(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】立体障害アミン安定剤混合物
(51)【国際特許分類】
C09K 15/18 20060101AFI20240705BHJP
C09K 21/10 20060101ALI20240705BHJP
C07D 401/14 20060101ALN20240705BHJP
【FI】
C09K15/18
C09K21/10
C07D401/14
(21)【出願番号】P 2021552819
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2020055754
(87)【国際公開番号】W WO2020182587
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-03-02
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィターリ,マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】モントローニ,エリーザ
(72)【発明者】
【氏名】ポーリ,マテオ
(72)【発明者】
【氏名】カピト,エレナ
(72)【発明者】
【氏名】クラネマン,クリスティアン
【審査官】黒川 美陶
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-504528(JP,A)
【文献】特開平09-125058(JP,A)
【文献】特開昭52-073886(JP,A)
【文献】特開平11-315067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 15
C09K 21
C07D
C08K
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の化合物
【化1】
及び式(2)の化合物
【化2】
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R'
1、R'
2、R'
3及びR'
4は、互いに独立して、水素又はC
1~C
18アルキルであり、
X
1及びX'
1は、互いに独立して、C
2~C
12アルキレン又はヒドロキシルにより置換されているC
3~C
12アルキレンであり、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の少なくとも1個は、C
1~C
18アルキルオキシ又はC
5~C
7シクロアルキルオキシであり、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の残りは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C
1~C
18アルキルオキシ又はC
5~C
7シクロアルキルオキシであり、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の少なくとも1個は、式-CH
2-CH=CH-Rの基であり、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の残りは、互いに独立して、水素又は式-CH
2-CH=CH-Rの基であり、Rは、水素、C
1~C
18アルキル又はC
5~C
7シクロアルキルである)
を含む添加剤混合物。
【請求項2】
R
1、R
2、R
3、R
4、R'
1、R'
2、R'
3及びR'
4が、C
1~C
12アルキルである、請求項1に記載の添加剤混合物。
【請求項3】
X
1及びX'
1が、C
2~C
8アルキレンである、請求項1又は2に記載の添加剤混合物。
【請求項4】
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の1から5個の基が、C
1~C
18アルキルオキシ又はC
5~C
7シクロアルキルオキシであり、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の残りが、水素又はヒドロキシである、請求項1から3のいずれか一項に記載の添加剤混合物。
【請求項5】
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6が、C
1~C
18アルキルオキシとしての意味において、式-O-CH
2-CH
2-CH
2-Rの基であり、Rが、水素又はC
1~C
15アルキルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の添加剤混合物。
【請求項6】
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の1から5個の基が、式-CH
2-CH=CH-Rの基であり
、Rが請求項1に定義される通りであり、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の残りが水素である、請求項1から5のいずれか一項に記載の添加剤混合物。
【請求項7】
Y
1
、Y
2
、Y
3
、Y
4
、Y
5
又はY
6
基が式-CH
2
-CH=CH-Rの基(式中、R
は水素であ
る)である場合に、それぞれ対応するZ
1
、Z
2
、Z
3
、Z
4
、Z
5
又はZ
6
基が式-O-CH
2
-CH
2
-CH
2
-Rの基(式中、Rは水素である)である、請求項1から
4及び6のいずれか一項に記載の添加剤混合物。
【請求項8】
R
1、R
2、R
3、R
4、R'
1、R'
2、R'
3及びR'
4が、C
1~C
12アルキルであり、
X
1及びX'
1がC
2~C
8アルキレンであり、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の1から5個の基が、C
1~C
18アルキルオキシ又はC
5~C
7シクロアルキルオキシであり、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の残りが、水素又はヒドロキシであり、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の1から5個の基が、式-CH
2-CH=CH-Rの基であり、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の残りが水素であり、
Rが水素である、
請求項1に記載の添加剤混合物。
【請求項9】
式(1)の化合物と式(2)の化合物との重量比が、5:95から95:5である、請求項1から8のいずれか一項に記載の添加剤混合物。
【請求項10】
a)酸化、熱又は光誘導分解に感受性である有機材料、及び
b)請求項1に記載の添加剤混合物
を含む組成物。
【請求項11】
酸化、熱又は光誘導分解に感受性である有機材料を安定化する方法であって、請求項1に記載の添加剤混合物をそれに組み込むステップ、又はそれに適用するステップを含む、方法。
【請求項12】
有機材料の難燃性を改善する方法であって、請求項1に記載の添加剤混合物をそれに組み込むステップ、又はそれに適用するステップを含む、方法。
【請求項13】
酸化、熱又は光誘導分解に感受性である有機材料を安定化する方法であって、請求項1に記載の式(2)の化合物をそれに組み込むステップ、又はそれに適用するステップを含む、方法。
【請求項14】
式(1')の化合物
【化3】
を調製する方法であって、式(2)の化合物を、酸化反応、続いて水素化反応に供するステップを含む、方法
【化4】
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R'
1、R'
2、R'
3及びR'
4は、互いに独立して、水素又はC
1~C
18アルキルであり、
X
1及びX'
1は、互いに独立して、C
2~C
12アルキレン又はヒドロキシルにより置換されているC
3~C
12アルキレンであり、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の1から5個の基は、式-O-CH
2-CH
2-CH
2-Rの基であり、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の残りは、水素又はヒドロキシであり、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の1から5個の基は、式-CH
2-CH=CH-Rの基であり、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の残りは水素であり、
Rは、水素又はC
1~C
15アルキル、好ましくは水素である)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下に定義されている式(1)及び(2)の立体障害アミンの混合物、有機材料を安定化する方法、並びに式(1)の特定の化合物を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
立体障害アミンは、光及び熱の有害な効果に対する有機材料の、とりわけポリオレフィンのような合成ポリマーの効率的な安定剤であることが公知である。例えば、ポリオレフィンから生産された農業用フィルムは、立体障害アミン安定剤により安定化されるが、その理由は、光の透過が作物の成長に重大な影響を及ぼしており、持続可能な光の透過がフィルムの長期安定性によって決まるためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
有機材料の長期安定化をさらに改善する、さらなる立体障害アミン安定剤及びこれらの混合物の必要性が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、特に式(1)の化合物
【0005】
【0006】
【化2】
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R'
1、R'
2、R'
3及びR'
4は、互いに独立して、水素又はC
1~C
18アルキルであり、
X
1及びX'
1は、互いに独立して、C
2~C
12アルキレン又はヒドロキシルにより置換されているC
3~C
12アルキレンであり、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の少なくとも1個は、C
1~C
18アルキルオキシ又はC
5~C
7シクロアルキルオキシであり、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の残りは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C
1~C
18アルキルオキシ又はC
5~C
7シクロアルキルオキシであり、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の少なくとも1個は、式-CH
2-CH=CH-Rの基であり、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の残りは、互いに独立して、水素又は式-CH
2-CH=CH-Rの基であり、
Rは、水素、C
1~C
18アルキル又はC
5~C
7シクロアルキルである)
を含む添加剤混合物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
C1~C18アルキル及び好ましくはC1~C15アルキルは、直鎖状及び分岐状アルキルを含む。例は、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル、n-ブチル、2-メチルプロピル、1-メチルプロピル、tert-ブチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,1-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、tert-ブチルメチル、ヘキシル、1-メチルペンチル、ヘプチル、イソヘプチル、2-エチルペンチル、1-プロピルブチル、オクチル、イソオクチル、1-エチルヘキシル、2-エチルヘキシル、1,1,3,3-テトラメチルブチル、2,4,4-トリメチルペンチル、ノニル、イソノニル、ネオノニル、ウンデシル、ラウリル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルである。
【0008】
より好ましいのはC1~C12アルキル、とりわけC1~C8アルキル、特にC1~C4アルキルである。好ましい例は、ブチル、とりわけn-ブチルである。
【0009】
C1~C18アルキルオキシは、非置換及び置換されている、すなわちC1~C9アルキルにより置換されているアルキルオキシを含む。例は、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ(=プロポキシ)、ブチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ及びウンデシルオキシである。
【0010】
好ましいのは、C1~C12アルキルオキシである。好ましい例は、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、オクチルオキシ及びウンデシルオキシである。非常に好ましいのは、C1~C4アルキルオキシ、とりわけプロピルオキシである。
【0011】
C1~C18アルキルオキシが好ましく、C3~C18アルキルオキシの場合には、酸素の隣のα-及びβ-位における炭素原子のいずれも分岐状ではない。例は、メチルオキシ、エチルオキシ、n-プロピルオキシ、n-ブチルオキシ、n-ペンチルオキシ、3-メチルブチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、3-メチルペンチルオキシ、4-メチルペンチルオキシ、n-ヘプチルオキシ、3-メチルヘキシルオキシ、4-メチルヘキシルオキシ、5-メチルヘキシルオキシ、3-エチルペンチルオキシ、3,4-ジメチルペンチルオキシ、n-オクチルオキシ、3-メチルヘプチルオキシ、4-メチルヘプチルオキシ、5-メチルヘプチルオキシ、6-メチルヘプチルオキシ、3-エチルヘキシルオキシ、4-エチルヘキシルオキシ、3,4-ジメチルヘキシルオキシ、3,5-ジメチルヘキシルオキシ、n-ノニルオキシ、3-メチルオクチルオキシ、4-メチルオクチルオキシ、5-メチルオクチルオキシ、6-メチルオクチルオキシ、7-メチルオクチルオキシ、3-エチルヘプチルオキシ、4-エチルヘプチルオキシ、5-エチルヘプチルオキシ、3,4-ジメチルヘプチルオキシ、3,5-ジメチルヘプチルオキシ、3,6-ジメチルヘプチルオキシ、4,5-ジメチルヘプチルオキシ、4,6-ジメチルヘプチルオキシ、5,6-ジメチルヘプチルオキシ、n-ウンデシルオキシ、n-ラウリルオキシ、n-トリデシルオキシ、n-テトラデシルオキシ、n-ペンタデシルオキシ、n-ヘキサデシルオキシ及びn-オクタデシルオキシである。
