(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】シート仕分け装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/24 20060101AFI20240708BHJP
B65H 31/22 20060101ALI20240708BHJP
B65H 39/11 20060101ALI20240708BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
B65H31/24
B65H31/22
B65H39/11 M
G03G15/00 460
(21)【出願番号】P 2018184602
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-09-21
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2017229295
(32)【優先日】2017-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】高橋 元気
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和久
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】門 良成
【審判官】殿川 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-44105(JP,A)
【文献】特開2009-126598(JP,A)
【文献】特開平3-13454(JP,A)
【文献】特許第4483155(JP,B2)
【文献】特開2002-249273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00-31/40
B65H 39/00-39/16
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対して取り外し可能な第1トレイと、
鉛直方向において前記第1トレイの下側に配置された第2トレイと、
前記第1トレイが前記装置本体から取り外されたことを検知するトレイ検知手段と、
前記第2トレイに積載されたシート量が所定量に達したことを検知する積載量検知手段と、
前記積載量検知手段により前記シート量が前記所定量に達したことを検知した場合、前記第2トレイへシートを搬送させないように制御する制御手段と、を有し、前記第1トレイに対応する位置に第1排出口、前記第2トレイに対応する位置に第2排出口が形成されているシート仕分け装置において、
前記制御手段は、前記積載量検知手段により前記シート量が前記所定量に達したことが検知された場合、シートへの画像形成を中断し、前記第2排出口からシートを前記第2トレイに搬送させることを禁止する禁止状態とし、
前記禁止状態において、前記トレイ検知手段により前記第1トレイが前記装置本体から取り外されたことが検知された場合、前記シートへの画像形成を再開し、前記第2排出口から前記第2トレイに搬送することが禁止されたシートに画像形成を行い、前記第1排出口から前記第2トレイに搬送させることを許可する許可状態とすることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項2】
前記積載量検知手段は、前記第2トレイへ搬送されたシートの有無を検知するシート検知手段と、前記第2トレイへ搬送されたシートの枚数をカウントするカウンタを含み、前記シート検知手段がシートを検知している状態で前記カウンタによってカウントされたシートの枚数が閾値枚数に到達した場合に前記シート量が前記所定量に達したことを検知することを特徴とする請求項1に記載のシート仕分け装置。
【請求項3】
前記第1トレイが前記装置本体から取り外された状態において前記第2トレイに積載可能なシート量は、前記第1トレイが前記装置本体に装着された状態において前記第2トレイに積載可能なシート量よりも多いことを特徴とする請求項1
または2に記載のシート仕分け装置。
【請求項4】
画像形成装置に対して着脱可能であって、前記画像形成装置に装着された状態で前記画像形成装置から搬送されたシートを受け取るシート仕分け装置において、
前記シート仕分け装置の装置本体に対して取り外し可能な第1トレイと、
鉛直方向において前記第1トレイの下側に配置された第2トレイと、
前記第1トレイが前記装置本体から取り外されたことに応じて信号を出力するトレイ検知センサと、
