(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240708BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240708BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240708BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240708BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240708BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
H04N1/00 C
G06F3/12 305
G06F3/0481
B41J29/42 F
B41J29/38 202
B41J29/38 401
G03G21/00 370
G06F3/12 329
(21)【出願番号】P 2020082846
(22)【出願日】2020-05-08
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】水野 貴史
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-301825(JP,A)
【文献】特開2020-068433(JP,A)
【文献】特開2020-068480(JP,A)
【文献】特開2017-004042(JP,A)
【文献】特開2019-161445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00-1/64
G06F 3/12
G06F 3/04817
B41J 29/42
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する格納手段と、
前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する登録手段と、
ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する提供手段と、
前記ショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびカード情報を、ショートカット情報として、エクスポートするエクスポート手段と、を有し、
前記エクスポート手段は、ショートカット情報をエクスポートする場合に、該ショートカット情報にカード情報を含めてエクスポートするか選択できる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する格納手段と、
前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する登録手段と、
ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する提供手段と、
前記ショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびカード情報を、ショートカット情報として、エクスポートするエクスポート手段と、を有し、
前記ショートカット情報が画像処理装置にインポートされる場合に、当該画像処理装置において前記カード情報をインポートするか選択でき、
前記ショートカット情報は画像処理装置にインポートされた場合に、当該画像処理装置において前記ショートカットに従う機能の提供が可能となる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記格納手段は、複数のショートカットを格納することができ、
前記登録手段は、複数のショートカットに、それぞれ異なるカード情報が対応付けて格納されるよう登録でき、
前記エクスポート手段は、複数のショートカットからエクスポート対象を選択できる
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ショートカット情報が画像処理装置にインポートされる場合には、当該画像処理装置において既存のショートカットに対して上書きで格納される
ことを特徴とする請求項1
乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
カード情報を含むショートカット情報が画像処理装置にインポートされ、かつ、該画像処理装置において既存のショートカットに該カード情報が対応付けて登録されている場合には、当該インポートが失敗する
ことを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する格納手段と、
前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する登録手段と、
ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する提供手段と、
前記ショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびカード情報を、ショートカット情報として、エクスポートするエクスポート手段と、を有し、
前記ショートカット情報が画像処理装置にインポートされる場合には、前記カード情報を除いて当該画像処理装置において格納され、
当該インポートされた前記ショートカット情報に基づき、当該画像処理装置において前記ショートカットに従う機能の提供が可能となる
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する格納手段と、
前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する登録手段と、
ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する提供手段と、
前記ショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびカード情報を、ショートカット情報として、エクスポートするエクスポート手段と、を有し、
前記エクスポート手段は、前記カード情報が対応付けられたショートカットについて、当該カード情報を除いたショートカット情報をエクスポートする
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
前記エクスポート手段は、前記画像処理装置が提供するウェブサーバーにアクセスしたウェブブラウザを用いた指示に従いショートカット情報のエクスポートを行う
ことを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置の制御方法であって、
画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する工程と、
前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する工程と、
ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する工程と、
前記ショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびカード情報を、ショートカット情報として、エクスポートする工程と、を有し、
前記エクスポートする工程では、ショートカット情報をエクスポートする場合に、該ショートカット情報にカード情報を含めてエクスポートするか選択できる
ことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
画像処理装置の制御方法であって、
画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する工程と、
前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する工程と、
ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する工程と、
前記ショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびカード情報を、ショートカット情報として、エクスポートする工程と、を有し、
前記ショートカット情報が画像処理装置にインポートされる場合に、当該画像処理装置において前記カード情報をインポートするか選択でき、
前記ショートカット情報は画像処理装置にインポートされた場合に、当該画像処理装置において前記ショートカットに従う機能の提供が可能となる
ことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項11】
画像処理装置の制御方法であって、
画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する工程と、
前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する工程と、
ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する工程と、
前記ショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびカード情報を、ショートカット情報として、エクスポートする工程と、を有し、
前記ショートカット情報が画像処理装置にインポートされる場合には、前記カード情報を除いて当該画像処理装置において格納され、
当該インポートされた前記ショートカット情報に基づき、当該画像処理装置において前記ショートカットに従う機能の提供が可能となる
ことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項12】
画像処理装置の制御方法であって、
画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する工程と、
