質としては、体積抵抗率が10-1Ω・cm以下の材質を使用でき、例えば、純金線、金合金線、金めっき線、半田線、半田めっき線、銅合金線、メッキ付きCNTヤーン、CNTヤーン等が挙げられる。エラストマコネクタ10が有する金属細線14は、1種でもよく、2種以上でもよい。
【0024】
エラストマコネクタ10は、第1ホルダ40と第2ホルダ50によって挟持されることによって保持されている。第1ホルダ40はエラストマコネクタ10の第1面10a側、この例では下側に配置されている。第2ホルダ50はエラストマコネクタ10の第2面10b側、この例では上側に配置されている。
【0025】
第1ホルダ40及び第2ホルダ50の平面視形状は、特に限定されず、この例では矩形である。
この例では、第1ホルダ40のエラストマコネクタ10を保持する側の中央部分にザグリ加工によってエラストマコネクタ10の形状に相補的な形状の凹部41が形成されている。凹部41の深さは、エラストマコネクタ10の厚みよりも10~20μm程度小さく設定することが好ましい。凹部41の平面視でのサイズは、エラストマコネクタ10を容易に挿入できるように、エラストマコネクタ10の平面視でのサイズよりもわずかに大きく設定する。
【0026】
また、第1ホルダ40及び第2ホルダ50には、平面視での対角線上における凹部41の両側に、位置決めピン穴44,54が形成されている。第1ホルダ40及び第2ホルダ50の平面視でのもう一方の対角線上における両側の角部には、結合ネジ挿入穴46,56が形成されている。凹部41にエラストマコネクタ10を嵌め込み、位置決めピン穴44,54に位置決めピンを挿入して位置決めした状態で、結合ネジ挿入穴46,56に結合ネジ60を挿入することで、第1ホルダ40と第2ホルダ50によってエラストマコネクタ10が挟持される。
なお、第1ホルダ40及び第2ホルダ50によってエラストマコネクタ10を保持する形態は、エラストマコネクタ10をしっかりと位置決めできる形態であれば、前記した形態には限定されない。
【0027】
第1ホルダ40及び第2ホルダ50の材質としては、誘電体であればよく、例えば、比誘電率が2以上10以下であり、誘電正接が0.01以下の有機誘電体、無機誘電体を例示できる。有機誘電体としては、ガラスエポキシ等が挙げられる。無機誘電体としては、アルミナ等が挙げられる。
【0028】
第1ホルダ40には、平面視での中央部分のエラストマコネクタ10に対応する位置に、エラストマコネクタ10と接する側とは反対側の外面40aからエラストマコネクタ10に向かって延びる複数の挿通孔42が形成されている。挿通孔42に第1針状導電部材20が挿通されることで、第1針状導電部材20がエラストマコネクタ10の厚み方向に延在した状態で保持される。挿通孔42の位置及び数は、DUTの形態に応じて適宜設定される。
【0029】
挿通孔42の平面視形状は、第1針状導電部材20の形状に合わせて設定すればよく、この例では円形である。
挿通孔42の直径は、第1針状導電部材20がスムーズに挿入され、低摩擦で上下に移動できるように、かつ、特性インピダンスが高くなりすぎないように各部品の加工公差を考慮して設定する。例えば、挿通孔42の直径は、第1針状導電部材20の直径よりも5~15μm程度大きな値とすることができる。
【0030】
挿通孔42に挿通された第1針状導電部材20は、エラストマコネクタ10の第1面10a側に位置し、エラストマシート12の厚み方向に延在しており、第1針状導電部材20の第1端20aが金属細線14の第1端14aに接している。このように、各々の第1針状導電部材20は、長さ方向がエラストマシート12の厚み方向となる向きに、互いに平行な状態で第1ホルダ40によって保持されている。
第1針状導電部材20の数は、特に限定されず、DUTの形態に応じて適宜設定することができる。
【0031】
第1針状導電部材20の形状は、特に限定されない。この例の第1針状導電部材20は、第1端20aから第2端20bに向かって途中まで延びる円柱状の本体部22と、本体部22の第2端20b側に設けられた円柱状の縮径部24と、を備えている。縮径部24の直径は、本体部22の直径よりも小さくなっている。挿通孔42の形状はこの第1針状導電部材20に相補的な形状になっている。そのため、第1ホルダ40の外面40a側(下側)における挿通孔42の開口の周囲の部分が、第1針状導電部材20の本体部22の下端を支持されることで、第1針状導電部材20が下方に抜け落ちないようになっている。
【0032】
