(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、表示端末、情報処理方法及び表示方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240621BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20240621BHJP
G06Q 50/26 20240101ALI20240621BHJP
【FI】
G08G1/00 C
G08G1/01 A
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2023540262
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 JP2022028532
(87)【国際公開番号】W WO2023013449
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2021129274
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 崇徳
(72)【発明者】
【氏名】田辺 匠
(72)【発明者】
【氏名】吉川 将之
(72)【発明者】
【氏名】河本 弘和
(72)【発明者】
【氏名】柳沼 裕忠
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/203391(WO,A1)
【文献】特開2019-82766(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0048810(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
G08G 1/01
G06Q 50/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートプランニングの実施を計画している計画範囲を少なくとも含む計画情報を取得する取得部と、
移動体の属性ごとの行動データを計測する少なくとも1つの計測手段に関する、計測可能な前記行動データを示す属性情報と、計測場所の特性を示す配置場所情報とを含む計測情報を格納する記憶部と、
前記計測情報に基づいて、前記計画範囲に含まれる前記計測場所において前記計測手段により前記行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する評価レベルを算出し、前記計画範囲における前記評価レベルを示すための支援情報を出力する演算部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記評価レベルは、前記計画範囲に含まれる前記計測場所において前記計測手段により前記行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングにより評価可能な少なくとも1つの項目に関する、スマートプランニングの程度を示す情報である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記演算部は、前記計画範囲の全体について前記評価レベルを算出する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記演算部は、前記計画範囲を分割した複数の領域又は前記計画範囲に対応する道路ネットワーク構造に沿った複数の領域それぞれについて前記評価レベルを算出する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記配置場所情報は、前記特性として、前記計測手段による計測可否、天候による計測への影響度、周辺建物による計測への影響度及び時間による計測への影響度のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記属性情報は、計測可能な範囲、日没後の計測の可否、逆光時の計測の可否、通行量計測の可否、性別識別の可否、移動体モード識別の可否、笑顔識別の可否及び同伴者識別の可否のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記計測情報は、予め前記行動データを計測した少なくとも1つの計測手段に関する情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記演算部は、前記計測手段ごとの前記評価レベルに対する寄与度を算出し、算出された前記寄与度を前記支援情報として出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記計測情報は、前記行動データを計測予定の少なくとも1つの計測手段に関する情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記演算部は、前記配置場所情報に基づき、前記計画範囲のうちの前記計測手段による前記行動データの計測が不可能な計測場所を示すための支援情報を出力する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記計画情報は、スマートプランニングにおける評価対象の項目を示す情報を含み、
前記演算部は、前記評価レベルに対する前記評価対象の項目の寄与度に応じて推薦する計測手段及び計測場所を決定し、前記計画範囲における前記計測場所及び前記計測手段を示すための支援情報を出力する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記記憶部は、前記計測情報と前記行動データの計測に要するコストとの対応を示すテーブルを格納し、
前記演算部は、前記行動データを計測予定の少なくとも1つの計測手段それぞれに関して、前記評価レベルを増加させ、かつ、前記コストを減少させる最適化計算に基づき推薦する計測手段及び計測場所を決定し、前記計画範囲における前記計測場所及び前記計測手段を示すための支援情報を出力する、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記支援情報に基づき、前記計画範囲における前記評価レベルを示す表示画面を表示する表示部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記計測情報は、手計測、カメラ性能、公衆無線LAN及びETC2.0受信機のうちの少なくとも1つを含む計測手段の種類を示す情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記計画範囲は、スマートプランニングの実施を計画している地図上の範囲であり、
