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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】空気清浄フィルター
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/10 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
B01D46/10 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020039437
(22)【出願日】2020-03-09
(65)【公開番号】P2021137761
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】森 一馬
(72)【発明者】
【氏名】河本 亮太
(72)【発明者】
【氏名】下田 博樹
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-057886(JP,A)
【文献】特開2005-140402(JP,A)
【文献】実開昭54-090769(JP,U)
【文献】実開昭54-025755(JP,U)
【文献】実開昭56-090619(JP,U)
【文献】特開2012-071294(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102478303(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D39/00-39/20
B01D46/00-46/90
B29C45/14
F24F1/00-13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流が通過するネットと、
前記ネットにおける風上側の面に沿って設けられ、左右方向である第1方向に延びる複数の棒状の第1補強部と、
前記ネットにおける風下側の面に沿って設けられ、前記第1方向と直交する第2方向に延びる複数の棒状の第2補強部と、
前記ネットと、前記第1補強部と、前記第2補強部との端部を連結する枠部と、を有し、
複数の前記第1補強部は、前記第2方向に並んで配置され、
複数の前記第2補強部は、前記第1方向に並んで配置され、
隣り合った前記第1補強部と前記第1補強部との間隔は、隣り合った前記第2補強部と前記第2補強部との間隔より小さく、
前記ネットにおける風上側の面には、前記枠部と前記第1補強部のみが設けられることを特徴とする空気清浄フィルター。
【請求項2】
前記第2補強部における前記第1方向の寸法は、前記第1補強部における前記第2方向の寸法より小さいことを特徴とする請求項1に記載の空気清浄フィルター。
【請求項3】
前記ネットにおける風下側の面に沿って、前記第1補強部の風下側に設けられ、隣り合った前記第2補強部と前記第2補強部とを連結する複数の第3補強部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の空気清浄フィルター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば空気調和装置に用いられる空気清浄フィルターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の空気清浄フィルターは、空気流が通過するネットと、補強部で構成される。補強部は、格子形状であり、横方向に伸びる複数の棒状の横補強部と、横方向と直行する縦方向に伸びる複数の棒状の縦補強部がある。格子を構成する横補強部と縦補強部は、ネットにおける風上側の面に設けられる。そして、ネットは横補強部と縦補強部に熱溶着されている。(なお、これに関連する先行文献としては下記特許文献1がある)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-060583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の空気清浄フィルターにおける課題は、空気流における風上側の面から、横補強部に沿って、ネットを掃除することが難しいことである。横補強部と縦補強部は、風上側の面に沿って設けられている。そのため、空気流における風上側の面から、横補強部に沿って掃除機等でネットを掃除すると、埃が縦補強部に引っ掛かり易いので、ネットを掃除することが難しくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、この目的を達成するために、本発明は、空気流が通過するネットと、前記ネットにおける風上側の面に沿って設けられ、左右方向である第1方向に延びる複数の棒状の第1補強部と、前記ネットにおける風下側の面に沿って設けられ、前記第1方向と直交する第2方向に延びる複数の棒状の第2補強部と、前記ネットと、前記第1補強部と、前記第2補強部との端部を連結する枠部と、を有し、複数の前記第1補強部は、前記第2方向に並んで配置され、複数の前記第2補強部は、前記第1方向に並んで配置され、隣り合った前記第1補強部と前記第1補強部との間隔は、隣り合った前記第2補強部と前記第2補強部との間隔より小さく、前記ネットにおける風上側の面には、前記第1補強部のみが設けられることを特徴とするものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第1補強部は風上側に沿って設けられ、第2補強部は風下側に沿って設けられている。