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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】モータユニット、及び飛行体
(51)【国際特許分類】
   B64C 27/605 20060101AFI20240621BHJP
   B64D 27/24 20240101ALI20240621BHJP
   B64C 27/04 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
B64C27/605
B64D27/24
B64C27/04
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021534570
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 JP2020021203
(87)【国際公開番号】W WO2021014755
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2019135639
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020073134
(32)【優先日】2020-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大資
(72)【発明者】
【氏名】山口 修
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0118941(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/605
B64D 27/24
B64C 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレードを回転させる動力を発生させるモータと、
前記ブレードのピッチ角を変更するピッチ角変更機構と、を備えるモータユニットであって、
前記モータは、
ステータと、
前記ステータの外側に位置し、前記ブレードが連結されるロータ
と、を有し、
前記ピッチ角変更機構は、
変位可能な一つの変位部材を有し、
前記変位部材の一部は、前記ステータの内側に位置し、
前記ピッチ角変更機構は、サイクリックピッチ制御を行い、
前記ピッチ角変更機構は、
前記ブレードに連結され、前記ブレードと共に前記ロータの回転中心となる軸心を中心に回転する回転部材と、
支持面を含み、前記支持面で前記回転部材を支持する支持部材と
を有し、
前記回転部材及び前記支持部材のうちの少なくとも一方が、前記変位部材であり、
前記ピッチ角変更機構は、
前記支持部材を回転可能に支持するボールジョイントを更に有し、
前記ボールジョイントの一部が、前記ステータの内側に位置する、
モータユニット。
【請求項2】
前記ピッチ角変更機構は、前記変位部材として、
前記ロータの回転中心となる軸心に沿う方向に移動する移動部材を有する、
請求項1に記載のモータユニット。
【請求項3】
前記ステータの内側に位置し、前記ロータの回転中心を規定するシャフトを更に備え、
前記移動部材の一部は、前記ステータと前記シャフトとの間に位置する、
請求項に記載のモータユニット。
【請求項4】
前記モータは、
前記シャフトを回転可能に支持する軸受を更に備え、
前記軸受の一部は、前記ステータの内側に位置する、
請求項に記載のモータユニット。
【請求項5】
前記移動部材は、前記ロータと共に前記軸心を中心に回転し、
前記ピッチ角変更機構は、
前記移動部材を前記軸心方向に移動させるレバーを更に有する、
請求項2~4のいずれか1項に記載のモータユニット。
【請求項6】
前記レバーが、前記変位部材である、
請求項に記載のモータユニット。
【請求項7】
前記ロータは、
前記軸心方向において、前記ステータに対向する対向部を有し、
前記ピッチ角変更機構は、
前記移動部材と前記ブレードとを連結する少なくとも一つの連結部材を更に有し、
前記連結部材は、前記対向部を貫通する、
請求項2~6のいずれか1項に記載のモータユニット。
【請求項8】
前記ピッチ角変更機構は、前記一つの連結部材として、
複数の連結部材を有する、
請求項に記載のモータユニット。
【請求項9】
前記ロータは、
前記移動部材の前記軸心方向の移動をガイドするガイド部を有する、
請求項2~8のいずれか1項に記載のモータユニット。
【請求項10】
前記ピッチ角変更機構は、
前記移動部材の動力源を更に有し、
前記動力源の一部は、前記ステータの内側に位置する、
請求項2~9のいずれか1項に記載のモータユニット。
【請求項11】
前記ブレードを更に備える、
請求項1~10のいずれか1項に記載のモータユニット。
【請求項12】
請求項11に記載のモータユニットと、
前記モータユニットが取り付けられた本体と、を備える、
飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータユニット及び飛行体に関する。本開示は、詳しくは、ブレードのピッチ角を変更する機構を備えたモータユニット及びこのモータユニットを備えた飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、マルチコプタが開示されている。このマルチコプタの駆動部は、電動モータとロータヘッドユニットとからなる。ロータヘッドユニットは、ロータヘッドと可変ピッチ機構とを有している。ロータヘッドは、電動モータの上方に向かって突出した出力軸の上端でブレードを支持する。可変ピッチ機構は、ブレードのピッチ角を変化させる。可変ピッチ機構は、ピッチプレート、ピッチプレートボス、ピッチレバー及びサーボモータにより構成されている。ピッチプレート及びピッチプレートボスは、出力軸の外周に装着されている。電動モータの上面には、サーボマウントプレートが取り付けられている。ピッチレバー及びサーボモータは、サーボマウントプレート上に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-185945号公報
【発明の概要】
【0004】
上述したマルチコプタの駆動部は、可変ピッチ機構を構成する、ピッチプレート、ピッチプレートボス、ピッチレバー及びサーボモータの各部材が、電動モータの上方に位置している。ブレードは可変ピッチ機構のさらに上方に位置している。このため、駆動部は、電動モータの出力軸の軸心方向において大型になりやすい。
【0005】
本開示は、上記事由に鑑みてなされたものである。本開示は、モータの軸心方向における大型化を抑制できるモータユニット及び飛行体を提供することを目的とする。
【0006】
本開示の一態様に係るモータユニットは、ブレードを回転させる動力を発生させるモータと、ブレードのピッチ角を変更するピッチ角変更機構とを備える。モータは、ステータと、ステータの外側に位置し、ブレードが連結されるロータとを有する。ピッチ角変更機構は、変位可能な一つの変位部材を有する。変位部材の一部は、ステータの内側に位置する。
【0007】
また、ピッチ角変更機構は、サイクリックピッチ制御を行ってもよい。
【0008】
また、モータユニットは、以下に示す構成を有してもよい。ピッチ角変更機構は、回転部材と、支持部材とを有する。回転部材は、ブレードに連結され、ブレードと共にロータの回転中心となる軸心を中心に回転する。支持部材は、支持面を含み、支持面で回転部材を支持する。回転部材及び支持部材のうちの少なくとも一方が、変位部材である。
【0009】
また、モータユニットは、以下に示す構成を有してもよい。ピッチ角変更機構は、ボールジョイントを更に有する。ボールジョイントは、支持部材を回転可能に支持する。ボールジョイントの一部が、ステータの内側に位置する。
【0010】
また、モータユニットは、以下に示す構成を有してもよい。ピッチ角変更機構は、変位部材として、移動部材を有する。移動部材は、ロータの回転中心である軸心に沿う方向に移動する。
【0011】
また、モータユニットは、以下に示す構成を有してもよい。モータユニットは、シャフトを更に備える。シャフトは、ステータの内側に位置し、ロータの回転中心を規定する。移動部材の一部は、ステータとシャフトとの間に位置する。
【0012】
また、モータユニットは、以下に示す構成を有してもよい。モータは、軸受を更に備える。軸受は、シャフトを回転可能に支持する。軸受の一部は、ステータの内側に位置する。
【0013】
