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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】マイクロフォン
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/28 20060101AFI20240723BHJP
   H04R 1/22 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H04R1/28 320Z
H04R1/22 320
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022564423
(86)(22)【出願日】2021-08-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 CN2021112062
(87)【国際公開番号】W WO2023015486
(87)【国際公開日】2023-02-16
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】周 文兵
(72)【発明者】
【氏名】黄 雨佳
(72)【発明者】
【氏名】袁 永▲帥▼
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 文俊
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ 心
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲風▼云
【審査官】菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-136133(JP,A)
【文献】特開2014-158140(JP,A)
【文献】特開2016-131341(JP,A)
【文献】国際公開第2021/152922(WO,A1)
【文献】特開2010-034991(JP,A)
【文献】特開2010-136132(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0286492(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0111731(US,A1)
【文献】米国特許第06151399(US,A)
【文献】中国特許出願公開第111031462(CN,A)
【文献】特開2011-223537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフォンであって、
音声信号を電気信号に変換する少なくとも1つの音響電気変換器と、
音導管及び音響キャビティを含む音響構造と、を含み、
前記音響キャビティは、前記音響電気変換器と音響的に連通し、かつ前記音導管を介して前記マイクロフォンの外部と音響的に連通し、
前記音響構造は、第1の共振周波数を有し、前記音響電気変換器は、第2の共振周波数を有し、前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数との差の絶対値は、100Hz以上であり、
前記マイクロフォンは第2の音響構造をさらに含み、前記第2の音響構造は、第2の音導管及び第2の音響キャビティを含み、前記第2の音響キャビティは、前記音導管を介して前記音響キャビティと音響的に連通し、前記第2の音響キャビティは、前記第2の音導管を介して前記マイクロフォンの外部と音響的に連通し、
前記第2の音響構造は、第3の共振周波数を有し、前記第3の共振周波数は、前記第1の共振周波数とは異なるマイクロフォン。
【請求項2】
ハウジングをさらに含み、前記少なくとも1つの音響電気変換器及び前記音響キャビティは、前記ハウジング内に位置し、前記ハウジングは、前記音響キャビティを形成する第1の側壁を含み、前記音導管の第1端は、前記第1の側壁に位置し、前記音導管の第2端は、前記第1の側壁から離れ、かつ前記ハウジングの外部に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン。
【請求項3】
ハウジングをさらに含み、前記少なくとも1つの音響電気変換器及び前記音響キャビティは、前記ハウジング内に位置し、前記ハウジングは、前記音響キャビティを形成する第1の側壁を含み、前記音導管の第1端は、前記第1の側壁に位置し、前記音導管の第2端は、前記第1の側壁から離れ、かつ前記音響キャビティ内に延在する、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン。
【請求項4】
ハウジングをさらに含み、前記少なくとも1つの音響電気変換器及び前記音響キャビティは、前記ハウジング内に位置し、前記ハウジングは、前記音響キャビティを形成する第1の側壁を含み、前記音導管の第1端は、前記第1の側壁から離れ、かつ前記ハウジングの外部に位置し、前記音導管の第2端は、前記音響キャビティ内に延在する、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン。
【請求項5】
前記音導管の孔の側壁は、前記音導管の中心軸に対して傾斜角を有し、前記傾斜角の角度は、0°~20°の範囲内にある、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン。
【請求項6】
前記音導管又は前記音響キャビティ内に音響抵抗構造が設置され、前記音響抵抗構造の音響抵抗値の範囲は、1MKS Rayls~100MKS Raylsである、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン。
【請求項7】
前記音導管の孔径は、前記音導管の長さの2倍以下であり、前記音導管の孔径は、0.1ミリメートル~10ミリメートルであり、前記音導管の長さは、1ミリメートル~8ミリメートルである、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン。
【請求項8】
記音響キャビティの内径は、前記音響キャビティの厚さ以上であり、前記音響キャビティの内径は、1ミリメートル~20ミリメートルであり、前記音響キャビティの厚さは、1ミリメートル~20ミリメートルであり、前記音響キャビティの前記厚さは、中心軸の方向に沿った前記音響キャビティの寸法である、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォン。
【請求項9】
請求項に記載のマイクロフォンであって、
第3の音響構造をさらに含み、前記第3の音響構造は、第3の音導管、第4の音導管及び第3の音響キャビティを含み、
前記音響キャビティは、前記第3の音導管を介して前記第3の音響キャビティと音響的に連通し、
前記第2の音響キャビティは、前記第2の音導管を介して前記マイクロフォンの外部と音響的に連通し、かつ前記第4の音導管を介して前記第3の音響キャビティと音響的に連通し、
前記第3の音響キャビティは、前記音響電気変換器と音響的に連通し、
前記第3の音響構造は、第4の共振周波数を有し、前記第4の共振周波数は、前記第3の共振周波数及び前記第1の共振周波数とは異なる、ことを特徴とするマイクロフォン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、音響装置の分野に関し、特にマイクロフォンに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタリング及び分周技術は、信号処理において広く応用され、音声認識、ノイズ低減、信号増強などの信号処理技術の基礎として、電気音響、通信、画像符号化、エコーキャンセル、レーダ信号選別などの分野に広く応用される。従来のフィルタリング又は分周方法は、ハードウェア回路又はソフトウェアプログラムを用いる技術である。ハードウェア回路を利用して信号のフィルタリング又は分周を実現する技術は、電子素子の特性の影響を受けやすく、かつ回路が複雑である。ソフトウェアアルゴリズムを利用して信号のフィルタリング又は分周を行うことは、計算が複雑であり、時間がかかり、かつ計算資源に対する要求が高い。また、従来の信号のフィルタリング又は分周処理技術は、サンプリング周波数の影響を受ける可能性があり、信号歪み、雑音混入などの問題を引き起こしやすい。
【0003】
したがって、音響装置の構造を簡略化し、音響装置の品質係数(Q値)及び感度を向上させるより効率的な信号分周装置及び方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書の一態様は、マイクロフォンを提供する。前記マイクロフォンは、少なくとも1つの音響電気変換器及び音響構造を含んでもよい。前記少なくとも1つの音響電気変換器は、音声信号を電気信号に変換するために用いられてもよい。前記音響構造は、音導管及び音響キャビティを含んでもよく、前記音響キャビティは、前記音響電気変換器と音響的に連通し、かつ前記音導管を介して前記マイクロフォンの外部と音響的に連通してもよい。前記音響構造は、第1の共振周波数を有してもよく、前記音響電気変換器は、第2の共振周波数を有してもよく、前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数との差の絶対値は、100Hz以上であってもよい。
【0005】
いくつかの実施例において、前記マイクロフォンの前記第1の共振周波数での応答の感度は、前記少なくとも1つの音響電気変換器の前記第1の共振周波数での応答の感度より大きくてもよい。
【0006】
いくつかの実施例において、前記第1の共振周波数は、前記音響構造の構造パラメータに関連し、前記音響構造の構造パラメータは、前記音導管の形状、前記音導管の寸法、前記音響キャビティの寸法、前記音導管又は前記音響キャビティの音響抵抗、前記音導管の側壁の内面粗さなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0007】
いくつかの実施例において、前記少なくとも1つの音響電気変換器及び前記音響キャビティは、前記ハウジング内に位置してもよく、前記ハウジングは、前記音響キャビティを形成する第1の側壁を含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施例において、前記音導管の第1端は、前記第1の側壁に位置してもよく、前記音導管の第2端は、前記第1の側壁から離れ、かつ前記ハウジングの外部に位置してもよい。
【0009】
いくつかの実施例において、前記音導管の第1端は、前記第1の側壁に位置してもよく、前記音導管の第2端は、前記第1の側壁から離れ、かつ前記音響キャビティ内に延在してもよい。
【0010】
いくつかの実施例において、前記音導管の第1端は、前記第1の側壁から離れ、かつ前記ハウジングの外部に位置してもよく、前記音導管の第2端は、前記音響キャビティ内に延在してもよい。
【0011】
いくつかの実施例において、前記音導管の孔の側壁は、前記音導管の中心軸に対して傾斜角を有してもよく、前記傾斜角の角度は、0°~20°の範囲内にあってもよい。
【0012】
いくつかの実施例において、前記音導管又は前記音響キャビティ内に音響抵抗構造が設置されてもよく、前記音響抵抗構造は、前記音響構造の帯域幅を調整するために用いられてもよい。
【0013】
いくつかの実施例において、前記音響抵抗構造の音響抵抗値の範囲は、1MKS Rayls~100MKS Raylsであってもよい。
【0014】
いくつかの実施例において、前記音響抵抗構造の厚さは、20ミクロン~300ミクロンであってもよく、前記音響抵抗構造の孔径は、20ミクロン~300ミクロンであってもよく、前記音響抵抗構造の開孔率は、30%~50%であってもよい。
【0015】
いくつかの実施例において、前記音響抵抗構造は、前記音導管を形成する側壁の、前記第1の側壁から離れた外面と、前記音導管の内部と、前記第1の側壁の内面と、前記音響キャビティ内と、前記音響電気変換器の孔部を形成する第2の側壁の内面と、前記第2の側壁の外面と、前記音響電気変換器の前記孔部の内部と、のうちの1つ又は複数の位置に設置されてもよい。
【0016】
いくつかの実施例において、前記音導管の孔径は、前記音導管の長さの2倍以下であってもよい。
【0017】
いくつかの実施例において、前記音導管の孔径は、0.1ミリメートル~10ミリメートルであってもよく、前記音導管の長さは、1ミリメートル~8ミリメートルであってもよい。
【0018】
いくつかの実施例において、前記音導管を形成する側壁の内面粗さは、0.8以下であってもよい。
【0019】
いくつかの実施例において、前記音響キャビティの内径は、前記音響キャビティの厚さ以上であってもよい。
【0020】
いくつかの実施例において、前記音響キャビティの内径は、1ミリメートル~20ミリメートルであってもよく、前記音響キャビティの厚さは、1ミリメートル~20ミリメートルであってもよい。
【0021】
いくつかの実施例において、前記マイクロフォンは、第2の音響構造をさらに含んでもよく、前記第2の音響構造は、第2の音導管及び第2の音響キャビティを含んでもよく、前記第2の音響キャビティは、前記第2の音導管を介して前記マイクロフォンの外部と音響的に連通してもよい。前記第2の音響構造は、第3の共振周波数を有してもよく、前記第3の共振周波数は、前記第1の共振周波数とは異なってもよい。
【0022】
いくつかの実施例において、前記第3の共振周波数が前記第1の共振周波数より大きいとき、前記マイクロフォンの第3の共振周波数での応答の感度と前記音響電気変換器の第3の共振周波数での応答の感度との差は、前記マイクロフォンの前記第1の共振周波数での応答の感度と前記音響電気変換器の前記第1の共振周波数での応答の感度との差より大きくてもよい。
【0023】
いくつかの実施例において、前記第2の音響キャビティは、前記音導管を介して前記音響キャビティと音響的に連通してもよい。
【0024】
いくつかの実施例において、前記マイクロフォンは、第3の音響構造をさらに含んでもよく、前記第3の音響構造は、第3の音導管、第4の音導管及び第3の音響キャビティを含んでもよく、前記音響キャビティは、前記第3の音導管を介して前記第3の音響キャビティと音響的に連通してもよく、前記第2の音響キャビティは、前記第2の音導管を介して前記マイクロフォンの外部と音響的に連通してもよく、かつ前記第4の音導管を介して前記第3の音響キャビティと音響的に連通してもよく、前記第3の音響キャビティは、前記音響電気変換器と音響的に連通してもよい。前記第3の音響構造は、第4の共振周波数を有してもよく、前記第4の共振周波数は、前記第3の共振周波数及び前記第1の共振周波数とは異なってもよい。
【0025】
いくつかの実施例において、前記少なくとも1つの音響電気変換器は、第2の音響電気変換器を含んでもよく、前記第2の音響キャビティは、前記第2の音響電気変換器と音響的に連通してもよい。
【0026】
いくつかの実施例において、前記マイクロフォンは、エレクトレット型マイクロフォン又はシリコンマイクロフォンを含んでもよい。
【0027】
