(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-28
(45)【発行日】2024-07-08
(54)【発明の名称】発電機システム
(51)【国際特許分類】
H02K 5/26 20060101AFI20240701BHJP
H02K 7/18 20060101ALI20240701BHJP
H02K 5/00 20060101ALI20240701BHJP
H02K 15/14 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H02K5/26
H02K7/18 Z
H02K5/00 A
H02K15/14 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019199512
(22)【出願日】2019-11-01
【審査請求日】2022-10-25
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】アナン・シャンカール・タナブデ
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・ミッシェル・ロンカ
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-086346(JP,A)
【文献】特開平5-030689(JP,A)
【文献】特開平8-251859(JP,A)
【文献】特開2012-152084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/26
H02K 7/18
H02K 5/00
H02K 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機(10)と、
前記発電機(10)の周りに配置された発電機ケーシング(24)と、
前記発電機ケーシング(24)の外面に軸方向に配置された
1以上のレール構造(56
,58
,60
,62)と、
前記
1以上のレール構造(56
,58
,60
,62)に結合された
1以上のアダプタプレート(
64)
と、
前記1以上のアダプタプレート(64)に結合された1以上の構造足部(30,32)と
を含む発電機システムであって、前記1以上のアダプタプレート(64)の各々が、実質的に鉛直方向に延在する前側及び後側を含む実質的に長方形の形状を含
んでいて、前記前側が、前記1以上の構造足部(30,32)に面し、前記後側が、前記1以上のレール構造(56,58,60,62)に面しており、前記1以上のアダプタプレート(64)の後側が、上方凹部(82)、下方凹部(86)及び前記上方凹部(82)と前記下方凹部(86)との間に配置されたラベット特徴部(
84)
を含んでおり、前記上方凹部(82)及び前記下方凹部(86)の各々が、それらを貫通して配置され
た複数のボルト穴(
78)
を含
んでおり、
前記1以上のレール構造(56,58,60,62)の各々が、上方レール(72)、下方レール(74)及び前記上方レール(72)と前記下方レール(74)との間に配置された凹部(76)をさらに含んでおり、前記上方レール(72)及び前記下方レール(74)の各々が、それらを貫通して配置された複数のボルト穴(78)を含んでおり、
前記上方レール(72)及び前記下方レール(74)が、前記上方レール(72)及び前記下方レール(74)のそれぞれを貫通して配置された複数のボルト穴(78)並びに前記1以上のアダプタプレート(64)の後側の上方凹部(82)及び下方凹部(86)のそれぞれを貫通して配置された複数のボルト穴(78)を通して、前記1以上のアダプタプレート(64)と結合している、発電機システム。
【請求項2】
前記発電機ケーシング(24)から半径方向外側に突出する1以上のトラニオン(
40,42)と、
前記1以上のトラニオン(
40,42)と前記発電機ケーシング(24)との間の接合面に配置された1以上の
取付けプレート(48
,50)
と
をさらに含む、請求項1に記載の発電機システム。
【請求項3】
前記1以上のレール構造(56,58,60,62)が前記発電機(10)の各長さ方向側に配置さ
れており、前記1以上のアダプタプレート(64)が前記発電機(10)の各長さ方向側に配置さ
