(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】プログラム、端末装置、及び冷蔵庫制御システム
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20240621BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
F25D23/00 301G
F25D11/00 101B
(21)【出願番号】P 2020074077
(22)【出願日】2020-04-17
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 雅至
(72)【発明者】
【氏名】垣内 翔太
(72)【発明者】
【氏名】多賀 一瑳
(72)【発明者】
【氏名】小柳 智之
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-292421(JP,A)
【文献】特開2016-025449(JP,A)
【文献】特開2017-020730(JP,A)
【文献】特開2020-030018(JP,A)
【文献】特開2012-067979(JP,A)
【文献】特開2002-267308(JP,A)
【文献】特開2002-162149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫と通信可能な端末装置の制御部を、
庫内温度の変更を伴う所定動作を前記冷蔵庫に実行させる際に、第1タイプの前記冷蔵庫に対しては、庫内温度の変更を指示する第1指示を送信する第1処理部と、
前記所定動作を前記冷蔵庫に実行させる際に、第2タイプの前記冷蔵庫に対しては、前記所定動作の実行を指示する第2指示を送信する第2処理部と、
食品を購入可能な店舗にユーザーが位置しているか否かを検知する検知部と、して機能させ
、
ユーザーが前記店舗に位置していると前記検知部が検知し、且つ、前記端末装置が通信する前記冷蔵庫のタイプが前記第1タイプの場合に、前記第1処理部は、前記第1指示を送信し、
ユーザーが前記店舗に位置していると前記検知部が検知し、且つ、前記端末装置が通信する前記冷蔵庫のタイプが前記第2タイプの場合に、前記第2処理部は、前記第2指示を送信する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記第2タイプの前記冷蔵庫は、前記所定動作を実行した後、所定時間経過すると前記所定動作を終了し、庫内温度を前記所定動作の実行前の温度に戻す前記冷蔵庫であり、
前記第1処理部は、前記第1指示の送信後、庫内温度を前記第1指示の送信前の温度に戻すことを指示する第3指示を送信し、
前記第2処理部は、前記第2指示の送信後、前記所定動作の終了指示を送信しない、
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記所定動作は、庫内温度を、前記所定動作の実行前の温度から下げる動作であり、
前記第1指示は、庫内温度を、前記第1指示の送信前の温度から下げる指示である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記所定動作は、庫内温度を、前記所定動作の実行前の温度から上げる動作であり、
前記第1指示は、庫内温度を、前記第1指示の送信前の温度から上げる指示である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1タイプの前記冷蔵庫は、前記第2タイプの前記冷蔵庫より旧機種であり、
前記第2タイプの前記冷蔵庫は、前記第1タイプの前記冷蔵庫より新機種である、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、前記端末装置にインストール可能なアプリケーションプログラムである、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
冷蔵庫と通信可能な端末装置であって、
庫内温度の変更を伴う所定動作を前記冷蔵庫に実行させる際に、第1タイプの前記冷蔵庫に対しては、庫内温度の変更を指示する第1指示を送信し、前記所定動作を前記冷蔵庫に実行させる際に、第2タイプの前記冷蔵庫に対しては、庫内温度を変更する所定動作の実行を指示する第2指示を送信
し、食品を購入可能な店舗にユーザーが位置しているか否か検知する制御部を備え
、
前記制御部は、
ユーザーが前記店舗に位置していると検知し、且つ、前記端末装置が通信する前記冷蔵庫のタイプが前記第1タイプの場合に、前記第1指示を送信し、
ユーザーが前記店舗に位置していると検知し、且つ、前記端末装置が通信する前記冷蔵庫のタイプが前記第2タイプの場合に、前記第2指示を送信する、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項8】
冷蔵庫と、前記冷蔵庫と通信可能な端末装置と、を備える冷蔵庫制御システムであって、
前記端末装置は、
庫内温度の変更を伴う所定動作を前記冷蔵庫に実行させる際に、第1タイプの前記冷蔵庫に対しては、庫内温度の変更を指示する第1指示を送信する第1処理部と、
前記所定動作を前記冷蔵庫に実行させる際に、第2タイプの前記冷蔵庫に対しては、前記所定動作の実行を指示する第2指示を送信する第2処理部と、
食品を購入可能な店舗にユーザーが位置しているか否かを検知する検知部と、を備え、
ユーザーが前記店舗に位置していると前記検知部が検知し、且つ、前記端末装置が通信する前記冷蔵庫のタイプが前記第1タイプの場合に、前記第1処理部は、前記第1指示を送信し、
ユーザーが前記店舗に位置していると前記検知部が検知し、且つ、前記端末装置が通信する前記冷蔵庫のタイプが前記第2タイプの場合に、前記第2処理部は、前記第2指示を送信する、
ことを特徴とする冷蔵庫制御システム。
【請求項9】
前記第1タイプの前記冷蔵庫、及び前記第2タイプの前記冷蔵庫は、冷蔵庫IDを記憶し、
前記第1タイプの前記冷蔵庫は、前記第1指示を受信し、受信した前記第1指示に付加された冷蔵庫IDが記憶する冷蔵庫IDと一致する場合に、庫内温度を変更し、
前記第2タイプの前記冷蔵庫は、前記第2指示を受信し、受信した前記第2指示に付加された冷蔵庫IDが記憶する冷蔵庫IDと一致する場合に、庫内温度を変更する、
ことを特徴とする請求項8に記載の冷蔵庫制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、及び、端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、端末装置によって、庫内温度の変更を伴う動作を冷蔵庫に実行させる技術が知られている。例えば、特許文献1は、ユーザーが所持する端末装置であるユーザー端末から冷蔵庫に節電運転の実行を指示し、当該指示を受け付けた冷蔵庫が節電運転を実行して庫内の設定温度を上げる技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のような冷蔵庫には、庫内温度の変更を伴う動作を実行する際に、制御対象が庫内温度を示す指示を受信することで当該動作を実行するタイプと、制御対象が当該動作を示す指示を受信することで当該動作を実行するタイプと、がある。そのため、端末装置は、いずれか一方のみのタイプに対応した指示を送信可能な構成であると、他方のタイプに対応した指示を冷蔵庫に送信できないため、当該他方のタイプの冷蔵庫に、庫内温度の変更を伴う動作を実行させることができない。