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特許7506877ガイドワイヤ付形型及びガイドワイヤ付形方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ付形型及びガイドワイヤ付形方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20240620BHJP
   B21F 1/00 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
A61M25/09 500
B21F1/00 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021533992
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(86)【国際出願番号】 JP2020027748
(87)【国際公開番号】W WO2021015103
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】P 2019136519
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】596165589
【氏名又は名称】学校法人 聖マリアンナ医科大学
(73)【特許権者】
【識別番号】591050729
【氏名又は名称】株式会社オーゼットケー
(73)【特許権者】
【識別番号】591058459
【氏名又は名称】新和商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167092
【弁理士】
【氏名又は名称】鷹津 俊一
(72)【発明者】
【氏名】石橋 祐記
(72)【発明者】
【氏名】明石 嘉浩
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 陽彦
(72)【発明者】
【氏名】三橋 克伯
(72)【発明者】
【氏名】森下 喜郎
【審査官】豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-334321(JP,A)
【文献】実開平04-108555(JP,U)
【文献】特開平02-151328(JP,A)
【文献】特開平08-132164(JP,A)
【文献】米国特許第01578462(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
B21F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端を環状に配置したガイドワイヤの環径を縮小させて前記ガイドワイヤを付形するように構成されたガイドワイヤ付形型であり、
前記ガイドワイヤの環状部分が配置されるように構成されたワイヤ付形部と、
通路状に形成され、前記ワイヤ付形部と連通し、前記ガイドワイヤを直線方向且つ基端向きに退出させるように構成されたワイヤ引出路とを備えるガイドワイヤ付形型。
【請求項2】
構成する部材の少なくとも一部の材質が合成樹脂である、請求項1に記載のガイドワイヤ付形型。
【請求項3】
前記ワイヤ付形部は、前記ワイヤ引出路の幅よりも広い偏平状の空洞を形成するワイヤ付形室により構成される、請求項2に記載のガイドワイヤ付形型。
【請求項4】
前記ワイヤ付形室は、その偏平状の厚さ方向に直交する方向の内向きに面する内壁の一部が平面状のワイヤ平面案内壁を構成し、前記ワイヤ平面案内壁と前記ワイヤ引出路の通路壁であるワイヤ平面案内延長壁とが同一平面状に連続する、請求項3に記載のガイドワイヤ付形型。
【請求項5】
前記ワイヤ付形室は、前記偏平状の厚さ方向に直交する方向の内向きに面する内壁の、前記ワイヤ平面案内壁と異なる一部が、凹状の曲面状に形成されるワイヤ曲面壁を構成し、
前記ワイヤ曲面壁は、前記ワイヤ引出路の通路壁であり且つ前記ワイヤ引出路の中央線を挟んで前記ワイヤ平面案内延長壁と対向するワイヤ曲面隣接壁と角を成して連続する、請求項4に記載のガイドワイヤ付形型。
【請求項6】
前記ワイヤ付形室は、その偏平状の厚さ方向に対向する一対の内壁の何れか、または、両方が前記厚さ方向に設けられる突起状の突起状ワイヤ案内軸を有する、請求項3に記載のガイドワイヤ付形型。
【請求項7】
前記ワイヤ付形室は、その偏平状の厚さ方向に対向する一対の内壁の両方と接続される柱状の柱状ワイヤ案内軸を有する、請求項3に記載のガイドワイヤ付形型。
【請求項8】
前記ワイヤ付形室の偏平状の厚さ方向において二分割され、一方側の本体部と、前記本体部を被蓋するように構成された他方側の蓋部とを備え、
前記蓋部の底面の一部は、前記ワイヤ付形室の天井を形成する、請求項3に記載のガイドワイヤ付形型。
【請求項9】
前記ワイヤ付形部は円錐台形状の内周面を有し、
前記ワイヤ引出路は前記円錐台形状の先端部において前記ワイヤ付形部と連通する、請求項1に記載のガイドワイヤ付形型。
【請求項10】
前記ワイヤ引出路は、前記ワイヤ付形部と隣接する部分である付形部隣接部分における断面が、前記ガイドワイヤを二本重ねて配置することができる形状及び面積を有するとともに、前記付形部隣接部分と、前記ワイヤ付形部から離れる向きにおいて前記付形部隣接部分と連続し且つ前記付形部隣接部分よりも断面積が小さい部分であるワイヤ引出部分とを有し、前記付形部隣接部分と前記ワイヤ引出部分との段差において前記ワイヤ付形部に近付く向きに面するステップ面を有する、請求項9に記載のガイドワイヤ付形型。
【請求項11】
通路状に形成されるワイヤ引出路と、前記ワイヤ引出路と連通した付形空間を有するワイヤ付形部とを有するガイドワイヤ付形型を準備する型準備工程と、
前記ワイヤ引出路の出口孔からガイドワイヤを挿入するとともに前記ガイドワイヤの先端を、前記ワイヤ付形部に環状に配置するワイヤ配置工程と、
前記ガイドワイヤの基端側を前記出口孔から引き出し、前記先端側の環状部分の全周を短くして前記環状部分の環径を縮小させる環径縮小工程とを含む
ことを特徴とするガイドワイヤ付形方法。
【請求項12】
前記型準備工程において準備する前記ガイドワイヤ付形型は、前記ワイヤ付形部が前記ガイドワイヤ付形型の型外に対して開放し、
前記ワイヤ配置工程は、前記出口孔から挿入する前記ガイドワイヤの先端を、前記ワイヤ付形部を経て前記型外へ飛び出させるワイヤ挿入ステップと、向きを反転し、再び前記ワイヤ付形部に戻すステップであるワイヤ再挿入ステップを含む、請求項11に記載のガイドワイヤ付形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガイドワイヤ付形型及びガイドワイヤ付形方法に関し、特にガイドワイヤの一端側を環状に配置するワイヤ付形部を有するガイドワイヤ付形型及び前記ガイドワイヤ付形型を準備する型準備工程を含むガイドワイヤ付形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガイドワイヤの一端側を環状に配置するワイヤ付形部と、前記ガイドワイヤの他端側を直線状に配置するワイヤ引出路とを有し、該ワイヤ引出路が通路状に形成され、かつ、型外部と連通するように構成されるガイドワイヤ付形型がある(特許文献1)。
【0003】
ガイドワイヤとは、例えばカテーテルイントロデューサなどの血管への挿入及び留置を容易にするための柔軟性のあるワイヤ状の器具をいう。ガイドワイヤの端部には、患者に挿入する側のガイドワイヤ端を患者側端と、操作する術者側のガイドワイヤ端を手元端とがある。ガイドワイヤは、例えば患者側端を曲げ変形させ、希望する向き、傾きなどに形状付けすることにより、屈曲病変や側枝へのアクセスを容易となる。
【0004】
このとき、患者側端が鋭利であれば、血管の内壁を傷つけ、最悪な場合は血管を破ってしまうおそれがある。そのため、患者側端を例えば環状に付形し、先端を折り返すことにより血管のダメージを低減することが求められる。
【0005】
従来のガイドワイヤ付形型は図21に示す金型91により構成される。従来のガイドワイヤ付形方法は、ガイドワイヤGを、金型91の凹部92,93に挿入して形状を保持させ、加熱炉に入れて好ましくは400~600℃で30~300分加熱処理する加熱処理工程を含む。凹部92,93はガイドワイヤGの一端側Gaを環状に配置するワイヤ付形部92とガイドワイヤGの他端側Gbを直線状に配置するワイヤ引出路93とを有する。そして、ガイドワイヤGは金型91から取り出されると、一端側Gaが金型91で保持された形状に曲げ形成されている。
【0006】
このとき、一端側Gaは患者に挿入する側に該当する。
【0007】
