IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

特許7518782計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法
<>
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図1
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図2
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図3
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図4
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図5
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図6
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図7
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図8
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図9
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図10
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図11
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図12
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図13
  • 特許-計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-09
(45)【発行日】2024-07-18
(54)【発明の名称】計測装置、リソグラフィ装置、および物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20240710BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20240710BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240710BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
G01B11/00 G
G01B11/02 G
H01L21/30 502D
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021025523
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127394
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 正
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-524152(JP,A)
【文献】特開2014-235154(JP,A)
【文献】特開2021-5684(JP,A)
【文献】特開2020-122680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
9/00-9/029
H01L 21/20-21/46
G03F 7/20-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検物の位置を計測する計測装置であって、
複数の波長を有する光を前記被検物の計測対象箇所に照射し、前記計測対象箇所で反射された光に基づいて前記計測対象箇所の位置を検出する検出部と、
前記検出部での検出結果に基づいて、前記被検物の位置を決定する処理部と、
を備え、
前記検出結果は、記検出部と前記被検物との距離に応じて振幅が周期的に変化する波形で表される誤差を含み、
前記処理部は、前記誤差の波形における振幅が許容範囲内となる前記距離において前記検出部に前記計測対象箇所の位置を検出させる、ことを特徴とする計測装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記誤差の波形における振幅が前記許容範囲内となるように前記検出部と前記被検物との目標距離を決定し、前記目標距離において前記検出部に前記計測対象箇所の位置を検出させる、ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記誤差の波形の一部を抽出する区間を変更しながら、当該区間ごとに前記誤差の大きさを示す指標値を求めることにより、前記距離と前記指標値との関係を示す情報を生成し、前記情報に基づいて前記目標距離を決定する、ことを特徴とする請求項2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記区間における前記誤差の最大値と最小値との差分を前記指標値として求める、ことを特徴とする請求項3に記載の計測装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記区間における前記誤差の標準偏差を前記指標値として求める、ことを特徴とする請求項3に記載の計測装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記区間における前記誤差の波形を正弦波で近似したときに得られる振幅を前記指標値として求める、ことを特徴とする請求項3に記載の計測装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記誤差の波形の周期の1/(n≧2)だけ前記距離が互いに異なる複数の状態の各々について前記検出部に前記計測対象箇所の位置を検出させることによりn個の検出結果を取得し、前記n個に検出結果に基づいて前記被検物の位置を決定する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項8】
基板上にパターンを形成するリソグラフィ装置であって、
被検物の位置を計測する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の計測装置と、
前記計測装置での計測結果に基づいて、前記基板上へのパターンの形成を制御する制御部と、
を備え、
前記計測装置は、前記被検物として、前記基板の位置、および/または前記基板に転写すべきパターンを有する原版の位置を計測する、ことを特徴とするリソグラフィ装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の計測装置を用いて被検物の位置を計測する計測工程と、
前記計測工程での計測結果に基づいて前記被検物を加工する加工工程と、
を含み、
