(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-12
(45)【発行日】2024-07-23
(54)【発明の名称】タービンケーシングにおける部品位置合わせのための方法及びシステム、並びに関連するタービンケーシング
(51)【国際特許分類】
F01D 25/24 20060101AFI20240716BHJP
【FI】
F01D25/24 R
F01D25/24 T
(21)【出願番号】P 2022520827
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(86)【国際出願番号】 PL2019050058
(87)【国際公開番号】W WO2021086208
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルスチャク、クシシュトフ アンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュ、ウィリアム パトリック
(72)【発明者】
【氏名】メリル、サミュエル ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】オルアガ、エジロ アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ネルメス、ジョン デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ヴォイディウォ、ユスティナ ルドウィカ
(72)【発明者】
【氏名】ノーラン、ジョン フランシス
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-84169(JP,A)
【文献】特開2019-70334(JP,A)
【文献】特開2018-178960(JP,A)
【文献】特開2019-49233(JP,A)
【文献】特表2004-516415(JP,A)
【文献】特開2016-211382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/00
F02C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンケーシング(100)内で構成要素(120)を位置合わせする方法であって、前記タービンケーシング(100)は、ロータ(12)を集合的に取り囲むように構成された上部ケーシング(106)及び下部ケーシング(102)を含み、前記ロータ(12)はロータ軸(A)を有し、前記方法は、
前記ロータ軸(A)に沿った少なくとも1つの一次軸方向位置に対して、各一次軸方向位置において前記タービンケーシング(100)の片側又は両側(110L、110R)で、
前記上部ケーシング(106)が前記下部ケーシング(102)に結合されたトップオン位置にある状態で、
前記下部ケーシング(102)の水平継
手フランジ(104)の外面(142)に結合された第1の光学ターゲット(140)における第1の基準点(RP1)の第1の位置(L1)、及び
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記外面(142)に結合され、前記第1の光学ターゲット(140)から垂直に離間した第2の光学ターゲット(148)における第2の基準点(RP2)の第2の位置(L2)
を測定するステップと、
少なくとも前記上部ケーシング(106)が前記下部ケーシング(102)から取り外されたトップオフ位置にある状態で、
前記第1の光学ターゲット(140)における前記第1の基準点(RP1)の第3の位置(L3)、
前記第2の光学ターゲット(148)における前記第2の基準点(RP2)の第4の位置(L4)、
前記下部ケーシング(102)の前記水平継
手フランジ(104)の上面(150)の第3の基準点(RP3)の第5の位置(L5)であって、前記第3の基準点(RP3)は、それぞれの一次軸方向位置での前記下部ケーシング(102)内の前記構成要素(120)の構成要素支持位置(124)に対する既知の空間的関係を有する、第3の基準点(RP3)の第5の位置(L5)、及び
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の第4の基準点(RP4)の第6の位置(L6)であって、前記第4の基準点(RP4)は、前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の前記第3の基準点(RP3)から離間している、第4の基準点(RP4)の第6の位置(L6)
を測定するステップと、
少なくとも前記第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の位置(L1~L6)、並びに前記下部ケーシング(102)の内径(IR)に基づいて、前記トップオン位置における前記構成要素支持位置(124)の予測オフセット値を計算するステップと、
前記予測オフセット値によって前記タービンケーシング(100)内の前記構成要素支持位置(124)を調整するステップであって、前記構成要素支持位置(124)に位置決めされた前記構成要素(120)の位置合わせは、前記上部ケーシング(106)を前記トップオン位置に交換する際に、前記ロータ軸(A)に対して改善される、調整するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの一次軸方向位置は、複数の一次軸方向位置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タービンケーシング(100)の前記片側又は両側(110L、110R)は、前記タービンケーシング(100)の両側(110L、110R)を含み、前記タービンケーシング(100)の第1の側の前記トップオン位置における前記構成要素支持位置(124)の前記予測オフセット値を計算する前記計算するステップは、前記タービンケーシング(100)の第2の反対側の前記トップオン位置における前記構成要素支持位置(124)の前記予測オフセット値を考慮するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記上部ケーシング(106)を前記下部ケーシング(102)から取り外し、前記ロータ(12)及び下部ダイヤフラムの少なくとも一方を前記下部ケーシング(102)から取り外し、前記トップオフ位置を作り出すステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の光学ターゲット(140)及び前記第2の光学ターゲット(148)が、前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の半径方向に向いた外面(142)に結合される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記構成要素(120)は、ダイヤフラム部分(112)、内側ケーシング部分(114)、及び1つ又は複数の静止ノズル部分(116)のうちの少なくとも1つを含み、
前記調整するステップは、
前記上部ケーシング(106)を前記トップオン位置に交換する際に、前記構成要素(120)の前記ロータ軸(A)との位置合わせを改善するように前記構成要素支持位置(124)を変更する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
各一次軸方向位置とは異なり、前記第1の光学ターゲット(140)を含むが前記第2の光学ターゲット(148)を含まない、前記ロータ軸(A)に沿った少なくとも1つの二次軸方向位置に対して、各二次軸方向位置における前記タービンケーシング(100)の片側又は両側で、
前記上部ケーシング(106)が前記下部ケーシング(102)に結合された前記トップオン位置にある状態で、
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記外面(142)に結合された前記第1の光学ターゲット(140)における第7の基準点(RP7)の第7の位置(L7)
を測定するステップと、
少なくとも前記上部ケーシング(106)が前記下部ケーシング(102)から取り外された前記トップオフ位置にある状態で、
前記第1の光学ターゲット(140)における前記第7の基準点(RP7)の第8の位置(L8)、
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の第8の基準点(RP8)の第9の位置(L9)であって、前記第8の基準点(RP8)は、
それぞれの二次軸方向位置における前記下部ケーシング(102)内の前記構成要素(120)の前記構成要素支持位置(124)に対して既知の空間的関係を有する、第8の基準点(RP8)の第9の位置(L9)、及び
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の第9の基準点(RP9)の第10の位置(L10)であって、前記第9の基準点(RP9)は、前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の前記第8の基準点(RP8)から離間している、第9の基準点(RP9)の第10の位置(L10)
を測定するステップと、
前記第7、第8、第9、及び第10の位置(L7~L10)、並びに前記少なくとも1つの二次軸方向位置に対する前記下部ケーシング(102)の内径(IR)に基づいて、前記トップオン位置における前記構成要素支持位置(124)の前記予測オフセット値を計算するステップと、
前記少なくとも1つの二次軸方向位置における前記タービンケーシング(100)内の前記構成要素支持位置(124)を、前記予測オフセット値によって調整するステップであって、前記少なくとも1つの二次軸方向位置に対して前記構成要素支持位置(124)に位置決めされた前記構成要素(120)の前記位置合わせが、前記上部ケーシング(106)を前記トップオン位置に交換する際に前記ロータ軸(A)に対して改善される、調整するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記予測オフセット値を計算する前記計算するステップは、
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の前記第3の基準点(RP3)の前記第5の位置(L5)と、前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の前記第4の基準点(RP4)の前記第6の位置(L6)と、前記第1の光学ターゲット(140)における前記第1の基準点(RP1)の前記第3の位置(L3)との間の三角形の空間的関係(160)を識別するステップと、
前記ロータ軸(A)から前記トップオン位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第1の位置(L1)まで延在する第1のベクトルと、前記ロータ軸(A)から前記トップオフ位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第3の位置(L3)を通る第2のベクトルとの間の角度を計算することによって、前記ロータ軸(A)を中心とした前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の回転角(α)を決定するステップと、
前記トップオン位置にある前記第1の位置(L1)における前記第1の基準点(RP1)、及び前記ロータ軸(A)を中心とした前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記回転角(α)に基づいて、前記三角形の空間的関係(160)を前記トップオン位置に並進移動させるステップであって、前記トップオン位置にある前記第3の基準点(RP3)の予測トップオン位置を作り出す、並進移動させるステップと、
測定された前記第3の基準点(RP3)の前記第5の位置(L5)と前記第3の基準点(RP3)の前記予測トップオン位置との間の任意の垂直差(Δz)を計算するステップと、
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の任意の垂直差(Δz)に基づいて垂直調整を計算するステップと
を含み、
前記調整するステップが、前記垂直調整、及び前記下部ケーシング(102)内の前記構成要素(120)の前記構成要素支持位置(124)に対する前記第3の基準点(RP3)の前記既知の空間的関係に基づいて、前記構成要素支持位置(124)に上昇又は下降の一方を行って調整するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記予測オフセット値を計算する前記計算するステップは、
前記トップオン位置にある前記第1の光学ターゲット(140)及び前記第2の光学ターゲット(148)の前記第1の位置(L1)及び前記第2の位置(L2)を通って延在する第1の基準線(RL1、FRL)と、前記トップオフ位置にある前記第1の光学ターゲット(140)及び前記第2の光学ターゲット(148)の前記第3の位置(L3)及び前記第4の位置(L4)を通って延在する第2の基準線(RL2、SRL)との間の角度を計算することによって、前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の傾斜角(β)を決定するステップと、
測定された前記第3の基準点(RP3)の前記第5の位置(L5)と前記第3の基準点(RP3)の前記予測トップオン位置との間の任意の垂直差(Δz)を計算するステップと、
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の任意の垂直差(Δz)及び傾斜角(β)に基づいて前記垂直調整を計算するステップと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記予測オフセット値を計算する前記計算するステップは、
前記下部ケーシング(102)の第1の側で、前記トップオン位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第1の位置(L1)と前記トップオフ位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第3の位置(L3)との間の第1の水平差(Δy1)を計算するステップと、
前記下部ケーシング(102)の第2の側で、前記トップオン位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第1の位置(L1)と前記トップオフ位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第3の位置(L3)との間の第2の水平差(Δy2)を計算するステップと、
水平調整を達成するために前記第1の水平差(Δy1)と前記第2の水平差(Δy2)とを合計するステップと
を含み、
前記調整するステップが、前記水平調整、及び前記下部ケーシング(102)内の前記構成要素(120)の前記構成要素支持位置(124)に対する前記第3の基準点(RP3)の前記既知の空間的関係に基づいて、前記構成要素支持位置(124)を調整するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記予測オフセット値を計算する前記計算するステップは、
前記上部ケーシング(106)が前記下部ケーシング(102)に装着される位置にある状態で、前記傾斜角(β)に基づいて、前記上部ケーシング(106)の前記第3の基準点(RP3)及び第5の基準点(RP5)の近くの内側位置、又は前記上部ケーシング(106)の前記第4の基準点(RP4)及び第6の基準点(RP6)の近くの外側位置における任意のギャップ(G)を計算するステップと、
前記下部ケーシング(102)の少なくとも前記第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の位置(L1~L6)、並びに任意のギャップ(G)に基づいて、前記トップオン位置における前記構成要素支持位置(124)の前記予測オフセット値を計算するステップと、
