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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】映像表示システム及び映像表示方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240621BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240621BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240621BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240621BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20240621BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20240621BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
G03B21/00 D
G03B21/14 Z
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/02 B
G09G5/10 B
H04N5/66 A
H04N5/66 Z
H04N5/74 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021503978
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(86)【国際出願番号】 JP2020007296
(87)【国際公開番号】W WO2020179529
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】P 2019038338
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】田中 義人
(72)【発明者】
【氏名】山田 高士
(72)【発明者】
【氏名】松木 大三郎
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 芳紀
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-050655(JP,A)
【文献】特開2015-109658(JP,A)
【文献】特開2007-171327(JP,A)
【文献】特開2017-181592(JP,A)
【文献】特開2010-231931(JP,A)
【文献】特開2013-238793(JP,A)
【文献】特開2013-140780(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0180812(US,A1)
【文献】特開2016-126229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G03B21/00-21/10
21/12-21/13
21/134-21/30
33/00-33/16
G09F9/00-9/46
G09G3/00-3/08
3/12-3/16
3/19-3/26
3/30-3/34
3/38-5/42
H01L25/00-25/07
25/10-25/11
25/16-25/18
H04N5/66-5/74
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる表示特性を有する複数の映像表示装置にそれぞれ、映像を表示させる映像表示システムであって、
外光の照度を検出する外光検出装置と、
前記表示特性及び前記検出した外光に基づいて、前記複数の映像表示装置にそれぞれ表示される前記映像の間でコントラストが連続するように調整を行う映像調整装置と、を備え、
前記複数の映像表示装置は、第1映像表示装置と第2映像表示装置とを含み、
前記第1映像表示装置は、外光の照度が所定値よりも高い場合には前記第2映像表示装置の表示する映像よりも低いコントラストを有する映像を表示、前記外光の照度が前記所定値よりも低い場合には前記第2映像表示装置の表示する前記映像よりも高いコントラストを有する映像を表示する、前記第2映像表示装置とは異なる表示特性を有し
前記映像調整装置は、前記第1映像表示装置及び前記第2映像表示装置のうち、他方よりも高いコントラストを有する映像を表示する映像表示装置のコントラストを、一方の映 像表示装置のコントラストに実質的に一致するように、低い値に設定する、
映像表示システム。
【請求項3】
前記映像調整装置は、前記複数の映像表示装置に表示される前記映像のコントラスト 変更することで、前記調整を行う、
請求項1に記載の映像表示システム。
【請求項4】
異なる表示特性を有する複数の映像表示装置にそれぞれ、映像を表示させる映像表示シ ステムであって、
外光の色度を検出する外光検出装置と、
前記表示特性及び前記検出した外光に基づいて、前記複数の映像表示装置にそれぞれ表 示される前記映像の間で、色度が連続するように調整を行う映像調整装置と、を備え、
前記複数の映像表示装置は、第1映像表示装置と第2映像表示装置とを含み、