従来のガイドワイヤ付形型は、ガイドワイヤGの一端側Gaをワイヤ付形部92の内側の形状に倣った環状に付形することにより、血管のダメージを低減することが可能な形状とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平7-255856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のガイドワイヤ付形型は、加熱炉に入れて加熱処理することによりガイドワイヤGを付形する。ガイドワイヤGは、医療従事者らの術者が、手術室などの医療現場において付形加工を行う。このとき、医療現場において高温に上昇する加熱炉を設置することは、他の医療機器への悪影響を及ぼしかねない。また、術者がこうした加熱炉を操作することは、これから医療行為に臨もうとする術者に火傷などの危険を与えかねない。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑み、ガイドワイヤの先端を折り返すことにより血管へのダメージを低減し、かつ、加熱処理を必要としないガイドワイヤ付形型及びガイドワイヤ付形方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明は先端を環状に配置したガイドワイヤの環径を縮小して前記ガイドワイヤを付形するように構成されたガイドワイヤ付形型であり、前記ガイドワイヤの環状部分が配置されるように構成されたワイヤ付形部と、通路状に形成され、前記ワイヤ付形部と連通し、前記ガイドワイヤを直線方向且つ基端向きに退出させるように構成されたワイヤ引出路とを備えるガイドワイヤ付形型を提供するものである。
【0012】
すなわち、本発明のガイドワイヤ付形型は、ガイドワイヤの基端側をワイヤ引出路を経由して退出させることにより、ワイヤ付形部において、前記ガイドワイヤが引っ張られ、その全周を短くし、先端に近い側の環状部分の環径を縮小することができる。
【0013】
このとき、前記環径が縮小される過程において、前記環状部分は小さく丸まり、丸まった状態で前記基端側からの張力が働いて塑性変形を起こす。これにより、ガイドワイヤがガイドワイヤ付形型から取り外され、前記環状部分は前記ワイヤ付形部から取り外された後においても、希望する環径の形状に付形されるのであって、再度環径が拡がるようないわゆるスプリングバックが大きく生じることがない。
【0014】
こうして、ガイドワイヤの患者側に対応する前記環状部分を必要な大きさに付形することができる。また、先端が折り返されるため、前記先端による血管のダメージを低減することができる。なお、前記環状部分を本明細書において「一端側」と記載することがあり、また、前記基端側を本明細書において「他端側」と記載することがある。
【0015】
しかも、本発明のガイドワイヤ付形型は、前述のような塑性変形による付形を可能とするため加熱炉などを用いる加熱処理を必要としない。
【0016】
(2)また、構成する部材の少なくとも一部の材質が合成樹脂であってもよい。
【0017】
すなわち、本発明のガイドワイヤ付形型は、ガイドワイヤが触れる部分の一部又は全部が合成樹脂により形成されるため、部材を例えば射出成形機のような装置により短時間で大量に製造することができる。そのため、ガイドワイヤ付形型をより経済的に製造することができ、ひいては経済的なガイドワイヤの付形を行うことができる。また、合成樹脂のため、金属製などと比べて軽量なガイドワイヤ付形型を得ることができる。
【0018】
従来のガイドワイヤ付形型は加熱処理によるガイドワイヤ付形を行うため、例えばワイヤ付形部の内部を形成する部材などを合成樹脂により形成すれば、このような部材が温度上昇により変形・変質してしまうおそれがあり、材質として合成樹脂を採用することができなかった。
【0019】
(3)また、前記ワイヤ付形部は、前記ワイヤ引出路の幅よりも広い偏平状の空洞を形成するワイヤ付形室により構成されてもよい。
【0020】
すなわち、このワイヤ付形室は前記ワイヤ引出路の幅よりも広い偏平状の空洞に形成されるため、この空洞に広がったガイドワイヤの環状部分に対して、基端側を引き出す長さによって縮小後の環径を自在に決めることができる。
【0021】
(4)また、前記ワイヤ付形室は、その偏平状の厚さ方向に直交する方向の内向きに面する内壁の一部が平面状のワイヤ平面案内壁を構成し、前記ワイヤ平面案内壁と前記ワイヤ引出路の通路壁であるワイヤ平面案内延長壁とが同一平面状に連続してもよい。
【0022】
すなわち、ワイヤ付形室がワイヤ平面案内壁を有し、かつ、このワイヤ平面案内壁からワイヤ引出路が同一平面状に連続するため、環径が縮小される過程において、ガイドワイヤは、環状部分を除いて前記同一平面から外れて変形することが規制される。そのため、ガイドワイヤは前記環状部分が前記空洞内に留まりつつ、前記ワイヤ平面案内壁及び前記ワイヤ引出路に沿う部分が略直線状態に保たれる。この結果、前記ガイドワイヤは平面視においてアルファベット小文字のp字状、q字状、b字状、d字状のような姿勢を示し、それぞれの縦棒に相当する部分が直線状態に保たれる。
【0023】
ところで、術者にとってガイドワイヤが前記直線状態を保たず、ちょうど前記p字状の縦棒の先端が下向きほど左向きに大きく傾くように腰折れ、また、前記q字状の縦棒の先端が下向きほど右向きに大きく傾くように腰折れているときは、屈曲病変や側枝へのアクセスのため、そのガイドワイヤの向き、傾きなどを自在に形状付けすることが多少困難な場合があることが知られている。このような場合、術者にとって前記p字状や前記q字状の縦棒が前述のような直線状態に保たれることが好ましい。
【0024】
こうして、本発明のガイドワイヤ付形型は、ガイドワイヤの先端を折り返すことが可能であるとともに、ガイドワイヤを、術者が形状付けし易い状態に加工することができる。
【0025】
(5)また、前記ワイヤ付形室は、前記偏平状の厚さ方向に直交する方向の内向きに面する内壁の、前記ワイヤ平面案内壁と異なる一部が、凹状の曲面状に形成されるワイヤ曲面壁を構成し、前記ワイヤ曲面壁は、前記ワイヤ引出路の通路壁であり且つ前記ワイヤ引出路の中央線を挟んで前記ワイヤ平面案内延長壁と対向するワイヤ曲面隣接壁と角を成して連続してもよい。
【0026】
前記環径が縮小される過程において、ガイドワイヤの先端又は先端に近い部分は前記ワイヤ曲面壁と当接する。
【0027】
このとき、前記p字状や前記q字状の縦棒に相当する部分が前記型外部に向けて引き出されるのに対し、前記p字状や前記q字状の輪に相当する部分は前記ワイヤ曲面壁からの摩擦力を受け、環状状態のままで前記ワイヤ付形室に留まることにより前記環径の縮小を続ける。
【0028】
こうして、本発明のガイドワイヤ付形型は、加熱処理を行なわず、かつ、ガイドワイヤの先端を確実に折り返すことが可能である。
【0029】
(6)また、前記ワイヤ付形室は、その偏平状の厚さ方向に対向する一対の内壁の何れか、または、両方が前記厚さ方向に設けられる突起状の突起状ワイヤ案内軸を有してもよい。
【0030】
すなわち、ワイヤ付形室が突起状ワイヤ案内軸を有しているので、ガイドワイヤの環状部分は前記突起状ワイヤ案内軸に巻き付くように曲げ変形することができる。そのため、術者は容易に前記環径を縮小することができ、より効率的なガイドワイヤの付形を行うことができる。
【0031】
(7)また、前記ワイヤ付形室は、その偏平状の厚さ方向に対向する一対の内壁の両方と接続される柱状の柱状ワイヤ案内軸を有してもよい。
【0032】
すなわち、ワイヤ付形室が柱状ワイヤ案内軸を有しているので、ガイドワイヤの環状部分は前記柱状ワイヤ案内軸に巻き付くように曲げ変形を行うことができる。そのため、術者は容易に前記環径を縮小することができ、より効率的なガイドワイヤの付形を行うことができる。
【0033】
(8)また、前記ワイヤ付形室の偏平状の厚さ方向において二分割され、一方側の本体部と、前記本体部を被蓋するように構成された他方側の蓋部とを備え、前記蓋部の底面の一部は、前記ワイヤ付形室の天井を形成してもよい。
【0034】
すなわち、ガイドワイヤを付形する時は本体部を蓋部により被蓋し、ワイヤ付形室内でガイドワイヤを曲げ変形することができる一方で、付形後は前記蓋部を開けて前記ワイヤ付形室の天井を解放し、付形後のガイドワイヤをガイドワイヤ付形室から取り出すことができる。このような前記蓋部を開閉することにより、一のガイドワイヤを付形した後に、続けて他のガイドワイヤの効率的な付形を行うことができる。
【0035】
(9)また、前記ワイヤ付形部は円錐台形状の内周面を有し、前記ワイヤ引出路は前記円錐台形状の先端部において前記ワイヤ付形部と連通してもよい。
【0036】
ガイドワイヤの先端部分は、そのガイドワイヤが内側に備えるコアワイヤの横断面形状が略長方形であることが知られている。そのため、前記横断面は、例えばy方向の長辺と、このy方向と90°を成すx方向の短辺とを有している。
【0037】
そこで、これらのガイドワイヤを、例えば一端がy方向に変位するように曲げる場合と、一端がx方向に変位するように曲げる場合との、それぞれの変形に対する抵抗の大きさである曲げ剛性を比較すると、長辺方向のy方向に変位させるときの曲げ剛性の方が大きいことが知られている。逆に、短辺方向のx方向に変位させるときの曲げ剛性の方が小さいことが知られている。
