(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-29
(45)【発行日】2024-08-06
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20240730BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240730BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20240730BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240730BHJP
【FI】
B41J29/00 Z
H04N1/00 838
H04N1/00 912
B41J21/00 Z
G06F3/12 338
G06F3/12 303
G06F3/12 367
G06F3/12 359
G06F3/12 373
G06F3/12 388
(21)【出願番号】P 2021020841
(22)【出願日】2021-02-12
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】日比野 健
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-084179(JP,A)
【文献】特開2009-066929(JP,A)
【文献】特開2013-089054(JP,A)
【文献】特開2014-044546(JP,A)
【文献】特開2018-077859(JP,A)
【文献】特開2016-219881(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0133033(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00
H04N 1/00
B41J 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーに関連付けられたジョブデータ、さらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータを含む、外部から送信されたジョブデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記ジョブデータを記憶する記憶手段と、
認証機能によりログインしたユーザーに関連付けられた前記記憶手段内のジョブデータを印刷可能な印刷手段と、
代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されているかどうか判断する判断手段と、
前記判断手段により、代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されていると判断された場合、当該ジョブデータの代理出力をログインした
任意のユーザーに許可する許可手段と、
前記許可手段により代理出力を許可したユーザーに、代理出力を行うかどうかを選択させる選択手段と、
を備え
、
代理出力を行うことが選択されなかった場合に、前記選択手段は、次にログインした任意のユーザーに代理出力を行うかどうかを再度選択させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記許可手段により代理出力を許可されたジョブデータが印刷されたときは、印刷されたジョブデータの送信元ユーザーに、ジョブデータが出力されたことを通知する通知手段をさらに備えている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ユーザー毎に印刷されたジョブデータのカウントを行う計数手段を備え、
前記計数手段は、代理出力されたジョブデータについてはそのジョブデータの送信元ユーザーにカウントする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータにはさらに依頼内容を示す情報が付加されており、
ジョブデータの代理出力をログインしたユーザーに許可した場合、前記依頼内容を示す情報が出力される請求項1~
3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記選択手段により代理出力を行うことが選択された場合に、前記依頼内容を示す情報が出力される請求項
4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記認証機能は、ユーザーの認証情報の入力操作を必要とすることなく、認証情報を自動的に取得して認証を行う機能であり、
認証後、ユーザー操作を待つことなく、ユーザーに代理出力を許可されたジョブデータの前記印刷手段による印刷が行われる請求項1~
5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
代理出力が許可されたジョブデータが前記印刷手段により印刷された場合、前記記憶手段内の当該ジョブデータは、代理出力を許可しない状態に変更される請求項1~
6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記記憶手段に記憶されているジョブデータを表示する表示手段を備え、
前記表示手段は、ログインしたユーザー自身に関連付けられたジョブデータと、ログインしたユーザー以外のジョブデータであって代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータとを、識別可能に表示する請求項1~
7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれかに記載の画像形成装置と、
