(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-26
(45)【発行日】2024-08-05
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H04N 23/52 20230101AFI20240729BHJP
G03B 17/55 20210101ALI20240729BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240729BHJP
【FI】
H04N23/52
G03B17/55
H05K7/20 F
(21)【出願番号】P 2020126451
(22)【出願日】2020-07-27
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】小田垣 光一
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-130625(JP,A)
【文献】特開2010-175825(JP,A)
【文献】特開2008-131501(JP,A)
【文献】特開2021-173821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/52
G03B 17/55
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品が実装された第一の基板と、
第二の基板と、
前記第二の基板と対向し前記第二の基板と接触するように配置された放熱フレームと、
前記第一の基板と前記第二の基板とを電気的に接続するフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板を前記発熱部品に対して押し当てるように、前記発熱部品と前記放熱フレームとに挟持された熱伝導部材と、を有し、
前記発熱部品から前記放熱フレームへの放熱経路として、前記発熱部品から前記熱伝導部材を介して前記放熱フレームに至る第一の放熱経路と、前記発熱部品から前記フレキシブル基板と前記第二の基板とを介して前記放熱フレームに至る第二の放熱経路とが形成されることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記フレキシブル基板は、前記第一の基板と前記第二の基板との間で電気的な信号をやり取りするパターン配線を有し、
前記第二の放熱経路のうち前記フレキシブル基板における熱の流れの方向と、前記パターン配線の方向とは略一致していることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記熱伝導部材の一部は前記発熱部品に対して直接接触し、
前記熱伝導部材の他の一部は前記フレキシブル基板を介して前記発熱部品に接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記発熱部品とは異なる他の発熱部品が実装された第三の基板をさらに有し、
前記第三の基板は、前記第一の基板を挟んで前記放熱フレームとは反対側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記他の発熱部品は、撮像素子であることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記発熱部品は、前記第一の基板の面のうち、前記放熱フレームと対向する側の面に実装されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記フレキシブル基板は、前記第一の基板と前記第二の基板との間で電気的な信号をやり取りするパターン配線を有し、
前記フレキシブル基板が前記熱伝導部材によって前記発熱部品に対して押し当てられることにより、前記パターン配線の一部が前記発熱部品に対して直接接触していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
撮像機能を備え、
前記発熱部品は、少なくとも撮像に関する制御を行う電子部品であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器における放熱の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等の電子機器では、機能の向上に伴って撮像素子やドライバIC等の各種ICの処理能力が増大し、消費電力が多くなっている。そのため、IC等の発熱部品の発熱による外装温度の局所的な上昇や、熱の影響を受けやすい電子部品の温度の上昇を低減することが求められている。
【0003】