前記予測オフセット値によって前記タービンケーシング(100)内の前記構成要素支持位置(124)を調整するステップであって、前記上部ケーシング(106)を前記トップオン位置に交換する際に、前記構成要素支持位置(124)に位置決めされた前記構成要素(120)の位置合わせが前記ロータ軸(A)に対して改善される、調整するステップと
をさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記予測オフセット値を計算する前記計算するステップは、
前記下部ケーシング(102)の第1の側において、前記トップオン位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第1の位置(L1)と前記トップオフ位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第3の位置(L3)との間の第1の水平差(Δy1)を計算するステップと、
前記下部ケーシング(102)の第2の側において、前記トップオン位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第1の位置(L1)と前記トップオフ位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第3の位置(L3)との間の第2の水平差(Δy2)を計算するステップと、
水平調整を達成するために前記第1の水平差(Δy1)と前記第2の水平差(Δy2)とを合計するステップと
を含み、
前記調整するステップが、前記水平調整、及び前記下部ケーシング(102)内の前記構成要素(120)の前記構成要素支持位置(124)に対する前記第3の基準点(RP3)の前記既知の空間的関係に基づいて、前記構成要素支持位置(124)を調整するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記予測オフセット値を計算する前記計算するステップは、
少なくとも前記上部ケーシング(106)が前記下部ケーシング(102)から取り外された前記トップオフ位置にある状態で、
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記第3の基準点(RP3)及び前記第4の基準点(RP4)を通る第1の基準線(RL1、FRL)を識別するステップと、
前記上部ケーシング(106)の
水平継手フランジ(108)の下面(152)の第5の基準点(RP5)及び第6の基準点(RP6)を通る第2の基準線(RL2、SRL)を識別するステップであって、前記第5の基準点(RP5)は、前記トップオン位置にある前記第3の基準点(RP3)と位置合わせされ、前記第6の基準点(RP6)は、前記トップオン位置にある前記第4の基準点(RP4)と位置合わせされる、識別するステップと、
前記トップオフ位置にある前記上部ケーシング(106)の前記
水平継手フランジ(108)のロータ軸(A’)を、前記トップオフ位置にある前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記ロータ軸(A)と重ね合わせることによって、前記第1の基準線(RL1、FRL)と前記第2の基準線(RL2、SRL)との間の角度関係を確立するステップと、
前記第1の基準線(RL1、FRL)と前記第2の基準線(RL2、SRL)との間の角度関係、及び前記下部ケーシング(102)の前記内径(IR)に基づいて、前記第3の基準点(RP3)及び前記第5の基準点(RP5)の近くの内側位置、又は前記第4の基準点(RP4)及び前記第6の基準点(RP6)の近くの外側位置における任意のギャップ(G)を計算するステップと、
前記下部ケーシング(102)の少なくとも前記第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の位置、並びに任意のギャップ(G)に基づいて、前記トップオン位置にある前記構成要素支持位置(124)の前記予測オフセット値を計算するステップと、
前記予測オフセット値によって前記タービンケーシング(100)内の前記構成要素支持位置(124)を調整するステップであって、前記上部ケーシング(106)を前記トップオン位置に交換する際に、前記構成要素支持位置(124)に位置決めされた前記構成要素(120)の位置合わせが前記ロータ軸(A)に対して改善される、調整するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
タービンケーシング(100)内で構成要素(120)を位置合わせするためのシステム(146)であって、前記タービンケーシング(100)は、ロータ(12)を集合的に取り囲むように構成された上部ケーシング(106)及び下部ケーシング(102)を含み、前記ロータ(12)はロータ軸(A)を有し、前記システム(146)は、
前記ロータ軸(A)に沿った少なくとも1つの一次軸方向位置に対して、各一次軸方向位置において前記タービンケーシング(100)の片側又は両側で、
前記上部ケーシング(106)が前記下部ケーシング(102)に結合されたトップオン位置にある状態で、
前記下部ケーシング(102)の水平継
手フランジ(104)の外面(142)に結合され
た第1の光学ターゲット(140)における第1の基準点(RP1)の第1の位置(L1)、及び
前記下部ケーシング(102)の
水平継手フランジ(104)の前記外面(142)に結合され、前記第1の光学ターゲット(140)から垂直に離間した第2の光学ターゲット(148)における第2の基準点(RP2)の第2の位置(L2)
の測定値を受信し、少なくとも前記上部ケーシング(106)が前記下部ケーシング(102)から取り外されたトップオフ位置にある状態で、
前記第1の光学ターゲット(140)における前記第1の基準点(RP1)の第3の位置(L3)、
前記第2の光学ターゲット(148)における前記第2の基準点(RP2)の第4の位置(L4)、
前記下部ケーシング(102)の前記水平継
手フランジ(104)の上面(150)の第3の基準点(RP3)の第5の位置(L5)であって、前記第3の基準点(RP3)は、それぞれの一次軸方向位置での前記下部ケーシング(102)内の前記構成要素(120)
の構成要素支持位置(124)に対する既知の空間的関係を有する、第3の基準点(RP3)の第5の位置(L5)、及び
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の第4の基準点(RP4)の第6の位置(L6)であって、第4の基準点(RP4)は、前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の前記第3の基準点(RP3)から離間している、第4の基準点(RP4)の第6の位置(L6)
の測定値を受信するように構成された測定モジュール(230)と、
少なくとも前記第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の位置(L1~L6)、並びに前記下部ケーシング(102)の内径(IR)に基づいて、前記トップオン位置における前記構成要素支持位置(124)の予測オフセット値を計算し、
前記予測オフセット値に基づいて、前記少なくとも1つの一次軸方向位置における前記タービンケーシング(100)内の前記構成要素支持位置(124)の調整を指示する
ように構成された計算モジュール(232)と
を備える、システム(146)。
【請求項15】
各一次軸方向位置とは異なり、前記第1の光学ターゲット(140)を含むが前記第2の光学ターゲット(148)を含まない、前記ロータ軸(A)に沿った少なくとも1つの二次軸方向位置に対して、各二次軸方向位置における前記タービンケーシング(100)の片側又は両側で、前記測定モジュール(230)はさらに、
前記上部ケーシング(106)が前記下部ケーシング(102)に結合された前記トップオン位置にある状態で、
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記外面(142)に結合された前記第1の光学ターゲット(140)における第7の基準点(RP7)の第7の位置(L7)
の測定値を受信し、
少なくとも前記上部ケーシング(106)が前記下部ケーシング(102)から取り外された前記トップオフ位置にある状態で、
前記第1の光学ターゲット(140)における前記第7の基準点(RP7)の第8の位置(L8)、
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の第8の基準点(RP8)の第9の位置(L9)であって、前記第8の基準点(RP8)は、
それぞれの二次軸方向位置における前記下部ケーシング(102)内の前記構成要素(120)の前記構成要素支持位置(124)に対して既知の空間的関係を有する、第8の基準点(RP8)の第9の位置(L9)、及び
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の第9の基準点(RP9)の第10の位置(L10)であって、前記第9の基準点(RP9)は、前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の前記第8の基準点(RP8)から離間している、第9の基準点(RP9)の第10の位置(L10)
の測定値を受信し、
前記計算モジュール(232)はさらに、
前記第7、第8、第9、及び第10の位置(L7~L10)、並びに前記少なくとも1つの二次軸方向位置に対する前記下部ケーシング(102)の内径(IR)に基づいて、前記トップオン位置における前記構成要素支持位置(124)についての前記予測オフセット値を計算する、請求項14に記載のシステム(146)。
【請求項16】
前記予測オフセット値を計算する前記計算モジュール(232)は、
前記トップオン位置にある前記第1の光学ターゲット(140)及び前記第2の光学ターゲット(148)の前記第1の位置(L1)及び前記第2の位置(L2)を通って延びる第1の基準線(RL1、FRL)と、前記トップオフ位置にある前記第1の光学ターゲット(140)及び前記第2の光学ターゲット(148)の前記第3の位置(L3)及び前記第4の位置(L4)を通って延びる第2の基準線(RL2、SRL)との間の角度を計算することによって、前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の傾斜角(β)を決定することと、
前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の前記第3の基準点(RP3)の前記第5の位置(L5)と、前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記上面(150)の前記第4の基準点(RP4)の前記第6の位置(L6)と、前記第1の光学ターゲット(140)における前記第1の基準点(RP1)の前記第3の位置(L3)との間の三角形の空間的関係(160)を識別することと、
前記ロータ軸(A)から前記トップオン位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第1の位置(L1)まで延在する第1のベクトルと、前記ロータ軸(A)から前記トップオフ位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第3の位置(RP3)を通る第2のベクトルとの間の角度を計算することによって、前記ロータ軸(A)を中心とした前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の回転角(α)を決定することと、
前記トップオン位置にある前記第1の位置(L1)における前記第1の基準点(RP1)、及び前記ロータ軸(A)を中心とした前記下部ケーシング(102)の前記
水平継手フランジ(104)の前記回転角(α)に基づいて、前記三角形の空間的関係(160)を前記トップオン位置に並進移動させるステップであって、前記トップオン位置にある前記第3の基準点(RP3)の予測トップオン位置を作り出す、並進移動させることと、
測定された前記第3の基準点(RP3)の前記第5の位置(L5)と前記第3の基準点(RP3)の前記予測トップオン位置との間の任意の垂直差(Δz)を計算することと、
任意の垂直差(Δz)、及び前記下部ケーシング(102)の
水平継手フランジ(104)の傾斜角(β)に基づいて、上下調整を含む前記予測オフセット値を算出することと
を含む、請求項14に記載のシステム(146)。
【請求項17】
前記予測オフセット値を計算する前記計算することは、
前記上部ケーシング(106)が前記下部ケーシング(102)に装着される位置にある状態で、前記傾斜角(β)に基づいて、前記上部ケーシング(106)上の前記第3の基準点(RP3)及び第5の基準点(RP5)の近くの内側位置、又は前記上部ケーシング(106)上の前記第4の基準点(RP4)及び第6の基準点(RP6)の近くの外側位置における任意のギャップ(G)を計算することと、
前記下部ケーシング(102)の少なくとも前記第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の位置(L1~L6)、並びに任意のギャップ(G)に基づいて、前記トップオン位置における前記構成要素支持位置(124)の前記予測オフセット値を計算することと
をさらに含む、請求項16に記載のシステム(146)。
【請求項18】
前記予測オフセット値を計算する前記計算することは、
前記下部ケーシング(102)の第1の側において、前記トップオン位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第1の位置(L1)と前記トップオフ位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第3の位置(L3)との間の第1の水平差(Δy1)を計算することと、
前記下部ケーシング(102)の第2の側において、前記トップオン位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第1の位置(L1)と前記トップオフ位置にある前記第1の光学ターゲット(140)の前記第3の位置(L3)との間の第2の水平差(Δy2)を計算することと、
水平調整を達成するために前記第1の水平差(Δy1)と前記第2の水平差(Δy2)とを合計することであって、前記水平調整は前記予測オフセット値の少なくとも一部を形成する、合計することと
をさらに含む、請求項14に記載のシステム(146)。
【請求項19】
上部水平継
手フランジ(108)を有する上部ケーシング(106)と、
下部水平継
手フランジ(104)を有する下部ケーシング(102)であって、前記上部ケーシング(106)及び前記下部ケーシング(102)は、タービンロータ(14)、及び前記タービンロータ(14)に結合された複数のタービンブレード(20)を集合的に取り囲むように構成される、下部ケーシング(102)と、
複数の第1の光学ターゲット(140)であって、各第1の光学ターゲット(140)は、前記下部ケーシング(102)の前記下部
水平継手フランジ(104)の半径方向に向いた外面(142)に沿って延在する複数の軸方向位置のうちの1つに位置決めされる、複数の第1の光学ターゲット(140)と、
前記複数の軸方向位置のうちの1つ又は複数に位置決めされた第2の光学ターゲット(148)であって、各第2の光学ターゲット(148)は、それぞれの第1の光学ターゲット(140)から垂直に離間している第2の光学ターゲット(148)と
