(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】作業ライン管理装置および作業ライン管理方法ならびに電子回路基板製造システム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/08 20060101AFI20240621BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
H05K13/08 Z
H05K13/04 A
(21)【出願番号】P 2020126188
(22)【出願日】2020-07-27
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 俊英
【審査官】小野 孝朗
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-260898(JP,A)
【文献】特開2011-082375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を実装した電子回路基板を製造するための作業を行う複数の作業装置で構成された作業ラインを管理する作業ライン管理装置であって、
複数の作業装置から送信された作業結果情報を収集する情報収集部と、
前記作業装置毎に設定された送信条件に基づいて、前記作業結果情報に含まれる情報を前記送信条件に対応した送信情報として前記送信条件に対応した作業装置に送信する情報送信部と、を備え
、
前記作業結果情報は、前記基板における不良箇所の情報を含み、
前記送信情報は、前記送信条件に対応した作業装置が前記不良箇所を実装不良と判定しない指示を含む、作業ライン管理装置。
【請求項2】
複数の前記作業装置には、半田が堆積した後の前記基板の表面を撮像して検査する半田検査装置、堆積された前記半田の上に部品を実装する実装装置、堆積された前記半田の上に部品が実装された後の前記基板の表面を撮像して検査する実装検査装置、前記半田が固着した後の前記基板の表面を撮像して検査する固着検査装置、前記半田が固着した後の前記基板の接合状態を非接触で検査する非接触検査装置、および前記半田が固着した後の前記基板の電気特性を計測して検査する電気特性検査装置のいずれかのうち、少なくとも2つを含む、請求項1に記載の作業ライン管理装置。
【請求項3】
前記作業結果情報は、前記基板における不良箇所の情報を含み、
前記送信情報は、前記送信条件に対応した作業装置が前記不良箇所に対して作業を行わない指示を含む、請求項1または2に記載の作業ライン管理装置。
【請求項4】
前記作業結果情報は、前記基板における半田堆積の特定箇所の情報または実装の特定箇所の情報を含み、
前記送信情報は、前記送信条件に対応した作業装置が前記特定箇所に対して追加作業を行う指示を含む、請求項1または2に記載の作業ライン管理装置。
【請求項5】
前記作業結果情報は、前記基板における実装検査の情報を含み、
前記送信情報は、前記送信条件に対応した作業装置のうち通常プログラムと簡易プログラムを有する作業装置が簡易プログラムに切り替えて作業を行う指示を含む、請求項1または2に記載の作業ライン管理装置。
【請求項6】
基板に部品を実装した電子回路基板を製造するための作業を行う複数の作業装置で構成された作業ラインを管理する作業ライン管理方法であって、
複数の作業装置から送信された作業結果情報を収集し、
前記作業装置毎に設定された送信条件に基づいて、前記作業結果情報に含まれる情報を前記送信条件に対応した送信情報として前記送信条件に応じた作業装置に送信することを含
み、
前記作業結果情報は、前記基板における不良箇所の情報を含み、
前記送信情報は、前記送信条件に対応した作業装置が前記不良箇所を実装不良と判定しない指示を含む、作業ライン管理方法。
【請求項7】
複数の前記作業装置には、半田が堆積した後の前記基板の表面を撮像して検査する半田検査装置、堆積された前記半田の上に部品を実装する実装装置、堆積された前記半田の上に部品が実装された後の前記基板の表面を撮像して検査する実装検査装置、前記半田が固着した後の前記基板の表面を撮像して検査する固着検査装置、前記半田が固着した後の前記基板の接合状態を非接触で検査する非接触検査装置、および前記半田が固着した後の前記基板の電気特性を計測して検査する電気特性検査装置のいずれかのうち、少なくとも2つを含む、請求項
6に記載の作業ライン管理方法。
【請求項8】
前記作業結果情報は、前記基板における不良箇所の情報を含み、
前記送信情報は、前記送信条件に対応した作業装置が前記不良箇所に対して作業を行わない指示を含む、請求項
6または
7に記載の作業ライン管理方法。
【請求項9】
前記作業結果情報は、前記基板における半田堆積の特定箇所の情報または実装の特定箇所の情報を含み、
前記送信情報は、前記送信条件に対応した作業装置が前記特定箇所に対して追加作業を行う指示を含む、請求項
6または
7に記載の作業ライン管理方法。
【請求項10】
前記作業結果情報は、前記基板における実装検査の情報を含み、