【0012】
C3~C18アルキルオキシ、より好ましくはC3~C12アルキルオキシ、とりわけC3~C8アルキルオキシが特に好ましく、酸素の隣のα-及びβ-位における炭素原子のいずれも分岐状ではない。
【0013】
非常に好ましいのは、直鎖状C1~C12アルキルオキシ、とりわけ直鎖状C1~C4アルキルオキシである。例は、メチルオキシ、エチルオキシ、n-プロピルオキシ、n-ブチルオキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、n-ヘプチルオキシ、n-オクチルオキシ、n-ノニルオキシ、n-ウンデシルオキシ及びn-ラウリルオキシ、とりわけn-プロピルオキシである。
【0014】
C5~C7シクロアルキルオキシは、例えばシクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ又はシクロヘプチルオキシ、好ましくはシクロヘキシルオキシである。
【0015】
C5~C7シクロアルキルは、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチル、好ましくはシクロヘキシルである。
【0016】
C2~C12アルキレンは、非置換及び置換されている、すなわち1個以上のC1~C4アルキルにより置換されているアルキレンを含む。例は、エチレン、プロピレン、1-メチルエチレン、ブチレン、ペンチレン、2-メチルブチレン、ヘキサメチレン及びオクタメチレンである。
【0017】
好ましいのは、C2~C8アルキレン、特にC2~C6アルキレンである。好ましい例は、ヘキサメチレン、プロピレン及びエチレン、とりわけヘキサメチレンである。
【0018】
ヒドロキシルにより置換されているC3~C12アルキレンは、さらに置換されていない、及びさらに置換されている、すなわち1個以上のC1~C4アルキルによりさらに置換されている、ヒドロキシルにより置換されているアルキレンを含む。例は、2-ヒドロキシプロピレン、2-ヒドロキシ-ブチレン、2,3-ジヒドロキシブチレン、2,5-ヘキサメチレン及び2-ヒドロキシ-2-メチルプロピレンである。好ましい例は、2-ヒドロキシプロピレンである。
【0019】
R1、R2、R3、R4、R'1、R'2、R'3及びR'4は、好ましくはC1~C12アルキル、とりわけC1~C8アルキル、特にC1~C4アルキルである。非常に好ましいのは、ブチル、とりわけn-ブチルである。
【0020】
Rは、好ましくはC1~C4アルキル、シクロヘキシル又は水素、好ましくはC1~C4アルキル又は水素、とりわけ水素である。
【0021】
X1及びX'1は、好ましくはC2~C8アルキレン、より好ましくはC2~C6アルキレン、とりわけヘキサメチレンである。
【0022】
一実施形態によれば、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基のすべては、C1~C18アルキルオキシ又はC5~C7シクロアルキルオキシ、とりわけC1~C18アルキルオキシを表す。
【0023】
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の1から5個の基のみが、C1~C18アルキルオキシ又はC5~C7シクロアルキルオキシであり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の残りが、水素又はヒドロキシであることが好ましい。例えば、これらの基の5個は、C1~C18アルキルオキシ又はC5~C7シクロアルキルオキシであり、残りの1個の基は、水素又はヒドロキシである。
【0024】
より好ましくはZ1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の2から5個、とりわけ3から5個は、C1~C18アルキルオキシ又はC5~C7シクロアルキルオキシであり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の残りは、水素又はヒドロキシである。
【0025】
最も好ましくはZ1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の4から5個、とりわけ5個は、C1~C18アルキルオキシ又はC5~C7シクロアルキルオキシであり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の残りは、水素又はヒドロキシである。
【0026】
或いは、C1~C18アルキルオキシ及びC5~C7シクロアルキルオキシによる置換度は、パーセントでも表現され得る(6個の基の、C1~C18アルキルオキシ及びC5~C7シクロアルキルオキシによる完全な置換に対する、C1~C18アルキルオキシ及びC5~C7シクロアルキルオキシ基の総和数)。これは、例えば式(1)の化合物の混合物の場合には置換度に対する平均値を特定するのに有用である。C1~C18アルキルオキシ及びC5~C7シクロアルキルオキシによるそのような置換度は、50から95%、とりわけ50から90%が好ましい。より好ましいのは、50から85%、とりわけ60から85%の置換度である。
【0027】
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、C1~C18アルキルオキシとしての意味において、好ましくはC1~C8アルキルオキシ、より好ましくはC1~C4アルキルオキシ、とりわけn-プロピルオキシのようなプロピルオキシである。
【0028】
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、C1~C18アルキルオキシとしての意味において、より好ましくは式-O-CH2-CH2-CH2-Rの基であり、Rは、水素又はC1~C15アルキル、好ましくは水素である。
【0029】
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、C1~C18アルキルオキシ又はC5~C7シクロアルキルオキシとしての意味において、好ましくはC1~C18アルキルオキシである。
【0030】
さらなる実施形態によれば、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基のすべては、式-CH2-CH=CH-Rの基を表す。
【0031】
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の1から5個の基のみが、式-CH2-CH=CH-Rの基であり、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の残りが水素であることが好ましい。例えば、これらの基の5個は、式-CH2-CH=CH-Rの基であり、残り1個は水素である。
【0032】
より好ましくはY1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の2から5個、とりわけ3から5個は、式-CH2-CH=CH-Rの基であり、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の残りは水素である。
【0033】
最も好ましくはY1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の4から5個、とりわけ5個は、式-CH2-CH=CH-Rの基であり、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の残りは水素である。
【0034】
或いは、式-CH2-CH=CH-Rの基による置換度は、パーセントでも表現され得る(6個の-CH2-CH=CH-R基による完全な置換に対する-CH2-CH=CH-R基の数)。これは、例えば式(2)の化合物の混合物の場合には置換度に対する平均値を特定するのに有用である。式-CH2-CH=CH-Rの基によるそのような置換度は、40から95%、とりわけ40から90%が好ましい。より好ましいのは、50から90%、とりわけ60から90%の置換度である。
【0035】
より好ましくは、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の1から5個の基は、C1~C18アルキルオキシ又はC5~C7シクロアルキルオキシであり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の残りは、水素又はヒドロキシであり、
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の1から5個の基は、式-CH2-CH=CH-Rの基であり、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の残りは水素である。
【0036】
式-CH2-CH=CH-Rでは、R基は、好ましくは水素、C1~C15アルキル又はシクロヘキシル、より好ましくは水素又はC1~C15アルキル、とりわけ水素である。
【0037】
特に興味深いのは、
R1、R2、R3、R4、R'1、R'2、R'3及びR'4が、C1~C12アルキルであり、
X1及びX'1がC2~C8アルキレンであり、
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の1から5個の基が、C1~C18アルキルオキシ又はC5~C7シクロアルキルオキシであり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の残りが、水素又はヒドロキシ、とりわけ水素であり、
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の1から5個の基が、式-CH2-CH=CH-Rの基であり、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の残りが水素であり、
Rが、水素又はシクロヘキシルである、
添加剤混合物である。C1~C18アルキルオキシとしてのZ1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、好ましくはn-プロピルオキシである。
【0038】
重要性が高いのは、
R1、R2、R3、R4、R'1、R'2、R'3及びR'4が、C1~C12アルキルであり、
X1及びX'1がC2~C8アルキレンであり、
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の1から5個の基が、C1~C18アルキルオキシであり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6基の残りが、水素又はヒドロキシ、とりわけ水素であり、
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の1から5個の基が、式-CH2-CH=CH-Rの基であり、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の残りが水素であり、
Rが水素である、
添加剤混合物である。C1~C18アルキルオキシとしてのZ1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6は、好ましくはn-プロピルオキシである。
【0039】
式(1)の化合物として最も好ましいのは、以下の式(1-A)
【0040】
【化3】
(式中、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6では、以上に示されている定義及び選好が適用される)
の化合物である。
【0041】
式(2)の化合物として最も好ましいのは、以下の式(2-A)
【0042】
【化4】
(式中、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6では、以上に示されている定義及び選好が適用される)
の化合物である。
【0043】
非常に好ましいのは、式(1-A)及び(2-A)の化合物の混合物である。
【0044】
式(1)の化合物と式(2)の化合物との重量比は、好ましくは1:99から99:1、とりわけ5:95から95:5である。10:90から90:10、とりわけ20:80から80:20の重量比が非常に好ましい。特に興味深いのは、30:70から70:30、とりわけ40:60から60:40の重量比である。
【0045】
式(1)又は式(2)の化合物は、例えばWO2011/029744で示されている公知の方法に従って調製され得る。
【0046】
本発明のさらなる実施形態は、
a)酸化、熱又は光誘導分解に感受性である有機材料、及び
b)式(1)及び(2)の化合物の混合物
を含む組成物である。
【0047】
例えば、有機材料は、天然、半天然及び合成ポリマー、とりわけ合成ポリマーを含む。
【0048】
ポリマーの例は、以下の通りである:
1. モノオレフィン及びジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタ-1-エン、ポリ-4-メチルペンタ-1-エン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリイソプレン又はポリブタジエン、並びにシクロオレフィン、例えばシクロペンテン又はノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(任意選択で架橋されていてよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、高密度及び高分子量ポリエチレン(HDPE-HMW)、高密度及び超高分子量ポリエチレン(HDPE-UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)である。
【0049】
先行するパラグラフで例示したポリオレフィン、すなわちモノオレフィンのポリマー、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンは、異なる方法、とりわけ以下のものにより調製され得る:
a)ラジカル重合(普通は高圧下及び昇温状態にて)。
b)普通、周期表の第IVb、Vb、VIb又はVIII族の金属1種又は1種超を含有する触媒を使用した触媒重合。これらの金属は、通常、π-又はσ-配位であり得る1種又は1種超のリガンド、典型的には酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールを有する。これらの金属錯体は、遊離形態であってよく、又は基材、典型的には活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミナ又は酸化ケイ素に固定されていてよい。これらの触媒は、重合媒体中で可溶性又は不溶性であり得る。触媒は、重合の際にそれ自体で使用してよく、又はさらなる活性化物質、典型的には金属アルキル、金属水素化物、金属ハロゲン化アルキル、金属アルキル酸化物又は金属アルキルオキサンを使用してよく、前記金属は、周期表の第Ia、IIa及び/又はIIIa族元素である。活性化物質は、さらなるエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で都合よく修飾され得る。これらの触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler(-Natta)、TNZ(DuPont)、メタロセン又はシングルサイト触媒(SSC)といわれる。
【0050】
2. 1.で言及されているポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(例えばPP/HDPE、PP/LDPE)、及び異なるタイプのポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0051】
3. モノオレフィン及びジオレフィン相互、又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれらと低密度ポリエチレン(LDPE)の混合物、プロピレン/ブタ-1-エンコポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブタ-1-エンコポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキサンコポリマー、エチレン/シクロオレフィンコポリマー(例えばCOCのようなエチレン/ノルボルネン)、1-オレフィンがin-situで生成されるエチレン/1-オレフィンコポリマー;プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/ビニルシクロヘキセンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びそれらの塩(イオノマー)、並びにエチレンとプロピレン及びジエン、例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデン-ノルボルネンのターポリマー;並びにそのようなコポリマーの互いの、及び上記1.で言及されているポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレン-プロピレンコポリマー、LDPE/エチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン-アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAA並びに交互又はランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー及びそれらの他のポリマー、例えばポリアミドとの混合物。
【0052】
4. その水素化変性物(例えば粘着付与剤)を含む炭化水素樹脂(例えばC5~C9)、並びにポリアルキレン及びデンプンの混合物。
【0053】
1.~4.のホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有し得、アタクチックポリマーが好ましい。立体ブロックポリマーも含まれる。
【0054】
5. ポリスチレン、ポリ(p-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン)。
【0055】
6. スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンのすべての異性体、とりわけp-ビニルトルエン、エチルスチレンのすべての異性体、プロピルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン及びビニルアントラセン、並びにそれらの混合物を含むビニル芳香族モノマーに由来する芳香族ホモポリマー及びコポリマー。ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有し得、アタクチックポリマーが好ましい。立体ブロックポリマーも含まれる。
【0056】
6a. 前述のビニル芳香族モノマー並びに、エチレン、プロピレン、ジエン、ニトリル、酸、無水マレイン酸、マレイミド、酢酸ビニル及び塩化ビニル又はアクリル誘導体及びそれらの混合物から選択されるコモノマーを含むコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/エチレン(共重合体)、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;耐衝撃性スチレンコポリマー及び別のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーの混合物;並びにスチレンのブロックコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン/プロピレン/スチレン。
【0057】
6b. 6.)で言及されているポリマーの水素化に由来する水素化芳香族ポリマー、とりわけ、ポリビニルシクロヘキサン(PVCH)と呼ばれることが多い、アタクチックポリスチレンの水素化により調製されるポリシクロヘキシルエチレン(PCHE)を含む。
【0058】
6c. 6aで言及されているポリマーの水素化に由来する水素化芳香族ポリマー。
【0059】
ホモポリマー及びコポリマーは、シンジオタクチック、イソタクチック、ヘミイソタクチック又はアタクチックを含む任意の立体構造を有し得、アタクチックポリマーが好ましい。立体ブロックポリマーも含まれる。
【0060】
7. ビニル芳香族モノマー、例えばスチレン又はα-メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン-スチレン又はポリブタジエン-アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びメチルメタクリレート;ポリブタジエン上のスチレン及び無水マレイン酸;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸又はマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイミド;ポリブタジエン上のスチレン及びアルキルアクリレート又はメタクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル;ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレート上のスチレン及びアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル、並びにそれらの6)で列挙されているコポリマーとの混合物、例えばABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして公知のコポリマー混合物。
【0061】
8. ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、イソブチレン-イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化(sulfochlorinated)ポリエチレン、エチレン及び塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ及びコポリマー、とりわけハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、並びにそれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0062】
9. α,β-不飽和酸及びそれらの誘導体に由来するポリマー、例えばポリアクリレート及びポリメタクリレート;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル、ブチルアクリレートを用いた耐衝撃性変性物。
【0063】
10. 9.で言及されているモノマーの互いの、又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレート又はアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー又はアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0064】
11. 不飽和アルコール及びアミン、又はアシル誘導体若しくはそれらのアセタールに由来するポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレート又はポリアリルメラミン;並びにそれらの上記1.で言及されているオレフィンとのコポリマー。
【0065】
12. 環状エーテルのホモポリマー及びコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はそれらのビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0066】
13. ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン、及びエチレンオキシドをコモノマーとして含有するそれらのポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで変性したポリアセタール。
【0067】
14. ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、並びにポリフェニレンオキシドとスチレンポリマー又はポリアミドの混合物。
【0068】
15. 一方ではヒドロキシル末端ポリエーテル、ポリエステル又はポリブタジエン、他方では脂肪族又は芳香族ポリイソシアネートに由来するポリウレタン、並びにそれらの前駆体。
【0069】
16. ジアミン及びジカルボン酸に、並びに/又はアミノカルボン酸若しくは対応するラクタムに由来するポリアミド及びコポリアミド、例えばポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m-キシレンジアミン及びアジピン酸から開始する芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミン並びにイソフタル酸又は/及びテレフタル酸から調製され、改質剤としてのエラストマーの有無を問わないポリアミド、例えばポリ-2,4,4,-トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ-m-フェニレンイソフタルアミド;また、前述のポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマー又は化学結合若しくはグラフトされたエラストマーのブロックコポリマー;或いは、ポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;並びにEPDM又はABSで変性したポリアミド又はコポリアミドと;加工中に縮合したポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0070】
17. ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド-イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンズイミダゾール。
【0071】
18. ジカルボン酸及びジオールに、並びに/或いはヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトン若しくはラクチドに由来するポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ-1,4-ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート及びポリヒドロキシベンゾエート、並びにヒドロキシル末端ポリエーテルに由来するコポリエーテルエステル、またポリカーボネート又はMBSで変性したポリエステル。コポリエステルは、例えば、以下に限定されないが、ポリブチレンスクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート、ポリブチレンスクシネート/アジペート、ポリブチレンスクシネート/カーボネート、ポリ-3-ヒドロキシブチレート/オクタノエートコポリマー、ポリ-3-ヒドロキシブチレート/ヘキサノエート/デカノエートターポリマーを含み得る。さらに、脂肪族ポリエステルは、例えば、以下に限定されないが、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、特にポリ(プロピオラクトン)、ポリ(ブチロラクトン)、ポリ(ピバロラクトン)、ポリ(バレロラクトン)及びポリ(カプロラクトン)、ポリエチレンスクシネート、ポリプロピレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート、ポリヘキサメチレンスクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリヘキサメチレンオキサレート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンセバケート及びポリ乳酸(PLA)、並びにポリカーボネート又はMBSで変性した対応するポリエステルの分類を含み得る。「ポリ乳酸(PLA)」という用語は、好ましくはポリ-L-ラクチドのホモポリマー及びその他のポリマーとのそのブレンド又はアロイのいずれか;乳酸又はラクチドと他のモノマー、例えばヒドロキシ-カルボン酸、例えばグリコール酸、3-ヒドロキシ-酪酸、4-ヒドロキシ-酪酸、4-ヒドロキシ-吉草酸、5-ヒドロキシ-吉草酸、6-ヒドロキシ-カプロン酸及びそれらの環状形態などとのコポリマーを指定する;「乳酸」又は「ラクチド」という用語は、L-乳酸、D-乳酸、それらの混合物及び二量体、すなわちL-ラクチド、D-ラクチド、メソ-ラクチド及び任意のそれらの混合物を含む。