れており、前記1以上の構造足部(30,32)が前記発電機(10)の各長さ方向側に配置さ
れている、請求項1
又は請求項2に記載の発電機システム。
【請求項4】
前記1以上のレール構造(56
,58
,60
,62)
が4つのレール構
造を含んでおり、前記1以上のアダプタプレート(
64)
が4つのアダプタプレート
を含んでおり、前記1以上の構造足部(
30,32)
が4つの構造足部を含む、請求項1
乃至請求項3のいずれか1項に記載の発電機システム。
【請求項5】
前記1以上のアダプタプレート(64)の前側が、上方ラベット特徴部(88)、下方ラベット特徴部(92)、及び前記上方ラベット特徴部(88)と前記下方ラベット特徴部(92)との間に配置された凹部(90)を含んでおり、前記上方ラベット特徴部(88)と前記下方ラベット特徴部(92)の各々が、それらを貫通して配置された複数のボルト穴(78)を含んでいる、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の発電機システム。
【請求項6】
前記1以上のアダプタプレート(64)の後側が、前記上方凹部(82)の上方に配置された上方ラベット特徴部(80)をさらに含んでおり、前記1以上のアダプタプレート(64)の前側の上方ラベット特徴部(88)を貫通して配置された複数のボルト穴(78)が、前記1以上のアダプタプレート(64)の後側の上方ラベット特徴部(80)を貫通して延在している、請求項5に記載の発電機システム。
【請求項7】
前記1以上の構造足部(30,32)の各々が、上方プレート凹部(98)、下方プレート凹部(102)、及び前記上方プレート凹部(98)と前記下方プレート凹部(102)との間に配置されたプレート中央ラベット特徴部(100)を有するバックプレート(96)を含んでおり、前記上方プレート凹部(98)及び前記下方プレート凹部(102)の各々が、複数のボルト穴を含んでおり、前記1以上のアダプタプレート(64)の前側の上方ラベット特徴部(88)及び下方ラベット特徴部(92)の各々を貫通して配置された複数のボルト穴(78)が、前記1以上の構造足部(30,32)のバックプレート(96)の上方プレート凹部(98)及び下方プレート凹部(102)の複数のボルト穴と位置合わせされている、請求項5又は請求項6に記載の発電機システム。
【請求項8】
前記1以上の構造足部(30,32)の各々が、上方プレート(108)、下方プレート(106)、及び前記下方プレート(106)と前記上方プレート(108)との間に延在する複数の鉛直プレート(110)をさらに含む、請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の発電機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、発電機に関し、より具体的には、発電機を構造的に支持するためのアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
発電機は、現代の発電施設(すなわち、発電所)の最も重い部品の1つである。発電機を構造的に支えるために使用されるコンクリート基礎は、数トン乃至数千トンのコンクリートを含んでおり、発電機自体の重さは1000トン程度となることがある。これらのコンクリート構造物の硬化時間は28日間にも及ぶ場合がある。
【0003】
発電機が耐用年数の終わりに達し、交換及び/又は改修が必要になると(多くの場合、数年又は数十年使用した後)、交換用発電機は古い発電機と同じ電気定格及び出力に適合することができ、全体的な設置面積を小さくしつつ古い発電機と同じ電気定格及び出力に適合することができる。技術の進歩により、発電機はより効率的になり、より高い電力密度(すなわち、単位体積あたりの高い電力)が得られるようになった。そのため、古い発電機の出力と一致する新しい発電機は、古い発電機よりも小さな設置面積及び/又は体積をもつと期待される。
【0004】
既存の発電所で新しい発電機を構造的に支持することは、新しい発電機の設置面積が古い発電機の設置面積と一致しない場合に技術的な課題をもたらすことがある。さらに、新しい基礎構成を含むように発電所を再構築することは、時間も費用もかかる。
【発明の概要】
【0005】
