(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-27
(45)【発行日】2024-07-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20240628BHJP
H04M 9/00 20060101ALI20240628BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20240628BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
H04M9/00 D
H04Q9/00 331A
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2020112128
(22)【出願日】2020-06-29
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】六車 充
(72)【発明者】
【氏名】山口 剛史
(72)【発明者】
【氏名】高宮 晶子
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-032258(JP,A)
【文献】特開2003-316922(JP,A)
【文献】特開2012-248040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 9/00
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅内の専有部を識別するための第1識別情報と前記専有部に設置された端末を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を、前記集合住宅外に設置された第1コンピュータに送信する第1通信部と、
前記第1情報が送信された後に、前記第2識別情報
に紐づけられた、前記端末が管理するデータを前記第1コンピュータに送信する第2通信部とを備え
、
前記第1通信部によって送信された前記第1情報には、前記第1通信部と前記第1コンピュータとの通信経路上に位置する装置により、前記集合住宅を識別するための第3識別情報が付与され、
前記第1コンピュータに受信された前記第1情報においては、前記第1識別情報及び前記第2識別情報に、前記第3識別情報がさらに紐づけられている
情報処理システム。
【請求項2】
集合住宅内の専有部
に設置されたインターホン装置と、
前記専有部に設置されたEMS(Energy Management System)コントローラとを備え、
前記インターホン装置は、
前記専有部を識別するための第1識別情報が記憶される記憶部と、
前記EMSコントローラから前記EMSコントローラを識別するための第2識別情報を取得し、取得した前記第2識別情報を前記記憶部に記憶される前記第1識別情報と紐づけることにより第1情報を生成する制御部と、
生成された前記第1情報を、前記集合住宅外に設置された第1コンピュータに送信する第1通信部とを備え、
前記EMSコントローラは、前記第1情報が送信された後に、前記第2識別情報
に紐づけられた、前記
EMSコントローラが管理するデータを前記第1コンピュータに送信する第2通信
部を備える
情報処理システム。
【請求項3】
前記第1情報は、前記第1識別情報及び前記第2識別情報に、前記集合住宅を識別するための第3識別情報がさらに紐づけられた情報である
請求項
2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
さらに、前記データを前記第1コンピュータに送信することについて前記専有部の入居者が同意することを示す入力を受け付ける入力受付部を備え、
前記第2通信部は、前記入力が受け付けられたことを要件として、前記データを前記第1コンピュータに送信する
請求項
1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
さらに、前記データを前記第1コンピュータから前記集合住宅外に設置された第2コンピュータに提供することについて前記専有部の入居者が同意することを示す入力を受け付ける入力受付部を備える
請求項1~
4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理システムは、前記専有部に設置されたインターホン装置と、前記端末であるEMSコントローラとを備え、
前記インターホン装置は、
前記第1通信部と、
前記第1識別情報が記憶される記憶部と、
前記EMSコントローラから前記第2識別情報を取得し、取得した前記第2識別情報を前記記憶部に記憶される前記第1識別情報と紐づけることにより前記第1情報を生成する制御部とを備え、
前記EMSコントローラは、前記第2通信部を備える
請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
集合住宅内の専有部を識別するための第1識別情報と前記専有部に設置された端末を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を受信する受信部と、
受信された第1情報が登録情報として記憶される記憶部とを備え、
前記受信部は、前記登録情報が記憶された後に、前記第2識別情報に紐づけられた、前記端末が管理するデータを前記端末から受信し、
前記記憶部には、受信された前記データが記憶され
、
前記受信部によって受信された前記第1情報は、前記第1識別情報及び前記第2識別情報に、前記集合住宅を識別するための第3識別情報がさらに紐づけられた情報であり、
前記第3識別情報は、前記端末と前記受信部との通信経路上に位置する装置により、前記第1情報に付与される
情報処理システム。
【請求項8】
前記受信部は、前記集合住宅外に設置された第2コンピュータからデータの提供を要求する第2情報を受信し、
