(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】液体カートリッジおよび液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
B41J2/175 171
B41J2/175 119
B41J2/175 501
B41J2/175 141
(21)【出願番号】P 2020089605
(22)【出願日】2020-05-22
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸川 慎治
(72)【発明者】
【氏名】河野 敬介
(72)【発明者】
【氏名】林 弘毅
(72)【発明者】
【氏名】楠城 達雄
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-161876(JP,A)
【文献】特開2018-161872(JP,A)
【文献】特開2018-161870(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0238583(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109318590(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する貯留室と、
前記貯留室に貯留された液体を外部へ供給する液体供給部と、
前記貯留室の内部を大気と区画する第1の隔壁と、
前記第1の隔壁に対して前記貯留室と反対側に備えられた第2の隔壁と、
前記第1の隔壁に設けられ、前記貯留室の内部を大気に連通させる大気連通孔と、
前記大気連通孔を閉塞する位置及び開放する位置に移動可能な弁ユニットと、
前記弁ユニットを押圧することで前記大気連通孔を閉塞する位置に前記弁ユニットを固定し、前記弁ユニットへの押圧を除去することで前記大気連通孔を開放する位置に前記弁ユニットを移動可能なレバーと、
を備え、
前記レバーは、
前記弁ユニットを押圧する押圧部と、前記押圧部を支持する支持部とを含み、前記弁ユニットの移動方向と交差する方向に移動することで前記弁ユニットへの押圧を除去し
、
前記第2の隔壁は、前記支持部を保持するように構成されていることを特徴とする液体カートリッジ。
【請求項2】
前記第2の隔壁には、前記支持部を組み付ける組付け穴が形成されていることを特徴とする請求項
1に記載の液体カートリッジ。
【請求項3】
前記支持部は、前記第2の隔壁に1点で支持されることを特徴とする請求項
1または
2に記載の液体カートリッジ。
【請求項4】
前記支持部は、スナップフィット方式で前記第2の隔壁に組付けされていることを特徴とする請求項
1乃至
3のいずれか一項に記載の液体カートリッジ。
【請求項5】
前記支持部は、前記押圧部の端部に備えられていることを特徴とする請求項
1乃至
4のいずれか一項に記載の液体カートリッジ。
【請求項6】
前記第2の隔壁は、大気を連通する開口と、前記第1の隔壁の前記大気連通孔と対向する位置に形成された、弁ユニットを通す開口と、を有することを特徴とする請求項
1乃至
5のいずれか一項に記載の液体カートリッジ。
【請求項7】
前記弁ユニットは、前記第2の隔壁と前記レバーとの間に、前記大気連通孔を開放する向きに前記弁ユニットを付勢する付勢部材を含むことを特徴とする請求項
1乃至
6のいずれか一項に記載の液体カートリッジ。
【請求項8】
前記押圧部は、前記弁ユニットを押圧する第1位置から押圧が除去される第2位置へ移動するための作用を外部から受けることで、前記支持部を中心に回動することを特徴とする請求項
1乃至
7のいずれか一項に記載の液体カートリッジ。
【請求項9】
前記外部から受ける作用の方向において、前記支持部は、前記押圧部よりも奥側に設置されていることを特徴とする請求項
8に記載の液体カートリッジ。
【請求項10】
前記外部から受ける作用の方向において、前記支持部は、前記押圧部よりも手前側に設置されていることを特徴とする請求項
8に記載の液体カートリッジ。
【請求項11】
前記押圧部は、切り欠き部を有し、前記回動によって前記切り欠き部の内部に前記弁ユニットが移動することで、前記弁ユニットは、前記大気連通孔を開放する前記位置に移動することを特徴とする請求項
8乃至
10のいずれか一項に記載の液体カートリッジ。
【請求項12】
請求項1乃至
11のいずれか一項に記載の液体カートリッジが取り付けられる際に前記レバーに作用を与えるガイド部材を有することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項13】
液体吐出装置に着脱可能に構成された液体カートリッジであって、
液体を貯留する貯留室と、
前記貯留室に貯留された液体を外部へ供給する液体供給部と、
前記貯留室の内部を大気流路と区画する第1の隔壁と、
前記第1の隔壁とともに前記大気流路を構成する第2の隔壁と、
