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特許7507355ステージ位置制御装置、及びステージ位置制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】ステージ位置制御装置、及びステージ位置制御方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 3/00 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
G05D3/00 Q
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021543967
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(86)【国際出願番号】 JP2020024531
(87)【国際公開番号】W WO2021044710
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】P 2019159452
(32)【優先日】2019-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】境 隼太
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/006449(WO,A1)
【文献】特開2001-238485(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102059573(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行なY1軸及びY2軸と、
前記Y1軸及び前記Y2軸に垂直なX軸と、
前記Y1軸上のY1軸駆動系における駆動位置であるY1軸位置と前記Y2軸上のY2軸駆動系における駆動位置であるY2軸位置と前記X軸上のX軸駆動系における駆動位置であるX軸位置とによって位置が定められるステージと、
を有するガントリ機構における、前記ステージの位置を制御するステージ位置制御装置であって、
前記Y1軸駆動系と前記Y2軸駆動系との重心推力を指令する第1のY軸重心推力指令を出力するY軸重心推力指令出力部と、
前記Y1軸駆動系と前記Y2軸駆動系との差分推力を指令する第1のY軸差分推力指令を出力するY軸差分推力指令出力部と、
前記X軸位置を指令するX軸位置指令と、前記Y1軸位置及び前記Y2軸位置の重心位置を指令するY軸重心位置指令とを、前記第1のY軸差分推力指令にフィードフォワードして、第2のY軸差分推力指令を出力するフィードフォワード部と、
前記第1のY軸重心推力指令と、前記第2のY軸差分推力指令とを用いて、前記ステージの位置を制御する推力変換部と、を備えるステージ位置制御装置。
【請求項2】
前記フィードフォワード部は、
前記Y1軸駆動系のイナーシャ及び前記Y2軸駆動系のイナーシャの差分であるイナーシャ差分と、前記X軸位置との関係を示すイナーシャ関数を記憶し、
前記X軸位置指令により指令されるX軸位置と前記イナーシャ関数とから前記イナーシャ差分を算出し、算出したイナーシャ差分と前記Y軸重心位置指令とから、前記第1のY軸差分推力指令にフィードフォワードするフィードフォワード値を算出する、
請求項1に記載のステージ位置制御装置。
【請求項3】
前記Y軸重心推力指令出力部は、前記Y軸重心位置指令に基づいて前記第1のY軸重心推力指令を出力する、
請求項2に記載のステージ位置制御装置。
【請求項4】
前記Y1軸位置を検出するY1軸位置検出部と、
前記Y2軸位置を検出するY2軸位置検出部と、をさらに備え、
前記Y軸重心推力指令出力部は、前記Y1軸位置検出部によって検出されたY1軸位置と、前記Y2軸位置検出部によって検出されたY2軸位置との重心位置を示すY軸重心位置をフィードバック値として受けることで、前記第1のY軸重心推力指令を出力し、
記Y軸差分推力指令出力部は、前記Y1軸位置検出部によって検出されたY1軸位置と、前記Y2軸位置検出部によって検出されたY2軸位置との差分位置を示すY軸差分位置をフィードバック値として受けることで、前記第1のY軸差分推力指令を出力する、
請求項3に記載のステージ位置制御装置。
【請求項5】
前記推力変換部は、前記第1のY軸重心推力指令と、前記第2のY軸差分推力指令とに基づいて、前記Y1軸駆動系の推力を指令するY1軸駆動系推力指令と、前記Y2軸駆動系の推力を指令するY2軸駆動系推力指令とを算出し、前記Y1軸駆動系推力指令を用いて前記Y1軸駆動系を駆動し、前記Y2軸駆動系推力指令を用いて前記Y2軸駆動系を駆動することで、前記ステージの位置を制御する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のステージ位置制御装置。
【請求項6】
前記X軸位置を検出するX軸位置検出部と、
前記X軸位置検出部によって検出されたX軸位置と、前記差分位置とを、前記第1のY軸重心推力指令にフィードバックして、第2のY軸重心推力指令を出力するフィードバック部とをさらに備え、
前記推力変換部は、前記第2のY軸重心推力指令を用いることで、前記ステージの位置を制御する、
請求項4に記載のステージ位置制御装置。
【請求項7】
前記フィードバック部は、前記イナーシャ関数を記憶し、前記X軸位置検出部によって検出されたX軸位置と前記イナーシャ関数とから前記イナーシャ差分を算出し、算出したイナーシャ差分と前記差分位置とから前記第1のY軸重心推力指令にフィードバックするフィードバック値を算出する、
請求項6に記載のステージ位置制御装置。
【請求項8】
前記推力変換部は、前記第2のY軸重心推力指令と、前記第2のY軸差分推力指令とに基づいて、前記Y1軸駆動系の推力を指令するY1軸駆動系推力指令と、前記Y2軸駆動系の推力を指令するY2軸駆動系推力指令とを算出し、前記Y1軸駆動系推力指令を用いて前記Y1軸駆動系を駆動し、前記Y2軸駆動系推力指令を用いて前記Y2軸駆動系を駆動することで、前記ステージの位置を制御する、
請求項7に記載のステージ位置制御装置。
【請求項9】
前記Y1軸位置を検出するY1軸位置検出部と、前記Y2軸位置を検出するY2軸位置検出部と、
前記Y1軸駆動系の推力を指令するY1軸駆動系推力指令と、前記Y2軸駆動系の推力を指令するY2軸駆動系推力指令とを出力し、(A)前記ステージの位置が第1のX軸位置によって定められる場合において出力した前記Y1軸駆動系推力指令及び前記Y2軸駆動系推力指令と、(B)前記ステージの位置が前記第1のX軸位置によって定められる場合において前記Y1軸位置検出部によって検出されたY1軸位置及び前記Y2軸位置検出部によって検出されたY2軸位置と、(C)前記ステージの位置が第2のX軸位置によって定められる場合において出力した前記Y1軸駆動系推力指令及び前記Y2軸駆動系推力指令と、(D)前記ステージの位置が前記第2のX軸位置によって定められる場合において前記Y1軸位置検出部によって検出されたY1軸位置及び前記Y2軸位置検出部によって検出されたY2軸位置と、に基づいて、前記イナーシャ関数を算出するイナーシャ関数算