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑み、冷蔵庫のタイプに依ることなく、端末装置によって庫内温度の変更を伴う動作を冷蔵庫に実行させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、冷蔵庫と通信可能な端末装置の制御部を、庫内温度の変更を伴う所定動作を前記冷蔵庫に実行させる際に、第1タイプの前記冷蔵庫に対しては、庫内温度の変更を指示する第1指示を送信する第1処理部と、前記所定動作を前記冷蔵庫に実行させる際に、第2タイプの前記冷蔵庫に対しては、前記所定動作の実行を指示する第2指示を送信する第2処理部と、食品を購入可能な店舗にユーザーが位置しているか否かを検知する検知部と、して機能させ、ユーザーが前記店舗に位置していると前記検知部が検知し、且つ、前記端末装置が通信する前記冷蔵庫のタイプが前記第1タイプの場合に、前記第1処理部は、前記第1指示を送信し、ユーザーが前記店舗に位置していると前記検知部が検知し、且つ、前記端末装置が通信する前記冷蔵庫のタイプが前記第2タイプの場合に、前記第2処理部は、前記第2指示を送信する、ことを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、冷蔵庫のタイプに依ることなく、端末装置によって庫内温度の変更を伴う動作を冷蔵庫に実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】冷蔵庫、端末装置、及び、冷蔵庫制御システムの機能的構成を示すブロック図
【
図3】第1タイプの冷蔵庫を備える冷蔵庫制御システムの動作を示すフローチャート
【
図4】第1タイプの冷蔵庫を備える冷蔵庫制御システムの動作を具体的に説明するための図
【
図5】第2タイプの冷蔵庫を備える冷蔵庫制御システムの動作を示すフローチャート
【
図6】第2タイプの冷蔵庫を備える冷蔵庫制御システムの動作を具体的に説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明は、冷蔵庫と通信可能な端末装置の制御部を、庫内温度の変更を伴う所定動作を前記冷蔵庫に実行させる際に、第1タイプの前記冷蔵庫に対しては、庫内温度の変更を指示する第1指示を送信する第1処理部と、前記所定動作を前記冷蔵庫に実行させる際に、第2タイプの前記冷蔵庫に対しては、前記所定動作の実行を指示する第2指示を送信する第2処理部と、して機能させる、ことを特徴とするプログラムである。
これによれば、庫内温度の変更を伴う所定動作を冷蔵庫に実行させる際に、冷蔵庫のタイプに応じて制御対象が異なる指示を端末装置が冷蔵庫に送信できる。よって、冷蔵庫のタイプに依ることなく、端末装置によって庫内温度の変更を伴う動作を冷蔵庫に実行させることができる。
【0010】
第2の発明は、前記第2タイプの前記冷蔵庫は、前記所定動作を実行した後、所定時間経過すると前記所定動作を終了し、庫内温度を前記所定動作の実行前の温度に戻す前記冷蔵庫であり、前記第1処理部は、前記第1指示の送信後、庫内温度を前記第1指示の送信前の温度に戻すことを指示する第3指示を送信し、前記第2処理部は、前記第2指示の送信後、前記所定動作の終了指示を送信しない、ことを特徴とする。
これによれば、所定動作を実行することで冷蔵庫が庫内温度を変更した後、冷蔵庫のタイプに応じて庫内温度を変更前に戻す処理を実行できるため、冷蔵庫のタイプに依ることなく、端末装置によって、庫内温度の変更を伴う動作の実行を冷蔵庫に終了させることができる。
【0011】
第3の発明は、前記所定動作は、庫内温度を、前記所定動作の実行前の温度から下げる動作であり、前記第1指示は、庫内温度を、前記第1指示の送信前の温度から下げる指示である、ことを特徴とする。
これによれば、冷蔵庫のタイプに依ることなく、端末装置により冷蔵庫の庫内温度を下げることができる。
【0012】
第4の発明は、前記所定動作は、庫内温度を、前記所定動作の実行前の温度から上げる動作であり、前記第1指示は、庫内温度を、前記第1指示の送信前の温度から上げる指示である、ことを特徴とする。
これによれば、冷蔵庫のタイプに依ることなく、端末装置により冷蔵庫の庫内温度を上げることができる。
【0013】
第5の発明は、前記第1タイプの前記冷蔵庫は、前記第2タイプの前記冷蔵庫より旧機種であり、前記第2タイプの前記冷蔵庫は、前記第1タイプの前記冷蔵庫より新機種である、ことを特徴とする。
これによれば、冷蔵庫の機種が新旧に依ることなく、端末装置によって庫内温度の変更を伴う動作を冷蔵庫に実行させることができる。
【0014】
第6の発明は、前記プログラムは、前記端末装置にインストール可能なアプリケーションプログラムである、ことを特徴とする。
これによれば、冷蔵庫の庫内温度を変更させる機能を有していない端末装置を、アプリケーションプログラムのインストールによって、当該機能を有する端末装置とすることができる。よって、汎用的な端末装置を、冷蔵庫のタイプに依ることなく庫内温度の変更を伴う動作を冷蔵庫に実行させることができる端末装置とすることができる。
【0015】
第7の発明は、冷蔵庫と通信可能な端末装置であって、第1タイプの前記冷蔵庫に対しては、庫内温度の変更を指示する第1指示を送信し、第2タイプの前記冷蔵庫に対しては、庫内温度を変更する特定動作の実行を指示する第2指示を送信する制御部を備える、ことを特徴とする。
これによれば、庫内温度の変更を伴う所定動作を冷蔵庫に実行させる際に、冷蔵庫のタイプに応じて制御対象が異なる指示を端末装置が冷蔵庫に送信できる。よって、冷蔵庫のタイプに依ることなく、端末装置によって庫内温度の変更を伴う動作を冷蔵庫に実行させることができる。
【0016】
図1は、冷蔵庫制御システム1000の構成を示す図である。
【0017】
冷蔵庫制御システム1000は、冷蔵庫1のユーザーPが使用する端末装置2が、グローバルネットワークGNを介して冷蔵庫1を制御するシステムである。グローバルネットワークGNは、インターネット、電話網、その他の通信網を含む。
【0018】
冷蔵庫制御システム1000は、冷蔵庫1を備える。
図1では、冷蔵庫1は、ユーザーPの自宅Hに設置されている。冷蔵庫1は、前面が開口した主箱体10を備え、主箱体10には、冷蔵室11、製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び、野菜室15が形成されている。冷蔵室11の前面の開口部には、回転式の左ドア11A及び右ドア11Bが設けられている。製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び、野菜室15のそれぞれには、食品を収容する引出12A、13A、14A、15Aが設けられている。
【0019】
本実施形態の冷蔵庫1は、ユーザーPの自宅Hに設置された通信装置4と通信接続し、通信装置4を介して冷蔵庫制御サーバー3と通信する。
【0020】
通信装置4は、グローバルネットワークGNに接続し、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー3と通信する。通信装置4は、冷蔵庫1をグローバルネットワークGNに接続するためのインターフェース装置として機能する。また、通信装置4は、端末装置2が通信装置4と通信接続を確立している場合、端末装置2をグローバルネットワークGNに接続するためのインターフェース装置として機能する。通信装置4は、モデムに係る機能や、ルーター機能、NAT(Network Address Translation)機能等の機能を有する。通信装置4は、冷蔵庫1と、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー3との間で送受信されるデータを転送する。また、通信装置4は、通信接続を確立する端末装置2と、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー3との間で送受信されるデータを転送する。
【0021】