を備える、タービンケーシング(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にタービンシステムに関し、より詳細には、そのようなタービンシステム内の構成要素を位置合わせするためのシステム及び方法、並びに関連するタービンケーシングに関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービン(ST)システム又はガスタービン(GT)システムなどのタービンシステムは、多種多様な発電システムで使用されている。タービンは、典型的には、タービン内の構成要素へのアクセスを可能にするために、1つ又は複数の取り外し可能な上側部分(例えば、上部シェル又はケーシング)を使用して構築される。タービン内の構成要素は、多数の静止構成要素及び回転構成要素を含んでもよい。回転構成要素は、タービンの動作中に回転する1つ又は複数のホイール、シャフトなどを含んでもよい。静止構成要素は、タービンの動作中に静止されたままである1つ又は複数の静止ホイール、ダイヤフラム、支持パッド、デフレクタ、ケーシング部分、軸受などを含んでもよい。タービンはまた、一般に他のタービン構成要素の支持体として機能する1つ又は複数の下側部分(例えば、下部シェル又はケーシング)を含んでもよく、漏れを防止するために作動流体(例えば、蒸気又は燃焼燃料)経路を封止するのを補助してもよい。上部ケーシングは、作動流体経路を作成するように下部ケーシングに結合される。
【0003】
タービンの様々な構成要素間の厳密な公差は、その効率に直接影響する。例示すると、重量数トンの大型蒸気タービンは、ミリメートル(mm)又は1000分の1インチ(mil)単位で測定される内部構成要素の公差を有する可能性がある。静止構成要素と回転構成要素とが互いに近すぎる場合、動作中に構成要素間の摩擦が発生する可能性がある。この摩擦は、整備又はオーバーホール後にタービンを始動することを困難にし、過度の振動を発生させる。摩擦はまた、回転構成要素と静止構成要素との間の封止を摩耗させる可能性があり、構成要素が摩耗した後、摩擦が発生した領域に過剰なクリアランスが存在することになる。静止構成要素及び回転構成要素が他方から離れすぎると、構成要素間で作動流体の漏れが発生し、タービンの効率が低下する可能性がある。したがって、様々な構成要素が正しく位置合わせ及び位置決めされることを確実にするために、タービンを整備又は維持するときには、細心の注意が望ましい。
【0004】
タービンシステムのオフライン整備又はオーバーホール中に、一般に「トップ」と呼ばれる1つ又は複数の上部ケーシングを取り外すことによって、タービンの様々な構成要素にアクセスすることができる。トップオフの状態で、タービンの静止構成要素及び回転構成要素は、検査、調整、洗浄、修理、交換、及び/又はその他の方法で整備することができる。検査の1つのタイプは、タービンの動作に起因して様々な構成要素が受ける変位量を決定してもよい。例えば、特定の静止構成要素は、位置合わせがずれている可能性がある。次いで、位置ずれした構成要素は、この検査の一部として再度位置合わせされてもよい。整備又はオーバーホールが完了すると、上部ケーシングを交換し、タービンを動作に戻すことができる。残念なことに、トップが下部ケーシング上に戻されて配置されると、位置合わせの問題が一般的に発生する。上部ケーシングは、1トン以上の重さである可能性もあり、これらの上部ケーシングをタービン上に配置すると、以前に位置合わせされた構成要素間に追加の変位量又は歪みが生じる可能性がある。そのような変位は、一般に、本明細書では「トップオン変位」と呼ばれることがある。例えば、下部ケーシングは、トップオフ状態になると、支持点間で跳ね上がるか、又は撓むか、垂れ下がる可能性があり、下部ケーシングに接続された1つ又は複数の静止構成要素、例えばダイヤフラム部分はシフトする可能性がある。トップオフで構成要素が位置合わせされている場合、トップが再び上に配置されたときにシフトする可能性があり、実際には位置合わせから外れてシフトする可能性がある。
【0005】
この問題に対処するために、トップオン/トップオフ位置合わせ手順を行うことが従来の慣例である。この手順では、上部ケーシングが最初に取り外され、必要に応じて様々な構成要素が取り外されて整備される。これらの構成要素が取り外された後、上部ケーシングが交換され、結合ケーシング内の様々な構成要素支持位置が、ユニットの中心線に対して垂直及び横方向の両方の位置について測定される。次に、上部ケーシングを再び取り外し、トップオフ線が測定される。トップオフ線は、上部ケーシング及び/又は構成要素が取り外された状態で、内部構成要素の横方向及び垂直方向の位置を測定する。次に、これらの測定値を比較して、トップオフ状態にあるときの内部構成要素の理想的な位置を決定する。次に、上部ケーシングを取り外した状態で、構成要素支持位置を調整して、トップオン変位を考慮する。例えば、ダイヤフラム部分が着座するシートは、ダイヤフラムの中心がロータ軸と確実に位置合わせされるように調整されてもよい。トップが再び上に配置されると、構成要素は位置合わせにシフトすると予想される。例えば、トップオン及びトップオフ測定値の組は、特定の構成要素が、トップが配置されたときに0.25ミリメートル(mm)上方にシフトすることを示す可能性がある。この構成要素は、この上昇を考慮するように、トップオフ状態で0.25mm低くなるように位置合わせされてもよい。
【0006】
上述のトップオン/トップオフ手順は、整備の完了時に様々なタービン構成要素が確実に最適に位置合わせされるのに役立つ。しかしながら、トップオン/トップオフ手順は非常に時間がかかる。様々な測定を実行するために、及び上部ケーシングを2度取り外して交換するために多くの時間が必要とされ、その結果、人的時間のコストが高くなり、タービンがオフラインであるために失われる収入の量が増加する。ロータ及び/又は他の内部構成要素なしで組み立てられた場合、上部ケーシング及びロータに関連する内部構成要素、例えばダイヤフラム及びキャリアの一部が存在しないため、タービンケーシング全体がトップオン状態を完全に表してはいないので、手順はさらに複雑になる可能性がある。したがって、現在の手順は不正確である可能性がある。その結果、位置合わせ手順を繰り返す必要があり、コストが増加する可能性がある。これらの問題に対処するための1つの手法は、トップオフ状況で左右の構成要素支持体及び/又は内側シェル変位を測定し、構成要素の調整のために測定された変位の割合である予測垂直及び/又は横方向オフセット値を計算する。この手法は反復アセンブリを排除するが、完全なトップオン状況を考慮せず、不正確である可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【0008】
本開示の第1の態様は、タービンケーシング内で構成要素を位置合わせする方法を提供し、タービンケーシングは、ロータを集合的に取り囲むように構成された上部ケーシング及び下部ケーシングを含み、ロータはロータ軸を有し、方法は、ロータ軸に沿った少なくとも1つの一次軸方向位置に対して、各一次軸方向位置におけるタービンケーシングの片側又は両側で、上部ケーシングが下部ケーシングに結合されたトップオン位置にある状態で、下部ケーシングの水平継手(HJ)フランジの外面に結合された第1の光学ターゲットにおける第1の基準点の第1の位置、及び下部ケーシングのHJフランジの外面に結合され、第1の光学ターゲットから垂直に離間した第2の光学ターゲットにおける第2の基準点の第2の位置を測定するステップと、少なくとも上部ケーシングが下部ケーシングから取り外されたトップオフ位置にある状態で、第1の光学ターゲットにおける第1の基準点の第3の位置、第2の光学ターゲットにおける第2の基準点の第4の位置、下部ケーシングの水平継手(HJ)フランジの上面の第3の基準点の第5の位置であって、第3の基準点は、それぞれの一次軸方向位置において下部ケーシング内の構成要素の構成要素支持位置に対して既知の空間的関係を有する、第3の基準点の第5の位置、及び下部ケーシングのHJフランジの上面の第4の基準点の第6の位置であって、第4の基準点は、下部ケーシングのHJフランジの上面の第3の基準点から離間している、第4の基準点の第6の位置を測定するステップと、少なくとも第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の位置、並びに下部ケーシングの内径に基づいて、トップオン位置における構成要素支持位置の予測オフセット値を計算するステップと、予測オフセット値によってタービンケーシング内の構成要素支持位置を調整するステップとを含み、構成要素支持位置に位置決めされた構成要素の位置合わせは、上部ケーシングをトップオン位置に交換する際に、前記ロータ軸に対して改善される。
【0009】
本開示の第2の態様は、タービンケーシング内で構成要素を位置合わせするためのシステムを提供し、タービンケーシングは、ロータを集合的に取り囲むように構成された上部ケーシング及び下部ケーシングを含み、ロータはロータ軸を有し、システムは、ロータ軸に沿った少なくとも1つの一次軸方向位置に対して、各一次軸方向位置においてタービンケーシングの片側又は両側において、上部ケーシングが下部ケーシングに結合されたトップオン位置にある状態での、下部ケーシングの水平継手(HJ)フランジの外面に結合された第1の光学ターゲットにおける第1の基準点の第1の位置、及び下部ケーシングのHJフランジの外面に結合され、第1の光学ターゲットから垂直に離間した第2の光学ターゲットにおける第2の基準点の第2の位置の測定値を受信するように、かつ少なくとも上部ケーシングが下部ケーシングから取り外されたトップオフ位置にある状態で、第1の光学ターゲットにおける第1の基準点の第3の位置、第2の光学ターゲットにおける第2の基準点の第4の位置、下部ケーシングの水平継手(HJ)フランジの上面の第3の基準点の第5の位置であって、第3の基準点は、それぞれの一次軸方向位置において下部ケーシング内の構成要素の構成要素支持位置に対して既知の空間的関係を有する、第3の基準点の第5の位置、及び下部ケーシングのHJフランジの上面の第4の基準点の第6の位置であって、第4の基準点は、下部ケーシングのHJフランジの上面の第3の基準点から離間している、第4の基準点の第6の位置の測定値を受信するように構成された測定モジュールと、少なくとも第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の位置、並びに下部ケーシングの内径に基づいて、トップオン位置における構成要素支持位置の予測オフセット値を計算するように、かつ予測オフセット値に基づいた少なくとも1つの一次軸方向位置におけるタービンケーシング内の構成要素支持位置の調整を指示するように構成された計算モジュールとを備える。
【0010】
第3の態様は、タービンケーシングを含み、タービンケーシングは、上部水平継手(HJ)フランジを有する上部ケーシングと、下部水平継手(HJ)フランジを有する下部ケーシングであって、上部ケーシング及び下部ケーシングは、タービンロータ、及びタービンロータに結合された複数のタービンブレードを集合的に取り囲むように構成される、下部ケーシングと、複数の第1の光学ターゲットであって、各第1の光学ターゲットは、下部ケーシングの下部HJフランジの半径方向に向いた外面に沿って延在する複数の軸方向位置のうちの1つに位置決めされる、複数の第1の光学ターゲットとを備える。
【0011】
本開示の例示的な態様は、本明細書で説明される問題及び/又は論じられていない他の問題を解決するように設計されている。
【0012】
本開示のこれら及び他の特徴は、本開示の様々な実施形態を図示する添付の図面と併せて、本開示の様々な態様に関する以下の詳細な説明から、さらに容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】上部ケーシングが取り外された蒸気タービンの斜視部分切欠図である。
【
図2】本開示の実施形態による、タービンケーシングの側面図である。
【
図3】本開示の実施形態による、トップオフ位置にある下部ケーシング内の構成要素支持位置の上面図である。
【
図4】本開示の実施形態による、トップオフ位置にある下部ケーシング内の構成要素支持位置にある構成要素の部分断面図である。
【
図5】本開示の実施形態による、トップオフ位置にあるタービンケーシングの水平継手(HJ)フランジの第1のシナリオの概略断面図である。
【
図6】本開示の実施形態による、トップオフ位置にあるタービンケーシングのHJフランジの第2のシナリオの概略断面図である。
【
図7】本開示の実施形態による、トップオフ位置にあるタービンケーシングのHJフランジの第3のシナリオの概略断面図である。
【
図8】本開示の実施形態による、トップオフ位置にあるタービンケーシングのHJフランジの第4のシナリオの概略断面図である。
【
図9】本開示の実施形態による、トップオフ位置にあるタービンケーシングのHJフランジの第5のシナリオの概略断面図である。
【
図10】本開示の実施形態による、トップオフ位置にあるタービンケーシングのHJフランジの第6のシナリオの概略断面図である。
【
図11】本開示の実施形態による、トップオフ位置にあるタービンケーシングのHJフランジの第7のシナリオの概略断面図である。
【
図12】本開示の実施形態による、位置合わせシステムのための環境のブロック図である。
【
図13】本開示の実施形態による、方法のフロー図である。
【
図14】本開示の実施形態による、トップオフ位置にある下部ケーシングの斜視図である。
【
図15】本開示の実施形態による、一次軸方向位置においてトップオン位置にあるタービンケーシングのHJフランジの概略断面図である。
【
図16】本開示の実施形態による、一次軸方向位置においてトップオフ位置にあるタービンケーシングのHJフランジの概略断面図である。
【
図17】本開示の実施形態による、可能性のある調整が図示された、一次軸方向位置におけるタービンケーシングの下部HJフランジの拡大概略断面図である。
【
図18】本開示の実施形態による、一次軸方向位置におけるトップオフ位置にあり、三角形の空間的関係が並進移動したタービンケーシングの下部HJフランジの概略断面図である。
【
図19】本開示の実施形態による、水平調整を計算するためのHJフランジの概略断面図である。
【
図20】本開示の実施形態による、表面歪みを識別するための表面基準線を重ね合わせたHJフランジの概略断面図である。
【
図21】本開示の実施形態による、
図20の基準線間の角度関係を確立する概略断面図である。
【
図22】本開示の実施形態による、二次軸方向位置においてトップオフ位置にあるタービンケーシングのHJフランジの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の図面は、原寸に比例していないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様だけを図示することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。図面において、同じ符号は、図面を通して同じ要素を表している。
【0015】
最初の問題として、現在の開示を明確に説明するために、タービンシステム内の関連する機械構成要素を参照して説明するときに、特定の専門用語を選択することが必要になる。その際、可能な限り、一般的な工業専門用語が、その受け入れられている意味と同じ意味で使用され、かつ利用される。別途記載のない限り、このような専門用語には、本出願の文脈及び添付の特許請求の範囲の技術的範囲に矛盾しない広い解釈が与えられるべきである。当業者であれば、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なる又は重複する用語を使用して参照され得ることがあることを理解するであろう。単一の構成要素であるとして本明細書に記載され得るものは、複数の構成要素からなるものとして別の文脈を含み、かつ別の文脈で参照されてもよい。あるいは、複数の構成要素を含むものとして本明細書に記載され得るものは、単一の部品として他の場所で参照されてもよい。
【0016】