前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する工程と、
ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する工程と、
前記ショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびカード情報を、ショートカット情報として、エクスポートする工程と、を有し、
前記エクスポートする工程では、前記カード情報が対応付けられたショートカットについて、当該カード情報を除いたショートカット情報をエクスポートする
ことを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項13】
請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置で提供される機能をお気に入りの設定で簡単に呼び出すことができる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スキャナやMFPなどの画像処理装置の機能(アプリケーション)と、その機能に関する複数の設定値の組合せ(ショートカット)に対して、ユーザ情報を紐づけて管理することが考えられる。MFPでユーザ管理を行わない場合にも、ショートカットに対して任意のカード情報(例えば製造番号、カードID)を紐づけて管理することが考えられる。その場合には、MFPでそのカードを読み取ることで、カード情報に紐づくショートカットが簡単に呼び出せる(特許文献1)。利用されるカードは、交通系ICカードやオフィスの入退出などに用いるICカードなど、様々なICカードが想定される。また、例えば、ICカードのカード情報はNFC(Near Field Communication)機能を用いて画像処理装置で読み取りが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1台の画像処理装置内で、ショートカットで簡単に呼び出せる情報の管理を行っている場合、他の画像処理装置ではそのショートカットが利用できず、画像処理装置を追加購入したり、置き換えたりした場合に、利便性がわるい。
【0005】
本発明は、ある画像処理装置で管理されているショートカットで簡単に呼び出せる情報を、他の画像処理装置でも簡単に共有できる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、画像処理装置が提供する機能と複数の設定の組合せとをショートカットとして格納する格納手段と、前記ショートカットに対して、前記画像処理装置でカードから読み取り可能なカード情報を対応付けて格納されるよう登録する登録手段と、ユーザにより前記ショートカットを選択された場合、または、前記カード情報が読み取られた場合に、前記ショートカットに対応する複数の設定の組合せで前記機能を提供する提供手段と、前記ショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびカード情報を、ショートカット情報として、エクスポートするエクスポート手段と、を有する。前記エクスポート手段は、ショートカット情報をエクスポートする場合に、該ショートカット情報にカード情報を含めてエクスポートするか選択できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、MFPに設定済みのICカードに紐づくショートカット情報を他のMFPに容易に移すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】画像処理装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】スキャンして送信画面の一例を示す図である。
【
図6】お気に入り管理テーブルを説明する図である。
【
図8】ショートカット管理テーブルを説明する図である。
【
図9】ショートカットに対応付けたICカードの登録を説明する図である。
【
図10】ICカード管理テーブルを説明する図である。
【
図11】ショートカット情報のエクスポート/インポートの管理画面を説明する図である。
【
図12】ショートカット情報のエクスポート処理を示すフローチャートである。
【
図13】ショートカット情報のインポート処理を示すフローチャートである。
【
図14】第2実施形態に係るショートカット情報のエクスポート、インポート画面を説明する図である。
【
図15】第2実施形態に係るショートカット情報のインポート処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1は、画像処理装置101のハードウェア構成の一例を示す図である。画像処理装置101は、例えば、プリンタ機能、コピー機能、スキャン機能など多機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。プリンタ機能、コピー機能、スキャン機能などの機能は、例えば、アプリケーションとして提供される。画像処理装置101は、システムバス110、CPU111、RAM112、ROM113、入力制御I/F114、表示制御I/F115、記憶装置I/F116、通信I/Fコントローラ117、ICカード制御I/F130を備える。画像処理装置101は、さらに、タッチパネル118、ディスプレイ119、記憶装置120、スキャナ121、プリンタ122、ICカード読取装置131を備える。なお、
図1は本実施形態における説明のための一例を示したものであり、他の構成要素を含んだり、あるいは、本実施形態と同様の効果のある構成であったりしても構わない。
【0010】
システムバス110に対してCPU111、RAM112、ROM113、入力制御I/F114、表示制御I/F115、記憶装置I/F116、通信I/Fコントローラ117、ICカード制御I/F130が接続されている。また、システムバス110に対しては、スキャナ121、プリンタ122も接続されている。システムバス110に接続される各部は、システムバス110を介して互いにデータのやりとりを行うことができる。
【0011】
CPU(Central Processing Unit)111は、画像処理装置101全体の制御やデータの計算・加工を行う。RAM(Random Access Memory)112は、揮発性のメモリであり、CPU111の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。ROM(Read Only Memory)113は、不揮発性のメモリであり、CPU111が動作するための各種プログラム、画像データやその他のデータ等が、それぞれ所定の領域に格納されている。CPU111は、例えばROM113に格納されるプログラムに従い、RAM112をワークメモリとして用いて、画像処理装置101の各部を制御する。なお、CPU111が動作するためのプログラムの格納先はROM113に限られず、記憶装置120に記憶されていてもよい。
【0012】
入力制御I/F114は、ユーザ操作を受け付け、操作に応じた制御信号を生成し、CPU111に供給する。入力制御I/F114は、ユーザ操作を受け付ける入力デバイスとして、例えば、タッチパネル118などのポインティングデバイス、不図示であるキーボードなどの文字情報入力デバイス、数値などを直接入力するためのハードキー等と接続される。タッチパネル118は、平面的に構成された入力部を有し、入力部においてユーザの指が接触した位置に応じた座標情報が出力される入力デバイスである。本実施形態においては、ユーザの入力操作がタッチパネル118で行われる場合について説明しているが、入力デバイスはタッチパネル118に限られるものではない。CPU111は、タッチパネル118に対してなされたユーザ操作に応じて入力制御I/F114で生成され供給される制御信号に基づき、プログラムに従い画像処理装置101の各部を制御する。これにより、ユーザ操作に応じた動作を画像処理装置101に行わせることができる。
【0013】
表示制御I/F115は、ディスプレイ119に対して画面を表示させるための表示信号を出力する。具体的には、CPU111が生成した表示制御信号を表示制御I/F115に対して供給し、表示制御I/F115は、CPU111からの表示制御信号に基づき表示信号を生成してディスプレイ119に対して出力する。表示制御I/F115は、例えば、CPU111が生成する表示制御信号に基づき、GUI(Graphical User Interface)を構成するGUI画面をディスプレイ119に表示させる。表示制御I/F115に接続されるディスプレイ119は、例えば液晶ディスプレイであり、ユーザに対して各種画面を表示する。
【0014】
タッチパネル118とディスプレイ119は、一体的に構成されていてもよい。例えば、タッチパネル118は光の透過率がディスプレイ119の表示を妨げないように構成され、ディスプレイ119の表示面の上層に取り付けられる。そして、タッチパネル118における入力座標と、ディスプレイ119上の表示座標が対応付けられる。タッチパネル118とディスプレイ119を一体的に構成することにより、あたかもユーザがディスプレイ119上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを構成することができる。
【0015】
記憶装置I/F116は、CPU111の制御に基づき、記憶装置120からのデータの読み出しや、記憶装置120に対するデータの書き込みを行う。記憶装置I/F116は、記憶装置120と接続している。記憶装置120は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)である。また、記憶装置120は、メモリカード、USBメモリ等のフラッシュメモリの外部メディアを装填してデータの読出/書込が可能な装置であってもよい。また、記憶装置120をRAM112やROM113の代わりに使用しても構わない。
【0016】