前記加工工程で加工された前記被検物から物品を製造する、ことを特徴とする物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検物の位置を計測する計測装置、それを用いたリソグラフィ装置、および物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被検物(被検面)で反射された被検光と参照面で反射された参照光との干渉により生成される干渉信号に基づいて被検物の位置を計測する計測装置(干渉計)が知られている。このような計測装置では、光路長に応じて周期的に変化する非線形誤差(サイクリックエラーとも呼ばれる)が計測結果に生じうる。特許文献1には、被検光の光路長が誤差(サイクリックエラー)の周期の1/n(n≧2)だけ互いに異なるn種類の状態の各々において被検物の位置を計測し、n種類の状態での計測結果を用いて当該誤差を相殺する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6655888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているようにn種類の状態の各々で被検物の位置を計測する方法では、計測回数(即ち、nの値)が多いほど計測精度が向上するが、その分スループットが低下しうる。
【0005】
そこで、本発明は、被検物の位置の計測精度の点で有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての計測装置は、被検物の位置を計測する計測装置であって、複数の波長を有する光を前記被検物の計測対象箇所に照射し、前記計測対象箇所で反射された光に基づいて前記計測対象箇所の位置を検出する検出部と、前記検出部での検出結果に基づいて、前記被検物の位置を決定する処理部と、を備え、前記検出結果は、記検出部と前記被検物との距離に応じて振幅が周期的に変化する波形で表される誤差を含み、前記処理部は、前記誤差の波形における振幅が許容範囲内となる前記距離において前記検出部に前記計測対象箇所の位置を検出させる、ことを特徴とする。
【0007】
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、被検物の位置の計測精度の点で有利な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】インプリント装置の構成を示す概略図
図2】インプリント材の未充填および浸み出しを説明するための図
図3】計測装置20の構成例を示す概略図
図4】サイクリックエラーを説明するための図
図5】複数の波長を有する光を用いた場合のサイクリックエラーを説明するための図
図6】サイクリックエラーの波形を取得して目標距離を決定する方法を示すフローチャート
図7】抽出区間ごとに、サイクリックエラーの標準偏差を指標値として求める例を説明するための図
図8】抽出区間ごとに、サイクリックエラーの最大値と最小値との差分を指標値として求める例を説明するための図
図9】抽出区間ごとに、サイクリックエラーの波形を正弦波で関数近似したときに得られる振幅を指標値として求める例を説明するための図
図10】被検物の位置を決定する方法を示すフローチャート
図11】インプリント処理を示すフローチャート
図12】インプリント処理の各状態を示す概念図
図13】被検物の位置の決定方法を示すフローチャート
図14】物品の製造方法を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
以下の実施形態では、リソグラフィ装置として、モールドを用いて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置を例示して説明するが、それに限られるものではない。例えば、部材を用いて基板上の組成物を平坦化する平坦化装置、基板を露光して当該基板上に原版のパターンを転写する露光装置、荷電粒子線を用いて基板上にパターンを形成する描画装置などの他のリソグラフィ装置においても本発明を適用することができる。
【0012】
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態について説明する。インプリント装置は、基板上に供給されたインプリント材と型とを接触させ、インプリント材に硬化用のエネルギを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する装置である。例えば、インプリント装置は、基板上にインプリント材を供給し、凹凸のパターンが形成されたモールド(型)を基板上のインプリント材に接触させた状態で当該インプリント材を硬化させる。そして、モールドと基板との間隔を広げて、硬化したインプリント材からモールドを剥離(離型)することで、基板上にインプリント材のパターン層を形成することができる。このような一連の処理は「インプリント処理」と呼ばれ、基板における複数のショット領域の各々について行われる。
【0013】
インプリント材には、硬化用のエネルギが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギとしては、電磁波、熱等が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。
【0014】
硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合性化合物と光重合開始材とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマ成分などの群から選択される少なくとも一種である。
【0015】
インプリント材は、スピンコータやスリットコータにより基板上に膜状に付与される。あるいは、液体噴射ヘッドにより、液滴状、あるいは複数の液滴が繋がってできた島状または膜状となって基板上に付与されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。
【0016】
[インプリント装置]
図1は、本実施形態のインプリント装置1の構成を示す概略図である。図1では、モールド3に照射される光の光軸に平行な方向をZ軸方向とし、当該Z方向に垂直な平面内で互いに直交する方向をX軸方向およびY軸方向としている。また、以下の説明において「X軸方向」と記載されている場合、それは+X方向および-X方向を含むものとして定義されうる。「Y軸方向」および「Z軸方向」についても同様である。
【0017】
インプリント装置1は、例えば、硬化部2と、インプリントヘッド4と、ステージ6と、供給部7と、観察部13と、第1計測部8と、第2計測部9と、制御部10とを備えうる。制御部10は、例えばCPUやメモリなどを有するコンピュータによって構成され、インプリント装置1の各部を制御する(インプリント処理を制御する)。ここで、インプリントヘッド4は、ベース定盤15により支柱17を介して支持されたブリッジ定盤18に設けられており、ステージ6は、ベース定盤15上を移動可能に設けられている。また、インプリント装置1には、インプリント装置1が設置されている床からベース定盤15に伝わる振動を低減するための除振機16が設けられている。
【0018】
モールド3(原版)は、通常、石英ガラスなど紫外線を透過させることが可能な材料で作製され、基板側の面における一部の領域(パターン領域)には、基板上のインプリント材に転写されるべき凹凸パターンが3次元状に形成されている。また、基板5としては、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられ、必要に応じて、その表面に基板とは別の材料からなる基板が形成されていてもよい。基板5としては、具体的に、シリコンウェハ、化合物半導体ウェハ、石英ガラスなどである。また、インプリント材の付与前に、必要に応じて、インプリント材と基板との密着性を向上させるために密着層を設けてもよい。基板5は、パターンが未だ形成されていないブランクモールドであってもよい。