前記第2トレイに積載されたシート量が所定量に達したことに応じて信号を出力する積載量検知センサと、を有し、前記第1トレイに対応する位置に第1排出口、前記第2トレイに対応する位置に第2排出口が形成されているシート仕分け装置において、
前記積載量検知センサが、前記シート量が前記所定量に達したことを示す前記信号を、前記画像形成装置が有する制御手段に対して出力した場合、シートへの画像形成が中断され、前記第2排出口からシートを前記第2トレイに搬送させることを禁止する禁止状態となり、
前記禁止状態において、前記トレイ検知センサが、前記第1トレイが前記装置本体から取り外されたことを示す前記信号を前記制御手段に対して出力した場合、前記シートへの画像形成が再開され、前記第2排出口から前記第2トレイに搬送することが禁止されたシートに画像形成が行われ、前記第1排出口から前記第2トレイに搬送させることを許可する許可状態とすることを特徴とするシート仕分け装置。
【請求項5】
前記第1トレイが前記装置本体から取り外された状態において前記第2トレイに積載可能なシート量は、前記第1トレイが前記装置本体に装着された状態において前記第2トレイに積載可能なシート量よりも多いことを特徴とする請求項
4に記載のシート仕分け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り外し可能な排出トレイを含む複数の排出トレイを有するシート仕分け装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置においては、複数の排出トレイを有するシート仕分け装置を備えたものがある。この装置は、例えばユーザ毎に別々の排出トレイへシートを排出することでシートの仕分けを行う。
【0003】
特許文献1には、複数の排出トレイを装置本体から取り外すことができるシート仕分け装置が記載されている。例えば、複数の排出トレイのうちの第1トレイを取り外すことで、第1トレイの下側に配置されている第2トレイのシート積載空間を広げ、第2トレイに積載されるシートの最大積載枚数を増やすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、第2トレイが満載となった状態で、第1トレイを取り外した場合の制御について記載されていない。
【0006】
本発明の目的は、満載が検知された排出トレイの上側に配置された排出トレイが装置本体から取り外された場合におけるユーザビリティーを向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明のシート仕分け装置は、装置本体に対して取り外し可能な第1トレイと、鉛直方向において前記第1トレイの下側に配置された第2トレイと、前記第1トレイが前記装置本体から取り外されたことを検知するトレイ検知手段と、前記第2トレイに積載されたシート量が所定量に達したことを検知する積載量検知手段と、前記積載量検知手段により前記シート量が前記所定量に達したことを検知した場合、前記第2トレイへシートを搬送させないように制御する制御手段と、を有し、前記第1トレイに対応する位置に第1排出口、前記第2トレイに対応する位置に第2排出口が形成されているシート仕分け装置において、前記制御手段は、前記積載量検知手段により前記シート量が前記所定量に達したことが検知された場合、シートへの画像形成を中断し、前記第2排出口からシートを前記第2トレイに搬送させることを禁止する禁止状態とし、前記禁止状態において、前記トレイ検知手段により前記第1トレイが前記装置本体から取り外されたことが検知された場合、前記シートへの画像形成を再開し、前記第2排出口から前記第2トレイに搬送することが禁止されたシートに画像形成を行い、前記第1排出口から前記第2トレイに搬送させることを許可する許可状態とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、満載が検知された排出トレイの上側に配置された排出トレイが装置本体から取り外された場合におけるユーザビリティーを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1における画像形成装置とシート仕分け装置の構成を示す図である。
【
図2】実施例1における画像形成装置の制御部と機能構成を示すブロック図である。
【
図3】実施例1における仕分け装置制御部の詳細図である。
【
図4】実施例1における満載検知時と排出トレイ取り外し時の図である。
【
図5】実施例1における満載検知時のフローチャートである。
【
図7】実施例1における満載解除時のフローチャートである。
【
図8】実施例2における画像形成装置とシート仕分け装置の構成を示す図である。