前記画像形成装置に、ユーザーに関連付けられさらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータを送信可能なデバイスと、
を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項10】
複数の画像形成装置とサーバーとを備え、
前記サーバーは、
ユーザーに関連付けられたジョブデータ、さらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータを含む、外部から送信されたジョブデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記ジョブデータを記憶する記憶手段と、
を備え、
前記画像形成装置はそれぞれ、
認証機能によりログインしたユーザーに関連付けられた前記サーバーに記憶されたジョブデータを印刷可能な印刷手段と、
代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記サーバーに記憶されているかどうか判断する判断手段と、
前記判断手段により、代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されていると判断さ
れた場合、当該ジョブデータの代理出力をログインした
任意のユーザーに許可する許可手段と、
前記許可手段により代理出力を許可したユーザーに、代理出力を行うかどうかを選択させる選択手段と、
を備え
、
代理出力を行うことが選択されなかった場合に、前記選択手段は、次にログインした任意のユーザーに代理出力を行うかどうかを再度選択させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項11】
画像形成装置のコンピュータに、
ユーザーに関連付けられたジョブデータ、さらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータを含む、外部から送信されたジョブデータを受信する受信ステップと、
前記受信
ステップにより受信された前記ジョブデータを記憶手段に記憶するステップと、
認証機能によりログインしたユーザーに関連付けられた前記記憶手段内のジョブデータを印刷する印刷ステップと、
代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されているかどうか判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより、代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されていると判断された場合、当該ジョブデータの代理出力をログインした
任意のユーザーに許可する許可ステップと、
前記許可ステップにより代理出力を許可したユーザーに、代理出力を行うかどうかを選択させる選択ステップと、
を実行させ
、
代理出力を行うことが選択されなかった場合に、前記選択ステップでは、次にログインした任意のユーザーに代理出力を行うかどうかを再度選択させる処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
前記許可ステップにより代理出力を許可されたジョブデータが印刷されたときは、印刷されたジョブデータの送信元ユーザーに、ジョブデータが出力されたことを通知する通知ステップを前記コンピュータにさらに実行させる請求項
11に記載のプログラム。
【請求項13】
ユーザー毎に印刷されたジョブデータのカウントを行う計数ステップを備え、
前記計数ステップでは、代理出力されたジョブデータについてはそのジョブデータの送信元ユーザーにカウントする処理を前記コンピュータにさらに実行させる請求項
11または
12に記載のプログラム。
【請求項14】
代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータにはさらに依頼内容を示す情報が付加されており、
ジョブデータの代理出力をログインしたユーザーに許可した場合、前記依頼内容を示す情報を出力する処理を前記コンピュータにさらに実行させる請求項
11~
13のいずれかに記載のプログラム。
【請求項15】
前記選択ステップにより代理出力を行うことが選択された場合に、前記依頼内容を示す情報を出力する処理を前記コンピュータに実行させる請求項
14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記認証機能は、ユーザーの認証情報の入力操作を必要とすることなく、認証情報を自動的に取得して認証を行う機能であり、
認証後、ユーザー操作を待つことなく、ユーザーに代理出力を許可されたジョブデータを印刷する処理を前記コンピュータに実行させる請求項
11~
15のいずれかに記載のプログラム。
【請求項17】
代理出力が許可されたジョブデータが前記印刷ステップにより印刷された場合、前記記憶手段内の当該ジョブデータを、代理出力を許可しない状態に変更する処理を前記コンピュータにさらに実行させる請求項
11~
16のいずれかに記載のプログラム。
【請求項18】
前記画像形成装置は、前記記憶手段に記憶されているジョブデータを表示する表示手段を備え、
前記表示手段に、ログインしたユーザー自身に関連付けられたジョブデータと、ログインしたユーザー以外のジョブデータであって代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータとを、識別可能に表示する処理を前記コンピュータにさらに実行させる請求項
11~