本実施形態の態様を、以下に要約する。これらの実施形態は特許請求する実施形態の範囲を限定しようとするものではなく、むしろ、これらの実施形態は、実施形態について可能性がある形式の概要を提供しようとするものにすぎない。さらに、実施形態は、特許請求の範囲と同等の、以下に記載の実施形態と同様又は異なり得る様々な形態を包含してもよい。
以下、本発明の幾つかの態様について要約する。これらの実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明の可能な形態を簡単にまとめたものである。さらに、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲に属し、以下に記載する実施形態と同様又は異なる様々な形態を包含する。
【0006】
一態様では、発電機システムは、発電機と、発電機の周りに配置された発電機ケーシングと、発電機ケーシングの外面に軸方向に配置された1以上のレール構造と、レール構造に結合された1以上のアダプタプレートとを含み、アダプタプレートは実質的に長方形の形状を含む。アダプタプレートは、1以上のラベット特徴部と、それらを貫通して配置された複数のボルト穴とを含む。発電機システムは、アダプタプレートに結合された1以上の構造足部を含む。
【0007】
別の態様では、発電機を支持する方法は、1以上のアダプタプレートを提供するステップであって、アダプタプレートが1以上のラベット特徴部と、それらを貫通して配置された1以上のボルト穴とを含む、ステップと、アダプタプレートを発電機の1以上のレール構造に位置合わせするステップと、アダプタプレートをレール構造にボルト締めするステップと、ボルト穴を1以上の構造足部に位置合わせするステップと、アダプタプレートを構造足部にボルト締めするステップとを含む。
【0008】
別の態様では、アダプタは、前側及び後側を含む実質的に長方形のプレートを含み、前側及び後側の各々は、1以上の凹部と、少なくともラベット特徴部とをさらに含み、実質的に長方形のプレートは、それを貫通して配置された1以上の複数の穴を含む。複数の穴の各穴は、実質的に長方形のプレートの長さに沿って離間している。
【0009】
本開示の上記その他の特徴、態様及び利点については、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができよう。添付の図面では、図面を通して、類似の符号は類似の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】
取付けアダプタアセンブリの斜視図である。
【
図6】本実施形態の態様による、発電機を支持する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
別途記載しない限り、本願に添付した図面は、本開示の実施形態の特徴を示すものである。これらの特徴は、本開示の1以上の実施形態を含む多種多様なシステムに適用できると思料される。したがって、図面は、本明細書に開示する実施形態の実施に必要とされる当業者に公知の従来の特徴をすべて含むことを意図しない。
【0012】
以下の明細書及び特許請求の範囲では、多くの用語に言及するが、それらは以下の意味をもつと定義される。
【0013】
単数形で記載したものであっても、前後関係から別途明らかでない限り、複数の場合も含めて意味する。
【0014】
「任意」又は「適宜」という用語は、その用語に続いて記載された事象又は状況が起きても起きなくてもよいとを意味しており、かかる記載はその事象が起こる場合と起こらない場合とを包含する。
【0015】
本明細書及び特許請求の範囲で用いる近似表現は、数量の修飾語であって、その数量が関係する基本機能に変化をもたらさない許容範囲内で変動し得る数量を表すために適用される。したがって、「約」及び「実質的に」のような用語で修飾された値はその厳密な数値に限定されない。場合によっては、近似表現は、その値を測定する機器の精度に対応する。本明細書及び特許請求の範囲において、数値限定の範囲は互いに結合及び/又は交換可能であり、かかる範囲は、前後関係等から別途明らかでない限り、その範囲に含まれるあらゆる部分範囲を特定しかつ包含する。
【0016】
本明細書において、「軸方向」という用語は、発電機の中心軸又はシャフトと整列した方向をいう。
【0017】