前記第1の隔壁に設けられ、前記貯留室の内部を大気に連通させる大気連通孔と、
前記大気連通孔を閉塞する位置及び開放する位置に移動可能な弁ユニットと、
を備え、
前記弁ユニットは、前記第2の隔壁において前記第1の隔壁とは反対の方向である第一方向側に設けられた第1の弾性部材と、前記第1の隔壁の前記貯留室側に設けられた第2の弾性部材と、前記第1の弾性部材を前記第一方向側に付勢する付勢部材と、を有し、
前記弁ユニットの前記第2の弾性部材が前記大気連通孔と密着することで前記大気連通孔が閉塞され、
前記弁ユニットの前記第2の弾性部材が前記貯留室内の位置に移動することで、前記大気連通孔が開放されることを特徴とする液体カートリッジ。
【請求項14】
前記弁ユニットは、前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材とを組み付ける弁ホルダーを有し、
前記第2の隔壁は、前記付勢部材を固定する固定ホルダーを備え、前記固定ホルダーは、大気と連通する開口部を有し、前記弁ホルダーは、前記開口部に挿入されていることを特徴とする請求項
13に記載の液体カートリッジ。
【請求項15】
前記液体カートリッジが前記液体吐出装置に装着される前の状態において、前記弁ユニットは、前記付勢部材の付勢力により前記第2の弾性部材が前記大気連通孔と密着することで前記貯留室を密閉し、かつ、前記第2の隔壁の前記開口部は開放され、
前記液体カートリッジが前記液体吐出装置に装着される過程において、前記液体吐出装置の押圧部が前記弁ユニットを前記第一方向と反対の第二方向側に押圧することで、前記第1の弾性部材が前記第2の隔壁の前記開口部を密閉し、かつ、前記第2の弾性部材が前記貯留室内の位置に移動し、前記貯留室が大気と連通することを特徴とする請求項
14に記載の液体カートリッジ。
【請求項16】
押圧部を有し、請求項
15に記載の液体カートリッジを着脱可能な液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体が貯留される貯留室を備える液体カートリッジ、および、液体カートリッジが取り付けられる液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を貯留する液体カートリッジがある。特許文献1に記載の液体カートリッジは、大気から液体貯留部を遮断する弁体を有しており、弁体が移動することによって貯留室が大気開放されるように構成されている。
【0003】
より詳細には、特許文献1に記載の液体カートリッジは、弁体を押圧するレバーと、液体カートリッジの内蓋に繋がりレバーを固定する支持部材と、を有している。そして、液体カートリッジが装置に装着されていない状態においては、レバーにより弁体が押圧され、液体貯留室と外部とを連通する大気連通孔を弁体が塞いでいる。一方、液体カートリッジが装置に装着される過程においては、装置に設けられた突起によりレバーを回動させる方向へ力が加えられ、レバーによる弁体への押圧が除去される。レバーによる押圧が除去されることにより、弁体が、弁体に設けられているバネによって移動し、大気連通孔が開放されることで、液体貯留室が大気に連通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される液体カートリッジにおいては、支持部材が2点支持でレバーを固定する必要があり、複雑な形状の支持部材が必要である。
【0006】
本発明は、簡素化した構成で大気開放の機能を実現する液体カートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る液体カートリッジは、液体を貯留する貯留室と、前記貯留室に貯留された液体を外部へ供給する液体供給部と、前記貯留室の内部を大気と区画する第1の隔壁と、前記第1の隔壁に対して前記貯留室と反対側に備えられた第2の隔壁と、前記第1の隔壁に設けられ、前記貯留室の内部を大気に連通させる大気連通孔と、前記大気連通孔を閉塞する位置及び開放する位置に移動可能な弁ユニットと、前記弁ユニットを押圧することで前記大気連通孔を閉塞する位置に前記弁ユニットを固定し、前記弁ユニットへの押圧を除去することで前記大気連通孔を開放する位置に前記弁ユニットを移動可能なレバーと、を備え、前記レバーは、前記弁ユニットを押圧する押圧部と、前記押圧部を支持する支持部とを含み、前記弁ユニットの移動方向と交差する方向に移動することで前記弁ユニットへの押圧を除去し、前記第2の隔壁は、前記支持部を保持するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡素化した構成で大気開放弁の機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図9】本体装着前の液体カートリッジの断面図である。
【
図10】本体装着直前の液体カートリッジの断面図である。
【