【0019】
硬化部2(照射部)は、インプリント処理の際、モールド3と基板5上のインプリント材とが接触している状態で、基板5上のインプリント材にモールド3を介して光(例えば紫外線)を照射することにより当該インプリント材を硬化させる。硬化部2は、例えば、光源と、光源から射出された光をインプリント処理に適切な光に調整するための光学素子とを含みうる。図1に示すインプリント装置1では、硬化部2から射出された光2aがミラーで反射されて基板5上のインプリント材に照射されるように構成されている。
【0020】
インプリントヘッド4は、モールド搬送部11により搬送されたモールド3を保持するモールドチャックと、モールドチャックにより保持されたモールド3の位置および傾きを変更可能に構成されたモールド駆動部とを含みうる。モールド駆動部は、例えば、基板5上のインプリント材にモールド3を押し付けたり、硬化したインプリント材からモールド3を剥離したりするように、モールド3をZ方向に駆動してモールド3と基板5との間隔を変更するZ駆動機構を含みうる。また、モールド駆動部は、モールド3を傾けるチルト駆動機構などを含んでもよい。
【0021】
ステージ6は、基板5を保持してベース定盤15の上をXY方向に移動可能に構成される。ステージ6は、例えば、基板搬送部12により搬送された基板5を保持する基板チャックと、基板チャックにより保持された基板5の位置および傾きを変更可能に構成された基板駆動部とを含みうる。基板駆動部は、例えば、XY方向、Z方向およびθ方向(Z軸周りの回転方向)に基板5を駆動する駆動機構、および/または、基板5を傾けるチルト駆動機構などにより構成されうる。
【0022】
本実施形態のインプリント装置1では、モールド3と基板5との間隔を変更する動作は、インプリントヘッド4でモールド3をZ方向に駆動することにより行われうる。しかしながら、それに限られず、例えば、ステージ6で基板5をZ方向に駆動することにより行われてもよいし、インプリントヘッド4およびステージ6の双方でモールド3と基板5とを相対的にZ方向に駆動することにより行われてもよい。
【0023】
観察部13は、例えば、モールド3に設けられたマークと基板5に設けられたマークとの相対位置ずれを観察(検出)するTTM(Through The Mold)スコープを含む。これにより、制御部10は、観察部13(TTMスコープ)により観察されたモールド3のマークと基板5のマークとの相対位置ずれに基づいて、モールド3と基板5とのアライメント(位置合わせ)を行うことができる。また、供給部7は、基板5上にインプリント材14(例えば未硬化樹脂)を供給する。本実施形態では、紫外線の照射によって硬化する性質を有する紫外線硬化樹脂がインプリント材14として用いられうる。
【0024】
第1計測部8は、基板5の表面(型側の表面)の高さ分布を計測する。例えば、第1計測部8は、基板5に光(レーザ光)を照射し、光が照射された基板5の計測対象箇所の高さ(Z方向の位置)を検出するレーザ干渉計を含みうる。第1計測部8は、ステージ6で基板5を移動させながら、基板5の表面における複数の計測対象箇所の各々で高さを検出することにより、基板5の表面の高さ分布を計測することができる。基板5の表面の高さ分布からは、例えば、基板5の表面形状や基板5の表面の傾きを得ることができる。
【0025】
第2計測部9は、モールド3の表面(基板側の表面)の高さ分布を計測する。例えば、第2計測部9は、モールド3に光(レーザ光)を照射し、光が照射されたモールド3の計測対象箇所の高さ(Z方向の位置)を検出するレーザ干渉計を含みうる。第2計測部9は、ステージ6に設けられ、ステージ6により移動しながら、モールド3の表面における複数の計測対象箇所の各々で高さを検出することにより、モールド3の表面の高さ分布を計測することができる。モールド3の表面の高さ分布からは、例えば、モールド3の表面形状やモールド3の表面の傾きを得ることができる。
【0026】
[計測装置(第1計測部、第2計測部)]
インプリント装置1では、図2(a)に示されるように、インプリント処理においてモールド3と基板5とが相対的に傾いていると、図2(b)に示されるように、インプリント材14の未充填14aや浸み出し14bが生じることがある。インプリント材14の未充填14aとは、基板5のショット領域5aの内側においてインプリント材14が部分的に充填されないことである。インプリント材14の浸み出し14bとは、基板5のショット領域5の外側にインプリント材14がはみ出すことである。また、この場合、硬化後のインプリント材14で構成される凹凸パターンの残膜厚(凹凸パターンの凹部と基板5との間の厚さ)がショット領域内で均一にならず、当該凹凸パターンをマスクとするエッチング処置などの後処理に影響を及ぼすことがある。そのため、本実施形態のインプリント装置1には、第1計測部8および第2計測部9が設けられ、それらの計測結果に基づいて、モールド3と基板5の相対傾きが目標相対傾き(例えば平行)になるように制御される。
【0027】
図3は、第1計測部8および/または第2計測部9として用いられる計測装置20の構成例を示す概略図である。計測装置20は、被検物OB(基板5またはモールド3)の位置を計測する装置であり、例えば、光源21と、検出部22と、処理部23とを含みうる。光源21は、例えばレーザ光源やLEDなどを含み、複数の波長を有する光を射出する。光源21は、複数の波長を有する光として、ある程度の波長の幅(波長帯域)を有する光を射出すると理解されてもよい。検出部22は、光源21から射出された光を被検物OBの計測対象箇所に照射し、当該計測対象箇所で反射された光に基づいて、当該計測対象箇所の位置を検出する。処理部23は、例えばCPU(プロセッサ)やメモリなどを有するコンピュータによって構成され、計測装置20の各部を制御するとともに、検出部22での検出結果に基づいて被検物OBの位置を決定する。本実施形態の場合、処理部23は、被検物OBの位置の決定だけでなく、検出部22と被検物OBとの距離Lの制御(調整)も行うように構成されうる。距離Lの制御は、例えば、インプリントヘッド4および/またはステージ6を駆動することにより行われてもよいし、検出部22を駆動する駆動機構24を設けて、当該駆動機構24により行われてもよい。また、処理部23は、インプリント装置1の制御部10の一部として構成されてもよい。
【0028】
光源21は、半導体レーザや固体レーザなどを含み、光を射出する。本実施形態の場合、光源21は、複数の波長(例えば、波長660nm、波長700nm)を有するレーザ光21aを射出するように構成される。検出部22は、例えば、ビームスプリッタ22aと、偏光ビームスプリッタ22bと、λ/4板22cと、ミラー22dと、参照面22eと、受光部22fとを含みうる。光源21から射出されて検出部22に入射したレーザ光21aは、ビームスプリッタ22aを透過した後、偏光ビームスプリッタ22bにより、P偏光成分を含む光とS偏光成分を含む光とに分割される。P偏光成分を含む光およびS偏光成分を含む光のうち一方は、偏光ビームスプリッタ22bを透過して参照面22eに入射する。参照面22eで反射された光は、偏光ビームスプリッタ22bを透過してビームスプリッタ22aに入射する。以下では、参照面22eで反射された光を参照光21bと呼ぶ。