本体部22の直径は、高周波特性を考慮して適宜設定することができ、例えば、第1針状導電部材20同士のピッチ、第1ホルダ40の材質の誘電率に応じて、特性インピダンスが50Ω付近になるように設定することができる。
【0033】
縮径部24の直径は、本体部22の直径よりも小さく、第1針状導電部材20が下方に抜け落ちない範囲で設定する。縮径部24の直径と本体部22の直径との差が大きいと、縮径部24の特性インピダンスが50Ωよりも高くなって高周波特性が劣化しやすいため、縮径部24の直径は第1針状導電部材20の落下を防止できる範囲でできるだけ本体部22の直径に近いことが好ましい。
【0034】
本体部22及び縮径部24の長さは、短いほど高周波特性が良くなるため、高周波特性の要求仕様、加工技術、取扱いの容易性を考慮して、可能な範囲で短くすることが好ましい。
【0035】
第1針状導電部材20の第2端20b側の一部、すなわち縮径部24の一部は第1ホルダ40の外面40aから突き出ている。これにより、検査時には、第1針状導電部材20の第2端20bをDUTの電極に接触するようになっている。第1針状導電部材20の第1ホルダ40から突き出た部分の長さは、検査時に第2端20bをDUTの電極に接触させたときにも第1針状導電部材20の第2端20b側の一部が第1ホルダ40から突き出た状態が維持されるように設定するが、突き出し長さが0であってもよい。第1針状導電部材20の第1ホルダ40から突き出た部分の長さは、DUTの複数の電極間の厚みの差や、エラストマコネクタ10の圧縮変形量を考慮して設定する。
【0036】
DUTの電極と接触する第1針状導電部材20の第2端20bの端面の構造は、DUTの種類に応じて、接触性、位置合わせの容易性等を考慮して設定する。第1針状導電部材20の第2端20bの端面の構造としては、例えば、平坦構造、ニードル構造、王冠構造等が挙げられる。
【0037】
第1針状導電部材20の材質としては、プローブカードやソケットにおいてDUTの電極や回路基板の電極端子に接触させる部材に一般に使用されている金属を使用でき、例えば、Pd、W、BeCu等の錆が生じにくく、硬くて消耗しにくいものが好ましい。
【0038】
第2ホルダ50には、平面視での中央部分のエラストマコネクタ10に対応する位置に、エラストマコネクタ10と接する側とは反対側の外面からエラストマコネクタ10に向かって延びる複数の挿通孔52が形成されている。挿通孔52に第2針状導電部材30が挿通されることで、第2針状導電部材30がエラストマコネクタ10の厚み方向に延在した状態で保持される。
【0039】
第2ホルダ50の挿通孔52の数は、第1ホルダ40の挿通孔42の数と同じである。つまり、第2針状導電部材30の数は、第1針状導電部材20の数と同じである。
第2ホルダ50の平面視における挿通孔52の位置は、第1ホルダ40の挿通孔42の位置に対して、金属細線14のオフセット量だけずれた位置になっている。すなわち、第2針状導電部材30の平面視における位置は、第1針状導電部材20の位置に対して、金属細線14のオフセット量だけずれた位置になっている。このように、挿通孔52の位置及び第2針状導電部材30の位置は、DUTの形態、及び金属細線14のオフセット量に応じて適宜設定することができる。
【0040】
挿通孔52の直径は、第2針状導電部材30がスムーズに挿入され、低摩擦で上下に移動できるように、かつ、組み立て時に第2針状導電部材30と回路基板の電極端子との位置ずれが大きくならないように、各部品の加工公差を考慮して設定する。例えば、挿通孔52の直径は、第2針状導電部材30の直径よりも5~15μm程度大きな値とすることができる。
【0041】
第2針状導電部材30の形状は、特に限定されず、例えば、第1端30aと第2端30bがともに平坦な円柱状が挙げられる。第2針状導電部材30がこのような単純な円柱状であると、機械加工が容易であり、高周波性能を良くするために重要である針状導電部材の長さを短くすることができ、垂直接触型プローブ1の部材点数が多くなっても優れた高周波特性が得られやすい点で有利である。回路基板の電極端子との位置合わせを容易にする観点から、第2針状導電部材30の形状は、回路基板の電極端子と接触する側の第2端の端面の縁部分を面取りした形状としてもよい。
【0042】
第2針状導電部材30の直径は、高周波特性を考慮して適宜設定することができ、例えば、第2針状導電部材30同士の間隔、第2ホルダ50の材質の誘電率に応じて、特性インピダンスが50Ω付近になるように設定することができる。また、第2針状導電部材30の直径は、回路基板の電極端子との位置合わせを容易にするために、回路基板の電極端子の大きさも考慮して設定する。