図11】本体装着が完了した液体カートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。尚、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。また、実施形態に記載されている構成要素の相対配置および形状などは、あくまで例示である。
【0011】
<<第1実施形態>>
本実施形態の液体カートリッジは、記録装置などの液体吐出装置に備えられている液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留している。液体カートリッジは、液体吐出装置に着脱可能に構成されている。液体カートリッジは、液体吐出装置に装着されていない状態においては、外部から遮断されており、液体が筐体から外部へ漏れることを抑制している。例えば、物流などの輸送時には、内部の液体が外部へ飛散しないように、液体の貯留室が閉塞されていることが望ましい。一方、液体吐出装置に装着された状態においては、液体カートリッジは大気開放され、液体を吐出する液体吐出ヘッドに速やかに液体を供給するように構成されている。例えば、液体吐出ヘッドからの吐出で液体を消費した分、外気エアを取り込み、継続的に液体供給ができるように構成されている。
【0012】
図1は、本実施形態の液体カートリッジ1の分解斜視図である。
図1の上下方向は、重力方向の上下方向である。
【0013】
液体カートリッジ1は、液体であるインクが貯留される貯留室を含む筐体5と、液体を液体吐出ヘッド(不図示)に供給する液体供給部2と、第1の内蓋3と、第2の内蓋4と、弁ユニット7と、レバー12とを備えている。筐体5の上部に第1の内蓋3が配され、第1の内蓋3の上部に第2の内蓋4が配される。つまり、第1の内蓋3に対して貯留室とは反対側に第2の内蓋4が配されている。
【0014】
第1の隔壁である第1の内蓋3と、第2の隔壁である第2の内蓋4とによって空気流路が形成される。第1の内蓋3は、貯留室の内部を大気と区画する隔壁である。第1の内蓋3には、貯留室を空気流路に連通するための大気連通孔16が形成されている。第2の内蓋4には、弁ユニット7を通す開口である弁ユニット組付け穴11と、レバー12を通す開口であるレバー組付け穴15と、大気を通す開口6と、が形成されている。
【0015】
弁ユニット7は、ばねホルダー部8と、コイルばね9と、シール部10と、を有している。ばねホルダー部8は、コイルばね9に挟み込まれ、第2の内蓋4に形成されている弁ユニット組付け穴11に上方から差し込まれる。即ち、コイルばね9は、第2の内蓋4の上方に配される。差し込まれたばねホルダー部8と、シール部10とによって、弁ユニット7が第1の内蓋3を挟み込む構成となる。シール部10は、少なくとも2段階の外径サイズを有する段差構造となっている。本例では、第1サイズの外径の第1段部と、第1段部に向けて漸次外径が縮小するテーパ形状の第2段部とを含む。第1サイズの外径は、弁ユニット組付け穴11よりも小さい。第2段部において最大のサイズである第2サイズの外径は、弁ユニット組付け穴11よりも大きい。また、第2サイズの外径は、大気連通孔16よりも大きい。
【0016】
レバー12は、弁ユニット押圧部13と支持部14とを有している。レバー12は、支持部14を第2の内蓋4に形成されているレバー組付け穴15に差し込むことで、第2の内蓋4に保持される。なお、支持部14を第2の内蓋4に保持する方法としては、例えばスナップフィット方式が挙げられる。レバー12は、第2の内蓋4に保持され、支持部14の長手方向(図の上下方向)を中心軸として弁ユニット押圧部13を回動させることが可能である。また、支持部14が第2の内蓋4に差し込まれて保持される際に、弁ユニット押圧部13が弁ユニット7を押圧する。この弁ユニット押圧部13によって弁ユニット7が押圧されると、弁ユニット7のシール部10が、第1の内蓋3に形成されている大気連通孔16を閉塞する。つまり、弁ユニット7は、大気連通孔16を開放する方向にコイルばね9から付勢を受けており、レバー12がこの付勢に抗して弁ユニット7を押圧することで、大気連通孔16が閉塞する。大気連通孔16が閉塞することで、筐体5内に貯留されている液体は、外部に漏れ出さない状態となる。つまり、液体カートリッジ1が、液体吐出装置に装着される前の状態においては、筐体5内の貯留室が外部から遮断されている構成となっている。
【0017】
図2は、第1実施形態における液体カートリッジ1を、上面及び側面から見た際の、弁ユニット7の周辺部を示した図である。
図2(a)は、レバー12の移動前の第1位置の状態を上面から見た図であり、
図2(b)は、レバー12の移動前の第1位置の状態を側面(前面)から見た図である。
【0018】
レバー12の弁ユニット押圧部13により、弁ユニット7のばねホルダー部8およびコイルばね9が押圧されている。これにより、
図1で説明したように、弁ユニット7のシール部10が、第1の内蓋3の大気連通孔16を閉塞している状態になっている(