出部と、をさらに備える、
請求項2に記載のステージ位置制御装置。
【請求項10】
互いに平行なY1軸及びY2軸と、前記Y1軸及び前記Y2軸に垂直なX軸と、前記Y1軸上のY1軸駆動系における駆動位置であるY1軸位置と前記Y2軸上のY2軸駆動系における駆動位置であるY2軸位置と前記X軸のX軸駆動系における駆動位置であるX軸位置によって位置が定められるステージと、を有するガントリ機構における、前記ステージの位置を制御するステージ位置制御方法であって、
前記Y1軸駆動系と前記Y2軸駆動系との重心推力を指令する第1のY軸重心推力指令を算出し、
前記Y1軸駆動系と前記Y2軸駆動系との差分推力を指令する第1のY軸差分推力指令を算出し、
前記X軸位置を指令するX軸位置指令と、前記Y1軸位置及び前記Y2軸位置の重心位置を指令するY軸重心位置指令とを、前記第1のY軸差分推力指令にフィードフォワードして、第2のY軸差分推力指令を算出し、
前記第1のY軸重心推力指令と、前記第2のY軸差分推力指令とを用いて、前記ステージの位置を制御するステージ位置制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステージの位置を制御するステージ位置制御装置、及びステージ位置制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに直交する2軸で規定される平面においてステージを移動させるガントリ機構が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ガントリ機構における、ステージのヨーイング方向の運動を抑制する、ステージ位置の制御方法が開示されている。
【0004】
特許文献1に開示されたステージ位置の制御方法は、ステージの位置を検出し、検出したステージの位置の情報を、ステージを移動させる指令にフィードバックする制御方法である。このため、この制御方法では、発生したステージのヨーイング方向の運動を抑制するようにステージの位置を制御することができる。しかしながら、ステージのヨーイング方向の運動が発生していない時点で、ステージのヨーイング方向の運動の発生自体を抑制することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-22448号公報
【発明の概要】
【0006】
そこで、本開示は、従来よりも、ガントリ機構における、ステージのヨーイング方向の運動を抑制することができるステージ位置制御装置、及びステージ位置制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
本開示の一態様に係るステージ位置制御装置は、互いに平行なY1軸及びY2軸と、Y1軸及びY2軸に垂直なX軸と、Y1軸上のY1軸駆動系における駆動位置であるY1軸位置とY2軸上のY2軸駆動系における駆動位置であるY2軸位置とX軸上のX軸駆動系における駆動位置であるX軸位置によって位置が定められるステージと、を有するガントリ機構における、ステージの位置を制御するステージ位置制御装置であって、Y1軸駆動系とY2軸駆動系との重心推力を指令する第1のY軸重心推力指令を出力するY軸重心推力指令出力部と、Y1軸駆動系とY2軸駆動系との差分推力を指令する第1のY軸差分推力指令を出力するY軸差分推力指令出力部と、X軸位置を指令するX軸位置指令と、Y1軸位置及びY2軸位置の重心位置を指令するY軸重心位置指令とを、第1のY軸差分推力指令にフィードフォワードして、第2のY軸差分推力指令を出力するフィードフォワード部と、第1のY軸重心推力指令と、第2のY軸差分推力指令とを用いて、ステージの位置を制御する推力変換部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係るステージ位置制御方法は、互いに平行なY1軸及びY2軸と、Y1軸及びY2軸に垂直なX軸と、Y1軸上のY1軸駆動系における駆動位置であるY1軸位置とY2軸上のY2軸駆動系における駆動位置であるY2軸位置とX軸のX軸駆動系における駆動位置であるX軸位置によって位置が定められるステージと、を有するガントリ機構における、ステージの位置を制御するステージ位置制御方法であって、Y1軸駆動系とY2軸駆動系との重心推力を指令する第1のY軸重心推力指令を算出し、Y1軸駆動系とY2軸駆動系との差分推力を指令する第1のY軸差分推力指令を算出し、X軸位置を指令するX軸位置指令と、Y1軸位置及びY2軸位置の重心位置を指令するY軸重心位置指令とを、第1のY軸差分推力指令にフィードフォワードして、第2のY軸差分推力指令を算出し、第1のY軸重心推力指令と、第2のY軸差分推力指令とを用いて、ステージの位置を制御する。
【0009】
本開示の一態様に係るステージ位置制御装置、及びステージ位置制御方法によると、従来よりも、ガントリ機構における、ステージのヨーイング方向の運動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態1に係るガントリ機構の構成を示す模式図である。
図2図2は、実施の形態1に係るステージ位置制御装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1に係るイナーシャ関数算出部によって算出されるイナーシャ関数の一例を示す模式図である。
図4図4は、実施の形態1に係るイナーシャ関数算出処理のフローチャートである。
図5図5は、実施の形態1に係るステージ位置制御処理のフローチャートである。
図6図6は、実施の形態2に係るステージ位置制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の一態様を得るに至った経緯)
上述したように、特許文献1に開示されたステージ位置の制御方法では、ガントリ機構において、ステージのヨーイング方向の運動が発生していない時点で、ステージのヨーイング方向の運動の発生自体を抑制することは困難である。
【0012】
このため、発明者は、ガントリ機構において、ステージのヨーイング方向の運動が発生していない時点で、ステージのヨーイング方向の運動の発生自体を抑制すべく鋭意検討、実験を行った。発明者は、ステージの位置を指令する位置指令を、ステージを移動させる推力指令にフィードフォワードして、予め、推力指令から、ステージのヨーイング方向の運動を生じさせる成分を低減しておくことで、ステージのヨーイング方向の運動が発生していない時点で、ステージのヨーイング方向の運動の発生自体を抑制することができる知見を得た。
【0013】
発明者は、この知見に基づき、さらに、鋭意検討、実験を行い、下記本開示の一態様に係るステージ位置検出装置、及びステージ位置検出方法に想到した。
【0014】