そのため、第2補強部は風上側には存在しない。これにより、空気流における風上側の面から、第1補強部に沿って掃除機等でネットを掃除する際に、埃が第2補強部に引っ掛かり難くなるので、ネットを掃除することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態1の除湿装置の外観斜視図
図2】同除湿装置の分解斜視図
図3】同除湿装置の概略断面図
図4】同除湿装置の概略断面図
図5】同除湿装置の放熱器の外観斜視図
図6】同除湿装置の吸熱器の外観斜視図
図7】同除湿装置の仕切部の斜視図
図8】同除湿装置の仕切部の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0009】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の除湿装置の外観斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1の除湿装置の分解斜視図である。なお、図1図2は、除湿装置を後面側から見た図である。図3図4は、本発明の実施の形態1の除湿装置の概略断面図である。なお、図3図1のA-A線断面図である。図4図1のB-B線断面図である。なお、説明の都合上、以下では、次のように記載する場合がある。すなわち、図1に示すように除湿装置100が設置された状態での鉛直方向を上下方向として記載する場合がある。また同様に、図1に示すように除湿装置100が設置された状態での除湿装置100の上側の面を「天面」と記載する場合がある。また同様に、図1に示すように除湿装置100が設置された状態での除湿装置100の前側の面を「前面」、除湿装置100の後側の面を「後面」、と記載する場合がある。
【0010】
図1図2図3図4に示すように、本体ケース1は、横長の略直方体形状である。具体的には、本体ケース1は、奥行き方向D及び縦方向Hの大きさに比較して横方向Wの大きさが大きい形状であり、本体ケース1の後面(本体ケース1の奥行き方向における一方側の側面)には、吸込口2が配置されている。本体ケース1における上部には、吹出口3が配置されている。吹出口3は、横長四角形状で本体ケース1における上方と後面とに開口している。本体ケース1の天面における後面側(本体ケース1の奥行き方向における一方側の側面側)には、吹出口3からの風向を変化させるルーバー4を有し、本体ケース1の天面における前面側(本体ケースの奥行き方向における他方側)には操作部5を設けている。操作部5は、電源の入り切り、運転モードの変更等を行う複数のスイッチを有している。
【0011】
本体ケース1内には、ヒートポンプ6と、送風部7と、除湿ロータ部8と、取付台9と、貯水タンク部10と、制御部11と、を有している。
【0012】
ヒートポンプ6は、圧縮機12と、放熱器13と、膨張器14と、吸熱器15と、を順次環状に連結し冷媒を循環する構成である。
【0013】
圧縮機12は、本体ケース1の前面側から見ると本体ケース1における左面側(本体ケースの横方向(長手方向)における一方側の側面側)に配置されている。圧縮機12は、本体ケース1の底面上に固定されている。
【0014】
放熱器13は、本体ケース1における後面側(本体ケースの奥行き方向における一方側の側面側)に配置されている。放熱器13は、後述する放熱器13における隣り合う放熱フィンと放熱フィンとの隙間が、本体ケース1の吸込口2に対向するように、本体ケース1の底面上に配置されている。
【0015】
図5は、本発明の実施の形態1の除湿装置の放熱器の外観斜視図である。なお、図5は、除湿装置の放熱器を後面側から見た図である。
【0016】
図5に示すように放熱器13は、多数の放熱フィン13aと、多数のフィンを連結する連結管13bとを有している。
【0017】
放熱フィン13aは、縦長四角板形状であり、材質がアルミニウムである。多数の放熱フィン13aは、隣り合う放熱フィン13aの面と面とが対向するように配置されている。隣り合う放熱フィン13aと放熱フィン13aとの隙間が、風路となる。
【0018】
連結管13bは、円筒形状であり、材質が銅である。円筒である連結管13bは、放熱フィン13aにおける長手方向に複数段設けられ、かつ複数回蛇行状に曲げられている。連結管13bの直管部分には、多数の放熱フィン13aが固定されている。多数の放熱フィン13aは、連結管13bの直管部分の中心軸方向に、所定の間隔を有して積層されている。
【0019】
