(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-18
(45)【発行日】2024-07-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304Z
(21)【出願番号】P 2023022467
(22)【出願日】2023-02-16
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】吉田 徹
(72)【発明者】
【氏名】中村 誠
【審査官】福田 知喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-145283(JP,A)
【文献】特開2016-154687(JP,A)
【文献】特開2019-000319(JP,A)
【文献】特開2019-017588(JP,A)
【文献】特開2022-006800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当り条件の成否を判定できる当り判定手段と、
前記当り判定手段の判定結果に応じて当り遊技を付与可能な当り遊技付与手段と、
のめり込みに関する注意を喚起するための情報として所定の情報を少なくとも表示可能な表示手段と、を備え、
初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる特殊状況を生起可能であって、当該複数回の当り遊技のうち
最終回の当り遊技において前記所定の情報を表示可能であり、
前記特殊状況において、前記所定の情報の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後
、前記最終回の当り遊技において前記所定の情報を表示可能であり、
前記特殊状況において、前記所定の情報の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示せず、
前記初回の当り遊技が開始してから前記所定の情報が表示されるまでのタイミングは、当該初回の当り遊技の種類が、第1当り遊技であるときと、第2当り遊技であるときと、で異なりうることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
当り条件の成否を判定できる当り判定手段と、
前記当り判定手段の判定結果に応じて当り遊技を付与可能な当り遊技付与手段と、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
のめり込みに関する注意を喚起するための情報として所定の情報を少なくとも表示可能な表示手段と、
前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、
初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる特殊状況を生起可能であって、当該複数回の当り遊技のうち所定の当り遊技において前記所定の情報を表示可能であり、
前記特殊状況において、前記所定の情報の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示可能であり、
前記特殊状況において、前記所定の情報の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示せず、
前記初回の当り遊技が開始してから前記所定の情報が表示されるまでのタイミングは、当該初回の当り遊技の種類が、第1当り遊技であるときと、第2当り遊技であるときと、で異なりうるようになっており、
前記遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも所定の入賞口に遊技球を入球させ易い特定状態と、があり、
前記表示手段は、前記所定の当り遊技において特定演出を表示可能であり、前記特定演出は、1回の当り遊技に基づいて付与されうる利益を超える利益を示唆又は報知する演出であり、
前記表示手段では、有利期間において前記特定演出が複数回表示される場合があり、前記有利期間の開始条件は、前記通常状態から前記特定状態に制御される状況において成立可能であり、前記有利期間の終了条件は、前記特定状態から前記通常状態に制御される状況において成立可能であり、
前記有利期間における前記特定演出が複数回表示される状況において、前記特定演出の表示中に前記所定の情報が表示されるときに、当該所定の情報が前記特定演出と重複しないように前記表示手段を制御する場合と、前記所定の情報が表示されずに前記特定演出が表示されるように前記表示手段を制御する場合と、があることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一例であるパチンコ遊技機には、過度な「のめり込み」を防止するための対策として、のめり込みに関する注意を喚起するための情報を表示するものがある(例えば、特許文献1)。このような遊技機において、のめり込みに関する注意を喚起するための情報は、例えば、当り遊技において表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、のめり込みに関する注意を喚起することについて、状況に応じて適切に行うことが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、当り条件の成否を判定できる当り判定手段と、前記当り判定手段の判定結果に応じて当り遊技を付与可能な当り遊技付与手段と、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として所定の情報を少なくとも表示可能な表示手段と、を備え、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる特殊状況を生起可能であって、当該複数回の当り遊技のうち最終回の当り遊技において前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後、前記最終回の当り遊技において前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示せず、前記初回の当り遊技が開始してから前記所定の情報が表示されるまでのタイミングは、当該初回の当り遊技の種類が、第1当り遊技であるときと、第2当り遊技であるときと、で異なりうることを要旨とする。
上記課題を解決する遊技機は、当り条件の成否を判定できる当り判定手段と、前記当り判定手段の判定結果に応じて当り遊技を付与可能な当り遊技付与手段と、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として所定の情報を少なくとも表示可能な表示手段と、前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる特殊状況を生起可能であって、当該複数回の当り遊技のうち所定の当り遊技において前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示せず、前記初回の当り遊技が開始してから前記所定の情報が表示されるまでのタイミングは、当該初回の当り遊技の種類が、第1当り遊技であるときと、第2当り遊技であるときと、で異なりうるようになっており、前記遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも所定の入賞口に遊技球を入球させ易い特定状態と、があり、前記表示手段は、前記所定の当り遊技において特定演出を表示可能であり、前記特定演出は、1回の当り遊技に基づいて付与されうる利益を超える利益を示唆又は報知する演出であり、前記表示手段では、有利期間において前記特定演出が複数回表示される場合があり、前記有利期間の開始条件は、前記通常状態から前記特定状態に制御される状況において成立可能であり、前記有利期間の終了条件は、前記特定状態から前記通常状態に制御される状況において成立可能であり、前記有利期間における前記特定演出が複数回表示される状況において、前記特定演出の表示中に前記所定の情報が表示されるときに、当該所定の情報が前記特定演出と重複しないように前記表示手段を制御する場合と、前記所定の情報が表示されずに前記特定演出が表示されるように前記表示手段を制御する場合と、があることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、のめり込みに関する注意を喚起することを適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】(a)は、第1特別図柄の小当り図柄の種類を示す説明図であり、(b)は、第2特別図柄の小当り図柄の種類を示す説明図である。
【
図5】大当り遊技の終了後に時短状態に制御されるときの各時短状態の終了条件を示す説明図である。
【
図6】(a)は、ゲーム終了条件又は第1小当り終了条件が成立した場合の遊技状態の移行を示すタイミングチャートであり、(b)は、第2小当り終了条件が成立した場合の遊技状態の移行を示すタイミングチャートである。
【
図7】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図8】(a)~(c)は、変動パターンの種類を示す説明図である。
【
図10】小当り遊技中及び大当り遊技中に実行される演出の種類を示す説明図である。
【
図11】(a)~(k)は、当り遊技中(小当り遊技中及び大当り遊技中)に実行される各種の演出の実行態様の一例を示す説明図である。
【
図12】(a)~(d)は、特別ゲームの実行中に実行される各種の演出の実行態様の一例を示す説明図である。
【
図13】(a)~(c)は、のめり込みに関する注意を喚起するための情報の一例を示す説明図である。
【
図14】(a)~(d)は、大当り遊技のエンディング時間中における演出表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。
【
図15】(a)~(d)は、大当り遊技のエンディング時間中における演出表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。
【
図16】(a)~(f)は、第2実施形態において、大当り遊技のエンディング時間中における演出表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。
【
図17】(a)~(f)は、第2実施形態において、大当り遊技のエンディング時間中における演出表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。
【
図18】(a)~(c)は、第2実施形態において、のめり込みに関する注意を喚起するための情報が表示されるタイミングの一例を示す説明図である。
【
図19】(a)~(c)は、第2実施形態において、大当り遊技のエンディング時間中におけるのめり込みに関する注意を喚起するための情報の表示態様の一例を示す説明図である。
【
図20】(a)及び(b)は、第4実施形態において、待機状態中と、大当り遊技のエンディング時間中と、におけるのめり込みに関する注意を喚起するための情報の表示態様の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、パチンコ遊技機の第1実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0009】
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDを備える。パチンコ遊技機10は、音声を出力するスピーカSPを備える。スピーカSPは、楽曲や効果音などの音声を出力して行う音声演出を実行可能である。本実施形態において、スピーカSPは、演出を実行可能な演出実行手段の一例である。パチンコ遊技機10は、図示しない発光体を用いて行う発光演出を実行する装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、図示しない発光体を点灯、点滅、及び消灯することにより発光演出を実行可能である。本実施形態において、装飾ランプLAは、演出を実行可能な演出実行手段の一例である。
【0010】
パチンコ遊技機10は、所定の動作による演出(以下、可動体演出と示す)を実行可能な可動体を備える。本実施形態の可動体には、第1演出用可動体EK1と、第2演出用可動体EK2と、が含まれる。第1演出用可動体EK1及び第2演出用可動体EK2は、所定の動作が可能な手段として把握できる。本実施形態において、第1演出用可動体EK1及び第2演出用可動体EK2は、演出を実行可能な演出実行手段の一例である。パチンコ遊技機10は、各可動体を動作させる図示しないアクチュエータを備える。第1演出用可動体EK1は、アクチュエータの作動により第1演出用可動体EK1の原位置から第1演出用可動体EK1の演出位置の範囲内で動作可能に構成されている。第2演出用可動体EK2は、アクチュエータの作動により第2演出用可動体EK2の原位置から第2演出用可動体EK2の演出位置の範囲内で動作可能に構成されている。
【0011】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBの前面側には、正面視において略円形の遊技領域YBaが画成されている。本実施形態において、遊技領域YBaには、発射ハンドルHDの操作により発射された遊技球が到達しうる。遊技盤YBは、正面から見たときの略中央部分に、開口窓YBbを備える。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
【0012】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、画像を表示可能な画像表示部GHを有する演出表示装置12を備える。演出表示装置12は、正面から見たときに、画像表示部GHが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。例えば、画像表示部GHは、液晶パネルや、有機ELパネルである。演出表示装置12は、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。本実施形態において、演出表示装置12は、演出を実行可能な演出実行手段の一例である。
【0013】
パチンコ遊技機10は、各種の情報を表示可能な情報表示装置13を備える。情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
情報表示装置13は、第1特別図柄表示部13aを備える。第1特別図柄表示部13aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる変動ゲームとしての第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。情報表示装置13は、第2特別図柄表示部13bを備える。第2特別図柄表示部13bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる変動ゲームとしての第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。第1特別図柄、及び第2特別図柄は、後述する特別当り抽選の結果を報知するための図柄である。本実施形態において、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bは、特別図柄を表示する手段として把握できる。
【0014】
以下の説明では、第1特別図柄の特別当り抽選を略して「第1特別当り抽選」と示すとともに、第2特別図柄の特別当り抽選を略して「第2特別当り抽選」と示す。また、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示し、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、を総称して「特別ゲーム」と示す。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。
【0015】
第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bにおいて導出可能な特別図柄には、小当り図柄と、はずれ図柄とがある。本実施形態において、第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、同時に実行されない。本実施形態では、特別当り抽選において小当りに当選した場合、特別ゲームにおいて小当り図柄が導出され、該特別ゲームの終了後に小当り遊技が付与(生起)される。小当り遊技について、詳しくは後述する。特別当り抽選において小当りに当選しなかった場合、特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出される。このように、本実施形態の第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bでは、特別当り抽選の結果に基づいて特別図柄を変動及び停止させて行う特別ゲームを実行可能である。
【0016】
情報表示装置13は、第1特別保留表示部13cを備える。第1特別保留表示部13cは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示す。本実施形態において、第1特別保留数の上限数は「4」である。なお、詳しくは後述するが、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームの実行を保留しないように構成されている。
【0017】
情報表示装置13は、普通図柄表示部13dを備える。普通図柄表示部13dは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。普通図柄は、後述する普通当り抽選の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す。普通図柄表示部13dに導出可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とがある。本実施形態では、普通当り抽選において普通当りに当選した場合、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、該普通ゲームの終了後に普通当り遊技が付与(生起)される。
【0018】
情報表示装置13は、普通保留表示部13eを備える。普通保留表示部13eは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。本実施形態において、普通保留数の上限数は「4」である。なお、情報表示装置13における各表示部は、1つの表示装置に設けられている必要はなく、異なる部分に設けられていてもよい。また、情報表示装置13は、所謂「右打ち」を指示する情報を表示する右打ち表示部や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部を備えていてもよい。
【0019】
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な複数の入賞口が形成される。複数の入賞口は、遊技領域YBaに開口する。複数の入賞口は、第1始動入賞口14と、第2始動入賞口15と、第1大入賞口18と、第2大入賞口20と、一般入賞口22と、を含む。複数の入賞口には、これらの入賞口とは異なる入賞口を含んでもよい。
【0020】
第1始動入賞口14は、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動入賞口14への入球に伴って付与される賞球の数(賞球数)は、「1」である。一例として、第1始動入賞口14は、演出表示装置12の下方にある。第1始動入賞口14は、常に遊技球を入球させうるように開口される。遊技盤YBは、第1始動入賞口14へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞センサSE1を備える(
図7参照)。
【0021】
第2始動入賞口15は、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの実行条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動入賞口15への入球に伴って付与される賞球数は、「1」である。一例として、第2始動入賞口15は、演出表示装置12の右方にある。遊技盤YBは、第2始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞センサSE2を備える(
図7参照)。
【0022】
遊技盤YBは、扉状であることを一例とする普通開閉片16を備える。普通開閉片16は、遊技球が入球可能となるように第2始動入賞口15を開放する開放状態と、遊技球が入球不能となるように第2始動入賞口15を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる。即ち、本実施形態において、普通開閉片16は、第2始動入賞口15を開放する開放状態及び第2始動入賞口15を閉鎖する閉鎖状態を取りうる手段として把握できる。普通開閉片16は、常には閉鎖状態となっており、普通当り遊技が付与された場合に開放状態に動作する。即ち、第2始動入賞口15は、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができるように開放される。遊技盤YBは、普通開閉片16を動作させる手段として、第1ソレノイドSL1を備える(
図7参照)。
【0023】
本実施形態の一例において、第2始動入賞口15は、遊技領域YBaにおいて上方に向かって開口している。このため、本実施形態では、普通開閉片16が開放状態である場合、第2始動入賞口15の直上空間15aに到達した遊技球は、その全部又は略全部が第2始動入賞口15に入球する。即ち、普通開閉片16が開放状態である場合、遊技球は、遊技領域YBaのうち、第2始動入賞口15よりも下流側の領域へと流入しない、又はし難い。一方、普通開閉片16は、閉鎖状態となることにより第2始動入賞口15を閉鎖する。このため、本実施形態では、普通開閉片16が閉鎖状態である場合、遊技球は、普通開閉片16の上を転動し、遊技領域YBaのうち、第2始動入賞口15よりも下流側の領域へと流入しうる。このように、普通開閉片16は、遊技球が、遊技領域YBaにおける第2始動入賞口15よりも下流側の領域へと流下することを許容及び阻止する手段として把握できる。
【0024】
第1大入賞口18は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1大入賞口18への入球に伴って付与される賞球数は、「15」である。一例として、第1大入賞口18は、遊技領域YBaのうち、第2始動入賞口15よりも下流側の領域にある。なお、遊技領域YBaには、原則として、第2始動入賞口15の直上空間15aを通過した遊技球のみが第1大入賞口18へ到達しうるように、釘や壁等の障害物によって流路が形成されている。遊技盤YBは、第1大入賞口18へ入球した遊技球を検知する第1カウントセンサSE3を備える(
図7参照)。
【0025】
遊技盤YBは、扉状であることを一例とする第1特別開閉片19を備える。第1特別開閉片19は、遊技球が入球可能となるように第1大入賞口18を開放する開放状態と、遊技球が入球不能となるように第1大入賞口18を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる。即ち、本実施形態において、第1特別開閉片19は、第1大入賞口18を開放する開放状態及び第1大入賞口18を閉鎖する閉鎖状態を取りうる手段として把握できる。第1特別開閉片19は、常には閉鎖状態となっており、小当り遊技が付与された場合に開放状態に動作する。即ち、第1大入賞口18は、小当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができるように開放される。遊技盤YBは、第1特別開閉片19を動作させる手段として、第2ソレノイドSL2を備える(
図7参照)。本実施形態において、小当り遊技では、第1大入賞口18が開放され、該第1大入賞口18に入球した遊技球が第1カウントセンサSE3によって検知されることで賞球の付与条件が成立する。このため、小当り遊技では、第1カウントセンサSE3により検知された遊技球の数に応じた数の賞球を獲得可能である。
【0026】
第1大入賞口18の奥方には、第1大入賞口18に入球した遊技球が通過可能な通路26が設けられている。通路26は、分岐部27において、第1通路26aと第2通路26bとに分岐する。分岐部27には、第4ソレノイドSL4(
図7参照)の作動により、第1大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26a又は第2通路26bに振り分ける振分シャッタ28が設けられている。振分シャッタ28は、第1大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26aに振り分ける第1状態と、第2通路26bに振り分ける第2状態とを取りうるように動作する。振分シャッタ28は、予め定められた動作条件が成立すると、所定の動作パターンで動作する。
【0027】
第1通路26aには、第1通路26aのうち特定領域29を通過する遊技球を検知する特定通過センサSE5(
図7参照)が設けられている。特定領域29は、いわゆるV領域である。特定通過センサSE5は、第1大入賞口18に入球した遊技球のうち特定領域29を通過する遊技球を検知する手段として把握できる。詳しくは後述するが、本実施形態では、小当り遊技において第1大入賞口18が開放された場合に、該第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aのうち特定領域29を通過して特定通過センサSE5により検知されたことを契機として大当りとなり、大当り遊技が付与される。
【0028】
第2大入賞口20は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2大入賞口20への入球に伴って付与される賞球数は、「15」である。一例として、第2大入賞口20は、第1大入賞口18の下方にある。遊技盤YBは、第2大入賞口20へ入球した遊技球を検知する第2カウントセンサSE4を備える(
図7参照)。
【0029】
遊技盤YBは、扉状であることを一例とする第2特別開閉片21を備える。第2特別開閉片21は、遊技球が入球可能となるように第2大入賞口20を開放する開放状態と、遊技球が入球不能となるように第2大入賞口20を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる。第2特別開閉片21は、常には閉鎖状態となっており、大当り遊技が付与された場合に開放状態に動作する。即ち、第2大入賞口20は、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができるように開放される。遊技盤YBは、第2特別開閉片21を動作させる手段として、第3ソレノイドSL3を備える(
図7参照)。本実施形態において、大当り遊技では、第2大入賞口20が開放され、該第2大入賞口20に入球した遊技球が第2カウントセンサSE4によって検知されることで賞球の付与条件が成立する。このため、大当り遊技では、第2カウントセンサSE4により検知された遊技球の数に応じた数の賞球を獲得可能である。
【0030】
一般入賞口22は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、一般入賞口22への入球に伴って付与される賞球数は、「5」である。一例として、一般入賞口22は、第2大入賞口20の下方に複数ある。一般入賞口22は、常に遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤YBは、一般入賞口22へ入球した遊技球を検知する一般入賞センサSE6を備える(
図7参照)。
【0031】
遊技盤YBは、ゲート23を備える。一例として、ゲート23は、第2始動入賞口15の上方にある。ゲート23には、ゲート口23aが形成されている。ゲート口23aは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。ゲート23は、ゲート口23aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサSE7を備える(
図7参照)。ゲート口23aは、普通ゲームの保留条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート口23aは、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
【0032】
次に、本実施形態において、遊技球が流下する経路について説明する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaにおいて遊技球が流下する経路として、遊技球の発射強度に応じた複数通りの経路を有している。遊技球が流下する経路は、遊技球が流下する領域として把握することもできる。複数通りの経路には、センター枠W(演出表示装置12)の左側を流下する第1経路R1と、センター枠W(演出表示装置12)の右側を流下する第2経路R2と、がある。第1経路R1と第2経路R2は、一部が重複してもよく、全部が重複していなくてもよい。以下の説明では、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線CLよりも左側に位置する領域を左側領域R1aと示し、中心線CLよりも右側に位置する領域を右側領域R2aと示す。左側領域R1aを流下する経路は第1経路R1に相当し、右側領域R2aを流下する経路は第2経路R2に相当する。
【0033】
遊技者は、発射ハンドルHDを操作して遊技球の発射強度を調整することで、左側領域R1a及び右側領域R2aに遊技球を打ち分けることができる。第1経路R1上(左側領域R1a)には、第1始動入賞口14が開口している。このため、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が左側領域R1aを流下し易く、第1始動入賞口14へ入球する可能性がある。第2経路R2上(右側領域R2a)には、上流から順に、ゲート口23a、第2始動入賞口15、第1大入賞口18、第2大入賞口20、及び一般入賞口22が開口している。このため、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が右側領域R2aを流下し易く、第2始動入賞口15、第1大入賞口18、第2大入賞口20、一般入賞口22、又はゲート口23aへ入球する可能性がある。
【0034】
特に、本実施形態では、第1大入賞口18は、遊技領域YBaにおいて、第2始動入賞口15よりも下流に開口している。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2経路R2(右側領域R2a)において、第2始動入賞口15の直上空間15aを通過した遊技球のみが第1大入賞口18に到達可能に構成されている。このため、第1大入賞口18へ遊技球を到達させるためには、第2始動入賞口15に遊技球を入球させることなく第2始動入賞口15の直上空間15aを通過させる必要がある。なお、第2大入賞口20へは、第2経路R2を流下する遊技球のうち、第2始動入賞口15の直上空間15aを通過した遊技球、及び直上空間15aを通過していない遊技球の何れも到達しうる。
【0035】
以下の説明では、遊技球が第1経路R1上を流下し易い発射強度で遊技球を発射することを「左打ち」と示す場合がある。また、遊技球が第2経路R2上を流下し易い発射強度で遊技球を発射することを「右打ち」と示す場合がある。
【0036】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームの平均変動時間が異なる遊技状態として、通常状態と、時短状態と、を備える。時短状態には、第1時短状態と、第2時短状態と、がある。本実施形態の時短状態は、通常状態と比較して、特別ゲームの平均変動時間が短い状態である。第1時短状態は、第2時短状態と比較して、特別ゲームの平均変動時間が短い状態である。即ち、本実施形態において、特別ゲームの平均変動時間は、通常状態>第2時短状態>第1時短状態の順で短い。
【0037】
また、本実施形態の時短状態は、通常状態と比較して、遊技球が第2始動入賞口15に入球する確率が高い状態である。言い換えれば、本実施形態において、時短状態は、通常状態と比較して第2始動入賞口15への遊技球の入球率が向上する入球率向上状態である。本実施形態の時短状態は、遊技球が第2始動入賞口15に入球する確率が高まり、第2始動入賞口15への遊技球の入球が容易になる観点において、通常状態よりも遊技者にとって有利である。
【0038】
第2始動入賞口15への遊技球の入球率は、普通当り抽選の当選確率を、通常状態のときよりも高確率に変動させることにより向上させることができる。本実施形態では、通常状態における普通当り抽選の当選確率は「0%」である。即ち、本実施形態の通常状態では、普通当り抽選において普通当りに当選しない。このため、本実施形態の通常状態では、普通当り遊技が付与されず第2始動入賞口15が開放されないことから、第2始動入賞口15へ遊技球を入球させることができない。一方、本実施形態において、時短状態における普通当り抽選の当選確率は「100%」である。即ち、本実施形態の時短状態では、普通当り抽選において必ず普通当りに当選する。このため、本実施形態の時短状態では、普通当り遊技が付与されて第2始動入賞口15が開放されることから、第2始動入賞口15へ遊技球を入球させることができる。
【0039】
そして、本実施形態の時短状態は、通常状態と比較して、遊技球が第2始動入賞口15に入球する確率が高い状態であることから、遊技球が第1大入賞口18に到達しにくい状態であるといえる。なお、本明細書において、遊技球が第1大入賞口18に到達しにくい状態には、遊技球が第1大入賞口18に到達不能な状態を含むことを意図している。特に、本実施形態のパチンコ遊技機10は、時短状態である場合には、第2始動入賞口15の直上空間15aを通過しようとする遊技球の全て、又は略全てが第2始動入賞口15に入球することで、遊技球が第1大入賞口18に到達しない、又は極めて到達し難いように構成されている。このため、小当り遊技中では、遊技状態が時短状態に制御されていると、該小当り遊技において第1大入賞口18が開放されても、遊技球を第1大入賞口18に入球させ難い、又は入球させることができない。このように、小当り遊技中の遊技状態が時短状態に制御されている場合、該小当り遊技において、第1大入賞口18へ遊技球を入球させること、及び特定領域29に遊技球を通過させることは、実質的に不可能である。
【0040】
一方、本実施形態のパチンコ遊技機10は、通常状態である場合には、普通当り抽選に当選せず普通当り遊技が付与されないことから、第2始動入賞口15が開放されないため、遊技球が第2始動入賞口15の直上空間15aを通過し、第1大入賞口18に到達しうるように構成されている。このため、小当り遊技中、通常状態に制御されているときには、該小当り遊技において第1大入賞口18が開放された場合に、遊技球が第1大入賞口18に到達しうることから、特定通過センサSE5によって遊技球が検知されうる。このように、小当り遊技では、遊技状態が通常状態に制御されていると、第1大入賞口18に遊技球を入球させ易い、又は入球させることができる。よって、本実施形態の通常状態は、小当り遊技において遊技球が第1大入賞口18へ入球し易いという観点において、時短状態よりも遊技者にとって有利である。
【0041】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り遊技中に通常状態に制御されている場合には、小当り遊技中に時短状態に制御されている場合と比較して、特定通過センサSE5により遊技球が検知され易い動作態様で普通開閉片16が動作されるといえる。言い換えれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り遊技中に通常状態に制御されている場合には、小当り遊技中に時短状態に制御されている場合と比較して、小当り遊技において特定通過センサSE5により遊技球が検知され易い。
【0042】
ここで、第2始動入賞口15の直上空間15aを通過しようとする遊技球のすべてが第2始動入賞口15に入球するように構成するためには、第2始動入賞口15が普通開閉片16により閉鎖されている時間が、閉鎖されている普通開閉片16の上を遊技球が転動して通過するのに要する時間よりも短い時間であるとよい。
【0043】
閉鎖されている普通開閉片16の上を遊技球が転動して通過するのに要する時間は、例えば、遊技球の転動方向(進行方向)に沿った普通開閉片16の長さ、水平方向に対して普通開閉片16が傾斜している角度、普通開閉片16の上を遊技球が転動するときに接触する部材の摩擦係数などによって定まる。遊技球の転動方向に沿った普通開閉片16の長さを長くすれば、普通開閉片16の上を遊技球が移動する距離が長くなるため、遊技球が普通開閉片16の上を転動して通過するのに要する時間は長くなる。水平方向に対して普通開閉片16が傾斜している角度を小さくすれば、傾斜している角度が大きい場合と比較して遊技球の進行速度が遅くなるため、遊技球が普通開閉片16の上を転動して通過するのに要する時間は長くなる。普通開閉片16の上を遊技球が転動するときに接触する部材の摩擦係数を大きくすれば、遊技球が減速するため、遊技球が普通開閉片16の上を転動して通過するのに要する時間は長くなる。
【0044】
また、第2始動入賞口15が閉鎖されている時間は、例えば、ゲート口23aへの遊技球の入球確率、普通当り抽選の当選確率、普通ゲームの変動時間、普通当り遊技における第2始動入賞口15の開放時間などによって定まる。ゲート口23aへの遊技球の入球確率を高くすれば、普通当り抽選が実行される頻度が高くなるため、第2始動入賞口15が閉鎖されている時間は短くなる。普通当り抽選の当選確率を高くすれば、普通当り遊技が終了してから次に普通当りに当選するまでの時間が短くなるため、第2始動入賞口15が閉鎖されている時間は短くなる。普通ゲームの変動時間を短くすれば、普通当り抽選に当選したときから普通当り遊技が付与されるまでの時間が短くなるため、第2始動入賞口15が閉鎖されている時間は短くなる。普通当り遊技における第2始動入賞口15の開放時間を長くすれば、第2始動入賞口15が閉鎖されている時間は短くなる。
【0045】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における特別当り抽選の当選確率について説明する。
本実施形態において、第1特別当り抽選と、第2特別当り抽選とでは、小当りに当選する確率が異なる。一例として、第2特別当り抽選で小当りに当選する確率は、第1特別当り抽選で小当りに当選する確率よりも高い。具体的に、本実施形態において、第1特別当り抽選で小当りに当選する確率は、1/300である。一方、本実施形態において、第2特別当り抽選で小当りに当選する確率は、1/1である。即ち、本実施形態の第2特別当り抽選では、必ず小当りに当選する。
【0046】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における小当り遊技について説明する。
小当り遊技は、小当り図柄が導出された特別ゲームの終了後、所定のインターバル時間が経過すると開始される。小当り遊技では、最初に、予め定められたオープニング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、小当り遊技の開始を示すオープニング演出である。小当り遊技は、オープニング時間の経過後に、遊技球を入球させうるように第1大入賞口18が開放されるラウンド遊技が行われる。即ち、本実施形態では、特別当り抽選で小当りに当選した場合、特別ゲームにおいて小当り図柄を導出した後に第1大入賞口18を開放させる小当り遊技が付与される。そして、小当り遊技は、予め定められた上限個数の遊技球が入球する入球条件、又は予め定められた上限時間が経過する時間経過条件が成立したことを契機として、第1大入賞口18が閉鎖される。即ち、本実施形態において、第1特別開閉片19は、小当り遊技中に開放状態に動作し、入球条件又は時間経過条件の成立を契機として閉鎖状態に動作する。また、本実施形態では、ラウンド遊技中に所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、第1大入賞口18を開放するラウンド遊技の実行中であることを示すラウンド演出である。その後、小当り遊技では、予め定められたエンディング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、小当り遊技の終了を示すエンディング演出である。そして、小当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了する。
【0047】
次に、本実施形態における大当り遊技について説明する。本実施形態において、大当り遊技は、小当り遊技において第1通路26aにある特定領域29(特定通過センサSE5)を遊技球が通過したことを条件として、該小当り遊技の終了後に開始される。
【0048】