冷蔵庫制御システム1000は、タッチパネル22を有する端末装置2を備える。端末装置2は、例えばスマートフォンやタブレット端末により構成される。端末装置2は、冷蔵庫1を制御するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。以下の説明では、冷蔵庫1を制御するためのアプリケーションプログラムを、「冷蔵庫制御アプリ」といい「213」の符号を付す。冷蔵庫制御アプリ213は、本発明の「プログラム」と「アプリケーションプログラム」に相当する。
【0022】
図1では、在宅するユーザーPを点線で示し、自宅Hから外出したユーザーPを実線で示している。端末装置2は、在宅するユーザーPに使用される場合、冷蔵庫制御アプリ213の機能によって、通信装置4を介して、或いは通信装置4を介さずに、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー3と通信して、冷蔵庫1を制御する。また、端末装置2は、自宅Hから外出したユーザーPに使用される場合、冷蔵庫制御アプリ213の機能によって、通信装置4を介すことなく、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー3と通信して、冷蔵庫1を制御する。
【0023】
端末装置2は、インストールされた冷蔵庫制御アプリ213の機能により、通信する冷蔵庫1のタイプに応じて、制御対象が異なる指示を冷蔵庫1に送信して、庫内温度の変更を伴う予冷運転を冷蔵庫1に実行させる。予冷運転は、本発明の「所定動作」に相当する。予冷運転は、通常運転や節電運転等の運転時より冷蔵庫1の庫内温度を下げる動作である。
【0024】
ここで、冷蔵庫1のタイプについて説明する。本実施形態において、冷蔵庫1のタイプには、第1タイプと第2タイプとがある。第1タイプの冷蔵庫1は、第2タイプの冷蔵庫1より旧機種の冷蔵庫1であり、第2タイプの冷蔵庫1は、第1タイプの冷蔵庫1より新機種の冷蔵庫1である。
【0025】
第1タイプの冷蔵庫1は、庫内温度を、「弱」、「中」、「強」のいずれかの段階に対応する温度に変更可能な冷蔵庫1である。なお、第1タイプの冷蔵庫1の庫内温度は、「弱」、「中」、「強」の順に低くなる。第1タイプの冷蔵庫1は、端末装置2から庫内温度変更指示HSを受信すると、受信した庫内温度変更指示HSに基づいて庫内温度を変更する。庫内温度変更指示HSは、第1タイプの冷蔵庫1の庫内温度の変更を指示する情報であり、制御対象が庫内温度を示し、制御内容が庫内温度の変更を示す。例えば、庫内温度を「強」の段階に対応する温度に変更することを指示する庫内温度変更指示HSは、制御対象が庫内温度を示し、制御内容が庫内温度を「強」の段階に対応する温度に変更することを示す。庫内温度変更指示HSは、第1タイプの冷蔵庫1に対応するコマンド体系の情報であり、第2タイプの冷蔵庫1では認識されない。第1タイプの冷蔵庫1は、庫内温度を現在の温度から下げる変更を指示する庫内温度変更指示HSを、端末装置2から受信すると、庫内温度を下げて予冷運転を実行する。また、第1タイプの冷蔵庫1は、庫内温度を変更前に戻すことを指示する庫内温度変更指示HSを、端末装置2から受信すると、庫内温度を予冷運転実行前の温度に戻し、予冷運転を終了する。
【0026】
第2タイプの冷蔵庫1は、予冷運転を行い、庫内温度を予冷運転に対応する温度に変更可能な冷蔵庫1である。第2タイプの冷蔵庫1は、端末装置2から、予冷運転実行指示USを受信すると、予冷運転を実行する。予冷運転実行指示USは、本発明の「第2指示」に相当する。予冷運転実行指示USは、予冷運転の実行を指示する情報であり、制御対象が予冷運転を示し、制御内容が予冷運転の実行を示す。予冷運転実行指示USは、第2タイプの冷蔵庫1に対応するコマンド体系の情報であり、第1タイプの冷蔵庫1では認識されない。
第2タイプの冷蔵庫1は、予冷運転を実行後、所定時間(例えば2時間)が経過すると予冷運転を自動で終了する。そのため、端末装置2は、第2タイプの冷蔵庫1に予冷運転実行指示USを送信する一方、予冷運転の終了指示については送信しない。
【0027】
図1の説明に戻り、冷蔵庫制御システム1000は、冷蔵庫制御サーバー3を備える。冷蔵庫制御サーバー3は、冷蔵庫1を制御するサーバー装置であり、グローバルネットワークGNに接続する。なお、各図では、冷蔵庫制御サーバー3を、1つのブロックによって表現するが、これは必ずしも冷蔵庫制御サーバー3が単一のサーバー装置により構成されることを意味するものではない。例えば、冷蔵庫制御サーバー3は、処理内容が異なる複数のサーバー装置を含んで構成されたものでもよい。
【0028】
次に、冷蔵庫1、端末装置2、及び、冷蔵庫制御サーバー3の機能的構成について説明する。
図2は、冷蔵庫1、端末装置2、及び、冷蔵庫制御サーバー3の機能的構成を示すブロック図である。
【0029】
まず、冷蔵庫1の機能的構成について説明する。
冷蔵庫1は、冷蔵庫制御部16、冷蔵庫通信部17、及び、冷却部18を備える。
【0030】
冷蔵庫制御部16は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである冷蔵庫プロセッサー160、及び、冷蔵庫記憶部161を備え、冷蔵庫1の各部を制御する。冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫プロセッサー160が、冷蔵庫記憶部161に記憶された制御プログラム1611を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0031】
冷蔵庫記憶部161は、冷蔵庫プロセッサー160が実行するプログラムや、冷蔵庫プロセッサー160により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。冷蔵庫記憶部161は、冷蔵庫プロセッサー160が実行する制御プログラム1611、冷蔵庫1の設定に係る設定データである冷蔵庫設定データ1612、冷蔵庫1の識別情報である冷蔵庫ID1613、その他の各種データを記憶する。冷蔵庫ID1613としては、冷蔵庫1の製造番号が一例として挙げられる。冷蔵庫記憶部161は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、冷蔵庫記憶部161は、揮発性記憶領域を備え、冷蔵庫プロセッサー160が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0032】
冷蔵庫通信部17は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、冷蔵庫制御部16の制御により、グローバルネットワークGNと接続する機器と所定の通信規格に従って通信する。本実施形態では、冷蔵庫通信部17は、冷蔵庫制御サーバー3と所定の通信規格に従って通信する。冷蔵庫通信部17が使用する通信規格は、無線通信規格でもよいし有線通信規格でもよい。
【0033】
冷却部18は、圧縮機181や、凝縮器182、キャピラリーチューブ183、冷却器184、冷却器184が生成した冷気を各収容室に送る冷却ファン185、及び、冷却ファン185により送られる冷気を分流するダンパー186等の冷蔵庫1の各収容室を冷却する機構を備え、冷蔵庫制御部16の制御に従って、冷蔵庫1の各収容室を冷却する。
【0034】
第1タイプの冷蔵庫1の冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫通信部17によって端末装置2から庫内温度変更指示HSを受信した場合、庫内温度が、庫内温度変更指示HSが示す段階に対応する温度になるように、圧縮機181の回転数や冷却ファン185の回転数等を制御する。