【0038】
このなかで発明者は、このような曲げの特性を有するガイドワイヤの環径を縮小するため、本発明のガイドワイヤ付形型を用いて環状部分を小さく付形する際、ガイドワイヤが自ら姿勢を変え、前記コアワイヤがy方向の長辺とワイヤ付形部の円錐台形状の内周面との関係がお互いに平行な位置の関係に収束することを発見した。このようにy方向長辺と前記内周面とが平行なときは、ガイドワイヤをx方向に曲げることになるため曲げ剛性は比較的小さい。その結果、本発明のガイドワイヤ付形型により、ガイドワイヤは付形のために曲がるとき、自ずと曲げ剛性のより小さい姿勢をとることができる。そのため、術者はより小さな力を与えることによってガイドワイヤを付形することができる。
【0039】
この作用により、ガイドワイヤのより曲げ剛性の小さい姿勢、すなわちより曲がりやすい姿勢で環径を縮小させることができる。そのため、術者はガイドワイヤ付形型によりガイドワイヤを容易に付形することができる。
【0040】
(10)また、前記ワイヤ引出路は、前記ワイヤ付形部と隣接する部分である付形部隣接部分における断面が、前記ガイドワイヤを二本重ねて配置することができる形状及び面積を有するとともに、前記付形部隣接部分と、前記ワイヤ付形部から離れる向きにおいて前記付形部隣接部分と連続し且つ前記付形部隣接部分よりも断面積が小さい部分であるワイヤ引出部分とを有し、前記付形部隣接部分と前記ワイヤ引出部分との段差において前記ワイヤ付形部に近付く向きに面するステップ面を有してもよい。
【0041】
すなわち、本発明のガイドワイヤ付形型は、ワイヤ引出路が付形部隣接部分においてガイドワイヤを二本重ねて配置することができ、かつ、前記付形部隣接部分とワイヤ引出部分との段差におけるステップ面を有するため、術者は、前記ガイドワイヤの最先端部を前記付形部隣接部分に差し込み、しかも、前記最先端部が前記ステップ面に当接した状態で差し込みを止めることができる。そのため、術者は、前記最先端部を前記ワイヤ引出路に固定して容易に先端を環状に配置して付形することができる。
【0042】
(11)本発明は通路状に形成されるワイヤ引出路と、前記ワイヤ引出路と連通した付形空間を有するワイヤ付形部とを有するガイドワイヤ付形型を準備する型準備工程と、前記ワイヤ引出路の出口孔からガイドワイヤを挿入するとともに前記ガイドワイヤの先端を、前記ワイヤ付形部に環状に配置するワイヤ配置工程と、前記ガイドワイヤの基端側を前記出口孔から引き出し、前記先端側の環状部分の全周を短くして前記環状部分の環径を縮小させる環径縮小工程とを含むことを特徴とするガイドワイヤ付形方法を提供するものである。
【0043】
すなわち、本発明のガイドワイヤ付形方法は、ガイドワイヤの環状部分の環径を縮小させることにより、確実に先端が折り返された形状に付形することができる。こうして、ガイドワイヤの先端による血管のダメージを低減することができる。
【0044】
しかも、本発明のガイドワイヤ付形方法は、環径縮小工程における塑性変形を可能とするため、加熱炉などを用いる加熱処理を必要としない。
【0045】
(12)また、前記型準備工程において準備する前記ガイドワイヤ付形型は、前記ワイヤ付形部が前記ガイドワイヤ付形型の型外に対して開放し、前記ワイヤ配置工程は、前記出口孔から挿入する前記ガイドワイヤの先端を、前記ワイヤ付形部を経て前記型外へ飛び出させるワイヤ挿入ステップと、向きを反転し、再び前記ワイヤ付形部に戻すステップであるワイヤ再挿入ステップとを含んでもよい。
【0046】
すなわち、ワイヤ挿入ステップ及びワイヤ再挿入ステップを含むことによって、例えばガイドワイヤ付形型を分解してガイドワイヤを配置することなくガイドワイヤ付形型の所定の位置に容易に配置することができ、より効率にガイドワイヤの付形を行うことができる。
【発明の効果】
【0047】
このように本発明では、ガイドワイヤの先端を折り返すことにより血管へのダメージを低減し、かつ、加熱処理を必要としないガイドワイヤ付形型及びガイドワイヤ付形方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1Aは本発明の第1の実施形態に係るガイドワイヤ付形型の平面図を示す。図1Bは同じく正面図を示す。図1Cは同じく右側面図を示す。図1Dはガイドワイヤ付形型の本体部の平面断面図を示す。
図2図2は本発明の第1の実施形態に係るガイドワイヤ付形型の背面図を示す。
図3図3Aは本発明の第1の実施形態に係るガイドワイヤを配置した状態のガイドワイヤ付形型の正面図を示す。図3Bは同じく平面断面図を示す。
図4図4Aは左側にセーフティワイヤ付ガイドワイヤの横断面を示し、右側にその側面図を示す。図4B側にプラスチックジャケット付ガイドワイヤの横断面図を示し、右側にその側面断面図を示す。
図5図5Aは本発明の第1の実施形態に係るガイドワイヤを配置した状態のガイドワイヤ付形型の正面図を示す。図5Bは同じく背面図を示す。
図6図6は本発明のガイドワイヤ付形方法を表わすフローチャートを示す。
図7図7A及び図7Bは本発明の第1の実施形態に係るガイドワイヤ付形方法におけるガイドワイヤ及びガイドワイヤ付形型の平面図を示す。
図8図8A及び図8Bは本発明の第1の実施形態に係るガイドワイヤ付形方法におけるガイドワイヤ及びガイドワイヤ付形型の平面図を示す。
図9図9A図9B及び図9Cは付形後のガイドワイヤの例を示す。
図10】図10は付形後のガイドワイヤの例を示す。
図11図11A及び図11Bは本発明の第2の実施形態に係るガイドワイヤを配置した状態のガイドワイヤ付形型の平面断面図を示す。
図12図12は付形後のガイドワイヤの例を示す。
図13図13Aは本発明の第3の実施形態に係るガイドワイヤを配置した状態のガイドワイヤ付形型の平面図を示す。図13Bは同じく正面断面図を示す。
図14図14Aは本発明の第4の実施形態に係るガイドワイヤ付形型の平面図を示す。図14Bは同じくガイドワイヤ付形型の断面正面図を示す。図14Cはガイドワイヤを配置した状態のガイドワイヤ付形型の平面図を示す。
図15図15は本発明の第5の実施形態に係るガイドワイヤ付形型の断面正面図を示す。
図16図16Aは本発明の第6の実施形態に係るガイドワイヤ付形型の平面図を示す。図16Bは同じく正面図を示す。図16Cはガイドワイヤ付形型の正面断面図を示す。
図17図17はガイドワイヤを配置した状態の、第6の実施形態に係るガイドワイヤ付形型の正面断面図を示す。
図18図18Aは本発明の第6の実施形態に係る第1ガイドワイヤ付形型ブロックの正面図を示す。図18Bは同じく第2ガイドワイヤ付形型ブロックの正面図を示す。
図19図19A及び図19Bは本発明の第6の実施形態に係るガイドワイヤ付形方法におけるガイドワイヤ及びガイドワイヤ付形型の正面断面図を示す。
図20図20はガイドワイヤを配置した状態の、第6の実施形態に係るガイドワイヤ付形型の正面断面図を示す。
図21図21は従来のガイドワイヤ付形型である金型91の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の第1の実施形態を、図1図10を用いて説明する。図1A~D及び図2において1はガイドワイヤ付形型であって、このガイドワイヤ付形型1が本体部2と蓋部3とを備える。
【0050】
平面図である図1A上で、矢印Fがガイドワイヤ付形型1の前後方向における前向きを表わす。矢印Bが前後方向における後向きを表わす。前向きの側を前側といい、後向きの側を後側という。矢印Lが左右方向における左向きLを表わす。矢印Rが左右方向における右向きRを表わす。左向きの側を左側といい、右向きの側を右側という。また、正面図である図1B上、右側面図である図1C上及び背面図である図2上で、矢印Uがガイドワイヤ付形型1の上下方向における上向きを表わす。矢印Dが上下方向における下向きを表わす。上向きの側を上側といい、下向きの側を下側という。他の図においても同様に表わす。
【0051】
ガイドワイヤ付形型1は直方体を形成する。本体部2及び蓋部3も直方体を形成し、蓋部3は本体部2の上側に配置するように本体部2と重なる。なお、ガイドワイヤ付形型1の構造を単純に示すため、ガイドワイヤ付形型1の全体、本体部2及び蓋部3を直方体形状に表したが、以下で述べるようなワイヤ付形室4やワイヤ引出路5の形状や配置がこれらの図に示されたものであれば、ガイドワイヤ付形型1の全体、本体部2又は蓋部3は直方体形状以外の形状であってもよい。
【0052】
本体部2及び蓋部3はそれぞれアクリル樹脂、ポリカーボネート等の合成樹脂を原料とし、例えば射出成形により成形される。本体部2及び蓋部3は、図示しない上下方向のネジにより脱着可能に組み立てられる。組み立てられた状態で本体部2及び蓋部3は、以下で述べるワイヤ付形室4やワイヤ引出路5の配置された箇所を除き、本体部2の上側面と蓋部3の下側面とは上下方向に密着する。