【0029】
一方で、P偏光成分を含む光およびS偏光成分を含む光のうち他方は、偏光ビームスプリッタ22bで反射されてλ/4板22cに入射し、偏光方位が90°回転されてミラー22dに入射する。ミラー22dで反射された光は再度λ/4板22cに入射し、偏光方位が90°回転されて偏光ビームスプリッタ22bに入射する。この光は、偏光ビームスプリッタ22bで反射される光の偏光方位に対して180°回転した偏光方位を有するため、偏光ビームスプリッタ22bを透過して被検物OB(計測対象箇所)に照射される。被検物OB(計測対象箇所)で反射された光は、偏光ビームスプリッタ22bを透過してλ/4板22cに入射し、偏光方位が90°回転されてミラー22dに入射する。ミラー22dで反射された光は再度λ/4板22cに入射し、偏光方位が90°回転されて偏光ビームスプリッタ22bに入射する。この光は、偏光ビームスプリッタ22bを透過する光の偏光方位に対して180°回転した偏光方位を有するため、偏光ビームスプリッタ22bで反射されてビームスプリッタ22aに入射する。以下では、被検物OBで反射された光を被検光21cと呼ぶ。
【0030】
ビームスプリッタ22aに入射し、当該ビームスプリッタ22aで反射された参照光21bおよび被検光21cは、干渉光を形成して受光部22fに入射する。受光部22fは、干渉光を受光する受光センサを有するとともに、当該受光センサで受光した干渉光(干渉信号)に基づいて、被検物OBの計測対象箇所の位置(高さ)を検出する。このようにして、検出部22は、被検物OBの計測対象箇所の位置を検出することができる。そして、処理部23は、検出部22での検出結果に基づいて、被検物OBの位置(高さ)を決定する。処理部23は、被検物OBにおける複数の計測対象箇所の各々について位置を決定することにより、被検物OBの傾きや形状を求めることができる。
【0031】
このように構成された計測装置20では、検出部22での検出結果に、検出部22と被検物OB(計測対象箇所)との距離L(光路量)に応じて周期的に変化する非線形誤差(サイクリックエラーとも呼ばれる)が生じることが知られている。図4(a)は、検出部22と被検物OBとの距離Lを横軸とし、検出部22の検出結果(検出値、出力値)を縦軸として図を示している。距離Lと検出部22の検出結果との関係は、図4(a)の破線で示されるような線形の関係になることが理想的であるが、実際には、図4(a)の実線で示されるように、距離Lに応じて周期的に変化する非線形成分を含む特性(値)となる。この非線形成分がサイクリックエラーである。図4(b)は、図4(a)における理想値(破線)と実測値(実線)との差分、即ちサイクリックエラーを抽出した結果を示している。サイクリックエラーは、図4(b)に示されるように、距離Lに対して正弦波、もしくはそれに近い波形を有していることが分かる。この波形の振幅Aは、計測装置20の構成に依存し、例えば、数10nm、或いは、100nmを超える場合がある。また、波形の周期Tは、計測装置20で用いられる光の波長(即ち、光源21の波長)に依存し、例えば600nmの赤色レーザを光源21として用いる場合、周期Tは、300nm、150nm、またはそれらの合成となりうる。なお、振幅Aとは、1周期における波形のピーク値(絶対値)として定義されうる。
【0032】
ここで、発明者は、計測装置20の光源21から射出される光21aとして、複数の波長を有する光(所定の幅を有する波長帯の光と理解されてもよい)を使用すると、複数の波長の相互作用により、サイクリックエラーが部分的に小さくなることを見出した。計測装置20において複数の波長を有する光を用いる場合、サイクリックエラーは、複数の波長に依存した成分の合成となる。一例として、波長660nmと波長700nmとを有する光を使用し、単純化のため、サイクリックエラーにおいて光源波長の1/2成分が支配的になるとする。この場合、サイクリックエラーは、波長660nmの光に起因する周期330nmの成分と、波長700nmの光に起因する周期350nmの成分とが合成された波形となる。
【0033】
図5(a)~(b)は、複数の波長(波長660nm、波長700nm)を有する光を用いた場合のサイクリックエラーを説明するための図であり、横軸は検出部22と被検物OBとの距離Lを示しており、縦軸はサイクリックエラーを示している。図5(a)は、波長660nmの光に起因するサイクリックエラーの波形(周期330nmの成分:実線)と、波長700nmの光に起因するサイクリックエラー(周期350nmの成分:破線)の波形とをそれぞれ個別に表した例を示している。図5(a)では、単純化のため、振幅はどちらも50nmとしている。また、図5(b)は、波長660nmおよび波長700nmの両方を有する光を用いた場合に実際に得られるサイクリックエラーの波形を示している。なお、図5(a)~(b)は、距離Lに対するサイクリックエラーの波形のうち、距離Lが0~6000nmの範囲で部分的(局所的)に抽出したものであり、距離Lが6000nm以上では、図5(a)~(b)に示される波形が繰り返し現れる。
【0034】
図5(b)から分かるように、波長660nmおよび波長700nmを有する光を用いた場合、実際に得られるサイクリックエラーの波形は、図5(a)に示す各波長の光に起因するサイクリックエラーが合成された波形となる。つまり、実際に得られるサイクリックエラーの波形は、複数の波長の相互作用により、距離Lに応じて振幅Aが周期的に変化する波形となり、強め合う部分と弱め合う部分とが現れる。図5(b)に示される波形では、距離Lが0~2900nmの範囲において、距離Lが大きくなるにつれての振幅Aが小さくなり、距離Lが2900~5800nmの範囲において、距離Lが大きくなるについて振幅Aが大きくなる傾向となる。つまり、距離Lが2900nm付近においてサイクリックエラーが小さくなる傾向となる。また、図5(b)に示される波形は、約350nmの周期で変動する高周数成分(サイクリックエラーの細かい変動)と、約5800nmの周期で変動する低周波成分(振幅Aの変動)とを含む波形であると理解されてもよい。
【0035】
そこで、本実施形態の計測装置20(処理部23)は、サイクリックエラーの波形における振幅Aが許容範囲内(許容範囲AR内)となる距離Lにおいて検出部22に被検物OBの計測対象箇所の位置を検出させる。例えば、処理部23は、サイクリックエラーの波形における振幅A(低周波成分)が許容範囲AR内となるように検出部22と被検物OBとの目標距離を決定し、目標距離において検出部22に被検物OBの計測対象箇所の位置を検出させる。これにより、検出部22の検出結果に含まれるサイクリックエラーを低減し、被検物OBの位置を精度よく計測することができる。なお、許容範囲は、任意に設定可能であるが、例えば、計測結果に生じうるサイクリックエラー(絶対値)の最大値の半分(50%)以下、好ましくは当該最大値の30%以下、より好ましくは当該最大値の10%以下に設定されうる。
【0036】
[目標距離の決定方法]