通信I/Fコントローラ117は、CPU111の制御に基づき、ネットワーク102に対する通信を行う。ネットワーク102は、例えば、例えば、インターネット等のLAN、WAN、電話回線、専用デジタル回線、ケーブルテレビ回線、データ放送用無線回線等のいずれか、またはこれらの組み合わせにより実現される、いわゆる通信ネットワークである。ネットワーク102には、画像処理装置101の他、PCや他のMFP、プリンタ、サーバ等、様々な装置が画像処理装置101と通信可能に接続される。また、後述する外部の認証サーバとの接続も通信I/Fコントローラ117を介して行われる。
【0017】
スキャナ121は、CPU111の制御に基づき、原稿を読み取り、画像データを生成する。具体的には、CPU111は、入力制御I/F114を介して入力されたユーザの指示に応じて、スキャナ121に対してスキャン処理の実行を指示する。スキャナ121は、原稿台やADF(Auto Document Feeder)に置かれた原稿を読み取り、デジタルデータ化し、画像データを生成する。そして、スキャナ121は、生成した画像データを記憶装置I/F116を介して記憶装置120に格納する。
【0018】
プリンタ122は、CPU111の制御に基づき、記憶装置120に保存された画像データを印刷処理する。具体的には、CPU111は、入力制御I/F114を介して入力されたユーザの指示や通信I/Fコントローラ117を介して外部装置から入力されたコマンドの指示に応じて、プリンタ122に対して印刷処理の実行を指示する。プリンタ122は、記憶装置120から画像データを読出し、印刷可能なデータ形式に変換し、紙原稿に印字し出力する。
【0019】
ICカード制御I/F130は、ICカード読取装置131と接続され、ICカード読取装置131に対してICカードの読取指示信号を出力する。また、ICカード制御I/F130は、ICカード読取装置131から取得したICカードの読み取り結果をCPU111に出力する。ここで、本実施形態におけるICカードは、NFC(Near Field Communication)などが搭載された非接触ICカードとする。ICカードの読み取りを行う場合、CPU111は、プログラムに従い、生成したICカード制御信号をICカード制御I/F130に対して供給する。ICカード制御I/F130は、CPU111の制御信号に基づきICカード読取信号を生成してICカード読取装置131に対して出力する。ICカード読取装置131は、ICカード読取信号に基づいて、ICカード読取装置131にかざされているICカードの情報の読み込みを行い、ICカード制御I/F130に読取結果の信号をICカード制御I/F130に出力する。
【0020】
次に、画像処理装置101のソフトウェアの構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、画像処理装置101のソフトウェア構成の一例を示す図である。なお、
図2は本実施形態における説明のための一例を示したものであり、他の構成要素を含んだり、あるいは、本実施形態と同様の効果のある構成であったりしても構わない。
図2のおける各制御部は、ROM113に記憶されており、起動時や機能利用時など必要に応じてRAM112へ展開され、CPU111により制御される。
【0021】
画像処理装置101は、制御バス200、表示操作制御部201、認証制御部202、ネットワーク制御部203、送信制御部204、コピー制御部205、FAX制御部206、文書利用制御部207、文書保存制御部208を備える。画像処理装置101は、さらに、ICカード制御部209、ショートカット制御部210を備える。画像処理装置101には、コピー、スキャンなどのひとつ以上の機能があり、それぞれの機能毎に制御部がある。
図2には一例として、スキャン機能を制御する送信制御部204および文書保存制御部208、コピー機能を制御するコピー制御部205および文書利用制御部207、FAX機能を制御するFAX制御部206が示される。
【0022】
制御バス200には、表示操作制御部201~ショートカット制御部210の各制御部が接続されている。制御バス200は、CPU111の制御に基づき、各制御部間の情報の受け渡しをする。例えば、制御バス200は、各制御部から受け取った表示情報を表示操作制御部201へ送り、表示操作制御部201は取得した表示情報に応じてディスプレイ119に表示を行う。
【0023】
表示操作制御部201は、入力制御I/F114および表示制御I/F115を制御する。例えば、表示操作制御部201は、他の制御部からの指示に基づいて表示制御I/F115を介してディスプレイ119で表示を行う。また、表示操作制御部201は、入力制御I/F114を介してタッチパネル118にユーザが入力した情報を取得する。なお、表示操作制御部201は、取得した情報を、必要に応じて制御バス200を介して各制御部へ通知する。
【0024】
認証制御部202は、ユーザを識別するための認証処理を行い、画像処理装置101の操作者が画像処理装置101の正当なユーザか否かの判断を行う。ユーザの認証処理を行い、正当なユーザの場合にセッションを開始することをログインと呼ぶ。一方、ユーザが画像処理装置101を利用後に、当該ユーザのセッションを終了することをログアウトと呼ぶ。
【0025】
また、認証制御部202は、ユーザ情報を格納した不図示のユーザ情報データベースを制御する。ユーザ情報データベースは、記憶装置120に格納されていてもよいし、外部の認証サーバに格納されていてもよい。ユーザ情報データベースが外部の認証サーバに格納されている場合には、認証制御部202は、通信I/Fコントローラ117を介して、外部の認証サーバに接続し、外部の認証サーバの認証結果を利用する。認証制御部202と外部の認証サーバとの認証情報のやり取りは、公知の技術を用いて行う。
【0026】
ネットワーク制御部203は、通信I/Fコントローラ117を制御して、ネットワーク102上の外部機器と接続を行うための処理を行う。
送信制御部204は、スキャナ121から原稿をスキャンし、スキャンした文書を所定のファイルフォーマットに変換する。また、送信制御部204は、メールなどのプロトコルを使って、ネットワーク制御部203を介して、ネットワーク102上のメールサーバなどに文書の送信を行う。送信制御部204を用いる機能(アプリケーション)の一例として、スキャンして送信アプリがある。
【0027】
コピー制御部205は、スキャナ121から原稿をスキャンし、ステイプルなど指定された加工を施して、プリンタ122に出力する。コピー制御部205を用いる機能(アプリケーション)の一例として、コピーアプリがある。
FAX制御部206は、ネットワーク102の公衆回線網、インターネット回線などを用いて、公知のG3などのFAX送信プロトコルを使い、ネットワーク制御部203を介して送信先に文書の送信を行う。FAX制御部206を用いる機能(アプリケーション)の一例として、ファクスアプリがある。
【0028】
文書利用制御部207は、画像処理装置101の記憶装置120、外部のファイルサーバ、メモリメディア、クラウドストレージなどに保存されている文書を利用した処理を行う。文書を利用した処理としては、例えば、プリンタ122での印刷処理や、ディスプレイ119へのプレビューの表示処理等が行われる。文書利用制御部207は、記憶装置120に保存された文書を利用する場合は、記憶装置I/F116を介して、記憶装置120にアクセスして、指定された文書を取得して処理を行う。文書利用制御部207は、外部のファイルサーバやクラウド上のストレージに保存された文書を利用する場合は、適切なプロトコルを用いて、ネットワーク制御部203を介してネットワーク102上の保存先から文書を取得して処理を行う。
【0029】
文書保存制御部208は、文書ファイルを、画像処理装置101の内部の記憶装置120、USBメモリなどのメモリメディア、ネットワーク102上のファイルサーバ、クラウド上のストレージ等に保存する。例えば、文書保存制御部208は、送信制御部204と同様に、スキャナ121から原稿をスキャンし、スキャンした文書を所定のファイルフォーマットに変換し、保存する。ネットワーク102上のファイルサーバやクラウド上のストレージに文書ファイルを保存する場合は、文書保存制御部208は、適切な通信プロトコルを用いて、ネットワーク制御部203を介して保存先にアクセスし、文書の保存を行う。通信プロトコルとしては、例えば、SMB(Server Message Block)などがある。記憶装置120や画像処理装置101に装填されたメモリメディアに文書ファイルを保存する場合は、文書保存制御部208は、記憶装置I/F116を介して、保存先にアクセスし、文書の保存を行う。文書利用制御部207および文書保存制御部208を用いる機能(アプリケーション)の一例として、スキャンして保存アプリ、クラウドアプリがある。
【0030】
ICカード制御部209は、ICカード制御I/F130を介してICカード読取装置131にアクセスして、ICカードの情報を読み取り、要求元の制御部に対して読み取った結果を返す。ICカード制御部209がICカードから読み取り可能なカード情報には、ICチップに書き込まれたICカードを一意に識別する番号が記録されており、以下、ICカードを一意に識別する番号をカードIDと記す。
【0031】
ショートカット制御部210は、後述するお気に入り設定、ショートカット機能の登録、管理、提供を行う。また、ショートカット制御部210は、ショートカットとICカードとを紐づけて登録し管理する。また、本実施形態では、ショートカット制御部210は、ショートカット情報とそれに関連する情報のエクスポートおよびインポート処理も実行する。
【0032】
次に、画像処理装置101のホーム画面について説明する。
図3は、ホーム画面の一例を示す図である。ホーム画面340は、コントロール領域300、タブ領域310、選択領域320、情報領域330の4つの領域を有する。タブ領域310、選択領域320、情報領域330の表示は、実行中の各機能に応じて変化する。一方、コントロール領域300は、実行中の機能に依らず常に表示されている。
【0033】