大当り遊技では、最初に、予め定められたオープニング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を示すオープニング演出である。大当り遊技は、オープニング時間の経過後に、遊技球を入球させうるように第2大入賞口20が開放されるラウンド遊技が予め定められた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定められた上限個数の遊技球が入球する第1ラウンド終了条件、又は予め定められた上限時間が経過する第2ラウンド終了条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技において、第2大入賞口20は、所定の開放態様となるように開放される。具体的に、本実施形態において、第2大入賞口20は、ラウンド遊技の開始を契機として開放され、ラウンド遊技の終了を契機として閉鎖される。即ち、本実施形態において、第2特別開閉片21は、ラウンド遊技の開始を契機として開放状態に動作し、ラウンド遊技の終了を契機として閉鎖状態に動作する。本実施形態では、ラウンド遊技中に所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、第2大入賞口20を開放するラウンド遊技の実行中であることを示すラウンド演出である。最終回のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技では、予め定められたエンディング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を示すエンディング演出である。そして、大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了する。
【0049】
次に、本実施形態における当りの種類について説明する。
図4(a)及び(b)に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の小当り図柄として、複数種類の小当り図柄を備える。複数種類の小当り図柄には、それぞれ小当り遊技の種類が定められている。小当り図柄の種類は、小当りの種類としても把握できる。本実施形態において、第1特別図柄の小当り図柄及び第2特別図柄の小当り図柄には、それぞれ予め定められた複数種類の小当り図柄がある。
【0050】
第1特別図柄の小当り図柄は、予め定められた比率で、特別図柄ZA、特別図柄ZB、及び特別図柄ZCの3つのグループに分類されている。具体的に、本実施形態では、100種類の第1特別図柄の小当り図柄のうち、10種類の小当り図柄が特別図柄ZAに、50類の小当り図柄が特別図柄ZBに、40種類の小当り図柄が特別図柄ZCに、それぞれ分類されている。以下の説明では、特別図柄ZAに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZA」、特別図柄ZBに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZB」、特別図柄ZCに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZC」と示す。
【0051】
第2特別図柄の小当り図柄は、予め定められた比率で、特別図柄Za、特別図柄Zb、及び特別図柄Zcの3つのグループに分類されている。具体的に、本実施形態では、100種類の第2特別図柄の小当り図柄のうち、60種類の小当り図柄が特別図柄Zaに、10種類の小当り図柄が特別図柄Zbに、30種類の小当り図柄が特別図柄Zcに、それぞれ分類されている。以下の説明では、特別図柄Zaに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZa」、特別図柄Zbに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZb」、特別図柄Zcに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZc」と示す。
【0052】
本実施形態の小当り遊技では、小当り遊技の種類によらず、同じ動作パターンで振分シャッタ28が動作する。この動作パターンにおいて、振分シャッタ28は、小当り遊技において第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aを通過可能な態様で動作する。言い換えれば、本実施形態の小当り遊技では、第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aを通過可能である。具体的に、本実施形態における振分シャッタ28の動作パターンは、小当り遊技の開始に伴って第1状態に動作し、小当り遊技の終了に伴って第2状態に動作する動作パターンである。このため、小当り遊技中に第1大入賞口18に入球した遊技球は、原則として第1通路26aにある特定領域29を通過し、特定通過センサSE5によって検知される。そして、本実施形態では、小当り遊技において遊技球が特定領域29を通過し、特定通過センサSE5で検知された場合に大当りとなり、該小当り遊技の終了後に大当り遊技が付与される。以下の説明では、小当り遊技において遊技球が特定領域29を通過することを単に「V入賞」と示す場合がある。つまり、大当り遊技は、小当り遊技におけるV入賞に基づいて付与される。
【0053】
本実施形態において、当り遊技は、小当り遊技と、該小当り遊技におけるV入賞に基づいて、該小当り遊技の終了後に付与されうる大当り遊技と、で構成される。当り遊技ZAは、小当りZAに基づく小当り遊技ZAと、小当り遊技ZAにおけるV入賞に基づく大当り遊技ZAと、で構成される。当り遊技ZAは、第1当り遊技の一例である。当り遊技ZBは、小当りZBに基づく小当り遊技ZBと、小当り遊技ZBにおけるV入賞に基づく大当り遊技ZBと、で構成される。当り遊技ZBは、第2当り遊技の一例である。当り遊技ZCは、小当りZCに基づく小当り遊技ZCと、小当り遊技ZCにおけるV入賞に基づく大当り遊技ZCと、で構成される。当り遊技ZCは、第2当り遊技の一例である。当り遊技Zaは、小当りZaに基づく小当り遊技Zaと、小当り遊技ZaにおけるV入賞に基づく大当り遊技Zaと、で構成される。当り遊技Zbは、小当りZbに基づく小当り遊技Zbと、小当り遊技ZbにおけるV入賞に基づく大当り遊技Zbと、で構成される。当り遊技Zcは、小当りZcに基づく小当り遊技Zcと、小当り遊技ZcにおけるV入賞に基づく大当り遊技Zcと、で構成される。このように、本実施形態において、当り遊技の種類には、当り遊技ZAと、当り遊技ZBと、当り遊技ZCと、当り遊技Zaと、当り遊技Zbと、当り遊技Zcと、がある。このように、パチンコ遊技機10は、特別当り抽選の結果に応じて小当り遊技を付与可能であるとともに、大当り遊技を付与可能に構成されている。言い換えれば、パチンコ遊技機10は、特別当り抽選の結果に応じて当り遊技を付与可能に構成されている。
【0054】
本実施形態において、大当り遊技ZA,ZB,ZC,Za,Zbでは、ラウンド遊技の上限回数として9回が定められている。このため、当り遊技ZA,ZB,ZC,Za,Zbでは、小当り遊技における第1大入賞口18の開放と、小当りに基づく大当り遊技における第2大入賞口20の開放とを合わせて、10回のラウンド遊技が実行されるといえる。また、大当り遊技Zcでは、ラウンド遊技の上限回数として1回が定められている。このため、当り遊技Zcでは、小当り遊技における第1大入賞口18の開放と、小当りに基づく大当り遊技における第2大入賞口20の開放とを合わせて、2回のラウンド遊技が実行されるといえる。
【0055】
本実施形態では、小当りの種類と、小当り遊技の開始時の遊技状態(以下、単に「開始時状態」と示す)と、の組み合わせに応じて、遊技球が特定領域29を通過したことを契機として付与される大当り遊技の終了後の遊技状態(以下、単に「終了後状態」と示す)が定められている。具体的に、小当りZA,Za,Zbの何れかと、開始時状態として通常状態と、の組み合わせには、終了後状態として第1時短状態が定められている。即ち、開始時状態が通常状態であり、小当り遊技ZA,Za,ZbにおいてV入賞が発生したときには、終了後状態が第1時短状態に制御される。
【0056】
小当りZBと、開始時状態として通常状態と、の組み合わせには、終了後状態として第2時短状態が定められている。即ち、開始時状態が通常状態であり、小当り遊技ZBにおいてV入賞が発生したときには、終了後状態が第2時短状態に制御される。
【0057】
小当りZC,Zcと、開始時状態として通常状態と、の組み合わせには、終了後状態として通常状態が定められている。即ち、開始時状態が通常状態であり、小当り遊技ZC,ZcにおいてV入賞が発生したときには、終了後状態が通常状態に制御される。
【0058】
小当りZA,ZB,ZC,Zb,Zcの何れかと、開始時状態として時短状態と、の組み合わせには、終了後状態として第1時短状態が定められている。即ち、開始時状態が時短状態であり、小当り遊技ZA,ZB,ZC,Zb,ZcにおいてV入賞が発生したときには、終了後状態が第1時短状態に制御される。
【0059】
小当りZaと、開始時状態として時短状態と、の組み合わせには、終了後状態として第2時短状態が定められている。即ち、開始時状態が時短状態であり、小当り遊技ZaにおいてV入賞が発生したときには、終了後状態が第2時短状態に制御される。
【0060】
ここで、本実施形態における時短状態の終了条件について説明する。
図5に示すように、時短状態の終了条件には、特別ゲームが実行された回数に基づいて成立可能なゲーム終了条件と、特別当り抽選の結果が小当りとなった回数に基づいて成立可能な小当り終了条件と、がある。時短状態の終了条件は、時短状態を終了させるための条件として把握できる。
【0061】
ゲーム終了条件は、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの合計回数が規定ゲーム回数に達することで成立する。一例として、規定ゲーム回数は、250回である。小当り終了条件には、第1小当り終了条件と、第2小当り終了条件と、がある。第1小当り終了条件は、特別当り抽選において、第1種類の小当りに当選した回数が第1小当り回数に達することで成立する。第2小当り終了条件は、特別当り抽選において、第2種類の小当りに当選した回数が第2小当り回数に達することで成立する。第1種類の小当りには、小当りZA,Za,Zb,Zcがある。第2種類の小当りには、小当りZA,Za,Zbがある。なお、小当りZB,ZCは、各小当り回数の計数対象とされていない。このように、第1小当り終了条件は、小当り遊技ZA,Za,Zb,Zcが付与される状況において成立可能である。一方、第1小当り終了条件は、小当り遊技ZB,ZCが付与される状況において成立不能である。第2小当り終了条件は、小当り遊技ZA,Za,Zbが付与される状況において成立可能である。一方、第2小当り終了条件は、小当り遊技ZB,ZC,Zcが付与される状況において成立不能である。
【0062】
第1時短状態には、規定ゲーム回数を250回としたゲーム終了条件と、第1小当り回数を250回とした第1小当り終了条件と、第2小当り回数を1回とした第2小当り終了条件と、が定められている。第2時短状態には、規定ゲーム回数を250回としたゲーム終了条件と、第1小当り回数を1回とした第1小当り終了条件と、第2小当り回数を250回とした第2小当り終了条件と、が定められている。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、時短状態を終了させるための小当り終了条件が成立可能に構成される。
【0063】
また、図示しないが、時短状態の終了条件には、大当り遊技の開始に基づいて成立する大当り終了条件がある。大当り終了条件は、何れの時短状態において何れの大当り遊技が開始された場合であっても成立する。主制御CPU41aは、大当り遊技が開始された場合、第1時短状態及び第2時短状態を終了して通常状態に制御する。
【0064】
次に、
図6(a)及び(b)を参照して、時短状態の終了タイミングについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10において、時短状態の終了タイミングは、成立した終了条件に応じて異なる。
【0065】
図6(a)は、何れかの時短状態において、ゲーム終了条件、又は第1小当り終了条件が成立する状況を示す。ここでは、時点T10~時点T11にかけて何れかの特別ゲームが実行されることによって、ゲーム終了条件、又は第1小当り終了条件が成立したとする。この場合に、時短状態は、特別ゲームの終了時に終了される(時点T11)。その後、所定のインターバル時間が経過すると、小当り遊技が開始される(時点T12)。一例として、インターバル時間は、500msである。このように、ゲーム終了条件、及び第1小当り終了条件の何れかが成立すると、時短状態は、その終了条件が成立した特別ゲームの終了時に終了する。即ち、第1小当り終了条件が成立すると、時短状態は、小当り遊技が開始するよりも前のタイミングにて終了される。
【0066】
図6(b)は、何れかの時短状態において、第2小当り終了条件が成立する状況を示す。ここでは、時点T20~時点T21にかけて何れかの特別ゲームが実行されることによって、第2小当り終了条件が成立したとする。この場合に、時短状態は、特別ゲームの終了時に終了しない(時点T21)。時短状態は、所定のインターバル時間の経過後、小当り遊技の開始時に終了せず、該小当り遊技の開始時直後に終了する(時点T22)。このように、第2小当り終了条件が成立すると、時短状態は、その終了条件が成立した特別ゲームの終了後に付与される小当り遊技が開始したときに終了する。本実施形態において、小当り遊技の開始時は、小当り遊技のオープニング時間が開始する時点に相当する。本実施形態において、第2小当り終了条件が成立した場合、時短状態は、小当り遊技のオープニング時間が開始した後の時点にて終了する。一例として、小当り遊技のオープニング時間が開始した後の時点は、小当り遊技のオープニング時間が開始してから所定の時間が経過した時点である。即ち、第2小当り終了条件が成立すると、時短状態は、少なくとも小当り遊技の開始時まで維持され、その後に終了される。
【0067】
次に、パチンコ遊技機10において実行される演出図柄変動ゲームについて説明する。
本実施形態において、演出表示装置12は、演出図柄を複数列で変動表示させるとともに、最終的に演出図柄の組み合わせを導出させる演出図柄変動ゲームを実行可能である。即ち、本実施形態において、演出表示装置12は、演出図柄を表示する手段として把握できる。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄(飾り図柄)であって、表示演出を多様化させるためのものである。本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の図柄列をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0068】
演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。具体的に、演出ゲームでは、第1列~第3列の各図柄列において演出図柄が一時的に停止表示(以下、一旦停止表示と示す)された後に、各図柄列に一旦停止表示されている演出図柄が確定停止表示されることにより、演出図柄の組み合わせが導出される。演出ゲームでは、特別ゲームにて導出された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが導出される。即ち、本実施形態の演出表示装置12は、特別ゲームに伴って演出図柄を変動及び停止させて行う演出ゲームを実行可能である。
【0069】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図7に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40を備える。主制御基板40は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板50を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。パチンコ遊技機10は、電源ユニット60を備える。電源ユニット60は、主制御基板40、及び副制御基板50に電力を供給する。
【0070】
主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部として主制御CPU41aを備える。主制御CPU41aは、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41は、記憶部として主制御ROM41b及び主制御RAM41cを備える。主制御ROM41bは、情報の読出しが可能であって、かつ情報の書込みが不能な領域である。主制御RAM41cは、情報の読出し及び書込みが可能な領域である。
【0071】
主制御ROM41bは、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM41bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームの変動内容を特定可能な変動情報である。特に、本実施形態において、変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容を特定可能な情報であってもよい。
【0072】
主制御RAM41cは、主制御CPU41aによる処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。即ち、主制御RAM41cは、各種の情報を記憶する手段として把握できる。例えば、主制御RAM41cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する図示しない乱数回路を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU41aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU41a、主制御ROM41b、及び主制御RAM41cは、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
【0073】
主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1、第2始動入賞センサSE2、第1カウントセンサSE3、第2カウントセンサSE4、特定通過センサSE5、一般入賞センサSE6、及びゲートセンサSE7と接続されている。主制御CPU41aは、各センサが遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13と接続されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13の表示内容を制御可能に構成されている。
【0074】
主制御CPU41aは、第1ソレノイドSL1、第2ソレノイドSL2、第3ソレノイドSL3、及び第4ソレノイドSL4と接続されている。主制御CPU41aは、第1ソレノイドSL1を制御することによって、普通開閉片16の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、第2ソレノイドSL2を制御することによって、第1特別開閉片19の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、第3ソレノイドSL3を制御することによって、第2特別開閉片21の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、第4ソレノイドSL4を制御することによって、振分シャッタ28の動作を制御可能に構成されている。
【0075】
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU50aと、副制御ROM50bと、副制御RAM50cとを備える。副制御CPU50aは、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。副制御ROM50bは、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM50bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び可動体演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
【0076】
副制御RAM50cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RAM50cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。本実施形態において、また、副制御基板50は、副制御CPU50aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0077】
副制御CPU50aは、演出表示装置12と接続されている。副制御CPU50aは、演出表示装置12の表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、スピーカSPと接続されている。副制御CPU50aは、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、第1演出用可動体EK1及び第2演出用可動体EK2と接続されている。副制御CPU50aは、第1演出用可動体EK1及び第2演出用可動体EK2の動作を制御可能に構成されている。
【0078】
次に、電源ユニット60について説明する。
電源ユニット60は、電源スイッチ60aを備える。電源スイッチ60aは、オン状態及びオフ状態の何れかに切り替える操作が可能であって、切り替え後の操作状態を維持するように構成される。本実施形態では、外部電源からパチンコ遊技機10へ電力が供給されている状態において、電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態に操作にすると、各制御基板40,50に電力が供給される。そして、本実施形態では、外部電源からパチンコ遊技機10へ電力が供給されている状態において、電源スイッチ60aをオン状態からオフ状態に操作にすると、各制御基板40,50に電力が遮断される。したがって、パチンコ遊技機10を起動するためには、電源スイッチ60aをオン状態に操作したまま、外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま、電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態に操作にする。本明細書において、「電力供給が開始される」ことは、電源スイッチ60aを操作するなどして、各制御基板40,50に対して電力が供給されている状態となることを意味し、「電力供給が遮断される」ことは、各制御基板40,50に対して電力が供給されていない状態となることを意味する。
【0079】
電源ユニット60は、電力供給が遮断された後に主制御基板40及び副制御基板50に電力を供給可能なバックアップ電源60bを備える。バックアップ電源60bは、例えばキャパシタや二次電池である。そして、主制御基板40及び副制御基板50は、電力供給が遮断された後には、バックアップ電源60bから電力が供給されることにより、主制御RAM41c及び副制御RAM50cに記憶されている各種の情報を記憶保持(バックアップ)可能である。
【0080】
本実施形態では、主制御RAM41cに記憶されている一部又は全部の情報がバックアップの対象となる。主制御RAM41cにおけるバックアップの対象となる各種の情報には、遊技の進行に関連する遊技情報がある。例えば、遊技情報には、特別ゲームに関連する情報と、小当り遊技に関連する情報と、大当り遊技に関連する情報と、遊技状態に関連する情報と、賞球に関連する情報と、がある。特別ゲームに関連する情報としては、例えば、第1特別保留数を特定可能な情報、各種の乱数情報、特別当り抽選の結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで導出する特別図柄を特定可能な情報などである。小当り遊技に関連する情報としては、小当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。大当り遊技に関連する情報としては、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。小当り遊技及び大当り遊技の進行状況を特定可能な情報は、現在のラウンド遊技数、現在のラウンド遊技の残り時間、及び現在のラウンド遊技における入球数などである。遊技状態に関連する情報としては、現在の遊技状態を特定可能な情報、現在の遊技状態における特別ゲームの実行回数を特定可能な情報、及び現在の遊技状態における小当り回数を特定可能な情報などである。賞球に関連する情報としては、未払出しの賞球数を特定可能な情報などである。
【0081】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、主制御RAM41cの記憶内容を初期化する操作が可能な図示しないRAMクリアスイッチを備える。主制御CPU41aは、図示しないRAMクリアスイッチ回路を介してRAMクリアスイッチと接続されている。主制御CPU41aは、RAMクリアスイッチが操作(押下)されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、電力供給の開始時にRAMクリアスイッチが操作されていることを示す操作信号を入力している場合に、主制御RAM41cに記憶されている各種の情報を初期化する制御(以下、主初期化制御と示す)を実行する。
【0082】
本実施形態では、副制御RAM50cに記憶されている一部又は全部の情報がバックアップの対象となる。副制御RAM50cにおけるバックアップの対象となる各種の情報には、演出の実行状況を特定可能な演出情報がある。一例として、演出情報は、後述するのめり込みに関する注意を喚起するための情報の表示に関連する情報、及び実行中の演出を特定可能な情報などである。副制御CPU50aは、主初期化制御の実行に伴って入力する制御情報(後述する初期化コマンド)に基づいて、副制御RAM50cに記憶されている各種の情報を初期化する制御(以下、副初期化制御と示す)を実行する。これに加えて、パチンコ遊技機10は、副制御RAM50cの記憶内容を初期化する操作が可能な副RAMクリアスイッチを備えてもよい。そして、副制御CPU50aは、副RAMクリアスイッチが操作されて操作信号を入力している場合に、副初期化制御を実行してもよい。
【0083】
次に、主制御CPU41aが行う各種の処理について説明する。
まず、本実施形態のパチンコ遊技機10における電力供給の開始時の制御について説明する。
【0084】
電源投入処理において、主制御CPU41aは、割込み処理を禁止に設定する。次に、主制御CPU41aは、RAMクリアスイッチ(不図示)から操作信号を受信しているか否かに基づいて、RAMクリアスイッチがオン状態に操作されているか否かを判定する。
【0085】
RAMクリアスイッチがオン状態に操作されている場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cの主初期化制御を実行する。主初期化制御において、主制御CPU41aは、主制御RAM41cの記憶内容を初期化する。即ち、主制御CPU41aは、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されたことを契機として主制御RAM41cの記憶内容を初期化する制御を実行可能である。また、主制御CPU41aは、主初期化制御の実行に伴って初期化コマンドを副制御基板50へ出力する。続いて、主制御CPU41aは、特別ゲームを実行可能な状態に制御する。その後、主制御CPU41aは、主初期化制御を終了するとともに、割込み処理を許可に設定し、電源投入処理を終了する。
【0086】
一方、RAMクリアスイッチがオン状態に操作されていない場合、主制御CPU41aは、バックアップ異常であるか否か、つまり、主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かを確認する。バックアップ異常である場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cのRAMクリアスイッチがオン状態に操作されているときと同様に主初期化制御を実行する。
【0087】
一方、バックアップ異常ではない場合、主制御CPU41aは、主復帰制御を実行する。主復帰制御において、主制御CPU41aは、復帰コマンドを副制御基板50へ出力する。復帰コマンドは、電力供給が開始されたことと、電力供給が遮断されたときの状態に復帰することと、を特定可能な情報である。続いて、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに保持されている各種の情報に基づいて、電力供給が遮断されたときの状態に復帰するように制御する。その後、主制御CPU41aは、主復帰制御を終了するとともに、割込み処理を許可に設定し、電源投入処理を終了する。
【0088】
例えば、主制御CPU41aは、小当り遊技中に電力供給が遮断された後、電力供給が開始された場合には、電力供給が遮断されたときの進行状況となるように小当り遊技を復帰させる。このとき、主制御CPU41aは、小当り遊技に復帰したことを特定可能な情報(以下、小当り復帰コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。小当り復帰コマンドは、復帰した小当り遊技において、オープニング時間中、ラウンド遊技中、及びエンディング時間中の何れであるかを特定可能な情報でもある。小当り復帰コマンドは、復帰した小当り遊技の種類と、該小当り遊技が付与されたときの遊技状態と、を特定可能な情報でもある。
【0089】
例えば、主制御CPU41aは、大当り遊技中に電力供給が遮断された後、電力供給が開始された場合には、電力供給が遮断されたときの進行状況となるように大当り遊技を復帰させる。このとき、主制御CPU41aは、大当り遊技に復帰したことを特定可能な情報(以下、大当り復帰コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。大当り復帰コマンドは、復帰した大当り遊技において、オープニング時間中、ラウンド遊技中、及びエンディング時間中の何れであるかを特定可能な情報でもある。大当り復帰コマンドは、復帰した大当り遊技の種類と、該大当り遊技が付与される契機となった小当り遊技が付与されたときの遊技状態と、を特定可能な情報でもある。
【0090】
例えば、主制御CPU41aは、時短状態に制御されているときに電力供給が遮断された後、電力供給が開始された場合には、電力供給が遮断されたときの時短状態に復帰するように制御する。このとき、時短状態に復帰したことを特定可能な情報(以下、時短復帰コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。時短復帰コマンドは、復帰した時短状態が、第1時短状態及び第2時短状態の何れであるかを特定可能な情報でもある。その他、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに保持(バックアップ)されている各種の情報を特定可能な情報(コマンド)を副制御基板50へ出力する。
【0091】
次に、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行う割込み処理として実現される各種の処理について説明する。
まず、第1特別図柄入力処理について説明する。
【0092】
第1特別図柄入力処理において、主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動入賞口14へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第1始動入賞口14へ入賞した場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、第1特別保留数を1加算して更新する。続けて、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると成立する。また、このとき、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報(以下、第1保留数コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。なお、本実施形態において、出力バッファにセットされた情報(制御コマンド)は、所定の出力処理において副制御基板50へ出力される。
【0093】
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。例えば、乱数は、特別当り抽選に用いる特別当り乱数、特別図柄の決定に用いる特別図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RAM41cに記憶させておくことで、該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0094】
第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させた場合、第1始動入賞口14へ遊技球が入賞していない場合、及び、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU41aは、第1特別図柄入力処理を終了する。
【0095】
次に、第1特別図柄開始処理について説明する。
第1特別図柄開始処理において、主制御CPU41aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU41aは、小当り遊技中ではなく、大当り遊技中ではなく、特別ゲームの実行中ではなく、かつ特別ゲーム終了後のインターバル時間中ではない場合に肯定判定する一方、小当り遊技中、大当り遊技中、特別ゲームの実行中、又は特別ゲーム終了後のインターバル時間中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、第1特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数が「1」以上であるか否かを判定する。第1特別保留数が「1」以上ではない場合、主制御CPU41aは、第1特別図柄開始処理を終了する。
【0096】
第1特別保留数が「1」以上である場合、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを開始させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数を「1」減算して更新する。この処理において、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数が表示されるように、第1特別保留表示部13cを制御する。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を示す第1保留数コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0097】
次に、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから取得する。続けて、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて第1特別当り抽選を行う。具体的に、第1特別当り抽選において、主制御CPU41aは、特別当り乱数の値に基づいて、小当りか否かを決定する。小当りに当選した場合、主制御CPU41aは、特別図柄乱数の値を用いた抽選によって、第1特別図柄の小当り図柄のうち何れかの特別図柄を決定する。一方、小当りに当選しなかった場合、主制御CPU41aは、第1特別図柄のはずれ図柄を決定する。以下の説明では、特別当り抽選において、何れの当りにも当選しないことを「はずれ」と示す場合がある。
【0098】
主制御CPU41aは、第1特別ゲームにて導出させる特別図柄を決定した場合、変動パターン選択処理を実行する。変動パターン選択処理において、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される変動パターン乱数の値を用いた抽選によって、複数種類の変動パターンの中から変動パターンを選択する。詳しくは後述するが、主制御CPU41aは、変動パターン選択処理を実行することによって、現在の遊技状態に応じて特別ゲームの平均変動時間を異ならせるように制御できる。主制御CPU41aは、変動パターンを決定すると、第1特別図柄開始処理を終了する。
【0099】
次に、第2特別図柄開始処理について説明する。
第2特別図柄開始処理において、主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動入賞口15へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第2始動入賞口15へ入賞した場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数が「0」であるか否かを判定する。第1特別保留数が「0」ではない場合、主制御CPU41aは、第2特別図柄開始処理を終了する。即ち、主制御CPU41aは、第1特別ゲームの実行が保留されている場合、第2特別ゲームを実行しない。
【0100】
一方、第1特別保留数が「0」である場合、主制御CPU41aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、第2特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づいて第2特別ゲームを開始させるための処理を行う。
【0101】
主制御CPU41aは、取得した乱数のうち特別当り乱数を用いて第2特別当り抽選を行う。具体的に、第2特別当り抽選において、主制御CPU41aは、特別当り乱数の値に基づいて、小当りか否かを決定する。小当りに当選した場合、主制御CPU41aは、特別図柄乱数の値を用いた抽選によって、第2特別図柄の小当り図柄のうち何れかの特別図柄を決定する。主制御CPU41aは、第2特別ゲームにて導出させる特別図柄を決定すると、変動パターン選択処理を実行する。主制御CPU41aは、変動パターンを決定すると、第2特別図柄開始処理を終了する。
【0102】
変動パターン選択処理について説明する。
図8(a)~(c)に示すように、主制御CPU41aは、現在の遊技状態と、特別図柄と、に応じて変動パターンの選択条件を異ならせうる。変動パターン選択処理において、主制御CPU41aは、現在の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを選択する。各変動パターンテーブルには、複数種類の変動パターンが予め定められている。通常状態において、主制御CPU41aは、第1変動パターンテーブルを選択する。第1時短状態において、主制御CPU41aは、第2変動パターンテーブルを選択する。第2時短状態において、主制御CPU41aは、第3変動パターンテーブルを選択する。
【0103】
主制御CPU41aは、変動パターンテーブルを選択すると、特別ゲームにおいて導出させる図柄として決定した特別図柄に応じて変動パターンを選択する。
第1変動パターンテーブルを選択した場合について説明する。主制御CPU41aは、はずれ図柄を決定している場合、変動パターンHP01,HP02のうち何れかを選択する。主制御CPU41aは、複数の変動パターンのうち何れかを選択する場合、変動パターン乱数と、変動パターン判定値と、を用いて所定の抽選を行うことにより変動パターンを選択する。主制御CPU41aは、特別図柄ZA,ZB,ZCのうち何れかを決定している場合、変動パターンHP03,HP04のうち何れかを選択する。なお、変動パターンHP01~HP04で特定される変動時間は、それぞれ異なる。一例として、変動パターンHP01~HP04の変動時間は、HP02<HP04<HP01<HP03の順に長い。通常状態では、第2始動入賞口15へ遊技球が入球し得ないため、第2特別ゲームが実行されない。よって、主制御CPU41aは、通常状態において特別図柄Za,Zb,Zcが導出されるときの変動パターンを選択することはない。
【0104】
第2変動パターンテーブルを選択した場合について説明する。
主制御CPU41aは、はずれ図柄を決定している場合、変動パターンHP11を選択する。主制御CPU41aは、特別図柄ZA,Za,Zbのうち何れかを決定している場合、変動パターンHP12,HP13のうち何れかを選択する。主制御CPU41aは、特別図柄ZB,ZCのうち何れかを決定している場合、変動パターンHP14を選択する。主制御CPU41aは、特別図柄Zcを決定している場合、変動パターンHP15を選択する。なお、変動パターンHP11~HP15に対応付けられた変動時間は、それぞれ異なる。一例として、変動パターンHP11~HP15の変動時間は、HP14<HP15<HP11<HP13<HP12の順に長い。
【0105】
第3変動パターンテーブルを選択した場合について説明する。
主制御CPU41aは、はずれ図柄を決定している場合、変動パターンHP21を選択する。主制御CPU41aは、特別図柄ZA,Za,Zb,Zcのうち何れかを決定している場合、変動パターンHP22,HP23のうち何れかを選択する。主制御CPU41aは、特別図柄ZB,ZCのうち何れかを決定している場合、変動パターンHP24を選択する。なお、変動パターンHP21~HP24に対応付けられた変動時間は、それぞれ異なる。一例として、変動パターンHP21~HP24の変動時間は、HP24<HP21<HP23<HP22の順に長い。