本明細書の別の態様は、マイクロフォンを提供する。前記マイクロフォンは、少なくとも1つの音響電気変換器、第1の音響構造及び第2の音響構造を含んでもよい。前記少なくとも1つの音響電気変換器は、音声信号を電気信号に変換するために用いられてもよい。前記第1の音響構造は、第1の音導管及び第1の音響キャビティを含んでもよく、前記第2の音響構造は、第2の音導管及び第2の音響キャビティを含んでもよい。前記第1の音導管は、前記マイクロフォンの外部と音響的に連通してもよく、前記第1の音響キャビティは、前記第2の音導管を介して前記第2の音響キャビティと連通してもよい。前記第2の音響キャビティは、前記音響電気変換器と音響的に連通してもよい。前記第1の音響構造は、第1の共振周波数を有してもよく、前記第2の音響構造は、第2の共振周波数を有してもよく、前記第1の共振周波数は、前記第2の共振周波数とは異なってもよい。
【0028】
いくつかの実施例において、前記第1の共振周波数又は第2の共振周波数の範囲は、100Hz~15000Hzであってもよい。
【0029】
いくつかの実施例において、前記第1の共振周波数は、前記第1の音響構造の構造パラメータに関連してもよく、前記第2の共振周波数は、前記第2の音響構造の構造パラメータに関連してもよい。
【0030】
付加的な特徴は、以下の説明において部分的に説明され、当業者であれば、以下の内容及び図面を参照することにより明らかになり、又は実施例の生成又は操作により理解することができる。本発明の特徴は、以下の詳細な実施例に説明される方法、ツール及び組み合わせの様々な態様を実施又は使用することにより実現及び取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本明細書は、例示的な実施例によってさらに説明し、これらの例示的な実施例を図面を参照して詳細に説明する。これらの実施例は、限定的なものではなく、これらの実施例では、同じ符号は同じ構造を表す。
【0032】
図1】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図2A】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図2B】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図3】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図4】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの周波数応答曲線の概略図である。
図5】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図6】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図7】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図8】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図9】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図10】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図11】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図12】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図13】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図14】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図15】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図16】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの周波数応答曲線の概略図である。
図17】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図18】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図19】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図20】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。
図21】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの周波数応答曲線である。
図22】本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの周波数応答曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、単に本明細書の例又は実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本明細書を他の類似するシナリオに応用することができる。これらの例示的な実施例は、当業者が本発明をよりよく理解して実施することを可能にするためのものに過ぎず、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものではないことが理解されたい。言語環境から明らかではないか又は明記されていない限り、図面において同じ符号は同じ構造又は操作を表す。
【0034】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「部品」、「アセンブリ」、「素子」は、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部品、部分又は組立体を区別するための方法であることが理解されよう。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0035】
要素の間(例えば、部品の間)の空間的及び機能的関係は、「接続」、「接合」、「インタフェース」及び「結合」を含む様々な用語を用いて説明される。本明細書において第1の要素と第2の要素との間の関係を説明する場合、「直接」と明確に説明されない限り、該関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の中間要素が存在しないという直接関係、及び第1の要素と第2の要素との間に(空間的又は機能的に)1つ以上の中間要素が存在するという間接関係を含む。逆に、素子が別の素子に「直接」接続、接合、インタフェース又は結合されると記載されている場合、中間素子が存在しない。また、様々な方式で素子の間の空間的及び機能的関係を実現することができる。例えば、2つの素子の間の機械的接続は、溶接接続、キー接続、ピン接続、締り嵌め接続など、又はその任意の組み合わせを含んでもよい。要素の間の関係を説明するための他の用語は、同様の方式で説明すべきである(例えば、「の間」、「…との間」、「隣接」及び「直接隣接」など)。
【0036】
理解されるように、本明細書で使用される「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、様々な素子を説明するために用いられてもよい。これらの用語は、ある素子と他の素子とを区別するためにのみ用いられ、素子の範囲を限定することを意図しない。例えば、第1の素子は、第2の素子と称されてもよく、同様に、第2の素子は、第1の素子と称されてもよい。
【0037】
本明細書及び特許請求の範囲に示すように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、「一」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を指すものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素のみを含むように提示し、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は設備は、他のステップ又は要素も含む可能性がある。用語「基づく」とは、「少なくとも部分的に基づく」ということである。用語「1つの実施例」は、「少なくとも1つの実施例」を表す。用語「他の実施例」は、「少なくとも1つの他の実施例」を表す。その他の用語の関連定義については後述する。以下、一般性を失うことなく、本発明におけるフィルタリング/分周の関連技術を説明する場合、「マイクロフォン」又は「マイク」の説明を採用する。該説明は、単に伝導の応用の一形態に過ぎず、当業者であれば、「マイクロフォン」又は「マイク」は、例えば「水中聴音器」、「トランスデューサ」、「音響光学変調器」又は「音響電気変換装置」などの他の同様の言葉に置き換えられてもよい。当業者であれば、マイクロフォン装置の基本的な原理を理解した後、この原理から逸脱することなく、マイクロフォンを実施する具体的な形態及びステップの方式及び詳細において様々な修正及び変更を行うことができる。しかしながら、これらの修正及び変更は、本明細書の保護範囲内にある。
【0038】
本明細書は、マイクロフォンを提供する。マイクロフォンは、少なくとも1つの音響電気変換器及び音響構造を含んでもよい。少なくとも1つの音響電気変換器は、音声信号を電気信号に変換するために用いられてもよい。音響構造は、音導管及び音響キャビティを含む。音響キャビティは、音響電気変換器と音響的に連通し、かつ音導管を介してマイクロフォンの外部と音響的に連通する。音響構造の音導管及び音響キャビティは、音の周波数成分を調整する機能を有するフィルタを構成してもよい。該解決手段は、フィルタリングを実現するために大量の複雑な回路を必要とせず、音響構造自体の構造特性を用いて音声信号に対してフィルタリング及び/又はサブバンド分周を行い、回路設計の困難を低減する。音響構造のフィルタリング特性は、その構造の物理的特性により決定され、フィルタリングのプロセスは、リアルタイムに行われる。
【0039】
いくつかの実施例において、音響構造は、その対応する共振周波数で音を「増幅」してもよい。音響構造の共振周波数は、音響構造の構造パラメータを変更することにより調整してもよい。音響構造の構造パラメータは、音導管の形状、音導管の寸法、音響キャビティの寸法、音導管又は音響キャビティの音響抵抗、音導管の側壁の内面粗さ、音導管における吸音材料の厚さなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0040】
いくつかの実施例において、異なる共振周波数を有する複数の音響構造を並列接続、直列接続又はそれらの組み合わせで設置することにより、音声信号における異なる共振周波数に対応する周波数成分をそれぞれ選別し、音声信号へのサブバンド分周を実現することができる。この場合、マイクロフォンの周波数応答は、異なる音響構造の周波数応答の融合によって形成された信号対雑音比が高い、より平坦な周波数応答曲線と見なしてもよい(例えば、図22に示す周波数応答曲線2210)。本明細書の実施例に係るマイクロフォンは、ハードウェア回路(例えば、フィルタ回路)又はソフトウェアアルゴリズムを利用することなく、自体の構造によりフルバンド信号に対してサブバンド分周処理を行うことを実現し、ハードウェア回路の複雑な設計、ソフトウェアアルゴリズムによる計算資源の大量占用、信号歪み、雑音混入をもたらすという問題を回避し、さらにマイクロフォンの複雑さ及び製造コストを低減することができる。一方、本明細書の実施例に係るマイクロフォンは、信号対雑音比が高い、より平坦な周波数応答曲線を出力し、マイクロフォンの信号品質を向上させることができる。また、異なる音響構造を設置することにより、マイクロフォンシステムにおいて、周波数範囲の異なる共振ピークを付加し、マイクロフォンの複数の共振ピークの近傍での感度を向上させ、さらにマイクロフォンの広帯域全体での感度を向上させることができる。
【0041】
図1は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。図1に示すように、マイクロフォン100は、音響構造110、少なくとも1つの音響電気変換器120、サンプラ130及び信号プロセッサ140を含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施例において、マイクロフォン100は、音声信号を電気信号に変換する任意の音声信号処理装置、例えば、マイク、水中聴音器、音響光学変調器など、又は他の音響電気変換装置を含んでもよい。いくつかの実施例において、エネルギー交換原理で区別すると、マイクロフォン100は、可動コイル型マイクロフォン、リボン型マイクロフォン、コンデンサ型マイクロフォン、圧電型マイクロフォン、エレクトレット型マイクロフォン、電磁型マイクロフォン、カーボンマイクロフォンなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、音声収集方式で区別すると、マイクロフォン100は、骨伝導マイクロフォン、空気伝導マイクロフォンなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、製造方法で区別すると、マイクロフォン100は、エレクトレット型マイクロフォン、シリコンマイクロフォンなどを含んでもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォン100は、モバイルデバイス(例えば、携帯電話、ボイスレコーダなど)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、車両内蔵装置、監視装置、医療装置、スポーツ用品、玩具、ウェアラブルデバイス(例えば、イヤホン、ヘルメット、メガネ、ネックレスなど)などの収音機能を有する装置に設置されてもよい。
【0043】
音響構造110は、外部音声信号を少なくとも1つの音響電気変換器120に伝達してもよい。音声信号が音響構造110を通過するとき、音響構造110は、音声信号に対して特定の調整(例えば、フィルタリング、音声信号の帯域幅の変更、特定の周波数の音声信号の増幅など)を行ってもよい。いくつかの実施例において、音響構造110は、音導管及び音響キャビティを含んでもよい。音響キャビティは、音響電気変換器120と音響的に連通し、音響構造110により調整された音響信号を音響電気変換器120に伝送するために用いられる。音響キャビティは、音声信号を受信するために、音導管を介してマイクロフォン100の外部環境と音響的に連通してもよい。音声信号は、オーディオ信号を生成できるいずれの音源に由来するものであってもよい。音源は、生体(例えば、マイクロフォン100のユーザ)、非生体(例えば、CDプレーヤ、テレビ、オーディオなど)など、又はそれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施例において、音声信号は、環境音声を含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施例において、音響構造110が第1の共振周波数を有することは、音声信号の第1の共振周波数での周波数成分が共振を発生させ、該周波数成分により音響電気変換器120に伝達される音量が増加することを意味する。したがって、音響構造110の設置により、マイクロフォン100の周波数応答曲線は、第1の共振周波数で共振ピークを生成し、第1の共振周波数を含む特定の帯域内でマイクロフォン100の感度を向上させることができる。音響構造110がマイクロフォン100の周波数応答曲線に与える影響について、図2A図22及びその関連説明を参照することができる。