17のいずれかに記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、多機能デジタル複合機(MFP)等の画像形成装置、画像形成システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、働き方の多様化に伴いテレワークなどの活用が広がっている。しかしながら、会社業務をすべてテレワークで実施ではなく、実施可能な範囲で適用を行っている事例が多い。このような事例において、例えば、請求書や社内で利用する文書の一部においてワークフロー上、紙に印刷することが必要となる場合も多い。
【0003】
このような場合、印刷のためだけに会社に出社し処理を行うのは非効率であり、例えば、出社している別の社員が印刷された文書を代理で処理する方法が考えられる。
【0004】
一方で、会社で使用されるMFP等の画像形成装置は、使用管理のためにユーザー認証機能にて使用ユーザーの管理がなされており、印刷時においても出力物の取り間違いなどを防ぐために、一旦MFP内の記憶部に蓄積し、画像形成装置で認証処理を行った後に印刷が行われる場合がある。
【0005】
しかし、画像形成装置内に蓄積された文書データ等のジョブデータは、実行指示をしたユーザーに関連付けられているため、テレワーク中の社員が送信し画像形成装置に蓄積されたジョブデータは、出社中の別の社員が印刷することができないという問題がある。また、ユーザーに関連付けることなく蓄積することも考えられるが、この場合は、該当のジョブデータをどのユーザーとして印刷処理したのか判断することができないという別の問題が生じる。
【0006】
なお、特許文献1には、ユーザー認証でアクセス可能な個人BOX作成時に、代理BOXを作成し、代理BOXに他ユーザーがアクセス可能なアクセス権を設定することで、自分以外のアクセスを可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、他ユーザーがアクセスするためのBOX設定を予め行っておく必要があり、面倒であるという課題がある。また、他のユーザーは意思を持って設定されたBOXへのアクセスを行う必要があり、BOXを設定したユーザーは、BOXに文書を保存するとともに保存したことを他ユーザーに別途連絡しないと、他ユーザーは保存されたことに気づくことができないという課題もある。
【0009】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、他のユーザーがアクセスするためのBOX設定を行わなくても、ユーザーが望む場合は他のユーザーがジョブデータを代理出力可能とする画像形成装置、画像形成システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は以下の手段によって達成される。
(1)ユーザーに関連付けられたジョブデータ、さらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータを含む、外部から送信されたジョブデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記ジョブデータを記憶する記憶手段と、
認証機能によりログインしたユーザーに関連付けられた前記記憶手段内のジョブデータを印刷可能な印刷手段と、
代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されているかどうか判断する判断手段と、
前記判断手段により、代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されていると判断された場合、当該ジョブデータの代理出力をログインした任意のユーザーに許可する許可手段と、
前記許可手段により代理出力を許可したユーザーに、代理出力を行うかどうかを選択させる選択手段と、
を備え、
代理出力を行うことが選択されなかった場合に、前記選択手段は、次にログインした任意のユーザーに代理出力を行うかどうかを再度選択させることを特徴とする画像形成装置。
(2)前記許可手段により代理出力を許可されたジョブデータが印刷されたときは、印刷されたジョブデータの送信元ユーザーに、ジョブデータが出力されたことを通知する通知手段をさらに備えている前項1に記載の画像形成装置。
(3)ユーザー毎に印刷されたジョブデータのカウントを行う計数手段を備え、
前記計数手段は、代理出力されたジョブデータについてはそのジョブデータの送信元ユーザーにカウントする前項1または2に記載の画像形成装置。
(4)代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータにはさらに依頼内容を示す情報が付加されており、
ジョブデータの代理出力をログインしたユーザーに許可した場合、前記依頼内容を示す情報が出力される前項1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
(5)前記選択手段により代理出力を行うことが選択された場合に、前記依頼内容を示す情報が出力される前項4に記載の画像形成装置。
(6)前記認証機能は、ユーザーの認証情報の入力操作を必要とすることなく、認証情報を自動的に取得して認証を行う機能であり、
認証後、ユーザー操作を待つことなく、ユーザーに代理出力を許可されたジョブデータの前記印刷手段による印刷が行われる前項1~5のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)代理出力が許可されたジョブデータが前記印刷手段により印刷された場合、前記記憶手段内の当該ジョブデータは、代理出力を許可しない状態に変更される前項1~6のいずれかに記載の画像形成装置。
(8)前記記憶手段に記憶されているジョブデータを表示する表示手段を備え、
前記表示手段は、ログインしたユーザー自身に関連付けられたジョブデータと、ログインしたユーザー以外のジョブデータであって代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータとを、識別可能に表示する前項1~7のいずれかに記載の画像形成装置。