【0106】
以上のように、主制御CPU41aは、特別当り抽選の結果に応じて特別ゲームの変動パターンを選択する手段として把握できる。そして、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bは、主制御CPU41aによって選択された変動パターンに基づいた特別ゲームを実行可能な手段として把握できる。
【0107】
上述したように、第1時短状態において、第2小当り終了条件は、第2小当り回数が1回であるから、特別図柄ZA,Za,Zbのうち何れかが導出されると成立する。第1時短状態において、右打ちは、左打ちに比して、当り遊技を獲得し易い観点で有利である。第1時短状態において右打ちされた場合に、第2小当り終了条件は、ゲーム終了条件に比して成立し易い。また、第1時短状態において右打ちされた場合に、第2小当り終了条件は、第1小当り終了条件に比して成立し易い。第1時短状態において右打ちされた場合に、実質的に、ゲーム終了条件及び第1小当り終了条件は、第2小当り終了条件よりも先に成立しない。よって、原則として、時短状態の終了条件は、第1時短状態では、特別図柄ZB,ZC,Zc、及びはずれ図柄の導出によって成立し得ない。
【0108】
図8(b)に示すように、選択対象となる変動パターンは、第1時短状態において特別図柄ZA,Za,Zbの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときと、第1時短状態において特別図柄ZB,ZC,Zc、及びはずれ図柄の何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立しないときと、で異なる。つまり、変動パターンの選択条件が異なる。例えば、第1時短状態において特別図柄ZA,Za,Zbの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときには、複数の変動パターンから抽選により変動パターンが決定される。そして、第1時短状態において特別図柄ZA,Za,Zbの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときは、第1時短状態において特別図柄ZB,ZC,Zc、及びはずれ図柄の何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立しないときよりも特別ゲームの平均変動時間が長い。
【0109】
上述したように、第2時短状態において、第1小当り終了条件は、第1小当り回数が1回であるから、特別図柄ZA,Za,Zb,Zcのうち何れかが導出されると成立する。第2時短状態において右打ちは、左打ちに比して、当り遊技を獲得し易い観点で有利である。第2時短状態において右打ちされた場合に、第1小当り終了条件は、ゲーム終了条件に比して成立し易い。第2時短状態において右打ちされた場合に、第1小当り終了条件は、第2小当り終了条件に比して成立し易い。第2時短状態において右打ちされた場合に、実質的に、ゲーム終了条件及び第2小当り終了条件は、第1小当り終了条件よりも先に成立しない。よって、原則として、第2時短状態の終了条件は、特別図柄ZB,ZC、及びはずれ図柄の導出によって成立し得ない。
【0110】
図8(c)に示すように、選択対象となる変動パターンは、第2時短状態において特別図柄ZA,Za,Zb,Zcの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときと、第2時短状態において特別図柄ZB,ZC、及びはずれ図柄の何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立しないときと、で異なる。つまり、変動パターンの選択条件が異なる。例えば、第2時短状態において特別図柄ZA,Za,Zb,Zcの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときには、複数の変動パターンから抽選により変動パターンが決定される。そして、第2時短状態において特別図柄ZA,Za,Zb,Zcの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときは、第2時短状態において特別図柄ZB,ZC、及びはずれ図柄の何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立しないときよりも特別ゲームの平均変動時間が長い。以上のように、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないときと、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するときと、では、変動パターンの選択条件が異なりうる。
【0111】
主制御ROM41bには、第3変動パターンテーブルにより変動パターンが決定された場合に、第1変動パターンテーブルにより変動パターンが決定された場合よりも特別ゲームの平均変動時間が短くなるように変動パターンが定められている。主制御ROM41bには、第2変動パターンテーブルにより変動パターンが決定された場合に、第3変動パターンテーブルにより変動パターンが決定された場合よりも特別ゲームの平均変動時間が短くなるように変動パターンが定められている。なお、主制御CPU41aは、遊技状態に応じて決定可能な変動パターンを異ならせることにより、特別ゲームの平均変動時間を異ならせてもよいし、遊技状態に応じて変動パターンの決定割合を異ならせることにより、特別ゲームの平均変動時間を異ならせてもよい。
【0112】
第1特別図柄開始処理又は第2特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41aは、各特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41aは、特別図柄の変動を開始させるように情報表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御CPU41aは、各特別図柄開始処理において決定した特別図柄を指定する情報(以下、特別図柄指定コマンドと示す)を出力バッファにセットする。また、主制御CPU41aは、変動パターンを指定するとともに演出ゲームの開始を指示する情報(以下、変動パターン指定コマンドと示す)を出力バッファにセットする。続いて、主制御CPU41aは、各特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間の計測を開始する。そして、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、各特別図柄開始処理において決定した特別図柄が確定停止表示されるように、情報表示装置13を制御して特別ゲームを終了させる。また、主制御CPU41aは、各特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間が経過すると、演出図柄の組み合わせを導出させるための情報(以下、全図柄停止コマンドと示す)を出力バッファにセットする。このような制御により、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間にわたって特別図柄を変動表示させるように制御する。
【0113】
主制御CPU41aは、特別ゲームを終了させると、インターバル時間の計測を開始する。主制御CPU41aは、インターバル時間が経過するまで特別図柄が確定停止表示されるように、情報表示装置13を制御する。よって、インターバル時間は、特別図柄の確定停止表示時間として把握できる。主制御CPU41aは、インターバル時間が経過すると、インターバル時間が経過したことを特定可能な情報(以下、インターバル終了コマンド)を出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、導出された特別図柄が小当り図柄のうち何れかの特別図柄であった場合、後述する小当り処理を実行する。主制御CPU41aは、導出された特別図柄がはずれ図柄であった場合、新たな特別ゲームを開始させうる。
【0114】
以上のような第1特別図柄入力処理、第1特別図柄開始処理、及び第2特別図柄開始処理により、パチンコ遊技機10では、第2特別ゲームに優先して第1特別ゲームが実行される。パチンコ遊技機10では、特別ゲームの開始条件が成立していない場合、又は、第1特別ゲームが保留されている場合には、第2始動入賞口15へ入球した遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されたときであっても、第2特別ゲームを実行しないとともに、第2特別ゲームの実行を保留しない。即ち、第2特別ゲームは、特別ゲームの開始条件が成立しており、かつ第1特別ゲームが保留されていない場合には、第2始動入賞口15へ入球した遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されたことを条件として実行可能である。
【0115】
次に、主制御CPU41aが行う小当り遊技を付与するための小当り処理について説明する。本実施形態では、主制御CPU41aが以下の小当り処理を実行することにより、特別当り抽選の結果が小当りとなった場合に小当り遊技を付与する手段が実現される。主制御CPU41aは、小当りの特別ゲームの終了後、小当り処理を行う。小当り処理において、主制御CPU41aは、当選した小当りの種類に応じた制御を行うことにより、当選した小当りに基づく小当り遊技を付与する。
【0116】
最初に、主制御CPU41aは、オープニング時間の計測を開始するとともに、小当り遊技の開始を特定可能な情報(以下、小当り遊技開始コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。一例として、主制御CPU41aは、所定の割込み処理を行うことによりオープニング時間の計測を行う。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU41aは、所定の開放パターンに基づいて第1大入賞口18が開放されるように第2ソレノイドSL2を制御する。そして、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始させると、ラウンド遊技の開始を特定可能な情報(以下、小当りラウンド開始コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、入球条件又は時間経過条件が成立すると、第1大入賞口18が閉鎖されるように第2ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了させる。そして、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を終了させると、ラウンド遊技の終了を特定可能な情報(以下、小当りラウンド終了コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、エンディング時間の計測を開始する。そして、主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、小当り遊技の終了を特定可能な情報(以下、小当り遊技終了コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、小当り処理を終了する。以上のような小当り処理により、主制御CPU41aは、小当り遊技を付与した場合に第1特別開閉片19を開放状態に制御可能である。
【0117】
また、主制御CPU41aは、小当り処理において、小当り遊技中に所定の動作パターンに基づいて振分シャッタ28を動作させるように第4ソレノイドSL4を制御する。そして、主制御CPU41aは、小当り遊技の終了時において、所定の動作パターンに基づく振分シャッタ28の動作が終了していない場合、小当り遊技の終了に伴って振分シャッタ28の動作を終了させるように第4ソレノイドSL4を制御する。
【0118】
次に、主制御CPU41aが行う大当り遊技を付与するための大当り処理について説明する。本実施形態では、主制御CPU41aが以下の大当り処理を実行することにより、大当り遊技を付与する手段が実現される。
【0119】
主制御CPU41aは、小当り遊技においてV入賞が発生した場合、該小当り遊技の終了後に大当り処理を行う。主制御CPU41aは、小当り遊技においてV入賞が発生しなかった場合、該小当り遊技の終了後に大当り処理を行わない。これにより、主制御CPU41aは、小当り遊技においてV入賞が発生したことを契機として大当り遊技を付与する制御が可能である。大当り処理において、主制御CPU41aは、大当り遊技を付与する契機となった小当りの種類に応じた制御を行うことにより、当選した小当りに基づく大当り遊技を付与する。
【0120】
大当り処理において、主制御CPU41aは、オープニング時間の計測を開始するとともに、大当り遊技の開始を特定可能な情報(以下、大当り遊技開始コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU41aは、所定の開放パターンに基づいて第2大入賞口20が開放されるように第3ソレノイドSL3を制御し、ラウンド遊技を開始させる。そして、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始させた後、第1ラウンド終了条件又は第2ラウンド終了条件が成立すると、第2大入賞口20が閉鎖されるように第3ソレノイドSL3を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU41aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始させるごとに、ラウンド遊技の開始を特定可能な情報(以下、大当りラウンド開始コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。また、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を終了するごとに、ラウンド遊技の終了を特定可能な情報(以下、大当りラウンド終了コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。
【0121】
主制御CPU41aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の計測を開始するとともに、最終回のラウンド遊技の終了を特定可能な情報(以下、大当り最終ラウンド終了コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。そして、主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技の終了を特定可能な情報(以下、大当り遊技終了コマンド)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、大当り処理を終了する。以上のような大当り処理により、主制御CPU41aは、大当り遊技を付与した場合に第2特別開閉片21を開放状態に制御可能である。
【0122】
このように、パチンコ遊技機10は、特別当り抽選における小当りに当選したか否かの判定結果に応じて小当り遊技を付与可能であるとともに、小当り遊技において遊技球が特定通過センサSE5で検知されたか否かの判定結果に応じて大当り遊技を付与可能に構成される。本実施形態において、特別当り抽選において小当りに当選し、かつ当該小当り遊技において遊技球が特定通過センサSE5で検知されることは、当り条件が成立することの一例である。特別当り抽選において小当りに当選しないことは、当り条件が成立しないことの一例である。小当り遊技において遊技球が特定通過センサSE5で検知されないことは、当り条件が成立しないことの一例である。主制御CPU41aは、特別当り抽選において小当りに当選したか否かの成否を判定でき、小当り遊技において遊技球が特定通過センサSE5で検知されたか否かの成否を判定できる当り判定手段に相当する。つまり、パチンコ遊技機10は、当り判定手段としての主制御CPU41aの判定結果に応じて当り遊技を付与可能に構成される。本実施形態において、主制御CPU41aは、当り判定手段の判定結果に応じて当り遊技を付与可能な当り遊技付与手段に相当する。なお、主制御CPU41aは、小当りに当選することに応じて小当り遊技を付与し、V入賞の発生に応じて大当り遊技を付与するから、当り条件の成否を段階的に判定し、各段階で当り遊技を分割して付与するともいえる。
【0123】
主制御CPU41aは、通常状態中に小当りに当選したことを契機に付与された当り遊技を基準として、当り遊技が付与された回数(以下、当り回数と示す)を計数する。具体的に、通常状態中に小当りZAに当選したことを契機に当り遊技ZAが開始すると、当り回数を「1」として主制御RAM41cに記憶させる。その後、主制御CPU41aは、当り遊技の終了後において通常状態に制御されるまで、当り遊技が開始するごとに、当り回数を1加算する。主制御CPU41aは、当り遊技の終了後において通常状態に制御されるとき、当り回数を「0」に初期化する。このように、当り回数は、通常状態中に小当りに当選してから付与された当り遊技の回数(所謂、連荘回数)を特定可能な情報である。当り回数は、通常状態中に小当りに当選してから何回目の当り遊技が付与されたかを特定可能な情報である。主制御CPU41aは、当り回数を更新すると、更新後の当り回数を特定可能な情報(以下、当り回数コマンド)を生成して出力バッファにセットする。なお、主制御CPU41aは、電力供給が開始されたときに、当り回数コマンドを副制御基板50へ出力する。
【0124】
次に、主制御CPU41aが行う遊技状態に関する処理について説明する。
主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている作動フラグに所定の値を設定することにより、遊技状態を制御可能である。具体的に、主制御CPU41aは、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定することにより、通常状態に制御する。主制御CPU41aは、第1時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定することにより、第1時短状態に制御する。主制御CPU41aは、第2時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定することにより、第2時短状態に制御する。このように、主制御CPU41aは、遊技状態を移行させる場合、作動フラグに移行後の遊技状態を特定可能な値を設定する。主制御CPU41aは、作動フラグの値を更新することにより遊技状態を移行させると、移行後の遊技状態を特定可能な遊技状態コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0125】
主制御CPU41aは、大当り遊技を開始させる場合、通常状態に制御する。具体的に、主制御CPU41aは、大当り処理において、オープニング時間の計測を開始するタイミングで通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。これにより、主制御CPU41aは、大当り終了条件の成立を契機として、大当り遊技開始時に時短状態を終了させる制御が可能である。
【0126】
上述したように、V入賞に基づく大当り遊技の終了後の遊技状態は、小当りの種類と、開始時状態と、の組み合わせに応じて定められる。主制御CPU41aは、小当りの種類と、開始時状態と、の組み合わせに定められた遊技状態となるように、終了後状態を制御する。例えば、主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、小当りの種類と、開始時状態と、の組み合わせに定められた遊技状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている開始時状態を特定可能な情報(以下、開始時状態フラグと示す)を参照することによって、開始時状態を特定する。なお、詳しくは後述するが、開始時状態フラグには、時短状態を特定可能な値、又は通常状態を特定可能な値が設定されうる。
【0127】
例えば、
図4に示すように、開始時状態が通常状態であり、小当り遊技ZAにおいてV入賞が発生したとき、主制御CPU41aは、第1時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。例えば、開始時状態が時短状態であり、小当り遊技ZaにおいてV入賞が発生したとき、主制御CPU41aは、第2時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。このように、主制御CPU41aは、小当り遊技において第1大入賞口18に入球した遊技球が特定領域29を通過したことを契機に時短状態に制御可能である。なお、小当り遊技中、遊技球が特定領域29を通過しなかった場合には、大当り遊技が付与されず、主制御CPU41aは、小当り遊技が終了したときにおける遊技状態を維持する。このように、主制御CPU41aは、小当り遊技において第1大入賞口18に入球した遊技球が特定領域29を通過したことを契機に遊技状態を移行させる制御を実行可能である。
【0128】
ここで、第1時短状態の終了条件は、原則として、特別図柄ZB,ZC,Zcのうち何れかが導出されても成立しない。しかしながら、例外的に、小当り遊技ZB,ZC,ZcにてV入賞が発生した場合、主制御CPU41aは、大当り終了条件の成立を契機として、大当り遊技開始時に通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。その後、主制御CPU41aは、大当り遊技のエンディング時間が経過したタイミングで第1時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。
【0129】
第2時短状態の終了条件は、原則として、特別図柄ZB,ZCのうち何れかが導出されても成立しない。しかしながら、例外的に、小当り遊技ZB,ZCにてV入賞が発生した場合、主制御CPU41aは、大当り終了条件の成立を契機として、大当り遊技開始時に通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。その後、主制御CPU41aは、大当り遊技のエンディング時間が経過したタイミングで第1時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。このように、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないとき、小当り遊技の全期間にわたって時短状態が維持される。その後、小当り遊技においてV入賞が発生したときには、時短状態が終了するものの、所定のタイミングが到来すると再び時短状態に制御され得る。
【0130】
主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後、第1時短状態及び第2時短状態の何れかに制御する場合に、規定ゲーム回数までの残り回数(以下、残ゲーム回数と示す)の初期値として第1回数(一例として250回)を主制御RAM41cに記憶させる。主制御CPU41aは、第1特別図柄及び第2特別図柄が導出されるごとに残ゲーム回数を1減算して更新する。主制御CPU41aは、残ゲーム回数が0となったタイミングで、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。これにより、主制御CPU41aは、ゲーム終了条件の成立を契機として、特別ゲーム終了時に時短状態を終了させる制御が可能である。
【0131】
主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後、第1時短状態に制御する場合、第1小当り回数までの残り回数(以下、第1小当り残回数と示す)の初期値として第2回数(一例として250回)を主制御RAM41cに記憶させる。主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後、第2時短状態に制御する場合、第1小当り残回数の初期値として第3回数(一例として1回)を主制御RAM41cに記憶させる。主制御CPU41aは、特別図柄ZA,Za,Zb,Zcが導出されるごとに第1小当り残回数を1減算して更新する。主制御CPU41aは、第1小当り残回数が0となったタイミングで、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。これにより、主制御CPU41aは、第1小当り終了条件の成立を契機として、特別ゲーム終了時に時短状態を終了させる制御が可能である。
【0132】
主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後、第1時短状態に制御する場合、第2小当り回数までの残り回数(以下、第2小当り残回数と示す)の初期値として第4回数(一例として1回)を主制御RAM41cに記憶させる。主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後、第2時短状態に制御する場合、第2小当り残回数の初期値として第5回数(一例として250回)を主制御RAM41cに記憶させる。主制御CPU41aは、特別図柄ZA,Za,Zbが導出されるごとに第2小当り残回数を1減算して更新する。主制御CPU41aは、更新の結果として第2小当り残回数が0となった場合、小当り処理において、オープニング時間の計測を開始してから、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。これにより、主制御CPU41aは、第2小当り終了条件の成立を契機として、小当り遊技が開始したときに時短状態を終了させる制御が可能である。
【0133】
ここで、主制御CPU41aは、小当り処理において、オープニング時間の計測を開始するときに、開始時状態フラグを主制御RAM41cに記憶させる。つまり、主制御CPU41aは、小当り遊技の開始時における遊技状態を特定可能な情報を生成する。例えば、第2小当り終了条件が成立した場合、主制御CPU41aは、小当り処理において、時短状態を特定可能な値を開始時状態フラグに設定した後に、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。一例として、主制御CPU41aは、オープニング時間の計測を開始した後、オープニング時間の計測を行う割込み処理を所定回数(例えば1回)実行すると、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。これに限らず、時短状態を特定可能な値を開始時状態フラグに設定する処理と、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する処理との順に実行するのであれば、これらの処理は、同じ制御周期における割込み処理として実行してもよい。また、時短状態を特定可能な値を開始時状態フラグに設定できるのであれば、これらの処理手順であることに限定されない。時短状態を特定可能な値を開始時状態フラグに設定する処理は、小当り処理とは異なる処理として実行してもよい。このように、「小当り遊技の開始時まで時短状態が維持される」とは、終了後状態を特定する際に基礎とする遊技状態を特定するタイミングまで時短状態を維持することといえる。「小当り遊技の開始時まで時短状態が維持される」とは、小当り遊技の開始時における遊技状態を特定可能な情報として、時短状態を示す情報を生成することとして把握もできる。なお、ゲーム終了条件又は第1小当り終了条件が成立した場合、小当り処理の開始時点において既に通常状態となっているから、主制御CPU41aは、小当り処理において、通常状態を特定可能な値を開始時状態フラグとして主制御RAM41cに記憶させる。同様に、時短状態においてゲーム終了条件、第1小当り終了条件、及び第2小当り終了条件の何れも成立していない場合、主制御CPU41aは、小当り処理において、時短状態を特定可能な値を開始時状態フラグとして主制御RAM41cに記憶させる。
【0134】
これにより、開始時状態フラグは、ゲーム終了条件が成立した場合に通常状態を示し、第1小当り終了条件が成立した場合に通常状態を示し、第2小当り終了条件が成立した場合に時短状態を示す。また、開始時状態フラグは、時短状態においてゲーム終了条件、第1小当り終了条件、及び第2小当り終了条件の何れも成立していない場合に時短状態を示す。このように、パチンコ遊技機10では、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないとき、小当り遊技の全期間にわたって時短状態が維持される。パチンコ遊技機10では、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するとき、小当り遊技の少なくとも一部の期間において通常状態に制御される。
【0135】
次に、主制御CPU41aが行う普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において、主制御CPU41aは、ゲートセンサSE7から検知信号を入力した場合であって、普通保留数が上限数未満である場合に、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数を1加算して更新するとともに、更新後の普通保留数を表示するように普通保留表示部13eを制御する。その後、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。この場合、主制御CPU41aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。なお、例えば、乱数は、普通当り判定(普通当り抽選)に用いる普通当り乱数などである。その後、主制御CPU41aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0136】
次に、主制御CPU41aが行う普通図柄開始処理について説明する。
普通図柄開始処理において、主制御CPU41aは、普通当り遊技中ではなく、かつ普通ゲームの実行中ではない場合であって、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数が1以上である場合に、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数を1減算して更新する。また、このとき、主制御CPU41aは、更新後の普通保留数が表示されるように普通保留表示部13eを制御する。続いて、主制御CPU41aは、普通ゲーム用の乱数情報のうち最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから読み出し、読み出した乱数情報に基づいて、普通当り抽選を行う。例えば、主制御CPU41aは、普通当り乱数の値が主制御ROM41bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かを判定することにより普通当り抽選を行う。このとき、主制御CPU41aは、現在の遊技状態に応じて異なる普通当り判定値を用いて普通当り判定を行う。例えば、本実施形態では、通常状態であるときには、普通当り乱数の値にかかわらず普通当りに当選しない一方、時短状態であるときには普通当り乱数の値にかかわらず普通当りに当選するように、遊技状態ごとに普通当り判定値が振り分けられている。
【0137】
普通当りに当選した場合、主制御CPU41aは、普通ゲームで導出させる普通当り図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定する。その後、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理を終了する。このとき、主制御CPU41aは、時短状態であるときには通常状態であるときと比較して普通ゲームの変動時間として短い時間を決定する(又は、普通ゲームの変動時間として短い時間を決定し易い)ようにしてもよい。
【0138】
そして、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41aは、普通ゲームを開始させるとともに、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過したときに、普通図柄開始処理において決定した普通図柄が導出されるように、情報表示装置13を制御する。
【0139】
次に、主制御CPU41aが行う普通当り処理について説明する。主制御CPU41aは、普通当りの普通ゲームが終了すると、普通当り処理を実行する。普通当り処理において、主制御CPU41aは、普通図柄(普通当りの種類)に定められた開放態様で第2始動入賞口15を開放させるように第1ソレノイドSL1を制御することにより、普通当り遊技を付与する。即ち、主制御CPU41aは、普通当り遊技において、普通開閉片16を開放状態に制御する。
【0140】
このような普通図柄入力処理、普通図柄開始処理、及び普通当り処理により、主制御CPU41aは、時短状態である場合には、通常状態であるときと比較して、第2始動入賞口15に遊技球が入球しやすくなるように普通開閉片16を動作させる。
【0141】
また、主制御CPU41aは、上述した処理の他にも各種の処理を行う。例えば、主制御CPU41aは、各センサから遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、該検知信号を入力したことを示す情報を生成して出力バッファにセットする。例えば、主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第1始動入賞口14に遊技球が入球したことを示す第1入球コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第2始動入賞口15に遊技球が入球したことを示す第2入球コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0142】
他にも、主制御CPU41aは、第1カウントセンサSE3から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第1大入賞口18に遊技球が入球したことを示す第1大入賞コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、第2カウントセンサSE4から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第2大入賞口20に遊技球が入球したことを示す第2大入賞コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、特定通過センサSE5から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過したことを示す特定通過コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、一般入賞センサSE6から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、一般入賞口22に遊技球が入球したことを示す一般入賞コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、ゲートセンサSE7から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、ゲート23を遊技球が通過したことを示すゲート通過コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0143】
次に、各遊技状態において付与されうる大当り遊技の種類について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別当り抽選が実行されるときの遊技状態に応じて、付与されうる小当り遊技と、該小当り遊技に基づいた大当り遊技の種類が異なりうる。
【0144】
パチンコ遊技機10では、通常状態である場合、普通当り抽選に当選せず普通当り遊技が付与されないことから、原則として第2始動入賞口15に遊技球を入球させることができないため、第2特別ゲームを実行不能である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態である場合、小当りZA~ZCに当選可能である一方、小当りZa~Zcに当選しない。
【0145】
そして、パチンコ遊技機10では、通常状態である場合、右打ちされた遊技球が第1大入賞口18に到達しうるため、小当り遊技において遊技球が第1大入賞口18内の特定領域29を通過して特定通過センサSE5により検知されることで大当り遊技が付与される。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態である場合、大当り遊技ZA~ZCが付与される場合がある一方、大当り遊技Za~Zcは原則として付与され得ない。
【0146】
パチンコ遊技機10では、時短状態である場合、普通当り抽選に当選して普通当り遊技が付与されることから、第2始動入賞口15に遊技球を入球させることができるため、第2特別ゲームを実行可能である。一方、時短状態である場合であっても、遊技球を左打ちすれば第1始動入賞口14に遊技球を入球させることができるため、第1特別ゲームを実行可能である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、時短状態である場合、小当りZA~ZC,Za~Zcに当選可能である。
【0147】
そして、パチンコ遊技機10では、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選した場合、第2小当り終了条件が成立して小当り遊技が開始したときに通常状態に制御される。つまり、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選した場合、小当り遊技ZA,Za,Zbのラウンド遊技中は、通常状態となる。よって、小当り遊技ZA,Za,ZbにおいてV入賞が発生することで大当り遊技が付与されうる。
【0148】
一方、第1時短状態中、小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選した場合には、第2小当り終了条件が成立せず継続して第1時短状態に制御される。つまり、第1時短状態中、小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選した場合、小当り遊技ZB,ZC,Zcのラウンド遊技中も第1時短状態となる。よって、小当り遊技ZB,ZC,Zcにおいて、原則としてV入賞が発生することがなく、大当り遊技が付与されない。なお、パチンコ遊技機10では、第1時短状態中、小当りZcに当選した場合、第1小当り終了条件が成立可能である。しかしながら、第1時短状態において右打ちされた場合に、第2小当り終了条件よりも先に第1小当り終了条件が成立する確率は、実質的に「0%」である。また、第1時短状態中に右打ちされた場合に、第2小当り終了条件よりも先にゲーム終了条件が成立する確率は、実質的に「0%」である。したがって、第1時短状態において、大当り遊技ZA,Za,Zbが付与される場合がある一方、原則として、大当り遊技ZB,ZC,Zcは付与され得ない。
【0149】
第2時短状態中、小当りZA,Za~Zcの何れかに当選した場合、第1小当り終了条件が成立して小当り遊技が開始するよりも前に通常状態に制御される。つまり、第2時短状態中、小当りZA,Za~Zcの何れかに当選した場合、小当り遊技ZA,Za~Zcのラウンド遊技中は通常状態となる。よって、小当り遊技ZA,Za~ZcにおいてV入賞が発生することで大当り遊技が付与されうる。
【0150】
一方、第2時短状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選した場合には、第1小当り終了条件が成立せず継続して第2時短状態に制御される。つまり、第2時短状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選した場合、小当り遊技ZB,ZCのラウンド遊技中も第2時短状態となる。よって、小当り遊技ZB,ZCにおいて、原則としてV入賞が発生することがなく、大当り遊技が付与されない。なお、パチンコ遊技機10では、第2時短状態において、第1小当り終了条件よりも先に第2小当り終了条件が成立することはない。また、第2時短状態において右打ちされた場合に、第1小当り終了条件よりも先にゲーム終了条件が成立することはない。したがって、第2時短状態において、大当り遊技ZA,Za~Zcが付与される場合がある一方、原則として、大当り遊技ZB,ZCは付与され得ない。
【0151】
以上のように、パチンコ遊技機10では、第1時短状態及び第2時短状態の何れであっても、特別当り抽選の結果が同一の結果となりうる。例えば、第1時短状態及び第2時短状態の何れであっても、特別当り抽選の結果が小当りZa~Zcとなりうる。一方、同じ小当りに当選した場合であっても、該小当りに当選したときの遊技状態によっては、該小当りに基づく小当り遊技において、遊技球が特定領域29を通過して特定通過センサSE5により検知されるか否かが異なりうる。
