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特許7527846シート搬送装置の支持フレームおよびシート搬送装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】シート搬送装置の支持フレームおよびシート搬送装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20240729BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240729BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240729BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240729BHJP
   B41J 29/02 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H05K7/18 D
H05K5/02 N
G03G15/00 550
G03G21/16 147
B41J29/02
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020092205
(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公開番号】P2021190494
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥潟 光太郎
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-26859(JP,A)
【文献】特開2000-183552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/18
H05K 5/02
G03G 15/00
G03G 21/16
B41J 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート搬送装置の支持フレームであって、
略矩形の第1面部と、前記第1面部に対して略直角に曲げられた第1壁部であって前記第1面部の略矩形の周縁から鉛直方向下側に延びる第1壁部と、を有する第1部材と、略矩形の第2面部と、前記第2面部に対して略直角に曲げられた第2壁部であって前記第2面部の略矩形の周縁から鉛直方向上側に延びる第2壁部と、を有する第2部材と、を備える底板と、
前記底板に固定された支柱と、
前記底板に固定され、設置面に接する複数の設置部材と、を備え、
前記第2部材は、前記第2壁部が前記第1壁部よりも外側において前記第1壁部に重ね合って結合されることにより前記第1部材に固定され、
前記第2面部は、水平方向において前記第2壁部との間に間隔を有すると共に板厚方向に貫通する穴形状部を備え、
前記第1部材は、前記穴形状部を挿通した状態で前記複数の設置部材が固定されている、
ことを特徴とするシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項2】
前記第2壁部は、前記第1部材の前記第1面部よりも鉛直方向上方に延設される延伸部を備え、前記第2壁部の縁部が前記第1面部よりも鉛直方向上方に位置するように前記第1部材に固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項3】
前記支柱は、前記延伸部に固定される、
ことを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項4】
前記設置部材は、前記シート搬送装置を移動可能にする回転可能なキャスターであり、前記底板の角隅に設けられる、
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項5】
前記支柱は、
前記第1部材の矩形の周縁よりも内側において前記第1部材に立設され、前記第2壁部に向かって突出して前記第2壁部に接続する突出部を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項6】
前記支柱は、
内側柱部材と外側柱部材とを結合して構成され、
前記内側柱部材及び前記外側柱部材の何れか一方は、
前記第1部材に接続して前記支柱を立設させる立設接続部を備え、
前記内側柱部材及び前記外側柱部材の何れか他方は、
前記立設接続部を備えていない、
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項7】
前記一方は、
前記支柱が前記第1部材に立設された際において前記底板に平行な平面で切断した断面がコ字状であり、前記第1部材に当接する下端部の三辺の各々に前記立設接続部を備える、
ことを特徴とする請求項に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項8】
前記底板は、
前記第1部材及び前記第2部材によって囲まれた内部に形成される空洞部を備え、
前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方は、
前記空洞部に突出して前記第1部材と前記第2部材とを接続する錐台形部を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項9】
シートを搬送する搬送手段と、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の支持フレームであって、前記搬送手段を支持する支持フレームと、
を備えることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項10】
シートを搬送する搬送手段と、
シートにトナーを定着する定着手段と、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の支持フレームであって、前記搬送手段および前記定着手段を支持する支持フレームと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