【0045】
いくつかの実施例において、マイクロフォン100における音響構造110の数は、実際の必要に応じて設定することができる。例えば、マイクロフォン100は、複数(例えば、2つ、3つ、5つ、6~24個など)の音響構造110を含んでもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォン100における複数の音響構造110は、異なる周波数応答を有してもよく、例えば、マイクロフォン100における複数の音響構造110は、異なる共振周波数及び/又は帯域幅を有してもよい。帯域幅とは、周波数応答曲線における3dB点の間の周波数範囲であってもよい。いくつかの実施例において、複数の音響構造100により処理された後、音声信号は、分周されて、異なる帯域範囲を有する複数のサブバンド音声信号(例えば、サブバンド音声信号1111、サブバンド音声信号1112、…、サブバンド音声信号111n)を生成してもよい。サブバンド音声信号とは、元の音声信号の帯域幅より小さい帯域幅を有する信号である。サブバンド音声信号の帯域は、音声信号の帯域範囲内であってもよい。例えば、音声信号の帯域範囲は100Hz~20000Hzであり、1つの音響構造110を設置して、音声信号をフィルタリングし、帯域範囲が100Hz~200Hzである1つのサブバンド音声信号を生成してもよい。また、例えば、11個の音響構造110を設置して、音声信号を分周し、帯域範囲が500Hz~700Hz、700Hz~1000Hz、1000Hz~1300Hz、1300Hz~1700Hz、1700Hz~2200Hz、2200Hz~3000Hz、3000Hz~3800Hz、3800Hz~4700Hz、4700Hz~5700Hz、5700Hz~7000Hz、7000Hz~12000Hzである11個のサブバンド音声信号を生成してもよい。また、例えば、16個の音響構造110を設置して、音声信号を分周し、帯域範囲が500Hz~640Hz、640Hz~780Hz、780Hz~930Hz、940Hz~1100Hz、1100Hz~1300Hz、1300Hz~1500Hz、1500Hz~1750Hz、1750Hz~1900Hz、1900Hz~2350Hz、2350Hz~2700Hz、2700Hz~3200Hz、3200Hz~3800Hz、3800Hz~4500Hz、4500Hz~5500Hz、5500Hz~6600Hz、6600Hz~8000Hzである16個のサブバンド音声信号を生成してもよい。さらに、例えば、24個の音響構造110を設置して、音声信号を分周し、帯域範囲が20Hz~120Hz、120Hz~210Hz、210Hz~320Hz、320Hz~410Hz、410Hz~500Hz、500Hz~640Hz、640Hz~780Hz、780Hz~930Hz、940Hz~1100Hz、1100Hz~1300Hz、1300Hz~1500Hz、1500Hz~1750Hz、1750Hz~1900Hz、1900Hz~2350Hz、2350Hz~2700Hz、2700Hz~3200Hz、3200Hz~3800Hz、3800Hz~4500Hz、4500Hz~5500Hz、5500Hz~6600Hz、6600Hz~7900Hz、7900Hz~9600Hz、9600Hz~12100Hz、12100Hz~16000Hzである24個のサブバンド音声信号を生成してもよい。音響構造を用いてフィルタリング及び分周を行うことで、音声信号に対してリアルタイムのフィルタリング及び/分周を行い、後続のハードウェアによる音声信号処理プロセスにおける雑音混入を低減し、信号歪みを回避することができる。
【0046】
いくつかの実施例において、マイクロフォン100における複数の音響構造110は、並列接続、直列接続又はそれらの組み合わせで設置されてもよい。複数の音響構造の設置の詳細について、図17図20及びその関連説明を参照することができる。
【0047】
音響構造110は、音響構造110により調整された音声信号を音響電気変換器120に伝送して電気信号に変換するために、音響電気変換器120に接続されてもよい。いくつかの実施例において、音響電気変換器120は、コンデンサ型音響電気変換器、圧電型音響電気変換器など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、音声信号の振動(例えば、空気振動、固体振動、液体振動、磁気誘導振動、電気誘導振動など)は、音響電気変換器120の1つ以上のパラメータ(例えば、静電容量、電荷、加速度、光強度、周波数応答など又はそれらの組み合わせ)の変化を引き起こしてもよく、変化したパラメータが電気的方法を利用して検出され、かつ振動に対応する電気信号が出力されてもよい。例えば、圧電型音響電気変換器は、測定される非電気量(例えば、圧力、変位など)の変化を電圧の変化に変換する素子であってもよい。例えば、圧電型音響電気変換器は、1つの片持ち梁構造(又は振動膜構造)を含み、片持ち梁構造は、受信した音声信号の作用で変形し、変形した片持ち梁構造による逆圧電効果は、電気信号を生成してもよい。また、例えば、コンデンサ型音響電気変換器は、測定される非電気量(例えば、変位、圧力、光強度、加速度など)の変化を電気容量の変化に変換する素子であってもよい。例えば、コンデンサ型音響電気変換器は、第1の片持ち梁構造及び第2の片持ち梁構造を含み、第1の片持ち梁構造及び第2の片持ち梁構造は、振動で程度の異なる変形を発生させることにより、第1の片持ち梁構造と第2の片持ち梁構造との間の間隔を変化させしてもよい。第1の片持ち梁構造と第2の片持ち梁構造は、両者の間の間隔の変化を静電容量の変化に変換することにより、振動信号から電気信号への変換を実現することができる。いくつかの実施例において、異なる音響電気変換器120は、同じ又は異なる周波数応答を有してもよい。例えば、異なる周波数応答を有する音響電気変換器120は、同一の音声信号を検出し、異なる音響電気変換器120は、異なる共振周波数を有するサブバンド電気信号を生成してもよい。
【0048】
いくつかの実施例において、音響電気変換器120の数は、1つ以上であってもよく、例えば、音響電気変換器120は、音響電気変換器121、音響電気変換器122、…、音響電気変換器12nを含んでもよい。いくつかの実施例において、音響電気変換器120のうちの1つ以上の音響電気変換器は、音響構造110と様々な方式で連通してもよい。例えば、マイクロフォン100における複数の音響構造110は、同一の音響電気変換器120に接続されてもよい。また、例えば、複数の音響構造110のうちの各音響構造は、1つの音響電気変換器120に接続されてもよい。
【0049】
いくつかの実施例において、音響電気変換器120のうちの1つ以上の音響電気変換器は、音響構造110から伝達された音声信号を電気信号に変換するために用いられてもよい。例えば、音響電気変換器120は、音響構造110によりフィルタリングされた音声信号を対応する電気信号に変換してもよい。また、例えば、音響電気変換器120のうちの複数の音響電気変換器は、複数の音響構造110により分周されたサブバンド音声信号を対応する複数のサブバンド電気信号にそれぞれ変換してもよい。単に一例として、音響電気変換器120は、それぞれサブバンド音声信号1111、サブバンド音声信号1112、…、サブバンド音声信号111nをサブバンド電気信号1211、サブバンド電気信号1212、…、サブバンド電気信号121nに変換してもよい。
【0050】
音響電気変換器120は、生成したサブバンド電気信号(又は電気信号)をサンプラ130に伝送してもよい。いくつかの実施例において、1つ以上のサブバンド電気信号は、異なる並列回路媒体を介してそれぞれ伝送されてもよい。いくつかの実施例において、複数のサブバンド電気信号は、1つの回路媒体を共用して、特定のプロトコルルールに従って特定のフォーマットで出力されてもよい。いくつかの実施例において、特定のプロトコルルールは、直接伝送、振幅変調、周波数変調などのうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、回路媒体は、同軸ケーブル、通信ケーブル、フレキシブルケーブル、スパイラルケーブル、非金属シースケーブル、金属シースケーブル、多芯ケーブル、ツイストペアケーブル、フラットケーブル、シールドケーブル、電気通信ケーブル、ツインナックスケーブル、平行二芯線、ツイストペア線、光ファイバ、赤外線、電磁波、音波などのうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、特定のフォーマットは、CD、WAVE、AIFF、MPEG-1、MPEG-2、MPEG-3、MPEG-4、MIDI、WMA、Real Audio、VQF、AMR、APE、FLAC、AACなどのうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、伝送プロトコルは、AES3、EBU、ADAT、I2S、TDM、MIDI、CobraNet、Ethernet AVB、Dante、ITU-T G.728、ITU-T G.711、ITU-T G.722、ITU-T G.722.1、ITU-T G.722.1 Annex C、AAC-LDなどのうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0051】
サンプラ130は、音響電気変換器120により生成された1つ以上のサブバンド電気信号を受信し、かつ1つ以上のサブバンド電気信号をサンプリングし、対応するデジタル信号を生成するために、音響電気変換器120と通信してもよい。
【0052】
いくつかの実施例において、サンプラ130は、1つ以上のサンプラ(例えば、サンプラ131、サンプラ132、…、サンプラ13n)を含んでもよい。各サンプラは、各サブバンド電気信号をサンプリングしてもよい。例えば、サンプラ131は、サブバンド電気信号1211をサンプリングし、デジタル信号1311を生成してもよい。また、例えば、サンプラ132は、サブバンド電気信号1212をサンプリングし、デジタル信号1312を生成してもよい。さらに、例えば、サンプラ13nは、サブバンド電気信号121nをサンプリングし、デジタル信号131nを生成してもよい。
【0053】
いくつかの実施例において、サンプラ130は、バンドパスサンプリング技術を使用してサブバンド電気信号をサンプリングしてもよい。例えば、サブバンド電気信号の帯域幅(3dB)に基づいてサンプラ130のサンプリング周波数を設定してもよい。いくつかの実施例において、サンプラ130は、サブバンド電気信号における最高周波数の2倍以上のサンプリング周波数で上記サブバンド電気信号をサンプリングしてもよい。いくつかの実施例において、サンプラ130は、サブバンド電気信号における最高周波数の2倍以上かつサブバンド電気信号における最高周波数の4倍以下のサンプリング周波数でサブバンド電気信号をサンプリングしてもよい。従来のサンプリング方式(例えば、帯域幅サンプリング技術、ローパスサンプリング技術など)に比べて、バンドパスサンプリング技術を用いてサンプリングすると、サンプラ130は、比較的低いサンプリング周波数を用いてサンプリングすることにより、サンプリングプロセスの難しさ及びコストを低減することができる。
【0054】
いくつかの実施例において、サンプラ130のサンプリング周波数の大きさは、サンプラ130のサンプリングのカットオフ周波数に影響を与えてもよい。いくつかの実施例において、サンプリング周波数が大きいほど、カットオフ周波数が高くなり、サンプリング可能な帯域範囲が大きくなり、信号プロセッサ140がサンプラ130により生成されたデジタル信号を処理するとき、同じフーリエ変換点数で、サンプリング周波数が大きいほど、対応する周波数分解能が低くなる。したがって、異なる周波数範囲にあるサブバンド電気信号に対して、サンプラ130は、異なるサンプリング周波数を用いてサンプリングしてもよい。例えば、低周波数範囲にあるサブバンド電気信号(例えば、周波数が第1の周波数閾値より小さいサブバンド電気信号)に対して、サンプラ130は、サンプリングのカットオフ周波数を低くするように、低いサンプリング周波数を用いてもよい。また、例えば、周波数範囲が中高周波数にあるサブバンド電気信号(例えば、周波数が第2の周波数閾値より大きく、第3の周波数閾値より小さいサブバンド電気信号)に対して、サンプラ130は、サンプリングのカットオフ周波数を比較的高くするように、高いサンプリング周波数を用いてもよい。さらに、例えば、サンプラ130のサンプリングのカットオフ周波数は、サブバンドの共振周波数の3dB帯域幅の周波数ポイントでの周波数より0Hz~500Hzだけ高くてもよい。
【0055】
サンプラ130は、生成された1つ以上のデジタル信号を信号プロセッサ140に伝送してもよい。1つ以上のデジタル信号は、異なる並列回路媒体を介して個別に伝送されてもよい。いくつかの実施例において、1つ以上のデジタル信号は、1つの回路媒体を共用して、特定のプロトコルルールに従って特定のフォーマットで伝送されてもよい。デジタル信号の伝送について、サブバンド電気信号の伝送を参照することができる。
【0056】
信号プロセッサ140は、マイクロフォン100の他のアセンブリからデータを受信し、かつ処理してもよい。例えば、信号プロセッサ140は、サンプラ130から伝送されたデジタル信号を処理してもよい。いくつかの実施例において、信号プロセッサ140は、サンプラ130から伝送された各サブバンド電気信号を単独に処理して、対応するデジタル信号を生成してもよい。例えば、異なるサブバンド電気信号(例えば、異なる音響構造、音響電気変換器などにより処理されたサブバンド電気信号)は、異なる位相、対応する周波数などを有する可能性があり、信号プロセッサ140は、各サブバンド電気信号を処理することができる。いくつかの実施例において、信号プロセッサ140は、サンプラ130から複数のサブバンド電気信号を取得し、かつ複数のサブバンド電気信号に対して処理(例えば、融合処理)を行い、マイクロフォン100の広帯域信号を生成してもよい。
【0057】
いくつかの実施例において、信号プロセッサ140は、等化器、ダイナミックレンジコントローラ、位相プロセッサなどのうちの1つ又は複数を含んでもよい。いくつかの実施例において、等化器は、サンプラ130から出力されたデジタル信号に、特定の帯域(例えば、デジタル信号に対応する帯域)で、利得及び/又は減衰を付与するように構成されてもよい。デジタル信号に利得を付与するとは、信号増幅量を増加させることであり、デジタル信号に減衰を付与するとは、信号増幅量を低減することである。いくつかの実施例において、ダイナミックレンジコントローラは、デジタル信号を圧縮及び/又は増幅するように構成されてもよい。サブバンド分周電気信号を圧縮及び/又は増幅するとは、マイクロフォン100において入力された信号と出力された信号との間の比率を減少及び/又は増加させることである。いくつかの実施例において、位相プロセッサは、デジタル信号の位相を調整するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、信号プロセッサ140は、マイクロフォン100の内部に位置してもよい。例えば、信号プロセッサ140は、マイクロフォン100のハウジング構造によって独立して形成された音響キャビティ内に位置してもよい。いくつかの実施例において、信号プロセッサ140は、他の電子装置、例えば、イヤホン、モバイルデバイス、タブレットコンピュータ、ノートパソコンなどのうちの1種又はそれらの任意の組み合わせに位置してもよい。いくつかの実施例において、モバイルデバイスは、携帯電話、スマートホームデバイス、スマートモバイルデバイスなど、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、スマートホームデバイスは、スマート電気器具の制御装置、スマート監視装置、スマートテレビ、スマートカメラなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、スマートモバイルデバイスは、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ゲーム装置、ナビゲーション装置、POS装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0058】