図2では不図示)。
【0019】
図2(c)は、レバー12の移動後の第2位置の状態を上面から見た図であり、
図2(d)は、レバー12の移動後の第2位置の状態を側面(前面)から見た図である。レバー12に、弁ユニット7の移動方向(上下方向)と交差する方向に力が加えられると、支持部14を支点としてレバー12は、加えられる力の方向に回動する(
図2(a)の矢印参照)。レバー12が回動すると、
図2(c)に示すように、弁ユニット7が、レバー12によって押圧されていた状態から開放される。すると、押圧されていた弁ユニット7のばねホルダー部8が、コイルばね9の付勢によって上方に移動し、シール部10が大気連通孔16から離間する。これにより、筐体5内の貯留室が大気開放され、液体吐出ヘッドへの液体の供給が可能となる。このように、弁ユニット7は、大気連通孔16を閉塞する位置及び開放する位置に移動可能に構成されている。
【0020】
なお、移動した弁ユニット7は、コイルばね9による付勢により、元の位置(
図2(b)の位置)に戻ることはない。このため、一度弁ユニット7が移動すると、筐体5内の貯留室が大気開放され続けている状態を維持できる。尚、
図2の例においては、支持部14の支点は、外部から受ける作用の方向(力が加えられる方向)において、力が加えられる弁ユニット押圧部13の力点よりも奥側(図では左側)にある。
【0021】
尚、液体カートリッジ1は、液体吐出装置の装着部に装着される。装着部には、例えば突起部材などのガイド部材が備えられている。
図2の例では、液体カートリッジ1の右側に装着部があるものとする。即ち、液体カートリッジ1は、
図2の右側に移動することで装着部に装着される。ここで、液体カートリッジ1が装着部に装着される際には、レバー12がガイド部材に当接し、その後、さらに液体カートリッジ1が押し込まれるようにして装着される際に、ガイド部材からの力によってレバー12が回動して、大気開放が行われる。
【0022】
このように、本実施形態では、大気開放弁として機能する弁ユニット7を押圧するレバー12の移動方向を、弁ユニット7の移動方向(上下方向)と交差する方向となるように、レバー12および第2の内蓋4を構成している。具体的には、レバー12は、弁ユニット7の移動方向と交差する方向に回動するように構成されている。これにより、レバー12と第2の内蓋4(レバー12を固定する土台)とを1点で固定することができる。このため、レバーを2点支持するような複雑な形状の支持部材を用いることなく、簡素化した構成で大気開放の機能を実現することができる。
【0023】
<<第2実施形態>>
第2実施形態は、基本的に第1実施形態の液体カートリッジ1と同様の構成を有しているものであるが、第2の内蓋4の弁ユニット組付け穴11に対するレバー組付け穴15の設置位置が異なる例を説明する。具体的には、レバー12の支持部14の支点の位置が、力が加えられる方向において、力が加えられる弁ユニット押圧部13の力点よりも手前側となる例を説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0024】
図3は、第2実施形態における液体カートリッジ1を上面及び側面から見た際の、弁ユニット7の周辺部を示した図である。
図3(a)は、レバー移動前の状態を上面から見た図であり、
図3(b)は、レバー移動前の状態を側面(前面)から見た図である。
【0025】
レバー12の弁ユニット押圧部13により、弁ユニット7のばねホルダー部8およびコイルばね9が押圧されている。これにより、
図1で説明したように、弁ユニット7のシール部10が、第1の内蓋3の大気連通孔16を閉塞している状態になっている。
【0026】
図3(c)はレバー移動後の状態を上面から見た図であり、
図3(d)はレバー移動後の状態を側面(前面)から見た図である。レバー12に、弁ユニット7の移動方向(上下方向)と交差する方向に力が加えられると、支持部14を支点としてレバー12は加えられる力の方向に回動する(
図3(a)の矢印参照)。レバー12が回動すると、
図3(c)に示すように、弁ユニット7が、レバー12によって押圧されていた状態から開放される。すると、押圧されていた弁ユニット7のばねホルダー部8が、コイルばね9の付勢によって上方に移動し、シール部10が大気連通孔16から離間する。これにより、筐体5内の貯留室が大気開放され、液体吐出ヘッドへの液体の供給が可能となる。なお、移動した弁ユニット7は、コイルばね9による付勢により、元の位置(
図3(b)の位置)に戻ることはない。このため、一度弁ユニット7が移動すると、筐体5内の貯留室が大気開放され続けている状態を維持できる。尚、
図3の例においては、支持部14の支点は、外部から受ける作用の方向(力が加えられる方向)において、力が加えられる弁ユニット押圧部13の力点よりも手前側(図では右側)にある。本実施形態では、液体カートリッジ1が液体吐出装置の装着部に装着された状態は、