シート搬送装置の支持フレームであって、
略矩形の第1面部と、前記第1面部に対して略直角に曲げられた第1壁部であって前記第1面部の略矩形の周縁から鉛直方向下側に延びる第1壁部と、を有する第1部材と、略矩形の第2面部と、前記第2面部に対して略直角に曲げられた第2壁部であって前記第2面部の略矩形の周縁から鉛直方向上側に延びる第2壁部と、を有する第2部材と、を備える底板と、
前記底板に固定された支柱と、
前記底板に固定され、設置面に接する複数の設置部材と、を備え、
前記第2部材は、前記第2壁部が前記第1壁部よりも外側において前記第1壁部に重ね合って結合されることにより前記第1部材に固定され、
前記支柱は、前記第1部材の矩形の周縁よりも内側において前記第1部材に立設され、前記第2壁部に向かって突出して前記第2壁部に接続する突出部を備える、
ことを特徴とするシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項12】
前記第2壁部は、前記第1部材の前記第1面部よりも鉛直方向上方に延設される延伸部を備え、前記第2壁部の縁部が前記第1面部よりも鉛直方向上方に位置するように前記第1部材に固定される、
ことを特徴とする請求項11に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項13】
前記支柱は、前記延伸部に固定される、
ことを特徴とする請求項12に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項14】
前記第2面部は、水平方向において前記第2壁部との間に間隔を有すると共に板厚方向に貫通する穴形状部を備え、
前記第1部材は、前記穴形状部を挿通した状態で前記複数の設置部材が固定されている、
ことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項15】
前記設置部材は、前記シート搬送装置を移動可能にする回転可能なキャスターであり、前記底板の角隅に設けられる、
ことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか1項に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項16】
前記支柱は、
内側柱部材と外側柱部材とを結合して構成され、
前記内側柱部材及び前記外側柱部材の何れか一方は、
前記第1部材に接続して前記支柱を立設させる立設接続部を備え、
前記内側柱部材及び前記外側柱部材の何れか他方は、
前記立設接続部を備えていない、
ことを特徴とする請求項11から請求項15のいずれか1項に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項17】
前記一方は、
前記支柱が前記第1部材に立設された際において前記底板に平行な平面で切断した断面がコ字状であり、前記第1部材に当接する下端部の三辺の各々に前記立設接続部を備える、
ことを特徴とする請求項16に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項18】
前記底板は、
前記第1部材及び前記第2部材によって囲まれた内部に形成される空洞部を備え、
前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方は、
前記空洞部に突出して前記第1部材と前記第2部材とを接続する錐台形部を備える、
ことを特徴とする請求項11から請求項17のいずれか1項に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項19】
シートを搬送する搬送手段と、
請求項11から請求項18のいずれか1項に記載の支持フレームであって、前記搬送手段を支持する支持フレームと、
を備えることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項20】
シートを搬送する搬送手段と、
シートにトナーを定着する定着手段と、
請求項11から請求項18のいずれか1項に記載の支持フレームであって、前記搬送手段および前記定着手段を支持する支持フレームと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
シート搬送装置の支持フレームであって、
略矩形の第1面部と、前記第1面部に対して略直角に曲げられた第1壁部であって前記第1面部の略矩形の周縁から鉛直方向下側に延びる第1壁部と、を有する第1部材と、略矩形の第2面部と、前記第2面部に対して略直角に曲げられた第2壁部であって前記第2面部の略矩形の周縁から鉛直方向上側に延びる第2壁部と、を有する第2部材と、を備える底板と、
前記底板に固定された支柱と、
前記底板に固定され、設置面に接する複数の設置部材と、を備え、
前記第2部材は、前記第2壁部が前記第1壁部よりも外側において前記第1壁部に重ね合って結合されることにより前記第1部材に固定され、
前記支柱は、
内側柱部材と外側柱部材とを結合して構成され、
前記内側柱部材及び前記外側柱部材の何れか一方は、
前記第1部材に接続して前記支柱を立設させる立設接続部を備え、
前記内側柱部材及び前記外側柱部材の何れか他方は、
前記立設接続部を備えていない、
ことを特徴とするシート搬送装置の支持フレーム。
【請求項22】
前記一方は、
前記支柱が前記第1部材に立設された際において前記底板に平行な平面で切断した断面がコ字状であり、前記第1部材に当接する下端部の三辺の各々に前記立設接続部を備える、
ことを特徴とする請求項21に記載のシート搬送装置の支持フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送するシート搬送の支持フレーム及び支持フレームを有するシート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート上に画像を形成する画像形成装置やシートを搬送する搬送装置等の支持フレームは、それぞれ板金又はパイプ材等によって構成される側板、支柱、天板、底板及びステー等から構成されている。このような支持フレームにおける底板に対しては、特に薄肉化及び軽量化を図りつつ強度及び剛性を高めることが要求される。
