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特許7499876シャワーヘッドを有する事前洗浄チャンバ上側シールド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】シャワーヘッドを有する事前洗浄チャンバ上側シールド
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240607BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022563895
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 US2021027957
(87)【国際公開番号】W WO2021216445
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】16/855,559
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バブ, サラト
(72)【発明者】
【氏名】ジュプディ, アナンクリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】オウ, ユエ シェン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ, ジュンチー
(72)【発明者】
【氏名】ボー, ケルビン タイ ミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, カン
(72)【発明者】
【氏名】和田 優一
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-501609(JP,A)
【文献】特開平11-251094(JP,A)
【文献】特開2014-038874(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0188625(US,A1)
【文献】特開2007-242777(JP,A)
【文献】特表2009-512188(JP,A)
【文献】特開2000-290777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバの中で使用するためのプロセスキットであって、
上面に中央凹部が配設されている上部プレートと、
前記上部プレートの外側部分から前記中央凹部まで延びるチャネルと、
前記上部プレートを通って前記中央凹部の底面から前記上部プレートの下面まで配設された複数の穴と、
前記上部プレートに結合され、前記上部プレート内にプレナムを画定するために前記中央凹部の周囲に沿ってシールを形成するように構成されたカバープレートと、
前記上部プレートの前記下面から下方に延び、前記複数の穴を囲む管状本体であって、前記管状本体が、さらに、基板支持体を囲むように構成され、ガス流路が、前記複数の穴を通って前記チャネルから前記プレナムまで、および前記管状本体内の空間の中に延びる、管状本体と
を備え
前記上部プレートの前記上面が、前記中央凹部の前記周囲に沿って前記シールを形成するように構成されたOリングを収容するための第1の環状凹部を含み、前記上部プレートが、前記第1の環状凹部の半径方向外側にあり、前記上部プレートをアダプタに取り付けるように構成された複数の取付孔を含むまたは
前記チャネルが前記上部プレートの前記下面から前記中央凹部まで延びる、
のうちの少なくとも一方である、
プロセスキット。
【請求項2】
前記上部プレートの前記上面が、前記上部プレートと前記カバープレートとの間にRFガスケットを収容するための第2の環状凹部を含む、請求項に記載のプロセスキット。
【請求項3】
前記チャネルが前記上部プレートの外側側壁から前記プレナムまで水平方向に延びる、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項4】
前記上部プレートの外径が前記管状本体の外径よりも大きい、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項5】
前記複数の穴が.01インチ~.1インチの直径を有する、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセスキット。
【請求項6】
前記プロセスキットがアルミニウムから製造された、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセスキット。
【請求項7】
前記複数の穴が複数の同心円に沿って配列された、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセスキット。
【請求項8】
前記カバープレートが円形ディスクである、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセスキット。
【請求項9】
前記基板支持体を囲むように構成された環状リングと、
前記環状リングの上面から延びる環状リップと
をさらに備え、前記環状リングが、前記環状リングを通って延び、前記環状リングに沿って一定の間隔で配設された複数のリングスロットを含み、前記環状リップが、前記環状リップに沿って一定の間隔で配設された前記環状リップを通って延びる複数のリップスロットを含む、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセスキット。