(9)前項1~8のいずれかに記載の画像形成装置と、
前記画像形成装置に、ユーザーに関連付けられさらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータを送信可能なデバイスと、
を備えたことを特徴とする画像形成システム。
(10)複数の画像形成装置とサーバーとを備え、
前記サーバーは、
ユーザーに関連付けられたジョブデータ、さらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータを含む、外部から送信されたジョブデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記ジョブデータを記憶する記憶手段と、
を備え、
前記画像形成装置はそれぞれ、
認証機能によりログインしたユーザーに関連付けられた前記サーバーに記憶されたジョブデータを印刷可能な印刷手段と、
代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記サーバーに記憶されているかどうか判断する判断手段と、
前記判断手段により、代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されていると判断された場合、当該ジョブデータの代理出力をログインした任意のユーザーに許可する許可手段と、
前記許可手段により代理出力を許可したユーザーに、代理出力を行うかどうかを選択させる選択手段と、
を備え、
代理出力を行うことが選択されなかった場合に、前記選択手段は、次にログインした任意のユーザーに代理出力を行うかどうかを再度選択させることを特徴とする画像形成システム。
(11)画像形成装置のコンピュータに、
ユーザーに関連付けられたジョブデータ、さらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータを含む、外部から送信されたジョブデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信された前記ジョブデータを記憶手段に記憶するステップと、
認証機能によりログインしたユーザーに関連付けられた前記記憶手段内のジョブデータを印刷する印刷ステップと、
代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されているかどうか判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより、代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されていると判断された場合、当該ジョブデータの代理出力をログインした任意のユーザーに許可する許可ステップと、
前記許可ステップにより代理出力を許可したユーザーに、代理出力を行うかどうかを選択させる選択ステップと、
を実行させ、
代理出力を行うことが選択されなかった場合に、前記選択ステップでは、次にログインした任意のユーザーに代理出力を行うかどうかを再度選択させる処理を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
(12)前記許可ステップにより代理出力を許可されたジョブデータが印刷されたときは、印刷されたジョブデータの送信元ユーザーに、ジョブデータが出力されたことを通知する通知ステップを前記コンピュータにさらに実行させる前項11に記載のプログラム。
(13)ユーザー毎に印刷されたジョブデータのカウントを行う計数ステップを備え、
前記計数ステップでは、代理出力されたジョブデータについてはそのジョブデータの送信元ユーザーにカウントする処理を前記コンピュータにさらに実行させる前項11または12に記載のプログラム。
(14)代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータにはさらに依頼内容を示す情報が付加されており、
ジョブデータの代理出力をログインしたユーザーに許可した場合、前記依頼内容を示す情報を出力する処理を前記コンピュータにさらに実行させる前項11~13のいずれかに記載のプログラム。
(15)前記選択ステップにより代理出力を行うことが選択された場合に、前記依頼内容を示す情報を出力する処理を前記コンピュータに実行させる前項14に記載のプログラム。
(16)前記認証機能は、ユーザーの認証情報の入力操作を必要とすることなく、認証情報を自動的に取得して認証を行う機能であり、
認証後、ユーザー操作を待つことなく、ユーザーに代理出力を許可されたジョブデータを印刷する処理を前記コンピュータに実行させる前項11~15のいずれかに記載のプログラム。
(17)代理出力が許可されたジョブデータが前記印刷ステップにより印刷された場合、前記記憶手段内の当該ジョブデータを、代理出力を許可しない状態に変更する処理を前記コンピュータにさらに実行させる前項11~16のいずれかに記載のプログラム。
(18)前記画像形成装置は、前記記憶手段に記憶されているジョブデータを表示する表示手段を備え、
前記表示手段に、ログインしたユーザー自身に関連付けられたジョブデータと、ログインしたユーザー以外のジョブデータであって代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータとを、識別可能に表示する処理を前記コンピュータにさらに実行させる前項11~17のいずれかに記載のプログラム。
【発明の効果】
【0011】