上記マイクロフォン100についての説明は、例示を目的としたものに過ぎず、本明細書の範囲を限定することを意図しない。当業者であれば、本明細書の説明に基づいて様々な変更及び修正を行うことができる。例えば、サンプラ130及び信号プロセッサ140は、1つのアセンブリ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))に統合されてもよい。これらの変更及び修正は、本明細書の保護範囲内にある。
【0059】
図2Aは、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。図2Aに示すように、マイクロフォン200は、ハウジング210、少なくとも1つの音響電気変換器220及び音響構造230を含んでもよい。
【0060】
ハウジング210は、マイクロフォン200の1つ以上のアセンブリ(例えば、少なくとも1つの音響電気変換器220、音響構造230の少なくとも一部など)を収容するように構成されてもよい。いくつかの実施例において、ハウジング210は、直方体、円柱体、角柱、円錐台などの規則的な構造体又は他の不規則な構造体であってもよい。いくつかの実施例において、ハウジング210は、内部が中空の構造体であり、1つ以上の音響キャビティ、例えば、音響キャビティ231及び音響キャビティ240を形成してもよい。音響キャビティ240は、音響電気変換器220及び特定用途向け集積回路250を収容してもよい。音響キャビティ231は、音響構造230の少なくとも一部としてもよく、それを収容してもよい。いくつかの実施例において、ハウジング210は、1つの音響キャビティのみを含んでもよい。一例として、図2Bは、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。マイクロフォン205のハウジング210は、音響キャビティ240を形成してもよい。マイクロフォン205の1つ以上のアセンブリ、例えば、音響電気変換器220、特定用途向け集積回路250及び音響構造230の少なくとも一部(例えば、音響キャビティ231)は、音響キャビティ240内に位置してもよい。この場合、ハウジング210によって形成された音響キャビティ240は、音響構造230の音響キャビティ231と重なる。音響構造230は、音響電気変換器220と直接的に音響的に連通してもよい。音響構造230と音響電気変換器220との直接音響連通は、音響電気変換器220が「前部キャビティ」及び「後部キャビティ」を含んでもよく、「前部キャビティ」又は「後部キャビティ」内の音声信号が音響電気変換器220の1つ以上のパラメータの変化を引き起こすことができると理解され得る。図2Aに示すマイクロフォン200において、音声信号は、音響構造230(例えば、音導管232及び音響キャビティ231)を通過し、音響電気変換器220の孔部221を通って音響電気変換器220の「後部キャビティ」に伝送され、音響電気変換器220の1つ以上のパラメータの変化を引き起こす。図2Bに示すマイクロフォン205において、ハウジング210によって形成された音響キャビティ240は、音響構造230の音響キャビティ231と重なり、音響電気変換器220の「前部キャビティ」が音響構造の音響キャビティ231と重なると考えられてもよく、音声信号は、音響構造230を通過して音響電気変換器220の1つ以上のパラメータの変化を直接的に引き起こす。説明の便宜上、本明細書は、主に音響キャビティ231と音響キャビティ240が(図2Aに示すように)重なることなく、少なくとも1つの音響電気変換器220が音響キャビティ240に設置される場合を例として説明し、音響キャビティ231と音響キャビティ240が重なる場合は、同じ又は類似であってもよい。
【0061】
いくつかの実施例において、ハウジング210の材質は、金属、合金材料、ポリマー材料(例えば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリプロピレンなど)などのうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
【0062】
いくつかの実施例において、少なくとも1つの音響電気変換器220は、音声信号を電気信号に変換するために用いられてもよい。少なくとも1つの音響電気変換器220は、1つ以上の孔部221を含んでもよい。音響構造230は、音響電気変換器220の1つ以上の孔部221を介して少なくとも1つの音響電気変換器220と連通し、かつ音響構造230により調整された音声信号を音響電気変換器220に伝達してもよい。例えば、マイクロフォン200がピックアップした外部音声信号は、音響構造230により調整(例えば、フィルタリング、分周、増幅など処理)され、孔部221を通って音響電気変換器220のキャビティ(もしあれば)に入ってもよい。音響電気変換器220は、該音声信号をピックアップし、かつ電気信号に変換してもよい。
【0063】
いくつかの実施例において、音響構造230は、音響キャビティ231及び音導管232を含んでもよい。音響構造230は、音導管232を介してマイクロフォン200の外部と連通してもよい。いくつかの実施例において、ハウジング210は、ハウジング内の空間を形成するために、複数の側壁を含んでもよい。音導管232は、ハウジング210における音響キャビティ231を形成する第1の側壁211に位置してもよい。具体的には、音導管232の第1端(例えば、音響キャビティ231に近い一端)は、ハウジング210の第1の側壁211に位置してもよく、音導管232の第2端(例えば、音響キャビティ231から比較的遠い一端)は、第1の側壁211から離れ、かつハウジング210の外部に位置してもよい。外部音声信号は、音導管232の第2端から音導管232に入り、かつ音導管232の第1端から音響キャビティ231に伝送されてもよい。いくつかの実施例において、音響構造230の音導管232は、他の適切な位置に設置されてもよく、音導管の位置設置について、図5図9及びその関連説明を参照することができる。
【0064】
いくつかの実施例において、音響構造230は、第1の共振周波数を有し、即ち、音声信号における第1の共振周波数の成分は、音響構造230内で共振を発生させてもよい。いくつかの実施例において、第1の共振周波数は、音響構造230の構造パラメータに関連する。音響構造230の構造パラメータは、音導管232の形状、音導管232の寸法、音響キャビティ231の寸法、音導管232又は音響キャビティ231の音響抵抗、音導管232の側壁の内面粗さ、音導管における吸音材料(例えば、繊維材料、発泡材料など)の厚さ、音響キャビティ内壁の剛性など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、音響構造230の構造パラメータを設定することにより、音響構造230により調整された音声信号は、電気信号に変換された後に、第1の共振周波数の箇所で共振ピークを有することができる。
【0065】
音導管232の形状は、直方体、円柱体、多角柱体などの規則的及び/又は不規則な形状を含んでもよい。いくつかの実施例において、音導管232は、1つ以上の側壁で囲まれて形成されてもよい。音導管232の側壁233の形状は、直方体、円柱体などの規則的及び/又は不規則な構造体であってもよい。いくつかの実施例において、図3に示すように、音導管232の側壁233の長さ(例えば、図2Aにおいて、側壁233のX軸方向に沿った長さと音導管232の孔径との和)は、ハウジング210のX軸方向に沿った長さと同じであってもよい。いくつかの実施例において、音導管232の側壁233の長さは、ハウジング210の長さとは異なってもよい。例えば、図3は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図であり、図3に示すように、音導管232の第1端は、ハウジング210の第1の側壁211に位置し、音導管232の第2端は、第1の側壁211から離れ、かつハウジング210の外部に位置する。音導管232の孔の側壁233のX軸方向に沿った長さは、ハウジング210のX軸方向に沿った長さより小さい。
【0066】
音導管232の孔径、長さなどの構造パラメータ、音響キャビティ231の内径、長さ、厚さなどの構造パラメータは、必要(例えば、目標共振周波数、目標帯域幅など)に応じて設定することができる。音導管の長さとは、音導管の中心軸方向(例えば、図2AにおけるY軸方向)に沿った音導管232の全長である。いくつかの実施例において、音導管232の長さは、音導管の等価長さ、即ち音導管の中心軸方向に沿った長さに、音導管の直径と長さ補正係数との積を加算する長さであってもよい。図2Aに示すように、音響キャビティ231の長さとは、音響キャビティ231のX軸方向に沿った寸法である。音響キャビティ231の厚さとは、音響キャビティ231のY軸方向に沿った寸法である。いくつかの実施例において、音導管232の孔径は、音導管232の長さの2倍以下であってもよい。いくつかの実施例において、音導管232の孔径は、音導管232の長さの1.5倍以下であってもよい。例えば、音導管232の断面(例えば、音導管の中心軸方向に垂直な方向(例えば、XZ平面に平行な断面))が円形である場合、音導管232の孔径は、0.5ミリメートル~10ミリメートルの範囲内にあってもよく、音導管232の長さは、1ミリメートル~8ミリメートルの範囲内にあってもよい。また、例えば、音導管232の断面が円形である場合、音導管232の孔径は、1ミリメートル~4ミリメートルであってもよく、音導管232の長さは、1ミリメートル~10ミリメートルであってもよい。いくつかの実施例において、音響キャビティ231の内径は、音響キャビティ231の厚さ以上であってもよい。いくつかの実施例において、音響キャビティ231の内径は、音響キャビティ231の厚さの0.8倍以上であってもよい。例えば、音響キャビティ231の、その長手方向に垂直な断面(例えば、音響キャビティ231のYZ平面に平行な断面)が円形である場合、音響キャビティ231の内径は、1ミリメートル~20ミリメートルの範囲内にあって、音響キャビティ231の厚さは、1ミリメートル~20ミリメートルの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、音響キャビティ231の断面が円形である場合、音響キャビティ231の内径は、1ミリメートル~15ミリメートルの範囲内にあって、音響キャビティ231の厚さは、1ミリメートル~10ミリメートルの範囲内にあってもよい。
【0067】
なお、音響キャビティ231及び/又は音導管232の断面形状は、上記円形に限定されず、他の形状、例えば、長方形、楕円形、五角形などであってもよい。いくつかの実施例において、音響キャビティ231及び/又は音導管232の断面形状が他の形状(非円形)である場合、音響キャビティ231の内径及び/又は音導管232の孔径(又は厚さ、長さ)は、等価内径又は等価孔径に等価してもよい。等価内径を例として、他の断面形状を有する音響キャビティ231は、その容積に等しい、断面形状が円形の音響キャビティ及び/又は音導管の内径で表してもよい。例えば、音響キャビティ231の断面が方形である場合、音響キャビティ231の等価内径は、1ミリメートル~6ミリメートルの範囲内にあってもよく、音響キャビティ231の厚さは、1ミリメートル~4ミリメートルの範囲内にあってもよい。また、例えば、音響キャビティ231の断面が方形である場合、音響キャビティ231の等価内径は、1ミリメートル~5ミリメートルの範囲内にあってもよく、音響キャビティ231の厚さは、1ミリメートル~3ミリメートルの範囲内にあってもよい。
【0068】
いくつかの実施例において、音導管232の側壁233は、1つ又は複数の材料で製造されてもよい。側壁233の材料は、半導体材料、金属材料、金属合金、有機材料などのうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、半導体材料は、ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、金属材料は、銅、アルミニウム、クロム、チタン、金などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、金属合金は、銅アルミニウム合金、銅金合金、チタン合金、アルミニウム合金などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、有機材料は、ポリイミド(Polyimide、PI)、パリレン(Parylene)、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane、PDMS)、シリコンゲル、シリカゲルなどを含むが、これらに限定されない。
【0069】
上記マイクロフォン200についての説明は、例示を目的としたものに過ぎず、本明細書の範囲を限定することを意図しない。当業者であれば、本明細書の説明に基づいて様々な変更及び修正を行うことができる。これらの変更及び修正は、本明細書の保護範囲内にある。
【0070】
図4は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの周波数応答曲線の概略図である。図4に示すように、周波数応答曲線410は、音響電気変換器(例えば、音響電気変換器220)の周波数応答曲線であり、周波数応答曲線420は、音響構造(例えば、音響構造230)の周波数応答曲線である。周波数応答曲線410が周波数fの箇所で共振ピークを有する場合、周波数fは、音響電気変換器の共振周波数と称されてもよい(第2の共振周波数と称されてもよい)。いくつかの実施例において、音響電気変換器の共振周波数は、音響電気変換器の構造パラメータに関連する。音響電気変換器の構造パラメータは、音響電気変換器(例えば、音響電気変換器220)の材質、寸法、質量、タイプ(例えば、圧電型、コンデンサ型など)、配列方式などを含んでもよい。周波数応答曲線420の周波数fにおいて、音響構造が受信した音声信号と共振することにより、音声信号における周波数fを含む帯域信号を増幅し、共振が発生する周波数fは、音響構造の共振周波数と称されてもよい(第1の共振周波数と称されてもよい)。音響構造の共振周波数は、式(1)で表すことができる。
【数1】
ここで、fは、音響構造の共振周波数を表し、cは、空気中の音速を表し、Sは、音導管の断面積を表し、lは、音導管の長さを表し、Vは、音響キャビティの体積を表す。
【0071】