【0003】
このような状況において、特許文献1は、上面を構成する第1部材と下面を構成する第2部材とを内部が空洞になるように箱状に重ね合わせて底板を構成するシート搬送装置の支持フレームを開示している。特許文献1の支持フレームは、第1部材及び第2部材の縁を樋形状に成形し、第1部材及び第2部材に平面部と壁部とを各々形成すると共に、第1部材及び第2部材の互いの壁部を結合して底板を構成する。また、特許文献1の支持フレームは、第1部材の壁部が第2部材の壁部の外側に配置されて、第2部材に第1部材が覆いかぶさる構成となっている。
【0004】
上記の構成を有する特許文献1の支持フレームは、凹凸の有る設置面上に設置した際等において、全体が捩れて変形することを防ぐことにより、底板全体における高い平面度を確保することができ、配設される装置の内部部品の傾きを防ぐことができる。
【0005】
また、上面部材と下面部材とによって底板を構成する従来のシート搬送装置の支持フレームの底板には、配設される装置を運搬するためのキャスター又は設置後の装置の移動を防いで装置を係留するためのアジャスター等の複数の設置部材が取り付けられる。この際に、底板は、装置全体の高さを低くしてコンパクトにするために、できる限り低い位置に設けられることが好ましい。このため、従来のシート搬送装置の支持フレームは、底板の下面部材を上方に絞った形状の絞り部にキャスター等を取り付ける構成、又は底板の下面部材に設けた孔部を挿通するキャスター等を上面部材に取り付ける構成を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-16384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に、キャスター等の複数の設置部材を底板の端部に取り付けるために絞り部又は孔部等の複数の取付部を底板に設ける場合、水平方向における下面を構成する部材の縁部と取付部との間に間隔を設けて、底板の強度及び剛性を確保する必要がある。この場合に、特許文献1では、第2部材よりも一回り大きい第1部材が第2部材に覆いかぶさる構成であるため、複数の設置部材を結ぶ仮想線で囲われる装置の設置面の投影面積に対して底板の投影面積が大きくなり、装置が大型化するという課題を有する。
【0008】
本発明の目的は、底板に設置部材を設ける場合に、強度及び剛性を確保しつつ、従来に比べて装置の設置面の投影面積に対する底板の投影面積の差分を小さくすることができるシート搬送装置の支持フレームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るシート搬送装置の支持フレームは、シート搬送装置の支持フレームであって、略矩形の第1面部と、前記第1面部に対して略直角に曲げられた第1壁部であって前記第1面部の略矩形の周縁から鉛直方向下側に延びる第1壁部と、を有する第1部材と、略矩形の第2面部と、前記第2面部に対して略直角に曲げられた第2壁部であって前記第2面部の略矩形の周縁から鉛直方向上側に延びる第2壁部と、を有する第2部材と、を備える底板と、前記底板に固定された支柱と、前記底板に固定され、設置面に接する複数の設置部材と、を備え、前記第2部材は、前記第2壁部が前記第1壁部よりも外側において前記第1壁部に重ね合って結合されることにより前記第1部材に固定され、前記第2面部は、水平方向において前記第2壁部との間に間隔を有すると共に板厚方向に貫通する穴形状部を備え、前記第1部材は、前記穴形状部を挿通した状態で前記複数の設置部材が固定されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、底板に設置部材を設ける場合に、強度及び剛性を確保しつつ、従来に比べて装置の設置面の投影面積に対する底板の投影面積の差分を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの正面図である。
図3】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの側面図である。
図4】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの底板の上方から見た斜視図である。
図5】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの底板の断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの底板の一部の斜視図である。
図7】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの底板の一部の破断斜視図である。
図8】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの底板の下方から見た斜視図である。
図9】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの底板と支柱との結合部分の斜視図である。
図10】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの底板と支柱との結合部分の分解斜視図である。
図11】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの支柱の分解斜視図である。
図12】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの支柱の斜視図である。
図13】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの支柱の一部の斜視図である。