【
図9】実施例2における画像形成装置の制御部と機能構成を示すブロック図である。
【
図10】実施例2における仕分け装置制御部の詳細図である。
【
図11】実施例2における満載検知時のフローチャートである。
【
図12】実施例2における満載解除時のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施例1〕
実施例1では、フラグ式の満載検知センサを採用した構成について説明する。
【0011】
(画像形成装置の構成図)
図1は本発明の実施例1に係る画像形成装置の概略構造を示す図である。なお、本実施例では画像形成装置としてレーザービームプリンタ100(以下、プリンタ100という)の例を示している。
【0012】
図1に示す通り、プリンタ100には、画像形成部101と、紙等のシートS(記録材)を画像形成部101に給送する給送部102と、画像形成部101によってシートSに形成された画像を定着する定着部103と、排出部104が設けられている。また、画像が形成されたシートSをプリンタ100から受け取り、シートSを仕分けるシート仕分け装置200がプリンタ100の上方に設けられている。
【0013】
画像形成部101は、
図1において反時計回りに回転する感光ドラム111と、感光ドラム111の表面を帯電する帯電ローラ112と、帯電された感光ドラム111に光を照射して感光ドラム111に静電潜像を形成する露光装置113と、を有している。さらに、画像形成部101は、静電潜像にトナーを載せて、感光ドラム111にトナー像を形成する現像装置114と、搬送されたシートSにトナー像を転写する転写ローラ115を有している。画像形成部101は、このような画像形成プロセスによってシートSにトナー像を形成する。さらに定着部103は定着ローラ116と、定着ローラ116と定着ニップ部を形成する加圧ローラ117を有しており、シートSに熱と圧力を加えることで、転写されたトナー像をシートSに定着させる。
【0014】
給送部102は、画像形成に供されるシートSが複数枚、積層状態で収納されているカセット105と、給送ローラ106と、搬送ガイド109と、レジストレーションローラ110を有している。排出部104は、切り換え部材120と、定着排出ローラ118と、排出ガイド122と、排出ローラ123と、排出トレイ124と、満載検知フラグ125と、を有している。また、満載検知フラグ125によって排出トレイ124の満載を検知すると、プリンタ100は排出トレイ124に排出されたシートSが取り除かれるまで、排出トレイ124へシートSの排出を行わない。
【0015】
なお、切り替え部材120は、画像形成後のシートSをシート仕分け装置200へ導く実線で表される位置と、排出トレイ124へ導く破線で表される位置に、不図示のアクチュエータによって移動可能な構成となっている。
【0016】
(シート仕分け装置の構成図)
次に、
図1を用いて本実施例におけるシート仕分け装置200について説明する。201はプリンタ100から搬送されたシートSを導く搬送ガイドである。搬送ガイド201は複数の分岐部を有し、分岐した先には、それぞれ排出トレイ210、211、212が設けられている。搬送ローラ対202、排出ローラ対601、602、603はシートSを排出トレイ210、211、212のいずれかに排出する。排出トレイ210、211、212はシート仕分け装置200の装置本体220(筐体ともいう)に対して任意に取り外し可能な構成となっている。ここで、切り換え部材402と切り換え部材403は、
図1の実線の位置と破線の位置に不図示のアクチュエータによって移動可能な構成となっている。例えば、排出トレイ210にシートSを排出する場合には、切り換え部材402と切り換え部材403をそれぞれ
図1の実線にて示された位置に移動させる。また、排出トレイ211にシートSを排出する場合には、切り換え部材402は
図1の破線にて示された位置に移動させ、切り換え部材403は
図1の実線の位置に移動させる。
【0017】
トレイ検知センサ407、408、409はそれぞれ、排出トレイ210、211、212が装置本体220に対して取り外されたか否かを検知するセンサである。トレイ検知センサ407、408、409は例えばフォトインタラプタであり、排出トレイ210、211、212が装置本体220から取り外され、フォトインタラプタの光が遮られていない透光状態ではOFFの信号を出力する。そして、排出トレイ210、211、212が装置本体220に取り付けられ、フォトインタラプタの光が遮られた遮光状態ではONの信号を出力する。
【0018】