【0152】
例えば、第2時短状態中、特別当り抽選において小当りZcに当選した場合には、該小当り遊技Zcのラウンド遊技中に通常状態に制御される一方、第1時短状態中、特別当り抽選において小当りZcに当選した場合には、該小当り遊技Zcのラウンド遊技中に第1時短状態に制御される。このため、主制御CPU41aは、第2時短状態中に特別当り抽選において小当りZcに当選した場合には、第1時短状態中に特別当り抽選において小当りZcに当選したときと比較して、小当り遊技中に、特定通過センサSE5により遊技球が検知され易い動作態様で普通開閉片16を動作させることとなる。したがって、第2時短状態中に特別当り抽選において小当りZcに当選した場合には、第1時短状態中に特別当り抽選において小当りZcに当選したときと比較して、小当り遊技において特定通過センサSE5により遊技球が検知され易い。
【0153】
次に、
図9を用いて、本実施形態のパチンコ遊技機10における遊技の流れについて説明する。なお、パチンコ遊技機10では、通常状態であるときには原則として第2始動入賞口15に遊技球が入球せず、第2特別当り抽選が実行されない。このため、以下の説明では、通常状態である場合に小当りZa~Zcに当選することについては考慮しない。また、パチンコ遊技機10では、小当り遊技のラウンド遊技中に通常状態に制御されているときには、遊技球を右打ちしている限り、原則として遊技球が特定領域29を通過して特定通過センサSE5により検知される。このため、以下の説明では、小当り遊技のラウンド遊技中に通常状態に制御されているときにV入賞が発生しないことについては考慮しない。なお、小当り遊技のラウンド遊技中に通常状態に制御されているときにV入賞が発生しなかった場合は、大当り遊技が付与されることなく、小当り遊技の終了後も継続して通常状態に制御される。
【0154】
パチンコ遊技機10では、実質的に、第1時短状態において小当りZcに当選して第1小当り終了条件が成立することがない。このため、以下の説明では、第1時短状態において小当りZcに当選して第1小当り終了条件が成立することについては考慮しない。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態及び第2時短状態において遊技球を右打ちしている限り、実質的に、ゲーム終了条件が成立することがない。このため、以下の説明では、第1時短状態及び第2時短状態においてゲーム終了条件が成立することについては考慮しない。
【0155】
パチンコ遊技機10では、小当り遊技のラウンド遊技中、時短状態に制御されているときには、原則として遊技球が第1大入賞口18に到達せず、V入賞が発生しない。なお、図中における破線の矢印は、小当り遊技のラウンド遊技中、時短状態に制御されている場合において、例外的に、V入賞が発生したときにおける状態の移行を示す。
【0156】
通常状態において、小当りZAに当選した場合には、大当り遊技ZAが付与され、該大当り遊技ZAの終了後に第1時短状態に移行する。通常状態において、小当りZBに当選した場合には、大当り遊技ZBが付与され、該大当り遊技ZBの終了後に第2時短状態に移行する。通常状態において、小当りZCに当選した場合には、大当り遊技ZCが付与され、該大当り遊技ZCの終了後も継続して通常状態に制御される。
【0157】
第1時短状態において、各小当りZA,Zbに当選した場合には、第2小当り終了条件の成立に基づいて、それぞれ小当り遊技ZA,Zbが開始してから通常状態に移行する。そして、各小当り遊技ZA,Zbが終了すると、それぞれ大当り遊技ZA,Zbが付与され、各大当り遊技ZA,Zbの終了後に第1時短状態に移行する。第1時短状態において、小当りZaに当選した場合には、第2小当り終了条件の成立に基づいて、小当り遊技Zaが開始してから通常状態に移行する。そして、小当り遊技Zaが終了すると、大当り遊技Zaが付与され、該大当り遊技Zaの終了後に第2時短状態に移行する。
【0158】
第1時短状態において、各小当りZB,ZC,Zcに当選した場合には、原則として小当り終了条件が成立しないから、通常状態に移行することなく、第1時短状態のまま、それぞれ小当り遊技ZB,ZC,Zcが付与される。ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、時短状態中に小当り遊技が付与されたときには、原則としてV入賞が発生しない。第1時短状態において、各小当りZB,ZC,Zcに当選した場合であって、それぞれの小当り遊技ZB,ZC,ZcにてV入賞が発生しなかったときには、大当り遊技が付与されることなく、小当り遊技の終了後も継続して第1時短状態に制御される。一方、第1時短状態において、各小当りZB,ZC,Zcに当選した場合であって、例外的に、それぞれの小当り遊技ZB,ZC,ZcにてV入賞が発生したときには、それぞれ大当り遊技ZB,ZC,Zcが付与されるとともに通常状態に移行され、各大当り遊技ZB,ZC,Zcの終了後に第1時短状態に移行する。
【0159】
このように、第1時短状態において第2小当り終了条件が成立したときであって、小当り遊技ZA,Zbの何れかが付与された場合には、所定のタイミングが到来すると第1時短状態に制御可能である。第1時短状態において第2小当り終了条件が成立したときであって、小当り遊技Zaが付与された場合には、所定のタイミングが到来すると第2時短状態に制御可能である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態に制御された場合、その後には、原則として、各小当り遊技ZA,Zbが付与され、それぞれ大当り遊技ZA,Zbの終了後に再び第1時短状態に制御されるか、小当り遊技Zaが付与され、大当り遊技Zaの終了後に第2時短状態に制御されることとなる。
【0160】
第2時短状態において、各小当りZA,Za,Zbに当選した場合には、第1小当り終了条件の成立に基づいて、それぞれ小当り遊技ZA,Za,Zbが開始する前に通常状態に移行する。そして、各小当り遊技ZA,Za,Zbが終了すると、それぞれ大当り遊技ZA,Za,Zbが付与され、各大当り遊技ZA,Za,Zbの終了後に第1時短状態に移行する。第2時短状態において、小当りZcに当選した場合には、第1小当り終了条件の成立に基づいて、小当り遊技Zcが開始する前に通常状態に移行する。そして、小当り遊技Zcが終了すると、大当り遊技Zcが付与され、該大当り遊技Zcの終了後も通常状態に制御される。
【0161】
第2時短状態において、各小当りZB,ZCに当選した場合には、小当り終了条件が成立しないから、通常状態に移行することなく、第2時短状態のまま、それぞれ小当り遊技ZB,ZCが付与される。第2時短状態において、各小当りZB,ZCに当選した場合であって、それぞれの小当り遊技ZB,ZCにてV入賞が発生しなかったときには、大当り遊技が付与されることなく、各小当り遊技ZB,ZCの終了後も継続して第2時短状態に制御される。一方、第2時短状態において、各小当りZB,ZCに当選した場合であって、例外的に、それぞれの小当り遊技ZB,ZCにてV入賞が発生したときには、それぞれ大当り遊技ZB,ZCが付与されるとともに通常状態に移行され、各大当り遊技ZB,ZCの終了後に第1時短状態に移行する。
【0162】
このように、第2時短状態において第1小当り終了条件が成立したときであって、小当り遊技ZA,Za,Zbの何れかが付与された場合には、所定のタイミングが到来すると第1時短状態に制御可能である。第2時短状態において第1小当り終了条件が成立したときであって、小当り遊技Zcが付与された場合には、第1時短状態及び第2時短状態に制御されず、通常状態に制御可能である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2時短状態に制御された場合、その後には、原則として、各小当り遊技ZA,Za,Zbが付与され、それぞれ大当り遊技ZA,Za,Zbの終了後に第1時短状態に制御されるか、小当り遊技Zcが付与され、大当り遊技Zcの終了後に通常状態に制御されることとなる。
【0163】
以下の説明では、通常状態中に小当りZA,ZBの何れかに当選して当り遊技ZA又は当り遊技ZBが付与されたときから、第2時短状態中に小当りZcに当選して当り遊技ZCが付与された後に通常状態に移行するまでの期間を「有利期間」と示す。なお、有利期間は、小当り終了条件が成立した場合に、その後に付与される小当り遊技においてV入賞が発生しなかったことで終了し、通常状態に移行する場合もある。本実施形態において、通常状態中に小当りZA,ZB,ZCに当選(所謂、初当り)したことにより付与される当り遊技ZA,ZB,ZCは、初回の当り遊技の一例である。
【0164】
このような遊技の流れによれば、パチンコ遊技機10では、通常状態中、小当りZAに当選したことに基づいて当り遊技ZAが付与された場合、該当り遊技ZAの終了後には当り遊技Zaが付与されることが確定的(略確定的)な状態となる。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、当り遊技ZAと、その後に付与される当り遊技Zaと、を一連の特典として把握できる(
図9において一点鎖線で囲って示す)。
【0165】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態中、小当りZA,Zbの何れかに当選したことに基づいて、当り遊技ZA又は当り遊技Zbが付与された場合、該当り遊技の終了後には再び第1時短状態に制御される。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態中に当り遊技ZAが付与されてから当り遊技Zaが付与されるまでの間に、1回又は複数回の当り遊技ZA,Zbが付与されうる。このため、一連の特典には、当り遊技ZAと、その後に付与される当り遊技Zaと、に加えて、1回又は複数回の当り遊技ZA,Zbが含まれうる。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、初回の当り遊技として当り遊技ZAを含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況を生起可能に構成される。本実施形態において、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況は、特殊状況の一例である。
【0166】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選したことに基づいて、それぞれ当り遊技ZA,Za,Zbが付与された場合、該当り遊技の終了後には当り遊技Zaが付与されることが確定的(略確定的)な状態となる。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、各当り遊技ZA,Za,Zbと、その後に付与される当り遊技Zaと、を一連の特典として把握できる(
図9において二点鎖線で囲って示す)。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態に制御された後、当り遊技Zaが付与されるまでの間に、1回又は複数回の当り遊技ZA,Zbが付与されうる。このため、一連の特典には、各当り遊技ZA,Za,Zbと、その後に付与される当り遊技Zaと、に加えて、1回又は複数回の当り遊技ZA,Zbが含まれうる。
【0167】
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10において、第1時短状態に制御されている場合に小当り遊技が付与されたときには、原則として、第2小当り終了条件が成立する。そして、パチンコ遊技機10では、第1時短状態に制御されている場合に第2小当り終了条件が成立すると、第1時短状態又は第2時短状態に制御される。本実施形態のパチンコ遊技機10において、第2時短状態に制御されている場合に小当り遊技が付与されたときには、原則として、第1小当り終了条件が成立する。そして、パチンコ遊技機10では、第2時短状態に制御されている場合に第1小当り終了条件が成立すると、第1時短状態又は通常状態に制御される。
【0168】
そして、
図4及び
図6に示すように、パチンコ遊技機10では、同じ特別図柄が導出された場合であったとしても、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件のうち何れの小当り終了条件が成立したかによって、大当り遊技が終了した後に制御される遊技状態が異なりうる。例えば、特別図柄Zaが導出されたことにより第1小当り終了条件が成立したときには、大当り遊技が終了した後に第1時短状態に制御される。一方、特別図柄Zaが導出されたことにより第2小当り終了条件が成立したときには、大当り遊技が終了した後に第2時短状態に制御される。そして、第1時短状態に制御された場合には、大当り遊技Zcの終了後に通常状態に制御されない。一方、第2時短状態に制御された場合には、大当り遊技Zcの終了後に通常状態に制御される。このため、第1時短状態に制御される場合は、第2時短状態に制御される場合よりも、時短状態と比較して有利度合いが低い通常状態に制御され難いといえる。このように、パチンコ遊技機10では、時短状態に制御されているとき、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立する場合と、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れも成立しない場合と、がある。そして、パチンコ遊技機10は、第1小当り終了条件の成立により時短状態が終了してから小当り遊技が開始される状況と、第2小当り終了条件の成立により時短状態が維持されたまま小当り遊技が開始される状況と、で遊技状態に関する制御の有利度合いを異ならせうる。
【0169】
次に、副制御プログラムに基づいて、副制御基板50の副制御CPU50aが実行する各種の処理について説明する。副制御CPU50aは、主制御CPU41aから制御信号を入力すると、その制御信号に応じて各種処理を実行する。
【0170】
最初に、電力供給が開始(復電)したときの電源投入処理について説明する。
電源投入処理において、副制御CPU50aは、初期化コマンドを入力すると、副初期化制御を実行する。副初期化制御において、副制御CPU50aは、演出情報を含む副制御RAM50cの記憶内容を初期化する。続けて、副制御CPU50aは、予め定めた初期演出を実行するように演出装置群を制御する。一例として、初期演出は、演出表示装置12において所定の演出図柄の組み合わせを表示することである。本実施形態において、演出装置群には、演出表示装置12、スピーカSP、装飾ランプLA、第1演出用可動体EK1、及び第2演出用可動体EK2を含む。その後、副制御CPU50aは、電源投入処理を終了し、主制御基板40から各種の制御情報(コマンド)を入力するまで待機する。
【0171】
電源投入処理において、副制御CPU50aは、復帰コマンドを入力すると、バックアップ異常であるか否か、つまり、副制御RAM50cの記憶内容に異常があるか否かを確認する。バックアップ異常である場合、副制御CPU50aは、初期化コマンドを入力したときと同じく副初期化制御を実行する。続けて、副制御CPU50aは、予め定めた初期演出を実行するように演出装置群を制御する。その後、副制御CPU50aは、電源投入処理を終了する。電源投入処理の終了後、副制御CPU50aは、初期化された演出情報と、電力供給が遮断されたときの状態を特定可能な各種のコマンドに基づいて、各種の演出を実行させるように演出装置群を制御し、電源投入処理を終了する。一例として、副制御CPU50aは、小当り復帰コマンドを入力すると、当該コマンドに基づいて後述する小当り遊技演出を開始するように演出装置群を制御する。一例として、副制御CPU50aは、大当り復帰コマンドを入力すると、当該コマンドに基づいて後述する大当り遊技演出を開始するように演出装置群を制御する。一例として、副制御CPU50aは、時短復帰コマンドを入力すると、当該コマンドに基づいて後述する特別ゲームの実行中に実行可能な演出(以下、ゲーム中演出と示す)を開始するように演出装置群を制御する。副制御CPU50aは、回数コマンドに入力すると、当該コマンドに基づいて、通常状態中に小当りに当選してから何回目の当り遊技が付与されたかを特定する。
【0172】
一方、バックアップ異常ではない場合、副制御CPU50aは、電源投入処理を終了する。つまり、副制御CPU50aは、副初期化制御を実行せず、上記初期演出を実行させない。電源投入処理の終了後、副制御CPU50aは、副制御RAM50cに保持されている演出情報と、電力供給が遮断されたときの状態を特定可能な各種のコマンドと、に基づいて電力供給が遮断されたときに実行されていた一部又は全部の演出を実行するように演出装置群を制御する。副制御CPU50aは、回数コマンドに入力すると、当該コマンドに基づいて、通常状態中に小当りに当選してから何回目の当り遊技が付与されたかを特定する。
【0173】
次に、待機状態処理について説明する。
待機状態処理は、待機状態において、デモンストレーション演出(以下、デモ演出と示す)を実行させるための処理である。本実施形態における「待機状態」は、特別ゲームの実行中、特別ゲーム終了後のインターバル時間中、小当り遊技中、及び大当り遊技中の何れにも該当しない状態である。なお、本実施形態では、遊技状態が通常状態、第1時短状態、及び第2時短状態の何れであっても、待機状態となりうる。
【0174】
副制御CPU50aは、電源投入処理を終了した後、特別ゲームの実行中、特別ゲーム終了後のインターバル時間中、小当り遊技中、及び大当り遊技中の何れでもない場合、待機状態となったことを特定する。副制御CPU50aは、インターバル終了コマンドを入力した後、変動パターン指定コマンド、小当り遊技開始コマンド、及び大当り遊技開始コマンドの何れも入力しない時間が所定の時間に達すると、待機状態となったことを特定する。副制御CPU50aは、小当り遊技終了コマンドを入力した後、変動パターン指定コマンド、及び大当り遊技開始コマンドの何れも入力しない時間が所定の時間に達すると、待機状態となったことを特定する。副制御CPU50aは、大当り遊技終了コマンドを入力した後、変動パターン指定コマンドを入力しない時間が所定の時間に達すると、待機状態となったことを特定する。これに限らず、待機状態であるか否かを主制御CPU41aが特定する構成であってもよい。この場合、主制御CPU41aは、特別ゲームの実行中、特別ゲーム終了後のインターバル時間中、小当り遊技中、及び大当り遊技中の何れにも該当しない状態となってから、所定の時間が経過すると待機状態となったことを特定してもよい。そして、主制御CPU41aは、待機状態となったことを特定可能な制御コマンドを生成して出力バッファにセットしてもよい。
【0175】
副制御CPU50aは、待機状態となったことを特定すると、デモ演出を開始させるように演出装置群を制御する。副制御CPU50aは、デモ演出の実行中、変動パターン指定コマンドを入力すると、デモ演出を終了させるように演出装置群を制御する。
【0176】
演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
副制御CPU50aは、特別図柄指定コマンド及び変動パターン指定コマンドを入力すると、演出図柄の変動表示を開始させることにより特別ゲームに対応する演出ゲームを実行させるように演出表示装置12を制御する。具体的に、副制御CPU50aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、入力した特別図柄指定コマンドにより指定された特別図柄の種類と、現在の遊技状態と、に基づいて、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。
【0177】
また、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、ゲーム中演出を決定する。その後、副制御CPU50aは、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、演出ゲームを開始させる。具体的な一例として、副制御CPU50aは、演出表示装置12において、3列の演出図柄を変動表示させるように制御する。また、副制御CPU50aは、実行が決定された各種の演出を実行させるように制御する。続いて、副制御CPU50aは、演出ゲームを開始させてから、所定の停止タイミングが到来すると、各図柄列の演出図柄を一旦停止表示させるとともに、全図柄停止コマンドの入力を契機に、各図柄列の演出図柄を確定停止表示させる。なお、副制御CPU50aは、全図柄停止コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に各図柄列の演出図柄を確定停止表示させてもよい。この場合、全図柄停止コマンドは省略してもよい。
【0178】
副制御CPU50aは、特別ゲームの実行中、及びインターバル時間中、演出図柄を表示するように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、待機状態中、演出図柄を非表示にするように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、大当り遊技中、演出図柄を非表示にするように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、小当り遊技中、遊技状態が時短状態である場合に、演出図柄を表示するように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、小当り遊技中、遊技状態が通常状態である場合に、演出図柄を非表示にするように演出表示装置12を制御する。これに限らず、副制御CPU50aは、第1時短状態において第2小当り終了条件が成立した後に付与された各小当り遊技ZA,Za,Zbにおいて、演出図柄を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。この場合、副制御CPU50aは、第1時短状態において付与された各小当り遊技ZB,ZC,Zcにおいて、演出図柄を表示にするように演出表示装置12を制御してもよい。副制御CPU50aは、第1小当り終了条件が成立した後に付与された各小当り遊技ZA,Za,Zb,Zcにおいて、演出図柄を非表示にするように演出表示装置12を制御してもよい。この場合に、副制御CPU50aは、小当り遊技ZB,ZCにおいて演出図柄を表示にするように演出表示装置12を制御してもよい。
【0179】
次に、遊技状態に関する処理について説明する。
副制御CPU50aは、主制御CPU41aから遊技状態コマンドを入力すると、入力した遊技状態コマンドから特定した遊技状態を特定可能な値を副制御RAM50cの副作動フラグに記憶させる。例えば、副制御CPU50aは、第1時短状態を特定可能な作動コマンドを入力した場合には、第1時短状態を特定可能な値を副作動フラグに記憶させる。副制御CPU50aは、第2時短状態を特定可能な作動コマンドを入力した場合には、第2時短状態を特定可能な値を副作動フラグに記憶させる。副制御CPU50aは、通常状態を特定可能な作動コマンドを入力した場合には、通常状態を特定可能な値を副作動フラグに記憶させる。これにより、副制御CPU50aは、現在の遊技状態を特定可能である。
【0180】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10における演出について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出には、小当り遊技中に実行可能な小当り遊技演出がある。小当り遊技演出には、オープニング演出と、ラウンド演出と、エンディング演出と、がある。小当り遊技演出には、互いに演出態様が異なる複数種類の特別小当り演出がある。一例として、特別小当り演出には、突入チャレンジ演出と、第1当り突入演出と、第2当り突入演出と、セット間演出と、RUSH継続演出と、がある。特別小当り演出は、小当り遊技におけるオープニング演出、ラウンド演出、及びエンディング演出と並行して実行されるから、これらの演出に付随する演出ともいえる。なお、特別小当り演出は、オープニング演出、ラウンド演出、及びエンディング演出とは別の演出として実行されることに限定されず、これらの演出のうち任意に選択できる1又は複数の演出として実行されてもよく、これらの演出の一部として実行されてもよい。
【0181】
図10に示すように、突入チャレンジ演出は、通常状態中に小当りZA~ZCの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される。即ち、突入チャレンジ演出は、通常状態中に小当りZA~ZCの何れかに当選したことを特定可能な演出である。また、本実施形態では、通常状態中、小当りZA~ZCの何れかに当選した場合、該小当りに基づく小当り遊技中、遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過しうる。このため、突入チャレンジ演出は、大当り遊技ZA~ZCの何れかを生起させることができることを示す演出としても把握できる。
【0182】
第1当り突入演出は、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される。即ち、第1当り突入演出は、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選したことを特定可能な演出である。また、本実施形態では、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選した場合、該小当りに基づく小当り遊技中、遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過しうる。このため、第1当り突入演出は、大当り遊技ZA,Za,Zbの何れかを生起させることができることを示す演出としても把握できる。
【0183】
第2当り突入演出は、第2時短状態中、小当りZA,Za~Zcの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される。即ち、第2当り突入演出は、第2時短状態中、小当りZA,Za~Zcの何れかに当選したことを特定可能な演出である。また、本実施形態では、第2時短状態中、小当りZA,Za~Zcの何れかに当選した場合、該小当りに基づく小当り遊技中、遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過しうる。このため、第2当り突入演出は、大当り遊技ZA,Za~Zcの何れかを生起させることができることを示す演出としても把握できる。
【0184】
セット間演出は、第1時短状態中、小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される。即ち、セット間演出は、第1時短状態中、小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選したことを特定可能な演出である。また、本実施形態では、第1時短状態中、小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選した場合、該小当りに基づく小当り遊技中、実質的に、遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過し得ない。このため、セット間演出は、小当り遊技の終了後に大当り遊技を生起させることができないことを示す演出としても把握できる。
【0185】
RUSH継続演出は、第2時短状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される。即ち、RUSH継続演出は、第2時短状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選したことを特定可能な演出である。また、本実施形態では、第2時短状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選した場合、該小当りに基づく小当り遊技中、実質的に、遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過し得ない。このため、RUSH継続演出は、小当り遊技の終了後に大当り遊技を生起させることができないことを示す演出としても把握できる。
【0186】
本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出には、大当り遊技中に実行可能な大当り遊技演出がある。大当り遊技演出には、オープニング演出と、ラウンド演出と、エンディング演出と、がある。大当り遊技演出には、互いに演出態様が異なる複数種類の特別大当り演出がある。一例として、特別大当り演出には、セット前半演出と、RUSH突入演出と、通常当り演出と、ストック演出と、セット後半演出と、有利期間終了演出と、がある。特別大当り演出は、大当り遊技におけるオープニング演出、ラウンド演出、及びエンディング演出と並行して実行されるから、これらの演出に付随する演出ともいえる。なお、特別大当り演出は、オープニング演出、ラウンド演出、及びエンディング演出とは別の演出として実行されることに限定されず、これらの演出のうち任意に選択できる1又は複数の演出として実行されてもよく、これらの演出の一部として実行されてもよい。
【0187】
図10に示すように、セット前半演出は、通常状態中に小当りZAに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技中に実行される。また、セット前半演出は、第2時短状態中、小当りZA~ZC,Za,Zbの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技においても実行される。
【0188】
RUSH突入演出は、通常状態中、小当りZBに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技中に実行される。通常当り演出は、通常状態中、小当りZCに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技中に実行される。
【0189】
ストック演出は、第1時短状態中、小当りZA~ZC,Zb,Zcの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技において実行される。セット後半演出は、第1時短状態中、小当りZaに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技中に実行される。有利期間終了演出は、第2時短状態中、小当りZcに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技中に実行される。
【0190】
特別小当り演出及び特別大当り演出の具体的な実行態様の一例について説明する。
図11(a)に示すように、突入チャレンジ演出は、通常状態中に小当り遊技ZA~ZCの何れかが付与されたことを特定可能な演出であって、有利期間に移行できるか否かを煽る演出である。一例として、突入チャレンジ演出では、演出表示装置12において「有利期間突入なるか!?」の文字列を模した画像MG1が表示される。また、突入チャレンジ演出では、遊技球の右打ちを促す右打ち報知演出が実行される。一例として、突入チャレンジ演出では、「右を狙え→」の文字列を模した画像MG2を表示する態様で右打ち報知演出が実行される。このように、演出表示装置12では、小当り遊技の付与中に突入チャレンジ演出を実行可能である。
【0191】
図11(b)に示すように、セット前半演出は、通常状態中、大当り遊技ZAが付与されたこと、又は第2時短状態中、大当り遊技ZA~ZC,Za,Zbの何れかが付与されたことを特定可能な演出であって、大当り遊技の終了後に第1時短状態に移行することを特定可能な演出である。また、セット前半演出は、有利期間に移行すること、又は有利区間が継続することを特定可能な演出である。また、セット前半演出は、上述した一連の特典に含まれる特典が付与されたことを特定可能な演出である。さらに、本実施形態のセット前半演出は、その後にセット後半演出が実行されることを示唆する演出であるともいえる。一例として、セット前半演出では、演出表示装置12において、「限界突破ボーナス!!」の文字列を模した画像MG3が表示される。セット前半演出では、所定の期間内に獲得した賞球の数を示すセット獲得数演出が実行される。セット獲得数演出について、詳しくは後述する。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中にセット前半演出を実行可能である。
【0192】
図11(c)に示すように、RUSH突入演出は、通常状態中、大当り遊技ZBが付与されたことを特定可能な演出であって、大当り遊技の終了後に第2時短状態に移行することを特定可能な演出である。また、RUSH突入演出は、有利期間に移行することを特定可能な演出である。一例として、RUSH突入演出では、演出表示装置12において、「RUSH突入ボーナス!」の文字列を模した画像MG5が表示される。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中にRUSH突入演出を実行可能である。
【0193】
図11(d)に示すように、通常当り演出は、通常状態中、大当り遊技ZCが付与されたことを特定可能な演出であって、有利期間に移行しないことを特定可能な演出である。一例として、通常当り演出では、演出表示装置12において、「レギュラーボーナス」の文字列を模した画像MG6が表示される。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中に通常当り演出を実行可能である。
【0194】
図11(e)に示すように、セット間演出は、第1時短状態において特別ゲームが実行されているときに実行される演出と同一又は略同一の演出態様で実行される。後述するが、セット間演出と、第1時短状態において特別ゲームが実行されているときに実行される演出とは、同じ文字列を含んだ画像が表示されうる。また、本実施形態のセット間演出は、セット前半演出とセット後半演出との間の期間であることを示唆する演出である。一例として、セット間演出では、演出表示装置12において、「限界突破待機中」の文字列を模した画像MG7が表示される。さらに、セット間演出では、セット獲得数演出が実行される。なお、セット間演出が実行されているとき、演出表示装置12では、演出図柄が表示される。このように、演出表示装置12では、小当り遊技の付与中にセット間演出を実行可能である。
【0195】
図11(f)に示すように、第1当り突入演出は、第1時短状態中に小当り遊技ZA,Za,Zbの何れかが付与されたことを特定可能な演出であって、遊技球の右打ちを促す演出である。また、本実施形態の第1当り突入演出は、遊技球を右打ちすることで遊技者にとって有利な特典が得られることを示唆する演出である。一例として、第1当り突入演出では、演出表示装置12において、「Vを狙え→」の文字列を模した画像MG8が表示される。ここで、「V」とは、遊技者にとって有利な特典が付与される契機を示している。即ち、本実施形態において、第1当り突入演出における画像MG8の表示は、遊技球の右打ちを促す演出であるとともに、遊技球を右打ちすることでV入賞を発生させることができることを示唆する演出でもある。さらに、第1当り突入演出では、セット獲得数演出が実行される。このように、演出表示装置12では、小当り遊技の付与中に第1当り突入演出を実行可能である。
【0196】
図11(g)に示すように、セット後半演出は、第1時短状態中に大当り遊技Zaが付与されたことを特定可能な演出であって、大当り遊技の終了後に第2時短状態に移行することを特定可能な演出である。また、セット後半演出は、上述した一連の特典に含まれる特典が付与されたことを特定可能な演出である。そして、本実施形態のセット後半演出は、セット前半演出と関連する演出である。一例として、セット後半演出では、演出表示装置12において、「限界突破!!」の文字列を模した画像MG9が表示される。さらに、セット後半演出では、セット獲得数演出が実行される。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中にセット後半演出を実行可能である。
【0197】
ここで、本実施形態において、セット前半演出とセット後半演出とは、演出態様が関連するように構成される。セット前半演出とセット後半演出とは、何れも一連の特典に含まれる特典が付与されたことを示唆する観点において、演出態様が関連するといえる。セット前半演出とセット後半演出とは、共通する演出要素を含んで構成される観点において、演出態様が関連するといえる。具体的な一例として、画像として表示される「限界突破」の文字列は、共通する演出要素の一例である。セット獲得数演出として表示される各種の画像は、共通する演出要素の一例である。これに代えて、又は加えて、共通する演出要素は、同じ背景画像であってもよく、画像に限定されず、同じ背景音楽を出力することであってもよく、同じ発光パターンで発光することであってもよい。このように、セット前半演出とセット後半演出とは、演出態様が関連した一連の演出として把握できる。また、上述したように、セット間演出として表示される画像は、「限界突破」という文字列を含む。セット間演出は、セット獲得数演出を含む。よって、セット間演出は、セット前半演出及びセット後半演出とともに、演出態様が関連した一連の演出を構成しうる。
【0198】
図11(h)に示すように、ストック演出は、第1時短状態中に大当り遊技ZA~ZC,Zb,Zcの何れかが付与されたことを特定可能な演出であって、大当り遊技の終了後に第1時短状態に移行することを特定可能な演出である。そして、本実施形態のストック演出は、セット前半演出及びセット後半演出と関連する演出である。一例として、ストック演出では、演出表示装置12において、「限界突破ストック!!」の文字列を模した画像MG10が表示される。ここで、「限界突破ストック!!」とは、セット前半演出が実行される大当り遊技の終了後であって、セット後半演出が実行される大当り遊技Zaの開始前に、該大当り遊技Zaに加えてさらに大当り遊技ZA,Zbの何れかが付与されることを示している。即ち、本実施形態では、セット前半演出が終了した後、セット後半演出が開始されるよりも前に、「限界突破ストック!!」の文字列を模した画像が表示されるというように、セット前半演出及びセット後半演出に加えて、ストック演出も演出態様が関連した一連の演出として実行されるといえる。さらに、ストック演出では、セット獲得数演出も共通して実行される。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中にストック演出を実行可能である。
【0199】
図11(i)に示すように、第2当り突入演出は、第2時短状態中に小当り遊技ZA,Za~Zcの何れかが付与されたことを特定可能な演出であって、遊技球の右打ちを促す演出である。一例として、第2当り突入演出では、演出表示装置12において、「右を狙え→」の文字列を模した画像MG11が表示される。このように、演出表示装置12では、小当り遊技の付与中に第2当り突入演出を実行可能である。
【0200】
図11(j)に示すように、有利期間終了演出は、第2時短状態中に大当り遊技Zcが付与されたことを特定可能な演出であって、大当り遊技の終了後に通常状態に移行することを特定可能な演出である。一例として、有利期間終了演出では、演出表示装置12において、「有利期間終了」の文字列を模した画像MG12が表示される。また、有利期間終了演出では、有利期間内に獲得した賞球の総数を示す総獲得数演出が実行される。総獲得数演出について、詳しくは後述する。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中に有利期間終了演出を実行可能である。
【0201】
図11(k)に示すように、RUSH継続演出は、第2時短状態において特別ゲームが実行されているときに実行される演出と同一又は略同一の演出態様で実行され得る。後述するが、RUSH継続演出と、第2時短状態において特別ゲームが実行されているときに実行される演出とは、同じ文字列を含んだ画像が表示されうる。一例として、RUSH継続演出では、演出表示装置12において、「RUSH中」の文字列を模した画像MG14が表示される。なお、RUSH継続演出が実行されているとき、演出表示装置12では、演出図柄が表示される。このように、演出表示装置12では、小当り遊技の付与中にRUSH継続演出を実行可能である。
【0202】
次に、特別ゲームの実行中に実行されるゲーム中演出について説明する。一例として、ゲーム中演出には、セット間はずれ演出と、セット間当り演出と、RUSH中はずれ演出と、RUSH中当り演出と、がある。
【0203】
セット間はずれ演出は、第1時短状態中、小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選した場合、又ははずれの場合に、特別ゲームの実行中に実行される。セット間はずれ演出は、第1時短状態における特別ゲームの実行中、ゲーム終了条件、第1小当り終了条件、及び第2小当り終了条件の何れも成立しない場合に実行される。セット間当り演出は、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選した場合に、特別ゲームの実行中に実行される。セット間当り演出は、第1時短状態における特別ゲームの実行中、第2小当り終了条件が成立する場合に実行される。
