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特許7516096撮像装置、レンズ装置、カメラシステム、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】撮像装置、レンズ装置、カメラシステム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/14 20210101AFI20240708BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20240708BHJP
   G02B 7/08 20210101ALI20240708BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20240708BHJP
   H04N 23/52 20230101ALI20240708BHJP
   H04N 23/65 20230101ALI20240708BHJP
【FI】
G03B17/14
G03B17/02
G02B7/08 B
G03B5/00 J
H04N23/52
H04N23/65
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020078160
(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公開番号】P2021173886
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 直城
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-003723(JP,A)
【文献】特開2013-161061(JP,A)
【文献】特開2017-139689(JP,A)
【文献】特開2011-221519(JP,A)
【文献】特開2013-077915(JP,A)
【文献】国際公開第2012/131794(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/14
G02B 7/02 - 7/16
G03B 5/00 - 5/06
G03B 17/02
H04N 23/40 -23/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被駆動部材を駆動するための駆動部を備えるレンズ装置が通信可能に装着される撮像装置であって、
前記レンズ装置に含まれるノイズ発生源に関する情報を取得する取得部と、
前記ノイズ発生源に関する情報を用いて前記駆動部に対する制御を決定する決定部とを有し、
前記取得部は、前記ノイズ発生源に関する情報として、前記撮像装置に含まれる撮像素子から前記ノイズ発生源までの距離情報を前記レンズ装置から取得し、
前記距離情報は、前記撮像素子から前記ノイズ発生源までの距離が変化することに応じて、前記レンズ装置から前記撮像装置に送信されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記駆動部に対する制御として前記ノイズ発生源が発生させるノイズを低減させる制御を決定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記ノイズを低減させる制御は、前記駆動部の制御方式の変更、前記駆動部に供給される電力が低減する制御、および前記駆動部への電力供給の停止の少なくとも一つであることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記駆動部の制御方式は、パルス幅変調制御方式、およびリニア制御方式であることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記被駆動部材の光軸方向への移動に伴い、前記撮像素子から前記ノイズ発生源までの距離情報が変化することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記レンズ装置から、前記ノイズ発生源が前記撮像素子に最も近接した場合の前記距離情報を取得することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記距離情報が所定間隔で変化する場合、前記取得部は、前記レンズ装置から、所定間隔ごとに前記距離情報を取得することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記レンズ装置から、前記被駆動部材が停止した場合の前記距離情報を取得することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記レンズ装置から、前記被駆動部材が可動域の端部に到達した場合の前記距離情報を取得することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記取得部は、前記レンズ装置から、前記ノイズ発生源が前記撮像素子に最も近接した位置と前記ノイズ発生源の現在位置との距離の差分が所定値以上となった場合の前記距離情報を取得することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記撮像装置は、アクセサリが通信可能に装着可能であり、