【請求項10】
前記上部プレートが、前記上部プレートをプロセスチャンバ構成要素に取り付けるように構成された複数の取付孔を含む、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセスキット。
【請求項11】
前記複数の穴が00個から50個の穴を含む、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセスキット。
【請求項12】
前記管状本体がいかなる貫通孔も含まない、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセスキット。
【請求項13】
内部空間を画定し、ポンプポートを有するチャンバ本体と、
前記チャンバ本体の側壁に配設されたアダプタと、
前記内部空間中に配設された基板支持体と、
管状本体が前記基板支持体の周りに配設された、請求項1からのいずれか一項に記載のプロセスキットと、
前記ポンプポートに結合され、前記管状本体と前記基板支持体との間の間隙を通って前記内部空間から粒子を除去するように構成されたポンプと
を備える、プロセスチャンバ。
【請求項14】
前記基板支持体を囲むように構成された環状リングと、前記環状リングの上面から延びる環状リップとを備える下側シールドをさらに備え、前記環状リングが複数のリングスロットを含み、前記環状リップが複数のリップスロットを含む、請求項13に記載のプロセスチャンバ。
【請求項15】
前記基板支持体が、静電チャックを有するペデスタルを備える、請求項13に記載のプロセスチャンバ。
【請求項16】
前記静電チャックが、前記静電チャックを通って延び、前記静電チャックの上面にプロセスガスを流すように構成されたガスチャネルを含む、請求項15に記載のプロセスチャンバ。
【請求項17】
上側シールドが、前記上側シールドの上面に配設された中央凹部と、上部プレートに結合され、前記プレナムを画定するために前記中央凹部をカバーするように構成されたカバープレートとを有する上部プレートを含む、請求項13に記載のプロセスチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、基板処理機器に関し、より詳細には、基板処理機器内で使用するためのプロセスキットに関する。
【背景技術】
【0002】
事前洗浄プロセスを実行するように構成されたプロセスチャンバが知られている。たとえば、そのようなチャンバは、基板上に1つまたは複数のバリア層、たとえば、チタン(Ti)、銅(Cu)などを堆積するために、物理的気相堆積(PVD)の前に基板の金属接点パッド上の自然酸化物を除去し、他の材料を除去するように構成される。事前洗浄チャンバは、一般に、金属接点パッド上の自然酸化物と他の材料とを除去するために(RFプラズマによって誘導される)イオン衝撃を使用する。たとえば、事前洗浄プロセスは、基板から自然酸化物と材料とをエッチングすることができる。事前洗浄プロセスは、基板上の集積回路のパフォーマンスと電力消費とを向上させ、接着を促進するために、基板上の金属接点間の接触抵抗を下げるように構成される。
【0003】
プラズマ洗浄プロセスを実行するために、集積回路を備える基板がプラズマチャンバ中に配置され、ポンプがチャンバから空気の大部分を除去する。アルゴンなど、注入されたガスをプラズマ状態に励起するために、注入されたガスに電磁気エネルギー(たとえば、高周波)が印加される。プラズマは、基板の表面を衝撃するイオンを解放して基板から汚染物質および/または材料を除去する。汚染物質および/または基板材料の原子または分子が基板からエッチングされ、大部分はチャンバから排出される。しかしながら、汚染物質および/またはエッチングされた材料の一部はチャンバの表面上に堆積され得る。プロセスキットは、一般に、チャンバの表面上への汚染物質および/またはエッチングされた材料の堆積を低減するかまたは防ぐために使用される。しかしながら、プロセスキットは、プラズマチャンバへのプロセスガスの均一な流れを与えることを妨害し得る。
【0004】
したがって、発明者らは改善されたプロセスキットの実施形態を提供した。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、プロセスチャンバ中で使用するためのプロセスキットの実施形態が与えられる。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ中で使用するためのプロセスキットは、上面に中央凹部が配設されている上部プレートと、上部プレートの外側部分から中央凹部まで延びるチャネルと、上部プレートを通って凹部の底面から上部プレートの下面まで配設された複数の穴と、カバーされた凹部が上部プレート内でプレナムを形成するように、上部プレートに結合され、中央凹部の周囲に沿ってシールを形成するように構成されたカバープレートと、上部プレートの下面から下方に延び、複数の穴を囲む管状本体であって、管状本体が、さらに、基板支持体を囲むように構成され、ガス流路が、複数の穴を通ってチャネルからプレナムまで、および管状本体内の空間中に延びる、管状本体とを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ中で使用するためのプロセスキットは、上面に中央凹部が配設されている上部プレートと、上部プレートの外側部分から中央凹部まで延びるチャネルと、上部プレートを通って中央凹部の底面から上部プレートの下面まで配設された複数の穴とを含み、複数の穴は複数の同心円に沿って配置され、管状本体は、上部プレートの下面から下方に延び、複数の穴を囲み、管状本体は、さらに、基板支持体を囲むように構成され、管状本体の側壁はいかなる貫通孔も含まず、ガス流路は複数の穴を通ってチャネルから中央凹部まで、および管状本体内の空間中に延びる。