満載検知フラグ206、207、208はそれぞれ、排出トレイ210、211、212に排出されたシートSの表面と接触して移動するフラグである。満載検知センサ404、405、406はそれぞれ、排出トレイ210、211、212の満載を検知するセンサである。満載検知センサ404、405、406は例えばフォトインタラプタであり、満載検知フラグ206、207、208によって光が遮られていない透光状態ではOFFの信号を出力する。そして、排出トレイ210、211、212にシートSが排出されることに伴い、満載検知フラグ206、207、208が移動し、満載検知フラグ206、207、208によって光が遮られた遮光状態ではONの信号を出力する。ここで満載とは、排出トレイ210、211、212に排出されたシートSの積載量が所定以上となった状態である。なお、本実施例において、満載検知フラグ207は排出トレイ210と、満載検知フラグ208は排出トレイ211と一体的に装置本体220に対して取り外し可能な構成となっている。つまり、満載検知フラグ207は排出トレイ210に取り付けられ、満載検知フラグ208は排出トレイ211に取り付けられている。
【0019】
(制御部と機能構成のブロック図)
図2は、本実施例における機能構成を示すブロック図である。プリンタ100は制御部として、コントローラ301と、プリンタ100を制御するプリンタ制御部302と、シート仕分け装置200を制御する仕分け装置制御部303を備えている。コントローラ301は、ホストコンピュータ等の外部機器300と通信を行って印刷データを受信する。また、コントローラ301は、シリアルI/Fによってプリンタ制御部302に対して、印刷データから作成した印刷条件を指定し、印刷指示を行う。プリンタ制御部302は、コントローラ301から受信した印刷条件に従って、各機構を制御する。具体的には給送部102、排出部104からなるシート搬送機構311を制御してシートSの給送や排出を行い、画像形成部101と定着部103を制御してシートSに画像形成と定着を行う。
【0020】
また、コントローラ301は、シリアルI/Fによって仕分け装置制御部303に対して、シートSの仕分け先を指定する。仕分け装置制御部303は、コントローラ301から受信した仕分け先に従って、各機構を制御する。具体的には、搬送ローラ対202、排出ローラ対601、602、603、切り換え部材402、403を含むシート搬送機構312を制御して画像形成されたシートSを搬送する。また、仕分け装置制御部303は、トレイ検知センサ407、408、409の検知結果に基づいて、排出トレイ210、211、212の有無を検知する。また、仕分け装置制御部303は、満載検知センサ404、405、406の検知結果に基づいて、排出トレイ210、211、212の満載を検知する。
【0021】
(仕分け装置制御部の詳細)
図3は、本実施例における仕分け装置制御部303の詳細図である。仕分け装置制御部303はCPU400を有しており、シリアル通信手段427を介してコントローラ301と通信する。シリアル通信手段427は、CPU400とコントローラ301を複数の信号線で接続する。
【0022】
外部機器300を通じて印刷データ428がコントローラ301に通知されると、コントローラ301はシリアル通信手段427を介して搬入予告423の信号、排出先情報424をCPU400に通知する。また、CPU400からシリアル通信手段427を介して、コントローラ301にトレイ有無状態425の信号が通知される。また、CPU400からシリアル通信手段427を介して、コントローラ301に満載状態426の信号が通知されると、外部機器300に満載表示429を通知する。ここで、満載表示429の通知とは、外部機器300の画面上にシートSの排出対象であるトレイが満載であることを知らせるメッセージや画像を表示することを意味する。なお、満載を通知するメッセージや画像を表示させる対象は外部機器300に限らず、プリンタ100やシート仕分け装置200に液晶パネル(表示部)を設け、そのパネルに表示させてもよい。
【0023】
CPU400の出力端子にはモータドライバ410が接続される。モータドライバ410は搬送モータ401を駆動する。搬送モータ401が回転することにより、搬送ローラ対202、排出ローラ対601、602、603が回転し、シートSを排出トレイ210、211、212へそれぞれ搬送する。
【0024】
CPU400の出力端子には切り換え部材402の位置を切り換えるアクチュエータ(不図示)が接続されている。アクチュエータがONの状態では、切り換え部材402が
図1の破線で示される位置に切り換えられ、シートSを排出トレイ211がある方向へ導く。アクチュエータがOFFの状態では、切り換え部材402が