前記支援情報は、前記評価レベルを前記地図上に示すための情報である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
移動体の属性ごとの行動データを計測する少なくとも1つの計測手段に関する、計測可能な前記行動データを示す属性情報と、計測場所の特性を示す配置場所情報とを含む計測情報に基づいて算出された、スマートプランニングの実施を計画している計画範囲に含まれる前記計測場所において前記計測手段により前記行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する評価レベルを前記計画範囲において示すための支援情報を取得する取得部と、
前記支援情報に基づき、前記計画範囲における前記評価レベルを示す表示画面を表示する表示部と
を具備する表示端末。
【請求項17】
スマートプランニングの実施を計画している計画範囲を少なくとも含む計画情報を取得することと、
移動体の属性ごとの行動データを計測する少なくとも1つの計測手段に関する、計測可能な前記行動データを示す属性情報と、計測場所の特性を示す配置場所情報とを含む計測情報を格納することと、
前記計測情報に基づいて、前記計画範囲に含まれる前記計測場所において前記計測手段により前記行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する評価レベルを算出し、前記計画範囲における前記評価レベルを示すための支援情報を出力することと
を含む情報処理方法。
【請求項18】
移動体の属性ごとの行動データを計測する少なくとも1つの計測手段に関する、計測可能な前記行動データを示す属性情報と、計測場所の特性を示す配置場所情報とを含む計測情報に基づいて算出された、スマートプランニングの実施を計画している計画範囲に含まれる前記計測場所において前記計測手段により前記行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する評価レベルを前記計画範囲において示すための支援情報を取得することと、
前記支援情報に基づき、前記計画範囲における前記評価レベルを示す表示画面を表示することと
を含む表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、表示端末、情報処理方法及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば人の属性ごとの行動データをもとに、利用者の利便性や事業者の事業活動を同時に最適化する施設立地や回遊動線の構築を検討するための回遊行動シミュレーションによる都市計画の計画手法、すなわちスマートプランニングには需要がある。なお、「スマートプランニング」とは、歩行者や車両等の移動体の行動データを収集する態様であってもよいし、行動データを可視化する態様であってもよいし、行動をシミュレーションする態様であってもよいし、これらを組み合わせた態様であっても構わない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
スマートプランニングを行うためには、歩行者や車両等の移動体の行動データとしての流量及び属性データが必要となるが、例えば地方都市においては、スマートプランニングを可能にするだけの既存計測データが存在しない場合があった。スマートプランニングを行うために必要なデータは、例えば手計測による交通量調査やカメラを設置して行うカメラ計測、スマートフォンにより得られる移動軌跡データであるプローブデータの取得などの追加計測により補うことができる。しかしながら、既存計測データによりどの程度のスマートプランニングが可能であるかを把握したり、どの程度の追加計測が必要であるかを把握したりすることは困難であった。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、スマートプランニングを実現するためのデータ計測を支援することである。
【0006】
本開示に係る情報処理装置は、取得部と、記憶部と、演算部とを備える。前記取得部は、スマートプランニングの実施を計画している計画範囲を少なくとも含む計画情報を取得する。前記記憶部は、移動体の属性ごとの行動データを計測する少なくとも1つの計測手段に関する、計測可能な前記行動データを示す属性情報と、計測場所の特性を示す配置場所情報とを含む計測情報を格納する。前記演算部は、前記計測情報に基づいて、前記計画範囲に含まれる前記計測場所において前記計測手段により前記行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する評価レベルを算出し、前記計画範囲における前記評価レベルを示すための支援情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る支援システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るセンサ情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るセンサ配置場所情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る評価レベル情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る評価レベル情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る評価レベル情報の別の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る支援システムで実行される支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る支援処理で表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る支援処理で表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る支援処理で表示される表示画面の別の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る支援処理で表示される表示画面の別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る情報処理装置、表示端末、情報処理方法及び表示方法の実施形態について説明する。