電子機器内の熱の流れを制御する技術として、特許文献1は、放熱経路として2つの経路を設けたデジタルカメラを提案している。このカメラは、撮像素子が実装された第一の回路基板が第二の回路基板に電気的に接続するための第一の経路とは別に、金属筐体に放熱するための第二の経路を有する。撮像素子から生じた熱が、第二の経路を通じて金属筐体に向かって流れることにより、発熱部品が搭載された第二の回路基板への熱の伝搬が抑制されつつ、撮像素子の温度上昇が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、第二の経路は、撮像素子の動作制御のためには必要のないものである。熱の流れの制御のために第二の経路を新たに設けたことで、電子機器の小型化を妨げるという問題がある。
【0006】
本発明は、機器の大型化を回避しつつ発熱部品の放熱効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、発熱部品が実装された第一の基板と、第二の基板と、前記第二の基板と対向し前記第二の基板と接触するように配置された放熱フレームと、前記第一の基板と前記第二の基板とを電気的に接続するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板を前記発熱部品に対して押し当てるように、前記発熱部品と前記放熱フレームとに挟持された熱伝導部材と、を有し、前記発熱部品から前記放熱フレームへの放熱経路として、前記発熱部品から前記熱伝導部材を介して前記放熱フレームに至る第一の放熱経路と、前記発熱部品から前記フレキシブル基板と前記第二の基板とを介して前記放熱フレームに至る第二の放熱経路とが形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、機器の大型化を回避しつつ発熱部品の放熱効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】撮像装置の内蔵主要部品を互いに異なる方向から見た斜視図である。
【
図6】メイン基板を互いに異なる方向から見た斜視図である。
【
図7】固定部ベースユニットの要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1(a)、(b)は、本発明の一実施の形態に係る電子機器の斜視図である。この電子機器として、撮像装置1が例示される。特に、
図1(a)、(b)はそれぞれ、撮像装置1を前方、後方からみた斜視図である。
図2は、撮像装置1のブロック図である。
【0012】
以降、各部の方向を、
図1等に示したX、Y、Z座標軸を基準として呼称する。X方向を撮像装置1の左右方向、Y方向を撮像装置1の上下方向、Z方向を撮像装置1の前後方向とする。特に、+X方向を撮像装置1の左方向、+Y方向を撮像装置1の上方向、+Z方向を撮像装置1の前方向とする。X、Y、Z方向は、主に、固定部10に関する方向を呼称するのに用いられる。
【0013】
図1に示すように、撮像装置1は、固定部10、第一の可動部20および第二の可動部30を有する。第一の可動部20は、固定部10に対してY軸に略平行な回転軸Pを中心として回動可能に固定されている。また、第二の可動部30は、第一の可動部20に対して回転軸Pに略直交する回転軸Tを中心として回動可能に固定されている。すなわち、第一の可動部20の固定部10に対する回転軸P周りの回動と第二の可動部30の第一の可動部20に対する回転軸T周りの回動とによって、第二の可動部30は固定部10に対して2軸の自由度をもって回動可能である。
【0014】
第二の可動部30には、鏡筒ユニット102が固定されている。従って、撮像装置1は固定部10に対して撮影方向を変更可能に構成されている。鏡筒ユニット102は、光学像を光電変換して画像データを生成するCCDやCMOSイメージセンサ等の撮像素子101(
図2)や、被写体像を撮像素子101に結像させる撮像光学系125(
図2)を備える。
【0015】
固定部10の左側面には、いずれも押しボタンスイッチである電源ボタン107および操作ボタン108が配置されている。固定部10の前面には、表示窓109が設けられている。固定部10の右側面には、外部接続コネクタ蓋111が設けられている。固定部10の後面には記録メディアコネクタ蓋112が設けられている。
【0016】
図2に示すように、固定部10は、制御IC103、電源部121、発光素子120、外部接続コネクタ110、記録メディアコネクタ122、記憶部210、電源スイッチ123、操作スイッチ124を有する。発光素子120はLED等で構成される。記憶部210には、種々のソフトウェアが格納されている。電源部121は、制御IC103や撮像素子101等に必要な電力を供給する、
固定部10には、メイン基板104(第一の基板)(
