(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-25
(45)【発行日】2024-08-02
(54)【発明の名称】製氷機用の取り外し可能な蒸発器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F25C 1/12 20060101AFI20240726BHJP
F25C 1/246 20180101ALI20240726BHJP
F25B 39/02 20060101ALI20240726BHJP
F28F 1/32 20060101ALI20240726BHJP
【FI】
F25C1/12 Z
F25C1/246
F25B39/02 B
F28F1/32 A
(21)【出願番号】P 2023549151
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 IB2021054861
(87)【国際公開番号】W WO2022084757
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】202011046271
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】523152204
【氏名又は名称】ラム プラカシュ シャーマ
(73)【特許権者】
【識別番号】523152215
【氏名又は名称】バイネイ シャーマ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ラム プラカシュ シャーマ
(72)【発明者】
【氏名】バイネイ シャーマ
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-064317(JP,A)
【文献】特開昭61-165564(JP,A)
【文献】特開2018-087682(JP,A)
【文献】特開2006-064318(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0165490(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/12
F25C 1/246
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷機(101)用の取り外し可能な蒸発器アセンブリ(100)であって、
前記蒸発器アセンブリ(100)は、冷媒管(3)を収容した、第1金属板(1)及び第2金属板(2)を備え、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の各々は、第1主面(19)から延びる複数の突起(1x及び2x)を有するように形成されており、
前記複数の突起(1x及び2x)の各々は、対応する前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の前記第1主面(19)に対向する第2主面(20)において1つ以上のスロット(S)を形成し、
前記第1金属板(1)の前記第2主面(20)に形成された前記1つ以上のスロット(S)が、複数の第1コネクタ(6a)を備え、
前記第2金属板(2)の前記第2主面(20)に形成された前記1つ以上のスロット(S)が、複数の第2コネクタ(6b)を備え、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)のそれぞれの前記第2主面(20)が前記冷媒管(3)に接触するように、前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)が取り外し可能に接続されており、
前記蒸発器アセンブリ(100)は、前記第1金属板(1)の後端においてハウジング(21)を備え、前記ハウジング(21)は、前記第2金属板(2)の後端からの延長部を収容し、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の内の少なくとも一方が第1方向(X)に移動する際に、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)を固定するように、前記複数の第1コネクタ(6a)と前記複数の第2コネクタ(6b)とが互いに取り外し可能に係合
しかつ前記第2金属板(2)の前記後端における前記延長部が前記第1金属板(1)の前記ハウジング(21)内に収容されるように、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の少なくとも一方が前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の他方に対して移動可能である、蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項2】
前記蒸発器アセンブリ(100)を取り外すために前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)とを第2方向(Y)に移動させたときに、前記複数の第1コネクタ(6a)と前記複数の第2コネクタ(6b)は互いに離脱し、前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)を分離する、請求項1に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項3】
前記複数の突起(1x及び2x)は、それぞれ、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の長さ方向に沿って垂直に延びる、複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)の内の少なくとも一方である、請求項1に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項4】
前記複数の第1コネクタ(6a)と前記複数の第2コネクタ(6b)とが互いに摩擦係合する、請求項1に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項5】
前記複数の突起(1x及び2x)は複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)を備え、前記複数の第1突起(1x)及び前記複数の第2突起(2x)は、それぞれ、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)上で互いに等距離に形成される、請求項1に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項6】
前記複数の突起(1x及び2x)は複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)を備え、前記複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)のそれぞれは、V字状である、請求項1に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項7】
前記複数の突起(1x及び2x)は複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)を備え、前記第1主面(19)上に形成される前記複数の第1突起(1x)及び前記複数の第2突起(2x)は、複数の氷形成面(Z)を備える、請求項1に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項8】
前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)は、前記冷媒管(3)を収納するために、前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)の長さ方向において貫通して水平方向に延びる複数の切欠(16)を有するように形成されている、請求項1に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項9】
前記蒸発器アセンブリ(100)は、前記第1金属板(1)の端部に接続された第1フランジ(17)と、前記第2金属板(2)の端部に接続された少なくとも1つの第2フランジ(18)とを備え、前記第1フランジ(17)と前記第2フランジ(18)とが、前記第1金属板(1)、前記第2金属板(2)及び前記冷媒管(3)を固定する、請求項1に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項10】
前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)が低熱伝導率材料からなり、前記冷媒管(3)が高熱伝導率材料からなる、請求項1に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第2フランジ(18)には、第1締結具(4)を収容するための孔(4a)が形成されており、
前記第1締結具(4)は、前記蒸発器アセンブリ(100)を分解するために、前記第1金属板(1)を前記第2金属板(2)に対して外す、請求項
9に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項12】
前記冷媒管(3)は、前記第1金属板(1)及び第2金属板(2)における前記
複数の切欠(16)から外側に突出し、前記冷媒管(3)上で形成する氷塊(11)に半円形状が付与されている、請求項
8に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項13】
前記冷媒管(3)上に形成された氷塊(11)に半円形状が付与されるように、前記冷媒管(3)は、氷塊(11)を形成するように、分散した水を受け入れる、請求項1に記載の蒸発器アセンブリ(100)。