【0009】
なお、本開示の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を適宜省略する場合もある。また、同一又は略同一の部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。また、例えば図面の視認性を確保する観点から、各図面の説明において主要な構成要素だけに参照符号を付し、既出の図において前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素であっても参照符号を付していない場合もある。
【0010】
図1は、実施形態に係る支援システム1の構成の一例を示すブロック図である。実施形態に係る支援システム1は、スマートプランニングを実現するためのデータ計測を支援する支援処理を実行するシステムである。ここで、「スマートプランニング」とは、例えば人の属性ごとの行動データをもとに、利用者の利便性や事業者の事業活動を同時に最適化する施設立地や回遊動線の構築を検討するための回遊行動シミュレーションによる都市計画の計画手法である。なお、本実施形態において、「スマートプランニング」とは、行動データを収集する態様であってもよいし、行動データを可視化する態様であってもよいし、行動をシミュレーションする態様であってもよいし、これらを組み合わせた態様であっても構わない。また、本実施形態において、行動データとは、例えば、歩行者や車両等の移動体の属性ごとのデータであり、移動体に関する流量及び属性データを含むデータである。行動データとしては、人流や車流、移動速度、移動方向、移動距離、滞留時間、移動や滞留の頻度、人の表情や動作などの各種データが適宜利用可能である。利用される行動データは、例えばスマートプランニングの目的や要求精度などに応じて選択されても構わない。
【0011】
一例として、支援システム1は、支援処理を実行する単一の装置により構成されている。当該装置としては、パーソナルコンピュータ(PC)等が適宜利用可能である。支援システム1は、例えば、
図1に示すように、記憶部3、入力部5、評価レベル計算部7及び表示部9を含む。このとき、支援システム1は、センサ情報31及びセンサ配置場所情報32に基づき、計画情報に応じた支援情報としての評価レベル情報を出力する情報処理装置の一例である。同様に、支援システム1は、支援情報としての評価レベル情報33を表示する表示端末の一例である。
【0012】
別の一例として、支援システム1は、支援処理を分散して実行する複数の装置により構成されている。例えば、支援システム1は、
図1に破線枠で示すように、サーバ装置としての少なくとも1つの情報処理装置1aと、クライアント装置としての少なくとも1つの表示端末1bとを含む、サーバクライアント型のシステムとして構築することができる。
【0013】
情報処理装置1aは、例えば、記憶部3及び評価レベル計算部7を実現する。情報処理装置1aは、例えば、入力部5をさらに実現してもよい。支援処理において情報処理装置1aは、センサ情報31及びセンサ配置場所情報32に基づき、計画情報に応じた支援情報としての評価レベル情報を出力する。情報処理装置1aとしては、サーバ装置、PC等が適宜利用可能である。
【0014】
表示端末1bは、例えば、入力部5及び表示部9を実現する。支援処理において表示端末は、情報処理装置1aから出力された、支援情報としての評価レベル情報33を表示する。表示端末1bは、例えば、記憶部3に一部又は全部をさらに実現してもよい。表示端末1bとしては、スマートフォンやタブレットPC等が適宜利用可能である。
【0015】
当該支援システム1において、情報処理装置1a及び表示端末1bは、ネットワークを介して、通信可能に接続される。ネットワークとしては、例えばインターネット等の電気通信回線が利用可能である。
【0016】
なお、表示端末1bは、ディスプレイ装置として構成することもできる。この場合、入力部5は、表示端末1bではなく、情報処理装置1aにより実現されればよい。
【0017】
なお、本実施形態では、説明の簡単のために、支援処理を実行する単一の情報処理装置により構成された支援システム1を例示する。
【0018】
図2は、実施形態に係る支援システム1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。支援システム1としての情報処理装置は、
図2に示すように、プロセッサ11、メモリ12、通信回路13、ディスプレイ14及びタッチパネル15を有する。プロセッサ11、メモリ12、通信回路13、ディスプレイ14及びタッチパネル15は、例えばバス19を介して通信可能に接続される。
【0019】
なお、サーバクライアント型のシステムとして支援システム1が構築される場合、例えば、少なくとも1つの情報処理装置それぞれは、プロセッサ11、メモリ12及び通信回路13と同様の構成を有する。
【0020】
なお、サーバクライアント型のシステムとして支援システム1が構築される場合、少なくとも1つの情報処理装置それぞれは、ディスプレイ14及びタッチパネル15と同様の構成をさらに有していてもよい。例えば、少なくとも1つの表示端末それぞれは、プロセッサ11、メモリ12、通信回路13、ディスプレイ14及びタッチパネル15と同様の構成を有する。
【0021】
プロセッサ11は、支援システム1の全体の動作を制御する。プロセッサ11は、メモリ12のRAMにロードされた支援プログラムを実行することにより、記憶部3、入力部5、評価レベル計算部7及び表示部9としての機能を実現する。プロセッサ11としては、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の各種のプロセッサが適宜利用可能である。
【0022】