図3)が内蔵されている。メイン基板104には、制御IC103や、記憶部210を含む様々な処理回路が搭載されている。制御IC103は、撮像素子101で生成された画像データを処理する機能や撮像装置1の種々の制御(例えば、撮像に関する制御)を司る。撮像素子101で生成された画像信号は、ケーブル106(
図3)を介してメイン基板104に伝達される。
【0017】
表示窓109(
図1)は、透明もしくは半透明の部材である。発光素子120は、撮像装置1の内部における表示窓109に対応した位置に配置される。表示窓109を介して、発光素子120の発光の状態を撮像装置1の外側から視認可能である。例えば、撮像装置1が動画録画中には発光素子120が発光し、使用者が表示窓109を介して発光素子120の発光を視認することにより、撮像装置1が動画録画中であることを認識できる。従って、表示窓109は使用者からの視認性を考慮して固定部10の前面に配置されている。
【0018】
使用者が電源ボタン107を押下すると、その操作を電源スイッチ123が検知する。そして、その検知に応じて、撮像装置1が、電源オフ状態から電源オン状態へと、または、電源オン状態から電源オフ状態へと切り替わる。また、撮像装置1が電源オン状態のときにおいて、使用者が操作ボタン108を押下すると、その操作を操作スイッチ124が検知する。そして、その検知に応じて、撮像装置1の動作状態が切り替わる。
【0019】
外部接続コネクタ蓋111は、外部接続コネクタ110(
図2)が使用されていないときに外部接続コネクタ110を覆い隠すための部材である。外部接続コネクタ蓋111は、固定部10に対して所定の範囲で動かすことが可能である。外部接続コネクタ蓋111を動かすことによって、外部接続コネクタ110を露出させることが可能である。
【0020】
記録メディアコネクタ蓋112は、記録メディアコネクタ122を覆い隠すための部材である。記録メディアコネクタ蓋112は、固定部10に対して所定の範囲で動かすことが可能である。記録メディアコネクタ蓋112を固定部10に対して動かすことによって、記録メディアコネクタ122を露出させることが可能である。使用者は記録メディアコネクタ122を露出させ、記録メディアコネクタ122に対して記録メディアを装着したり取り外したりすることができる。
【0021】
図3(a)、(b)は、撮像装置1に内蔵された主要部品を互いに異なる方向から見た斜視図である。メイン基板104の下方には、メイン基板104に対向するように、固定部ベースユニット126が配置されている。
図3(b)では、固定部ベースユニット126の図示が省略されている。
【0022】
撮像素子基板113(第三の基板)上には、撮像素子101および第一のコネクタ114が搭載されている。撮像素子基板113は第二の可動部30に固定されており、固定部10に対して第二の可動部30と共に動く。撮像素子101は、温度が上昇し過ぎると画像のノイズ量が増大するので、温度の上昇を極力低減すべき電子部品である。
【0023】
メイン基板104は固定部10に対して固定されている。メイン基板104上には、制御IC103、外部接続コネクタ110、第二のコネクタ115、第三のコネクタ127が搭載されている。メイン基板104には、貫通穴であるメイン基板穴116が形成されている。第三のコネクタ127は、フレキシブル基板128(
図4~
図7)をメイン基板104に接続するためのコネクタである。
【0024】
メイン基板104と撮像素子基板113とはケーブル106によって電気的に接続されている。ケーブル106は、撮像素子101で生成された画像信号をメイン基板104に伝達するための部材である。ケーブル106の一端が、撮像素子基板113の第一のコネクタ114に接続され、ケーブル106の他端がメイン基板104の第二のコネクタ115に接続されている。また、ケーブル106はメイン基板104のメイン基板穴116に挿通されている。
【0025】
ケーブル106は可撓性を有している。従って、固定部10に対して第二の可動部30が動くことで撮像素子基板113とメイン基板104との相対的な位置関係が変化したとしても、撮像素子基板113とメイン基板104とのケーブル106を介した電気的な接続は維持される。固定部ベースユニット126については後述する。
【0026】
図4は、固定部ベースユニット126の斜視図である。
図5は、固定部ベースユニット126の分解斜視図である。
【0027】
固定部ベースユニット126の主要な構成部品は、固定部ベース137、放熱フレーム134、コネクタ基板131(第二の基板)、フレキシブル基板128である。固定部ベース137は、電池である電源部121を収容する。固定部ベース137には、放熱フレーム134、コネクタ基板131が固定される。
【0028】
制御IC103(
