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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-03
(45)【発行日】2024-07-11
(54)【発明の名称】浴槽装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20240704BHJP
【FI】
A47K3/00 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020153847
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2022047841
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】井上 賢治
(72)【発明者】
【氏名】記井 義幸
(72)【発明者】
【氏名】堀江 直也
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-064593(JP,U)
【文献】特開2007-297870(JP,A)
【文献】特開2019-210628(JP,A)
【文献】実開昭63-027188(JP,U)
【文献】特開2011-239977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00 - 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽と、
前記浴槽内の少なくとも2つの側面それぞれに少なくとも1つ設けられる複数の吸水口と、
前記浴槽に設けられる少なくとも1つの吐水口と、
前記複数の吸水口から湯水を吸水すると共に前記複数の吸水口から吸水された湯水を前記少なくとも1つの吐水口から吐水するように駆動される1つのポンプと、を備え
前記複数の吸水口は、前記浴槽内の短辺側の側面に2つ設けられると共に、前記浴槽内の長辺側の側面に少なくとも1つ設けられる浴槽装置。
【請求項2】
浴槽と、
前記浴槽内の短辺側の側面及び長辺側の側面それぞれに少なくとも1つ設けられる複数の吸水口と、
前記浴槽に設けられる少なくとも1つの吐水口と、を備え
前記複数の吸水口は、前記浴槽内の短辺側の側面に2つ設けられると共に、前記浴槽内の長辺側の側面に少なくとも1つ設けられる浴槽装置。
【請求項3】
前記複数の吸水口から湯水を吸水すると共に前記複数の吸水口から吸水された湯水を前記少なくとも1つの吐水口から吐水するように駆動される1つのポンプを更に備える、請求項2に記載の浴槽装置。
【請求項4】
前記浴槽内の長辺側の側面に設けられる長辺側吸水口は、前記浴槽内の短辺側に設けられる2つの短辺側吸水口の間の距離よりも、前記2つの短辺側吸水口のいずれからも離れて配置される、請求項1~3のいずれかに記載の浴槽装置。
【請求項5】
前記浴槽内の長辺側の側面に設けられる前記吸水口は、洗い場側の長辺側の側面に配置される、請求項1~のいずれかに記載の浴槽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸水口から吸水された湯水を循環させて吐水口から吐水するように構成された浴槽装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の浴槽装置は、吸水口に吸水された湯水をポンプにより循環させて、ポンプにより循環させた湯水を吐水口から吐水する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-63089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸水口に吸水された湯水を循環させて吐水口から吐水する浴槽装置においては、例えば、既存の吐水口に加えて、別の吐水口を増やしたい場合がある。吐水口の数を増加させる場合には、浴槽内の湯水を循環させて使用するため、吸水口により吸水される湯水の吸水量が増加する。
【0005】
しかし、吸水口の吸水量を増加させる場合に、吸水口の数をそのままとすると、吸水口における吸い込み力が強くなってしまう。吸水口の数を増加させて複数の吸水口の距離が近い場合には、複数の吸水口に同時にタオル等の固形物(個体)が吸い込まれると、圧の逃げ道がなくなって、タオル等の固形物(個体)が強い吸い込み力で吸い込まれる可能性がある。
【0006】
