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特許7507399施設保守管理システム、施設保守管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】施設保守管理システム、施設保守管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/163 20240101AFI20240621BHJP
【FI】
G06Q50/163
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020091780
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021189565
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】坂田 幸太郎
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-366397(JP,A)
【文献】特開2018-185774(JP,A)
【文献】国際公開第2017/110278(WO,A1)
【文献】特開2014-139774(JP,A)
【文献】特開2009-169483(JP,A)
【文献】特開2018-076863(JP,A)
【文献】特開2019-161974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置された1以上の設備を監視することにより前記施設を保守管理する施設保守管理システムであって、
前記設備の稼働状況を取得する稼働状況取得部と、
取得された前記稼働状況に基づいて、前記設備の劣化スピードを予測する劣化スピード予測部と、
予測された前記劣化スピードに基づいて、前記設備を監視する時期である監視タイミングを決定する監視タイミング決定部と、を備え
前記監視タイミング決定部は、
前記劣化スピードが標準スピードより速い場合に、既定タイミングより前のタイミングを前記監視タイミングとして決定し、
前記劣化スピードが前記標準スピードより遅い場合に、前記既定タイミングより後のタイミングを前記監視タイミングとして決定し、
前記劣化スピード予測部は、過去に取得された前記稼働状況と、過去の前記監視タイミングにおいて実施された前記設備の監視結果に基づいて過去の前記監視タイミングの決定に用いられた前記劣化スピードを補正することで得られる第1補正劣化スピードとに基づいて学習された第1予測モデルを用いて、前記稼働状況から前記劣化スピードを予測する
施設保守管理システム。
【請求項2】
前記稼働状況は、直近に前記設備の監視が実施されたタイミング以降における通電時間、電流投入回数、及び、電流放出回数の少なくとも1つを含む
請求項1に記載の施設保守管理システム。
【請求項3】
決定された前記監視タイミング、及び、決定された前記監視タイミングが到来したことの少なくとも一方の通知に用いられる通知情報を出力する通知部を備える
請求項1又は2に記載の施設保守管理システム。
【請求項4】
前記設備の稼働結果を取得する稼働結果取得部と、
前記監視タイミングにおいて、取得された前記稼働結果に基づいて前記設備の監視を実施する設備監視部と、を備える
請求項1~3のいずれか一項に記載の施設保守管理システム。
【請求項5】
前記劣化スピード予測部は、直近に前記設備の監視が実施されたタイミングから、前記既定タイミングまで期間の30%以上かつ50%以下の所定期間が経過したタイミングで、前記稼働状況に基づいて、前記設備の劣化スピードを予測する
請求項1~4のいずれか一項に記載の施設保守管理システム。
【請求項6】
前記設備は、第1設備及び第2設備を含み、
前記稼働状況取得部は、
前記設備のうちの前記第1設備から前記稼働状況として第1稼働状況を取得し、
前記設備のうちの前記第2設備から前記稼働状況として第2稼働状況を取得し、
前記劣化スピード予測部は、
取得した前記第1稼働状況に基づいて、前記第1設備の第1劣化スピードを予測し、
取得した前記第2稼働状況に基づいて、前記第2設備の第2劣化スピードを予測し、
前記監視タイミング決定部は、
前記第1劣化スピードと前記第1設備に対応する前記標準スピードである第1標準スピードとに比較に基づいて、前記第1設備の第1監視タイミングを決定し、
前記第2劣化スピードと前記第2設備に対応する前記標準スピードである第2標準スピードとに比較に基づいて、前記第2設備の第2監視タイミングを決定する
請求項1~5のいずれか一項に記載の施設保守管理システム。
【請求項7】
前記第1設備及び前記第2設備は、同じ種別に属し、
前記劣化スピード予測部は、前記第1設備から過去に取得された前記第1稼働状況と、過去の前記第1監視タイミングにおいて実施された前記第1設備の監視結果に基づいて過去の前記第1監視タイミングの決定に用いられた前記第1劣化スピードを補正することで得られる第2補正劣化スピードとに基づいて学習された第2予測モデルを用いて、前記第2稼働状況から前記第2劣化スピードを予測する
請求項に記載の施設保守管理システム。
【請求項8】
施設に設置された1以上の設備を監視することにより前記施設を保守管理する、コンピュータによって実行される施設保守管理方法であって、
前記設備の稼働状況を取得する取得ステップと、
取得された前記稼働状況に基づいて、前記設備の劣化スピードを予測する予測ステップと、
予測された前記劣化スピードに基づいて、前記設備を監視する時期である監視タイミングを決定する決定ステップと、を含み、
前記決定ステップでは、
前記劣化スピードが標準スピードより速い場合に、既定タイミングより前に更新して前記監視タイミングを決定し、
前記劣化スピードが前記標準スピードより遅い場合に、前記既定タイミングより後に更新して前記監視タイミングを決定し、
前記予測ステップでは、過去に取得された前記稼働状況と、過去の前記監視タイミングにおいて実施された前記設備の監視結果に基づいて過去の前記監視タイミングの決定に用いられた前記劣化スピードを補正することで得られる第1補正劣化スピードとに基づいて学習された第1予測モデルを用いて、前記稼働状況から前記劣化スピードを予測する
施設保守管理方法。
【請求項9】
請求項に記載の施設保守管理方法を前記コンピュータに実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施設を保守管理する際に用いられる施設保守管理システム、施設保守管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
施設を維持するための保守管理において、当該施設に設置された設備の定期的な監視(又は点検ともいう)が必要となる。また、施設には、通常、複数の設備が設置されるため、複数の設備のそれぞれの監視の時期(つまり監視タイミング)を管理するのは煩雑である。
【0003】