前記送信情報は、前記送信条件に対応した作業装置のうち通常プログラムと簡易プログラムを有する作業装置が簡易プログラムに切り替えて作業を行う指示を含む、請求項
6または
7に記載の作業ライン管理方法。
【請求項11】
基板に部品を実装した電子回路基板を製造するための作業を行う複数の作業装置で構成された作業ラインと、前記作業ラインを管理する作業ライン管理装置を備える電子回路基板製造システムであって、
前記作業ライン管理装置は、
複数の作業装置から送信された作業結果情報を収集する情報収集部と、
前記作業装置毎に設定された送信条件に基づいて、前記作業結果情報に含まれる情報を前記送信条件に対応した送信情報として前記送信条件に対応した作業装置に送信する情報送信部と、を備え、
前記作業装置は、受信した前記送信情報に基づいて作業
し、
前記作業結果情報は、前記基板における不良箇所の情報を含み、
前記送信情報を受信した前記作業装置は、前記不良箇所を実装不良と判定しない、電子回路基板製造システム。
【請求項12】
複数の前記作業装置には、半田が堆積した後の前記基板の表面を撮像して検査する半田検査装置、堆積された前記半田の上に部品を実装する実装装置、堆積された前記半田の上に部品が実装された後の前記基板の表面を撮像して検査する実装検査装置、前記半田が固着した後の前記基板の表面を撮像して検査する固着検査装置、前記半田が固着した後の前記基板の接合状態を非接触で検査する非接触検査装置、および前記半田が固着した後の前記基板の電気特性を計測して検査する電気特性検査装置のいずれかのうち、少なくとも2つを含む、請求項
11に記載の電子回路基板製造システム。
【請求項13】
前記作業結果情報は、前記基板における不良箇所の情報を含み、
前記送信情報を受信した前記作業装置は前記不良箇所に対して作業を行わない、請求項
11または
12に記載の電子回路基板製造システム。
【請求項14】
前記作業結果情報は、前記基板における半田堆積の特定箇所の情報または実装の特定箇所の情報を含み、
前記送信情報を受信した前記作業装置は、前記特定箇所に対して追加作業を行う、請求項
11または
12に記載の電子回路基板製造システム。
【請求項15】
前記作業結果情報は、前記基板における実装検査の情報を含み、
前記送信情報を受信した前記作業装置うち通常プログラムと簡易プログラムを有する前記作業装置は、簡易プログラムに切り替えて作業を行う、請求項
11または
12に記載の電子回路基板製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路基板を製造する作業ラインを管理する作業ライン管理装置および作業ライン管理方法ならびに電子回路基板製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板に部品を実装する実装装置や検査装置を含む複数の作業装置を備え、基板に部品を実装した電子回路基板を製造する生産ラインには、作業が行われた基板の状態を検査する複数の検査装置を備えるものが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の生産ライン(表面実装ライン)は、実装後の部品の端子の位置を検出する部品検査装置と、リフロー後の半田の状態を検査して部品検査装置が検出した端子の位置から半田接合の良否を判定する外観検査装置を備えている。部品検査装置と外観検査装置が連携することで、リフロー後では半田に埋没して外から見えなくなる端子の位置を特定して半田接合状態の検査判定精度を向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、複数の作業装置(検査装置)が連携して半田接合状態という特定の検査が精度よくできるものの、作業ラインでは一の作業装置の作業結果情報に基づいて複数の他の作業装置が異なる作業をする場合や、製造する電子回路基板の種類や品質レベルに合わせて作業装置を追加変更して再構成した作業ラインでも再構成前と同様の作業結果情報に基づく作業をしたいという要求も有り、作業ラインの作業装置の間で作業結果情報を柔軟に連携させるためにはさらなる改善の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、複数の作業装置で構成された作業ラインにおける作業結果情報の連携を柔軟に行うことができる作業ライン管理装置および作業ライン管理方法ならびに電子回路基板製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の作業ライン管理装置は、基板に部品を実装した電子回路基板を製造するための作業を行う複数の作業装置で構成された作業ラインを管理する作業ライン管理装置であって、複数の作業装置から送信された作業結果情報を収集する情報収集部と、前記作業装置毎に設定された送信条件に基づいて、前記作業結果情報に含まれる情報を前記送信条件に対応した送信情報として前記送信条件に対応した作業装置に送信する情報送信部と、を備え、前記作業結果情報は、前記基板における不良箇所の情報を含み、前記送信情報は、前記送信条件に対応した作業装置が前記不良箇所を実装不良と判定しない指示を含む。