本開示の一態様に係るステージ位置制御装置は、互いに平行なY1軸及びY2軸と、Y1軸及びY2軸に垂直なX軸と、Y1軸上のY1軸駆動系における駆動位置であるY1軸位置とY2軸上のY2軸駆動系における駆動位置であるY2軸位置とX軸上のX軸駆動系における駆動位置であるX軸位置によって位置が定められるステージと、を有するガントリ機構における、ステージの位置を制御するステージ位置制御装置であって、Y1軸駆動系とY2軸駆動系との重心推力を指令する第1のY軸重心推力指令を出力するY軸重心推力指令出力部と、Y1軸駆動系とY2軸駆動系との差分推力を指令する第1のY軸差分推力指令を出力するY軸差分推力指令出力部と、X軸位置を指令するX軸位置指令と、Y1軸位置及びY2軸位置の重心位置を指令するY軸重心位置指令とを、第1のY軸差分推力指令にフィードフォワードして、第2のY軸差分推力指令を出力するフィードフォワード部と、第1のY軸重心推力指令と、第2のY軸差分推力指令とを用いて、ステージの位置を制御する推力変換部と、を備える。
【0015】
上記構成のステージ位置制御装置によると、ステージのヨーイング方向の運動を生じさせる成分を含み得る第1のY軸差分推力指令に、ステージの位置を指令するX軸位置指令とY軸重心位置指令とをフィードフォワードして、ステージのヨーイング方向の運動を生じさせる成分が低減された第2のY軸差分推力指令を生成することができる。生成した第2のY軸差分推力指令を用いて、ステージの位置を制御する。従って、上記構成のステージ位置制御装置によると、従来よりも、ガントリ機構における、ステージのヨーイング方向の運動を抑制することができる。
【0016】
また、フィードフォワード部は、Y1軸駆動系のイナーシャ及びY2軸駆動系のイナーシャの差分であるイナーシャ差分と、X軸位置との関係を示すイナーシャ関数を記憶し、X軸位置指令により指令されるX軸位置とイナーシャ関数とからイナーシャ差分を算出し、算出したイナーシャ差分とY軸重心位置指令とから、第1のY軸差分推力指令にフィードフォワードするフィードフォワード値を算出するとしてもよい。
【0017】
また、Y軸重心推力指令出力部は、Y軸重心位置指令に基づいて第1のY軸重心推力指令を出力するとしてもよい。
【0018】
また、Y1軸位置を検出するY1軸位置検出部と、Y2軸位置を検出するY2軸位置検出部と、をさらに備え、Y軸重心推力指令出力部は、Y1軸位置検出部によって検出されたY1軸位置と、Y2軸位置検出部によって検出されたY2軸位置との重心位置を示すY軸重心位置をフィードバック値として受けることで、第1のY軸重心推力指令を出力し、第1のY軸差分推力指令出力部は、前記Y1軸位置検出部によって検出されたY1軸位置と、前記Y2軸位置検出部によって検出されたY2軸位置との差分位置を示すY軸差分位置をフィードバック値として受けることで、第1のY軸差分推力指令を出力するとしてもよい。
【0019】
また、推力変換部は、第1のY軸重心推力指令と、第2のY軸差分推力指令とに基づいて、Y1軸駆動系の推力を指令するY1軸駆動系推力指令と、Y2軸駆動系の推力を指令するY2軸駆動系推力指令とを算出し、Y1軸駆動系推力指令を用いてY1軸駆動系を駆動し、Y2軸駆動系推力指令を用いてY2軸駆動系を駆動することで、ステージの位置を制御するとしてもよい。
【0020】
また、X軸位置を検出するX軸位置検出部と、X軸位置検出部によって検出されたX軸位置と、差分位置とを、第1のY軸重心推力指令にフィードバックして、第2のY軸重心推力指令を出力するフィードバック部とをさらに備え、推力変換部は、第2のY軸重心推力指令を用いることで、ステージの位置を制御するとしてもよい。
【0021】
また、フィードバック部は、イナーシャ関数を記憶し、X軸位置検出部によって検出されたX軸位置とイナーシャ関数とからイナーシャ差分を算出し、算出したイナーシャ差分と差分位置とから第1のY軸重心推力指令にフィードバックするフィードバック値を算出するとしてもよい。
【0022】
また、推力変換部は、第2のY軸重心推力指令と、第2のY軸差分推力指令とに基づいて、Y1軸駆動系の推力を指令するY1軸駆動系推力指令と、Y2軸駆動系の推力を指令するY2軸駆動系推力指令とを算出し、Y1軸駆動系推力指令を用いてY1軸駆動系を駆動し、Y2軸駆動系推力指令を用いてY2軸駆動系を駆動することで、ステージの位置を制御するとしてもよい。
【0023】
また、Y1軸位置を検出するY1軸位置検出部と、Y2軸位置を検出するY2軸位置検出部と、Y1軸駆動系の推力を指令するY1軸駆動系推力指令と、Y2軸駆動系の推力を指令するY2軸駆動系推力指令とを出力し、(a)ステージの位置が第1のX軸位置によって定められる場合において出力したY1軸駆動系推力指令及びY2軸駆動系推力指令と、(b)ステージの位置が第1のX軸位置によって定められる場合においてY1軸位置検出部によって検出されたY1軸位置及びY2軸位置検出部によって検出されたY2軸位置と、(c)ステージの位置が第2のX軸位置によって定められる場合において出力したY1軸駆動系推力指令及びY2軸駆動系推力指令と、(d)ステージの位置が第2のX軸位置によって定められる場合においてY1軸位置検出部によって検出されたY1軸位置及びY2軸位置検出部によって検出されたY2軸位置と、に基づいて、イナーシャ関数を算出するイナーシャ関数算出部と、をさらに備えるとしてもよい。
【0024】
本開示の一態様に係るステージ位置制御方法は、互いに平行なY1軸及びY2軸と、Y1軸及びY2軸に垂直なX軸と、Y1軸上のY1軸駆動系における駆動位置であるY1軸位置とY2軸上のY2軸駆動系における駆動位置であるY2軸位置とX軸のX軸駆動系における駆動位置であるX軸位置によって位置が定められるステージと、を有するガントリ機構における、ステージの位置を制御するステージ位置制御方法であって、Y1軸駆動系とY2軸駆動系との重心推力を指令する第1のY軸重心推力指令を算出し、Y1軸駆動系とY2軸駆動系との差分推力を指令する第1のY軸差分推力指令を算出し、X軸位置を指令するX軸位置指令と、Y1軸位置及びY2軸位置の重心位置を指令するY軸重心位置指令とを、第1のY軸差分推力指令にフィードフォワードして、第2のY軸差分推力指令を算出し、第1のY軸重心推力指令と、第2のY軸差分推力指令とを用いて、ステージの位置を制御する。
【0025】
上記構成のステージ位置制御方法によると、ステージのヨーイング方向の運動を生じさせる成分を含んでいる可能性がある第1のY軸差分推力指令に、ステージの位置を指令するX軸位置指令とY軸重心位置指令とをフィードフォワードして、ステージのヨーイング方向の運動を生じさせる成分が低減された第2のY軸差分推力指令が生成することができる。生成された第2のY軸差分推力指令を用いて、ステージの位置が制御される。従って、上記構成のステージ位置制御方法によると、従来よりも、ガントリ機構における、ステージのヨーイング方向の運動を抑制することができる。
【0026】
以下、本開示の一態様に係るステージ位置制御装置の具体例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0027】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0028】
