(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】環境制御システム、環境制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/165 20200101AFI20240614BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20240614BHJP
H05B 47/175 20200101ALI20240614BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20240614BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20240614BHJP
G10K 11/175 20060101ALI20240614BHJP
H04R 1/02 20060101ALN20240614BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B47/16
H05B47/175
H05B47/125
H04R3/00 310
G10K11/175
H04R1/02 102A
(21)【出願番号】P 2020163127
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】奥野 達也
(72)【発明者】
【氏名】原田 和樹
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-53347(JP,A)
【文献】特開2018-6086(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0058269(US,A1)
【文献】中国実用新案第210828496(CN,U)
【文献】特開2020-89747(JP,A)
【文献】特開2004-178129(JP,A)
【文献】特開2003-310761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/165
H05B 47/16
H05B 47/175
H05B 47/125
H04R 3/00
G10K 11/175
H04R 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグループの各々に割り当てられた1以上の照明器具を制御する照明制御部と、
前記複数のグループの各々に割り当てられた1以上の音響装置を制御する音響制御部と、を備え、
前記複数のグループは、第1グループと、第2グループと、を含んでおり、
前記照明制御部は、前記第1グループにおける前記1以上の照明器具を色温度が基準色温度よりも高くなるように制御し、前記第2グループにおける前記1以上の照明器具を色温度が前記基準色温度よりも低くなるように制御し、
前記音響制御部は、前記第1グループにおける前記1以上の音響装置を、特定音を再生するように制御する、
環境制御システム。
【請求項2】
前記基準色温度は、3500Kである、
請求項1に記載の環境制御システム。
【請求項3】
前記特定音は、ホワイトノイズである、
請求項1又は2に記載の環境制御システム。
【請求項4】
前記特定音は、自然環境音である、
請求項1又は2に記載の環境制御システム。
【請求項5】
前記自然環境音は、鳥のさえずり又は流水音である、
請求項4に記載の環境制御システム。
【請求項6】
前記照明制御部は、あらかじめ設定された照明スケジュールに従って前記複数のグループの各々の前記1以上の照明器具を制御し、
前記音響制御部は、あらかじめ設定された音響スケジュールに従って前記複数のグループの各々の前記1以上の音響装置を制御する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項7】
ユーザの位置情報を取得する第1取得部を更に備え、
前記第1グループ及び前記第2グループは、前記第1取得部にて取得された前記位置情報に基づいて決定される、
請求項1~6のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項8】
ユーザの予定情報を取得する第2取得部を更に備え、
前記第1グループ及び前記第2グループは、前記第2取得部にて取得された前記予定情報に基づいて決定される、
請求項1~7のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項9】
ユーザの嗜好情報を取得する第3取得部を更に備え、
前記第1グループ及び前記第2グループは、前記第3取得部にて取得された前記嗜好情報に基づいて決定される、
請求項1~8のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項10】
少なくとも前記第1グループ及び前記第2グループの状況をユーザに通知する通知部を更に備える、
請求項1~9のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項11】
複数のグループの各々に割り当てられた1以上の照明器具を制御する照明制御ステップと、
前記複数のグループの各々に割り当てられた1以上の音響装置を制御する音響制御ステップと、を有し、
前記複数のグループのうち少なくとも2以上のグループは、第1グループと、第2グループと、を含んでおり、
前記照明制御ステップでは、前記第1グループにおける前記1以上の照明器具を色温度が基準色温度よりも高くなるように制御し、前記第2グループにおける前記1以上の照明器具を色温度が前記基準色温度よりも低くなるように制御し、
前記音響制御ステップでは、前記第1グループにおける前記1以上の音響装置を、特定音を再生するように制御する、
環境制御方法。
【請求項12】
1以上のプロセッサに、
請求項11に記載の環境制御方法を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境制御システム、環境制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、音響照明装置が開示されている。この音響照明装置は、照明部と、音響出力部と、設定部と、制御部と、を備えている。設定部は、周囲に存在する認識されたユーザに応じて、照明部の照明および音響出力部の音響出力の少なくともいずれかのパラメータを設定する。制御部は、設定部により設定されたパラメータに従って、照明部の照明及び音響出力部の音響出力の少なくともいずれかを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザの満足度が向上しやすい環境制御システム、環境制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る環境制御システムは、照明制御部と、音響制御部と、を備える。前記照明制御部は、複数のグループの各々に割り当てられた1以上の照明器具を制御する。前記音響制御部は、前記複数のグループの各々に割り当てられた1以上の音響装置を制御する。前記複数のグループは、第1グループと、第2グループと、を含んでいる。前記照明制御部は、前記第1グループにおける前記1以上の照明器具を色温度が基準色温度よりも高くなるように制御し、前記第2グループにおける前記1以上の照明器具を色温度が前記基準色温度よりも低くなるように制御する。前記音響制御部は、前記第1グループにおける前記1以上の音響装置を、特定音を再生するように制御する。
【0006】