式(1)から分かるように、音響構造の共振周波数は、音響構造における音導管の断面積、音導管の長さ及び音響キャビティの体積に関連し、具体的には、音響構造の共振周波数は、音導管の断面積とは正の相関関係にあり、音導管の長さ及び/又は音響キャビティの体積とは負の相関関係にある。音響構造の構造パラメータ、例えば、音導管の形状、音導管の寸法、音響キャビティの体積など、又はそれらの組み合わせを設定することにより、音響構造の共振周波数を調整することができる。例えば、音導管の長さと音響キャビティの体積が変化しないまま、音導管の孔径を小さくすることにより、音導管の断面積を減少させ、音響構造の共振周波数を低下させることができる。また、例えば、音導管の断面積及び音導管の長さが変化しないまま、音響キャビティの体積を減少させることにより、音響構造の共振周波数を向上させることができる。さらに、例えば、音導管の断面積及び長さが変化しないまま、音響キャビティの体積を増加させることにより、音響構造の共振周波数を低下させることができる。
【0072】
いくつかの実施例において、マイクロフォンの低周波数範囲内での音声信号への応答を向上させるために、音響構造の構造パラメータは、第1の共振周波数fが第2の共振周波数fより小さくなるように設定されてもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォンの周波数応答をより大きな周波数範囲内で平坦に保持するために、音響構造の構造パラメータは、第1の共振周波数fと第2の共振周波数fとの差が周波数閾値以上であるように設定されてもよい。周波数閾値は、実際の必要に応じて決定することができ、例えば、5Hz、10Hz、100Hz、1000Hzなどに設定されてもよい。いくつかの実施例において、異なる周波数範囲でマイクロフォンの周波数応答の感度を向上させるために、第1の共振周波数fは、第2の共振周波数f以上であってもよい。
【0073】
いくつかの実施例において、音声信号が音響構造により調整された後、第1の共振周波数fを含む特定の帯域範囲内の音声信号が増幅されることにより、マイクロフォン全体の第1の周波数fでの応答の感度を音響電気変換器の第1の周波数での応答の感度より大きくし、マイクロフォンの第1の共振周波数の近傍での感度及びQ値を向上させることができる(例えば、マイクロフォンの感度の周波数fでの向上は、図4における△Vで表すことができる)。いくつかの実施例において、マイクロフォンに音響構造を設置することにより、音響電気変換器の感度に比べて、マイクロフォンの異なる周波数範囲内での感度を5dBV~40dBV向上させることができる。いくつかの実施例において、マイクロフォンに音響構造を設置することにより、マイクロフォンの異なる帯域範囲内での感度を10dBV~20dBV向上させることができる。いくつかの実施例において、マイクロフォンの異なる周波数範囲内での感度の向上代は、異なってもよい。例えば、周波数が高いほど、マイクロフォンの対応する帯域範囲での感度の向上代が大きくなる。いくつかの実施例において、マイクロフォンの感度の向上代は、周波数範囲内の感度の傾きの変化で表されてもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォンの異なる周波数範囲内での感度の傾きの変化範囲は、0.0005dBV/Hz~0.005dBV/Hzにあってもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォンの異なる周波数範囲内での感度の傾きの変化範囲は、0.001dBV/Hz~0.003dBV/Hzにあってもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォンの異なる周波数範囲内での感度の傾きの変化範囲は、0.002dBV/Hz~0.004dBV/Hzにあってもよい。
【0074】
いくつかの実施例において、音響構造の第1の共振周波数での周波数応答曲線の帯域幅は、式(2)で表すことができる。
【数2】
ここで、△fは、音響構造の周波数応答の帯域幅を表し、fは、音響構造の共振周波数を表し、R’は、音導管の総音響抵抗(音導管の音響抵抗及び放射音響抵抗を含む)を表し、M’は、音導管の総音質(音導管の音質及び放射音の音質を含む)を表し、Wは、音響構造の共振角周波数を表し、fは、音響構造の共振周波数を表す。
【0075】
式(2)から分かるように、音響構造の共振周波数が決定される場合、音導管の音響抵抗を調整することにより、音響構造の帯域幅を調整することができる。いくつかの実施例において、マイクロフォンに音響抵抗構造を設置して、音響抵抗構造の孔径、厚さ、開孔率などを調整することにより、音響抵抗構造の音響抵抗値を調整し、さらに音響構造の帯域幅を調整してもよい。音響抵抗構造の詳細について、図10図16及びその関連説明を参照することができる。
【0076】
いくつかの実施例において、音導管の側壁の内面粗さを調整することにより、音導管の音響抵抗を調整し、音響構造の周波数応答曲線の帯域幅を調整することができる。いくつかの実施例において、音導管の側壁の内面粗さは、0.8以下であってもよい。いくつかの実施例において、音導管の側壁の内面粗さは、0.4以下であってもよい。マイクロフォンの周波数応答曲線の3dB帯域幅を例とすれば、音響構造の構造パラメータを調整することにより、マイクロフォンの周波数応答曲線の3dB帯域幅は、100Hz~1500Hzであってもよい。いくつかの実施例において、各音響構造に対応する音導管の側壁の内面粗さを調整することにより、マイクロフォンの異なる共振周波数での3dB帯域幅を異なる程度拡大させてもよい。例えば、各音響構造に対応する音導管の側壁の内面粗さを調整することにより、音響構造の共振周波数が高いほど、マイクロフォンの、その対応する共振周波数での3dB帯域幅を大きく拡大させる。いくつかの実施例において、マイクロフォンの異なる共振周波数での3dB帯域幅の拡大量は、帯域幅の傾きの変化で表されてもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォンの周波数範囲内での3dB帯域幅の傾きの変化範囲は、0.01Hz/Hz~0.1Hz/Hzにあってもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォンの周波数範囲内での3dB帯域幅の傾きの変化範囲は、0.05Hz/Hz~0.1Hz/Hzにあってもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォンの周波数範囲内での3dB帯域幅の傾きの変化範囲は、0.02Hz/Hz~0.06Hz/Hzにあってもよい。
【0077】
いくつかの実施例において、音響構造の音声信号の音圧に対する増幅倍数(利得と称されてもよい)は、式(3)で表すことができる。
【数3】
ここで、Aは、音圧の増幅倍数であり、lは、音導管の長さであり、sは、音導管の断面積であり、Vは、音響キャビティの体積である。
【0078】
式(3)から分かるように、音響構造の音声信号の音圧に対する増幅倍数は、音導管の長さ、音導管の断面積及び音響キャビティの体積に関連する。具体的には、音響構造の音声信号の音圧に対する増幅倍数は、音導管の長さ及び音響キャビティの体積とは正の相関関係にあり、音導管の断面積とは負の相関関係にある。
【0079】
式(1)に基づいて、式(3)は、式(4)に変換されてもよい。
【数4】
ここで、Aは、音圧の増幅倍数を表し、cは、空気中の音速を表し、lは、音導管の長さを表し、fは、音響構造の共振周波数を表し、Rは、音響キャビティの半径を表す。
【0080】
式(4)から分かるように、他の条件(例えば、音導管の長さ、音響キャビティの半径など)が一定である場合、音響構造の音声信号の音圧に対する増幅倍数Aは、音響構造の共振周波数fに関連し、具体的には、音圧増幅倍数Aは、音響構造の共振周波数fとは負の相関関係にあり、共振周波数fが小さいほど、音圧の増幅倍数Aが大きくなり、共振周波数fが大きいほど、音圧の増幅倍数Aが小さくなる。即ち、音響構造は、比較的低い共振周波数(例えば、中低帯域の共振周波数)で、音声信号に対して比較的大きい増幅倍数を有する。音響構造のパラメータを設定することにより、マイクロフォンの共振周波数、帯域幅、音声信号における特定の周波数成分に対する増幅倍数、感度の向上代、Q値などを変更することができる。音響構造のパラメータは、音導管の形状、音導管の寸法、音響キャビティの寸法、音導管又は音響キャビティの音響抵抗、音導管の側壁の内面粗さ、音導管における吸音材料の厚さなど、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0081】
図5は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。図5に示すように、マイクロフォン500は、ハウジング510、少なくとも1つの音響電気変換器520及び音響構造530を含んでもよい。図5に示すマイクロフォン500における1つ以上のアセンブリは、マイクロフォン200における1つ以上のアセンブリと同じ又は類似であってもよい。例えば、マイクロフォン500におけるハウジング510、音響電気変換器520、音響電気変換器520の孔部521、音響キャビティ540、特定用途向け集積回路550などは、図3に示すマイクロフォン200におけるハウジング210、音響電気変換器220、音響電気変換器220の孔部221、音響キャビティ240、特定用途向け集積回路250などと同じ又は類似であってもよい。マイクロフォン200の音響構造230との相違点は、マイクロフォン500の音響構造530における音導管532の形状及び/又は位置である。
【0082】
図5に示すように、音響構造530は、音響キャビティ531及び音導管532を含んでもよい。音響キャビティ531は、音響電気変換器520の孔部521を介して音響電気変換器520と音響的に連通してもよい。音響キャビティ531は、音導管532を介してマイクロフォン500の外部と音響的に連通してもよい。音導管532の第1端は、ハウジング510の第1の側壁511に位置し、音導管532の第2端は、音響キャビティ531内に位置し、音導管532の側壁533は、第1の側壁511から音響キャビティ531の内部に延在する。外部音声信号は、音導管532の第1端から音導管532の内部に入り、かつ音導管532の第2端から音響キャビティ531に伝送される。音導管532の第2端を音響キャビティ531内に延在するように設置することにより、マイクロフォン500の寸法をさらに大きくすることなく、音導管532の長さ及び音響キャビティ531の体積を増加させることができる。式(1)から分かるように、音導管532の長さ及び音響キャビティ531の体積を増加させると、マイクロフォン500の周波数応答曲線が比較的低い共振周波数で共振ピークを有するように、音響構造530の共振周波数を低下させることができる。
【0083】
いくつかの実施例において、音導管532の長さ、形状などを設定することにより、音響構造530の共振周波数をさらに調整することができる。単に一例として、図6は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。図6に示すように、音導管532は、直線折曲げ構造であり、音導管532の第1端が、ハウジング510の第1の側壁511に位置し、音導管532の第2端が、音響キャビティ531内に位置し、音導管532の側壁533が、第1の側壁511から音響キャビティ531内に延在する。音導管532を折曲げ形状に設定することにより、音響キャビティ531の寸法を大幅に小さくすることなく、音導管532の長さを増加させ、音響構造530の共振周波数を低下させ、マイクロフォン500の低周波数範囲での応答の感度及びQ値を向上させることができる。いくつかの実施例において、音導管532の構造は、(例えば、図5に示す)上記直線構造、(例えば、図6に示す)直線折曲げ構造に限定されず、他のタイプの構造であってもよく、例えば、音響抵抗を低減するために、円弧状湾曲構造などに設計してもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗を調整するために、音導管の2セグメント間の夾角を調整してもよい。例えば、2セグメントの中心線の夾角範囲は、60°~150°であってもよく、また、例えば、2セグメントの中心線の夾角範囲は、60°~90°であってもよい。また、例えば、2セグメントの中心線の夾角範囲は、90°~120°であってもよい。2セグメントの中心線の夾角範囲は、120°~150°であってもよい。
【0084】
いくつかの実施例において、音導管532の第1端は、第1の側壁511から離れ、かつハウジング510の外部に位置してもよく、音導管532の第2端は、音響キャビティ531内に位置してもよく、音導管532の側壁533は、ハウジング510の側壁511から音響キャビティ531内に延在してもよい。単に一例として、図7は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。図7に示すように、マイクロフォン500の音導管532は、ハウジング510の第1の側壁511を貫通し、音導管532の第1端は、第1の側壁511から離れてハウジング510の外部に延在し、かつハウジング510の外部に位置し、音導管532の第2端は、第1の側壁511から離れて音響キャビティ531の内部に延在し、音導管532の第2端は、音響キャビティ531内に位置する。外部音声信号は、音導管532の第1端から音導管532に入り、かつ音導管532の第2端から音響キャビティ531に伝送することができる。
【0085】
図8は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。図8に示すように、マイクロフォン800は、ハウジング810、少なくとも1つの音響電気変換器820及び音響構造830を含んでもよい。図8に示すマイクロフォン800における1つ以上のアセンブリは、図5に示すマイクロフォン500における1つ以上のアセンブリと同じ又は類似であってもよい。例えば、マイクロフォン800におけるハウジング810、音響電気変換器820、音響電気変換器820の孔部821、音響キャビティ840、特定用途向け集積回路850などは、マイクロフォン500におけるハウジング510、音響電気変換器520、音響電気変換器520の孔部521、音響キャビティ540、特定用途向け集積回路550などと同じ又は類似であってもよい。マイクロフォン800とマイクロフォン500との相違点は、音響構造830の音導管832の位置及び/又は形状である。
【0086】
図8に示すように、音響構造830は、音響キャビティ831及び音導管832を含んでもよい。音導管832は、音導管832を形成する1つ以上の側壁、例えば、側壁833及び側壁834を含んでもよい。いくつかの実施例において、側壁833及び側壁834は、一体であってもよく、音導管832の同一の側壁の異なる部分であってもよい。例えば、側壁833と側壁834は、一体成形されてもよい。いくつかの実施例において、側壁833と側壁834は、互いに独立した構造であってもよい。いくつかの実施例において、音導管832の1つ以上の側壁は、音導管832の中心軸835に対して特定の傾斜角を有してもよい。側壁833を例として説明すると、音導管832の側壁833は、音導管832の中心軸835に対して傾斜角αを有する。いくつかの実施例において、図8に示すように、音導管832の中心軸が音響キャビティ831に指す方向を正方向とすれば、音導管832の孔径が中心軸835の正方向に沿って径方向内向きに縮小する場合、即ち音導管832の側壁833及び/又は側壁834が音導管832の中心軸835の正方向に沿って中心軸835の方向に接近する場合、傾斜角αの角度は、0°~90°の間の任意の数値であってもよい。例えば、傾斜角αの角度は、0°~30°の間の任意の数値であってもよい。また、例えば、傾斜角αの角度は、30°~45°の間の任意の数値であってもよい。また、例えば、傾斜角αの角度は、45°~60°の間の任意の数値であってもよい。また、例えば、傾斜角αの角度は、60°~90°の間の任意の数値であってもよい。