【0007】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバ中で使用するためのプロセスキットは、基板支持体を囲むように構成された管状本体と、管状本体の上側端部に結合された上部プレートとを含み、上部プレートは、皿穴と、皿穴中に配設され、上部プレートを通って延びる中央開口とを含み、上部プレートは上側部分と下側部分とを含み、上側部分は下側部分の半径方向外側に延び、下側部分の外表面は管状本体の外表面と同一平面上にある。
【0008】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、内部空間を画定し、ポンプポートを有するチャンバ本体と、チャンバ本体の側壁に配設されたアダプタと、内部空間中に配設された基板支持体と、その中のプレナム、上側シールドの外側部分からプレナムまで延びるチャネル、上側シールドを通ってプレナムから上側シールドの下面まで配設された複数の穴、および下面から下方に延びる管状本体を有する上側シールドであって、管状本体が基板支持体の周りに配設された、上側シールドと、ポンプポートに結合され、管状本体と基板支持体との間の間隙を通って内部空間から粒子を除去するように構成されたポンプとを含む。
【0009】
他のおよびさらなる本開示の実施形態について以下で説明する。
【0010】
上記で手短に要約し、以下でより詳細に説明する本開示の実施形態は、添付の図面に示されている本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解され得る。しかしながら、添付の図面は、本開示の一般的な実施形態のみを示し、したがって、本開示は他の等しく効果的な実施形態が可能であり得るので、範囲を限定とするものと考えられるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、プロセスチャンバの概略側面図を示す図である。
図2A】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、上側シールドの上部等角断面図を示す図である。
図2B】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、図2Aの上側シールドの拡大図を示す図である。
図3】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、プロセスキットの等角断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を促進するために、図に共通である同等の要素を指定するために、可能な場合、同等の参照番号が使用されている。図は、一定の縮尺で描かれておらず、明快のために簡略化されることがある。一実施形態の要素および特徴は、さらなる具陳なしに他の実施形態に有利に組み込まれ得る。
【0013】
本明細書では、プロセスチャンバ中で使用するためのプロセスキットの実施形態が提供される。プロセスチャンバは、基板に任意の好適なプロセスを実行するように構成され得る。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、エッチングプロセス、堆積プロセス、または事前洗浄プロセスを実行するように構成される。プロセスチャンバは、基板を支持するための基板支持体を含む。プロセスチャンバの内部空間から粒子を除去するためにポンプがプロセスチャンバに結合され得る。プロセスキットは、基板支持体の周りに配設され、有利には、チャンバ構成要素を不要な材料から保護するように構成され、上側シールドと基板支持体との間の処理空間に1つまたは複数のプロセスガスを与えるためのシャワーヘッドとして働くように構成された上側シールドを含む。プロセスキットはまた、プロセスキットを通る流れの高い伝導性を与えるように構成される。
【0014】
図1は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、プロセスキットを有するプロセスチャンバ(たとえば、プラズマ処理チャンバ)の概略側面図を示す。いくつかの実施形態では、プラズマ処理チャンバは事前洗浄処理チャンバである。しかしながら、異なるプロセスのために構成された他のタイプのプロセスチャンバも、本明細書で説明するプロセスキットの実施形態を使用することができるか、またはそれらの実施形態と共に使用するために変更され得る。
【0015】