【0072】
19. ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0073】
20. ポリケトン。
【0074】
21. ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0075】
22. 一方ではアルデヒド、他方では及びフェノール、尿素及びメラミンに由来する架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0076】
23. 乾性及び不乾性アルキド樹脂。
【0077】
24. 飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコール、及び架橋剤としてのビニル化合物のコポリエステルに由来する不飽和ポリエステル樹脂、また低燃焼性のそれらのハロゲン含有変性物。
【0078】
25. 置換アクリレートに由来する架橋性アクリル樹脂、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
【0079】
26. メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されているアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂。
【0080】
27. 促進剤の有無を問わず、慣例の硬化剤、例えば無水物又はアミンで架橋させる、脂肪族、脂環式、複素環式又は芳香族グリシジル化合物に由来する架橋エポキシ樹脂、例えばビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテルの生成物。
【0081】
28. 天然ポリマー、例えばセルロース、ゴム、ゼラチン及び化学的に変性させたそれらの同族誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース、又はセルロースエーテル、例えばメチルセルロース;並びにロジン及びその誘導体。
【0082】
29. 前述のポリマーのブレンド(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0083】
コーティング結合剤は、例えば酸触媒二成分系又は空気乾燥系である。
【0084】
成分a)に好ましいポリマーは、熱可塑性ポリマー又はコーティング結合剤である。
【0085】
特に、成分a)は熱可塑性ポリマーである。関連性が高いのは、熱可塑性ポリオレフィンの群、とりわけ重合プロピレン又はエチレンを含有するホモ又はコポリマーである。とりわけ好ましいのは、ポリプロピレン又はポリエチレン、きわめて詳細にはポリエチレンである。
【0086】
同じく成分a)として好ましいのは、天然又は合成起源の生分解性ポリマーである。例は、ポリエチレンスクシネート(Lunare SE(RTM、Nihon Shokubai))、ポリブチレンスクシネート(Bionolle 1000(RTM、Showa Highpolymer))、ポリブチレンスクシネート/アジペート(Bionolle 3000(RTM、Showa Highpolymer))、ポリブチレンスクシネート/カーボネート(Iupec(RTM、Mitsubishi Gas Chemicals))、ポリブチレンスクシネート/テレフタレート(Biomax(RTM、Dupont)、Ecoflex(RTM、BASF)、EasterBio(RTM、Eastman Chemicals))、ポリカプロラクトン(CelGreen PH(RTM、Daicel Kagaku)、Tone(RTM、UCC))、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)(Nodax(RTM、Procter and Gamble)、Metabolixから)、ポリ-3-ヒドロキシブチレート(Biogreen(RTM、Mitsubishi Gas Chemicals))、ポリ乳酸(NatureWorks(RTM、Cargill)、LACEA(RTM、Mitsui Chemicals)、Lacty(RTM、Shimadzu Seisakusho))、ポリエステルアミド、又はこれらの材料と天然若しくは変性デンプン、ポリサッカリド、リグニン、木粉、セルロース及びキチンのブレンドである。
【0087】
成分a)に対して、用いられる成分b)の量は、特定の有機材料及び選択される用途に応じて変動する。
【0088】
一般に、本発明の成分b)は、成分a)の約0.01から約10重量%用いられる。有利な範囲は、0.05から5%、特に0.05%から3%である。とりわけ好ましいのは、0.1%から1.5%である。
【0089】
別の有利な範囲は、特に難燃性を改善する場合、0.6%から3%、とりわけ0.7%から1.5%である。
【0090】
成分a)及び成分b)を含む上に記載されている組成物は、さらなる添加剤を含有し得る。
【0091】
さらなる添加剤の例は、以下に示されている。
1. 酸化防止剤
1.1. アルキル化モノフェノール、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、側鎖において直鎖状又は分岐状であるノニルフェノール、例えば、2,6-ジ-ノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルウンデカ-1'-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルヘプタデカ-1'-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルトリデカ-1'-イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0092】
1.2. アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジ-ドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール。
【0093】
1.3. ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0094】
1.4. トコフェロール、例えばα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0095】
1.5. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば2,2'-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4'-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4'-チオビス(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)、4,4'-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0096】
1.6. アルキリデンビスフェノール、例えば2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2'-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4'-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチル-フェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス(3'-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン。
【0097】
1.7. O-、N-及びS-ベンジル化合物、例えば3,5,3',5'-テトラ-tert-ブチル-4,4'-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0098】
1.8. ヒドロキシベンジル化マロネート、例えばジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ-オクタデシル-2-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロネート、ジ-ドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0099】
1.9. 芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0100】
1.10. トリアジン化合物、例えば2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0101】
1.11. ベンジルホスホネート、例えばジメチル-2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0102】
1.12. アシルアミノフェノール、例えば4-ヒドロキシラウルアニリド、4-ヒドロキシステアルアニリド、オクチルN-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0103】
1.13. β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンのエステル。
【0104】
1.14. β-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、i-オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン;3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンのエステル。
【0105】
1.15. β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンのエステル。
【0106】
1.16. 3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸と、一価又は多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンのエステル。
【0107】
1.17. β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N'-ビス[2-(3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(Naugard XL-1、(RTM、Uniroyalより供給された)。
【0108】
1.18. アスコルビン酸(ビタミンC)
【0109】
1.19. アミン系酸化防止剤、例えばN,N'-ジ-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N'-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N'-ジメチル-N,N'-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p'-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4-メトキシフェニル)アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N',N'-テトラメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1',3'-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル化N-フェニル-1-ナフチルアミン、モノ-及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ-及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ-及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ-及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ-及びジアルキル化tert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ-及びジアルキル化tert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノ-及びジアルキル化tert-オクチル-フェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N',N'-テトラフェニル-1,4-ジアミノブタ-2-エン。
【0110】
2. UV吸収剤及び光安定剤