そこで、従来、複数の設備のうち、一の設備の定期点検の際に、他の設備に異常が生じていた場合、一挙にメンテナンスを行うことを可能とする建物点検管理システムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-27759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような建物点検管理システムでは、適切に施設が保守されない場合がある。そこで、本開示では、より適切に施設を保守することができる施設保守管理システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る施設保守管理システムは、施設に設置された1以上の設備を監視することにより前記施設を保守管理する施設保守管理システムであって、前記設備の稼働状況を取得する稼働状況取得部と、取得された前記稼働状況に基づいて、前記設備の劣化スピードを予測する劣化スピード予測部と、予測された前記劣化スピードに基づいて、前記設備を監視する時期である監視タイミングを決定する監視タイミング決定部と、を備え
、前記監視タイミング決定部は、前記劣化スピードが標準スピードより速い場合に、既定タイミングより前のタイミングを前記監視タイミングとして決定し、前記劣化スピードが前記標準スピードより遅い場合に、前記既定タイミングより後のタイミングを前記監視タイミングとして決定する。
【0007】
また、本開示の一態様に係る施設保守管理方法は、施設に設置された1以上の設備を監視することにより前記施設を保守管理する施設保守管理方法であって、前記設備の稼働状況を取得する取得ステップと、取得された前記稼働状況に基づいて、前記設備の劣化スピードを予測する予測ステップと、予測された前記劣化スピードに基づいて、前記設備を監視する時期である監視タイミングを決定する決定ステップと、を含み、前記決定ステップでは、前記劣化スピードが標準スピードより速い場合に、既定タイミングより前に更新して前記監視タイミングを決定し、前記劣化スピードが前記標準スピードより遅い場合に、前記既定タイミングより後に更新して前記監視タイミングを決定する。
【0008】
また、上記の施設保守管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして本開示の一態様に係るプログラムを実現することもできる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様に係る施設保守管理システム等では、より適切に施設を保守することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態における保守管理システムの構成を示す概略図である。
図2図2は、実施の形態における保守管理システムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態における予測モデルについて説明する図である。
図4図4は、実施の形態における劣化スピードを予測するタイミングを説明する図である。
図5図5は、実施の形態における通知例について例示する第1図である。
図6図6は、実施の形態における通知例について例示する第2図である。
図7図7は、実施の形態における保守管理システムの動作例を示す第1フローチャートである。
図8図8は、実施の形態における保守管理システムの動作例を示す第2フローチャートである。
図9図9は、実施の形態の変形例における保守管理システムの機能構成を示すブロック図である。
図10図10は、実施の形態の変形例における監視部について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(開示に至った経緯)
施設を維持するための保守管理において、当該施設に設置された設備の定期的な監視(又は点検ともいう)が必要となる。また、施設には、通常、複数の設備が設置されるため、複数の設備のそれぞれの監視の時期(つまり監視タイミング)を管理するのは煩雑である。より具体的には、異なる種別の設備には、それぞれ異なる期間で定期的な点検が必要となり、例えば、複数の設備の点検日を明確に管理することは困難である。さらに、設備ごとに設置日が異なる場合においては、この問題がさらに拡大し得る。
【0012】
また、これに加えて、設備は、稼働することによって劣化が進行する。このため、同じ種別の設備であっても、頻繁に稼働する設備と稀にしか稼働しない設備とでは、監視タイミングに差異が生じる。すなわち、起点日も異なり、周期も異なる複数の設備のそれぞれを、適切に監視することは困難である。
【0013】
本開示における施設保管理システムでは、上記に鑑みて、設備ごとの劣化スピードを設備の稼働状況から予測して、予測された劣化スピードに応じて監視タイミングを決定する。これにより、本開示における施設保守管理システムでは、より適切に施設を保守することが可能となる。
【0014】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0016】
(実施の形態)
[構成]
はじめに、実施の形態における施設保守管理システムの全体構成について説明する。図1は、実施の形態における保守管理システムの構成を示す概略図である。本実施の形態では、図1に示すように、施設保守管理システム100は、サーバ装置40と、端末装置50と、各種の設備を備える施設15とを含んで実現される。
【0017】
サーバ装置40は、外部から入力された情報を特定のプログラムに従って処理する装置である。サーバ装置40は、例えば、インターネット等の広域通信網上に構築されたクラウドサーバであるが、専用の情報処理装置によって実現される物理サーバであってもよい。
【0018】
端末装置50は、例えば、施設の保守管理の主体となる管理者等が所有する携帯型情報端末である。端末装置50は、例えば、スマートフォンであるが、タブレット端末及びパーソナルコンピュータ等の情報端末であってもよい。
【0019】
施設15は、1以上の設備が設置された空間を有し、当該設備が点検されることで、保守管理される。施設15の保守のために点検されるこれらの設備は、監視対象の設備ともいう。施設15としては、例えば、オフィスビル、公共施設、住宅、店舗、工場、駅舎等のあらゆる建築物に加え、田畑、採掘場、伐採場等の各種の生産業のためのワークプレースが適用される。ここでは、施設15は、少なくとも第1フロア1F~第4フロア4Fを有するオフィスビルとして説明される。
【0020】
図中に示すように、施設15は、第1フロア1F、第2フロア2F、第3フロア3F、第4フロア4Fを有する。第4フロア4Fには、監視対象の設備として、空調機器16と照明機器17とが設置されている。また、第3フロア3Fには、監視対象の設備として、空調機器18と照明機器19とが設置されている。また、第2フロア2Fには、監視対象の設備として、空調機器20と照明機器21とが設置されている。また、第1フロア1Fには、監視対象の設備として、空調機器22と照明機器23とが設置されている。
【0021】
この他に、施設15には、監視対象の設備として、いずれのフロアにも属さないエレベータ24(又は、EV24ともいう)が設置されている。また、施設15には、監視対象の設備として、オフィスビルの屋外に蓄電池25が設置されている。このように、施設15に設置されるとは、例えば、施設15が建築物である場合には、その屋内外問わず、当該建築物が建築されている敷地内に設置されることを意味する。
【0022】
施設15に設置された各種の監視対象の設備は、終端装置30に接続される。終端装置30は、サーバ装置40と通信可能に接続され、監視対象の設備とサーバ装置40との通信を仲介する装置である。監視対象の設備と終端装置30との接続は、有線通信であってもよく無線通信であってもよい。また、監視対象の設備と終端装置30との接続方式は、既存のいかなる方式であってもよい。本実施の形態における終端装置30は、施設15に配置される。