例えば、浴槽内の短辺側の一対の側面それぞれに吸水口を設け、一方の短辺側の側面に設けられる吸水口から湯水を吸水するポンプと、他方の短辺側の側面に設けられる吸水口から湯水を吸水するポンプと、を備えることで、全体として複数のポンプを備える構成とすることがある。このような場合に、1つのポンプに対応する吸水口の数が少なく且つ隣り合う吸水口の間隔が狭い場合、隣り合う吸水口に同時に同一の個体が吸い込まれて、圧の逃げ道がなくなって、さらに吸込み力が強くなり、圧力の急激な変化が生じる可能性がある。圧力の急激な変化が生じると、ポンプや配管等に掛かる負荷が増加し、ポンプや配管等が故障する可能性もある。
【0007】
よって、吸水口から吸水する湯水の吸水量を確保しつつ、同一の個体が吸い込まれて圧力の急激な変化が生じる可能性を抑制してポンプや配管等の耐久性を確保できることが望まれる。
【0008】
本開示は、吸水口に吸水された湯水を吐水口から吐水する浴槽装置において、吸水口から吸水する湯水の吸水量を確保しつつ、耐久性を確保できる浴槽装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、浴槽と、前記浴槽内の少なくとも2つの側面それぞれに少なくとも1つ設けられる複数の吸水口と、前記浴槽に設けられる少なくとも1つの吐水口と、前記複数の吸水口から湯水を吸水すると共に前記複数の吸水口から吸水された湯水を前記少なくとも1つの吐水口から吐水するように駆動される1つのポンプと、を備える浴槽装置に関する。
【0010】
本開示は、浴槽と、前記浴槽内の短辺側の側面及び長辺側の側面それぞれに少なくとも1つ設けられる複数の吸水口と、前記浴槽に設けられる少なくとも1つの吐水口と、を備える浴槽装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態の浴槽装置を示す斜視図である。
図2】一実施形態の浴槽装置を示す平面図である。
図3】一実施形態の浴槽装置を外側から見た場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、浴槽装置100の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。浴槽装置100は、例えば、洗い場(図示省略)を備えるユニットバス(図示省略)に配置される。浴槽装置100は、図1に示すように、上縁面120及びエプロン部130を有する浴槽110と、肩首用吐水装置2と、短辺側吸水口31(吸水口)及びジェット吐水口32(吐水口)をそれぞれ有する2つのジェットノズル3,3と、1つの長辺側吸水口4(吸水口)と、排水口5と、湯水循環機構6(図3参照)と、を備える。
【0013】
浴槽110は、上部が開口した略直方体の形状を有し、湯水を貯水可能に形成される。上縁面120は、浴槽110の上端から四周の外側へ延出する部分である。上縁面120は、概ね平坦に形成される。
【0014】
エプロン部130は、洗い場側に配置される。エプロン部130は、一対の長辺側の上縁面120における洗い場側の長辺側の上縁面120の外側の端部から下方に延出する。洗い場側と反対側の長辺側には、洗い場側と反対側の長辺側の上縁面120に沿って、ユニットバスの浴室の壁(図示省略)が配置されている。
【0015】
浴槽110は、図1及び図2に示すように、底面部111と、側壁部112と、を有する。底面部111は、略長方形に形成され、四隅が湾曲している。側壁部112は、底面部111から上方に延びる。側壁部112の浴槽110の内部側の面は、浴槽110の側面150を構成する。
【0016】
浴槽110内の側面150は、浴槽110の短辺に沿って配置される一対の短辺側側面151(一方の短辺側側面151a、他方の短辺側側面151b)と、浴槽110の長辺に沿って配置される一対の長辺側側面152(一方の長辺側側面152a、他方の長辺側側面152b)と、から形成される。本実施形態においては、浴槽110の短辺に沿う方向を短辺方向D1といい、浴槽110の長辺に沿う方向を長辺方向D2という。
【0017】
肩首用吐水装置2は、図1に示すように、一対の短辺側側面151のうちの一方の短辺側側面151aの上方において上縁面120の上に配置される。肩首用吐水装置2は、枕部21と、本体部22と、を有する。
【0018】
枕部21は、使用者が頭部を載せることが可能な高さを有し、上縁面120から凸となるように配置される。枕部21は、幅方向に長い横長の形状を有する。
【0019】
本体部22は、浴槽110の上縁面120上に設けられる。本体部22は、枕部21の下方及び内部に配置される。本体部22は、第1吐水口23(吐水口)と、一対の第2吐水口24(吐水口)と、を有する。第1吐水口23及び一対の第2吐水口24は、ともに浴槽110の上縁面120に設けられる。
【0020】