前記第1映像表示装置は、表示される映像の色度について、外光の色度による影響の大 きさが前記第2映像表示装置とは異なる表示特性を有し、
前記映像調整装置は、前記第1映像表示装置及び前記第2映像表示装置のうち、他方よ りも色度の変化の大きい映像を表示する映像表示装置の色度を、一方の映像表示装置の色 度に実質的に一致するように、検出された外光の色度から離れる色度に変更する、
映像表示システム。
【請求項5】
前記映像調整装置は、前記複数の映像表示装置の色度に関する設定値を変更することで 、前記調整を行う、
請求項4に記載の映像表示システム。
【請求項6】
前記映像調整装置は、前記複数の映像表示装置に表示される前記映像の色度を変更する ことで、前記調整を行う、
請求項4に記載の映像表示システム。
【請求項10】
異なる表示特性を有する複数の映像表示装置にそれぞれ、映像を表示させる映像表示方法であって、
外光の照度を検出するステップと、
前記表示特性及び前記検出した外光に基づいて、前記複数の映像表示装置にそれぞれ表示される各映像の間でコントラストが連続するように調整を行うステップと、を備え
前記複数の映像表示装置は、第1映像表示装置と第2映像表示装置とを含み、
前記第1映像表示装置は、外光の照度が所定値よりも高い場合には前記第2映像表示装置の表示する映像よりも低いコントラストを有する映像を表示、前記外光の照度が前記所定値よりも低い場合には前記第2映像表示装置の表示する前記映像よりも高いコントラストを有する映像を表示する、前記第2映像表示装置とは異なる表示特性を有し
前記調整のステップは、前記第1映像表示装置及び前記第2映像表示装置のうち、他方 よりも高いコントラストを有する映像を表示する映像表示装置のコントラストを、一方の 映像表示装置のコントラストに実質的に一致するように、低い値に設定する、
映像表示方法。
【請求項13】
異なる表示特性を有する複数の映像表示装置にそれぞれ、映像を表示させる映像表示方 法であって、
外光の色度を検出するステップと、
前記表示特性及び前記検出した外光に基づいて、前記複数の映像表示装置にそれぞれ表 示される前記映像の間で、色度が連続するように調整を行うステップと、を備え、
前記複数の映像表示装置は、第1映像表示装置と第2映像表示装置とを含み、
前記第1映像表示装置は、表示される映像の色度について、外光の色度による影響の大 きさが前記第2映像表示装置とは異なる表示特性を有し、
前記調整のステップは、前記第1映像表示装置及び前記第2映像表示装置のうち、他方 よりも色度の変化の大きい映像を表示する映像表示装置の色度を、一方の映像表示装置の 色度に実質的に一致するように、検出された外光の色度から離れる色度に変更する、
映像表示方法。
【請求項14】
前記調整は、前記複数の映像表示装置の色度に関する設定値を変更することで実現され る、
請求項13に記載の映像表示方法。
【請求項15】
前記調整は、前記複数の映像表示装置に表示される前記映像の色度を変更することで実 現される、
請求項13に記載の映像表示方法。
【請求項18】
前記第2映像表示装置は、発光型映像表示装置である、
請求項10~17のいずれか1つに記載の映像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異なる機器特性を有する複数の映像表示装置を含む映像表示システム及び映像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、室内において、魅力的かつ没入感のあるマルチメディアのショー又はプレゼンテーションを提供するように構成された、インタラクティブな室内ショー及びゲームシステムを開示する。特許文献1のシステムは、ディスプレイデバイス、ビデオプロジェクタ、(スピーカ等の)オーディオシステム、及び他のショーコンポーネント(光源、ファン、機械デバイス等)を、選択的に操作するためのコントローラを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第10004984号明細書
【発明の概要】
【0004】
特許文献1のシステムは、ディスプレイ及びプロジェクタを含む。しかしながら、これらは互いに異なる機器特性を有する。ここで「機器特性」とは、外光の照度と、その映像表示装置による映像のコントラスト(ダイナミックレンジ)との関係、並びに外光の色度がその映像表示装置による映像の色度に与える影響等を含む機器の表示特性をいう。従って、外光等の条件によっては、ディスプレイ及びプロジェクタにより表示される2つの表示映像の間でコントラスト又は色度の連続性が保たれず、ショー又はゲームへの没入感が損なわれてしまうことがある。
【0005】
本開示は、異なる機器特性を有する複数の映像表示装置を含む映像表示システムにおいて、各映像表示装置による表示映像間の連続性を改善する映像表示システム及び映像表示方法を提供する。
【0006】
本開示の第1の態様に係る映像表示システムは、異なる機器特性を有する複数の映像表示装置にそれぞれの映像を表示させる。映像表示システムは、外光を検出する外光検出装置と、機器特性及び検出した外光に基づいて、複数の映像表示装置に表示させる各映像の間で、コントラスト、色度、及び輝度の少なくとも1つに関して連続して表示させるように調整する映像調整装置とを備える。
【0007】
本開示の第2の態様に係る映像表示システムは、複数の映像表示装置にそれぞれ、映像を表示させる。映像表示システムは、所定の元映像を複数の映像に分割し、分割された複数の映像をそれぞれ複数の映像表示装置に表示させる場合において、使用者が使用者の視点位置から見たときに、分割された複数の映像が互いに連続した1つの元映像を構成するように表示させる映像調整装置を備える。