次に、図5(b)に示すようなサイクリックエラーの波形を取得し、検出部22と被検物OBとの目標距離(以下では、単に目標距離と表記することがある)を決定する方法について説明する。図6は、サイクリックエラーの波形を取得して目標距離を決定する方法を示すフローチャートである。サイクリックエラーの波形の取得および目標距離の決定は、処理部装置立ち上げ時や装置メンテナンス時など、インプリント処理の前に事前に行われうる。以下では、被検物OBとしてモールド3を例示し、上記の計測装置20として構成された第2計測部9によりモールド3の位置(高さ)を計測する例について説明する。
【0037】
工程S11では、処理部23は、第2計測部9(検出部22)とモールド3との距離Lを調整する。例えば、第2計測部9により実際にモールド3の表面を計測するときの高さ付近にモールド3が配置されるように距離Lを調整する。距離Lの調整は、インプリントヘッド4をZ軸方向駆動することによって行われうる。このとき、空気揺らぎの影響が低減されるように、第2計測部9とモールド3とを可能な限り近づけること、即ち、距離Lを、第2計測部9の計測範囲内において可能な限り小さい値に設定することが好ましい。ただし、距離Lが小さすぎると、インプリントヘッド4(モールド3)とステージ6(基板5、第2計測部9)とが接触(干渉)することがあるため、接触しない程度の距離Lに設定されるとよい。一例として、距離Lは、例えば数10μmから数100μm程度の間隔(モールド3と第2計測部9との間隔)に設定されうる。また、工程S11では、モールド3の中央部を計測対象箇所として第2計測部9による計測が行われるように、ステージ6により第2計測部9のXY方向の位置が調整されうる。
【0038】
工程S12では、処理部23は、モールド3の表面高さ(計測対象箇所の位置)を検出部22に検出させ、距離Lと検出結果(表面高さ)とを対応付けて記憶する。次いで、工程S13では、処理部23は、距離Lを変更してモールド3の表面高さを検出部22に引き続き検出させるか否かを判断する。例えば、処理部23は、1周期以上の振幅Aの変化を含むサイクリックエラーの波形(例えば図5(b)に示される波形)が得られていない場合に、距離Lを変更してモールド3の表面高さを引き続き検出すると判断することができる。この場合、工程S11に進み、ステージ6(第2計測部9)のXY方向の位置を固定したままインプリントヘッド4をZ軸方向に駆動することにより次の距離Lに変更(調整)し、モールド3(計測対象箇所)の表面高さを検出部22に検出させる。
【0039】
ここで、距離Lの変更量は、第2計測部9(検出部22)におけるサイクリックエラーの周期(低周波成分の周期)より十分小さい必要がある。サイクリックエラーの周期が300~400nm程度であれば、距離Lの変更量(インプリントヘッド4のZ駆動ピッチ)は数10nm程度に設定されうる。このように距離Lが変更された複数の状態の各々において、工程S11~S12におけるモールド3の表面高さの検出が繰り返し行われる。モールド3の表面高さの検出を繰り返す範囲は、第2計測部9に依存する。例えば、サイクリックエラーの波形では、図5(b)に示されるように、数μmから数10μmごとに、サイクリックエラーの振幅Aが小さくなる距離Lと、サイクリックエラーの振幅Aが大きくなる距離Lとが交互に(周期的に)現れる。そのため、1周期分の振幅Aの変化がみられる範囲より大きい範囲でモールド3の表面高さの検出を繰り返すとよい。なお、このようにモールド3の表面高さの検出を繰り返し行う場合、相当の時間を要するため、上述したように、工程S11~S13は、実際にインプリント処理を行う前における装置調整時に行われることが望ましい。
【0040】
工程S14では、処理部23は、工程S11~S13を繰り返すことにより得られたサイクリックエラーの波形に基づいて目標距離を決定する。例えば、処理部23は、サイクリックエラーの波形における振幅Aが許容範囲AR内となるように目標距離を決定する。
【0041】
目標距離を決定する方法の一例としては、サイクリックエラーの波形の一部を抽出する区間(以下では、抽出区間と表記することがある)を設定し、抽出区間を変更しながら、サイクリックエラーの大きさを示す指標値を抽出区間ごとに求める方法がある。この方法では、指標値が最も小さくなる抽出区間を求めることにより、当該抽出区間内において目標距離を決定することができる。ここで、抽出区間は、1周期分のサイクリックエラーを少なくとも含むことが条件となる。例えば、図5(b)に示す例では、サイクリックエラーの周期(高周波成分の周期)が350nmから360nmの間であることから、360nmもしくはそれより広い範囲を抽出区間として規定されうる。また、抽出区間におけるサイクリックエラーの大きさを示す指標値は、抽出区間におけるサイクリックエラーの標準偏差であってもよいし、抽出区間におけるサイクリックエラーの最大値と最小値の差(即ちレンジ)であってもよい。以下に、抽出区間ごとに指標値を求める実施例について説明する。
【0042】
(実施例1)
実施例1では、抽出区間ごとに、サイクリックエラーの標準偏差を指標値として求める例について説明する。図7(a)は、図5(b)に示される波形の一部(破線で囲まれた範囲)を拡大した図であり、図7(b)は、抽出区間ごとに、サイクリックエラーの標準偏差を指標値として求めた結果を示す図である。図7(a)~(b)は、検出部22によるモールド3の表面高さの検出ピッチ(距離Lのピッチ)が30nmで、工程S11~S13を繰り返し実施した例を示している。また、抽出区間は、距離Lの区間として規定され、任意に設定可能であるが、以下の説明では、サイクリックエラーの周期(高周波成分の周期)より大きい360nmの区間に設定される。具体的には、あるサンプル点(検出結果)に関する指標値を求めるための距離Lの抽出区間が、当該サンプル点の前後180nmの間の区間に設定される。なお、距離Lが0~150nmまでの間は、その前に180nm分のサンプル点を確保することができないため、180nmが開始点となる。
【0043】
処理部23は、図7(a)に示されるように、距離Lが180nmのサンプル点(検出結果)に対し、当該サンプル点の前後180nmの区間、即ち0~360nmの区間を抽出区間として設定する。そして、当該抽出区間に含まれる複数の検出結果の標準偏差を指標値として求め、求めた指標値を、図7(b)に示されるように、距離Lが180nmの位置にプロットする。同様に、処理部23は、距離Lが210nmのサンプル点(検出結果)に対し、当該サンプル点の前後180nmの区間、即ち30~390nmの区間を抽出区間として設定する。そして、当該抽出区間に含まれる複数の検出結果の標準偏差を指標値として求め、求めた指標値を、距離Lが210nmの位置にプロットする。このような処理を、各サンプル点について繰り返し行うことにより、図7(c)に示されるような距離Lと指標値(標準偏差)との関係を示す指標値情報を生成することができる。これにより、処理部23は、図7(c)に示される指標値情報において、指標値(標準偏差)が閾値以下となる距離L、例えば指標値が最も小さくなる距離Lを目標距離として決定することができる。図7(c)に示される例では、距離Lが2900nmにおいて指標値が最も小さくなるため、処理部23は、2900nmの距離Lを目標距離に設定しうる。
【0044】