【0087】
いくつかの実施例において、図9に示すように、音導管832の孔径が中心軸835の正方向に沿って径方向外向きに拡大する場合、即ち音導管832の側壁833及び/又は側壁834が音導管832の中心軸835の正方向に沿って中心軸835から離れる方向に延在する場合、音導管832の側壁(例えば、音導管の側壁833及び/又は側壁834)が音導管の中心軸835に対して有する傾斜角βの角度は、0°~90°の間の任意の数値であってもよい。例えば、傾斜角βの角度は、0°~10°の間の任意の数値であってもよい。また、例えば、傾斜角βの角度は、10°~20°の間の任意の数値であってもよい。また、例えば、傾斜角βの角度は、0°~30°の間の任意の数値であってもよい。また、例えば、傾斜角βの角度は、30°~45°の間の任意の数値であってもよい。また、例えば、傾斜角βの角度は、45°~60°の間の任意の数値であってもよい。また、例えば、傾斜角βの角度は、60°~90°の間の任意の数値であってもよい。
【0088】
音導管832の側壁が音導管832の中心軸に対して特定の傾斜角を有するように設置することにより、音導管832の長さ及び音導管832の第1端(例えば、ハウジング810の第1の側壁811に位置するか又は第1の側壁811から離れ、かつマイクロフォン800の外部に位置する一端)の外径を変更することなく、マイクロフォン800の共振周波数の位置を調整することができる。例えば、音導管832の孔径が中心軸835の正方向に沿って径方向内向きに縮小する場合、音導管832の長さ及び音導管832の第1端の孔径を変更することなく、音導管832の第2端(例えば、音響キャビティ831内に延在する一端)の断面の寸法を小さくすることにより、音響構造830の共振周波数を低下させることができる。また、例えば、音導管832の孔径が中心軸835の正方向に沿って径方向外向きに拡大する場合、音導管832の長さ及び音導管832の第1端の孔径を変更することなく、音導管832の第2端の断面の寸法を大きくすることにより、音響構造830の共振周波数を向上させることができる。
【0089】
いくつかの実施例において、音響キャビティ831の断面(例えば、XZ平面に平行な断面)が円形である場合、音導管832の第1端の孔径は、音導管832の長さの1.5倍以下であってもよい。いくつかの実施例において、音導管832の第1端の孔径は、0.1ミリメートル~3ミリメートルの範囲内にあってもよく、音導管832の長さは、1ミリメートル~4ミリメートルの範囲内にあってもよい。いくつかの実施例において、音導管832の第1端の孔径は、0.1ミリメートル~2ミリメートルの範囲内にあってもよく、音導管832の長さは、1ミリメートル~3ミリメートルの範囲内にあってもよい。
【0090】
図10は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。図10に示すように、マイクロフォン1000は、ハウジング1010、少なくとも1つの音響電気変換器1020及び音響構造1030を含んでもよい。音響構造1030は、音導管1032及び音響キャビティ1031を含んでもよい。図10に示すマイクロフォン1000における1つ以上のアセンブリは、図2Aに示すマイクロフォン200における1つ以上のアセンブリと同じ又は類似であってもよい。例えば、マイクロフォン1000におけるハウジング1010、音響電気変換器1020、音響電気変換器1020の孔部1021、音響構造1030、音響キャビティ1040、特定用途向け集積回路1050などは、図3に示すマイクロフォン200におけるハウジング210、音響電気変換器220、音響電気変換器220の孔部221、音響構造230、音響キャビティ240などと同じ又は類似であってもよい。
【0091】
いくつかの実施例において、マイクロフォン1000とマイクロフォン200との相違点は、マイクロフォン1000が音響抵抗構造1060を含んでもよいということである。式(2)から分かるように、音響抵抗構造1060は、音響構造1030の帯域幅を調整するために用いられてもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060は、膜状音響抵抗構造、網状音響抵抗構造、板状音響抵抗構造など、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060は、単層ダンパ構造、多層ダンパ構造など、又は他のダンパ構造を含んでもよい。多層ダンパ構造は、単一の多層ダンパ構造を含んでもよく、複数の単層ダンパ構造で構成されたダンパ構造を含んでもよい。
【0092】
いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060は、音導管1032を形成する側壁1033の、ハウジング1010の第1の側壁1011から離れた外面と、音導管1032の内部と、第1の側壁1011の内面と、第1の側壁1011の外面と、音響キャビティ1031内と、音響電気変換器1020の孔部1021を形成する第2の側壁1051の内面と、第2の側壁1051の外面と、音響電気変換器1020の孔部1021の内部など、又はそれらの組み合わせに設置されてもよい。
【0093】
図10に示すように、音響抵抗構造1060は、単層ダンパ構造の形式で、音導管1032を形成する側壁1033の、第1の側壁1011から離れた外面に設置されてもよい。音響抵抗構造1060の材質、寸法、厚さなどは、実際の必要に応じて設定することができる。例えば、音響抵抗構造1060のX軸方向に沿った長さは、音導管1032とその側壁1033との長さの和に等しくてもよい。また、例えば、音響抵抗構造1060のX軸方向に沿った長さは、音導管1032の孔径以上であってもよい。また、例えば、音響抵抗構造1060のZ軸方向に沿った幅は、音導管1032の側壁1033の幅以上であってもよい。
【0094】
図11に示すように、音響抵抗構造1060は、単層ダンパ構造の形式で第1の側壁1011の内面に設置されてもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060は、ハウジング1010の1つ以上の側壁(例えば、ハウジング1010の側壁1011、側壁1012、側壁1013など)に接続されてもよい。音響抵抗構造1060の材質、寸法、厚さなどは、実際の必要に応じて設定することができる。例えば、音響抵抗構造1060のX軸方向に沿った長さは、ハウジング1010の側壁1011のX軸方向に沿った長さ以下であってもよい。また、例えば、音響抵抗構造1060のZ軸方向に沿った幅は、ハウジング1010の側壁1011のZ軸方向に沿った幅以下であってもよい。また、例えば、音響抵抗構造1060の寸法は、音導管1032の孔径より大きくてもよく、等しくてもよく、小さくてもよい。
【0095】
図12に示すように、音響抵抗構造1060は、単層ダンパ構造の形式で音響キャビティ1031内に設置されてもよく、音導管1032を形成する側壁と接触してもよく、接触しなくてもよい。例えば、音響抵抗構造1060の両端は、それぞれハウジング1010の側壁1012及び/又は側壁1013に接続されてもよい。図13に示すように、音響抵抗構造1060は、単層ダンパ構造の形式で、音響電気変換器1020の孔部1021を形成する第2の側壁1051の外面に設置されてもよく、第2の側壁1051に物理的に接続されてもよく、接続されなくてもよい。例えば、音響抵抗構造1060の両端は、それぞれハウジング1010の側壁1012と側壁1013に接続されてもよい。また、例えば、音響抵抗構造1060は、第2の側壁1051に物理的に接続されてもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の寸法は、第2の側壁1051の寸法と同じでもよく、異なってもよい。例えば、音響抵抗構造1060のX軸方向に沿った長さは、第2の側壁1051のX軸に沿った長さと孔部1021の孔径との和より大きくてもよく、等しくてもよく、小さくてもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の寸法は、音響電気変換器1020の孔部1021の寸法より大きくてもよい。
【0096】
図14に示すように、音響抵抗構造1060は、単層ダンパ構造の形式で音導管1032の内部に設置されてもよく、導音孔の側壁1033の全部又は一部に接続されてもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の材質、寸法、厚さなどは、実際の必要に応じて設定することができる。例えば、音響抵抗構造1060のY軸方向に沿った厚さは、音導管1032のY軸方向に沿った長さより大きくてもよく、等しくてもよく、小さくてもよい。また、例えば、音響抵抗構造1060のX軸方向に沿った長さは、音導管1032の孔径より大きくてもよく、等しくてもよく、小さくてもよい。
【0097】
図15は、本明細書のいくつかの実施例に係るマイクロフォンの概略構成図であり、図15に示すように、音響抵抗構造1060は、二層ダンパ構造を含んでもよく、二層ダンパ構造は、第1の音響抵抗構造1061及び第2の音響抵抗構造1062を含んでもよい。第1の音響抵抗構造1061は、音導管1032を形成する側壁1033の、ハウジング1010の第1の側壁1011から離れた外面に設置されてもよく、第1の側壁1011の外面に物理的に接続されてもよく、接続されなくてもよい。第2の音響抵抗構造1062は、第1の側壁1011の内面に設置されてもよく、第1の側壁1011の内面に物理的に接続されてもよく、接続されなくてもよい。いくつかの実施例において、第1の音響抵抗構造1061及び第2の音響抵抗構造1062の位置、寸法、材質などは、実際の必要に応じて設定することができ、同じであってもよく、異なってもよい。例えば、第1の音響抵抗構造1061及び/又は第2の音響抵抗構造1062は、音響キャビティ1031内に設置されてもよい(例えば、第2の側壁1051、第1の側壁1011、側壁1012、側壁1013などに物理的に接続される)。また、例えば、第1の音響抵抗構造1061及び/又は第2の音響抵抗構造1062は、音響電気変換器1020の孔部1021内に設置されてもよい。また、例えば、第1の音響抵抗構造1061及び/又は第2の音響抵抗構造1062は、音導管1032内に設置されてもよい。さらに、例えば、第1の音響抵抗構造1061及び/又は第2の音響抵抗構造1062は、音導管1032の側壁1033の外面に設置されてもよい。
【0098】
いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060のパラメータを調整することにより、音響抵抗構造1060の音響抵抗値を変更することができる。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060のパラメータは、音響抵抗構造1060の厚さ、孔径、開孔率などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の厚さは、20ミクロン~300ミクロンであってもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の厚さは、10ミクロン~400ミクロンであってもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の孔径は、20ミクロン~300ミクロンであってもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の孔径は、30ミクロン~300ミクロンであってもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の孔径は、10ミクロン~400ミクロンであってもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の開孔率は、10%~50%であってもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の開孔率は、30%~50%であってもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の開孔率は、20%~40%であってもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の開孔率は、25%~45%であってもよい。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060の音響抵抗値の範囲は、1MKS Rayls~100MKS Raylsである。いくつかの実施例において、音響抵抗構造1060のパラメータ(例えば、孔径、厚さ、開孔率など)を調整することにより、音響抵抗構造1060の音響抵抗値を10MKS Rayls~90MKS Rayls、20MKS Rayls~80MKS Rayls、30MKS Rayls~70MKS Rayls、40MKS Rayls~60MKS Rayls、50MKS Raylsにすることができる。
【0099】
いくつかの実施例において、マイクロフォンに音響抵抗構造を設置することにより、マイクロフォンの音響構造の音響抵抗を増加させ、さらにマイクロフォンの周波数応答の帯域幅(3dB)及び/又はQ値を調整することができる。いくつかの実施例において、異なる音響抵抗値を有する音響抵抗構造が、マイクロフォンの周波数応答のQ値に異なる程度の影響を与えてもよい。図16は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの周波数応答曲線である。図16に示すように、横軸は、周波数を表し、単位は、Hzであり、縦軸は、マイクロフォンの周波数応答を表し、単位は、dBである。曲線1610は、音響抵抗構造が設置されていないマイクロフォンの周波数応答を表し、曲線1615は、3MKS Raylsの音響抵抗値を有する音響抵抗構造が設置されたマイクロフォンの周波数応答を表し、曲線1620は、20MKS Raylsの音響抵抗値を有する音響抵抗構造が設置されたマイクロフォンの周波数応答を表し、曲線1630は、65MKS Raylsの音響抵抗値を有する音響抵抗構造が設置されたマイクロフォンの周波数応答を表し、曲線1640は、160MKS Raylsの音響抵抗値を有する音響抵抗構造が設置されたマイクロフォンの周波数応答を表し、曲線1650は、4000MKS Raylsの音響抵抗値を有する音響抵抗構造が設置されたマイクロフォンの周波数応答を表す。図16から分かるように、音響抵抗構造の音響抵抗値の増加につれて、マイクロフォンの周波数応答曲線の帯域幅が増加し、マイクロフォンの周波数応答が低下する。したがって、マイクロフォンの音響抵抗構造の音響抵抗値を設定することにより、マイクロフォンのQ値を調整することができる。いくつかの実施例において、音響抵抗構造の音響抵抗値の増加につれて、マイクロフォンのQ値が低下するため、実際の必要に応じて、音響抵抗構造の音響抵抗値を選択して、マイクロフォンの目標Q値及び目標帯域幅を取得してもよい。例えば、音響抵抗構造の音響抵抗値は、20MKS Rayls以下に設定され、対応する目標帯域幅(3dB)が300Hz以上であってもよい。また、例えば、音響抵抗構造の音響抵抗値は、100MKS Rayls以下で、対応する目標帯域幅(3dB)が1000Hz以上であってもよい。