【請求項14】
取り外し可能な蒸発器アセンブリ(100)を製氷機(101)内で組み立てる方法において、
前記方法は、
第1金属板(1)と第2金属板(2)とを、冷媒管(3)と共に互いに隣接して位置合わせすることを備え、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)は、第1主面(19)から延びる複数の突起(1x及び2x)を有するように形成されており、前記複数の突起(1x及び2x)のそれぞれは、対応する前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の前記第1主面(19)に対向する第2主面(20)においてスロット(S)を形成しており、
前記蒸発器アセンブリ(100)は、前記第1金属板(1)の後端においてハウジング(21)を備え、前記ハウジング(21)は、前記第2金属板(2)の後端からの延長部を収容し、
前記第1金属板(1)の前記第2主面(20)に形成された1つ以上の前記スロット(S)が、複数の第1コネクタ(6a)を備え、
前記第2金属板(2)の前記第2主面(20)に形成された1つ以上の前記スロット(S)が、第2コネクタ(6b)を備え、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)を固定するように、複数の前記第1コネクタ(6a)及び複数の前記第2コネクタ(6b)が互いに取り外し可能に係合
しかつ前記第2金属板(2)の前記後端における前記延長部が前記第1金属板(1)の前記ハウジング(21)内に収容されるように、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の少なくとも一方を第1方向(X)に摺動させ、
前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)とを固定的に接続するために、第1フランジ(17)の第1孔(5a)及び第2フランジ(18)の第2孔(5b)に少なくとも1つの第2締結具(5)を締結させる、方法。
【請求項15】
垂直流型の製氷機(101)において、
前記垂直流型の製氷機(101)は、
1つ以上の取り外し可能な蒸発器アセンブリ(100)であって、
前記1つ以上の取り外し可能な蒸発器アセンブリ(100)の各々が、
冷媒管(3)を収容した、第1金属板(1)及び第2金属板(2)とを備え、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の各々は、第1主面(19)から延びる複数の突起(1x及び2x)を有するように形成されており、前記複数の突起(1x及び2x)の各々は、対応する前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の第1主面(19)に対向する第2主面(20)にスロット(S)を形成し、
前記蒸発器アセンブリ(100)は、前記第1金属板(1)の後端においてハウジング(21)を備え、前記ハウジング(21)は、前記第2金属板(2)の後端からの延長部を収容し、
前記第1金属板(1)の前記第2主面(20)に形成された1つ以上の前記スロット(S)が複数の第1コネクタ(6a)を備え、前記第2金属板(2)の前記第2主面(20)に形成された1つ以上の前記スロット(S)が第2コネクタ(6b)を備え、
前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)が接続されたときに前記第1金属板(1)の前記第2主面(20)と前記第2金属板(2)の前記第2主面(20)が冷媒管(3)と接触し、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の少なくとも一方が第1方向(X)に移動したときに、前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)を固定するように、前記複数の第1コネクタ(6a)と
複数の前記第2コネクタ(6b)が互いに取り外し可能に係合
しかつ前記第2金属板(2)の前記後端における前記延長部が前記第1金属板(1)の前記ハウジング(21)内に収容されるように、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の少なくとも一方が他方に対して移動可能であり、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)が第2方向(Y)に移動したときに、前記複数の第1コネクタ(6a)と
複数の前記第2コネクタ(6b)は互いに離脱し、前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)を分離する、垂直流型の製氷機(101)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、熱力学の分野に関する。特に、しかし排他的ではないが、本開示は製氷機に関する。更に、本開示の実施形態は、蒸発器アセンブリの金属板を容易に取り外すための機構を有するように採用される、製氷機用の取り外し可能な蒸発器アセンブリを開示する。
【背景技術】
【0002】
氷は、水を0度未満の温度に晒すことによって形成される。水が凍結温度に晒されると、水は液体状態から固体状態に変わる。所定の形状の金型によって、異なる形状及び大きさの氷を製造することができる。最初に、凍結されるべき水が所定の形状の金型に注がれる。その後、金型は0℃未満の温度に晒され、それによって、金型内の水が凍結する。水が固体状態に変わると、水は金型の形状を獲得し、したがって金型の形状の氷塊が得られる。一般に、家庭用冷蔵庫は、より一般的な立方体形状の氷トレーを備えた氷トレーを使用しており、冷蔵庫及び氷トレーは、少量の氷を生成するのに適している。しかし、食品部門、飲料部門、冷蔵部門などの特定の部門では、形状と大きさについて特定の要求があり、大量の氷が使われている。レストランやホテルなどの食品や飲料の分野では、より小さな氷が一般的に使用されている。近年、食品及び飲料の産業は氷の需要を増加させている。したがって、食品や飲料の部門では、比較的に短期間で大量に氷を製造する必要がある。また、食料品業界や飲料業界で使用される氷の形状が異なることも、消費者にとって美的に心地よいものと思われる。
【0003】
典型的には、氷塊は、予め定められた形状の金型に水又は液体を注ぐことによって作成することができ、これらの金型は氷を形成するために0℃未満の温度に晒されることになる。しかしながら、このようなプロセスは時間がかかりかつ面倒であり、このため大量の氷の製造が困難になる。また、従来から生産されている氷塊は採取時に破損する可能性がある。
【0004】
技術の進歩に伴い、自動製氷機が開発され、多くの分野で使用されている。これらの自動製氷機は、必要な形状と大きさで製氷することにより、人間の介入を最小限に抑える。製氷機は、しばしば、食品又は飲料部門などの大量の氷を必要とする部門に適合される。製氷機は、凍結される水を貯蔵する流体タンクからなる。流体タンクからの水は、ポンプによって水流管に供給されうる。水流管からの水は、蒸発器上の複数の冷却面上に更に流れる。蒸発器の複数の冷却面は、第1伝導性板と第2伝導性板とを備えることができる。冷媒管を第1伝導性板と第2伝導性板との間に挟み込むことができる。また、第1伝導性板と第2伝導性板と冷媒管は、スズ溶接やはんだ付けなどの熱接合プロセスによって接続されうる。冷媒が冷媒管を流れると、水からの熱が第1伝導性板及び第2伝導性板を介して冷媒管に吸収されるので、第1伝導性板及び第2伝導性板の外面に流入した水は氷になる。第1伝導性板及び第2伝導性板は、その上を流れる水を冷却凝固させる冷却面を形成する。水が冷却面で凝固すると、形成されている氷は冷媒管の形状をとり、半円筒形の氷塊を形成する。氷は、更に、金属板と冷媒管の内面上に温水を循環させることによって採取される。この清水によって、第1伝導性板及び第2伝導性板の表面上に形成された氷を部分的に融解させ、貯蔵容器内に落下させる。
【0005】
このような蒸発器の設計において、第1伝導性板と第2伝導性板とは、スズ溶接によって冷媒管に固定的に接続されている。第1伝導性板及び第2伝導性板は互いに反対に構成されており、第1伝導性板と第2伝導性板の間に冷媒管が挟まれている。また、蒸発器の冷媒管と第1伝導性板と第2伝導性板は、互いに固定的に溶接されているため、容易に蒸発器を分解することができない。また、採取サイクルで一定の水流が冷媒管表面上に流れていることに起因して、冷媒管上での細菌形成が差し迫っている。冷媒管の外面を洗浄することは、接近性の欠如のために、しばしば不可能である。蒸発器の全ての構成部品は溶接しているため、冷媒管表面上の細菌形成を洗浄するための蒸発器の分解も不可能である。その結果、冷媒管上の細菌形成を除去するために極めて強力な洗浄剤が使用されることが多く、これらの洗浄剤は時々採取サイクル中に水流と混合し、それによって形成される氷塊を汚染する場合がある。冷媒管の表面上に形成された細菌は、接近性が不足しているために洗浄されないので、汚染された表面を流れる水も汚れることになる。同じ汚れた水を再循環させて氷を形成する場合、形成された氷塊もまた、極めて衛生的ではないものとなる。
【0006】