例えば、冷蔵庫1の庫内温度が「中」の段階に対応する温度である場合において、第1タイプの冷蔵庫1の冷蔵庫制御部16が、庫内温度を「強」の段階に対応する温度に変更する庫内温度変更指示HSを受信したとする。この場合、第1タイプの冷蔵庫1の冷蔵庫制御部16は、例えば、圧縮機181の回転数を上げて冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させ、また、例えば、冷却ファン185の回転数を上げて冷蔵庫1における冷気の循環量を増やして冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させ、また、例えば、圧縮機181の回転数を上げ、且つ、冷却ファン185の回転数を上げ、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させる。これにより、第1タイプの冷蔵庫1の庫内温度は、「中」の段階に対応する温度から、「強」の段階に対応する温度に変更される。
【0035】
第2タイプの冷蔵庫2の冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫通信部17によって端末装置2から予冷運転実行指示USを受信した場合、予冷運転を実行する。冷蔵庫制御部16は、予冷運転において、例えば、圧縮機181の回転数を、通常運転や節電運転等の運転時の回転数より上げ、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させる。また、例えば、冷蔵庫制御部16は、予冷運転において、冷却ファン185の回転数を通常運転や節電運転等の運転時の回転数より上げ、冷蔵庫1における冷気の循環量を増やし、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させる。また、例えば、冷蔵庫制御部16は、予冷運転において、圧縮機181の回転数、及び、冷却ファン185の回転数を、通常運転や節電運転等の運転時の回転数より上げ、冷蔵庫1の庫内の冷却量を増加させる。これにより、予冷運転では、庫内温度が、通常運転や節電運転等の運転時の温度から下がる。
【0036】
次に、冷蔵庫制御サーバー3の機能について説明する。
冷蔵庫制御サーバー3は、サーバー制御部30、及び、サーバー通信部31を備える。
【0037】
サーバー制御部30は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーであるサーバープロセッサー300、及び、サーバー記憶部310を備え、冷蔵庫制御サーバー3の各部を制御する。サーバー制御部30は、サーバープロセッサー300が、サーバー記憶部310に記憶された制御プログラム311を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0038】
サーバー記憶部310は、サーバープロセッサー300が実行するプログラムや、サーバープロセッサー300により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。サーバー記憶部310は、サーバープロセッサー300が実行する制御プログラム311、冷蔵庫制御サーバー3の設定に係る設定データであるサーバー設定データ312、冷蔵庫制御データベース313、その他の各種データを記憶する。サーバー記憶部310は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、サーバー記憶部310は、揮発性記憶領域を備え、サーバープロセッサー300が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0039】
冷蔵庫制御データベース313は、冷蔵庫1の運転制御に係る各種情報を格納するデータベースである。冷蔵庫制御データベース313が格納する1件のレコードRは、ユーザーID3131、冷蔵庫ID1613、及び、通信情報3132を有する。なお、冷蔵庫制御データベース313が格納する1件のレコードRは、さらに1又は複数の別種類の情報を有していてもよい。
【0040】
ユーザーID3131は、冷蔵庫制御アプリ213を利用するユーザーPを識別する識別情報であり、冷蔵庫制御アプリ213を利用するユーザーPに対して適切に割り当てられる。
【0041】
上述した通り、冷蔵庫ID1613は、冷蔵庫1の識別情報である。
【0042】
通信情報3132は、同じレコードRで対応付く冷蔵庫ID1613の冷蔵庫1と通信するための情報である。通信情報3132は、例えばアドレス情報やセキュリティ情報等を含む。
【0043】
サーバー通信部31は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、サーバー制御部30の制御により、グローバルネットワークGNと接続する機器と所定の通信規格に従って通信する。本実施形態においてサーバー通信部31は、冷蔵庫1及び端末装置2と通信する。
【0044】
次に、端末装置2の機能的構成について説明する。
端末装置2は、端末制御部20、端末通信部21、タッチパネル22、及び、GPS受信部23を備える。端末制御部20は、本発明の「制御部」に相当する。
【0045】
端末制御部20は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである端末プロセッサー200、及び、端末記憶部210を備え、端末装置2の各部を制御する。端末制御部20は、端末プロセッサー200が、端末記憶部210に記憶された制御プログラム211を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。端末装置2には、冷蔵庫制御アプリ213が事前にインストールされる。冷蔵庫制御アプリ213は、端末プロセッサー200により端末記憶部210から読み出されて実行されることで、端末制御部20を、設定部201、検知部202、及び、運転制御部203として機能させるプログラムである。これら機能部の詳細については後述する。
【0046】
端末記憶部210は、端末プロセッサー200が実行するプログラムや、端末プロセッサー200により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。端末記憶部210は、端末プロセッサー200が実行する制御プログラム211、端末装置2の設定に係る設定データである端末設定データ212、冷蔵庫制御アプリ213、冷蔵庫制御アプリ213の設定に係るアプリ設定データ214、その他の各種データを記憶する。端末記憶部210は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、端末記憶部210は、揮発性記憶領域を備え、端末プロセッサー200が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0047】
アプリ設定データ214は、冷蔵庫制御アプリ213の設定項目、及び、設定項目に対応する設定値との組み合わせが記述されるデータである。冷蔵庫制御アプリ213の設定項目には、少なくとも、ユーザーID3131と冷蔵庫1のタイプとに係る設定項目を含む。ユーザーID3131に係る設定項目には、ユーザーPに割り当てられたユーザーID3131が設定値としてセットされる。冷蔵庫1のタイプに係る設定項目には、冷蔵庫のタイプを示すタイプ情報2141が設定値としてセットされる。
【0048】
アプリ設定データ214において、冷蔵庫1のタイプに係る設定項目には、第1タイプを示すタイプ情報2141、及び、第2タイプを示すタイプ情報2141のいずれかが設定値としてセットされる。
【0049】
端末通信部21は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、端末制御部20の制御により、グローバルネットワークGNと接続する機器と所定の通信規格に従って通信する。端末通信部21は、冷蔵庫制御アプリ213の機能により、冷蔵庫制御サーバー3と所定の通信規格に従って通信する。端末通信部21が使用する通信規格は、無線通信規格である。
【0050】