【0100】
図17は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。図17に示すように、マイクロフォン1700は、ハウジング1710、少なくとも1つの音響電気変換器1720、音響構造1730、音響キャビティ1740及び音響構造1770(第2の音響構造と称されてもよい)を含んでもよい。マイクロフォン1700における1つ以上のアセンブリは、図3に示すマイクロフォン300における1つ以上の対応するアセンブリと同じ又は類似であってもよい。例えば、ハウジング1710、少なくとも1つの音響電気変換器1720、音響構造1730、音響キャビティ1740、特定用途向け集積回路1750などは、図3に示すマイクロフォン200におけるハウジング210、少なくとも1つの音響電気変換器220、音響構造230、音響キャビティ240、特定用途向け集積回路250などと同じ又は類似である。マイクロフォン1700とマイクロフォン200との相違点は、マイクロフォン1700が第2の音響構造1770を含んでもよいということである。いくつかの実施例において、第2の音響構造1770は、音響構造1730と直列に設置されてもよい。第2の音響構造1770と音響構造1730との直列設置とは、第2の音響構造1770の第2の音響キャビティ1771が音響構造1730の音導管1732を介して音響構造1730の音響キャビティ1731と音響的に連通できるということである。いくつかの実施例において、第2の音響構造1770の第2の音響キャビティ1771は、第2の音導管1772を介してマイクロフォン1700の外部と音響的に連通する。いくつかの実施例において、音導管1732は、音響キャビティ1731を構成する側壁1711に設置されてもよく、第2の音導管1772は、第2の音響キャビティ1771を構成する側壁1712に設置されてもよい。
【0101】
いくつかの実施例において、マイクロフォン1700がピックアップした外部音声信号は、まず第2の音響構造1770により調整(例えば、フィルタリング)され、さらに音導管1732により音響構造1730に伝送され、該音声信号は、音響構造1730により再び調整され、二次調整された音声信号は、さらに孔部1721を通ってマイクロフォン1700の音響キャビティ1740に入り、電気信号を生成してもよい。
【0102】
いくつかの実施例において、第2の音響構造1770の構造パラメータは、音響構造1730の構造パラメータと同じであってもよく、異なってもよい。例えば、音響構造1770の形状は、円柱体であってもよく、音響構造1730の形状は、円柱体であってもよい。また、例えば、音響構造1770の音響抵抗値は、音響構造1730の音響抵抗値より小さくてもよい。音響構造1730及び/又は音響構造1770の構造パラメータの設定について、図2A図3及び図5図15並びにその関連する説明を参照することができる。
【0103】
いくつかの実施例において、第2の音響構造1770は、共振周波数(第3の共振周波数と称されてもよい)を有してもよい。音声信号の第3の共振周波数での周波数成分が共振することにより、第2の音響構造1770は、音声信号における第3の共振周波数の近傍にある周波数成分を増幅することができる。音響構造1730は、第1の共振周波数を有してもよく、第2の音響構造1770により増幅された音声信号の第1の共振周波数での周波数成分が共振することにより、音響構造1730は、音声信号における第1の共振周波数の近傍にある周波数成分を続いて増幅することができる。特定の音響構造が特定の周波数範囲にある音声成分のみに対して高い増幅効果を有することを考慮し、理解を容易にするために、1つの音響構造で増幅された音声信号を、該音響構造に対応する共振周波数でのサブバンド音声信号と見なされてもよい。例えば、上記第2の音響構造1770により増幅された音声は、第3の共振周波数でのサブバンド音声信号と見なされてもよく、音響構造1730により続いて増幅された音声信号は、第1の共振周波数での別のサブバンド音声信号を生成する。増幅された音声信号は、音響電気変換器1720に伝送され、対応する電気信号を生成する。このような方式により、音響構造1730及び第2の音響構造1770は、それぞれ第1の共振周波数と第3の共振周波数を含む帯域で、マイクロフォン1700のQ値を向上させ、マイクロフォン1700の感度を向上させることができる。いくつかの実施例において、異なる共振周波数で、(音響電気変換器に対する)マイクロフォン1700の感度の向上代は、同じであってもよく、異なってもよい。例えば、第3の共振周波数が第1の共振周波数より大きい場合、マイクロフォン1700の第3の共振周波数での応答の感度は、マイクロフォン1700の第1の共振周波数での応答の感度より大きい。いくつかの実施例において、音響構造1770及び/又は音響構造1730の構造パラメータを調整することにより、音響構造1770及び/又は音響構造1730の共振周波数を調整することができる。いくつかの実施例において、音響構造1730に対応する第1の共振周波数及び第2の音響構造1770に対応する第3の共振周波数は、実際の状況に応じて設定することができる。例えば、マイクロフォン1700の中低帯域での感度を向上させるために、第1の共振周波数及び第3の共振周波数は、第2の共振周波数より小さくてもよい。また、例えば、特定の周波数範囲内でマイクロフォン1700の感度及びQ値を向上させるために、第1の共振周波数と第3の共振周波数との差の絶対値は、周波数閾値(例えば、100Hz、200Hz、1000Hzなど)より小さくてもよい。また、例えば、マイクロフォン1700の周波数応答曲線をより平坦にし、マイクロフォン1700の広帯域での感度を向上させるために、第1の共振周波数は、第2の共振周波数より大きくてもよく、第3の共振周波数は、第2の共振周波数より小さくてもよい。
【0104】
上記マイクロフォン1700についての説明は、例示を目的としたものに過ぎず、本明細書の範囲を限定することを意図しない。当業者であれば、本明細書の説明に基づいて様々な変更及び修正を行うことができる。いくつかの実施例において、マイクロフォン1700は、複数の音響構造(例えば、3つ、5つ、11個、14個、64個など)を含んでもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォンにおける音響構造の接続方式は、直列接続、並列接続又はそれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施例において、第1の共振周波数、第2の共振周波数、第3の共振周波数の大きさは、実際の必要に応じて調整することができる。例えば、第1の共振周波数及び/又は第3の共振周波数は、第2の共振周波数より小さくてもよく、等しくてもよく、大きくてもよい。また、例えば、第1の共振周波数は、第3の共振周波数より小さくてもよく、等しくてもよく、大きくてもよい。これらの変更及び修正は、本明細書の保護範囲内にある。
【0105】
図18は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。図18に示すように、マイクロフォン1800は、ハウジング1810、少なくとも1つの音響電気変換器1820、音響構造1830、第2の音響構造1870及び第3の音響構造1880を含んでもよい。
【0106】
いくつかの実施例において、ハウジング1810は、マイクロフォン1800における1つ以上のアセンブリ(例えば、音響電気変換器1820、音響構造1830、第2の音響構造1870及び/又は第3の音響構造1880の少なくとも一部)を収容するために用いられてもよい。マイクロフォン1800における1つ以上のアセンブリは、図17に示すマイクロフォン1700における1つ以上のアセンブリと同じ又は類似であってもよい。例えば、ハウジング1810、少なくとも1つの音響電気変換器1820、音響構造1830、音響キャビティ1840、特定用途向け集積回路1850などは、図17に示すマイクロフォン1700におけるハウジング1710、少なくとも1つの音響電気変換器1720、音響構造1730、音響キャビティ1740、特定用途向け集積回路1750などと同じ又は類似である。マイクロフォン1800とマイクロフォン1700との相違点は、マイクロフォン1800に含まれる音響構造の数及び接続方式などがマイクロフォン1700と異なってもよいということである。
【0107】
いくつかの実施例において、ハウジング1810は、内部が中空の構造体であってもよく、1つ以上の音響キャビティ、例えば、音響キャビティ1840、音響構造1830、第2の音響構造1870、第3の音響構造1880などを形成してもよい。いくつかの実施例において、音響電気変換器1820は、音響キャビティ1840内に設置されてもよい。いくつかの実施例において、音響電気変換器1820は、孔部1821を含んでもよい。第3の音響構造1880は、孔部1821を介して音響電気変換器1820と音響的に連通してもよい。いくつかの実施例において、音響構造1830は、音導管1831及び音響キャビティ1832を含んでもよく、第2の音響構造1870は、第2の音導管1871及び第2の音響キャビティ1872を含んでもよく、第3の音響構造1880は、第3の音導管1881、第4の音導管1882及び第3の音響キャビティ1883を含んでもよい。音響キャビティ1832は、第3の音導管1881を介して第3の音響キャビティ1883と音響的に連通してもよい。音響キャビティ1832は、音導管1831を介してマイクロフォン1800の外部と音響的に連通してもよい。第2の音響キャビティ1872は、第4の音導管1882を介して第3の音響キャビティ1883と音響的に連通してもよい。第2の音響キャビティ1872は、第2の音導管1871を介してマイクロフォン1800の外部と音響的に連通してもよい。第3の音響キャビティ1883は、音響電気変換器1820の孔部1821を介して音響電気変換器1820と音響的に連通してもよい。
【0108】
いくつかの実施例において、音響構造1830は、第1の共振周波数を有し、音響電気変換器1820は、第2の共振周波数を有し、第2の音響構造1870は、第3の共振周波数を有し、第3の音響構造1880は、第4の共振周波数を有する。いくつかの実施例において、第1の共振周波数、第3の共振周波数及び/又は第4の共振周波数は、第2の共振周波数と同じであってもよく、異なってもよい。いくつかの実施例において、第1の共振周波数、第3の共振周波数及び/又は第4の共振周波数は、同じであってもよく、異なってもよい。例えば、マイクロフォン1800の広帯域範囲内での感度を向上させるために、第1の共振周波数は、10000Hzより大きくてもよく、第2の共振周波数は、500~700Hzの範囲内にあってもよく、第3の共振周波数は、700Hz~1000Hzの範囲内にあってもよく、第4の共振周波数は、1000Hz~1300Hzの範囲内にあってもよい。また、例えば、マイクロフォン1800の中低帯域内での周波数応答及び感度を向上させるために、第1の共振周波数、第3の共振周波数及び第4の共振周波数は、第2の共振周波数より小さくてもよい。また、例えば、マイクロフォン1800の広帯域範囲内での感度を向上させるために、第1の共振周波数、第3の共振周波数及び第4の共振周波数のうち、一部の共振周波数は、第2の共振周波数より小さく、他の一部の共振周波数は、第2の共振周波数より大きくてもよい。さらに、例えば、マイクロフォン1800の特定の範囲内での感度及びQ値を向上させるために、第1の共振周波数、第3の共振周波数及び第4の共振周波数は、この特定の周波数範囲にあってもよい。
【0109】
マイクロフォン1800を使用して音声信号処理を行う場合、音声信号は、音導管1831を介して音響構造1830の音響キャビティ1832に入り、及び/又は第2の音導管1871を介して第2の音響構造1870の第2の音響キャビティ1872に入ってもよい。音響構造1830は、音声信号を調整し、第1の共振周波数で、第1の共振ピークを有する第1のサブバンド音声信号を生成してもよい。同様に、第2の音響構造1870は、音声信号を処理し、第3の共振周波数で、第2の共振ピークを有する第2のサブバンド音声信号を生成してもよい。音響構造1830及び/又は第2の音響構造1870により調整して生成された第1のサブバンド音声信号及び/又は第2のサブバンド音声信号は、それぞれ第3の音導管1881と第4の音導管1882を介して第3の音響キャビティ1883に入ってもよい。第3の音響構造1880は、続いて第1のサブバンド音声信号及び第2のサブバンド音声信号を調整し、第4の共振周波数で、第3の共振ピークを有する第3のサブバンド音声信号を生成してもよい。音響構造1830、第2の音響構造1870及び第3の音響構造1880により生成された第1のサブバンド音声信号、第2のサブバンド音声信号及び第3のサブバンド音声信号は、音響電気変換器1820の孔部1821を通って音響電気変換器1820に伝送されてもよい。音響電気変換器1820は、第1のサブバンド音声信号、第2のサブバンド音声信号及び第3のサブバンド音声信号に基づいて電気信号を生成してもよい。
【0110】
なお、マイクロフォン1800に含まれる音響構造は、図18に示す音響構造1830、第2の音響構造1870及び第3の音響構造1880に限定されず、マイクロフォン1800に含まれる音響構造の数、音響構造の構造パラメータ、音響構造の数、音響構造の接続方式などは、実際の必要(例えば、目標共振周波数、目標感度、サブバンド電気信号の数など)に応じて設定することができる。単に一例として、図19は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。図19に示すように、マイクロフォン1900は、ハウジング1910、音響電気変換器1920、音響キャビティ1940、音響構造1901、音響構造1902、音響構造1903、音響構造1904、音響構造1905、音響構造1906及び音響構造1907を含んでもよい。音響電気変換器1920は、上記音響キャビティ1940内に設置されてもよい。音響電気変換器1920は、孔部1921を含んでもよい。音響構造1907は、音響キャビティ1973と、音響構造1901、音響構造1902、音響構造1903、音響構造1904、音響構造1905、音響構造1906にそれぞれ連通する6つの音導管とを含んでもよい。マイクロフォン1900のアセンブリ及び音声信号の処理プロセスは、図18におけるマイクロフォン1800と類似し、ここでは説明を省略する。
【0111】