ここで、距離Lが最初の計測から180nm未満の範囲では、上述したように、抽出区間を設定することができないため、指標値を求めることができない。同様に、距離Lが最後から180nm未満の範囲も、抽出区間を設定することができないため、指標値を求めることができない。よって、この範囲に、指標値が最小になる点が含まれてしまうと、指標値が最小になる点を目標距離として求めることが困難になりうる。そのため、工程S11~S13において表面高さを繰り返し検出する距離Lの範囲は、指標値が最小になる点が含まれるように、十分に広い範囲に設定されることが好ましい。
【0045】
(実施例2)
実施例1では、抽出区間におけるサイクリックエラーの標準偏差を指標値として用いたが、本実施例2では、抽出区間におけるサイクリックエラーの最大値と最小値の差分を指標値として用いる例について説明する。指標値として当該差分を用いる場合においても、指標値として標準偏差を用いる場合と同様の処理が行われうる。図8(a)は、図5(b)に示される波形の一部(破線で囲まれた範囲)を拡大した図であり、図8(b)は、抽出区間ごとに、サイクリックエラーの最大値と最小値の差分を指標値として求めた結果を示す図である。
【0046】
処理部23は、図8(a)に示されるように、距離Lが180nmのサンプル点(検出結果)に対し、当該サンプル点の前後180nmの区間、即ち0~360nmの区間を抽出区間として設定する。そして、当該抽出区間に含まれる複数の検出結果のうち最大値と最小値との差分を指標値として求め、求めた指標値を、図8(b)に示されるように、距離Lが180nmの位置にプロットする。同様に、処理部23は、距離Lが210nmのサンプル点(検出結果)に対し、当該サンプル点の前後180nmの区間、即ち30~390nmの区間を抽出区間として設定する。そして、当該抽出区間に含まれる複数の検出結果のうち最大値と最小値との差分を指標値として求め、求めた指標値を、距離Lが210nmの位置にプロットする。このような処理を、各サンプル点について繰り返し行うことにより、図8(c)に示されるような距離Lと指標値(最大値と最小値との差分)との関係を示す指標値情報を生成することができる。これにより、処理部23は、図8(c)に示される指標値情報において、指標値(差分)が閾値以下となる距離L、例えば指標値が最も小さくなる距離Lを目標距離として決定することができる。図8(c)に示される例では、距離Lが2900nmにおいて指標値が最も小さくなるため、処理部23は、2900nmの距離Lを目標距離に設定する。
【0047】
(実施例3)
抽出区間におけるサイクリックエラーの大きさを指標値として求める方法は、上記の実施例1~2に限られるものではなく、例えば、抽出区間における波形を正弦波で関数近似したときに得られる振幅を指標値として用いてもよい。抽出区間の設定方法は前述したとおりである。図9は、1番目の抽出区間(0~360nm)に含まれている検出結果に対して正弦波で関数近似した近似結果(破線)を示している。このように、抽出区間を変更しながら、抽出区間ごとに近似結果の振幅を指標値として求め、指標値(振幅)が最も小さくなる距離Lを目標距離として設定することができる。
【0048】
ここで、第2計測部9における検出部22の検出結果には、サイクリックエラーの他にも、様々な誤差成分が含まれていることがある。例えば、Z軸方向へのステージ6のドリフトや、インプリントヘッド4のZ軸方向の位置を検知するセンサ(リニアエンコーダなど)の誤差も、検出部22の検出結果における誤差成分となりうる。そのため、図5(b)のグラフを得るには、サイクリックエラー成分のみを抽出する必要がある。サイクリックエラーの周期は、計測装置20の光源21の波長に依存しているため、当該波長に基づいたフィルタ処理などにより抽出することができる。サイクリックエラーの周期は、上記の例では300nm~400nm程度となり、一般的なステージ6のドリフトやセンサの誤差などの誤差成分と比較して高周波である。したがって、第2計測部9の検出部22は、検出結果に対してハイパスフィルタをかけることで、サイクリックエラーに関する周波数成分を抽出することができる。また、検出部22の検出結果にサイクリックエラーよりも高周波のノイズが含まれている場合は、サイクリックエラーの周波数成分のみを抽出するようにバンドパスフィルタを用いても良い。それらの結果、図5(b)に示されるような波形を得ることができる。
【0049】
また、グラフの横軸は、検出部22と被検物OB(計測対象箇所)との距離Lである。この距離Lとしては、インプリントヘッド4の駆動指令値から得られる距離、または、検出部22と被検物OBとの距離を検出するセンサの出力値(検出値)が用いられうるが、当該センサの出力値が用いられることが望ましい。なぜなら、当該センサの出力値に含まれるサイクリックエラーの大小は、当該センサの出力値に相関が大きいためである。同じモールド3を使い続ける場合、インプリントヘッド4のZ軸方向の位置を基準としてもよいが、通常、モールド3を交換すると、モールド3の厚み、即ちセンサの出力値も異なった値となる。モールド3を交換する度に、サイクリックエラーが最小となるインプリントヘッド4のZ軸方向の位置を探すのは、時間がかかり、低効率である、というのが理由である。そこで、グラフの横軸には、センサの出力値を用いることで、モールド3の厚みが変更しても、サイクリックエラーが許容範囲AR内となる目標距離にインプリントヘッド4のZ軸方向の位置を駆動するだけでよい。なお、センサの出力値にも、サイクリックエラーを含む誤差成分が含まれていることがある。しかしながら、前述したとおり、これら誤差成分は、数10nmから100nm程度である。サイクリックエラーが小さくなる範囲は、数100nmから数μmと、ある程度の幅を持っているため、この程度のずれは許容することができる。
【0050】
図5図7図9に示される例でも、横軸は、センサの出力値であることが望ましい。すると、センサの出力値が、2900nm程度と読む位置が、サイクリックエラーが小さくなる場所であると算出することができる。通常、モールド3の表面を第2計測部9で計測する場合、ステージ6を駆動するときの衝突を防ぐため、数10μmあるいは数100μm程度、間隔をあけた状態で計測を行うことは前述したとおりである。図5図7図9は、あくまで本発明の理解を助けるための概念図であり、実際には、この計測時のインプリントヘッド4のZ方向の位置の近辺で、サイクリックエラーが最も小さくなるセンサ計測値を探すことになる。
【0051】
また、標準偏差のグラフは、標準偏差を計算する幅に依存した算出誤差が含まれることがある。その結果、図7(c)のように、波打った形状となってしまう。すると、最小値を求める計算も誤差を含んだ状態になってしまう。そこで、このグラフにローパスフィルタをかけるなど、誤差を除去してから、サイクリックエラーが最小となるセンサ計測値を求めることが望ましい。
【0052】
[被検物の位置の決定方法]
次に、図6のフローチャートを用いて決定された目標距離を用いて、被検物OBにおける複数の計測対象箇所の各々で位置(高さ)を計測し、その計測結果から被検物OBの位置を決定する方法について説明する。被検物OBの位置とは、被検物OBの表面形状および/または表面傾きを含むものとして理解されてもよい。図10は、被検物OBの位置を決定する方法を示すフローチャートである。以下では、被検物OBとしてモールド3を例示し、上記の計測装置20として構成された第2計測部9によりモールド3の位置を計測する例について説明する。ここでは、モールド3の位置としてモールド3の表面傾き(1次平面形状)を求める例を説明するが、モールド3の厚み(0次)や2次曲面形状を同時に求めてもよい。0次成分については、押印時のインプリントヘッド4のZ軸方向の位置により補正することができる。一方、2次曲面形状については、マスク3の裏面へ印加する空気圧力等を調整することにより補正することができる。ここでは、1次平面形状のみについて説明するが、本発明は、前述した0次、2次形状の計測にも効果がある。