第1吐水口23は、使用者の肩へと湯水を吐水する吐水口である。第1吐水口23は、浴槽110の短辺方向D1に略直線状に延び、細長いスリット状に下方に開口して形成される。第1吐水口23から吐水される湯水は、薄い膜状に形成される。
【0021】
一対の第2吐水口24は、本体部22の長手方向の略中央において、浴槽110の短辺方向D1に離れて2つ形成される開口部である。第2吐水口24からは、それぞれ、使用者の首に向かって一本の水の流れが波打つように吐水される。
【0022】
2つのジェットノズル3,3は、図1に示すように、一対の短辺側側面151のうちの一方の短辺側側面151a(側面)の下方に配置される。2つのジェットノズル3,3は、同じ高さで2つ形成される。2つのジェットノズル3,3は、浴槽110の短辺側側面151の短辺方向D1の略中央に、短辺方向D1に離れて配置される。2つのジェットノズル3,3は、それぞれ、浴槽110の湯水を吸水する短辺側吸水口31(吸水口)と、湯水循環機構6により吸水された湯水を浴槽内に吐水するジェット吐水口32(吐水口)と、を有する。
【0023】
2つのジェットノズル3,3が一対の短辺側側面151のうち一方の短辺側側面151aに設けられることで、一方の短辺側側面151aには、2つの短辺側吸水口31,31が設けられると共に、2つのジェット吐水口32,32が設けられる。つまり、2つの短辺側吸水口31は、浴槽110の短辺に配置される吸水口であり、浴槽110内の一方の短辺側側面151aに設けられている。
【0024】
長辺側吸水口4は、一対の長辺側側面152のうちの一方の長辺側側面152a(側面)の下方に配置される。つまり、1つの長辺側吸水口4は、浴槽110の長辺に配置される吸水口であり、浴槽110内の一方の長辺側側面152aに設けられている。本実施形態においては、一方の長辺側側面152aは、一対の長辺側側面152のうちの洗い場側に配置される。他方の長辺側側面152bは、ユニットバスの浴室の壁(図示省略)に沿って配置される。
【0025】
長辺側吸水口4は、図2に示すように、浴槽110の長辺方向D2において、一方の短辺側側面151aから、浴槽110の長辺方向D2の長さの4分の1程度の長さの位置に配置されている。
【0026】
長辺側吸水口4の位置は、ジェットノズル3の2つの短辺側吸水口31との位置関係において、長辺側吸水口4及び短辺側吸水口31の両方に同時に同一の個体が吸い込まれにくい位置が好ましい。同一の個体としては、例えば、タオル等の固形物を挙げることができる。本実施形態においては、2つの短辺側吸水口31,31は、距離Laだけ離れて配置されている。長辺側吸水口4と長辺側吸水口4に近い側の短辺側吸水口31とは、2つの短辺側吸水口31,31の間の距離Laよりも長い距離Lbだけ離れて配置されている(距離Lb>距離La)。
【0027】
このように、浴槽110内の一方の長辺側側面152aに配置される長辺側吸水口4は、2つの短辺側吸水口31,31の間の距離Laよりも、2つの短辺側吸水口31,31のいずれからも離れて配置される。長辺側吸水口4と長辺側吸水口4に近い側の短辺側吸水口31との距離Lbは、2つの短辺側吸水口31,31の間の距離Laよりも長い距離であり、長辺側吸水口4及び短辺側吸水口31の両方に同時に同一の個体が吸い込まれにくい距離である。
【0028】
以上のように、浴槽装置100においては、浴槽110内において、一方の短辺側側面151aに2つの短辺側吸水口31,31が設けられると共に、一方の長辺側側面152aに1つの長辺側吸水口4が設けられている。
【0029】
2つの短辺側吸水口31,31及び長辺側吸水口4により浴槽110内から吸水された湯水は、後述する湯水循環機構6のポンプ74により吸水されて、湯水循環機構6のポンプ74により吸水された湯水は、循環されて、湯水循環機構6のポンプ74により、2つのジェット吐水口32,32、肩首用吐水装置2の第1吐水口23及び一対の第2吐水口24から浴槽110内に吐水される。
【0030】
湯水循環機構6は、浴槽110内の湯水を1つのポンプ74により吸水すると共に、1つのポンプ74により吸水した浴槽110内の湯水を、1つのポンプ74により浴槽110内に供給することで、浴槽110内の湯水を循環させる機構である。湯水循環機構6は、図3に示すように、第1吸水ライン61と、第2吸水ライン62と、第1供給ライン71と、第2供給ライン72と、第3供給ライン73と、1つのポンプ74と、切替装置75と、を備える。各ラインは、湯水が流通する流路である。
【0031】
1つのポンプ74は、浴槽110内の湯水を、第1吸水ライン61及び第2吸水ライン62を介して吸い上げると共に、吸い上げた湯水を、第1供給ライン71~第3供給ライン73を介して、浴槽110内に供給する。1つのポンプ74は、第1吸水ライン61及び第2吸水ラインに接続されている。1つのポンプ74は、切替装置75を介して、第1供給ライン71~第3供給ライン73に接続されている。1つのポンプ74及び切替装置75は、制御装置(図示省略)により制御される。