【0008】
従って、本開示における映像表示システムによれば、異なる機器特性を有する複数の映像表示装置による表示映像間の連続性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る映像表示システム1の構成例を示すブロック図
図2A図1の映像表示システム1の外観例を示す正面図
図2B図1の映像表示システム1の外観例を示す側面図
図3図1の映像調整装置20の詳細構成例を示すブロック図
図4図1の機器特性データベースメモリ30に格納される機器特性データのデータ構成例を示すグラフ
図5A図1の映像表示システム1におけるコントラスト補正の動作例を示す正面図
図5B図1の映像表示システム1におけるコントラスト補正の動作例を示す正面図
図5C図1の映像表示システム1におけるコントラスト補正の動作例を示す正面図
図5D図1の映像表示システム1におけるコントラスト補正の動作例を示す正面図
図6】実施の形態2に係る映像表示システム1Aの構成例を示すブロック図
図7図6の映像調整装置20Aの詳細構成例を示すブロック図
図8A図6の映像表示システム1Aにおける色度補正の動作例を示すCIE色度図
図8B図8Aの拡大図
図9】実施の形態3に係る映像表示システム1Bの構成例を示すブロック図
図10A図9の映像表示システム1Bにおけるプロジェクタ51、ディスプレイ52、スクリーン60及び使用者80の間の位置関係を示す上面図
図10B図9の映像表示システム1Bにおけるプロジェクタ51、ディスプレイ52、スクリーン60及び使用者80の間の位置関係を示す側面図
図11図9の映像表示システム1Bの動作例を示す投影図
図12】実施の形態4に係る映像表示システム1Cの構成例を示す上面図
図13A図12の映像表示システム1Cの構成要素と使用者80との位置関係を示す上面図
図13B図12の映像表示システム1Cにおける分割動作の動作例を示す投影図
図13C図12の映像表示システム1Cにおける分割動作の別の動作例を示す投影図
図14A】実施の形態5に係る映像表示システム1Dの構成例を示す上面図
図14B図14Aの映像表示システム1Dの外観例を示す側面図
図15A図14Aの映像表示システム1Dにおいて使用者80の視点が左にずれた場合の、ディスプレイ52、スクリーン60及び使用者80の位置関係を示す上面図
図15B図14Aの映像表示システム1Dの動作例を示す投影図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、例えば既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明など、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0011】
なお、発明者は、当業者による本開示の十分な理解を助けるために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、図1図5Dを参照して、実施の形態1を説明する。まず図1図4を用いて、実施の形態1に係る映像表示システム1の構成を説明する。
【0013】
[1-1.構成]
図1は、実施の形態1に係る映像表示システム1の構成例を示すブロック図である。また、図2A及び図2Bは、図1の映像表示システム1の外観例を示す正面図及び側面図である。
【0014】
図1図2A及び図2Bにおいて、映像表示システム1は、メディアサーバ10と、映像調整装置20と、機器特性データベースメモリ30と、照度センサ40である外光検出装置と、プロジェクタ51及びディスプレイ52の組である複数の映像表示装置と、スクリーン60とを備える。プロジェクタ51は投影型映像表示装置及び第1映像表示装置の一例であり、ディスプレイ52は発光型映像表示装置及び第2映像表示装置の一例である。
【0015】
メディアサーバ10は、プロジェクタ51に表示させる第1映像コンテンツを含む第1映像信号と、ディスプレイ52に表示させる第2映像コンテンツを含む第2映像信号とを、映像調整装置20に出力する。機器特性データベースメモリ30は、プロジェクタ51及びディスプレイ52の機器特性データを格納するデータベースを含む。本実施の形態では、機器特性データベースメモリ30は、プロジェクタ51及びディスプレイ52の機器特性データである外光コントラスト特性(後述)を、映像調整装置20に出力する。照度センサ40は、スクリーン60上の現在の外光の照度を検出し、照度を示す照度データを映像調整装置20に出力する。
【0016】
映像調整装置20は、機器特性データベースメモリ30からの機器特性データと、照度センサ40からの照度データに基づいて、プロジェクタ51及びディスプレイ52のそれぞれに対応するコントラスト設定値を求め、第1及び第2コントラスト情報としてプロジェクタ51及びディスプレイ52にそれぞれ出力する。これらのコントラスト設定値は、プロジェクタ51及びディスプレイ52の表示映像の間に生じるコントラストの差が小さくなるように求める。また、映像調整装置20は、メディアサーバ10からの第1及び第2映像信号を、それぞれプロジェクタ51及びディスプレイ52に出力する。プロジェクタ51及びディスプレイ52は、映像調整装置20からの第1及び第2コントラスト情報により、自身のコントラスト設定値を変更する。また、プロジェクタ51は映像調整装置20からの第1映像信号に従って第1表示映像を表示し、ディスプレイ52は映像調整装置20からの第2映像信号に従って第2表示映像を表示する。