メモリ12は、支援システム1で使用される各種のデータやプログラムを記憶する。メモリ12は、プロセッサ11の制御に従って記憶部3を実現する。メモリ12に記憶されるデータは、計画情報、センサ情報31、センサ配置場所情報32、評価レベル情報33及び地図情報34を含む。メモリ12に記憶されるプログラムは、プロセッサ11により実行されることにより支援処理を実現するための支援プログラムを含む。ここで、支援処理とは、計画情報に基づいて支援情報を出力する情報処理と、出力された支援情報を表示する表示処理とを含む。メモリ12としては、ROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、Flashメモリ等の各種の記憶媒体や記憶装置が適宜利用可能である。また、メモリ12には、一時的に作業中のデータを記憶するRAM(Random Access Memory)がさらに設けられる。
【0023】
通信回路13は、ネットワークを介して、支援システム1の外部と通信するための回路である。なお、サーバクライアント型のシステムとして支援システム1が構築される場合、通信回路13は、ネットワークを介して、少なくとも1つの情報処理装置と、少なくとも1つの表示端末とのうちの任意の装置間での通信を実現するための回路である。この場合、通信回路13は、プロセッサ11の制御に従って情報処理装置1aにおける入力部5を実現する。通信回路13としては、有線通信用の通信回路、無線通信用の通信回路及びこれらの組合せが適宜利用可能である。無線通信用の通信回路としては、3Gや4G、5G、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の各種の規格に対応した通信回路が適宜利用可能である。
【0024】
ディスプレイ14は、ユーザに表示画面を提示する。ディスプレイ14は、プロセッサ11の制御に従って表示部9を実現する。ディスプレイ14としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクタ等が適宜利用可能である。タッチパネル15は、ユーザの入力を受け付ける。タッチパネル15は、例えばディスプレイ14の表面に設けられ、触れられた位置に応じた情報を出力する。
【0025】
なお、支援システム1は、タッチパネル15に限らず、キーボード等の他の入力装置(入力部5)を有していても構わない。また、支援システム1は、ユーザの音声入力を受け付けるマイクロフォン(入力部5)や音声データに応じた音声を出力するスピーカ等(提示部)をさらに備えていても構わない。これらの場合、支援システム1において、計画情報が音声により入力されてもよいし、支援情報を示す表示画面の内容が音声によりユーザに提示されてもよい。
【0026】
なお、支援システム1は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体や可搬型の外部記憶装置を介して、センサ情報31、センサ配置場所情報32、評価レベル情報33及び地図情報34のうちの少なくとも1つを格納するデータベースにアクセス可能に構成されていても構わない。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、CD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等が適宜利用可能である。また、可搬型の外部記憶装置としては、HDDやSSD、Flashメモリ等が適宜利用可能である。
【0027】
記憶部3は、センサ情報31、センサ配置場所情報32、評価レベル情報33及び地図情報34を格納する。なお、センサ情報31を格納するデータベースと、センサ配置場所情報32を格納するデータベースと、評価レベル情報33を格納するデータベースと、地図情報34を格納するデータベースとは、1つのデータベースとして構成されてもよいし、複数のデータベースとして構成されてもよい。
【0028】
ここで、センサ情報31及びセンサ配置場所情報32とは、計測情報に含まれる情報である。一例として、計測情報は、予め前記行動データを計測した少なくとも1つの計測手段に関する情報であり、計測条件と、計測済データとを含む。計測条件は、計測地点(計測場所)と、天候や曜日などの計測日時と、計測手段の種類とを含む。計測手段の種類としては、例えば、手計測やカメラ性能A、カメラ性能B、Wi-Fi(登録商標)スポット、ETC2.0受信機などがあり得る。Wi-Fiスポットとは、例えばインターネット等の電気通信回線へ無線接続可能な公衆無線LANサービスが提供されている場所である。なお、公衆無線LANは、Wi-Fiに限らず、他の無線通信が利用されていてもよい。
【0029】
図3は、実施形態に係るセンサ情報31の一例を示す図である。センサ情報31は、移動体の属性ごとの行動データを計測する少なくとも1つの計測手段に関する、計測可能な前記行動データを示す属性情報の一例である。ここで、移動体とは、人及び人を輸送する自転車や自動車などの車両のうちの少なくとも一方である。センサ情報31は、
図3に示すように、各計測手段について、計測可能な範囲、日没後の計測の可否、逆光時の計測の可否、通行量計測の可否、性別識別の可否、移動体モード識別の可否、笑顔識別の可否及び同伴者識別の可否のうちの少なくとも1つを含む情報である。
【0030】
図4は、実施形態に係るセンサ配置場所情報32の一例を示す図である。センサ配置場所情報32は、計測場所の特性を示す配置場所情報の一例である。センサ配置場所情報32は、
図4に示すように、各計測場所について、計測手段による計測可否、天候による計測への影響度、周辺建物による計測への影響度及び時間による計測への影響度のうちの少なくとも1つを含む情報である。
【0031】
図5は、実施形態に係る評価レベル情報33の一例を示す図である。評価レベル情報33は、計測情報に基づいて算出される、計画範囲に含まれる計測場所において計測手段により行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する情報の一例である。ここで、計画範囲とは、スマートプランニングの実施を計画している範囲である。一例として、計画範囲は、スマートプランニングの実施を計画している地図上の範囲である。一例として、計画範囲は、スマートプランニングの実施を計画している範囲を規定する情報であり、名称や地名などの範囲、あるいは特定の位置からの距離などの範囲を示す情報である。具体的には、評価レベル情報33は、当該実現可能なスマートプランニングにより評価可能な少なくとも1つの項目に関する、スマートプランニングの程度を示す情報である。つまり、評価レベル情報33は、計測情報を用いることにより、どのような精度でスマートプランニングが可能になるかを示す情報である。評価レベル情報33の算出については、後述する。