図14】本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレームの底板と支柱との結合部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
<シート搬送装置の支持フレームの構成>
本発明の実施の形態に係るシート搬送装置の支持フレーム1の構成について、図1から図4を参照しながら、詳細に説明する。
【0014】
シート搬送装置の支持フレーム1は、全体として直方体形状である。支持フレーム1は、画像形成装置においてトナー画像が形成される用紙又はOHPシートのシート材等の記録材を順次搬送する搬送装置等の図示しないシート搬送装置を支持する。また、支持フレーム1は、記録材上に形成されたトナー像を加熱及び加圧することで定着させる定着装置を支持する。
【0015】
具体的には、支持フレーム1は、支柱121と、支柱122と、支柱123と、側板131と、天板141と、底板150と、ステー161と、を有している。
【0016】
支柱121、支柱122、支柱123、側板131、天板141、底板150及びステー161は、金属板を塑性加工した板金で構成されている。支柱121、支柱122及び支柱123は、金属パイプによって構成されるか、又は、金属の板材を曲げ合わせて若しくは曲げた金属の板材を組み合わせて角柱状に形成して構成されている。
【0017】
底板150には、キャスター158と、アジャスター159と、が設けられている。
【0018】
キャスター158は、床などの設置面に接地して回転する車輪と、設置面に対して垂直な軸を回転軸として回動可能な車輪を設けた旋回部と、によって構成されている。キャスター158は、シート搬送装置等の装置を移動可能にするために設けられている。キャスター158は、底板150の端部又は角隅に設けられる設置部材である。
【0019】
アジャスター159は、支持フレーム1に配設された搬送装置等の図示しない装置の設置後において装置を係留するために設けられている。アジャスター159は、底板150の端部に設けられる設置部材である。
【0020】
<底板の構成>
本発明の実施の形態に係る底板150の構成について、図4から図10を参照しながら、詳細に説明する。なお、図8及び図10において、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系を成し、y軸の正方向を後方向、y軸の負方向を前方向、x軸の正方向を右方向、x軸の負方向を左方向、z軸の正方向を上方向、及びz軸の負方向を下方向として説明する。
【0021】
底板150は、第1部材151と、第2部材152と、を備え、第1部材151に対して第2部材152が覆う状態で、第1部材151と第2部材152とが内部が空洞になるように箱状に互いに嵌合することにより構成されている。底板150は、第1部材151及び第2部材152によって囲まれた内部に形成される空洞部153を備えている。
【0022】
第1部材151は、鉛直方向における底板150の上面を構成しており、鉛直方向において上方から見て略矩形である。ここで、略矩形には、4つの角隅が直角である形状以外に、4つの角隅が各々面取りされているような形状も含まれる。第1部材151の上面には、図6に示すように、シート搬送装置等の装置の記録材搬送用部材900が取り付けられる。
【0023】
第1部材151は、x-y平面に平行な水平方向に沿って平坦な平面部151-1と、矩形の周縁に設けられた縁壁部151-2と、取付形状部151-3と、ランス部151-4と、ランス部151-5と、取付部158-1と、を備えている。
【0024】
なお、ランス部は、底板150の四隅に各々設けられているが図9及び図10に示す右前方の隅に設けられるランス部151-4及びランス部151-5以外のランス部の図面における記載を省略する。また、底板150の四隅の各々に設けられるランス部は同一構成であるため、ランス部151-4及びランス部151-5の構成について説明し、その他のランス部の構成の説明を省略する。
【0025】
第1壁部としての縁壁部151-2は、縁絞り加工によって第1面部としての平面部151-1に対して鉛直方向下側に略90度(略直角に)折り曲げられて形成されており、第2部材152の縁壁部152-2と溶接されて接合している。ここで、略90度とは、板金の曲げ加工における製造誤差を含むものである。
【0026】
取付形状部151-3は、支持フレーム1に配設される記録材搬送用部材900の外側であって底板150の前側及び後側に設けられている(図6参照)。取付形状部151-3には、キャスター158が取り付けられる取付部158-1が設けられている(図7参照)。
【0027】
ランス部151-4及びランス部151-5の各々は、図10に示すように、上方から見て矩形であると共に上方に凸形状に形成されており、第1部材151に対する後述の支柱121、支柱122及び支柱123を取り付ける際の部材同士の位置決めを行う。
【0028】
具体的には、ランス部151-4は、前後方向において両端が第1部材151に接続されており、支柱121の図10の左右方向への移動を規制して左右方向における位置決めを行っている。ランス部151-4は、凸部151-41と、喰い切り部151-42と、を備えている。
【0029】
凸部151-41は、前後方向において第1部材151に接続する両端部から中央部に向けて上方に凸形状となるように絞り加工によって形成されている。
【0030】
喰い切り部151-42は、第1部材151から切断されて面が切れた喰い切り形状となるように加工されている。喰い切り部151-42は、第1部材151より上方に突出していると共に、第1部材151の上面に対して垂直な端面を一対備えることにより垂直段差形状となっている。喰い切り部151-42の上記の一対の端面は、前後方向に互いに平行に延設されている。
【0031】
ランス部151-5は、延設方向である左右方向において両端が第1部材151に接続されており、支柱121の前後方向への移動を規制して前後方向における位置決めを行っている。ランス部151-5は、凸部151-51と、喰い切り部151-52と、を備えている。
【0032】