また、モータユニットは、以下に示す構成を有してもよい。移動部材は、ロータと共に軸心を中心に回転する。ピッチ角変更機構は、移動部材を軸心方向に移動させるレバーを更に有する。
【0014】
また、レバーが、変位部材であることが好ましい。
【0015】
また、モータユニットは、以下に示す構成を有してもよい。ロータは、対向部を有する。対向部は、軸心方向において、ステータに対向する。ピッチ角変更機構は、少なくとも一つの連結部材を更に有する。連結部材は、移動部材とブレードとを連結する。連結部材は、対向部を貫通する。
【0016】
また、ピッチ角変更機構は、一つの連結部材として、複数の連結部材を有することが好ましい。
【0017】
また、モータユニットは、以下に示す構成を有することが好ましい。ロータは、ガイド部を有する。ガイド部は、移動部材の軸心方向の移動をガイドする。
【0018】
また、モータユニットは、以下に示す構成を有することが好ましい。ピッチ角変更機構は、移動部材の動力源を更に有する。動力源の一部は、ステータの内側に位置する。
【0019】
また、モータユニットは、ブレードを更に備えることが好ましい。
【0020】
本開示の一態様に係る飛行体は、モータユニットと、本体とを備える。モータユニットが本体に取り付けられる。
【0021】
上記態様に係るモータユニット及び飛行体にあっては、モータの軸心方向における大型化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、第1実施形態のモータユニットを示す斜視図である。
図2図2は、同上のモータユニットを備えた飛行体の斜視図である。
図3図3は、同上のモータユニットが備えたブレードのピッチ角を最大にした状態を示し、モータユニットの一部を断面で示した斜視図である。
図4図4は、同上のモータユニットの分解斜視図である。
図5図5は、同上のモータユニットであって、ブレードが図1に示す状態から90度回転した状態を示した斜視図である。
図6図6は、同上のモータユニットのブレードのピッチ角を最小にした状態を示し、モータユニットの一部を断面で示した斜視図である。
図7図7は、同上のモータユニットのブレード及びロータの一部の図示を省略した斜視図である。
図8図8は、変形例のモータユニットの断面図である。
図9図9は、第2実施形態のモータユニットを示す斜視図である。
図10図10は、同上のモータユニットが備えたスワッシュプレートを最大限上昇させた状態を示し、モータユニットの一部を断面で示した斜視図である。
図11図11は、同上のモータユニットのスワッシュプレートを最大限下降させた状態を示し、モータユニットの一部を断面で示した斜視図である。
図12図12は、同上のモータユニットのスワッシュプレートを傾けた状態を示し、モータユニットの一部を断面で示した斜視図である。
図13図13は、同上のモータユニットの分解斜視図である。
図14図14は、同上のモータユニットを備えた飛行体の斜視図である。
図15図15は、同上のモータユニットを備えた他例の飛行体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、モータユニットと、このモータユニットを備えた飛行体とについて説明する。
【0024】
(1)第1実施形態
まず、第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態のモータユニット2を示す斜視図である。図1に示すモータユニット2は、モータ21を備えている。以下、モータ21を第1モータ21という。第1モータ21は、ブレード(プロペラ)3の動力源として用いられ、ブレード3を回転させる動力を発生させる。モータユニット2は、少なくとも1つのブレード3を更に備えている。ブレード3は、第1モータ21で発生した動力により回転し得る。
【0025】
図2は、第1実施形態のモータユニット2を備えた飛行体1の斜視図である。飛行体1は、回転翼として利用されるモータユニット2を複数有した回転翼機である。飛行体1は、自律的な飛行又は遠隔操縦による飛行を行い得る無人航空機である。飛行体1は、大型であり、農薬散布、輸送等に用いることができる。なお、飛行体1のサイズは限定されず、飛行体1は、例えば、小型であってもよい。
【0026】
飛行体1は、本体10と、複数のモータユニット2とを備えている。すなわち、飛行体1は、複数のモータユニット2を有するマルチロータ(マルチコプタ)である。飛行体1は、四つのモータユニット2を備えている。飛行体1が備えるモータユニット2の数は、限定されず、二つ又は三つであってもよいし、五つ以上であってもよい。飛行体1は、モータユニット2を一つだけ備えるシングルロータであってもよい。
【0027】
飛行体1は、モータユニット2と同数のアーム11を更に備えている。すなわち、飛行体1は、四つのアーム11を備えている。複数のアーム11は、複数のモータユニット2にそれぞれ一対一で対応している。各アーム11は、棒状に形成されている。各モータユニット2は、対応するアーム11を介して本体10に連結されている。
【0028】
本体10は、例えば、筐体12、フライトコントローラ及び電源を備える。フライトコントローラ及び電源は、筐体12に内蔵される。なお、フライトコントローラ及び電源は、全部又は一部が筐体12の外面に取り付けられてもよい。
【0029】
フライトコントローラは、例えば、制御装置と複数のセンサとを有する。制御装置は、例えば、マイクロコントローラである。制御装置は、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。制御装置は、メモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、飛行体1の飛行を制御する。複数のセンサは、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、気圧センサ(高度計)、GPSセンサ(Global Positioning system)及びイメージセンサを含み得る。制御装置は、複数のセンサにより取得したデータに基づき、各モータユニット2(詳しくは、第1モータ21及び後述するモータ52)を制御し、飛行体1の飛行方向、飛行速度、飛行姿勢等を制御する。
【0030】
フライトコントローラによる各モータユニット2の制御は、例えば、ESC(Electric Speed Controller)を介して行われる。ESCは、本体10に設けられてもよいし、各モータユニット2に設けられてもよい。電源は、フライトコントローラ及び複数のモータユニット2に電力を供給する。電源は、例えば、リチウムポリマ電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等のバッテリである。本体10は、リモートコントローラ、又はカメラ装置等を更に有してもよい。本体10は、パーソナルコンピュータ等の外部機器と通信を行う通信装置を更に有してもよい。
【0031】
飛行体1の飛行時において、各モータユニット2が備えるロータ23の回転中心となる軸心239は鉛直方向と概ね平行になる。モータユニット2が備えるブレード3はロータ23の上側に配置される。本開示では、ロータ23の回転中心となる軸心239が延伸する方向(軸心239と平行な方向)を上下方向と規定し、ロータ23からブレード3に向かう方向を上方、ブレード3からロータ23に向かう方向を下方と規定する。本開示では、モータユニット2について、ロータ23の回転中心である軸心239からロータ23の外周面に向かう方向を外側と規定し、ロータ23の外周面からロータ23の回転中心である軸心239に向かう方向を内側と規定する。また、本開示における「軸心」は、回転運動する物体の回転中心となる仮想の直線である。
【0032】
図1に示すモータユニット2は、ブラシレスモータからなる第1モータ21を備えている。第1モータ21は、ブラシ付きモータであってもよい。図3は、第1実施形態のモータユニット2が備えたブレード3のピッチ角を最大にした状態を示し、モータユニット2の一部を断面で示した斜視図である。図3に示すように、第1モータ21は、ステータ22と、ロータ23とを有している。第1モータ21は、アウタロータ型のモータである。すなわち、ロータ23は、ステータ22の外側に位置している。ロータ23は、ステータ22の外周面に僅かな隙間を介して対向している。
【0033】
モータユニット2は、ベース4を更に備えている。ベース4は、アーム11に連結されている。ベース4には、ステータ22が固定されている。ベース4は、ロータ23を回転可能に支持している。