図20は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの概略図である。図20に示すように、マイクロフォン2000は、ハウジング2010、音響キャビティ2040、音響電気変換器2020及び音響構造2030を含んでもよい。いくつかの実施例において、音響電気変換器2020は、音響キャビティ2040内に設置されてもよい。いくつかの実施例において、音響電気変換器2020は、複数の音響電気変換器、例えば、音響電気変換器2021、第2の音響電気変換器2022、第3の音響電気変換器2023、第4の音響電気変換器2024、第5の音響電気変換器2025及び第6の音響電気変換器2026を含んでもよい。いくつかの実施例において、音響構造2030は、複数の音響構造、例えば、音響構造2031、第2の音響構造2032、第3の音響構造2033、第4の音響構造2034、第5の音響構造2035、第6の音響構造2036を含んでもよい。いくつかの実施例において、マイクロフォン2000における各音響構造は、1つの音響電気変換器に対応して設置され、例えば、音響構造2031は、音響電気変換器2021の孔部を介して音響電気変換器2021と音響的に連通し、第2の音響構造2032は、第2の音響電気変換器2022の孔部を介して第2の音響電気変換器2022と音響的に連通し、第3の音響構造2033は、第3の音響電気変換器2023の孔部を介して第3の音響電気変換器2023と音響的に連通し、第4の音響構造2034は、第4の音響電気変換器2024の孔部を介して第4の音響電気変換器2024と音響的に連通し、第5の音響構造2035は、第5の音響電気変換器2025の孔部を介して第5の音響電気変換器2025と音響的に連通し、第6の音響構造2036は、第6の音響電気変換器2026の孔部2063を介して第6音響電気変換器2026と音響的に連通する。第6の音響構造2036を例として説明すると、第6の音響構造2036は、音導管2061及び音響キャビティ2062を含む。第6の音響構造2036は、音導管2061を介してマイクロフォン2000の外部と音響的に連通し、音声信号を受信するために用いられる。第6の音響構造2036の音響キャビティ2062は、音響電気変換器2026の孔部2063を介して音響電気変換器2026と音響的に連通する。いくつかの実施例において、マイクロフォンにおけるすべての音響構造は、1つの音響電気変換器に対応してもよい。例えば、音響構造2031、第2の音響構造2032、第3の音響構造2033、第4の音響構造2034、第5の音響構造2035、第6の音響構造2036の音導管は、それぞれマイクロフォン2000の外部と音響的に連通してもよく、その音響キャビティは、上記音響電気変換器と音響的に連通してもよい。また、例えば、マイクロフォン2000は、複数の音響電気変換器を含んでもよく、音響構造2031、第2の音響構造2032、第3の音響構造2033、第4の音響構造2034、第5の音響構造2035、第6の音響構造2036のうち、一部の音響構造は、複数の音響電気変換器のうちの1つの音響電気変換器と音響的に連通して、他の一部の音響構造は、他の音響電気変換器と音響的に連通してもよい。また、例えば、マイクロフォン2000は、複数の音響電気変換器を含んでもよく、音響構造2031の音響キャビティは、第2の音響構造2032の音導管を介して第2の音響構造の音響キャビティと音響的に連通してもよく、第2の音響構造2032の音響キャビティは、第3の音響構造2033の音導管を介して第3の音響構造2033の音響キャビティと音響的に連通してもよい。第4の音響構造2034は、第5の音響構造2035の音導管を介して第5の音響構造2035の音響キャビティと音響的に連通してもよく、第5の音響構造2035の音響キャビティは、第6の音響構造2036の音導管2061を介して第6の音響構造2036の音響キャビティ2062と音響的に連通してもよい。第3の音響構造2033の音響キャビティ及び第6の音響構造2036の音響キャビティ2062は、同じ又は異なる音響電気変換器と音響的に連通してもよい。このような変形は、いずれも本明細書の保護範囲内にある。
【0112】
いくつかの実施例において、音響構造2030における各音響構造は、受信した音声信号を調整し、サブバンド音声信号を生成してもよい。生成されたサブバンド音声信号は、各音響構造と音響的に連通する音響電気変換器に伝送されてもよく、音響電気変換器は、受信したサブバンド音声信号をサブバンド電気信号に変換する。いくつかの実施例において、音響構造2030における音響構造は、異なる共振周波数を有してもよく、この場合、音響構造2030における音響構造が、異なる共振周波数を有するサブバンド音声信号を生成し、音響電気変換器2020における音響構造に対応する音響電気変換器が変換して、異なる共振周波数を有するサブバンド電気信号を生成してもよい。いくつかの実施例において、音響構造2030及び/又は音響電気変換器2020の数は、実際の状況に応じて設定することができる。例えば、生成する必要があるサブバンド音声信号及び/又はサブバンド電気信号の数に基づいて、音響構造2030及び/又は音響電気変換器2020の数を設定することができる。単に一例として、生成する必要があるサブバンド電気信号が6つである場合、図20に示すように、6つの音響構造を設置してもよく、マイクロフォン2000は、6つのサブバンド電気信号を出力してもよく、その共振周波数範囲は、それぞれ500Hz~700Hz、1000Hz~1300Hz、1700Hz~2200Hz、3000Hz~3800Hz、4700Hz~5700Hz、7000Hz~12000Hzであってもよい。また、例えば、マイクロフォン2000から出力される6つのサブバンド電気信号の共振周波数範囲は、それぞれ500Hz~640Hz、640Hz~780Hz、780Hz~930Hz、940Hz~1100Hz、1100Hz~1300Hz、1300Hz~1500Hzであってもよい。また、例えば、マイクロフォン2000から出力される6つのサブバンド電気信号の共振周波数範囲は、それぞれ20Hz~120Hz、120Hz~210Hz、210Hz~320Hz、320Hz~410Hz、410Hz~500Hz、500Hz~640Hzであってもよい。
【0113】
いくつかの実施例において、マイクロフォンに1つ以上の音響構造、例えば、マイクロフォン1700における音響構造1730及び音響構造1770、マイクロフォン1800における音響構造1830、音響構造1870及び音響構造1880、マイクロフォン1900における音響構造1901、音響構造1902、音響構造1903、音響構造1904、音響構造1905及び音響構造1906を設置することにより、マイクロフォンの共振周波数を増加させ、さらにマイクロフォンの広帯域範囲での感度を向上させることができる。また、複数の音響構造及び/又は音響電気変換器の接続方式の設定、例えば、図20に示すマイクロフォン2000における各音響構造と1つの音響電気変換器との対応設置により、マイクロフォン2000の広帯域範囲での感度を向上させ、さらに音声信号を分周し、サブバンド電気信号を生成し、後続のハードウェア処理の負担を軽減することができる。
【0114】
図21は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの周波数応答曲線の概略図である。図21に示すように、横軸は、周波数を表し、単位は、Hzであり、縦軸は、マイクロフォンの周波数応答を表し、単位は、dBVである。マイクロフォンが11個の音響構造を含むことを例として、図21における11本の破線は、11個の音響構造の周波数応答曲線を表す。いくつかの実施例において、11個の音響構造の周波数応答曲線は、人間の耳に聞こえる20Hz~20kHzの帯域範囲をカバーすることができる。図21における実線は、マイクロフォンの周波数応答曲線2110を表す。理解を容易にするために、マイクロフォンの周波数応答曲線2110は、11個の音響構造の周波数応答曲線を融合して得られたものと見なされてもよい。いくつかの実施例において、1つ以上の音響構造の周波数応答曲線を調整することにより、マイクロフォンの目標周波数応答曲線への調整を実現することができる。例えば、人の声の基本周波数は、基本的に約100Hz~300Hzの間に集中し、大部分の音声情報も中低帯域範囲に集中しているため、サブバンド音声信号の処理後に通話効果が低下しないという前提で、高帯域のサブバンド音声信号の数を減少させてもよい(即ち共振周波数が高帯域にある音響構造の数を減少させる)。また、例えば、2つ以上の音響構造の周波数応答曲線(例えば、隣接する2つの周波数応答曲線)の交差点において、融合して生成されたマイクロフォンの周波数応答曲線には、ピットを形成する可能性がある。ここで、ピットは、融合後の周波数応答曲線(例えば、曲線2110)における隣接するピークとボトムとの間の周波数応答の差(例えば、図21に示す△dBV)と理解されてもよい。ピットの形成は、マイクロフォンの周波数応答を大きく変動させ、さらにマイクロフォンの感度及び/又はQ値に影響を与える可能性がある。いくつかの実施例において、音響構造の構造パラメータを調整し、例えば、音導管の断面積を減少させ、音導管の長さを増加させ、音響キャビティの体積を増加させることにより、音響構造の共振周波数を低下させることができる。いくつかの実施例において、音響構造の構造パラメータを調整し、例えば、マイクロフォンに音響抵抗構造を設置することにより、音響構造の周波数応答曲線の帯域幅を増加させ、融合後の周波数応答曲線2110の高周波数範囲内に形成する大きなピットを軽減させ、マイクロフォンの性能を向上させることができる。例えば、図22は、本明細書のいくつかの実施例に係る例示的なマイクロフォンの周波数応答曲線である。図22に示すように、横軸は、周波数を表し、単位は、Hzであり、縦軸は、マイクロフォンの周波数応答を表し、単位は、dBVである。ここで、各破線は、それぞれマイクロフォンの11個の音響構造の周波数応答曲線を表すことができる。図21における11本の破線に対応する11個の音響構造に比べて、図22における11本の破線に対応する11個の音響構造は、比較的高い音響抵抗を有してもよく、例えば、図22における11本の破線に対応する11個の音響構造の音導管の側壁の内面が比較的粗かったり、音導管又は音響キャビティ内に音響抵抗構造が設置されていたり、音導管が比較的小さい寸法を有したりする。図21における音響構造の周波数応答曲線2110に比べて、図22に示す音響構造の応答曲線2210(特に比較的高い周波数の応答曲線)は、比較的広い帯域幅を有する。11個の音響構造の周波数応答曲線から融合されたマイクロフォンの周波数応答曲線のピット(例えば、図22に示す△dBV)は、比較的小さく、融合された周波数応答曲線2210は、より平坦である。
【0115】
上記で基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記発明の開示は、単なる例として提示されているに過ぎず、本明細書を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本明細書に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本明細書によって示唆されることが意図されておるため、本明細書の例示的な実施例の精神及び範囲内にある。
【0116】
さらに、本明細書の実施例を説明するために、本明細書において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本明細書の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本明細書の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造、又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0117】
さらに、当業者には理解されように、本明細書の各態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又はそれらへの任意の新規かつ有用な改善を含むいくつかの特許可能なクラス又はコンテキストで、例示及び説明され得る。
【0118】
さらに、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本明細書に記載の処理要素又はシーケンスの順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本明細書の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単にその目的のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、反対に、本明細書の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることが理解されよう。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイスに説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0119】
同様に、本明細書の実施例の前述の説明では、本明細書を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることが理解されよう。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、特許請求される主題は、前述の単一の開示された実施形態のすべての特徴より少ない場合がある。
【0120】
いくつかの実施例において成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「実質的」によって修飾されるものとして理解されよう。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、数字が説明する値の±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値データは、いずれも特定の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例において、数値データについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本明細書のいくつかの実施例におけるその範囲を決定するための数値範囲及びデータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例では、このような数値は可能な限り正確に設定される。
【符号の説明】
【0121】
100、200、205、500、800、1000、1700、1800、1900、2000 マイクロフォン
210、510、810、1010、1710、1810、1910、2010 ハウジング
120、220、520、820、1020、1720、1820、1920、2020 音響電気変換器
110、230、530、830、1030、1730、1830、1901、1902、1903、1904、1905、1906、1907、2030 音響構造
231、240、531、540、831、840、1031、1040、1731、1740、1832、1840、1940、1973、2040、2062 音響キャビティ
250、550、850、1050、1750、1850 特定用途向け集積回路
232、532、832、1032、1732、1831、2061 音導管
130、131、132、13n サンプラ
140 信号プロセッサ
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図20
図21
図22