コントロール領域300には、画像処理装置101にログインするためのログインボタン301、設定画面を表示するための設定ボタン302、実行中の機能からホーム画面に戻るためのホームボタン303が表示される。さらに、コントロール領域300には、数値などを入力するためのキーパッド304、クリアボタン、リセットボタン、スタートボタン、ストップボタン等が表示される。
情報領域330は、ユーザに対し所定の情報を表示する領域である。情報領域330には、例えば、現在の日時や、エラーが発生した場合にはエラーメッセージが表示される。
【0034】
タブ領域310には、選択領域320を切り替えるための複数のタブが表示される。タブ領域310のタブが選択されると、選択されたタブに対応する画面が選択領域320に表示される。例えば、
図3の例では、タブ1が選択されており、タブ1に対応する画面が選択領域320に表示されている。
【0035】
選択領域320には、機能を実行するための機能実行ボタンが複数表示される。例えば、
図3の例では、コピー機能を実行するためのコピーボタン321、スキャン機能および送信機能を実行するためのスキャンして送信ボタン322などのボタンが表示されている。機能実行ボタン等がユーザにより押下されると、各機能に対応した画面が、タブ領域310および選択領域320に相当する領域に表示される。例えば、コピー機能が実行されれば、コピーアプリの画面が表示され、スキャンして送信機能が実行されれば、スキャンして送信アプリの画面が表示される。また、設定ボタン302がユーザにより押下した場合には、タブ領域310および選択領域320に相当する領域に、画像処理装置101の設定画面が表示される。
【0036】
選択領域320において機能が未登録のボタンには、追加ボタン323が表示される。選択領域320で追加ボタン323が表示されている箇所には、新規のアプリケーションを画像処理装置101にインストールして機能実行ボタンを追加したり、後述するショートカットを登録したりすることができる。
【0037】
次に、ホーム画面340で機能実行ボタンを選択することで表示されるアプリケーションの画面について説明する。
図4は、コピー画面の一例を示す図である。ホーム画面340においてコピーボタン321がユーザにより選択されると、コピー機能を実行するためのコピー画面400が表示される。
図5は、スキャンして送信画面の一例を示す図である。ホーム画面340においてスキャンして送信ボタン322がユーザにより選択されると、スキャン機能および送信機能を実行するためのスキャンして送信画面500が表示される。
【0038】
コピー画面400は、ホーム画面340のタブ領域310および選択領域320に相当する領域に表示される。コピー画面400には、印刷の部数を指定する部数設定および印刷の各種設定を行うための設定ボタンが表示される。印刷の部数は、例えば、キーパッド304を用いて指定される。コピー画面400に表示される設定ボタンには、例えば、面付設定ボタン、両面印刷設定ボタン、カラー設定ボタンがある。面付設定ボタンでは、1枚の用紙に割付けるページ数を指定する。両面印刷設定ボタンでは、片面印刷か両面印刷を指定する。カラー設定ボタンでは、印刷をカラー、白黒、グレースケースのいずれで行うのかを指定する。部数設定および各設定ボタンには、現在設定されている値が表示されている。各設定ボタンを押下すると、対応する設定値を変更する画面が表示され、設定を変更することができる。
【0039】
ユーザが指定していない設定には、デフォルト設定が利用される。コピー機能のデフォルト設定を、例えば、部数は1、面付設定は1in1、両面印刷設定は片面、カラー設定はカラーであるとする。ユーザが、面付設定を2in1、両面印刷設定を両面、カラー設定を白黒と設定した場合には、設定していない部数にはデフォルト設定の部数:1が設定される。また、コピー画面400には、お気に入り登録ボタン401およびお気に入り呼び出しボタン402が表示される。
【0040】
ここで、お気に入り設定について説明する。お気に入り設定とは、それぞれのアプリケーションにおいてユーザがよく利用する設定である。お気に入り設定に登録される設定には、複数の設定の組合せも含まれる。お気に入り設定機能は、それぞれのアプリケーションにおいてよく利用される設定を予め登録しておき、よく利用される設定を簡単に呼び出せるようにする機能である。お気に入り設定機能を利用することにより、ユーザは毎回同じ設定を行わなくて済むようになる。お気に入り設定は、ショートカット制御部210により制御される。アプリケーションの画面には、お気に入り設定に関するボタンも表示される。
【0041】
コピー画面400には、お気に入り登録ボタン401およびお気に入り呼び出しボタン402が表示される。お気に入り登録ボタン401が押下されると、その時点でコピー画面400に表示されている設定をお気に入りとして登録される。お気に入りが登録されている状態でお気に入り呼び出しボタン402が押下されると、登録されたお気に入りが呼び出され、コピー画面400の各設定が、お気に入りに登録されている設定に切り替わる。
【0042】
例えば、コピー機能で用紙節約のために、面付設定が2in1、両面印刷設定が両面、カラー設定が白黒の設定をよく行う場合、「部数:1、面付設定:2in1、両面印刷設定:両面、カラー設定:白黒」という設定の組合せをお気に入り設定として登録する。その後、コピー機能を呼び出した際には各設定にはデフォルト設定が表示されるが、お気に入り呼出ボタン402を押下してお気に入り設定を呼び出すと、お気に入りに登録されている設定が復元される。お気に入りに登録されている設定が復元されることにより、コピーの設定が「部数:1、面付設定:2in1、両面印刷設定:両面、カラー設定:白黒」となる。ユーザは、お気に入り呼出ボタン402を押下して原稿を置いてスタートするだけで、いつも使う設定でコピーを行うことができる。
【0043】
なお、アプリケーション毎のお気に入り設定はアプリケーション内で複数登録することができ、呼出時に複数のお気に入り設定から選択できるようにしてもよい。例えば、コピー機能で、「面付設定:2in1」以外に、用紙を更に節約するときに利用する「面付設定:4in1」もお気に入りとして登録して、両方をお気に入りとして登録できるようにしてもよい。複数のお気に入り設定が登録されている場合にお気に入り呼出ボタン402が押下された際には、例えば、複数のお気に入り設定のリスト表示を行い、ユーザに選択させるようにすればよい。
【0044】
スキャンして送信画面500は、ホーム画面340のタブ領域310および選択領域320に相当する領域に表示される。スキャンして送信画面500には、送信先設定およびスキャンの各種設定を行うための設定ボタンが表示される。送信先設定では、スキャンした文書を送信するメールアドレスやファイルサーバのパスなどの送信先を設定することができる。スキャンして送信画面500に表示される設定ボタンには、例えば、フォーマット設定ボタン、解像度設定ボタン、カラー設定ボタンがある。フォーマット設定ボタンでは、スキャンした文書の保存形式を指定する。解像度設定ボタンでは、スキャンの解像度を指定する。カラー設定では、原稿の読み取りをカラー、白黒、グレースケール、自動判定ボタンのいずれで行うかを指定する。送信先設定および各設定ボタンには、現在設定されている値が表示されている。なお、
図4および
図5はアプリケーションの画面の一例であり、説明した設定以外の設定が可能であってもよいし、説明した設定を行えない形態であっても構わない。
【0045】
ユーザが指定していない設定には、デフォルト設定が利用される。スキャンして送信機能のデフォルト設定を、例えば、送信先設定は空、フォーマット設定はjpeg、解像度設定は300dpi、カラー設定は自動判定であるとする。ユーザが、送信先をSMB \\172.20.83.168\folder、フォーマットをjpeg、解像度を300dpiと設定した場合には、設定していないカラー設定にはデフォルト設定の自動判定が設定される。
【0046】
また、スキャンして送信画面500には、お気に入り登録ボタン501およびお気に入り呼び出しボタン502が表示される。例えば、ユーザがスキャンして送信機能で、送信先がSMB \\172.20.83.168\folder、フォーマットがjpeg、解像度が400dpiの設定をよく使い、カラー設定にはデフォルト設定が設定されるとする。スキャンして送信画面500でよく使う設定を設定した状態でお気に入り登録ボタン501を押下する。これにより、「送信先:SMB \\172.20.83.168\folder、フォーマット:jpeg、解像度:400dpi、カラー:自動」をお気に入り設定として登録する。
【0047】
その後、スキャンして送信機能を呼び出した際には各設定にはデフォルト設定が表示されるが、お気に入り呼出ボタン502を押下してお気に入り設定を呼び出すと、お気に入りに登録されている設定が復元される。お気に入りに登録されている設定が復元されることにより、スキャンして送信の設定が「送信先:SMB \\172.20.83.168\folder、フォーマット:jpeg、解像度:400dpi、カラー:自動」となる。ユーザは、お気に入り呼出ボタン502を押下して原稿を置いてスタートするだけで、いつも使う設定でいつもの送信先にスキャンした文書を送信することができる。
【0048】
お気に入り設定は、
図6に示されるお気に入り管理テーブルに格納される。
図6は、お気に入り管理テーブルを説明する図である。お気に入り管理テーブルは、ショートカット制御部210により管理される。お気に入り管理テーブルでは、各お気に入り設定のお気に入りID601、機能602、設定603が管理される。お気に入りID601には、登録されているお気に入りを識別するための一意な識別子が格納される。機能602には、どの機能(アプリケーション)のお気に入りであるかが格納される。設定603には、お気に入りとして登録した設定が格納される。
【0049】