【0204】
RUSH中はずれ演出は、第2時短状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選した場合、又ははずれの場合に、特別ゲームの実行中に実行される。RUSH中はずれ演出は、第2時短状態における特別ゲームの実行中、ゲーム終了条件、第1小当り終了条件、及び第2小当り終了条件の何れも成立しない場合に実行される。RUSH中当り演出は、第2時短状態中、小当りZA,Za,Zb,Zcの何れかに当選した場合に、特別ゲームの実行中に実行される。RUSH中当り演出は、第2時短状態における特別ゲームの実行中、第1小当り終了条件が成立する場合に実行される。
【0205】
図12(a)に示すように、セット間はずれ演出は、セット間演出と同一又は略同一の演出態様で実行される。セット間はずれ演出は、セット前半演出とセット後半演出との間の期間であることを示唆する演出である。一例として、セット間はずれ演出では、演出表示装置12において、「限界突破待機中」の文字列を模した画像MG7が表示される。さらに、セット間はずれ演出では、セット獲得数演出が実行される。
【0206】
図12(b)に示すように、セット間当り演出は、セット間演出と異なる演出態様で実行される。セット間当り演出は、第1時短状態中に小当り遊技ZA,Za,Zbの何れかが付与されることを特定可能な演出である。セット間当り演出は、セット前半演出とセット後半演出との間の期間であることを示唆する演出である。一例として、セット間当り演出では、演出表示装置12において「限界突破待機中」の文字列を模した画像MG15が表示される。画像MG15と、画像MG7とは、同じ文字列を模した画像である一方、大きさが異なる。画像MG15は、画像MG7よりも大きく表示されるから、画像MG7よりも強調された画像であるといえる。これに限らず、画像MG15は、画像MG7と同じ大きさの画像であってもよく、画像MG7と異なる色彩の画像であってもよい。また、セット間当り演出では、画像MG15に代えて画像MG7が表示されるようにしてもよい。この場合、セット間当り演出では、画像MG7に加えて、画像MG7とは異なる画像が表示されるようにしてもよい。例えば、画像MG7とは異なる画像は、所定のキャラクタであってもよいし、所定のエフェクトであってもよい。
【0207】
図12(c)に示すように、RUSH中はずれ演出は、RUSH継続演出と同一又は略同一の演出態様で実行される。一例として、RUSH中はずれ演出では、演出表示装置12において、「RUSH中」の文字列を模した画像MG14が表示される。
【0208】
図12(d)に示すように、RUSH中当り演出は、第2時短状態中に小当り遊技ZA,Za,Zb,Zcの何れかが付与されることを特定可能な演出であって、第1時短状態及び通常状態の何れに制御されるかを煽る演出である。RUSH中当り演出は、第1時短状態に移行できるかを煽る演出でもある。RUSH中当り演出は、通常状態に移行されないかを煽る演出でもある。一例として、セット間当り演出では、演出表示装置12において「有利期間終了?」の文字列、及び「限界突破?」の文字列を模した画像MG16が表示される。これに限らず、RUSH中当り演出では、画像MG16に代えて画像MG14が表示されるようにしてもよい。この場合、RUSH中当り演出では、画像MG14に加えて、画像MG14とは異なる画像が表示されるようにしてもよい。例えば、画像MG14とは異なる画像は、画像MG16であってもよいし、所定のキャラクタであってもよいし、所定のエフェクトであってもよい。
【0209】
図12(a)及び(b)に示すように、第1時短状態中、小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れも成立しないときと、第2小当り終了条件が成立するときとは、何れも特別ゲームの実行中に演出ゲーム及びセット獲得数演出が実行される。一方、第1時短状態中、小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れも成立しないときと、第2小当り終了条件が成立するときとは、それぞれ異なる画像として画像MG7及び画像MG15の何れかが表示される。つまり、異なる演出が実行される。セット間当り演出は、遊技球が特定領域29を通過可能な小当り遊技が付与されることを示唆する演出である。一方、セット間はずれ演出は、遊技球が特定領域29を通過可能な小当り遊技が付与されることを示唆する演出ではない。
図8(b)に示すように、セット間当り演出が実行されるときの変動時間は、セット間はずれ演出が実行されるときの変動時間よりも長い。これにより、セット間当り演出は、セット間はずれ演出よりも長い時間にわたって演出を実行させることができる。
【0210】
図12(c)及び(d)に示すように、第2時短状態中、小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れも成立しないときと、第1小当り終了条件が成立するときとは、何れも特別ゲームの実行中に演出ゲームが実行される。一方、第2時短状態中、小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れも成立しないときと、第1小当り終了条件が成立するときとは、それぞれ異なる画像として画像MG14及び画像MG16の何れかが表示される。つまり、異なる演出が実行される。RUSH中当り演出は、第1時短状態及び通常状態の何れに制御されるかを煽る演出である。一方、RUSH中はずれ演出は、そのような煽る演出ではない。
図8(c)に示すように、RUSH中当り演出が実行されるときの変動時間は、RUSH中はずれ演出が実行されるときの変動時間よりも長い。これにより、RUSH中当り演出は、RUSH中はずれ演出よりも長い時間にわたって演出を実行させることができる。
【0211】
このように、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないときと、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するときと、では、特別ゲームの実行中に実行される演出における演出態様の少なくとも一部が異なりうる。
【0212】
特別小当り演出を実行するための特別小当り演出処理について説明する。
副制御CPU50aは、小当り遊技開始コマンドを入力すると、小当りの種類と、該小当りに当選したときの遊技状態と、に基づいて、特別小当り演出の種類を決定する。その後、副制御CPU50aは、決定した種類の特別小当り演出を開始するように演出装置群を制御する。具体的に、副制御CPU50aは、特別小当り演出用の画像を表示させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、特別小当り演出用の背景楽曲を出力させるようにスピーカSPを制御する。さらに、副制御CPU50aは、特別小当り演出の発光態様で装飾ランプLAを発光させるように制御する。その後、副制御CPU50aは、小当り遊技終了コマンドを入力すると、特別小当り演出を終了するように演出装置群を制御する。
【0213】
副制御CPU50aは、小当り遊技開始コマンドを入力したことを契機として、演出図柄を非表示とする場合がある。具体的に、副制御CPU50aは、通常状態中に特別当り抽選において小当りに当選した場合、小当り遊技開始コマンドを入力したことを契機として、演出図柄を非表示とするように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、通常状態中に小当りに当選した場合、小当り遊技中は演出図柄を非表示とする。また、副制御CPU50aは、第1時短状態中に特別当り抽選において小当りZA,Za,Zbに当選した場合、小当り遊技開始コマンドを入力したことを契機として、演出図柄を非表示とするように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、第1時短状態中に小当りZA,Za,Zbに当選した場合、小当り遊技中は演出図柄を非表示とする。また、副制御CPU50aは、第2時短状態中に特別当り抽選において小当りZA,Za~Zcに当選した場合、小当り遊技開始コマンドを入力したことを契機として、演出図柄を非表示とするように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、第2時短状態中に小当りZA,Za~Zcに当選した場合、小当り遊技中は演出図柄を非表示とする。
【0214】
一方、副制御CPU50aは、第1時短状態中に特別当り抽選において小当りZB,ZC,Zcに当選した場合、小当り遊技開始コマンドを入力した後も継続して演出図柄を表示させるように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、第1時短状態中に小当りZB,ZC,Zcに当選した場合、小当り遊技中も演出図柄を表示させる。副制御CPU50aは、第2時短状態中に特別当り抽選において小当りZB,ZCに当選した場合、小当り遊技開始コマンドを入力した後も継続して演出図柄を表示させるように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、第2時短状態中に小当りZB,ZCに当選した場合、小当り遊技中も演出図柄を表示させる。
【0215】
特別大当り演出を実行するための特別大当り演出処理について説明する。
副制御CPU50aは、大当り遊技開始コマンドを入力すると、小当りの種類と、該小当りに当選したときの遊技状態と、に基づいて特別大当り演出の種類を決定する。その後、副制御CPU50aは、決定した種類の特別大当り演出を開始するように演出装置群を制御する。具体的に、副制御CPU50aは、特別大当り演出用の画像を表示させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、特別大当り演出用の背景楽曲を出力させるようにスピーカSPを制御する。さらに、副制御CPU50aは、特別大当り演出用の発光態様で装飾ランプLAを発光させるように制御する。その後、副制御CPU50aは、大当り遊技終了コマンドを入力すると、特別大当り演出を終了するように演出装置群を制御する。また、副制御CPU50aは、大当り遊技開始コマンドを入力したことを契機として、演出図柄を非表示とする。
【0216】
このような演出図柄変動処理、特別小当り演出処理、及び特別大当り演出処理によれば、副制御CPU50aは、小当りに当選した場合、演出ゲームにおいて演出図柄が確定停止表示された後に付与される小当り遊技中も演出図柄を継続して表示させることで、次の演出ゲームの開始時まで継続して演出図柄を表示させる場合がある。
【0217】
本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出には、第1演出用可動体EK1を動作させて行う第1可動体演出と、第2演出用可動体EK2を動作させて行う第2可動体演出と、を実行可能である。本実施形態の第1可動体演出及び第2可動体演出は、大当り遊技中に実行可能である。
【0218】
副制御CPU50aは、大当り遊技中である期間のうち、セット前半演出の実行中における所定の実行タイミングで第1可動体演出を実行させる。即ち、第1可動体演出は、通常状態中に小当りZAに当選して該小当りに基づく大当り遊技が付与された場合、又は第2時短状態中に小当りZA~ZC,Za,Zbに当選して該小当りに基づく大当り遊技が付与された場合に、該大当り遊技中に実行される。一例として、セット前半演出の実行中における所定の実行タイミングは、大当り遊技のラウンド遊技中である。これに限らず、セット前半演出の実行中における所定の実行タイミングは、大当り遊技のオープニング時間中であってもよいし、大当り遊技のエンディング時間中であってもよい。
【0219】
また、副制御CPU50aは、大当り遊技中である期間のうち、ストック演出の実行中における所定の実行タイミングで第2可動体演出を実行させる。即ち、第2可動体演出は、第1時短状態中に小当りZA~ZC,Zb,Zcに当選して該小当りに基づく大当り遊技が付与された場合に、該大当り遊技中に実行される。一例として、ストック演出の実行中における所定の実行タイミングは、大当り遊技のラウンド遊技中である。これに限らず、セット前半演出の実行中における所定の実行タイミングは、大当り遊技のオープニング時間中であってもよいし、大当り遊技のエンディング時間中であってもよい。第1可動体演出と、第2可動体演出とは、動作する可動体が異なることから、演出態様が異なる可動体演出であるといえる。
【0220】
セット獲得数演出について説明する。
上述したように、セット獲得数演出は、セット前半演出、セット間演出、第1当り突入演出、セット後半演出、及びストック演出で実行される。セット獲得数演出は、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間内に獲得した賞球の数を示す演出である。
【0221】
副制御CPU50aは、セット前半演出の開始を契機として、副制御RAM50cに記憶されている第1球数カウンタの値の更新を開始するとともに、第1球数カウンタの値を特定可能な第1球数画像MG4の表示を開始させるように演出表示装置12を制御することにより、セット獲得数演出を開始させる。一例として、第1球数画像MG4は、「獲得球数〇〇〇〇球」の文字列を模した画像である。その後、副制御CPU50aは、第2大入賞口20に遊技球が入球したことを示す第2大入賞コマンドを入力するごとに、予め定めた賞球数を加算するように第1球数カウンタの値を更新するとともに、更新後の値を特定可能となるように第1球数画像MG4の表示内容を更新する。そして、副制御CPU50aは、セット後半演出の終了を契機として、第1球数カウンタの値の更新を終了するとともに第1球数画像MG4の表示を終了させるように演出表示装置12を制御することにより、セット獲得数演出を終了させる。また、副制御CPU50aは、第1球数カウンタの値の更新を終了するに際して、第1球数カウンタの値を初期化する。これにより、演出表示装置12は、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間内に獲得した賞球の数を示すセット獲得数演出を実行可能である。セット獲得数演出は、特定演出の一例である。
【0222】
本実施形態において、セット前半演出は、第2時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選して第1小当り終了条件が成立した場合に実行される。第1当り突入演出は、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選して第2小当り終了条件が成立した場合に実行される。セット後半演出は、第1時短状態中、小当りZaに当選して第2小当り終了条件が成立した場合に実行される。ストック演出は、第1時短状態中、小当りZA,Zbの何れかに当選して第2小当り終了条件が成立した場合に実行される。このように、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況であって、かつ第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件のうち何れかが成立する状況において、演出表示装置12では、セット獲得数演出が実行される場合がある。
【0223】
本実施形態において、セット前半演出は、各小当り遊技ZA,Za,Zbに基づいてそれぞれ付与される大当り遊技ZA,Za,Zbで実行される。また、本実施形態において、セット後半演出は、小当り遊技Zaに基づいて付与される大当り遊技Zaで実行される。このため、本実施形態において、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間では、大当り遊技ZA,Za,Zbのうち何れかの大当り遊技と、大当り遊技Zaと、が少なくとも付与される。また、本実施形態において、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間では、大当り遊技ZA,Za,Zbのうち何れかの大当り遊技が終了してから大当り遊技Zaが開始されるまでの間に、1回又は複数回の大当り遊技ZA及び大当り遊技Zbが付与される場合がある。よって、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間では、1回の当り遊技に基づいて付与されうる利益としての賞球の数を超える数の賞球が付与されうる。即ち、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間では、1回の当り遊技に基づいて付与されうる利益を超える利益が付与されうる。したがって、本実施形態において、セット獲得数演出では、1回の当り遊技に基づいて付与される賞球の数を超える数が、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間内に獲得した賞球の数として示される場合がある。このように、セット獲得数演出は、1回の当り遊技に基づいて付与されうる利益を超える利益を示唆又は報知する演出である。
【0224】
総獲得数演出について説明する。
上述したように、総獲得数演出は、有利期間終了演出で実行される。総獲得数演出は、有利期間が開始されたときから有利期間が終了するまでの期間内に獲得した賞球の数を示す演出である。
【0225】
副制御CPU50aは、有利期間の開始を契機として、副制御RAM50cに記憶されている第2球数カウンタの値の更新を開始する。具体的に、副制御CPU50aは、通常状態中、小当りZA,ZBの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技が付与されたことを契機として、第2球数カウンタの値の更新を開始する。その後、副制御CPU50aは、第2大入賞口20に遊技球が入球したことを示す第2大入賞コマンドを入力するごとに、予め定めた賞球数を加算するように第2球数カウンタの値を更新する。そして、副制御CPU50aは、有利期間終了演出の実行中における所定の開始タイミングで、第2球数カウンタの値を特定可能な第2球数画像MG13の表示を開始させるように演出表示装置12を制御することにより、総獲得数演出を開始させる。一例として、第2球数画像MG13は、「総獲得球数〇〇〇〇球」の文字列を模した画像である。具体的に、本実施形態の副制御CPU50aは、有利期間終了演出の実行中、最終回のラウンド遊技の終了を特定可能なラウンド終了コマンドを入力したことを契機として、第2球数画像MG13の表示を開始させるように演出表示装置12を制御することにより、総獲得数演出を開始させる。その後、副制御CPU50aは、有利期間の終了を契機として、第2球数カウンタの値の更新を終了するとともに第2球数画像MG13の表示を終了させるように演出表示装置12を制御することにより、総獲得数演出を終了させる。また、副制御CPU50aは、第2球数カウンタの値の更新を終了するに際して、第2球数カウンタの値を初期化する。これにより、演出表示装置12は、有利期間内に獲得した賞球の数を示す総獲得数演出を実行可能である。なお、第1球数カウンタの値、及び第2球数カウンタの値は、バックアップの対象となる演出情報に含まれない。つまり、第1球数カウンタの値、及び第2球数カウンタの値は、電力供給が遮断されると必ず初期化される。
【0226】
次に、のめり込みに関する注意を喚起するための報知(以下、特別報知と示す)について説明する。特別報知は、のめり込みに関する注意を喚起するための情報(以下、特別情報と示す)を表示することによって実行される。特別報知は、演出装置群において実行されるから、演出の1つとして把握することもできる。
【0227】
のめり込みに関する特別報知は、待機状態中、演出表示装置12において実行可能である。特別報知は、待機状態中の一部又は全部で実行可能である。なお、特別報知は、遊技状態が通常状態、第1時短状態、及び第2時短状態の何れであっても、待機状態中に実行可能である。特別報知は、大当り遊技中、演出表示装置12において実行可能である。一例として、特別報知は、大当り遊技のエンディング時間中の一部又は全部で実行可能である。
【0228】
図13(a)に示すように、演出表示装置12では、待機状態となってデモ演出が実行されることによりデモ画像DEが表示される。このとき、演出表示装置12では、特別情報が表示されうる。一例として、待機状態中に表示される特別情報は、「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」という文字列を模した特別画像NC1である。なお、特別画像NC1は、デモ画像DEよりも配置レイヤーの優先度が高い。したがって、演出表示装置12では、デモ画像DEと、特別画像NC1と、が重なった状態で表示されるとき、特別画像NC1がデモ画像DEよりも手前側にあるかのように表示される。
【0229】
図13(b)に示すように、演出表示装置12では、大当り遊技において最終回のラウンド遊技が終了し、エンディング時間となってエンディング演出が実行される。一例として、エンディング演出では、演出表示装置12においてエンディング画像EEが表示される。また、演出表示装置12では、特別情報が表示されうる。一例として、エンディング時間中に表示される特別情報は、待機状態中に表示される特別情報と同じ特別画像NC1である。なお、特別画像NC1は、エンディング画像EEよりも配置レイヤーの優先度が高い。したがって、演出表示装置12では、エンディング画像EEと、特別画像NC1と、が重なった状態で表示されるとき、特別画像NC1がエンディング画像EEよりも手前側にあるかのように表示される。
【0230】
詳しくは後述するが、本実施形態のパチンコ遊技機10は、通常状態中に小当りZA,ZB,ZCの何れかに当選したことに基づいて付与された大当り遊技ZA,ZB,ZCにおいて、特別情報として特別画像NC1を表示可能に構成される。つまり、パチンコ遊技機10は、初回の当り遊技としての当り遊技ZA,ZB,ZCにおいて特別画像NC1を表示可能に構成される。本実施形態において、特別画像NC1を表示可能な初回の当り遊技は、所定の当り遊技に相当する。本実施形態において、待機状態と、所定の当り遊技と、で表示可能な特別画像NC1は、所定の情報に相当する。このように、本実施形態において、演出表示装置12は、特別情報として所定の情報を少なくとも表示可能な表示手段として把握できる。
【0231】
特別情報は、初回の当り遊技を基準として次回以降の当り遊技(以下、次回以降当り遊技と示す)において表示されるときがある。以下、次回以降当り遊技において特別情報が表示される状況の一例について説明する。
【0232】
図13(c)に示すように、演出表示装置12では、大当り遊技において最終回のラウンド遊技が終了し、エンディング時間となってエンディング演出が実行される。このとき、演出表示装置12では、特別情報が表示されうる。一例として、次回以降当り遊技のエンディング演出中に表示される特別情報は、特別画像NC1とは異なる画像であって、「のめり込みに注意しましょう。」という文字列を模した特別画像NC2である。本実施形態において、次回以降当り遊技において表示可能な特別画像NC2は、特定の情報に相当する。以下の説明では、特別画像NC1の表示による特別報知を第1特別報知と示し、特別画像NC2の表示による特別報知を第2特別報知と示す場合がある。
【0233】
このように、待機状態における特別情報の表示態様と、初回の当り遊技(所定の当り遊技)における特別情報の表示態様とは、同じである。本実施形態において、特別情報の表示態様は、複数の要素を含んで構成される。複数の要素には、特別情報の具体的な報知内容(文字列)、色彩、表示面積、表示位置、及び書体などが含まれうる。
【0234】
一方、初回の当り遊技における特別情報の表示態様と、次回以降当り遊技における特別情報の表示態様とは、構成要素の少なくとも一部が異なる。一例として、特別画像NC1(所定の情報)と、特別画像NC2(特定の情報)とは、具体的な報知内容、表示面積、及び表示位置が異なる。これに限らず、特別画像NC1と、特別画像NC2とは、特別情報の色彩、及び書体が異なってもよい。特別画像NC1と、特別画像NC2とは、特別情報の具体的な報知内容、色彩、表示面積、表示位置、及び書体のうち、任意に選択できる一部又は全部が異なっていてもよい。
【0235】
特別画像NC1の報知内容は、特別画像NC2の報知内容よりも文字量(情報量)が多い。特別画像NC1の表示面積は、特別画像NC2の表示面積よりも広い。このため、特別画像NC1は、特別画像NC2よりも、遊技者に対する訴求力があるといえる。よって、特別画像NC1は、特別画像NC2よりも、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として報知する強度が大きい(強い)といえる。
【0236】
特別情報を表示するための注意喚起処理について説明する。
待機状態において特別報知を実行させる処理について説明する。副制御CPU50aは、待機状態となったことを特定すると、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、特別画像NC1の表示中、変動パターン指定コマンドを入力すると、特別画像NC1を消去させるように演出表示装置12を制御する。
【0237】
当り遊技において特別報知を実行させる処理について説明する。まず、当り遊技中に電力供給が遮断されない場合について説明する。
副制御CPU50aは、通常状態中、小当りZA,ZB,ZCの何れかに当選したことに基づいて付与された当り遊技において、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、特別画像NC1を表示させると、特別画像NC1の表示中であることを特定可能な情報(以下、のめり込み表示中フラグと示す)を副制御RAM50cに記憶させる。その後、副制御CPU50aは、大当り遊技終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を消去させるように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、特別画像NC1を消去させると、のめり込み表示中フラグを初期化(消去)する。さらに、副制御CPU50aは、特別画像NC1を消去させると、特別情報の表示を所定の終了タイミング(一例として、大当り遊技の終了)まで行ったことを特定可能な情報(以下、のめり込み表示完了フラグと示す)を副制御RAM50cに記憶させる。のめり込み表示完了フラグは、有利期間において、特別情報の表示が開始されてから終了するまでの間に電力供給が遮断されることなく、特別情報の表示が最後まで行われたことを特定可能な情報である。
【0238】
副制御CPU50aは、有利期間の終了を契機として、のめり込み表示完了フラグを初期化(消去)する。また、副制御CPU50aは、のめり込み表示中フラグが副制御RAM50cに記憶されていた場合、有利期間の終了を契機として、のめり込み表示中フラグを初期化(消去)する。なお、副制御CPU50aは、通常状態中、小当りZCに当選したことに基づいて付与された当り遊技ZCにおいて、特別画像NC1の表示を大当り遊技ZCの終了まで行ったとしても、のめり込み表示完了フラグを副制御RAM50cに記憶させない。副制御CPU50aは、のめり込み表示完了フラグが副制御RAM50cに記憶されている場合、当り遊技中に特別情報を表示させない。つまり、のめり込み表示完了フラグが副制御RAM50cに記憶された場合、副制御CPU50aは、有利期間が終了するまで、当り遊技中に特別情報を表示させることはない。のめり込み表示中フラグ、及びのめり込み表示完了フラグは、バックアップの対象となる演出情報の一例である。
【0239】
次に、当り遊技中に電力供給が遮断される場合について説明する。
本実施形態の一例において、当り遊技ZA,ZB,ZCの何れかにおいて特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、電力供給が開始されて当り遊技ZA,ZB,ZCの何れかに復帰したとしても、特別画像NC1を表示しないように演出表示装置12を制御する。一方、当り遊技ZA,ZB,ZCの何れかにおいて特別画像NC1が表示される前に電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、電力供給が開始された後の当り遊技ZA,ZB,ZCの何れかにおいて特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。以下、詳細に説明する。
【0240】
副制御CPU50aは、初回の当り遊技としての当り遊技ZAが付与された後に電力供給が遮断されたときであって、のめり込み表示中フラグが副制御RAM50cに記憶されていなかった場合、電力供給が開始されて復帰した当り遊技ZAにおいて特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、当り遊技ZAにおいて、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。この場合に、副制御CPU50aは、のめり込み表示中フラグを副制御RAM50cに記憶させる。その後、副制御CPU50aは、電力供給が遮断されないまま、大当り遊技終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を非表示とし、のめり込み表示中フラグを消去し、かつ、のめり込み表示完了フラグを副制御RAM50cに記憶させる。
【0241】
一方、副制御CPU50aは、初回の当り遊技としての当り遊技ZAが付与された後に電力供給が遮断されたときであって、のめり込み表示中フラグが副制御RAM50cに記憶されていた場合、電力供給が開始されて復帰した当り遊技ZAにおいて特別画像NC1を表示しないように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、当り遊技ZAにおいて、特別画像NC1を表示させない。この場合、副制御RAM50cにおいて、のめり込み表示中フラグが維持され、かつ、のめり込み表示完了フラグが記憶されない。
【0242】
そして、副制御CPU50aは、初回の当り遊技としての当り遊技ZAが付与され、当該当り遊技ZAの終了後に付与された当り遊技(次回以降当り遊技)において特別画像NC2を表示するように演出表示装置12を制御する場合がある。
【0243】
具体的に、副制御CPU50aは、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力したとき、のめり込み表示中フラグが副制御RAM50cに記憶されている場合、特別画像NC2を表示するように演出表示装置12を制御する。その後、副制御CPU50aは、電力供給が遮断されないまま、大当り遊技終了コマンドを入力すると、特別画像NC2を非表示とし、のめり込み表示中フラグを消去し、かつ、のめり込み表示完了フラグを副制御RAM50cに記憶させる。一方、副制御CPU50aは、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力したとき、のめり込み表示中フラグが副制御RAM50cに記憶されていない場合、特別画像NC2を表示させない。
【0244】
なお、特別画像NC2が表示されているときに電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、電力供給が開始されて当り遊技に復帰したとしても、特別画像NC2を表示しないように演出表示装置12を制御する。この場合、副制御RAM50cにおいて、のめり込み表示中フラグが維持され、かつ、のめり込み表示完了フラグが記憶されない。よって、副制御CPU50aは、復帰した当り遊技が終了した後の次に付与された当り遊技において、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力すると特別画像NC2を表示するように演出表示装置12を制御する。一方、特別画像NC2が表示される前に電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力すると、特別画像NC2を表示するように演出表示装置12を制御する。この場合、副制御CPU50aは、電力供給が遮断されないまま、大当り遊技終了コマンドを入力すると、特別画像NC2を非表示とし、のめり込み表示中フラグを消去し、かつ、のめり込み表示完了フラグを副制御RAM50cに記憶させる。このような、次回以降当り遊技において第2特別報知を実行させるための制御は、第2特別報知が実行されることによって、のめり込み表示中フラグが消去され、かつ、のめり込み表示完了フラグが記憶されるまで、当り遊技ごとに実行されうる。ただし、副制御CPU50aは、有利期間の終了を契機として、のめり込み表示中フラグ及びのめり込み表示完了フラグを初期化(消去)するから、有利期間が終了すると第2特別報知を実行させるための制御を実行しない。つまり、副制御CPU50aは、有利期間であるとき(有利期間内)において第2特別報知を実行させるための制御を実行可能である。一方、副制御CPU50aは、有利期間外ではないとき(有利期間外)において第2特別報知を実行させるための制御を実行しない。
【0245】
次に、通常状態において、小当りZAに当選したことにより当り遊技ZAが付与され、当該当り遊技ZAを含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況について、遊技の進行に伴って実行される演出の流れの具体的な一例を説明する。
【0246】
図14に示すように、通常状態中、小当りZAに当選して当り遊技ZAが開始したとする。この場合に、小当り遊技ZAにおいて、演出表示装置12では、突入チャレンジ演出が実行される。次に、小当り遊技ZAが終了して大当り遊技ZAが開始したとする。この場合に、大当り遊技ZAにおいて、演出表示装置12では、セット前半演出が実行される。その後、大当り遊技ZAが終了して第1時短状態に制御され、第1時短状態において特別ゲームが実行されたとする。この場合に、第2特別ゲームの実行中、演出表示装置12では、演出ゲームと、セット間当り演出と、が実行されたとする。
【0247】
その後、第1時短状態中、小当りZaに当選して当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、小当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、第1当り突入演出が実行される。次に、小当り遊技Zaが終了して大当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、大当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、セット後半演出が実行される。
【0248】
このように、通常状態中に小当りZAに当選して当り遊技ZAが付与されてから、第1時短状態中に小当りZaに当選して当り遊技Zaが終了するまでの一連の特典が付与される状況において、演出表示装置12では、演出態様が関連した一連の演出が実行される。特に、セット獲得数演出は、通常状態中に小当りZAに当選して当り遊技ZAが付与されてから、第1時短状態中に小当りZaに当選して当り遊技Zaが終了するまでに獲得した賞球の数を示すから、関連性が強い演出といえる。
【0249】
また、
図10及び
図11に示すように、演出表示装置12では、同じ小当り遊技Zaであっても、画像MG11が表示される場合と、画像MG8及び第1球数画像MG4が表示される場合と、がある。演出表示装置12では、同じ大当り遊技Zaであっても、画像MG3及び第1球数画像MG4が表示される場合と、画像MG9及び第1球数画像MG4が表示される場合と、がある。これにより、一連の特典が付与される状況では、一連の特典のうち1回目の特典が付与された状況であるかを特定可能であるとともに、一連の特典のうち2回目以降の特典が付与された状況であるかを特定可能である。また、一連の特典の付与が終了することも特定可能である。
【0250】
以上のように、初回の当り遊技として当り遊技ZAが付与され、当該当り遊技ZAを含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、初回の当り遊技の付与に関連して実行される演出と、初回の当り遊技の次に付与される当り遊技の付与に関連して実行される演出とは、演出内容の少なくとも一部が異なりうる。そして、セット獲得数演出は、初回の当り遊技の付与に関連して実行される演出と、初回の当り遊技の次に付与される当り遊技の付与に関連して実行される演出と、によって構成される。
【0251】
ここで、特別情報の表示について説明する。
図14(a)及び(b)は、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから、当該当り遊技ZAの次に付与された当り遊技Zaが終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合における演出表示装置12の表示態様を示す。
図14(c)及び(d)は、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから、特別画像NC1が表示されるまでの間において電力供給が遮断され、かつ特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断されなかった場合における演出表示装置12の表示態様を示す。図中において、オープニング時間中を「OP」、ラウンド遊技中を「R」、エンディング時間中を「ED」と示す。
【0252】
図14(a)に示すように、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合、演出表示装置12では、大当り遊技ZAのエンディング時間が開始すると、エンディング演出及びセット前半演出の実行が開始するとともに、特別画像NC1の表示が開始される。一例として、大当り遊技ZAにおけるエンディング演出の実行に伴って表示されるエンディング画像EEは、「まだまだ続くよ」という文字列を模した画像である。大当り遊技ZAにおけるエンディング演出の実行に伴って表示されるエンディング画像EEは、一連の特典が引き続き付与されることを特定可能な画像である。その後、演出表示装置12では、エンディング時間中(時点T35を含む)、特別画像NC1が継続して表示される。そして、大当り遊技ZAが終了すると、演出表示装置12では、特別画像NC1が消去される。その後、小当りZaに当選したことにより当り遊技Zaが付与されたとする。
図14(b)に示すように、大当り遊技ZAの終了後に電力供給が遮断されなかった場合、演出表示装置12では、大当り遊技Zaのエンディング時間中(時点T36を含む)に、特別情報が表示されない。
【0253】
図14(c)に示すように、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから特別画像NC1が表示されるまでの間において電力供給が遮断された場合、演出表示装置12では、大当り遊技ZAのエンディング時間が開始すると、エンディング演出及びセット前半演出の実行が開始するとともに、特別画像NC1の表示が開始される。その後、演出表示装置12では、エンディング時間中(時点T35を含む)、特別画像NC1が継続して表示される。そして、大当り遊技ZAが終了すると、演出表示装置12では、特別画像NC1が消去される。なお、大当り遊技ZAのエンディング時間中には、電力供給が遮断されなかったものとする。一例として、小当り遊技ZAにおいて、オープニング時間中の時点T30にて電力供給が遮断された場合、ラウンド遊技中の時点T31にて電力供給が遮断された場合、及びエンディング時間中の時点T32にて電力供給が遮断された場合のうち何れの場合であっても、大当り遊技ZAのエンディング時間中に特別画像NC1が表示されうる。一例として、大当り遊技ZAにおいて、オープニング時間中の時点T33にて電力供給が遮断された場合、及びラウンド遊技中の時点T34にて電力供給が遮断された場合の何れの場合であっても、大当り遊技ZAのエンディング時間中に特別画像NC1が表示されうる。なお、ラウンド遊技中は、1回目~9回目のうち何れのラウンド遊技において電力供給が遮断された場合であっても、大当り遊技ZAのエンディング時間中に特別画像NC1が表示されうる。そして、大当り遊技ZAが終了すると、演出表示装置12では、特別画像NC1が消去される。その後、小当りZaに当選したことにより当り遊技Zaが付与されたとする。
図14(d)に示すように、演出表示装置12では、大当り遊技Zaのエンディング時間中(時点T36を含む)に、特別情報が表示されない。
【0254】
ここで、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかったときには、大当り遊技ZAのエンディング時間中、セット獲得数演出として第1球数画像MG4が演出表示装置12に表示される。一方、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときには、大当り遊技ZAのエンディング時間中、セット獲得数演出として復電球数画像MG17が演出表示装置12に表示される。このように、演出表示装置12は、初回の当り遊技においてセット獲得数演出を実行可能である。一例として、復電球数画像MG17は、「獲得球数????球」という文字列を模した画像である。これに限らず、復電球数画像MG17は、「復帰中」という文字列を模した画像であってもよい。また、復電球数画像MG17は、「復電後獲得球数〇〇〇〇球」という文字列を模した画像であってもよい。この場合、復電球数画像MG17では、電力供給が開始してからセット後半演出が終了するまでの期間内に獲得した賞球の数を示してもよい。復電球数画像MG17は、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間において電力供給が遮断されたことを特定可能な画像である。即ち、復電球数画像MG17は、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において電力供給が遮断されたことを特定可能な画像である。さらに、電力供給が開始されると、演出表示装置12では、電力供給の再開時専用の画像が表示されるようにしてもよい。電力供給の再開時専用の画像は、所定の時間が経過すると消去されるようにしてもよい。なお、復電球数画像MG17は、特別画像NC1の表示が開始されてから当り遊技Zaが終了する迄の間に電力供給が遮断された場合にも表示されうる。