前記情報処理システムは、さらに、
受信された第2情報、及び、前記記憶部に記憶された前記登録情報に基づいて、前記第2情報に応じて前記第2コンピュータに提供すべきデータを特定する情報処理部と、
特定された前記データを前記第2コンピュータに送信する送信部とを備える
請求項
7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
集合住宅内の専有部を識別するための第1識別情報と前記専有部に設置された端末を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を、前記集合住宅外に設置された第1コンピュータに送信する第1通信ステップと、
前記第1情報が送信された後に、前記第2識別情報
に紐づけられた、前記端末が管理するデータを前記第1コンピュータに送信する第2通信ステップとを含
み、
前記第1通信ステップにおいて送信された前記第1情報には、前記情報処理システムと前記第1コンピュータとの通信経路上に位置する装置により、前記集合住宅を識別するための第3識別情報が付与され、
前記第1コンピュータに受信された前記第1情報においては、前記第1識別情報及び前記第2識別情報に、前記第3識別情報がさらに紐づけられている
情報処理方法。
【請求項10】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
前記情報処理システムは、
集合住宅内の専有部
に設置されたインターホン装置であって前記専有部を識別するための第1識別情報が記憶される記憶部を備えるインターホン装置と、
前記専有部に設置されたEMSコントローラとを備え、
前記情報処理方法は、
前記インターホン装置が、前記EMSコントローラから前記EMSコントローラを識別するための第2識別情報を取得し、取得した前記第2識別情報を前記記憶部に記憶される前記第1識別情報と紐づけることにより第1情報を生成するステップと、
前記インターホン装置が、生成された前記第1情報を、前記集合住宅外に設置された第1コンピュータに送信する第1通信ステップと、
前記EMSコントローラが、前記第1情報が送信された後に、前記第2識別情報
に紐づけられた、前記
EMSコントローラが管理するデータを前記第1コンピュータに送信する第2通信ステップとを含む
情報処理方法。
【請求項11】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
集合住宅内の専有部を識別するための第1識別情報と前記専有部に設置された端末を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を受信する第1受信ステップと、
受信された第1情報を登録情報として記憶する第1記憶ステップと、
前記登録情報が記憶された後に、前記第2識別情報に紐づけられた、前記端末が管理するデータを前記端末から受信する第2受信ステップと、
受信された前記データを記憶する第2記憶ステップとを含
み、
前記第1受信ステップにおいて受信された前記第1情報は、前記第1識別情報及び前記第2識別情報に、前記集合住宅を識別するための第3識別情報がさらに紐づけられた情報であり、
前記第3識別情報は、前記端末と前記情報処理システムとの通信経路上に位置する装置により、前記第1情報に付与される
情報処理方法。
【請求項12】
請求項
9~11のいずれか1項に記載の情報処理方法を
前記情報処理システムに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅の入居者に関するデータを取得するための技術が提案されている。特許文献1には、住宅の利用に際して生じる利用ログデータの収集機能を有する住宅利用支援アプリケーションが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、集合住宅に含まれる複数の専有部のそれぞれにおいて取得されるデータを収集するシステムにおいては、どのデータがどの専有部において取得されたかを容易に区別できる仕組みが求められる。
【0005】
本発明は、どのデータがどの専有部において取得されたかを容易に区別することができる情報処理システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、集合住宅内の専有部を識別するための第1識別情報と前記専有部に設置された端末を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を、前記集合住宅外に設置された第1コンピュータに送信する第1通信部と、前記第1情報が送信された後に、前記第2識別情報を紐づけられた、前記端末が管理するデータを前記第1コンピュータに送信する第2通信部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、集合住宅内の専有部を識別するための第1識別情報と前記専有部に設置された端末を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を受信する受信部と、受信された第1情報が登録情報として記憶される記憶部とを備え、前記受信部は、前記登録情報が記憶された後に、前記第2識別情報に紐づけられた、前記端末が管理するデータを前記端末から受信し、前記記憶部には、受信された前記データが記憶される。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、集合住宅内の専有部を識別するための第1識別情報と前記専有部に設置された端末を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を、前記集合住宅外に設置された第1コンピュータに送信する第1通信ステップと、