お気に入り設定610は、前述のコピー機能のお気に入り設定に対応するお気に入り管理テーブルの一例である。お気に入り設定610のお気に入りID601には「F0001」、機能602には「コピー」、設定603には「部数:1、面付設定:2in1、両面印刷設定:両面、カラー設定:白黒」が格納される。お気に入り設定611は、前述のスキャンして送信機能のお気に入り設定に対応するお気に入り管理テーブルの一例である。お気に入り設定611のお気に入りID601には「F0005」が、機能602には「スキャンして送信」が格納される。そして、お気に入り設定611の設定603には「送信先:ファイルサーバ \\172.20.83.168\folder、フォーマット:jpeg、解像度400dpi、カラー設定:自動」が格納される。
【0050】
次に、ショートカット機能について説明する。ショートカットとは、ユーザはホーム画面においてショートカットボタンを押下されることで、お気に入り設定が設定された機能を呼び出すことができる。ショートカットには、呼び出したい機能(アプリケーション)とその機能の復元したいお気に入り設定が格納(登録)されている。具体的には、ホーム画面でショートカットボタンが押下され、ショートカットが実行されると、ショートカットに登録されたアプリケーションが起動して、同時にアプリケーションのお気に入り設定が復元する。なお、ショートカットに設定されたアプリケーションにお気に入り設定が登録されていない場合は、デフォルト設定で当該アプリケーションが起動する。ショートカットは、ショートカット制御部210により例えば記憶装置120に格納され、制御される。
【0051】
図7は、ショートカットについて説明する図である。
図7(A)は、ショートカットの登録について説明する図である。
図7(B)は、追加されたショートカットについて説明する図である。ホーム画面340の追加ボタン323(
図3)を押下すると、
図7(A)に示されるショートカットに登録するアプリケーション選択画面701が表示される。アプリケーション選択画面701には、画像処理装置101に登録されているアプリケーションが一覧で表示される。ユーザは、アプリケーション一覧からショートカットに追加したいアプリケーションを選択することで、所望のショートカットをホーム画面に追加することができる。
【0052】
例えば、アプリケーション選択画面701のアプリケーション一覧からコピー702が選択されると、コピー機能のショートカットが追加できる。ショートカットの登録が終了するとホーム画面に戻り、
図7(B)に示されるように、元の追加ボタン323の位置に追加したショートカットボタン710が表示される。ユーザがショートカットボタン710を押下すると、お気に入り設定が反映された状態でコピー機能の画面(例えば、
図4)が表示される。
【0053】
ショートカットは、
図8に示されるショートカット管理テーブルに格納される。
図8は、ショートカット管理テーブルを説明する図である。ショートカット管理テーブルは、ショートカット制御部210により管理される。ショートカット管理テーブルでは、複数のショートカットのショートカットID801、機能802、呼出お気に入り803、場所804が管理される。ショートカットID801には、ショートカットを識別するための一意な識別子が格納されている。機能802には、ショートカットによって実行されるアプリケーションが格納される。呼出お気に入り803には、アプリケーションに反映させるお気に入り設定を示す情報として、お気に入り設定テーブル(
図6)のお気に入りID601の値が格納される。場所804には、ホーム画面のどこに登録されているかを示す場所が格納される。
【0054】
ショートカット810は、コピーのショートカットに対応するショートカット管理テーブルの一例である。ショートカット810のショートカットID801には一意なIDである「S0001」、機能802には「コピー」、呼出お気に入り803には「F0001」、場所804には「タブ1:8」が格納される。なお、本実施形態では機能802にアプリケーションの名称を格納しているが、これに限れるものではなく、例えば、アプリケーション毎に一意に定められたIDを格納するようにしてもよい。呼出お気に入り803に格納された「F0001」は、お気に入り設定テーブル(
図6)に示されるお気に入り設定610のお気に入りIDである。場所804に格納された「タブ1:8」は、ショートカット810に対応するショートカットボタン710のホーム画面上の場所を表しており、ショートカットボタン710がタブ1の8番目のボタンでることを示している。
【0055】
ホーム画面でショートカットボタン710が押下されると、ショートカット制御部210は、ショートカット管理テーブルからショートカットボタン710に対応するショートカットID801「S0001」を読み出す。そして、ショートカット制御部210は、読み出したショートカットID801「S0001」に対応する機能802(アプリケーション)であるコピーをコピー制御部205に実行させる。同時に、ショートカット制御部210は、読み出したショートカットID801「S0001」に対応する呼出お気に入り803に記録されたお気に入りID「F0001」を読み出す。そして、ショートカット制御部210は、お気に入り設定テーブル(
図6)から、読み出したお気に入りID「F0001」と一致するお気に入り設定610の設定603を読み出し、設定603を実行したアプリケーションに適用する。
【0056】
なお、本実施形態では、各アプリケーションに対して、1つのお気に入りを保持する例を説明しているが、これに限れるものではなく、それぞれのアプリケーションが複数のお気に入り設定を持つ形態であってもよい。アプリケーション一覧701からショートカットに登録したい所望のアプリを選択した際に当該アプリに2つ以上のお気に入り設定が登録されている場合は、不図示のお気に入り一覧選択画面を表示し、ユーザが所望のお気に入りを選択するようにすればよい。これにより、ホーム画面でショートカットを実行する場合に、所望のお気に入りが設定された所望の機能(アプリケーション)を即座に利用することができる。
【0057】
次に、ショートカットとICカードのカード情報の関係について説明する。ショートカット制御部210は、ショートカットに対してICカードのカード情報を対応付けて登録、管理する。事前にショートカットに対応するICカードを登録することで、ICカードをICカード読取装置131にかざすだけで、ICカードに対応したショートカットを実行することができる。
【0058】
なお、本実施形態において、ショートカットは、ユーザ情報が紐付いたカード情報に対応づけて登録することも可能であるが、ログインユーザーのユーザ情報に依存せず、ユーザ情報が紐付かないカード情報に対応づけて登録することも可能である。例えば、ユーザは、画像処理装置101にログインするために利用するユーザ情報が紐付いたICカード以外に、交通系ICカードなどユーザ情報が紐付かない任意のカードを保持している場合がある。ユーザは、ユーザ情報が紐付かない交通系ICカード等のカード情報に対応付けてショートカットを登録しておくことで、ログインすることなく、簡単にカード情報に対応付けられたショートカットを呼び出すことが可能となる。このように、ユーザ情報が紐付かないカード情報にショートカットを対応付ける場合は、ショートカットに対してユーザ情報をさらに紐づけて登録する必要がない。また、ユーザ情報が紐付いたICカードのカード情報については、ショートカットに対してカード情報を対応付けて登録するときやショートカットをインポートすることで登録するときなどに、そのユーザ情報の登録を制限することも可能である。
【0059】
ここで、ショートカットにICカードを対応付けて登録する例について説明する。
図9は、ショートカットに対応付けたICカードの登録を説明する図である。ショートカットにICカードを登録する一例として、登録されたショートカットボタンを長押しすることで、ICカード登録画面を表示させる方法がある。ショートカットボタン710にICカードを登録する場合を例に説明する。
図7(B)に示されるショートカットボタン710を長押しすると、
図9(A)に示されるICカード登録操作画面900が表示される。ICカード登録操作画面900には、ICカード登録ボタン901、ICカード削除ボタン902、操作を終了させるキャンセルボタンが表示される。
【0060】
ICカード登録ボタン901を押下すると、
図9(B)に示されるICカード登録画面910が表示される。ユーザがICカード読取装置131にICカードをかざすと、かざしたICカードのカード情報が読み取られ、カード情報のカードIDに対応付けて当該ショートカットが登録される。ICカード削除ボタン902を押下すると、当該ショートカットに登録されているICカードのカードIDが削除される。
【0061】
ショートカットとICカードの対応関係は、
図10に示されるICカード管理テーブルに格納される。
図10は、ICカード管理テーブルを説明する図である。ICカード管理テーブルは、ショートカット制御部210により管理される。ICカード管理テーブルでは、カードID1001およびショートカットID1002の対応関係がICカード情報として管理される。カードID1001には、カード情報として、登録するICカードに記録されている一意なカードIDが格納される。ショートカットID1002には、ICカードに対応して呼び出されるショートカットのショートカットID801が格納される。ICカード管理テーブルでは、ショートカットID1002にそれぞれ異なるカードID1001が対応付けられて格納される。すなわち、ショートカットにはそれぞれ異なるICカードが対応付けられる。
【0062】
ユーザがICカード読取装置131にICカードをかざすと、ICカード制御部209がICカードのカードIDを読み出し、ショートカット制御部210がICカード管理テーブルのカードID1001に当該カードIDが存在するか確認する。ICカード管理テーブルに読み出したカードIDが存在していれば、ショートカット制御部210は、当該カードIDに対応するショートカットID1002を読み出し、ショートカットID1002で指定されるショートカットの機能を実行する。また、ショートカットID1002で指定されるショートカットにお気に入り設定が対応付けられている場合は、お気に入りの設定でショートカットの機能が提供される。