前項(1)、(9)及び(11)に記載の発明によれば、ユーザーに関連付けられたジョブデータ、さらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータを含む、外部から送信されたジョブデータが受信され、記憶手段に記憶される。認証機能によりユーザーが画像形成装置にログインすると、ログインしたユーザーに関連付けられた記憶手段内のジョブデータが印刷可能となる。一方、代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されているかどうかが判断され、代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが前記記憶手段に記憶されていると判断された場合、当該ジョブデータの代理出力が、当該ジョブデータに関連付けられたユーザー以外のログインした任意のユーザーに許可される。
【0012】
つまり、例えばテレワーク等のために画像形成装置で印刷を行えないユーザーが、代理出力を望む場合、ユーザーに関連付けられさらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータを、画像形成装置に対して送信することで、このジョブデータは画像形成装置の記憶手段に記憶され、他のユーザーが画像形成装置にログインしたときに、ログインした他のユーザーに代理で印刷を行ってもらうことができる。しかも、他のユーザーがアクセスするためのBOX設定を行う必要はないから、その分の手間も不要となる。
また、代理出力を許可したユーザーにより、代理出力を行うことが選択されなかった場合、次にログインした任意のユーザーに代理出力を行うかどうかを再度選択させるから、代理出力対象のジョブデータが、出力されないまま放置されるのを防止できる。
【0013】
前項(2)及び(12)に記載の発明によれば、代理出力を許可されたジョブデータが印刷されたときは、印刷されたジョブデータの送信元ユーザーに、ジョブデータが出力されたことが通知されるから、ジョブデータの送信ユーザーは送信したジョブデータが印刷されたことを知ることができ、便利である。
【0014】
前項(3)及び(13)に記載の発明によれば、ユーザー毎に印刷されたジョブデータのカウントを行う計数手段を備え、代理出力されたジョブデータについてはそのジョブデータを送信したユーザーにカウントされるから、代理出力したユーザーにカウントされるのを防止できる。
【0016】
前項(4)及び(14)に記載の発明によれば、代理出力が可能であることを示す情報を付加してジョブデータを送信するユーザーは、ジョブデータにさらに依頼内容を示す情報を付加することができ、ジョブデータの代理出力をログインしたユーザーに許可した場合、依頼内容を示す情報の出力が行われる。
【0017】
前項(5)及び(15)に記載の発明によれば、代理出力を許可したユーザーが代理出力を行うことを選択した場合に、依頼内容を示す情報が出力される。
【0018】
前項(6)及び(16)に記載の発明によれば、ユーザーの認証情報の入力操作を必要とすることなく認証情報が自動的に取得されると、認証後、ユーザー操作を待つことなく、ユーザーに代理出力を許可されたジョブデータの印刷処理が自動的に行われる。
【0019】
前項(7)及び(17)に記載の発明によれば、代理出力が許可されたジョブデータが印刷された場合、記憶手段内の当該ジョブデータは、代理出力を許可しない状態に変更されるから、一旦代理出力されたジョブデータが再度代理出力されるのを防止することができる。
【0020】
前項(8)及び(18)に記載の発明によれば、ログインしたユーザー自身に関連付けられたジョブデータと、ログインしたユーザー以外のジョブデータであって代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータとが、表示手段に識別可能に表示されるから、ログインしたユーザーは自身のジョブデータと、自身以外の代理出力が許可されたジョブデータを識別することができる。
【0022】
前項(9)に記載の発明によれば、例えばテレワーク等のために画像形成装置で印刷を行えないユーザーが、代理出力を望む場合、ユーザーに関連付けられさらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータを、デバイスから画像形成装置に対して送信することで、このジョブデータは画像形成装置の記憶装置に記憶され、他のユーザーが画像形成装置にログインしたときに、ログインした他のユーザーに代理で印刷を行ってもらうことができる。
【0023】
前項(10)に記載の発明によれば、複数の画像形成装置のいずれからでもサーバー内のジョブデータの印刷ができるユビキタスプリント環境において、ジョブデータの代理出力を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を含むシステムの構成説明図である。
【
図2】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】(A)は情報処理装置のジョブデータの送信設定画面を示す図、(B)は(A)の「ユーザー認証/部門管理設定」ボタンを押したときに遷移する画面を示す図である。
【
図4】携帯端末装置や情報処理装置から送信されたジョブデータを受信する画像形成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図5】画像形成装置の他の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図6】画像形成装置のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図7】画像形成装置のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図8】画像形成装置のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図9】(A)は情報処理装置または携帯端末装置のジョブデータの送信設定画面を示す図、(B)は(A)の画面において「作業依頼登録」ボタンを押したときに遷移する作業依頼登録画面を示す図である。
【