【0034】
図4は、第1実施形態のモータユニット2の分解斜視図である。図4に示すように、ベース4は、ベースプレート40を有している。ベースプレート40は、厚み方向が上下方向と平行な板状に形成されている。図3に示すように、ステータ22及びロータ23は、ベースプレート40の上方(ブレード3側)に位置している。
【0035】
ステータ22は、ねじ等の固着具により、ベースプレート40に固定されている。ステータ22は、上下方向に見て、円形のベースプレート40と同心の円環状に形成されている。ステータ22は、例えば、ステータコアと、ステータコアに巻き付けられたステータコイルとを有する。アウタロータ型の第1モータ21は、インナロータ型のモータと比較して、ステータコアにおいてステータコイルが巻きつけられる領域を、大きく確保することができる。このため、第1モータ21は、ステータコイルをステータコアに巻き付けやすく、ステータ22を製造しやすい。
【0036】
図4に示すように、ベース4は、支持部(支持部材)41を更に有している。支持部41は、ベースプレート40の中央部から上方に向かって突出している。支持部41は、軸方向が上下方向と平行な円筒状に形成されている。支持部41は、環状のステータ22の内側に位置している。すなわち、支持部41は、ステータ22の内側に形成された、上下方向に貫通した孔に位置している。支持部41は、上下方向と直交する方向に見て、ステータ22と重なっている。支持部41は、ベースプレート40と一体に形成されてもよいし、ベースプレート40に取り付けられてもよい。
【0037】
モータユニット2は、ロータ23の回転中心を規定するシャフト24を更に有している。シャフト24の軸心方向は、上下方向と平行である。シャフト24は、ベース4に支持される被支持部240を有している。被支持部240は、シャフト24における下側の半部(シャフト24の軸心方向におけるブレード3とは反対側の部分)で構成されている。
【0038】
図3に示すように、被支持部240は、筒状の支持部41の内側に位置している。モータユニット2は、シャフト24を支持する複数の軸受25を更に有している。本実施形態のモータユニット2は、複数の軸受25として、シャフト24の被支持部240における上側の端部の周囲と、下側の端部(シャフト24における下側の端部)の周囲とにそれぞれ位置した二つの軸受25を有している。各軸受25は、例えば、玉軸受け又はころ軸受等の転がり軸受である。各軸受25は、転がり軸受に限定されず、例えば、すべり軸受であってもよい。モータユニット2が有する軸受25の数は、二つに限定されない。第1モータ21は、例えば、軸受25を一つだけ有してもよいし、軸受25を三つ以上有してもよい。各軸受25の一部は、ステータ22の内側に位置している。なお、各軸受25は、全体がステータ22の内側に位置してもよいし、ステータ22の内側に配置されなくてもよい。
【0039】
シャフト24の被支持部240は、複数の軸受25を介して、支持部41に回転可能に取り付けられている。これにより、シャフト24は、ベース4により、上下軸回り方向に回転可能に支持されている。軸受25の少なくとも一部は、環状のステータ22の内側に位置している。
【0040】
ロータ23は、下方に向かって開口した、有底の円筒状に形成されている。ロータ23は、ステータ22に対して非接触状態で被さっている。ロータ23は、対向部230と周壁部231とを有している。対向部230は、ステータ22の上方に位置している。対向部230は、上下方向において僅かな隙間を介してステータ22と対向している。
【0041】
対向部230は、中央部232、周縁部233及び複数の結合部234を有している。中央部232は、上方から見て対向部230の中央に位置し、支持部41の上方に位置している。中央部232は、対向部230における他の部分よりも上方に突出した接続部235を有している。接続部235には、下方に向かって開口した嵌込穴236が形成されている。
【0042】
シャフト24における被支持部240よりも上方の部分は、嵌込穴236に嵌まっており、ロータ23に対して固定されている。シャフト24は、ロータ23と共に回転する。シャフト24は、上方から見て、ロータ23の中心に位置している。シャフト24の中心軸が、ロータ23の回転中心である軸心239と重なる。なお、シャフト24は、ベース4に対して回転不能に固定されてもよい。この場合、ロータ23は、シャフト24に対して回転可能に取り付けられる。
【0043】
対向部230の周縁部233は、上方から見て、円環状に形成されている。周縁部233は、中央部232と間隔をあけて中央部232の周囲に位置している。複数の結合部234は、中央部232と周縁部233との間において、ロータ23の周方向(周縁部233の周方向)に間隔をあけて並んでいる。複数の結合部234は、中央部232と周縁部233とを結合している。
【0044】
対向部230には、ロータ23の周方向に並んだ複数の孔237が形成されている。各孔237は、ロータ23の周方向において隣り合う結合部234の間に形成された空間である。各孔237は、対向部230を上下方向に貫通している。複数の孔237は、対向部230の上方の空間と、対向部230の下方に位置する、ロータ23の内側の空間(周壁部231で囲まれた空間)とを通じさせる。このため、ステータ22で発生した熱は、ステータ22が位置するロータ23の内側に籠もりにくい。ブレード3の回転により発生した風は、複数の孔237を通過してロータ23の内側に入り込みやすい。このため、ステータ22は高温になり難い。
【0045】
ロータ23の周壁部231は、対向部230の周縁部233から下方(ステータ22側)に向かって突出している。周壁部231は、軸方向が上下方向と平行な円筒状に形成されている。周壁部231の内周面は、僅かな隙間を介してステータ22に対向している。
【0046】
周壁部231は、例えば、ロータ23の周方向に並んだ複数のマグネット、又はロータ23の周方向にわたって連続した一つのマグネットを有している。複数のマグネットは、例えば、隣り合う二つのマグネットのステータ22側の磁極が異なるように配置される。一つのマグネットは、例えば、ステータ22側に位置する磁極がロータ23の周方向において交互に入れ替わるように着磁される。ロータ23は、ステータ22によって形成される磁界と複数又は一つのマグネットとの間で生じる磁気的な吸引力及び反発力によって、シャフト24を中心に回転する。
【0047】
図1に示すように、モータユニット2は、ブレード3を備えている。本実施形態のモータユニット2は、二つのブレード3を備えている。なお、モータユニット2が備えるブレード3の数は、二つに限定されず、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。モータユニット2としては、ブレード3を備えなくてもよい。この場合、飛行体1を組み立てるときに、別途用意したブレードをモータユニット2に取り付ければよい。
【0048】
各ブレード3は、長さ方向の一端部が、ロータ23の接続部235に接続されている。各ブレード3は、対向部230の上方(ステータ22とは反対側)に位置している。各ブレード3は、上方から見て、接続部235から外側に向かって突出している。本実施形態の各ブレード3は、上方から見て、ロータ23の周壁部231の外周面よりも更に外側に向かって突出している。ロータ23が回転したとき、各ブレード3は、ロータ23の回転中心である軸心239を中心に回転(ヨーイング)する。図5は、第1実施形態のモータユニット2であって、ブレード3が図1に示す状態から90度回転した状態を示した斜視図である。
【0049】
ブレード3は、ロータ23の接続部235に対して、上下方向と直交する回転軸を中心に回転可能に接続されている。すなわち、各ブレード3は、接続部235に対して回転(ピッチング)することで、そのピッチ角が変化する。本開示における「ピッチ角」は、ブレード3が軸心239を中心に回転する方向に対する、ブレード3の角度を意味する。図6は、第1実施形態のモータユニット2の各ブレード3のピッチ角最小にした状態を示し、モータユニット2の一部を断面で示した斜視図である。
【0050】
図7は、第1実施形態のモータユニット2のブレード3及びロータ23の一部の図示を省略した斜視図である。モータユニット2は、図7に示すピッチ角変更機構5を備えている。ピッチ角変更機構5は、各ブレード3のピッチ角を変更する。本実施形態のピッチ角変更機構5は、コレクティブピッチ制御を行う機構である。コレクティブピッチ制御は、各ブレード3のピッチ角を同時に同量変化させる制御であり、ブレード3の回転時における推力を制御するために行われる。なお、本実施形態のピッチ角変更機構5は、後述するサイクリックピッチ制御は行わない。