前記決定部は、前記ノイズ発生源に関する情報、および前記アクセサリに関する情報を用いて前記駆動部に対する制御を決定することを特徴とする請求項1乃至1の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記アクセサリに関する情報は、前記アクセサリから、前記撮像装置、および前記レンズ装置の少なくとも一方に送信されることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項13】
撮像装置に通信可能に装着されるレンズ装置であって、
被駆動部材を駆動するための駆動部と、
前記レンズ装置に含まれるノイズ発生源に関する情報を前記撮像装置に送信する送信部と、
前記撮像装置からの前記駆動部に対する制御に関する指示を用いて前記駆動部の駆動を制御する制御部とを有し、
前記送信部は、前記ノイズ発生源に関する情報として、前記撮像装置に含まれる撮像素子から前記ノイズ発生源までの距離情報を前記撮像装置に送信し、
前記距離情報は、前記撮像素子から前記ノイズ発生源までの距離が変化することに応じて、前記レンズ装置から前記撮像装置に送信されることを特徴とするレンズ装置。
【請求項14】
請求項1乃至1の何れか一項に記載の撮像装置と、
請求項1に記載のレンズ装置とを有することを特徴とするカメラシステム。
【請求項15】
請求項1乃至1の何れか一項に記載の撮像装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項16】
請求項1に記載のレンズ装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、レンズ装置、カメラシステム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータの駆動を制御するための方式としてパルス幅変調制御方式(PWM制御方式、デジタル制御方式)や、リニア制御方式(DC制御方式、アナログ制御方式)が知られている。パルス幅変調制御方式は、省電力化に有効であるが、ノイズが発生しやすい。発生したノイズが撮像信号に重畳すると、画質が劣化してしまう。
【0003】
特許文献1には、露光時は撮像信号の読み出しが行われるため、ノイズの発生を抑制するためにリニア制御方式を使用し、露光時以外は撮像信号の読み出しが行われないため、パルス幅変調制御方式を使用する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-133246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の装置では、露光時は常にパルス幅変調制御方式よりも電力損失が大きいリニア制御方式が使用されるため、供給可能な電力が制限され、適切にアクチュエータを駆動させることができない恐れがある。
【0006】
本発明は、アクチュエータの駆動に起因するノイズを低減可能であると共に、アクチュエータを適切に駆動させることが可能なレンズ装置、撮像装置、カメラシステム、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての撮像装置は、被駆動部材を駆動するための駆動部を備えるレンズ装置が通信可能に装着される撮像装置であって、レンズ装置に含まれるノイズ発生源に関する情報を取得する取得部と、ノイズ発生源に関する情報を用いて駆動部に対する制御を決定する決定部とを有し、取得部は、ノイズ発生源に関する情報として、撮像装置に含まれる撮像素子からノイズ発生源までの距離情報をレンズ装置から取得し、距離情報は、撮像素子からノイズ発生源までの距離が変化することに応じて、レンズ装置から撮像装置に送信されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の他の側面としてのレンズ装置は、撮像装置に通信可能に装着されるレンズ装置であって、被駆動部材を駆動するための駆動部と、レンズ装置に含まれるノイズ発生源に関する情報を撮像装置に送信する送信部と、撮像装置からの前記駆動部に対する制御に関する指示を用いて駆動部の駆動を制御する制御部とを有し、送信部は、ノイズ発生源に関する情報として、撮像装置に含まれる撮像素子からノイズ発生源までの距離情報を撮像装置に送信し、距離情報は、撮像素子からノイズ発生源までの距離が変化することに応じて、レンズ装置から撮像装置に送信されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アクチュエータの駆動に起因するノイズを低減可能であると共に、アクチュエータを適切に駆動させることが可能な撮像装置、レンズ装置、カメラシステム、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1のカメラシステムの構成図である。