【0043】
第2針状導電部材30の長さは、短いほど高周波特性が良くなるため、高周波特性の要求仕様、加工技術、取扱いの容易性を考慮して、可能な範囲で短くすることが好ましい。
【0044】
第2針状導電部材30の第2端30b側の一部は第2ホルダ50の外面50aから突き出ている。これにより、検査時には、第2針状導電部材30の第1端30a側がエラストマコネクタ10に食い込み、エラストマシート12の弾性によって第2針状導電部材30に第2端30bに向かって圧力が掛かる。そのため、第2針状導電部材30の第2端30bを回路基板の電極端子にしっかりと接触させることができる。
【0045】
第2針状導電部材30の第2ホルダ50から突き出た部分の長さは、例えば、第2端30bを回路基板の電極端子に接触させた状態で第2端30bの端面が第2ホルダ50の外面50aと面一になるように設定する。第2針状導電部材30の第2ホルダ50から突き出た部分の長さは、第2針状導電部材30のエラストマコネクタ10への食い込み量を考慮して設定する。
【0046】
第2針状導電部材30の材質としては、第1針状導電部材20の材質として例示したものと同じものを例示できる。第2針状導電部材30の材質と第1針状導電部材20の材質は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0047】
[プローブカード]
本発明のプローブカードは、本発明の垂直接触型プローブと、電極端子を備える回路基板と、を備えるプローブカードである。本発明のプローブカードは、本発明の垂直接触型プローブを備える以外は、公知の態様を採用できる。以下、本発明のプローブカードの一例として、垂直接触型プローブ1を備えるプローブカード100について、図3に基づいて説明する。
【0048】
プローブカード100は、垂直接触型プローブ1と、電極端子を備える回路基板110と、を備えている。
プローブカード100における垂直接触型プローブ1は、第1針状導電部材20がエラストマコネクタ10の下側に位置し、第2針状導電部材30がエラストマコネクタ10の上側に位置している。
【0049】
プローブカード100では、回路基板110が垂直接触型プローブ1の上側に設けられている。また、垂直接触型プローブ1における第2針状導電部材30の第2端30bは、回路基板110の電極端子に接触した状態になっている。垂直接触型プローブ1の上側に回路基板110を設ける態様は、特に限定されず、ボルトによる接続、接着剤による接着等の公知の態様を採用できる。
【0050】
回路基板110の回路パターンにおける最小ライン幅(L)とパターン間の最小間隙(S)は、適宜設定できる。回路基板110のL及びSは、ファインピッチな半導体素子(DUT)の検査に対応できる100μm以下であることが特に有効である。このような回路パターンを製造するには薄膜回路製造技術を適用する必要があり、多くの場合、薄膜回路として、厚みが0.5μm以上10μm以下のAu薄膜あるいはTi/Pd/Auなどの多層金属で構成された薄膜が採用される。
【0051】
プローブカード100によるDUTすなわち半導体ICのオンウェハー検査では、第2針状導電部材30の第2端30bが回路基板110の電極端子に接触された状態で、第1針状導電部材20の第2端20bをDUTの電極に接触させる。このとき、金属細線14の第1端14aがDUTの電極に接触しないため、エラストマコネクタ10の圧縮変形に伴って金属細線14の第1端14aが面方向にスライドしても、金属細線14の第1端14aがDUTの電極に擦れて電極が傷付くことが防がれる。また、金属細線14の第2端14bは第2針状導電部材30を介して回路基板110の電極端子に接触しており、金属細線14の第2端14bが回路基板110の電極端子に直接接触していない。そのため、回路基板110の電極端子が金属細線14の第2端14bによって傷つけられることも防がれる。これにより、ファインピッチなDUTの検査において、ファインピッチな薄膜回路を有する回路基板110を用いる場合でも優れた耐久性を確保できる。さらに、第1針状導電部材20と第2針状導電部材30はそれぞれ凸形状の単純な円柱及び単純な円柱であるため、機械加工が容易であり、高周波性能を良くするために重要である第1針状導電部材及び第2針状導電部材の長さを短くすることができ、高周波特性に優れており、動作周波数が高いDUTの高周波検査にも適用できる。
【0052】
[ソケット]