【0051】
ピッチ角変更機構5は、変位可能な変位部材を有している。本実施形態のピッチ角変更機構5は、変位部材として、後述する、移動部材50、連結部材51、レバー533及び連動部材534を有している。
【0052】
ピッチ角変更機構5は、上下方向に移動する移動部材50を有している。移動部材50は、複数のブレード3に連結されている。ロータ23の回転時において、移動部材50は、複数のブレード3と共にロータ23の軸心239を中心に回転する。各ブレード3のピッチ角(コレクティブピッチ角)は、移動部材50が上下方向に移動することによって変化する。
【0053】
移動部材50は、ベースプレート40と、ロータ23の対向部230(図3を参照)との間に位置している。移動部材50は、環状のステータ22(図3を参照)の内側に位置している。移動部材50は、上方から見て環状に形成されている。移動部材50は、ベース4の支持部41の周囲に位置している。すなわち、移動部材50は、支持部41の内側に位置するシャフト24と、ステータ22との間に位置している。
【0054】
ロータ23は、移動部材50の上下方向の移動をガイドするガイド部238を有している。ガイド部238は、対向部230の中央部232から下方に向かって突出した柱状のピンである。ガイド部238は、ロータ23と一体に形成されてもよいし、ロータ23に取り付けられてもよい。なお、移動部材50の上下方向の移動をガイドするガイド部238は、ピンに限定されない。例えば、ベース4の支持部41の外周面が、移動部材50の内周面に接触することにより、移動部材50の移動方向が、上下方向に制限されてもよい。すなわち、この場合、支持部41がガイド部238として利用される。
【0055】
移動部材50には、上方に開口した穴500(図4を参照)が形成されている。ガイド部238は、移動部材50の穴500に位置している。ガイド部238の外周面に穴500の内周面が接することで、移動部材50の移動方向が上下方向に制限される。
【0056】
移動部材50は、その上下方向の移動範囲における実質的に全ての位置において、移動部材50の全部がステータ22の内側に位置する。このため、例えば、移動部材50の全体がステータ22よりも上方に配置される場合と比較して、モータユニット2の上下方向の大型化が抑制される。このようにモータユニット2の上下方向の大型化を抑制することで、各ブレード3を、上下方向において、ステータ22及びロータ23の近くに配置できる。このため、シャフト24の上下方向の長さを短くしつつ、ロータ23の回転時における、シャフト24のロータ23側の端部の振動を抑制できる。したがって、横風等によってシャフト24が変形することを抑制し、かつ、シャフト24及びシャフト24を支持する軸受25の大型化を抑制できる。また、各ブレード3により生じた風が、第1モータ21に当たりやすくなり、第1モータ21を効率良く冷却することもできる。また、飛行体1の飛行時における各ブレード3の振動も抑制される。このため、飛行体1の飛行時には、フライトコントローラが備えるセンサにより、正確にデータを取得することができる。スポンジ及びゴム等、飛行体1の制御装置を保護するためのクッションのサイズを小さくしたり、クッションを省略したりすることもできる。
【0057】
なお、移動部材50は、その上下方向の移動範囲における上側の端部に位置する場合のみ、移動部材50の一部がステータ22よりも上方に位置する。しかし、上下方向の移動範囲における全ての位置において、移動部材50の全部がステータ22の内側に配置されてもよい。移動部材50は、その上下方向の移動範囲における下側の端部に位置する場合のみ、移動部材50の一部がステータ22よりも下方に位置してもよい。つまり、移動部材50は、少なくとも一部がステータ22の内側に配置されればよい。
【0058】
ピッチ角変更機構5は、少なくとも1つの連結部材51を備えている。本実施形態のピッチ角変更機構5は、モータユニット2が備えるブレード3と同数の連結部材51を備えている。すなわち、ピッチ角変更機構5は、二つの連結部材51を備えている。なお、連結部材51の数は、限定されず、ブレード3の数に応じて変更可能である。例えば、ピッチ角変更機構5は、連結部材51を一つだけ備えてもよいし、三つ以上備えてもよい。
【0059】
複数の連結部材51は、それぞれ、複数のブレード3と一対一で対応している。各連結部材51は、移動部材50と対応するブレード3とを連結している。すなわち、本実施形態の移動部材50は、複数の連結部材51を介して間接的に複数のブレード3に連結されている。なお、移動部材50は、複数のブレード3に直接連結されてもよく、連結部材51を省略することができる。
【0060】
各連結部材51は、ベースプレート40の上方に位置している。各連結部材51は、上下方向に延びた棒状に形成されている。各連結部材51における下側の端部は、移動部材50の周囲に位置している。図1に示すように、各連結部材51は、ロータ23における対向部230の中央部232を上下方向に貫通している。
【0061】
各ブレード3は、対応する連結部材51が連結される連結部30を有している。連結部30は、L字状に曲がった棒状に形成されている。連結部30は、ブレード3における接続部235側の端部から、ブレード3の回転方向に突出している。各連結部材51の上側(ベースプレート40とは反対側)の端部は、対応するブレード3が有する連結部30の先端部に回転可能に連結されている。図7に示すように、各連結部材51の下側(ベースプレート40側)の端部は、移動部材50に回転可能に連結されている。各連結部材51は、移動部材50と共に上下方向に移動する。各連結部材51が移動部材50と共に上下方向に移動することで、対応するブレード3は、接続部235に対して回転し、ピッチ角が変化する。
【0062】
ピッチ角変更機構5は、移動部材50を駆動する駆動部27を有している。駆動部27は、移動部材50の動力源であるモータ52と、モータ52で発生した動力を移動部材50に伝達して移動部材50を上下方向に移動させる伝達機構53を有している。以下、モータ52を第2モータ52という。
【0063】
第2モータ52は、例えば、サーボモータである。なお、第2モータ52は、サーボモータに限定されず、例えば、油圧モータ等であってもよい。第2モータ52は、対応するアーム11に取り付けられている。第2モータ52は、上下方向に対して垂直な方向に延びた出力軸520を有している。なお、本実施形態の第2モータ52は、ステータ22の内側に位置していない。しかし、図8に示すように、第2モータ52の全部又は一部は、ステータ22の内側に位置してもよい。図8は、変形例のモータユニットの断面図である。図8に示す例では、第2モータ52の全体が、ステータ22の内側に位置している。
【0064】
本実施形態の伝達機構53は、図7に示すように、第1リンク531、第2リンク532、レバー533及び連動部材534を有している。第2モータ52で発生した動力は、第1リンク531、第2リンク532、レバー533及び連動部材534を順に介して移動部材50に伝達される。これにより、移動部材50は、上下方向に移動する。
【0065】
第1リンク531の一端部は、第2モータ52の出力軸520に連結されている。第1リンク531における出力軸520とは反対側の端部は、第2リンク532の一端部に回転可能に取り付けられている。レバー533は、ベースプレート40の上方において、ベース4に対して回転可能に取り付けられている。第2リンク532における第1リンク531とは反対側の端部は、ベースプレート40の下方(ブレード3と反対側)において、レバー533に回転可能に取り付けられている。
【0066】
連動部材534は、移動部材50の下方に位置している。連動部材534は、上方から見て円環状に形成されている。連動部材534は、ベース4の支持部41の周囲に位置している。連動部材534は、移動部材50とベースプレート40との間に位置している。連動部材534は、支持部41の外周面に沿って上下方向に移動可能である。すなわち、連動部材534も、上下方向に移動可能な移動部材である。連動部材534が上方に移動することで、移動部材50は連動部材534によって上方に押し動かされる。連動部材534が下方に移動することで、移動部材50は、移動部材50、一対の連結部材51及び一対のブレード3の重さにより、下方に移動する。なお、本実施形態の連動部材534は、移動部材50に対して固定されていないが、移動部材50に対して固定されてもよい。連動部材534は、移動部材50と一体に形成されてもよい。