図2】実施例1の手振れ補正装置の断面図である。
図3】手振れ補正時において、コイルから発生する磁界をシミュレーションした結果を示す図である。
図4】交換レンズが広角状態および望遠状態でのカメラシステムの断面図である。
図5】ノイズレベルごとのノイズ低減制御への切り替え距離条件の一例を示す図である。
図6】実施例1の駆動部に対する制御を変更する処理を示すフローチャートである。
図7】実施例2の各ノイズ発生源と撮像素子との距離情報が更新された場合の駆動部に対する制御を変更する処理を示すフローチャートである。
図8】実施例3のカメラシステムの構成図である。
図9】実施例3のカメラシステムの断面図である。
図10】実施例3のアクセサリが交換レンズとカメラ本体との間に取り付けられた状態における駆動部に対する制御を変更する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本実施例のカメラシステムの構成図である。カメラシステムは、レンズ装置(以下、交換レンズ)100、および交換レンズ100が着脱可能かつ通信可能に装着される撮像装置(以下、カメラ本体)200を有する。なお、本発明は、交換レンズ式のカメラシステムだけでなく、レンズ一体型の撮像装置(デジタルスチルカメラおよびビデオカメラなど)にも適用可能である。
【0013】
交換レンズ100において、撮影光学系は、物体側から像側へ順に配置された、固定フロントレンズ101、変倍レンズ102、絞り103、手振れ補正レンズ104、およびフォーカスレンズ105を含む。なお、図1では、それぞれのレンズが1つのレンズ素子により構成されているが、実際には1つ又は複数のレンズ素子を含む。
【0014】
変倍レンズ102は、不図示のズームリングが回転操作され、カム環が回転すると、光軸方向へ移動する。隣り合うレンズ群の間隔が変化することで広角から望遠までの焦点距離での撮影が可能となる。ズームリングの回転操作量は、不図示のセンサによって検出される。変倍レンズ102は、ステッピングモータやDCモータ等により構成されるズームアクチュエータの駆動に伴い、光軸方向へ移動し、変倍を行ってもよい。
【0015】
絞り(被駆動部材)103は、ステッピングモータやDCモータ等により構成される絞りアクチュエータ(駆動部)106の駆動に伴い、開口径を変化させることができる。絞り駆動回路107は、絞りアクチュエータ106に駆動電圧と電流を供給する。光量調整装置116は、絞り103、絞りアクチュエータ106、および絞り駆動回路107からなる。
【0016】
手振れ補正レンズ(被駆動部材)104は、ステッピングモータやボイスコイルモータ等により構成される手振れ補正アクチュエータ(駆動部)108の駆動に伴い、シフト方向へ移動し、手振れ補正を行う。手振れ補正駆動回路109は、手振れ補正アクチュエータ108に駆動電圧と電流を供給する。手振れ補正装置117は、手振れ補正レンズ104、手振れ補正アクチュエータ108、および手振れ補正駆動回路109からなる。
【0017】
フォーカスレンズ(被駆動部材)105は、ステッピングモータ、ボイスコイルモータ、および超音波モータ等により構成されるフォーカスアクチュエータ(駆動部)110の駆動に伴い光軸方向へ移動し、焦点調節を行う。フォーカス駆動回路111は、フォーカスアクチュエータ110に駆動電圧と電流を供給する。焦点調整装置118は、フォーカスレンズ105、フォーカスアクチュエータ110、およびフォーカス駆動回路111からなる。
【0018】
交換レンズ100がカメラ本体200に装着されると、交換レンズ100に設けられた電気的接点113a,113b,113cはそれぞれ、カメラ本体200に設けられた電気的接点207a,207b,207cに接続される。これにより、交換レンズ100とカメラ本体200との間での各種情報の通信を行うことができる。図1では、3線式のシリアル通信を行う場合を示しているが、本発明はこれに限定されない。本実施例では、レンズ制御CPU112、およびカメラ制御CPU206は、カメラ制御CPU206をクロックマスターとしてシリアル通信を行う。
【0019】
また、交換レンズ100に設けられた不図示の電源接点と、カメラ本体200に設けられた不図示の電源接点とが互いに接続される。これにより、カメラ本体200に搭載されたリチウムイオン電池等の不図示の二次電池からの電力がDCDCコンバータ等の電源回路で所望の電圧に変換され、交換レンズ100内の各種センサ、レンズ制御CPU112、および各種駆動回路に供給される。
【0020】
カメラ本体200には、CCDセンサやCMOSセンサにより構成される光電変換素子としての撮像素子201が設けられている。撮像素子201は、その撮像面に撮影光学系により形成された光学像(被写体像)を光電変換する。光電変換によって撮像素子201に蓄積された電荷は、所定のタイミングで撮像信号(アナログ信号)として出力され、映像信号処理回路202に入力される。
【0021】