本明細書において、「周方向」という用語は、発電機の外周(及び接線方向)或いは例えば発電機のロータの掃引領域によって画成される円の周りの方向をいう。本明細書において、「周方向」及び「接線方向」という用語は、同義である場合がある。
【0018】
本明細書において、「半径方向」という用語は、発電機の中心軸から外側に離れる方向をいう。「半径方向内側」方向は、中心軸に向かって、半径が減少する方向をいう。「半径方向外側」方向は、中心軸から離れて、半径が増加する方向をいう。
【0019】
図1は、発電機中心線12の周り
で回転可能な発電機10の側面図を示す。発電機ロータ14は、中心線12に関して軸対称であ
って、
シャフト16に機械的に結合され、シャフト16はガスタービン
又は蒸気タービンなどの動力発生装置に発電機を取り付けるためのカップリング18に結合さ
れる。発電機中心線12は、タービンデッキ22の上方の第1の高さ20に配置
し得る。第1の高さ20は、例えば、30インチ、36インチ、20インチ、45インチ
とすることができるし、或いは他の高さであってもよい。ロータ14の半径が第1の高さ20よりも大きい場合には、ロータ14の半径方向外側部分は、タービンデッキ22より
も低い高さ(
又は深さ)
を通って回転する。
【0020】
発電機10は、ロータ14の半径方向外側に配置された発電機ケーシング24を含む。第1のフード26及び第2のフード28を、発電機ケーシング24の上部に配置してもよい。発電機は、第1の構造足部30及び第2の構造足部32を含むことができる。第1及び第2の構造足部30,32の両方を、発電機を構造的に支持するためにタービンデッキ22に取り付けることができる。発電機10はまた、発電機10を持ち上げるために使用される第1のトラニオン40及び第2のトラニオン42を含むことができる。ケーシング24及びトラニオン-ケーシング接合面を強化するために、第1の取付けプレート48及び第2の取付けプレート50を、発電機ケーシング24との各接合面で第1及び第2のトラニオン40,42の周りに配置することができる。第1及び第2のトラニオン40,42(並びに発電機10の反対側に配置された図示していない第3及び第4のトラニオン44,46)を使用して、発電機及び/又は内部部品を傷つけずに、(例えば、クレーンをトラニオンに接続することにより)発電機10を移動させることができる。第1、第2、第3及び第4のトラニオン40,42,44,46は、実質的に円筒形状であってもよく、発電機ケーシング24から半径方向外側に延在してもよい。
【0021】
図2は、発電機10の
平面図を示
す。
図2は、
図1と共通の特徴部がほぼ並ぶように
図1と位置合わせしてある。
図2の図は、発電機中心線12の周りに軸対称で回転可能であって、発電機ケーシング24内に配置された発電機ロータ14を含む。
図2はまた、発電機10が位置するフロア凹部70の輪郭を含む。フロア凹部70は、発電機10よりも大きな面積
又は設置面積を占める。
換言すると、フロア凹部70は、交換
済み又は交換
中の古い発電機(図示せず)の設置面積に対応し
得る。発電機10は、古い発電機の代わりに設置されている新しい発電機であってもよく、古い発電機と同じ
又は同等の電気出力の定格を有するにもかかわらず(すなわち、技術の進歩により)、古い発電機より
も占有体積
及び面積
が小さい。
【0022】
さらに
図2を参照すると、発電機10は、発電機10から半径方向外側に延在する第1、第2、第3
及び第4のトラニオンを含む。発電機10は、第1
及び第2の構造足部30
,32と、発電機10の第1
及び第2の構造足部30
,32とは反対側に配置された第3
及び第4の発電機足部34
,36
とを含む。設置されると、第1、第2、第3
及び第4の構造足部30
,32
,34
,36の各々は、タービンデッキ22にボルト締め
及び/
又は機械的に結合される。第1、第2、第3
及び第4のレール構造56
,58
,60
,62は、第1、第2、第3
及び第4の構造足部30
,32
,34
,36の半径方向内側の発電機ケーシング24の外側に配置される。第1の隙間52は、第3のレール構造60と第3の構造足部34との間の半径方向の空間を占め、第2の隙間54は、第4のレール構造62と第4の構造足部36との間の半径方向の空間を占める。第1、第2、第3
及び第4の構造足部30
,32
,34