【0017】
なお、第1及び第2映像コンテンツは、メディアサーバ10の内部メモリに蓄積されるか、又はネットワーク(図示なし)を介してメディアサーバ10により取得されたものである。また、機器特性データベースメモリ30は、映像調整装置20に含まれていてもよい。さらに、映像調整装置20は、機器特性データベースメモリ30から機器特性データを取得するために、プロジェクタ51及びディスプレイ52から機器を示す識別コード等を取得し、対応する機器の機器特性データをリクエストするようにしてもよい。
【0018】
図3は、図1の映像調整装置20の詳細構成例を示すブロック図である。図3において、映像調整装置20は、第1及び第2入力バッファ211,212と、第1及び第2映像情報抽出器221,222と、第1及び第2出力バッファ231,232と、補正値演算器240とを含む。
【0019】
図3において、第1入力バッファ211は、メディアサーバ10からの第1映像信号を入力して一時的に記憶し、第1映像情報抽出器221及び第1出力バッファ231に出力する。第1出力バッファ231は、入力された第1映像信号を一時的に記憶し、プロジェクタ51に出力する。第1映像情報抽出器221は、入力された第1映像信号に含まれる映像コンテンツの平均輝度、コントラスト及び色度等の映像コンテンツ情報を抽出し、補正値演算器240に出力する。同様に、第2入力バッファ212は、メディアサーバ10からの第2映像信号を入力して一時的に記憶し、第2映像情報抽出器222及び第2出力バッファ232に出力する。第2出力バッファ232は、入力された第2映像信号を一時的に記憶し、ディスプレイ52に出力する。第2映像情報抽出器222は、入力された第2映像信号に含まれる映像コンテンツの映像コンテンツ情報を抽出し、補正値演算器240に出力する。
【0020】
補正値演算器240は、入力された機器特性データと照度データに基づいて、プロジェクタ51及びディスプレイ52の表示映像の間でコントラストの差が小さくなるように、プロジェクタ51及びディスプレイ52のコントラスト設定値を求め、プロジェクタ51のコントラスト設定値を示す第1コントラスト情報をプロジェクタ51に出力し、ディスプレイ52のコントラスト設定値を示す第2コントラスト情報をディスプレイ52に出力する。
【0021】
図4は、図1の機器特性データベースメモリ30に格納される機器特性データのデータ構成例を示すグラフである。図4は、所定の値であるコントラスト設定値を設定された映像表示装置について、スクリーン60上の外光照度がある値のときに、その表示映像のコントラスト比の値(以下、コントラストという)がどのような値になるか(本明細書では「外光コントラスト特性」という)を示している。例えば、スクリーン60上の外光照度が1ルクスの場合、ディスプレイ52の表示映像のコントラストは約4000となり、プロジェクタ51の表示映像のコントラストは約700となる。
【0022】
[1-2.動作]
以上のように構成された映像表示システム1について、その動作を以下で説明する。
【0023】
図5A図5Dは、図1の映像表示システム1におけるコントラスト補正の動作例を示す正面図である。図5Aは、プロジェクタ51及びディスプレイ52によって表示される映像の表示例を示す。第1及び第2表示映像71,72は、1つの映像コンテンツをプロジェクタ51及びディスプレイ52の位置関係に基づいて2つの領域の第1及び第2映像コンテンツに分割し、分割された第1映像コンテンツを含む第1映像信号をプロジェクタ51に出力し、第2映像コンテンツを含む第2映像信号をディスプレイ52に出力することで表示される。
【0024】
図5Bは、暗い外光の環境における映像の表示例を示す正面図である。プロジェクタ51及びディスプレイ52の間には、図4に示すような外光コントラスト特性の差がある。従って、例えば外光の照度が0.1ルクスを下回る暗い環境において、プロジェクタ51のコントラストはディスプレイ52のコントラストよりも高くなる。その結果、プロジェクタ51の第1表示映像71は、図5Bに示すように、ディスプレイ52の第2表示映像72よりも高いコントラストを有する。これにより2つの表示映像の間にコントラストの差が生じ、2つの表示映像の連続性が損なわれる。
【0025】
そこで、映像調整装置20は、機器特性データベースメモリ30からの外光コントラスト特性と、照度センサ40からの照度データに基づいて、以下のようにコントラストの差を補正する。図5Cは、コントラスト補正を行った映像の表示例を示す。
【0026】
具体的には、映像調整装置20の補正値演算器240は、現在の照度においてディスプレイ52の第2表示映像72よりも高いコントラストを有する第1表示映像71を表示するプロジェクタ51に、所定値よりも低いコントラスト設定値を示す第1コントラスト情報を出力する。プロジェクタ51は入力された第1コントラスト情報に従ってコントラスト設定値を低下させるため、プロジェクタ51の第1表示映像71のコントラストは低下し、ディスプレイ52の第2表示映像72のコントラストに近づく。ここで、プロジェクタ51に出力する第1コントラスト情報のコントラスト設定値を、プロジェクタ51及びディスプレイ52の表示映像のコントラストが実質的に一致するような値にする。これにより、図5Cに示すように、これらの表示映像のコントラストに関する連続性を向上させることができる。