以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標系が示される場合がある。座標系におけるz方向は、紙面に垂直な方向である。x方向及びy方向は、z方向に垂直な平面において互いに直交する方向である。
【0029】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係るステージ位置制御装置について、図面を参照しながら説明する。このステージ位置制御装置は、ガントリ機構のステージの位置を制御する装置である。
【0030】
図1は、実施の形態1に係るガントリ機構100の構成を示す模式図である。ガントリ機構100は、ステージ位置制御装置が位置制御の対象とするステージを有する。
【0031】
図1に示すように、ガントリ機構100は、Y1軸110と、Y2軸120と、X軸130と、ステージ140と、第1のX軸支持部135と、第2のX軸支持部136と、Y1軸駆動系111と、Y2軸駆動系121と、X軸駆動系131とを含んで構成される。
【0032】
Y1軸110及びY2軸120は、それぞれ、図1に示すy方向に延びる軸である。すなわち、Y1軸110及びY2軸120は、互いに平行な軸である。Y1軸110及びY2軸120は、例えば、図1に示すy方向に延びる金属製の四角柱によって実現される。
【0033】
X軸130は、図1に示すx方向に延びる軸である。すなわち、X軸130は、Y1軸110及びY2軸120に垂直な軸である。X軸130は、例えば、図1に示すx方向に延びる金属製の四角柱によって実現される。
【0034】
第1のX軸支持部135は、X軸130の一方の端部においてX軸130を支持する支持部材である。第1のX軸支持部135は、例えば、金属によって実現される。
【0035】
第2のX軸支持部136は、X軸130の他方の端部においてX軸130を支持する支持部材である。第2のX軸支持部136は、例えば、金属によって実現される。
【0036】
Y1軸駆動系111は、Y1軸110上に配置され、第1のX軸支持部135を、図1に示すy方向に直進可能に駆動する駆動系である。Y1軸駆動系111は、例えば、図1に示すy方向に沿って移動可能なリニアモータによって実現される。または、Y1軸駆動系111は、例えば、回転型モータと、図1に示すy方向に沿って伸びるポールねじとによって実現される。
【0037】
Y2軸駆動系121は、Y2軸120上に配置され、第2のX軸支持部136を、図1に示すy方向に直進可能に駆動する駆動系である。Y2軸駆動系121は、例えば、図1に示すy方向に沿って移動可能なリニアモータによって実現される。または、Y2軸駆動系121は、例えば、回転型モータと、図1に示すy方向に沿って伸びるポールねじとによって実現される。
【0038】
ステージ140は、平板である。ステージ140は、例えば、金属板によって実現される。
【0039】
X軸駆動系131は、X軸130上に配置され、ステージ140を、図1に示すx方向に直線可能に駆動する駆動系である。X駆動系131は、例えば、図1に示すx方向に沿って移動可能なリニアモータによって実現される。または、X軸駆動系131は、例えば、回転型モータと、図1に示すx方向に沿って伸びるポールねじとによって実現される。
【0040】
Y1軸駆動系111とY2軸駆動系121とは、第1のX軸支持部135と第2のX軸支持部136とを並進駆動することで、X軸130を、図1に示すy方向にスライド可能に駆動する。また、上述した通り、X軸駆動系131は、ステージを、図1に示すx方向に直進可能に駆動する。これらにより、ガントリ機構100は、図1に示すx方向とy方向とで規定される平面において、ステージ140を、Y1軸駆動系111における駆動位置であるY1軸位置と、Y2軸駆動系121における駆動位置であるY2軸位置と、X軸駆動系131における駆動位置であるX軸位置とによって定められる位置に移動させることができる。
【0041】
ガントリ機構100において、X軸130上におけるステージ140の位置に応じて、Y1軸駆動系111のイナーシャ及びY2軸駆動系121のイナーシャは変化する。このため、X軸130におけるステージ140の位置が、第1のX軸位置である場合と第2のX軸位置である場合とで、Y1軸駆動系111に同じ推力を与えたとしても、Y1軸駆動系111による第1のX軸支持部135の駆動速度は互いに異なることとなる。同様に、X軸130におけるステージ140の位置が、第1のX軸位置である場合と第2のX軸位置である場合とで、Y2軸駆動系121に同じ推力を与えたとしても、Y2軸駆動系121による第2のX軸支持部136の駆動速度は互いに異なることとなる。
【0042】
ガントリ機構100において、Y1軸駆動系111による第1のX軸支持部135の駆動速度と、Y2軸駆動系121による第2のX軸支持部136の駆動速度とが互いに異なる場合には、ステージ140に、図1に示すz方向周りの回転方向であるヨーイング方向の運動が生じる。このヨーイング方向の運動を抑制するためには、Y1軸駆動系111による第1のX軸支持部135の駆動速度と、Y2軸駆動系121による第2のX軸支持部136の駆動速度との差を抑制する必要がある。
【0043】
図2は、実施の形態1に係るステージ位置制御装置1の構成を示すブロック図である。ただし、図2には、ステージ位置制御装置1の構成要素の全てを図示しているわけではない。図2には、ステージ位置制御装置1の構成要素のうち、Y1軸駆動系111を駆動する推力を指令するY1軸駆動系推力指令を出力するための構成要素、及び、Y2軸駆動系121を駆動する推力を指令するY2軸駆動系推力指令を出力するための構成要素を図示している。一方で、図2には、ステージ位置制御装置1の構成要素のうち、X軸駆動系131を駆動する推力を指令するX軸駆動系推力指令を出力するための構成要素を図示していない。しかしながら、ステージ位置制御装置1は、図2に図示していない、X軸駆動系131を駆動する推力を指令するX軸駆動系推力指令を出力するための構成要素を含んで構成される。
【0044】
図2に示すように、ステージ位置制御装置1は、フィードフォワード部10と、Y軸差分推力指令出力部20と、Y軸重心推力指令出力部30と、Y1軸位置検出部41と、Y2軸位置検出部42と、X軸位置検出部43と、推力変換部50と、イナーシャ関数算出部60と、位置変換部70と、X軸位置指令取得部81と、Y軸重心位置指令取得部82と、位相遅れ補償部83とを含んで構成される。
【0045】
Y1軸位置検出部41は、Y1軸駆動系111における駆動位置であるY1軸位置を検出する。Y1軸位置検出部41は、例えば、Y1軸駆動系111のリニアモータ又は回転型モータに設置されたエンコーダによって実現される。以下では、Y1軸位置をy1と称する。Y1軸位置の時間による1階微分を
【0046】
【数1】
【0047】
と称する。Y1軸位置の時間による2階微分を
【0048】
【数2】
【0049】
と称する。
【0050】