【0063】
ICカード管理テーブルに示されるICカード情報1010は、ショートカットボタン710に、カードIDが「03BAF394AE277C80」であるICカードを登録した例である。カードID1001には「03BAF394AE277C80」が格納され、ショートカットID1002には、ショートカットボタン710に登録されているショートカットID「S0001」が格納される。
【0064】
次に、ショートカット情報のエクスポートおよびインポートについて説明する。画像処理装置101で設定したショートカット情報を他の画像処理装置でも利用したいケースがある。例えば、画像処理装置を買い替える場合、オフィス内に複数台の画像処理装置が存在する場合、画像処理装置の故障に備えてバックアップを取っておく場合などである。ICカードからの呼び出しを含むショートカット情報を画像処理装置101の外部に保存して、復元できるようにするため、ショートカット情報をエクスポートおよびインポートする例について説明する。
【0065】
本実施形態では、ネットワーク102を介して外部に存在する不図示のPCから、当該画像処理装置101の管理画面をウェブブラウザで表示して、ショートカット情報をエクスポートおよびインポートの操作を行う例を説明する。具体的には、ウェブブラウザのアドレスバーに画像処理装置101のIPアドレスを入力することで、画像処理装置101が提供するウェブサーバー機能にアクセスして、管理画面をウェブブラウザで表示することができる。なお、ショートカット情報をエクスポートおよびインポートする方法は、ウェブブラウザで表示した管理画面を経由する方法の限りでなく、ショートカット情報のエクスポートおよびインポートが実現できるのであれば他の形態でも構わない。例えば、画像処理装置101のディスプレイ上からエクスポートおよびインポートを指示するような形態でも構わない。
【0066】
ショートカット情報のエクスポート先/インポート元は、例えば、ネットワーク102を介して画像処理装置101と接続されたPC、サーバ等でもよいし、画像処理装置101に直接接続されるUSBメモリ等のメモリメディアでもよい。サーバは、サーバ装置の他、サーバ装置を含むデータセンターにより提供されたリソースを利用した仮想マシン(クラウドサービス)により実現されてもよいし、アプリケーションにより実現されてもよい。
【0067】
図11は、ショートカット情報のエクスポート/インポートの管理画面を説明する図である。画像処理装置101のショートカット情報のエクスポート/インポートの管理画面は、例えば、PC上のブラウザに表示される。本実施形態では管理画面を操作するユーザを限定していないが、例えば、管理画面を表示する前にログインを実施して、管理画面の表示もしくは操作を管理者ユーザのみに限定するようにしてもよい。ショートカット情報のエクスポート/インポートを行うために管理画面を表示すると、まず、エクスポートとインポートのいずれを行うのかを選択する選択画面1103が表示される。
【0068】
図11(A)は、ショートカット情報のエクスポート/インポートの選択画面1103の一例を示す図である。エクスポート/インポートの選択画面1103には、エクスポートボタン1101およびインポートボタン1102が表示される。ユーザは、ショートカット情報のエクスポートを実施する場合にはエクスポートボタン1101を選択し、ショートカット情報のインポートを実施する場合にはインポートボタン1102を選択する。
【0069】
エクスポートボタン1101が押下されると、不図示の保存先ファイルパス確認ダイアログが表示され、ユーザはエクスポートするファイルの保存先のパスを指定する。そして、お気に入り管理テーブル(
図6)、ショートカット管理テーブル(
図8)、ICカード管理テーブル(
図10)が、エクスポートデータとして保存先に指定されたファイルに、保存される。エクスポートデータの保存形式(エクスポートファイルのフォーマット)は、インポートを行う画像処理装置でショートカット情報を復元できる形式であればどのような形態であってもよい。保存形式は、例えば、CSV(Comma-Separated Values)などテキスト形式でもよいし、プログラム内の各テーブルのオブジェクトをシリアライズしたバイナリ形式でもよい。
【0070】
インポートボタン1102が押下されると、不図示の読取先ファイルパス確認ダイアログが表示され、ユーザはインポートするファイルのパスを指定する。指定したパスのエクスポートデータから、エクスポートで保存された形式に従って内容が読み込まれ、お気に入り管理テーブル(
図6)、ショートカット管理テーブル(
図8)、ICカード管理テーブル(
図10)が復元される。エクスポートを実施した画像処理装置と異なる画像処理装置でインポートを実施すれば、エクスポートした画像処理装置で設定されたショートカット情報を複数の画像処理装置に展開することができ、ユーザの利便性が高まる。
【0071】
次に、画像処理装置101におけるショートカット情報のエクスポートの処理について、
図12のフローチャートを用いて説明する。
図12は、ショートカット情報のエクスポート処理を示すフローチャートである。ショートカット情報のエクスポート処理では、ショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびショートカットに紐づくカード情報をエクスポートする。エクスポート対象のショートカットは、複数のショートカットから選択することが可能である。ショートカット情報のエクスポート処理は、ショートカット制御部210、表示操作制御部201、ネットワーク制御部203により実行される処理であり、ROM113に記憶されたプログラムがCPU111によって制御されることにより実現される。
【0072】
本フローチャートは、表示操作制御部201が、ネットワーク制御部203による通信を行い、PCに表示された選択画面1103内でエクスポートボタン1101が押下されたことを入力制御I/F114を介して検知することで開始される。なお、本フローチャート開始時点で、エクスポートするファイルの保存先のパスは指定されているものとする。また、本実施形態の本質ではないエラー処理(ステップS1204)の詳細な説明は省略する。
【0073】
ステップS1201において、ショートカット制御部210は、エクスポートするファイルの保存先のパスを取得する。本実施形態では、エクスポートするファイルの保存先のパスは事前に指定されているものとする。
【0074】
ステップS1202において、ショートカット制御部210は、ショートカット管理テーブル(
図8)を読み込む。
ステップS1203において、ショートカット制御部210は、ステップS1202で読み込んだショートカット管理テーブルにショートカット情報が登録されているか確認する。ショートカット管理テーブルにショートカット情報が1つ以上登録されている場合は、ステップS1205へ進む。一方、ショートカット管理テーブルにショートカット情報が登録されていない場合は、ステップS1204へ進む。
ステップS1204において、ショートカット制御部210は、エラーの表示を表示操作制御部201に指示する。表示操作制御部201は、エクスポート対象のショートカット情報が存在していない旨のエラーをユーザが操作するPCのブラウザ画面に表示して、終了する。
【0075】
ステップS1205において、ショートカット制御部210は、ステップS1202で読み込んだショートカット管理テーブル(
図8)のショートカット一覧の表示を表示操作制御部201に指示する。表示操作制御部201は、ネットワーク制御部203経由でユーザが操作するPCのブラウザ画面に、ショートカット一覧を表示する。ユーザはショートカット一覧からエクスポートさせたいショートカットを選択することで、所望のショートカットのみをエクスポートすることが可能となる。
【0076】
ショートカット一覧を表示する際に、ショートカットに紐づくお気に入り設定をショートカットと共に表示してもよい。お気に入り設定をショートカット一覧で表示させるために、ショートカット制御部210は、ショートカット管理テーブルの呼出お気に入り803に記載されたお気に入りIDに基づいて、お気に入り管理テーブルからお気に入りの設定情報を取得する。そして、ショートカット制御部210は、取得したお気に入りの設定情報を含んだショートカット一覧の表示を表示操作制御部201に指示する。
【0077】
図11(B)は、エクスポート対象のショートカットを選択するためのショートカット一覧画面の一例を示す図である。ショートカット一覧画面1113には、ショートカット一覧1111、全選択ボタン1110、決定ボタン1112が表示される。ショートカット一覧1111には、ショートカットとして登録されている各ショートカットのアプリケーション名とそのお気に入りの設定情報が表示される。ユーザは、ショートカット一覧1111からエクスポートさせたいショートカットを選択することで、所望のショートカットのみをエクスポートさせることが可能となる。
【0078】
全選択ボタン1110は、ショートカット一覧1111に表示された全てのショートカットを選択するボタンである。全選択ボタン1110を押下することで、画像処理装置101に登録されている全てのショートカットをエクスポート対象とすることができる。なお、本実施形態では、エクスポートが指示されるとショートカット一覧画面1113を表示して、ユーザがショートカット一覧1111からエクスポート対象のショートカットを選択可能な実施形態について説明しているが、これに限られるものではない。例えば、エクスポートボタン1101でエクスポートが指示されると、画像処理装置101に登録された全てのショートカットをエクスポートするようにしても構わない。この場合は、ショートカット一覧画面1113は表示されず、全選択ボタン1110が押下されて全てのショートカットが選択された状態での処理と同等の処理が行われる。
【0079】