,36の各々の配置は、それら
をタービンデッキ22に結合
しなければならないという要件
だけでなく、コンクリート基礎との接合面に対応するタービンデッキ22の特定の場所に結合
しなければならないという要件によっても、
規定される。第1、第2、第3
及び第4のレール構造56
,58
,60
,62はまた、発電機10の固定された特徴部であり、広い面積にわたって負荷を均等に分配
及び支持するように設計される。
【0023】
引き続き
図2を参照すると、第1のアダプタプレート64は、第1の構造足部30と第1のレール構造56との間の半径方
向隙間(図示せず)に
延在する。同様に、第2のアダプタプレート66は、第2の構造足部32と第2のレール構造58との間の半径方
向隙間(図示せず)に
延在する。完全に設置され、構造的に支持されると、発電機10は、各レール構造と構造足部との間の半径方
向隙間にまたがるアダプタプレート(すなわち、合計4つのアダプタプレート)を含むことができる。
図2は、第1
及び第2のアダプタプレート64
,66を示しているが、第1
及び第2の半径方
向隙間52、54を示すために、第3
及び第4のアダプタプレート(図示せず)は示していない。第1~第4のアダプタプレートの各々は、それぞれのレール構造
及び構造足部の両方にボルト締め
及び/
又は結合され、それにより、半径方
向隙間にまたが
って発電機を構造的に支持する役割を果たす。
【0024】
図3は、発電機ロータ(図示せず)の周りに配置された発電機ケーシング24、第1のトラニオン40、
取付けプレート48、第1のレール構造56、第1のアダプタプレート64
及び第1の構造足部30を含む発電機10の斜視図を示す。
図3の実施形態では、第1のアダプタプレート64
及び第1の構造足部30
は、互いに
及び第1のレール構造56から
取り外されている。第1のレール構造56は、上
方レール72、下
方レール74
及び上
方レール72と下
方レール74との間に配置された中央凹
部76を含
んでいてもよい。上
方レール72
及び下
方レール74の各々は、軸方向に整列した複数のボルト穴78を含
んでいてもよい。
後側(すなわち、半径方向内側)では、アダプタプレート64は、上
方後側ラベット特徴部80、上
方後側凹部82、下
方後側ラベット特徴部84
及び下
方後側凹部86を含
んでいてもよい。上
方後側凹部82は、上
方レール72に配置された複数のボルト穴78に対応する複数のボルト穴を含み、下
方後側凹部86は、下
方レール74に配置された複数のボルト穴78に対応する複数のボルト穴を含む。下
方後側ラベット特徴部84は、第1のレール構造56の中央凹
部76に対応し、その中に嵌合する。
前側(すなわち、半径方向外側)では、アダプタプレート64は、上
方前側ラベット特徴部88、上
方前側凹部90、下
方前側ラベット特徴部92
及び下
方前側凹部94を含
んでいてもよい。
【0025】
さらに
図3を参照すると、第1の構造足部30は、アダプタプレート64と接合するバックプレート96を含
んでいてもよい。バックプレート96は、上
方プレート凹部98、下
方プレート凹部102
及び上
方プレート凹部98と下
方プレート凹部102との間に配置されたプレート中央ラベット特徴部100を含
んでいてもよい。上
方プレート凹部98
及び下
方プレート凹部102の各々は、アダプタプレート64の上
方前側ラベット特徴部88
及び下
方前側ラベット特徴部92のそれぞれの複数のボルト穴と位置合わせされて対応する複数のボルト穴を含
んでいてもよい。中央ラベット特徴部100は、アダプタプレート64の上
方前側凹部90に対応し、その中に嵌合する。第1の構造足部30
及びアダプタプレート64の各々は、丸いトラニオン凹部104を含むことができ、それによって、第1のトラニオン40に干渉
せずに、第1の構造足部30
及びアダプタプレート64
を発電機ケーシング24
及び/
又は第1のレール構造56に当接
させることができる。各トラニオン凹部104は、半円形
及び/
又は半円筒形(すなわち、円筒の半分)であってもよい。
【0026】
図4は、発電機10、発電機ケーシング24
及びトラニオン凹部104の斜視図を示し、第1の構造足部30
及びアダプタプレート64が、上
方レール72
及び下
方レール74
並びに中央凹
部76において第1のレール構造56に