【0067】
連動部材534は、その上下方向の移動範囲における全ての位置において、連動部材534の全部がステータ22の内側に配置される。連動部材534は、一部だけがステータ22の内側に位置してもよいし、ステータ22の内側に配置されなくてもよい。連動部材534の外周面には、連動部材534の周方向の全長にわたった溝535が形成されている。
【0068】
ベース4は、ベースプレート40から上方に向かって突出した一対の支持部42を有している。一対の支持部42は、ステータ22の内側に位置している。
【0069】
レバー533は、支点部536、レバー片537及び一対のアーム片538を有している。支点部536は、一対の支持部42の間に位置している。支点部536は、一対の支持部42に対して、出力軸520と平行な回転軸を中心に回転可能に取り付けられている。
【0070】
レバー片537は、支点部536から下方に向かって突出している。レバー片537は、ベースプレート40を上下方向に貫通している。図3に示すように、レバー片537の先端部(下側の端部)は、ベースプレート40から下方に向かって突出している。レバー片537の先端部には、第2リンク532における第1リンク531とは反対側の端部が回転可能に連結されている。レバー533において、レバー片537の先端部を除いた他の部分は、ステータ22の内側に位置している。なお、レバー533は、一部だけがステータ22の内側に位置しているが、全部がステータ22の内側に位置してもよい。レバー533は、ステータ22の内側に配置されなくてもよい。第1リンク531及び第2リンク532は、ステータ22の内側に配置されていないが、ステータ22の内側に配置されてもよい。
【0071】
図7に示すように、一対のアーム片538は、支点部536から支点部536の回転軸と交差する方向に突出している。一対のアーム片538は、支点部536の回転軸方向に間隔をあけて並んでいる。一対のアーム片538の間には、連動部材534が位置している。各アーム片538の先端部には、連動部材534に向かって突出した突起539(図4を参照)が形成されている。各アーム片538の突起539は、連動部材534の溝535に対して、溝535の長さ方向にスライド可能に嵌まり込んでいる。
【0072】
第2モータ52の出力軸520の回転運動は、第1リンク531及び第2リンク532を介して、支点部536を回転中心としたレバー533の回転運動に変換される。第2モータ52の駆動時における出力軸520は、一方向の回転と、一方向とは逆方向の回転とを交互に行う。このため、第2モータ52の駆動時には、レバー533は、支点部536の回転軸を中心にして揺動する。このようにレバー533が揺動したとき、レバー533の一対のアーム片538は、支点部536を中心にして上下方向に揺動し、各アーム片538の突起539によって連動部材534が上下方向に動かされる。このように連動部材534が上下方向に移動することで、前述したように移動部材50が上下方向に移動し、各ブレード3のピッチ角が変更される。すなわち、レバー533は、移動部材50を軸心239が延伸する方向に移動させる。
【0073】
図2に示す飛行体1の飛行時には、例えば、各モータユニット2の第1モータ21(図3を参照)と第2モータ52(図3を参照)とが同時に駆動される。これにより、各モータユニット2では、各ブレード3がピッチ角を変更しながら軸心239を中心に回転する。
【0074】
(2)第2実施形態
第2実施形態について説明する。以下では、第2実施形態の各要素については、第1実施形態の対応する要素に付した符号の末尾に「A」を付け加えた符号を付し、第1実施形態の対応する要素と重複する事項については説明を省略する。
【0075】
図9は、第2実施形態のモータユニット2Aを示す斜視図である。本実施形態のモータユニット2Aが備えるピッチ角変更機構5Aは、コレクティブピッチ制御と、サイクリックピッチ制御との双方を実行し得る。サイクリックピッチ制御は、ブレード3Aの回転に伴って、ブレード3Aのピッチ角を周期的に変化させる制御である。サイクリックピッチ制御は、ブレード3Aの一回転を周期としてブレード3Aのピッチ角を連続的に変化させる。
【0076】
図10は、第2実施形態のモータユニット2Aが備えたスワッシュプレート54Aを最大限上昇させた状態を示し、モータユニット2Aの一部を断面で示した斜視図である。図10に示すように、シャフト24Aの下側の端部は、軸受25Aを介してベースプレート40Aに回転可能に支持されている。これにより、シャフト24Aは、ベース4Aに対して、上下軸回り方向に回転可能に支持されている。
【0077】
ピッチ角変更機構5Aは、変位部材として、スワッシュプレート54Aを有している。図11は、第2実施形態のモータユニット2Aのスワッシュプレート54Aを最大限下降させた状態を示し、モータユニット2Aの一部を断面で示した斜視図である。コレクティブピッチ制御は、図10及び図11に示すように、スワッシュプレート54Aを上下方向に移動することによって行われる。図12は、第2実施形態のモータユニット2Aのスワッシュプレート54Aを傾けた状態を示し、モータユニット2Aの一部を断面で示した斜視図である。サイクリックピッチ制御は、図12に示すように、スワッシュプレート54Aのロータ23Aの軸心239Aに対する傾きを変更することによって行われる。
【0078】
図10に示すように、ピッチ角変更機構5Aは、ボールジョイント55Aを有している。ボールジョイント55Aは、シャフト24Aにおいてベースプレート40Aから上側に向かって突出した部分に対して、上下方向に移動可能に支持されている。
【0079】
ボールジョイント55Aは、その上下方向の移動範囲における全ての位置において、ボールジョイント55Aの全部がステータ22Aの内側に位置する。ボールジョイント55Aは、一部だけがステータ22Aの内側に位置してもよい。ボールジョイント55Aは、球面となった外面を有している。
【0080】
スワッシュプレート54Aは、支持部材(ロウワーリング)540Aと回転部材(アッパーリング)541Aとを有している。支持部材540Aは、円環状に形成されている。支持部材540Aは、例えば、上下に分割された二つの部材を組み合わせて形成される。支持部材540Aには、支持部材540Aを上下方向に貫通した孔542Aが形成されている。支持部材540Aの孔542Aを規定する内周面は、球面に沿った凹曲面である。
【0081】
支持部材540Aの孔542Aには、ボールジョイント55Aが嵌め込まれている。ボールジョイント55Aは、支持部材540Aを3自由度で回転可能に支持している。ただし、ボールジョイント55Aに対する支持部材540Aのロータ23Aの軸心239Aを中心とした回転は、後述する回転規制部材43A(図13を参照)によって規制される。このため、支持部材540Aは、ボールジョイント55Aに対して2自由度で回転する。
【0082】
図13は、第2実施形態のモータユニット2Aの分解斜視図である。図13に示すように、ベース4Aは、回転規制部材43Aを有している。回転規制部材43Aは、支持部材540Aがロータ23Aの軸心239Aを中心として回転することを規制する。回転規制部材43Aは、ベースプレート40Aの上面に取り付けられている。回転規制部材43Aは、ベースプレート40Aから上側に向かって突出している。回転規制部材43Aは、ステータ22Aの内側に位置している。回転規制部材43Aには、上下方向に延びた長孔430Aが形成されている。回転規制部材43Aは、ベースプレート40Aと一体に形成されてもよい。
【0083】
ピッチ角変更機構5Aは、接触部材26Aを有している。接触部材26Aは、支持部材540Aに取り付けられている。なお、接触部材26Aは、支持部材540Aと一体に形成されてもよい。接触部材26Aは、ロータ23Aの軸心239Aと直交する方向に延びた円柱状に形成されている。接触部材26Aは、支持部材540Aから外側に向かって突出している。接触部材26Aは、回転規制部材43Aの長孔430Aに、上下方向に移動可能に嵌め込まれている。支持部材540Aのロータ23Aの軸心239Aを中心とした回転は、接触部材26Aが回転規制部材43Aにおける長孔430Aの縁部に接触することによって規制される。
【0084】