凸部151-51は、左右方向において第1部材151に接続する両端部から中央部に向けて上方に凸形状となるように絞り加工によって形成されている。
【0033】
喰い切り部151-52は、第1部材151から切断されて面が切れた喰い切り形状となるように加工されている。喰い切り部151-52は、第1部材151より上方に突出していると共に、第1部材151の上面に対して垂直な端面を一対備えることにより垂直段差形状となっている。喰い切り部151-52の上記の一対の端面は、左右方向に互いに平行に延設されている。
【0034】
なお、第1部材151には、ランス部151-4及びランス部151-5に代えて、エンボス形状等の位置決め部を設けてもよい。
【0035】
取付部158-1には、第2部材152の後述する穴形状部152-4を挿通するキャスター158が取り付けられている。取付部158-1は、図7に示すように、記録材搬送用部材900の設置面である第1部材151の上面よりも高い位置に設けられている。
【0036】
第2部材152は、鉛直方向における底板150の下面を構成しており、鉛直方向上方から見て矩形である。ここで、略矩形には、4つの角隅が直角である形状以外に、4つの角隅が各々面取りされているような形状も含まれる。第2部材152は、水平方向に沿って平坦な平面部152-1と、矩形の周縁に設けられた縁壁部152-2と、錐台形部152-3と、穴形状部152-4と、延伸部152-6と、を備えている。縁壁部152-2と延伸部152-6とは、第2壁部を構成している。第2部材152には、図8に示すように、縁壁部152-2と穴形状部152-4との間に面152-5が形成されている。
【0037】
縁壁部152-2は、縁絞り加工によって第2面部としての平面部152-1に対して鉛直方向上側に略90度(略直角に)折り曲げられて形成されている。縁壁部152-2は、図5に示すように、第1部材151の縁壁部151-2よりも外側において縁壁部151-2と重ね合わされて配置されている。縁壁部152-2は、縁壁部151-2と溶接されて接合している。
【0038】
錐台形部152-3は、平面部152-1の複数個所において、平面部152-1から底板150の空洞部153の方向に向かって錐台形に変形させて突出形成されていると共に、第1部材151の平面部151-1に接合されている(図5参照)。
【0039】
穴形状部152-4は、第2部材152を板厚方向に貫通する貫通穴であり、図8に示すように、水平方向において縁壁部152-2との間に間隔を有して設けられている。穴形状部152-4には、キャスター158の車輪の向きを変える旋回部が挿通している。穴形状部152-4は、旋回部の旋回動作範囲より大きくなるように形成されている。
【0040】
延伸部152-6は、図5に示すように、縁壁部152-2から上方に延設されていると共に、第1部材151の平面部151-1よりも上方に延設されている。延伸部152-6は、縁壁部152-2と一体的に形成されている。これにより、第2壁部の縁部が第1部材151の平面部151-1よりも鉛直方向上方に位置する。延伸部152-6は、弾性変形可能に第1部材151に位置決めされた支柱121の対向する面に締結されている。
【0041】
延伸部152-6は、締結された支柱121が倒れることを抑えるスジカイ部を兼ねている。例えば、矩形の第2部材152の右辺の縁壁部152-2に設けられた延伸部152-6は、後方に対する剛性が高いため、締結された支柱121が後方に倒れることを抑えるスジカイ部を兼ねている。なお、延伸部152-6は、必要に応じて矩形の第2部材152の前後左右の四辺のうちの少なくとも一辺の縁壁部152-2に設けられていればよく、第2部材152の全ての辺の縁壁部152-2に設けられていなくてもよい。
【0042】
上記の構成を有する底板150において、キャスター158が挿通する穴形状部152-4に対して、面152-5を設けることによって間隔を設けて形成された縁壁部152-2の位置が水平方向における最外位置となる。これにより、支持フレーム1のキャスター158を結ぶ仮想線によって囲われた設置面の投影面積に対する底板150の投影面積の差分を可能な限り小さくすることができる。よって、キャスターが取り付けられる第2部材の縁壁部の外側に第1部材の縁壁部を設ける構成に比べて、底板150を小型化することができるため、支持フレーム1を小型化することができる。
【0043】
また、縁壁部152-2を切り欠かずに底板150を小型化することができるため、底板150の強度及び剛性の低下を防ぐことができる。
【0044】
また、支柱121を延伸部152-6に締結することにより、底板150の端部位置において、第1部材151を大きくすることなく、底板150と支柱121とを簡易な構成によって締結することができる。
【0045】
なお、第1部材151の縁壁部151-2と、第2部材152の縁壁部152-2と、は溶接に限らず、カシメ加工又はビス止め等の他の方法によって接合しても良い。また、錐台形部152-3は、第2部材152に設ける場合に限らず、第1部材151に設けて第2部材152と接合するようにしてもよい。また、第1部材151と第2部材152とは、第1部材151と第2部材152とによって囲まれた内部の空洞に、ハニカム形状に配置された板、補強のために配置された角パイプ又はコ字状に折り曲げて配置された板によって接合しても良い。
【0046】
<支柱の構成>
本発明の実施の形態に係る支柱121、支柱122及び支柱123の構成について、図11から図14を参照しながら、詳細に説明する。なお、支柱121、支柱122及び支柱123の各々は同一構成であるため、支柱121の構成について説明し、支柱122及び支柱123の構成の説明を省略する。
【0047】
支柱121は、第1部材151の支柱支持面151-6に突き当てられて底板150の角隅に配設され、内側面を形成する内側柱部材121-1と、外側面を形成する外側柱部材121-2と、によって構成されている。
【0048】