2.1. 2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-tert-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-tert-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)-5-クロロ-ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)-5-クロロ-ベンゾトリアゾール、2-(3'-sec-ブチル-5'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-tert-アミル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ビス-(α,α-ジメチルベンジル)-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロ-ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)-カルボニルエチル]-2'-ヒドロキシフェニル)-5-クロロ-ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロ-ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-ドデシル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3'-tert-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-イソ-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2'-メチレン-ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2-イルフェノール];2-[3'-tert-ブチル-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)-2'-ヒドロキシフェニル]-2H-ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300のエステル交換生成物;
【0111】
【化5】
(式中、R'=3'-tert-ブチル-4'-ヒドロキシ-5'-2H-ベンゾトリアゾール-2-イルフェニルである)、
2-[2'-ヒドロキシ-3'-(α,α-ジメチルベンジル)-5'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニル]ベンゾトリアゾール;2-[2'-ヒドロキシ-3'-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-5'-(α,α-ジメチルベンジル)-フェニル]ベンゾトリアゾール。
【0112】
2.2. 2-ヒドロキシベンゾフェノン、例えば4-ヒドロキシ、4-メトキシ、4-オクチルオキシ、4-デシルオキシ、4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4,2',4'-トリヒドロキシ及び2'-ヒドロキシ-4,4'-ジメトキシ誘導体。
【0113】
2.3. 置換及び非置換安息香酸のエステル、例えば4-tert-ブチル-フェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4,6-ジ-tert-ブチルフェニル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート。
【0114】
2.4. アクリレート、例えばエチルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、イソオクチルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチルα-カルボメトキシシンナメート、メチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、ブチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシ-シンナメート、メチルα-カルボメトキシ-p-メトキシシンナメート、N-(β-カルボメトキシ-β-シアノビニル)-2-メチルインドリン、ネオペンチルテトラ(α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート。
【0115】
2.5. ニッケル化合物、例えば2,2'-チオ-ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、例えば追加のリガンド、例としてn-ブチルアミン、トリエタノールアミン又はN-シクロヘキシルジエタノールアミンの有無を問わない1:1又は1:2錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステル、例えば4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルホスホン酸のメチル又はエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム、例えば2-ヒドロキシ-4-メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、追加のリガンドの有無を問わない1-フェニル-4-ラウロイル-5-ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
【0116】
2.6. 立体障害アミン、例えばビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン及びコハク酸の縮合物、N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン及び4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,1'-(1,2-エタンジイル)-ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-2-n-ブチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジル)マロネート、3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン及び4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンの直鎖状又は環状縮合物、2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジン及び1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2-クロロ-4,6-ジ-(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-1,3,5-トリアジン及び1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)ピロリジン-2,5-ジオン、4-ヘキサデシルオキシ-及び4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの混合物、N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン及び4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンの縮合物、1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタン及び2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン並びに4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[136504-96-6])の縮合物;1,6-ヘキサンジアミン及び2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン並びにN,N-ジブチルアミン及び4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[192268-64-7])の縮合物;N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-n-ドデシルスクシンイミド、N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-n-ドデシルスクシンイミド、2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-1-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ-[4,5]デカン及びエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルオキシカルボニル)-2-(4-メトキシフェニル)エテン、N,N'-ビス-ホルミル-N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4-メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ヒドロキシピペリジンのジエステル、ポリ[メチルプロピル-3-オキシ-4-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)]シロキサン、無水マレイン酸-α-オレフィンコポリマーと2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジン又は1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-アミノピペリジンの反応生成物、2,4-ビス[N-(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-N-ブチルアミノ]-6-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-1,3,5-トリアジン、1-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-オクタデカノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、5-(2-エチルヘキサノイル)オキシメチル-3,3,5-トリメチル-2-モルホリノン、Sanduvor(RTM、Clariant;CAS登録番号106917-31-1]、Adk Stab La-81(CAS登録番号705257-84-7)、Hostavin(登録商標)NOW(Clariant AGから入手可能)、Flamestab(登録商標)NOR 116(CAS登録番号191680-81-6)、Tinuvin(登録商標)NOR 371(N,N'-ビス-(2,2,6,6-テトラメチル-1-プロポキシ-ピペリジン-4-イル)-ヘキサン1,6-ジアミンと、2-クロロ-4,6-ビス-(ジ-n-ブチルアミノ)-[1,3,5]トリアジンでエンドキャップされている2,4-ジクロロ-6-{n-ブチル-(2,2,6,6-テトラメチル-1-プロポキシ-ピペリジン-4-イル)-アミノ}-[1,3,5]トリアジンの形式上の縮合生成物である、オリゴマー化合物の混合物)、5-(2-エチルヘキサノイル)オキシメチル-3,3,5-トリメチル-2-モルホリノン、2,4-ビス[(1-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-ピペリジン-4-イル)ブチルアミノ]-6-クロロ-s-トリアジンと、N,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン)の反応生成物、1,3,5-トリス(N-シクロヘキシル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペラジン-3-オン-4-イル)アミノ)-s-トリアジン、1,3,5-トリス(N-シクロヘキシル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペラジン-3-オン-4-イル)アミノ)-s-トリアジン。
【0117】
2.7. オキサミド、例えば4,4'-ジオクチルオキシオキサニリド、2,2'-ジエトキシオキサニリド、2,2'-ジオクチルオキシ-5,5'-ジ-tert-ブトキサニリド、2,2'-ジドデシルオキシ-5,5'-ジ-tert-ブトキサニリド、2-エトキシ-2'-エチルオキサニリド、N,N'-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-tert-ブチル-2'-エトキサニリド、及び2-エトキシ-2'-エチル-5,4'-ジ-tert-ブトキサニリドとのその混合物、o-及びp-メトキシ-二置換オキサニリドの混合物、並びにo-及びp-エトキシ-二置換オキサニリドの混合物。
【0118】
2.8. 2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、例えば2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(4-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-トリデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ)フェニル-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン、2-{2-ヒドロキシ-4-[3-(2-エチルヘキシル-1-オキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(4-[2-エチルヘキシルオキシ]-2-ヒドロキシフェニル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン。
【0119】
3. 金属不活性化剤、例えばN,N'-ジフェニルオキサミド、N-サリチラル-N'-サリチロイルヒドラジン、N,N'-ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N'-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3-サリチロイルアミノ-1,2,4-トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N'-ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N'-ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N'-ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0120】