更に、上述したように、従来の蒸発器アセンブリでは、流入した水からの熱は、第1伝導性板及び第2伝導性板などの中間面を通って冷媒管内の冷媒に吸収されることが多い。これらの板は、一般に、好な導体ではない、ステンレス鋼などの低伝導率金属で構成されており、蒸発器アセンブリの総合効率が著しく低くなる可能性がある。したがって、絶え間なく流れる水を冷却するために必要とされる冷媒の全体的な冷蔵エネルギは著しく増加する。また、冷媒管と絶え間なく流れている水との間の熱伝達は、中間の第1伝導性板及び第2伝導性板によって行われるので、冷媒管を流れる冷媒が冷媒管を流れる作動温度を著しく低下させるか、又は、冷媒管を循環する期間を、氷が第1伝導性板及び第2伝導性板上に形成されるように、著しく増加させなければならない。したがって、従来の蒸発器アセンブリは、多くの場合、氷が生成されるためにより多くの時間を必要とし、冷媒のその後の作動温度は著しく低くなる。その結果、蒸発器アセンブリの全体的な運転コストは、著しく増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、上記の1つ以上の制限、又は、従来の技術に関連する他の制限を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来のシステムの1つ以上の欠点を、洗浄のために容易に分解できる蒸発器アセンブリを提供することによって克服する。蒸発器は、第1金属板と第2金属板と冷媒管を共に保持する複数のコネクタを備える。蒸発器は、また、第1金属板に構成された第1フランジと、第2金属板に構成された第2フランジとから構成され、第1フランジと第2フランジは締結具によって共に保持される。
【0009】
本開示の1つの非限定的実施形態において、製氷機用の蒸発器アセンブリが開示される。蒸発器アセンブリは、冷媒管を収容する、ステンレス鋼又は同様の金属で構成される、第1低伝導性金属板と第2低伝導性金属板とを有する。第1金属板及び第2金属板は、第1主面から延びる複数の突起を有するように形成されており、複数の突起の各々は、対応する第1金属板及び第2金属板の第1主面に対向する第2主面においてスロットを形成している。第1金属板の第2主面に形成された1つ以上のスロットは複数の第1コネクタを備え、第2金属板の第2主面に形成された1つ以上のスロットは複数の第2コネクタを備える。第1金属板及び第2金属板のそれぞれの第2主面は、第1金属板と第2金属板が接続された際に冷媒管に接触する。第1金属板及び第2金属板の少なくとも一方が第1方向に移動するときに、第1金属板と第2金属板を固定するように、複数の第1コネクタと複数の第2コネクタは取り外し可能に互いに係合するように、第1金属板及び第2金属板の少なくとも一方が他方に対して移動可能である。
【0010】
本開示の一実施形態において、第1金属板と第2金属板とを第2方向に移動させたとき、複数の第1コネクタと複数の第2コネクタとは互いに離脱し、第1金属板と第2金属板を分離する。本開示の一実施形態において、第1突起及び第2突起は、それぞれ、第1金属板及び第2金属板の長さ方向に沿って垂直に延びる。
【0011】
本開示の一実施形態において、複数の第1コネクタと複数の第2コネクタとが互いに摩擦係合する。
【0012】
本開示の一実施形態において、複数の第1突起及び複数の第2突起は、それぞれ、第1金属板及び第2金属板上で互いに等距離に形成される。
【0013】
本開示の一実施形態では、複数の第1突起及び複数の第2突起が「V」字状である。
【0014】
本開示の一実施形態において、第1主面上の複数の第1突起及び複数の第2突起は、複数の氷形成面を形成する。
【0015】
本開示の一実施形態において、第1金属板及び第2金属板は、冷媒管を収容する第1金属板及び第2金属板の長さ方向においいて貫通して水平方向に延びる複数の切欠によって形成されている。
【0016】
本開示の一実施形態において、第1フランジは、第1金属板の複数の端部の内の1つに接続され、少なくとも1つの第2フランジは、第2金属板の複数の端部の内の1つに接続され、第1フランジ及び第2フランジは、第1金属板、第2金属板及び冷媒管を固定する。
【0017】
本開示の一実施形態において、前記第1金属板の後端においてハウジングが設けられ、前記ハウジングは、前記第2金属板の後端からの延長部を収容する。本開示の一実施形態において、第1金属板及び第2金属板は低熱伝導率材料からなり、冷媒管は高熱伝導率材料からなる。
【0018】
本開示の一実施形態において、少なくとも1つの第2フランジは、第1締結具を収容するための孔を有するように形成されており、第1締結具は、蒸発器アセンブリを分解するために、第1金属板を第2金属板に対して外す。
【0019】
本開示の一実施形態において、冷媒管は、第1金属板及び第2金属板上に形成された切欠から外側に突出する。
【0020】
一実施形態において、冷媒管は、冷媒管上に形成された氷塊に半円形状が付与されるように、冷媒管上に氷塊を形成するように、分散した水を受け入れる。
【0021】
本開示の別の非限定的な実施形態では、製氷機内で蒸発器アセンブリを組み立てる方法が開示される。本方法は、互いに隣接する第1金属板と第2金属板とを冷媒管と共に位置合わせするステップを有する。第1金属板及び第2金属板は、第1主面から延びる複数の突起を有するように形成されており、複数の突起の各々は、対応する第1金属板及び第2金属板の第1主面に対向する第2主面においてスロットを形成している。第1金属板の第2主面に形成された1つ以上のスロットは複数の第1コネクタを備え、第2金属板の第2主面に形成された1つ以上のスロットは複数の第2コネクタを備える。次のステップは、第1金属板及び第2金属板を固定するように、複数の第1コネクタと複数の第2コネクタが互いに取り外し可能に係合するように、第1金属板及び第2金属板の少なくとも一方を第1方向に摺動させるステップを伴う。最終ステップでは、第1金属板と第2金属板とを固定的に接続するために、少なくとも1つの第2締結具を第1フランジの第1孔と第2フランジの第2孔に締結させるステップを伴う。
【0022】
本開示の更に別の非限定的な実施形態では、垂直流型の製氷機が開示される。装置は、1つ以上の蒸発器アセンブリを有する。1つ以上の蒸発器アセンブリの各々は、冷媒管を収容する、第1金属板と第2金属板を有する。第1金属板及び第2金属板は、第1主面から延びる複数の突起を有するように形成されており、複数の突起の各々は、対応する第1金属板及び第2金属板の第1主面に対向する第2主面においてスロットを形成している。第1金属板の第2主面に形成された1つ以上のスロットは複数の第1コネクタを備え、第2金属板の第2主面に形成された1つ以上のスロットは複数の第2コネクタを備える。第1金属板及び第2金属板のそれぞれの第2主面は、第1金属板と第2金属板が接続された際に冷媒管に接触する。第1金属板及び第2金属板の少なくとも一方が第1方向に移動するときに第1金属板と第2金属板を固定するように、第1金属板及び第2金属板の少なくとも一方が互いに取り外し可能に係合し、第1金属板及び第2金属板の少なくとも一方が他方に対して移動可能である。
【0023】
前述の発明の概要は、単に例示的なものであり、いかなる形にも限定されることを意図しない。上述の例示的な態様、実施形態及び特徴に加えて、更なる態様、実施形態及び特徴は、図面及び以下の説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0024】
本開示の新規な特徴及び特性は、添付の説明に記載される。しかしながら、本開示自体、並びに、好ましい使用態様、更なる目的、及び、それらの利点は、添付の図面と併せて読むと、例示的な実施形態の以下の説明を参照することによって最も良く理解されるであろう。ここで、1つ以上の実施形態を、単に例として、同様の参照番号は同様の要素を表している添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る蒸発器の正面斜視図を図示する。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態に係る蒸発器の上面図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態に係る冷却・製氷サイクル中の蒸発器の側面図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態に係る蒸発器の正面斜視図を図示する。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る採取サイクル中の蒸発器の側面図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形に係る採取サイクル中の蒸発器の側面図を示す。
【
図7】
図7は、本件明細書の一実施形態に係る、締付ねじが取り外された分解状態の第1段階にある複数のコネクタを備えた蒸発器の上面斜視図を図示している。
【
図8】
図8は、本開示の一実施形態に係る、両方の板を分離するためにプーラースクリューが締め付けられている分解状態の第2段階における、分解状態の蒸発器の上面斜視図を図示する。
【
図9】
図9は、本開示の一実施形態に係る、分解された状態の蒸発器の正面斜視図を図示する。
【
図10】
図10は、本開示の一実施形態に係る、分解後の蒸発器の分解図を図示する。
【
図13】
図13は、本開示の一実施形態に係る、
図1の一実施形態の蒸発器の上面図である。
【
図14】
図14は、本開示の一実施形態に係る、
図13からの蒸発器の部分Aの拡大上面図である。
【
図15】
図15は、本開示の一実施形態に係る、締付ねじが取り外された分解状態の第1段階における複数のコネクタを備えた一実施形態の蒸発器を示す上面斜視図である。
【
図16】
図16は、本開示の一実施形態に係る、両方の板を分離するためにプーラースクリューが締め付けられている分解状態の第2段階における、分解された状態の一実施形態の蒸発器を示す上面斜視図である。
【
図17】
図17は、本開示の一実施形態に係る、分解後の一実施形態の蒸発器を示す分解図である。
【
図18】
図18は、本開示の一実施形態に係る、垂直流型の製氷機の側面図を図示している。
【
図19】
図19は、本開示の一実施形態に係る垂直流型の製氷機の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面は、説明のためだけに本開示の実施形態を示している。当業者であれば、本明細書に記載する開示の原理から逸脱することなく、本明細書に図示する、代替の実施形態のシステムを採用できることを以下の説明から容易に認識するであろう。
【0027】