加えて、本明細書ではいくつかの記述的用語をたびたび使用することがあり、このセクションの最初にこれらの用語を定義することが有用であることがわかる。これらの用語及びその規定は、別途記載のない限り、以下の通りである。本明細書において使用されるとき、「下流」及び「上流」は、タービンシステムを通る作動流体、又は例えば燃焼器を通る空気流若しくはタービンシステムの構成要素システムのうちの1つを通る冷却剤など、流体の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れの方向に対応し、「上流」という用語は、流れの反対の方向を指す。「前方」及び「後方」という用語は、別途指定のない限り、方向を指し、「前方」はエンジンの前方又は圧縮機端を指し、「後方」はエンジンの後方又はタービン端を指す。多くの場合、中心軸線に関して異なる半径方向位置にある部品を記述することが要求される。「半径方向」という用語は、軸線に垂直な移動又は位置を指す。このような場合、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸線に近接して位置する場合には、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向内側」又は「内方」にあると述べる。他方で、第1の構成要素が第2の構成要素と比べて軸から遠くに位置する場合、本明細書では、第1の構成要素が第2の構成要素の「半径方向外側」又は「外方」にあると述べることができる。「軸方向」という用語は、軸線、例えば、タービンロータ軸に平行な移動又は位置を指す。最後に、「円周方向」という用語は、軸周りの移動又は位置を指す。このような用語は、タービンの中心軸線に関連して適用することができることが理解されよう。
【0017】
加えて、以下に記載のように、本明細書ではいくつかの記述的用語を規則通りに使用することができる。「第1の」、「第2の」、及び「第3の」という用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために交換可能に使用することができ、個々の構成要素の場所又は重要性を示すことを意図するものではない。
【0018】
本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「この(the)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数形も含むことを意図している。「備える(comprise)」及び/又は「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素が存在することを明示するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの組が存在すること又は追加することを除外しないことがさらに理解されよう。「任意選択の」又は「任意選択で」は、後で述べられる事象又は状況が、起こる場合も起こらない場合もあることを意味し、この記述は、その事象が起こる事例と、起こらない事例とを含むことを意味する。
【0019】
要素又は層が、別の要素又は層「の上にある」、「に係合される」、「から切り離される」、「に接続される」、又は「に結合される」ものとして言及されている場合、それが直接的に、別の要素若しくは層の上にある、別の要素若しくは層に係合される、別の要素若しくは層に接続される、又は別の要素若しくは層に結合されることが可能であり、又は、介在する要素若しくは層が存在することも可能である。その一方で、要素が、別の要素若しくは層「の上に直接ある」、「に直接係合される」、「に直接接続される」、又は「に直接結合される」ものとして言及されている場合、介在する要素若しくは層が存在してはならない。要素間の関係について説明するために使用される他の語も、同様に解釈されるべきである(例えば、「~の間に」に対して「直接~の間に」、「~に隣接して」に対して「直接~に隣接して」など)。本明細書で使用する場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目のいずれか及び1つ又は複数のすべての組合せを含む。
【0020】
上述のように、本開示は、タービンケーシング内の構成要素を位置合わせするための方法及びシステム、並びに関連するタービンケーシングを提供する。トップオン位置では、下部ケーシングの水平継手(HJ)フランジ上の光学ターゲット及び別の垂直方向に離間した光学ターゲットの位置が、1つ又は複数の一次軸方向位置において測定される。少なくとも上部ケーシングを取り外した後、光学ターゲットの位置を再び測定し、HJフランジの上面の一対の基準点の位置を測定する。予測オフセット値は、少なくとも測定した位置に基づいて、トップオン位置における構成要素支持位置について計算される。予測オフセット値は、いくつかの計算された調整を含んでもよい。一例では、下部ケーシングの傾斜角及び下部ケーシングの回転角が計算されてもよく、両方に基づいて垂直調整が行われてもよい。別の例では、下部ケーシングのトップオン位置からトップオフ位置への水平シフトに基づいて、水平調整が計算されてもよい。別の例では、HJフランジ表面の歪みは、HJフランジ表面の基準線を重ね合わせ、表面の歪みに基づく補正を含む予測オフセット値を用いて表面の嵌合の内側又は外側の位置にあるギャップを識別することによって識別することができる。1つの光学ターゲットのみを含む他の二次軸方向位置についても同様の予測オフセット値を計算することができる。いずれにせよ、様々な軸方向位置における構成要素支持位置は、各軸方向位置における位置合わせを改善するために予測オフセット値によって調整されてもよい。本方法及びシステムは、必要とされる持ち上げを低減し、実用的にすべての位置合わせの問題に対処することができる。
【0021】
A.タービンシステム及びタービンケーシング
図面を参照すると、
図1は、蒸気タービン(ST)システム10の形態の例示的なタービンシステムの斜視部分切欠図を示す。STシステム10は、タービンロータ14と、複数の軸方向に離間したロータホイール18とを含むロータ12を含む。タービンロータ14は、ロータ軸Aを有する。複数の回転タービンブレード20が、各ロータホイール18に機械的に結合される。より具体的には、タービンブレード20は、各ロータホイール18の周りに円周方向に延在する列に配置される。複数の静止ベーン22が、タービンロータ14の周りに円周方向に延在し、ベーンは、タービンブレード20の隣接する列の間に軸方向に位置決めされる。静止ベーン22は、タービンブレード20と協働して段を形成し、STシステム10を通る蒸気流路の一部を規定する。本開示の一実施形態では、
図1に示すように、STシステム10は5つの段を含む。5つの段は、L0、L1、L2、L3、及びL4と呼ばれる。段L4は、第1の段であり、5つの段のうちの最小(半径方向に)である。段L3は、第2の段であり、軸方向の次の段である。段L2は、第3の段であり、5つの段の中間に示されている。段L1は、第4の段であり、最後から2番目の段である。段L0は、最後の段であり、最大(半径方向に)である。5つの段は一例としてのみ示されており、各タービンシステムは5つよりも多い又は少ない段を有してもよいことを理解されたい。また、本明細書で説明するように、本発明の教示は多段タービンを必要としない。
【0022】
動作中、作動流体、ここでは蒸気24は、STシステム10の入口26に入り、静止ベーン22を通って導かれる。ベーン22は、蒸気24をタービンブレード20に対して下流側に導く。蒸気24は残りの段を通過し、タービンブレード20に力を付与してタービンロータ14を回転させる。STシステム10の少なくとも1つの端部は、ロータ12から軸線方向に離れて延在してもよく、これらに限定されないが、発電機及び/又は別のタービンなどの負荷又は機械(図示せず)に取り付けられてもよい。
【0023】
本開示の実施形態は、STシステム10に関して説明されるが、本開示の教示は、構成要素の位置合わせを必要とする大型嵌合ケーシング又は部品を有する様々なタービンシステム及び/又は他の産業機械に適用可能であることが容易に理解されよう。
【0024】
図2の側面斜視図に示すように、STシステム10は、下部水平継手(HJ)フランジ104を有する下部ケーシング102と、上部水平継手(HJ)フランジ108を有する上部ケーシング106とを含むタービンケーシング100を含んでもよい。(なお、
図2では、STシステム10の断熱部及び配管の大部分を取り除いた状態を示している。)下部及び上部ケーシング102、106はそれぞれ、タービンロータ14を集合的に取り囲む360°ケーシングの任意の程度を表すことができる。すなわち、上部ケーシング106及び下部ケーシング102は、タービンロータ14(
図1)及びタービンロータに結合されたタービンブレード20(
図1)を取り囲むように集合的に構成される。本開示は、単一の上部ケーシング106及び単一の下部ケーシング102に関して説明されるものの、本教示は、多数の上部ケーシング及び/又は下部ケーシングを有するタービンシステムに適用可能であることが当業者には理解されよう。いずれの場合でも、上部ケーシング106及び下部ケーシング102は、タービンロータ14及びタービンロータ14に結合されたタービンブレード20を集合的に取り囲むように構成される。上部ケーシング106及び下部ケーシング102は、例えば締結具によって、それぞれのHJフランジ104、108に取り付けられてもよい。HJフランジ104、108は、ケーシング102、106の丸みを帯びた部分から半径方向外側に延在して、接続フランジを作成する。当技術分野で理解されているように、「水平継手」フランジと呼ばれているが、HJフランジ104、108は水平から広がってもよい。各ケーシング102、106は、本開示の実施形態による動作に使用される内径(IR)(
図4)を有する。内径(IR)は、計算される予測オフセット値に応じて変化してもよい。例えば、内径(IR)は、ロータ軸Aから各ケーシング102、106の内面まで、ロータ軸Aから構成要素120の外面まで、又はロータ軸から関連する構成要素支持位置124の一部までであってもよい。
【0025】
典型的には、上部ケーシング106は、タービンロータ14及びSTシステム10の内部構成要素を露出させるためにメンテナンス中に取り外される。上部ケーシング106は、任意の断熱部及び外部配管(図示せず)を取り外し、下部ケーシング102への締結具を取り外し、クレーン、例えば大型リフトクレーンで持ち上げることによって取り外すことができる。次いで、下部ケーシング102内の構成要素を整備することができる。多くの場合、構成要素もまた、取り外され、整備及び交換される可能性があり、再使用前にケーシング102、106に対する位置合わせが必要となる。上部ケーシング106の交換時に位置合わせを必要とする可能性がある構成要素は、例えば、ダイヤフラム部分112(
図1)、内側ケーシング部分114(
図1)、及び1つ又は複数の静止ノズル部分116(
図1)を含んでもよい。構成要素の先のリストは包括的ではなく、多種多様な構成要素が位置合わせを必要とする可能性があることが理解される。
【0026】
図3は、ダイヤフラム122の形態の例示的な構成要素120のトップオフ位置での上面図を示す。
図3は、内部にダイヤフラム122を有する占有ダイヤフラム支持位置124Oと、それぞれのダイヤフラムが空になった構成要素(ダイヤフラム)支持位置124Eとを示す。
図4は、下部ケーシング102の片側の構成要素支持位置124にある例示的なダイヤフラム122(透過で示す)の部分断面図を示す。理解されるように、任意の数のダイヤフラム122が、ケーシング102、106内に軸方向に離間し、各ケーシング102、106の内径内に延在してタービンブレード20(
図1)と相互作用する。下部ケーシング102及び上部ケーシング106のダイヤフラム122(図示せず)は、それぞれの周方向端部132(
図4)で嵌合して、タービンブレード20(
図1)と共に作動流体経路を作成する。図示のように、各ダイヤフラム122は、その周方向端部132(
図4)に、構成要素支持位置124によって支持される延長部126を有する。図示の例では、構成要素支持位置124は、レッジ130(
図4のみ)に固定されたシム128を含んでもよい。より具体的には、構成要素支持位置124は、下部ケーシング102の内径にレッジ130(
図4のみ)を含んでもよく、シム128は、ダイヤフラム122の延長部126を支持するためにその上に位置決めされてもよい。シム128及び/又はレッジ130は、例えばSTシステム10(
図1)の整備後に、ダイヤフラム122をタービンケーシング100に対して位置合わせするように調整されてもよい。例えば、シム128は、構成要素120の垂直高さを調整する、すなわちダイヤフラム122を上昇又は下降させるために、レッジ130に対する高さを増加又は低減することによって調整されてもよい。追加的又は代替的に、シム128は、その上面136の角度(α)を変更するように調整されてもよい。追加的又は代替的に、レッジ130は、シム128と同様に調整されてもよい。構成要素120は、本明細書ではダイヤフラム122として図示及び説明されているが、本開示の教示は、タービンケーシング100内の多種多様な代替構成要素120に適用可能であることが理解される。例えば、上述したように、構成要素120は、(ダイヤフラム122の)ダイヤフラム部分112(
図1)、内側ケーシング部分114(
図1)、及び1つ又は複数の静止ノズル部分116(
図1)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。さらに、構成要素支持位置124はレッジ及びシムの構成として説明されているが、シム128は必須でなくてもよく、レッジ130は単独で調整されてもよいことが理解される。さらに、構成要素支持位置124は、レッジ及びシムの構成以外の様々な代替形態をとってもよく、構成要素120のための任意の形態の支持を含んでもよいことが強調される。構成要素支持位置124はまた、構成要素に応じて、
図3~
図4に示す位置とは異なる位置に位置してもよい。構成要素支持位置はまた、直接HJフランジ104、108の上にあってもよい。調整は、調整ねじ又はボルトによって行ってもよい。
【0027】
本開示の実施形態によれば、タービンケーシング100の部品には、予測オフセット値を計算するために使用され得るいくつかの選択された基準点(RP)を設けてもよく、予測オフセット値は、上部ケーシング106をトップオン位置に交換する際に、構成要素支持位置124を調整して、ロータ軸Aに対して構成要素支持位置124に位置決めされた構成要素120の位置合わせを改善するために使用されてもよい。
【0028】
図2及び
図4に示すように、タービンケーシング100は、複数の第1の光学ターゲット140を含んでもよい。各第1の光学ターゲット140は、下部ケーシング102の下部HJフランジ104の半径方向に向いた外面142に対する複数の軸方向位置のうちの1つに位置決めされる。特定の実施形態では、第1の光学ターゲット140は、下部HJフランジ104の半径方向に向いた外面142に結合されるが、しかしながら、下部ケーシング102の外面の他の位置が可能であってもよい。各第1の光学ターゲット140は、適切な測定システムを使用して検出することができる任意の現在知られている又は今後開発される光学ターゲットを含んでもよい。非限定的な一例では、第1の光学ターゲット140は、下部ケーシング102の下部HJフランジ104の半径方向に向いた外面142に結合された、球状に実装されたレトロリフレクタ(spherically mounted retroreflector)(SMR)アダプタを含んでもよい。第1の光学ターゲット140は、任意の現在知られている又は後に開発される方法、例えば溶接、締結具などで半径方向に向いた外面142に結合されてもよい。一例では、光学ターゲット140の位置を測定するための測定システム144は、例えば、フロリダ州レイクメリーのFARO Corp.から入手可能なVantageモデルレーザトラッカー、又はジョージア州ノークロスのLeica Geosystems Inc.から入手可能なモデルAT401レーザトラッカーなどのレーザ測定システムを含んでもよい。測定システム144は、本明細書に記載の位置合わせシステム146に動作可能に結合されてもよい。本明細書では一例としてレーザ測定システムを列挙しているが、3次元空間内に基準点を位置させることができる多種多様な代替測定システムが利用可能であることが理解される。測定システム144は、赤外線、レーダなどを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で説明する目的のために、タービンケーシング100はまた、第1の光学ターゲット140を有する軸方向位置のうちの1つ又は複数に位置決めされた第2の光学ターゲット148を含んでもよい。両方の光学ターゲット140、148を含む軸方向位置は、以下では「一次軸方向位置」と呼ばれ、第1の光学ターゲット140のみを有する軸方向位置は、以下では「二次軸方向位置」と呼ばれる。