図10】画像形成装置のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図11】画像形成装置のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図12】画像形成装置のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図13】画像形成装置のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図14】表示部に表示されるジョブデータの表示例を示す図である。
【
図15】画像形成装置のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を含むシステムの構成説明図である。
【0026】
本システムは、画像形成装置1-x(x:1~n)、携帯端末装置2-z(z:1~n)、情報処理装置3-y(y:1~n)から構成される。画像形成装置1-x、携帯端末装置2-z、情報処理装置3-yは、いずれもネットワーク4を介して接続されている。
【0027】
ここで、ネットワーク4は、LAN(Local Area Network)などの専用回線を用いたネットワーク、一般回線を用いたネットワーク、無線通信によるネットワーク、のいずれであっても構わない。
【0028】
また、ネットワーク4は、外部ネットワーク5を介して、他のネットワークと接続されている。
【0029】
画像形成装置1-xは、走査した原稿画像、および携帯端末装置2-zや情報処理装置3-yから送信されたジョブデータであるプリントデータから生成した画像の複写画像を用紙上に形成する装置であり、この実施形態では多機能デジタル複合機であるMFPが用いられている。ここで、プリントデータとは、携帯端末装置2-zや情報処理装置3-yのオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムが発行する描画命令を、プリンタドライバによって画像形成装置1-xが処理可能なページ記述言語に変換したページ記述言語による描画命令、もしくは、PDF、TIFF、JPEG、XPS等のファイルフォーマットで記述された文書データである。
【0030】
また、走査した原稿画像は、ネットワーク4を介して、情報処理装置3-y、さらにはその他の画像形成装置に送信することもできる。さらには、外部ネットワーク5を介して、別のネットワークに接続された他の画像形成装置や携帯端末装置や情報処理装置に原稿画像を送信することもできる。
【0031】
携帯端末装置2-zは、CPU、RAM、記憶装置等を備えた例えば持ち運びが可能なタブレット端末やスマートフォンなどである。
【0032】
情報処理装置3-yは、CPU、RAM、記憶装置、モニタ、キーボード、マウス等の接続された一般的なコンピュータ装置である。携帯端末装置2-zや情報処理装置3-yは、ユーザーの指示によリジョブデータを生成し、生成したジョブデータを画像形成装置1-xに送信する。
【0033】
なお、以下の説明では、特に区別する必要がない限り、画像形成装置1-xを画像形成装置1と、携帯端末装置2-zを携帯端末装置2と、情報処理装置3-yを情報処理装置3とそれぞれ記す。
【0034】
図2は、画像形成装置1の内部構成を示すブロック図である。画像形成装置1のCPU101には、制御プログラムの格納されたROM102、作業用のS-RAM(Static Random Access Memory)103、画像形成に関わる各種の設定を記憶するバッテリバックアップされたNV-RAM(不揮発性メモリ)104、時計IC105がバスを介して接続され、制御部100を構成している。
【0035】
制御部100には、原稿画像を読み取る画像読取装置120と、リセットキー131、スタートキー132、ストップキー133などの各種キーや、タッチパネル135からなる表示部134を備えた操作パネル130と、ネットワーク4、5を介して接続された携帯端末装置2や情報処理装置3をはじめとする外部の装置との間で各種の情報をネットワーク4、5を介して送受信する為のネットワークインターフェース160と、外部装置と無線通信を行うための無線通信インターフェース170と、短距離無線インターフェース180と、ネットワークインターフェース160や無線通信インターフェース170等により受信したプリントデータから複写画像を生成するプリンタコントローラ150と、複写画像を用紙上に形成する画像出力装置140等が、それぞれバス175を介して接続されている。無線通信インターフェース170はネットワーク4、5との通信や携帯端末装置2の通信に利用され、短距離無線インターフェース180は主に携帯端末装置2との通信に利用される。短距離無線インターフェース180は例えばBluetoothやIrDAなどである。
【0036】
また、制御部100には、記憶装置110がバス175を介して接続されている。記憶装置110は例えばハードディスク装置である。この記憶装置110には、各種のデータが記憶され、携帯端末装置2や情報処理装置3等の外部装置から送信され、ネットワークインターフェース160、無線通信インターフェース170等により受信されたジョブデータも、記憶装置110に記憶される。
【0037】
さらに、制御部100には認証装置190がバス175を介して接続されている。認証装置190は、画像形成装置1を使用するユーザーを管理するものであり、ユーザーの認証を行って使用可否を判断する機能を有する。画像形成装置1を使用するユーザーが操作パネル130から認証情報を入力すると、認証装置190は記憶装置110に予め保存されている各ユーザー毎の認証情報と照合し、一致すればユーザーのログインを許可する。なお、照合用の認証情報は外部サーバー等の外部装置に保存しておき、必要に応じて認証装置190が外部装置から認証情報を取得して照合を行っても良いし、外部装置が照合を行い、その結果に基づいて認証装置190が認証を行っても良い。また、認証情報は操作パネル130に対するユーザー操作により入力される場合に限らず、ICカード等に保存された認証情報を認証装置190が読み取って認証を行うカード認証であっても良いし、指紋等に基づく生体認証であっても良い。さらに、ユーザー個人の認証だけでなく、ユーザーが属している組織、例えば部門等を照合してログインを許可する部門認証を行うことが可能になっている。