上記は、以下の開示の説明をより良く理解することができるように、本開示の特徴及び技術的利点を広く概説したものである。本開示の更なる特徴及び利点は、以下に本開示の主題を形成するものとして説明される。当業者には理解されるように、開示される概念及び特定の実施形態は、本開示の同じ目的を実行するための他の装置を修正又は設計するための基礎として容易に利用され得る。また、そのような均等の構成は、本開示の精神及び範囲から逸脱しないことも、当業者によって実現されるべきである。本開示の特徴であると考えられる新規な特徴は、その組織に関して、更なる目的及び利点と共に、添付の図との関連で検討されるときに、以下の説明からより良く理解されるであろう。しかし、図の各々は、図示及び説明の目的のために提供されたものであり、本開示の限界の定義として意図されたものではないことを明白に理解されたい。
【0028】
本明細書において、「例示的である(exemplary)」という語は、「例又は図解として役立つ(serving as an example, instance, or illustration)」ことを意味するために使用されている。ここでは、「例示的である(exemplary)」として本明細書に記載されている本主題の任意の実施形態又は実施は、必ずしも他の実施形態よりも好ましい又は有利と解されるものではない。
【0029】
本開示は様々な修正及び代替の形成に影響を受けやすいが、それらの特定の実施形成を図面に一例として示し、以下に説明する。しかし、本開示は開示を開示される特定の形態に限定することを意図したものではなく、逆に、本開示は開示の範囲内にある全ての修正、均等、及び代替に及ぶものであることを理解されたい。
【0030】
「を備える(comprises)」という用語、「備える(comprising)」という用語、又はその任意の他の変形例は、非排他的な含有物に及ぶように意図されており、そのため、構成要素のリストを含む集合体は、それらの構成要素のみを含まず、そのような集合体に明示的に列挙されていない、又は固有の他の構成要素を含みうる。言い換えると、「を備える(comprises... a)」を先行する装置又は集合体内の1つ以上の要素は、より多くの制約なしに、この集合体内の他の要素又は更なる要素の存在を排除しない。
【0031】
本開示の実施形態は、製氷機の蒸発器の構成要素の取り外し可能な金属板の機構を開示する。従来、流水からの熱は、中間面を通って冷媒管内の冷媒に吸収されることが多い。また、中間面は、冷媒管自体の表面と、第1金属板又は第2金属板の表面としうる。冷媒管と絶え間なく流れる水との間の熱伝達が中間板を介して行われるので、冷媒が冷媒管を流れる作動温度を著しく低下させなければならない。その結果、製氷機の効率が低下し、蒸発器アセンブリの全体的な運転コストが増加する。また、蒸発器の冷媒管と第1金属板と第2金属板は、蒸発器を分解することができないため、互いに固定的に溶接されている。また、採取サイクル中の冷媒管の表面上の一定の水の流れは、冷媒管上に細菌の形成を引き起こし、その結果、非衛生的な氷塊が形成される。
【0032】
したがって、本開示は製氷機用の蒸発器アセンブリを開示する。蒸発器アセンブリは、冷媒管を収容する、第1金属板と第2金属板を有する。第1金属板及び第2金属板は、第1主面から延びる複数の突起を有するように形成されており、複数の突起の各々は、対応する第1金属板及び第2金属板の第1主面に対向する第2主面においてスロットを形成している。第1金属板の第2主面に形成された1つ以上のスロットは複数の第1コネクタを備え、第2金属板の第2主面に形成された1つ以上のスロットは複数の第2コネクタを備える。第1金属板及び第2金属板のそれぞれの第2主面は、第1金属板と第2金属板が接続された際に冷媒管に接触する。第1金属板及び第2金属板の少なくとも一方が第1方向に移動するときに。第1金属板及び第2金属板を固定するために、複数の第1コネクタと複数の第2コネクタが互いに係合するように、第1金属板及び第2金属板の少なくとも一方が他方に対して移動可能である。また、第1金属板及び第2金属板が第2方向に移動する際に、複数の第1コネクタと複数の第2コネクタは互いに離脱し、第1金属板と第2金属板とを分離する。
【0033】
以下の段落では、
図1~
図11を参照して本開示について説明する。
図1は、取り外し可能な蒸発器アセンブリ(100)の正面斜視図を示し、
図2は、取り外し可能な蒸発器アセンブリ(100)の上面斜視図を示す。蒸発器アセンブリ(100)は、第1金属板(1)と第2金属板(2)との間に設けられるか挟まれる冷媒管(3)を有する。第1金属板(1)及び第2金属板(2)は、それぞれ、複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)を形成するように構成されている。第1金属板(1)及び第2金属板(2)は、第1主面(19)から延びる複数の突起(1x及び2x)を有するように形成することができ、複数の突起(1x及び2x)のそれぞれは、対応する第1金属板(1)及び第2金属板(2)の第1主面(19)にそれぞれ対向する対応する第2主面(20)においてスロット(S)を形成しうる。第1金属板(1)及び第2金属板(2)は、第1金属板(1)及び第2金属板(2)の複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)がそれぞれ第1金属板(1)及び第2金属板(2)の長さ方向全体にわたって垂直に延びるように形成又はプレス加工されている。第1金属板(1)及び第2金属板(2)に形成される複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)は、互いに等距離とすることができ、また、複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)は、「V」字状としうる。第1金属板(1)及び第2金属板(2)に沿って垂直に延びる複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)は、複数の氷塊の形成のための複数の氷形成面(Z)を形成する壁として作用しうる。また、第1金属板(1)及び第2金属板(2)の内側部分は、第1金属板(1)及び第2金属板(2)の長さ方向の全域又は少なくともある位置において水平に延びる複数の切欠(16)が切り取られうる(
図9から明らかに分かる)。第1金属板(1)及び第2金属板(2)に切り取られた切欠(16)は、「V」字状の突起(1x、2x)の上端において、第1金属板(1)及び第2金属板(2)の氷形成面(Z)に沿って構成されうる。第1金属板(1)及び第2金属板(2)において切り取られた切欠(16)は、個々に半円形状とすることができ、切欠(16)は、第1金属板(1)と第2金属板(2)とを互いに位置合わせしたときに完全な円形状の通路を形成しうる。円形状の切欠(16)は、蒸発器アセンブリ(100)の中央領域に沿って延び、第1金属板(1)及び第2金属板(2)に切り取られた切欠(16)は、冷媒管(3)をコンパクトに収容するように構成することができる。冷媒管(3)は、第1金属板(1)及び第2金属板(2)における切欠(16)から外側に突出している。冷媒管(3)は、冷媒管(3)上に形成された氷塊(11)に半円形状が付与されるように、冷媒管(3)上に氷塊(11)を形成するように、分散した水を受ける。第1金属板(1)と第2金属板(2)で切り取られた半円状の切欠(16)は、切欠(16)の内側で冷媒管(3)が好適に収容されるように冷媒管(3)と同径かそれよりも若干大径としうる。第1金属板(1)の前端は、少なくとも1つの第1フランジ(17)を形成するように構成することができ、第2金属板(2)は、また、少なくとも1つの第2フランジ(18)を形成するように構成されうる。第1フランジ(17)及び第2フランジ(18)は、氷形成面(Z)に対して垂直な方向に形成されうる。第1フランジ(17)及び第2フランジ(18)は、それぞれ、第1金属板(1)及び第2金属板(2)の一体部分であって、氷形成面(Z)に対して垂直な方向にプレス加工又は変形されうる。第1フランジ(17)及び第2フランジ(18)は、
図1から見て、冷媒管(3)の間に延びうる。更に、複数の第1フランジ(17)のそれぞれは、第1フランジ(17)を貫通して延びる第1孔又はアパーチャ(5a)を有するように形成することができ、複数の第2フランジ(18)のそれぞれは、第2フランジ(18)を貫通して延びる第2孔(5b)を有するように形成されうる(
図8から明確に見て取れる)。第1フランジ(17)と第2フランジ(18)の第1孔(5a)と第2孔(5b)は、それぞれ、第1フランジ(17)と第2フランジ(18)とが互いに隣接して配置されたときに同じ軸に沿って位置するように構成されうる。第1フランジ(17)及び第2フランジ(18)の第1孔(5a)及び第2孔(5b)は、それぞれ、第2締結具(5)を収容しうる。一実施形態では、第2締結具(5)は、締付ねじ(5)である。第2締結具(5)は、第1孔(5a)及び第2孔(5b)のねじ山に適合するねじ山を有するように形成されうる。第2締結具(5)は、第1フランジ(17)が第2フランジ(18)に固定的に接続されるように、第1フランジ(17)の第1孔(5a)と第2フランジ(18)の第2孔(5b)にそれぞれに締結されうる。また、第2フランジ(18)は、第2フランジ(18)を貫通する第3孔(4a)によって形成されうる。第3孔(4a)は、第1締結具(4)を収容するように構成することができ、第3孔(4a)のねじ山は、第1締結具(4)上に形成されるねじ山と噛み合うことができる。
図2を更に参照すると、第1金属板(1)の後端は、「U」字状のハウジング(21)を形成するように構成又は変形することができ、第2金属板(2)の後端は、第1金属板(1)のハウジング(21)の内側に収納される延長部材としうる。
【0034】