【0007】
本発明の作業ライン管理方法は、基板に部品を実装した電子回路基板を製造するための作業を行う複数の作業装置で構成された作業ラインを管理する作業ライン管理方法であって、複数の作業装置から送信された作業結果情報を収集し、前記作業装置毎に設定された送信条件に基づいて、前記作業結果情報に含まれる情報を前記送信条件に対応した送信情報として前記送信条件に応じた作業装置に送信することを含み、前記作業結果情報は、前記基板における不良箇所の情報を含み、前記送信情報は、前記送信条件に対応した作業装置が前記不良箇所を実装不良と判定しない指示を含む。
【0008】
本発明の電子回路基板製造システムは、基板に部品を実装した電子回路基板を製造するための作業を行う複数の作業装置で構成された作業ラインと、前記作業ラインを管理する作業ライン管理装置を備える電子回路基板製造システムであって、前記作業ライン管理装置は、複数の作業装置から送信された作業結果情報を収集する情報収集部と、前記作業装置毎に設定された送信条件に基づいて、前記作業結果情報に含まれる情報を前記送信条件に対応した送信情報として前記送信条件に対応した作業装置に送信する情報送信部と、を備え、前記作業装置は、受信した前記送信情報に基づいて作業し、前記作業結果情報は、前記基板における不良箇所の情報を含み、前記送信情報を受信した前記作業装置は、前記不良箇所を実装不良と判定しない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の作業装置で構成された作業ラインにおける作業結果情報の連携を柔軟に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態の電子回路基板製造システムの構成説明図
【
図2】本発明の一実施の形態の電子回路基板製造システムの制御系の構成を示すブロック図
【
図3】本発明の一実施の形態の作業ライン管理装置で使用される条件設定情報の一例を示す説明図
【
図4】本発明の一実施の形態の作業ライン管理装置に表示される送信条件設定画面の一例を示す説明図
【
図5】(a)(b)本発明の一実施の形態の作業ライン管理装置で使用される送信条件の一例を示す説明図
【
図6】本発明の一実施の形態の作業ライン管理方法のフローを示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、電子回路基板製造システム、作業ライン、作業ライン管理装置、作業装置の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
まず
図1、
図2を参照して電子回路基板製造システム1の構成について説明する。電子回路基板製造システム1は、基板に部品を実装した電子回路基板を製造するための作業を行う複数の作業装置で構成された作業ラインLと、作業ラインLを管理する作業ライン管理装置3を備えている。作業ラインLは、基板搬送方向の上流側(
図1における左側)から順番に、作業装置である基板供給装置M1、印刷装置M2、半田検査装置M3、実装装置M4~M6、実装検査装置M7、リフロー装置M8、固着検査装置M9、X線検査装置M10、電気特性検査装置M11、基板回収装置M12を備えている。
【0013】
図2において、各作業装置M1~M12は、制御部22、記憶部23、作業部24、表示部25、通信部26を備えている。作業部24は、ベルトコンベアを有する基板搬送機構を有し、基板を搬送し、搬送された基板に電子回路基板を製造するための作業を行う。制御部22は、記憶部23が記憶する作業データおよび作業ライン管理装置3から送信される指示に基づいて、作業部24を制御して電子回路基板を製造するための作業を実行させる。表示部25は、液晶パネルなどの表示装置であり、記憶部23が記憶する各種データの他、作業部24の作業状況などを表示する。通信部26は通信インターフェースであり、有線または無線による通信ネットワーク2を介して作業ライン管理装置3、他の作業装置M1~M12との間でデータの送受信を行う。
【0014】
図1、
図2において、各作業装置M1~M12の基板搬送機構は、上流側と下流側の作業装置M1~M12の基板搬送機構と連結されており、基板を上流側から下流側の作業装置M1~M12に順に搬送する。なお、作業ラインLは通信ネットワーク2を介して接続される作業装置群であり、基板搬送機構によって物理的に作業装置同士が連結されていなくてもよい。また、作業ラインLは上記の構成に限定されることはない。例えば、作業ラインLは上記の全ての作業装置M1~M12を備えている必要はなく、また、実装装置M4~M6が1台、2台であっても4台以上であってもよい。
【0015】
次に
図1を参照して、作業ラインLを構成する各作業装置M1~M12の構成について説明する。基板供給装置M1は、供給記憶部(記憶部23)が記憶する基板供給データ(作業データ)に基づいて、供給制御部(制御部22)が複数の基板を収納するラックを含む供給作業部(作業部24)を制御することにより、ラックから基板を取り出して下流側の装置に供給する機能を有する。また、基板供給装置M1は、供給作業部として基板に付された1次元コード、2次元コード、またはRFIDなどのマークに記録された基板IDを読み取るリーダを供給作業部に備えており、リーダにより下流側の装置に供給する基板の基板IDを読み取る機能を有する。