ユーザにエクスポートするショートカットを選択させる画面として、ショートカットのアプリケーション名とそのお気に入り設定を一覧表示する例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、この限りでなく、ショートカット管理テーブルの場所804の情報を利用して、画像処理装置101で表示されるホーム画面でのショートカットの表示位置を視覚的に提示するなど他の形態でも構わない。
【0080】
また、ICカード情報と紐づいているショートカットのみをエクスポート対象とするようにしてもよい。これは、後述するステップS1208のICカード管理テーブルの読み込みを、ステップS1205のショートカット一覧表示を行う前に行い、ショートカット一覧を表示する際にICカードと紐づいているショートカットのみを表示することで実現できる。ショートカット一覧画面1113で決定ボタン1113が押下されると、ステップS1206へ進む。
【0081】
ステップS1206において、表示操作制御部201は、ネットワーク制御部203経由で、ユーザがショートカット一覧においてエクスポート対象に選択したショートカットを示すエクスポート対象情報を取得する。そして、表示操作制御部201は、エクスポート対象情報をショートカット制御部210に渡す。
ステップS1207において、ショートカット制御部210は、ステップS1206で取得したエクスポート対象情報に応じて、ステップS1202で読み込んだショートカット管理テーブルから、エクスポート対象のショートカット情報を取得する。
【0082】
ステップS1208において、ショートカット制御部210は、ICカード管理テーブル(
図10)を読み込む。
ステップS1209において、ショートカット制御部210は、ステップS1208で読み込んだICカード管理テーブルから、エクスポート対象のショートカット情報に対応するICカード情報をエクスポート対象のICカード情報として選択する。具体的には、ショートカット制御部210は、まず、ステップS1207でエクスポート対象に選択されたショートカット情報に対応するショートカットIDをショートカット管理テーブル(
図8)のショートカットID801から取得する。そして、ショートカット制御部210は、ICカード管理テーブル(
図10)のショートカットID1002を参照し、取得したショートカットIDと一致するショートカットIDを有するICカード情報をエクスポート対象のICカード情報として選択する。
【0083】
ステップS1210において、ショートカット制御部210は、お気に入り管理テーブル(
図6)を読み込む。
ステップS1211において、ショートカット制御部210は、お気に入り管理テーブルから、エクスポート対象のショートカット情報に対応するお気に入り設定情報を、エクスポート対象のお気に入り設定情報として選択する。具体的には、ショートカット制御部210は、まず、ステップS1207で選択されたエクスポート対象のショートカット情報に対応するショートカットIDをショートカット管理テーブル(
図8)のショートカットID801から取得する。そして、ショートカット制御部210は、お気に入り管理テーブル(
図6)のお気に入りID601を参照し、取得したショートカットIDと一致するショートカットIDを有する気に入り設定情報をエクスポート対象のお気に入り設定情報として選択する。
【0084】
ステップS1212において、ショートカット制御部210は、エクスポート対象のショートカット情報、ICカード情報、お気に入り設定情報をステップS1201で取得したエクスポート先のファイルパスにエクスポートファイルとして保存する。エクスポート対象のショートカット情報、ICカード情報、お気に入り設定情報は、ステップS1207で選択されたショートカット情報、ステップS1209で選択されたICカード情報、ステップS1211で選択されたお気に入り設定情報である。なお、エクスポート対象のショートカット情報、ICカード情報、お気に入り設定情報、すなわち、エクスポート対象のショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびショートカットに紐づくカード情報を広義のショートカット情報ともいう。エクスポートファイルのフォーマットは、インポートの際に復元できれるものであれば、どのような形態であっても構わない。以上で、エクスポート処理が完了する。
【0085】
次に、画像処理装置101におけるショートカット情報のインポートの処理について、
図13のフローチャートを用いて説明する。
図13は、ショートカット情報のインポート処理を示すフローチャートである。ショートカット情報のインポートの処理では、ショートカットに対応する機能と複数の設定の組合せおよびショートカットに紐づくカード情報をインポートすることにより、ショートカットとそれに従う機能を復元する。ショートカット情報のインポート処理は、ショートカット制御部210、表示操作制御部201、ネットワーク制御部203により実行される処理であり、ROM113に記憶されたプログラムがCPU111によって制御されることにより実現される。
【0086】
本フローチャートは、表示操作制御部201が、ネットワーク制御部203による通信を行い、PCに表示された選択画面1103内でインポートボタン1102が押下されたことを入力制御I/F114を介して検知することで開始される。なお、本フローチャート開始時点で、インポートするファイルの保存先のパスは指定されているものとする。また、本実施形態の本質ではないエラー処理の説明は省略する。
【0087】
ステップS1301において、ショートカット制御部210は、インポートするファイルの保存先のパスを取得する。
ステップS1302において、ショートカット制御部210は、ショートカット情報を読み込む。具体的には、ショートカット制御部210は、まず、ステップS1301で取得したインポートするファイルの保存先のパスから、エクスポートファイルを読み込み、エクスポートファイルのフォーマットに従ってエクスポートファイルを解析する。そして、ショートカット制御部210は、エクスポートファイルからショートカット情報を読み込む。
【0088】
ステップS1303において、ショートカット制御部210は、エクスポートファイルからICカード情報を読み込む。具体的には、ショートカット制御部210は、まず、ステップS1301で取得したインポートするファイルの保存先のパスから、エクスポートファイルを読み込み、エクスポートファイルのフォーマットに従ってエクスポートファイルを解析する。そして、ショートカット制御部210は、エクスポートファイルからICカード情報を読み込む。
【0089】
ステップS1304において、ショートカット制御部210は、エクスポートファイルからお気に入り設定情報を読み込む。具体的には、ショートカット制御部210は、まず、ステップS1301で取得したインポートするファイルの保存先のパスから、エクスポートファイルを読み込み、エクスポートファイルのフォーマットに従ってエクスポートファイルを解析する。そして、ショートカット制御部210は、エクスポートファイルからお気に入り設定情報を読み込む。
【0090】
ステップS1305において、ショートカット制御部210は、ステップS1302で読み込んだショートカット情報からショートカット一覧を作成し、ショートカット一覧の表示を表示操作制御部201に指示する。表示操作制御部201は、ネットワーク制御部203経由でユーザが操作するPCのブラウザ画面に、ショートカット一覧を表示する。ユーザはショートカット一覧からインポートさせたいショートカットを選択することで、所望のショートカットのみをインポートすることが可能となる。
【0091】
ショートカット一覧を表示する際に、ショートカットに紐づくお気に入り設定をショートカットと共に表示してもよい。ショートカット制御部210は、ステップS1302で読み込んだショートカット情報とステップS1304で読み込んだお気に入り設定情報に基づいて、ショートカットと共に対応するお気に入り設定をショートカット一覧を作成し、表示させる。
【0092】
図11(C)は、インポート対象のショートカットを選択するためのショートカット一覧画面の一例を示す図である。ショートカット一覧画面1123には、ショートカット一覧1121、全選択ボタン1120、決定ボタン1122が表示される。ショートカット一覧1121には、ショートカットとして登録されている各ショートカットのアプリケーション名とそのお気に入りの設定情報が表示される。ユーザは、ショートカット一覧1121からインポートしたいショートカットを選択することで、所望のショートカットのみをインポートすることが可能となる。
【0093】
全選択ボタン1120は、ショートカット一覧1121に表示された全てのショートカットを選択するボタンである。全選択ボタン1120を押下することで、エクスポートファイルの全てのショートカットをインポート対象とすることができる。ショートカット一覧画面1123で決定ボタン1123が押下されると、ステップS1306へ進む。なお、本実施形態では、インポートが指示されるとショートカット一覧画面1123を表示して、ユーザがショートカット一覧1121からインポート対象のショートカットを選択可能な実施形態について説明しているが、これに限られるものではない。例えば、インポートボタン1102でインポートが指示されると、エクスポートファイルにある全てのショートカットをインポートするようにしても構わない。この場合は、ショートカット一覧画面1123は表示されず、全選択ボタン1120が押下されて全てのショートカットが選択された状態での処理と同等の処理が行われる。
【0094】
ユーザにインポートするショートカットを選択させる画面として、ショートカットのアプリケーション名とそのお気に入り設定を一覧表示する例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、この限りでなく、ステップS1302で読み込んだショートカット情報の場所804の情報を利用して、ホーム画面でのショートカットの表示位置を視覚的に提示するなど他の形態でも構わない。