本発明の一態様に係る環境制御方法は、照明制御ステップと、音響制御ステップと、を含む。前記照明制御ステップでは、複数のグループの各々に割り当てられた1以上の照明器具を制御する。前記音響制御ステップでは、前記複数のグループの各々に割り当てられた1以上の音響装置を制御する。前記複数のグループのうち少なくとも2以上のグループは、第1グループと、第2グループと、を含んでいる。前記照明制御ステップでは、前記第1グループにおける前記1以上の照明器具を色温度が基準色温度よりも高くなるように制御し、前記第2グループにおける前記1以上の照明器具を色温度が前記基準色温度よりも低くなるように制御する。前記音響制御ステップでは、前記第1グループにおける前記1以上の音響装置を、特定音を再生するように制御する。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の環境制御方法を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の環境制御システム、環境制御方法、及びプログラムは、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る環境制御システムが使用されるオフィスの概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る環境制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、照明制御及び音響制御の評価実験の結果を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る環境制御システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施の形態の変形例1に係る環境制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施の形態の変形例2に係る環境制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る環境制御システム100の構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る環境制御システム100が使用されるオフィスの概要を示す平面図である。
図2は、実施の形態に係る環境制御システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0013】
実施の形態に係る環境制御システム100は、例えばオフィス等の自身の行いたい作業に応じて自由に作業場所を選択し得る環境で使用され、このような環境を制御するためのシステムである。実施の形態では、環境制御システム100は、ABW(Activity Based Working)型のオフィスに使用される、と仮定する。ここで、「ABW」とは、仕事内容に合わせて働く場所又はデスク等をユーザ(従業員等)が選択する働き方をいう。ABW型のオフィスにおいては、ユーザは、集中力を要する作業を行う場合には比較的静音性の高い場所を選択し、打ち合わせを行う場合にはソファ等のリラックス可能な場所を選択することが可能である。
【0014】
なお、環境制御システム100は、ABW型のオフィスに限らず、フリーアドレス型のオフィスで使用されてもよいし、ユーザが行いたい作業に応じて自由に作業場所を選択し得る環境であれば、他の環境で使用されてもよい。例えば、環境制御システム100は、小学校、中学校、高校、又は大学等の教育施設で使用されてもよいし、公民館、又は図書館等の公共施設で使用されてもよいし、店舗又は商業施設で使用されてもよい。
【0015】
環境制御システム100は、
図2に示すように、照明制御部11と、音響制御部12と、記憶部13と、を備えている。なお、環境制御システム100は、少なくとも照明制御部11及び音響制御部12を備えていればよく、記憶部13は備えていなくてもよい。
【0016】
また、環境制御システム100が使用される環境(ここでは、ABW型のオフィス3)には、
図1に示すように、複数の照明器具1と、複数の音響装置2と、が設置されている。環境制御システム100は、オフィス3に設置されていてもよいし、オフィス3から離れた遠隔地に設置されていてもよい。
【0017】
各照明器具1は、オフィス3の天井に設置されている。もちろん、各照明器具1は、オフィス3の天井のみならず、壁、床、又はデスクに設置されていてもよい。実施の形態では、各照明器具1は、一例として、対象とする空間を均一に照らすアンビエント照明としてのベースライトであって、LED(Light Emitting Diode)等の固体発光素子を有する光源を備えている。また、各照明器具1の光源は、照明制御部11に制御されることにより調光、調色、又はその両方が可能に構成されている。
【0018】
各照明器具1は、複数のグループG1に割り当てられている。
図1及び
図2に示す例では、各照明器具1は、3つのグループG1に割り当てられている。もちろん、グループG1の数は3つに限らず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。ここで、同じグループG1に割り当てられる1以上の照明器具1は、互いに近傍に位置している。そして、あるグループG1に割り当てられる1以上の照明器具1は、オフィス3において当該グループG1に対応する空間を照らす。
【0019】
例えば、3つのグループG1がグループ「A」、「B」、「C」である、と仮定する。この場合、グループ「A」に割り当てられた1以上の照明器具1は、オフィス3においてグループ「A」に対応する空間「α」を照らし、グループ「B」に割り当てられた1以上の照明器具1は、オフィス3においてグループ「B」に対応する空間「β」を照らし、グループ「C」に割り当てられた1以上の照明器具1は、オフィス3においてグループ「C」に対応する空間「γ」を照らす。
【0020】
各照明器具1のグループG1への割り当ては、例えば、環境制御システム100の管理者によって、あらかじめ実行される。管理者は、例えば環境制御システム100のパラメータを設定可能な情報端末を用いて、上記割り当てを実行する。情報端末は、一例として、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等を含み得る。
【0021】
なお、オフィス3において、隣り合う空間の間は仕切られていてもよいし、仕切られていなくてもよい。実施の形態では、オフィス3は1つの大部屋で構成されており、壁又は什器によって仕切られた他の部屋が存在しない、と仮定する。この場合、オフィス3の見通しが向上したり、意匠性が向上したりするため、好ましい。
【0022】
また、実施の形態では、隣り合う2つの空間において、一方の空間に設置された照明器具1から照射される光は、厳密に一方の空間のみを照らしていなくてもよく、一部の光が他方の空間へと漏れることが許容されている。つまり、任意の空間においては、当該空間に対応する照明器具1から照射される光が主たる照明光となっていればよく、当該空間とは異なる空間からの照明光の一部が漏れてきても、当該空間の照明に殆ど影響を与えなければよい。なぜならば、このとき当該空間を使用するユーザの視認性又はユーザが視る作業環境に対して、当該空間とは異なる空間からの照明光の一部が及ぼす影響は限定的であるためである。
【0023】
各音響装置2は、オフィス3の天井に設置されている。もちろん、各音響装置2は、オフィス3の天井のみならず、壁、床、又はデスクに設置されていてもよい。実施の形態では、各音響装置2は、一例として無指向性のスピーカであって、音響制御部12から送信されるコンテンツを再生する。なお、各音響装置2は、例えばパラメトリック・スピーカ、超音波を用いたスピーカ、又は筐体をホーン構造にしたスピーカ等の指向性を有するスピーカであってもよい。指向性を有するスピーカを用いた場合、一部の音が他の空間へ漏れ出る割合を小さくしやすいため、好ましい。
【0024】
各音響装置2は、各照明器具1と同様に、複数のグループG1に割り当てられている。
図1及び