【0016】
印刷装置M2は、印刷記憶部(記憶部23)が記憶する半田印刷データ(作業データ)に基づいて印刷制御部(制御部22)が印刷作業部(作業部24)を制御することにより、マスクを介して基板にペースト状の半田を塗布(堆積)する印刷作業を実行する機能を有する。また、印刷作業部は、印刷作業部としてマスクの下面に付着した半田を除去するマスク清掃を実行するマスク清掃部(図示省略)を備えている。印刷装置M2は、所定枚数の基板に半田を塗布する毎にマスク清掃を実行する他、作業ライン管理装置3から送信される指示に従ってマスク清掃を実行する。なお、基板に半田を塗布する装置は印刷装置M2に限定されず、例えば半田塗布機であってもよい。
【0017】
図1において、半田検査装置M3は、半田検査記憶部(記憶部23)が記憶する半田検査データ(作業データ)に基づいて、半田検査制御部(制御部22)が基板の表面を撮像する半田検査カメラを含む半田検査作業部(作業部24)を制御することにより、半田が堆積した後の基板の表面を撮像して半田の堆積状態などを検査する半田検査作業を実行する機能を有する。実装装置M4~M6は、実装記憶部(記憶部23)が記憶する実装データ(作業データ)に基づいて、実装制御部(制御部22)が実装作業部(作業部24)を制御することにより、堆積された半田の上に部品を実装する部品実装作業を実行する機能を有する。
【0018】
実装検査装置M7は、実装検査記憶部(記憶部23)が記憶する実装検査データ(作業データ)に基づいて、実装検査制御部(制御部22)が基板の表面を撮像する実装検査カメラを含む実装検査作業部(作業部24)を制御することにより、堆積された半田の上に部品が実装された後の基板の表面を撮像して実装された部品の位置、実装状態などを検査する実装検査作業を実行する機能を有する。リフロー装置M8は、リフロー記憶部(記憶部23)が記憶するリフローデータ(作業データ)に基づいて、リフロー制御部(制御部22)がリフロー作業部(作業部24)を制御することにより、部品が実装された基板を加熱して半田を融解させた後に固化させて基板に固着させるリフロー作業を実行する機能を有する。
【0019】
図1において、固着検査装置M9は、固着検査記憶部(記憶部23)が記憶する固着検査データ(作業データ)に基づいて、固着検査制御部(制御部22)が基板の表面を撮像する固着検査カメラを含む固着検査作業部(作業部24)を制御することにより、半田が固着した後の基板の表面を撮像して固着した半田状態など検査する固着検査作業を実行する機能を有する。
【0020】
X線検査装置M10は、X線検査記憶部(記憶部23)が記憶するX線検査データ(作業データ)に基づいて、X線検査制御部(制御部22)がX線センサを含むX線検査作業部(作業部24)を制御することにより、半田が固着した後の基板の透視観察や断面観察を非接触で実行し、接合状態を検査するX線検査作業を実行する機能を有する。すなわち、X線検査装置M10は、半田が固着した後の基板の接合状態を非接触で検査する非接触検査装置である。
【0021】
図1において、電気特性検査装置M11は、電気特性検査記憶部(記憶部23)が記憶する電気特性検査データ(作業データ)に基づいて、電気特性検査制御部(制御部22)が電気特性検査作業部(作業部24)を制御することにより、半田が固着した後の基板の電極等に探針を接触させて基板の電気特性を計測して接合状態などを検査する電気特性検査作業を実行する機能を有する。基板回収装置M12は、回収記憶部(記憶部23)が記憶する基板回収データ(作業データ)に基づいて、回収制御部(制御部22)が複数の基板を収納するラックを含む回収作業部(作業部24)を制御することにより、部品が半田付けされた電子回路基板を回収してラックに収納する機能を有する。
【0022】
次に
図2を参照して、電子回路基板製造システム1の制御系の構成について説明する。電子回路基板製造システム1は、複数の作業装置M1~M12で構成された作業ラインLと、作業ラインLを管理する作業ライン管理装置3を備えている。作業ライン管理装置3は、処理装置10、記憶装置である管理記憶部11、入出力表示部16、管理通信部17を備えている。管理記憶部11には、作業結果情報12、条件設定情報13、送信条件14、送信情報15などが記憶されている。
【0023】
処理装置10はCPUなどのデータ処理装置であり、内部処理部として情報収集部18、条件設定部19、情報送信部20を備えている。なお、作業ライン管理装置3は、ひとつのコンピュータで構成する必要はなく、複数のデバイスで構成してもよい。例えば、記憶装置、データ処理装置の全てもしくは一部を、サーバを介してクラウドに備えてもよい。
【0024】