【0053】
本体部2は、図1及び図2が示すように、上側面から下向きに設けられる凹状のワイヤ付形室4及びワイヤ引出路5を有する。本体部2に蓋部3が組み立てられた状態では、それぞれワイヤ付形室4が偏平状の空洞を形成し、ワイヤ引出路5が通路を形成する。左右方向において、ワイヤ付形室4の幅はワイヤ引出路5の幅よりも大きい。また、ワイヤ付形室4とワイヤ引出路5とは前後方向に連通する。図1Dは、図1B及び図1Cの断面指示線により見る向きを指定した、本体部2のA-A断面図を表わす。
【0054】
本体部2に蓋部3が組み立てられた状態で、蓋部3の底面の一部はワイヤ付形室4及びワイヤ引出路5のそれぞれの天井を形成する。また、ワイヤ付形室4は後向きに開口する出口スリット6を形成し、出口スリット6を介して型外部に対して開放する。また、本体部2に蓋部3が組み立てられた状態で、ワイヤ引出路5は前向きに開口する出口孔7を形成し、出口孔7を介して型外部と通じている。
【0055】
なお、ワイヤ付形室4を本明細書において「ワイヤ付形部」と記載することがある。
【0056】
ワイヤ付形室4は、空洞内で左向きに面する内壁を有する。この内壁は図1A及び図1Dの平面視において前後方向の直線に表され、ワイヤ平面案内壁4aと称する。
【0057】
また、ワイヤ付形室4は、空洞内で略右向きに面する内壁を有する。この内壁は同じく平面視において後側部分が前後方向の直線に表わされ、かつ、前側部分がワイヤ付形室4の内側に中心を有する略円弧を描く曲線に表わされる。この曲線に表わされる曲面状の部分をワイヤ曲面壁4bと称する。ワイヤ曲面壁4bは、平面視前記円弧を描くため前側部分の終端において略左右方向を向く。
【0058】
ワイヤ引出路5が左向きに面する内壁を有し、この内壁は図1A及び図1Dの平面視において前後方向の直線に表されワイヤ平面案内延長壁5aと称する。ワイヤ平面案内延長壁5aは、ワイヤ平面案内壁4aと前後方向に同一平面に連続する。
【0059】
また、ワイヤ引出路5が右向きに面する内壁を有し、この内壁は平面視において前後方向の直線に表されワイヤ曲面隣接壁5bと称する。ワイヤ曲面隣接壁5bはワイヤ引出路5の中央線に対してワイヤ平面案内延長壁5aの反対側に位置する。ワイヤ曲面隣接壁5bは、平面視において略直角を描きながらワイヤ曲面壁4bと連続する。
【0060】
図3A及び図3Bは、ガイドワイヤ付形型1にガイドワイヤGが配置されている状態を示す。図3Aはガイドワイヤ付形型1の正面図を示し、図3B図3Aの断面指示線により見る向きを指定した、本体部2及びガイドワイヤGのB-B断面図を表わす。
【0061】
ガイドワイヤGは、例えば血管用ガイドワイヤの場合、日本工業規格JIST3267:2017に示すように種類によってセーフティワイヤ、コアワイヤ、コイル、プラスチックジャケットなどの部材によって構成される。これに対し、本明細書及び各図においてはこれらの構成の表現を簡素化し線材状で表わしてある。
【0062】
図4A及び図4Bは、ガイドワイヤGの例を示す詳細図である。図4Aは、左側に示すセーフティワイヤ付ガイドワイヤの横断面を示し、右側にその側面図を示す。図4Bは、左側にプラスチックジャケット付ガイドワイヤの横断面を示し、右側にその側面断面図を示す。
【0063】
ガイドワイヤGは図3Bにおいて略右向きに向く最先端部Gtを有する。この最先端部Gtは患者側端であり、最先端部Gtを含む図の環状部分を以下において「一端側(Ga)」と称する。一端側Gaは患者に挿入する側に該当する。
【0064】
一方で、最先端部Gtの反対側は手元端であり、図の下側に位置するが、各図においては手元端の側を途中から省略している。一端側Gaよりも手元端寄りの部分を以下において「他端側(Gb)」と称する。
【0065】
一端側Gaは、図3Bに示すように環状にワイヤ付形室4において配置される。また、他端側Gbは直線状にワイヤ引出路5に配置される。一端側Gaは、平面視において最先端部Gtから時計回りCLに曲線を描き、曲線状態がワイヤ平面案内壁4aと合流する箇所にまで続く。他端側Gbは平面視において前後方向の直線を描く。ワイヤ平面案内壁4aと合流する箇所から直線状態が始まり下向きに続く。
【0066】
このとき、一端側Gaの最先端部Gtから途中までの部分は、ワイヤ付形室4内においてワイヤ曲面壁4bの一部と沿う。また、他端側Gbは、ワイヤ付形室4内及びワイヤ引出路5内においてワイヤ平面案内壁4a及びこのワイヤ平面案内壁4aと連続するワイヤ平面案内延長壁5aに沿う。
【0067】
図5A及び図5Bはガイドワイヤ付形型1にガイドワイヤGが配置された状態のそれぞれ正面図及び背面図を示す。図5Aのように他端側Gbが出口孔7から前向きに飛び出す状態と、図5Bのように一端側Gaが出口スリット6から覗ける状態とが示されている。図5A及び図5Bが示すように、ワイヤ付形室4及びワイヤ引出路5の上下方向における高さHは、ガイドワイヤGの外径よりも若干大きく設定されている。
【0068】
ここで、ガイドワイヤGを付形する手順を含むガイドワイヤ付形方法111を説明する。ガイドワイヤ付形方法111を図6のフローチャートに示す。
【0069】
ガイドワイヤ付形方法111は、最初にガイドワイヤ付形型1を準備する型準備工程112を含む。型準備工程112においては、本体部2及び蓋部3を図示しない上下方向のネジにより組み立てた状態のガイドワイヤ付形型1を用意する。そして、術者がガイドワイヤG及びガイドワイヤ付形型1を手元に準備する。
【0070】
型準備工程112の次に、ガイドワイヤ付形方法111は、ガイドワイヤGをガイドワイヤ付形型1に配置するワイヤ配置工程113を含む。
【0071】
ワイヤ配置工程113において、術者は、手指を用いて先ずガイドワイヤGの最先端部Gtを出口孔7から挿入させ、順にワイヤ引出路5とワイヤ付形室4とを上向きに通過させる。この状態を図7Aに示す。最先端部Gtは出口スリット6を通って型外部に飛び出す。このステップをワイヤ挿入ステップ113aと称する。
【0072】
この次に、ワイヤ配置工程113において、術者は、最先端部Gtの向きを下向きに反転させるように、手指を用いてガイドワイヤGを左回りにターンさせる操作を行う。そして最先端部Gtをワイヤ付形室4に戻し、図7Bが示す通り、ガイドワイヤGがワイヤ曲面壁4bを沿うように曲げ変形を行う。このステップをワイヤ再挿入ステップ113bと称する。
【0073】
ワイヤ再挿入ステップ113bの次に、ワイヤ配置工程113において、術者は、ガイドワイヤGの手元側を引っ張る。その結果、図3Bに示す通り、図7Bのような大きな環状の状態から、ガイドワイヤGの他端側Gbが下向き引っ張られることにより、この環状状態のガイドワイヤGの環径が縮小し、比較的に小さな環状の状態に変化する。
【0074】
こうして、図3BのようにガイドワイヤGの一端側Gaがワイヤ付形室4に環状に配置され、他端側Gbがワイヤ引出路5に直線状に配置される。このステップをワイヤ配置ステップ113cと称する。
【0075】
このとき、ワイヤ配置工程113がワイヤ挿入ステップ113a及びワイヤ再挿入ステップ113bを含むため、ガイドワイヤGの配置のためにガイドワイヤ付形型1を本体部2と蓋部3とに分解する必要がなく、本体部2と蓋部3とが組み付けられた状態でガイドワイヤGを所定の位置に配置することができる。その結果、より効率にガイドワイヤGの付形を行うことができる。
【0076】
ワイヤ配置工程113の次に、術者は図8A及び図8Bのように他端側Gbの一部を型外部に向けてさらに引き出し、環状状態の一端側Gaの全周を短くし、かつ、一端側Gaの環内径IDを縮小させる。また同時に、一端側Gaの環外径を縮小させる。この工程を環径縮小工程114と称する。
【0077】
環径縮小工程114において、術者は型外部に露出する他端側Gbを下向きに引っ張り、ワイヤ引出路5に留まっている他端側Gbの一部を出口孔7を経て型外部に向けて引き出す。このように、他端側Gbを下向きに引っ張る際の引張り力を、図8Aにおいて、引張りの向きに従って矢印Pによって示す。
【0078】
このとき、ワイヤ平面案内壁4aとワイヤ平面案内延長壁5aとが前後方向に略直線状に連続するため、一端側Gaと他端側Gbとは、一端側Gaの丸まる部分を除いてこの略直線状から外れて変形することが規制される。そのため、こうした丸まる部分がワイヤ付形室4の空洞内に留まりつつ、ワイヤ平面案内壁4aとワイヤ引出路5に沿う部分は直線状態に保たれる。
【0079】
一方で、ガイドワイヤGが引張り力Pを受けるのに対して、一端側Gaのうちワイヤ曲面壁4bと当接する最先端部Gt又は最先端部Gtに近い部分は、ワイヤ曲面壁4bからの摩擦力を受ける。その結果、引張り力Pによって他端側Gbが下向きに変位するのに対して、環状状態の一端側Gaはワイヤ付形室4に留まり、環状の全周Cを短くする。図8A及び図8Bは、引張り力Pによる引張り前の全周Ciに比べ、引張り後の全周Ciiが短くなる状態を示す。