図2に示す例では、各音響装置2は、3つのグループG1に割り当てられている。ここで、同じグループG1に割り当てられる1以上の音響装置2は、互いに近傍に位置している。そして、あるグループG1に割り当てられる1以上の音響装置2は、オフィス3において当該グループG1に対応する空間に音を出力する。
【0025】
例えば、3つのグループG1がグループ「A」、「B」、「C」である、と仮定する。この場合、グループ「A」に割り当てられた1以上の音響装置2は、オフィス3においてグループ「A」に対応する空間「α」に音を出力し、グループ「B」に割り当てられた1以上の音響装置2は、オフィス3においてグループ「B」に対応する空間「β」に音を出力し、グループ「C」に割り当てられた1以上の音響装置2は、オフィス3においてグループ「C」に対応する空間「γ」に音を出力する。
【0026】
各音響装置2のグループG1への割り当ては、各照明器具1のグループG1への割り当てと同様に、環境制御システム100の管理者が情報端末を用いることで、あらかじめ実行される。
【0027】
なお、実施の形態では、隣り合う2つの空間において、一方の空間に設置された音響装置2から出力される音は、一方の空間のみに出力されなくてもよく、一部の音が他方の空間へと漏れ出ることが許容されている。つまり、任意の空間においては、当該空間に対応する音響装置2から出力される音が主たる音となっていればよく、当該空間とは異なる空間からの音の一部が漏れてきても、当該空間の音響に影響を与えなければよい。
【0028】
照明制御部11は、各照明器具1と通信可能であって、各照明器具1に照明制御信号を送信することにより、各照明器具1の調光、調色、又はその両方を制御する。言い換えれば、照明制御部11は、複数のグループG1に割り当てられた1以上の照明器具1を制御する。実施の形態では、照明制御部11は、同じグループG1に割り当てられた1以上の照明器具1に対しては、同じ照明制御信号を送信する。つまり、照明制御部11は、各照明器具1をグループG1ごとに制御する。照明制御部11と各照明器具1との通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、通信規格も特に限定されない。また、複数の照明制御信号は厳密に同時に送信される必要はなく、複数の照明制御信号の送信の時差は、好ましくは60分以内、より好ましくは30分以内、さらに好ましくは1分以内である。上記時差が60分以内であれば、什器又は家具を人力で移動させて空間の環境を変化させることに比べ、省労力となるため好ましい。
【0029】
また、照明制御部11から同じグループG1に割り当てられた1以上の照明器具1に対して送信される照明制御信号は厳密に同一である必要はなく、当該空間の影響が限定的である範囲で制御内容に誤差があることが許容される。例えば、許容範囲は、色温度では±500K、調光率では±20%である。
【0030】
音響制御部12は、各音響装置2と通信可能であって、各音響装置2に音響制御信号(再生させたいコンテンツを含む)を送信することにより、各音響装置2にコンテンツを再生させるように制御する。言い換えれば、音響制御部12は、複数のグループG1に割り当てられた1以上の音響装置2を制御する。実施の形態では、音響制御部12は、同じグループG1に割り当てられた1以上の音響装置2に対しては、同じ音響制御信号を送信する。つまり、音響制御部12は、各音響装置2をグループG1ごとに制御する。音響制御部12と各音響装置2との間の通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよいし、通信規格も特に限定されない。
【0031】
また、コンテンツは、音響制御部12に保存されていてもよいし、各音響装置2に保存されていてもよいし、記憶部13に保存されていてもよい。コンテンツは、例えば、WAV形式、mp3形式などの電子データ媒体で保存されるが、これに限定されるものではなく、たとえばコンパクトディスク(CD)など、公知のいかなる保存方法で保存されてもよい。
【0032】
記憶部13は、照明制御部11及び音響制御部12の各々が制御を行うために必要な情報(コンピュータプログラム等)が記憶される記憶装置である。記憶部13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよく、特に限定されることなく公知の電子情報記憶の手段を用いることができる。記憶部13は、照明制御部11により参照される照明スケジュール、及び音響制御部12による参照される音響スケジュールに関する情報を記憶する。
【0033】
照明制御部11、音響制御部12、及び記憶部13は、いずれも同一の基板に実装されるか、又は同一の筐体に納められていてもよい。上記基板又は筐体は、オフィス3の天井、壁、床、又はデスク等の什器・家具に備え付けられていてもよい。この場合、環境制御システム100が小型化されるため好ましい。
【0034】
[第1グループ及び第2グループでの制御]
ここで、実施の形態では、複数のグループG1は、第1グループG11と、第2グループG12と、を含んでいる。第1グループG11は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。同様に、第2グループG12は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。第1グループG11及び第2グループG12は、例えば環境制御システム100の管理者が情報端末を用いて決定されてもよいし、後述するようにスケジュールに従って決定されてもよいし、後述するように取得部14(第1取得部、第2取得部、又は第3取得部)により得られる情報に基づいて決定されてもよい。そして、照明制御部11は、第1グループG11における1以上の照明器具1と、第2グループG12における1以上の照明器具1と、について以下のように制御している。
【0035】
すなわち、照明制御部11は、第1グループG11における1以上の照明器具1を色温度が基準色温度よりも高くなるように制御する。また、照明制御部11は、第2グループG12における1以上の照明器具1を色温度が基準色温度よりも低くなるように制御する。このように、第1グループG1に対応する空間に照射される光の色温度を、第2グループG2に対応する空間に照射される光の色温度と異ならせることにより、いわゆるゾーニング効果が期待できる。
【0036】
図1に示す例では、3つのグループG1のうちのオフィス3の左下のグループG1が第1グループG11に、オフィス3の右上のグループG1が第2グループG12に割り当てられている。このため、オフィス3において第1グループG11に対応する左下の空間は、照明光の色温度が基準色温度よりも高い空間となっており、オフィス3において第2グループG12に対応する右上の空間は、照明光の色温度が基準色温度よりも低い空間となっている。
図1では、ドットハッチングの密度が色温度の高低を表しており、ドットハッチングの密度が小さいほど色温度が高く、ドットハッチングの密度が大きいほど色温度が低いことを表している。
【0037】
なお、実施の形態では、照明制御部11は、第1グループG11及び第2グループG12のいずれにも割り当てられていないグループG1に対しては、1以上の照明器具1を色温度が基準色温度となるように制御する。したがって、
図1に示す例では、オフィス3の右下の空間は、照明光の色温度が基準色温度となっている。
【0038】
ここで、ゾーニング効果とは、例えば、空間の認知上の区切れ感を意味し、外観上複数の空間が互いに異なる空間であるとユーザが認知しやすい効果を含み得る。また、ゾーニング効果は、ユーザによる認知をもって、ゾーニングの意図通りにユーザの行動又は動線の変化を促しやすくする効果を含み得る。例えば、任意の空間について、ユーザが集中力を要する作業を行いやすい空間となることを意図してゾーニングをした、と仮定する。この場合、当該空間を見たユーザが、集中力を要する作業を行うことを主目的として当該空間を使用すれば、ゾーニング効果が発揮されたと言える。