【0032】
第1吸水ライン61は、2つの短辺側吸水口31,31(図2参照)からポンプ74により吸水された浴槽110内の湯水をポンプ74まで吸い上げるラインである。第1吸水ライン61は、2本の管が接続されることで構成される。第1吸水ライン61は、一端が2つの短辺側吸水口31,31に連通する接続部311に接続され、他端がポンプ74に接続される。
【0033】
第2吸水ライン62は、1つの長辺側吸水口4(図2参照)からポンプ74により吸水された浴槽110内の湯水をポンプ74まで吸い上げるラインである。第2吸水ライン62は、一端が長辺側吸水口4に連通する接続部41に接続され、他端がポンプ74に接続される。
【0034】
第1供給ライン71は、第1吐水口23(図2参照)へ湯水を供給するラインである。第1供給ライン71は、一端が後述する切替装置75に接続され、他端が第1吐水口23に連通する接続部231に接続される。
【0035】
第2供給ライン72は、一対の第2吐水口24(図2参照)それぞれへ湯水を供給するラインである。第2供給ライン72は、2本の管を有する。第2供給ライン72は、一端が後述する切替装置75に接続され、他端が、後述する一対の第2吐水口24に連通する一対の接続部241に接続される。
【0036】
第3供給ライン73は、ジェット吐水口32に湯水を供給する管を有する。第3供給ライン73は、一端が後述する切替装置75に接続され、他端が、二本に分岐して、2つのジェット吐水口32,32に連通する接続部321に接続される。
【0037】
切替装置75は、第1供給ライン71~第3供給ライン73に湯水を供給するように流路を切り替える。切替装置75は、三方弁751と、二方弁752と、接続管753と、を有する。
【0038】
接続管753は、ポンプ74と三方弁751及び二方弁752とを接続するラインである。三方弁751は、ポンプ74から接続管753を介して供給される湯水を、第1供給ライン71及び第3供給ライン73に切り替えて供給する。二方弁752は、ポンプ74から接続管753を介して供給される湯水を、2本の第2供給ライン72に分岐させて供給する。
【0039】
切替装置75は、第1供給ライン71、第2供給ライン72、第3供給ライン73に湯水を供給するか否かを切り替えるとともに、それぞれに供給する湯水の流量や流速も独立して変更することができる。
【0040】
1つのポンプ74の駆動により第1吸水ライン61及び第2吸水ライン62を介して浴槽110内から吸い上げられた湯水は、使用者が選択して指示することにより、切替装置75により供給ラインが選択され、各吐水口(2つのジェット吐水口32,32、第1吐水口23、第2吐水口24)から吐水される。
【0041】
このようにして、本実施形態においては、1つのポンプ74は、3つの吸水口(1つの長辺側吸水口4、2つの短辺側吸水口31,31)から湯水を吸水すると共に、3つの吸水口(1つの長辺側吸水口4、2つの短辺側吸水口31,31)に吸水された湯水を、4つの吐水口(2つのジェット吐水口32,32、第1吐水口23、第2吐水口24)から吐水するように駆動される。
【0042】
以上説明した本実施形態の浴槽装置100によれば、以下のような効果を奏する。
【0043】
本実施形態の浴槽装置100は、浴槽110と、浴槽110内の一方の短辺側側面151aに設けられる2つの短辺側吸水口31,31と、浴槽110内の一方の長辺側側面152aに設けられる1つの長辺側吸水口4と、浴槽110に設けられるジェット吐水口32、第1吐水口23及び第2吐水口24と、浴槽110に設けられるジェット吐水口32、第1吐水口23及び第2吐水口24と、を備える。
【0044】
そのため、長辺側吸水口4及び短辺側吸水口31を設けたため、湯水の吸水量を確保できる。長辺側吸水口4と短辺側吸水口31との間に間隔を形成できるため、一方側の吸水口に個体が吸い込まれて詰まった場合でも、他方側の吸水口には、その個体が吸い込まれない可能性が高い。本実施形態においては、長辺側吸水口4と短辺側吸水口31との間に間隔を形成できるため、短辺側に2つの短辺側吸水口31を設けたとしても、3つの吸水口(2つの短辺側吸水口31,31及び長辺側吸水口4)に同時に同一の個体が吸い込まれにくい。これにより、圧の逃げ道がなくなることを抑制でき、同一の個体が強い吸い込み力で吸い込まれることも抑制できる。よって、圧力の急激な変化を抑制できるため、ポンプや配管等の壊れにくさ、つまり、ポンプや配管等の耐久性を確保できる。
【0045】