本発明のソケットは、本発明の垂直接触型プローブと、電極端子を備える回路基板と、半導体素子を着脱自在に装着するための装着部が設けられたソケット本体と、を備えるソケットである。本発明のソケットは、本発明の垂直接触型プローブを備える以外は、公知の態様を採用できる。以下、本発明のソケットの一例として、垂直接触型プローブ1を備えるソケット200について、図4に基づいて説明する。
【0053】
ソケット200は、垂直接触型プローブ1と、電極端子を備える回路基板110と、ソケット本体220と、を備えている。
ソケット200における垂直接触型プローブ1は、プローブカードにおける垂直接触型プローブ1と同様な態様であり、垂直接触型プローブ1を上下に反転させて使用することのみプローブカードの場合と異なる。
【0054】
垂直接触型プローブ1は、第1ホルダ40がエラストマコネクタ10の上側(第1面10a側)に配置され、第2ホルダ50がエラストマコネクタ10の下側(第2面10b側)に配置されている。この例では、第1ホルダ40のエラストマコネクタ10を保持する側の中央部分にザグリ加工によって形成された凹部41にエラストマコネクタ10が嵌め込まれ、位置決めピン穴44,54に位置決めピンを挿入して位置決めした状態で、結合ネジ挿入穴46,56に結合ネジ60を挿入することで、第1ホルダ40と第2ホルダ50によってエラストマコネクタ10が挟持される。
【0055】
この例の第2針状導電部材30は、縮径部のない円柱状であるが、回路基板110が下にあるため、下方に抜け落ちない。なお、第1針状導電部材20及び第2針状導電部材30の形状は、前記した柱状には限定されない。
【0056】
回路基板110は、第2針状導電部材30の第2端30bが電極端子に接触した状態で垂直接触型プローブ1の下側に設けられている。ソケット本体220は、装着部222に装着した半導体素子(DUT)の電極が第1針状導電部材20の第2端20bに接触するように位置決めされて垂直接触型プローブ1の上側に設けられている。回路基板110及びソケット本体220を設ける態様は、特に限定されず、ボルトによる接続、接着剤による接着等の公知の態様を採用できる。
【0057】
ソケット本体220は、平面視での中央部分に厚さ方向に貫通するように形成された貫通孔からなる装着部222を有している。装着部222の形状及びサイズは、DUTの形状に応じて適宜設定できる。ソケット本体220は、装着部222の開口部を閉じる蓋部材を備えていてもよい。
【0058】
ソケット本体220を形成する材料としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂あるいはポリエーテルイミド樹脂等が挙げられる。ソケット本体220を形成する材料は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
【0059】
ソケット200によるDUTの検査時には、ソケット本体220の装着部222に、電極が装着部222の底側になるようにDUTを装着する。これにより、第2針状導電部材30の第2端30bが回路基板110の電極端子に接触された状態で、第1針状導電部材20の第2端20bがDUTの電極に接触される。このとき、プローブカード100と同様に、金属細線14の第1端14aと第2端14bはDUTの電極にも回路基板110の電極端子にも接触していない。これにより、金属細線14の第1端14aと第2端14bによってDUTの電極や回路基板110の電極端子が傷付くことが防がれる。そのため、ファインピッチなDUTの検査において、ファインピッチな薄膜回路を有する回路基板110を用いる場合でも優れた耐久性を確保できる。さらに、第1針状導電部材20と第2針状導電部材30はそれぞれ凸形状の単純な円柱及び単純な円柱であるため、機械加工が容易で長さを短くすることができ、高周波特性に優れており、動作周波数が高いDUTの高周波検査にも適用できる。
【0060】
以上説明したように、本発明では、プローブカードとソケットの双方の場合において垂直接触型プローブにおけるエラストマコネクタの第1面側に1本以上の第1針状導電部材が設けられ、エラストマコネクタの第2面側に1本以上の第2針状導電部材が設けられている。そして、第1針状導電部材の第1端と第2針状導電部材の第1端がそれぞれ金属細線の両端に接しており、DUT即ちプローブカードの場合は半導体IC、ソケットの場合はパッケージド半導体の検査時は、第2針状導電部材の第2端が回路基板の電極端子に接触された状態で、第1針状導電部材の第2端をDUTの電極に接触させる。