図4に最もよく示されているように、各第2の光学ターゲット148は、例えば下部HJフランジ104の半径方向に向いた外面142上で、それぞれの第1の光学ターゲット140から距離D1だけ垂直に離間している。この垂直間隔D1は、例えば、下部HJフランジ104のサイズに応じて変化してもよい。垂直間隔D1は、選択された一次軸方向位置における光学ターゲット140、148間の空間的関係が既知となるように事前に規定される。非限定的な一例では、第2の光学ターゲット148はまた、下部ケーシング102の下部HJフランジ104の外面に結合されたSMRアダプタを含んでもよい。第2の光学ターゲット148は、任意の現在知られている又は今後開発される方法、例えば溶接、締結具などで外面に結合されてもよい。特定の実施形態では、第2の光学ターゲット148は、下部HJフランジ104の半径方向に向いた外面142に結合されるが、しかしながら、下部ケーシング102の外面の他の位置が可能であってもよい。図示の例では、3つの第2の光学ターゲット148が示されており、3つの一次軸方向位置が得られるが、任意の数が利用されてもよい。図示のように、第1の光学ターゲット140単独では、第2の光学ターゲット148が存在しないいくつかの二次軸方向位置において下部HJフランジ104上に位置決めされてもよい。単に「軸方向位置」が参照される場合、任意の軸方向位置、すなわち一次及び/又は二次軸方向位置、又は他の軸方向位置を指す。光学ターゲット140、148並びに一次及び二次軸方向位置の目的は、本明細書で説明される。
【0030】
図4は、構成要素支持位置124への任意の必要な調整に影響を及ぼす可能性がある問題を識別するために使用され得るいくつかの基準点を示す。下部HJフランジ104及び/又は上部HJフランジ108に対する基準点の位置は、下部ケーシング102の所望の軸方向位置における幾何学的形状に基づいて事前に規定されてもよく、本開示の実施形態による測定システム144によって測定されてもよい。後述するように、位置合わせシステム146は、位置を使用して、トップオン位置にある1つ又は複数の構成要素支持位置124の予測オフセット値を計算してもよい。予測オフセット値によってタービンケーシング100(
図2)内の構成要素支持位置124を調整することにより、上部ケーシング106をトップオン位置に交換する際に、ロータ軸Aに対して構成要素支持位置124に位置決めされた構成要素120(
図3)の位置合わせが改善される。本開示では、「基準点」は、例えば光学ターゲット又は他の選択された位置の、上部又は下部ケーシング上の固定位置を示し、「基準点Xの位置」は、例えば測定システム144によって測定される、基準点Xの変更可能な三次元位置を示す。位置には、区別のために、第1、第2、第3などの番号が付けられる。各基準点は、いくつかの位置を有し得ることに留意されたい。いずれの場合でも、位置は、例えば測定システム144を原点として使用して、任意の現在知られている又は今後開発される三次元座標系によって示すことができる。測定システム144は、上述したように、ケーシング102、106上の基準点の位置を、例えばレーザを使用して測定するための任意の適切な測定システムを含んでもよい。位置合わせシステム146は、測定モジュール230(
図12)において基準点の位置を受信することができ、計算モジュール232(
図12)は、予測オフセット値を計算する。
【0031】
図4に示すように、以下の例示的な基準点を、選択された各一次軸方向位置に規定することができる:下部HJフランジ104の外面142(
図2)に結合された第1の光学ターゲット140における第1の基準点RP1、下部HJフランジ104の外面142(
図2)に結合され、第1の光学ターゲット140から垂直に離間した第2の光学ターゲット148(
図2)における第2の基準点RP2、上面150の第3の基準点RP3、及び上面150の第4の基準点RP4。後述するように、上部ケーシング106は、例えば、上部HJフランジ108の(図示のような)下面152の第5の基準点RP5、及び上部HJフランジ108の下面152の第6の基準点RP6を含む、いくつかの基準点を含んでもよい。加えて、二次軸方向位置もまた、基準点を含んでもよい。上述したように、二次軸方向位置は、下部HJフランジ104の外面142(
図2)に結合された第2の光学ターゲット148を含まない。
図22に示すように、二次軸方向位置は、第7、第8、及び第9の基準点RP7、RP8、及びRP9を含んでもよい。さらに後述するように、第7、第8、及び第9の基準点RP7、RP8、及びRP9は、一次軸方向位置における第1、第3、及び第4の基準点(RP1、RP3、RP4)に機能的に対応する。
【0032】
本開示の実施形態によれば、基準点の少なくとも1つは、構成要素支持位置124に対する既知の空間的関係を有し、それにより、基準点の位置の変化、すなわち予測オフセット値の形態で計算されるような変化を使用して、構成要素支持位置124を調整し、構成要素120(
図3及び
図15)に必要な位置の変化を提供して、トップオン位置で確実に位置合わせすることができる。図示の例では、第3の基準点RP3は、構成要素支持位置124、例えばレッジ130及び/又はシム128との既知の空間的関係を有する。空間的関係は任意の形態であってもよい。すなわち、第3の基準点RP3が構成要素支持位置124から、規定の垂直及び/若しくは半径方向のオフセットを有し得る直接的な関係、並びに/又は第3の基準点RP3及び構成要素支持位置124がそれぞれ別の点、例えば下部ケーシング102の内縁154と既知の関係を有する間接的な関係である。いずれの場合でも、空間的関係を使用して、構成要素支持位置124の変化を計算することができる。二次軸方向位置において、第7の基準点RP7(
図22)は、一次軸方向位置の第3の基準点RP3と同じ機能を提供してもよい。すなわち、それぞれの二次軸方向位置において構成要素支持位置124との既知の空間的関係を有する。
【0033】
図4に見られるように、基準点間の空間的関係は、各軸方向位置における下部HJフランジ104の既知の(予想される)幾何学的形状に基づいて規定されてもよい。すなわち、下部HJフランジ104及び/又は上部HJフランジ108が軸方向断面に沿って変化する際に、基準点を使用して、各軸方向位置に対して予想される空間的関係を規定してもよい。例えば、第1の基準点RP1と第2の基準点RP2との間の距離D1が規定される。加えて、各軸方向位置は、例えば、
図14に示すような冷却チャネルなどの所与の軸方向位置における構造を回避するために選択される異なる第3の基準点RP3及び第4の基準点RP4並びに/又は第5の基準点RP5及び第6の基準点RP6を有してもよい。それにもかかわらず、第3及び第4の基準点RP3、RP4の各セット、並びに第5及び第6の基準点RP5、RP6の各セットは、互いに及び他の基準点との規定の空間的関係を有してもよく、これは、トップオフ位置での測定によって検証することができる。例えば、第3の基準点RP3と第4の基準点RP4(及びRP5とRP6)との間の規定の距離D2が規定され、各軸方向位置の測定によってより正確に検証することができる。さらに、第4の基準点RP4は、下部HJフランジ104の外縁156から規定の距離D3にあってもよく、第1の基準点RP1(すなわち、第1の光学ターゲット140)は、下部HJフランジ104の外縁156から規定の距離D4にあってもよい。結果として、第1の基準点RP1、第3の基準点RP3、及び第4の基準点RP4の間の三角形の空間的関係160(
図4の異なる陰影の三角形を参照)が既知であり、測定によって検証することができる。下部HJフランジ104の上面150の第3の基準点RP3の第5の位置L5、下部HJフランジ104の上面150の第4の基準点RP4の第6の位置L6、及びトップオフ位置にある第1の光学ターゲット140における第1の基準点RP1の第3の位置L3は、選択された軸方向位置において測定されて、三角形の空間的関係160を識別(検証)することができる。結果として、後述するように、トップオフ位置で測定された第3の基準点RP3の実際の位置と、三角形の空間的関係160のトップオン位置への並進移動に基づいた(すなわち、トップオン位置における第1の基準点RP1の位置に基づいた)その予測トップオン位置との間の差を使用して、予測オフセット値の少なくとも1つの形態を計算することができる。同様の関係は、二次軸方向位置の第7、第8、及び第9の基準点RP7、RP8、及びRP9(
図22)についても存在する。
【0034】
上述したように、
図4はまた、いくつかの基準点を有する上部ケーシング106を示す(上部ケーシング106に関しては内部構成要素を図示していない)。例えば、上部ケーシング106は、上部HJフランジ108の(図示のような)下面152の第5の基準点RP5、及び上部HJフランジ108の下面152の第6の基準点RP6を含んでもよい。トップオン位置において、第5の基準点RP5は第3の基準点RP3と位置合わせされ、第6の基準点RP6は第4の基準点RP4と位置合わせされる。したがって、第5及び第6の基準点RP5、RP6は、距離D2だけ離れていてもよい。第5及び第6の基準点RP5及びRP6の位置はまた、上部HJフランジ108の縁部に対して既知であってもよい。
【0035】
基準点は、光学ターゲット140、148によって、又は測定システム144がそれらの位置を測定することができる任意の他の機構、例えば、測定システム144によって検出可能な表面上のマーク若しくは物体、基準点に配置された一時的な測定ターゲット(例えば、光学ターゲット、反射テープ、スクライブマーク、打ち抜きマークなど)などによって、ケーシング102、106に対して規定することができる。
【0036】
B.可能性のあるケーシングの問題
図5~
図11は、上部ケーシング106が下部ケーシング102から取り外される、すなわち、トップオフ位置にするメンテナンス作業中に起こり得る可能なHJフランジ104、108のシナリオの概略断面図を示す。図示されたシナリオは、任意の軸方向位置、及び下部ケーシング102の片側又は両側で起こる可能性がある。各シナリオは、タービンケーシング100内の構成要素120(
図3)の位置合わせに異なる影響を及ぼす可能性があり、本明細書に記載の方法論に従って対処することができる。説明の目的のために、
図5~
図11は、タービンロータ軸Aが図示の側面の左側にある視点から、HJフランジ104、108を示している。説明するように、ロータ軸Aは、説明する方法論の座標系原点として機能する。簡潔にするために、ロータ軸Aは
図5にのみ示されているが、しかしながら、フランジ104、108が潜在的に交差する可能性がある基準線RLが提供される。ケーシング102、106のために湾曲している部品の大部分は、明確にするために省略されている。図示のものとは正反対の各ケーシング102、106の側面は、同様の対称的な位置決めを有し得ることが理解される。
【0037】
当技術分野で理解されるように、HJフランジ104、108が分離されると、下部ケーシング102及び下部HJフランジ104は上方に跳ね上がるか又は撓み、上部ケーシング106及び上部HJフランジ108は落下するか又は下方に跳ねる場合がある。これが起こると、下部HJフランジ104がロータ軸Aを中心に回転し、垂直方向の位置決めが変化する。さらに、下部HJフランジ104は、内側に傾斜しても、外側に傾斜しても、又は単に垂直に移動してもよい。同様に、上部HJフランジ108は、内側に傾斜しても、外側に傾斜しても、又は単に垂直に移動してもよい。加えて、下部HJフランジ104の上面150及び上部HJフランジ108の下面152は分離時に歪む、すなわち、表面が非平面になる可能性がある。この後者の場合、ケーシング102、106が再び互いに嵌合されると、表面150、152は、表面間嵌合様式、例えば平面対平面では接触しない可能性があり、これによりケーシング102、106の縁部は閉じなくなり、漏れが生じる可能性がある。ケーシング102、106は、それらを互いに結合させる締結具によって強制的に平面的に係合させることができるが、表面ではなく縁部、例えば内縁154又は外縁156の接触は、ケーシング内の構成要素120(
図3)の位置合わせに影響を与える可能性がある。
【0038】
図5~
図11は、起こり得る可能性のあるHJフランジ104、108のシナリオの概略断面図を示しているが、必ずしもロータ軸Aを中心とした下部ケーシング102の回転を示すとは限らない。回転に基づく予測オフセット値(垂直調整)の計算は、とりわけ、図面の他の箇所に示される。
【0039】
図5は、両方のHJフランジ104、108が平行である、すなわちその表面150、152が互いに平行であり、かつ基準線(RL)に平行である例示的なシナリオ1を示す。近付けた場合、内縁154は外縁156とほぼ同時に接触するので、継手はいずれの側にも開かない。この場合、ケーシング102、106は傾斜しておらず、単に互いに垂直に分離している。
【0040】
図6は、HJフランジ104、108が平行ではなく、傾斜を有し、その結果、近付けると内縁154が最初に分離され、外縁156が最初に接触し、継手が内側(図示のように左側)で開いたままになる例示的なシナリオ2を示す。図示のシナリオでは、下部HJフランジ104は反時計回りに傾斜し、上部HJフランジ108は時計回りに傾斜する。
【0041】
図7は、HJフランジ104、108が両方とも平行ではなく、傾斜を有し、その結果、近付けると外縁156が最初に分離され、内縁154が最初に接触し、継手が外側(図示のように右側)で開いたままになる例示的なシナリオ3を示す。図示のシナリオでは、下部HJフランジ104は時計回りに傾斜し、上部HJフランジ108は反時計回りに傾斜する。
【0042】
図8は、HJフランジ104、108が平行ではなく、下部HJフランジ104が傾斜を有し、その結果、近付けると内縁154が最初に分離され、外縁156が最初に接触し、継手が内側(図示のように左側)で開いたままになる例示的なシナリオ4を示す。図示のシナリオでは、下部HJフランジ104は反時計回りに傾斜し、上部HJフランジ108は傾斜せず、例えば基準線RLに対して平行のままである。
【0043】
図9は、HJフランジ104、108が平行ではなく、下部HJフランジ104が傾斜を有し、その結果、近付けると内縁154が最初に分離され、内縁154が最初に接触し、継手が外側(図示のように右側)で開いたままになる例示的なシナリオ5を示す。図示の設定は、下部HJフランジ104は時計回りに傾斜し、上部HJフランジ108は傾斜せず、例えば基準線RLに対して平行のままである。
【0044】
図10は、両方のHJフランジ104、108が平行であり、両方が傾斜を有する例示的なシナリオ6を示す。しかし、ここでは、近付けた場合、内縁154は外縁156とほぼ同時に接触するので、継手はいずれの側にも開かない。図示のシナリオでは、下部HJフランジ104は時計回りに傾斜し、上部HJフランジ108は時計回りに傾斜する。
【0045】
図11は、両方のHJフランジ104、108が平行であり、両方が傾斜を有する例示的なシナリオ7を示す。ここでは
図10と同様に、近付けた場合、内縁154は外縁156とほぼ同時に接触するので、継手はいずれの側にも開かない。図示のシナリオでは、下部HJフランジ104は反時計回りに傾斜し、上部HJフランジ108は反時計回りに傾斜する。
【0046】
前述のシナリオのいずれかで起こり得る別の問題は、ケーシング102、106が分離した後に表面150、152が平面でない可能性があることである。この設定では、内縁154は外縁156と同じ平面内にない可能性があり、又はそれらの間の他の点が表面を非平面にする可能性がある。
【0047】
C.位置合わせシステム
本開示の特定の態様は、位置合わせシステム146、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。したがって、本開示は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又は、本明細書において「回路」、「モジュール」、及び/若しくは「システム」とすべて一般的に呼ぶことができるソフトウェア及びハードウェア態様を組み合わせた実施形態の形式をとることができる。さらに、本開示は、媒体内に具現化されたコンピュータ使用可能プログラムコードを有する表現の任意の有形な媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0048】