4. ホスファイト及びホスホナイト、例えばトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4'-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンゾ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンゾ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2,2',2''-ニトリロ[トリエチルトリス(3,3',5,5'-テトラ-tert-ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘキシル(3,3',5,5'-テトラ-tert-ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイル)ホスファイト、5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィラン。
【0121】
以下のホスファイトがとりわけ好ましい:
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos 168(RTM、Ciba Inc.)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【0122】
【0123】
5. ヒドロキシルアミン、例えばN,N-ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N-ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N-ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘキサデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、N-ヘプタデシル-N-オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化牛脂アミンに由来するN,N-ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0124】
6. ニトロン、例えば、N-ベンジル-α-フェニルニトロン、N-エチル-α-メチルニトロン、N-オクチル-α-ヘプチルニトロン、N-ラウリル-α-ウンデシルニトロン、N-テトラデシル-α-トリデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-ヘキサデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ペンタデシルニトロン、N-ヘプタデシル-α-ヘプタデシルニトロン、N-オクタデシル-α-ヘキサデシルニトロン、水素化牛脂アミンに由来するN,N-ジアルキルヒドロキシルアミンに由来するニトロン。
【0125】
7. チオ相乗剤(thiosynergist)、例えばジラウリルチオジプロピオネート、ジミストリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート又はジステアリルジスルフィド。
【0126】
8. 過酸化物スカベンジャー、例えばβ-チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチル又はトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール又は2-メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトールテトラキス-(β-ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0127】
9. ポリアミド安定剤、例えばヨウ化物及び/又はリン化合物と組み合わせた銅塩、並びに二価マンガンの塩。
【0128】
10. 塩基性補助安定剤、例えばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート、亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレエート及びカリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレート又は亜鉛ピロカテコレート。
【0129】
11. 核形成剤、例えば無機物質、例としてタルク、金属酸化物、例として二酸化チタン又は酸化マグネシウム、好ましくはアルカリ土類金属のホスフェート、カーボネート又はスルフェート;有機化合物、例えばモノ-又はポリカルボン酸及びそれらの塩、例えば4-tert-ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、コハク酸ナトリウム又は安息香酸ナトリウム;ポリマー化合物、例としてイオン性コポリマー(イオノマー)、又はIrgaclear XT 386(RTM、Ciba)。とりわけ好ましいのは、1,3:2,4-ビス(3',4'-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4-ジ(パラメチルジベンジリデン)ソルビトール及び1,3:2,4-ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
【0130】
12. フィラー及び強化剤、例えば炭酸カルシウム、シリケート、ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物及び水酸化物、カーボンブラック、グラファイト、木粉及び他の天然生成物の粉又は繊維、合成繊維。
【0131】
13. 他の添加剤、例えば顔料、例としてカーボンブラック、ルチル型又はアナターゼ型の二酸化チタン、着色顔料;可塑剤;潤滑剤;乳化剤;レオロジー添加剤;滑り防止剤/粘着防止剤;触媒;流動制御剤;蛍光増白剤;帯電防止剤及び発泡剤。
【0132】
14. ベンゾフラノン及びインドリノン、例えばU.S.4,325,863;U.S.4,338,244;U.S.5,175,312;U.S.5,216,052;U.S.5,252,643;DE-A-4316611;DE-A-4316622;DE-A-4316876;EP-A-0589839、EP-A-0591102;EP-A-1291384で開示されているもの、又は3-[4-(2-アセトキシエトキシ)フェニル]-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、5,7-ジ-tert-ブチル-3-[4-(2-ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン-2-オン、3,3'-ビス[5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-[2-ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン-2-オン]、5,7-ジ-tert-ブチル-3-(4-エトキシフェニル)ベンゾフラン-2-オン、3-(4-アセトキシ-3,5-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(3,5-ジメチル-4-ピバロイルオキシフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(3,4-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(2,3-ジメチルフェニル)-5,7-ジ-tert-ブチルベンゾフラン-2-オン、3-(2-アセチル-5-イソオクチルフェニル)-5-イソオクチルベンゾフラン-2-オン。
【0133】
15. テルペン誘導体、例えばWO2003/080011で開示されているもの、Kirk-Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、John Wiley&Sons、第4版(1994年)、第23巻、833~882頁の総覧で言及されているもの。
【0134】
16. 難燃剤
16.1 リン含有難燃剤、例えばテトラフェニルレゾルシノールジホスファイト(Fyrolflex RDP、RTM、Akzo Nobel)、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムスルフィド、トリフェニルホスフェート、ジエチル-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-アミノメチルホスホネート、亜リン酸のヒドロキシアルキルエステル、アンモニウムポリホスフェート(APP)、レゾルシノールジホスフェートオリゴマー(RDP)、ホスファゼン難燃剤又はエチレンジアミンジホスフェート(EDAP)。
【0135】
16.2 窒素含有難燃剤、例えばメラミンベースの難燃剤、イソシアヌレート、ポリイソシアヌレート、トリス-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、トリス(3-ヒドロキシ-n-プロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレートのようなイソシアヌル酸のエステル、メラミンシアヌレート、メラミンボレート、メラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェート、メラミンアンモニウムポリホスフェート、メラミンアンモニウムピロホスフェート、ジメラミンホスフェート、ジメラミンピロホスフェート、ベンゾグアナミン、アラントイン、グリコールウリル、尿素シアヌレート、一連のメレム(melem)、メラム(melam)、メロン(melon)からのメラミンの縮合生成物、及び/若しくはより高次の縮合化合物、又はメラミンとリン酸の反応生成物、或いはそれらの混合物。
【0136】
16.3 有機ハロゲン難燃剤、例えばポリ臭素化ジフェニルオキシド(DE-60F、Great Lakes)、デカブロモジフェニルオキシド(DBDPO;Saytex 102E(RTM、Albemarle))、トリス[3-ブロモ-2,2-ビス(ブロモメチル)プロピル]ホスフェート(PB 370、(RTM、FMC Corp.))、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(2,3-ジクロロプロピル)ホスフェート、クロレンド酸、テトラクロロフタル酸、テトラブロモフタル酸、ポリ-β-クロロエチルトリホスホネート混合物、テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)(PE68)、臭素化エポキシ樹脂、エチレン-ビス(テトラブロモフタルイミド)(Saytex BT-93(RTM、Albemarle))、ビス(ヘキサクロロシクロペンタジエノ)シクロオクタン(Declorane Plus(RTM、Oxychem))、塩素化パラフィン、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサクロロシクロペンタジエン誘導体、1,2-ビス(トリブロモフェノキシ)エタン(FF680)、テトラブロモビスフェノールA(Saytex RB100(RTM、Albemarle))、エチレンビス-(ジブロモノルボルナンジカルボキシミド)(Saytex BN-451(RTM、Albemarle))、ビス-(ヘキサクロロシクロエンタデノ)シクロオクタン、PTFE、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート又はエチレン-ビス-テトラブロモフタルイミド。
【0137】
上で言及されているハロゲン化難燃剤は、日常的に無機酸化物相乗剤と組み合わせられる。
【0138】
16.4 無機難燃剤、例えばアルミニウムトリヒドロキシド(ATH)、ベーマイト(AlOOH)、マグネシウムジヒドロキシド(MDH)、亜鉛ボレート、CaCO3、有機変性層状シリケート、有機変性層状複水酸化物及びそれらの混合物。ハロゲン化難燃剤と相乗剤の組合せに関しては、最も通例の無機酸化物相乗剤は、酸化亜鉛、Sb2O3若しくはSb2O5のようなアンチモン酸化物、又はホウ素化合物である。
【0139】
好ましいのは、酸化防止剤、UV吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、ニッケル化合物、金属不活性化剤、ホスファイト及びホスホナイト、ヒドロキシルアミン、チオ相乗剤、核形成剤、過酸化物スカベンジャー、フィラー又は強化剤及びテルペン誘導体の群から選択されるさらなる添加剤である。
【0140】
とりわけ好ましいのは、成分a)、b)、金属酸化物及び上に示されているリスト1.1~1.18から選択されるフェノール系酸化防止剤を含む組成物である。そのような組合せにおいてとりわけ好ましい金属酸化物は、酸化亜鉛である。
【0141】
特に好ましいのは、成分a)、b)及び上に示されているリスト1.1~1.18から選択されるフェノール系酸化防止剤を含む組成物である。
【0142】
これらの組成物においてきわめて好ましいフェノール系酸化防止剤は、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価又は多価アルコールのエステル(すなわちリスト1.13.)である。とりわけ好ましいのは、テトラキス-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)-プロピオニルオキシメチル]-メタン及び3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-フェニル)-プロピオン酸オクタデシルエステルである。
【0143】
好ましいのは、成分a)、b)、上に示されているリスト1.1~1.18から選択されるフェノール系酸化防止剤、上に示されているリスト4から選択されるホスファイト安定剤、及び上に示されているリスト10から選択される塩基性補助安定剤を含む組成物である。とりわけ好ましいのは、前記塩基性補助安定剤がカルシウムステアレートである組成物である。
【0144】
好ましいのは、リン含有難燃剤、窒素含有難燃剤、有機ハロゲン難燃剤及び無機難燃剤からなる群から選択される難燃剤、例えば上のリスト16.1から16.4で示されているものを含むさらなる組成物である。
【0145】
より好ましいのは、以下の難燃剤である:
トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、レゾルシノール-ビス-ジフェニルホスフェート、ペンタエリスリトール-ジ-メチルホスホネート、グアニジンフェニルホスホネート、メラミンフェニルホスホネート、ジメチルアルミニウムホスフィネート、メチル-エチルアルミニウムホスフィネート、ジエチルアルミニウムホスフィネート、ポリ-[2,4-(ピペラジン-1,4-イル)-6-モルホリン-4-イル)-1,3,5-トリアジン]及びアンモニウムポリホスフェート。
【0146】
任意選択のさらなる添加剤は、本発明の安定化した組成物において、安定化した組成物の0.01重量%から5重量%、好ましくは0.025重量%から2重量%、とりわけ0.1重量%から1重量%含有され得る。
【0147】
任意選択のさらなる添加剤としての難燃剤の場合には、難燃剤は有利には、本発明の組成物に、有機材料の0.5重量%から60.0重量%;例えば1.0%から40.0%;例えば有機材料の5.0重量%から35.0重量%の量で含有される。
【0148】
本発明の成分b)並びに任意選択のさらなる添加剤は、従来技術により、それから成形品が製造される前の任意の都合のよい段階で、成分a)としての有機材料に容易に組み込むことができる。
【0149】
成分b)並びに任意選択のさらなる添加剤は、以下の方法の1つにより:
- エマルション又は分散体として(例えばラテックス又はエマルションポリマー)
- ブレンド中に乾燥混合物として
- 加工装置(例えば押出機、密閉式混合機)中に直接導入することにより
- 有機溶媒中に溶液として
- 溶融物として
慎重に組み込むことができる。
【0150】
成分a)としての有機材料は、固体、溶液、懸濁液又はエマルションの形態であり得る。
【0151】
成分b)並びに任意選択のさらなる添加剤の組み込みは、成分a)としての熱可塑性ポリマーの場合には、熱配合ステップで最も適正となる。成分a)、成分b)並びに任意選択のさらなる添加剤の完全なブレンドに、上昇温度での物理的ブレンドの押出が続く。典型的には、好適なスクリュー形状を有する押出機が、このステップに使用される。
【0152】
添加剤は、マスターバッチ(「濃縮物」)の形態でも、成分a)としてのポリマーに添加され得、これは、マスターバッチのさらなるポリマーに組み込まれた成分b)並びに任意選択のさらなる添加剤を含有する。添加剤の濃度は、例えば、マスターバッチの1重量%から50重量%、特に2.5重量%から30重量%である。前記マスターバッチのさらなるポリマーは、成分a)としてのポリマーと必ずしも同一の構造である必要はない。マスターバッチポリマーは、成分a)としてのポリマーと異なる手段で生産できる。マスターバッチは、粉末、顆粒、溶液、懸濁液の形態又はラテックスの形態であり得る。
【0153】
成分a)としてのポリマーの場合には、本発明のポリマー組成物は、様々な形態で用いることができ、且つ/或いは、様々な最終製品を得るように、例えばフィルム、繊維、テープ、成形組成物、異形材を得るように、又はコーティング材料、接着剤若しくはパテ用の結合剤として、加工できる。
【0154】
より詳細には、最終製品であるそれぞれの物品は、自然の日光において、及び/又は低湿度、周囲温度又は上昇温度での安定化を必要とする、任意のタイプのポリマー物品であり得る。例えば、ポリマー成分は、ポリマーフィルム、シート、バッグ、ボトル、パイプ、ケーブル、発泡スチロールカップ、プレート、家庭用品、ブリスターパッケージ、ボックス、パッケージ包装、プラスチック繊維、テープ、農業用品、例えばより糸、カバーフィルム、除草フィルム、小トンネル用フィルム、フィルム若しくはサイレージ(films or silage)、サイロバッグ(silobags)、ストレッチベールラップ、バナナバッグ、ダイレクトカバー(direct covers)、不織布、農業用途のポット、ジオテキスタイル、埋め立て地用カバー、工業用カバー、廃棄物用カバー、仮設足場用シート、建材用フィルム、シルトフェンス、家禽用カーテン、仮設シェルター構築物の建築用フィルム、使い捨ておむつ、使い捨て衣料などを製造するために使用され得る。
【0155】
ポリマー物品は、押出、押出吹込成形、フィルムキャスティング、フィルムブローイング、カレンダリング、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、熱成形、スピニング、ブロー押出又は回転注型を含むが、それらに限定されない当業者が利用できる任意のプロセスにより製造され得る。
【0156】
本発明のポリマー組成物のうち望ましいポリマー物品の生産では、物品の最終形態に応じて任意の適切な装置、例えばフィルムの場合にはブロー押出機、シートの場合には押出機、又は射出成形機を使用できる。
【0157】
式(1)及び(2)の化合物の混合物、並びに式(2)の化合物は、光及び熱及び酸化の有害な効果に対して、以下に限定されないが、殺有害生物剤の使用の有無を問わない農業のような様々な用途で優れた安定剤である。混合物も優れた難燃剤である。
【0158】
本発明のさらなる実施形態は、酸化、熱又は光誘導分解に感受性である有機材料を安定化する方法であって、式(1)及び(2)の添加剤混合物をそれに組み込むステップ、又はそれに適用するステップを含む、方法である。
【0159】
同じく好ましいのは、酸化、熱又は光誘導分解に感受性である有機材料を安定化するための式(1)及び(2)の添加剤混合物の使用である。
【0160】
式(1)及び(2)の化合物に関して、以上に示されている定義及び選好が適用される。
【0161】
本発明のさらなる実施形態は、有機材料の難燃性を改善する方法であって、式(1)及び(2)の添加剤混合物をそれに組み込むステップ、又はそれに適用するステップを含む、方法である。同じく好ましいのは、有機材料の難燃性を改善するための、式(1)及び(2)の添加剤混合物の使用である。
【0162】
式(1)及び(2)の化合物に関して、以上に示されている定義及び選好が適用される。
【0163】
本発明のさらなる実施形態は、酸化、熱又は光誘導分解に感受性である有機材料を安定化する方法であって、式(2)の化合物をそれに組み込むステップ、又はそれに適用するステップを含む、方法である。
【0164】
同じく好ましいのは、酸化、熱又は光誘導分解に感受性である有機材料を安定化するための、式(2)の化合物の使用である。
【0165】
式(2)の化合物に関して、以上に示されている定義及び選好が適用される。
【0166】
本発明の別の態様は、式(1')の化合物
【0167】
【化7】
を調製する方法であって、式(2)の化合物を酸化反応、続いて水素化反応に供するステップを含む、方法である
【0168】
【化8】
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R'
1、R'
2、R'
3及びR'
4は、互いに独立して、水素又はC
1~C
18アルキルであり、
X
1及びX'
1は、互いに独立して、C
2~C
12アルキレン又はヒドロキシルにより置換されているC
3~C
12アルキレンであり、
Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の1から5個の基は、式-O-CH
2-CH
2-CH
2-Rの基であり、Z
1、Z
2、Z
3、Z
4、Z
5及びZ
6基の残りは、水素又はヒドロキシ、とりわけ水素であり、
Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の1から5個の基は、式-CH
2-CH=CH-Rの基であり、Y
1、Y
2、Y
3、Y
4、Y
5及びY
6基の残りは水素であり、
Rは、水素又はC
1~C
15アルキルであり、好ましくは水素である)。
【0169】
以上に示されている選好は、適用可能であれば、上記調製プロセスの式(1')及び(2)の化合物に当てはまるものとする。これらの化合物で非常に好ましいのは、置換基が、上の調製プロセスについて示されているように定義されている式(1-A)及び(2-A)のものであり、その場合、以上に示されているさらに適用可能な置換基の選好が当てはまるものとする。
【0170】
式(1')の化合物の調製に使用される式(2)の化合物は、例えば、対応する式(3)
【0171】
【化9】
(式中、R'
1、R'
2、R'
3、R'
4及びX'
1は、式(2)について上で示されているように定義される)
の化合物と、式
Hal-CH
2-CH=CH-R (4)
(式中、Halは、ハロゲン、好ましくは塩素又はとりわけ臭素であり、Rは、上で定義されている通りである)
のハロゲン化アリルを反応させることにより調製され得る。
【0172】
反応は、例えば、キシレン、トルエン、メシチレン又はエチルベンゼン、とりわけキシレン又はトルエンのような有機溶媒の存在下で実行され得る。炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム又はリン酸ナトリウム、好ましくは炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムのような塩基が通常添加される。反応は、130℃から180℃、とりわけ130℃から160℃の温度にて実行することが好ましい。式(4)のハロゲン化アリルの代わりに、対応するアリルアルコール又はアリルカーボネートも使用され得る。
【0173】
ハロゲン化アリルは概して、式(1')の化合物を調製する場合、式(2) (式中、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の1から5個のみが、式-CH2-CH=CH-Rの基である) の化合物が使用されるので化学量論的量を下回って使用される。例えば、式(2) (Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6基の5個は、式-CH2-CH=CH-Rの基である) の化合物を調製する場合、化学量論的量の約5/6の量のハロゲン化アリルが使用され得る。
【0174】
ハロゲン化アリルは、好ましくは化学量論的量の40から95%、とりわけ40から90%の量で使用され得る。より好ましいのは、化学量論的量の50から90%、とりわけ60から90%の量である。
【0175】
式(3)の化合物は、公知の方法に従って、又は公知の方法と同様に、例えばWO2011/029744、例1に記載されているように調製され得る。
【0176】
必要に応じて、式(2)の化合物は、例えば減圧下で有機溶媒を除去することにより単離され得る。
【0177】
さらなる反応では、式(3)の化合物と、式(4)のハロゲン化アリルの上の反応後に得られたまま、単離せずに反応混合物を使用することが好ましい。
【0178】
式(1')の化合物を調製する場合、式(2)の化合物を酸化反応、続いて水素化反応に供する。
【0179】
酸化は通常、過酢酸で実行される。或いは過酸化水素、メタクロロペルオキシ安息香酸又はtert-ブチルヒドロペルオキシドも使用され得る。反応は、例えば、キシレン、トルエン、メシチレン又はエチルベンゼン、とりわけキシレン又はトルエンのような有機溶媒の存在下で実行され得る。ジクロロメタンも使用され得る。炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム又はリン酸ナトリウム、とりわけ炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムのような塩基が通常使用される。反応は、0℃から40℃、とりわけ0℃から30℃の温度にて実行することが好ましい。酸化ステップに応じて、式-CH2-CH=CH-Rの基は、式-O-CH2-CH=CH-Rの基に変換されるべきである。
【0180】
必要に応じて、生じた中間体は、例えば減圧下で有機溶媒を除去することにより単離され得る。さらなる反応では、上の酸化ステップ後に得られたまま、単離せずに反応混合物を使用することが好ましい。
【0181】
水素化は通常、水素を用いて実行される。触媒としてパラジウムを使用することが好ましい。代替触媒は、Pt、Rh、Ru又はNiであり得る。触媒充填量は、0.05から2重量%であり得る。反応は、例えば、キシレン、トルエン、メシチレン、エチルベンゼン、メタノール、とりわけトルエン又はキシレンのような有機溶媒の存在下で実行され得る。水を使用することも可能である。反応は、50℃から90℃、とりわけ60℃から80℃の温度にて実行することが好ましい。水素圧力は、10から50barであり得る。
【0182】
生じた式(1')の化合物は、例えば減圧下で有機溶媒を除去することにより単離され得る。
【0183】
[実施例]
合成及び調製例
[実施例1]
70モル%のZ1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6が、n-プロピルオキシであり、これらの基の残りが、水素又はヒドロキシである、式(1-A)の化合物の合成。以下ではこの化合物は、化合物(101)と呼ばれる。
【0184】
a)80モル%のY1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6がアリル基であり、これらの基の残りが水素である、式(2-A)の化合物の合成。以下ではこの化合物は、化合物(201)と呼ばれる。
【0185】
メカニカルスターラーを備えた1リットルのオートクレーブ中に、45重量%の濃度に達するようにキシレンに溶解した0.94molのNa2CO3及び0.14molの式(301)の化合物
【0186】
【化10】
を添加し、次いで0.79molの臭化アリルを添加する。混合物を145℃にて7時間加熱し、60℃に冷却し、85℃にて26.7molの水で洗浄する。2回目の洗浄を、11.1molの水に溶解した0.05molのNa
2CO
3で行う。有機相を、さらなる精製一切なしで以下のステップに直接使用する。変換率:80%。
【0187】
b)式(201)の化合物の酸化
上のステップa)に従って得られた反応混合物を、キシレンで32重量%濃度に希釈し、メカニカルスターラー、熱電対及び滴下漏斗を備えたガラス反応器に入れる。1.13molのNa2CO3を添加する。懸濁液を0℃に冷却し、0.86molの過酢酸溶液(水中35重量%)を、3時間かけてゆっくり添加する。その後、16.7molの水を添加し、混合物を加温し、75℃にて1時間撹拌する。有機相を分離し、0.07molのNa2CO3及び5.56molの水で洗浄する。有機相を、さらなる精製一切なしで以下のステップに直接使用する。変換率:93%
【0188】
c)化合物(101)の最終合成
上のステップb)に従って得られた反応混合物から、溶媒を除去して、最終濃度を45から60重量%とする。溶液を、1リットルのオートクレーブ中に、0.14mmolのPd/C(5重量%)と共に充填する。全体の混合物を30bar水素下で70℃にて4時間加熱する。