【0027】
図5Dは、明るい外光の環境における映像の表示例を示す正面図である。例えば外光の照度が0.2ルクスを超えるような明るい環境において、プロジェクタ51のコントラストはディスプレイ52のコントラストよりも低くなり、プロジェクタ51及びディスプレイ52による2つの表示映像の連続性が損なわれる。そこで、映像調整装置20の補正値演算器240は、現在の照度においてプロジェクタ51の第1表示映像71よりも高いコントラストを有する第2表示映像72を表示するディスプレイ52に、所定値よりも低いコントラスト設定値を示す第2コントラスト情報を出力する。これにより、暗い外光の環境の場合と同様、ディスプレイ52の第2表示映像72のコントラストは低下し、プロジェクタ51の第1表示映像71のコントラストに近づく。ここで、ディスプレイ52に出力する第2コントラスト情報のコントラスト設定値を、プロジェクタ51及びディスプレイ52の表示映像のコントラストが実質的に一致するような値にすることで、図5Cに示すように2つの表示映像のコントラストに関する連続性を向上させることができる。
【0028】
なお、補正値演算器240は、映像表示装置のコントラスト設定値を低下させ過ぎて表示映像自体が不明瞭になることを防ぐため、コントラスト設定値に所定の下限値を設けてもよい。
【0029】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、映像表示システム1は、外光検出装置で検出した外光の照度に基づいて、異なる外光コントラスト特性を有する2つの映像表示装置の間で、2つの表示映像の間のコントラストの差が小さくなるように、各映像表示装置のコントラスト設定値を変更する。これにより2つの表示映像の間に生じていたコントラストの差が軽減され、2つの表示映像の間でコントラストに関する連続性が向上する。
【0030】
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係る映像表示システム1Aの構成例を示すブロック図である。図7は、図6の映像調整装置20Aの詳細構成例を示すブロック図である。映像表示システム1Aは、図1の映像表示システム1と以下の点で異なる。
(1)外光検出装置として、照度センサ40に代えて、カメラセンサ40Aを備える。
(2)機器特性データベースメモリ30Aは、外光コントラスト特性に代えて外光色度特性を、機器特性データとして映像調整装置20Aの補正値演算器240Aに出力する。
(3)補正値演算器240に代えて、補正値演算器240Aを備える。図6において、カメラセンサ40Aは、スクリーン60上の外光照度に代えて、外光の色度及び輝度等を検出して、外光情報を映像調整装置20Aに出力する。
【0031】
図7に示すように、映像調整装置20Aは、図3の映像調整装置20に加えて、第1及び第2映像変換器251,252を備える。補正値演算器240Aは、機器特性データベースメモリ30Aからの外光色度特性及びカメラセンサ40Aからの外光情報に基づいて、2つの第1及び第2表示映像71,72の間に生じる色度の差が小さくなるような色度補正値を求めて、第1及び第2映像変換器251,252に出力する。
【0032】
図8A及び図8Bを用いて、映像表示システム1Aの色度補正動作を説明する。図8Aは、図6の映像表示システム1Aにおける色度補正の動作例を示すCIE色度図である。また、図8B図8Aの拡大図である。まず、プロジェクタ51及びディスプレイ52の両方に、同じ点P1の色(緑色)の映像を表示させる場合を考える。点P2は、カメラセンサ40Aにより検出されている、スクリーン60上の外光の色度(青色)を示す。
【0033】
図8Aにおいて、プロジェクタ51が点P1の色の映像をスクリーン60に投射したとき、スクリーン60上では点P2の色の外光が反射しているため、プロジェクタ51の表示映像の表示色は点P2の方向にずれ、点P3の色となる。一方、ディスプレイ52による第2表示映像72はプロジェクタ51と比較して外光の影響を受けにくく、ほぼ点P1の色の映像が表示される。このように、プロジェクタ51はディスプレイ52よりも大きく外光の影響を受けるため、2つの映像表示装置の間に色度の差が生じる。この色度の差はどの色の映像に対しても生じるため、プロジェクタ51による表示映像は、ディスプレイ52による表示映像と比較して青みがかった映像となる。このように、外光からの影響の受けやすさ(外光色度特性)が異なる2つの映像表示装置による2つの表示映像の間には色度の差が生じ、2つの表示映像の連続性が損なわれる。
【0034】
そこで、映像調整装置20Aは、図8Bに示すように、プロジェクタ51に表示させる第1表示映像71の点P1の色を、点P2と反対方向の点P4にシフトさせる。これにより、プロジェクタ51による第1表示映像71に表示される色は、点P2の色の外光と合成されて、点P5に示す色となる。さらに、ディスプレイ52に表示させる第2表示映像72の点P1の色を点P1から点P2の方向にシフトし、点P5の色とする。これにより、同じ点P1の色を表示させる映像コンテンツに対し、プロジェクタ51及びディスプレイ52は両方が同じ点P5の色を表示することとなる。この補正を映像全体に対して行うことで、2つの表示映像の間に生じる色度の差が軽減され、2つの第1及び第2表示映像71,72の間で色度に関する連続性が向上する。
【0035】