図3(c)となる。つまり、装着後には、液体カートリッジ1の第2の内蓋4の長手方向とレバー12の長手方向とが平行となる。このため、装置側の装着部におけるガイド部材などの構成も簡素化することもできる。
【0027】
以上説明したように、本実施形態においても、簡素化した構成で大気開放の機能を実現することができる。
【0028】
<<第3実施形態>>
第3実施形態は、基本的に第1実施形態の液体カートリッジ1と同様の構成を有しているものであるが、レバー12の弁ユニット押圧部13の形状が異なっている。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0029】
図4は、第3実施形態における液体カートリッジを上面及び側面から見た際の、弁ユニット7の周辺部を示したものである。
図4(a)は、レバー移動前の状態を上面から見た図であり、
図4(b)は、レバー移動前の状態を側面(前面)から見た図である。レバー12の弁ユニット押圧部13には、切り欠き部17が形成されている。レバー12の弁ユニット押圧部13は弁ユニット7を押圧しているが、弁ユニット押圧部13に設けられた切り欠き部17は弁ユニット7を押圧していない。
【0030】
図4(c)は、レバー移動後の状態を上面から見た図であり、
図4(d)は、レバー移動後の状態を側面(前面)から見た図である。レバー12に、弁ユニット7の移動方向と交差する方向に力が加えられると、支持部14を支点としてレバー12は加えられる力の方向に回動する(
図4(a)の矢印参照)。レバー12が回動すると、
図4(d)に示すように、弁ユニット押圧部13の切り欠き部17に弁ユニット7が入り込む形になる。つまり、弁ユニット7がレバー12によって押圧されていた状態から部分的に開放される。すると、押圧されていた弁ユニット7のばねホルダー部8が、コイルばね9の付勢によって上方に移動し、シール部10が大気連通孔16から離間する。これにより、筐体5内の貯留室が大気開放され、液体吐出ヘッドへの液体の供給が可能となる。なお、移動した弁ユニット7は、コイルばね9による付勢により、元の位置(
図4(b)の位置)に戻ることはない。このため、一度弁ユニット7が移動すると、筐体5内の貯留室が大気開放され続けている状態を維持できる。尚、
図4の例においては、支持部14の支点は、力が加えられる方向において、力が加えられる弁ユニット押圧部13の力点よりも奥側(図では左側)にある。
【0031】
以上説明したように、本実施形態においても、簡素化した構成で大気開放の機能を実現することができる。また、弁ユニット押圧部13が切り欠き部17を有することで、レバー12の回動する移動量が第1実施形態よりも少なく済む。
【0032】
<<第4実施形態>>
第4実施形態は、基本的に第1実施形態の液体カートリッジ1と同様の構成を有しているものであるが、レバー12の弁ユニット押圧部13の形状が異なる例を説明する。また、第2の内蓋4の弁ユニット組付け穴11に対するレバー組付け穴15の位置が異なる例を説明する。具体的には、レバー12の支持部14の支点の位置が、力が加えられる方向において、力が加えられる弁ユニット押圧部13の力点よりも手前側となる例を説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0033】
図5は、第4実施形態における液体カートリッジ1を上面及び側面から見た際の、弁ユニット7の周辺部を示したものである。
図5(a)は、レバー移動前の状態を上面から見た図であり、
図5(b)は、レバー移動前の状態を側面(前面)から見た図である。レバー12の弁ユニット押圧部13には、切り欠き部17が形成されている。レバー12の弁ユニット押圧部13は弁ユニット7を押圧しているが、弁ユニット押圧部13に設けられた切り欠き部17は弁ユニット7を押圧しない。
【0034】
図5(c)は、レバー移動後の状態を上面から見た図であり、
図5(d)は、レバー移動後の状態を側面(前面)から見た図である。レバー12に、弁ユニット7の移動方向と交差する方向に力が加えられると、支持部14を支点としてレバー12は加えられる力の方向に回動する(
図5(a)の矢印参照)。レバー12が回動すると、
図5(d)に示すように、弁ユニット押圧部13の切り欠き部17に弁ユニット7が入り込む形になる。つまり、弁ユニット7がレバー12によって押圧されていた状態から部分的に開放される。すると、押圧されていた弁ユニット7のばねホルダー部8が、コイルばね9の付勢によって上方に移動し、シール部10が大気連通孔16から離間する。これにより、筐体5内の貯留室が大気開放され、液体吐出ヘッドへの液体の供給が可能となる。なお、移動した弁ユニット7は、コイルばね9による付勢により、元の位置(
図5(b)の位置)に戻ることはない。このため、一度弁ユニット7が移動すると、筐体5内の貯留室が大気開放され続けている状態を維持できる。尚、
図5の例においては、支持部14の支点は、力が加えられる方向において、力が加えられる弁ユニット押圧部13の力点よりも手前側(図では右側)にある。