【0255】
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、のめり込みに関する特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかったときと、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときとでは、その表示態様が同じとなる。一方、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかったときと、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときとでは、セット獲得数演出の態様が異なる。即ち、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかった場合と、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合とでは、初回の当り遊技における、特別情報の表示態様が同じであり、かつセット獲得数演出の態様が異なる。
【0256】
図15(a)及び(b)は、特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断された場合における演出表示装置12の表示態様を示す。
図15(c)及び(d)は、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから終了するまで電力供給が遮断されず、かつ当り遊技ZAが終了した後に電力供給が遮断された場合における演出表示装置12の表示態様を示す。
【0257】
図15(a)に示すように、特別画像NC1の表示中における時点T40にて電力供給が遮断された場合、電力供給が開始して大当り遊技ZAのエンディング時間中に復帰すると、演出表示装置12では、エンディング演出及びセット前半演出が実行される一方、特別画像NC1が表示されない(時点T41を含む)。即ち、大当り遊技ZAのエンディング時間が開始すると、演出表示装置12では、特別画像NC1が表示されるものの、その後、特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断されて電力供給が開始した場合、特別画像NC1が表示されない。その後、当り遊技ZAが終了し、小当りZaに当選したことにより当り遊技Zaが付与されたとする。
図15(b)に示すように、演出表示装置12では、大当り遊技Zaのエンディング時間が開始すると、エンディング演出及びセット後半演出の実行が開始するとともに、特別画像NC2の表示が開始される。一例として、大当り遊技Zaにおけるエンディング演出の実行に伴って表示されるエンディング画像EEは、「またね」という文字列を模した画像である。大当り遊技Zaにおけるエンディング演出の実行に伴って表示されるエンディング画像EEは、一連の特典の付与が終了したことを特定可能な画像である。その後、演出表示装置12では、エンディング時間中(時点T48を含む)、特別画像NC2が継続して表示される。そして、大当り遊技Zaが終了すると、演出表示装置12では、特別画像NC2が消去される。
【0258】
図15(c)に示すように、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合、演出表示装置12では、大当り遊技ZAのエンディング時間が開始すると、エンディング演出及びセット前半演出の実行が開始するとともに、特別画像NC1の表示が開始される。その後、演出表示装置12では、エンディング時間中(時点T41を含む)、特別画像NC1が継続して表示される。そして、大当り遊技ZAが終了すると、演出表示装置12では、特別画像NC1が消去される。その後、小当りZaに当選したことにより当り遊技Zaが付与されたとする。
図15(d)に示すように、大当り遊技ZAの終了後に電力供給が遮断された場合、演出表示装置12では、大当り遊技Zaのエンディング時間中(時点T48を含む)に、特別情報が表示されない。一例として、特別ゲームの実行中の時点42にて電力供給が遮断された場合、大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別情報が表示されない。一例として、小当り遊技Zaにおいて、オープニング時間中の時点T43にて電力供給が遮断された場合、ラウンド遊技中の時点T44にて電力供給が遮断された場合、及びエンディング時間中の時点T45にて電力供給が遮断された場合のうち何れの場合であっても、大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別情報が表示されない。一例として、大当り遊技Zaにおいて、オープニング時間中の時点T46にて電力供給が遮断された場合、及びラウンド遊技中の時点T47にて電力供給が遮断された場合の何れの場合であっても、大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別情報が表示されない。なお、ラウンド遊技中は、1回目~9回目のうち何れのラウンド遊技において電力供給が遮断された場合であっても、大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別情報が表示されない。
【0259】
図14及び
図15に示すように、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかったとき、及び特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときの何れにおいても、大当り遊技ZAのエンディング時間中に特別画像NC1が表示される。一方、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後に特別画像NC1が表示されない。例えば、特別画像NC1の表示後であって、特別画像NC1の表示中に電力供給が遮断された場合には、大当り遊技ZAのエンディング時間中、及び大当り遊技ZAの終了後に付与される大当り遊技Zaのエンディング時間中の何れにおいても特別画像NC1が表示されず、大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別画像NC2が表示される。例えば、特別画像NC1の表示後であって、特別画像NC1の表示が終了した後に電力供給が遮断された場合には、大当り遊技ZAの終了後に付与される大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別画像NC1及び特別画像NC2の何れも表示されない。
【0260】
このように、本実施形態では、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、当該複数回の当り遊技のうち初回の当り遊技において、のめり込みに関する特別画像NC1を表示可能である。そして、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC1を表示可能である。初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC1を表示しない。そして、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC2を表示しうる。よって、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときと、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときとでは、電力供給の開始後における特別情報の表示態様が異なりうる。なお、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときと、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときとでは、電力供給の開始後におけるセット獲得数演出の態様が同じとなる。
【0261】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)本実施形態によれば、複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況という遊技者が特に「のめり込み」易い状況において、のめり込みに関する注意を喚起するための特別画像NC1を表示することができるから、効果的に「のめり込み」を防止することができる。さらに、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC1を表示可能であるから、複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において電力供給が遮断された場合であっても、少なくとも1回の特別画像NC1が表示されるようにすることができる。一方、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC1を表示しないから、複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において特別画像NC1が複数回表示されることを抑制することができる。これにより、特別画像NC1が表示されることに対する慣れを抑制し、効果的に「のめり込み」を防止することができる。このように、本実施形態によれば、電力供給が遮断されるという異常な事象が発生した場合においても、のめり込みに関する注意を喚起することを適切に行うことができる。
【0262】
(1-2)本実施形態によれば、特別画像NC1が表示される状況において電力供給が遮断された場合、電力供給が遮断されたタイミングが特別画像NC1の表示前及び表示後の何れであるかに応じて、特別情報の表示態様を異ならせた。これにより、複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、すでに特別画像NC1が表示されたか否かに応じて、電力供給が遮断された場合の特別情報の表示態様を異ならせることができる。このように、本実施形態によれば、複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において電力供給が遮断されたときの状況に応じた特別情報を表示させることができる。したがって、本実施形態によれば、電力供給が遮断されるという異常な事象が発生した場合においても、のめり込みに関する注意を喚起することを適切に行うことができる。
【0263】
(1-3)本実施形態によれば、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合であっても、電力供給が遮断されなかった場合と同じ態様で特別情報を表示できるから、当該情報について認識させ易くすることができる。一方、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合には、電力供給が遮断されなかった場合とは異なる態様でセット獲得数演出を実行するから、電力供給が遮断されたことを認識させ易くすることができる。このように、本実施形態によれば、電力供給が遮断されるという異常な事象が発生したことを認識させつつ、のめり込みに関する注意を喚起することを適切に行うことができる。
【0264】
(1-4)本実施形態によれば、特別画像NC1の表示中に電力供給が遮断されたときには、電力供給が開始して電力供給が遮断されたときの状態に復帰したとしても、特別画像NC1を表示しない。遊技者が遊技を行っているときに電力供給が遮断されることは、異常な事象であるから、電力供給が開始して状態が復帰したとしても、遊技者が特別画像NC1を認識できるとは考え難い。本実施形態によれば、特別画像NC1の表示中に電力供給が遮断されたときには、電力供給が開始した直後に特別情報を表示するのではなく、電力供給が開始した後、遊技者が暫く遊技を進行させてから特別情報を表示するようにした。これにより、遊技者が特別情報を認識できる状況において、のめり込みに関する注意を喚起することを適切に行うことができる。
【0265】
(1-5)本実施形態によれば、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときであったとしても、特別画像NC1の表示中に電力供給が遮断されたか否かによって、その後における特別画像NC2の表示有無が異なる。特別画像NC1の表示が終了した後に電力供給が遮断された場合には、すでに十分、のめり込みに関する注意を喚起することを行っているから、さらに特別画像NC2を表示させてしまうと、興趣を低下させる虞がある。一方、特別画像NC1の表示が終了する前に電力供給が遮断された場合には、のめり込みに関する注意を喚起することが不十分であることが考えられるから、さらにのめり込みに関する注意を喚起することが望まれる。そのところ、本実施形態によれば、特別画像NC1の表示が終了した後に電力供給が遮断された場合には特別画像NC2を表示させず、特別画像NC1の表示が終了する前に電力供給が遮断された場合には特別画像NC2を表示させることができる。このように、本実施形態によれば、電力供給が遮断されるという異常な事象が発生した場合においても、のめり込みに関する注意を喚起することを適切に行うことができる。
【0266】
(1-6)本実施形態によれば、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC2を表示しうるから、特別画像NC1とは異なる特別情報が表示されるという珍しさにより注目させることができ、効果的に「のめり込み」を防止することができる。このように、本実施形態によれば、電力供給が遮断されるという異常な事象が発生した場合においても、のめり込みに関する注意を喚起することを適切に行うことができる。
【0267】
(1-7)本実施形態によれば、特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断された場合、特別画像NC2を表示できる。このため、例えば、特別画像NC1を認識できずに、当り遊技が終了したとしても、特別画像NC2を認識させることで、のめり込みに関する注意を喚起することができる。一方、例えば、特別画像NC1を認識できた遊技者にとっては、再度、特別情報が表示されることに対し煩わしく感じることが考えられる。これにより、遊技者が遊技を行うことに対する意欲を低下させる虞がある。そのところ、本実施形態によれば、特別画像NC2の報知強度を、特別画像NC1の報知強度よりも小さく(弱く)した。これにより、過度な特別情報の報知が行われないようにすることで、遊技を行うことに対する意欲が低下してしまうことを抑制しつつ、のめり込みに関する注意を喚起することができる。
【0268】
(1-8)本実施形態によれば、特別情報は、当り遊技の期間の中でも大当り遊技のエンディング時間中に表示される。大当り遊技は、小当り遊技よりもラウンド遊技の回数が多いから、獲得可能な遊技球数が多い。そして、大当り遊技のエンディング時間中は、大当り遊技のラウンド遊技が終了しているから、遊技者が保有する遊技球の数が、当り遊技の期間のうち最も多くなっている期間といえる。このように、遊技者が保有する遊技球の数が増加している可能性が高いことが想定されるエンディング時間中において特別情報を表示することによって、効果的に「のめり込み」を防止することができる。
【0269】
(1-9)本実施形態によれば、特別画像NC1は、引き続き一連の特典が付与される状況において表示される。このため、特典が付与されるという遊技者が「のめり込み」易い状況において特別画像NC1を表示することができるから、効果的に「のめり込み」を防止することができる。
【0270】
(1-10)本実施形態によれば、特別画像NC1は、一連の特典が引き続き付与されることを特定可能なエンディング画像EEとともに表示される。このため、特典が付与されるという遊技者が「のめり込み」易い状況において特別画像NC1を表示することができるから、効果的に「のめり込み」を防止することができる。
【0271】
[第2実施形態]
パチンコ遊技機の第2実施形態について説明する。
以下の説明では、既に説明した実施形態と同じ構成及び同じ制御について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0272】
第2実施形態では、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、初回の当り遊技で特別画像NC1が表示されずに、初回の当り遊技の次に付与される当り遊技で特別画像NC1が表示される点で第1実施形態と異なる。
【0273】
具体的に、本実施形態のパチンコ遊技機10は、初回の当り遊技としての当り遊技ZAにおいて特別画像NC1を表示しないように構成される。本実施形態のパチンコ遊技機10は、初回の当り遊技としての当り遊技ZAが終了した後、次に付与される当り遊技において特別画像NC1を表示可能に構成される。以下の説明では、通常状態中、小当りZAに当選したことに基づいて付与された当り遊技ZAが終了した後の次に付与される当り遊技を「2回目の当り遊技」と示す場合がある。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、複数回の当り遊技のうち2回目の当り遊技において特別画像NC1を表示可能に構成される。本実施形態において、複数回の当り遊技のうち2回目の当り遊技は、所定の当り遊技に相当する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1実施形態と同じく、通常状態中に小当りZB,ZCの何れかに当選したことに基づいて付与された当り遊技ZB,ZCにおいて、特別情報を表示可能に構成される。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機10は、初回の当り遊技としての当り遊技ZB,ZCにおいて特別画像NC1を表示可能に構成される。
【0274】
特別情報を表示するための注意喚起処理について説明する。
まず、当り遊技中に電力供給が遮断されない場合について説明する。
副制御CPU50aは、通常状態中、小当りZAに当選したことに基づいて付与された当り遊技において、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力したとしても、特別画像NC1を表示させない。副制御CPU50aは、2回目の当り遊技において、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、通常状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選したことに基づいて付与された当り遊技において、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。
【0275】
副制御CPU50aは、特別画像NC1を表示させると、のめり込み表示中フラグを副制御RAM50cに記憶させる。その後、副制御CPU50aは、大当り遊技終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を消去させるように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、特別画像NC1を消去させると、のめり込み表示中フラグを初期化(消去)する。さらに、副制御CPU50aは、特別画像NC1を消去させると、のめり込み表示完了フラグを副制御RAM50cに記憶させる。副制御CPU50aは、有利期間の終了を契機として、のめり込み表示完了フラグを初期化(消去)する。また、副制御CPU50aは、のめり込み表示中フラグが副制御RAM50cに記憶されていた場合、有利期間の終了を契機として、のめり込み表示中フラグを初期化(消去)する。副制御CPU50aは、のめり込み表示完了フラグが副制御RAM50cに記憶されている場合、当り遊技中に特別情報を表示させない。
【0276】
次に、当り遊技中に電力供給が遮断される場合について説明する。
2回目の当り遊技において特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、電力供給が開始されて2回目の当り遊技に復帰したとしても、特別画像NC1を表示しないように演出表示装置12を制御する。一方、2回目の当り遊技において特別画像NC1が表示される前に電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、電力供給が開始された後の2回目の当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。以下、詳細に説明する。
【0277】
副制御CPU50aは、初回の当り遊技としての当り遊技ZAが付与されてから2回目の当り遊技において特別画像NC1を表示するまでの間に電力供給が遮断された場合、2回目の当り遊技において大当り最終ラウンド終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、2回目の当り遊技において、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力したときにのめり込み表示中フラグが副制御RAM50cに記憶されていなかった場合、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。この場合に、副制御CPU50aは、のめり込み表示中フラグを副制御RAM50cに記憶させる。その後、副制御CPU50aは、電力供給が遮断されないまま、大当り遊技終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を非表示とし、のめり込み表示中フラグを消去し、かつ、のめり込み表示完了フラグを副制御RAM50cに記憶させる。
【0278】
副制御CPU50aは、2回目の当り遊技において特別画像NC1を表示しているときに電力供給が遮断された場合、電力供給が開始した後に復帰した2回目の当り遊技において特別画像NC1を表示しないように演出表示装置12を制御する。この場合、副制御RAM50cにおいて、のめり込み表示中フラグが維持され、かつ、のめり込み表示完了フラグが記憶されない。そして、副制御CPU50aは、2回目の当り遊技の終了後に付与された当り遊技において特別画像NC2を表示するように演出表示装置12を制御する場合がある。副制御CPU50aは、上述した第1実施形態における「次回以降当り遊技において第2特別報知を実行させるための制御」を実行することによって、のめり込み表示中フラグが消去され、かつ、のめり込み表示完了フラグが記憶されるまで、当り遊技ごとに特別画像NC2を表示するように演出表示装置12を制御する。ただし、副制御CPU50aは、有利期間の終了を契機として、のめり込み表示中フラグ及びのめり込み表示完了フラグを初期化(消去)するから、有利期間が終了すると「次回以降当り遊技において第2特別報知を実行させるための制御」を実行しない。つまり、副制御CPU50aは、有利期間であるとき(有利期間内)において「次回以降当り遊技において第2特別報知を実行させるための制御」を実行可能である。一方、副制御CPU50aは、有利期間外ではないとき(有利期間外)において「次回以降当り遊技において第2特別報知を実行させるための制御」を実行しない。
【0279】
次に、通常状態において、小当りZAに当選したことにより当り遊技ZAが付与され、当該当り遊技ZAを含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況について、遊技の進行に伴って実行される演出の流れの具体的な一例について説明する。
【0280】
図16に示すように、通常状態中、小当りZAに当選して当り遊技ZAが開始したとする。この場合に、小当り遊技ZAにおいて、演出表示装置12では、突入チャレンジ演出が実行される。次に、小当り遊技ZAが終了して大当り遊技ZAが開始したとする。この場合に、大当り遊技ZAにおいて、演出表示装置12では、セット前半演出が実行される。
【0281】
その後、大当り遊技ZAが終了して第1時短状態に制御され、小当りZbに当選して2回目の当り遊技としての当り遊技Zbが開始したとする。この場合に、小当り遊技Zbにおいて、演出表示装置12では、第1当り突入演出が実行される。次に、小当り遊技Zbが終了して大当り遊技Zbが開始したとする。この場合に、大当り遊技Zbにおいて、演出表示装置12では、ストック演出が実行される。
【0282】
その後、大当り遊技Zbが終了して第1時短状態に制御され、小当りZaに当選して当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、小当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、第1当り突入演出が実行される。次に、小当り遊技Zaが終了して大当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、大当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、セット後半演出が実行される。
【0283】
このように、通常状態中に小当りZAに当選して当り遊技ZAが付与されてから、第1時短状態中に小当りZbに当選して当り遊技Zbが付与され、さらに第1時短状態中に小当りZaに当選して当り遊技Zaが終了するまでの一連の特典が付与される状況において、演出表示装置12では、演出態様が関連した一連の演出が実行される。
【0284】
ここで、特別情報の表示について説明する。
図16(a)~(c)は、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから、2回目の当り遊技としての当り遊技Zbの次に付与された当り遊技Zaが終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合における演出表示装置12の表示態様を示す。
図16(d)~(f)は、2回目の当り遊技としての当り遊技Zbが開始してから特別画像NC1が表示されるまでの間において電力供給が遮断され、かつ特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断されなかった場合における演出表示装置12の表示態様を示す。
【0285】
図16(a)に示すように、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合、演出表示装置12では、大当り遊技ZAのエンディング時間中(時点T50を含む)に、特別情報が表示されない。その後、小当りZbに当選したことにより当り遊技Zbが付与されたとする。
図16(b)に示すように、当り遊技ZAが終了してから2回目の当り遊技としての当り遊技Zbが終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合、演出表示装置12では、大当り遊技Zbのエンディング時間が開始すると、エンディング演出及びストック演出の実行が開始するとともに、特別画像NC1の表示が開始される。一例として、大当り遊技Zbにおけるエンディング演出の実行に伴って表示されるエンディング画像EEは、「まだまだ続くよ」という文字列を模した画像である。大当り遊技Zbにおけるエンディング演出の実行に伴って表示されるエンディング画像EEは、一連の特典が引き続き付与されることを特定可能な画像である。その後、演出表示装置12では、エンディング時間中(時点T56を含む)、特別画像NC1が継続して表示される。そして、大当り遊技Zbが終了すると、演出表示装置12では、特別画像NC1が消去される。その後、小当りZaに当選したことにより当り遊技Zaが付与されたとする。
図16(c)に示すように、当り遊技Zbが終了してから当り遊技Zaが終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合、演出表示装置12では、大当り遊技Zaのエンディング時間中(時点T57を含む)に、特別情報が表示されない。
【0286】
図16(d)に示すように、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合、演出表示装置12では、大当り遊技ZAのエンディング時間中(時点T50を含む)に、特別情報が表示されない。なお、初回の当り遊技としての当り遊技ZA中に電力供給が停止した場合であっても、演出表示装置12では、大当り遊技ZAのエンディング時間中、特別情報が表示されない。この場合、大当り遊技ZAのエンディング時間中、演出表示装置12では、第1球数画像MG4に代えて復電球数画像MG17が表示される。その後、小当りZbに当選したことにより当り遊技Zbが付与されたとする。
【0287】
図16(e)に示すように、当り遊技ZAが終了してから2回目の当り遊技において特別画像NC1が表示されるまでの間において電力供給が遮断された場合、演出表示装置12では、大当り遊技Zbのエンディング時間が開始すると、エンディング演出及びストック演出の実行が開始するとともに、特別画像NC1の表示が開始される。その後、演出表示装置12では、エンディング時間中(時点T56を含む)、特別画像NC1が継続して表示される。そして、大当り遊技Zbが終了すると、演出表示装置12では、特別画像NC1が消去される。なお、大当り遊技Zbのエンディング時間中には、電力供給が遮断されなかったものとする。一例として、小当り遊技Zbにおいて、オープニング時間中の時点T51にて電力供給が遮断された場合、ラウンド遊技中の時点T52にて電力供給が遮断された場合、及びエンディング時間中の時点T53にて電力供給が遮断された場合のうち何れの場合であっても、大当り遊技Zbのエンディング時間中に特別画像NC1が表示されうる。一例として、大当り遊技Zbにおいて、オープニング時間中の時点T54にて電力供給が遮断された場合、及びラウンド遊技中の時点T55にて電力供給が遮断された場合の何れの場合であっても、大当り遊技Zbのエンディング時間中に特別画像NC1が表示されうる。なお、ラウンド遊技中は、1回目~9回目のうち何れのラウンド遊技において電力供給が遮断された場合であっても、大当り遊技Zbのエンディング時間中に特別画像NC1が表示されうる。初回の当り遊技としての当り遊技ZA中に電力供給が停止した場合であっても、演出表示装置12では、大当り遊技Zbのエンディング時間中に特別画像NC1が表示される。
【0288】
ここで、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかったときには、2回目の大当りとしての大当り遊技Zbのエンディング時間中、セット獲得数演出として第1球数画像MG4が演出表示装置12に表示される。特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときには、大当り遊技Zbのエンディング時間中、セット獲得数演出として復電球数画像MG17が演出表示装置12に表示される。このように、演出表示装置12は、2回目の当り遊技においてセット獲得数演出を実行可能である。
【0289】
その後、小当りZaに当選したことにより当り遊技Zaが付与されたとする。
図16(f)に示すように、当り遊技Zbが終了してから当り遊技Zaが終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合、演出表示装置12では、大当り遊技Zaのエンディング時間中(時点T57を含む)に、特別情報が表示されない。なお、当り遊技Zbが終了してから当り遊技Zaが終了するまでの間において電力供給が遮断された場合であっても、演出表示装置12では、大当り遊技Zaのエンディング時間中(時点T57を含む)に、特別情報が表示されない。
【0290】
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、のめり込みに関する特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかったときと、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときとでは、その表示態様が同じとなる。一方、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかったときと、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときとでは、セット獲得数演出の態様が異なる。即ち、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかった場合と、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合とでは、2回目の当り遊技における、特別情報の表示態様が同じであり、かつセット獲得数演出の態様が異なる。
【0291】
図17(a)~(c)は、2回目の当り遊技において特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断された場合における演出表示装置12の表示態様を示す。
図17(d)~(f)は、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから、2回目の当り遊技としての当り遊技Zbが終了するまでの間において電力供給が遮断されず、かつ当り遊技Zbが終了した後に電力供給が遮断された場合における演出表示装置12の表示態様を示す。
【0292】
図17(a)に示すように、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合、演出表示装置12では、大当り遊技ZAのエンディング時間中(時点T60を含む)に、特別情報が表示されない。その後、小当りZbに当選したことにより当り遊技Zbが付与されたとする。
【0293】
図17(b)に示すように、特別画像NC1の表示中における時点T61にて電力供給が遮断された場合、電力供給が開始して大当り遊技Zbに復帰すると、演出表示装置12では、大当り遊技Zbのエンディング時間中(時点T62を含む)に、エンディング演出及びストック演出が実行される一方、特別画像NC1が表示されない。即ち、大当り遊技Zbのエンディング時間が開始すると、演出表示装置12では、特別画像NC1が表示されるものの、その後、特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断されて電力供給が開始した場合、特別画像NC1が表示されない。その後、当り遊技Zbが終了し、小当りZaに当選したことにより当り遊技Zaが付与されたとする。
図17(c)に示すように、演出表示装置12では、大当り遊技Zaのエンディング時間が開始すると、エンディング演出及びセット後半演出の実行が開始するとともに、特別画像NC2の表示が開始される。その後、演出表示装置12では、エンディング時間中(時点T68を含む)、特別画像NC2が継続して表示される。そして、大当り遊技Zaが終了すると、演出表示装置12では、特別画像NC2が消去される。
【0294】
図17(d)に示すように、通常状態中に当り遊技ZAが開始してから終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合、演出表示装置12では、大当り遊技ZAのエンディング時間中(時点T60を含む)に、特別情報が表示されない。その後、小当りZbに当選したことにより当り遊技Zbが付与されたとする。
図17(e)に示すように、当り遊技ZAが終了してから2回目の当り遊技としての当り遊技Zbが終了するまでの間において電力供給が遮断されなかった場合、演出表示装置12では、大当り遊技Zbのエンディング時間が開始すると、エンディング演出及びストック演出の実行が開始するとともに、特別画像NC1の表示が開始される。その後、演出表示装置12では、エンディング時間中(時点T62を含む)、特別画像NC1が継続して表示される。そして、大当り遊技Zbが終了すると、演出表示装置12では、特別画像NC1が消去される。その後、小当りZaに当選したことにより当り遊技Zaが付与されたとする。
【0295】
図17(e)に示すように、当り遊技Zbが終了してから当り遊技Zaが終了するまでの間において電力供給が遮断された場合、演出表示装置12では、大当り遊技Zaのエンディング時間中(時点T68を含む)に、特別情報が表示されない。一例として、特別ゲームの実行中にて電力供給が遮断された場合、大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別情報が表示されない。一例として、小当り遊技Zaにおいて、オープニング時間中の時点T63にて電力供給が遮断された場合、ラウンド遊技中の時点T64にて電力供給が遮断された場合、及びエンディング時間中の時点T65にて電力供給が遮断された場合のうち何れの場合であっても、大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別情報が表示されない。一例として、大当り遊技Zaにおいて、オープニング時間中の時点T66にて電力供給が遮断された場合、及びラウンド遊技中の時点T67にて電力供給が遮断された場合の何れの場合であっても、大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別情報が表示されない。なお、ラウンド遊技中は、1回目~9回目のうち何れのラウンド遊技において電力供給が遮断された場合であっても、大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別情報が表示されない。
【0296】
図16及び
図17に示すように、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかったとき、及び特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときの何れにおいても、2回目の当り遊技としての大当り遊技Zbのエンディング時間中に特別画像NC1が表示される。一方、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後に特別画像NC1が表示されない。例えば、特別画像NC1の表示後であって、特別画像NC1の表示中に電力供給が遮断された場合には、大当り遊技Zbのエンディング時間中、及び大当り遊技Zbの終了後に付与される大当り遊技Zaのエンディング時間中の何れにおいても特別画像NC1が表示されず、大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別画像NC2が表示される。例えば、特別画像NC1の表示後であって、特別画像NC1の表示が終了した後に電力供給が遮断された場合には、大当り遊技Zbの終了後に付与される大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別画像NC1及び特別画像NC2の何れも表示されない。
【0297】
このように、本実施形態では、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、当該複数回の当り遊技のうち2回目の当り遊技において特別画像NC1を表示可能である。そして、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC1を表示可能である。初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC1を表示しない。そして、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC2を表示しうる。よって、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときと、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときとでは、電力供給の開始後における特別情報の表示態様が異なりうる。なお、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときと、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときとでは、電力供給の開始後におけるセット獲得数演出の態様が同じとなる。
【0298】
次に、通常状態において、小当りZAに当選したことにより当り遊技ZAが付与された場合と、小当りZBに当選したことにより当り遊技ZBが付与された場合と、小当りZCに当選したことにより当り遊技ZCが付与された場合と、における特別情報の表示タイミングについて説明する。
【0299】