映像信号処理回路202は、撮像素子201からのアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号に対して増幅やガンマ補正等の各種信号処理を施して映像信号を生成する。映像信号は、カメラ制御CPU206、液晶ディスプレイパネル等により構成される表示装置205、および光ディスクや半導体メモリ等により構成される記憶装置204に出力される。
【0022】
また、映像信号処理回路202内には、焦点情報生成部としてのAF信号処理回路203が設けられている。AF信号処理回路203は、撮像素子201から出力された撮像信号(又は撮像信号を用いて生成した映像信号)から、焦点検出領域であるAFエリア内の画素群により得られた高周波成分や輝度成分を抽出し、焦点情報としての焦点評価値信号を生成する。焦点評価値信号は、映像のコントラスト状態(撮像コントラスト)、つまりは鮮鋭度を示し、フォーカスレンズ105の移動に伴って変化する。焦点評価値信号の値、つまりは焦点評価値が最大(ピーク)となるフォーカス位置が、そのAFエリアでの合焦位置となる。
【0023】
ISO感度調整部210は、カメラ制御CPU206内に実装され、主にISO感度を決定する。ISO感度調整部210は、被写体からの受光量を測定する不図示の測光ユニット(AE)の出力値を基にISO感度を決定する。
【0024】
レンズ制御CPU112は、ノイズ発生源情報送信部(送信部)114、およびACT(アクチュエータの略記)制御方法変更部(制御部)115を含む。ノイズ発生源情報送信部114は、電気的接点113a~113cおよび電気的接点207a~207cを介してカメラ制御CPU206と通信する。ACT制御方法変更部115は、カメラ制御CPU206からの指示により交換レンズ100に含まれる各種アクチュエータの制御方法を変更する。
【0025】
カメラ制御CPU206は、ノイズ発生源情報取得部(取得部)208、およびレンズACT制御方法決定部(決定部)209を含む。ノイズ発生源情報取得部208は、電気的接点113a~113cおよび電気的接点207a~207cを介して、ノイズ発生源情報送信部114から送信されたノイズ発生源に関する情報(ノイズ発生源情報)を取得する。レンズACT制御方法決定部209は、ノイズ発生源情報を用いて交換レンズ100に含まれる各種アクチュエータの制御方法を決定する。なお、本実施例では、ノイズ発生源情報取得部208は、ノイズ発生源情報を交換レンズ100から直接取得するが、本発明はこれに限定されない。ノイズ発生源情報取得部208は交換レンズ100から交換レンズ100の識別情報を取得し、ノイズ発生源情報を記憶する、カメラ本体200内に設けられた不図示の記憶部やサーバ等の外部機器から識別情報に対応するノイズ発生源情報を取得してもよい。
【0026】
交換レンズ100に含まれる各種アクチュエータは、パルス幅変調制御方式とリニア制御方式の2つの制御方式で駆動する。本実施例では、レンズACT制御方法決定部209によって決定された制御方法に基づき、ACT制御方法変更部115によって制御方式を変更する。
【0027】
以下、手振れ補正装置117の構成について説明する。図2は、手振れ補正駆動回路109を除いた手振れ補正装置117の断面図である。
【0028】
第1のヨーク401は、磁性体により形成され、地板403に対してビス止めされている。第1の駆動マグネット402は、ネオジウムマグネットからなる永久磁石であり、地板403に設けられた開口部を通して第1のヨーク401に磁気吸着により固定されている。鏡筒404は、レンズL11およびレンズL12を含む手振れ補正レンズ104を保持している。手振れ補正レンズ104を光軸に直交する平面内で移動させることでいわゆる手振れを補正できる。鏡筒404には、コイル405が固定されている。また、鏡筒404には、第1のガイドプレート406がビス止めされている。第2のガイドプレート407は、地板403に対して不図示の第1の転動ボールを介してピッチ軸方向へ移動可能に支持されている。鏡筒404は、第2のガイドプレート407に対して不図示の第2の転動ボールを介してヨー軸方向へ移動可能に支持されている。また、鏡筒404は、地板403に対して不図示の第3の転動ボールを介して光軸に直交する方向へ移動可能に支持されている。
【0029】
第2の駆動マグネット409は、第2のヨーク408に設けられた突起により位置決めされながら第2のヨーク408に磁気吸着により固定されている。第2のヨーク408は、第1のヨーク401に対して支柱を狭持するようにして第1の駆動マグネット402と第2の駆動マグネット409との間に発生する磁気吸着力により固定されている。第1の駆動マグネット402および第2の駆動マグネット409は、コイル405に対向するように配置されている。コイル405に電流を流すことで第1の駆動マグネット402および第2の駆動マグネット409にローレンツ力が発生する。ローレンツ力が発生すると、鏡筒404は光軸に直交する平面内で移動する。コイル405、第1の駆動マグネット402、および第2の駆動マグネット409はそれぞれ、直交する2つの方向において配置されている。したがって、鏡筒404は、2つの方向の駆動力の合成力により光軸に直交する平面内の所定の範囲で自在に移動可能である。