【0039】
また、ゾーニング効果は、ユーザが実際にゾーニングされた空間を利用した場合に、ユーザの主観的な効果・実感、又は生理・心理・生体的作用がゾーニングの主旨に応じた傾向を示す効果を含み得る。例えば、任意の空間について、集中力を要する作業を行いやすい空間となることを意図してゾーニングを行い、当該空間をユーザが利用した、と仮定する。この場合、ユーザが当該空間を利用することで集中できたという実感を得たり、心理・生体作用としてユーザが集中をしていたことを示唆する指標・データが得られたりすれば、ゾーニング効果が発揮されたと言える。
【0040】
上述のように照明制御を行うことで、什器又は家具を用いることなく空間をゾーニングすることが可能である。このため、空間の意匠性を高めやすく、かつ、調光・調色等の照明制御により瞬時にオフィス3のレイアウトを変化させる、いわゆるアクティブゾーニングが可能となる。すなわち、上記の照明制御によりゾーニングを行う場合、各空間における調光・調色の制御パラメータの変更は例えば数秒で完了する。この場合、結果としてオフィス3のレイアウトを数秒で変更することが可能である。ここで、什器又は家具を人力で移動させることでオフィス3のレイアウトを変更する場合であれば、60分、数時間、又は一日、場合によっては数日を要する。この点から、上記の照明制御によるゾーニングは、極めて顕著な効果を奏し得る。
【0041】
アクティブゾーニングにより、従来の什器又は家具の配置を変更することによるオフィスのレイアウトの変更と比較して、時間ごと、日ごと、又は月ごと等の短周期でオフィス3のレイアウトを変化させることが可能である。
【0042】
実施の形態では、基準色温度は、3500Kである。すなわち、照明制御部11は、第1グループG11に対応する空間においては照明光の色温度が3500Kよりも高い、つまり寒色系の照明となるように、第1グループG11における1以上の照明器具1を制御する。第1グループG11に対応する空間における照明光の色温度は、一例として、5000K~7000Kであるのが好ましい。一方、照明制御部11は、第2グループG12に対応する空間においては照明光の色温度が3500Kよりも低い、つまり暖色系の照明となるように、第2グループG12における1以上の照明器具1を制御する。第2グループG12に対応する空間における照明光の色温度は、一例として、2500K~3500K未満であるのが好ましい。
【0043】
このように制御することにより、第1グループG11に対応する空間においては、ユーザが比較的集中しやすい空間を提供することができる。また、第2グループG12に対応する空間においては、ユーザが比較的リラックスしやすい空間を提供することができる。
【0044】
なお、第1グループG11に対応する空間での照明光の色温度と、第2グループG12に対応する空間での照明光の色温度との間には、ゾーニング効果を高めるために、これらの空間の差異をユーザが視覚的に又は潜在的に感知できる程度に有意な差があるのが好ましい。例えば、第1グループG11に対応する空間での照明光の色温度と、第2グループG12に対応する空間での照明光の色温度との差は、1000K以上であるのが好ましく、更に好ましくは2000K以上である。
【0045】
実施の形態では、上記のゾーニング効果を更に高めるべく、音響制御部12は、第1グループG11における1以上の音響装置2を、特定音を再生するように制御する。すなわち、音響制御部12は、第1グループG11に対応する空間においては、当該空間に滞在するユーザが感知し得る程度の音量で特定音を再生するように、第1グループG11における1以上の音響装置2を制御する。
【0046】
特定音は、照明光により期待できるゾーニング効果と同様のゾーニング効果が期待できるような音であるのが好ましい。なぜならば、そのようにすることで照明光により期待できるゾーニング効果と、音により期待できるゾーニング効果を、単純に足し合わせた以上の効果を発現しやすくなり、予期せぬ好適な相乗効果を有しやすくなるからである。この点については、後述する[ゾーニング効果の検証]にて詳細に説明する。
【0047】
例えば、特定音は、ユーザの副交感神経を高めやすい音である。実施の形態では、一例として、特定音は、ホワイトノイズである。ここでいう「ホワイトノイズ」は、広範囲の周波数領域において一定以上の音圧を有するような音である。また、一例として、特定音は、自然環境音である。ここでいう「自然環境音」とは、風の音、波の音、雷の音、動物の発する音、又は昆虫の発する音等、自然界において日常的な環境が発している音声及び音楽以外の音である。実施の形態では、自然環境音は、鳥のさえずり又は流水音であるのが好ましい。その他、特定音は、ホワイトノイズ及び自然環境音以外の音を含み得る。例えば、特定音は、市街地、店舗(カフェ等)における喧噪音又は雑踏音であってもよい。特定音によるゾーニング効果については、後述する[ゾーニング効果の検証]にて詳細に説明する。
【0048】
このように制御することにより、第1グループG11に対応する空間においては、1以上の照明器具1からの照明光のみが提供される場合と比較して、更に集中力を高める効果が期待できる空間を提供することができる。
【0049】
[スケジュールに従った制御]
ここで、実施の形態では、照明制御部11及び音響制御部12は、環境制御システム100の管理者によるリアルタイムの指示がある場合を除き、あらかじめ設定されたスケジュールに従って各々の制御を実行する。すなわち、照明制御部11は、あらかじめ設定された照明スケジュールに従って複数のグループの各々の1以上の照明器具1を制御する。また、音響制御部12は、あらかじめ設定された音響スケジュールに従って複数のグループの各々の1以上の音響装置2を制御する。照明スケジュール及び音響スケジュールは、例えば環境制御システム100の管理者により設定される。
【0050】
照明スケジュールは、例えば任意の日における就業時刻から終業時刻までのスケジュールであって、複数の時間帯に区切られている。そして、複数の時間帯の各々においては、複数のグループG1のうちの少なくとも2以上のグループG1の各々が第1グループG11及び第2グループG12のいずれかに割り当てられている。
【0051】
音響スケジュールは、照明スケジュールと同様に、例えば任意の日における就業時刻から終業時刻までのスケジュールであって、複数の時間帯に区切られている。そして、複数の時間帯の各々においては、複数のグループG1のうちの少なくとも2以上のグループG1の各々が第1グループG11及び第2グループG12のいずれかに割り当てられている。
【0052】
例えば、照明制御部11及び音響制御部12は、照明スケジュール及び音響スケジュールに従って、午前中は全てのグループG1における第1グループG11の占有率が第2グループG12の占有率よりも大きくなるように制御する。また、照明制御部11及び音響制御部12は、照明スケジュール及び音響スケジュールに従って、午後からは全てのグループG1における第1グループG11の占有率が第2グループG12の占有率よりも小さくなるように制御する。このように制御すれば、午前中においてはユーザが集中しやすい、つまりユーザの作業効率の向上を図りやすい空間を多く提供し、午後においてはユーザがリラックスしやすい、つまりユーザが他のユーザとコミュニケーションを図りやすい空間を多く提供することが可能である。
【0053】
このようにスケジュールに従って制御することにより、環境制御システム100の管理者が特にリアルタイムに指示することなく、管理者の要望に沿ったゾーニング効果が期待できる空間をユーザに提供することができる。
【0054】