前記第1情報が送信された後に、前記第2識別情報を紐づけられた、前記端末が管理するデータを前記第1コンピュータに送信する第2通信ステップとを含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0010】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、集合住宅内の専有部を識別するための第1識別情報と前記専有部に設置された端末を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を受信する第1受信ステップと、受信された第1情報を登録情報として記憶する第1記憶ステップと、前記登録情報が記憶された後に、前記第2識別情報に紐づけられた、前記端末が管理するデータを前記端末から受信する第2受信ステップと、受信された前記データを記憶する第2記憶ステップとを含む。
【0011】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報処理システム等は、どのデータがどの専有部において取得されたかを容易に区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、比較例に係る情報処理システムの概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1情報の送信動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る情報処理システムの、データの移動に関する同意を得るための動作例のシーケンス図である。
【
図7】
図7は、第1表示画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第2表示画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、消費電力データの提供動作のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0016】
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る情報処理システムの概要について、比較例を参照しながら説明する。
図1は、比較例に係る情報処理システムの概要を示す図である。
図2は、実施の形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。
【0017】
比較例に係る情報処理システム10a、及び、実施の形態に係る情報処理システム10のそれぞれは、第1事業者が第2事業者へデータの提供を行うためのシステムである。データは、具体的には、第1事業者が管理するサーバ装置20から第2事業者の情報端末30に提供される。サーバ装置20は、例えば、集合住宅80内の複数の専有部81のそれぞれに設置されている制御端末40から、制御端末40によって管理されるデータ(例えば、専有部81における消費電力データ)を収集し、蓄積している。第1事業者が管理するサーバ装置20から第2事業者の情報端末30に提供されるデータは、このような蓄積されたデータである。
【0018】
比較例に係る情報処理システム10aにおいて、第2事業者にデータが提供されるまでの手順は以下の通りである。まず、第2事業者は、第1事業者からデータの提供を受けるための契約を結ぶ(
図1の(1))。次に、第2事業者は、複数の入居者のそれぞれに、データ提供コードの発行依頼を行う(
図1の(2))。
【0019】
複数の入居者のそれぞれは、当該入居者が居住している専有部81に設置された制御端末40に対して、データ提供コードを発行するための手動操作を行う(
図1の(3))。そうすると、制御端末40によってデータ提供コードが発行され、発行されたデータ提供コードが制御端末40から入居者に通知される。入居者は、手動で第2事業者にデータ提供コードを連絡する(
図1の(3))。また、制御端末40は、制御端末40の識別情報(以下、第2識別情報とも記載される)と、データ提供コードとの対応関係を示す情報をサーバ装置20に送信し、サーバ装置20はこれを記憶する。
【0020】
第2事業者は、第1事業者からデータの提供を受けるために情報端末30を操作する。この操作には、入居者から連絡を受けたデータ提供コードを手動入力する操作が含まれる(
図1の(4))。この操作に応じて情報端末30からサーバ装置20へ要求情報が送信される(
図1の(5))。
【0021】
サーバ装置20に地区先されているデータには、制御端末40の識別情報が付与されている。上述の(3)のデータ提供コードの発行にともない、サーバ装置20には、制御端末40の第2識別情報と、データ提供コードとの対応関係を示す情報が記憶されるため、サーバ装置20に蓄積されているデータには、データ提供コードが間接に紐づけられているといえる。
【0022】
そうすると、サーバ装置20は、サーバ装置20に蓄積されているデータの中から要求情報に含まれるデータ提供コードに紐づけられたデータを特定し、特定したデータを情報端末30へ提供することができる(
図1の(6))。
【0023】
以上説明したような情報処理システム10aにおいては、入居者が制御端末40に対してデータ提供コードを発行するための手動操作を行い、さらに、第2事業者にデータ提供コードを連絡する必要がある。このような作業は手間であり、人為的な作業であることからデータ提供コードの連絡間違いなどが発生してしまう懸念がある。また、第2事業者は、データ提供コードと、当該データ提供コードがどの入居者のものであるかを管理しておく必要がある。
【0024】