【0030】
以下、撮像素子201に到達する磁気ノイズについて説明する。磁気ノイズの大きさは一般的にノイズの発生源からの距離の3乗に反比例するため、撮像素子201がノイズの発生源から離れるほど、画像へのノイズの影響は小さくなる。本実施例では、ノイズの発生源は、コイル405である。
【0031】
図3は、手振れ補正装置117による手振れ補正時において、コイル405から発生する磁界をシミュレーションした結果を示す図である。具体的には、コイル405に流れる高周波数(数十kHz程度)で電流を変化させた場合の磁束密度変化量をシミュレーションした結果を示している。
【0032】
図3に示されるように、コイル405に手振れ補正のために電流を流した際に発生する磁界(磁束密度)の変動が、撮像素子201が配置されている位置で発生している。撮像素子201が配置されている位置で磁界(磁束密度)の変動が発生することで画質劣化が引き起こされる。より詳細には、撮像素子201から撮像信号を取り出すための画素電荷情報の信号線を高周波数(数十kHz程度)で変化する磁界が貫通する。これにより信号線内で電磁誘導による磁気が発生し、結果として信号線にノイズが発生してしまう。
【0033】
また、ノイズ成分が画像データに写し込まれる原因として、撮像素子201自体に飛び込む磁気、電波、および静電気等の外来ノイズや、撮像素子201や周辺のIC類に供給されている電源や信号系へのラインノイズ等がある。例えば、撮像素子201が光電変換中に近接したモータが動作した場合、モータ自体の磁気ノイズおよび起動時の電源供給による電流リップルノイズが発生し、光電変換の結果に影響を与えることがある。この影響が結果的に画像にノイズ成分として写り込む。
【0034】
したがって、ノイズ発生源と撮像素子201との距離が近い、又は、ノイズ発生源のノイズ量が大きい場合、もしくはその両方の場合にノイズを低減する必要がある。本実施例では、パルス幅変調制御方式からリニア制御方式へ駆動制御を切り替えることでノイズを低減する。
【0035】
図4(a)および図4(b)はそれぞれ、交換レンズ100が広角状態および望遠状態でのカメラシステムの断面図である。光量調整装置116、手振れ補正装置117、および焦点調整装置118は、不図示のズームリングを回転操作することでカム環が回転し、光軸に沿って移動する。光量調整装置116、手振れ補正装置117、および焦点調整装置118では、レンズ制御CPU112を含む制御基板119によって、ACT駆動制御が行われる。
【0036】
図5は、ノイズレベルごとのノイズ低減制御(ノイズ発生源が発生させるノイズを低減させる制御)への切り替え距離条件の一例を示す図である。本実施例では、ノイズ発生源ごとに、ノイズの大きさ(影響度)を表すノイズレベルが設定されている。また、ノイズレベルごとに、各駆動部に対する制御を決定するための情報(本実施例では、ノイズ低減制御への切り替え距離条件)が設定されている。ノイズ発生源と撮像素子201との距離が設定された距離以下になると、ノイズ低減制御が行われる。本実施例では、上述したように、ノイズ低減制御として、パルス幅変調制御方式からリニア制御方式に制御方式が切り替えられる。本実施例では、ノイズ発生源のノイズレベルの設定は、前述のシミュレーション結果から策定されるが、本発明はこれに限定されない。撮像素子201へのノイズ影響を実機で検証した結果に基づいて策定してもよいし、生産工場の工程検査内で個体ごとに個別に策定してもよい。
【0037】
本実施例では、光量調整装置116のノイズレベルは2、手振れ補正装置117のノイズレベルは3、焦点調整装置118のノイズレベルは1に設定されている。図4(a)のAで示される光量調整装置116と撮像素子201との距離が160mmである場合、図5のノイズレベルごとのノイズ低減制御への切り替え距離条件に基づいてノイズ低減制御は行われない。図4(a)のBで示される手振れ補正装置117と撮像素子201との距離が110mmである場合、図5のノイズレベルごとのノイズ低減制御への切り替え距離条件に基づいてノイズ低減制御は行われる。図4(a)のCで示される焦点調整装置118と撮像素子201との距離が60mmである場合、図5のノイズレベルごとのノイズ低減制御への切り替え距離条件に基づいてノイズ低減制御は行われない。
【0038】
なお、本実施例では、ノイズ低減制御として、パルス幅変調制御方式からリニア制御方式に切り替えられるが、画像に対するノイズの影響を低減可能であれば、本発明はこれに限定されない。画像やユーザビリティに影響を与えない場面では、駆動を停止させるために各駆動部への電力供給を停止したり、供給する電力を低減させたりしてもよい。また、電力供給を低減するために、駆動範囲を制限してもよい。
【0039】
図6は、本実施例の駆動部に対する制御を変更する処理を示すフローチャートである。本実施例では、交換レンズ100が広角状態である場合について説明する。