【0023】
また、監視対象の設備からサーバ装置40へ電力情報のみが送信される場合、終端装置30は、単に電力供給口と、監視対象の設備の受電プラグとの間に介在して、電力の通電量を計測する通電量モニタとして実現される。この場合、終端装置30に接続されるとは、電力供給口に設置された終端装置30に対して、受電プラグを接続することを意味する。終端装置30は、図中に示すようにすべての監視対象の設備に接続される1つの装置として実現されてもよく、監視対象の設備ごとに設けられてもよい。なお、終端装置30は、必須の構成要素ではなく、監視対象の設備が、それぞれ直接広域通信網に接続し、サーバ装置40と直接的に通信を行うことで、終端装置30を備えることなく施設保守管理システム100を実現してもよい。
【0024】
施設保守管理システム100は、このような構成で実現されることで、サーバ装置40が各種の監視対象の設備から稼働状況を取得して、端末装置50を介して稼働状況に応じた監視タイミングで設備の点検を行うことを管理者等に通知することができる。
【0025】
次に、図2を参照して、施設保守管理システム100の機能構成についてより詳細に説明する。図2は、実施の形態における保守管理システムの機能構成を示すブロック図である。なお、図2では、上記の監視対象の設備を総称して設備10として示している。つまり、設備10は、空調機器16でもあるし、照明機器17でもある。また、図1に示したように、本実施の形態においては、設備10は複数存在するが、図2中では、簡略化のため設備10を1つのみ示している。
【0026】
図2に示すように、設備10は、設備通信部11、設備制御部12、及び、設備記憶部13を備える。設備通信部11は、設備10と、サーバ装置40との通信に用いられる通信モジュールである。より詳しくは、設備10は、設備通信部11により、終端装置30を介してサーバ装置40と通信を行う。設備通信部11は、例えば、設備10の稼働状況及び稼働結果(いずれも詳細は後述する)をサーバ装置40へと送信する。なお、上記に説明したように、終端装置30が単に、設備10に対して供給される電力を通電量モニタとして計測する場合には。設備通信部11は備えられなくてもよい。
【0027】
設備制御部12は、設備10の動作に関するプログラムを実行するための処理部であり、プロセッサ及びメモリ等を用いて構成される。設備制御部12は、例えば、設備10が空調機器16である場合には、設備制御部12によってコンプレッサ及びファン等の動作のオンオフの切り換え等が行われる。このようにして、設備制御部12は、例えば、施設15において設備10を使用するユーザによる動作指示を受け付けて、当該動作指示に基づく設備10の制御を行う。
【0028】
設備記憶部13は、上記の設備制御部12において実行されるプログラム、及び、当該プログラムの実行に際して用いられる各種のデータを格納するための記憶装置であり、例えば、半導体メモリ等で実現される。設備記憶部13は、例えば、設備10が空調機器16である場合には、一例として、節電設定等の既定の空調設定、自動運転におけるモード切替の際の各種閾値、遠隔制御器との通信に関する情報、及び、人工知能制御のためのユーザの好み等の値などが格納される。設備記憶部13は、上記の設備制御部12のメモリと一体化されて実現されてもよい。
【0029】
終端装置30を介した設備10からの通信は、ネットワーク60を介してサーバ装置40へと伝達される。ネットワーク60は、インターネット等の広域通信網、又は、社内ネットワーク等の局所通信網である。
【0030】
サーバ装置40は、通信部41、制御部42、及び、記憶部43を備える。通信部41は、サーバ装置40と設備10との通信、及び、サーバ装置40と端末装置50との通信に用いられる通信モジュールである。通信部41は、例えば、設備10の稼働状況及び稼働結果を受信する。また、通信部41は、後述の制御部42において決定された監視タイミングに関する情報を端末装置50に送信する。
【0031】
制御部42は、サーバ装置40の動作に関するプログラムを実行するための処理部であり、プロセッサ及びメモリ等を用いて構成される。図中に拡大図として示すように、制御部42は、稼働状況取得部44、劣化スピード予測部45、及び、監視タイミング決定部46を備える。制御部42は、稼働状況取得部44、劣化スピード予測部45、及び、監視タイミング決定部46のそれぞれに関するプログラムを実行することで、これらの機能部を実現する。また、制御部42は、サーバ装置40のその他の動作を制御するためにも用いられる。
【0032】
稼働状況取得部44は、設備10の稼働状況を取得する機能部である。稼働状況取得部44は、設備10の設備通信部11から送信され、終端装置30、ネットワーク60を経由して通信部41が受信した稼働状況を、制御部42を構成するプログラムで使用可能な形式で取得し、劣化スピード予測部45へと出力する。
【0033】
ここで、稼働状況は、設備10の劣化しやすさの指標である劣化スピードの予測に用いられる。稼働状況は、つまり、設備10の劣化に関する数値である。稼働状況は、例えば、直近に設備10の点検が実施されたタイミング以降における設備10への通電時間、設備10の電流投入回数及び電流放出回数を含む。このように、直近の設備10の点検以降の各種の数値によって、直近の設備10の点検以降における劣化スピードの予測が行われる。
【0034】
また、稼働状況は、設備10への通電時間、設備10の電流投入回数及び電流放出回数に加えて、さらに、その他の数値を含んでもよい。また、取得される稼働状況の内容が、設備10の種別によって決定されてもよい。つまり、稼働状況として、直近に設備10の点検が実施されたタイミング以降における設備10への通電時間、設備10の電流投入回数及び電流放出回数の少なくとも1つが含まれていればよい。
【0035】
なお、稼働状況取得部44において、取得された稼働状況に含まれる各数値に対しては、設備10の種別によって重みづけが行われる。ここでの重みづけは、α、β、γ、及び、δ等の係数を用いて、以下式(1)の稼働状況における各種の数値のバランスを調整することで行われる。
【0036】
【数1】
【0037】
一例として、設備10が空調機器16である場合、特に動作の始動時の負荷が大きく、設備10の劣化への寄与が大きいため、取得された稼働状況のうち、設備10の電流投入回数の係数βに大きく重みづけされる。同様に、設備10が照明機器17である場合、特に点灯状態での経過時間に応じて劣化が進行するため、取得された稼働状況のうち、設備10への通電時間の係数αに大きく重みづけされる。
【0038】
また、設備10が蓄電池25である場合、特に充放電回数と劣化の進行度との相関が強く、取得された稼働状況のうち、設備10の電流投入回数の係数β及び電流放出回数の係数γに大きく重みづけされる。一方で、設備10がエレベータ24である場合、駆動用モータの駆動量に加えてかご内の荷重量が劣化に繋がるため、取得された稼働状況のうち、設備10への通電時間の係数α、及び、その他の数値として取得されたかご内の荷重量の係数δに大きく重みづけされる。稼働状況取得部44は、このようにして重みづけした後の稼働状況を劣化スピード予測部45へと出力する。
【0039】