第1金属板(1)の第2主面(20)に形成される1つ以上のスロット(S)は複数の第1コネクタ(6a)を収容し、第2金属板(2)の第2主面(20)に形成される1つ以上のスロット(S)は複数の第2コネクタ(6b)を収容する。また、「V」字状の第1突起(1x)及び第2突起(2x)の各々の内面には、複数の第1コネクタ(6a)及び複数の第2コネクタ(6b)がそれぞれ設けられうる。
図2から分かるように、第1金属板(1)には、「V」字状の第1突起(1x)の各々の内面に、複数の第1コネクタ(6a)が設けられている。また、複数の第1コネクタ(6a)は、第1金属板(1)の第1突起(1x)それぞれの長さ方向全体にわたって設けられうる。また、複数の第1コネクタ(6a)は、機械的な接合手段(7)を有する「C」字形状の部材としうる。一実施形態において、前記機械的接合手段(7)は、第1張力付与部材(7a)である。また、複数の第1コネクタ(6a)は、溶接等の熱接合工程により、第1突起(1x)の内面に固定的に接続されうる。同様に、第2金属板(2)の「V」字状の第2突起(2x)の各々の内面には、複数の第2コネクタ(6b)が設けられている。また、複数の第2コネクタ(6b)は、第2金属板(2)の第2突起(2x)それぞれの長さ方向全体にわたって設けられうる。また、前記複数の第2コネクタ(6b)は、機械的な接合手段を備えた「C」字形状の部材とすることができ、前記機械的接合手段は、第2張力付与部材(7b)である。また、複数の第2コネクタ(6b)は、溶接等の熱接合処理により第2突起(2x)の内面に固定的に接続されうる。
【0035】
この冷媒管(3)は、第1金属板(1)と第2金属板(2)との間に設けられた切欠(16)の内側に冷媒管(3)が収容されるように、第1金属板(1)と第2金属板(2)との間に嵌入されている。第1金属板(1)及び第2金属板(2)は、更に、複数の第1コネクタ(6a)及び複数の第2コネクタ(6b)によって更に共に保持されている。複数の第1コネクタ(6a)からの第1張力付与部材(7a)は、複数の第2コネクタ(6b)からの第2張力付与部材(7b)に摩擦接触する。蒸発器アセンブリ(100)の組み立てには、冷媒管(3)と共に、互いに隣接する第1金属板(1)と第2金属板(2)の位置合わせを伴う。次のステップは、第1金属板(1)及び第2金属板(2)を固定するために、複数の第1コネクタ(6a)及び複数の第2コネクタ(6b)が互いに取り外し可能に係合するように、第1金属板(1)及び第2金属板(2)の少なくとも一方を第1方向(X)に摺動させることを伴う。第1金属板(1)と第2金属板(2)と冷媒管(3)を組み立てる間、複数の第2コネクタ(6b)が複数の第1コネクタ(6a)と取り外し可能に係合し、第2金属板(2)の後端における延長部が第1金属板(1)のハウジング(21)の内部に収容されるように、第1金属板(1)又は第2金属板(2)を他方の金属板上を摺動させることができる。したがって、第1張力付与部材(7a)と第2張力付与部材(7b)の間の引張力によって、複数の第1コネクタ(6a)と複数の第2コネクタ(6b)が共に保持されることが保証される。その結果、第1金属板(1)の突起(1x)に収納された複数の第1コネクタ(6a)と、突起(2x)に収納された複数の第2コネクタ(6b)とにより、第1金属板(1)と第2金属板(2)が、第1張力付与部材(7a)と第2張力付与部材(7b)の間の張力により共に保持されることを保証する。一旦、第1金属板(1)と第2金属板(2)を、複数の第1コネクタ(6a)及び第2コネクタ(6b)によって共に保持し、第1締結具(4)は、更に、第1フランジ(17)の第1孔(5a)及び第2フランジ(18)の第2孔に締結し、これにより、第1金属板(1)と第2金属板(2)を接続するようにしうる。
【0036】
一実施形態において、第1金属板(1)及び第2金属板(2)は、ステンレス鋼などの低熱伝導率材料からなり、冷媒管(3)は、ニッケルを被覆した銅などの高熱伝導率の金属からなる。一実施形態によると、冷媒管(3)への銅の使用を制限することによって、製氷機の容量1Kg当たりの銅の使用量を最小限に抑えることができ、それによって、蒸発器アセンブリ(100)の高効率かつ経済的な設計が実現される。
【0037】
図3及び
図4は、冷却サイクル中の蒸発器アセンブリ(100)の側面図及び正面斜視図を示している。図示のように、複数の水流管(8)は、蒸発器アセンブリ(100)の上部に構成することができる。水流管(8)は、第1金属板(1)、第2金属板(2)及び冷媒管(3)の氷形成面(Z)上に水を分散させる構成とすることができる。また、冷媒は冷媒管(3)を適切に循環させることができる。流体タンク(14)からの水(
図10から見られる)は、複数の水流管(8)に圧送されうる。水流管(8)からの水は、水流管(8)の下面にある複数のアパーチャを通って複数の氷形成面(Z)上に流れる。冷却サイクル中の水の流れは
図3からはっきりとわかる。また、水は、複数の氷形成面(Z)上を流れ、複数の冷媒管(3)の基面(B)に直接的に接してくる。水流管(8)からの水は、冷媒管(3)の基面(B)に直接導かれるので、より速い速度で氷が形成される。また、冷媒管(3)の基面(B)が流れている水と直接的に接触するので、蒸発器アセンブリ(100)の全体的な運転効率が高まる。水が冷媒管(3)の基面(B)に遭遇すると、氷に固化し、冷媒管(3)の両側に半球状の氷塊が形成される。冷媒管(3)の基面(B)にわたって水が流れ続けると、既に存在している氷の層(11)の上に、更なる氷の層が形成される。
【0038】
図4から分かるように、冷媒管(3)の基面(B)と第1金属板(1)と第2金属板(2)の氷形成面(Z)の周囲には、複数の半円筒状の氷塊が形成されている。
図3から分かるように、冷却サイクル中の水流は、最初に、複数の氷形成面(Z)及び冷媒管(3)の基面(B)上に向けられる。水は冷媒管(3)上に流れ、冷媒管(3)内の冷媒が水からの熱を吸収し、これにより、水を冷媒管(3)の基面(B)上で固化させる。このようにして、氷が冷媒管(3)の表面上に直接的に形成される。更に、更なる水が第1金属板(1)及び第2金属板(2)の氷形成面(Z)を通って循環されると、水は冷媒管(3)上の既に形成された氷の層上で更に凝固する。したがって、氷は徐々に層の形で形成される。冷媒管(3)の周囲に形成される氷の層が増加するにつれて、氷は徐々に半円筒形の形状をとる。水は冷媒管(3)の全ての基面(B)を通して徐々に流れる。冷媒管(3)の第1表面(B1)で凍結又は凝固していない水は、冷媒管(3)の次の又は第2表面(B2)へ流れる。更に、第2表面(B2)上を流れる特定量の水のみが凝固し、一方、余分な水は氷形成面(Z)によって第3表面(B3)に流れる。この水の流れは、冷媒管(3)の全ての基面(B)を通って続く。冷媒管(3)の最終表面(B4)上で凍結又は凝固していない残りの水は、蒸発器アセンブリ(100)の下に収納されている流体・水タンク(14)内に流れる。
【0039】
従って、完全な半円筒形の氷塊が得られるまで、氷は徐々に層毎の方法で形成される。冷媒管(3)は、氷の形成のために基面(B)として直接作用するので、冷媒管(3)上を流れる水と冷媒管(3)内部の冷媒との間の熱伝達が豊富である。また、冷媒管(3)自体の基面(B)が直接氷形成面として作用するため、水が氷に凝固する間の熱損失が最小限に抑えられる。したがって、氷が形成される速度又は所要時間が大幅に改善され、蒸発器アセンブリ(100)の全体的な運転効率も改善される。
【0040】
図5及び
図6は、採取サイクル中の蒸発器アセンブリ(100)の側面図を示している。
図5に示すように、清水管(9)が蒸発器アセンブリ(100)の上部に設けられている。除霜流体は、除霜流体タンクからポンプ又は任意の他の適切な手段によって清水管(9)に供給される。除霜流体は、第1金属板(1)と第2金属板(2)との間を循環させて、除霜流体が冷媒管(3)の内面、並びに、第1金属板(1)と第2金属板(2)の内面に直接的に落下するようにしうる。除霜流体は、清水であり、一般に、より高い温度である。除霜流体は、第1金属板(1)及び第2金属板(2)と同様に冷媒管(3)の内面に直接的に接触するように分散される。除霜流体は、適切な手段によって複数の冷媒管(3)に噴霧される。除霜流体は、氷が完全に形成された場合にのみ複数の冷媒管(3)に噴霧される。除霜サイクルの開始時には、高温冷媒流体が冷媒管(3)内を流れ始め、この高温除霜流体が冷媒管(3)に遭遇すると、冷媒管(3)の全体温度が増す。この冷媒管(3)の温度上昇により、複数の冷媒管(3)の基面(B)上に形成されている氷が部分的に溶ける。氷が冷媒管(3)の基面(B)から部分的に溶けるにつれて、氷塊は複数の冷媒管(3)の基面(B)から離脱する。冷媒管(3)から分離された氷塊は、
図5から分かるように徐々に落下する。
【0041】
本開示の一実施形態において、除霜流体は、採取サイクル中に複数の冷媒管(3)を通って直接的に循環されうる。
【0042】
本開示の一実施形態において、冷却サイクル及び採取サイクルは、所定の時間だけ作動することができ、この所定の時間は、冷却サイクル中に氷が形成されるのに必要な最小時間と、採取サイクル中に氷が冷媒管(3)から離脱するのに必要な最小時間としうる。水位は、冷却サイクル中に制御することができ、蒸発器の温度は、コントロールユニットを介して除霜サイクル中に制御することができる。
【0043】
一実施形態において、冷媒管(3)の表面は、冷媒管(3)の基面(B)上の細菌の形成を避けるために、侵食及び/又は腐食を防止するために、ニッケル又は他の適当な非腐食性の長持ちする食品等級の電気分解被膜で被覆されうる。
【0044】
冷却及び採取サイクルは、複数回完了することができ、所定数のサイクルの後には、蒸発器アセンブリ(100)を洗浄しなければならない。複数サイクルの冷却及び採取の後、蒸発器が適切に洗浄されていない場合、多量の細菌が冷媒管(3)の基面(B)上及び第1金属板(1)及び第2金属板(2)の裏面(Z)上に蓄積することがある。したがって、蒸発器アセンブリ(100)の分解と洗浄が必要になる。更に、複数の第1コネクタ(6a)及び複数の第2コネクタ(6b)にわたる一定の流れの水により、蒸発器アセンブリ(100)のコネクタ(6)及び他の接合部には、水中のかなりの量のカルシウムが蓄積される可能性がある。例えば、第1フランジ(17)、第2フランジ(18)及びコネクタ(6)の間には、そのために分解が困難になる、かなりの量のカルシウムの堆積物が存在し得る。また、蒸発器アセンブリ(100)は、以下のようにして洗浄のために分解される。