【0032】
地図情報34は、メッシュ地図や道路ネットワーク地図などの地図データである。一例として、地図情報34は、道路ネットワーク構造データを含む。なお、道路ネットワーク構造データには、自動車などの車両が走行する道路に関するネットワーク構造データに限らない。道路ネットワーク構造データは、当該道路に附随する自転車専用レーンや歩道、商店街などのアーケードに設けられた通路など、人や各種の移動体に係る移動経路に関するネットワーク構造データであり得る。
【0033】
入力部5は、ユーザの操作入力を受け付ける。入力部5は、計画範囲を少なくとも含む計画情報を取得する取得部の一例である。なお、計画情報は、計画範囲に限らず、種々の都市計画に関する情報を含む。例えば、計画情報は、建造物や道路、店舗、駅、バス停などの現状及び計画、店舗や施設の営業時間、イベント情報や対象の季節、日時、曜日、天候、人口分布などの情報を含む。
【0034】
評価レベル計算部7は、計測情報に基づいて、計画範囲に含まれる計測場所において計測手段により行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する評価レベル情報33を算出する。評価レベル計算部7は、演算部の一例である。
【0035】
具体的には、評価レベル計算部7は、計測地点や日時、計測手段などの計測条件と、道路ネットワーク構造データと、計測地点からの視野のデータと、建物などの障害物による死角や日陰、逆光などの日照データとを適宜突合することにより評価レベル情報33を算出する。
【0036】
より具体的には、評価レベル計算部7は、計測情報やセンサ情報31、センサ配置場所情報32に基づくパラメータを用いて、計画範囲に含まれる地図上の各場所について、スマートプランニングにより評価可能な少なくとも1つの項目のいずれに属するかを算出する。
【0037】
ここで、計測情報やセンサ情報31、センサ配置場所情報32に基づくパラメータとは、例えば、移動体の交通量評価の可否、移動体のOD評価の可否、移動体の滞在時間評価の可否、通行者の性別や年齢識別の可否、笑顔率や同伴者の有無などの歩行者の多様性識別の可否、移動体が歩行者であるか、自転車であるか、車であるかなどの移動体モード識別の可否、計測可能な天候や曜日、時間帯などが適宜利用可能である。
【0038】
また、スマートプランニングにより評価可能な少なくとも1つの項目とは、例えば、交通量評価可能なエリア、歩行者笑顔識別可能なエリア、通行者の性別識別可能なエリア、同伴者識別可能なエリア、移動体モード識別可能なエリア、日没後計測可能なエリア、移動体の軌跡追跡(OD評価)可能なエリアのうちの少なくとも1つである。
【0039】
例えば、評価レベル計算部7は、計測条件と道路ネットワーク構造データとを突合することにより、各場所における移動体のOD評価の可否を示すパラメータの値を算出し、移動体の移動体のOD評価可能なエリアに所属するか否かを算出する。
【0040】
そして、評価レベル計算部7は、スマートプランニングにより評価可能な少なくとも1つの項目を重み付け加算することにより、評価レベル情報33の値を算出する。各項目の重みは、例えばスマートプランニングによる都市計画の計画者が、計画情報の一部として入力する。各項目の重みは、例えば女性を集めるような都市計画をスマートプランニングにより実施したい場合や車の移動をメインとする都市計画をスマートプランニングにより実施したい場合など、計画者が求める都市計画の目的に応じて適宜設定されればよい。
【0041】
なお、既存の計測データを用いる際に、当該計測データの計測条件の一部が不明な場合もあり得る。このようにパラメータが不確実性を持つ場合には、評価レベル情報33を確率的に算出すればよい。
【0042】
一例として、評価レベル計算部7は、例えば
図5に示すように、計画範囲の全体についての総合評価としての評価レベル情報33を算出する。別の一例として、評価レベル計算部7は、例えば
図5に示すように、計画範囲内の各場所についての評価レベル情報33を算出する。また、評価レベル計算部7は、算出された評価レベル情報33を地図上で示すための支援情報として出力する。
【0043】
図6は、実施形態に係る支援情報としての評価レベル情報33の一例を示す図である。例えば、評価レベル計算部7は、
図6に示すように、計画範囲を分割した複数の領域それぞれについての2次元マトリックス状の評価レベル情報33を、地図上で示すための支援情報として出力する。この複数の領域それぞれは、例えば地図情報34がメッシュ地図である場合、メッシュ地図のうちの計画範囲内の複数のメッシュそれぞれに対応する。もちろん、地図情報34が3次元メッシュ地図であれば、評価レベル情報33は、3次元に配置された複数のメッシュのそれぞれについて算出されることになる。
【0044】
図7は、実施形態に係る支援情報としての評価レベル情報33の別の一例を示す図である。例えば、評価レベル計算部7は、
図7に示すように、計画範囲に対応する道路ネットワーク構造に沿った複数の領域それぞれについての道路ネットワークの2次元構造に沿った評価レベル情報33を、地図上で示すための支援情報として出力する。この複数の領域それぞれは、例えば地図情報34が道路ネットワーク地図である場合、ネットワーク地図のうちの計画範囲内の複数のノードそれぞれに対応する。もちろん、地図情報34が3次元道路ネットワーク地図であれば、評価レベル情報33は、3次元に配置された複数のノードそれぞれについて算出されることになる。
【0045】
また、評価レベル計算部7は、計測手段ごとの評価レベル情報33に対する寄与度を算出し、算出された寄与度を支援情報として出力する。具体的には、評価レベル計算部7は、各計測手段に関する計測情報が評価レベル情報33の値の増加にどの程度寄与しているかを案分計算することにより、計測情報ごとの評価レベル情報33の値の増加に対する寄与度を算出する。
【0046】
表示部9は、評価レベル計算部7により出力された支援情報に基づき、評価レベル情報33が地図上に重畳された表示画面を表示する。表示画面については、後述する。