【0053】
工程S21では、処理部23は、図6のフローチャートを用いて決定された目標距離になるように、第2計測部9(検出部22)とモールド3との距離Lを制御(調整)する。距離Lの制御は、前述したように、インプリントヘッド4および/またはステージ6を駆動することにより行われてもよいし、検出部22を駆動する駆動機構24により行われてもよい。なお、第2計測部9の結果に基づいて、これが許容範囲に入るまで繰り返すクローズドループを実行してもよい。前述したとおり、サイクリックエラーが小さくなるセンサの出力値は、ある程度の幅を持っているので、これをもとに許容範囲を決めればよい。通常、100nmから数100nm程度の範囲に入れば十分である。
【0054】
工程S22では、処理部23は、モールド3の計測対象箇所の位置(Z軸方向の位置)を検出することができるように第2計測部9(検出部22)をXY方向に駆動する。第2計測部9の駆動は、例えば、ステージ6をXY方向に駆動することによって行われうる。また、工程S23では、処理部23は、第2計測部9(検出部22)に計測対象箇所の位置を検出させる。モールドのX方向の傾き、Y方向の傾きをそれぞれ求めるためには、X軸、Y軸方向に、最低2点の計測対象箇所が必要である。通常、2次形状の算出や、複数点計測の平均化効果のためには、XY方向にそれぞれ3から5点の格子状に計測対象箇所を設定するとよい。計測対象箇所を増やせば計測精度は向上するが、スループットは低下するので、精度と時間の観点で最適な計測対象箇所を選択すればよい。次いで、工程S24では、処理部23は、設定した計測対象箇所の全てで検出部22による位置の検出が行われたか否かを判断する。全ての計測対象箇所において検出部22による位置の検出が行われていない場合には工程S22に戻り、全ての計測対象箇所において検出部22による位置の検出が行われた場合には工程S25に進む。
【0055】
工程S25では、処理部23は、工程S22~24における検出部22の検出結果に基づいて、被検物OBとしてのモールド3の位置を決定する。工程S25で決定されるモールド3の位置は、例えば、Z軸方向におけるモールド3の位置(表面位置)、および/または、ωX方向およびωY方向におけるモールド3の傾き(表面傾き)などを含みうる。また、モールド3の位置は、モールド3の表面形状を含むものとして理解されてもよい。例えば、処理部23は、工程S22~24における検出部22の検出結果に基づいて、最小二乗法などを用いることにより、モールド3の表面傾きを求めることができる。
【0056】
本実施形態では、前述したように、サイクリックエラーが低減されるように決定された目標距離で第2計測部9(検出部22)に計測対象箇所の位置を検出させている。つまり、その検出結果を用いることにより、モールド3の位置を精度よく求めることができる。なお、決定したモールド3の位置に基づいてインプリントヘッド4を駆動し、再度、マスク3の表面の傾きを計測する工程を実施する、クローズドループを実施してもよい。
【0057】
[インプリント処理]
次に、本実施形態のインプリント処理について説明する。図11は、本実施形態のインプリント処理を示すフローチャートであり、図12は、本実施形態のインプリント処理の各状態を示す概念図である。
【0058】
工程S31では、制御部10は、インプリントヘッド4に搭載されたモールド3の位置(表面傾き、表面形状も含む)を第2計測部9に計測させる(図12(a)参照)。本工程S31は、上述した図10のフローチャートに従って行われうる。これにより、第2計測部9におけるサイクリックエラーの影響を低減し、モールド3の位置を精度よく計測することができる。次いで、工程S32では、制御部10は、ステージ6上に搭載された基板5の位置(基板5の傾き、形状も含む)を第1計測部8に計測させる(図12(b)参照)。第1計測部8による基板5の位置の計測も、第2計測部9によるモールド3の位置の計測同様に行われうる。これにより、第1計測部8におけるサイクリックエラーの影響を低減し、基板5の位置を精度よく計測することができる。
【0059】
工程S33では、制御部10は、これからインプリント処理を行う対象ショット領域における表面位置(傾き、形状)を算出する。工程S32によって得られた基板表面の形状情報から、対象ショット領域に対応する部分を切り出し、その部分に対して一次平面近似などを行うことにより、対象ショット領域の表面位置を算出することができる。
【0060】
工程S34では、制御部10は、対象ショット領域とモールド3の表面とを目標相対傾き(例えば平行)にする(図12(c)参照)。制御部10は、工程S33で得られたショット領域の表面位置(表面傾き)と工程S31で求めたモールド3の表面位置(表面傾き)とに基づいて、インプリントヘッド4および/またはステージ6により対象ショット領域とモールドとの相対傾きを補正する。
【0061】
工程S35では、制御部10は、供給部7により対象ショット領域上にインプリント材14を供給する(図12(c)参照)。次いで、工程S36では、制御部10は、インプリントヘッド4によりモールド3を駆動することによりモールド3と対象ショット領域上のインプリント材14とを接触させる(図12(d)参照)。そして、モールド3のパターンにインプリント材14が充填する時間を待ってから、硬化部2によりインプリント材14に光2aを照射することにより当該インプリント材14を硬化させる。また、本工程S36では、インプリント材14を硬化させる前に、観察部13(TTMスコープ)で観察されたモールド3のマークと対象ショット領域のマークとの相対位置ずれに基づいて、モールド3と対象ショット領域とのアライメントが行われうる。
【0062】
工程S37では、制御部10は、硬化したインプリント材14からモールド3を剥離する(図12(e)参照)。これにより、対象ショット領域上に、モールド3のバターンが転写されたインプリント材14の硬化物のパターンを形成することができる。次いで、工程S38では、制御部10は、基板5における全ショット領域に対してインプリント処理を行ったか否かを判断する。インプリント処理を行っていないショット領域がある場合には工程S33に戻り、インプリント処理を行っていないショット領域を対象ショット領域として工程S33~S37を行う。一方、全ショット領域に対してインプリント処理を行った場合には工程S39に進む。工程S39では、制御部10は、ロット内における全基板5に対してインプリント処理を行ったか否かを判断する。インプリント処理を行っていない基板5がある場合には工程S32に戻り、インプリント処理を行っていない基板5に対して工程S32~S38を行う。一方、全基板5に対してインプリント処理を行った場合には終了する。
【0063】
<第2実施形態>
本発明に係る第2実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態を基本的に引き継ぐものであり、インプリント装置1や計測装置20の構成および処理については第1実施形態で説明したとおりである。
【0064】