【0045】
図6を参照すると、除霜流体に対する入射角は、18度~22度の範囲である。入射角は、冷媒管(3)の上面からの鉛直線と、第1金属板(1)及び第2金属板(2)の少なくとも一方に接触してくる冷媒管(3)の表面からの接線との間で規定される。一般に、除霜流体は、
図6の点線で示すように、第1金属板(1)と第2金属板(2)との間を流れる。除霜流体は、冷媒管(3)の外面に接触するようになり、冷媒管(3)内の冷媒を加熱する。続いて、氷塊(11)が部分的に加熱され、上記のようにして蒸発器アセンブリ(100)から放出される。また、第1金属板(1)と第2金属板(2)は、除霜流体に対する入射角(X)が18度~22度の間、好ましくは20度になるように離間している。これにより、冷媒管(3)上に落下する除霜流体は、より大きな表面積の冷媒管(3)に曝される。その結果、除霜流体が冷媒管(3)内の冷媒を加熱する速度が著しく高くなる。したがって、氷塊は、加熱され、より速い速度で冷媒管(3)の外面から離脱する。氷塊が採取される速度は、第1金属板(1)及び第2金属板の上述の構成が、除霜流体に対して20度に等しい入射角(X)を可能にする結果、大幅に向上する。また、上記の構成による採取サイクルがより速いことに起因して、1日あたりの冷却及び採取サイクル数が大幅に増加し、生産される氷の量が著しく多い。実験的には、上記の構成による採取サイクルはわずか45秒程度しか必要としないことが分かった。
【0046】
次に、蒸発器アセンブリ(100)の組み立てられた上面斜視図及び分解図をそれぞれ示す、
図7及び
図8を参照する。更に、
図9は、蒸発器アセンブリ(100)を分解した正面斜視図を示している。
図7に示すように、第2締結具(5)は、第1フランジ(17)の第1孔(5a)及び第2フランジ(18)の第2孔(5b)からそれぞれ初めに外されている。
図7から分かるように、第2締結具(5)を、反時計回りに回転させることができ、第1フランジ(17)及び第2フランジ(18)から完全に取り外すことができる。一旦、第2締結具(5)が取り外されると、第1締結具(4)は、
図8及び
図9から見て時計回りに回転しうる。一実施形態では、第1締結具(4)は、プッシャねじとして知られている。第1締結具(4)は、第2フランジ(18)の単一の第3孔(4a)を貫通して構成される。第2フランジ(18)に隣接しかつその背後に構成される第1フランジ(17)は、第1締結具(4)を収容するための孔を一切備えていない。これにより、第1締結具(4)の締め付けにより、第1締結具(4)が第1フランジ(17)に直接的に接触する。
図7及び
図8に見られるように、第1締結具(4)が更に締め付けられると、第1締結具(4)の後端が第1フランジ(17)に押し付けられ、第1フランジ(17)が第2フランジ(18)から第2方向(Y)に離脱又は係合解除する。第1フランジ(17)が第1締結具(4)の第2方向(Y)への締付けによって押し離されると、第1金属板(1)も後方へ摺動する。これにより、第1コネクタ(6a)の第1張力付与部材(7a)が複数の第2コネクタ(6b)の第2張力付与部材(7b)から離脱し、第1金属板(1)が第2金属板(2)から係合解除する。したがって、余分なカルシウム又は他の鉱物堆積物が蒸発器アセンブリ(100)の分解を妨げるとき、第1締結具(4)は第1金属板(1)を第2金属板(2)から分解するのを補助する。
図10は、蒸発器アセンブリ(100)の分解図を示している。蒸発器アセンブリ(100)が上記のようにして一旦分解されると、第1金属板(1)、第2金属板(2)及び冷媒管(3)は容易に洗浄されうる。蒸発器アセンブリ(100)は完全に分解されるので、蒸発器アセンブリ(100)の全ての部品及び表面に容易に接近でき、蒸発器アセンブリ(100)内の全ての構成要素の徹底的な洗浄を達成することができる。したがって、蒸発器アセンブリ(100)を定期的に保守することにより、氷形成面(Z)又は冷媒管(3)上に細菌が全く形成されず、その結果、動作条件が衛生的であることが保証される。コネクタ(6)、フランジ(17及び18)、第1締結具(4)及び第2締結具(5)の上記の構成により、使用者は蒸発器アセンブリ(100)を定期的な洗浄及び保守のために分解することができ、それにより、蒸発器アセンブリ(100)において高度の衛生が維持されることを保証する。
【0047】
図11及び
図12は、一実施形態の蒸発器アセンブリ(100)を示す正面斜視図である。上記好適な実施形態と同様に、蒸発器アセンブリ(100)もまた、第1金属板(1)及び第2金属板(2)を有している。また、第1金属板(1)及び第2金属板(2)は、第1主面(19)から延びる複数の突起(1x及び2x)を有するように形成されており、複数の突起(1x及び2x)のそれぞれは、対応する第1金属板(1)及び第2金属板(2)の第1主面(19)に対向する対応する第2主面(20)においてスロット(S)をそれぞれ形成しうる。第1金属板(1)及び第2金属板(2)は、上記と同様の構成である。また、第1金属板(1)及び第2金属板(2)の内側部分は、複数の切欠(16)によって切り取られうる。第1金属板(1)及び第2金属板(2)で切り取られた切欠(16)は、「V」字状の突起(1x、2x)の上端において、第1金属板(1)及び第2金属板(2)の氷形成面(Z)に沿って構成されうる。円形状の切欠(16)は、蒸発器アセンブリ(100)の中央領域に沿って延び、第1金属板(1)及び第2金属板(2)に切り取られた切欠(16)は、冷媒管(3)をコンパクトに収容するように構成することができる。
【0048】
第1金属板(1)の前端は、少なくとも1つの第1フランジ(17)を形成するように構成することができ、第2金属板(2)は、また、少なくとも1つの第2フランジ(18)を形成するように構成されうる。第1フランジ(17)及び第2フランジ(18)は、氷形成面(Z)に対して垂直な方向に形成されうる。第1フランジ(17)及び第2フランジ(18)は、それぞれ、第1金属板(1)及び第2金属板(2)の一体部分とすることができ、また、氷形成面(Z)に対して垂直な方向にプレス加工又は変形されることができる。この特定の実施形態では、第1フランジ(17)及び第2フランジ(18)は、蒸発器アセンブリ(100)の高さ全体にわたって延びる単一の構成要素であるように構成されうる。第1フランジ(17)は、第1フランジ(17)と第2フランジ(18)の両方が互いに接触する中間部を形成するように、部分的に第2フランジ(18)にわたって延びるように構成されうる。一実施形態において、第1フランジ(17)は、中間重なり部が蒸発器アセンブリ(100)の中心に沿って形成されうるように、第2フランジ(18)にわたって延びうる。第1孔又はアパーチャ(5a)は、第1孔(5a)が第1フランジ(17)を貫通して延びるように中間重なり部上に形成することができ、第2フランジ(18)は、第2フランジ(18)を貫通して延びる第2孔(5b)を有するように形成されるように形成されうる。第1フランジ(17)と第2フランジ(18)上の第1孔(5a)と第2孔(5b)は、互いに隣接して配置された第1フランジ(17)と第2フランジ(18)とが同じ軸に沿って位置するように構成されうる。第1フランジ(17)及び第2フランジ(18)の第1孔(5a)及び第2孔(5b)は、それぞれ、第2締結具(5)を収容しうる。第2締結具(5)は、第1フランジ(17)が第2フランジ(18)に固定的に接続されるように、第1フランジ(17)の第1孔(5a)と第2フランジ(18)の第2孔(5b)それぞれに締結されうる。また、第2フランジ(18)は、第2フランジ(18)を貫通する第3孔(4a)によって形成されうる。第3孔(4a)は、第1締結具(4)を収容するように構成することができる。
【0049】
図13は、一実施形態の蒸発器アセンブリ(100)の上面図であり、
図14は、
図13からの蒸発器の部分Aの拡大上面図である。第1金属板(1)の第2主面(20)に形成される1つ以上のスロット(S)は、複数の第1コネクタ(6a)を収容し、第2金属板(2)の第2主面(20)に形成される1つ以上のスロット(S)は、複数の第2コネクタ(6b)を収容する。また、「V」字状の第1突起(1x)及び第2突起(2x)の各々の内面には、複数の第1コネクタ(6a)及び複数の第2コネクタ(6b)がそれぞれ設けられうる。
図2から分かるように、第1金属板(1)の「V」字状の第1突起(1x)の各々の内面に、複数の第1コネクタ(6a)が設けられている。また、複数の第1コネクタ(6a)は、第1金属板(1)の複数の第1突起(1x)のそれぞれの長さ方向全体にわたって設けられうる。また、複数の第1コネクタ(6a)は、直線状の延長部材とすることができ、張力付与部材としうる。複数の第1コネクタ(6a)は、(
図17からはっきり見える)第1係止片(6y)上に形成され、第1金属板(1)は、蒸発器アセンブリ(100)の全長にわたって延びる。複数の第1コネクタ(6a)を有する複数の第1係止片(6y)が第1金属板(1)に構成されうる。複数の第1コネクタ(6a)は、張力付与部材のように作用する延長部材を形成するように切り抜かれて形成されうる。同様に、第2金属板(2)上の「V」字状の第2突起(2x)のそれぞれの内面には、複数の第2コネクタ(6b)が設けられている。また、複数の第2コネクタ(6b)は、第2金属板(2)の複数の第2突起(2x)のそれぞれの長さ方向全体にわたって設けられうる。また、複数の第2コネクタ(6b)は、直線状の延長部材とすることができ、張力付与部材としうる。複数の第2コネクタ(6b)は、(