【0047】
以下、図面を参照して、実施形態に係る支援システム1の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の流れは一例であり、処理順序の変更や一部の処理の削除、他の処理の追加も可能である。
【0048】
支援システム1では、計画情報に応じた支援情報を出力する情報処理と、出力された支援情報を表示する表示処理とを含む支援処理が実行される。
図8は、実施形態に係る支援システム1で実行される支援処理の一例を示すフローチャートである。
図9及び
図10は、それぞれ実施形態に係る支援処理で表示される表示画面の一例を示す図である。
【0049】
なお、
図8の流れは、センサ情報31及びセンサ配置場所情報32が記憶部3に格納された状態で開始されるとする。
【0050】
入力部5は、ユーザによる計画情報の入力を受け付ける。また、評価レベル計算部7は、計画情報を入力部5から取得する(S101)。
【0051】
評価レベル計算部7は、計画情報に含まれる計画範囲に対応するセンサ情報31を記憶部3から取得する(S102)。
【0052】
評価レベル計算部7は、計画情報に含まれる計画範囲に対応するセンサ配置場所情報を記憶部3から取得する(S103)。
【0053】
また、評価レベル計算部7は、ステップS103の後、計画範囲に対応する地図情報34と、既存計測データを計測した計測手段の種類及び計測場所を示す情報とを表示部9に出力する。表示部9は、
図9に示すように、計画範囲に対応する地図上に既存計測データを計測した計測手段を示すアイコンを重畳した表示画面910を表示する。
図9において、既設a、既設b及び既設cは、それぞれ手計測による交通量調査により得られた既存計測データの存在を示す。また、
図9において、既設d及び既設eは、カメラ計測により得られた既存計測データの存在を示す。例えば、カメラの性能や設置環境が異なる場合、
図9において既設d及び既設eとして示すように、互いに異なるアイコンで表示され得る。
【0054】
評価レベル計算部7は、計画情報、センサ情報31及びセンサ配置場所情報32に基づき、評価レベル情報33を計算する(S104)。
【0055】
評価レベル計算部7は、評価レベルを可視化する(S105)。具体的には、評価レベル計算部7は、算出された評価レベルを示す評価レベル情報33を表示部9に出力する。表示部9は、
図10に示すように、計画範囲に対応する地図上に評価レベル情報33を重畳した表示画面920を表示する。
図10に斜線ハッチングで示すように、表示画面920においては、地図上に評価レベル情報33として交通量評価可能なエリアが重畳表示されている。
【0056】
このように、実施形態に係る支援システム1は、計測情報に基づいて、計画範囲に含まれる計測場所において計測手段により行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する評価レベル情報33を算出し、算出された評価レベル情報33を地図上で示すための支援情報を出力する。これにより、評価可能な地理範囲や時間帯、通行者性別や表情、移動モードなどの識別可能な移動体属性を、評価レベル情報33として地図上に表示することができる。このため、ユーザは、既存の計測データを用いてどの程度のスマートプランニングが可能かを容易に把握することができる。また、実施形態に係る支援システム1は、既存計測データの活用によりスマートプランニング可能となる内容を地図上に表示するため、ユーザは、追加計測の要否についても容易に判断することができる。したがって、実施形態に係る支援システム1によれば、スマートプランニングを実現するためのデータ計測を支援することができる。
【0057】
なお、計測情報は、予め前記行動データを計測した少なくとも1つの計測手段に関する情報に限らず、行動データを計測予定の少なくとも1つの計測手段に関する情報であってもよい。具体的には、実施形態に係る支援システム1は、追加計測による評価レベル情報33の変化を可視化してもよい。
【0058】
一例として、入力部5は、追加候補の計測情報のユーザ入力をさらに受け付ける。評価レベル計算部7は、追加候補の計測情報に基づき、評価レベル情報33を算出し、表示部9に出力する。これにより、追加計測情報を加味して評価レベルが更新及び可視化されるため、ユーザは、追加計測の要否を容易に判断することができる。
【0059】
別の一例として、入力部5は、スマートプランニングにおける評価対象の項目を示す情報と、制約条件とを計画情報としてさらに受け付ける。ここで、スマートプランニングにおける評価対象の項目を示す情報とは、スマートプランニングにより評価可能な少なくとも1つの項目のうちのユーザが都市計画の目的に応じて選択する項目であって、最大化したい評価レベルパラメータである。また、制約条件とは、例えば予算の制限、計測地点数や計測日時、計測手段などの計測情報に関する制限である。評価レベル計算部7は、設置可能場所で追加計測した場合の、追加計測前後での評価レベル情報33の値を網羅的に計算し、追加候補の項目に関する評価レベル情報33の値への寄与度について、ユーザが入力した制約条件と最大化したい項目とを満たすものを算出し、支援情報として出力する。つまり、評価レベル計算部7は、評価レベル情報33に対する評価対象の項目の寄与度に応じて推薦する計測手段及び計測場所を決定し、決定された計測手段を地図上で示すための支援情報を出力する。
【0060】
図11は、実施形態に係る支援処理で表示される表示画面930の一例を示す図である。
図11は、スマートプランニングにおける評価対象の項目として、通行者の性別識別可能なエリアが選択された場合を例示する。
図11に示すように、表示画面930では、評価レベル情報33に対する通行者の性別識別可能なエリアの寄与度を制約条件の下で最大化する際に要求される追加計測の候補である追加候補A~Dが地図上で表示されている。このように、実施形態に係る支援システム1によれば、評価レベル情報33を最大化するための追加候補をシステム側から推薦することもできる。これにより、ユーザは、選択した評価対象の項目に応じた適切な追加候補を把握することができる。
【0061】
図12は、実施形態に係る支援処理で表示される表示画面940の一例を示す図である。例えば、
図12の表示画面940は、
図11の表示画面930において、追加候補Bが選択されたときに表示される。