タッチパネル22は、液晶表示パネル等の表示パネルと、表示パネルに重ねて、或いは一体に設けられたタッチセンサーとを備える。表示パネルは、端末制御部20の制御で、各種画像を表示する。タッチセンサーは、タッチ操作を検出し、端末制御部20に出力する。端末制御部20は、タッチセンサーからの入力に基づいて、タッチ操作に対応する処理を実行する。
【0051】
GPS受信部23は、不図示のアンテナによりGPS衛星からGPS信号を周期的に受信し、受信したGPS信号に基づいて端末装置2の位置(例えば、緯度、及び、経度)を算出するハードウェアを備える。GPS受信部23は、算出した端末装置2の位置を示す位置データを生成し、端末制御部20に出力する。
【0052】
上述した通り、端末制御部20は、設定部201、検知部202、及び、運転制御部203として機能する。
【0053】
設定部201は、冷蔵庫制御アプリ213の機能に関する各種設定を行う。設定部201は、アプリ設定データ214が有する設定項目に設定値をセットすることで、冷蔵庫制御アプリ213の各種設定を行う。
【0054】
例えば、設定部201は、ユーザーID3131に係る設定項目に設定値としてユーザーID3131をセットする場合、冷蔵庫制御サーバー3からユーザーID3131を受信し、受信したユーザーID3131を、ユーザーID3131の設定項目にセットする。
【0055】
また、例えば、設定部201は、冷蔵庫1のタイプに係る設定項目に設定値としてタイプ情報2141をセットする場合、タッチパネル22に、冷蔵庫1のタイプが第1タイプか第2タイプかを選択するためのユーザーインターフェースを表示させる。設定部201は、表示したユーザーインターフェースにおいて第1タイプ及び第2タイプのいずれかを選択する操作がユーザーPにより行われた場合、選択されたタイプを示すタイプ情報2141を設定値として、冷蔵庫1のタイプに係る設定項目にセットする。
【0056】
検知部202は、食品を購入可能な店舗TPにユーザーPが位置しているか否かを検知する。検知部202は、検知結果を運転制御部203に出力する。例えば、検知部202は、所定の周期で、GPS受信部23により端末装置2の位置を取得し、取得した端末装置2の位置と予め検知対象として定められた店舗TPとの離間距離が所定距離以下となったか否かを判定する。検知部202は、端末装置2の位置と店舗TPとの離間距離が所定距離を上回ると判定した場合、ユーザーPが店舗TPに位置していないと検知する。一方、検知部202は、端末装置2の現在位置と店舗TPとの離間距離が所定距離以上であると判定した場合、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知する。
【0057】
運転制御部203は、アプリ設定データ214において冷蔵庫1のタイプに係る設定項目に、第1タイプを示すタイプ情報2141がセットされている場合、第1処理部2031として機能する。一方で、運転制御部203は、アプリ設定データ214において冷蔵庫1のタイプに係る設定項目に、第2タイプを示すタイプ情報2141がセットされている場合、第2処理部2032として機能する。
【0058】
第1処理部2031は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合、庫内温度変更指示HSを、2回、冷蔵庫1に送信する。
【0059】
第1処理部2031は、庫内温度を現在の温度から下げる変更を指示する庫内温度変更指示HSを、冷蔵庫1に送信する。以下の説明では、庫内温度を現在の温度から下げる変更を指示する庫内温度変更指示HSを、「庫内温度下降指示」といい「HS1」の符号を付す。庫内温度下降指示HS1は、本発明の「第1指示」に相当する。
例えば、現在の庫内温度が「中」の段階に対応する温度である場合、第1処理部2031は、庫内温度を「強」の段階に対応する温度に変更する庫内温度下降指示HS1を、冷蔵庫1に送信する。
また、例えば、現在の庫内温度が「弱」の段階に対応する温度である場合、第1処理部2031は、庫内温度を「中」又は「強」の段階に対応する温度に変更する庫内温度下降指示HS1を、冷蔵庫1に送信する。なお、第1処理部2031は、現在の庫内温度が「強」の段階に対応する温度である場合、庫内温度下降指示HS1を冷蔵庫1に送信してもよいし、送信しなくてもよい。
【0060】
第1処理部2031は、庫内温度下降指示HS1を送信した後、所定時間(例えば2時間)が経過すると、庫内温度を庫内温度下降指示HS1の送信前に戻すことを指示する庫内温度変更指示HSを、冷蔵庫1に送信する。以下の説明では、庫内温度を庫内温度下降指示HS1の送信前に戻すことを指示する庫内温度変更指示HSを、「庫内温度戻し指示」といい、「HS2」の符号を付す。庫内温度戻し指示HS2は、本発明の「第3指示」に相当する。
例えば、庫内温度下降指示HS1の送信によって、冷蔵庫1の庫内温度が「中」の段階に対応する温度から「強」の段階に対応する温度に変更した場合、第1処理部2031は、庫内温度を「中」の段階に対応する温度に戻すことを指示する庫内温度戻し指示HS2を、冷蔵庫1に送信する。
【0061】
第2処理部2032は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合、予冷運転実行指示USを、冷蔵庫1に送信する。上述した通り、第2タイプの冷蔵庫1は、予冷運転を実行後、所定時間(例えば2時間)が経過すると予冷運転を自動で終了する。そのため、端末装置2は、第2タイプの冷蔵庫1に予冷運転実行指示USを送信する一方、予冷運転の終了指示については送信しない。
【0062】
次に、
図3-
図6を参照して、冷蔵庫制御システム1000の動作について説明する。
図3は、第1タイプの冷蔵庫1を備える冷蔵庫制御システム1000の動作を示すフローチャートである。
図3において、フローチャートFAは端末装置2の動作を示し、フローチャートFBは冷蔵庫制御サーバー3の動作を示し、フローチャートFCは第1タイプの冷蔵庫1の動作を示す。
【0063】
図3に示すフローチャートでは、アプリ設定データ214において、冷蔵庫1のタイプに係る設定項目に、第1タイプを示すタイプ情報2141をセットされており、運転制御部203が、第1処理部2031として機能することを前提とする。また、
図3に示すフローチャートの開始時点では、冷蔵庫1の庫内温度が「中」の段階に対応する温度であるとする。
【0064】
運転制御部203は、検知部202からの検知結果に基づいて、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知したか否かを判別する(ステップSA1)。
【0065】
運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知していないと判別した場合(ステップSA1:NO)、再度、ステップSA1の判別を行う。
【0066】
一方、運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知したと判別した場合(ステップSA1:YES)、運転制御部203は、端末装置2が通信する冷蔵庫1のタイプが第1タイプか第2タイプかを判別する(ステップSA2)。
【0067】
運転制御部203は、アプリ設定データ214において冷蔵庫1のタイプに係る設定項目に、第1タイプを示すタイプ情報2141がセットされている場合、ステップSA2において冷蔵庫1のタイプが第1タイプであると判別する。一方で、運転制御部203は、アプリ設定データ214において冷蔵庫1のタイプに係る設定項目に、第2タイプを示すタイプ情報2141がセットされている場合、ステップSA2において冷蔵庫1のタイプが第2タイプであると判別する。
【0068】
運転制御部203は、端末装置2が通信する冷蔵庫1のタイプが第2タイプであると判別した場合(ステップSA2:「第2タイプ」)、第2処理部2032として機能し、処理を
図5のステップSD3に移行させる。
【0069】