上記の第1実施形態では、第2計測部9によりモールド3の位置を精度良く求める場合について述べたが、第1計測部8により基板5の位置を精度よく求める場合においても同様である。具体的には、図6図10のフローチャートにおいて、モールド3を基板5に、第2計測部9を第1計測部8に、インプリントヘッド4をステージ6に置き換えて、同じ工程を実施すればよい。ただし、この場合には、ステージ6に、Z軸方向の駆動機構を備える必要がある。
【0065】
<第3実施形態>
本発明に係る第3実施形態について説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態を基本的に引き継ぐものであり、インプリント装置1や計測装置20の構成および処理については第1実施形態で説明したとおりである。また、本実施形態は、第2実施形態を適用することができる。
【0066】
第1~第2実施形態では、サイクリックエラーの波形における振幅Aが許容範囲AR内となる距離Lにおいて検出部22に計測対象箇所の位置を検出させることにより、その検出結果に生じるサイクリックエラーを低減する例について説明した。本実施形態では、検出部22の検出結果に生じるサイクリックエラーを更に低減する例について説明する。具体的には、処理部23は、振幅Aが許容範囲AR内に収まる距離Lの範囲おいて、サイクリックエラーの波形の周期(低周波成分の周期)の1/n(n≧2)だけ距離Lが互いに異なる複数の状態の各々について検出部22に計測対象箇所の位置を検出させる。これにより、処理部23は、n個の検出結果を得ることができ、当該n個の検出結果に基づいて、サイクリックエラーが相殺されるように計測対象箇所(被検物OB)の位置を決定することができる。
【0067】
具体的には、処理部23は、サイクリックエラーの波形(正弦波)の周期の1/n(n≧2)だけ、計測軸方向(具体的にはZ軸方向)に微小ピッチ駆動しながら、検出部22に計測対象箇所の位置をそれぞれ検出させる。そして、これにより得られたn個の検出結果を平均化することで、サイクリックエラーを低減(相殺)させることができる。一例として、サイクリックエラーの周期が300nmである場合、n=2では、現在のインプリントヘッド4のZ位置から+0nmおよび+150nmの2つのZ軸方向の位置において、第2計測部9の検出部22に計測対象箇所の位置を検出させる。このように得られた2個の検出結果には、互いに逆方向(+方向、-方向)のサイクリックエラーが含まれる。そのため、当該2個の検出結果を平均化することにより、各検出結果に含まれるサイクリックエラーを低減(相殺)し、計測対象箇所の位置を精度よく求めることができる。同様に、n=3では、+0nm、+100nm、+200nmの3つのZ軸方向の位置で検出部22に計測対象箇所の位置をそれぞれ検出させる。このように得られた3個の検出結果を平均化することにより、サイクリックエラーを低減(相殺)することができる。なお、nの値を大きくすると、計測精度が向上するが、スループットの点で不利になるため、nの値は、2~4の範囲で設定されるとよい。
【0068】
図13は、本実施形態に係る被検物OBの位置の決定方法を示すフローチャートである。本フローチャートは、図10のフローチャートと基本的に同じであるため、以下では、図10のフローチャートと異なる点について説明する。
【0069】
工程S41~S43は、図10のフローチャートのS21~S23と同様であるため説明を省略する。工程S44では、処理部23は、距離Lが互いに異なる複数(n個)の状態の各々で検出部22に計測対象箇所の位置を検出させたか否かを判断する。計測対象箇所の位置の検出が全状態で行われていない場合には、処理部23は、工程S45において、サイクリックエラーの波形(正弦波)の周期の1/n(n≧2)だけ距離Lを変更してから工程S43に進む。一方、計測対象箇所の位置の検出が全状態で行われ場合には工程S46に進む。
【0070】
工程S46では、処理部23は、上記の工程で得られたn個の検出結果に基づいて、計測対象箇所の位置を決定する。具体的には、処理部23は、n個の検出結果を平均化した値を計測対象箇所の位置として決定することより、サイクリックエラーを低減(相殺)することができる。また、工程S47~S48は、図10のフローチャートのS24~S25と同様であるため説明を省略する。
【0071】
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板上に供給(塗布)されたインプリント材に上記のインプリント装置(インプリント方法)を用いてパターンを形成する工程と、かかる工程でパターンが形成された基板を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
【0072】
インプリント装置を用いて成形した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
【0073】
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
【0074】
次に、物品の具体的な製造方法について説明する。図14(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウェハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
【0075】
図14(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図14(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギとして光を型4zを通して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
【0076】
図14(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凸部が硬化物の凹部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
【0077】
図14(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図14(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
【0078】
また、本発明の実施形態における物品の製造方法は、例えば、金属部品や光学素子等の物品を製造する際に用いられてもよい。本実施形態の物品の製造方法は、上記の計測装置を用いて被検物の形状を計測する工程と、かかる工程における計測結果に基づいて被検物を加工する工程とを含む。例えば、被検物の形状を計測装置を用いて計測し、その計測結果に基づいて、被検物の形状が設計値になるように当該被検物を加工(製造)する。この場合においても、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
【0079】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0080】
1:インプリント装置、3:モールド、4:インプリントヘッド、5:基板、6:ステージ、8:第1計測部、9:第2計測部、20:計測装置、21:光源、22:検出部、23:処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14