チャンバ100は、基板処理中に内部空間120内で大気圧よりも低い圧力を維持するように好適に適応された真空チャンバである。いくつかの実施形態では、チャンバ100は約1.0mTorr~約25.0mTorrの圧力を維持することができる。チャンバ100は、内部空間120の上側半分中に位置する処理空間119を囲むリッド104によってカバーされたチャンバ本体106を含む。いくつかの実施形態では、チャンバ本体106とリッド104との間のチャンバ本体106の側壁にアダプタ180が載っている。チャンバ本体106およびアダプタ180は、アルミニウムなど、金属から製造され得る。チャンバ本体106は結合を介して接地115に接地され得る。
【0016】
たとえば半導体ウエハなどの基板122、または静電的に保持され得る他のそのような基板を支持し、保持するために、基板支持体124が内部空間120内に配設される。基板支持体124は、一般に、ペデスタル136と、ペデスタル136を支持するための中空支持シャフト112とを備え得る。ペデスタル136は、その中に埋め込まれた1つまたは複数のチャック電極を有する静電チャック150を含む。いくつかの実施形態では、静電チャック150は誘電体プレートを備える。中空支持シャフト112は、静電チャック150に、たとえば、裏面ガス、プロセスガス、流体、冷却剤、電力などを与えるための導管を与える。いくつかの実施形態では、基板支持体124は、基板122のエッジにおけるプロセス均一性を向上させるために、静電チャック150の周りに配設されたエッジリング187を含む。いくつかの実施形態では、エッジリング187はアルミナ(Al)から製造される。基板122を内部空間120中におよび内部空間120から移送することを促進するために、スリットバルブ134がチャンバ本体106に結合され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、中空支持シャフト112は、上方の処理位置と下方の移送位置との間で静電チャック150の垂直方向の動きを与える、アクチュエータまたはモーターなど、リフト機構113に結合される。チャンバ100内からの真空の損失を低減するかまたは防ぎながら静電チャック150の上下運動を可能にするフレキシブルなシールを与えるために、ベローズアセンブリ110が中空支持シャフト112の周りに配設され、静電チャック150とチャンバ100の底面126との間に結合される。ベローズアセンブリ110はまた、Oリング165と接触している下側ベローズフランジ164、または、チャンバ真空の損失を防ぐのを助けるために底面126に接触する他の好適な密封要素を含む。
【0018】
基板リフト130は、基板122が静電チャック150上に配置されるかまたは静電チャック150から取り外され得るように、基板リフト130を上げ下げするための第2のリフト機構132に結合されたシャフト111に接続されたプラットフォーム108上に取り付けられたリフトピン109を含むことができる。静電チャック150は、リフトピン109を受けるためのスルーホールを含み得る。基板リフト130の上下運動中にチャンバ真空を維持するフレキシブルなシールを与えるために、ベローズアセンブリ131が基板リフト130と底面126との間に結合される。
【0019】
中空支持シャフト112は、静電チャック150に裏面ガス供給源141とチャッキング電源140とRF電源190とを結合するための導管を与える。いくつかの実施形態では、チャッキング電源140は、基板122を保持するために導管154を介して静電チャック150にDC電力を与える。いくつかの実施形態では、RF電源190によって供給されるRFエネルギーは約10MHz以上の周波数を有し得る。いくつかの実施形態では、RF電源190は約13.56MHzの周波数を有し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、裏面ガス供給源141は、チャンバ本体106の外側に配設され、静電チャック150にガスを供給する。いくつかの実施形態では、静電チャック150は、静電チャック150の下面から静電チャック150の上面152まで延びるガスチャネル138を含む。ガスチャネル138は、伝熱媒体として働くために静電チャック150の上面152に、窒素(N)、アルゴン(Ar)、またはヘリウム(He)など、裏面ガスを与えるように構成される。ガスチャネル138は、使用中に基板122の温度および/または温度プロファイルを制御するためにガス導管142を介して裏面ガス供給源141と流体連結している。たとえば、裏面ガス供給源141は、使用中に基板122を冷却するためにガスを供給することができる。
【0021】
チャンバ100は、そのような構成要素とエッチングされた材料と他の汚染物質との間の不要な反応を防ぐために、様々なチャンバ構成要素に外接するプロセスキットを含む。プロセスキットは上側シールド117を含む。上側シールド117は、アルミニウムなど、金属から製造され得る。いくつかの実施形態では、上側シールド117はアダプタ180またはチャンバ本体106の側壁に載っている。チャンバ100はまた、その中に配設された基板を処理するためのチャンバ100に1つまたは複数のプロセスガスを供給し得るプロセスガス供給源118に結合され、プロセスガス供給源118と流体連結している。上側シールド117は、プロセスガス供給源118から処理空間119まで流れを導くためのガス流路を含む。いくつかの実施形態では、ガス流路は、アダプタ180を通ってプロセスガス供給源118から上側シールド117まで延びる。いくつかの実施形態では、ガス流路は、アダプタ180を通って延びることなしにプロセスガス供給源118から上側シールド117まで延びる。いくつかの実施形態では、プロセスガス供給源118はアルゴン(Ar)ガスを与える。