図1の実線で示される位置に切り換えられ、シートSを排出トレイ210がある方向へ導く。
【0025】
CPU400の出力端子には切り換え部材403の位置を切り換えるアクチュエータ(不図示)が接続されている。アクチュエータがONの状態では、切り換え部材403が
図1の破線で示される位置に切り換えられ、シートSを排出トレイ212がある方向へ導く。アクチュエータがOFFの状態では、切り換え部材403が
図1の実線で示される位置に切り換えられ、シートSを排出トレイ210、211がある方向へ導く。
【0026】
満載検知センサ404は、プルアップ411を使用し、バッファ412を介し、センサ状態(ONの信号またはOFFの信号)をCPU400に入力する。満載検知センサ404は、満載検知フラグ206の位置に応じて信号を出力する信号出力部である。満載検知センサ405、406の詳細は満載検知センサ404と同等であるため、説明は省略する。満載検知センサ405、406は満載検知フラグ207、208にそれぞれ対応する。
【0027】
トレイ検知センサ407は、プルアップ417を使用し、バッファ418を介し、センサ状態(ONの信号またはOFFの信号)をCPU400に入力する。トレイ検知センサ408、409の詳細はトレイ検知センサ407と同等であるため、説明は省略する。
【0028】
(シート仕分け装置の動作の説明)
次に、本実施例におけるシート仕分け装置200の動作について
図4乃至
図7を用いて説明する。ここでは、排出トレイ211が満載となった場合について説明する。
【0029】
図5は排出トレイ211にシートSが排出される場合に実行されるフローチャートである。
図5のフローチャートに基づく制御は、
図2に記載されたコントローラ301がROMやRAM等の記憶部に記憶されているプログラムに基づき実行する。
【0030】
排出トレイ211にシートSが排出されている間、コントローラ301は、満載検知センサ405がONになったかどうかを確認する(S500)。満載検知センサ405がOFFの場合、コントローラ301は排出トレイ211へのシートSの排出を継続させる。そして、
図4(a)に示すように、排出トレイ211が満載となり満載検知センサ405がONとなった場合、コントローラ301は排出トレイ211の状態を「満載」に設定する(S501)。また、
図4(a)において装置本体220には排出トレイ210、211、212のそれぞれ対応する位置に排出口203、204、205が形成されている。コントローラ301は排出トレイ211に対応する排出口204の状態も「満載」に設定する(S502)。この設定状態をまとめた表が
図6(a)である。つまり、
図6(a)の状態においてコントローラ301は排出トレイ211へのシートSの排出を禁止する。以上で本フローチャートの処理を終了する。
【0031】
図7は排出トレイ211が満載となった後に実行されるフローチャートである。
図7のフローチャートに基づく制御は、
図2に記載されたコントローラ301がROMやRAM等の記憶部に記憶されているプログラムに基づき実行する。
【0032】
排出トレイ211が満載となった後、コントローラ301は、満載検知センサ405がOFFになったかどうかを確認する(S510)。満載検知センサ405がOFFの場合、コントローラ301は排出トレイ211の状態を「空き」に変更し(S514)、排出口204の状態を「空き」に変更する(S515)。この設定状態をまとめた表が
図6(c)である。つまり、
図6(c)の状態においてコントローラ301は排出トレイ211へのシートSの排出を許可する。満載検知センサ405がOFFになったということは、排出トレイ211に積載されたシートSがユーザによって取り出されたことにより、満載状態が解除されたと判断できるためである。
【0033】
一方、満載検知センサ405がONの場合、コントローラ301は排出トレイ210が装置本体220に対して取り外されたかどうかを確認する(S511)。排出トレイ210が取り外されていない場合、コントローラ301はS510とS511の確認を継続する。一方、
図4(b)に示すように、排出トレイ211の上側に配置された排出トレイ210が装置本体220から取り外された場合、コントローラ301は排出トレイ211の状態を「空き」に変更する(S512)。そして、コントローラ301は排出トレイ210の状態を「トレイ無し」に変更する(S513)。この設定状態をまとめた表が
図6(b)である。つまり、
図6(b)の状態においてコントローラ301は排出トレイ211へのシートSの排出を許可する。排出トレイ210が取り外されると、