なお、スケジュールに従って制御する場合、例えば所定の時間帯においては、第1グループG11及び第2グループG12が同時期に存在しなくてもよい。つまり、第1グループG11及び第2グループG12は、全ての時間帯において同時期に存在しなくてもよい。一例として、終業時刻に近い時間帯においては、全てのグループG1を第2グループG12に割り当ててもよい。この場合、ユーザが暖色系の照明環境に晒されやすくなることで終業時刻が近いことを直接的又は潜在的に意識しやすくなり、結果として、ユーザに帰宅を促しやすくなり、残響時間の低減といった効果が期待できる。
【0055】
[ゾーニング効果の検証]
ここで、本願の発明者等は、色温度と特定音との組み合わせによるゾーニング効果を検証すべく、以下に示す実験を行った。すなわち、実験対象の空間(ここでは、オフィスの一室)に複数(ここでは、10人)の被験者を集め、実験対象の空間の条件を変えながら各被験者に所定の作業(ここでは、パーソナルコンピュータでの1分間のタイピング作業)を行ってもらった。そして、各被験者に対して、実験対象の空間の条件ごとに、実験対象の空間に対する印象についてアンケートを実施した。
【0056】
実験対象の空間には、複数のデスクが設置されている。そして、各被験者は、いずれかのデスクにてパーソナルコンピュータ(ここでは、ラップトップ型のパーソナルコンピュータ)を用いてタイピング作業を行った。また、実験対象の空間の天井には、実験対象の空間全体を均一に照らすための複数のベースライトが設置されている。さらに、各デスクには、対応するデスクを局所的に照らすためのスポットライトが設置されている。
【0057】
実験対象の空間の条件は、照明に関する4つの照明条件のうちのいずれか1つの条件と、音に関する4つの音条件のうちのいずれか1つの条件との組み合わせである。つまり、実験は、計16通りの条件について行われた。
【0058】
照明条件は、以下の(A1)~(A4)の4つの条件である。(A1)は、照明光の色温度が3000K、実験対象の空間の照度が800lxとなるように各ベースライトを制御することである。(A2)は、照明光の色温度が3500K、実験対象の空間の照度が800lxとなるように各ベースライトを制御することである。(A3)は、照明光の色温度が5000K、実験対象の空間の照度が800lxとなるように各ベースライトを制御することである。(A4)は、照明光の色温度が3500K、各デスクの中央部の照度が1200lxとなるように各スポットライトを制御することである。
【0059】
音条件は、以下の(B1)~(B4)の4つの条件である。(B1)は、実験対象の空間に対して音を流さない、つまり無音とすることである。(B2)は、実験対象の空間に対して小川のせせらぎの音等の自然環境音を流すことである。(B3)は、実験対象の空間に対してジャズを流すことである。(B4)は、実験対象の空間に対して瞑想用の音楽を流すことである。瞑想用の音楽は、瞑想又はヨガを行う際に流す音楽であって、いわゆるヒーリング系の音楽である。
【0060】
各被験者に対するアンケートでは、実験対象の空間に対する好みの度合い、言い換えれば実験対象の空間に対する依存度について回答を得た。具体的には、実験対象の空間に対する好みの度合いが、(a)非常に好き、(b)かなり好き、(c)やや好き、(d)どちらでもない、(e)やや嫌い、(f)かなり嫌い、(g)非常に嫌い、の7段階評価のうちのいずれであるか、各被験者から回答を得た。
【0061】
そして、本願発明者等は、各被験者に対するアンケートの結果に基づいて、実験対象の空間の条件を定量的に評価した。具体的には、アンケートで得られた7段階評価を等間隔尺度として取り扱い、上記(g)、(f)、…、(a)の評価にそれぞれ「7」、「6」、…、「1」のスカラ値を割り当てた。そして、実験対象の空間を評価するための評価関数を以下の式(1)のように定義し、かつ、評価関数を用いた以下の式(2)により、実験対象の空間の条件ごとにスコアV(m)を求めた。
【0062】
以下の式(1)、(2)においては、「f(n,m)」は評価関数を、「v」は上記のスカラ値を表している。また、以下の式(1)、(2)においては、「n」は被験者に割り当てられた番号を、「N」は被験者の人数、「m」は照明条件と音条件との組み合わせに対して割り当てられた番号を表している。ここでは、被験者が10名であるため、「N」は10であり、「n」は1~10のいずれかの自然数をとり得る。また、ここでは、照明条件と音条件との組み合わせが計16通りであるため、「m」は1~16のいずれかの自然数をとり得る。
【0063】
以下の式(2)においては、実験対象の空間に対して好悪の印象を特段抱かない場合、つまり上記(d)の評価である場合にスコアV(m)が「0」となるように補正するために、「4」を減算している。したがって、スコアV(m)の最大値は「3」、スコアV(m)の最小値は「-3」となる。例えば、スコアV(m)が最大値であれば、全ての被験者が実験対象の空間に対して「非常に好き」という印象を抱いていることを表している。一方、スコアV(m)が最小値であれば、全ての被験者が実験対象の空間に対して「非常に嫌い」という印象を抱いていることを表している。
【0064】
【0065】
上記実験の結果について
図3を用いて説明する。
図3は、照明制御及び音響制御の評価実験の結果の一部を示す図である。
図3において、縦軸は実験対象の空間に対するスコアV(m)を表している。また、
図3において、横軸は実験対象の空間の条件を表している。具体的には、
図3の横軸において、「5000K」は照明条件の(A3)、「3500K」は照明条件の(A2)を表している。また、
図3の横軸において、「無音」は音条件の(B1)、「自然環境音」は音条件の(B2)を表している。
【0066】
図3において、「無音」及び「3500K」の組み合わせでのスコアV(m)が「+0.6」であるのに対して、「無音」及び「5000K」の組み合わせでのスコアV(m)は「+0.6」となっている。つまり、実験対象の空間における照明光の色温度を高くしても、スコアV(m)の上昇が確認されなかった。また、「自然環境音」及び「3500K」の組み合わせでのスコアV(m)が「+0.4」となっている。つまり、ここでは、実験対象の空間に自然環境音を再生しても、スコアV(m)の上昇が確認されなかった。
【0067】
一方、
図3において、「無音」及び「3500K」の組み合わせでのスコアV(m)が「+0.6」であるのに対して、「自然環境音」及び「5000K」の組み合わせでのスコアV(m)は「+1.4」となっている。前述の実験結果から鑑みると、後者の組み合わせにおいてもスコアV(m)の上昇が確認されない、と想定される。しかしながら、これに反して、実験対象の空間における照明光の色温度を高くし、かつ、実験対象の空間にて自然環境音を再生することで、色温度のみを変化させた場合と比較してスコアV(m)の顕著な上昇が確認された。
【0068】
上記実験の結果により、本願発明者等は、照明光の色温度を基準色温度よりも高くし、かつ、自然環境音等の特定音を再生させることで、照明光の色温度のみを変化させる場合と比較して照明光により期待できるゾーニング効果と、音により期待できるゾーニング効果と、を単純に足し合わせた以上の効果を発現しやすくなり、予期せぬ好適な相乗効果を奏しやすくなる効果が期待できる、という知見を得た。
【0069】
[動作]
以下、実施の形態に係る環境制御システム100の動作の一例について説明する。
図4は、実施の形態に係る環境制御システム100の動作例を示すフローチャートである。以下では、照明スケジュール及び音響スケジュールは、いずれもあらかじめ設定されている、と仮定する。また、以下では、照明スケジュール及び音響スケジュールに従った制御タイミングが到来するまでの間は、照明制御部11は、照明光の色温度が基準色温度となるように全てのグループG1の各照明器具1を制御し、音響制御部12は、特に制御を実行しない、と仮定する。つまり、制御タイミングが到来するまでの間は、第1グループG11及び第2グループG12は存在しない、と仮定する。