【0022】
上側シールド117は、その中にプレナム162と、上側シールド117の外側部分からプレナム163まで延びるチャネル166とを含む。上側シールド117は、プレナム162から上側シールド117の下面170まで複数の穴169を含む。いくつかの実施形態では、上側シールド117は、下面170から下方に延び、基板支持体124の周りに配設された管状本体を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、プロセスキットは、基板支持体124に外接する下側シールド105を含む。いくつかの実施形態では、下側シールド105はペデスタル136の接地部分に結合される。いくつかの実施形態では、下側シールド105は、アルミニウムなどの金属から製造される。いくつかの実施形態では、下側シールド105は、基板支持体124を囲む環状リング182と、環状リング182から上方に延びる環状リップ184とを備える。いくつかの実施形態では、環状リップ184は環状リング182から実質的に垂直に延びる。いくつかの実施形態では、接地している下側シールド105に上側シールド117を有利に接地させるために、1つまたは複数の金属ストラップ(図示せず)が上側シールド117と下側シールド105との間に配設される。
【0024】
環状リング182は、環状リング246を通って延びる複数のリングスロット186を含む。いくつかの実施形態では、複数のリングスロット186は環状リング182に沿って一定の間隔で配設される。いくつかの実施形態では、複数のリングスロット186は、複数の第1のリングスロットと、複数の第1のリングスロットの半径方向外側に配設された複数の第2のリングスロットとを含む。いくつかの実施形態では、環状リップ184は、環状リップ184を通って延びる複数のリップスロット188を含む。いくつかの実施形態では、複数のリップスロット188は環状リップ184に沿って一定の間隔で配設される。いくつかの実施形態では、複数のリップスロット188は複数の列を含み、複数のリップスロット188は複数の列の各々に沿って配置される。たとえば、複数のリップスロット188は、環状リング182に近接する下側列と、環状リップ184の上面に近接する上側列と、上側列と下側列との間に配設された中央列とを含み得る。
【0025】
複数のリングスロット186および複数のリップスロット188は、有利には、スロットを通るプラズマ漏れを最小にしながら、それを通して伝導性の向上を可能にするようにサイズ決定される。したがって、複数のリングスロット186は、内部空間120中の圧力と、内部空間120中の温度と、たとえばRF電源190を介してチャンバ100に与えられるRF電力の周波数とに基づいてサイズ決定される。ポンプポート128は、下側シールド105の複数のリングスロット186と複数のリップスロット188とを通した内部空間120からの粒子の除去を容易にするように構成される。
【0026】
チャンバ100は、チャンバ100を排気するために使用されるスロットルバルブ(図示せず)とポンプ(図示せず)とを含む真空システム114に結合され、真空システム114と流体連結している。いくつかの実施形態では、真空システム114は、チャンバ本体106の底面126上に配設されたポンプポート128に結合される。ポンプポート128は、上側シールド117と基板支持体124との間の間隙を通した内部空間120からの粒子の除去を容易にする。チャンバ100の内側の圧力は、スロットルバルブおよび/または真空ポンプを調整することによって調整され得る。いくつかの実施形態では、ポンプは約1900リットル毎秒~約3000リットル毎秒の流量を有する。
【0027】
動作中に、たとえば、1つまたは複数のプロセスを実行するために内部空間120中にプラズマ102が生成され得る。プラズマ102は、プロセスガスに点火してプラズマ102を生成するために、プラズマ電源(たとえば、RF電源190)からの電力を、静電チャック150を介してプロセスガスに結合することによって生成され得る。RF電源190はまた、プラズマからのイオンを基板122の方に引きつけるように構成される。上側シールド117は、使用中にプラズマ102を閉じ込めるように構成される。
【0028】
図2Aは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、上側シールド117の等角断面図を示す。上側シールド117は、一般に、上部プレート210と、上部プレート210の下面204から下方に延びる管状本体220とを含む。いくつかの実施形態では、上側シールド117は上部プレート210と管状本体220との間の界面における半径を含む。管状本体220は、基板支持体124を囲むように構成された内面212を有する。管状本体220の内面212および上部プレート210の下面204は処理空間119を少なくとも部分的に画定する。いくつかの実施形態では、管状本体220の側壁はいかなる貫通孔も含まない。いくつかの実施形態では、上部プレート210は形状が円形である。いくつかの実施形態では、上部プレート210は、管状本体220の外径よりも大きい外径を有する。いくつかの実施形態では、管状本体220は上部プレート210から真っ直ぐ下方に延びる。いくつかの実施形態では、環状リップ184が管状本体220の周りに配設されるように、管状本体220の外径は環状リップ184の内径よりも小さい。いくつかの実施形態では、管状本体220の内径は約15.0インチ~約19.0インチである。いくつかの実施形態では、上部プレート210の外径は約22.0インチ~約25.0インチである。