1つ又は複数のコンピュータ使用可能媒体又はコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用されてもよい。コンピュータ使用可能媒体又はコンピュータ可読媒体は、例えば、これらに限定されないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、デバイス、又は伝搬媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非包括的リスト)には、1つ又は複数の配線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学ストレージデバイス、インターネット若しくはイントラネットなどをサポートする媒体などの伝送媒体、又は磁気ストレージデバイスが含まれる。コンピュータ使用可能媒体又はコンピュータ可読媒体は、プログラムを印刷した紙又は別の適切な媒体でもよく、プログラムは、例えば、その紙又は他の媒体の光学スキャンを介して電子的に取り込むことができ、その後、必要に応じて、適切な様式で編集、解釈、又は処理することができ、その後、コンピュータメモリに格納することができることに留意されたい。本明細書の文脈では、コンピュータ使用可能媒体又はコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれと併せて使用されるプログラムを包含、格納、通信、伝搬、又は輸送することができる任意の媒体であってもよい。コンピュータ使用可能媒体は、ベースバンドに又は搬送波の一部として具現化されたコンピュータ使用可能プログラムコードを有する伝搬されたデータ信号を含んでもよい。コンピュータ使用可能プログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を使用して送信することができる。
【0049】
本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述されてもよい。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータで、部分的にユーザのコンピュータで、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータで、部分的に遠隔コンピュータで、又は完全に遠隔コンピュータ若しくはサーバで実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、あるいは、外部コンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用したインターネットを介して)接続されてもよい。
【0050】
本開示は、本開示の実施形態による、方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して以下に説明されている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、機械を製造するために汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに供給されてもよく、これにより、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサによって実行されるこれらの命令は、フローチャート及び/又はブロック図のブロック又は複数のブロックで指定された機能/動作を実装するための手段をもたらす。
【0051】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に対して特定の様式で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に格納することもでき、これにより、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、フローチャート及び/又はブロック図のブロック又は複数のブロックで指定される機能/動作を実装する命令手段を含む製品を製造する。
【0052】
コンピュータ又は他のプログラム可能な装置で一連の動作ステップを実行させてコンピュータ実行処理を生成するために、コンピュータプログラム命令をコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードすることもでき、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置で実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図のブロック又は複数のブロックで指定される機能/動作を実装するためのプロセスを提供する。
【0053】
図12は、位置合わせシステム146の例示的な環境200を示す。この点に関して、環境200は、位置合わせシステム146について本明細書に記載の様々なプロセスステップを実行することができるコンピュータインフラストラクチャ202を含む。特に、コンピュータインフラストラクチャ202は、位置合わせシステム146を備えるコンピューティングデバイス204を含むように示され、位置合わせシステム146により、コンピューティングデバイス204は、測定値を受信し、ケーシング102、106の調整のための予測オフセット値を計算する、すなわち、本開示のプロセスステップを実行することが可能になる。
【0054】
コンピューティングデバイス204は、メモリ212と、プロセッサ(PU)214と、入力/出力(I/O)インターフェース216と、バス218とを含むものとして示されている。さらに、コンピューティングデバイス204は、外部I/Oデバイス/リソース220及び記憶システム222と通信するように示されている。当技術分野で知られているように、一般に、プロセッサ214は、メモリ212及び/又は記憶システム222に格納されている位置合わせシステム146などのコンピュータプログラムコードを実行する。コンピュータプログラムコードを実行している間、プロセッサ214は、位置合わせシステム146などのデータを、メモリ212、記憶システム222、及び/又はI/Oインターフェース216との間で読み出し及び/又は書き込みを行ってもよい。バス218は、コンピューティングデバイス204における構成要素の各々の間の通信リンクを提供する。I/Oデバイス216は、ユーザがコンピューティングデバイス204と対話することを可能にする任意のデバイス、又はコンピューティングデバイス204が1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスと通信することを可能にする任意のデバイスを備えてもよい。入力/出力デバイス(キーボード、ディスプレイ、ポインティングデバイスなどを含むが、これらに限定されない)は、直接又は介在するI/Oコントローラを介してシステムに結合されてもよい。
【0055】
いずれにしても、コンピューティングデバイス204は、ユーザがインストールしたコンピュータプログラムコードを実行することが可能な任意の汎用コンピューティング製品(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、ハンドヘルドデバイスなど)を備えてもよい。しかし、コンピューティングデバイス204及び位置合わせシステム146は、本開示の様々な処理ステップを実行することができる様々な可能な同等のコンピューティングデバイスのうちの代表的なものに過ぎないことが理解される。この点において、他の実施形態では、コンピューティングデバイス204は、特定の機能を実行するハードウェア及び/又はコンピュータプログラムコードを含む任意の特定用途向けコンピュータ製品や、特定用途向け、及び汎用のハードウェア/ソフトウェアの組合せを含む任意のコンピュータ製品等を含んでもよい。いずれの場合も、プログラムコード及びハードウェアは、それぞれ標準的なプログラミング技術及びエンジニアリング技術を用いて作成されてもよい。
【0056】
同様に、コンピュータインフラストラクチャ202は、本開示を実装するための様々なタイプのコンピュータインフラストラクチャの例示に過ぎない。例えば、一実施形態では、コンピュータインフラストラクチャ202は、本開示の様々なプロセスステップを実施するために、ネットワーク、共有メモリなどの任意のタイプの有線及び/又は無線通信リンクを介して通信する2つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、サーバクラスタ)を備える。通信リンクがネットワークを備えるとき、ネットワークは、1つ又は複数のタイプのネットワーク(例えば、インターネット、広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、仮想プライベートネットワークなど)の任意の組合せを含むことができる。ネットワークアダプタもまた、介在するプライベートネットワーク又は公衆ネットワークを介して、データ処理システムが他のデータ処理システム又はリモートプリンタ若しくは記憶デバイスに結合することができるように、システムに結合することができる。モデム、ケーブルモデム、及びイーサネットカードは、現在利用可能なタイプのネットワークアダプタのごく一部である。それにもかかわらず、コンピューティングデバイス間の通信は、様々なタイプの伝送技術の任意の組合せを利用することができる。
【0057】
前述し、以下でさらに説明するように、位置合わせシステム146は、コンピュータインフラストラクチャ202が、ケーシング102、106(
図4)内の構成要素120(
図4)の位置合わせを改善するための調整を行うために使用することができる予測オフセット値を計算することを可能にする。この点に関して、測定モジュール230及び計算モジュール232を含む位置合わせシステム146が示されている。他のシステム構成要素234も提供されてもよい。これらのシステムの各々の動作は、以下でさらに説明される。しかし、
図12に示す様々なシステムのいくつかは、独立に実装され、組み合わされ、及び/又は、コンピュータインフラストラクチャ202に含まれる1つ若しくは複数の別個のコンピューティングデバイスのためのメモリに格納され得ることが理解される。さらに、システム及び/若しくは機能性のいくつかが実装されなくてもよいこと、又は追加のシステム及び/若しくは機能性が環境200の一部として含まれてもよいことが理解される。
【0058】
位置合わせシステム146は、タービンシステム10に対して局所的に、現場で地理的に配置されてもよく、又は例えば、集中型タービンシステム制御センターにおいて、タービンシステム10から地理的に離れていてもよい。
【0059】
D.動作方法論
図13のフロー図を参照して、構成要素120(
図3)をタービンケーシング100(
図2)内に位置合わせする方法について説明する。
図14は、いくつかの軸方向位置が断面平面で強調表示された、例示的な下部ケーシング102の斜視図を示し、
図15は、タービンケーシングのトップオン位置におけるHJフランジ104、108の片側の拡大断面図を示し、
図16は、タービンケーシングの例示的なトップオフ位置におけるHJフランジ104、108の片側の拡大断面図を示し、そして、
図17は、起こり得る調整を示す例示的なHJフランジ104の拡大概略断面図を示す。
図15~
図17において、ロータ軸Aは、図示のように左(紙面外)にある。後述し、
図2及び
図15に示すように、下部ケーシング102及び上部ケーシング106が取り付けられたトップオン位置で、いくつかのプロセスが発生し、そして、例えば
図3~
図11、
図14及び
図16に示すように、下部ケーシング102及び上部ケーシング106が結合解除されたトップオフ位置で、いくつかのプロセスが発生する。
【0060】
プロセスP10~P22は、ロータ軸Aに沿った少なくとも1つの一次軸方向位置(
図1)、すなわち、第1及び第2の光学ターゲット140、148の両方が存在する位置(
図2の例では3つを図示)に対して実行される。
図14に観察されるように、下部HJフランジ104は、その軸方向長さにわたって変化してもよい。例えば、下部HJフランジ104(及び上部HJフランジ108)の異なる軸方向位置において、例えば、形状、タービンロータ軸Aに対する半径方向位置、半径方向厚さ、及び/又はHJフランジを貫通して延在する内部の構造(例えば、冷却チャネル(例えば、
図14を参照))が異なっていてもよい。本開示の実施形態による処理は、各軸方向位置において構成要素支持位置124に高度にカスタマイズされた調整を提供するために、異なる軸方向位置で実行されてもよい。加えて、下部及び上部ケーシング102、106の異なる側は、同じ軸方向位置で評価されたとしても異なる位置にある可能性があるので、プロセスP10~P34は、各軸方向位置でタービンケーシング100(
図2)の片側又は両方の側110L、110R(
図14)で実行されてもよい。1つの一次軸方向位置を使用してもよいが、典型的には、複数の一次軸方向位置を使用して全体的な位置合わせのより良好な改善を得ることが有利である。
【0061】
図12及び
図13を参照すると、プロセスP10及びP12は、
図15に示すように、下部及び上部ケーシング102、106がトップオン位置にある状態で実行される。すなわち、上部ケーシング106は、トップオン位置では下部ケーシング102に結合されている。プロセスP10において、
図15に示すように、測定システム144は、第1の光学ターゲット140における第1の基準点RP1の第1の位置L1を測定する。上述したように、第1の光学ターゲット140は、下部HJフランジ104の外面142に結合される。測定システム144は、上述したように、ケーシング102、106上の基準点の位置を、例えばレーザを使用して測定するための任意の適切な測定システムを含んでもよい。上述したように、位置は、任意の現在知られている又は今後開発される3次元座標系によって示すことができる。
【0062】
プロセスP12では、
図15に示すように、測定システム144は、下部HJフランジ104の外面142(
図2)に結合され、第1の光学ターゲット140から垂直方向に離間した第2の光学ターゲット148(
図2)における第2の基準点RP2の第2の位置L2を測定する。上述のように、第1の基準点RP1と第2の基準点RP2との間の距離D1が規定される、すなわち既知となる。プロセスP10及びP12を用いて、位置合わせシステム146は、計算モジュール232が予測オフセット値を計算するために使用するために、測定モジュール230において基準点RP1、RP2の位置L1、L2を受信してもよい。なお、本明細書では、トップオン位置で行われる任意選択のプロセスP24についてさらに説明する。
【0063】
プロセスP14では、
図16に示すように、上部ケーシング106は下部ケーシング102から取り外される。この動作は、任意の現在知られている又は今後開発されるケーシング取り外しプロセス、例えば、断熱部、配管、ケーシング締結具などを取り外し、上部ケーシング106を下部ケーシング102から持ち上げることを使用して完了されてもよい。本明細書で説明するように、上部ケーシング106は、別個の評価のために確保されてもよい。必要ではないが、タービンケーシング100の内部にある他の部品(
図2)、例えば、限定はしないが、上部ケーシング106の残りの部分、タービンロータ14(
図1)、ダイヤフラム122の下側部分(下部ダイヤフラム)、及び/又は下部ケーシング102の部分が取り外されてもよい。
図13に示すように、プロセスP12及びP14(及びP24)は、所望の各一次(又は二次)軸方向位置に対して繰り返してもよく、例えば、3つの一次軸方向位置が
図2及び
図14に示されており、20を超える二次軸方向位置が
図2に示されている。
【0064】
プロセスP16~P22、及び任意選択のステップP26~P30は、
図16に示すように、下部及び上部ケーシング102、106がトップオフ位置にある状態で実行される。
図16に示すように、上部ケーシング106が取り外された状態で、下部ケーシング102、特にその下部HJフランジ104は、位置をシフトする、例えば上方に跳ね上がる、ロータ軸Aの周りを回転する、内側又は外側に傾斜する可能性がある。