図10に示すように、支持部材540Aは、環状部543Aと台部544Aとを有している。環状部543Aは、台部544Aの上方に位置する。環状部543Aは、台部544Aに取り付けられている。環状部543A及び台部544Aのそれぞれは、上下方向に貫通した孔を有する環状に形成されている。環状部543Aは、台部544Aの内周縁部上に位置している。環状部543Aの内側に形成された孔と、台部544Aの内側に形成された孔とは通じており、両者で前述した孔542Aが形成されている。前述した接触部材26A(図13を参照)は、台部544Aに取り付けられている。
【0085】
台部544Aは、回転部材541Aを支持する支持面545Aを有している。支持面545Aは、上下方向に見て円環状に形成された平面である。支持面545Aは、台部544Aの上面において、環状部543Aよりも外側に位置している。支持面545Aは、支持部材540Aの中心軸に対して直交している。支持面545Aの上下方向の位置は、支持部材540Aを、シャフト24Aに対して、ボールジョイント55Aと共に上下方向に移動することで、変更される。支持部材540Aは、その上下方向の移動範囲における全ての位置において、支持部材540Aの全部がステータ22Aの内側に位置する。なお、支持部材540Aは、一部だけが、ステータ22Aの内側に位置してもよい。
【0086】
支持面545Aの向きは、支持部材540Aをボールジョイント55Aに対して回転することで、変更される。支持面545Aの向きは、ロータ23Aの軸心239Aと直交する、前方、後方、左方及び右方のいずれの方向成分を含む向きにも変更することができる。また、支持面545Aの上下方向(軸心239A方向)に対する傾きの度合いは、支持部材540Aをボールジョイント55Aに対して回転することによって変更することができる。
【0087】
回転部材541Aは、支持部材540Aの環状部543Aを囲むリング状に形成されている。回転部材541Aは、台部544Aの支持面545Aによって下方から支持されている。回転部材541Aは、支持部材540Aに対して、下面が支持面545Aに沿い、かつ、内周面が環状部543Aの外周面に沿った状態で、ロータ23Aの軸心239Aを中心に回転可能である。
【0088】
支持部材540Aがシャフト24Aに対してボールジョイント55Aと共に上下方向に移動することで、支持部材540Aで支持された回転部材541Aは、上下方向に移動する。すなわち、ボールジョイント55A、支持部材540A及び回転部材541Aの各々は、上下方向に移動可能な移動部材である。
【0089】
支持部材540Aが支持面545Aの向きが変わるようにボールジョイント55Aに対して回転することで、回転部材541Aの中心軸方向は変化する。回転部材541Aは、その上下方向の移動範囲における全ての位置において、回転部材541Aの全部がステータ22Aの内側に位置する。なお、回転部材541Aは、一部だけがステータ22Aの内側に位置してもよい。
【0090】
回転部材541Aは、第1実施形態の移動部材50と同様に、複数の連結部材51Aを介して間接的に複数のブレード3Aに連結されている。このため、回転部材541Aは、ロータ23Aの回転時において、複数のブレード3Aと共にロータ23Aの軸心239Aを中心に回転する。回転部材541Aは、複数のブレード3Aに直接連結されてもよい。この場合、連結部材51Aを省略することができる。
【0091】
各ブレード3Aの連結部30Aは、ブレード3Aにおける接続部235A側の端部から、ブレード3Aの回転方向とは逆方向に突出している。各連結部材51Aの上側の端部は、対応するブレード3Aが有する連結部30Aの先端部に回転可能に連結されている。各連結部材51Aの下側の端部は、回転部材541Aに回転可能に連結されている。
【0092】
図10及び図11に示すように、スワッシュプレート54Aがシャフト24Aに対して上下方向に移動することで、各連結部材51Aは、回転部材541Aと共に上下方向に移動する。このとき、各連結部材51Aに対応するブレード3Aは、接続部235Aに対して上下方向と直交する回転軸を中心に回転する。これにより、各ブレード3Aのピッチ角(コレクティブピッチ角)が変化する。
【0093】
図12に示すように、支持部材540Aの支持面545Aの向きが上下方向に対して傾き、回転部材541Aの中心軸方向が上下方向に対して傾いた状態にあるとき、各ブレード3Aのピッチ角は、ブレード3Aの軸心239Aを中心とした一回転を周期として周期的かつ連続的に変化する。これにより、前述したサイクリックピッチ制御が行われる。例えば、支持面545Aが右下がりの状態で傾斜しているとき、ブレード3Aのピッチ角は、ブレード3Aがロータ23Aの接続部235Aの右側に位置する状態で最大となり、ブレード3Aが接続部235Aの左側に位置する状態で最小となる。
【0094】
前述したように、支持部材540Aの支持面545Aの向きは、前後左右のいずれの方向成分を含む向きにも変更することができる。このため、各ブレード3Aが軸心239Aを中心に一回転したときにおいて、各ブレード3Aのピッチ角が最大及び最小になるときのブレード3Aの回転位置は、全ての回転位置に変更することができる。
【0095】
なお、各ブレード3Aのピッチ角が最大及び最小になるときのブレード3Aの回転位置は、全ての回転位置に変更可能である必要はない。例えば、各ブレード3Aのピッチ角が最大及び最小になるときのブレード3Aの回転位置は、接続部235Aの前側及び後側の位置にだけ変更可能としてもよいし、接続部235Aの左側及び右側の位置にだけ変更可能としてもよい。
【0096】
前述したサイクリックピッチ制御において、各ブレード3Aが軸心239Aを中心に一回転したときにおける各ブレード3Aのピッチ角の最大角度及び最小角度は、支持面545Aの上下方向に対する傾きの度合いを変えることで、変更することができる。
【0097】
図10及び図13に示すように、ピッチ角変更機構5Aは、支持部材540Aを駆動する駆動部27Aを有している。駆動部27Aは、支持部材540Aを上下方向に動かすことができる。また、駆動部27Aは、支持面545Aの向きが変更されるように、支持部材540Aをボールジョイント55Aに対して回転させることができる。
【0098】
駆動部27Aは、支持部材540Aの動力源56Aと、動力源56Aで発生した動力を支持部材540Aに伝達して支持部材540Aを駆動する伝達機構57Aとを有している。
【0099】
動力源56Aは、複数のモータ560Aを有している。以下、モータ560Aを第2モータ560Aという。各第2モータ560Aは、例えば、サーボモータである。なお、各第2モータ560Aは、サーボモータに限定されず、例えば、油圧モータ等であってもよい。
【0100】
動力源56Aは、複数の第2モータ560Aとして、三つの第2モータ560Aを有している。各第2モータ560Aは、ベースプレート40Aの下面に接した状態で又は他の部材を介して取り付けられている。複数の第2モータ560Aは、上下方向に見て、ロータ23Aの軸心239Aを中心にして、ロータ23Aの回転方向に等間隔をあけて配置されている。各第2モータ560Aは、上下方向に対して垂直な方向に延びた出力軸561Aを有している。
【0101】
なお、本実施形態の第2モータ560Aは、ステータ22Aの内側に位置していないが、第2モータ560Aの全部又は一部は、ステータ22Aの内側に位置してもよい。
【0102】
伝達機構57Aは、第2モータ560Aと同数の第1リンク571Aと、第2モータ560Aと同数の第2リンク572Aとを有している。すなわち、伝達機構57Aは、三つの第1リンク571Aと、三つの第2リンク572Aとを有している。動力源56Aで発生した動力は、複数の第1リンク571A及び複数の第2リンク572Aを介して支持部材540Aに伝達される。これにより、支持部材540Aは、上下方向に移動する、又はボールジョイント55Aに対して回転する。
【0103】
複数の第1リンク571Aは、複数の第2モータ560Aにそれぞれ一対一で対応している。複数の第2リンク572Aは、複数の第1リンク571Aにそれぞれ一対一で対応している。複数の第1リンク571Aは、上下方向に見て、ロータ23Aの軸心239Aを中心にして、ロータ23Aの回転方向に等間隔をあけて配置されている。複数の第2リンク572Aは、上下方向に見て、ロータ23Aの軸心239Aを中心にして、ロータ23Aの回転方向に等間隔に配置されている。各第2リンク572Aは、ベースプレート40Aを上下方向に貫通しており、その一部がステータ22Aの内側に位置している。
【0104】