劣化スピード予測部45は、稼働状況取得部44から出力された稼働状況に基づいて、設備10の劣化スピードを予測する機能部である。劣化スピード予測部45は、例えば、機械学習によって構築された学習モデルにより、稼働状況から劣化スピードの予測を行う。図3は、実施の形態における予測モデルについて説明する図である。図3に示すように、劣化スピード予測部45は、あらかじめ学習によって構築された上記の学習モデルである予測モデル45aを有する。劣化スピード予測部45は、予測モデル45aに、稼働状況取得部44から出力された稼働状況を入力し、入力に対する出力として劣化スピードの予測値を得る。
【0040】
予測モデル45aは、上記したように、あらかじめ学習によって構築されている。予測モデル45aの学習には、過去に得られた設備10の稼働状況と、この過去の稼働状況によって予測された過去の劣化スピードを、過去の劣化スピードに基づいて決定された監視タイミングでの監視結果によって補正した補正劣化スピードとが用いられる。過去の劣化スピードの補正は、例えば、監視結果からの判定で監視タイミングとしては早期であった場合、予測された劣化スピードが速いことが考えられる。したがって、予想された劣化スピードを遅く補正することで補正劣化スピードが得られる。また、例えば、監視結果からの判定で監視タイミングとしては晩期であった場合、予測された劣化スピードが遅いことが考えられる。したがって、予想された劣化スピードを速く補正することで補正劣化スピードが得られる。
【0041】
また、劣化スピードの補正における補正の程度は、例えば、監視タイミングがどの程度早期又は晩期であったかに基づく程度が考慮されてもよく、計算コストを削減するために、単に一定量であってもよい。前の監視タイミングから次の監視タイミングまでの監視周期が短い設備10においては、一定量の補正であっても比較的早い段階で適切な監視タイミングに収束するため後者が採用される場合がある。
【0042】
また、このような予測モデル45aは、設備10ごとに1つ用意されるが、例えば、同じ種別に属する2以上の設備において、予測モデル45aが共通化されてもよい。具体的には、同じ種別に属する設備である第1設備及び第2設備において、第1設備から過去に取得された稼働状況と、過去の監視タイミングにおいて実施された第1設備の監視結果に基づいて過去の監視タイミングの決定に用いられた劣化スピードを補正することで得られる補正劣化スピードとに基づいて学習された予測モデル45aを用いて、第2設備から取得された稼働状況から、第2設備の劣化スピードの予測が行われてもよい。
【0043】
これは、同じ種別の設備10においては、稼働状況と劣化スピードとの関係に相関性があることに基づいている。つまり同じ種別の設備10であれば、稼働状況が同程度の場合、劣化スピードも同程度となり得ることから、このように計算リソース、記憶領域等の削減として、予測モデル45aの共通化が有用となる。第3設備及び第4設備等、同じ種別の設備10の数にも特に制限なく、共通化された予測モデル45aを用いてもよい。
【0044】
また、このように予測モデル45aを共通化した場合、同じ種別の設備10のそれぞれから得られる稼働状況と補正劣化スピードとを学習に用いることができる。例えば、第1設備~第4設備までの4つの設備が同じ種別であった場合、一度に最大4つの稼働状況と4つの補正劣化スピードとを得ることができるため、学習効率をより向上することができる。
【0045】
劣化スピード予測部45は、以上のようにして得られた劣化スピードを監視タイミング決定部46へと出力する。
【0046】
監視タイミング決定部46は、劣化スピード予測部45から出力された劣化スピードに基づいて設備を監視する時期である監視タイミングを決定する機能部である。決定される監視タイミングは、具体的には、設備10の点検日のように、特定の月日を示す数値である。なお、監視周期が1日などの短い期間である設備10に対して施設保守管理システム100を適用する場合には、例えば、監視タイミングは、時刻などのより細かい数値として決定される。
【0047】
監視タイミング決定部46は、劣化スピード予測部45から出力された劣化スピードを、あらかじめ設定された標準スピードと比較することにより監視タイミングを決定する。標準スピードは、標準的な稼働状況で設備10が稼働していた場合の劣化スピードに相当する数値である。具体的には、監視タイミング決定部46は、劣化スピード予測部45から出力された劣化スピードが標準スピードより速い場合、標準的な稼働状況に比べてより劣化が進行していると判断し、監視タイミングをより前倒しに設定する。また、監視タイミング決定部46は、劣化スピード予測部45から出力された劣化スピードが標準スピードより遅い場合、標準的な稼働状況に比べてより劣化が緩やかであると判断し、監視タイミングをより後倒しに設定する。
【0048】
ここでは、監視タイミングの前倒し及び後倒しの基準として、既定タイミングが設定される。既定タイミングは、前回の設備10の点検が実施された月日を起点として、設備10に応じた期間だけ将来に設定されたタイミングである。設備10に応じた期間とは、設備10のメーカによる推奨の監視周期に対応していてもよく、設備10の種別から一般的に定められる監視周期に対応していてもよい。既定タイミングは、すなわち、メーカ又は一般的解釈によって標準的に設備10が稼働した際の監視周期に応じて、前回の設備10の点検から、当該監視周期だけ先の将来に設定された仮の点検予定日である。
【0049】
ここで、監視タイミング決定部46によって規定タイミングから更新される前倒し又は後倒しの期間は、例えば、前回の設備10の点検から、既定タイミングまでの期間の10%等に設定される。したがって、監視タイミング決定部46は、劣化スピードが標準スピードより速い場合に、この既定タイミングより10%だけ前に更新することで監視タイミングを決定し、劣化スピードが標準スピードより遅い場合に、既定タイミングより10%だけ後に更新することで監視タイミングを決定する。なお、監視タイミング決定部46による既定タイミングからの前倒し又は後倒しの期間は、上記の他であってもよい。例えば、単に1日、1週間等の固定の値であってもよい。
【0050】
また、監視タイミング決定部46は、決定した監視タイミングを端末装置50によって通知させるために用いられる、監視タイミングを含む通知情報を出力する。さらに、決定された監視タイミングは、後述の記憶部43にも格納される。格納された監視タイミングは、図示しない時計等と併せて、監視タイミングが到来したか否かの判定に用いられる。監視タイミングが到来したと判定された場合に、制御部42は、監視タイミングが到来したことを端末装置50によって通知させるために用いられる、監視タイミングが到来したことを含む通知情報を出力する。
【0051】
なお、このような監視タイミングの決定において説明される標準スピードは、所定の範囲を有していてもよい。つまり、監視タイミング決定部46は、所定の範囲うちの最も速い上限より劣化スピードが速い場合、既定タイミングより前に更新して監視タイミングを決定し、所定の範囲うちの最も遅い下限より劣化スピードが遅い場合、既定タイミングより後に更新して監視タイミングを決定する。このように、標準スピードに所定の範囲が設定されることで、劣化スピードとして出力される予測値のブレの影響を緩和することができる。すなわち、標準スピードに近い劣化スピードについては監視タイミングを更新することなく既定タイミングから一意に決定することができる。したがって、ここでの所定の範囲は、劣化スピードの予測値のブレなどに応じて設定され、予測モデル45aの学習量の増加に伴う劣化スピードの予測値の精度の向上に従って徐々に範囲が狭小化される。
【0052】