具体的には、補正値演算器240Aが、機器特性データベースメモリ30Aからの機器特性データ(外光色度特性を含む)と、カメラセンサ40Aからの外光情報に基づいて、上述のように色をシフトさせる第1及び第2補正値を上述のように計算し、それぞれ第1及び第2映像変換器251,252に出力する。これに応答して第1及び第2映像変換器251,252は、第1及び第2入力バッファ211,212から入力された映像信号の色度を、第1及び第2補正値だけシフトさせた後、それぞれ第1及び第2出力バッファ231,232を介して、プロジェクタ51及びディスプレイ52に、補正された第1及び第2映像信号を出力する。これによりプロジェクタ51及びディスプレイ52は、色度に関する連続性の向上した2つの表示映像を表示する。なお、本実施の形態に係る映像表示システム1Aの第1及び第2映像変換器251,252はさらに、第1及び第2表示映像71,72のコントラストを補正して変換してもよい。これにより、実施の形態1と同様に、2つの第1及び第2表示映像71,72の間に生じるコントラストの差を軽減し、コントラストに関する連続性も向上させることができる。
【0036】
(実施の形態3)
図9は、実施の形態3に係る映像表示システム1Bの構成例を示すブロック図である。図9において、映像表示システム1Bは、映像表示システム1と比較して以下の点で異なる。
(1)映像調整装置20に代えて映像調整装置20Bを備え、映像調整装置20Bは、映像分割器260をさらに備える。
(2)メディアサーバ10は、1つの統合映像コンテンツを含む統合映像信号を、映像調整装置20Bの映像分割器260に出力する。
(3)映像分割器260は、入力された統合映像信号に含まれる統合映像コンテンツを2つの映像コンテンツに分割し、それぞれ映像信号として第1及び第2入力バッファ211,212に出力する。
(4)映像調整装置20Bは、第1及び第2映像変換器251B,252Bをさらに備え、補正値演算器240に代えて、補正値演算器240Bを備える。
【0037】
図10A及び図10Bはそれぞれ、図9の映像表示システム1Bにおけるプロジェクタ51、ディスプレイ52、スクリーン60及び使用者80の間の位置関係を示す上面図及び側面図である。実施の形態1及び2と同様に、プロジェクタ51は、映像をスクリーン60に投影する。しかしながら、図10Aのようにディスプレイ52とスクリーン60が重なっている場合、プロジェクタ51が投影可能な領域全体に第1表示映像71を投影すると、ディスプレイ52上にも第1表示映像71が投影されてしまう。そこで、プロジェクタ51はスクリーン60のうち、使用者80から見て見える領域にのみ映像を投影し、それ以外の領域には映像を投影しない(黒表示にする)。
【0038】
図10A及び図10Bにおいて、使用者80の視点は所定の位置にある。スクリーン60のうち、使用者80の視点位置から見て見える領域を投影領域91、ディスプレイ52に隠れて使用者80から見えない領域をマスク領域92という。
【0039】
映像調整装置20Bは、プロジェクタ51、スクリーン60,ディスプレイ52及び使用者80の所定の視点位置の間の位置関係に基づいて、ディスプレイ52と、マスク領域92とが使用者80から見てちょうど重なるように、統合映像コンテンツを分割して出力する。具体的には、まず映像分割器260は、メディアサーバ10からの統合映像信号に含まれる統合映像コンテンツを、ディスプレイ52に表示する領域と、プロジェクタ51を介してスクリーン60の投影領域91に表示する領域とに分割する。
【0040】
補正値演算器240Bは、プロジェクタ51、スクリーン60、ディスプレイ52及び使用者80の所定の視点位置の間の位置関係に基づいて、使用者80から見てマスク領域92がディスプレイ52にちょうど重なるようにするための第1映像コンテンツを変形させるためのパラメータである第1補正値を求めて第1映像変換器251Bに出力する。変形は、スクリーン60の平面方向の平行移動及び拡大縮小、並びに台形変形等の幾何学変換を含む。第1映像変換器251Bは、補正値演算器240Bからの第1補正値に従って、プロジェクタ51に表示させる第1映像コンテンツを変形し、第1出力バッファ231を介してプロジェクタ51に出力する。
【0041】
また、補正値演算器240Bは、第2映像コンテンツの縦方向及び横方向のシフト量である第2補正値を求めて第2映像変換器252Bに出力する。第2映像変換器252Bは、補正値演算器240Bからの第2補正値に従って、ディスプレイ52に表示させる第2映像コンテンツをシフトさせる。本実施の形態ではディスプレイ52に表示させる第2映像コンテンツをシフトさせないため、第2補正値は0であり、第2映像変換器252Bは、第2入力バッファ212からの第2映像信号をそのまま出力する。
【0042】
さらに映像調整装置20Bは、分割した第1及び第2映像コンテンツに、実施の形態1と同様にコントラスト補正を行い、プロジェクタ51及びディスプレイ52に第1及び第2映像信号を出力する。なお、上記の分割の境界は、プロジェクタ51、スクリーン60、ディスプレイ52及び所定の視点位置の間の位置関係に基づいて事前に求められた所定の境界線であってもよい。
【0043】