【0035】
以上説明したように、本実施形態においても、簡素化した構成で大気開放の機能を実現することができる。また、弁ユニット押圧部13が切り欠き部17を有することで、レバー12の回動する移動量が第2実施形態よりも少なく済む。
【0036】
<<第5実施形態>>
第1実施形態から第4実施形態においては、レバーが弁ユニットの移動方向と交差する方向に回動することで、大気開放弁として機能する弁ユニットが大気連通孔を開放し、液体カートリッジ内の貯留室が大気開放される例を説明した。本実施形態では、液体カートリッジ内の貯留室を大気開放する別の例を説明する。また、本実施形態では、液体カートリッジを液体吐出装置に装着した後に、脱着する場合に、大気連通孔を閉塞させる例を説明する。
【0037】
<概要>
図6および
図7は、比較例としての特許文献1の弁ユニットの構成を示す模式図である。以下、特許文献1の弁ユニットの更なる考察を説明する。そして、その考察を踏まえて、本実施形態の構成を説明する。
【0038】
図6は、大気連通孔131が閉塞した状態の液体カートリッジ1000と液体吐出装置のホルダー30とを含む断面図である。
図7は、大気連通孔131が開放した状態の液体カートリッジ1000と液体吐出装置のホルダー30とを含む断面図である。
【0039】
液体吐出装置本体への装着前の状態では、シール部材540を備える弁体520は、大気連通孔131を開放する方向(方向53)にコイルばね530から付勢を受けている。そして、レバー500がこの付勢に抗して弁体520を押圧することで大気連通孔131を閉塞している。
図6は、レバー500によって弁体520が押圧されている様子を示している。液体カートリッジ1000が方向51に移動して、液体吐出装置本体に装着される過程で、液体吐出装置本体のホルダー30が備えている押圧部320によりレバー500が倒される。すると、
図7に示すように、コイルばね530の付勢によって弁体520が方向53に移動することで第2の内蓋4(上蓋)をシール部材540でシールし、さらに大気連通孔131を開口させ、大気開放状態に切り替わる。大気連通孔131は、第2の内蓋4と第1の内蓋3(中蓋)によって構成される空気流路と、大気連通フィルム134を通じて大気に連通する。
【0040】
このような特許文献1の構成では、ユーザーが、使用中に液体カートリッジ1000を液体吐出装置本体から取り外す際には、弁体520は、大気開放位置に移動している。つまり、液体カートリッジ1000を液体吐出装置本体から取り外した場合、弁体520は大気開放状態を維持する。これは、レバー500が回動した状態でコイルばね530の付勢によりシール部材540が大気連通孔131から離れた状態で液体吐出装置本体から引き出されるからである。そのため、例えばユーザーが液体残量視認の為に、取り外した液体カートリッジ1000の姿勢を変更するような場合、気液分離膜133、大気連通フィルム134、及び液体供給部120から液体が漏れ出す虞がある。また、大気連通孔131を閉塞する弁体520は、第1の内蓋3の上方から大気連通孔131を覆うようにして閉塞する位置関係にある。このため、液体カートリッジ1000の物流時に、貯留室内の内圧上昇によって弁体520が開放位置へ移動する力(方向53への力)が作用すると、貯留室が大気に開放されてしまう虞がある。貯留室が大気開放されると、気液分離膜133、大気連通フィルム134、及び液体供給部120から液体が漏れ出す虞がある。
【0041】
本実施形態の液体カートリッジ(液体容器)は、物流時などのように使用前の状態においては、大気連通孔は閉塞状態であり、使用時に液体吐出装置本体へ液体カートリッジを装着することで大気開放状態に切り替わる。さらに液体カートリッジを液体吐出装置から取り出した後は、再び閉塞状態に切り替わる。このため、使用途中に液体カートリッジを取出して持ち歩いても、密閉状態を維持することが可能な液体カートリッジの構成を説明する。
【0042】
<液体供給系>
図8は、本実施形態の液体供給系の模式図を示す。液体吐出ヘッド100は、シリアル記録方式のオフキャリッジタイプであり、液体吐出装置に備えられたホルダー30に装着され、チューブ20を介してキャリッジ上(不図示)の液体吐出ヘッド100と連通する。液体吐出ヘッド100からの吐出により消費された液体は、液体カートリッジ1からチューブ20を介して液体吐出ヘッド100へ供給される。
【0043】
<液体カートリッジ>
図9は、本体装着前の液体カートリッジ1の断面図を示す。液体カートリッジ1は、大きく分けて、液体貯留室110と、液体供給部2と、大気連通部130と、を有する。液体吐出ヘッド100へ供給される液体は、液体貯留室110に保持されており、液体供給部2を介して供給される。液体貯留室110の液体が液体吐出ヘッド100へ供給されると、大気連通部130を介して外部の空気が液体貯留室110に取り込まれる。液体カートリッジ1は、弁ユニット140を有する。以下、本実施形態の液体カートリッジ1を各部分ごとに詳細に説明する。