また、稼働状況からの予測値の正確度を向上するため、十分な期間(所定期間ともいう)の稼働状況が取得されたうえで劣化スピードの予測が行われる。図4は、実施の形態における劣化スピードを予測するタイミングを説明する図である。本実施の形態における劣化スピードの予測のタイミングは、前回の設備10の点検が実施された月日を起点として、所定期間が経過したタイミングである。所定期間は、図4に示すように、監視タイミングの基準値となる既定タイミングから設定される。一例として、所定期間は、上記に説明した既定タイミングによって定まる既定期間の30%以上かつ50%以下の期間に設定される。つまり、既定期間の30%以上かつ50%以下の期間が経過した時点で、劣化スピードの予測が行われる。
【0053】
既定期間の30%未満のタイミングで劣化スピードの予測を行うと、予測に用いられない期間の設備10の稼働状況の影響が大きく劣化スピードの正確性に欠く場合がある。また、既定期間の50%より後のタイミングで劣化スピードの予測を行うと、劣化スピードの正確性は向上するものの、劣化スピードの予測の時点で、監視タイミングを超過してしまう可能性が高まる。したがって、このように劣化スピードの予測のタイミングに既定タイミングに応じた期間が設けられることは、有用である。
【0054】
サーバ装置40の説明に戻り、記憶部43は、上記の制御部42において実行されるプログラム、及び、当該プログラムの実行に際して用いられる各種のデータを格納するための記憶装置であり、例えば、半導体メモリ等で実現される。記憶部43には、例えば、決定された監視タイミング、及び、稼働状況から監視タイミングを決定するまでの情報処理における各種中間出力値基準値等が格納されている。
【0055】
端末装置50は、端末通信部51、端末制御部52、端末記憶部53、及び、通知部54を備える。端末通信部51は、端末装置50とサーバ装置40との通信に用いられる通信モジュールである。より詳しくは、端末装置50は、端末通信部51により、ネットワーク60を経由してサーバ装置40と通信を行う。端末通信部51は、例えば、決定された監視タイミングの通知に用いられる通知情報をサーバ装置40から取得する。
【0056】
端末制御部52は、端末装置50の動作に関するプログラムを実行するための処理部であり、プロセッサ及びメモリ等を用いて構成される。端末制御部52は、例えば、端末装置50のユーザからの操作を受け付け、当該操作に従った処理を実行し、処理の結果を、例えば、ディスプレイ等の表示モジュール54a(後述する図5参照)に表示する。
【0057】
端末記憶部53は、上記の端末制御部52において実行されるプログラム、及び、当該プログラムの実行に際して用いられる各種のデータを格納するための記憶装置であり、例えば、半導体メモリ等で実現される。
【0058】
通知部54は、決定された監視タイミング、及び、決定された監視タイミングが到来したことの少なくとも一方の通知を行う提示用モジュールである。通知部54は、例えば、ディスプレイ等の表示モジュール54aで実現され、監視タイミング、及び、監視タイミングが到来したことの少なくとも一方の通知情報を画像として出力する。図5は、実施の形態における通知例について例示する第1図である。図5は、決定された監視タイミングを通知するための通知情報が端末装置50において画像として出力されている例を示している。
【0059】
図5に示すように、通知情報の出力により、例えば、端末装置50の表示モジュール54aには、通知の対象となる設備10を特定する情報が表示される。図中では、設備10を示す画像とともに、「3F空調機器」と表示されており、通知情報の出力によって図1で説明した施設15における第3フロア3Fの空調機器18に関する通知であることが特定可能である。また、通知情報の出力により、監視タイミングの決定に際して決定の根拠となった数値が表示される。図中では、「稼動状況が120%」と表示されており、劣化スピードが速いために監視タイミングが更新されたことを読み取ることができる。ここでの稼働状況は、上記の稼働状況取得部44において取得された稼働状況とは異なり、標準スピードに対する劣化スピードの比率の百分率表記として、通知のために新たに算出された値である。このように、通知部54において出力される通知情報には、監視タイミング及び監視タイミングが到来したことを示す情報の他の情報が含まれてもよい。
【0060】
また、通知情報の出力により、更新された監視タイミングが「点検日」として表示される。図中では、更新前の監視タイミング(つまり、既定タイミング)とともに、更新によって新たに決定された監視タイミングが表示されている、具体的には、更新前の監視タイミングが「5月22日」であったことが示され、更新後の監視タイミングが「5月15日」となったことが示されている。このように、管理者等は、監視タイミングの通知によって、「3F空調機器」が、「稼動状況が120%」であったために、「5月22日」に設定されていた監視タイミング(既定タイミング)から更新されて「5月15日」に決定されたことを知ることができる。管理者等は、この通知に従って、5月15日に3F空調機器の点検を行えばよい。
【0061】
また、図6は、実施の形態における通知例について例示する第2図である。図6は、決定された監視タイミングが到来したことを通知するための通知情報が端末装置50において画像として出力されている例を示している。
【0062】
図6に示すように、監視タイミングの到来は、表示モジュール54aにポップアップ表示される。通知情報の出力によるポップアップ表示には、監視タイミングが到来した設備10を特定するための情報が表示される。ここでは、図5と同様に「3F空調機器」の監視タイミングである「点検日」が到来したことが表示されている。また、通知情報の出力によるポップアップ表示には、当該ポップアップ表示に対する管理者等のアクションを取得するための操作ボタンが表示される。
【0063】
具体的には、図中に示すように該当する設備10が既に点検済みである場合に選択される「点検済」ボタン、及び、該当する設備10の点検を先送りする場合に選択される「あとで」ボタンが表示される。管理者等が「点検済」ボタンを選択すると、「点検済」ボタンが選択されたことの情報が、端末通信部51を介してネットワーク60を経由し、サーバ装置40に送信される。この情報は、該当する設備10が点検された月日として、次回の監視タイミングの決定の際の起点に用いられる。
【0064】
一方で、管理者等が「あとで」ボタンを選択すると、「あとで」ボタンが選択されたことの情報が、端末通信部51を介してネットワーク60を経由し、サーバ装置40に送信される。この情報は、該当する設備10が未点検で保留されたことを示し、監視タイミングが到来したことを再通知するために使用される。例えば、制御部42は、「あとで」ボタンが選択された時点から、あらかじめ設定された時間が経過した後、再び、監視タイミングが到来したことを通知するための通知情報を出力する。なお、あらかじめ設定された時間は、1時間、3時間、12時間、1日等の時間を設定できる。また、このあらかじめ設定された時間が既定タイミング等の設備10の監視周期に対応する期間から自動的に決定されてもよい。
【0065】
また、通知部54は、スピーカ等の音声出力モジュール(不図示)で実現されてもよく、この場合、監視タイミング、及び、監視タイミングが到来したことの少なくとも一方の通知情報を音声として出力する。このようにして通知部54は、監視タイミング、及び、監視タイミングが到来したことの少なくとも一方の通知情報を画像及び音声等で出力することにより、管理者等に通知する。