【0061】
このように、本発明では、プローブカードとソケットの双方の場合において検査時に第1針状導電部材の第2端がDUT即ちプローブカードの場合は半導体IC、ソケットの場合はパッケージド半導体の電極に接触し、金属細線の先端がDUTの電極に接触しない。そのため、検査時にエラストマコネクタが厚み方向に圧縮変形して金属細線がさらに傾斜し、金属細線の先端がエラストマコネクタの面方向にスライドしても、金属細線がDUTの電極に擦れて電極が傷付くことが防がれる。
【0062】
また、本発明では、プローブカードとソケットの双方の場合において第2針状導電部材の第2端が回路基板の電極端子に接触しており、金属細線の先端は回路基板の電極端子には接触されない。電極間隔が小さいファインピッチな半導体素子即ち半導体ICあるいはパッケージド半導体の検査には、ファインピッチな回路パターンとして薄膜回路を有する回路基板が用いられるが、本発明では、この場合でも回路基板の電極端子が金属細線の先端によって傷つけられることを防ぐことができる。そのため、ファインピッチな半導体素子の検査においても優れた耐久性を確保することができる。
【0063】
さらに、本発明では、プローブカードとソケットの双方の場合において、エラストマコネクタの第1面側と第2面側の両方に第1針状導電部材と第2針状導電部材が設けられ、さらに、第1針状導電部材と第2針状導電部材は凸形状の単純な円柱あるいはさらに単純な円柱であるため、機械加工が容易であり、高周波性能を良くするために重要である針状導電部材の長さを短くすることができ、部材点数が多いにもかかわらず、高周波特性に優れており、動作周波数が高いDUTの高周波検査にも適用できる。
【0064】
なお、本発明は、前記した態様には限定されない。本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【実施例
【0065】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[実施例1]
図4に例示した構成のソケットを作製した。
金属細線として金メッキされたベリリウム銅線(Φ17μm)を傾斜角度63°でシリコーンゴムシートへ挿通したエラストマコネクタを用いた。金属細線の両端部のシリコーンゴムシートの両面からの突き出し長さを15μm、シリコーンゴムシートの表面を厚み方向から正面視したときの金属細線の縦方向と横方向のピッチをそれぞれ32μm、50μmとした。シリコーンゴムとしては、ショア硬度70°のものを使用した。
第1針状導電部材としてPd製の円柱状のピン(第2端の端面:平坦構造)、第2針状導電部材としてPd製の円柱状のピン(第2端の端面:平坦構造で縁部分を面取りした形状)を用いた。
回路基板としては、石英基板上に薄膜回路として厚みが2μmのAu薄膜が形成されたものを使用した。
【0066】
[比較例1]
第2針状導電部材を設けず、エラストマコネクタの金属細線の先端が回路基板の電極端子に直接接するようにした以外は、実施例1と同様の形態のソケットを作製した。
【0067】
[高周波特性]
ネットワークアナライザを用い、作製したソケットに0~110GHzの高周波検査信号を供給したときの振幅(Magnitude)値を計測し、高周波特性(Sパラメータ)を測定した。G(グランド)S(シグナル)G(グランド)構成のピン間ピッチは160μmとした。結果を図5に示す。
【0068】
[耐久性試験]
作製したソケットを固定し、第1針状導電部材の先端部を押圧してエラストマコネクタを圧縮する操作を41万回繰り返した後、DUTのDC特性及び高周波特性を測定して耐久性を評価した。
【0069】
実測データである図5に示すように、エラストマコネクタの両側に第1針状導電部材と第2針状導電部材を備える実施例1のソケットは、高周波コネクタからDUTまでの伝送線路のSパラメータS21の3dB減帯域が96GHz、80GHzまでのリップルがD±0.3dB未満であり、高周波特性に優れていた。また、実施例1のソケットは、比較例1に比べて、41万回の繰り返し圧縮によるDUTの特定変動及び他の劣化現象が観測されず、実用上十分な耐久性を有していることが確認された。
【符号の説明】
【0070】
1…垂直接触型プローブ、10…エラストマコネクタ、12…エラストマシート、14…金属細線、20…第1針状導電部材、30…第2針状導電部材、40…第1ホルダ、42…挿通孔、50…第2ホルダ、52…挿通孔、100…プローブカード、110…回路基板、200…ソケット。
図1
図2
図3
図4
図5