図11は、図9の映像表示システム1Bの動作例を示す投影図である。図11の(a)はプロジェクタ51に入力される第1表示映像71を示し、図11の(b)はディスプレイ52に入力される第2表示映像72を示す。第1表示映像71がスクリーン60の投影領域91に表示され、スクリーン60のマスク領域92に重なっているディスプレイ52に第2表示映像72が表示されることで、使用者80は使用者80の視点から見たときに、図11の(c)に示すように第1表示映像71と第2表示映像72とが連続する映像を観測できる。
【0044】
(実施の形態4)
図12は、実施の形態4に係る映像表示システム1Cの構成例を示す上面図である。映像表示システム1Cは、実施の形態3の映像表示システム1Bに比較して、以下の点で異なる。
(1)さらに視点センサ90を備える。
(2)映像分割器260を備える映像調整装置20Bに代えて、映像分割器260Aを備える映像調整装置20Cを備える。
【0045】
視点センサ90は、使用者80の視点の位置を検出し、視点位置データを映像調整装置20Cの映像分割器260Aに送信する。映像分割器260Aは、視点位置データに基づいて映像を分割する。分割の具体的な動作について、以下説明する。
【0046】
図13Aは、図12の映像表示システムにおいて使用者80の視点が左にずれた場合の、ディスプレイ52及びスクリーン60の位置関係を示す上面図である。図13Aにおいて、使用者80の視点位置は、図12の所定の位置よりも左にずれている。これにより、スクリーン60上でディスプレイ52に隠れて見えないマスク領域92は、使用者80の視点が所定の位置にある時に比較して右にずれる。従って、プロジェクタ51及びディスプレイ52に、使用者80の視点が移動していない場合と同じ映像を表示すると、スクリーン60上に表示された第2表示映像72の一部がディスプレイ52に重なって見えず、かつスクリーン60上で第2表示映像72が投影されていない領域が見えてしまう。
【0047】
そこで、映像調整装置20Cの映像分割器260Aは、メディアサーバ10からの統合映像信号に含まれる統合映像コンテンツを、使用者80の視点位置に基づいて分割する。この分割は、プロジェクタ51、スクリーン60、ディスプレイ52及び使用者80の視点の位置関係に基づいて、ディスプレイ52に表示する領域と、スクリーン60の現在の投影領域91に表示する領域とに分割する。図13B及び図13Cを用いて、この分割の具体的な例を2通り説明する。
【0048】
図13Bは、図12の映像表示システム1Cにおける分割動作の動作例を示す投影図である。図13Bにおいて(a)はプロジェクタ51に入力される映像コンテンツを示し、(b)はディスプレイ52に入力される映像コンテンツを示す。図13Bの方法では、マスク領域92が右にシフトしているのに対応して、プロジェクタ51に表示させる映像も右にシフトするよう変形する。これは例えば、映像調整装置20Cにさらに図7(実施の形態2)の第1映像変換器251を追加し、補正値演算器240で使用者80の検出された視点位置に基づいて求めた補正値に従って、プロジェクタ51に表示させる第1映像コンテンツを右にシフトするよう変形することで実現可能である。このように分割され補正された映像コンテンツがプロジェクタ51及びディスプレイ52を介して表示されることで、使用者80は、使用者80の視点位置から見たときに、図13Bの(c)に示すように、第1表示映像71と第2表示映像72とが連続する映像を観測できる。
【0049】
図13Cは、図12の映像表示システム1Cにおける分割動作の別の動作例を示す投影図である。図13Cにおいて(a)はプロジェクタ51に入力される映像コンテンツを示し、(b)はディスプレイ52に入力される映像コンテンツを示す。図13Cの方法では、マスク領域92が右にシフトしているのに対応して、図13Bの方法と同様の方法で、ディスプレイ52に表示させる映像を左にシフトさせる。このように分割され補正された映像コンテンツがプロジェクタ51及びディスプレイ52を介して表示されることで、使用者80は、使用者80の視点位置から見たときに、図13Cの(c)に示すように、第1表示映像71と第2表示映像72とが連続する映像を観測できる。
【0050】
このように、使用者80の視点位置を視点センサ90により検出し、映像調整装置20Cでは検出された視点位置に基づいて映像コンテンツを変換するか又は統合映像コンテンツを分割することで、プロジェクタ51及びディスプレイ52の第1及び第2表示映像71,72の間のずれを軽減し、表示映像の連続性を向上させることができる。なお、本実施の形態では視点が左に動いた時のみを説明したが、上下、左右、前後及びそれらの組み合わせを含む視点位置の移動に対しても同様の補正を行うことができる。
【0051】
(実施の形態5)
図14A及び図14Bはそれぞれ、実施の形態5に係る映像表示システム1Dの構成例を示す上面図及び側面図である。映像表示システム1Dは、図12の映像表示システム1Cと比較して、以下の点で異なる。
(1)スクリーン60Tは透明性を有し、ディスプレイ52よりも使用者80に近い。
【0052】
透明なスクリーン60Tの投影領域91にはプロジェクタ51からの第1表示映像71が投影される。また、ディスプレイ52に表示される第2表示映像72は、透明なスクリーン60Tを透過して使用者80に観測される。
【0053】
図15Aは、図14Aの映像表示システム1Dにおいて使用者80の視点が左にずれた場合の、ディスプレイ52、スクリーン60及び使用者80の位置関係を示す上面図である。また、図15Bは、図14Aの映像表示システム1Dにおける分割動作の動作例を示す投影図である。図15Bにおいて、(a)はプロジェクタ51に入力される映像コンテンツを示し、(b)はディスプレイ52に入力される映像コンテンツを示す。