内側柱部材121-1及び外側柱部材121-2は、内部が空洞になるように角パイプ状に互いに嵌合している。内側柱部材121-1及び外側柱部材121-2は、互いに重ね合わされた側面部121-12と側面部121-22とがビス止めによって結合されている。また、内側柱部材121-1及び外側柱部材121-2は、互いに重ね合わされた側面部121-13と側面部121-23とがビス止めによって結合されている。
【0049】
内側柱部材121-1は、底板150に立設していると共に、底板150に対して平行な平面で切断した断面においてコ字状になるように折り曲げ加工されている。
【0050】
具体的には、内側柱部材121-1は、内面部121-11と、側面部121-12と、側面部121-13と、当接部121-61と、当接部121-62と、フランジ部121-63と、フランジ部121-64と、を備えている。当接部121-61、当接部121-62、フランジ部121-63及びフランジ部121-64は、立設接続部を構成している。
【0051】
内面部121-11は、側面部121-12と側面部121-13とを接続している。
【0052】
側面部121-12及び側面部121-13は、内側柱部材121-1がコ字状に折り曲げられて形成されることにより互いに対向している。
【0053】
当接部121-61は、図13に示すように、コ字状である内側柱部材121-1の下端部のコ字の三辺のうちの一辺に設けられている。当接部121-61は、第1部材151の上面の支柱支持面151-6に突き当てられている。
【0054】
当接部121-62は、図13に示すように、内側柱部材121-1の下端部のコ字の三辺のうちの、当接部121-61が設けられている一辺に接続する一辺に設けられている。当接部121-62は、第1部材151の上面の支柱支持面151-6に突き当てられている。
【0055】
フランジ部121-63は、コ字状である内側柱部材121-1の下端部のコ字の三辺のうちの一辺から後方に延設されている。フランジ部121-63は、第1部材151の上面と平行に延設されており、第1部材151の上面の支柱支持面151-6に当接している。フランジ部121-63には、第1部材151の上面に設けられたランス部151-4に係合して、底板150に対して支柱121を位置決めする係合穴部121-4が設けられている。フランジ部121-63には、第1部材151の上面に設けられた締結部151-8に締結する締結部121-7が設けられている。
【0056】
フランジ部121-64は、内側柱部材121-1の下端部のフランジ部121-63が延設されている一辺に接続する一辺且つ当接部121-61が設けられている一辺から左方に延設されている。フランジ部121-64は、第1部材151の上面と平行に延設されており、第1部材151の上面の支柱支持面151-6に当接している。フランジ部121-64には、第1部材151の上面に設けられたランス部151-5に係合して、底板150に対して支柱121を位置決めする係合穴部121-5が設けられている。フランジ部121-64には、第1部材151の上面に設けられた締結部151-8に締結する締結部121-7が設けられている。
【0057】
外側柱部材121-2は、底板150に立設していると共に、底板150に対して平行な平面で切断した断面においてコ字状になるように折り曲げ加工されている。具体的には、外側柱部材121-2は、外面部121-21と、側面部121-22と、側面部121-23と、突出部121-8と、を備えている。
【0058】
外面部121-21は、側面部121-22と側面部121-23とを接続している。
【0059】
側面部121-22及び側面部121-23は、外側柱部材121-2がコ字状に折り曲げられて形成されることにより互いに対向している。
【0060】
突出部121-8は、外側柱部材121-2が第1部材151に立設された際に、側面部121-22より前方に突出するように変形させて形成されている。突出部121-8は、延伸部152-6に向かって傾斜する斜面部と、延伸部152-6と略平行な平面部と、を備えている。突出部121-8の平面部は、延伸部152-6と側面部121-22との間の隙間(例えば0.2mm)に設けられて、延伸部152-6に締結されている。
【0061】
ここで、延伸部152-6と側面部121-22との間の隙間は、以下の要因によって生じる。
【0062】
即ち、支柱121には、コ字の二辺に当接部121-61及び当接部121-62を設ける場合において、二辺のうちの何れか一方が短いために、短い短辺においてはフランジ部121-63のみしか設けられない。従って、当接部121-61及び当接部121-62は、支柱121の左方の長い長辺と前方の短辺とに設けられる。この際に、前方の短辺に設けられた当接部121-62は、R形状である平面部151-1と縁壁部151-2との接続部151-9よりも内側の支柱支持面151-6に当接されている。このため、外側柱部材121-2の側面部121-22と、延伸部152-6と、の間には、延伸部152-6が弾性変形しても倣えない間隔ができる。
【0063】
より具体的例には、図9に示す右前方の角隅に設けられた支柱121において、フランジ部121-63及びフランジ部121-64は、内側柱部材121-1の後方の短辺と左方の長辺とに設けられる。これより、支柱121の左方の長辺には、フランジ部121-64及び当接部121-61を併設可能である。一方、支柱121の後方の短辺には、フランジ部121-63を形成することにより当接部を併設することができない。従って、支柱121には、前方の短辺に当接部121-62を設けている。
【0064】
この際に、内側柱部材121-1の当接部121-62は、底板150のR形状である接続部151-9よりも、内側の支柱支持面151-6において当接される。この結果、側面部121-22と延伸部152-6との間には、隙間(例えば3mm)を生じる。
【0065】