これに対し、実施の形態に係る情報処理システム10においては、集合住宅80の各専有部81に設置されるインターホン装置50及び管理装置60を利用して、制御端末40からサーバ装置20にアップロードされるデータのグルーピング(仕分け)を行う。一般的に、インターホン装置50には、専有部81に設置された際に専有部81の部屋番号が初期設定される。専有部81の部屋番号は、言い換えれば、専有部81の識別情報(以下、第1識別情報とも記載される)である。この初期設定は、設置者(施工業者)等が、インターホン装置50を操作することにより行われる。
【0025】
その後、設置者等(または入居者)がインターホン装置50に対して所定の操作を行うと、インターホン装置50は、同じ専有部81に設置された制御端末40の識別情報を取得する(
図2の(1))。次に、インターホン装置50は、インターホン装置50に設定された専有部81の第1識別情報、及び、制御端末40の第2識別情報が互いに紐づけられた第1情報を、集合住宅80内の管理装置60に送信する(
図2の(2))。管理装置60は、受信した第1情報に、管理装置60にあらかじめ設定されている集合住宅80の識別情報(以下、第3識別情報とも記載される)をさらに付与して(紐づけて)、サーバ装置20に送信する(
図2の(3))。サーバ装置20は、このように専有部81の第1識別情報、制御端末40の第2識別情報、及び、集合住宅80の第3識別情報が互いに紐づけられた第1情報を、登録情報として記憶しておく。これにより、サーバ装置20は、制御端末40からサーバ装置20にアップロードされるデータ(
図2の(4)。制御端末40の第2識別情報が付与されたデータ)が、どの集合住宅80のどの専有部81において取得されたデータであるかを判断できる。
【0026】
このように、情報処理システム10では、入居者によるデータ提供コードの発行作業が不要である。また、情報処理システム10おいて、制御端末40からサーバ装置20へアップロードされるデータは、登録情報によって、集合住宅80の第3識別情報、及び、専有部81の第1識別情報でグルーピングされる。つまり、情報処理システム10は、どのデータがどの専有部において取得(計測)されたかを容易に区別することができる。このため、第2事業者は、集合住宅80を指定したり、専有部81(部屋番号)を指定したりすることで第1事業者からデータの提供を受けることができ、データ提供コードを管理し、データを要求する際にデータ提供コードを手動入力する必要がない。
【0027】
[構成]
次に、情報処理システム10の具体的な構成について説明する。
図3は、実施の形態に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。なお、
図3では、集合住宅80、及び、集合住宅80内の専有部81は、それぞれ1つだけ図示されている。
【0028】
図3に示されるように、情報処理システム10は、サーバ装置20と、情報端末30と、制御端末40と、インターホン装置50と、管理装置60とを備える。
【0029】
まず、サーバ装置20について説明する。サーバ装置20は、制御端末40によって取得されたデータ(具体的には、消費電力データなど)を管理するコンピュータ(第1コンピュータの一例)である。サーバ装置20は、具体的には、クラウドサーバであり、集合住宅80外に設置される。サーバ装置20は、例えば、制御端末40の製造及び販売を行う第1事業者によって使用される。サーバ装置20は、具体的には、通信部21と、情報処理部22と、記憶部23とを備える。
【0030】
通信部21は、サーバ装置20がインターネットなどの広域通信ネットワークを介して他の装置と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部21によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。通信部21には、受信部21a、及び、送信部21bが含まれる。
【0031】
受信部21aは、例えば、インターホン装置50(管理装置60)から第1情報を受信し、制御端末40から消費電力データを受信する。また、受信部21aは、情報端末30からデータを要求する第2情報を受信し、送信部21bは、受信された第2情報に応じて消費電力データを情報端末30に送信する。
【0032】
情報処理部22は、サーバ装置20が情報端末30に消費電力データを提供するための情報処理を行う。情報処理部22は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0033】
記憶部23は、受信部21aによって受信された第1情報が登録情報として記憶される記憶装置である。記憶部23には、情報処理部22が実行するコンピュータプログラムなども記憶される。記憶部23は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0034】
次に、情報端末30について説明する。情報端末30は、サーバ装置20から消費電力データの提供を受けるためのコンピュータ(第2コンピュータの一例)である。情報端末30は、具体的には、パーソナルコンピュータまたはサーバ装置などであり、集合住宅80の外に設置される。情報端末30は、例えば、ハウスメーカ、または、電力会社などの第2事業者によって使用される。第2事業者の事業種別については特に限定されない。
【0035】
次に、制御端末40について説明する。制御端末40は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するEMS(Energy Management System)コントローラであり、集合住宅80の複数の専有部81のそれぞれに設置され、専有部81内に設置された機器の消費電力データを管理する。消費電力データは、専有部81に設置されたスマート分電盤(図示せず)またはスマートメータ(図示せず)などを用いて取得(計測)され、記憶部44に記憶される。また、制御端末40は、上記機器の状態の取得及び表示、並びに、上記機器の制御などを行うこともできる。制御端末40は、EMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。