取り付けられている。第1の構造足部30は、バックプレート96
及び上
方プレート108の下に配置された下
方プレートを含
んでいてもよい。バックプレート96は、アダプタプレート64と接合するための
1以上の複数のボルト穴を含
んでいてもよい。第1の構造足部はまた、下
方プレート106と上
方プレート108との間に延在する複数の
鉛直プレート110を含
んでいてもよい。各
鉛直プレート110は5面であってもよく、
1以上の他の側面と平行
及び/
又は直交する4つの側面を含
んでいてもよい。各
鉛直プレート110はまた、
1以上の傾斜側面112を含むことができ、これは
鉛直及び横方向の両方の支持を
もたらすことができる。複数の
鉛直プレート110は、それらの間に複数の空間を集合的に
画成し
得る。下
方プレート106は、複数の
鉛直プレート110によって
画成される複数の空間に対応する軸方向位置に貫通して配置された
1以上のボルト穴114
及び1以上のボルト116を含
んでいてもよい。
【0027】
さらに
図4を参照すると、下
方プレート106は、
1以上のボルト穴114
及び1以上のボルト116を介して、コンクリート基礎に構造的に結合
した及び/又はそれと一体である基礎接合面118にボルト締め
し得る。第1の構造足部30はまた、組み立て中に第1の構造足部30を移動
及び/
又は操作するために使用される
1以上の
取付けブラケット120を含
んでいてもよい(すなわち、クレーン、フォークリフト
及び/
又は他の操作手段を1
以上の
取付けブラケット120に取り付けることによって)。組み立てられると、第1のレール構造56、第1のアダプタプレート64
及び第1の構造足部30に配置され
るラベット特徴部の各々は、(同じに配置された凹部の各々と併せて)集合的にせん断荷重
及び/
又は応力を吸収するのに役立ち、これにより、アセンブリを一緒に保持するために使用されるいくつかのボルトのせん断荷重
及び/
又は応力が大幅に削減される。
【0028】
図5は、上
方後側ラベット特徴部80、上
方後側凹部82、下
方後側ラベット特徴部84
及び下
方後側凹部86、
並びに上
方前側ラベット特徴部88、上
方前側凹部90、下
方前側ラベット特徴部92、下
方前側凹部94
及びトラニオン凹部104を含む第1のアダプタプレート64の斜視図を示す。アダプタプレート64は、実質的に長方形であってもよく、また、上
方前側ラベット特徴部88
及び上
方後側ラベット特徴部80に配置された第1の複数の穴122、上
方前側凹部90
及び上
方後側凹部82に配置された第2の複数の穴124、下
方前側ラベット特徴部92
及び下
方後側ラベット特徴部84に配置された第3の複数の穴126、
並びに下
方前側凹部94
及び下
方後側凹部86に配置された第4の複数の穴128を含んでもよい。第1
及び第3の複数の穴122、126(
及びそれぞれのボルトとナット)の各々を使用して、アダプタプレート64を第1の構造足部30に固定することができ、第2
及び第4の複数の穴124
,128(
及びそれぞれのボルトとナット)の各々を使用して、アダプタプレート64を第1のレール構造56に固定することができる。第1
及び第3の複数の穴122、126の各々は、第2
及び第4の複数の穴124
,128の各々よりも小さい直径を含んでもよい。他の実施形態では、第1
及び第3の複数の穴122、126の各々は、第2
及び第4の複数の穴124
,128の各々よりも大きな直径を含んでもよい。他の実施形態では、第1
及び第3の複数の穴122、126の各々は、第2
及び第4の複数の穴124
,128の各々と実質的に同じ直径を含んでもよい。1
以上の穿孔プロセスを使用して、本実施形態のボルト穴の各々を作成することができ、1
以上のフライス加工プロセスを使用して、本実施形態のラベット特徴部
及び/
又は凹部の各々を作成することができる。他のプロセスを使用して、ボルト穴
及び/
又はラベット特徴部を作成することもできる。
【0029】
さらに
図5を参照すると、アダプタプレート64は、それを介して配置された1
以上の重量軽減特徴部130を含
んでいてもよい。1
以上の重量軽減特徴部130は、例えば、上
方後側ラベット特徴部80、上
方後側凹部82、下
方後側ラベット特徴部84
及び下
方後側凹部86、
並びに上
方前側ラベット特徴部88、上