Y2軸位置検出部42は、Y2軸駆動系121における駆動位置であるY2軸位置を検出する。Y2軸位置検出部42は、例えば、Y2軸駆動系121のリニアモータ又は回転型モータに設置されたエンコーダによって実現される。以下では、Y2軸位置をy2と称する。Y2軸位置の時間による1階微分を
【0051】
【数3】
【0052】
と称する。Y2軸位置の時間による2階微分を
【0053】
【数4】
【0054】
と称する。
【0055】
X軸位置検出部43は、X軸駆動系131における駆動位置であるX軸位置を検出する。X軸位置検出部43は、例えば、X軸駆動系131のリニアモータ又は回転型モータに設置されたエンコーダによって実現される。以下では、X軸位置をxと称する。
【0056】
X軸位置指令取得部81は、X軸位置を指令するX軸位置指令を取得する。X軸位置指令は、例えば、指令するX軸位置と時間との関係を示す関数であってもよいし、指令するX軸位置と時間とを対応付けた対応表であってもよい。
【0057】
Y軸重心位置指令取得部82は、Y1軸位置とY2軸位置との重心位置を指令するY軸重心位置指令を取得する。本明細書においては、Y1軸位置とY2軸位置との和のことをY軸重心位置という。以下では、Y軸重心位置をY1と称する。Y1とy1及びy2との関係は、Y1=y1+y2との式で表される。Y軸重心位置指令は、例えば、指令するY軸重心位置と時間との関係を示す関数であってもよいし、指令するY軸重心位置と時間とを対応付けた対応表であってもよい。
【0058】
位置変換部70は、Y1軸位置検出部41によって検出されたY1軸位置と、Y2軸位置検出部42によって検出されたY2軸位置とから、Y1軸位置とY2軸位置との和を示すY軸重心位置と、Y1軸位置とY2軸位置との差分を示すY軸差分位置とを算出する。本明細書においては、Y1軸位置とY2軸位置との差分のことをY軸差分位置という。以下では、Y軸差分位置をY2と称する。Y2とy1及びy2との関係は、Y2=y1-y2との式で表される。
【0059】
位相遅れ補償部83は、後述のY軸重心推力指令出力部30において、後述の位置変換部70により算出されたY軸重心位置をフィードバックさせる際の、Y軸重心位置指令取得部82により指令されるY軸重心位置と、位置変換部70により算出されたY軸重心位置との位相差を補償する。
【0060】
Y軸重心推力指令出力部30は、Y1軸駆動系111と、Y2軸駆動系121との重心推力を指令する第1のY軸重心推力指令F1を算出して出力する。本明細書においては、Y1軸駆動系推力とY2軸駆動系推力との和のことをY軸重心推力という。以下では、Y軸重心推力指令をF1と称する。Y1軸駆動系111の推力を指令するY1軸駆動系推力指令をf1と称する。Y2軸駆動系121の推力を指令するY2軸駆動系推力指令をf2と称する。
【0061】
Y軸重心推力指令出力部30は、位相遅れ補償部83によって位相差が補償されたY軸重心位置指令に対して、位置変換部70によって算出されたY軸重心位置をフィードバック値として受けることでフードバック処理を行い、第1のY軸重心推力指令F1を出力する。
【0062】
以下、Y軸重心推力指令出力部30が行う第1のY軸重心推力指令F1の出力について、より詳細に説明する。
【0063】
図2に示すように、Y軸重心推力指令出力部30は、位置フィードバック部31と、速度フィードバック部32とを含んで構成される。
【0064】
位置フィードバック部31は、位相遅れ補償部83によって位相差が補償されたY軸重心位置指令に対して、位置変換部によって算出されたY軸重心位置をフィードバックしてPID(Proportional Integral Differential)処理を行い、Y1軸駆動系111と、Y2軸駆動系121との重心速度を指令するY軸重心速度指令を出力する。本明細書においては、Y1軸駆動系速度とY2軸駆動系速度との和のことをY軸重心速度という。以下では、Y軸重心速度指令をV1と称する。
【0065】
速度フィードバック部32は、位置フィードバック部31によって出力されたY軸重心速度指令V1に対して、位置変換部によって算出されたY軸重心位置の時間による1階微分
【0066】
【数5】
【0067】
をフィードバックしてPID処理を行い、第1のY軸重心推力指令F1を出力する。
【0068】
Y軸差分推力指令出力部20は、Y1軸駆動系111と、Y2軸駆動系121との差分推力を指令する第1のY軸差分推力指令を算出して出力する。本明細書においては、Y1軸駆動系推力f1とY2軸駆動系推力f2との差分のことをY軸差分推力という。以下では、第1のY軸差分推力指令をF2と称する。
【0069】
上述したように、ガントリ機構100において、Y1軸駆動系111とY2軸駆動系121とは、第1のX軸支持部135と第2のX軸支持部136とを並進駆動することで、X軸130を、図1に示すy方向にスライド可能に駆動する。このため、Y1軸位置とY2軸位置との差分位置を指令するY軸差分位置指令は、いずれの時間においても0となる。従って、Y軸差分推力指令出力部20は、いずれの時間においても0となるY軸差分位置指令に対して、位置変換部70によって算出されたY軸差分位置をフィードバック値として受けることでフードバック処理を行い、第2のY軸差分推力指令F2を出力する。
【0070】
以下、Y軸差分推力指令出力部20が行う第2のY軸差分推力指令F2の出力について、より詳細に説明する。
【0071】
図2に示すように、Y軸差分推力指令出力部20は、位置フィードバック部21と、速度フィードバック部22とを含んで構成される。
【0072】
位置フィードバック部21は、いずれの時間においても0となるY軸差分位置指令に対して、位置変換部によって算出されたY軸差分位置をフィードバックしてPID処理を行い、Y1軸駆動系111と、Y2軸駆動系121との差分速度を指令するY軸差分速度指令を出力する。本明細書においては、Y1軸駆動系速度とY2軸駆動系速度との差分のことをY軸差分速度という。以下では、Y軸差分速度指令をV2と称する。
【0073】
速度フィードバック部22は、位置フィードバック部21によって出力されたY軸差分速度指令V2に対して、位置変換部によって算出されたY軸差分位置の時間による1階微分
【0074】
【数6】
【0075】
をフィードバックしてPID処理を行い、第1のY軸差分推力指令F2を出力する。
【0076】
イナーシャ関数算出部60は、Y1軸駆動系111のイナーシャ及びY2軸駆動系121のイナーシャの差分であるイナーシャ差分と、X軸位置との関係を示すイナーシャ関数を算出する。以下では、Y1軸駆動系111のイナーシャをm1と称する。Y2軸駆動系121のイナーシャをm2と称する。
【0077】
図3は、実施の形態1に係るイナーシャ関数算出部60によって算出されるイナーシャ関数の一例を示す模式図である。
【0078】
図3に示すように、イナーシャ関数は、イナーシャ差分m1-m2とX軸位置xとの関係を示す関数である。ここでは、イナーシャ関数は、図3に示すように、イナーシャ差分m1-m2がX軸位置xの一次式で表される関数であるとする。しかしながら、イナーシャ関数は、イナーシャ差分m1-m2とX軸位置xとの関係を示す関数であれば、必ずしも、イナーシャ差分m1-m2がX軸位置xの一次式で表される関数に限定される必要はない。例えば、イナーシャ差分m1-m2がX軸位置xの一次式以外の式で表される関数であってもよい。