【0040】
ステップS101では、レンズ制御CPU112(ノイズ発生源情報送信部114)は、シミュレーション結果を用いて策定されたノイズ発生源情報をカメラ制御CPU206(ノイズ発生源情報取得部208)に送信する。ノイズ発生源情報には、ノイズ発生源のノイズレベル、ノイズ低減制御への切り替え距離条件、および各ノイズ発生源と撮像素子201との距離情報が含まれている。
【0041】
ステップS102では、カメラ制御CPU206(レンズACT制御方法決定部209)は、ステップS101で取得したノイズ発生源情報を用いてノイズ低減制御が必要であるかどうかを判断する。ノイズ低減制御が必要な判断基準として、本実施例では各ノイズ発生源と撮像素子201との距離情報を使用するが、本発明はこれに限定されない。例えば、ISO感度を高くすると、画像のノイズ成分が増加するため、ISO感度調整部210のISO感度設定や、撮像素子201自体のノイズ感度に対するノイズ耐性強度等の情報を用いてもよい。また、ナイト撮影モードや長秒撮影設定等の撮像素子201へのノイズ影響が大きくなる撮影条件に設定された場合等にノイズ低減制御が必要であると判断してもよい。必要であると判断した場合、ステップS103に進み、そうでない場合、本フローを終了し、通常制御を行う。
【0042】
ステップS103では、カメラ制御CPU206は、レンズ制御CPU112に駆動部に対する制御に関する指示を送信する。
【0043】
ステップS104では、レンズ制御CPU112(ACT制御方法変更部115)は、駆動部に対する制御を変更する。本実施例では、ノイズ低減制御が行われる。具体的には、省電力化に有効なパルス幅変調制御方式から、スイッチングノイズが発生しないリニア制御方式に切り替えられる。
【0044】
以上説明したように、本実施例の構成によれば、アクチュエータの駆動に起因するノイズを低減可能であると共に、アクチュエータを適切に駆動させることが可能である。
【実施例2】
【0045】
本実施例のカメラシステムは、実施例1のカメラシステムと同様の構成を有する。本実施例では、ノイズ発生源のノイズ情報に含まれる、各ノイズ発生源と撮像素子201との距離情報が更新された場合の駆動部に対する制御を変更する処理について説明する。
【0046】
例えば、実施例1で説明したように、図4(a)のBで示される手振れ補正装置117と撮像素子201との距離が110mmである場合、ノイズ低減制御が行われる。その後、ズームリングが回転操作され、交換レンズ100は図4(a)の広角状態から図4(b)の望遠状態になり、手振れ補正装置117と撮像素子201との距離情報が更新される。このとき、図4(b)のDで示される手振れ補正装置117と撮像素子201との距離が160mmである場合、光量調整装置116と撮像素子201との距離が150mm以下ではないため、リニア制御方式からパルス幅変調制御方式に切り替えられる。
【0047】
撮像素子201とノイズ発生源との距離情報は、ズームリングの回転操作によって更新され、ノイズ発生源情報送信部114からカメラ制御CPU206に送信される。距離情報は、本実施例では、ズームリングの広角端、又は望遠端到達時(被駆動部材の可動域の端部到達時)に更新され、送信されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、距離情報は、ズームリングの回転中に所定間隔で更新され、送信されてもよい。また、距離情報は、ズームリングの操作停止ごとに更新され、送信されてもよいし、ズームリングの操作によって、ノイズ発生源が撮像素子201に最も近接する場合に更新され、送信されてもよい。また、距離情報は、ノイズ発生源の撮像素子201に最も近接する位置とズームリングの操作停止時の現在位置との距離差分が、所定値以上となった場合に更新され、送信されてもよい。
【0048】
図7は、ノイズ発生源情報に含まれる、各ノイズ発生源と撮像素子201との距離情報が更新された場合の駆動部に対する制御を変更する処理を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS201では、レンズ制御CPU112(ノイズ発生源情報送信部114)は、シミュレーション結果から策定されたノイズ発生源情報をカメラ制御CPU206(ノイズ発生源情報取得部208)に送信する。ノイズ発生源情報には、ノイズ発生源のノイズレベル、ノイズ低減制御への切り替え距離条件、および各ノイズ発生源と撮像素子201との距離情報が含まれている。
【0050】
ステップS202では、カメラ制御CPU206(レンズACT制御方法決定部209)は、ステップS201で取得したノイズ発生源情報を用いてノイズ低減制御が必要であるかどうかを判断する。必要であると判断した場合、ステップS203に進み、そうでない場合、ステップS205に進む。
【0051】
ステップS203では、カメラ制御CPU206は、レンズ制御CPU112に駆動部に対する制御に関する指示を送信する。
【0052】
ステップS204では、レンズ制御CPU112(ACT制御方法変更部115)は、駆動部に対する制御を変更する。