図2において、入出力表示部16は、操作コマンドやデータなどを入力する入力機能と、各種データやデータ入力画面などを表示する表示機能を備えるタッチパネルなどの装置である。なお、入出力表示部16は入力機能と表示機能が一体化された装置に限定されることはない。例えば、入力機能をキーボード、タッチパネル、マウス、音声などの入力装置で実施し、表示機能を液晶パネルなどの表示装置で実施するようにしてもよい。管理通信部17は、通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を介して作業ラインLを構成する作業装置M1~M12との間でデータの送受信を行う。
【0025】
図2において、情報収集部18は、作業ラインLが電子回路基板を製造している間に作業ラインLの複数の作業装置M1~M12から送信された作業結果情報12を継続して収集し、管理記憶部11に記憶させる。具体的には、情報収集部18は基板供給装置M1から、下流側の印刷装置M2に供給した基板の基板IDを含む作業結果情報12を収集する。また、情報収集部18は印刷装置M2から、印刷作業を行った基板の基板ID、印刷条件などを含む作業結果情報12を収集する。
【0026】
また、情報収集部18は半田検査装置M3から、半田検査作業を行った基板の基板ID、半田の堆積状態が不良である半田不良箇所、堆積状態が不良には至っていないがずれ量が大きな特定箇所や堆積量に過不足がある特定箇所の半田位置などを含む作業結果情報12を収集する。また、基板が複数の個別基板により構成される多面取り基板の場合、情報収集部18は半田検査装置M3から、半田の堆積状態が不良であるため以降の作業を行わないことを決定した個別基板を特定する不良基板情報を含む作業結果情報12を収集する。
【0027】
図2において、情報収集部18は実装装置M4~M6から、部品実装作業を行った基板の基板ID、実装条件、部品を基板に移載する際の位置補正量がエラー範囲ではないが所定範囲よりも大きかった特定箇所、ノズルが部品を正常に保持できずにリトライした特定箇所の実装位置などを含む作業結果情報12を収集する。また、情報収集部18は実装検査装置M7から、実装検査作業を行った基板の基板ID、実装された部品の位置ずれ量、実装状態が不良である実装不良箇所、実装状態が不良には至っていないが位置ずれ量などが大きな特定箇所の位置、実装状態が不良であるため以降の作業を行わないことを決定した個別基板を特定する不良基板情報などを含む作業結果情報12を収集する。
【0028】
また、情報収集部18は固着検査装置M9から、固着検査作業を行った基板の基板ID、実装された部品の位置ずれ量、半田の固着状態が不良である固着不良箇所、固着状態が不良には至っていないが位置ずれ量などが大きな特定箇所の位置、固着状態が不良であるため以降の作業を行わないことを決定した個別基板を特定する不良基板情報などを含む作業結果情報12を収集する。また、情報収集部18はX線検査装置M10から、X線検査作業を行った基板の基板ID、半田の接合状態が不良である接合不良箇所、半田の接合状態が良好とは断定できずに電気特性検査が必要と判断した特定箇所の位置、接合状態が不良であるため以降の作業を行わないことを決定した個別基板を特定する不良基板情報などを含む作業結果情報12を収集する。
【0029】
図2において、情報収集部18は電気特性検査装置M11から、電気特性検査作業を行った基板の基板ID、半田の接合の電気特性の計測結果が不良である電気特性箇所の位置などを含む作業結果情報12を収集する。このように、作業結果情報12には、基板における不良箇所(半田不良箇所、実装不良箇所、固着不良箇所、接合不良箇所、電気特性不良箇所)の情報、基板における半田堆積の特定箇所の情報、実装の特定箇所の情報が含まれている。
【0030】
図2において、条件設定部19は、作業装置M1~M12から収集された作業結果情報12から他の作業装置M1~M12に送信する送信情報15を作成する条件が規定された送信条件14を作成する。具体的には、条件設定部19は、作業者が操作する送信条件設定画面を入出力表示部16に表示させ、送信条件設定画面で設定された情報に基づいて送信条件14を作成する。条件設定部19は、管理記憶部11に記憶される条件設定情報13に基づいて、送信条件設定画面を入出力表示部16に表示させる。
【0031】
ここで
図3を参照して、条件設定情報13の例について説明する。条件設定情報13には、「番号」30毎に、「情報送信元」31、「方向」32、「情報送信先」33、「設定項目」34が含まれる。情報送信元31は、作業結果情報12を送信する作業装置M1~M12を特定する情報である。方向32は、情報送信元31を基点とした送信情報15を送信する方向を特定する情報であり、「B」は上流側に送信するフィードバックを、「F」は下流側に送信するフィードフォワードであることを示している。情報送信先33は、情報送信元31から収集した作業結果情報12に基づいて作成された送信情報15を送信する作業装置M1~M12を特定する情報である。
【0032】