【0036】
制御端末40は、具体的には、入力受付部41と、表示部42と、第2制御部43と、記憶部44と、第2通信部45とを備える。
【0037】
入力受付部41は、入居者の手動入力を受け付ける。入力受付部41は、例えば、タッチパネルによって実現されるが、ハードウェアボタンによって実現されてもよい。また、入力受付部41は、入居者の音声入力を受け付けてもよい。この場合の入力受付部41は、マイクロフォンなどによって実現される。
【0038】
表示部42は、第2制御部43の制御に基づいて、画像を表示する。表示部42は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0039】
第2制御部43は、専有部81における消費電力データの取得処理、及び、取得した消費電力データのサーバ装置20へのアップロード処理などを行う。第2制御部43は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0040】
記憶部44は、第2制御部43が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部44は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0041】
第2通信部45は、制御端末40がインターネットなどの広域通信ネットワークを介してサーバ装置20と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第2通信部45によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0042】
次に、インターホン装置50について説明する。インターホン装置50は、複数の専有部81に1台ずつ固定設置される。インターホン装置50は、子機(ドアホン)とともにインターホンシステムを構成し、インターホンシステムにおける親機として機能する。インターホン装置50は、入力受付部51と、表示部52と、第1制御部53と、記憶部54と、第1通信部55とを備える。
【0043】
入力受付部51は、入居者の手動入力を受け付ける。入力受付部51は、例えば、タッチパネルによって実現されるが、ハードウェアボタンによって実現されてもよい。また、入力受付部51は、入居者の音声入力を受け付けてもよい。この場合の入力受付部51は、マイクロフォンなどによって実現される。
【0044】
表示部52は、第1制御部53の制御に基づいて、画像(専有部81への訪問者の画像など)を表示する。表示部52は、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。
【0045】
第1制御部53は、専有部81への訪問者の画像を表示部52に表示させる処理、及び、上述の第1情報の送信処理などを行う。第2制御部43は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0046】
記憶部54は、インターホン装置50が設置された専有部81の第1識別情報、及び、第1制御部53が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部54は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0047】
第1通信部55は、インターホン装置50が局所通信ネットワークを介して管理装置60と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第1通信部55によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0048】
次に、管理装置60について説明する。管理装置60は、複数のインターホン装置50のそれぞれから局所通信ネットワークを介して取得した第1情報に集合住宅80の識別情報を付与し、集合住宅80の識別情報が付与された第1情報を、広域通信ネットワークを介してサーバ装置20へ送信する。管理装置60は、例えば、集合住宅80内に設置される、集合住宅80の管理者等が操作するパーソナルコンピュータまたはサーバ装置などである。管理装置60は、集合住宅80の玄関(共用部)などに設置されるロビーインターホンであってもよい。
【0049】
[第1情報の送信動作]
次に、情報処理システム10の第1情報の送信動作について説明する。
図4は、第1情報の送信動作の一例を示すシーケンス図である。なお、
図4は、説明の簡略化のため、ある集合住宅80における1つの専有部81に設置された1組の制御端末40及びインターホン装置50を対象とした動作が示されている。しかしながら、実際には、複数の集合住宅80のそれぞれに含まれる複数の組の制御端末40及びインターホン装置50が以下の動作を行う。
【0050】
インターホン装置50の入力受付部51は、所定の操作を受け付ける(S11)。この所定の操作は、制御端末40及びインターホン装置50が専有部81に設置されたときに、設置者(施工業者)によって行われるが、入居者によって行われてもよい。
【0051】
第1制御部53は、上記所定の操作が受け付けられたことを契機に、制御端末40から制御端末40の第2識別情報を取得する(S12)。第1制御部53は、具体的には、第2識別情報の要求を局所通信ネットワークを介して同じ専有部81に設置された制御端末40へ送信する。第1制御部53は、この要求に対する応答として制御端末40の第2識別情報を制御端末40から上記局所通信ネットワークを介して取得する。第2識別情報は、例えば、制御端末40のMACアドレスなどであるが、制御端末40を他の制御端末40と区別することができる情報であればよく、特に限定されない。
【0052】