【0053】
ステップS205では、カメラ制御CPU206(レンズACT制御方法決定部209)は、駆動部に対する制御を変更するかどうかを判断する。本実施例では、レンズACT制御方法決定部209は、省電力化に有効なパルス幅変調制御方式と、スイッチングノイズが発生しないリニア制御方式とのいずれかを選択する。駆動部に対する制御を変更すると判断した場合、ステップS203に進み、そうでない場合、ステップS201に戻る。
【0054】
以上説明したように、本実施例の構成によれば、アクチュエータの駆動に起因するノイズを低減可能であると共に、アクチュエータを適切に駆動させることが可能である。
【実施例3】
【0055】
図8は、本実施例のカメラシステムの構成図である。カメラシステムは、レンズ装置(以下、交換レンズ)100、および交換レンズ100が着脱可能、かつ通信可能に装着される撮像装置(以下、カメラ本体)200を有する。また、カメラシステムは、交換レンズ100とカメラ本体200との間に装着可能なアクセサリ300を有する。なお、本実施例ではアクセサリ300は交換レンズ100とカメラ本体200との間に装着される中間アクセサリであるが、本発明はこれに限定されない。また、本実施例では、実施例1や実施例2と共通の構成についての説明は省略する。
【0056】
交換レンズ100がアクセサリ300を介してカメラ本体200に装着されると、交換レンズ100に設けられた電気的接点113a,113b,113cはそれぞれ、アクセサリ300に設けられた電気的接点303a,303b,303cに接続される。また、アクセサリ300に設けられた電気的接点304a,304b,304cはそれぞれ、カメラ本体200に設けられた電気的接点207a,207b,207cに接続される。これにより、交換レンズ100とカメラ本体200との間での各種情報の通信を行うことができる。図8では、3線式のシリアル通信を行う場合を示しているが、本発明はこれに限定されない。本実施例では、レンズ制御CPU112、およびカメラ制御CPU206は、カメラ制御CPU206をクロックマスターとしてシリアル通信を行う。
【0057】
また、交換レンズ100がアクセサリ300を介してカメラ本体200に装着されると、交換レンズ100に設けられた電気的接点113d,113eはそれぞれ、アクセサリ300に設けられた電気的接点303d,303eに接続される。また、アクセサリ300に設けられた電気的接点304d,304eはそれぞれ、カメラ本体200に設けられた電気的接点207d,207eに接続される。これにより、交換レンズ100とアクセサリ300との間、カメラ本体200とアクセサリ300との間、および交換レンズ100とカメラ本体200との間において、各種情報の通信を行うことができる。図8では、2線式のシリアル通信を行う場合を示しているが、本発明はこれに限定されない。本実施例では、レンズ制御CPU112、アクセサリ制御CPU301、およびカメラ制御CPU206は、カメラ制御CPU206をクロックマスターとしてシリアル通信を行う。
【0058】
交換レンズ100とアクセサリ300は、固有情報として、光学情報(焦点距離、F値(絞り値)、フォーカス敏感度、ピント補正量等)や特性情報を保持しており、これらの情報をカメラ本体200に送信することができる。交換レンズ100にアクセサリ300が取り付けられた状態である場合、アクセサリ300の特性情報がカメラ本体200に送信される。なお、「光学情報」は、ズーム、フォーカス、および絞り値等の状態に応じて変化する光学的な固有情報(フォーカスレンズ敏感度やピント補正量情報等)を意味する。また、「特性情報」は、基本的に上記状態によって変化しない固有情報を意味する。例えば、機種や製造番号を特定するための識別情報(レンズID、アクセサリID等)、最大通信速度、開放F値、ズームレンズか否か、オートフォーカス(AF)可能か否か、像高、電力モード、アクセサリ寸法情報等である。同様に、交換レンズ100は、カメラ本体200およびアクセサリ300の固有情報(アクセサリID、アクセサリ電力情報、アクセサリ寸法情報等)を受信する。
【0059】
アクセサリ操作部302は、ISO感度や絞り値の可変機能をユーザがユニークに割り当てを行うことができる操作リングの処理回路部である。
【0060】
電気的接点113f,207f,303f,304fは、カメラ本体200に装着されたアクセサリ300の種類を判別するための端子である。電気的接点207fは、カメラ本体200内において、カメラ制御CPU206に供給される不図示の電源電圧と同電圧に抵抗を介してプルアップされている。また、電気的接点113fは、交換レンズ100内において抵抗を介してグラウンドにプルダウンされている。カメラ制御CPU206は、電気的接点207fの電圧値を検出し、検出した電圧値に基づいてカメラ本体200に装着されたアクセサリ300の種類を判別可能である。すなわち、カメラ制御CPU206は、装着されたアクセサリ300の種類を判別する判別手段として機能する。なお、アクセサリ制御CPU301と、カメラ制御CPU206およびレンズ制御CPU112との通信によってアクセサリ300を判別してもよい。また、アクセサリ300内でプルダウン抵抗を追加することにより、カメラ制御CPU206による検出電圧の分圧比を変更させることでアクセサリ300を判別してもよい。