図3)は撮像素子101で生成された画像データを処理する機能だけでなく、撮像装置1の種々の制御を司るICであり、撮像装置1を構成する電子部品の中で消費電力が最も大きい主要な発熱部品である。放熱フレーム134は、制御IC103で発生した熱を放熱するための部材であり、熱電率の高い金属材料の板材により構成されている。放熱フレーム134には台座138が一体に形成されている。台座138は、+Y方向に立ち上げられている。台座138には熱伝導部材136が載置されている。熱伝導部材136は、熱伝導性および弾性を有するゴム材等の部材である。熱伝導部材136の作用については後述する。放熱フレーム134は、ビス135により固定部ベース137に締結される。
【0029】
コネクタ基板131上には記録メディアコネクタ122と第五のコネクタ132が搭載されている。コネクタ基板131はビス133により固定部ベース137に締結される。コネクタ基板131が固定部ベース137に締結された状態においては、放熱フレーム134は、コネクタ基板131と固定部ベース137との間に位置し、且つ、コネクタ基板131に対向する。コネクタ基板131と放熱フレーム134とは少なくとも一部同士が接触している。従って、両者の接触部を通じて、コネクタ基板131から放熱フレーム134へ熱が流れやすくなっている。
【0030】
フレキシブル基板128は、コネクタ基板131とメイン基板104とを電気的に接続する基板である。従って、フレキシブル基板128には、コネクタ基板131とメイン基板104との間で電気的な信号をやり取りするためにパターン配線128a(
図6(b)参照)が金属等の導電材で形成されている。ここで、パターン配線128aは、銀や銅等の熱伝導性の良好な材料で形成されている。従って、フレキシブル基板128は制御IC103で発生した熱をコネクタ基板131に伝達するのにも好適である。フレキシブル基板128よる熱伝達については後述する。
【0031】
図5に示すように、フレキシブル基板128の一端には、コネクタ基板131上の第五のコネクタ132に接続するための端子部130が形成されている。フレキシブル基板128の他端にはメイン基板104上の第三のコネクタ127(
図3(b))に接続するための第四のコネクタ129が搭載されている。
【0032】
図6(a)、(b)は、メイン基板104を互いに異なる方向から見た斜視図である。
図6(b)において、制御IC103のうちフレキシブル基板128に隠れている部分を点線で示している。
図6(b)では、フレキシブル基板128の-Y側の折り返し部分の図示が省略されている。
図7は、固定部ベースユニット126の要部の断面図である。
図6(a)(b)、
図7で、撮像装置1における熱の流れを説明する。また、
図6(a)(b)で、主に制御IC103と熱伝導部材136とフレキシブル基板128との位置関係を説明する。
図7で、主に制御IC103と熱伝導部材136とフレキシブル基板128とコネクタ基板131と放熱フレーム134との位置関係を説明する。
【0033】
図6、
図7に示すように、熱伝導部材136は、制御IC103と放熱フレーム134の台座138との間に挟持されている。熱伝導部材136は、フレキシブル基板128を制御IC103に対して押し当てるように配置される。従って、フレキシブル基板128は制御IC103と接触している。言い換えると、熱伝導部材136の一部は、制御IC103に対して直接接触している。また、熱伝導部材136の他の一部は、フレキシブル基板128を介して制御IC103に接触している。
【0034】
このような構成により、制御IC103から放熱フレーム134への放熱経路として、第一の放熱経路と第二の放熱経路の2つの放熱経路が形成される。第一の放熱経路は、制御IC103から熱伝導部材136を介して放熱フレーム134に至る経路である。第一の放熱経路は、熱伝導部材136が制御IC103に対して直接接触する部分を含む。第二の放熱経路は、制御IC103から、フレキシブル基板128、端子部130、第五のコネクタ132(
図5)、コネクタ基板131を介して放熱フレーム134に至る経路である。第二の放熱経路は、フレキシブル基板128が制御IC103に押し当てられている部分を含む。
【0035】
フレキシブル基板128上のパターン配線128aの配線方向は、第四のコネクタ129と端子部130とを結ぶ方向であり、
図6(a)、(b)に矢印で模式的に表現されるように、方向L1及び方向L2である。このパターン配線128aの方向は、第二の放熱経路のうちフレキシブル基板128における熱の流れの方向と略一致している。従って、第二の放熱経路を介した放熱において、制御IC103から放熱フレーム134へ効率よく伝熱することができる。
【0036】