本実施形態においては、2つの短辺側吸水口31,31及び1つの長辺側吸水口4から湯水を吸水すると共に2つの短辺側吸水口31,31及び1つの長辺側吸水口4から吸水された湯水をジェット吐水口32、第1吐水口23及び第2吐水口24から吐水するように駆動される1つのポンプ74を更に備える。
【0046】
仮に、例えば、浴槽内の短辺側の一対の側面それぞれに吸水口を設け、一方の短辺側の側面に設けられる吸水口から湯水を吸水するポンプと、他方の短辺側の側面に設けられる吸水口から湯水を吸水するポンプと、を備えることで、全体として複数のポンプを備える構成とすることがある。このような場合に、1つのポンプに対応する吸水口の数が少なく且つ隣り合う吸水口の間隔が狭い場合、隣り合う吸水口に同時に同一の個体などが吸い込まれて、圧の逃げ道がなくなって、強い吸い込み力で吸い込まれる可能性がある。これに対して、1つのポンプ74により湯水を複数の吸水口(長辺側吸水口4、短辺側吸水口31)から吸水して吸水した湯水を吐水するように構成することで、長辺側吸水口4及び短辺側吸水口31のうちの一方が詰まっても、他の吸水口から湯水を吸水できるため、吸い込み力が強くなることを抑制でき、圧力の急激な変化を抑制できる。
【0047】
本実施形態においては、浴槽110内の一方の短辺側側面151aに短辺側吸水口31が2つ設けられると共に、浴槽110内の一方の長辺側側面152aに長辺側吸水口4が1つ設けられる。これにより、浴槽110内の一方の短辺側側面151aに設けられる2つの短辺側吸水口31は、従来から設けられることがあるため、従来の技術を流用できる。一方の長辺側側面152aに長辺側吸水口4を1つだけ設けることで、入浴中の使用者に触れることが最小限となり、入浴中の使用者に邪魔になることが抑制される。
【0048】
本実施形態においては、浴槽110内の長辺側に配置される長辺側吸水口4は、2つの短辺側吸水口31,31の間隔よりも、2つの短辺側吸水口31,31のいずれからも離れて配置される。そのため、長辺側吸水口4と短辺側吸水口31とが離れて配置されるため、長辺側吸水口4と短辺側吸水口31との両方に同時に同一の個体が吸い込まれることを一層抑制できる。
【0049】
本実施形態においては、浴槽110内の長辺側側面152に設けられる長辺側吸水口4は、洗い場側の長辺側側面152aに配置される。これにより、洗い場側の長辺側側面152aにおいては、ユニットバスの浴室の壁が存在しないため、長辺側吸水口4にアクセスしやすい。これにより、例えば、浴槽110の洗い場側にエプロン部130が設けられるような本実施形態においては、着脱可能なエプロン部130を取り外すことで、長辺側吸水口4のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0050】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0051】
例えば、前記実施形態においては、浴槽110内の短辺側の側面に2つの吸水口を設け、浴槽110内の長辺側の側面に1つの吸水口を設けた。しかし、これに限定されない。浴槽110内の短辺側の側面に1つの吸水口を設けてもよいし、浴槽110内の長辺側の側面に2つ以上の吸水口を設けてもよい。
【0052】
前記実施形態においては、長辺側吸水口4を洗い場側の長辺側の側面に配置した。しかし、これに限定されない。長辺側吸水口4を洗い場と反対側(ユニットバスの浴室の壁側)の側面に配置してもよい。
【0053】
前記実施形態においては、浴槽110内の一方の短辺側の側面及び一方の長辺側の側面それぞれに吸水口を設けた。これに限定されない。浴槽110内の対向する2つの短辺側の側面それぞれに吸水口を設けてもいいし、浴槽110内の対向する2つの長辺側の側面それぞれに吸水口を設けてもよい。
【0054】
前記実施形態においては、1つのポンプ74により複数の吸水口から湯水を吸水するように駆動させた。しかし、これに限定されない。例えば、1つのポンプ74以外に予備のポンプを設けてもよい。
【0055】
前記実施形態においては、1つのポンプ74を駆動することで湯水の吸水と吐水とを行うように構成した。これに限定されない。複数の吸水口を、浴槽110内の短辺側の側面及び長辺側の側面それぞれに少なくとも1つ設けた構成の場合には、ポンプの数は限定されない。
【符号の説明】
【0056】
4 長辺側吸水口(吸水口)、23 第1吐水口(吐水口)、24 第2吐水口(吐水口)、31 短辺側吸水口(吸水口)、32 ジェット吐水口(吐水口)、74 ポンプ、100 浴槽装置、110 浴槽、150 側面、151a 一方の短辺側側面(側面、短辺側側面)、152a 一方の長辺側側面(側面、長辺側側面)
図1
図2
図3