設定項目34は、送信情報15として送信する項目を特定する情報である。設定項目34の「調整パラメータ」は、下流側の作業装置M1~M12での検査結果に基づいて、上流側の作業装置M1~M12の作業を最適化する調整パラメータを送信することを示す。「マスク清掃指示」は、半田検査装置M3の半田検査作業の検査結果に基づいて、印刷装置M2が臨時のマスク清掃を実行する指示を送信することを示す。「不良基板情報」は、多面取り基板の場合、上流側の作業装置M1~M12が以降の作業を行わないと決定した個別基板に下流側の作業装置M1~M12が作業をしない指示を送信することを示す。
【0033】
すなわち、作業ライン管理装置3は、取得した情報を分析する分析部と、調整パラメータを生成、マスク清掃指示を生成、もしくは、作業をしない指示を生成するデータ生成部を有する。または、作業ライン管理装置3とは別に構成された分析部、データ生成部と連携してもよい。なお、作業ライン管理装置3で分析部やデータ生成部を備えていなくてもよく、その場合は上流側の作業装置M1~M12の作業を最適化する調整パラメータに必要な情報、印刷装置M2が臨時のマスク清掃を実行する指示に必要な情報、もしくは、上流側の作業装置M1~M12が以降の作業を行わないと決定した個別基板に、下流側の作業装置M1~M12が作業をしない指示に必要な情報を送信する。
【0034】
図3において、「検査中止位置」は、上流側の作業装置M1~M12により不良と判定された不良箇所には下流側の作業装置M1~M12が検査作業をしない指示を送信することを示す。「追加作業位置」は、上流側の作業装置M1~M12により特定された特定箇所に、下流側の作業装置M1~M12が追加作業を行う指示を送信することを示す。「簡易検査位置」は、上流側の作業装置M1~M12により特定された特定箇所には、下流側の作業装置M1~M12は簡易プログラムで作業を行う指示を送信することを示す。
【0035】
「実装中止位置」は、半田検査装置M3により半田の堆積状態が不良と判定された半田不良箇所には実装装置M4~M6が部品実装作業をしない指示を送信することを示す。「実装位置補正情報」は、実装検査装置M7または固着検査装置M9で検出された位置ずれ量に基づき、実装装置M4~M6での部品実装作業で使用される実装位置を補正する実装位置補正値を送信することを示す。
【0036】
図3において、例えば、番号30が「1」の条件設定情報13には、半田検査装置M3から収集した作業結果情報12に基づいて、印刷作業を最適化するための「調整パラメータ」、臨時のマスク清掃を実行する旨の「マスク清掃指示」を印刷装置M2にフィードバックすることが規定されている。また、番号30が「2」の条件設定情報13には、半田検査装置M3から収集した作業結果情報12に基づいて、部品実装作業を行わない個別基板を特定する「不良基板情報」、部品実装作業を行わない「実装中止位置」を実装装置M4~M6にフィードフォワードすることが規定されている。
【0037】
次に
図4を参照して、条件設定部19が入出力表示部16に表示した送信条件設定画面40の例について説明する。送信条件設定画面40には、「送受信先」設定枠41、「送信項目」設定枠42、「戻る」ボタン43、「確定」ボタン44が表示されている。
【0038】
「送受信先」設定枠41には、作業ラインLを構成する作業装置毎に、作業結果情報12を送信する「送信元」を排他的に選択するためのラジオボタンと、送信情報15を送信する「送信先」を選択するためのチェックボックスが表示されている。
図4の例では、「送信元」として実装検査装置M7が排他的に選択されている。「送信先」として、実装装置M4~M6、固着検査装置M9、X線検査装置M10、電気特性検査装置M11がそれぞれ選択されている。
【0039】
図4において、「送信項目」設定枠42には、「送受信先」設定枠41で選択された「送信元」と「送信先」に対応して、送信情報15として送信可能な「送信項目」と、送信する「送信項目」を選択するためのチェックボックスが表示されている。条件設定部19は、管理記憶部11に記憶されている条件設定情報13に基づいて、「送受信先」設定枠41で選択された「送信元」と「送信先」に対応する「送信項目」を「送信項目」設定枠42に表示させる。
【0040】
「戻る」ボタン43が操作されると、前の画面に遷移する。「確定」ボタン44が操作されると、「送受信先」設定枠41と「送信項目」設定枠42で設定された情報に基づいて、条件設定部19が送信条件14を作成して管理記憶部11に記憶させる。作業者は、送信条件設定画面40の「送受信先」設定枠41で「送信元」と「送信先」を選択し、「送信項目」設定枠42で「送信項目」を選択した後に「確定」ボタン44を操作する作業を繰り返すことで、作業ラインLを構成する作業装置M1~M12毎に、送信条件14を柔軟に作成することができる。
【0041】
なお、「確定」ボタン44を操作した後に、設定された「送信項目」を満たす「送信元」と「送信先」が設定されているかを判定してもよい。