一方、運転制御部203は、端末装置2が通信する冷蔵庫1のタイプが第1タイプであると判別した場合(ステップSA2:「第1タイプ」)、第1処理部2031として機能する。そして、第1処理部2031は、庫内温度下降指示HS1を端末通信部21により冷蔵庫制御サーバー3に送信する(ステップSA3)。ステップSA3において、第1処理部2031は、端末記憶部210が記憶するユーザーID3131を付加した庫内温度下降指示HS1を、冷蔵庫制御サーバー3に送信する。
【0070】
フローチャートFBを参照し、冷蔵庫制御サーバー3のサーバー制御部30は、サーバー通信部31により庫内温度下降指示HS1を端末装置2から受信したか否か判別する(ステップSB1)。
【0071】
サーバー制御部30は、庫内温度下降指示HS1を受信したと判別した場合(ステップSB1:YES)、冷蔵庫制御データベース313を参照して、庫内温度下降指示HS1に付加されたユーザーID3131を含むレコードRを特定する(ステップSB2)。
【0072】
サーバー制御部30は、特定したレコードRに含まれる通信情報3132に基づいて、端末装置2から受信した庫内温度下降指示HS1をサーバー通信部31により冷蔵庫1に送信する(ステップSB3)。ステップSB3において、サーバー制御部30は、ステップSB2で特定したレコードRに含まれる冷蔵庫ID1613を付加して、庫内温度下降指示HS1を送信する。
【0073】
フローチャートFCを参照して、冷蔵庫1の冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫通信部17により庫内温度下降指示HS1を冷蔵庫制御サーバー3から受信したか否かを判別する(ステップSC1)。
【0074】
冷蔵庫制御部16は、庫内温度下降指示HS1を受信したと判別した場合(ステップSC1:YES)、受信した庫内温度下降指示HS1に付加された冷蔵庫ID1613と、冷蔵庫記憶部161が記憶する冷蔵庫ID1613とが一致するか否かを判別する(ステップSC2)。
【0075】
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫ID1613が一致すると判別した場合(ステップSC2:YES)、冷蔵庫1の庫内温度を「強」の段階に対応する温度に変更する(ステップSC3)。
【0076】
一方、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫ID1613が一致しないと判別した場合(ステップSC2:NO)、本処理を終了する。すなわち、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫1の庫内温度を「中」の段階に対応する温度から変更しない。
【0077】
フローチャートFAの説明に戻り、第1処理部2031は、庫内温度下降指示HS1を端末通信部21により送信すると、庫内温度下降指示HS1を送信してから所定時間が経過したか否かを判別する(ステップSA4)。
【0078】
第1処理部2031は、庫内温度下降指示HS1を送信してから所定時間が経過していないと判別した場合(ステップSA4:NO)、再度、ステップSA4の判別を行う。
【0079】
一方、第1処理部2031は、庫内温度下降指示HS1を送信してから所定時間が経過したと判別した場合(ステップSA4:YES)、庫内温度戻り指示HS2を端末通信部21により冷蔵庫制御サーバー3に送信する(ステップSA5)。ステップSA5において、第1処理部2031は、端末記憶部210が記憶するユーザーID3131を付加した庫内温度戻り指示HS2を、冷蔵庫制御サーバー3に送信する。
【0080】
フローチャートFBを参照し、冷蔵庫制御サーバー3のサーバー制御部30は、サーバー通信部31により庫内温度戻り指示HS2を端末装置2から受信したか否か判別する(ステップSB4)。
【0081】
サーバー制御部30は、庫内温度戻り指示HS2を受信したと判別した場合(ステップSB4:YES)、冷蔵庫制御データベース313を参照して、庫内温度戻り指示HS2に付加されたユーザーID3131を含むレコードRを特定する(ステップSB5)。
【0082】
サーバー制御部30は、特定したレコードRに含まれる通信情報3132に基づいて、端末装置2から受信した庫内温度戻り指示HS2をサーバー通信部31により冷蔵庫1に送信する(ステップSB6)。ステップSB6において、サーバー制御部30は、ステップSB5で特定したレコードRに含まれる冷蔵庫ID1613を付加して、庫内温度戻り指示HS2を送信する。
【0083】
フローチャートFCを参照して、冷蔵庫1の冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫通信部17により庫内温度戻り指示HS2を冷蔵庫制御サーバー3から受信したか否かを判別する(ステップSC4)。
【0084】
冷蔵庫制御部16は、庫内温度戻り指示HS2を受信したと判別した場合(ステップSC4:YES)、受信した庫内温度戻り指示HS2に付加された冷蔵庫ID1613と、冷蔵庫記憶部161が記憶する冷蔵庫ID1613とが一致するか否かを判別する(ステップSC5)。
【0085】
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫ID1613が一致すると判別した場合(ステップSC5:YES)、冷蔵庫1の庫内温度を「中」の段階に対応する温度に変更する(ステップSC6)。
【0086】
一方、冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫ID1613が一致しないと判別した場合(ステップSC6:NO)、本処理を終了する。
【0087】
図4は、第1タイプの冷蔵庫1を備える冷蔵庫制御システム1000の動作を具体的に説明するための図である。
図4の説明では、第1タイプの冷蔵庫1の庫内温度を、「中」→「強」→「中」の順に、各段階に対応する温度に変更する場合を例示する。
【0088】
図4において、状況ST1は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知し、冷蔵庫制御アプリ213の機能によって端末装置2が庫内温度下降指示HS1をグローバルネットワークGNを介して冷蔵庫1に送信した場合を示している。冷蔵庫1は、庫内温度下降指示HS1を受信すると、庫内温度を「強」の段階に対応する温度に変更することで予冷運転を実行する。
【0089】
図4において、状況ST2は、冷蔵庫1が庫内温度を「強」の段階に対応する温度に変更してから、すなわち予冷運転を実行してから所定時間以内に、ユーザーPが自宅Hに帰宅した場合を示している。状況ST1及び状況ST2で示すように、第1タイプの冷蔵庫1は、ユーザーPが食品を冷蔵庫1に収容する前に庫内温度を下げることができる。よって、第1タイプの冷蔵庫1は、ユーザーPが食品を冷蔵庫1に収容したことに起因して一時的に庫内温度が上昇することを防止し、また、新規で収容された食品の温度を、速やかに最適な保管温度に至らせることができる。よって、第1タイプの冷蔵庫1を備える冷蔵庫制御システム1000は、既に収容されている食品、及び、新規で収容された食品の鮮度が低下すること防止できる。
【0090】
図4において、状況ST3は、ユーザーPが自宅Hから帰宅した後、冷蔵庫1が庫内温度を「強」の段階に対応する温度に変更してから所定時間が経過し、端末装置2がグローバルネットワークGNを介して庫内温度戻り指示HS2を冷蔵庫1に送信した場合を示している。冷蔵庫1は、庫内温度戻り指示HS2を受信すると、庫内温度を「中」の段階に対応する温度に戻すことで予冷運転を終了する。
図4の状況ST3では、ユーザーPが自宅Hに帰宅しているため、ユーザーPが店舗TPで購入した食品を冷蔵庫1に収容している可能性が高く、継続して庫内温度を「強」の段階に対応する温度にする必要がない。よって、冷蔵庫1は、適切なタイミングで、庫内温度を「中」の段階に対応する温度に戻すことができる。