次に、第1制御部53は、記憶部54に記憶された専有部81の第1識別情報を読み出し、ステップS12において取得された第2識別情報を、読み出した第1識別情報と紐づけることにより第1情報を生成する(S13)。第1識別情報は、例えば、専有部81の番号(部屋番号)などであり、集合住宅80においてインターホンシステムを構築するために初期設定される。なお、第1識別情報は、専有部81を他の専有部81と区別できる情報であればよく、特に限定されない。
【0053】
次に、第1制御部53は、生成した第1情報を第1通信部55に管理装置60を介してサーバ装置20へ送信させる。第1通信部55は、具体的には、生成された第1情報を管理装置60に送信する(S14)。管理装置60は、受信した第1情報に集合住宅80の第3識別情報を付与した後(S15)、第3識別情報が付与された第1情報をサーバ装置20へ送信する(S16)。第3識別情報は、集合住宅80を他の集合住宅80と区別できる情報であればよい。
【0054】
次に、サーバ装置20の受信部21aは第1情報を受信し、情報処理部22は、受信された第1情報を記憶部23に記憶する(S17)。サーバ装置20が複数の集合住宅80のそれぞれから第1情報を受信し、複数の第1情報を統合することで、記憶部23には、
図5のような登録情報が記憶される。
図5は、登録情報の一例を示す図である。なお、
図5の例では、登録情報には、第2事業者へのデータ提供の同意の有無を示す同意情報が含まれている。この同意情報は、最初は「なし」とされるが、入居者が消費電力データをサーバ装置20から情報端末30に提供することについて同意すると「あり」に変更される。入居者から同意を得る方法については後述される。
【0055】
[データの移動に関する同意を得るための動作]
個人情報の保護の観点から、制御端末40によって管理されている消費電力データをサーバ装置20にアップロードするか否かについては、入居者の同意を得る必要がある。同様に、消費電力データをサーバ装置20(第1事業者)から情報端末30(第2事業者)に提供することについても入居者から同意を得る必要がある。以下、情報処理システム10の、データの移動に関する同意を得るための動作例について説明する。
図6は、情報処理システム10の、データの移動に関する同意を得るための動作例のシーケンス図である。なお、
図6では、説明の簡略化のため、ある1つの専有部81に設置された制御端末40が行う動作が示されているが、実際には複数の専有部81のそれぞれに設置された制御端末40が同様の動作を行う。
図6の動作は、例えば、入居者が専有部81に入居したときに行われる。
【0056】
制御端末40の第2制御部43は、
図7のような第1表示画面を表示部42に表示させる(S21)。
図7は、消費電力データをサーバ装置20にアップロード(送信)することの同意を入居者から得るための第1表示画面の一例を示す図である。
【0057】
このような第1表示画面が表示されているときに、入力受付部41は、消費電力データをサーバ装置20に送信することについて専有部81の入居者が同意することを示す入力を受け付ける(S22)。制御端末40からサーバ装置20への消費電力データのアップロードは、このような入力が受け付けられたことを要件として行われる。同意を示す入力が受け付けられなかった場合には、制御端末40からサーバ装置20への消費電力データのアップロードは行われない。
【0058】
次に、第2制御部43は、
図8のような第2表示画面を表示部42に表示させる(S23)。
図8は、消費電力データをサーバ装置20(第1事業者)から情報端末30(第2事業者)に提供することの同意を入居者から得るための第2表示画面の一例を示す図である。
【0059】
このような第2表示画面が表示されているときに、入力受付部41は、アップロードされた消費電力データをサーバ装置20から情報端末30に提供することについて専有部81の入居者が同意することを示す入力を受け付ける(S24)。
【0060】
このような入力が受け付けられると、第2制御部43は、入居者が消費電力データを第2事業者に提供することに同意していることを示す同意通知を第2通信部45にサーバ装置20へ送信させる(S25)。同意通知には、制御端末40の第2識別情報が含まれる。
【0061】
サーバ装置20の受信部21aは同意通知を受信し、情報処理部22は、登録情報において、受信された同意通知に含まれる第2識別情報に対応付けられた同意情報を「なし」から「あり」に変更することにより、登録情報を更新する(S26)。なお、同意を示す入力が受け付けられなかった場合には、同意通知は送信されず、登録情報における同意情報は、「なし」のままとなる。
【0062】
このように、情報処理システム10においては、制御端末40の入力受付部41への入居者の入力によってデータの移動に関する同意を得る。なお、制御端末40に代えて、インターホン装置50の入力受付部51への入居者の入力によってデータの移動に関する同意が得られてもよい。
【0063】
また、データの移動に関する同意は、情報処理システム10を使用せずに、書面などを通じて取得されてもよい。例えば、入居者は、専有部81の賃貸契約の際に、所定の書面に署名することによりデータの移動に関して同意してもよい。
【0064】
[データの提供動作]
次に、情報処理システム10における消費電力データの提供動作について説明する。
図9は、消費電力データの提供動作のシーケンス図である。
図9の消費電力データの提供動作は、サーバ装置20の記憶部23に登録情報が記憶された後に行われる。
【0065】