【0079】
イナーシャ関数算出部60は、Y1軸駆動系111の推力を指令するY1軸駆動系推力指令f1と、Y2軸駆動系121の推力を指令するY2軸駆動系推力指令f2と、X軸駆動系131の推力を指令するX軸推力指令fxとを出力する。イナーシャ関数算出部60は、Y1軸位置検出部41によって検出されたY1軸位置y1と、Y2軸位置検出部42によって検出されたY2軸位置y2と、X軸位置検出部43によって検出されたX軸位置xとを取得する。イナーシャ関数算出部60は、出力したY1軸駆動系推力指令f1と、出力したY2軸駆動系推力指令f2と、取得したY1軸位置y1と、取得したY2軸位置y2と、取得したX軸位置xとに基づいて、イナーシャ関数を算出する。
【0080】
以下、イナーシャ関数算出部60が行うイナーシャ関数の算出について、より詳細に説明する。
【0081】
図4は、実施の形態1に係るイナーシャ関数算出処理のフローチャートである。イナーシャ関数算出処理は、イナーシャ関数算出部60が、イナーシャ関数を算出するために行う処理の一例である。
【0082】
イナーシャ関数算出処理が開始されると、イナーシャ関数算出部60は、ガントリ機構100にX軸推力指令fxを出力して、第1のX軸位置にステージ140を移動させる(ステップS100)。この際、イナーシャ関数算出部60は、X軸位置検出部43からX軸位置xを取得して、ステージ140のX軸位置を確認しながら、第1のX軸位置にステージ140を移動させる。
【0083】
第1のX軸位置にステージ140を移動させると、イナーシャ関数算出部60は、ガントリ機構100に、互いに同期した、Y1軸駆動系推力指令f1とY2軸駆動系推力指令f2とを出力し、Y1軸駆動系111とY2軸駆動系121とを加振させる(ステップS110)。
【0084】
Y1軸駆動系111とY2軸駆動系121とを加振させると、イナーシャ関数算出部60は、Y1軸位置検出部41とY2軸位置検出部42とから、それぞれ、Y軸位置y1とY軸位置y2とを取得する(ステップS120)。
【0085】
Y1軸位置y1とY2軸位置y2とを取得すると、イナーシャ関数算出部60は、出力したY1軸駆動系推力指令f1及びY2軸駆動系推力指令f2と、取得したY1軸位置y1及びY2軸位置y2とから、Y1軸駆動系111のイナーシャm1とY2軸駆動系121のイナーシャm2とを算出する。すなわち、イナーシャ関数算出部60は、第1のX軸位置にステージ140がある場合における、Y1軸駆動系111のイナーシャm1とY2軸駆動系121のイナーシャm2とを算出する(ステップS130)。
【0086】
次に、イナーシャ関数算出部60は、ガントリ機構100にX軸推力指令fxを出力して、第2のX軸位置にステージ140を移動させる(ステップS140)。この際、イナーシャ関数算出部60は、X軸位置検出部43からX軸位置xを取得して、ステージ140のX軸位置を確認しながら、第2のX軸位置にステージ140を移動させる。
【0087】
第2のX軸位置にステージ140を移動させると、イナーシャ関数算出部60は、ガントリ機構100に、互いに同期した、Y1軸駆動系推力指令f1とY2軸駆動系推力指令f2とを出力し、Y1軸駆動系111とY2軸駆動系121とを加振させる(ステップS150)。
【0088】
Y1軸駆動系111とY2軸駆動系121とを加振させると、イナーシャ関数算出部60は、Y1軸位置検出部41とY2軸位置検出部42とから、それぞれ、Y軸位置y1とY軸位置y2とを取得する(ステップS160)。
【0089】
Y1軸位置y1とY2軸位置y2とを取得すると、イナーシャ関数算出部60は、出力したY1軸駆動系推力指令f1及びY2軸駆動系推力指令f2と、取得したY1軸位置y1及びY2軸位置y2とから、Y1軸駆動系111のイナーシャm1とY2軸駆動系121のイナーシャm2とを算出する。すなわち、イナーシャ関数算出部60は、第2のX軸位置にステージ140がある場合における、Y1軸駆動系111のイナーシャm1とY2軸駆動系121のイナーシャm2とを算出する(ステップS170)。
【0090】
次に、イナーシャ関数算出部60は、ステップS130の処理において算出した、第1のX軸位置にステージ140がある場合における、Y1軸駆動系111のイナーシャm1及びY2軸駆動系121のイナーシャm2と、ステップS170の処理において算出した、第2のX軸位置にステージ140がある場合における、Y1軸駆動系111のイナーシャm1及びY2軸駆動系121のイナーシャm2とに基づいて、イナーシャ関数180を算出する(ステップS180)。
【0091】
ステップS180の処理が終了すると、イナーシャ関数算出部60は、そのイナーシャ関数算出処理を終了する。
【0092】
上述したように、イナーシャ関数算出部60は、Y1軸駆動系111の推力を指令するY1軸駆動系推力指令と、Y2軸駆動系121の推力を指令するY2軸駆動系推力指令とを出力し、以下の(a)~(d)に基づいて、イナーシャ関数を算出する。(a)ステージ140の位置が第1のX軸位置によって定められる場合において出力したY1軸駆動系推力指令及びY2軸駆動系推力指令。(b)ステージ140の位置が第1のX軸位置によって定められる場合においてY1軸位置検出部41によって検出されたY1軸位置及びY2軸位置検出部42によって検出されたY2軸位置。(c)ステージ140の位置が第2のX軸位置によって定められる場合において出力したY1軸駆動系推力指令及びY2軸駆動系推力指令。(d)ステージ140の位置が第2のX軸位置によって定められる場合においてY1軸位置検出部41によって検出されたY1軸位置及びY2軸位置検出部42によって検出されたY2軸位置。
【0093】
フィードフォワード部10は、X軸位置指令取得部81によって取得されたX軸位置指令と、Y軸重心位置指令取得部82によって取得されたY軸重心位置指令とを、Y軸差分推力指令出力部20から出力された第1のY軸差分推力指令F2にフィードフォワードして、第2のY軸差分推力指令を出力する。以下では、第2のY軸差分推力指令をF2´と称する。
【0094】
以下、フィードフォワード部10が行う第2のY軸差分推力指令F2´の出力について、より詳細に説明する。
【0095】
図2に示すように、フィードフォワード部10は、イナーシャ関数記憶部11と、算出部12とを含んで構成される。
【0096】
イナーシャ関数記憶部11は、イナーシャ関数算出部60によって算出されたイナーシャ関数を記憶する。
【0097】