【0066】
[動作]
以上に説明した施設保守管理システム100の動作を図7及び図8を参照して説明する。図7は、実施の形態における保守管理システムの動作例を示す第1フローチャートである。また、図8は、実施の形態における保守管理システムの動作例を示す第2フローチャートである。図7に示すフローチャートは、施設保守管理システム100における、稼働状況の取得から監視タイミングの決定までの動作を示している。また、図8に示すフローチャートは、施設保守管理システム100における、監視タイミングの到来の判定動作を示している。
【0067】
図7に示すように、施設保守管理システム100では、はじめに、稼働状況取得部44が設備10から当該設備10の稼働状況を取得する(取得ステップS101)。稼働状況は、所定期間分取得される必要があるため、例えば、稼働状況取得部44が稼働状況の取得期間が所定期間に達したか否かを判定する(ステップS102)。取得期間が所定期間に達していないと判定した場合(ステップS102でNo)、取得ステップS101に戻り、稼働状況取得部44は、設備10から稼働状況の取得を行う。このように、取得期間が所定期間に達するまで稼働状況取得部44は、取得ステップS101を繰り返し、所定期間分の稼働状況を蓄積する。取得期間が所定期間に達した場合(ステップS102でYes)、稼働状況取得部44は、設備に応じた稼働状況の重みづけの処理を行い、処理後の稼働状況を劣化スピード予測部45へと出力する。
【0068】
劣化スピード予測部45は、稼働状況取得部44から出力された設備10の稼働状況に基づいて、設備10の劣化スピードを予測する(予測ステップS103)。劣化スピード予測部45は、予測した劣化スピードを監視タイミング決定部46へと出力する。
【0069】
監視タイミング決定部46は、劣化スピード予測部45から出力された劣化スピードに基づいて監視タイミングの決定の処理(決定ステップ)を行う。具体的には、はじめに、監視タイミング決定部46は、取得された劣化スピードが標準スピードよりも速いか否かの判定を行う(ステップS104)。監視タイミング決定部46は、劣化スピードが標準スピードよりも速いと判定した場合(ステップS104でYes)、既定タイミングよりも前倒しすることにより、監視タイミングを決定する(ステップS105)。監視タイミング決定部46は、決定した監視タイミングを含む通知情報を出力する。通知情報は、サーバ装置40から端末装置50へと送信され、通知部54によって通知情報に基づく監視タイミングが管理者等に通知される(ステップS106)。
【0070】
監視タイミング決定部46は、劣化スピードが標準スピードよりも速くないと判定した場合(ステップS104でNo)、さらに、取得された劣化スピードが標準スピードよりも遅いか否かの判定を行う(ステップS107)。監視タイミング決定部46は、劣化スピードが標準スピードよりも遅いと判定した場合(ステップS107でYes)、既定タイミングよりも後倒しすることにより、監視タイミングを決定する(ステップS108)。監視タイミング決定部46は、決定した監視タイミングを含む通知情報を出力する。通知情報は、サーバ装置40から端末装置50へと送信され、通知部54によって通知情報に基づく監視タイミングが管理者等に通知される(ステップS109)。
【0071】
また、監視タイミング決定部46は、劣化スピードが標準スピードよりも遅くないと判定した場合(ステップS107でNo)、監視タイミングとして既定タイミングをそのまま適用可能であるため、既定タイミングをそのまま監視タイミングとして決定する(ステップS110)。なお、既定タイミングがそのまま監視タイミングとして決定された場合、ステップS106又はステップS109と同様に通知部54における通知が行われてもよいが、本実施の形態では、このような通知を行わない。
【0072】
ただし、次回の監視タイミングを管理者に一度は通知しておくことが望ましい。そこで、制御部42は、例えば、前回の監視タイミングにおいて設備10の点検が完了した際の、「点検済」ボタンが押されたことをトリガとして、既定タイミングに基づく次回の仮の点検日を通知する。このようにして、施設保守管理システム100では、通知された仮の点検日が、更新されて変更になった場合にのみ、当該更新後の監視タイミングに基づく点検日が通知される。
【0073】
また、決定された監視タイミングが記憶部43に格納され、格納された監視タイミングと図示しない時計とを用いて図8に示すように、監視タイミングの到来を検知する。図8に示すように、例えば、制御部42は、監視タイミングが到来したか否かの判定を行い(ステップS201)、監視タイミングが到来したと判定すると(ステップS201でYes)、監視タイミングの到来を通知するための通知情報を出力する。出力された通知情報は、サーバ装置40から端末装置50へと送信され、通知部54によって通知情報に基づく監視タイミングの到来が管理者等に通知される(ステップS202)。一方で、監視タイミングが到来していなければ(ステップS201でNo)、制御部42は、監視タイミングが到来するまでステップS201の判定を繰り返す。
【0074】
このようにして、本実施の形態における施設保守管理システム100では、設備10の稼働状況に応じた監視タイミングを決定して、当該監視タイミングを適切に管理者等に通知する。
【0075】
[変形例]
以下、さらに、図9及び図10を参照して、実施の形態の変形例における施設保守管理システムについて説明する。なお、以下の説明では、上記実施の形態と同様の構成には同じ符号を付して示し、既説の内容を省略又は簡略化する。図9は、実施の形態の変形例における施設保守管理システムの機能構成を示すブロック図である。
【0076】
図9に示すように、図2で説明した実施の形態における施設保守管理システム100に比べて、本変形例における施設保守管理システム100aは、制御部42aの構成が異なっている。より具体的には、施設保守管理システム100aは、施設保守管理システム100の構成に加えて、制御部42aが、さらに、稼働結果取得部47及び設備監視部48を備える。つまり、施設保守管理システム100aは、施設保守管理システム100の機能に加えて、稼働結果取得部47及び設備監視部48によって実現される機能を備える。
【0077】
具体的には、施設保守管理システム100aは、設備10から稼働結果を取得して、当該稼働結果に基づいて、上記施設保守管理システム100と同様にして決定された監視タイミングにおいて、設備10の自動監視を実行する。
【0078】
稼働結果取得部47は、設備10の稼働結果を取得する機能部である。設備10の稼働結果とは、設備10が稼働したことにより得られる情報であり、例えば、上記に説明した稼働状況の少なくとも一部は、稼働結果に含まれる。例えば、通電時間は、設備10の稼働の結果、通電が行われた時間であり、稼働結果の1つとなり得る。また、設備10の電流投入回数及び電流放出回数は、設備10の稼働において、投入された電流の回数及び放出された電流の回数であり、いずれも、稼働状況に含まれ得る。稼働結果にはこの他に、例えば、設備10が空調機器16であった場合、設備10の稼働によって、当該設備10が設置された空間(例えば第4フロア4F)の温度及び湿度等がどのように変化したかの温湿度情報などが含まれてもよい。このように稼働結果には、設備10の機能が発揮された結果を数値化した情報、設備10の機能を発揮するために用いられた電力等のエネルギーを数値化した情報、及び、設備10に対して、当該設備10のユーザが行った操作を数値化した情報等が含まれる。