複数の制御端末40のそれぞれは、第2通信部45を用いて消費電力データをサーバ装置20に送信し、サーバ装置20の受信部21aはこれを受信する(S31)。消費電力データには、当該消費電力データを管理している制御端末40(つまり、消費電力データの送信元の制御端末40)の第2識別情報が紐づけられている。情報処理部22は、受信部21aによって受信された消費電力データを記憶部23に記憶(蓄積)する(S32)。なお、消費電力データの送信、及び、消費電力データの記憶は、例えば、定期的に行われる。消費電力データの送信(アップロード)に同意していない入居者宅の制御端末40は、消費電力データの送信を行わない。
【0066】
消費電力データが蓄積された後、第2事業者は、第1事業者から消費電力データの提供を受けるための所定の操作を情報端末30に対して行い、情報端末30はこのような所定の操作を受け付ける(S33)。所定の操作には、ユーザアカウントの入力操作が含まれる。
【0067】
ユーザアカウントは、第1事業者と第2事業者とが消費電力データの提供に関する契約を結ぶ際に、第1事業者によって発行される。ユーザアカウントは、契約に基づいて第2事業者に提供すべき集合住宅80の第3識別情報(または専有部81の第1識別情報)と対応付けられた状態で、管理情報としてサーバ装置20の記憶部23にあらかじめ記憶されている。
図10は、管理情報の一例を示す図である。
【0068】
上記所定の操作が受け付けられると、これを契機に情報端末30からサーバ装置20へ第2情報(ユーザアカウント情報を含む)が送信される。第2情報は、情報端末30がサーバ装置20へ消費電力データを要求するための要求情報である。
【0069】
サーバ装置20の受信部21aは、情報端末30から第2情報を受信する(S34)。情報処理部22は、受信された第2情報、並びに、記憶部23に記憶された登録情報(
図5)及び管理情報(
図10)に基づいて、第2情報に応じて情報端末30に提供すべき消費電力データを特定する(S35)。
【0070】
情報処理部22は、具体的には、管理情報(
図10)を参照することにより、受信された第2情報に含まれるユーザアカウントに紐づけられた第3識別情報を特定する。次に、情報処理部22は、登録情報(
図5)において、特定した第3識別情報に紐づけられた第2識別情報であり、かつ、第2事業者へのデータ提供の同意が得られている第2識別情報を抽出する。そして、情報処理部22は、蓄積された消費電力データのうち、抽出した第2識別情報に紐づけられた消費電力データを、情報端末30に提供すべき消費電力データとして特定する。
【0071】
次に、情報処理部22は、特定された消費電力データを送信部21bに情報端末30へ送信させる(S36)。この結果、第2事業者は、契約に基づいて消費電力データの提供を受けることができる。
【0072】
なお、管理情報において第2事業者に提供すべき集合住宅80の第3識別情報(または専有部81の第2識別情報)が対応付けられていることは必須ではない。例えば、第2事業者は、ステップS33において、所望の第3識別情報(または第1識別情報)を指定する操作を行ってもよい。この場合、第2情報には、所望の第3識別情報(または第1識別情報)が含まれ、サーバ装置20は第2情報において指定された第3識別情報(または第1識別情報)に基づいて消費電力データを提供する。
【0073】
[効果等]
以上説明したように、情報処理システム10は、集合住宅80内の専有部81を識別するための第1識別情報と専有部81に設置された制御端末40を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を、集合住宅80外に設置されたサーバ装置20に送信する第1通信部55と、第1情報が送信された後に、第2識別情報を紐づけられた、制御端末40が管理するデータをサーバ装置20に送信する第2通信部45とを備える。サーバ装置20は、第1コンピュータの一例である。
【0074】
このような情報処理システム10によれば、サーバ装置20は、どのデータがどの専有部81において取得されたかを容易に区別することができる。
【0075】
また、例えば、第1情報は、第1識別情報及び第2識別情報に、集合住宅80を識別するための第3識別情報がさらに紐づけられた情報である。
【0076】
このような情報処理システム10によれば、サーバ装置20は、どのデータがどの集合住宅80のどの専有部81において取得されたかを容易に区別することができる。
【0077】
また、例えば、情報処理システム10は、さらに、データをサーバ装置20に送信することについて専有部81の入居者が同意することを示す入力を受け付ける入力受付部41を備える。第2通信部45は、入力が受け付けられたことを要件として、データをサーバ装置20に送信する。
【0078】
このような情報処理システム10は、入居者の同意を得た上で、データをサーバ装置20に送信することができる。
【0079】
また、例えば、情報処理システム10は、さらに、データをサーバ装置20から集合住宅80外に設置された情報端末30に提供することについて専有部81の入居者が同意することを示す入力を受け付ける入力受付部41を備える。情報端末30は、第2コンピュータの一例である。
【0080】
このような情報処理システム10は、入居者の同意を得た上で、データを情報端末30に提供することができる。
【0081】
また、例えば、情報処理システム10は、専有部81に設置されたインターホン装置50と、制御端末40であるEMSコントローラとを備える。インターホン装置50は、第1通信部55と、第1識別情報が記憶される記憶部54と、EMSコントローラから第2識別情報を取得し、取得した第2識別情報を記憶部54に記憶される第1識別情報と紐づけることにより第1情報を生成する第1制御部53とを備える。EMSコントローラは、第2通信部45を備える。
【0082】
このような情報処理システム10は、インターホン装置50及びEMSコントローラによって実現される。
【0083】