図2図4に示すように、吸熱器15は、本体ケース1の前面から見ると本体ケース1における右側(本体ケース1の横方向における他方側の側面側)に配置され、後述する吸熱器15における隣り合う吸熱フィン15aと吸熱フィン15aとの隙間である風路の中心軸が本体ケース1における左右方向に延びるように、取付台9に固定されている。
【0020】
図6は、本発明の実施の形態1の除湿装置の吸熱器の外観斜視図である。なお、図6は、除湿装置の放熱器を本体ケースにおける左側から見た図である。
【0021】
図6に示すように、吸熱器15は、多数の吸熱フィン15aと、多数のフィンを連結する連結管15bとを有している。
【0022】
吸熱フィン15aは、縦長四角板形状であり、材質がアルミニウムである。多数の吸熱フィン15aは、隣り合う吸熱フィン15aの面と面とが対向するように配置されている。隣り合う吸熱フィン15aと吸熱フィン15aとの隙間が、風路となる。
【0023】
連結管15bは、円筒形状であり、材質が銅である。円筒である連結管15bは、吸熱フィン15aにおける長手方向に複数段設けられ、かつ複数回蛇行状に曲げられている。連結管15bの直管部分には、多数の吸熱フィン15aが固定されている。多数の吸熱フィン15aは、連結管15bの直管部分の中心軸方向に、所定の間隔を有して積層されている。
【0024】
図2図4に示すように、送風部7は、放熱器13に対向するように配置され、取付台9に固定されている。送風部7と、放熱器13と、本体ケース1の吸込口2とは、本体ケース1の奥行き方向において、一直線上に配置されている。送風部7は、モータ16と、モータ16によって回転するファン17と、ファン17を囲むケーシング18とを有している。
【0025】
ファン17は、ターボファンであり、主板17aと、多数の羽根17bと、吸込みリング17cとを有する。
【0026】
主板17aは、略円板形状で、中央部が下方へ凸形状となり、この中央部には、筒形状の回転軸固定部17dを設けている。回転軸固定部17dは、モータ16の回転軸が入り、この回転軸に固定可能な構造である。主板17aの周縁部には、主板17aから下方へ延びた複数の羽根17bを有し、羽根17bは、水平断面形状が翼形状である。羽根17bにおける主板17aの周縁側の端部は、ファン17の回転方向と反対方向に向いた形状である。複数の羽根17bの下端には、円環状の吸込みリング17cを有する。
【0027】
ケーシング18は、下面には吸気口18aを有し、上面には吐出口18bを有する。モータ16によってファン17が回転すると、ケーシング18の吸気口18aから吸い込まれた空気は、ファン17の吸込みリング17c内を介し、ファン17内に流れ込む。この流れ込んだ空気は、羽根17bに沿うように、ファン17の径方向に吹き出し、ケーシング18の吐出口18bを介して、本体ケース1の吹出口3に送風される。
【0028】
除湿ロータ部8は、送風部7と、吸熱器15との間に配置されている。吸熱器15と、除湿ロータ部8と、送風部7とは、本体ケース1の横方向において、一直線上に配置されている。除湿ロータ部8は、除湿ロータ19と、ロータ枠20と、駆動部分21と、加熱部分22とを有している。
【0029】
除湿ロータ19は、全体形状としては円板体となっている。この円板体は、円形リング内に、通気体を設けたものである。通気体は、二枚の第1帯体(図示せず)間にジグザグ状に第2帯体(図示せず)を設けたものを、円形リング内において、内周から外周に向けて渦巻状に巻くことによって通気構造に構成したものである。これら第1帯体と第2帯体は耐熱繊維によって構成されており、その表面には、例えばゼオライトのような吸湿物質を、例えばシリカ系の接着剤で接着させた構成としている。
【0030】
除湿ロータ19は、円板体に形成され中心軸が本体ケース1における左右方向に延びるように、ロータ枠20に回転可能に立設され、駆動部分21により回転している。ロータ枠20は、取付台9に固定されている。除湿ロータ19は、空気から水分を吸着する吸湿部19aと、空気に水分を放出する放湿部19bとを有している。
【0031】
加熱部分22は、除湿ロータ19の放湿部19bに対向するように設置されている。加熱部分22は、後述する風路において、除湿ロータ19の放湿部19bの上流側に配置されている。
【0032】
取付台9は、本体ケース1における底面側と、前面側の面が開口した箱形状であり、取付板9aと、支持脚9bとを有する。
【0033】
取付板9aは、長方形の略板形状であり、上面には、送風部7と、除湿ロータ部8と、吸熱器15とが固定される。
【0034】
支持脚9bは、取付板9aの周縁から下方に延びる3枚の長方形の板であり、取付板の周縁における本体ケース1の後面側と、右面側と、左面側とから下方に延び、3枚の板は一体的に形成されている。支持脚9bは、取付板9aと、本体ケース1の底面との間には、略直方体形状の空間部9cを有している。空間部9cの高さは、ほぼ支持脚9bの高さ寸法であり、空間部9cには、貯水タンク部10が装着される構成である。
【0035】