図4(b)に示すように排出トレイ211のシート積載空間が広がり、排出トレイ211に積載されるシートSの最大積載枚数が増加する。そのため、コントローラ301が自動的に排出トレイ211の満載状態を解除しても問題はない。以上で本フローチャートの処理を終了する。
【0034】
(排出口の選択方法の説明)
次に、
図6を用いて、コントローラ301による排出口203、204、205の選択方法について説明する。
【0035】
図6(a)の状態において、コントローラ301は上述した通り、排出トレイ211が満載となった旨を外部機器300に対して通知し、印刷動作を停止する。次に、満載を通知して印刷動作を停止中に
図6(b)の状態になった場合、コントローラ301は排出トレイ211の満載を解除し、排出口203からシートSを排出トレイ211へ排出させるようにシート仕分け装置200に指定して印刷を再開する。ここで排出口204ではなく排出口203からシートSを排出させる理由は、
図6(b)において依然として排出口204の状態が「満載」のままであるためである。つまり、排出トレイ211には既に排出口204の近くまでシートSが積載されており、排出口204からシートSを排出させると、既に積載されているシートSと新たに排出されるシートが衝突して搬送不良となる可能性があるためである。本実施例の構成によれば、満載検知フラグ207は排出トレイ210とともに装置本体220から取り外されているため、排出口203から排出トレイ211へシートSを排出させても満載検知フラグ207が挟まってシートSの積載性が低下することはない。
【0036】
一方、満載を通知して印刷動作を停止中に
図6(c)の状態になった場合、コントローラ301は排出トレイ211の満載を解除し、排出口204からシートSを排出トレイ211へ排出させるようにシート仕分け装置200に指定して印刷を再開する。つまり、
図6(b)の状態とはシートSを排出する排出口が異なる。
【0037】
以上より、本実施例によれば、満載が検知された排出トレイの上側に配置された排出トレイが装置本体から取り外された場合におけるユーザビリティーを向上させることができる。
【0038】
なお、上記の実施例1においては、満載検知フラグ207と排出トレイ210が一体となった構成について説明したが、別々に取り外し可能な構成や排出トレイ210のみ取り外し可能な構成としてもよい。また、満載検知フラグ207が装置本体220に対して取り外しできない場合、排出口203から排出トレイ211へシートSを排出させる際に妨げとならないように、満載検知フラグ207が装置本体220の内部に退避できるような構成としてもよい。
【0039】
〔実施例2〕
実施例1では、フラグ式の満載検知センサを採用した構成について説明した。本実施例では、排出トレイへ排出されたシートの枚数をカウントすることで排出トレイの満載を検知する満載検知センサを採用した構成について説明する。主な部分の説明は実施例1と同様であり、ここでは実施例1と異なる部分のみを説明する。
【0040】
(シート仕分け装置の構成図)
図8を用いて本実施例におけるシート仕分け装置200について説明する。実施例1と異なるのは、シート検知センサ430、431、432が設けられている点である。シート検知センサ430、431、432はそれぞれ、排出トレイ210、211、212に積載されたシートSの有無を検知するセンサである。シート検知センサ430、431、432は例えばフォトインタラプタであり、排出トレイ210、211、212にシートSが積載されておらず、不図示のフラグによってフォトインタラプタの光が遮られていない透光状態ではOFFの信号を出力する。そして、排出トレイ210、211、212にシートSが積載され、不図示のフラグによってフォトインタラプタの光が遮られた遮光状態ではONの信号を出力する。また、実施例1と異なり、本実施例のシート仕分け装置200には満載検知フラグ206、207、208及び満載検知センサ404、405、406が設けられていない。
【0041】
(制御部と機能構成のブロック図)
図9は、本実施例における機能構成を示すブロック図である。実施例1と異なるのは、コントローラ301に排出トレイ210、211、212へ排出されるシートSの枚数をカウントするカウンタ320が設けられている点である。なお、カウンタ320は仕分け装置制御部303に設けられていてもよい。また、仕分け装置制御部303は、シート検知センサ430、431、432の検知結果に基づいて、排出トレイ210、211、212に積載されたシートSの有無を検知する。
【0042】
(仕分け装置制御部の詳細)