【0091】
図5は、第2タイプの冷蔵庫1を備える冷蔵庫制御システム1000の動作を示すフローチャートである。
図5において、フローチャートFDは端末装置2の動作を示し、フローチャートFEは冷蔵庫制御サーバー3の動作を示し、フローチャートFFは第2タイプの冷蔵庫1の動作を示す。
【0092】
図5に示すフローチャートでは、アプリ設定データ214において、冷蔵庫1のタイプに係る設定項目に、第2タイプを示すタイプ情報2141をセットされており、運転制御部203が、第2処理部2032として機能することを前提とする。また、
図5に示すフローチャートの開始時点では、第2タイプの冷蔵庫1が通常運転や節電運転等の予冷運転以外の運転を行っているとする。
【0093】
運転制御部203は、検知部202からの検知結果に基づいて、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知したか否かを判別する(ステップSD1)。
【0094】
運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知していないと判別した場合(ステップSD1:NO)、再度、ステップSD1の判別を行う。
【0095】
一方、運転制御部203は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知したと判別した場合(ステップSD1:YES)、運転制御部203は、端末装置2が通信する冷蔵庫1のタイプが第1タイプか第2タイプかを判別する(ステップSD2)。
【0096】
運転制御部203は、アプリ設定データ214において冷蔵庫1のタイプに係る設定項目に、第1タイプを示すタイプ情報2141がセットされている場合、ステップSD2において冷蔵庫1のタイプが第1タイプであると判別する。一方で、運転制御部203は、アプリ設定データ214において冷蔵庫1のタイプに係る設定項目に、第2タイプを示すタイプ情報2141がセットされている場合、ステップSD2において冷蔵庫1のタイプが第2タイプであると判別する。
【0097】
運転制御部203は、端末装置2が通信する冷蔵庫1のタイプが第1タイプであると判別した場合(ステップSD2:「第1タイプ」)、第1処理部2031として機能し、処理を
図3のステップSA3に移行させる。
【0098】
一方、運転制御部203は、端末装置2が通信する冷蔵庫1のタイプが第2タイプであると判別した場合(ステップSD2:「第2タイプ」)、第2処理部2032として機能する。そして、第2処理部2032は、予冷運転実行指示USを端末通信部21により冷蔵庫制御サーバー3に送信する(ステップSD3)。ステップSD3において、第2処理部2032は、端末記憶部210が記憶するユーザーID3131を付加した予冷運転実行指示USを、冷蔵庫制御サーバー3に送信する。
【0099】
フローチャートFEを参照し、冷蔵庫制御サーバー3のサーバー制御部30は、サーバー通信部31により予冷運転実行指示USを端末装置2から受信したか否か判別する(ステップSE1)。
【0100】
サーバー制御部30は、予冷運転実行指示USを受信したと判別した場合(ステップSE1:YES)、冷蔵庫制御データベース313を参照して、予冷運転実行指示USに付加されたユーザーID3131を含むレコードRを特定する(ステップSE2)。
【0101】
サーバー制御部30は、特定したレコードRに含まれる通信情報3132に基づいて、端末装置2から受信した予冷運転実行指示USをサーバー通信部31により冷蔵庫1に送信する(ステップSE3)。ステップSE3において、サーバー制御部30は、ステップSE2で特定したレコードRに含まれる冷蔵庫ID1613を付加して、予冷運転実行指示USを送信する。
【0102】
フローチャートFFを参照して、冷蔵庫1の冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫通信部17により予冷運転実行指示USを冷蔵庫制御サーバー3から受信したか否かを判別する(ステップSF1)。
【0103】
冷蔵庫制御部16は、予冷運転実行指示USを受信したと判別した場合(ステップSF1:YES)、受信した予冷運転実行指示USに付加された冷蔵庫ID1613と、冷蔵庫記憶部161が記憶する冷蔵庫ID1613とが一致するか否かを判別する(ステップSF2)。
【0104】
冷蔵庫制御部16は、冷蔵庫ID1613が一致すると判別した場合(ステップSF2:YES)、予冷運転を開始する(ステップSF3)。
【0105】
冷蔵庫制御部16は、予冷運転を開始してから所定時間が経過したか否かを判別する(ステップSF4)。
【0106】
冷蔵庫制御部16は、予冷運転を開始してから所定時間が経過していないと判別した場合(ステップSF4:NO)、再度、ステップSF4の判別を行う。
【0107】
一方、冷蔵庫制御部16は、予冷運転を開始してから所定時間が経過したと判別した場合(ステップSF4:YES)、予冷運転を終了する(ステップSF5)。
【0108】
図6は、第2タイプの冷蔵庫1を備える冷蔵庫制御システム1000の動作を具体的に説明するための図である。また、
図6に示すフローチャートの開始時点では、第2タイプの冷蔵庫1が通常運転や節電運転等の予冷運転以外の運転を行っているとする。
【0109】
図6において、状況ST4は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知し、端末装置2がグローバルネットワークGNを介して予冷運転実行指示USを冷蔵庫1に送信した場合を示している。冷蔵庫1は、予冷運転実行指示USを受信すると、予冷運転を開始する。
【0110】
図6において、状況ST5は、冷蔵庫1が予冷運転を開始してから所定時間以内に、ユーザーPが自宅Hに帰宅した場合を示している。状況ST4及び状況ST5で示すように、第2タイプの冷蔵庫1は、ユーザーPが食品を冷蔵庫1に収容する前に、予冷運転によって庫内温度を下げることができる。これにより、
図4を参照して説明した第1タイプの冷蔵庫1を備える冷蔵庫制御システム1000と同様の効果を備える。
【0111】
図6において、状況ST5から、冷蔵庫1が予冷運転を開始してから所定時間が経過すると、冷蔵庫1は、予冷運転を終了する。状況ST5のように、予冷運転を開始してから所定時間内に、ユーザーPが自宅Hに帰宅しているタイミングで予冷運転を終了できるため、冷蔵庫1は、適切なタイミングで、予冷運転を終了できる。
【0112】
以上、説明したように、冷蔵庫制御アプリ213は、冷蔵庫1と通信可能な端末装置2の端末制御部20を、庫内温度の変更を伴う予冷運転を冷蔵庫1に実行させる際に、第1タイプの冷蔵庫1に対しては、庫内温度の変更を指示する庫内温度下降指示HS1を送信する第1処理部2031と、予冷運転を実行させる際に、第2タイプの冷蔵庫1に対しては、庫内温度を変更する予冷運転の実行を指示する予冷運転実行指示USを送信する第2処理部2032と、して機能させる。
【0113】
冷蔵庫1と通信可能な端末装置2は、予冷運転を実行させる際に、第1タイプの冷蔵庫1に対しては、庫内温度の変更を指示する庫内温度下降指示HS1を送信し、予冷運転を実行させる際に、第2タイプの冷蔵庫1に対しては、庫内温度を変更する予冷運転の実行を指示する予冷運転実行指示USを送信する端末制御部20を備える。
【0114】
冷蔵庫制御アプリ213、及び、端末装置2によれば、予冷運転を実行させる際に、冷蔵庫1のタイプに応じて制御対象が異なる指示を端末装置2が冷蔵庫1に送信できる。したがって、冷蔵庫制御アプリ213、及び、端末装置2によれば、冷蔵庫1のタイプに依ることなく、端末装置2によって庫内温度の変更を伴う予冷運転を冷蔵庫1に実行させることができる。
【0115】