【0189】
溶液を室温に冷却し、濾過して触媒を除去し、減圧下で乾燥させる。わずかにピンク色がかった固体が得られる。変換率:98%。軟化点範囲:110~150℃。
【0190】
[実施例2]
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6のすべてがアリル基である、式(2-A)の化合物の合成。以下ではこの化合物は、化合物(202)と呼ばれる。
【0191】
合成は、1.29molの臭化アリルを使用する(0.79molの臭化アリルの代わりに)ことを除いて、実施例1a)に従って実行する。
【0192】
化合物(202)は、溶媒を減圧下で除去して単離して、固体を得る。
【0193】
[実施例3]
50モル%のY1、Y2、Y3、Y4、Y5及びY6がアリル基であり、これらの基の残りが水素である、式(2-A)の化合物の合成。以下ではこの化合物は、化合物(203)と呼ばれる。
【0194】
合成は、使用される臭化アリルの量を適宜調整することを除いて、実施例1a)に従って実行する。
【0195】
[実施例4]
混合物の調製
化合物(101)、(201)、(202)及び(203)は、上の実施例2で示されているように単離される。以下の適用例1の表1で示されている混合物は、対応する化合物の固体を、指し示されている重量比で均質に混合することにより調製される。
【0196】
或いは、混合される化合物の反応混合物に直接混合して、次いで減圧下で溶媒を除去して、固体混合物を得ることも可能である。
【0197】
適用例
適用例1: LDPE(低密度ポリエチレン)多層フィルムの安定化。
合計10重量%の、以下の表1で指し示されている光安定剤、加工安定剤として、0.4重量%のトリス{2,4-ジ-tert-ブチルフェニル}ホスファイト及び0.1重量%のオクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、並びに残りをポリエチレン粉末(Polimeri Europa Riblene(登録商標)FC 30、0.922g/cm3の密度及び0.27g/10minのメルトフローインデックス(190℃/2.16Kg)を特徴とする)を含有するマスターバッチ配合物を調製する。マスターバッチ配合物は、ターボ混合機で混合される。各マスターバッチ配合物は、実験室規模のOMCツインスクリュー押出機(φ19mm、L/D=25)で、200℃の最大温度にて押し出される。各マスターバッチ配合物で、このように得られた360gの顆粒を、加工安定剤として、0.4重量%のトリス{2,4-ジ-tert-ブチルフェニル}ホスファイト及び0.1重量%のオクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを含有する30gのポリエチレンマスターバッチと、また、5610gの上で指し示されているペレット形態の未使用ポリエチレンとRhonrad(登録商標)低速混合機で10分混合し、以下の表1で指し示されている合計0.6%の光安定剤を含有する最終配合物を得る。次いで、各最終配合物を、実験室規模のCollin(登録商標)5層ブロー押出機(φ20-25-30mm、L/D25)で、210℃の最大温度にてブローして、同一の配合物を全層に有する全厚150μm(45-5-50-5-45μm)の5層フィルムを得る。以下の配合物が調製される:
【0198】
【0199】
適用例2
各配合物のフィルム試験片を、促進光耐候試験のために、Q-Panel QUV/se装置(QUV、ASTM G154による、340nmで1.55W/m2、サイクル6)において曝露させる。そのような試験片を、定義された間隔で取り出し、脆化について評価する。脆化までの時間が長いほど、立体障害した安定剤による様々な配合物における安定化効果は良好である。結果は、以下の表2で報告されている。本発明の対象物である化合物(201)をベースとする配合物2は、配合物1Cより良好であること、並びに化合物(201)又はその同族体との混合物をベースとする配合物4、5及び6は、配合物3Cより良好であることが観察され得る。
【0200】
【0201】
適用例3
このテストは、光照射及び農薬の使用の組合せに向けられており、組合せは、農薬に含有される光安定剤の光安定性性能に対して有害作用を有することが公知である。そのような目的を達成するために、農薬処理を、促進耐候試験の前に調製したフィルムで実行する。各配合物のフィルム試験片を、小さい実験温室(地理的座標:Lat.44°25'40"N Long.11°16'39"E)に取り付け、その内側で、農業実務に使用される硫黄系燻蒸剤であるメタムナトリウムを用いた処理を実行する。処理後、続いて日射の効果、したがって、後続する一連のテストで曝露される試料において考えられる差を最小限にするために、小さい温室を単一片の不透明フィルムで覆って、試料が日光に直接曝露することをブロックする。実験条件を入念にモニターし、その結果、誘導結合プラズマにより測定して、フィルム試料における硫黄の望ましいレベルの混入を達成する。
【0202】
農薬処理後に、各配合物のフィルム試験片を、促進光耐候試験のために、Atlasウェザーオメーター(WOM、ASTM G155による、340nmで0.35W/m2、ドライサイクル)で曝露させる。必要とされる配合物の試験片を、曝露後に定義された時間間隔で取り出し、カルボニル増分の評価を行う。カルボニル増分は、ポリマーの酸化度の測定として、Perkin-Elmer(登録商標)Spectrum 100 FT-IR分光計によって測定されるので、低いレベルのカルボニルが望ましい。結果は、表3で報告されている。本発明の対象物である化合物(201)をベースとする配合物2は、配合物1Cより良好であること、並びに化合物(201)又はその同族体との混合物をベースとする配合物4、5及び6は、配合物3Cより良好であることが観察され得る。
【0203】
【0204】
適用例4
農薬処理は、適用例3に記載されているように実行する。農薬処理後に、各配合物のフィルム試験片を、促進光耐候試験のために、Atlasウェザーオメーター(WOM、ASTM G155による、340nmで0.35W/m2、ドライサイクル)で曝露させる。必要とされる配合物の試験片を、曝露後に定義された時間間隔で取り出し、機械的性質の評価を行う。プラスチックフィルムの機械的性質の劣化を評価するために、残留破断伸びを、酸化後のポリマー分解の結果として、Zwick(登録商標)Z1.0等速張力計(改訂ISO 527による)によって測定する。
【0205】
結果は、表4で報告されている。
【0206】
【0207】
適用例5
適用例3のように、このテストは、光照射及び農薬の使用の組合せに向けられている。このテストでも、農薬処理を、促進耐候試験の前に調製したフィルムで実行する。各配合物のフィルム試験片を、実験用キャビネットの屋外(地理的座標:Lat.44°25'40"N Long.11°16'39"E)に取り付け、その内側で、通例の農業実務に使用されるタイプのバーナーをいくつか置いて、幅広く使用される殺菌剤である元素硫黄を昇華させる。特定の重量の硫黄を燃焼するように、いわゆる「硫黄燃焼」を実行する。燃焼した硫黄の量を調節し、風化条件を入念にモニターし、その結果、誘導結合プラズマにより測定して、フィルム試料における硫黄の望ましいレベルの混入を達成する。
【0208】
農薬処理後に、各配合物のフィルム試験片を、促進光耐候試験のために、Atlasウェザーオメーター(WOM、ASTM G155による、340nmで0.35W/m2、ドライサイクル)で曝露させる。必要とされる配合物の試験片を、曝露後に定義された時間間隔で取り出し、カルボニル増分の評価を行う。カルボニル増分は、ポリマーの酸化度の測定として、Perkin-Elmer(登録商標)Spectrum 100 FT-IR分光計によって測定する。結果は、以下の表4で報告されている。本発明の対象物である化合物(201)と化合物(101)との間の混合物をベースとする配合物5は、配合物3Cより良好であり、農薬処理下の場合、良好な光安定化を示すことが観察され得る。
【0209】
【0210】
適用例6
農薬処理は、適用例5に記載されているように実行する。農薬処理後に、各配合物のフィルム試験片は、促進光耐候試験のために、Atlasウェザーオメーター(WOM、ASTM G155による、340nmで0.35W/m2、ドライサイクル)で曝露させる。必要とされる配合物の試験片を、曝露後に定義された時間間隔で取り出し、適用例4に記載されているように機械的性質の評価を行う。結果は、以下の表6で報告されている。
【0211】
【表6】
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
式(1)の化合物
【化11】
及び式(2)の化合物
【化12】
(式中、
R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R'
1
、R'
2
、R'
3
及びR'
4
は、互いに独立して、水素又はC
1
~C
18
アルキルであり、
X
1
及びX'
1
は、互いに独立して、C
2
~C
12
アルキレン又はヒドロキシルにより置換されているC
3
~C
12
アルキレンであり、
Z
1
、Z
2
、Z
3
、Z
4
、Z
5
及びZ
6
基の少なくとも1個は、C
1
~C
18
アルキルオキシ又はC
5
~C
7
シクロアルキルオキシであり、Z
1
、Z
2
、Z
3
、Z
4
、Z
5
及びZ
6
基の残りは、互いに独立して、水素、ヒドロキシ、C
1
~C
18
アルキルオキシ又はC
5
~C
7
シクロアルキルオキシであり、
Y
1
、Y
2
、Y
3
、Y
4
、Y
5
及びY
6
基の少なくとも1個は、式-CH
2
-CH=CH-Rの基であり、Y
1
、Y
2
、Y
3
、Y
4
、Y
5
及びY
6
基の残りは、互いに独立して、水素又は式-CH
2
-CH=CH-Rの基であり、Rは、水素、C
1
~C
18
アルキル又はC
5
~C
7
シクロアルキルである)
を含む添加剤混合物。
[実施形態2]
R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R'
1
、R'
2
、R'
3
及びR'
4
が、C
1
~C
12
アルキルである、実施形態1に記載の添加剤混合物。
[実施形態3]
X
1
及びX'
1
が、C
2
~C
8
アルキレンである、実施形態1又は2に記載の添加剤混合物。
[実施形態4]
Z
1
、Z
2
、Z
3
、Z
4
、Z
5
及びZ
6
基の1から5個の基が、C
1
~C
18
アルキルオキシ又はC
5
~C
7
シクロアルキルオキシであり、Z
1
、Z
2
、Z
3
、Z
4
、Z
5
及びZ
6
基の残りが、水素又はヒドロキシである、実施形態1から3のいずれかに記載の添加剤混合物。
[実施形態5]
Z
1
、Z
2
、Z
3
、Z
4
、Z
5
及びZ
6
が、C
1
~C
18
アルキルオキシとしての意味において、式-O-CH
2
-CH
2
-CH
2
-Rの基であり、Rが、水素又はC
1
~C
15
アルキルである、実施形態1から4のいずれかに記載の添加剤混合物。
[実施形態6]
Y
1
、Y
2
、Y
3
、Y
4
、Y
5
及びY
6
基の1から5個の基が、式-CH
2
-CH=CH-Rの基であり、Y
1
、Y
2
、Y
3
、Y
4
、Y
5
及びY
6
基の残りが水素である、実施形態1から5のいずれかに記載の添加剤混合物。
[実施形態7]
Rが水素である、実施形態1から6のいずれかに記載の添加剤混合物。
[実施形態8]
R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R'
1
、R'
2
、R'
3
及びR'
4
が、C
1
~C
12
アルキルであり、
X
1
及びX'
1
がC
2
~C
8
アルキレンであり、
Z
1
、Z
2
、Z
3
、Z
4
、Z
5
及びZ
6
基の1から5個の基が、C
1
~C
18
アルキルオキシ又はC
5
~C
7
シクロアルキルオキシであり、Z
1
、Z
2
、Z
3
、Z
4
、Z
5
及びZ
6
基の残りが、水素又はヒドロキシであり、
Y
1
、Y
2
、Y
3
、Y
4
、Y
5
及びY
6
基の1から5個の基が、式-CH
2
-CH=CH-Rの基であり、Y
1
、Y
2
、Y
3
、Y
4
、Y
5
及びY
6
基の残りが水素であり、
Rが水素である、
実施形態1に記載の添加剤混合物。
[実施形態9]
式(1)の化合物と式(2)の化合物との重量比が、5:95から95:5である、実施形態1から8のいずれかに記載の添加剤混合物。
[実施形態10]
a)酸化、熱又は光誘導分解に感受性である有機材料、及び
b)実施形態1に記載の添加剤混合物
を含む組成物。
[実施形態11]
酸化、熱又は光誘導分解に感受性である有機材料を安定化する方法であって、実施形態1に記載の添加剤混合物をそれに組み込むステップ、又はそれに適用するステップを含む、方法。
[実施形態12]
有機材料の難燃性を改善する方法であって、実施形態1に記載の添加剤混合物をそれに組み込むステップ、又はそれに適用するステップを含む、方法。
[実施形態13]
酸化、熱又は光誘導分解に感受性である有機材料を安定化する方法であって、実施形態1に記載の式(2)の化合物をそれに組み込むステップ、又はそれに適用するステップを含む、方法。
[実施形態14]
式(1')の化合物
【化13】
を調製する方法であって、式(2)の化合物を、酸化反応、続いて水素化反応に供するステップを含む、方法
【化14】
(式中、
R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R'
1
、R'
2
、R'
3
及びR'
4
は、互いに独立して、水素又はC
1
~C
18
アルキルであり、
X
1
及びX'
1
は、互いに独立して、C
2
~C
12
アルキレン又はヒドロキシルにより置換されているC
3
~C
12
アルキレンであり、
Z
1
、Z
2
、Z
3
、Z
4
、Z
5
及びZ
6
基の1から5個の基は、式-O-CH
2
-CH
2
-CH
2
-Rの基であり、Z
1
、Z
2
、Z
3
、Z
4
、Z
5
及びZ
6
基の残りは、水素又はヒドロキシであり、
Y
1
、Y
2
、Y
3
、Y
4
、Y
5
及びY
6
基の1から5個の基は、式-CH
2
-CH=CH-Rの基であり、Y
1
、Y
2
、Y
3
、Y
4
、Y
5
及びY
6
基の残りは水素であり、
Rは、水素又はC
1
~C
15
アルキル、好ましくは水素である)。