【0079】
ここで、さらに、稼働結果は、後述する設備監視部48によってどのような種別の自動監視を行うかによって、取得される稼働結果の内容が異なる。これについては、図10の説明と併せて一例を説明する。図10は、実施の形態の変形例における設備監視部について説明する図である。設備監視部48は、監視タイミングにおいて、取得された稼働結果に基づいて設備10の監視を実施する機能部である。設備監視部48は、例えば、設備10の日ごとの電力使用量を、過去の期間と比較することにより、監視対象の期間における設備10の異常等の検出を行う。
【0080】
図中では、この例に沿って取得された稼働結果が示されている。具体的には、図10には、監視対象の期間における日ごとの電気使用量の変化値のグラフが示されている。つまり、この例では、稼働結果取得部47は、稼働結果として、日ごとの電力使用量を取得すればよい。このように、稼働結果は、内容、及び取得周期、取得期間等が、設備監視部48の設計に応じて設定される。
【0081】
図10には、監視対象の期間における電力使用量を実線で、過去の期間における電力使用量を一点鎖線でそれぞれ示されている。例えば、設備監視部48は、自動監視によって、図中の(a)の矢印に示すように、過去の電力使用量に対して対象期間の電力使用量が所定以上低下した日を異常のあった日として検出する。同様に、設備監視部48は、自動監視によって、図中の(b)の矢印に示すように、過去の電力使用量に対して対象期間の電力使用量が所定以上上昇した日を異常のあった日として検出する。
【0082】
また、設備監視部48は、自動監視によって、図中の(c)の矢印に示すように、破線とドットハッチによって示される正常値範囲から外れた電力使用量を示した日を異常のあった日として検出する。また、設備監視部48は、自動監視によって、図中の(d)の矢印に示すように、前後日に対して、明らかな外れ値の電力使用量を示した日を異常のあった日として検出する。
【0083】
このように、設備監視部48は、決定された監視タイミングにおいて、稼働結果を種々の解析によって異常等の判定を行う。特に、管理者による点検などでは、感覚による点検が先行される場合があり、点検を行った管理者が変わると点検結果に変化が生じる場合がある。このとき、設備監視部48は、定量的な監視結果を提供できるため、有用である。例えば、監視結果に基づいて、予測モデル45aを学習させるための補正劣化スピードを生成する際に、定量的な監視結果を用いることで、予測モデル45aに人為的な不正値が影響しにくくなる。なお、管理者による点検と、設備監視部48による自動監視とは、並列して実施されてもよい。
【0084】
[効果等]
以上、説明したように本実施の形態の施設保守管理システム100は、施設15に設置された1以上の設備10を監視(又は点検)することにより施設15を保守管理する施設保守管理システム100であって、設備10の稼働状況を取得する稼働状況取得部44と、取得された稼働状況に基づいて、設備10の劣化スピードを予測する劣化スピード予測部45と、予測された劣化スピードに基づいて、設備10を監視する時期である監視タイミングを決定する監視タイミング決定部46と、を備え監視タイミング決定部46は、劣化スピードが標準スピードより速い場合に、既定タイミングより前に更新して監視タイミングを決定し、劣化スピードが標準スピードより遅い場合に、既定タイミングより後に更新して監視タイミングを決定する。
【0085】
このような施設保守管理システム100では、設備10から稼働状況を取得し、稼働状況に基づく劣化スピードから次回の監視時期として監視タイミングを決定することができる。これにより、設備10の稼働状況を考慮した適切な時期での設備10の監視を行うことができる。また、監視タイミングの決定には、設備10が標準的に稼働された場合における劣化スピードに相当する標準スピードとの比較によって行われるため、監視タイミングの決定のために複雑な計算等を必要としない。つまり、簡易な構成で、上記適切な監視タイミングの決定を実現できる。よって、本実施の形態の施設保守管理システム100によれば、より適切に施設を保守することが可能となる。
【0086】
稼働状況は、直近に設備10の監視が実施されたタイミング以降における通電時間、電流投入回数、及び、電流放出回数の少なくとも1つを含んでもよい。
【0087】
これによれば、通電時間、電流投入回数、及び、電流放出回数の少なくとも1つに基づいて、劣化スピードの予測を行うことができる。よって、通電時間、電流投入回数、及び、電流放出回数の少なくとも1つに基づいて、より適切に施設を保守することが可能となる。
【0088】
劣化スピード予測部45は、過去に取得された稼働状況と、過去の監視タイミングにおいて実施された設備10の監視結果に基づいて過去の監視タイミングの決定に用いられた劣化スピードを補正することで得られる補正劣化スピードとに基づいて学習された予測モデル45aを用いて、稼働状況から劣化スピードを予測してもよい。
【0089】
これによれば、稼働状況から劣化スピードを予測する際に、機械学習によって構築された予測モデル45aを用いることができる。取得された稼働状況が限られる場合においても、劣化スピードの予測精度の向上が期待できる。よって、劣化スピードの予測精度の向上により、より適切に施設を保守することが可能となる。
【0090】
施設保守管理システム100は、決定された監視タイミング、及び、決定された監視タイミングが到来したことの少なくとも一方の通知に用いられる通知情報を出力する通知部54を備えてもよい。
【0091】
これによれば、決定された監視タイミング、及び、決定された監視タイミングが到来したことの少なくとも一方が管理者に通知される。管理者は、通知された監視タイミング等に従って、設備10を監視すればよいので、決定された監視タイミングによる設備10の監視を容易に実施できる。よって、より適切に施設を保守することが可能となる。
【0092】
設備10の稼働結果を取得する稼働結果取得部47と、監視タイミングにおいて、取得された稼働結果に基づいて設備10の監視を実施する設備監視部48と、を備えてもよい。
【0093】
これによれば、管理者による設備10の監視を必要とせずに、設備10の監視を、設備監視部48によって自動的に行うことができる。設備監視部48によって実施される監視は、設備10の稼働状況に基づく劣化スピードに応じた、適切なタイミングで実施され、より適切に施設を保守することが可能となる。
【0094】
劣化スピード予測部45は、直近に設備10の監視が実施されたタイミングから、既定タイミングまで期間の30%以上かつ50%以下の所定期間が経過したタイミングで、稼働状況に基づいて、設備の劣化スピードを予測してもよい。
【0095】
これによれば、劣化スピードの予測を行うために十分な期間かつ、決定される監視タイミングが前倒しになる場合においても影響しにくい適切なタイミングで劣化スピードを予測することが可能となる。よって適切なタイミングで予測された劣化スピードに基づいて、より適切に施設を保守することが可能となる。
【0096】