【0095】
ステップS1306において、表示操作制御部201は、ネットワーク制御部203経由で、ユーザがショートカット一覧においてインポート対象に選択したショートカットを示すインポート対象情報を取得する。そして、そして、表示操作制御部201は、インポート対象情報をショートカット制御部210に渡す。
【0096】
ステップS1307において、ショートカット制御部210は、インポート先である画像処理装置101が保持するショートカット管理テーブル(
図8)をクリアする。
ステップS1308において、ショートカット制御部210は、ステップS1302で読み込んだショートカット情報をショートカット管理テーブルに格納し、ショーカット管理テーブルを復元する。
【0097】
ステップS1309において、ショートカット制御部210は、インポート先である画像処理装置101が保持するICカード管理テーブル(
図10)をクリアする。
ステップS1310において、ショートカット制御部210は、ステップS1303で読み込んだICカード情報をICカード管理テーブルに格納し、ICカード管理テーブルを復元する。
【0098】
ステップS1311において、ショートカット制御部210は、インポート先である画像処理装置101が保持するお気に入り設定管理テーブル(
図6)をクリアする。
ステップS1312において、ショートカット制御部210は、ステップS1304で読み込んだお気に入り設定情報をお気に入り設定管理テーブルに格納し、お気に入り設定管理テーブルを復元する。以上のインポート処理により、エクスポート元の画像処理装置からエクスポートされたショートカットに従う機能をインポート先の画像処理装置で提供可能となる。
【0099】
なお、本実施形態では、インポート先にあるショートカット情報、ICカード情報、お気に入り設定情報をクリアし、全てエクスポートファイルに格納されている情報に置き換える例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、インポート先に登録済みの各情報に、エクスポートファイルからインポートする情報を追加して上書きする形態であってもよい。この場合は、ステップS1307、ステップS1309、ステップS1311における各管理テーブルのクリアを実施せず、ショートカット管理テーブル、ICカード管理テーブル、お気に入り設定管理テーブルにそれぞれインポートする情報が追加される。既存の各管理テーブルにすでに情報が登録されている場合には、エクスポートファイルから読み込んだ情報で上書きするかをユーザに選択させるようにしてもよい。例えば、インポート先である画像処理装置101の既存のショートカット管理テーブルの場所804の情報と、エクスポートファイルに格納されているショートカット情報の場所の情報を比較し、同一の場合は、上書き確認画面を表示させる。そして、確認画面においてユーザにショートカット情報のインポート可否を選択させる。また、インポート先である画像処理装置101の既存のICカード管理テーブルのカードID1004と、エクスポートファイルに格納されているカード情報のカードIDを比較し、同じカードIDが存在した場合には、上書き確認画面を表示させる。そして、確認画面においてユーザにICカード情報のインポート可否を選択させる。
【0100】
また、全てエクスポートファイルに格納されている情報に置き換えたり、既存の情報にエクスポートファイルに格納されている情報を追加したりせず、既存の設定を優先させるためエクスポートファイルに格納されている情報を復元させないようにしてもよい。例えば、インポート先の既存のICカード管理テーブルのカードID1004と、エクスポートファイルに格納されているショートカットに紐づくカードIDを比較し、同じカードIDが存在した場合には、当該カードIDのカード情報を復元しない。そして、ショートカット制御部210は、インポートが失敗したとして、エラーの表示を表示操作制御部201に指示する。表示操作制御部201は、既に対応するショートカットが登録済みのカードであるため当該インポートが失敗した旨のエラーをユーザが操作するPCのブラウザ画面に表示する。
【0101】
以上のように、本実施形態によれば、画像処理装置に設定済みのICカードに紐づくショートカットの設定をエクスポートでき、エクスポートした設定を他の画像処理装置インポートすることによって他のMFPに容易に移すことが可能になる。
【0102】
(第2実施形態)
第1実施形態では、インポートを行うとICカード情報も含めてインポートが行われたが、本実施形態では、ショートカットに紐づいているICカード情報を除いてインポートする例を示す。例えば、共通のユーザのいない別の部署の画像処理装置にもショートカットをインポートしたい場合、ICカード情報も含めてインポートされてしまうと、インポート後にショートカットに紐づいているICカード情報をすべて削除する手間が掛かってしまう。そこで、ICカード情報を除いてインポートすることで、画像処理装置の管理者の手間を省くことができる。
【0103】
図14は、第2実施形態におけるショートカット情報のエクスポート/インポートの選択画面1103の一例を示す図である。第2実施形態におけるエクスポート/インポートの選択画面1103には、エクスポートボタン1101およびインポートボタン1102に加えて、ICカード情報インポートチェックボックス1401が表示される。エクスポートボタン1101およびインポートボタン1102は、第1実施形態(
図11(A))と同様のため、説明を省略する。
【0104】
ICカード情報インポートチェックボックス1401は、インポート処理においてショートカットに紐づくICカード情報を復元するか否かを設定するチェックボックスである。ICカード情報インポートチェックボックス1401がチェックされていない場合は、第1実施形態のようにICカード情報がインポートされる。一方、ICカード情報インポートチェックボックス1401がチェックされている場合は、ICカード情報がインポートされない。これにより、ICカード情報をインポートするか否かをユーザが選択することが可能となる。
【0105】
図15は、第2実施形態におけるインポート処理を示すフローチャートである。ショートカット情報のインポート処理は、ショートカット制御部210、表示操作制御部201、ネットワーク制御部203により実行される処理であり、ROM113に記憶されたプログラムがCPU111によって制御されることにより実現される。なお、第1実施形態のインポート処理(
図13)と同様の処理については、同一の符号を付すことでその説明を省略する。また、本実施形態の本質ではないエラー処理の説明は省略する。
【0106】
本フローチャートは、表示操作制御部201が、ネットワーク制御部203による通信を行い、PCに表示された選択画面1103内でインポートボタン1102が押下されたことを入力制御I/F114を介して検知することで開始される。なお、本フローチャート開始時点で、インポートするファイルの保存先のパスは指定されているものとする。以下では、第1実施形態との差異であるステップS1501およびステップS1502について説明する。
【0107】
ステップS1501は、ショートカット情報を読み込む処理(ステップS1302)の後に行われる処理である。ステップS1501において、ショートカット制御部210は、ICカード情報をインポートする設定になっているか否かを判断する。ショートカット制御部210は、ICカード情報インポートチェックボックス1401がチェックされているかを確認することで、ICカード情報をインポートする設定になっているか否かを行う。ICカード情報をインポートする設定になっていると判断した場合は、ステップS1303へ進む。一方、ICカード情報をインポートする設定になっていないと判断した場合は、ステップS1303のICカード情報読み込み処理をスキップして、ステップS1304へ進む。
【0108】
ステップS1502は、ショートカット情報をインポート先の画像処理装置101に格納する処理(ステップS1308)の後に行われる処理である。
ステップS1502において、ショートカット制御部210は、カード情報をインポートする設定になっているか否かを判断する。ショートカット制御部210は、ステップS1501と同様に、ICカード情報インポートチェックボックス1401がチェックされているかを確認することで、ICカード情報をインポートする設定になっているか否かを行う。ICカード情報をインポートする設定になっていると判断した場合は、ステップS1309へ進む。一方、ICカード情報をインポートする設定になっていないと判断した場合は、ステップS1309およびステップS1310のICカード管理テーブルの復元処理をスキップして、ステップS1311へ進む。
【0109】
以上のように、本実施形態によれば、インポートの際にICカード情報を除いてショートカット情報を復元できるため、管理者がインポート後にショートカットに紐づいているICカード情報を削除する手間を省くことができる。
【0110】
本実施形態では、インポートの際にカード情報を除いてショートカット情報を格納する例を説明したが、エクスポートの際にカード情報を除いてショートカット情報をエクスポートするようにしてもよい。エクスポート対象からカード情報を除外する場合には、
図12のステップS1208およびステップS1209がスキップされる。また、ショートカット情報のエクスポート/インポートの選択画面において、カード情報をエクスポートするか否かをユーザに選択させ、選択結果に応じてステップS1208およびステップS1209を実行するか否か決定するようにしてもよい。このように、カード情報については、ショートカットをエクスポートする際やインポートする際に、カード情報の出力または格納を制限することが可能である。
【0111】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0112】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。