算出部12は、X軸位置指令取得部81によって取得されたX軸位置指令により指令されるX軸位置と、イナーシャ関数記憶部11に記憶されるイナーシャ関数とからイナーシャ差分を算出する。算出部12は、算出したイナーシャ差分と、Y軸重心位置指令取得部82によって取得されたY軸重心位置指令とから、Y軸差分推力指令出力部20によって出力された第1のY軸差分推力指令にフィードフォワードするフィードフォワード値を算出する。より具体的には、算出部12は、X軸位置指令により指令されるX軸位置xをイナーシャ関数に代入してイナーシャ差分m1-m2を算出する。算出部12は、算出したイナーシャ差分m1-m2に、Y軸重心位置指令の時間による2階微分
【0098】
【数7】
【0099】
を乗ずることで、フィードフォワード値
【0100】
【数8】
【0101】
を算出する。
【0102】
フィードフォワード部10は、Y軸差分推力指令出力部20から出力された第1のY軸差分推力指令F2から、算出したフィードフォワード値
【0103】
【数9】
【0104】
を減ずることで、第2のY軸差分推力指令F2´を算出して出力する。
【0105】
推力変換部50は、第1のY軸重心推力指令F1と、第2のY軸差分推力指令F2´とを用いて、ステージ140の位置を制御する。より具体的には、推力変換部50は、フィードフォワード部10によって出力される第2のY軸差分推力指令F2´と、Y軸重心推力指令出力部によって出力される第1のY軸重心推力指令F1とに基づいて、Y1軸駆動系111の推力を指令するY1軸駆動系推力指令f1と、Y2軸駆動系121の推力を指令するY2軸駆動系推力指令f2とを算出する。推力変換部50は、算出した、Y1軸駆動系推力指令f1とY2軸駆動系推力指令f2とを、ガントリ機構100に出力する。推力変換部50は、Y1軸駆動系推力指令f1を用いてY1軸駆動系111を駆動し、Y2軸駆動系推力指令f2を用いてY2軸駆動系121を駆動することで、ステージ140の位置を制御する。
【0106】
上記構成のステージ位置制御装置1は、ガントリ機構100におけるステージ140の位置を制御する。
【0107】
以下、ステージ位置制御装置1が行うステージ140の位置の制御について、図面を参照しながら説明する。
【0108】
図5は、実施の形態1に係るステージ位置制御処理のフローチャートである。ステージ位置制御処理は、ステージ位置制御装置1が、ステージ140の位置を制御するために行う処理の一例である。
【0109】
ステージ位置制御処理が開始されると、Y1軸位置検出部41は、Y1軸駆動系111における駆動位置であるY1軸位置を検出し、Y2軸位置検出部42は、Y2軸駆動系121における駆動位置であるY2軸位置を検出する(ステップS200)。
【0110】
Y1軸位置とY2軸位置とが検出されると、位置変換部70は、Y1軸位置とY2軸位置とから、Y軸重心位置とY軸差分位置とを算出する(ステップS210)。
【0111】
Y軸重心位置とY軸差分位置とが算出されると、Y軸重心推力指令出力部30は、Y軸重心位置をフィードバックして第1のY軸重心推力指令を出力する(ステップS220)。Y軸差分推力指令出力部20は、Y軸差分位置をフィードバックして、第1のY軸差分推力指令を出力する(ステップS230)。
【0112】
第1のY軸差分推力指令が出力されると、フィードフォワード部10は、X軸位置指令取得部81によって取得されたX軸位置指令と、Y軸重心位置指令取得部82によって取得されたY軸重心位置指令とを、第1のY軸差分推力指令にフィードフォワードして、第2のY軸差分推力指令を出力する(ステップS240)。
【0113】
第2のY軸差分推力指令が出力されると、推力変換部50は、第2のY軸差分推力指令と第1のY軸重心推力指令とに基づいて、Y1軸駆動系111の推力を指令するY1軸駆動系推力指令と、Y2軸駆動系121の推力を指令するY2軸駆動系推力指令とを算出する(ステップS250)。算出された、Y1軸駆動系推力指令とY2軸駆動系推力指令とを、ガントリ機構100に出力して(ステップS260)、ステージ140の位置を制御する。
【0114】
ステップS260の処理が終了すると、ステージ位置制御装置1は、再びステップS200の処理に進む。こうして、ステップS200の処理~ステップS260の処理からなるループ処理を繰り返す。
【0115】
以下、ステージ位置制御装置1によるステージ140の位置制御について考察する。
【0116】
変換行列Jを、
【0117】
【数10】
【0118】
とすると、Y軸重心位置Y1の時間による1階微分であるY軸重心速度、及びY軸差分位置Y2の時間による1階微分であるY軸差分速度と、Y1軸位置y1の時間による1階微分であるY1軸速度、及びY2軸位置y2の時間による1階微分であるY2軸速度との変換式は、次の(式1)で表される。
【0119】
【数11】
【0120】
第1のY軸重心推力指令F1、及び第1のY軸差分推力指令F2と、Y1軸駆動系推力指令f1、及びY2軸駆動系推力指令f2との変換式は次の(式2)で表される。
【0121】
【数12】
【0122】
Y1軸駆動系111とY2軸駆動系121との運動方程式は、次の(式3)で表される。
【0123】
【数13】
【0124】
この運動方程式に対して、変換行列Jを用いて座標変換すると、座標変換後の運動方程式は、次の(式4)で表される。
【0125】
【数14】
【0126】
この変換後の運動方程式を展開した展開式1、展開式2は、それぞれ、次の(式5)、(式6)で表される。
【0127】
【数15】
【0128】
展開式1、展開式2において、m1とm2とが互いに異なる場合には、それぞれ、干渉項1
【0129】
【数16】
【0130】
、干渉項2
【0131】
【数17】
【0132】
が除去されずに残る。
【0133】
展開式1から干渉項1が除去されない場合、及び、展開式2から干渉項2が除去されない場合には、Y1軸駆動系111による第1のX軸支持部135の駆動速度と、Y2軸駆動系121による第2のX軸支持部136の駆動速度との差を抑制することができない。すなわち、ステージ140にヨーイング方向の運動が生じてしまう。
【0134】
なお、展開式2から干渉項2を除去すると、干渉項1は、自ずと0に収束する。このため、展開式2から干渉項2を除去することで、ステージ140のヨーイング方向の運動を抑制することができる。
【0135】
ステージ位置制御装置1において、フィードフォワード部10は、X軸位置指令取得部81によって取得されたX軸位置指令と、Y軸重心位置指令取得部82によって取得されたY軸重心位置指令とから、フィードフォワード値として干渉項2
【0136】
【数18】
【0137】
を算出する。フィードフォワード部10は、Y軸差分推力指令出力部20から出力された第1のY軸差分推力指令F2から、算出したフィードフォワード値である干渉項2を減ずることで、第2のY軸差分推力指令F2´を算出して出力する。このため、第2のY軸差分推力指令F2´からは、干渉項2の成分が除去される。
【0138】
推力変換部50は、干渉項2の成分が除去された第2のY軸差分推力指令F2´と第1のY軸重心推力指令F1とに基づいて、Y1軸駆動系111の推力を指令するY1軸駆動系推力指令f1と、Y2軸駆動系121の推力を指令するY2軸駆動系推力指令f2とを算出して、ガントリ機構100に出力する。
【0139】