図18(a)に示すように、通常状態中、初回の当り遊技として当り遊技ZAが付与された場合には、初回の当り遊技における大当り遊技ZAのエンディング時間中に特別画像NC1が表示されず、2回目の当り遊技における大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別画像NC1が表示される。なお、
図18(a)では、2回目の当り遊技が当り遊技Zaである場合を例示したが、2回目の当り遊技が当り遊技ZA~ZC,Zb,Zcのうち何れかであったとしても、2回目の当り遊技における大当り遊技のエンディング時間中に特別画像NC1が表示される。このように、初回の当り遊技として当り遊技ZAが付与された場合、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでの時間(タイミング)は、2回目の当り遊技における小当り遊技中の時間と、2回目の当り遊技における大当り遊技中の時間と、が含まれる。また、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでの時間(タイミング)は、初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの時間が含まれる。また、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでの時間(タイミング)は、2回目の当り遊技における小当り遊技中の時間と、2回目の当り遊技における大当り遊技のオープニング時間と、2回目の当り遊技における大当り遊技のラウンド遊技中の時間と、が含まれる。
【0300】
図18(b)に示すように、通常状態中、初回の当り遊技として当り遊技ZBが付与された場合には、初回の当り遊技における大当り遊技のエンディング時間中に特別画像NC1が表示される。このように、初回の当り遊技として当り遊技ZBが付与された場合、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでの時間(タイミング)は、初回の当り遊技における小当り遊技中の時間と、初回の当り遊技における大当り遊技のオープニング時間と、初回の当り遊技における大当り遊技のラウンド遊技中の時間と、が含まれる。
【0301】
図18(c)に示すように、通常状態中、初回の当り遊技として当り遊技ZCが付与された場合には、初回の当り遊技における大当り遊技のエンディング時間中に特別画像NC1が表示される。このように、初回の当り遊技として当り遊技ZCが付与された場合、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでの時間(タイミング)は、初回の当り遊技における小当り遊技中の時間と、初回の当り遊技における大当り遊技のオープニング時間と、初回の当り遊技における大当り遊技のラウンド遊技中の時間と、が含まれる。
【0302】
図4に示すように、当り遊技ZA,ZB,ZCは、何れもラウンド遊技の回数が10回である。そして、当り遊技ZAの終了後に付与されうる当り遊技である当り遊技ZA,Za,Zbは、何れもラウンド遊技の回数が10回である。当り遊技中の時間は、ラウンド遊技の回数が多いほど長くなり易い。1回のラウンド遊技における時間は、上限時間が経過することによりラウンド遊技が終了する場合のほうが、上限個数の遊技球が入球することによりラウンド遊技が終了する場合よりも長くなり易い。1回のラウンド遊技における時間は、第1大入賞口18及び第2大入賞口20への入球率が低いほど長くなり易い。このように、当り遊技中の時間は、遊技者が行う発射ハンドルHDの操作に応じて異なりうる。
【0303】
以上のことから、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでのタイミングは、遊技者の操作に応じて変わるものの、初回の当り遊技が当り遊技ZAであるときのほうが、初回の当り遊技が当り遊技ZBであるときよりも長くなり易い。また、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでのタイミングは、遊技者の操作に応じて変わるものの、初回の当り遊技が当り遊技ZAであるときのほうが、初回の当り遊技が当り遊技ZCであるときよりも長くなり易い。このように、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでのタイミングは、当該初回の当り遊技の種類が、当り遊技ZAであるときと、当り遊技ZBであるときと、で異なりうる。また、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでのタイミングは、当該初回の当り遊技の種類が、当り遊技ZAであるときと、当り遊技ZCであるときと、で異なりうる。
【0304】
次に、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況における特別画像NC1の表示態様について説明する。
図19(a)に示すように、通常状態中、初回の当り遊技として当り遊技ZAが付与された場合、大当り遊技ZAのエンディング中に特別画像NC1が表示されない。その後、当り遊技ZAが終了して、パチンコ遊技機10では、特別ゲームが開始したものとする。このとき、パチンコ遊技機10では、特別当り抽選において小当りZaに当選して、変動パターンHP12が選択されたものとする。パチンコ遊技機10では、特別ゲームの開始後、変動パターンHP12に定められた変動時間が経過すると特別ゲームが終了し、インターバル時間の経過後に2回目の当り遊技として当り遊技Zaが開始する。よって、
図19(a)では、初回の当り遊技ZAが終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの時間tm1は、変動パターンHP12に定められた変動時間と、インターバル時間と、の合計時間となる。その後、演出表示装置12では、当り遊技Zaにおける大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別画像NC1が表示される。
【0305】
図19(b)に示すように、通常状態中、初回の当り遊技として当り遊技ZAが付与された場合、大当り遊技ZAのエンディング中に特別画像NC1が表示されない。その後、当り遊技ZAが終了して、パチンコ遊技機10では、特別ゲームが開始したものとする。このとき、パチンコ遊技機10では、特別当り抽選において小当りZaに当選して、変動パターンHP13が選択されたものとする。パチンコ遊技機10では、特別ゲームの開始後、変動パターンHP13に定められた変動時間が経過すると特別ゲームが終了し、インターバル時間の経過後に2回目の当り遊技として当り遊技Zaが開始する。よって、
図19(b)では、初回の当り遊技ZAが終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの時間tm2は、変動パターンHP13に定められた変動時間と、インターバル時間と、の合計時間となる。なお、
図8に示すように、変動パターンHP13に定められた変動時間は、変動パターンHP12に定められた変動時間よりも短いから、時間tm2は、時間tm1よりも短い。その後、演出表示装置12では、当り遊技Zaにおける大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別画像NC1が表示される。
【0306】
図19(c)に示すように、通常状態中、初回の当り遊技として当り遊技ZAが付与された場合、大当り遊技ZAのエンディング中に特別画像NC1が表示されない。その後、当り遊技ZAが終了して、パチンコ遊技機10では、特別ゲームが開始したものとする。このとき、パチンコ遊技機10では、特別当り抽選においてはずれとなり、変動パターンHP11が選択されたものとする。パチンコ遊技機10では、特別ゲームの開始後、変動パターンHP11に定められた変動時間が経過すると特別ゲームが終了し、インターバル時間の経過後に次の特別ゲームが開始したものとする。パチンコ遊技機10では、特別当り抽選において小当りZaに当選して、変動パターンHP13が選択されたものとする。パチンコ遊技機10では、特別ゲームの開始後、変動パターンHP13に定められた変動時間が経過すると特別ゲームが終了し、インターバル時間の経過後に2回目の当り遊技として当り遊技Zaが開始する。よって、
図19(c)では、初回の当り遊技ZAが終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの時間tm3は、変動パターンHP11に定められた変動時間と、変動パターンHP13に定められた変動時間と、2回分のインターバル時間と、の合計時間となる。一例として、時間tm3は、時間tm1よりも長い時間である。その後、演出表示装置12では、当り遊技Zaにおける大当り遊技Zaのエンディング時間中に特別画像NC1が表示される。
【0307】
図19(a)~(c)に示すように、2回目の当り遊技として当り遊技Zaが付与され、大当り遊技Zaのエンディング時間中に表示される特別情報は、何れも特別画像NC1である。なお、
図19(a)~(c)では、2回目の当り遊技が当り遊技Zaである場合を例示したが、2回目の当り遊技が当り遊技ZA~ZC,Zb,Zcのうち何れかであったとしても、大当り遊技のエンディング時間中に表示される特別情報は、何れも特別画像NC1である。そして、演出表示装置12では、初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの特別ゲームの実行回数、及び特別ゲームの時間に関わらず、特別情報の具体的な報知内容(文字列)、色彩、表示面積、表示位置、及び書体が同じ特別画像NC1が表示される。即ち、演出表示装置12では、初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの特別ゲームの実行回数、及び特別ゲームの時間に関わらず、特別画像NC1が同じ態様で表示される。
【0308】
このように、演出表示装置12では、初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの時間が時間tm1、時間tm2、及び時間tm3の何れであるかに関わらず、特別画像NC1が同じ態様で表示される。本実施形態において、初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの時間が最も短い時間であるtm2は、第1時間の一例である。また、本実施形態において、tm2よりも長い時間であるtm1は、第2時間の一例である。本実施形態において、tm2よりも長い時間であるtm3は、第2時間の一例である。したがって、演出表示装置12では、初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの時間が、第1時間である状況と、第2時間である状況と、で特別画像NC1の表示態様が同じになる。なお、上述したように、特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断された場合には、電力供給が開始されても、特別画像NC1は表示されない。特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合には、2回目の当り遊技において特別画像NC1が表示される。特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合には、2回目の当り遊技において表示される特別画像NC1の表示態様を異ならせてもよい。例えば、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合には、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかった場合とは異なる表示位置で特別画像NC1を表示させてもよい。例えば、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合には、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかった場合とは異なる表示面積で特別画像NC1を表示させてもよい。以上のように、特別画像NC1の表示態様は、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況における複数回の当り遊技のうち当り遊技と当り遊技との間の時間が、第1時間であるときと、第2時間であるときと、で同じになりうる。
【0309】
第2実施形態の効果について説明する。
第2実施形態は、第1実施形態における効果(1-1)~(1-8)に加えて、次の効果を有する。
【0310】
(2-1)本実施形態によれば、初回の当り遊技の種類に応じて、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでのタイミングが異なりうる。これにより、初回の当り遊技が付与された場合、付与された当り遊技の種類に応じたタイミングにおいて特別画像NC1を表示することができる。例えば、パチンコ遊技機は、付与された当り遊技の種類に応じて、遊技球の獲得期待数が異なりうるし、当り遊技の終了後における遊技状態が異なりうる。このようにパチンコ遊技機において、当り遊技の種類に関わらず、画一的なタイミングで特別画像NC1を表示したのでは、特別情報を効果的に表示できているとは言い難い。このように、本実施形態によれば、遊技の状況に応じたタイミングにてのめり込みに関する注意を喚起することができる。
【0311】
(2-2)本実施形態によれば、複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの時間が、第1時間及び第2時間の何れであっても同じ表示態様で特別画像NC1を表示することができる。これにより、初回の当り遊技が付与された後に2回目の当り遊技が付与されて複数回の当り遊技が付与されるという一連の特典が付与される状況において、同じ態様の特別画像NC1を表示させることができるから、特別画像NC1の内容を理解させ易くすることができる。よって、本実施形態によれば、のめり込みに関する注意を喚起することを適切に行うことができる。
【0312】
(2-3)本実施形態によれば、特別画像NC1は、引き続き一連の特典が付与される状況、及び、一連の特典の付与が終了する状況のうち何れかの状況において表示される。本発明によれば、一連の特典が継続するか否かの区切りのタイミングという遊技者の気分が変化することにより「のめり込み」易い状況において特別画像NC1を表示することができるから、効果的に「のめり込み」を防止することができる。
【0313】
(2-4)本実施形態によれば、特別画像NC1は、一連の特典が引き続き付与されることを特定可能なエンディング画像EEとともに表示されうる。このため、特典が付与されるという遊技者が特に「のめり込み」易い状況において特別画像NC1を表示することができるから、効果的に「のめり込み」を防止することができる。
【0314】
(2-5)本実施形態によれば、特別画像NC1は、一連の特典の付与が終了したことを特定可能なエンディング画像EEとともに表示されうる。このため、一連の特典の付与が終了したことにより、再び一連の特典が付与されることを目的として、遊技者が「のめり込み」易い状況において特別画像NC1を表示することができるから、効果的に「のめり込み」を防止することができる。
【0315】
[第3実施形態]
第3実施形態では、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、初回の当り遊技で特別画像NC1が表示されずに、複数回の当り遊技のうち最終回の当り遊技で特別画像NC1が表示される。なお、2回目の当り遊技が一連の特典の付与が終了する契機となる当り遊技Zaである場合には、2回目の当り遊技が最終回の当り遊技となり、上述した第2実施形態と同じく2回目の当り遊技で特別画像NC1が表示される。以下、具体的に説明する。
【0316】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、初回の当り遊技としての当り遊技ZAにおいて特別画像NC1を表示しないように構成される。本実施形態のパチンコ遊技機10は、初回の当り遊技としての当り遊技ZAが終了した後、一連の特典の付与が終了する契機となる当り遊技Zaが付与されたときに特別画像NC1を表示可能に構成される。例えば、パチンコ遊技機10は、初回の当り遊技としての当り遊技ZAが終了した後の次の当り遊技として当り遊技Zaが付与された場合、当該当り遊技Zaにおいて特別画像NC1を表示可能に構成される。例えば、パチンコ遊技機10は、初回の当り遊技としての当り遊技ZAが終了した後の次の当り遊技として当り遊技Zbが付与された場合、当該当り遊技Zbにおいて特別画像NC1を表示しないように構成される。その後、パチンコ遊技機10は、当り遊技Zaが付与された場合、当該当り遊技Zaにおいて特別画像NC1を表示可能に構成される。以下の説明では、通常状態中、小当りZAに当選したことに基づいて付与された当り遊技ZAが終了した後、一連の特典の付与が終了する契機となる当り遊技Zaを「最終回の当り遊技」と示す場合がある。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、複数回の当り遊技のうち最終回の当り遊技において特別画像NC1を表示可能に構成される。本実施形態において、複数回の当り遊技のうち最終回の当り遊技は、所定の当り遊技に相当する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1実施形態と同じく、通常状態中に小当りZB,ZCの何れかに当選したことに基づいて付与された大当り遊技ZB,ZCにおいて、特別情報を表示可能に構成される。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機10は、初回の当り遊技としての当り遊技ZB,ZCにおいて特別画像NC1を表示可能に構成される。
【0317】
特別情報を表示するための注意喚起処理について説明する。
まず、当り遊技中に電力供給が遮断されない場合について説明する。
副制御CPU50aは、通常状態中、小当りZAに当選したことに基づいて付与された当り遊技において、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力したとしても、特別画像NC1を表示させない。副制御CPU50aは、第1時短状態中、小当りZaに当選したことに基づいて付与された当り遊技Zaにおいて大当り最終ラウンド終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、最終回の当り遊技において、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、第1時短状態中、小当りZA,ZB,ZC,Zb,Zcの何れかに当選したことに基づいて付与された各当り遊技において大当り最終ラウンド終了コマンドを入力したとしても、特別画像NC1を表示させない。副制御CPU50aは、通常状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選したことに基づいて付与された当り遊技において、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。
【0318】
副制御CPU50aは、特別画像NC1を表示させると、のめり込み表示中フラグを副制御RAM50cに記憶させる。その後、副制御CPU50aは、大当り遊技終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を消去させるように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、特別画像NC1を消去させると、のめり込み表示中フラグを初期化(消去)する。さらに、副制御CPU50aは、特別画像NC1を消去させると、のめり込み表示完了フラグを副制御RAM50cに記憶させる。副制御CPU50aは、有利期間の終了を契機として、のめり込み表示完了フラグを初期化(消去)する。また、副制御CPU50aは、のめり込み表示中フラグが副制御RAM50cに記憶されていた場合、有利期間の終了を契機として、のめり込み表示中フラグを初期化(消去)する。副制御CPU50aは、のめり込み表示完了フラグが副制御RAM50cに記憶されている場合、当り遊技中に特別情報を表示させない。
【0319】
次に、当り遊技中に電力供給が遮断される場合について説明する。
最終回の当り遊技において特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、電力供給が開始されて最終回の当り遊技に復帰したとしても、特別画像NC1を表示しないように演出表示装置12を制御する。一方、最終回の当り遊技において特別画像NC1が表示される前に電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、電力供給が開始された後の最終回の当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。以下、詳細に説明する。
【0320】
副制御CPU50aは、初回の当り遊技としての当り遊技ZAが付与されてから最終回の当り遊技において特別画像NC1を表示するまでの間に電力供給が遮断された場合、最終回の当り遊技において大当り最終ラウンド終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、最終回の当り遊技において、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力したときにのめり込み表示中フラグが副制御RAM50cに記憶されていなかった場合、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御する。この場合に、副制御CPU50aは、のめり込み表示中フラグを副制御RAM50cに記憶させる。その後、副制御CPU50aは、電力供給が遮断されないまま、大当り遊技終了コマンドを入力すると、特別画像NC1を非表示とし、のめり込み表示中フラグを消去し、かつ、のめり込み表示完了フラグを副制御RAM50cに記憶させる。
【0321】
副制御CPU50aは、最終回の当り遊技において特別画像NC1を表示しているときに電力供給が遮断された場合、電力供給が開始した後に復帰した最終回の当り遊技において特別画像NC1を表示しないように演出表示装置12を制御する。この場合、副制御RAM50cにおいて、のめり込み表示中フラグが維持され、かつ、のめり込み表示完了フラグが記憶されない。そして、副制御CPU50aは、最終回の当り遊技の終了後に付与された当り遊技において特別画像NC2を表示するように演出表示装置12を制御する場合がある。副制御CPU50aは、上述した第1実施形態における「次回以降当り遊技において第2特別報知を実行させるための制御」を実行することによって、のめり込み表示中フラグが消去され、かつ、のめり込み表示完了フラグが記憶されるまで、当り遊技ごとに特別画像NC2を表示するように演出表示装置12を制御する。ただし、副制御CPU50aは、有利期間の終了を契機として、のめり込み表示中フラグ及びのめり込み表示完了フラグを初期化(消去)するから、有利期間が終了すると「次回以降当り遊技において第2特別報知を実行させるための制御」を実行しない。つまり、副制御CPU50aは、有利期間であるとき(有利期間内)において「次回以降当り遊技において第2特別報知を実行させるための制御」を実行可能である。一方、副制御CPU50aは、有利期間外ではないとき(有利期間外)において「次回以降当り遊技において第2特別報知を実行させるための制御」を実行しない。
【0322】
ここで、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかったときには、最終回の大当りとしての大当り遊技Zaのエンディング時間中、セット獲得数演出として第1球数画像MG4が演出表示装置12に表示される。特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときには、大当り遊技Zaのエンディング時間中、セット獲得数演出として復電球数画像MG17が演出表示装置12に表示される。このように、演出表示装置12は、最終回の当り遊技においてセット獲得数演出を実行可能である。
【0323】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、上述した第1実施形態及び第2実施形態と同様に、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかったときと、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときとでは、特別情報の表示態様が同じとなる。一方、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかったときと、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときとでは、セット獲得数演出の態様が異なる。即ち、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されなかった場合と、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合とでは、最終回の当り遊技における、特別情報の表示態様が同じであり、かつセット獲得数演出の態様が異なる。
【0324】
このように、本実施形態では、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、当該複数回の当り遊技のうち最終回の当り遊技において特別画像NC1を表示可能である。そして、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC1を表示可能である。初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC1を表示しない。そして、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC2を表示しうる。よって、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときと、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときとでは、電力供給の開始後における特別情報の表示態様が異なりうる。なお、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときと、特別画像NC1の表示後に電力供給が遮断されたときとでは、電力供給の開始後におけるセット獲得数演出の態様が同じとなる。
【0325】
また、第2実施形態と同様に、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでのタイミングは、遊技者の操作に応じて変わりうるものの、初回の当り遊技が当り遊技ZAであるときのほうが、初回の当り遊技が当り遊技ZBであるときよりも長くなり易い。初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでのタイミングは、遊技者の操作に応じて変わりうるものの、初回の当り遊技が当り遊技ZAであるときのほうが、初回の当り遊技が当り遊技ZCであるときよりも長くなり易い。このように、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでのタイミングは、当該初回の当り遊技の種類が、当り遊技ZAであるときと、当り遊技ZBであるときと、で異なりうる。初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでのタイミングは、当該初回の当り遊技の種類が、当り遊技ZAであるときと、当り遊技ZCであるときと、で異なりうる。
【0326】
第3実施形態の効果について説明する。
第3実施形態は、第1実施形態における効果(1-1)~(1-8)、第2実施形態における効果(2-1)及び(2-2)に加えて、次の効果を有する。
【0327】
(3-1)本実施形態によれば、一連の特典の付与が終了したことにより、再び一連の特典が付与されることを目的として、遊技者が特に「のめり込み」易い状況において特別画像NC1を表示することができるから、効果的に「のめり込み」を防止することができる。
【0328】
(3-2)本実施形態によれば、特別画像NC1は、一連の特典の付与が終了したことを特定可能なエンディング画像EEとともに表示される。このため、一連の特典の付与が終了したことにより、再び一連の特典が付与されることを目的として、遊技者が「のめり込み」易い状況において特別画像NC1を表示することができるから、効果的に「のめり込み」を防止することができる。
【0329】
[第4実施形態]
第4実施形態では、当り遊技において表示される特別情報が、初回の当り遊技が付与されるときにおける状況に応じた態様で表示される。
【0330】
具体的に、本実施形態のパチンコ遊技機10では、待機状態中に特別画像NC1が表示された後に、所定回数(一例として2回)の特別ゲームが終了する前に当り遊技が付与された場合、当り遊技における特別情報として、特別画像NC1とは異なる特別画像NC3が表示される。一例として、特別画像NC3は、「のめり込み注意!適度に楽しもう。」という文字列を模した画像である。一方、本実施形態のパチンコ遊技機10では、待機状態中に特別画像NC1が表示された後に、所定回数の特別ゲームが終了した後に当り遊技が付与された場合、当り遊技における特別情報として、特別画像NC1が表示される。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、待機状態中に特別画像NC1が表示された後に、所定回数未満(一例として1回)の特別ゲームが終了して当り遊技が付与された場合、当り遊技における特別情報として、特別画像NC3が表示される。
【0331】
副制御CPU50aは、待機状態において特別画像NC1を表示させた場合、待機状態において特別画像NC1を表示させたことを特定可能な情報(以下、待機中表示フラグと示す)を副制御RAM50cに記憶させる。副制御CPU50aは、待機中表示フラグを副制御RAM50cに記憶させた後において実行された特別ゲームの回数を計数する。一例として、副制御CPU50aは、待機中表示フラグを副制御RAM50cに記憶させた後、全図柄停止コマンドを入力した回数(以下、待機後回数と示す)を計数する。副制御CPU50aは、待機中表示フラグを副制御RAM50cに記憶させた後、待機後回数が所定回数に達すると、待機中表示フラグを初期化(消去)する。
【0332】
副制御CPU50aは、特別画像NC1を表示させうる大当り遊技において、大当り最終ラウンド終了コマンドを入力したとき、待機中表示フラグが副制御RAM50cに記憶されているか否かを判定する。待機中表示フラグが副制御RAM50cに記憶されている場合、副制御CPU50aは、特別画像NC1に代えて特別画像NC3を表示させる。一方、待機中表示フラグが副制御RAM50cに記憶されていない場合、副制御CPU50aは、特別画像NC1を表示させる。
【0333】
通常状態において待機状態となり、その後、小当りZAに当選したことに基づいて初回の当り遊技として当り遊技ZAが付与された場合における特別情報の表示態様について説明する。ここでは、所定回数の一例として「2回」を定めたものとする。
【0334】
一例として、パチンコ遊技機10は、第1実施形態に適用して初回の当り遊技としての当り遊技ZAにおいて特別画像NC1を表示可能に構成される。これに限らず、パチンコ遊技機10は、第2実施形態に適用して2回目の当り遊技において特別画像NC1を表示可能に構成されてもよい。パチンコ遊技機10は、第3実施形態に適用して最終回の当り遊技において特別画像NC1を表示可能に構成されてもよい。
【0335】
図20(a)に示すように、演出表示装置12では、通常状態中、待機状態であるときに特別画像NC1が表示されたものとする。その後、パチンコ遊技機10では、特別ゲームが開始したことにより待機状態が終了したものとする。そして、パチンコ遊技機10では、待機状態が終了してから2回目の特別ゲームにおいて小当りZAに当選して当り遊技ZAが付与されたものとする。即ち、パチンコ遊技機10では、待機状態が終了してから所定回数以上の特別ゲームが実行された後に初回の当り遊技が付与されたものとする。この場合、演出表示装置12では、付与された当り遊技ZAにおける大当り遊技ZAのエンディング時間中に特別画像NC1が表示される。
【0336】
図20(b)に示すように、演出表示装置12では、通常状態中、待機状態であるときに特別画像NC1が表示されたものとする。その後、パチンコ遊技機10では、特別ゲームが開始したことにより待機状態が終了したものとする。そして、パチンコ遊技機10では、待機状態が終了してから1回目の特別ゲームにおいて小当りZAに当選して当り遊技ZAが付与されたものとする。即ち、パチンコ遊技機10では、待機状態が終了してから所定回数以上の特別ゲームが実行される前に初回の当り遊技が付与されたものとする。この場合、演出表示装置12では、付与された当り遊技ZAにおける大当り遊技ZAのエンディング時間中に特別画像NC3が表示される。
【0337】
図20(a)及び(b)に示すように、特別画像NC1と、特別画像NC3とは、特別情報としての表示態様が少なくとも一部が異なる。一例として、特別画像NC1と、特別画像NC3とは、具体的な報知内容、表示面積、及び表示位置が異なる。これに限らず、特別画像NC1と、特別画像NC3とは、特別情報の色彩、及び書体が異なってもよい。特別画像NC1と、特別画像NC3とは、特別情報の具体的な報知内容、色彩、表示面積、表示位置、及び書体のうち、任意に選択できる一部又は全部が異なっていてもよい。
【0338】
特別画像NC1の報知内容は、特別画像NC3の報知内容よりも文字量(情報量)が多い。特別画像NC1の表示面積は、特別画像NC3の表示面積よりも広い。このため、特別画像NC1は、特別画像NC3よりも、遊技者に対する訴求力があるといえる。よって、特別画像NC1は、特別画像NC3よりも、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として報知する強度が大きい(強い)といえる。
【0339】
以上のように、演出表示装置12では、当り遊技が付与されていないときにも特別情報を表示可能である。そして、当り遊技が付与されていないときに特別情報が表示されている状況において、特別ゲームが開始し、当該特別ゲームの終了後に当り遊技が付与された場合に、当り遊技において表示される特別情報と、当り遊技が付与されていないときに表示されていた特別情報とは少なくとも一部が異なりうる。
【0340】
第4実施形態の効果について説明する。
第4実施形態は、第1実施形態における効果(1-1)~(1-10)、第2実施形態における効果(2-1)~(2-6)、第3実施形態における効果(3-1)及び(3-2)に加えて、次の効果を有する。
【0341】
(4-1)本実施形態によれば、比較的に短い期間の中で2回の特別情報が表示される場合がある。このため、のめり込みに関する注意が喚起されることに対して慣れが生じてしまい「のめり込み」を防止するという効果が減少することが考えられる。そのような状況において、本実施形態によれば、2回の特別情報について、少なくとも一部が異なるようにした。これにより、のめり込みに関する注意が喚起されることに対する慣れを抑制し、効果的に「のめり込み」を防止することができる。
【0342】
(4-2)本実施形態によれば、「のめり込み」を防止するための対策として、特別情報を表示できる。しかしながら、特別情報が比較的に短い期間の中で複数回表示されてしまうと、遊技者は、遊技を行うことに対する意欲を低下させてしまう虞がある。本実施形態によれば、比較的に短い期間の中で2回の特別情報が表示されるときにおいて、2回目の特別情報の報知強度を、1回目の特別情報の報知強度よりも小さく(弱く)した。これにより、過度な特別情報の報知が行われないようにすることで、遊技を行うことに対する意欲が低下してしまうことを抑制しつつ、のめり込みに関する注意を喚起することができる。
【0343】
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0344】
・副制御CPU50aは、通常状態中、初回の当り遊技として当り遊技ZAが付与された場合、一連の特典の付与が終了する契機となる当り遊技Za(最終回の当り遊技)の終了を契機として、のめり込み表示完了フラグを初期化(消去)してもよい。また、副制御CPU50aは、のめり込み表示中フラグが副制御RAM50cに記憶されていた場合、最終回の当り遊技の終了を契機として、のめり込み表示中フラグを初期化(消去)してもよい。つまり、副制御CPU50aは、第1時短状態中、小当りZaに当選したことに基づいて付与された当り遊技Zaにおいて大当り遊技終了コマンドを入力すると、のめり込み表示完了フラグ及びのめり込み表示中フラグを初期化(消去)してもよい。これにより、パチンコ遊技機10では、最終回の当り遊技が終了して第2時短状態に制御された後、次に付与された当り遊技において特別画像NC1が表示されうる。つまり、パチンコ遊技機10では、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況が終了した後、当り遊技が付与されると、再び、特別画像NC1が表示されうる。
【0345】
・上記変更例において、副制御CPU50aは、第2時短状態中、小当り遊技ZA,Za,Zbのうち何れかに当選したことに基づいて付与された当り遊技を初回の当り遊技として、各実施形態における所定の当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。例えば、第1実施形態において、通常状態中に付与された当り遊技ZAにおいて特別画像NC1を表示する制御を、第2時短状態中に付与された当り遊技ZA,Za,Zbの何れかにおいて特別画像NC1を表示する制御に適用してもよい。例えば、第2実施形態において、通常状態中に付与された当り遊技ZAの次に付与された当り遊技において特別画像NC1を表示する制御を、第2時短状態中に付与された当り遊技ZA,Za,Zbの何れかの次に付与された当り遊技において特別画像NC1を表示する制御に適用してもよい。例えば、第3実施形態において、通常状態中に付与された当り遊技ZAの後に付与された当り遊技Zaにおいて特別画像NC1を表示する制御を、第2時短状態中に付与された当り遊技ZA,Za,Zbの何れかの後に付与された当り遊技Zaにおいて特別画像NC1を表示する制御に適用してもよい。副制御CPU50aは、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでの間に電力供給が遮断されたとしても、所定の当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。副制御CPU50aは、特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断された場合、電力供給が開始して復帰した所定の当り遊技において特別画像NC1を表示しないように演出表示装置12を制御してもよい。そして、副制御CPU50aは、所定の当り遊技の次に付与された当り遊技において特別画像NC2を表示しうるように演出表示装置12を制御してもよい。副制御CPU50aは、第2時短状態中、小当り遊技Zcに当選したことに基づいて付与された当り遊技を初回の当り遊技として、当該初回の当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。このように、パチンコ遊技機10は、通常状態中に当り遊技が付与されて有利期間となった後に、当該有利期間において初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況を生起可能であって、当該複数回の当り遊技のうち所定の当り遊技において特別画像NC1を表示可能であってもよい。
【0346】
・副制御CPU50aは、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでの間において電力供給が遮断された場合、電力供給が停止したタイミングに応じて、特別画像NC1を表示させるタイミングを異ならせてもよい。一例として、電力供給が停止したタイミングは、初回の当り遊技が開始してから特別画像NC1が表示されるまでの間における各小当り遊技のオープニング時間中、ラウンド遊技中、エンディング時間中、各特別ゲームの実行中、各大当り遊技のオープニング時間中、ラウンド遊技中、エンディング時中で区切ることができる。
【0347】
例えば、第1実施形態において、初回の当り遊技としての当り遊技ZAのうち小当り遊技ZA中に電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、大当り遊技ZAにおいて特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。一方、初回の当り遊技としての当り遊技ZAのうち大当り遊技ZA中の特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、大当り遊技ZAにおいて特別画像NC1を表示させず、初回の当り遊技の次に付与される当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。
【0348】