【0029】
いくつかの実施形態では、上部プレート210は、その上面208に配設された中央凹部206を含む。いくつかの実施形態では、上部プレート210は、上部プレート210の外側部分214から中央凹部206まで延びるチャネル166を含む。いくつかの実施形態では、チャネル166は上部プレート210の外側側壁216から延びる。いくつかの実施形態では、チャネル166は外側側壁216から中央凹部206まで水平方向に延びる。いくつかの実施形態では、ガス流路がプロセスガス供給源118から外側側壁216にあるチャネル166まで中央凹部206まで延びる。いくつかの実施形態では、第2のチャネル238が上部プレート210の下面204からチャネル166まで延び、チャネル116は上部プレート210の外側側壁216において差し込まれる。第2のチャネル238は、プロセスガスをプロセスガス供給源118からアダプタ180を通して第2のチャネル238中に流すように構成されたアダプタ180中のチャネルに流体結合される。
【0030】
上部プレート210は、中央凹部206の底面222から上部プレートの下面204まで延びる複数の穴168を含む。管状本体220は、ガスが複数の穴168を通って管状本体220内の空間中に流れる際に、プロセスガス供給源118からのプロセスガスを閉じ込めるために、複数の穴168を囲む。いくつかの実施形態では、上部プレート210の上面208は、Oリング310を収容するために中央凹部206の半径方向外側に配設された第1の環状凹部224を含む。いくつかの実施形態では、上面208は、RFガスケット320を収容するために中央凹部206の半径方向外側に第2の環状凹部234を含む。いくつかの実施形態では、第2の環状凹部234は第1の環状凹部224の半径方向外側に配設される。
【0031】
いくつかの実施形態では、上部プレート210は、上部プレート210をアダプタ180またはチャンバ本体106に取り付けるように構成された複数の取付孔228を含む。いくつかの実施形態では、複数の取付孔228は第1の環状凹部224の半径方向外側に配設される。いくつかの実施形態では、上部プレート210は、上部プレート210をリッド104に取り付けるように構成された複数のリッド取付孔230を含む。いくつかの実施形態では、複数のリッド取付孔230は複数の取付孔228の半径方向内側に配設される。いくつかの実施形態では、上部プレート210は、上部プレート210にカバープレート302(図3参照)を取り付けるように構成された複数のカバープレート穴232を含む。
【0032】
図2Bは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、図2Aの上側シールド117の拡大図250を示す。いくつかの実施形態では、複数の穴168は複数の同心円に沿って配置される。いくつかの実施形態では、複数の穴168は3つの同心円に沿って配置される。いくつかの実施形態では、半径方向最も内側の同心円255は、約3.0インチ~約5.0インチの直径を有する。いくつかの実施形態では、半径方向最も外側の同心円260は、約10.0インチ~約13.0インチの直径を有する。いくつかの実施形態では、複数の穴168の各々は同様の直径を有する。いくつかの実施形態では、複数の穴168は約0.01インチ~約0.1インチの直径を有する。いくつかの実施形態では、複数の穴は約200個から約350個までの穴を含む。
【0033】
図3は、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、プロセスキットの等角図を示す。いくつかの実施形態では、カバーされた凹部が上部プレート210内にプレナム162を形成するように、中央凹部206の周囲に沿ってシールを形成するために、カバープレート302が上部プレート210に結合される。いくつかの実施形態では、中央凹部206の周囲に沿ってシールを形成するために、Oリング310が第1の環状凹部224中に配設される。いくつかの実施形態では、RFガスケット320は、上部プレート210とカバープレート302との間の電気的接続を維持するために第2の環状凹部234中に配設される。カバープレート302は、金属、たとえば、アルミニウムから製造され得る。カバープレート302は円形ディスクであり得る。いくつかの実施形態では、カバープレート302は、カバープレート302を上部プレート210に結合することを容易にするために上部プレート210の複数のカバープレート穴232と整合させられた複数の取付孔308を含む。いくつかの実施形態では、上部プレート210の外側側壁216は、チャネル166にガスラインを結合することを容易にするためにスロット306を含む。いくつかの実施形態では、スロット306は、外側側壁216においてチャネル166を密封するためのプラグを収容し、第2のチャネル238からのプロセスガス流をプレナム162へのチャネル166内に導き得る。
【0034】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の他のおよびさらなる実施形態は、本開示の基本範囲から逸脱することなく考案され得る。
図1
図2A
図2B
図3