図10は、本実施例における仕分け装置制御部303の詳細図である。シート検知センサ430は、プルアップ433を使用し、バッファ434を介し、センサ状態(ONの信号またはOFFの信号)をCPU400に入力する。シート検知センサ431、432の詳細はシート検知センサ430と同等であるため、説明は省略する。
【0043】
(シート仕分け装置の動作の説明)
次に、本実施例におけるシート仕分け装置200の動作について
図11を用いて説明する。ここでは、排出トレイ211が満載となった場合について説明する。
【0044】
図11は排出トレイ211にシートSが排出される場合に実行されるフローチャートである。
図11のフローチャートに基づく制御は、
図9に記載されたコントローラ301がROMやRAM等の記憶部に記憶されているプログラムに基づき実行する。
【0045】
排出トレイ211にシートSが排出されている間、コントローラ301は、シート検知センサ431がONかどうかを確認する(S520)。シート検知センサ431がOFFの場合、コントローラ301は検知を継続する。シート検知センサ431がONの場合、カウンタ320は排出トレイ211に排出されるシートSの枚数をカウントする。そして、コントローラ301はカウント枚数が予め定められた閾値枚数に到達したかを確認する(S521)。カウント枚数が閾値枚数に到達していない場合、コントローラ301は排出トレイ211へのシートSの排出を継続させる。カウント枚数が閾値枚数に到達した場合、コントローラ301は排出トレイ211の状態を「満載」に設定し(S501)、排出口204の状態も「満載」に設定する(S502)。この設定状態をまとめた表が
図6(a)である。つまり、
図6(a)の状態においてコントローラ301は排出トレイ211へのシートSの排出を禁止する。以上で本フローチャートの処理を終了する。
【0046】
図12は排出トレイ211が満載となった後に実行されるフローチャートである。
図12のフローチャートに基づく制御は、
図9に記載されたコントローラ301がROMやRAM等の記憶部に記憶されているプログラムに基づき実行する。
【0047】
排出トレイ211が満載となった後、コントローラ301は、シート検知センサ431がOFFかどうかを確認する(S530)。シート検知センサ431がOFFの場合、コントローラ301は排出トレイ211の状態を「空き」に変更し(S514)、排出口204の状態を「空き」に変更する(S515)。この設定状態をまとめた表が
図6(c)である。つまり、
図6(c)の状態においてコントローラ301は排出トレイ211へのシートSの排出を許可する。そして、コントローラ301は排出トレイ211に排出されたシートSの枚数(カウント枚数)はクリアし、閾値枚数にTh2をセットする(S532)。ここで、閾値枚数Th2は排出トレイ210が装着されている状態において排出トレイ211に積載できるシートSの最大積載枚数である。
【0048】
一方、シート検知センサ431がONの場合、コントローラ301は排出トレイ210が装置本体220に対して取り外されたかどうかを確認する(S511)。排出トレイ210が取り外されていない場合、コントローラ301はS510とS511の確認を継続する。一方、排出トレイ210が取り外された場合、コントローラ301は排出トレイ211の状態を「空き」に変更し(S512)、排出トレイ210の状態を「トレイ無し」に変更(S513)する。この設定状態をまとめた表が
図6(b)である。つまり、
図6(b)の状態においてコントローラ301は排出トレイ211へのシートSの排出を許可する。そして、コントローラ301は排出トレイ211に排出されたシートSの枚数(カウント枚数)をクリアせず、閾値枚数にTh1をセットする(S531)。ここで、閾値枚数Th1は排出トレイ210が取り外され、排出トレイ211のシート積載空間が広がった状態において排出トレイ211に積載できるシートSの最大積載枚数である。つまり、閾値枚数Th1>Th2の関係性である。以上で本フローチャートの処理を終了する。
【0049】
また、満載を通知して印刷動作を停止中に
図6(b)の状態になった場合、コントローラ301は排出トレイ211の満載を解除し、排出口203からシートSを排出トレイ211へ排出させるようにシート仕分け装置200に指定して印刷を再開する。本実施例の構成によれば、そもそも満載検知フラグ207が設けられていないため、排出口203から排出トレイ211へシートSを排出させても満載検知フラグ207が挟まってシートSの積載性が低下することはない。
【0050】
以上より、本実施例によれば、満載が検知された排出トレイの上側に配置された排出トレイが装置本体から取り外された場合におけるユーザビリティーを向上させることができる。
【0051】