なお、当接部121-61及び当接部121-62は、内側柱部材121-1のコ字の三辺のうちの少なくとも二辺に設けられていれば良く、内側柱部材121-1の三辺の全てに設けられてもよい。また、当接部121-61及び当接部121-62は、内側柱部材121-1のコ字の三辺のうちの隣接する二辺に設けられる場合に限らず、内側柱部材121-1の三辺のうちの対向する二辺に設けられてもよい。これにより、支柱121の底板150への組み付け時、又は装置の運搬時の振動等による荷重の作用時において、支柱121が底板150に対して垂直状態から倒れることを防ぐことができる。
【0066】
<底板に対する支柱の配置構成>
本発明の実施の形態に係る底板150に対する支柱121、支柱122及び支柱123の配置構成について、図14を参照しながら、詳細に説明する。
【0067】
支柱121、支柱122及び支柱123は、底板150に対して下記の(1)から(5)のように配置構成されている。なお、底板150に対する支柱121、支柱122及び支柱123の各々の配置構成は同一配置構成であるため、支柱121の配置構成について説明し、支柱122及び支柱123の配置構成についての説明を省略する。
【0068】
(1)底板150の第1部材151の平面部151-1と縁壁部151-2との接続部151-9は、図14に示すようにR形状である。従って、第1部材151の締結部151-8は、R形状の接続部151-9よりも内側に設けられる。
【0069】
(2)底板150に対して支柱121をx方向又はy方向に位置決めするランス部151-4及びランス部151-5は、底板150の角隅から縁壁部152-2に沿って所定距離だけ離れた位置に設けられる。また、底板150の角隅に立設される支柱121のフランジ部121-63及びフランジ部121-64は、支柱121より角隅から離れる方向に延設される。具体的には、底板150の右前方の角隅に立設される支柱121には、支柱121の側面部121-13より後方に延設されるフランジ部121-63と、支柱121の内面部121-11より左方に延設されるフランジ部121-64と、が設けられる。
【0070】
(3)支柱121の当接部121-61及び当接部121-62が第1部材151の上面に当接することにより、底板150に対する支柱121の下方の位置決めを行う。また、支柱121の締結部121-7を第1部材151の締結部151-8に締結することにより、支柱121の上方への移動を規制して第1部材151からの離間を防いで支柱121と第1部材151との当接状態を維持する。
【0071】
(4)内側柱部材121-1と外側柱部材121-2とで形成されている支柱121の底板150に対するx、y及びz方向の位置決め部分は、内側柱部材121-1にのみ設ける。なお、上記の位置決め部分は、内側柱部材121-1にのみ設ける場合に限らず、外側柱部材121-2にのみ設けてもよい。これにより、内側柱部材121-1及び外側柱部材121-2の何れか一方と他方との寸法公差及び結合ズレを防ぐことができ、底板150に対して精度良く支柱121を位置決めすることができる。
【0072】
(5)支柱121は、当接部121-61及び当接部121-62を、支柱121の内側柱部材121-1の下端部のコ字の互いに接続する二辺に設けている。これにより、支柱121の底板150への組み付け時、又は装置運搬時の振動等による荷重の作用時に、底板150に立設された支柱121が倒れることを防ぐ
【0073】
ここで、上記(5)の配置構成においては、以下の配置構成にすることが好ましい。支柱121の底板150との締結部は、当接部121-61及び当接部121-62をコ字の互いに接続する二辺に設ける場合に、当接部121-61及び当接部121-62を設けた二辺と各々対向するコ字の二辺の下端部に設けることが好ましい。即ち、コ字状の内側柱部材121-1とコ字状の外側柱部材121-2とを組み合わせて構成したロ字状の支柱121のロ字の四辺の下端部に、当接部又は締結部を設けることが好ましい。
【0074】
なお、支柱121の当接部は、コ字の接する二辺に設ける場合に限らず、コ字の対向する二辺に設けてもよい。また、支柱121の底板150との締結部は、当接部121-61及び当接部121-62を対向するコ字の二辺に設ける場合に、当接部121-61及び当接部121-62を挟む対向するコ字の二辺に設けることが好ましい。
【0075】
<底板の角隅に支柱を設けるための構成>
本発明の実施の形態に係る底板の角隅に支柱を設けるための構成について、詳細に説明する。なお、底板の角隅に支柱を設けるための構成において、支柱121の構成の一部は異なるが、説明の便宜上、支柱121を用いて説明する。
【0076】
支柱121の内側柱部材121-1の下端部に当接部及びフランジ部を設ける場合において、底板150の角隅に支柱121を最も寄せるための最良の構成は、以下の構成となる。即ち、当接部は、支柱121の内面部121-11の下端部と、支柱121の側面部121-13の下端部と、の接する2辺に設ける。また、フランジ部は、支柱121の内面部121-11の下端部と側面部121-13の下端部との接する2辺に設ける。更に、支柱121の外側柱部材121-2の外面部121-21と側面部121-22とに底板150との締結部を設ける。
【0077】
また、支柱121の内側柱部材121-1の下端部に当接部及びフランジ部を設ける場合において、底板150の角隅に支柱121を最も寄せるための上記の最良の構成の次に最良の構成は、以下の構成となる。即ち、支柱121の内面部121-11及び側面部121-13に設けた当接部の何れか一方を、側面部121-12の下端部に設け、これ以外の構成は上記の最良の構成と同じにする。この場合に、側面部121-12の下端部に設けられた当接部は、R形状の接続部151-9よりも内側に位置するように支柱支持面151-6に当接する。これにより、支柱121は、底板150の右前方の角隅に対して、後方及び左方の少なくとも一方向にR形状分離れて第1部材151に立設される。
【0078】
なお、支柱122及び支柱123における上記の最良の構成及び次に最良の構成については、方向は異なるものの支柱121と同様である。
【0079】