貯水タンク部10は、本体ケース1の下部の空間部9cに配置され、本体ケース1の前面(本体ケースの奥行き方向における一方側の側面)から着脱自在な構成である。貯水タンク部10の着脱方向は、本体ケース1における前後方向(本体ケースの奥行き方向)である。貯水タンク部10の上方には、送風部7と、除湿ロータ部8と、吸熱器15とが配置されている。貯水タンク部10は、天面が開口した偏平な箱形状のタンク10aと、漏斗状の集水カバー10bとを有している。集水カバー10bは、タンク10aの上部に着脱可能に設けられている。つまり、吸熱器15で結露をさせ、その結露水を漏斗状の集水カバー10bで集めてタンク10aに流入させる構成である。
【0036】
制御部11は、本体ケース1の前面側から見ると本体ケース1における右面側(本体ケース1の横方向における一方側の側面側)に配置されている。制御部11は、本体ケース1の底面上に固定されている。制御部11は、送風部7のモータ16と、圧縮機12と、除湿ロータ部8の駆動部分21と加熱部分22とを、使用者によって押された操作部5のスイッチに基づいて制御する。
【0037】
本体ケース1内には、第1送風路23と、第2送風路24とを備えている。
【0038】
第1送風路23は、送風部7によって、吸込口2から空気を吸引し放熱器13、加熱部分22、放湿部19b、吸熱器15、吸湿部19aの順に供給し、送風部7を介して吹出口3から排出する風路である。
【0039】
第2送風路24は、送風部7によって、吸込口2から空気を吸引し放熱器13に供給し、送風部7を介して吹出口3から排出する風路である。
【0040】
詳細に説明すると、第1送風路23においては、放熱器13によって温められた室内空気は、更に加熱部分22によって温められ、除湿ロータ19の放湿部19bに供給される。放湿部19bでは、吸湿部19aで吸着した水分が除湿ロータ19の回転駆動により放湿部19bに移動し、加熱部分22の加熱により供給された空気に放出される。この高湿の空気が吸熱器15に供給され、冷却されることにより結露し、水分は水滴として取出される。この後、冷却された空気は、除湿ロータ19の吸湿部19aに供給され、更に空気中の水分が吸湿部19aに吸着され、乾燥した空気となる。さらに、水分を吸着する際の吸着熱が発生するので、室内空気は湿度が低減し、温度が上昇した状態で、送風部7に吸引され、吹出口3から室内へ送風されることになる。なお、吸熱器15において結露した水分は水滴として下方に滴下し、貯水タンク部10のタンク10a内に流れ込む。
【0041】
第2送風路24においては、放熱器13によって温められた室内空気は、送風部7に吸引され、吹出口3から室内へ送風されることになる。つまり、第1送風路23を通過する空気と、第2送風路24を通過する空気とは、送風部7で混ざり合った状態となり、送風部7によって吹出口3から吹き出す。
【0042】
吸込口2には、空気清浄フィルター30が固定されている。なお、空気清浄フィルターは、吸込口2に着脱自在な構成でも良い。
【0043】
空気清浄フィルター30は、ネット31と、第1補強部32と、第2補強部33と、枠部34と、を有している。
【0044】
ネット31は、空気流が通過する小さな開口を多数有している。一例としては、樹脂繊維をある一定の間隔を離して平行に複数配置したものを垂直方向に格子状に重ねて織り込んだものであり、柔軟な構造である。
【0045】
第1補強部32は、棒状であって、ネット31における風上側(本体ケースにおける外面側)の面に沿って設けられ、第1方向(本体ケースにおける左右方向)に延び、第1方向と直交する第2方向(本体ケースにおける上下方向)に並んで複数配置されている。第1補強部32には、ネット31が固定されている。
【0046】
第2補強部33は、棒状であって、ネット31における風下側(本体ケースにおける内面側)の面に沿って設けられ、第2方向(本体ケースにおける上下方向)に延び、第1方向(本体ケースにおける左右方向)に並んで複数配置されている。第2補強部33には、ネット31が固定されている。なお、ネット31を空気流における風上側から見ると、第1補強部32と、第2補強部33とは重なり、格子形状となる。第1補強部32と第2補強部33との間には、ネット31が配置されている。
【0047】
枠部34は、四角環状であって、ネット31と、第1補強部32と、第2補強部33との端部を連結する。
【0048】
本実施形態の特徴は、ネット31における風上側の面に沿って、第1方向に延びる複数の棒状の第1補強部32を設け、ネット31における風下側の面に沿って、第2方向に延びる複数の棒状の第2補強部33を設ける点である。
【0049】
これにより、第1補強部32は風上側に沿って設けられ、第2補強部33は風下側に沿って設けられている。そのため、第2補強部33は風上側には存在しない。結果として、空気流における風上側の面から、第1補強部32に沿ってブラシ等でネット31を掃除すると、埃が第2補強部に引っ掛かり難くなるので、ネットを掃除することが容易になる。
【0050】
また、隣り合った第1補強部32と第1補強部32との間隔は、隣り合った第2補強部33と第2補強部33との間隔より小さい。
【0051】
これにより、風上側や風下側からネット31を押した際に、ネット31が剥がれにくくなり強度が増す。さらに、風上側から見える、風下側に設けられた第2補強部33の面積が小さくなる。よって、風上側から見た際の空気清浄フィルター30の見栄えが良くなる。