【0080】
このように全周Cが短くなるため、一端側Gaの、例えば前後方向の環内径IDvや左右方向の環内径IDhは引張り前に比べ、引張り後に小さくなる。その結果、図8Bのように一端側Gaの環内径IDを縮小することにより、一端側Gaが小さく丸まった状態で塑性変形を起こし、加熱処理を行なわずにガイドワイヤGを確実に折り返させた形状に付形することができる。また、一端側Gaの環外径も環内径に伴って縮小する。これらの結果、最先端部Gtや一端側Gaによる血管のダメージを低減することができる。
【0081】
なお、ワイヤ配置工程113のワイヤ配置ステップ113cにおいてガイドワイヤGを引っ張ることによりガイドワイヤGの環径を縮小させる操作と、環径縮小工程114においてガイドワイヤGをさらに引っ張ることにより環径をさらに縮小させる操作とを、連続的に行ってもよい。すなわち、これらの二つの操作は、一端側Gaと他端側Gbとが図3Bの所定の形状に配置される前の操作がワイヤ配置工程113に、同じく後の操作が環径縮小工程114にそれぞれ属するものの、これらを一連に行うことができる。
【0082】
環径縮小工程114の次に、術者は蓋部3を本体部2から取り外すため、型準備工程112において本体部2と蓋部3とを接合するために締結した上下方向のネジを緩める又は外してガイドワイヤ付形型1を分解する。こうして図5Aの正面図、図5Bの背面図等の状態から蓋部3を取り外すことにより、ワイヤ付形室4及びワイヤ引出路5は、それぞれの天井が開放され、空洞であった部分が上向きに露出される。
【0083】
これにより、術者は、一端側Gaと他端側Gbとを、手指を用いてワイヤ付形室4及びワイヤ引出路5から上向きに取り出すことができる。この工程をワイヤ取り出し工程115と称する。そして、ワイヤ取り出し工程115を経て、術者は付形したガイドワイヤGを一端側Gaから患者に挿入することができる。
【0084】
ワイヤ取り出し工程115を経て、付形されたガイドワイヤGの概観を図9Aに示す。環径縮小工程114を経て、図8Bのように一端側Gaが丸まった状態のガイドワイヤGは、ガイドワイヤ付形型1から取り出されることによって若干のスプリングバックを起こすものの、図9Aのような希望する形状に付形される。
【0085】
一例として、図9Aに示す外径Dが0.36mmのガイドワイヤGを用いて、環状部分の前後方向における環外径ODhが1.32mm、左右方向における環外径ODvが1.15mmの付形を行うことができる。このように、本発明のガイドワイヤ付形型1を用い、また、ガイドワイヤ付形方法111を行うことにより、ガイドワイヤGは希望する環状状態に付形することができる。そして、最先端部Gtが折り返されるため、最先端部Gtによる血管のダメージを低減することができる。
【0086】
なお、ガイドワイヤGが図9Bの比較例に示すような環状部分から下向きDに腰折れする形状に付形されるときは、術者は、屈曲病変や側枝へのアクセスのため、ガイドワイヤGの向き、傾きなどを自在に形状付けすることが多少困難であることが知られている。そのため、術者にとっては、ガイドワイヤGがあくまで図9Aに示すような腰が真直ぐに伸びた姿勢に付形されることが好ましい場合がある。
【0087】
本発明のガイドワイヤ付形型1及びガイドワイヤ付形方法111によっては、平面視において外縁が直線に表されるワイヤ平面案内壁4aを有し、かつ、ワイヤ平面案内壁4aからワイヤ引出路5が略直線状に連続するため、図9Aに示すような真直ぐに伸びた姿勢に付形することができる。
【0088】
また、ガイドワイヤGが図9Cの比較例に示すような形状に付形され、一端側Gaの一部と他端側Gbの一部とが上下方向に交差し、平面視において最先端部Gtが他端側Gbよりも右側に突出するときは、最先端部Gtが血管の内壁に対して飛び出して触れ、血管を傷める事態が生じかねない。
【0089】
本発明のガイドワイヤ付形型1及びガイドワイヤ付形方法111によっては、図5A及び図5Bが示すようにワイヤ付形室4の高さHがガイドワイヤGの外径よりも若干大きい程度に設定されているため、一端側Gaと他端側Gbとが上下方向に交差することが生じない。その結果、最先端部Gtが他端側Gbよりも右側に突出することがない。
【0090】
また、別の例としてセーフティワイヤ付ガイドワイヤGを付形したときの外形図を図10に示す。
【0091】
なお、ワイヤ曲面壁4bは、一端側Gaが沿うことのできる形状であれば、平面視における略円弧以外の曲面でもよい。また、前側部分の終端は、略左右方向を向かずに、例えば、左右方向に対して右側ほど下側に位置するような傾斜を有していてもよい。このとき、ワイヤ曲面隣接壁5bは、平面視において鈍角を描きながらワイヤ曲面壁4bと連続する。
【0092】
図11A図11B及び図12は、本発明の第2の実施形態を例示している。ガイドワイヤ付形型21は本体部22と蓋部23とを備える。図11Aは、図1Dと同様の断面を表わした本体部22の断面図である。また図11Bは、図3Bと同様の、ガイドワイヤ付形型21にガイドワイヤGが配置されている状態の断面を表わす。
【0093】
ワイヤ付形室24は、図11Aが示すように、空洞内で左側に、一部が略右向きに面し且つ他の一部が後向きに面する内壁を有する。この内壁は平面視において後側部分が前後方向の直線に表され、その前側部分が緩やかなS字状を描く曲線に表され、また、ワイヤ引出路25と隣接する部分が左右方向の直線に表される。曲線で表される内壁は、ワイヤ曲面壁24bと称する。ワイヤ引出路25と隣接する内壁は、ワイヤ曲面壁24bとワイヤ引出路25との間において後向きの段部を形成する。この段部をワイヤ曲面段部24cと称する。
【0094】
ワイヤ引出路25が左側に右向きに面する内壁を有し、この内壁は平面視において前後方向の直線に表され、ワイヤ曲面段部隣接壁25bと称する。ワイヤ曲面段部隣接壁25bは、平面視においてワイヤ曲面段部24cを介してワイヤ曲面壁24bと連続する。
【0095】
一端側Gaは、図11Bが示すように環状にワイヤ付形室24に配置される。また、他端側Gbは直線状にワイヤ引出路5に配置される。一端側Gaは、平面視において最先端部Gtから後方へ最初反時計回りUCに曲線を描く。次に時計回りCLに曲線を描いて曲線状態が、ワイヤ平面案内壁24aと合流する箇所にまで続く。
【0096】
本実施形態におけるガイドワイヤ付形方法121を説明する。フローチャートは、図6に示すフローチャートと同様である。
【0097】
型準備工程122及びワイヤ配置工程123のワイヤ挿入ステップ123aを経て、ワイヤ再挿入ステップ123bにおいては、術者が、最先端部Gtの向きを下向きに反転させるように、手指を用いてガイドワイヤGを左回りにターンさせる操作を行う。このとき術者は、ガイドワイヤGがワイヤ曲面壁24bを沿うように曲げ変形を行い、しかも、最先端部Gtをワイヤ曲面段部24cに当接させる、または、近接させるようガイドワイヤGを前向きに送る。
【0098】
そして、ワイヤ配置ステップ123c、環径縮小工程124及びワイヤ取り出し工程125を経て、付形されたガイドワイヤGを得る。本実施形態のガイドワイヤ付形型21及びガイドワイヤ付形方法121によって、ガイドワイヤGは、図12に示すような形状に付形される。一例として、図12に示す外径Dが0.36mmのガイドワイヤGを用いて、環状部分の前後方向における環外径ODhが2mm、左右方向における環外径ODvが1.1mmの付形を行うことができる。
【0099】
その他の構成は、第1の実施形態と共通する。
【0100】
本実施形態が示すように、ガイドワイヤ付形型の形状を変更することにより、付形後のガイドワイヤGの形状に自在に変化をもたせることができる。
【0101】
図13A及び図13Bは、本発明の第3の実施形態を例示している。図において31がガイドワイヤ付形型であって、このガイドワイヤ付形型31は本体部32と蓋部33とを備える。
【0102】
図13Aは、ガイドワイヤ付形型31にガイドワイヤGが配置されている状態の平面図である。図13Bは、図13Aの断面指示線により見る向きを指定した、本体部32及びガイドワイヤGのC-C断面図を表わす。
【0103】
本体部32は、上側面から下向きに設けられる凹状の本体部ワイヤ付形室34i及びワイヤ引出部35を有する。また、蓋部33は、下側面から上向きに設けられる凹状の蓋部ワイヤ付形室34iiを有する。蓋部ワイヤ付形室34iiは、図13Bの断面図が示すように、右側ほど上向きの深さが大きい斜面の天井を有する。本体部32に蓋部33が組み付けられた状態では、本体部ワイヤ付形室34iと蓋部ワイヤ付形室34iiとが一体となり、偏平状の空洞である一つのワイヤ付形室34を形成する。
【0104】
蓋部ワイヤ付形室34iiは、図13Bの右側に左向きに面する内壁を有する。この蓋部ワイヤ付形室34iiの内壁は、本体部ワイヤ付形室34iの左向きに面する内壁であるワイヤ平面案内壁34aよりも右側に位置することがない。