【0054】
図14Aの映像表示システム1Dにおいて、図15Aに示すように視点の位置が左にずれると、マスク領域92も左にシフトする。従って、図15Bに示すように、視点センサ90で検出された使用者80の視点位置に基づいて、ディスプレイ52に表示させる映像を左にシフトさせるとともに、プロジェクタ51のマスク領域92が左にシフトするように、第1映像コンテンツを変形する。これにより使用者80は、図15Bの(c)に示すように、第1表示映像71と第2表示映像72とが連続する映像を観測できる。なお、ディスプレイ52に表示させる映像を変形するかわりに、プロジェクタ51に表示させる映像を左にシフトするよう変形することでも、2つの映像の連続性を向上させることができる。これらの分割動作の詳細は、実施の形態4を参照可能のため省略する。
【0055】
(他の実施の形態)
以上のように、本開示において開示する技術の例示として、実施の形態1~5を説明した。しかしながら、本開示における技術はこれに限定されず、適宜変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下では他の実施の形態を例示する。
【0056】
実施の形態1~5では、異なる特性を有する複数の映像表示装置として、プロジェクタ51及びディスプレイ52の2つの場合を説明した。しかしながら、本開示はこれに限らず、映像表示装置は2つ以上の任意の数であってよいし、それらの少なくとも一部が同じ機器特性を持っていてもよい。例えば、映像表示システムは、1つのディスプレイと、1つのプロジェクタと、2つのスポットライトプロジェクタとを備えていてよい。
【0057】
また、本開示の映像表示システムは、1つのディスプレイと、2つのプロジェクタとを備えてもよい。例えば、図2A図10Aに示す映像表示システムにおいて、左右方向の中央部に位置するプロジェクタ51に代えて、2つのプロジェクタを左右にそれぞれ配置することにより、ディスプレイ52の陰になって、スクリーン60に投影できない第1表示映像の領域を減少させることができる。この場合、第1表示映像を2つに分割してそれぞれ2つのプロジェクタに表示させることができる。
【0058】
また、実施の形態1~5において映像表示システムは、プロジェクタ51及びスクリーン60に代えて、スクリーン60の位置に置かれた別のディスプレイを備えてもよい。この場合、マスク領域92に第1表示映像71が表示されていてもよい。
【0059】
また、実施の形態1~5において、マスク領域に第1表示映像71と第2表示映像72とを重畳して表示する場合は、マスク領域に第1表示映像71が表示されていてもよい。
【0060】
また、実施の形態1~5では、照度センサ40又はカメラセンサ40Aがスクリーン60上の上部に配置される例を示したが、照度センサ40又はカメラセンサ40Aの位置はスクリーン60上に限定されず、例えば、ディスプレイ52に内蔵されていてもよい。
【0061】
さらに、実施の形態1及び2では、異なる特性を有する複数の映像表示装置の間でコントラスト及び色度の連続性を向上させる方法を説明した。しかしながら、コントラスト及び色度のかわりに、またはそれらに追加で、輝度の連続性を向上させてもよい。その場合、機器特性データベースの機器特性データは、外光の輝度が表示映像の輝度に与える影響を示す外光輝度特性を含む。
【0062】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。またそのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
【0063】
従って、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須となる構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることを理由に、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0064】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置換、付加、省略等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本開示は、異なる機器特性を有する複数の映像表示装置を含む映像表示システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1,1A,1B,1C,1D 映像表示システム
10 メディアサーバ
20,20A,20B,20C 映像調整装置
211 第1入力バッファ
212 第2入力バッファ
221 第1映像情報抽出器
222 第2映像情報抽出器
231 第1出力バッファ
232 第2出力バッファ
240,240A,240B 補正値演算器
251,251B 第1映像変換器
252,252B 第2映像変換器
260,260A 映像分割器
30,30A 機器特性データベースメモリ
40 照度センサ
40A カメラセンサ
51 プロジェクタ
52 ディスプレイ
60,60T スクリーン
71 第1表示映像
72 第2表示映像
80 使用者
90 視点センサ
91 投影領域
92 マスク領域
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15A
図15B