ところで、一般に、フレキシブル基板にはパターン配線を覆うカバーレイという部材が形成されており、カバーレイは絶縁性で熱伝導率の比較的低い材料で構成されている。本実施の形態では、フレキシブル基板128のパターン配線128aの一部を露出させ、パターン配線128aの一部が制御IC103に直接接触するように構成している。すなわち、フレキシブル基板128のうち熱伝導部材136によって制御IC103に押し当てられて接触する部分のカバーレイを除去することでパターン配線128aが露出する。このパターン配線128aが露出した部分が制御IC103に接触する。これにより、より効率的に制御IC103からフレキシブル基板128へ熱を伝達することができる。
【0037】
上述したように、制御IC103は主な発熱部品である。一方、撮像素子101は、制御IC103とは異なる他の発熱部品であり、温度上昇を極力抑えたい電子部品である。制御IC103から発生した熱の内、第二のコネクタ115に流れた熱は、第二のコネクタ115からケーブル106、第一のコネクタ114、撮像素子基板113(
図3(b))へと流れる。従って、制御IC103から発生した熱が第二のコネクタ115に多く流れ過ぎると、撮像素子基板113上に搭載されている撮像素子101の過剰な温度上昇を招いてしまう。また、外部接続コネクタ110は、使用者が直接触れる可能性がある部材であるので、その温度が上昇し過ぎると使用者に違和感を与える恐れがある。そのため、制御IC103で発生した熱が第二のコネクタ115及び外部接続コネクタ110に流れる量を極力低減するのが望ましい。
【0038】
これらの観点から、撮像素子基板113は、メイン基板104を挟んで放熱フレーム134とは反対側(+Y側)に配置されている。これにより、制御IC103で発生した熱が、メイン基板104に対して撮像素子基板113とは反対側に配置される放熱フレーム134に主に放熱されるので、第二のコネクタ115及び外部接続コネクタ110に流れる熱の量が低減される。しかも、制御IC103は、メイン基板104の面のうち、放熱フレーム134と対向する側の面に実装されている。すなわち、制御IC103は、メイン基板104に対して放熱フレーム134が配置されている側に搭載される。これにより、撮像素子基板113と制御IC103との距離が長くなるので、制御IC103から撮像素子基板113への伝熱が抑制される一方、制御IC103から放熱フレーム134への伝熱が促進される。
【0039】
本実施の形態によれば、制御IC103から放熱フレーム134への放熱経路として、第一、第二の放熱経路という2つの放熱経路が形成されるので、制御IC103から放熱フレーム134に効果的に放熱することができる。第二の放熱経路を設ける上で、撮像素子の動作制御にも用いるフレキシブル基板128を利用するので、熱の流れの制御のためだけに新たな部品を設ける必要がなく、機器の小型化が妨げられない。よって、機器の大型化を回避しつつ発熱部品の放熱効率を高めることができる。
【0040】
しかも、第二の放熱経路を設けるためにフレキシブル基板128を制御IC103に押し当てる熱伝導部材136は、第一の放熱経路の形成にも関与するので、部品点数が少なく、構成が簡単で、機器の小型化にも寄与する。
【0041】
また、第一の放熱経路において、熱伝導部材136が制御IC103に対して直接接触するので、第一の放熱経路による放熱効果が高い。
【0042】
また、フレキシブル基板128のパターン配線128aの形成方向は、第二の放熱経路のうちフレキシブル基板128における熱の流れの方向と略一致している。しかも、フレキシブル基板128における露出させたパターン配線128aの一部が制御IC103に直接接触する。これらにより、第二の放熱経路での制御IC103から放熱フレーム134への放熱効率が高い。
【0043】
また、撮像素子基板113は、メイン基板104を挟んで放熱フレーム134とは反対側(+Y側)に配置されたので、第二のコネクタ115及び外部接続コネクタ110に流れる熱の量が低減される。従って、撮像素子101の過剰な温度上昇を抑制することができる。
【0044】
しかも、制御IC103は、メイン基板104の面のうち、放熱フレーム134と対向する側の面に実装されているので、撮像素子基板113と制御IC103との距離が長くなる。これにより、制御IC103から撮像素子基板113への伝熱が抑制されると共に、制御IC103から放熱フレーム134への放熱効率が高まる。
【0045】
なお、第一の放熱経路において、熱伝導部材136が制御IC103に対して直接接触することは必須でない。間接に接触する部分を通じて第一の放熱経路が形成されてもよい。
【0046】
なお、本発明は、撮像機能を備える電子機器に限らず、発熱部品を有する各種の電子機器に適用可能である。
【0047】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 撮像装置
103 制御IC
104 メイン基板
128 フレキシブル基板
131 コネクタ基板
134 放熱フレーム
136 熱伝導部材