図3で示すように、設定項目34には対応する情報送信元31と情報送信先33が設定されている。選択された「送信項目」を満たすように「送信元」と「送信先」が設定されていないと「設定項目」で設定された情報を情報送信先33に送信することができない。そのため、例えば「送信項目」を満たす「送信元」と「送信先」が設定されていない場合、条件設定部19は作業者に設定エラーを報知してもよい。また、「送信項目」を満たす「送信元」と「送信先」が設定されていない場合、条件設定部19は「送信項目」を満たす「送信元」と「送信先」に自動で修正して設定してもよい。
【0042】
次に
図5を参照して、送信条件14の例について説明する。送信条件14は、作業装置M1~M12毎に設定される。
図5(a)は実装装置M4に設定された送信条件14の例であり、
図5(b)はX線検査装置M10に設定された送信条件14の例である。送信条件14には、「番号」50毎に、「結果情報」51、「送信項目」52が含まれる。結果情報51は、作業装置M1~M12から収集された作業結果情報12に含まれる情報を特定する情報である。送信項目52は、作業装置M1~M12に送信する送信情報15に含める情報を特定する情報である。
【0043】
図5(a)において、例えば、番号50が「1」の送信条件14は、半田検査装置M3から収集される作業結果情報12に含まれる不良基板情報(結果情報51)に基づいて、その基板IDの基板の特定の個別基板には部品実装作業を行わない旨の実装中止指示(送信項目52)を含む送信情報15を実装装置M4に送信することを示している。
【0044】
番号50が「2」の送信条件14は、半田検査装置M3から収集される作業結果情報12に含まれる半田不良箇所(結果情報51)に基づいて、その基板IDの基板の半田不良箇所には部品実装作業を行わない旨の実装中止位置(送信項目52)を含む送信情報15を実装装置M4に送信することを示している。このように、同じ作業装置(半田検査装置M3)から収集される作業結果情報12であっても、送信条件14に結果情報51と送信項目52を適切に規定することで、作業結果情報12の連携を柔軟に行うことができる。
【0045】
図5(b)において、番号50が「16」の送信条件14は、電気特性検査装置M11から収集される作業結果情報12の含まれる特性検査結果(結果情報51)に基づいて、X線検査作業を最適化する調整パラメタ(送信項目52)を含む送信情報15をX線検査装置M10に送信することを示している。
【0046】
図2において、情報送信部20は、内部処理部として送信情報作成部21を備えている。送信情報作成部21は、送信条件14と作業ラインLの作業装置M1~M12から収集された作業結果情報12に基づいて、送信情報15を作成して管理記憶部11に記憶させる。情報送信部20は、作成された送信情報15を送信条件14に対応した作業装置M1~M12に送信する。すなわち、情報送信部20は、作業装置M1~M12毎に設定された送信条件14に基づいて、作業結果情報12に含まれる情報を送信条件14に対応した送信情報15として送信条件14に対応した作業装置M1~M12に送信する。
【0047】
なお、送信条件14には送信するタイミングを含んでいてもよい。また、設定項目に対応したタイミングで送信情報15が送信されることが好ましい。例えば、不良基板情報、実装中止位置、検査中止位置、簡易検査位置、そして追加作業位置のいずれかひとつが設定される場合は、送信情報15に対応する基板が送信先の作業装置M1~M12に搬送される前までに受信されるようなタイミングで送信情報15が送信されることが好ましい。
【0048】
送信情報15を受信した作業装置M1~M12は、送信情報15に含まれる指示に従って作業を実行する。例えば、
図5(a)の番号50が「1」の送信条件14に基づいて作成された送信情報15を受信した実装装置M4は、基板IDが一致する基板の特定の個別基板には部品実装作業を行わない。
【0049】
また、
図5(b)の番号50が「13」の送信条件14に基づいて作成された検査中止位置情報を含む送信情報15を受信したX線検査装置M10は、基板IDが一致する基板の固着不良箇所にはX線検査作業を行わない。すなわち、作業結果情報12が基板における不良箇所(実装不良箇所、固着不良箇所、接合不良箇所)の情報を含む場合、送信情報15は、送信条件14に対応した作業装置(固着検査装置M9、X線検査装置M10、電気特性検査装置M11)が不良箇所に対して作業を行わない指示を含む。このように、上流側の作業装置(固着検査装置M9、X線検査装置M10)で不良と判断された不良箇所は、検査を省略することで、製造効率を向上させることができる。
【0050】
なお、X線検査装置M10は、該当する固着不良箇所のX線検査作業は実行して、該当箇所を不良箇所とするが、作業者への注意喚起の報知はしなくてもよい。すなわち、送信情報15は、送信条件14に対応した作業装置が不良箇所を実装不良と判定しない指示を含んでいてもよい。
【0051】
また、
図5(b)の番号50が「14」の送信条件14に基づいて作成された追加検査位置情報を含む送信情報15を受信したX線検査装置M10は、基板IDが一致する基板の特定箇所に追加のX線検査作業を行う。すなわち、作業結果情報12が基板における半田堆積の特定箇所の情報または実装の特定箇所の情報を含む場合、送信情報15は、送信条件14に対応した作業装置(実装検査装置M7、固着検査装置M9、X線検査装置M10、電気特性検査装置M11)が特定箇所に対して追加作業を行う指示を含む。このように、上流側の作業装置(半田検査装置M3、実装検査装置M7、固着検査装置M9、X線検査装置M10)で良否が判定できなかった特定箇所のみ追加作業を行うことで、実装品質を維持しつつ製造効率を向上させることができる。