本実施の形態では、縁壁部151-2を有する第1部材151と、縁壁部152-2を有する第2部材152と、を備える底板150と、底板150に固定され、設置面に対してシート搬送装置を設置する複数のキャスター158と、を備える。また、第2部材152は、縁壁部152-2が縁壁部151-2よりも外側において縁壁部151-2に重ね合って結合されることにより第1部材151に固定されている。これにより、底板150にキャスター158又はアジャスター159を設ける場合に、強度及び剛性を確保しつつ、従来に比べて装置の設置面の投影面積に対する底板150の投影面積の差分を小さくすることができる。
【0080】
また、本実施の形態では、縁壁部152-2が平面部151-1よりも鉛直方向上方に延設される延伸部152-6を備え、縁壁部152-2の縁部が平面部151-1よりも鉛直方向上方に位置するように第1部材151に固定される。これにより、別部材を設けることなく、支柱121、支柱122及び支柱123が倒れることを防ぐことができると共に、底板150を補強することができる。
【0081】
また、本実施の形態では、支柱121、支柱122及び支柱123が延伸部152-6に固定されることにより、支柱121、支柱122及び支柱123を底板150の角隅に設けることができ、小型化することができる。
【0082】
また、本実施の形態では、平面部152-1は、水平方向において縁壁部152-2との間に間隔を有すると共に板厚方向に貫通する穴形状部152-4を備えている。更に、第1部材151は、穴形状部152-4を挿通した状態で複数のキャスター158が固定されている。これにより、底板150にキャスター158を設ける場合に、強度及び剛性を確保することができる。
【0083】
また、本実施の形態では、シート搬送装置を移動可能にする回転可能なキャスター158を底板150の角隅に設ける。これにより、底板150にキャスター158を設ける場合に、強度及び剛性を確保しつつ、従来に比べて装置の設置面の投影面積に対する底板150の投影面積の差分を小さくすることができる。
【0084】
また、本実施の形態では、第1部材151の上面において支柱121、支柱122及び支柱123のx方向及びy方向の位置決めを行うことができるため、支柱121、支柱122及び支柱123の互いのピッチの精度を向上させることができる。
【0085】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
【0086】
具体的には、上記の実施の形態において、第1部材151の上面に支柱121、支柱122及び支柱123をねじによって締結したが、これに限らず、支柱121、支柱122及び支柱123をカシメ又は溶接によって第1部材151に取り付けてもよい。
【0087】
また、上記の実施の形態において、延伸部152-6に締結部を設けたが、これに限らず、例えば延伸部152-6に締結部を必要としない場合には締結部を設けなくてもよい。
【0088】
この場合であっても、底板150の高さ方向に曲げようとする力に対して、底板150に配設される記録材搬送用部材900と干渉することなく、延伸部152-6によって底板150の強度又は剛性を向上させることができる。特に、底板150全体の厚みを増やせない場合には有効である。底板150全体の厚みを増やせない場合としては、例えば以下の場合が考えられる。底板150の下面側にトラックへの荷揚げ又は荷下ろしのためのフォークリフト等の重機の持ち上げ爪を入れるために床からの高さを必要とする一方、底板150の上面側に配設される記録材搬送用部材900によって高さを制限される場合が考えられる。
【0089】
また、上記の実施の形態において、支柱121、支柱122及び支柱123と延伸部152-6とを接続したが、これに限らず、側板131と延伸部152-6とを接続してもよい。
【0090】
また、上記の実施の形態において、当接部121-61、当接部121-62、フランジ部121-63及びフランジ部121-64を内側柱部材121-1に設けたが、これに限らず外側柱部材に設けてもよい。
【0091】
また、上記の実施の形態において、キャスター158を挿通する穴形状部152-4と縁壁部152-2との間に面152-5を設けたが、これに限らず、アジャスター159の取付部と縁壁部152-2との間に面152-5を設けてもよい。これにより、底板150の端部にアジャスター159を設ける場合に、第2部材152の強度及び剛性を確保しつつ、小型化することができる。
【0092】
また、上記の実施の形態において、底板150の端部にキャスター158及びアジャスター159を設けたが、これに限らず、底板150の端部にキャスター158及びアジャスター159以外の部材を設けてもよい。この場合においても、底板150の端部にキャスター158及びアジャスター159を設ける場合と同様の効果を得ることができる。
【0093】
また、上記の実施の形態において、内側柱部材121-1と外側柱部材121-2とは、ビス止めによって結合される場合に限らず、溶接又はカシメ加工等によって結合されても良い。また、支柱は、コ字状の内側柱部材121-1と外側柱部材121-2とを結合させて構成する場合に限らず、L字状の2つの部材を結合させて角パイプ状に構成、パイプ状に形成された部材によって構成、又は板材を曲げ合わせてパイプ状に構成しても良い。
【符号の説明】
【0094】
1 支持フレーム
121 支柱
121-1 内側柱部材
121-2 外側柱部材
121-4 係合穴部
121-5 係合穴部
121-61 当接部
121-62 当接部
121-63 フランジ部
121-64 フランジ部
121-7 締結部
121-8 突出部
122 支柱
123 支柱
131 後側板
141 天板
150 底板
151 第1部材
151-1 平面部
151-2 縁壁部
151-3 取付形状部
151-4 ランス部
151-5 ランス部
151-6 支柱支持面
151-9 接続部
152 第2部材
152-1 平面部
152-2 縁壁部
152-3 錐台形部
152-4 穴形状部
152-5 面
152-6 延伸部
158 キャスター
158-1 取付部
159 アジャスター
161 ステー
900 記録材搬送用部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14