【0105】
本実施形態におけるガイドワイヤ付形方法131を説明する。フローチャートは、図6に示すフローチャートと同様である。
【0106】
型準備工程132及びワイヤ配置工程133のワイヤ挿入ステップ133aを経て、ワイヤ再挿入ステップ133bにおいては、術者が、最先端部Gtの向きを下向きに反転させるように、手指を用いてガイドワイヤGを左回りにターンさせる操作を行う。このとき術者は、ガイドワイヤGがワイヤ曲面壁34bを沿うように曲げ変形を行い、しかも、最先端部Gtを蓋部ワイヤ付形室34iiの最も前側かつ右側の深部にまで行き届かせるようガイドワイヤGを前向きに送る。
【0107】
ワイヤ再挿入ステップ133bを経て、最先端部Gtは他端側Gbの上側に乗り上げ、図13Bが示すように右側ほど上側に位置する姿勢で配置される。このとき、蓋部ワイヤ付形室34iiの左向きに面する内壁が、平面視においてワイヤ平面案内壁34aよりも右側に位置することがない。そのため、最先端部Gtは、他端側Gbの上側に乗り上げるものの、蓋部ワイヤ付形室34iiの前記左向きの内壁によって阻まれ、平面視において他端側Gbの右側端縁よりも右向きにはみ出ることがない。
【0108】
環径縮小工程134及びワイヤ取り出し工程135を経て、付形されたガイドワイヤGを得る。本実施形態のガイドワイヤ付形型31及びガイドワイヤ付形方法131によって、ガイドワイヤGは、最先端部Gtが他端側Gbの上側に重なるように付形される。
【0109】
その他の構成は、第1の実施形態と共通する。
【0110】
こうして、最先端部Gtが右向きにはみ出ない範囲で他端側Gbの上側に重なるような立体構造により、最先端部Gtは他端側Gbからの摩擦力を受けるため、ワイヤ取り出し工程135を経た後も他端側Gbとの接触状態又は近接状態を容易に続けることができる。これらにより、より容易に最先端部Gtを折り返した状態を維持することができ、かつ、最先端部Gtが右方に飛び出すことがないため、ガイドワイヤGによる血管へのダメージを低減することが可能である。
【0111】
なお、図13A及び図13Bにおいては最先端部Gtだけが他端側Gbに重なるような二重構造を形成しているが、最先端部Gtをさらに図13Aの反時計回りに進め、螺旋状態の二重構造を形成してもよい。
【0112】
図14A図14B及び図14Cは、本発明の第4の実施形態を例示している。図において41がガイドワイヤ付形型であって、このガイドワイヤ付形型41は本体部42と蓋部43とを備える。
【0113】
図14Aはガイドワイヤ付形型41の平面図である。図14Bは、図14Aの断面指示線により見る向きを指定した、本体部42及び蓋部43のD-D断面図を表わす。図14Cは、ガイドワイヤ付形型41にガイドワイヤGが配置されている状態の平面図である。
【0114】
本体部42は、ワイヤ付形室44の底壁である付形室底壁44dから上向きに突出する、円柱状の突起状ワイヤ案内軸48を有する。
【0115】
突起状ワイヤ案内軸48の付形室底壁44dからの高さは、突起状ワイヤ案内軸48が、ワイヤ付形室44の天井である蓋部43の底面に当接するほどの高さよりも小さい。また、突起状ワイヤ案内軸48の平面視における中心は、ワイヤ曲面壁44bの略円弧の中心と一致する、または、この略円弧の中心の近傍に位置する。
【0116】
なお、突起状ワイヤ案内軸48は図のように別体に設けたものを本体部42に取り付けてもよく、または、本体部42と一体に設けてもよい。
【0117】
本実施形態におけるガイドワイヤ付形方法141を説明する。フローチャートは、図6に示すフローチャートと同様である。
【0118】
環径縮小工程144において、図14Cが示すように、ガイドワイヤGが引張り力Pを受けるのに対して、一端側Gaは突起状ワイヤ案内軸48に絡まりつつ、環状状態のガイドワイヤGの環径が縮小する。
【0119】
一端側Gaは突起状ワイヤ案内軸48に巻き付くように曲げ変形を行うため、環内径IDを小さくすることができ、より小さな環状の状態に付形することができる。また同時に、一端側Gaの環外径ODが縮小する。
【0120】
その他の構成は、第1の実施形態と共通する。
【0121】
こうして、術者はより容易に環径を縮小することができ、より効率的なガイドワイヤGの付形を行うことができる。
【0122】
なお、突起状ワイヤ案内軸48は、ガイドワイヤGが引張り力Pを受けるときに一端側Gaが絡まることができれば円柱状以外の形状でもよく、例えば、楕円、長円、多角形等の断面を有する柱体、多角柱、錐体などの形状でもよい。
【0123】
また、突起状ワイヤ案内軸48を配設する位置は、一端側Gaが絡まることができれば、略円弧の中心の近傍以外の位置でもよい。さらに、ワイヤ曲面壁44bの形状が平面視において略円弧以外のものであるときでも、一端側Gaが絡まることができる、一端側Gaの環状状態の中央付近の位置であればよい。
【0124】
しかも、突起状ワイヤ案内軸48は本体部42から上向きに突出するものでなく、反対向きに、蓋部43から下向きに突出するものであってもよい。
【0125】
図15は、本発明の第5の実施形態を例示している。図において51がガイドワイヤ付形型であって、このガイドワイヤ付形型51は本体部52と蓋部53とを備える。
【0126】
平面図は図14A及び図14Cと同様に表される。そして、図15は、図14Aと同様の断面指示線により見る向きを指定した、本体部52及び蓋部53の断面図を表わす。ガイドワイヤGは、図14Cと同様にガイドワイヤ付形型51に配置される。
【0127】
本体部52及び蓋部53は、それぞれワイヤ付形室54の底壁である付形室底壁54dと、蓋部53の底面の一部であり、かつ、ワイヤ付形室54の天井である付形室天井54eとが、上下方向に配設される円柱状の柱状ワイヤ案内軸59により接続される。
【0128】
柱状ワイヤ案内軸59の平面視における中心は、ワイヤ曲面壁54bの略円弧の中心と一致する、または、この略円弧の中心の近傍に位置する。
【0129】
なお、柱状ワイヤ案内軸59は図のように本体部52と別体に設けたものを取り付けてもよく、また、本体部52と一体に設けてもよい。さらに、蓋部53と一体に設けてもよい。
【0130】
柱状ワイヤ案内軸59の付形室底壁54dからの高さは、ワイヤ付形室54の高さと一致する。そのため、本体部52と蓋部53とが図示されない上下方向のネジにより組み立てられる際、柱状ワイヤ案内軸59は、上面が付形室天井54eと密着して蓋部53と接続される。
【0131】
本実施形態におけるガイドワイヤ付形方法151を説明する。フローチャートは、図6に示すフローチャートと同様である。
【0132】
環径縮小工程154において、ガイドワイヤGが引張り力Pを受けるのに対して、一端側Gaは柱状ワイヤ案内軸59に絡まりつつ、環状状態のガイドワイヤGの環径が縮小する。
【0133】
一端側Gaは柱状ワイヤ案内軸59に巻き付くように曲げ変形を行うため、環内径IDを小さくすることができ、より小さな環状の状態に付形することができる。また同時に、一端側Gaの環外径ODが縮小する。
【0134】
その他の構成は、第1の実施形態及び第4の実施形態と共通する。
【0135】
こうして、術者はより容易に環径を縮小することができ、より効率的なガイドワイヤGの付形を行うことができる。
【0136】
なお、柱状ワイヤ案内軸59は、ガイドワイヤGが引張り力Pを受けるときに一端側Gaが絡まることができれば円柱状以外の形状でもよく、例えば、楕円、長円、多角形等の断面を有する柱体、多角柱などの形状でもよい。
【0137】
また、柱状ワイヤ案内軸59を配設する位置は、同じく一端側Gaが絡まることができれば、略円弧の中心の近傍以外の位置でもよい。さらに、ワイヤ曲面壁54bの形状が平面視において略円弧以外のものであるときでも、一端側Gaが絡まることができる、一端側Gaの環状状態の中央付近の位置であればよい。
【0138】
本発明の第6の実施形態を、図16図20を用いて説明する。図において61はガイドワイヤ付形型である。
【0139】
平面図である図16A上で、矢印Fがガイドワイヤ付形型61の前後方向における前向きを表わす。矢印Bが前後方向における後向きを表わす。前向きの側を前側といい、後向きの側を後側という。矢印Lが左右方向における左向きLを表わす。矢印Rが左右方向における右向きRを表わす。左向きの側を左側といい、右向きの側を右側という。また、正面図である図16B上で、矢印Uがガイドワイヤ付形型61の上下方向における上向きを表わす。矢印Dが上下方向における下向きを表わす。上向きの側を上側といい、下向きの側を下側という。他の図においても同様に表わす。図16Cは、図16Aの断面指示線により見る向きを指定した、ガイドワイヤ付形型61のE-E断面図を表わす。
【0140】