方前側凹部90、下
方前側ラベット特徴部92及び/
又は下
方前側凹部94を含むアダプタプレート64の任意の部分内に配置されてもよい。1
以上の重量軽減特徴部130は、円形
及び/
又は非円形断面(例えば、長方形、三角形、楕円形、立方体及び他の形状)を含んでもよい。1
以上の重量軽減特徴部130は、アダプタプレート64の
前側からアダプタプレートの
後側にわたって配置されてもよい。他の実施形態では、1
以上の重量軽減特徴部130は、
前側及び/
又は後側に配置
してもよく、完全に貫通しなくてもよい。異なるサイズ
及び/
又は形状の複数の重量軽減特徴部130は、様々な構成
及び/
又は配置でアダプタプレート64に配置されてもよい。例えば、5~15個の複数の重量軽減特徴部130は、アダプタプレート64の長さに沿って軸方向に間隔をあけて配置されてもよい。他の実施形態では、複数の重量軽減特徴部130は、異なる高さ
及び軸方向位置で互い違いに配置されてもよく、複数の重量軽減特徴部130自体は、複数のサイズ
及び形状を含む。本明細書に開示する実施形態による、かつ所望の設計特性によって規定されるような他の構成も可能である。
【0030】
さらに
図5を参照すると、1
以上の重量軽減特徴部130により、アダプタプレート64の振動数
及び重量の両方を調整して、(発電機と
取付け部品を含む)発電機システムの所望の結果の重量
及び/
又は振動数特性をもたらすことができる。アダプタプレート64の重量の間接的な利点は、構造足部30
,32
,34
,36を介して固定された場合に、既存の基礎アンカーボルトの突然の短絡トルク能力を増加させるのに役立つことである。アダプタプレート64
,66の重量を制御することにより、既存の基礎アンカーボルトの張力を低減することが可能である。一般に、新しいボルトを設置するために必要な費用と時間のかかる基礎作業なしに、アップグレードされたMW発電機の既存のアンカーボルトを交換することは困難
又は不可能である。アダプタプレートの重量は反作用モーメントとして作用し、ボルト内の力を低減させ得る。
【0031】
図6は、発電機10を構造的に支持する方法600の概略図を示
す。ステップ602では、方法600は、シートメタルを提供するステップを含むことができる。シートメタルは、少なくとも部分的にA36鋼
及び他の適切な材料で構成されてもよい。シートメタルは、約6インチから約8インチの厚さであってもよい。他の実施形態では、シートメタルは約5インチから約10インチの厚さであってもよい。他の実施形態では、シートメタルは、約4インチから約12インチの厚さであってもよい。他の実施形態では、シートメタルは、約2インチから約16インチの厚さであってもよい。ステップ604では、方法600は、1以上のラベット特徴部
及び/
又は凹部をシートメタルにミリングするステップを含むことができる。ステップ606では、方法600は、シートメタルに1以上の穴を穿孔することにより、アダプタプレート64
,66を作成するステップを含むことができる。ステップ608では、方法は、アダプタプレートの穴をレール構造56
,58
,60
,62の複数の穴78と位置合わせするステップを含むことができる。ステップ610では、方法600は、アダプタプレート64
,66をレール構造56
,58
,60
,62にボルト締めするステップを含むことができる。ステップ612では、方法600は、構造足部30
,32
,34
,36内の穴を基礎
及び/
又は基礎接合面118の穴と位置合わせするステップを含むことができる。ステップ614では、方法600は、構造足部30
,32
,34
,36をアダプタプレート64
,66にボルト締めするステップを含むことができる。ステップ616では、方法600は、構造足部30
,32
,34
,36を基礎
及び/
又は基礎接合面118にボルト締めするステップを含むことができる。開示された方法の実施形態では、他のステップも実行されてもよい。開示された方法の他の実施形態では、開示されたステップの1
以上が省略されてもよい。加えて、開示された方法の実施形態では、1
以上のステップは異なる順序で実行されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ステップ616はステップ614の前に実行されてもよい。
【0032】