図17からはっきり見える)第2係止片(6x)上に形成され、第2係止片(6x)は、蒸発器アセンブリ(100)の全長にわたって延びる。複数の第2コネクタ(6b)を有する複数の第2係止片(6x)が第2金属板(2)に構成されうる。複数の第2コネクタ(6b)は、張力付与部材と同様に作用する延長部材を形成するように切り抜かれて形成されうる。また、蒸発器アセンブリ(100)の組立の際には、第1金属板(1)と第2金属板(2)を固定するように、複数の第1コネクタ(6a)及び複数の第2コネクタ(6b)が互いに係合するように、第1金属板(1)が第2金属板(2)に対して第1方向(X)に摺動させられる。複数の第1コネクタ(6a)と複数の第2コネクタ(6b)との間の張力により、第1金属板(1)、第2金属板(2)及び冷媒管(3)を共に保持する。
【0050】
図15は、締付ねじ(5)が取り外された分解状態の第1段階の、複数のコネクタ(6a及び6b)を備えた、一実施形態の蒸発器アセンブリ(100)を示す上面斜視図である。
図16は、分解状態の一実施形態の蒸発器アセンブリ(100)のを示す上面斜視図であって、分解の第2段階においては、プーラースクリュー(4)が締め付けられて両板(1及び2)を分離しており、
図17は分解後の一実施形態の蒸発器アセンブリ(100)を示す分解図である。締付ねじ(5)の取り外し及びプーラースクリュー(4)の締付けは、上記好適な実施形態について例示したプロセスに類似する。
【0051】
図18及び
図19は、蒸発器アセンブリ(100)を備える垂直流型の製氷機(101)の側面図及び斜視図をそれぞれ示している。一実施形態において、蒸発器アセンブリ(100)は、流体槽(14)と共に、製氷機(101)において設けられうる。蒸発器アセンブリ(100)によって形成される氷塊は、氷スライド(13)によって摺動することができ、製氷機(101)の内部の容器(15)内で取得されることができる。
【0052】
本開示の一実施形態において、コネクタ(6)、フランジ(17及び18)、第1締結具(4)及び第2締結具(5)を備えた蒸発器アセンブリ(100)の構成は、定期的な洗浄及び保守のための蒸発器アセンブリ(100)の容易な組立及び分解を可能にする。
【0053】
本開示の一実施形態において、蒸発器アセンブリ(100)の分解及び洗浄は、使用者がより高度の衛生基準を維持することを保証及び可能にする。
【0054】
本開示の一実施形態において、流体が冷媒管(3)に直接的に接触するので、冷媒管(3)と氷に変わるべき流体との間の全伝熱は、改善される。
【0055】
本開示の一実施形態において、流体が氷に変わる速度は改善され、必要な形と大きさの氷塊が短期間で生成される。
【0056】
本開示の一実施形態において、蒸発器アセンブリ(100)の総合的な運転効率は、氷が冷媒管(3)上に直接的に形成されることを可能にすることによって、改善される。本開示の一実施形態において、氷塊が採取される速度は、除霜流体に対して20度に等しい入射角(X)を可能にする上述の第1金属板(1)及び第2金属板の構成により、大幅に改善される。
【0057】
一実施形態において、氷塊(11)は、上述した蒸発器アセンブリ(100)の構成において冷媒管(3)上に直接的に形成される。したがって、この構成により、氷塊の形成のために冷媒管(3)に隣接する更なる銅板の使用を回避することができる。したがって、銅の使用が最小限に抑えられ、蒸発器アセンブリ(100)の全体的な製造コストは経済的になる。また、蒸発器アセンブリ(100)は、複数の第1コネクタ(6a)及び第2コネクタ(6b)によって取り外し可能に構成されている。したがって、上記の蒸発器アセンブリ(100)の構成によって、蒸発器アセンブリ(100)の製造のためのスズの使用を緩和することが可能となる。この点に鑑み、スズ材料の発錆も軽減され、より良い衛生基準が可能になる。
【0058】
均等
本明細書において実質的に任意の複数の用語及び/又は単数の用語を使用することに関して、当業者は、状況(context)及び/又は用途(application)に適切なように、複数の用語から単数の用語への変換及び/又は複数の用語への変換を行うことができる。明瞭化のために、様々な単数・複数の置換をここでは明瞭に記述することができる。
【0059】
当業者であれば、一般に、本明細書で使用される用語は「開いた(open)」用語として意図されている(例えば、「有する(including)」という用語は「有するがこれに限定されない(including but not limited to)」ものとして解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「少なくとも有する(having at least)」ものとして解釈されるべきであり、「有する(includes)」という用語は「有するがこれに限定されない(includes but is not limited to)」ものとして解釈されるべきである)ことは理解されるであろう。導入された請求項の記載の中で特定の数が意図されている場合には、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合には、そのような意図は存在しないことが、当業者によって更に理解されるであろう。例えば、説明を理解するための助けとして、請求項の記載を導入するために、「少なくとも1つ(at least one)」及び「1つ以上(one or more)」の導入句の使用を含みうる。しかし、このような語句の使用は、「1つ以上の(one or more)」及び「少なくとも1つの(at least one)」及び「a」又は「an」などの導入語句又は「a」及び/又は「an」などの不定冠詞のような不明確な文章を含む場合であっても、そのような列記を含む特定の請求項の記載に限定することを意味すると解釈されるべきでなく(例えば、「a」及び/又は「an」は一般に「少なくとも1つの(at least one)」又は「1つ以上の(one or more)」を意味すると解釈されるべきである)、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。更に、たとえ導入された請求項の記載において特定の数が明示的に記載されていたとしても、当業者は、そのような表記は、典型的には、少なくとも表記された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の記載を含まない、「2つの表記(two recitations)」のありのままの表記は、典型的には、少なくとも2つの表記又は2つ以上の表記を意味する)。更に、「A、B及びCなどの少なくとも1つ(at least one of A, B, and C, etc.)」に類似する規則が使用される場合の例では、そのような構成は、当業者が慣例を理解する意味で意図されている(例えば、「A、B及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBに、A及びC、B及びC、及び/又は、A、B及びCと、などを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。「A、B又はCなどの少なくとも1つ」に類似する規則が使用される場合の例では、そのような構成は、当業者が慣例を理解する意味で意図されている(例えば、「A、B又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びB、A及びC、B及びC、及び/又、A、B及びCなどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。明細書又は図面のいずれにおいても、用語のいずれか、又は両方の用語のいずれかを含む可能性を考慮すべきであるかに関わらず、2つ又はそれ以上の代替的な用語を提示する実質的にいかなる選言的単語及び/又は語句も、当該技術分野の人々によって更に理解されるであろう。例えば、「A又はB」の語句は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解される。様々な態様及び実施形態が本明細書に開示されたが、他の態様及び実施形態は当業者には明らかである。本明細書に開示される様々な態様及び実施形態は、説明の技術的範囲であり、限定的であることは意図されず、真の範囲及び精神は説明に示される。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
製氷機(101)用の取り外し可能な蒸発器アセンブリ(100)であって、
前記蒸発器アセンブリ(100)は、冷媒管(3)を収容した、第1金属板(1)及び第2金属板(2)を備え、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の各々は、第1主面(19)から延びる複数の突起(1x及び2x)を有するように形成されており、
前記複数の突起(1x及び2x)の各々は、対応する前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の前記第1主面(19)に対向する第2主面(20)において1つ以上のスロット(S)を形成し、
前記第1金属板(1)の前記第2主面(20)に形成された前記1つ以上のスロット(S)が、複数の第1コネクタ(6a)を備え、
前記第2金属板(2)の前記第2主面(20)に形成された前記1つ以上のスロット(S)が、複数の第2コネクタ(6b)を備え、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)のそれぞれの前記第2主面(20)が前記冷媒管(3)に接触するように、前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)が取り外し可能に接続されており、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の内の少なくとも一方が第1方向(X)に移動する際に、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)を固定するように、前記複数の第1コネクタ(6a)と前記複数の第2コネクタ(6b)とが互いに取り外し可能に係合するように、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の少なくとも一方が前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の他方に対して移動可能である、蒸発器アセンブリ(100)である。