各第1リンク571Aの一端部は、対応する第2モータ560Aの出力軸561Aに連結されている。各第1リンク571Aにおける対応する出力軸561Aとは反対側の端部は、対応する第2リンク572Aの一端部に回転可能に連結されている。各第2リンク572Aにおいて対応する第1リンク571Aとは反対側の端部は、支持部材540Aに回転可能に連結されている。なお、伝達機構57Aは、一部だけがステータ22Aの内側に位置しているが、全部がステータ22Aの内側に位置してもよい。
【0105】
支持部材540Aは、第2リンク572Aと同数の連結箇所546Aを有している。すなわち、支持部材540Aは、三つの連結箇所546Aを有している。三つの連結箇所546Aは、上下方向に見て、ロータ23Aの軸心239Aを中心にして、ロータ23Aの回転方向に等間隔をあけて配置されている。
【0106】
複数の連結箇所546Aは、複数の第2リンク572Aにそれぞれ一対一で対応している。各第2リンク572Aにおいて対応する第1リンク571Aとは反対側の端部は、対応する連結箇所546Aに連結されている。
【0107】
各第2モータ560Aの出力軸561Aの回転運動は、第1リンク571A及び第2リンク572Aを介して、支持部材540Aの対応する連結箇所546Aの上下方向の移動に変換される。各第2モータ560Aの出力軸561Aは、互いに逆向きとなる方向に回転駆動し得る。各第2モータ560Aの出力軸561Aが、一方向に回転することで、支持部材540Aの対応する連結箇所546Aは上方に移動する。各第2モータ560Aの出力軸561Aが、一方向と逆方向に回転することで、支持部材540Aの対応する連結箇所546Aは下方に移動する。
【0108】
支持部材540Aは、各第2モータ560Aが駆動され、各連結箇所546Aが上方に動かされることにより、上方に移動する。支持部材540Aは、各第2モータ560Aが駆動され、各連結箇所546Aが下方に動かされることにより、下方に移動する。このように支持部材540Aが上下方向に動かされることにより、コレクティブピッチ制御が行われる。
【0109】
支持部材540Aの支持面545Aの向き及び上下方向に対する傾きの度合いは、複数の第2モータ560Aのうちの任意の第2モータ560Aが駆動されて、対応する連結箇所546Aが上下方向に動かされることにより、変更される。このように支持部材540Aの支持面545Aの向き及び上下方向に対する傾きの度合いが変更されることにより、サイクリックピッチ制御が行われる。
【0110】
なお、駆動部27Aは、本実施形態のように三つのモータ560Aを備えたものに限定されず、例えば、二つ又は四つ以上のモータを備えた機構であってもよい。支持部材540Aを駆動する機構は、例えば、球面モータ等の一つのモータを備えた機構等であってもよい。
【0111】
図14は、第2実施形態のモータユニット2Aを備えた飛行体1Aの斜視図である。飛行体1Aは、二つのモータユニット2Aを備えている。飛行体1Aの本体10Aは、複数の主翼13Aと、複数の尾翼14Aとを有している。本体10Aは、複数の主翼13Aとして、二つの主翼13Aを有している。各主翼13Aにモータユニット2Aが取り付けられている。
【0112】
飛行体1Aが備えるモータユニット2Aの数は、二つに限定されず、三つ以上であってもよい。図15は、第2実施形態のモータユニット2Aを備えた他例の飛行体1Aの斜視図である。飛行体1Aは、例えば図15に示すようなモータユニット2Aを一つだけ備えるシングルロータであってもよい。また、飛行体1Aは、本体10Aに対してブレード3Aの向き(傾き)を変えることが可能な機構を備えるチルトロータであってもよい。
【0113】
第1実施形態及び第2実施形態のモータユニット2,2A及び飛行体1,1Aは、適宜設計変更可能である。例えば、モータユニット2及び飛行体1の各々の要素の形状、大きさ及び材質等は、適宜変更可能である。
【0114】
(3)態様
以上説明した実施形態から明らかなように、第1の態様のモータユニット(2,2A)は、以下に示す構成を有する。モータユニット(2,2A)は、モータ(21,21A)とピッチ角変更機構(5,5A)とを備える。モータ(21,21A)は、ブレード(3,3A)を回転させる動力を発生させる。ピッチ角変更機構(5,5A)は、ブレード(3,3A)のピッチ角を変更する。モータ(21,21A)は、ステータ(22,22A)とロータ(23,23A)とを有する。ロータ(23,23A)は、ステータ(22,22A)の外側に位置し、ブレード(3,3A)が連結される。ピッチ角変更機構(5,5A)は、変位可能な一つの変位部材(移動部材50、連結部材51、レバー533、連動部材534、スワッシュプレート54A,ボールジョイント55A)を有する。変位部材の一部は、ステータ(22)の内側に位置する。
【0115】
この特徴によれば、変位部材の一部が、アウタロータ型のモータ(21,21A)が備えるステータ(22,22A)の内側に形成されたスペースに配置される。このため、モータユニット(2,2A)の軸心(239,239A)が延伸する方向における大型化を抑制することができる。また、ブレード(3,3A)を、ロータ(23,23A)の軸心(239,239A)が延伸する方向において、ステータ(22,22A)及びロータ(23,23A)の近くに配置できるため、ロータ(23,23A)を支持するシャフト(24,24A)等の部材の振動を抑制することができる。
【0116】
さらに付言すれば、本態様のモータユニット(2,2A)を用いれば、特に、シャフト(24,24A)等の振動が抑制できるため、シャフト(24,24A)等の部材を細くするなどの軽量化を図ることができる。シャフト(24,24A)等の部材が軽くなれば、本態様のモータユニット(2,2A)を後述する飛行体(1,1A)へ搭載した場合、飛行体(1,1A)全体の軽量化を図ることができる。よって、飛行体(1,1A)全体の軽量化を図ることができれば、飛行体(1,1A)が単位当たりに飛行する時間や距離を伸ばすことができる。
【0117】
また、シャフト(24,24A)等の部材を細くする等できれば、ピッチ角を変更するなどの各種動作に対する反応速度が速くなる。よって、本態様のモータユニット(2,2A)を後述する飛行体(1,1A)へ搭載した場合、飛行体(1,1A)全体の応答性を向上することができる。
【0118】
第2の態様のモータユニット(2A)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様のモータユニット(2A)は、以下に示す構成を有する。ピッチ角変更機構(5A)は、サイクリックピッチ制御を行う。この態様によれば、サイクリックピッチ制御を行うピッチ角変更機構(5A)を備えたモータユニット(2A)が、モータユニット(2A)の軸心(239A)方向において大型化することを抑制できる。
【0119】
第3の態様のモータユニット(2A)は、第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様のモータユニット(2A)は、以下に示す構成を有する。ピッチ角変更機構(5A)は、回転部材(541A)と、支持部材(540A)とを有する。回転部材(541A)は、ブレード(3A)に連結され、ブレード(3A)と共にロータ(23A)の回転中心となる軸心(239A)を中心に回転する。支持部材(540A)は、支持面(545A)を含み、支持面(545A)で回転部材(541A)を支持する。回転部材(541A)及び支持部材(540A)のうちの少なくとも一方が、変位部材である。
【0120】
この態様によれば、回転部材(541A)の一部又は支持部材(540A)の一部が、ステータ(22A)の内側に位置することで、モータユニット(2A)の軸心(239A)方向における大型化を更に抑制することができる。
【0121】
第4の態様のモータユニット(2A)は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様のモータユニット(2A)は、以下に示す構成を有する。ピッチ角変更機構(5A)は、ボールジョイント(55A)を更に有する。ボールジョイント(55A)は、支持部材(540A)を回転可能に支持する。ボールジョイント(55A)の一部が、ステータ(22A)の内側に位置する。
【0122】
この態様によれば、ボールジョイント(55A)の少なくとも一部が、ステータ(22A)の内側に位置することで、モータユニット(2A)の軸心(239A)方向における大型化を更に抑制することができる。
【0123】