ガイドワイヤ付形型61は、図16A図16Cが示すように、上下方向の軸心Cを有し、上側の底面である上側底面61aに下向きの窪みを有する円柱状を形成する。このガイドワイヤ付形型61の窪みが、ガイドワイヤGの一端側Gaが配置されるワイヤ付形部64を形成する。また、ガイドワイヤ付形型61は、中心線が軸心Cと一致する円柱状の空間を有する通路状に形成され、ワイヤ付形部64から下向きに連通するワイヤ引出路65を有する。なお、ガイドワイヤ付形型61の構造を単純に示すため、ガイドワイヤ付形型61の全体を円柱状に表わしたが、ワイヤ付形部64やワイヤ引出路65の形状、配置等がこれらの図に示されたものであれば、ガイドワイヤ付形型61の全体の形状は円柱状以外の形状であってもよい。
【0141】
ワイヤ付形部64は、下向きに縮径し、中心線と円柱の軸心Cとが一致する円錐台状の内周面である付形部内周面64gを有する略逆円錐状の窪みである。この略逆円錐状の底面に相当する円形は、上側底面61aよりも径小であり、ワイヤ付形部64の開口である出口開口66を形成する。出口開口66が上向きに開口し、ワイヤ付形部64は上向きに型外部に対して開放している。また、ワイヤ引出路65は下向きに開口する出口孔67を形成し、出口孔67を介して型外部と通じている。
【0142】
ワイヤ付形部64は、下部の先端部である円錐台先端部64fにおいてワイヤ引出路65と前後方向に連通する。このとき、付形部内周面64gとワイヤ引出路65の内周面とは上下方向に連続する。
【0143】
ワイヤ引出路65は、ワイヤ付形部64と隣接する部分である付形部隣接部分65dと付形部隣接部分65dの下側に位置するワイヤ引出部分65eとにより構成される。付形部隣接部分65dは長円形状の横断面を有する空間から成る。ワイヤ引出部分65eは円形状の横断面を有する空間から成る。前記の長円形の前後方向における幅と、前記の円形の直径とが一致し、平面視において前記長円形は前記円形が左向きに張り出した長円形である。
【0144】
この付形部隣接部分65dの横断面は、二本のガイドワイヤGを横に並べたときの横断面よりも若干大きい。また、ワイヤ引出部分65eの横断面は、一本のガイドワイヤGよりも若干大きい。このように、付形部隣接部分65dの横断面の面積は、ワイヤ引出部分65eの横断面の面積より大きい。
【0145】
付形部隣接部分65dとワイヤ引出部分65eとは、平面視において前記長円形から前記円形を除いた領域に相当する段差を有する。そして、この段差において上向きに面する平面であるステップ面65fを有する。
【0146】
図17は、図16Aの断面指示線により見る向きを指定した、ガイドワイヤGが配置された状態のガイドワイヤ付形型61のE-E断面を表わす。ガイドワイヤGの一端側Gaは、図17に示すように、環状の一端側Gaがワイヤ付形部64に配置され、他端側Gbがワイヤ引出路65において上下方向の直線状に配置される。
【0147】
また、ガイドワイヤGの最先端部Gt及び最先端部Gtに近い部分は、ワイヤ引出路65のうちの付形部隣接部分65dに配置される。付形部隣接部分65dがガイドワイヤGを横並びに二本重ねて収めることができるため、付形部隣接部分65dにおいて、他端側Gbと最先端部Gtに近い部分とは重なって配置される。このとき、最先端部Gtはステップ面65fに当接するか、接近する。
【0148】
ここで、ガイドワイヤGを付形する手順を含むガイドワイヤ付形方法161を説明する。ガイドワイヤ付形方法161を図6のフローチャートに示す。
【0149】
ガイドワイヤ付形方法161は、最初にガイドワイヤ付形型61を準備する型準備工程162を含む。型準備工程162においては、それぞれ平面図を図18Aに示す第1ガイドワイヤ付形型ブロック61b及び図18Bに示す第2ガイドワイヤ付形型ブロック61cを準備する。第1ガイドワイヤ付形型ブロック61b及び第2ガイドワイヤ付形型ブロック61cは図16A~16Cに示したガイドワイヤ付形型61を、軸心Cを通過する前後方向の分割面において予め左右方向に2分割したブロック体である。すなわち、図16A図16Cに示した付形型61の左半分に相当するのが第1ガイドワイヤ付形型ブロック61bであり、同じく右半分に相当するのが第2ガイドワイヤ付形型ブロック61cである。
【0150】
各ガイドワイヤ付形型ブロック61b,61cは、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の合成樹脂を原料とし、例えば射出成形により成形される。
【0151】
各ガイドワイヤ付形型ブロック61b,61cは、分割面が前後方向であり且つガイドワイヤ付形型61の軸心Cを通過する。そのため、それぞれ、付形部隣接部分65dの左半分及びワイヤ引出部分65eの左半分が、第1ガイドワイヤ付形型ブロック61b側の分割面である第1分割面61dにおいて左向きに凹設され、また、付形部隣接部分65dの右半分及びワイヤ引出部分65eの右半分が、第2ガイドワイヤ付形型ブロック61c側の分割面である第2分割面61eにおいて右向きに凹設される。
【0152】
また、付形部内周面64gの左半分が、第1ガイドワイヤ付形型ブロック61b側の分割面である第1分割面61dにおいて左向きに凹設され、また、付形部内周面64gの右半分が、第2ガイドワイヤ付形型ブロック61c側の分割面である第2分割面61eにおいて右向きに凹設される。
【0153】
この後、型準備工程162においては、第1分割面61d及び第2分割面61eを、それらの前記左右の凹設部分どうしが一致するように合わせた上で、第1ガイドワイヤ付形型ブロック61b及び第2ガイドワイヤ付形型ブロック61cを図示しない左右方向のネジにより組み立てる。そして、術者がガイドワイヤG及び組立て後のガイドワイヤ付形型61を手元に準備する。
【0154】
型準備工程162の次に、ガイドワイヤ付形方法161は、ガイドワイヤGをガイドワイヤ付形型61に配置するワイヤ配置工程163を含む。
【0155】
ワイヤ配置工程163において、術者は、手指を用いて先ずガイドワイヤGの最先端部Gtを出口孔67から挿入させ、順にワイヤ引出路65とワイヤ付形部64とを上向きに通過させる。ワイヤ引出路65を通過するときは、ガイドワイヤGがワイヤ付形部分65eと付形部隣接部分65dとを順に通過する。この状態を図19Aに示す。最先端部Gtは出口開口66を通って型外部に飛び出す。このステップをワイヤ挿入ステップ163aと称する。
【0156】
この次に、ワイヤ配置工程163において、術者は、最先端部Gtの向きを下向きに反転させるように、手指を用いてガイドワイヤGを左回りにターンさせる操作を行う。そして、最先端部Gtをワイヤ付形部64に戻し、また、最先端部Gtを先頭にして下向きに付形部隣接部分65dに挿入しステップ面65fに当接させる。この結果、図19Bが示す通り、ガイドワイヤGが曲げ変形するとともに、ガイドワイヤGの最先端部Gtに近い部分と他端側Gbとは、付形部隣接部分65dにおいて横並びに配置される。このステップをワイヤ再挿入ステップ163bと称する。
【0157】
ワイヤ再挿入ステップ163bの次に、ワイヤ配置工程163において、術者は、ガイドワイヤGの手元側を引っ張る。その結果、図17に示す通り、図19Bのような大きな環状の状態から、ガイドワイヤGの他端側Gbが下向きに引っ張られることにより、この環状状態のガイドワイヤGの環径が縮小し、比較的に小さな環状の状態に変化する。
【0158】
こうして、図17のようにガイドワイヤGの一端側Gaがワイヤ付形部64に環状に配置され、他端側Gbがワイヤ引出路65に直線状に配置される。このステップをワイヤ配置ステップ163cと称する。
【0159】
このとき、ワイヤ配置工程163がワイヤ挿入ステップ163a及びワイヤ再挿入ステップ163bを含むため、ガイドワイヤGの配置のためにはガイドワイヤ付形型61を第1ガイドワイヤ付形型ブロック61bと第2ガイドワイヤ付形型ブロック61cとに分解する必要がなく、第1ガイドワイヤ付形型ブロック61bと第2ガイドワイヤ付形型ブロック61cとが組み付けられたままの状態でガイドワイヤGを所定の位置に配置することができる。その結果、より効率にガイドワイヤGの付形を行うことができる。
【0160】
また、ワイヤ付形部64が略逆円錐状の窪みを形作るため、ワイヤ再挿入ステップ163bにおいて、術者は、最先端部Gtを付形部内周面64gに沿わせることによって容易に付形部隣接部分65dに挿入することができる。
【0161】
ワイヤ配置工程163の次に、術者は図20のように他端側Gbの一部を型外部に向けてさらに引き出し、環状状態の一端側Gaの全周を短くし、かつ、一端側Gaの環径を縮小させる。この工程を環径縮小工程164と称する。
【0162】
環径縮小工程164において、術者は型外部に露出する他端側Gbを下向きに引っ張り、ワイヤ引出路65に留まっている他端側Gbの一部を出口孔67を経て型外部に向けて引き出す。このように、他端側Gbを下向きに引っ張る際の引張り力を、図17及び図20において、引張りの向きに従って矢印Pによって示す。
【0163】