例えば、第2実施形態において、初回の当り遊技が開始してから2回目の当り遊技が開始するまでの間に電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、2回目の当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。一方、2回目の当り遊技中の特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、2回目の当り遊技において特別画像NC1を表示せず、2回目の当り遊技の次に付与される当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。
【0349】
例えば、第3実施形態において、初回の当り遊技が開始してから最終回の当り遊技が開始するまでの間に電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、最終回の当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。一方、最終回の当り遊技中の特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、最終回の当り遊技において特別画像NC1を表示せず、最終回の当り遊技の次に付与される当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。このように、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に特別画像NC1を表示可能であるとよい。
【0350】
・特別報知は、大当り遊技のエンディング時間中に代えて、又は加えて、大当り遊技のオープニング時間中に実行してもよい。特別報知は、大当り遊技のエンディング時間中に代えて、又は加えて、大当り遊技のラウンド遊技中に実行してもよい。特別報知は、大当り遊技のオープニング時間中に実行する場合、オープニング時間のうち一部又は全部で実行してもよい。特別報知は、大当り遊技のラウンド遊技中に実行する場合、ラウンド遊技のうち一部又は全部で実行してもよい。特別報知は、大当り遊技のエンディング時間中に実行する場合、エンディング時間のうち一部又は全部で実行してもよい。
【0351】
・特別報知は、小当り遊技において実行してもよい。特別報知は、小当り遊技のオープニング時間中に実行する場合、オープニング時間のうち一部又は全部で実行してもよい。特別報知は、小当り遊技のラウンド遊技中に実行する場合、ラウンド遊技のうち一部又は全部で実行してもよい。特別報知は、小当り遊技のエンディング時間中に実行する場合、エンディング時間のうち一部又は全部で実行してもよい。
【0352】
・第2実施形態及び第3実施形態において、副制御CPU50aは、通常状態中、初回の当り遊技として当り遊技ZBが付与された場合、初回の当り遊技において特別画像NC1を表示しないように演出表示装置12を制御してもよい。例えば、副制御CPU50aは、初回の当り遊技としての当り遊技ZBが終了した後、次に付与される当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。例えば、副制御CPU50aは、初回の当り遊技としての当り遊技ZBが終了した後、有利期間が終了する契機となる当り遊技において特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。即ち、第2時短状態中、小当りZcに当選したことに基づいて付与される当り遊技Zcにおいて、特別画像NC1を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。
【0353】
・副制御CPU50aは、第2時短状態中、当り遊技が付与され、当該当り遊技において大当り最終ラウンド終了コマンドを入力したときに、のめり込み表示中フラグが副制御RAM50cに記憶されていた場合、特別画像NC2を表示させないように演出表示装置12を制御してもよい。副制御CPU50aは、第2時短状態中、当り遊技が付与されたとしても、特別情報を表示しないように演出表示装置12を制御してもよい。
【0354】
・第4実施形態において、待機状態中に特別画像NC1が表示された後に、所定回数として2回の特別ゲームが実行される前に当り遊技が付与された場合、当り遊技における特別情報として、特別画像NC1とは異なる特別画像NC3が表示されるが、所定回数は2回であることに限らない。所定回数は、3回以上であってもよい。
【0355】
・特別画像NC1が表示されているときに電力供給が遮断された場合、電力供給が開始して復帰した所定の当り遊技において特別画像NC1を表示せずに、特別画像NC2を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。その後、副制御CPU50aは、電力供給が遮断されないまま、大当り遊技終了コマンドを入力すると、特別画像NC2を非表示とし、のめり込み表示中フラグを消去し、かつ、のめり込み表示完了フラグを副制御RAM50cに記憶させてもよい。
【0356】
・第2特別報知が実行されることによって表示される特別画像NC2は、のめり込みに関する注意を喚起するための情報に代えて、又は加えて、電力供給の開始後における遊技状況に関する情報であってもよい。電力供給の開始後における遊技状況に関する情報は、電力供給が遮断されたことを特定可能な画像であってもよい。電力供給の開始後における遊技状況に関する情報は、電力供給が開始したことを特定可能な画像であってもよい。電力供給の開始後における遊技状況に関する情報は、電力供給の開始後におけるパチンコ遊技機10の状態を特定可能な画像であってもよい。例えば、パチンコ遊技機10の状態を特定可能な画像は、通常状態、第1時短状態、及び第2時短状態のうち何れに制御されているかを特定可能な画像を含んでもよい。例えば、パチンコ遊技機10の状態を特定可能な画像は、当り遊技中であるか否かを特定可能な画像を含んでもよい。特別画像NC2は、電力供給が遮断された後に電力供給が開始したときにだけ表示可能な専用の画像であってもよい。
【0357】
・特別画像NC2と、特別画像NC3とは、特別情報としての表示態様が同じであってもよい。この場合、特別画像NC2及び特別画像NC3は、特別画像NC1よりも、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として報知する強度が小さくてもよい。特別情報の表示態様は、複数の要素として、具体的な報知内容(文字列)、色彩、表示面積、表示位置、及び書体を含むことに限定されない。特別情報の表示態様は、表示される特別情報の数が含まれてもよい。特別情報の表示態様は、特別情報が表示される時間の長さが含まれてもよい。特別画像NC2と、特別画像NC3とは、特別情報としての表示態様が少なくとも一部が異なってもよい。一例として、特別画像NC2と、特別画像NC3とは、具体的な報知内容、表示面積、及び表示位置が異なってもよい。これに限らず、特別画像NC2と、特別画像NC3とは、特別情報としての表示態様のうち、任意に選択できる一部又は全部が異なっていてもよい。例えば、特別画像NC2の報知内容は、特別画像NC3の報知内容よりも文字量(情報量)が多くてもよい。特別画像NC2の表示面積は、特別画像NC3の表示面積よりも広くてもよい。つまり、特別画像NC2は、特別画像NC3よりも、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として報知する強度が大きくてもよい。例えば、特別画像NC3の報知内容は、特別画像NC2の報知内容よりも文字量(情報量)が多くてもよい。特別画像NC3の表示面積は、特別画像NC2の表示面積よりも広くてもよい。つまり、特別画像NC3は、特別画像NC2よりも、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として報知する強度が大きくてもよい。特別画像NC1と、特別画像NC2とは、特別情報としての表示態様のうち、任意に選択できる一部又は全部が異なっていてもよい。例えば、特別画像NC1と、特別画像NC2とは、特別情報としての色彩及び書体が同じであってもよい。これにより、のめり込みに関する注意を喚起するための情報であることを認識させ易くすることができる。また、特別画像NC1と、特別画像NC3とは、特別情報としての表示態様のうち、任意に選択できる一部又は全部が異なっていてもよい。例えば、特別画像NC1と、特別画像NC3とは、特別情報としての色彩及び書体が同じであってもよい。これにより、のめり込みに関する注意を喚起するための情報であることを認識させ易くすることができる。
【0358】
・初回の当り遊技として当り遊技ZAが付与された場合と、初回の当り遊技として当り遊技ZB,ZCのうち何れかが付与された場合と、で特別画像NC1を表示させるタイミングを異ならせてもよい。例えば、初回の当り遊技として当り遊技ZAが付与された場合には、所定の当り遊技における大当り遊技のオープニング時間中に特別画像NC1が表示される一方、初回の当り遊技として当り遊技ZB,ZCのうち何れかが付与された場合には、大当り遊技のエンディング時間中に特別画像NC1が表示されるようにしてもよい。
【0359】
・第2実施形態及び第3実施形態において、演出表示装置12では、初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの時間が時間tm1、時間tm2、及び時間tm3の何れであるかによって、特別画像NC1が異なる態様で表示されてもよい。つまり、演出表示装置12では、初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの時間が、第1時間である状況と、第2時間である状況と、で特別画像NC1の表示態様を異ならせてもよい。このように、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる状況において、特別画像NC1の表示態様は、複数回の当り遊技のうち初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの時間が、第1時間である状況と、第2時間である状況と、で異ならせてもよい。
【0360】
・副制御基板50は、リアルタイムクロック(RTC)を備えてもよい。RTCは、予備電源(蓄電池など)から供給される電力によって、電力供給がされているか否かに関係なく現在時刻を継続的に計時し、その時々における日付(年,月,日)及び時刻(時,分,秒)を特定可能なRTC情報を生成できる。副制御CPU50aは、電力供給が遮断されたとき、その時点においてRTCが生成しているRTC情報を取得し、当該RTC情報を電断時RTC情報として副制御RAM50cに記憶させてもよい。副制御CPU50aは、電力供給が開始されたとき、その時点においてRTCが生成しているRTC情報を取得し、当該RTC情報を投入時RTC情報として副制御RAM50cに記憶させてもよい。これにより、副制御CPU50aは、電力供給が遮断されてから電力供給が開始するまでの時間を特定してもよい。第2実施形態及び第3実施形態において、初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの間に電力供給が遮断された場合、電力供給が遮断されてから電力供給が開始されるまでに時間に関わらず、特別画像NC1が同じ態様で表示されてもよい。第2実施形態及び第3実施形態において、初回の当り遊技が終了してから2回目の当り遊技が開始するまでの間に電力供給が遮断された場合、電力供給が遮断されてから電力供給が開始されるまでに時間によって、特別画像NC1が異なる態様で表示されてもよい。
【0361】
・パチンコ遊技機10は、所定のエラーを検知可能であってもよい。所定のエラーは、主制御基板40により検知可能であってもよく、副制御基板50により検知可能であってもよい。所定のエラーには、第1種エラーと、第2種エラーと、がある。第1種エラーは、遊技の結果に影響を与え易い又は与えうる事象が発生したときに検知されるエラーである。第2種エラーは、遊技の結果に影響を与え難い又は与えない事象が発生したときに検知されるエラーである。一例として、第1種エラーは、磁気エラー、及び電波エラーである。一例として、第2種エラーは、扉解放エラーである。第1種エラー及び第2種エラーのうち何れが検知された場合であっても、副制御CPU50aは、検知されたエラーを特定可能なエラー報知を実行するように演出装置群を制御してもよい。特別報知が実行されているときに第1種エラーが検知された場合、副制御CPU50aは、特別報知を終了させ、第1種エラーに関するエラー報知を実行するように演出装置群を制御してもよい。特別報知が実行されているときに第2種エラーが検知された場合、副制御CPU50aは、特別報知を終了させず、第2種エラーに関するエラー報知を実行するように演出装置群を制御してもよい。
【0362】
・副制御CPU50aは、通常状態において待機状態となった場合に特別情報を表示するように演出表示装置12を制御する一方、第1時短状態において待機状態となった場合に特別情報を表示しないように演出表示装置12を制御してもよい。副制御CPU50aは、第2時短状態において待機状態となった場合に特別情報を表示しないように演出表示装置12を制御してもよい。副制御CPU50aは、通常状態において待機状態とする制御を実行する一方、第1時短状態において待機状態とする制御を実行しなくてもよい。副制御CPU50aは、第2時短状態において待機状態とする制御を実行しなくてもよい。このように、副制御CPU50aは、通常状態において当り遊技が付与されていないときに特別情報が表示されうるようにしてもよい。副制御CPU50aは、第1時短状態において当り遊技が付与されていないときに特別情報が表示され得ないようにしてもよい。副制御CPU50aは、第2時短状態において当り遊技が付与されていないときに特別情報が表示され得ないようにしてもよい。
【0363】
・所定の当り遊技において特別画像NC1が表示され、当該所定の当り遊技が終了した後に特別ゲームが実行されずに待機状態となった場合、副制御CPU50aは、待機状態において、特別画像NC1に代えて特別画像NC3を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。
【0364】
・特別情報が表示された当り遊技が終了した後に特別ゲームが実行されずに待機状態となった場合、副制御CPU50aは、待機状態において特別情報が表示されないように演出表示装置12を制御してもよい。一方、特別情報が表示されなかった当り遊技が終了した後に特別ゲームが実行されずに待機状態となった場合、副制御CPU50aは、待機状態において特別情報が表示されるように演出表示装置12を制御してもよい。
【0365】
・特別情報が表示された当り遊技が終了した後に特別ゲームが実行されずに待機状態となった場合、及び、特別情報が表示されなかった当り遊技が終了した後に特別ゲームが実行されずに待機状態となった場合の何れにおいても、副制御CPU50aは、待機状態において特別情報が表示されるように演出表示装置12を制御してもよい。
【0366】
・待機状態であるとき、副制御CPU50aは、常に特別情報を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。つまり、副制御CPU50aは、待機状態であるときの全部の期間において、特別情報を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。そして、副制御CPU50aは、デモ演出の実行によって表示される画像に応じて、特別情報の表示態様を異ならせてもよい。一例として、副制御CPU50aは、デモ演出の実行によって表示される画像に応じて、特別情報の表示面積及び表示位置を異ならせてもよい。
【0367】
・パチンコ遊技機10は、待機状態であるとき、演出表示装置12において、特別情報に加えて、特別情報とは異なる情報を表示してもよい。例えば、特別情報とは異なる情報には、ゴト行為に関する注意を喚起するための情報と、遊技機をたたくことに関する注意を喚起するための情報と、車内放置に関する注意を喚起するための情報と、18歳未満で遊技を行うことに関する注意を喚起するための情報と、悪質な攻略法の販売に関する注意を喚起するための情報と、があってもよい。副制御CPU50aは、これらの情報のうちの1つの情報について、他の情報よりも表示面積を広くさせてもよい。そして、副制御CPU50aは、所定時間が経過するごとに、表示面積を広くさせる情報が変わるようにしてもよい。これにより、待機状態であるときに表示可能な特別情報は、演出表示装置12において表示される面積が変化しうる。よって、待機状態であるときに表示可能な特別情報は、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として報知する強度が変化しうる。
【0368】
・副制御CPU50aは、当り遊技中に特別情報を表示させる場合、ICカードやICコインを一例とする記憶媒体の返却に関する注意喚起と同時に実行させるように演出表示装置12を制御してもよい。副制御CPU50aは、当り遊技中に特別情報を表示させる場合、右打ちを促す報知を同時に実行させるように演出表示装置12を制御してもよい。
【0369】
・パチンコ遊技機10は、スピーカSPの音量を調整可能に構成されてもよい。パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAの光量を調整可能に構成されてもよい。副制御CPU50aは、遊技者が操作可能な操作手段(一例として、十字キー)が操作されることにより、音量を変更するようにスピーカSPを制御してもよい。副制御CPU50aは、遊技者が操作可能な操作手段が操作されることにより、光量を変更するように装飾ランプLAを制御してもよい。パチンコ遊技機10は、特別情報が表示されているときに、音量及び光量を調整可能に構成されてもよい。パチンコ遊技機10は、特別情報が表示されているときに、現在の音量を特定可能な画像(以下、音量画像と示す)を表示可能に構成されてもよい。パチンコ遊技機10は、特別情報が表示されているときに、現在の光量を特定可能な画像(以下、光量画像と示す)を表示可能に構成されてもよい。副制御CPU50aは、特別情報が表示されているときに表示される音量画像の表示態様と、特別情報が表示されていないときに表示される音量画像の表示態様と、が異なるように演出表示装置12を制御してもよい。副制御CPU50aは、特別情報が表示されているときに表示される光量画像の表示態様と、特別情報が表示されていないときに表示される光量画像の表示態様と、が異なるように演出表示装置12を制御してもよい。パチンコ遊技機10は、特別情報が表示されているときに、音量画像が表示されないように構成されてもよい。一方、パチンコ遊技機10は、特別情報が表示されていないときに、音量画像を表示可能に構成されてもよい。パチンコ遊技機10は、特別情報が表示されているときに、光量画像が表示されないように構成されてもよい。一方、パチンコ遊技機10は、特別情報が表示されていないときに、光量画像を表示可能に構成されてもよい。
【0370】
・第2小当り終了条件が成立した場合、時短状態は、第2小当り終了条件が成立した特別ゲームの終了後に付与される小当り遊技が開始した後、予め定められた所定の終了タイミングにて終了するようにしてもよい。例えば、終了タイミングは、オープニング時間の経過時であってもよい。終了タイミングは、ラウンド遊技が開始する前であってもよく、ラウンド遊技の開始後かつ終了前であってもよい。これにより、パチンコ遊技機10では、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するとき、小当り遊技の少なくとも一部の期間において通常状態に制御される。なお、特定領域29に遊技球を通過させ易くする観点から、上記実施形態のように構成することが好ましい。
【0371】
・特別小当り演出は、小当り遊技のオープニング時間中、ラウンド遊技中、及びエンディング時間中のうち一部で実行されてもよいし、全部で実行されてもよい。例えば、特別小当り演出は、オープニング時間中、及びラウンド遊技中に実行される一方、エンディング時間中に実行されなくてもよい。例えば、特別小当り演出は、ラウンド遊技中に実行される一方、オープニング時間中、及びエンディング時間中に実行されなくてもよい。例えば、特別小当り演出は、ラウンド遊技中、及びエンディング時間中に実行される一方、オープニング時間中に実行されなくてもよい。
【0372】
・特別大当り演出は、大当り遊技のオープニング時間中、ラウンド遊技中、及びエンディング時間中のうち一部で実行されてもよいし、全部で実行されてもよい。例えば、特別大当り演出は、オープニング時間中、及びラウンド遊技中に実行される一方、エンディング時間中に実行されなくてもよい。例えば、特別大当り演出は、ラウンド遊技中に実行される一方、オープニング時間中、及びエンディング時間中に実行されなくてもよい。例えば、特別大当り演出は、ラウンド遊技中、及びエンディング時間中に実行される一方、オープニング時間中に実行されなくてもよい。
【0373】
・セット獲得数演出は、突入チャレンジ演出の一部として実行される場合があってもよい。例えば、セット獲得数演出は、通常状態中に小当りZAに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される突入チャレンジ演出の一部として実行されてもよい。一方、セット獲得数演出は、通常状態中に小当りZBに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行されなくてもよい。また、セット獲得数演出は、通常状態中に小当りZCに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行されなくてもよい。
【0374】
・セット獲得数演出及び総獲得数演出では、第2大入賞口20以外の入賞口への遊技球の入球を契機として獲得した賞球の数を含む数が獲得した賞球の数として示されるようにしてもよい。セット獲得数演出及び総獲得数演出では、それぞれ定められた期間内において、第2大入賞口20に加えて、第1始動入賞口14、第2始動入賞口15、第1大入賞口18、及び一般入賞口22の一部又は全部の入賞口について、各入賞口への遊技球の入球を契機として獲得した賞球の数の合計が示されるようにしてもよい。
【0375】
・小当り遊技の実行中、電力供給が遮断され、その後、電力供給が再開されて小当り遊技が再開した場合、演出表示装置12では、小当り遊技演出が再開されなくてもよい。この場合、演出表示装置12では、小当り遊技演出が実行されずに、電力供給が再開されたときにのみ実行可能な復電時専用の演出が実行されるようにしてもよい。
【0376】
・大当り遊技の実行中、電力供給が遮断され、その後、電力供給が再開されて小当り遊技が再開した場合、演出表示装置12では、大当り遊技演出が再開されなくてもよい。この場合、演出表示装置12では、大当り遊技演出が実行されずに、電力供給が再開されたときにのみ実行可能な復電時専用の演出が実行されるようにしてもよい。
【0377】
・復電球数画像MG17は、第1球数画像MG4と同じ形状の「獲得球数〇〇〇〇球」という文字列を模した画像であってもよい。この場合、復電球数画像MG17は、第1球数画像MG4とは異なる色彩で表示されるようにしてもよい。復電球数画像MG17は、第1球数画像MG4と異なる形状の「獲得球数〇〇〇〇球」という文字列を模した画像であってもよい。つまり、復電球数画像MG17は、第1球数画像MG4と同じ文字を認識可能な画像であってもよい。第1球数カウンタの値、及び第2球数カウンタの値は、バックアップの対象となる演出情報に含まれていてもよい。
【0378】
・時短状態の終了条件は、ゲーム終了条件を含まなくてもよい。即ち、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの合計回数が規定ゲーム回数に達することを契機として、特別ゲーム終了時に時短状態を終了させる制御を実行しなくてもよい。
【0379】
・残ゲーム回数の初期値としてセットする第1回数は、250回であることに限らず、251回以上であってもよく、249回以下であってもよい。第1回数は、第2時短状態に制御する場合に小当り残回数の初期値としてセットする第3回数、及び第1時短状態に制御する場合に第2小当り残回数の初期値としてセットする第4回数よりも多い回数であり、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が成立する前にゲーム終了条件が成立し得ない、又は実質的に成立し得ない回数であるとよい。
【0380】
・第1時短状態に制御する場合に第2小当り残回数の初期値としてセットする第4回数は、2以上であってもよい。
・第1時短状態に制御する場合に第1小当り残回数の初期値としてセットする第2回数は、250回であることに限らず、251回以上であってもよく、249回以下であってもよい。第2回数は、第1時短状態に制御する場合に第2小当り残回数の初期値としてセットする第4回数よりも多い回数であり、第2小当り終了条件が成立する前に第1小当り終了条件が成立し得ない、又は実質的に成立し得ない回数であるとよい。
【0381】
・第2時短状態に制御する場合に第1小当り残回数の初期値としてセットする第3回数は、2以上であってもよい。
・第2時短状態に制御する場合に第2小当り残回数の初期値としてセットする第5回数は、250回であることに限らず、251回以上であってもよく、249回以下であってもよい。第5回数は、第2時短状態に制御する場合に第1小当り残回数の初期値としてセットする第3回数よりも多い回数であり、第1小当り終了条件が成立する前に第2小当り終了条件が成立し得ない、又は実質的に成立し得ない回数であるとよい。
【0382】
・第1種類の小当りに含まれる小当りは、適宜変更してもよい。第1種類の小当りに含まれる小当りは、第1時短状態及び第2時短状態の何れであるかに応じて、異ならせてもよい。例えば、第1時短状態における第1種類の小当りは、小当りZA,Za,Zbであってもよい。第2時短状態における第1種類の小当りは、小当りZA,Za,Zb,Zcであってもよい。第2種類の小当りに含まれる小当りは、適宜変更してもよい。第2種類の小当りに含まれる小当りは、第1時短状態及び第2時短状態の何れであるかに応じて、異ならせてもよい。例えば、第1時短状態における第2種類の小当りは、小当りZA,Za,Zb,Zcであってもよい。第2時短状態における第2種類の小当りは、小当りZA,Za,Zbであってもよい。
【0383】
・パチンコ遊技機10は、特別当り抽選において小当りに当選したことを契機として小当り遊技を付与し、該小当り遊技の終了後に大当り遊技を付与し得ないように構成されてもよい。この場合、当り遊技は、特別当り抽選において小当りに当選したことに基づいて付与される小当り遊技で構成される。主制御CPU41aは、特別当り抽選において小当りに当選したか否かの成否を判定できる当り判定手段として機能する。
【0384】
・パチンコ遊技機10は、特別当り抽選において大当りに当選したことを契機として大当り遊技を付与可能に構成されてもよい。即ち、パチンコ遊技機10では、特別当り抽選において大当りに当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出され、該特別ゲームの終了後に大当り遊技が付与されてもよい。この場合、当り遊技は、特別当り抽選において大当りに当選したことに基づいて付与される大当り遊技で構成される。主制御CPU41aは、特別当り抽選において大当りに当選したか否かの成否を判定できる当り判定手段として機能する。
【0385】
・上記変更例において、主制御CPU41aは、特別当り抽選において大当りに当選したことを契機として大当り遊技が付与される場合と、小当り遊技において遊技球が特定領域29を通過したことを契機として大当り遊技が付与される場合と、で大当り遊技の終了後に制御される遊技状態を異ならせてもよいし、同一としてもよい。主制御CPU41aは、特別当り抽選において大当りに当選したことを契機として大当り遊技を付与される場合には、大当りの種類と、大当り遊技の開始時の遊技状態と、の組み合わせに応じて、大当り遊技の終了後に制御される遊技状態を異ならせてもよい。これによれば、大当り遊技が付与されることに期待する遊技者に対して、特別当り抽選において大当りに当選したことを契機として大当り遊技が付与されることと、小当り遊技において遊技球が特定領域29を通過したことを契機として大当り遊技が付与されることと、の両方に期待させて遊技を楽しませることができる。
【0386】
・小当りの種類は、適宜変更してもよい。例えば、小当りZCを備えていなくてもよい。
・小当りの種類と、開始時状態と、の組み合わせに定められた遊技状態は、適宜変更してもよい。
【0387】
・第1特別図柄の小当り図柄について、特別図柄ZA、特別図柄ZB、及び特別図柄ZCに定められた比率は、適宜変更してもよい。第2特別図柄の小当り図柄について、特別図柄Za、特別図柄Zb、及び特別図柄Zcに定められた比率は、適宜変更してもよい。
【0388】
・上記各実施形態において特典は、当り遊技であったが、これに限らない。特別当り抽選において当りに当選する確率が高くなる状態(所謂、確率変動状態)に制御されることが特典であってもよく、時短状態に制御されることが特典であってもよい。また、確率変動状態で実行可能な特別ゲームの回数が付与されることが特典であってもよく、時短状態で実行可能な特別ゲームの回数が付与されることが特典であってもよい。
【0389】
・パチンコ遊技機10は、第2特別ゲームの実行を保留可能に構成されてもよい。この場合、主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2によって遊技球が検知されたことを契機として各種の乱数を取得し、該取得した乱数を特定可能な乱数情報を主制御RAM41cに記憶させることにより、予め定めた数を上限として第2特別ゲームの実行を保留するようにしてもよい。この場合、主制御CPU41aは、第1特別ゲームの保留条件と第2特別ゲームの保留条件とが成立しているときには、第1特別ゲームよりも第2特別ゲームを優先して実行させるようにしてもよいし、第2特別ゲームよりも第1特別ゲームを優先して実行させるようにしてもよい。また、主制御CPU41aは、何れの特別ゲームであるかにかかわらず保留された順序で実行させるようにしてもよい。また、主制御CPU41aは、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを並行して実行させるようにしてもよい。
【0390】
・特別当り抽選において小当りに当選する確率は、適宜変更してもよい。例えば、第2特別当り抽選において小当りに当選する確率は、1/1でなくてもよい。即ち、第2特別当り抽選において小当りに当選しない場合があってもよい。
【0391】
・普通開閉片16の閉鎖状態は、開放状態よりも第2始動入賞口15に遊技球が入球し難い状態であればよく、第2始動入賞口15に遊技球が入球不能な状態でなくてもよい。第1特別開閉片19の閉鎖状態は、開放状態よりも第1大入賞口18に遊技球が入球し難い状態であればよく、第1大入賞口18に遊技球が入球不能な状態でなくてもよい。第2特別開閉片21の閉鎖状態は、開放状態よりも第2大入賞口20に遊技球が入球し難い状態であればよく、第2大入賞口20に遊技球が入球不能な状態でなくてもよい。
【0392】
・通常状態では、普通当り抽選において普通当りに当選する場合があってもよい。通常状態では、普通当り抽選において普通当りに当選しない場合があってもよい。第1時短状態と、第2時短状態とでは、普通当り抽選の当選確率が異なるようにしてもよい。第1時短状態と、第2時短状態とでは、普通ゲームの変動時間が異なるようにしてもよい。第1時短状態と、第2時短状態とでは、普通当り遊技における第2始動入賞口15の開放態様が異なるようにしてもよい。
【0393】
・パチンコ遊技機10は、副制御RAM50cに記憶されている各種の情報を記憶保持(バックアップ)不能に構成されてもよい。つまり、副制御RAM50cに記憶されている全部の情報は、バックアップの対象とならなくてもよい。この場合、主制御CPU41aは、特別情報を表示させる制御を実行してもよい。例えば、所定の当り遊技において特別情報を表示させる場合、主制御CPU41aは、特別画像NC1の表示を開始することを特定可能な情報(以下、第1表示指示コマンド)を生成して出力バッファにセットしてもよい。例えば、所定の当り遊技が終了した次回以降の当り遊技において特別情報を表示させる場合、主制御CPU41aは、特別画像NC2の表示を開始することを特定可能な情報(以下、第2表示指示コマンド)を生成して出力バッファにセットしてもよい。副制御CPU50aは、第1表示指示コマンド及び第2表示指示コマンドの入力に基づいて、特別情報を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。主制御CPU41aは、のめり込み表示中フラグと、のめり込み表示完了フラグと、待機中表示フラグと、について、上述した特別情報の表示に応じて主制御RAM41cに記憶させてもよい。そして、主制御CPU41aは、これらのフラグに応じて、第1表示指示コマンド及び第2表示指示コマンドを生成して出力バッファにセットしてもよい。特別情報としての表示の態様は、その有り無しが含まれても構わない。
【0394】
・小当り遊技において時短状態に制御されている場合に、遊技球が特定領域29を通過不能とする構成は、適宜変更してもよい。例えば、小当り遊技において時短状態に制御されている場合は、小当り遊技において遊技球が実質的に特定領域29を通過不能な動作態様で振分シャッタ28を動作させるようにしてもよい。
【0395】
・副制御基板50をサブ統括制御基板とし、副制御基板50とは別に、演出表示装置12を専門に制御する表示制御基板と、スピーカSPを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLAを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部又は全部の基板を同一の基板としてもよい。また、副制御CPU50aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0396】
・パチンコ遊技機10は、主制御基板40の機能と副制御基板50の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0397】
・パチンコ遊技機は、遊技球を付与するにあたって、電子データから構成される仮想媒体が付与されるパチンコ遊技機に具体化してもよい。即ち、パチンコ遊技機は、物理的な遊技媒体が払い出されないパチンコ遊技機(所謂、管理遊技機)に具体化してもよい。このようなパチンコ遊技機は、仮想媒体を使用することで発射可能な遊技球に変換し、当該遊技球を発射可能に構成される。
【0398】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(付記1)当り条件の成否を判定できる当り判定手段と、前記当り判定手段の判定結果に応じて当り遊技を付与可能な当り遊技付与手段と、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として所定の情報を少なくとも表示可能な表示手段と、を備え、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる特殊状況を生起可能であって、当該複数回の当り遊技のうち所定の当り遊技において前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示しないことを特徴とする遊技機。
【0399】
(付記2)前記表示手段では、当り遊技が付与されていないときにものめり込みに関する注意を喚起するための情報を表示可能であり、当り遊技が付与されていないときにのめり込みに関する注意を喚起するための情報が表示されている状況において、変動ゲームが開始し、当該変動ゲームの終了後に当り遊技が付与された場合に、当り遊技において表示されるのめり込みに関する注意を喚起するための情報と、当り遊技が付与されていないときに表示されていたのめり込みに関する注意を喚起するための情報とは少なくとも一部が異なりうる付記1に記載の遊技機。
【0400】
(付記3)当り条件の成否を判定できる当り判定手段と、前記当り判定手段の判定結果に応じて当り遊技を付与可能な当り遊技付与手段と、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として所定の情報を少なくとも表示可能な表示手段と、を備え、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる特殊状況を生起可能であって、当該複数回の当り遊技のうち所定の当り遊技において前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示せず、前記初回の当り遊技が開始してから前記所定の情報が表示されるまでのタイミングは、当該初回の当り遊技の種類が、第1当り遊技であるときと、第2当り遊技であるときと、で異なりうることを特徴とする遊技機。
【0401】
(付記4)当り条件の成否を判定できる当り判定手段と、前記当り判定手段の判定結果に応じて当り遊技を付与可能な当り遊技付与手段と、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として所定の情報を少なくとも表示可能な表示手段と、を備え、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる特殊状況を生起可能であって、当該複数回の当り遊技のうち所定の当り遊技において前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示せず、前記所定の情報の表示態様は、前記特殊状況における前記複数回の当り遊技のうち当り遊技と当り遊技との間の時間が、第1時間であるときと、第2時間であるときと、で同じになりうることを特徴とする遊技機。
【0402】
(付記5)当り条件の成否を判定できる当り判定手段と、前記当り判定手段の判定結果に応じて当り遊技を付与可能な当り遊技付与手段と、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として所定の情報を少なくとも表示可能な表示手段と、を備え、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる特殊状況を生起可能であって、当該複数回の当り遊技のうち所定の当り遊技において前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示前に電力供給が遮断されたときと、前記所定の情報の表示後に電力供給が遮断されたときとでは、電力供給の開始後におけるのめり込みに関する注意を喚起するための情報の表示態様が異なりうることを特徴とする遊技機。
【0403】
(付記6)当り条件の成否を判定できる当り判定手段と、前記当り判定手段の判定結果に応じて当り遊技を付与可能な当り遊技付与手段と、のめり込みに関する注意を喚起するための情報として所定の情報を少なくとも表示可能な表示手段と、演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、初回の当り遊技を含めて複数回の当り遊技の付与が確定しうる特殊状況を生起可能であって、当該複数回の当り遊技のうち所定の当り遊技において前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示前に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示可能であり、前記特殊状況において、前記所定の情報の表示後に電力供給が遮断されたときには、電力供給の開始後から次回の当り遊技が終了するまでの間に前記所定の情報を表示せず、前記演出実行手段は、前記所定の当り遊技において特定演出を実行可能であり、前記所定の情報の表示前に電力供給が遮断されなかった場合と、前記所定の情報の表示前に電力供給が遮断された場合とでは、前記所定の当り遊技における、のめり込みに関する注意を喚起するための情報の表示態様が同じであり、かつ前記特定演出の態様が異なることを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0404】
10…パチンコ遊技機 12…演出表示装置 13…情報表示装置 13a…第1特別図柄表示部 13b…第2特別図柄表示部 13c…第1特別保留表示部 13d…普通図柄表示部 13e…普通保留表示部 14…第1始動入賞口 15…第2始動入賞口 15a…直上空間 16…普通開閉片 18…第1大入賞口 19…第1特別開閉片 20…第2大入賞口 21…第2特別開閉片 22…一般入賞口 23…ゲート 23a…ゲート口 26…通路 26a…第1通路 26b…第2通路 27…分岐部 28…振分シャッタ 29…特定領域 40…主制御基板 41…マイクロプロセッサ 41a…主制御CPU 41b…主制御ROM 41c…主制御RAM 50…副制御基板 50a…副制御CPU 50b…副制御ROM 50c…副制御RAM 60…電源ユニット 60a…電源スイッチ 60b…バックアップ電源 GH…画像表示部 HD…発射ハンドル LA…装飾ランプ SE1…第1始動入賞センサ SE2…第2始動入賞センサ SE3…第1カウントセンサ SE4…第2カウントセンサ SE5…特定通過センサ SE6…一般入賞センサ SE7…ゲートセンサ SL1…第1ソレノイド SL2…第2ソレノイド SL3…第3ソレノイド SL4…第4ソレノイド SP…スピーカ