図12に示すように、表示画面940は、スマートプランニングにより評価可能な項目について、追加計測の前後での差分値を含む。この構成によれば、ユーザは、追加計測により得られる効果を把握できるため、追加計測の要否を容易に判断することができる。
【0062】
なお、評価レベル計算部7は、行動データを計測予定の少なくとも1つの計測手段それぞれに関して、評価レベル情報33を増加させ、かつ、コストを減少させる最適化計算に基づき推薦する追加計測の候補を決定してもよい。この場合、記憶部3には、計測情報と行動データの計測に要するコストとの対応を示すテーブルが予め定められて格納されていればよい。あるいは、記憶部3には、計測情報と行動データの計測に要するコストとの関係を示す計算式が格納されていてもよい。また、算出されたコストは、
図12に示すように、追加費用として表示画面940に表示され得る。これにより、ユーザは、コストの観点から最適な追加候補を把握することができる。また、追加費用の表示により、ユーザは、追加計測の要否を容易に判断することができる。
【0063】
なお、評価レベル情報33を最大化しつつ、費用を最小化するように最適化計算が行われても構わない。
【0064】
なお、評価レベル計算部7は、センサ配置場所情報32に基づき、カメラ設置不可の場所など、計画範囲のうちの計測手段による行動データの計測が不可能な計測場所を地図上で示すための支援情報を出力してもよい。具体的には、評価レベル計算部7は、建物構造や土地所有者などの設置候補場所の建物や土地に関する情報、ユーザが現地で視察・撮影した情報に基づいて、カメラ設置可否を判断する。また、表示部9は、
図11及び
図12に示すように、カメラ設置不可エリアを地図上に重畳表示する。
【0065】
このように、実施形態に係る支援システム1は、追加計測の候補に関して評価レベル情報33を可視化することもできる。これにより、ユーザは、既存計測データの活用に加えて、追加計測によりスマートプランニング可能となる内容を容易に把握することができる。
【0066】
なお、上述の実施形態では、評価レベル情報33や計測手段、既存計測データ、追加計測の候補など、計画情報に応じた支援情報が地図上に表示される場合を例示したが、計画情報に応じた支援情報が示される地図としては、メッシュ地図や道路ネットワーク地図などの計画情報に応じた支援情報の生成に用いた地図データに限らない。表示に供される地図は、評価レベルの分布など、計画範囲における地理的な要素と計画情報に応じた支援情報との関係が分かればよく、イラストなどの簡易な地図であっても構わない。
【0067】
また、上述の実施形態では、計画情報に応じた支援情報が地図上に表示される場合を例示したが、これに限らない。計画情報に応じた支援情報と、計画範囲における地理的な要素との関係が分かればよく、テキストデータにより支援情報を表示することもできる。例えば、表示部9は、計画情報に応じた支援情報として、「駅周辺は評価レベル○○です。コンビニ周辺、夜の評価レベルは○○です。」などのテキストデータを表示しても構わない。テキストデータによる支援情報の表示は、地図上への表示とともに行われてもよいし、地図上への表示に代えて行われてもよい。あるいは、当該テキストデータの音声読み上げ機能により支援情報が音声によりユーザに提示されてもよい。なお、評価レベル計算部7から表示部9に出力される支援情報は上述の実施形態と同様にしつつ、評価レベル計算部7からの支援情報に基づいて、表示部9において表示用のテキストデータを生成してもよい。あるいは、評価レベル計算部7から表示部9に支援情報としてテキストデータが出力されてもよい。
【0068】
本実施形態の支援システム1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、FD、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0069】
また、本実施形態の支援システム1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、支援システム1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0070】
また、本実施形態の支援システム1で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0071】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、スマートプランニングを実現するためのデータ計測を支援することができる。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0073】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0074】
(技術1)
スマートプランニングの実施を計画している計画範囲を少なくとも含む計画情報を取得する取得部と、
移動体の属性ごとの行動データを計測する少なくとも1つの計測手段に関する、計測可能な前記行動データを示す属性情報と、計測場所の特性を示す配置場所情報とを含む計測情報を格納する記憶部と、
前記計測情報に基づいて、前記計画範囲に含まれる前記計測場所において前記計測手段により前記行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する評価レベルを算出し、前記計画範囲における前記評価レベルを示すための支援情報を出力する演算部と
を備える情報処理装置。
【0075】
(技術2)
前記評価レベルは、前記計画範囲に含まれる前記計測場所において前記計測手段により前記行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングにより評価可能な少なくとも1つの項目に関する、スマートプランニングの程度を示す情報である、上記技術1に記載の情報処理装置。
【0076】
(技術3)
前記演算部は、前記計画範囲の全体について前記評価レベルを算出する、上記技術1又は上記技術2に記載の情報処理装置。
【0077】
(技術4)
前記演算部は、前記計画範囲を分割した複数の領域又は前記計画範囲に対応する道路ネットワーク構造に沿った複数の領域それぞれについて前記評価レベルを算出する、上記技術1から上記技術3のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