【0044】
<液体貯留部>
液体貯留室110は、液体吐出ヘッド100へ供給する液体を保持する。液体貯留室110の底部は、重力方向下方(方向54)に一段下がった凹部111を有する。この凹部111に、液体供給部2が配されている。凹部111の底面は、液体供給部2に向かって下方に傾斜しており、液体の使い切りを良くするように構成されている。
【0045】
<液体供給部>
次に、液体供給部2を、
図9、
図10、
図11を用いて説明する。
図10は、液体カートリッジ1をホルダー30に装着する過程を示した図であり、ホルダー30側の押圧部320が、弁ユニット140の第1シールゴム141に当接する直前の状態を示す液体カートリッジ断面図である。
図11は、ホルダー30に装着が完了した状態を示す液体カートリッジ断面図である。
【0046】
液体供給部2には、弁体121、弁バネ122、および円環状のジョイントシール123で構成されている弁が設けられている。弁体121は樹脂、弁バネ122は金属、ジョイントシール123はゴムで製作されている。液体開口にジョイントシール123が取り付けられている。本体装着前の状態において、弁バネ122の付勢力により弁体121がジョイントシール123に押圧され、液体供給部2は閉塞を保っている。本体に装着された状態において、本体側のジョイントニードル310が、液体カートリッジ1の液体供給部2に挿入されることになる。ジョイントニードル310は、内部が中空となっており、チューブ20と連結され、本体側の液体供給系の末端を構成している。このジョイントニードル310がまずジョイントシール123と密閉を保ちながら摺動して挿入され、弁バネ122の付勢力に抗って弁体121を押圧する。その後、弁体121はジョイントシール123から離れる方向(図の方向52)に移動し、液体供給部2は開放され、液体吐出ヘッド100への液体供給が可能な状態になる。本体から取り外される場合は、先述した本体装着過程と逆の動作が行われる。
【0047】
<大気連通部>
図9を用いて大気連通部130を説明する。大気連通部130は、先述したように、液体貯留室110の上方に位置している。大気連通部130は、第1の内蓋3(中蓋)および第2の内蓋4(上蓋)によって形成されている大気流路である。大気連通部130において、第2の内蓋4には、大気と連通する機能を有した大気連通フィルム134が設けられている。第1の内蓋3には、大気連通部130と液体貯留室110とを連通する大気連通孔16が形成されている。この大気連通部130の内部には、気液分離膜133が設けられている。気液分離膜133は、液体連通を遮断し、且つ気体連通を許容する半透膜である。
【0048】
大気連通部130の内部には弁ユニット140が配されている。弁ユニット140は、第1シールゴム141(弾性部材)と、コイルばね(付勢部材)142と、弁ホルダー143と、第2シールゴム144(弾性部材)と、を有する。コイルばね142は金属、各シールゴムはゴムで製作されている。第1シールゴム141および第2シールゴム144は、弁ホルダー143にそれぞれ組み付けられている。第1シールゴム141は、弁ホルダー143の上部に組み付けられ、第2シールゴム144は、弁ホルダー143の下部に組み付けられている。即ち、第1シールゴム141は、第2の内蓋4(上蓋)において第1の内蓋3(中蓋)とは反対の方向である第一方向側に設けられている。第2シールゴム144は、第1の内蓋3の貯留室側に設けられている。コイルばね142は、第2の内蓋4に設けられている固定ホルダー145に取り付けられている。固定ホルダー145は、第2の内蓋4から上方(方向53)に延在するように第2の内蓋4に設けられている。
【0049】
弁ホルダー143は、固定ホルダー145に組み付けられているコイルばね142に差し込まれ、第1の内蓋3に形成された大気連通孔16、および、大気連通孔16に対向する第2の内蓋4の位置に形成された開口146に挿入される。第1シールゴム141は、コイルばね142によって上方(方向53)に付勢されている。固定ホルダー145と第1シールゴム141との間には、空間が形成されている。第1シールゴム141の弁ホルダー143に組付けられる側の面の外径は、固定ホルダー145の外径より大きい。また、第1シールゴム141は、曲面を有している。
【0050】
第2シールゴム144は、少なくとも2段階の外径を有する段差構造となっている。本例では、第1サイズの外径の第1段部と、第2サイズの外径の第2段部とを有する。第2段部は、第1段部に向けて漸次外径が縮小するテーパ形状でもよい。第1サイズの外径は、大気連通孔16よりも小さい。第2サイズの外径は、大気連通孔16よりも大きい。第2シールゴム144の第2段部が第1の内蓋3よりも下方に位置するように、弁ユニット140が取り付けられる。
【0051】