ところで、図4Aに示したガイドワイヤGであるセーフティワイヤ付ガイドワイヤや図4Bに示したガイドワイヤGであるプラスチックジャケット付ガイドワイヤは、径方向の内側にコアワイヤGcを備えている。このコアワイヤGcは、各横断面が示すようにセーフティワイヤGd又はプラスチックジャケットGeの内側に配置され、各横断面が、y方向の長辺とx方向の短辺とを有する略長方形状に形成されている。ここで、y方向の長辺をy方向長辺Gyと呼び、また、x方向の短辺をx方向短辺Gxと呼ぶ。
【0164】
そこで、これらのガイドワイヤGを、例えば一端がy方向に変位するように曲げる場合と、一端がx方向に変位するように曲げる場合との、それぞれの変形に対する抵抗の大きさである曲げ剛性を比較すると、長辺方向のy方向に変位させるときの曲げ剛性の方が大きいことが知られている。逆に、短辺方向のx方向に変位させるときの曲げ剛性の方が小さいことが知られている。
【0165】
このなかで発明者は、このような曲げの特性を有するガイドワイヤGの環径を縮小するため、ガイドワイヤ付形型61を用いて一端部Gaを小さく付形する際、ガイドワイヤGが自ら姿勢を変え、コアワイヤGcがy方向長辺Gyと付形部内周面64gとの関係がお互いに平行な位置の関係に収束することを発見した。このようにy方向長辺Gyと付形部内周面64gとが平行なときは、ガイドワイヤGをx方向に曲げることになるため曲げ剛性は比較的小さい。その結果、本発明のガイドワイヤ付形型61により、ガイドワイヤGは付形のために曲がるとき、自ずと曲げ剛性のより小さい姿勢をとることができる。そのため、術者はより小さな力を与えることによってガイドワイヤGを付形することができる。
【0166】
この作用により、ワイヤ配置工程163により配置されたガイドワイヤGのコアワイヤGcの向きにかかわらず、術者は、そのガイドワイヤGのより曲げ剛性の小さい姿勢、すなわちより曲がりやすい姿勢で環径を縮小させることができる。そのため、術者はガイドワイヤ付形型61によりガイドワイヤGを容易に付形することができる。
【0167】
こうした過程を経て、一端側Gaの環径は引張り前に比べ、引張り後に小さくなる。その結果、一端側Gaが小さく丸まった状態で塑性変形を起こし、加熱処理を行なわずにガイドワイヤGを確実に折り返させた形状に付形することができる。これにより、最先端部Gtや一端側Gaによる血管のダメージを低減することができる。
【0168】
なお、ワイヤ配置工程163のワイヤ配置ステップ163bにおいてガイドワイヤGを引っ張ることによりガイドワイヤGの環径を縮小させる操作と、環径縮小工程164においてガイドワイヤGをさらに引っ張ることにより環径をさらに縮小させる操作とを、連続的に行ってもよい。すなわち、これらの二つの操作は、一端側Gaと他端側Gbとが図17の所定の形状に配置される前の操作がワイヤ配置工程163に、同じく後の操作が環径縮小工程164にそれぞれ属するものの、これらを一連に行うことができる。
【0169】
環径縮小工程164の次に、術者は付形後のガイドワイヤGをガイドワイヤ付形型61から取り出すため、型準備工程162において第1ガイドワイヤ付形型ブロック61bと第2ガイドワイヤ付形型ブロック61cとを接合するために締結した左右方向のネジを緩める又は外してガイドワイヤ付形型61を分解する。
【0170】
これにより、術者は、一端側Gaと他端側Gbとを、手指を用いてワイヤ付形部64及びワイヤ引出路65から左右方向に取り出すことができる。この工程をワイヤ取り出し工程165と称する。一端側Gaが丸まった状態のガイドワイヤGは、ガイドワイヤ付形型61から取り出されることによる若干のスプリングバックを経て希望する形状に付形される。そして、ワイヤ取り出し工程165を経て、術者は付形したガイドワイヤGを一端側Gaから患者に挿入することができる。
【0171】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0172】
例えば、ガイドワイヤ付形型1,21,31,41,51,61の材質は合成樹脂でなくともよく、各図に示した形状に加工することができ、かつ、ガイドワイヤGを付形するほどの強度を有していれば、一部又は全部が例えば金属、非金属、木材等の材質でもよい。
【0173】
また、第1~第5の実施形態におけるガイドワイヤ付形型1,21,31,41,51の形状は、左右反対でもよい。すなわち、本体部2,22,32,42,52の上側に蓋部3,23,33,43,53が配置されるときの、ワイヤ付形室4,24,34,44,54及びワイヤ引出路5,25,35,45,55の平面視における形状は、左向きと右向きとが反転してもよい。
【0174】
同じく第1~第5の実施形態におけるワイヤ付形室4,24,34,44,54及びワイヤ引出路5,25,35,45,55は、本体部2,22,32,42,52の上側面から下向きに設けられる凹状の形状でなく、代りに、蓋部3,23,33,43,53の下側面から上向きに設けられる凹状の形状であってもよい。また、本体部2,22,32,42,52と蓋部3,23,33,43,53とのそれぞれが、共に下向き及び上向きに設けられる凹部部分を有し、それらが合わされた空洞及び通路によって形成されてもよい。
【0175】
同じく第1~第5の実施形態におけるワイヤ引出路5,25,35,45,55は、図が示す直方体の形状以外の形状であってもよく、ガイドワイヤGを案内することができれば、例えば断面が円形の管状路のような形状でもよい。また、各実施形態が示すようなガイドワイヤ付形型1,21,31,41,51の内側に設けられる形状以外の形状であってもよく、例えば、ガイドワイヤ付形型1,21,31,41,51から型外部に向けて突出するような管であってもよい。
【0176】
本体部2,22,32,42,52及び蓋部3,23,33,43,53、または、第1ガイドワイヤ付形型ブロック61b及び第2ガイドワイヤ付形型ブロック61cはネジにより組み立てられなくともよく、これらを強固に、かつ、脱着可能に接続することができれば、クリップ、クランプなどによって組み立てられてもよい。
【0177】
ワイヤ付形室4,24,34,44,54、ワイヤ引出路5,25,35,45,55,65又は第6の実施形態におけるワイヤ付形部64は、一基のガイドワイヤ付形型1,21,31,41,51,61に付、複数設けられていてもよい。
【0178】
図9(a)又は図12について、それぞれ一例のガイドワイヤGの外径D値、前後方向における環外径ODh値及び左右方向における環外径ODv値を示したが、ガイドワイヤGの環径を縮小し、また、付形のため塑性変形を起こすことができる適性値であればこれらの値以外のものでもよい。
【0179】
第6の実施形態における第1ガイドワイヤ付形型ブロック61b及び第2ガイドワイヤ付形型ブロック61cの分割面61d,61eは、分割前のガイドワイヤ付形型61の軸心Cを前後方向に通過する面でなくともよく、ワイヤ取り出し工程165において一端側Ga及び他端側Gbをワイヤ付形部64及びワイヤ引出路65から容易に取り出すことができれば、例えば左右方向の面のような他の角度、位置、形状等の分割境界でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本発明は、ガイドワイヤを付形することのできるガイドワイヤ付形型及びガイドワイヤ付形方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0181】
1,21,31,41,51,61 ガイドワイヤ付形型
61a 上側底面
61b 第1ガイドワイヤ付形型ブロック
61c 第2ガイドワイヤ付形型ブロック
2,22,32,42,52 本体部
3,23,33,43,53 蓋部
4,24,34,44,54 ワイヤ付形室(ワイヤ付形部)
64 ワイヤ付形部
4a,24a,34a,44a,55a ワイヤ平面案内壁
4b,24b,34b,44b,55b ワイヤ曲面壁
24c ワイヤ曲面段部
44d,54d 付形室底壁
54e 付形室天井
64f 円錐台先端部
64g 付形部内周面
5,25,35,45,55,65 ワイヤ引出路
5a,25a,35a,45a,55a ワイヤ平面案内延長壁
5b,35b,45b,55b ワイヤ曲面隣接壁
25b ワイヤ曲面段部隣接壁
65d 付形部隣接部分
65e ワイヤ引出部分
65f ステップ面
6,26,36,46,56 出口スリット
66 出口開口
7,27,37,47,57,67 出口孔
48 突起状ワイヤ案内軸
59 柱状ワイヤ案内軸
111~161 ガイドワイヤ付形方法
112~162 型準備工程
113~163 ワイヤ配置工程
113a~163a ワイヤ挿入ステップ
113b~163b ワイヤ再挿入ステップ
113c~163c ワイヤ配置ステップ
114~164 環径縮小工程
115~165 ワイヤ取り出し工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21