第2タイプの冷蔵庫1は、予冷運転を実行した後、所定時間経過すると予冷運転を終了し、庫内温度を予冷運転の実行前の温度に戻す冷蔵庫1である。第1処理部2031は、庫内温度下降指示HS1の送信後、庫内温度を庫内温度下降指示HS1の送信前の温度に戻すことを指示する庫内温度戻し指示HS2を送信する。第2処理部2032は、予冷運転実行指示USの送信後、予冷運転の終了指示を送信しない。
【0116】
これによれば、予冷運転を実行することで冷蔵庫1が庫内温度を変更した後、冷蔵庫1のタイプに応じて庫内温度を変更前に戻す処理を実行できる。そのため、冷蔵庫1のタイプに依ることなく、端末装置2によって予冷運転の実行を冷蔵庫1に終了させることができる。
【0117】
予冷運転は、冷蔵庫1の庫内温度を下げる動作である。庫内温度下降指示HS1は、庫内温度を下げる指示である。
【0118】
これによれば、冷蔵庫1のタイプに依ることなく、端末装置2により冷蔵庫1の庫内温度を下げることができる。
【0119】
第1タイプの冷蔵庫1は、第2タイプの冷蔵庫1より旧機種である。第2タイプの冷蔵庫1は、第1タイプの冷蔵庫1より新機種である。
【0120】
これによれば、冷蔵庫1の機種が新旧に依ることなく、端末装置2によって予冷運転を冷蔵庫1に実行させることができる。
【0121】
冷蔵庫制御アプリ213は、端末装置2にインストール可能なアプリケーションプログラムである。
【0122】
これによれば、冷蔵庫1の庫内温度を変更させる機能を有していない端末装置2を、冷蔵庫制御アプリ213のインストールによって、当該機能を有する端末装置2とすることができる。よって、汎用的な端末装置2を、冷蔵庫1のタイプに依ることなく予冷運転を冷蔵庫1に実行させることができる端末装置2とすることができる。
【0123】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0124】
例えば、上述した実施形態では、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合、自動で、第1タイプの冷蔵庫1には庫内温度下降指示HS1を送信し、第2タイプの冷蔵庫2には予冷運転実行指示USを送信する構成である。しかしながら、端末装置2は、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合、ユーザーPに冷蔵庫1の庫内温度を下げるか否かを問い合わせる構成でもよい。この構成の場合、問い合わせ後、ユーザーPに冷蔵庫1の庫内温度を下げる指示をユーザーPから受け付けた場合、端末装置2は、第1タイプの冷蔵庫1には庫内温度下降指示HS1を送信し、第2タイプの冷蔵庫2には予冷運転実行指示USを送信する。
【0125】
また、例えば、上述した実施形態では、本発明の所定動作として予冷運転を例示したが、本発明の所定動作は、予冷運転に限定されず、他の運転時より消費電力が小さい節電運転等の他の運転でもよい。なお、節電運転では、庫内温度が、例えば通常運転時より上がる。なお、本発明の所定動作が節電運転の場合、端末装置2は、冷蔵庫制御アプリ213の機能によって、庫内温度を現在の温度から上げる変更を指示する庫内温度変更指示HSを、冷蔵庫1に送信する。例えば、現在の庫内温度が「中」の段階に対応する温度である場合、第1処理部2031は、庫内温度を「弱」の段階に対応する温度に変更する庫内温度変更指示HSを、冷蔵庫1に送信する。そして、第1処理部2031は、当該庫内温度変更指示HSを送信した後に所定時間が経過すると、庫内温度を「中」の段階に対応する温度に変更する庫内温度変更指示HSを、冷蔵庫1に送信する。この例では、端末装置2から先に送信される庫内温度変更指示HSが、本発明の「第1指示」に相当し、端末装置2から後に送信される庫内温度変更指示HSが、本発明の「第3指示」に相当する。
【0126】
また、例えば、上述した実施形態では、冷蔵庫制御サーバー3が、庫内温度下降指示HS1、庫内温度戻り指示HS2、及び、予冷運転実行指示USを冷蔵庫1に送信する際に冷蔵庫ID1613を付加する構成を例示したが、冷蔵庫制御サーバー3は、冷蔵庫ID1613を付加せずにこれら指示を冷蔵庫1に送信する構成でもよい。この構成の場合、冷蔵庫1は、
図3のステップSC2、SC5、及び、
図5のステップSF2の処理を実行することなく、予冷運転を実行する。また、この構成の場合、冷蔵庫記憶部161は、冷蔵庫ID1613を記憶しなくてもよい。また、この構成の場合、冷蔵庫制御データベース313が格納する1件のレコードRは、冷蔵庫ID1613を有していなくてもよい。
【0127】
また、例えば、上述した実施形態では、ユーザーPが店舗TPに位置すると検知部202が検知した場合に、庫内温度変更指示HS又は予冷運転実行指示USを冷蔵庫1に送信する構成であるが、庫内温度変更指示HS又は予冷運転実行指示USの送信トリガーは、検知部202の検知に限定されない。庫内温度変更指示HS又は予冷運転実行指示USの送信トリガーは、例えば、ユーザーPが冷蔵庫制御アプリ213を立ち上げ、ユーザーPが庫内温度変更指示HS又は予冷運転実行指示USの送信を示す操作を冷蔵庫制御アプリ213において行ったことでもよい。
【0128】
また、例えば、上述した実施形態では、端末装置2と冷蔵庫1とが、グローバルネットワークGNに接続する冷蔵庫制御サーバー3を介して通信する場合の構成であるが、端末装置2と冷蔵庫1とは、グローバルネットワークGNを介さず、直接、通信してもよい。この構成の場合、アプリ設定データ214には、直接通信する冷蔵庫1の冷蔵庫ID1613が設定値として記述され、端末装置1は、各種指示を送信する際、この冷蔵庫ID1613を付加する。
【0129】
また、例えば、上述した実施形態では、第1タイプの冷蔵庫1として第2タイプの冷蔵庫1より旧機種の冷蔵庫1を例示し、第2タイプの冷蔵庫1として第1タイプの冷蔵庫1より新機種の冷蔵庫1を例示した。しかしながら、第1タイプの冷蔵庫1と第2タイプの冷蔵庫1とは、機種が新旧異なる冷蔵庫1に限定されず、例えば、製造地が異なる冷蔵庫1としてもよい。
【0130】
また、例えば、検知部202は、現在地の表示機能やナビゲーション機能等を有するアプリケーションプログラム、所謂、地図アプリと協働して、ユーザーPが店舗TPに位置するか否かを検知してもよい。
【0131】
また、例えば、冷蔵庫の主箱体10に形成される部屋の種類は、冷蔵室11、製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び、野菜室15に限定されず、少なくてもよいし、さらに別の種類の部屋が形成されてもよい。また、冷蔵室11の前面の開口部に設けられるドアの数は、1つでもよい。
【0132】
また、冷蔵庫制御部16、端末制御部20、及び、サーバー制御部30の機能は、複数のプロセッサー、又は、半導体チップにより実現してもよい。
【0133】
また、
図2に示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、冷蔵庫1、端末装置2、及び、冷蔵庫制御サーバー3の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0134】
また、例えば、
図3、及び、
図5に示す動作のステップ単位は、冷蔵庫制御システム1000の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0135】
以上のように、本発明に係るプログラム、及び、端末装置は、端末装置により冷蔵庫の庫内温度を変更する用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0136】
1 冷蔵庫
2 端末装置
20 端末制御部(制御部)
213 冷蔵庫制御アプリ(プログラム、アプリケーションプログラム)
2031 第1処理部
2032 第2処理部
HS1 庫内温度下降指示(第1指示)
HS2 庫内温度戻り指示(第3指示)
US 予冷運転実行指示(第2指示)