【0061】
図9は、本実施例のカメラシステムの断面図である。図9(a)は、アクセサリ300が接続されていない状態、かつ交換レンズ100が広角状態、すなわち図4(a)の状態のカメラシステムを示している。図9(b)は、アクセサリ300が交換レンズ100とカメラ本体200との間に接続されている状態、かつ交換レンズ100が広角状態のカメラシステムを示している。
【0062】
本実施例では、手振れ補正装置117のノイズレベルは3に設定されている。図9(a)のBで示される手振れ補正装置117と撮像素子201との距離が110mmである場合、図5のノイズレベルごとのノイズ低減制御への切り替え距離条件に基づいてノイズ低減制御が行われる。本実施例では、ノイズ低減制御として、省電力化に有効なパルス幅変調制御方式からスイッチングノイズが発生しないリニア制御方式に切り替えられる。
【0063】
なお、本実施例では、ノイズ低減制御として、パルス幅変調制御方式からリニア制御方式に切り替えられるが、画像に対するノイズの影響を低減可能であれば、本発明はこれに限定されない。画像やユーザビリティに影響を与えない場面では、駆動を停止させるために各駆動部への電力供給を停止したり、供給する電力を低減させたりしてもよい。また、電力供給を低減するために、駆動範囲を制限してもよい。
【0064】
図9(b)の構成では、図9(b)のEで示されるアクセサリ300の全長が50mmである。このとき、図9(b)のB’で示される手振れ補正装置117とアクセサリ300を介した撮像素子201との距離が160mmである場合、図5のノイズレベルごとのノイズ低減制御への切り替え距離条件に基づいてノイズ低減制御は行われない。
【0065】
図10は、アクセサリ300が交換レンズ100とカメラ本体200に接続された状態における駆動部に対する制御を変更する処理を示すフローチャートである。
【0066】
ステップS301では、アクセサリ制御CPU301は、アクセサリ寸法情報を含むアクセサリ300の固有情報をカメラ制御CPU206に送信する。固有情報は、本実施例ではアクセサリ制御CPU301からカメラ制御CPU206に送信されるが、アクセサリ制御CPU301からレンズ制御CPU112に送信された後、レンズ制御CPU112からカメラ制御CPU206に送信されてもよい。すなわち、固有情報は、カメラ制御CPU206、およびレンズ制御CPU112の少なくとも一方に送信されればよい。
【0067】
ステップS302では、レンズ制御CPU112(ノイズ発生源情報送信部114)は、シミュレーション結果から策定されたノイズ発生源情報をカメラ制御CPU206(ノイズ発生源情報取得部208)に送信する。ノイズ発生源情報には、ノイズ発生源のノイズレベル、ノイズ低減制御への切り替え距離条件、および各ノイズ発生源と撮像素子201との距離情報が含まれている。
【0068】
ステップS303では、カメラ制御CPU206(レンズACT制御方法決定部209)は、ステップS301で取得した固有情報、およびステップS302で取得したノイズ情報を用いてノイズ低減制御が必要であるかどうかを判断する。必要であると判断した場合、ステップS304に進み、そうでない場合、ステップS206に進む。
【0069】
ステップS304では、レンズ制御CPU112に駆動部に対する制御に関する指示を送信する。
【0070】
ステップS305では、レンズ制御CPU112(ACT制御方法変更部115)は、駆動部に対する制御を変更する。
【0071】
ステップS306では、カメラ制御CPU206(レンズACT制御方法決定部209)は、駆動部に対する制御を変更するかどうかを判断する。本実施例では、レンズACT制御方法決定部209は、省電力化に有効なパルス幅変調制御方式と、スイッチングノイズが発生しないリニア制御方式とのいずれかを選択する。駆動部の制御を変更すると判断した場合、ステップS304に進み、そうでない場合、ステップS301に戻る。
【0072】
以上説明したように、本実施例の構成によれば、アクチュエータの駆動に起因するノイズを低減可能であると共に、アクチュエータを適切に駆動させることが可能である。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
100 レンズ装置
103 絞り(被駆動部材)
104 手振れ補正レンズ(被駆動部材)
105 フォーカスレンズ(被駆動部材)
106 絞りアクチュエータ(駆動部)
108 手振れ補正アクチュエータ(駆動部)
110 フォーカスアクチュエータ(駆動部)
200 撮像装置
208 ノイズ発生源情報取得部(取得部)
209 レンズACT制御方法決定部(決定部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10