また、情報処理システム10は、集合住宅80内の専有部81を識別するための第1識別情報と専有部81に設置された制御端末40を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を受信する受信部21aと、受信された第1情報が登録情報として記憶される記憶部23とを備え、受信部21aは、登録情報が記憶された後に、第2識別情報に紐づけられた、制御端末40が管理するデータを制御端末40から受信し、記憶部23には、受信されたデータが記憶される。
【0084】
このような情報処理システム10は、サーバ装置20は、どのデータがどの専有部81において取得されたかを容易に区別することができる。
【0085】
また、例えば、第1情報は、第1識別情報及び第2識別情報に、集合住宅80を識別するための第3識別情報がさらに紐づけられた情報である。
【0086】
このような情報処理システム10は、どのデータがどの集合住宅80のどの専有部81において取得されたかを容易に区別することができる。
【0087】
また、例えば、受信部21aは、集合住宅80外に設置された情報端末30からデータの提供を要求する第2情報を受信する。情報処理システム10は、さらに、受信された第2情報、及び、記憶部23に記憶された登録情報に基づいて、第2情報に応じて情報端末30に提供すべきデータを特定する情報処理部22と、特定されたデータを情報端末30に送信する送信部21bとを備える。
【0088】
このような情報処理システム10は、どのデータがどの専有部81において取得されたかが区別されたデータを選択的に情報端末30に提供することができる。
【0089】
また、情報処理システム10などのコンピュータによって実行される情報処理方法は、集合住宅80内の専有部81を識別するための第1識別情報と専有部81に設置された制御端末40を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を、集合住宅80外に設置されたサーバ装置20に送信する第1通信ステップS14~S16と、第1情報が送信された後に、第2識別情報を紐づけられた、制御端末40が管理するデータをサーバ装置20に送信する第2通信ステップS31とを含む。
【0090】
このような情報処理方法によれば、サーバ装置20は、どのデータがどの集合住宅80のどの専有部81において取得されたかを容易に区別することができる。
【0091】
また、情報処理システム10などのコンピュータによって実行される情報処理方法は、集合住宅80内の専有部81を識別するための第1識別情報と専有部81に設置された制御端末40を識別するための第2識別情報とが紐づけられた第1情報を受信する第1受信ステップS16と、受信された第1情報を登録情報として記憶する第1記憶ステップS17と、登録情報が記憶された後に、第2識別情報に紐づけられた、制御端末40が管理するデータを制御端末40から受信する第2受信ステップS31と、受信されたデータを記憶する第2記憶ステップS32とを含む。
【0092】
このような情報処理方法は、どのデータがどの集合住宅80のどの専有部81において取得されたかを容易に区別することができる。
【0093】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0094】
例えば、上記実施の形態では、第1事業者から第2事業者に提供されるデータとして消費電力データが例示されたが、第1事業者から第2事業者に提供されるデータは、消費電力データに限定されない。例えば、制御端末によって制御端末の制御対象の機器の制御履歴データが記憶されるような場合、サーバ装置20は、複数の制御端末から制御履歴データを収集し、収集した制御履歴データを第1事業者から第2事業者に提供してもよい。
【0095】
例えば、上記実施の形態では、情報処理システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、情報処理システムは、サーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよいし、制御端末に相当する単一の装置として実現されてもよいし、インターホン装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。情報処理システムが複数の装置によって実現される場合、情報処理システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0096】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置(ブロードバンドルータなど)が介在してもよい。
【0097】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0098】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0099】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0100】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0101】
例えば、本発明は、上記実施の形態の情報処理システムが実行する情報処理方法として実現されてもよいし、コンピュータに上記情報処理方法を実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0102】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
10 情報処理システム
20 サーバ装置(第1コンピュータ)
21a 受信部
21b 送信部
22 情報処理部
23、54 記憶部
30 情報端末(第2コンピュータ)
40 制御端末(EMSコントローラ)
41、51 入力受付部
45 第2通信部
50 インターホン装置
53 第1制御部(制御部)
55 第1通信部
80 集合住宅
81 専有部