【0052】
また、第2補強部33における第1方向の寸法は、第1補強部32における第2方向の寸法より小さい。具体的には、棒状である第2補強部33の太さは、棒状である第1補強部32の太さより小さい。
【0053】
これにより、風上側から見える、風下側に設けられた第2補強部33の面積が更に小さくなる。よって、風上側から見た際の空気清浄フィルター30の見栄えが良くなる。
【0054】
また、ネット31における風下側の面に沿って、第1補強部32の風下側に設けられ、隣り合った第2補強部33と第2補強部33とを連結する複数の第3補強部35を有する。
【0055】
これにより、ネット31は第1補強部32と第3補強部35に挟み込まれる。よって、風上側や風下側からネット31を押した際に、ネット31が剥がれにくくなり強度が増す。
【0056】
また、ネット31は、第1補強部32と、第2補強部33と、第3補強部35と、枠部34とにインサート成形されている。第1補強部32と第2補強部33と第3補強部35とは、樹脂材料からなり射出成型され、ネット31は、第1補強部32と第2補強部33と第3補強部35の射出成型時に、第1補強部32と第2補強部33と第3補強部35とにインサート成形されている。すなわち、第1補強部32と第2補強部33と第3補強部35とは、樹脂材料から構成される射出成型品である。ネット31は、第1補強部32と第2補強部33と第3補強部35に固定されている。ネット31と第1補強部32と第2補強部33と第3補強部35とは、インサート成型品である。
【0057】
ここで、インサート成型の一例について説明する。
【0058】
まず、空気清浄フィルター30を射出成型する場合のキャビティ型(固定側)にネット31を装着する。キャビティ型(固定側)には、複数の針状突起が設けられており、これらの突起にネット31を差し込み、キャビティ型(固定側)にネット31を装着する。キャビティ型(固定側)にネット31を装着すると、ネット31における一方側の面の一部と、キャビティ型(固定側)の一部とが接触する。
【0059】
次に、コア型(可動側)がキャビティ型(固定側)側に移動する。この時に、コア型(可動側)の一部は、ネット31における他方側の面の一部と接触する。ネット31と接触していないキャビティ型(固定側)と、ネット31と接触していないコア型(可動側)との間には、部分的に隙間が有している。
【0060】
次に、キャビティ型(固定側)とコア型(可動側)との間の隙間に、樹脂が流し込まれる。キャビティ型(固定側)とコア型(可動側)との間の隙間に流れ込んだ樹脂が、第1補強部32と第2補強部33と第3補強部35とになる。このとき、キャビティ型(固定側)とコア型(可動側)との間の隙間に流れ込んだ樹脂の一部が、ネット31の開口内にも入り込む。
【0061】
次に、樹脂が固まった後に、コア型(可動側)が、空気清浄フィルター30と共に移動し、キャビティ型(固定側)から離れる。
【0062】
最後に、空気清浄フィルター30は、コア型(可動側)から突出する押し出しピンによって、コア型(可動側)から押し出され、外される。
【0063】
また、一般的に吸込口の場合は、キャビティ型(固定側)が、風上側(外観側)で、コア型(可動側)が風下側(内装側)となる。
【0064】
また、第3補強部35は、第1補強部32の第2方向における中央部から風下側へ突出している。第3補強部35における第2方向の寸法は、第1補強部32における第2方向の寸法より小さい。
【0065】
これにより、コア型(可動側)がキャビティ型(固定側)側に移動し、キャビティ型(固定側)の一部が、ネット31における他方側の面の一部と接触した際に、ネット31が切れにくくなり強度が増す。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明にかかる空気清浄フィルターは、空気調和装置に用いられる空気清浄フィルター等として有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 本体ケース
2 吸込口
3 吹出口
4 ルーバー
5 操作部
6 ヒートポンプ
7 送風部
8 除湿ロータ部
9 取付台
9a 取付板
9b 支持脚
9c 空間部
10 貯水タンク部
10a タンク
10b 集水カバー
11 制御部
12 圧縮機
13 放熱器
13a 放熱フィン
13b 連結管
14 膨張器
15 吸熱器
15a 吸熱フィン
15b 連結管
16 モータ
17 ファン
17a 主板
17b 羽根
17c 吸込みリング
17d 回転軸固定部
18 ケーシング
18a 吸気口
18b 吐出口
19 除湿ロータ
19a 吸湿部
19b 放湿部
20 ロータ枠
21 駆動部分
22 加熱部分
23 第1送風路
24 第2送風路
30 空気清浄フィルター
31 ネット
32 第1補強部
33 第2補強部
34 枠部
35 第3補強部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8