【0070】
まず、制御タイミングが到来すると(S1:Yes)、照明制御部11は、照明スケジュールに従って第1グループG11の各照明器具1、及び第2グループG12の各照明器具1を制御する(S2)。これにより、第1グループG11に対応する空間では、照明光の色温度が基準色温度よりも高くなり、第2グループG12に対応する空間では、照明光の色温度が基準色温度よりも低くなる。処理S2及び後述する処理S5は、環境制御方法の照明制御ステップST1に相当する。また、音響制御部12は、音響スケジュールに従って第1グループG11の各音響装置2を制御する(S3)。これにより、第1グループG11に対応する空間では、特定音が再生される。処理S3及び後述する処理S6は、環境制御方法の音響制御ステップST2に相当する。
【0071】
照明スケジュール及び音響スケジュールの途中において、例えば環境制御システム100の管理者による指示があれば(S4:Yes)、照明制御部11は、照明スケジュールに割り込む形で、当該指示に従って第1グループG11の各照明器具1、及び第2グループG12の各照明器具1を制御する(S5)。また、音響制御部12は、音響スケジュールに割り込む形で、当該指示に従って第1グループG11の各音響装置2を制御する(S6)。
【0072】
上記の一連の処理は、照明スケジュール及び音響スケジュールが終了するまで(S7:Yes)、繰り返される。
【0073】
[利点]
以下、実施の形態に係る環境制御システム100の利点について説明する。実施の形態に係る環境制御システム100では、第1グループG11に対応する空間、及び第2グループG12に対応する空間という互いに異なる環境となるように制御された2以上の空間を、ユーザに同時に提供することが可能である。言い換えれば、実施の形態に係る環境制御システム100は、互いに異なるゾーニング効果を奏するように制御された2以上の空間を、ユーザに同時に提供することが可能である。すなわち、第1グループG11に対応する空間では、ユーザが集中しやすい環境となり、第2グループG12に対応する空間では、ユーザがリラックスしやすい環境となっている。さらに、第1グループG11に対応する空間は、特定音が再生されることで、特定音を再生しない場合と比較して、ユーザが更に集中しやすい環境となっており、第2グループG12に対応する空間との差異をユーザがより認知しやすくなっている。
【0074】
したがって、ユーザは、例えばリラックスした状態で作業を行う場合、又は他のユーザとコミュニケーションを図りたい場合には、第2グループG12に対応する空間に移動する。また、ユーザは、例えば集中して作業を行いたい場合、又は他のユーザとのコミュニケーションを避けたい場合には、第1グループG11に対応する空間に移動する。このように、実施の形態に係る環境制御システム100では、ユーザは、互いに異なる環境となるように制御された2以上の空間から自身が望む環境を選択して利用することができるので、自身が望む環境に滞在しやすくなり、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【0075】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。以下、実施の形態の変形例について列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせてもよい。
【0076】
[実施の形態の変形例1]
実施の形態の変形例1に係る環境制御システム100は、
図5に示すように、取得部14を備えている点で、実施の形態に係る環境制御システム100と相違する。
図5は、実施の形態の変形例1に係る環境制御システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0077】
取得部14は、ユーザに関する情報を取得する。以下、取得部14にて取得するユーザに関する情報の例、及び取得した情報に基づく制御の例について列挙する。なお、環境制御システム100は、以下に示す第1例~第3例のうち少なくともいずれか1つを実行すればよく、複数の例を実行してもよい。
【0078】
第1例では、取得部14は、ユーザの位置情報を取得する。つまり、第1例においては、取得部14は、「第1取得部」とも言える。ここで、位置情報は、環境制御システム100が制御対象とする空間(ここでは、オフィス3)におけるユーザの位置を表す情報であればよく、当該空間以外の場所でのユーザの位置を表す情報は含んでいなくてよい。
【0079】
取得部14は、例えばオフィス3に設置された赤外線センサ等の人感センサから送信される検知結果を取得することにより、ユーザの位置情報を取得することが可能である。すなわち、ある人感センサから、検知範囲内に人が存在するという検知結果を取得した場合、取得部14は、当該人感センサの設置された位置及び検知範囲に基づいて、オフィス3におけるユーザの位置情報を取得することが可能である。
【0080】
また、取得部14は、例えばオフィス3に採用された、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等を用いた屋内位置情報検知システムからの検知結果を取得することにより、オフィス3におけるユーザの位置情報を取得することが可能である。
【0081】
また、取得部14は、例えばオフィス3に設置されたカメラからオフィス3を撮像した画像を取得し、この画像に対して適宜の画像解析処理を実行することで、オフィス3におけるユーザの位置情報を取得することが可能である。
【0082】
その他、取得部14は、例えばオフィス3に設置されたタグリーダから、ユーザが所持する無線ICタグの読み取り結果を取得することにより、オフィス3におけるユーザの位置情報を取得することが可能である。
【0083】
そして、第1例では、第1グループG11及び第2グループG12は、取得部14にて取得された位置情報に基づいて決定される。例えば、任意の時点において、第1グループG11に対応する空間が第2グループG12に対応する空間よりも混雑している、と仮定する。この場合、照明制御部11及び音響制御部12は、第1グループG11の数を増やすように、第1グループG11及び第2グループG12を決定する。これにより、第1グループG11に対応する空間の床面積が増えることから、混雑の解消を図ることが可能である。
【0084】
上述のように、第1例では、ユーザの位置情報に基づいて第1グループG11及び第2グループG12が決定されるので、ユーザの位置に応じて第1グループG11及び第2グループG12の各々の占有率のバランスを調整することが可能である。この態様では、オフィス3のオーナーにとって、比較的小さな面積でユーザ満足度の高いオフィス環境を提供しやすくなるので、好ましい。
【0085】
第2例では、取得部14は、ユーザの予定情報を取得する。つまり、第2例においては、取得部14は、「第2取得部」とも言える。ここで、予定情報は、環境制御システム100が制御対象とする空間(ここでは、オフィス3)にユーザが滞在する予定を表す情報であればよく、当該空間以外の場所でのユーザが滞在する予定を表す情報は含んでいなくてよい。予定情報は、例えばユーザの就業開始時刻及び終業時刻を含んでいる。
【0086】
予定情報は、例えばユーザが情報端末を用いて入力することにより、予定情報を管理するデータベースへと送信され、蓄積される。取得部14は、このデータベースから予定情報を取得することが可能である。
【0087】