第2の態様は、
前記蒸発器アセンブリ(100)を取り外すために前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)とを第2方向(Y)に移動させたときに、前記複数の第1コネクタ(6a)と前記複数の第2コネクタ(6b)は互いに離脱し、前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)を分離する、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第3の態様は、
前記複数の突起(1x及び2x)は、それぞれ、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の長さ方向に沿って垂直に延びる、複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)の内の少なくとも一方である、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第4の態様は、
前記複数の第1コネクタ(6a)と前記複数の第2コネクタ(6b)とが互いに摩擦係合する、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第5の態様は、
前記複数の第1突起(1x)及び前記複数の第2突起(2x)は、それぞれ、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)上で互いに等距離に形成される、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第6の態様は、
前記複数の第1突起(1x)及び複数の第2突起(2x)のそれぞれは、V字状である、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第7の態様は、
前記第1主面(19)上に形成される前記複数の第1突起(1x)及び前記複数の第2突起(2x)は、複数の氷形成面(Z)を備える、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第8の態様は、
前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)は、前記冷媒管(3)を収納するために、前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)の長さ方向において貫通して水平方向に延びる複数の切欠(16)を有するように形成されている、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第9の態様は、
前記蒸発器アセンブリ(100)は、前記第1金属板(1)の端部に接続された第1フランジ(17)と、前記第2金属板(2)の端部に接続された少なくとも1つの第2フランジ(18)とを備え、前記第1フランジ(17)と前記第2フランジ(18)とが、前記第1金属板(1)、前記第2金属板(2)及び前記冷媒管(3)を固定する、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第10の態様は、
前記蒸発器アセンブリ(100)は、前記第1金属板(1)の後端においてハウジング(21)を備え、前記ハウジング(21)は、前記第2金属板(2)の後端からの延長部を収容する、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第11の態様は、
前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)が低熱伝導率材料からなり、前記冷媒管(3)が高熱伝導率材料からなる、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第12の態様は、
前記少なくとも1つの第2フランジ(18)には、第1締結具(4)を収容するための孔(4a)が形成されており、
前記第1締結具(4)は、前記蒸発器アセンブリ(100)を分解するために、前記第1金属板(1)を前記第2金属板(2)に対して外す、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第13の態様は、
前記冷媒管(3)は、前記第1金属板(1)及び第2金属板(2)における前記切欠(16)から外側に突出し、前記冷媒管(3)上で形成する氷塊(11)に半円形状が付与されている、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第14の態様は、
前記冷媒管(3)上に形成された氷塊(11)に半円形状が付与されるように、前記冷媒管(3)は、氷塊(11)を形成するように、分散した水を受け入れる、第1の態様における蒸発器アセンブリ(100)である。
第15の態様は、
取り外し可能な蒸発器アセンブリ(100)を製氷機(101)内で組み立てる方法において、
前記方法は、
第1金属板(1)と第2金属板(2)とを、冷媒管(3)と共に互いに隣接して位置合わせすることを備え、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)は、第1主面(19)から延びる複数の突起(1x及び2x)を有するように形成されており、前記複数の突起(1x及び2x)のそれぞれは、対応する前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の前記第1主面(19)に対向する第2主面(20)においてスロット(S)を形成しており、
前記第1金属板(1)の前記第2主面(20)に形成された1つ以上の前記スロット(S)が、複数の第1コネクタ(6a)を備え、
前記第2金属板(2)の前記第2主面(20)に形成された1つ以上の前記スロット(S)が、第2コネクタ(6b)を備え、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)を固定するように、複数の前記第1コネクタ(6a)及び複数の前記第2コネクタ(6b)が互いに取り外し可能に係合するように、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の少なくとも一方を第1方向(X)に摺動させ、
前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)とを固定的に接続するために、第1フランジ(17)の第1孔(5a)及び第2フランジ(18)の第2孔(5b)に少なくとも1つの第2締結具(5)を締結させる、方法である。
第16の態様は、
垂直流型の製氷機(101)において、
前記垂直流型の製氷機(101)は、
1つ以上の取り外し可能な蒸発器アセンブリ(100)であって、
前記1つ以上の取り外し可能な蒸発器アセンブリ(100)の各々が、
冷媒管(3)を収容した、第1金属板(1)及び第2金属板(2)とを備え、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の各々は、第1主面(19)から延びる複数の突起(1x及び2x)を有するように形成されており、前記複数の突起(1x及び2x)の各々は、対応する前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の第1主面(19)に対向する第2主面(20)にスロット(S)を形成し、
前記第1金属板(1)の前記第2主面(20)に形成された1つ以上の前記スロット(S)が複数の第1コネクタ(6a)を備え、前記第2金属板(2)の前記第2主面(20)に形成された1つ以上の前記スロット(S)が第2コネクタ(6b)を備え、
前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)が接続されたときに前記第1金属板(1)の前記第2主面(20)と前記第2金属板(2)の前記第2主面(20)が冷媒管(3)と接触し、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の少なくとも一方が第1方向(X)に移動したときに、前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)を固定するように、前記複数の第1コネクタ(6a)と複数の第2コネクタ(6b)が互いに取り外し可能に係合するように、前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)の少なくとも一方が他方に対して移動可能であり、
前記第1金属板(1)及び前記第2金属板(2)が第2方向(Y)に移動したときに、前記複数の第1コネクタ(6a)と前記複数の第2コネクタ(6b)は互いに離脱し、前記第1金属板(1)と前記第2金属板(2)を分離する、垂直流型の製氷機(101)である。
【符号の説明】
【0060】
1 第1金属板
1x 第1突起
2 第2金属板
2x 第2突起
3 冷媒管
4 プーラースクリュー
4a ねじ孔
5 締付ねじ
5a ねじ孔
5b 孔
6a 第1コネクタ
6b 第2コネクタ
6x 第2係止片
6y 第1係止片
7a 第1張力付与部材
7b 第2張力付与部材
8 水流管
9 清水管
10 水
11 氷
12 清水流
13 氷スライド
14 水容器
15 氷貯蔵容器
16 切欠
17 第1フランジ
18 第2フランジ
19 第1主面
20 第2主面
21 ハウジング
X 第1方向
Y 第2方向
S スロット