なお、上記の実施例1及び2においては、満載となった排出トレイの上側に配置された排出トレイが装置本体から取り外された場合に、必ず満載を解除する制御について説明した。しかし、これに限定されない。ユーザが外部機器300等を介して、満載となった排出トレイの上側に配置された排出トレイが装置本体から取り外された場合に、満載を解除するかどうかを選択できるようにしてもよい。
【0052】
ここで、ユーザが満載を解除しないことを選択するケースとして、以下のケースが考えられる。例えば、小サイズ紙が排出トレイに積載され、満載となっている状態において、ユーザが小サイズ紙を排出トレイから取り出す際に小サイズ紙を視認しづらいため、上側に配置された排出トレイを装置本体から取り外すようなケースである。このケースにおいて仮に満載が解除されてしまうと、ユーザが小サイズ紙を取り出している最中に後続の紙が排出トレイへ排出されることになり、ユーザビリティーが低下する可能性がある。
【0053】
また、コントローラ301または仕分け装置制御部303が、印刷指示された紙のサイズ情報等に基づいて、満載となった排出トレイの上側に配置された排出トレイが装置本体から取り外された場合に、満載を解除するかどうかを自動的に選択してもよい。つまり、上記の例において、コントローラ301または仕分け装置制御部303は、小サイズ紙が印刷指示された場合、満載を解除しないことを選択するようにしてもよい。
【0054】
また、上記の実施例1及び2においては、排出トレイ210を取り外して排出トレイ211へのシートSの排出が許可された場合、排出口203から排出トレイ211へシートSを排出させていたが、これに限定されない。シートSが落下する距離をなるべく短くしてシートSの積載性を向上させるために、所定の枚数は排出口204からシートSを排出させ、途中で排出口203からシートSを排出させるように切り替えてもよい。これは排出トレイ211の満載を検知した時点で、排出トレイ211に積載されているシートSによって排出口204がふさがれておらず、少しマージンがあることが前提である。
【0055】
また、上記の実施例1及び2においては、排出トレイ211が満載となった状態で、排出トレイ210を取り外した場合について説明したが、これに限定されない。排出トレイ212が満載となった状態で、排出トレイ211を取り外した場合についても本発明を適用できる。つまり、取り外した排出トレイの下側に配置された排出トレイの満載状態を解除すればよい。
【0056】
また、上記の実施例1及び2においては、排出トレイ210、211、212全てが装置本体220に対して取り外し可能な構成として説明したが、これに限定されない。排出トレイ210のみが取り外し可能であって、排出トレイ211、212は取り外しできない構成であってもよい。つまり、鉛直方向において最下段に位置する排出トレイを除く、少なくとも1つの排出トレイが装置本体220に対して取り外し可能な構成であればよい。
【0057】
さらに、プリンタ100の排出トレイ124が満載となった状態で、排出トレイ212を取り外した場合についても本発明を適用できる。この場合、満載検知フラグ125が排出トレイ212と一体的に取り外される構成であるとする。
【0058】
また、上記の実施例1及び2においては、プリンタ制御部302と仕分け装置制御部303を分けて構成していたが、プリンタ制御部302のみの構成としてもよい。その場合は、プリンタ制御部302がシート仕分け装置200を制御すればよい。
【0059】
また、上記の実施例1及び2において、シート仕分け装置200はプリンタ100に対して着脱可能な構成であってもよいし、プリンタ100に対して固定され一体化した構成であってもよい。
【0060】
また、上記の実施例1及び2においては、3つの排出トレイ210、211、212が設けられている構成について説明したが、排出トレイの個数は3つに限定されるものではない。シート仕分け装置200が使用される環境、共同して使用するユーザの人数、あるいは、シート仕分け装置200のスペックに合わせて、排出トレイ数を設定すればよい。
【0061】
また、上記の実施例1及び2においては、レーザービームプリンタの例を示したが、本発明を適用する画像形成装置はこれに限られるものではなく、インクジェットプリンタ等、他の印刷方式のプリンタ、又は、複写機でもよい。
【符号の説明】
【0062】
200 シート仕分け装置
206、207、208 満載検知フラグ
210、211、212 排出トレイ
301 コントローラ
303 仕分け装置制御部
404、405、406 満載検知センサ
407、408、409 トレイ検知センサ
601、602、603 排出ローラ対