そして、第2例では、第1グループG11及び第2グループG12は、取得部14にて取得された予定情報に基づいて決定される。例えば、就業開始時刻が午前9時であるユーザの数が、就業開始時刻が午前10時であるユーザの数よりも少ない、と仮定する。この場合、照明制御部11及び音響制御部12は、午前9時~午前10時においては第1グループG11の数を少なくし、午前10時以降においては第1グループG11の数を増やすように、第1グループG11及び第2グループG12を決定する。これにより、作業の捗りやすい午前中において、集中力を要する作業を行いやすい第1グループG11に対応する空間をユーザに適切に提供することが可能である。
【0088】
上述のように、第2例では、ユーザの予定情報に基づいて第1グループG11及び第2グループG12が決定されるので、ユーザの予定に応じて第1グループG11及び第2グループG12の各々の占有率のバランスを調整することが可能である。この態様では、オフィス3のオーナーにとって、比較的小さな面積でユーザ満足度の高いオフィス環境を提供しやすくなるので、好ましい。
【0089】
第3例では、取得部14は、ユーザの嗜好情報を取得する。つまり、第3例においては、取得部14は、「第3取得部」とも言える。嗜好情報は、一例として、ユーザの空間に対する好みの度合いを含んでいる。具体的には、嗜好情報は、ユーザが第1グループG11に対応する空間を好むか、第2グループG12に対応する空間を好むか、又はどちらでもない、等の情報を含んでいる。
【0090】
嗜好情報は、例えばユーザが情報端末を用いて入力することにより、嗜好情報を管理するデータベースへと送信され、蓄積される。取得部14は、このデータベースから嗜好情報を取得することが可能である。
【0091】
また、取得部14は、ユーザの位置情報に基づいて、ユーザがどの空間に滞在しがちであるかの傾向を適宜の処理により解析することで、嗜好情報を取得することが可能である。この場合、ユーザによる嗜好情報の入力は不要である。
【0092】
そして、第3例では、第1グループG11及び第2グループG12は、取得部14にて取得された嗜好情報に基づいて決定される。例えば、第1グループG11に対応する空間を好むユーザの数が、第2グループG12に対応する空間を好むユーザの数よりも多い、と仮定する。この場合、照明制御部11及び音響制御部12は、第1グループG11に対応する空間の占有率が、第1グループG12に対応する空間の占有率よりも大きくなるように、第1グループG11及び第2グループG12を決定する。これにより、多数のユーザが好む空間が混雑するのを回避しやすくなる。
【0093】
上述のように、第3例では、ユーザの嗜好情報に基づいて第1グループG11及び第2グループG12が決定されるので、ユーザの嗜好に応じて第1グループG11及び第2グループG12の各々の占有率のバランスを調整することが可能である。この態様では、オフィス3のオーナーにとって、比較的小さな面積でユーザ満足度の高いオフィス環境を提供しやすくなるので、好ましい。
【0094】
[実施の形態の変形例2]
実施の形態の変形例2に係る環境制御システム100は、
図6に示すように、通知部15を備えている点で、実施の形態に係る環境制御システム100と相違する。
図6は、実施の形態の変形例2に係る環境制御システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0095】
通知部15は、少なくとも第1グループG11及び第2グループG12の状況をユーザに通知する。例えば、通知部15は、オフィス3の平面図であって、全てのグループG1の各々が第1グループG11、第2グループG12、又はどちらでもない、のいずれに属するかを表したマップを生成する。そして、通知部15は、生成したマップをユーザの使用する情報端末へ送信する。これにより、ユーザは、情報端末にて受信したマップを確認することにより、第1グループG11に対応する空間(リラックスしやすい空間)、及び第2グループG12に対応する空間(集中しやすい空間)がオフィス3の何処にあるかを把握することが可能である。
【0096】
また、通知部15は、生成したマップを、オフィス3に設置されたプロジェクタへ送信してもよい。この場合、プロジェクタは、受信したマップをスクリーンに投影する。これにより、ユーザは、スクリーンに投影されたマップを確認することにより、第1グループG11に対応する空間、及び第2グループG12に対応する空間がオフィス3の何処にあるかを把握することが可能である。なお、プロジェクタは、スクリーンの代わりに、オフィス3の壁、又は天井等にマップを投影してもよい。
【0097】
その他、通知部15は、マップを送信する代わりに、第1グループG11及び第2グループG12の状況を表すメッセージ、又は第1グループG11及び第2グループG12の状況を表す音声コンテンツをユーザに通知してもよい。もちろん、通知部15は、上記のマップ、メッセージ、及び音声コンテンツを適宜組み合わせてユーザに通知してもよい。
【0098】
上述のように、第1グループG11及び第2グループG12の状況がユーザに通知されるので、第1グループG11及び第2グループG12の状況をユーザが把握することが可能である。
【0099】
[その他の変形例]
実施の形態では、第2グループG12に割り当てられた1以上の音響装置2は音を再生していないが、音を再生してもよい。この場合、再生する音の種類は、例えば第1グループG11に割り当てられた1以上の音響装置2が再生する特定音とは異なる音であるのが好ましい。つまり、この場合、第2グループG12に割り当てられた1以上の音響装置2は、第1グループG11と第2グループG12との差異が、よりユーザに知覚されるような音を再生するのが好ましい。
【0100】
実施の形態では、各照明器具1には、アンビエント照明としてのベースライトが採用されているが、これに限らない。例えば、複数の照明器具1の一部には、タスクライトとしてのスポットライトが採用されていてもよい。つまり、各照明器具1は、少なくとも第1グループG11に対応する空間と、第2グループG12に対応する空間と、をユーザが互いに異なる空間であると認知し得る程度に光を照射する態様であればよい。
【0101】
実施の形態では、全てのグループG1の各々に1以上の音響装置2が割り当てられているが、これに限らない。例えば、少なくとも第1グループG11となり得るグループG1に1以上の音響装置2が割り当てられていればよく、第1グループG11となり得ないグループG1には音響装置2が割り当てられていなくてもよい。
【0102】
実施の形態では、照明器具1と音響装置2とは別体に構成されているが、これに限らない。例えば、照明器具1に音響装置2が内蔵されることにより、照明器具1と音響装置2とが一体に構成されていてもよい。
【0103】
実施の形態では、オフィス3は、他に部屋の存在しない1つの大部屋で構成されているが、これに限らない。例えば、オフィス3は、1以上の部屋を有する大部屋で構成されていてもよいし、複数の階層に跨って構成されていてもよい。
【0104】
実施の形態では、環境制御システム100は、1つのオフィス3を対象としているが、これに限らない。例えば、環境制御システム100は、複数のオフィス3を対象とし、オフィス3ごとに各照明器具1及び各音響装置2を制御してもよい。
【0105】
実施の形態では、照明器具1及び音響装置2は環境制御システム100の構成要素に含まれていないが、照明器具1及び音響装置2の少なくとも一方が環境制御システム100の構成要素に含まれていてもよい。
【0106】
また、例えば、上記実施の形態では、環境制御システム100は、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、環境制御システム100は、サーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。環境制御システム100が複数の装置によって実現される場合、環境制御システム100が備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、上記実施の形態でサーバ装置が備える構成要素は、閉空間に設置された情報端末に備えられてもよい。つまり、本発明は、クラウドコンピューティングによって実現されてもよいし、エッジコンピューティングによって実現されてもよい。