図1~
図6に開示した実施形態
及び/
又は方法の各々は、第2、第3及び第4のアダプタプレート、レール構造及び構造足部の上
又はそれらに関連して、第1のアダプタプレート64、第1のレール構造56及び第1の構造足部30の図示した特徴部のいずれか
及びすべてを含んでもよい。加えて、本明細書に開示する実施形態は、発電機10の軸方向の長さ全体を両側に延長するレール構造、アダプタプレート及び構造足部を含んでもよい。レール構造56
,58
,60
,62
及び構造足部30
,32
,34
,36の各々の特徴部に一致するアダプタプレート64
,66を設けることにより、本明細書で開示される実施形態
及び方法は、既存の発電機の設置面積が新規もしくは再生発電機10の設置面積よりも大きい
及び/
又は異なる発電所に、新規もしくは再生発電機を取り付けて構造的に支持
できるようになる。アダプタプレート64
,66、レール構造56
,58
,60
,62及び構造足部30
,32
,34
,36の各々のラベット特徴部は、せん断応力
及び荷重を分散
及び伝達する。さらに、アダプタプレート64
,66は、他のシステムよりも低コストの
取付けシステムを可能にし、発電機の設計
又はその
部品の変更を必要とせずに、既存の構造足部30
,32
,34
,36(
及びコンクリート基礎)との構造的接合
ができるようになる。本明細書で開示される実施形態は、発電機フレームを変更
せずに、発電機を既存のプラントに設置
できるようになる。発電機フレームの変更は、タイムリーで、費用がかかり及び/
又は発電機の振動特性に望ましくない変化をもたらす可能性がある。本明細書に開示する実施形態は、対応する発電機
及び設置配置に適合するために必要に応じて、他のアダプタプレートの寸法、幾何学的形状、ラベット特徴部構成及びボルト穴構成を含んでもよい。
【0033】
本実施形態の例示的な用途は、蒸気タービン発電機、ガスタービン発電機、ロータリーエンジン発電機、往復エンジン発電機、空冷発電機、ガス冷却発電機、流体冷却発電機、三相発電機及び/又は他のタイプの発電機を含んでもよい。
【0034】
本開示の様々な実施形態の特定の特徴について、ある図面には図示され、他の図面には図示されていないが、これは便宜上のものにすぎない。本開示の原理によれば、図面に記載された特徴は、他の図面に記載された特徴と組合せて参照及び/又は特許請求することができる。
【0035】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲と文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と非本質的な差しかない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0036】
10 発電機
12 発電機中心線
14 発電機ロータ
16 シャフト
18 カップリング
20 第1の高さ
22 タービンデッキ
24 発電機ケーシング
26 第1のフード
28 第2のフード
30 第1の構造足部
32 第2の構造足部
34 第3の構造足部、第3の発電機足部
36 第4の構造足部、第4の発電機足部
40 第1のトラニオン
42 第2のトラニオン
44 第3のトラニオン
46 第4のトラニオン
48 第1の取付けプレート
50 第2の取付けプレート
52 第1の隙間
54 第2の隙間
56 第1のレール構造
58 第2のレール構造
60 第3のレール構造
62 第4のレール構造
64 第1のアダプタプレート
66 第2のアダプタプレート
70 フロア凹部
72 上方レール
74 下方レール
76 中央凹部
78 ボルト穴
80 上方後側ラベット特徴部
82 上方後側凹部
84 下方後側ラベット特徴部
86 下方後側凹部
88 上方前側ラベット特徴部
90 上方前側凹部
92 下方前側ラベット特徴部
94 下方前側凹部
96 バックプレート
98 上方プレート凹部
100 プレート中央ラベット特徴部
102 下方プレート凹部
104 トラニオン凹部
106 下方プレート
108 上方プレート
110 鉛直プレート
112 傾斜側面
114 ボルト穴
116 ボルト
118 基礎接合面
120 取付けブラケット
122 穴
124 穴
126 穴
128 穴
130 重量軽減特徴部
600 方法