【0078】
(技術5)
前記配置場所情報は、前記特性として、前記計測手段による計測可否、天候による計測への影響度、周辺建物による計測への影響度及び時間による計測への影響度のうちの少なくとも1つを含む、上記技術1から上記技術4のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
【0079】
(技術6)
前記属性情報は、計測可能な範囲、日没後の計測の可否、逆光時の計測の可否、通行量計測の可否、性別識別の可否、移動体モード識別の可否、笑顔識別の可否及び同伴者識別の可否のうちの少なくとも1つを含む、上記技術1から上記技術5のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
【0080】
(技術7)
前記計測情報は、予め前記行動データを計測した少なくとも1つの計測手段に関する情報を含む、上記技術1から上記技術6のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
【0081】
(技術8)
前記演算部は、前記計測手段ごとの前記評価レベルに対する寄与度を算出し、算出された前記寄与度を前記支援情報として出力する、上記技術1から上記技術7のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
【0082】
(技術9)
前記計測情報は、前記行動データを計測予定の少なくとも1つの計測手段に関する情報を含む、上記技術1から上記技術8のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
【0083】
(技術10)
前記演算部は、前記配置場所情報に基づき、前記計画範囲のうちの前記計測手段による前記行動データの計測が不可能な計測場所を示すための支援情報を出力する、上記技術9に記載の情報処理装置。
【0084】
(技術11)
前記計画情報は、スマートプランニングにおける評価対象の項目を示す情報を含み、
前記演算部は、前記評価レベルに対する前記評価対象の項目の寄与度に応じて推薦する計測手段及び計測場所を決定し、前記計画範囲における前記計測場所及び前記計測手段を示すための支援情報を出力する、上記技術9又は上記技術10に記載の情報処理装置。
【0085】
(技術12)
前記記憶部は、前記計測情報と前記行動データの計測に要するコストとの対応を示すテーブルを格納し、
前記演算部は、前記行動データを計測予定の少なくとも1つの計測手段それぞれに関して、前記評価レベルを増加させ、かつ、前記コストを減少させる最適化計算に基づき推薦する計測手段及び計測場所を決定し、前記計画範囲における前記計測場所及び前記計測手段を示すための支援情報を出力する、上記技術9から上記技術11のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
【0086】
(技術13)
前記支援情報に基づき、前記計画範囲における前記評価レベルを示す表示画面を表示する表示部をさらに備える、上記技術1から上記技術12のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
【0087】
(技術14)
前記計測情報は、手計測、カメラ性能、公衆無線LAN及びETC2.0受信機のうちの少なくとも1つを含む計測手段の種類を示す情報を含む、上記技術1から上記技術13のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
【0088】
(技術15)
前記計画範囲は、スマートプランニングの実施を計画している地図上の範囲であり、
前記支援情報は、前記評価レベルを前記地図上に示すための情報である、
上記技術1から上記技術14のうちのいずれかに記載の情報処理装置。
【0089】
(技術16)
移動体の属性ごとの行動データを計測する少なくとも1つの計測手段に関する、計測可能な前記行動データを示す属性情報と、計測場所の特性を示す配置場所情報とを含む計測情報に基づいて算出された、スマートプランニングの実施を計画している計画範囲に含まれる前記計測場所において前記計測手段により前記行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する評価レベルを前記計画範囲において示すための支援情報を取得する取得部と、
前記支援情報に基づき、前記計画範囲における前記評価レベルを示す表示画面を表示する表示部と
を具備する表示端末。
【0090】
(技術17)
スマートプランニングの実施を計画している計画範囲を少なくとも含む計画情報を取得することと、
移動体の属性ごとの行動データを計測する少なくとも1つの計測手段に関する、計測可能な前記行動データを示す属性情報と、計測場所の特性を示す配置場所情報とを含む計測情報を格納することと、
前記計測情報に基づいて、前記計画範囲に含まれる前記計測場所において前記計測手段により前記行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する評価レベルを算出し、前記計画範囲における前記評価レベルを示すための支援情報を出力することと
を含む情報処理方法。
【0091】
(技術18)
移動体の属性ごとの行動データを計測する少なくとも1つの計測手段に関する、計測可能な前記行動データを示す属性情報と、計測場所の特性を示す配置場所情報とを含む計測情報に基づいて算出された、スマートプランニングの実施を計画している計画範囲に含まれる前記計測場所において前記計測手段により前記行動データを計測する場合に実現可能なスマートプランニングを評価する評価レベルを前記計画範囲において示すための支援情報を取得することと、
前記支援情報に基づき、前記計画範囲における前記評価レベルを示す表示画面を表示することと
を含む表示方法。
【符号の説明】
【0092】
1 支援システム
1a 情報処理装置
1b 表示端末
11 プロセッサ
12 メモリ
13 通信回路
14 ディスプレイ
15 タッチパネル
19 バス
3 記憶部
31 センサ情報(属性情報)
32 センサ配置場所情報(配置場所情報)
33 評価レベル情報(支援情報)
34 地図情報
5 入力部(取得部)
7 評価レベル計算部(演算部)
9 表示部
910,920,930,940 表示画面