【0107】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0108】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0109】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0110】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0111】
例えば、本発明は、環境制御システム100等のコンピュータが実行する環境制御方法として実現されてもよいし、このような環境制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0112】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【0113】
(まとめ)
以上述べたように、環境制御システム100は、複数のグループG1の各々に割り当てられた1以上の照明器具1を制御する照明制御部11と、複数のグループG1の各々に割り当てられた1以上の音響装置2を制御する音響制御部12と、を備える。複数のグループG1は、第1グループG11と、第2グループG12と、を含んでいる。照明制御部11は、第1グループG11における1以上の照明器具1を色温度が基準色温度よりも高くなるように制御し、第2グループG12における1以上の照明器具1を色温度が基準色温度よりも低くなるように制御する。音響制御部12は、第1グループG11における1以上の音響装置2を、特定音を再生するように制御する。
【0114】
このような環境制御システム100によれば、互いに異なる環境となるように制御された2以上の空間をユーザに提供することができるので、ユーザが自身の望む環境に滞在しやすくなり、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【0115】
また、例えば、環境制御システム100では、基準色温度は、3500Kであってもよい。
【0116】
このような環境制御システム100によれば、第1グループG11に対応する空間においては、ユーザが比較的集中しやすい空間を提供することができる。また、第2グループG12に対応する空間においては、ユーザが比較的リラックスしやすい空間を提供することができる。
【0117】
また、例えば、環境制御システム100では、特定音は、ホワイトノイズであってもよい。
【0118】
このような環境制御システム100によれば、第1グループG11に対応する空間においては、1以上の照明器具1からの照明光のみが提供される場合と比較して、更に集中力を高める効果が期待できる空間を提供することができる。
【0119】
また、例えば、環境制御システム100では、特定音は、自然環境音であってもよい。
【0120】
このような環境制御システム100によれば、第1グループG11に対応する空間においては、1以上の照明器具1からの照明光のみが提供される場合と比較して、更に集中力を高める効果が期待できる空間を提供することができる。
【0121】
また、例えば、環境制御システム100では、特定音は、鳥のさえずり又は流水音であってもよい。
【0122】
このような環境制御システム100によれば、第1グループG11に対応する空間においては、1以上の照明器具1からの照明光のみが提供される場合と比較して、更に集中力を高める効果が期待できる空間を提供することができる。
【0123】
また、例えば、環境制御システム100では、照明制御部11は、あらかじめ設定された照明スケジュールに従って複数のグループG1の各々の1以上の照明器具1を制御してもよい。さらに、音響制御部12は、あらかじめ設定された音響スケジュールに従って複数のグループG1の各々の1以上の音響装置2を制御してもよい。
【0124】
このような環境制御システム100によれば、環境制御システム100の管理者が特にリアルタイムに指示することなく、管理者の要望に沿ったゾーニング効果が期待できる空間をユーザに提供することができる。
【0125】
また、例えば、環境制御システム100は、ユーザの位置情報を取得する取得部(第1取得部)14を更に備えていてもよい。そして、第1グループG11及び第2グループG12は、取得部(第1取得部)14にて取得された位置情報に基づいて決定されてもよい。
【0126】
このような環境制御システム100によれば、ユーザの位置に応じて第1グループG11及び第2グループG12の各々の占有率のバランスを調整することが可能である。
【0127】
また、例えば、環境制御システム100は、ユーザの予定情報を取得する取得部(第2取得部)14を更に備えていてもよい。そして、第1グループG11及び第2グループG12は、取得部(第2取得部)14にて取得された予定情報に基づいて決定されてもよい。
【0128】
このような環境制御システム100によれば、ユーザの予定に応じて第1グループG11及び第2グループG12の各々の占有率のバランスを調整することが可能である。
【0129】
また、例えば、環境制御システム100は、ユーザの嗜好情報を取得する取得部(第3取得部)14を更に備えていてもよい。そして、第1グループG11及び第2グループG12は、取得部(第3取得部)14にて取得された嗜好情報に基づいて決定されてもよい。
【0130】
このような環境制御システム100によれば、ユーザの嗜好に応じて第1グループG11及び第2グループG12の各々の占有率のバランスを調整することが可能である。
【0131】
また、例えば、環境制御システム100は、少なくとも第1グループG11及び第2グループG12の状況をユーザに通知する通知部15を更に備えていてもよい。
【0132】
このような環境制御システム100によれば、第1グループG11及び第2グループG12の状況をユーザが把握することが可能である。
【0133】
また、環境制御方法は、複数のグループG1の各々に割り当てられた1以上の照明器具1を制御する照明制御ステップST1と、複数のグループG1の各々に割り当てられた1以上の音響装置2を制御する音響制御ステップST2と、を含む。複数のグループG1は、第1グループG11と、第2グループG12と、を含んでいる。照明制御ステップST1では、第1グループG11における1以上の照明器具1を色温度が基準色温度よりも高くなるように制御し、第2グループG12における1以上の照明器具1を色温度が基準色温度よりも低くなるように制御する。音響制御ステップST2では、第1グループG11における1以上の音響装置2を、特定音を再生するように制御する。
【0134】
このような環境制御方法によれば、相反する環境となるように制御された2以上の空間をユーザに提供することができるので、ユーザが自身の望む環境に滞在しやすくなり、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【0135】
また、例えば、プログラムは、1以上のプロセッサに、上記の環境制御方法を実行させる。
【0136】
このようなプログラムによれば、互いに異なる環境となるように制御された2以上の空間をユーザに提供することができるので、ユーザが自身の望む環境に滞在しやすくなり、ユーザの満足度が向上しやすい、という利点がある。
【符号の説明】
【0137】
100 環境制御システム
11 照明制御部
12 音響制御部
14 取得部
15 通知部
1 照明器具
2 音響装置
G1 グループ
G11 第1グループ
G12 第2グループ
ST1 照明制御ステップ
ST2 音響制御ステップ