第5の態様のモータユニット(2,2A)は、第1~第4のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様のモータユニット(2,2A)は、以下に示す構成を有する。ピッチ角変更機構(5,5A)は、変位部材として、移動部材(50,51,534,55A,540A,541A)を有する。移動部材(50,51,534,55A,540A,541A)は、ロータ(23,23A)の回転中心である軸心(239,239A)に沿う方向に移動する。
【0124】
この態様によれば、ロータ(23,23A)の軸心(239,239A)方向に移動する移動部材(50,51,534,55A,540A,541A)の少なくとも一部が、ステータ(22,22A)の内側に位置するので、モータユニット(2A)の軸心(239A)方向における大型化を更に抑制することができる。
【0125】
第6の態様のモータユニット(2,2A)は、第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様のモータユニット(2,2A)は、以下に示す構成を有する。モータユニット(2,2A)は、シャフト(24,24A)を更に備える。シャフト(24,24A)は、ステータ(22,22A)の内側に位置し、ロータ(23,23A)の回転中心を規定する。移動部材(50,51,534,55A,540A,541A)の一部は、ステータ(22,22A)とシャフト(24,24A)との間に位置する。
【0126】
この態様によれば、モータ(21,21A)の回転を規定するシャフト(24,24A)がステータ(22,22A)の内側に配置されるため、モータユニット(2,2A)の軸心(239,239A)方向における大型化を更に抑制することができる。
【0127】
第7の態様のモータユニット(2)は、第6の態様との組み合わせにより実現され得る。第7の態様のモータユニット(2)は、以下に示す構成を有する。モータ(21)は、軸受(25)を更に備える。軸受(25)は、シャフト(24)を回転可能に支持する。軸受(25)の一部は、ステータ(22)の内側に位置する。
【0128】
この態様によれば、軸受(25)の少なくとも一部がステータ(22)の内側に配置されるため、モータユニット(2)の軸心(239)が延伸する方向における大型化を更に抑制することができる。
【0129】
第8の態様のモータユニット(2)は、第5~第7のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第8の態様のモータユニット(2)は、以下に示す構成を有する。移動部材(50)は、ロータ(23)と共に軸心(239)を中心に回転する。ピッチ角変更機構(5)は、移動部材(50)を軸心(239)方向に移動させるレバー(533)を更に有する。
【0130】
この態様によれば、ロータ(23)と共に回転する移動部材(50)を、レバー(533)により、軸心(239)が延伸する方向に移動させることができる。
【0131】
第9の態様のモータユニット(2)は、第8の態様との組み合わせにより実現され得る。第9の態様のレバー(533)が、変位部材である。
【0132】
この態様によれば、レバー(533)の少なくとも一部がステータ(22)の内側に配置されることにより、モータユニット(2)の回転中心である軸心(239)が延伸する方向における大型化を更に抑制することができる。
【0133】
第10の態様のモータユニット(2,2A)は、第5~第9のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第10の態様のモータユニット(2,2A)は、以下に示す構成を有する。ロータ(23,23A)は、対向部(230)を有する。対向部(230)は、軸心(239,239A)方向において、ステータ(22,22A)に対向する。ピッチ角変更機構(5,5A)は、少なくとも一つの連結部材(51,51A)を更に有する。連結部材(51,51A)は、移動部材(50,541A)とブレード(3,3A)とを連結する。連結部材(51,51A)は、対向部(230)を貫通する。
【0134】
この態様によれば、連結部材(51,51A)によって移動部材(50,541A)とブレード(3,3A)とが連結されることにより、移動部材(50,541A)の移動に伴ってブレード(3,3A)のピッチ角が変化するようになる。
【0135】
第11の態様のモータユニット(2,2A)は、第10の態様との組み合わせにより実現され得る。第11の態様のピッチ角変更機構(5,5A)は、一つの連結部材(51,51A)として、複数の連結部材(51,51A)を有する。
【0136】
この態様によれば、複数の連結部材(51,51A)によって移動部材(50,50A)とブレード(3,3A)とが連結されることにより、移動部材(50,50A)の移動に伴ってブレード(3,3A)のピッチ角が変更される。
【0137】
第12の態様のモータユニット(2)は、第5~第11のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第12の態様のモータユニット(2)は、以下に示す構成を有する。ロータ(23)は、ガイド部(238)を有する。ガイド部(238)は、移動部材(50)の軸心(239)方向の移動をガイドする。
【0138】
この態様によればロータ(23)が有するガイド部(238)により、移動部材(50)の移動方向が規制される。
【0139】
第13の態様のモータユニット(2,2A)は、第5~第12のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第13の態様のモータユニット(2)は、以下に示す構成を有する。ピッチ角変更機構(5,5A)は、移動部材(50,540A,541A,55A)の動力源(第2モータ52,56A)を更に有する。動力源(第2モータ52,56A)の一部は、ステータ(22,22A)の内側に位置する。
【0140】
この態様によれば、動力源(第2モータ52,56A)の少なくとも一部がステータ(22,22A)の内側に位置することで、モータユニット(2,2A)の軸心(239,239A)方向における大型化を更に抑制することができる。
【0141】
第14の態様のモータユニット(2,2A)は、第1~第13のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第14の態様のモータユニット(2,2A)は、ブレード(3,3A)を更に備える。
【0142】
第15の態様の飛行体(1,1A)は、以下に示す構成を有する。飛行体(1,1A)は、第14の態様のモータユニット(2,2A)と、本体(10,10A)とを備える。モータユニット(2,2A)が本体(10,10A)に取り付けられる。
【0143】
この態様によれば、飛行体(1,1A)が備えるモータユニット(2,2A)の軸心(239,239A)方向の大型化を抑制することができる。また、飛行体(1,1A)の飛行時における振動を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本開示のモータユニット及び飛行体は、農業、運輸業、サービス業等の産業の他、家庭用玩具等の様々な分野において利用することができる。
【符号の説明】
【0145】
1 飛行体
1A 飛行体
10 本体
10A 本体
2 モータユニット
2A モータユニット
21 第1モータ(モータ)
21A 第1モータ(モータ)
22 ステータ
22A ステータ
23 ロータ
23A ロータ
230 対向部
238 ガイド部
239 軸心
239A 軸心
24 シャフト
24A シャフト
25 軸受
25A 軸受
3 ブレード
3A ブレード
5 ピッチ角変更機構
5A ピッチ角変更機構
50 移動部材(変位部材)
51 連結部材(変位部材,移動部材)
51A 連結部材(変位部材,移動部材)
52 第2モータ(動力源)
56A 動力源
533 レバー(変位部材)
534 連動部材(変位部材,移動部材)
54A スワッシュプレート(変位部材,移動部材)
540A 支持部材(変位部材、移動部材)
541A 回転部材(変位部材、移動部材)
55A ボールジョイント(変位部材,移動部材)
560A 第2モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
図12
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図15