図16は、
図6に一致するが回転を含む唯一の起こり得るシナリオを示す。しかしながら、下部ケーシング102は、
図5~
図11で説明した任意の位置をとる可能性もある。プロセスは任意のシナリオに適用され得ることが理解される。
【0065】
プロセスP16において、少なくとも上部ケーシング106が下部ケーシング102から取り外されたトップオフ位置にある状態で、測定システム144は、第1の光学ターゲット140における第1の基準点RP1の第3の位置L3を測定する。さらに、プロセスP18において、少なくとも上部ケーシング106が下部ケーシング102から取り外されたトップオフ位置にある状態で、測定システム144は、第2の光学ターゲット148における第2の基準点RP2の第4の位置L4を測定する。下部ケーシング102の位置のシフトは、第3及び第4の位置L3、L4を第1及び第2の位置L1、L2(
図15、及び
図16では破線で示す)と比較することによって観察することができる。
図16の例では、下部HJフランジ104は、
図15に示す位置から垂直上方に移動し、内側(反時計回り)に傾斜している。下部HJフランジ104はまた、ロータ軸Aを中心に、例えば反時計回りに回転していてもよい。
【0066】
プロセスP20において、少なくとも上部ケーシング106が下部ケーシング102から取り外されたトップオフ位置にある状態で、測定システム144は、下部HJフランジ104の上面150の第3の基準点RP3の第5の位置を測定する。上述したように、第3の基準点RP3は、下部ケーシング102内の構成要素120の構成要素支持位置124に対して既知の空間的関係を有する。
【0067】
プロセスP22において、少なくとも上部ケーシング106が下部ケーシング102から取り外されたトップオフ位置にある状態で、測定システム144は、下部ケーシング102の下部HJフランジ104の上面150の第4の基準点RP4の第6の位置を測定する。上述したように、第4の基準点RP4は、下部HJフランジ104の上面150の第3の基準点RP3から距離D1だけ離間している。プロセスP16~P22の後、位置合わせシステム146は、計算モジュール232(
図12)が使用して予測オフセット値を計算するために、測定モジュール230(
図12)において、基準点RP1、RP2、RP3、RP4の位置L3、L4、L5及びL6をそれぞれ受信することができる。
図16に示すように、各軸方向位置において、基準点RP1、RP3、及びRP4の三角形の空間的関係160を測定、すなわち、それらの実際の間隔及び角度関係を検証することができる。
【0068】
図13及び
図22を参照すると、プロセスP24~P30は、任意選択の二次軸方向位置の測定ステップである。プロセスP24では、
図22に部分的に示すトップオン位置において、測定システム144は、二次軸方向位置にある第1の光学ターゲット140において、第7の光学ターゲットRP7の第7の位置L7を測定する(
図22ではトップオン位置に示す下部ケーシング102の第7位置L7の正確なRP7)。第7の基準点RP7は、第2の軸方向位置用であることを除いて、第1の基準点RP1と機能的に実質的に同一である。すなわち、第1の光学ターゲット140は、
図16の第1の光学ターゲット140とは異なる軸方向位置に位置する。プロセスP26では、
図22に示すトップオフ位置において、測定システム144は、二次軸方向位置にある第1の光学ターゲット140において第7の基準点RP7の第8の位置L8を測定する。プロセスP28では、トップオフ位置において、測定システム144は、下部HJフランジ104の上面150の第8の基準点RP8の第9の位置L9を測定する。第8の基準点RP8は、第2の軸方向位置用であることを除いて、第3の基準点RP3と機能的に実質的に同一である。したがって、第8の基準点RP8は、それぞれの二次軸方向位置において、下部ケーシング102内の構成要素120(
図4)の構成要素支持位置124に対して既知の空間的関係を有する。プロセスP28では、トップオフ位置において、測定システム144は、下部HJフランジ104の上面150の第9の基準点RP9の第10の位置L10を測定する。第9の基準点RP9は、第2の軸方向位置用であることを除いて、第4の基準点RP4と機能的に実質的に同一である。したがって、第9の基準点RP9は、下部HJフランジ104の上面150の第8の基準点RP8から離間している。
【0069】
トップオフ位置測定プロセス(P16~P30)は、任意の所望の数の一次及び/又は二次軸方向位置について繰り返されてもよい。測定モジュール230(
図12)は、測定位置L1~L10のすべてを受信してもよい。
【0070】
プロセスP32では、計算モジュール232(
図12)は、一次軸方向位置の少なくとも1つに対する下部ケーシング102の第1、第2、第3、第4、第5及び第6の位置L1~L6並びに内径(IR)に基づいて、トップオン位置における構成要素支持位置124の予測オフセット値を計算することができる。加えて、計算モジュール232(
図12)はまた、二次軸方向位置の少なくとも1つに対する第7、第8、第9、及び第10の位置L7~L10、並びに下部ケーシング102の内径(IR)に基づいて、トップオン位置における構成要素支持位置124の予測オフセット値を計算することができる。タービンケーシング100の第1の側のトップオン位置での構成要素支持位置124の予測オフセット値の計算は、タービンケーシングの第2の反対側のトップオン位置での構成要素支持位置124の予測オフセット値を考慮することを含むことにも留意されたい。すなわち、計算は、各側の予測オフセット値を釣り合わせて、一方の側への変化が他方の側への変化、例えば、互いに反作用する回転調整に悪影響を与えたり妨げたりしないようにする。
【0071】
プロセスP32は、個別に、又は任意の組合せで一緒に実行され得る様々な形態をとる可能性がある。その結果、予測オフセット値は様々な形態をとる可能性がある。
【0072】
プロセスP34では、本方法は、ユーザが予測オフセット値によってタービンケーシング100(
図2)内の構成要素支持位置124を調整するステップを含んでもよい。調整は、構成要素支持位置124の位置を変更して、タービンケーシング100(
図2)の上部ケーシング106をトップオン位置に交換する際の、構成要素120(
図15)とロータ軸Aとの位置合わせを改善する。調整は、例えば、
図17に示すように、例えばシム128及び/又はレッジ130を変更することによる、構成要素支持位置124の高さ(H)の変更を含んでもよい。いずれにせよ、構成要素支持位置124に位置決めされた構成要素120(
図4)の位置合わせは、上部ケーシング106をトップオン位置(
図15)に交換する際に、ロータ軸Aに対して改善される。プロセスP34は、例えば予測オフセット値形態に応じて、個別に又は任意の組合せで一緒に実行され得る様々な形態をとる可能性がある。
【0073】
以下のセクションでは、プロセスP32で計算モジュール232(
図12)によって計算することができる予測オフセット値の種類、及びプロセスP34で予測オフセット値に基づいて実行することができる関連する調整についてさらに説明する。
【0074】
a.垂直調整ありの予測オフセット値
特定の実施形態では、予測オフセット値は、垂直調整を含んでもよい。簡略化された形態では、
図16に示すように、垂直調整は、第1の基準点RP1の第1の位置L1及び第3の位置L3の垂直変化、すなわち、トップオン位置とトップオフ位置との間の垂直変化から直接決定されてもよい。
【0075】
前述したように、また
図17に詳細に示すように、下部HJフランジ104の上面150の第3の基準点RP3及び第4の基準点RP4、並びに第1の光学ターゲット140における第1の基準点RP1は、三角形の空間的関係160(陰影付き三角形)を規定する。より具体的には、三角形の空間的関係160は、下部HJフランジ104上の基準点RP1、RP3及びRP4が存在すると予想される位置を表す。したがって、三角形の空間的関係160は、下部HJフランジ104の変化を検出し得るベースラインを提供する。三角形の空間的関係160は、例えば、下部HJフランジ104の初期設計及び/又は製造記録に基づいて、又は下部HJフランジ104の変化に関する以前の製造記録に基づいて識別されてもよい。しかしながら、三角形の空間的関係160はまた、プロセスP16、P20及びP22におけるトップオフ位置にある下部HJフランジ104上の基準点RP1、RP3、RP4の測定位置に基づいて、計算モジュール232(
図12)によって識別(又は検証)されてもよい。
図16に示すように、計算モジュール232はまた、ロータ軸Aからトップオン位置にある第1の光学ターゲット140の第1の位置L1まで延在する第1のベクトルV1と、ロータ軸Aからトップオフ位置にある第1の光学ターゲット140の第3の位置L3を通る第2のベクトルV2との間の角度を計算することによって、ロータ軸Aを中心とする下部HJフランジ104の回転角(α)を決定する。
【0076】
図18に示すように、計算モジュール232は、トップオン位置にある第1の位置L1における第1の基準点RP1、及びロータ軸Aを中心とした下部HJフランジ104の回転角(α)に基づいて、三角形の空間的関係160をトップオン位置に並進移動させることができる。すなわち、三角形の空間的関係を回転角(α)だけ回転させる。並進移動は、トップオン位置にある第3の基準点RP3の予測トップオン位置LPをもたらす。言い換えれば、計算モジュール232は、第1の基準点RP1を開始点として使用して、三角形の空間的関係160をトップオン位置に仮想的に設置する。
図18に示すように、三角形の空間的関係160は、トップオン位置にある下部HJフランジ104の回転角(α)に一致するように垂直に移動及び/又は回転してもよい。この設定では、第3の基準点RP3の予測トップオン位置LPは、下部HJフランジ104に歪みがない場合に垂直方向の第3の基準点RP3があるべき場所を示す。計算モジュール232は、予測される三角形の空間的関係160から、測定した第3の基準点RP3の(実際の)第5の位置L5と、第3の基準点RP3に対する予測トップオン位置LPとの間の任意の垂直差(Δz1)を計算する。任意の垂直差(Δz1)は、例えば、使用による下部HJフランジ104の歪みによって引き起こされる第3の基準点RP3の位置の垂直方向の変化(
図17及び
図18)を示す。計算モジュール232(
図12)は、下部HJフランジ104の任意の垂直差(Δz1)に基づいて垂直調整を計算する。
【0077】
プロセスP34は、垂直調整、及び下部ケーシング102内の構成要素120の構成要素支持位置124に対する第3の基準点RP3の既知の空間的関係に基づいて、構成要素支持位置124を調整して、構成要素支持位置124に上昇又は下降(H)の一方を行うことを含んでもよい。例えば、予測トップオン位置LPが第3の基準点RP3の実際の第5の位置L5よりも1ミリメートル高い場合、トップオンでボルト締めされた場合に正しい位置にあるように、構成要素支持位置124、例えばレッジ130及び/又はシム128を、トップオフ状態において下降させて、下部HJフランジ104の歪みに適応することができる。
【0078】
他の実施形態では、
図16にも示すように、下部HJフランジ104の傾斜角(β)、すなわち、トップオン位置とトップオフ位置との間の傾斜角(β)に基づいて垂直調整を決定してもよい。すなわち、下部HJフランジ104の傾斜角(β)は、トップオン位置とトップオフ位置との間の第3の基準点RP3の垂直方向の変化も示す。ここで、計算モジュール232(
図12)は、
図16に示すように、トップオン位置(
図15)における第1及び第2の光学ターゲット140、148の第1及び第2の位置L1、L2(
図16には破線で、
図15には実線で示す)を通って延在する第1の基準線(FRL)と、トップオフ位置(
図16)における第1及び第2の光学ターゲット140、148の第3及び第4の位置L3、L4を通って延在する第2の基準線(SRL)との間の角度を計算して下部HJフランジ104の傾斜角(β)を決定することにより、予測オフセット値を計算する。傾斜角(β)は、ロータ軸Aからの半径方向距離を変化させる下部HJフランジ104の内側又は外側への傾斜、及び構成要素支持位置124の垂直位置を捕捉する。
図16並びに
図6、
図8及び
図11のシナリオでは、下部HJフランジ104は、トップオフ位置に対して反時計回りに傾斜している。
図7、
図9、及び
図10のシナリオでは、下部HJフランジ104は、トップオフ位置に対して時計回りに傾斜している。
【0079】
ここで、
図18に示すように、計算モジュール232はまた、下部HJフランジ104の傾斜角(β)から、測定した第3の基準点RP3の(実際の)第5の位置L5と、第3の基準点RP3に対する予測トップオン位置LPとの間の任意の追加の垂直差(Δz2)を計算する。なお、垂直差(Δz2)は、説明を分かりやすくするために誇張して示しており、例えば、Δz1がΔz2より小さくなくてもよい。下部HJフランジ104の傾斜角(β)は、例えば、基準点RP4に並進移動されてもよく、そして、第3の基準点RP3での垂直差を評価して、下部HJフランジ104の傾斜によって引き起こされる第3の基準点RP3の位置の変化を識別してもよい。任意の垂直差(Δz2)は、例えば、使用による下部HJフランジ104の歪みによって引き起こされる第3の基準点RP3の位置の垂直方向の変化(
図18)を示す。計算モジュール232(
図12)は、下部HJフランジ104の任意の垂直差(Δz1)及び傾斜角(β)、すなわち任意の垂直差(Δz2)に基づいて垂直調整を計算する。
【0080】
プロセスP34は、前述したように、垂直調整、及び下部ケーシング102内の構成要素120の構成要素支持位置124に対する第3の基準点RP3の既知の空間的関係に基づいて、構成要素支持位置124を調整して、構成要素支持位置124に上昇又は下降(H)の一方を行うことを含んでもよい。例えば、予測トップオン位置LPが傾斜のためにさらに0.2ミリメートルずれていると判定された(すなわち、合わせると、第3の基準点RP3の実際の第5の位置L5よりも1.2ミリメートル高い)場合、トップオンでボルト締めされた場合に正しい位置にあるように、構成要素支持位置124、例えばレッジ130及び/又はシム128を、トップオフ状態において下降させて、下部HJフランジ104の歪みに適応することができる。
【0081】
b.水平調整ありの予測オフセット値
図19を参照すると、計算モジュール232は、下部ケーシング102の第1の側の、トップオン位置(破線)にある第1の光学ターゲット140の第1の位置L1と、トップオフ位置(実線)にある第1の光学ターゲット140の第3の位置L3との間の第1の水平差(Δy1)、及び下部ケーシング102の第2の側の、トップオン位置(破線)にある第1の光学ターゲット140の第1の位置L1と、トップオフ位置(実線)にある第1の光学ターゲット140の第3の位置L3との間の第2の水平差(Δy2)を計算する。計算モジュール232は、水平調整を達成するために、第1の水平差(Δy1)と第2の水平差(Δy2)との合計をとる。例えば、第1の水平差(Δy1)が8単位であり、第2の水平差(Δy2)が-5単位である場合、合計の水平調整は3単位になる。
【0082】
プロセスP34では、調整は、水平調整、及び下部ケーシング102内の構成要素120の構成要素支持位置124(
図16~
図18)に対する第3の基準点RP3(
図16~
図18)の既知の空間的関係に基づいて、構成要素支持位置124を調整することを含む。
【0083】
c.HJフランジ面歪み調整ありの予測オフセット値
図13、
図20及び
図21を参照すると、特定の実施形態では、予測オフセット値は、構成要素支持位置124に対するHJフランジ104、108の表面歪み調整を含んでもよい。
図20は、軸を右にしたトップオフ位置にある下部HJフランジ104及び上部HJフランジ108の概略断面図を示す。上部ケーシング106は、下部ケーシング102の上方に持ち上げられて示されているが、実際には、下部ケーシングから任意の向きに、例えば、下部ケーシング102から離れた支持体にあっても、床などに裏返されて置かれてもよいことに留意されたい。図示のように、上部ケーシング106が下部ケーシング102に装着される位置にある(仮想的に、おそらくHJフランジ面が接触し始める)状態で、図示の例では、第3の基準点RP3と第5の基準点RP5との間にギャップGが存在してもよい。ギャップGは、下部ケーシング102及び上部ケーシング106がトップオン位置に移動した場合にHJフランジ面の歪みによって残り、上部ケーシング106が下部ケーシング102に締結されてギャップが閉じる前に存在する開口部を表す。