従って、ステージ位置制御装置1は、ステージ140のヨーイング方向の運動が発生していない時点で、ステージ140のヨーイング方向の運動の発生自体を抑制することができる。
【0140】
(実施の形態2)
以下、実施の形態1に係るステージ位置制御装置1の一部が変更されて構成される実施の形態2に係るステージ位置制御装置について説明する。
【0141】
ステージ位置制御装置は、第1のY軸差分推力指令F2から干渉項2の成分を除去することに加えて、さらに、積極的に第1のY軸重心推力指令F1から干渉項1の成分を除去する。
【0142】
図6は、実施の形態2に係るステージ位置制御装置1aの構成を示すブロック図である。ただし、図6には、図1の場合と同様に、ステージ位置制御装置1aの構成要素の全てを図示しているわけではない。以下では、ステージ位置制御装置1aについて、実施の形態1に係るステージ位置制御装置1と同様の構成要素については、同じ符号を振ってその詳細な説明を省略し、ステージ位置制御装置1との相違点を中心に説明する。
【0143】
図6に示すように、ステージ位置制御装置1aは、実施の形態1に係るステージ位置制御装置1から、フィードバック部90が追加され、推力変換部50が推力変換部50aに変更されて構成される。
【0144】
フィードバック部90は、X軸位置検出部43によって検出されたX軸位置と、位置変換部70によって算出されたY軸差分位置とを、Y軸重心推力指令出力部30から出力された第1のY軸重心推力指令にフィードバックして、第2のY軸重心推力指令を出力する。以下では、第2のY軸重心推力指令をF1´と称する。
【0145】
以下、フィードバック部90が行う第2のY軸重心推力指令F1´の出力について、より詳細に説明する。
【0146】
図6に示すように、フィードバック部90は、イナーシャ関数記憶部11と、算出部92とを含んで構成される。
【0147】
算出部92は、X軸位置検出部43によって検出されたX軸位置と、イナーシャ関数記憶部11に記憶されるイナーシャ関数とからイナーシャ差分を算出する。算出部92は、算出したイナーシャ差分と、位置変換部70によって算出されたY軸差分位置とから、Y軸重心推力指令出力部30によって出力された第1のY軸重心推力指令にフィードバックするフィードバック値を算出する。より具体的には、算出部92は、X軸位置検出部によって検出されたX軸位置xをイナーシャ関数に代入してイナーシャ差分m1-m2を算出し、算出したイナーシャ差分m1-m2に、Y軸差分位置の時間による2階微分
【0148】
【数19】
【0149】
を乗ずることで、フィードバック値
【0150】
【数20】
【0151】
を算出する。
【0152】
フィードバック部90は、Y軸重心推力指令出力部30から出力された第1のY軸重心推力指令F1から、算出したフィードバック値
【0153】
【数21】
【0154】
を減ずることで、第2のY軸重心推力指令F1´を算出して出力する。
【0155】
推力変換部50aは、フィードフォワード部10によって出力される第2のY軸差分推力指令F2´と、フィードバック部90によって出力される第2のY軸重心推力指令F1´とに基づいて、Y1軸駆動系111の推力を指令するY1軸駆動系推力指令f1と、Y2軸駆動系121の推力を指令するY2軸駆動系推力指令f2とを算出する。推力変換部50aは、算出した、Y1軸駆動系推力指令f1とY2軸駆動系推力指令f2とを、ガントリ機構100に出力して、Y1軸駆動系推力指令f1を用いてY1軸駆動系111を駆動し、Y2軸駆動系推力指令f2を用いてY2軸駆動系121を駆動することで、ステージ140の位置を制御する。
【0156】
以下、上記構成のステージ位置制御装置1aによるステージ140の位置制御について考察する。
【0157】
ステージ位置制御装置1aにおいて、フィードバック部90は、X軸位置検出部43によって検出されたX軸位置と、位置変換部70によって算出されたY軸差分位置とから、フィードバック値として干渉項1
【0158】
【数22】
【0159】
を算出する。フィードバック部90は、Y軸重心推力指令出力部30から出力された第1のY軸重心推力指令F1から、算出したフィードバック値である干渉項1を減ずることで、第2のY軸重心推力指令F1´を算出して出力する。このため、第2のY軸重心推力指令F1´からは、干渉項2の成分が除去される。
【0160】
推力変換部50aは、干渉項2の成分が除去された第2のY軸差分推力指令F2´と、干渉項1の成分が除去された第2のY軸重心推力指令F1´とに基づいて、Y1軸駆動系111の推力を指令するY1軸駆動系推力指令f1と、Y2軸駆動系121の推力を指令するY2軸駆動系推力指令f2とを算出して、ガントリ機構100に出力する。
【0161】
従って、ステージ位置制御装置1aは、ステージ140のヨーイング方向の運動が発生していない時点で、ステージ140のヨーイング方向の運動の発生自体を抑制することができる。
【0162】
(補足)
以上のように、本開示による技術の例示として、実施の形態1及び実施の形態2について説明した。しかしながら、本開示による技術は、これらに限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態又は変形例にも適用可能である。
【0163】
例えば、実施の形態1において、ステージ位置制御装置1は、イナーシャ関数を算出するイナーシャ関数算出部60を備え、イナーシャ関数記憶部11は、イナーシャ関数算出部によって算出されたイナーシャ関数を記憶する構成であるとして説明した。しかしながら、ステージ位置制御装置1は、イナーシャ関数を利用することができれば、必ずしも、イナーシャ関数を算出する必要はない。ステージ位置制御装置1は、例えば、イナーシャ関数算出部60を備えずに、イナーシャ関数記憶部11が、外部装置により算出されたイナーシャ関数を、外部装置から取得して記憶する構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0164】
本開示に係る光検出器は、ステージの位置を制御する装置等に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0165】
1、1a ステージ位置制御装置
10 フィードフォワード部
11 イナーシャ関数記憶部
12、92 算出部
20 Y軸差分推力指令出力部
21、31 位置フィードバック部
22、32 速度フィードバック部
30 Y軸重心推力指令出力部
41 Y1軸位置検出部
42 Y2軸位置検出部
43 X軸位置検出部
50、50a 推力変換部
60 イナーシャ関数算出部
70 位置変換部
81 X軸位置指令取得部
82 Y軸重心位置指令取得部
83 位相遅れ補償部
90 フィードバック部
100 ガントリ機構
110 Y1軸
111 Y1軸駆動系
120 Y2軸
121 Y2軸駆動系
130 X軸
131 X軸駆動系
135 第1のX軸支持部
136 第2のX軸支持部
140 ステージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6