上記構成により、コイルばね142は、方向53に押圧が発現するように構成される。つまりコイルばね142は、方向53(第一方向側)に付勢されており、コイルばね142による押圧により、第2シールゴム144が大気連通孔16と密着し、液体貯留室110を密閉している。より詳細には、第2シールゴム144のうちの第2段部が、大気連通孔131が形成されている内蓋135よりも下方(方向54、第二方向側)に位置し、この第2段部が大気連通孔16と密着して液体貯留室110が密閉されている。
【0052】
以上のような構成で閉塞することにより、第2シールゴム144は、液体貯留室110内部からシールすることになる。このため、物流時の環境変化による内圧上昇時にも、第2シールゴム144が、大気連通孔16にさらに密着し、タンク未装着時の密閉を維持することができる。
【0053】
<液体カートリッジ装着>
次に、液体カートリッジ装着時の大気開放状態を、
図10、
図11、
図12、および
図13を用いて説明する。
【0054】
先述したように、
図10に示す液体カートリッジ1がホルダー30に装着される前の状態では、大気連通孔131は、第2シールゴム144によってシール(封止)され、液体貯留室110が密閉状態に維持されている。物流はこの状態で行われる。
【0055】
図10の状態から、液体カートリッジ1は、方向51に移動され、
図11に示すようにホルダー30に挿入される。方向51で挿入される液体カートリッジ1の液体供給部2の対面には、ホルダー30のジョイントニードル310が配されている。また、ホルダー30の上面には、押圧部320が配されており、押圧部320は、第1シールゴム141に相応する位置に設けられている。
【0056】
液体カートリッジ1がホルダー30に挿入される過程で、
図12示すように、まず押圧部320と第1シールゴム141の端部とが当接する。更に挿入が進むと、
図13に示すように、第1シールゴム141が、押圧部320の下方に潜り込むように挿入が進む。本実施形態では、第1シールゴム141が曲面形状となっており、曲面に沿って第1シールゴム141が押圧部320の下方に潜り込むように構成されている。尚、第1シールゴム141は弾性部材で構成されており、押圧部320による接触によって変形し、押圧部320の下方に潜り込むことができる。このため、第1シールゴム141は、曲面形状でなくてもよい。
【0057】
図12および
図13は、弁ユニットの周辺を拡大した図である。押圧部320が第1シールゴム141を押圧することで、
図13に示すように、第1シールゴム141は、固定ホルダー145の上部の開口部をシールする。また、弁ホルダー143が、第1シールゴム141が押圧されたことに連動して、方向54に移動することになる。この弁ホルダー143の移動により、第2シールゴム144は、液体貯留室110内部の方向(方向54)に移動する。このように第2シールゴム144が大気連通孔16から離れると、大気連通孔16が開放され、液体貯留室110を大気開放することになる。
【0058】
この液体貯留室110と外気の連通がなされた後で、液体供給部2へジョイントニードル310の挿入が完了すると、
図11に示すように液体カートリッジ1の弁ホルダー143への装着が完了した状態となる。液体貯留室110の液体が消費されると、外部の空気は大気連通フィルム134から大気連通部130内に入り、大気連通孔16から液体貯留室110に入り込むことになる。
【0059】
次に、ホルダー30に装着された液体カートリッジ1を取り外す場合を説明する。液体カートリッジ1をホルダー30から取り外す場合、上述してきた装着過程と逆の挙動が行われる。即ち、液体カートリッジ1を取り外す過程で、押圧部320による押圧が解除される。すると、弁ユニット140は、コイルばね142の付勢力により、上方(方向53)に移動する。そして、大気連通孔16は、コイルばね142の付勢力により第2シールゴム144によって再び封止される。
【0060】
以上説明したように、本実施形態では、大気連通孔16を液体貯留室110側から密閉する。このため、物流時の内圧上昇時も密閉する方向に力が作用するため密閉状態を維持することができる。また、液体カートリッジ1をホルダー30から取り外す場合にも、再び大気連通孔16を液体貯留室110側から密閉することができる。
【0061】
さらに、本実施形態では、液体カートリッジ1が装着状態において、ホルダー30の押圧部320の押圧により、第1シールゴム141を移動させて、固定ホルダー145の上部の開口部がシールされる。このため、たとえば
図6に示すように、コイルばね530の付勢力のみで第2の内蓋4をシールする構成の比較例と比べて、液体漏れに対する信頼性を向上させることができる。よって、物流時もしくはユーザーの残量確認時等のタンク未装着時、および、ユーザー使用時等のタンク装着時の双方において、液体漏れに対する信頼性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 液体カートリッジ
7 弁ユニット
12 レバー
16 大気連通孔