設備10は、第1設備(例えば、空調機器16)及び第2設備(例えば、照明機器17)を含み、稼働状況取得部44は、設備10のうちの第1設備から稼働状況として第1稼働状況を取得し、設備10のうちの第2設備から稼働状況として第2稼働状況を取得し、劣化スピード予測部45は、取得した第1稼働状況に基づいて、第1設備の第1劣化スピードを予測し、取得した第2稼働状況に基づいて、第2設備の第2劣化スピードを予測し、監視タイミング決定部46は、第1劣化スピードと第1設備に対応する標準スピードである第1標準スピードとに比較に基づいて、第1設備の第1監視タイミングを決定し、第2劣化スピードと第2設備に対応する標準スピードである第2標準スピードとに比較に基づいて、第2設備の第2監視タイミングを決定してもよい。
【0097】
これによれば、設備10が複数ある場合にも、それぞれの設備10からそれぞれの稼働状況を取得し、それぞれの劣化スピードを予測して、それぞれの監視タイミングを決定することができる。よって、複数の設備10をそれぞれ適切に監視することにより、より適切に施設を保守することが可能となる。
【0098】
第1設備(例えば、空調機器16)及び第2設備(例えば、空調機器18)は、同じ種別に属し、劣化スピード予測部45は、第1設備から過去に取得された第1稼働状況と、過去の第1監視タイミングにおいて実施された第1設備の監視結果に基づいて過去の第1監視タイミングの決定に用いられた第1劣化スピードを補正することで得られる補正劣化スピードとに基づいて学習された予測モデル45aを用いて、第2稼働状況から第2劣化スピードを予測してもよい。
【0099】
これによれば、複数の設備10が設置されている場合に、これらの設備10に同じ種別の設備10があれば、当該同じ種別の設備10において、予測モデル45aを共通化することができる。言い換えると、個々の設備10ごとに予測モデル45aを構築する必要がなくなるため、予測モデル45aを構築及び保持するための構成を省略することができる。よって、簡易な構成で、より適切に施設を保守することが可能となる。
【0100】
また、本実施の形態における施設保守管理方法の一態様は、施設15に設置された1以上の設備10を監視することにより施設15を保守管理する施設保守管理方法であって、設備10の稼働状況を取得する取得ステップS101と、取得された稼働状況に基づいて、設備10の劣化スピードを予測する予測ステップ103と、予測された劣化スピードに基づいて、設備10を監視する時期である監視タイミングを決定する決定ステップと、を含み決定ステップでは、劣化スピードが標準スピードより速い場合に、既定タイミングより前に更新して監視タイミングを決定し、劣化スピードが標準スピードより遅い場合に、既定タイミングより後に更新して監視タイミングを決定する。
【0101】
これによれば、上記施設保守管理システム100と同様の効果を奏することができる。
【0102】
また、本実施の形態における一態様は、上記に記載の施設保守管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することもできる。
【0103】
これによれば、コンピュータを用いて、より適切に施設を保守することが可能となる。
【0104】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0105】
例えば、上記実施の形態において、特定の処理部又は機能部が実行する処理を別の処理部又は機能部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態において、制御部などの各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0107】
また、制御部などの各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0108】
また、本開示の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0109】
また、例えば、上記実施の形態においては、施設保守管理システムのうち、稼働状況の取得から監視タイミングの決定までの機能主体としてサーバ装置を一例に説明したが、このような機能主体は、端末装置に実装されてもよいし、終端装置に実装されてもよい。また、各種の通知を行う通知部が、サーバ装置に備えられてもよく、サーバ装置の管理者が施設の管理者として監視を行う構成で施設保守管理システムを実現することもできる。各種の通知を行う通知部が、終端装置に備えられてもよく、施設に駐在する施設の管理者が監視を行う構成で施設保守管理システムを実現することもできる。
【0110】
このように、施設に設置された各種の設備と、上記機能主体を備える1つの施設保守管理装置とによって施設保守管理システムが実現されてもよい。また、上記に説明した以外の装置を備える上位システムの一部機能として、施設保守管理システムが実現されてもよい。
【0111】
また、上記実施の形態では、劣化スピード予測部が予測モデルを用いて劣化スピードを予測する例を説明したが、劣化スピード予測部は、単に稼働状況の標準値と、稼働状況との比較によって、劣化スピードを算出してもよい。つまり、あらかじめ設備ごとに設定された稼働状況の標準値に対する出力された稼働状況の比率が80%であった場合、劣化スピードを80%として予測する。この場合、劣化スピードは標準値の20%程度遅い値と予測されている。同様にして、稼働状況の標準値に対する出力された稼働状況の比率が120%であった場合、劣化スピードをとして予測する。この場合、劣化スピードは20%程度速い値として予測されている。
【0112】
また、上記実施の形態では、監視タイミング決定部は、標準スピードに対して、予測された劣化スピードが速いか遅いかによって、既定タイミングから前倒し又は後倒しすることで監視タイミングを決定したが、監視タイミングの決定は、他の方法で行われてもよい。例えば、監視タイミング決定部は、劣化スピード予測部において予測された劣化スピードに対する標準スピードの比を算出し、既定タイミングまでの既定期間に対して、算出した比を乗じて、劣化スピードに応じた期間を得てもよい。前回の設備の点検が実施された月日を起点として、劣化スピードに応じた期間だけ将来にあたる月日を監視タイミングとして決定することで、標準スピードに対してどの程度劣化スピードが速い又は遅いかに応じた監視タイミングを決定することができる。なお、場合も、監視タイミング決定部は、劣化スピードと標準スピードが一致する場合には、上記の算出される比が1となるため、既定タイミングをそのまま監視タイミングとして決定する。
【0113】
また、本開示は、上記実施の形態の施設保守管理システムなどのコンピュータによって行われる施設保守管理方法として実現されてもよいし、施設保守管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本開示は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0114】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0115】
10 設備
15 施設
44 稼働状況取得部
45 劣化スピード予測部
45a 予測モデル
46 監視タイミング決定部
47 稼働結果取得部
48 設備監視部
54 通知部
100、100a 施設保守管理システム
図1
図2
図3
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図8
図9
図10