図21の例に示すように、下部ケーシング102及び上部ケーシング106がトップオン位置に移動すると、HJフランジ104、108の内縁154は外縁156よりも先に接触し、第3の基準点RP3及び第5の基準点RP5の近くの外側位置にギャップGが生じる。なお、図面においては、図示の明瞭化のために、ギャップGを誇張して示している。ギャップGは、ケーシング102、106が互いに締結されることによって消失する。
図20では、ギャップGが傾斜角(β)と少なくとも部分的に相関しており、ギャップGに対処するための予測オフセット値は、傾斜角(β)に部分的に基づき得ることが観察できる。非限定的な一例では、ギャップGに対処するための予測オフセット値は、傾斜角(β)の半分がケーシング102、106の再接続中に各HJフランジ104、108によって吸収されると仮定して、傾斜角(β)の半分に基づいてもよい。プロセスP32では、計算モジュール232は、下部ケーシング102の少なくとも第1、第2、第3、第4、第5及び第6の位置L1~L6、並びに任意のギャップGに基づいて、トップオン位置にある構成要素支持位置124の予測オフセット値を計算することができる。一例では、計算モジュール232は、傾斜角(β)の半分に適応してギャップGに対処するために、第3の基準点RP3においてHJフランジ表面歪み調整を含むように予測オフセット値を計算することができる。HJフランジ104、108が反対方向に傾斜する場合、ギャップGは第4及び第6の基準点RP4、RP6の間にあってもよいことが理解される。HJフランジ104、108が互いに平行なままである場合、ギャップGは存在しない可能性があることも理解される。
【0084】
プロセスP34では、構成要素支持位置124(例えば、
図18を参照)は、HJフランジ表面歪み調整を含む予測オフセット値によってタービンケーシング100(
図2)内で調整することができる。
【0085】
任意選択の実施形態では、ギャップGの存在及び/又は程度を確認するために、特定の実施形態では、
図20に示すように、計算モジュール232は、第1の基準線RL1及び第2の基準線RL2と下部ケーシング102の内径IRとの間の角度関係に基づいて、第3の基準点RP3及び第5の基準点RP5の近くの内側位置、又は第4の基準点RP4及び第6の基準点RP6の近くの外側位置において、任意のギャップGを計算してもよい。ここでも、ギャップGは、下部ケーシング102及び上部ケーシング106がトップオン位置に移動した場合にHJフランジ面の歪みによって残り、上部ケーシング106が下部ケーシング102に締結されてギャップが閉じる前に存在する開口部を表す。
図21の例に示すように、下部ケーシング102及び上部ケーシング106がトップオン位置に移動すると、HJフランジの内縁154は外縁156よりも先に接触し、第3の基準点RP3及び第5の基準点RP5の近くの外側位置にギャップが生じる。
【0086】
図20に示すように、プロセスP32では、計算モジュール232は、トップオフ位置にある下部HJフランジ104上の第3の基準点RP3及び第4の基準点RP4を通る第1の基準線RL1を識別する。さらに、プロセスP32では、計算モジュール232は、上部HJフランジ108の下面152(図示するように)の第5の基準点及び第6の基準点を通る第2の基準線RL2を識別する。図示のように、ロータ軸Aは下部ケーシング102に関して既知であり、ロータ軸A’は上部ケーシング106に関して(実質的に)既知であり、例えば後者はその形状、内径、及び場合によっては他の寸法に基づいている。
図21に示すように、計算モジュール232は、トップオフ位置にある上部HJフランジ108のロータ軸A’を、トップオフ位置にある下部HJフランジ104のロータ軸Aと重ね合わせることによって、第1の基準線RL1と第2の基準線RL2との間の角度関係を確立する。次に、計算モジュール232は、第1の基準線RL1及び第2の基準線RL2と下部ケーシング102の内径IRとの間の角度関係に基づいて、第3の基準点RP3及び第5の基準点RP5の近くの内側位置、又は第4の基準点RP4及び第6の基準点RP6の近くの外側位置における任意のギャップGを計算(確認)することができる。ここでも、ギャップGは、下部ケーシング102及び上部ケーシング106がトップオン位置に移動した場合にHJフランジ面の歪みによって残り、上部ケーシング106が下部ケーシング102に締結されてギャップが閉じる前に存在する開口部を表す。
図21の例に示すように、下部ケーシング102及び上部ケーシング106がトップオン位置に移動すると、HJフランジの内縁154は外縁156よりも先に接触し、第3の基準点RP3及び第5の基準点RP5の近くの外側位置にギャップが生じる。ギャップGは、例えば、いずれも縦軸zに平行な線ILと線ELの長さに差を生じさせることによって、計算(確認)することができる。ILは内縁154の間に延在し、ELは外縁156の間に延在する。内縁及び外縁154、156の位置は、他の基準点位置及び内径IRに基づいて(仮想的に)計算されてもよい。
図5~
図11のシナリオに基づいて、内側位置においてもギャップが存在し得ることが認識される。計算モジュール232は、下部ケーシング102の少なくとも第1、第2、第3、第4、第5及び第6の位置L1~L6、並びに任意のギャップに基づいて、トップオン位置にある構成要素支持位置124の予測オフセット値を計算する。
【0087】
プロセスP34では、構成要素支持位置124(例えば、
図18を参照)は、HJフランジ表面歪み調整を含む予測オフセット値によってタービンケーシング100(
図2)内で調整することができる。
【0088】
d.二次軸方向位置の予測オフセット値
前述したように、各一次軸方向位置とは異なる任意の数の二次軸方向位置(
図2)が、ロータ軸Aに沿って設けられてもよい。
図2、
図14、及び
図22に示すように、各二次軸方向位置は、第1の光学ターゲット140を含むが、第2の光学ターゲット148を含まない。すなわち、第1の光学ターゲット140のみを有する。少なくとも1つの二次軸方向位置に関する本開示の実施形態は、タービンケーシング100の片側又は両側で行うことができる。プロセスP24~P28では、測定システム144は、
図13及び
図22に示すように、二次軸方向位置において、第7、第8、第9及び第10位置L7~L10を測定する。測定モジュール230(
図12)は、位置L7~L10を受信してもよく、そして、プロセスP32では、計算モジュール232(
図12)は、第7、第8、第9、及び第10の位置L7~L10、並びに二次軸方向位置の少なくとも1つの下部ケーシング102の内径IRに基づいて、トップオン位置にある構成要素支持位置124の予測オフセット値を計算することができる。一次軸方向位置に関する前述の予測オフセット値の任意のものは、各二次軸方向位置に関して計算されてもよい。計算のために傾斜角(β)が必要とされる場合、第2の基準点RP2及び第2の光学ターゲット148が軸方向位置に設けられていないため、値は各二次軸方向位置に関して未知である。この場合、計算は、最も近い一次軸方向位置の傾斜角(β)値を使用してもよい。
【0089】
プロセスP34において、二次軸方向位置にあるタービンケーシング100(
図2)内の構成要素支持位置124は、一次軸方向位置に対して説明したのと同様の方法で、予測オフセット値によって調整されてもよい。構成要素支持位置124に位置決めされた構成要素120(
図15)の、二次軸方向位置に対する位置合わせは、上部ケーシング106をトップオン位置に交換する際に、ロータ軸Aに対して改善される。
【0090】
プロセスは、下部ケーシング102及び/又は上部ケーシング106から取り外された任意の部品を交換し、下部ケーシング102上の上部ケーシング106を交換し、任意の現在知られている又は後に開発される技術によって適所に固定することによって完了することができる。
【0091】
E.結論
本開示の実施形態は、上部ケーシングの多数の取り外しステップを必要とせずに構成要素を位置合わせするための方法、システム、及びタービンケーシングを提供し、したがってプロセスをより単純かつより安全にし、より時間のかからないものにする。この方法はまた、構成要素支持位置を直接測定することなく正確な結果を提供する。この方法はまた、非常に柔軟であり、非対称のタービンケーシングを取り扱うことができる。技術的効果は、タービンケーシングの1つ又は複数のケーシングに調整を提供して、その中で支持される構成要素を位置合わせすることができる位置合わせシステムである。
【0092】
図中のフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な実施形態による、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装態様のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示している。これに関連して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことができ、それは、指定された論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能命令を含む。いくつかの代替的な実装態様では、ブロックで説明した機能は図で説明した順序と異なる順序で行われてもよいことにも留意されたい。例えば、連続して示す2つのブロックが、実際に、実質的に同時に実行されてもよいし、又はそれらのブロックが含まれる機能性に応じて時には逆の順序で実行されてもよい。ブロック図及び/若しくはフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及び/若しくはフローチャート図中のブロックの組合せが、指定された機能若しくは動作を実施する専用のハードウェアベースのシステム、又は専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組合せによって実装することができることもまた留意されたい。
【0093】
本明細書で説明するように、様々なシステム及び構成要素は、データ(例えば、位置など)を「受信する」ものとして説明される。対応するデータは任意の解決策を使用して取得することができることが理解される。例えば、対応するシステム/構成要素は、データを生成することができる、及び/又はデータを生成し、1つ又は複数のデータストア(例えば、データベース)からデータを検索し、別のシステム/構成要素からデータを受信することなどに使用される測定システム144又は別のシステムを含んでもよい。特定のシステム/コンポーネントによってデータが生成されない場合、図示のシステム/コンポーネントとは別に、データを生成してシステム/コンポーネントに提供する、及び/又はシステム/コンポーネントによるアクセスのためにデータを格納する、別のシステム/コンポーネントを実装することができることが理解される。
【0094】
上記の図面は、本開示のいくつかの実施形態による関連する処理のいくつかを示す。これに関連して、図面のフロー図内の各図面又はブロックは、記載した方法の実施形態に関連するプロセスを表している。いくつかの代替の実装態様では、図面又はブロックで説明した動作は、図で示した順序から外れて生じてもよいし、又は例えば、関連する動作に応じて、実際には実質的に同時に、又は逆の順序で実行されてもよいことにも留意されたい。また、当業者であれば、処理を説明する付加的なブロックを追加することができることを認識するであろう。
【0095】
本明細書及び特許請求の範囲を通してここで使用される、近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、許容範囲で変動し得る任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ」、「約」、及び「実質的に」などの用語によって修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。ここで、並びに本明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組合せ及び/又は置き換えが可能であり、文脈又は文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、両方の値に適用され、値を測定する機器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示し得る。
【0096】
以下の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作、及び均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を実施するための、一切の構造、材料、又は動作を包含することを意図している。本開示の記述は、例示及び説明の目的で提示されており、網羅的であることも、又は本開示を開示した形態に限定することも意図していない。当業者には、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく多くの改変及び変形が明らかであろう。本開示の原理及び実際の用途を最良に説明し、想定される特定の使用に適するように様々な改変を伴う様々な実施形態について本開示を他の当業者が理解することができるようにするために、本実施形態を選択し、説明した。
【符号の説明】
【0097】
10 蒸気タービン(ST)システム
12 ロータ
14 タービンロータ
18 ロータホイール
20 回転タービンブレード
22 静止ベーン
24 蒸気
26 入口
100 タービンケーシング
102 下部ケーシング
104 下部水平継手(HJ)フランジ
106 上部ケーシング
108 上部水平継手(HJ)フランジ
110L 片側又は両側
110R 片側又は両側
112 ダイヤフラム部分
114 内側ケーシング部分
116 静止ノズル部分
120 構成要素
122 ダイヤフラム
124 構成要素支持位置
124E 構成要素(ダイヤフラム)支持位置
124O 占有ダイヤフラム支持位置
126 延長部
128 シム
130 レッジ
132 周方向端部
136 上面
140 第1の光学ターゲット
142 半径方向に向いた外面
144 測定システム
146 位置合わせシステム
148 第2の光学ターゲット
150 上面、表面
152 下面、表面
154 内縁
156 外縁
160 三角形の空間的関係
200 環境
202 コンピュータインフラストラクチャ
204 コンピューティングデバイス
212 メモリ
214 プロセッサ
216 I/Oインターフェース、I/Oデバイス
218 バス
220 外部I/Oデバイス/リソース
222 記憶システム
230 測定モジュール
232 計算モジュール
234 システム構成要素
A タービンロータ軸
A′ ロータ軸
EL 線
FRL 第1の基準線
G ギャップ
IL 線
IR 内径
L1 第1の位置
L2 第2の位置
L3 第3の位置
L4 第4の位置
L5 第5の位置
L6 第6の位置
L7 第7の位置
L8 第8の位置
L9 第9の位置
L10 第10の位置
LP 予測トップオン位置
P10 プロセス
P12 プロセス
P14 プロセス
P16 プロセス
P18 プロセス
P20 プロセス
P22 プロセス
P24 プロセス
P26 プロセス
P28 プロセス
P30 プロセス
P32 プロセス
P34 プロセス
RL 基準線
RL1 第1の基準線
RL2 第2の基準線
RP1 第1の基準点
RP2 第2の基準点
RP3 第3の基準点
RP4 第4の基準点
RP5 第5の基準点
RP6 第6の基準点
RP7 第7の基準点、第7の光学ターゲット
RP8 第8の基準点
RP9 第9の基準点
SRL 第2の基準線
z 縦軸
α 回転角
β 傾斜角
Δz 垂直差
Δy1 第1の水平差
Δy2 第2の水平差