【0052】
また、
図5(b)の番号50が「15」の送信条件14に基づいて作成された簡易検査位置情報を含む送信情報15を受信したX線検査装置M10は、基板IDが一致する基板の特定箇所に簡易プロブラムによるX線検査作業を行う。すなわち、作業結果情報12が基板における実装検査の情報(固着検査結果、X線検査結果)を含む場合、送信情報15送信条件14に対応した作業装置(X線検査装置M10、電気特性検査装置M11)のうち通常プログラムと簡易プログラムを有する作業装置が簡易プログラムに切り替えて作業を行う指示を含む。このように、上流側の作業装置(固着検査装置M9、X線検査装置M10)で良好と判断された特定箇所は、検査項目を省略した簡易プログラムで検査することで、実装品質を維持しつつ製造効率を向上させることができる。
【0053】
次に
図6のフローに沿って、作業ライン管理装置3による作業ライン管理方法について説明する。作業ライン管理装置3の管理記憶部11には、条件設定部19などによって既に設定されている送信条件14が記憶されているとする。まず、情報収集部18が、複数の作業装置M1~M12から送信された作業結果情報12を収集する(ST1:作業結果情報収集工程)。次いで送信情報作成部21が、作業装置M1~M12毎に設定された送信条件14に基づいて、収集された作業結果情報12に含まれる情報から送信条件14に対応した送信情報15を作成する(ST2:送信情報作成工程)。
【0054】
次いで情報送信部20は、作成された送信情報15を送信条件14に応じた作業装置M1~M12に送信する(ST3:送信情報送信工程)。作業ラインLが電子回路基板を製造している間は(ST4においてNo)、作業結果情報収集工程(ST1)に戻って送信情報作成工程(ST2)、送信情報送信工程(ST3)が繰り返し実行される。これによって、複数の作業装置M1~M12で構成された作業ラインLにおける作業結果情報12の連携を柔軟に行うことができる。
【0055】
上記説明したように、本実施の形態の電子回路基板製造システム1は、複数の作業装置M1~M12で構成された作業ラインLと、作業ラインLを管理する作業ライン管理装置3を備えている。作業ライン管理装置3は、複数の作業装置M1~M12から送信された作業結果情報12を収集する情報収集部18と、作業装置M1~M12毎に設定された送信条件14に基づいて、作業結果情報12に含まれる情報を送信条件14に対応した送信情報15として送信条件14に対応した作業装置M1~M12に送信する情報送信部20と、を備えている。そして、作業装置M1~M12は、受信した送信情報15に基づいて作業する。これによって、複数の作業装置M1~M12で構成された作業ラインLにおける作業結果情報12の連携を柔軟に行うことができる。
【0056】
上記説明した、本実施の形態における更なる変形例を以下に説明する。
図4において、送信元として実装検査装置M7が選択され、送信先として実装装置M4、M5、M6および固着検査装置M9、X線検査装置M10、電気特性検査装置M11が選択されている。これらの選択された作業装置から必須でない送信先は選択しなくてもよい。例えば、実装装置M4では実装検査装置M7からの調整パラメータや実装位置補正情報を必要としない場合や装置メーカが異なり正しく調整パラメータや実装位置補正情報を使用できない場合、実装装置M4を送信先として選択しなくてもよい。必須でない送信先を選択しないことで、送受信する情報量を削減することができる。
【0057】
また、
図4では送信元として実装検査装置M7が排他的に選択されているが、半田検査装置M3や固着検査装置M9、X線検査装置M10を送信元として同時に選択してもよい。これら装置の全て又は一部を送信元として選択することで調整パラメータや実装位置補正情報の精度が向上する。すなわち、
図3において「設定項目」が重複する送信元は全て又は一部を複数選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の作業ライン管理装置および作業ライン管理方法ならびに電子回路基板製造システムは、複数の作業装置で構成された作業ラインにおける作業結果情報の連携を柔軟に行うことができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 電子回路基板製造システム
3 作業ライン管理装置
M1 基板供給装置(作業装置)
M2 印刷装置(作業装置)
M3 半田検査装置(作業装置)
M4~M6 実装装置(作業装置)
M7 実装検査装置(作業装置)
M8 リフロー装置(作業装置)
M9 固着検査装置(作業装置)
M10 X線検査装置(作業装置)
M11 電気特性検査装置(作業装置)
M12 基板回収装置(作業装置)