【0038】
次に、携帯端末装置2や情報処理装置3のユーザーが、画像形成装置1による代理出力を依頼する場合の処理の流れを説明する。
【0039】
携帯端末装置2や情報処理装置3のユーザーは、携帯端末装置2や情報処理装置3からジョブデータを画像形成装置1に送信する。この際に、ジョブデータは送信元であるユーザーと関連付けられて、換言すればユーザー情報と共に送信され、画像形成装置1はジョブデータのユーザーが誰かを特定できるようになっている。
【0040】
さらにこの実施形態では、ジョブデータを送信するユーザーが代理出力を望む場合は、ユーザーが代理出力であることを設定すると、携帯端末装置2や情報処理装置3は、ユーザー情報に加え、代理出力が可能であることを示す情報をジョブデータに付加して画像形成装置1に送信する。
【0041】
図3(A)は、情報処理装置3のジョブデータの送信設定画面を示す図である。携帯端末装置2の送信設定画面も同様である。この送信設定画面でジョブデータの出力に関する設定ができるとともに、「ユーザー認証/部門管理設定」ボタン31を押すことで、
図3(B)の画面に遷移し、パブリックユーザーか登録ユーザーかを選択でき、ユーザー情報としてユーザー名を入力できるようになっている。
図3(B)の画面の「OK」ボタンを押すと、
図3(A)の画面に戻る。また、
図3(A)の画面では「代理出力」の項目32が表示され、この項目にチェックを入れることで、代理出力が可能であることを示す情報の付加が設定される。「OK」ボタンを押すことで、設定が確定し、設定内容と共にジョブデータが画像形成装置1へ送信される。
【0042】
図4は、携帯端末装置2や情報処理装置3から送信されたジョブデータを受信する画像形成装置1の動作を説明するためのフローチャートである。なお、
図4に示した画像形成装置1の動作は、制御部100のCPU101がROM102等に格納されている動作プログラムに従って動作することにより実行される。
図5以降のフローチャートに示される動作についても同様である。
【0043】
ステップS01でジョブデータを受信すると、ステップS02で、受信したジョブデータを記憶装置110に記憶蓄積する。
【0044】
次に、ステップS03で、画像形成装置1を使用するユーザーがいればその認証を行い、ログインを許可すると、ステップS04では、ログインしたユーザー自身のジョブデータが記憶装置110に蓄積されているかどうかを調べる。蓄積されている場合(ステップS04でYES)、ステップS05で、蓄積されているジョブデータのリストを表示部134に表示する。
【0045】
次いでステップS06で、代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータ(以下、代理出力ジョブデータともいう)が、記憶装置110に蓄積されているかどうかを調べる。蓄積されている場合(ステップS06でYES)、ステップS07で、自身のジョブデータのリストと、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示したのち、ステップS10に進む。代理出力ジョブデータが記憶装置110に蓄積されていない場合は(ステップS06でNO)、そのままステップS10に進む。
【0046】
一方ステップS04で、ログインしたユーザー自身のジョブデータが記憶装置110に蓄積されていない場合(ステップS04でNO)、ステップS08で、代理出力ジョブデータが記憶装置110に蓄積されているかどうかを調べる。蓄積されている場合(ステップS08でYES)、ステップS09で、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示したのち、ステップS10に進む。代理出力ジョブデータが記憶装置110に蓄積されていない場合は(ステップS08でNO)、印刷対象のジョブデータが存在しないから、処理を終了する。
【0047】
ステップS10では、ログインしたユーザーのプリント指示を受け付けると、ステップS11でプリント(印刷)を実行する。ユーザーは表示されたジョブデータのリストの中から、プリントしたいジョブデータを選択してプリント指示することができる。
【0048】
このように、この実施形態では、外部から送信されたジョブデータであって、ユーザーに関連付けられさらに代理出力が可能であることを示す情報が付加されたジョブデータが受信され、記憶装置100に記憶される。認証機能によりユーザーが画像形成装置にログインすると、ログインしたユーザーに関連付けられた記憶装置110内のジョブデータがリス地表示され印刷可能となる。一方、代理出力ジョブデータが記憶装置110に記憶されているかどうかも判断され、記憶されていると判断された場合、代理出力ジョブデータがリスト表示され、ログインしたユーザーは代理出力ジョブデータの印刷が可能となる。つまり、送信したユーザーとは異なるユーザーに、代理出力ジョブデータの代理出力が許可される。
【0049】
従って、例えばテレワーク等のために画像形成装置1で印刷を行えないユーザーが、代理出力を望む場合、ユーザーに関連付けられたジョブデータにさらに代理出力が可能であることを示す情報を付加して、画像形成装置1に送信することで、このジョブデータは画像形成装置1で受信されて記憶装置110に記憶される。そして、他のユーザーが画像形成装置1にログインしたときに、ログインした他のユーザーに代理で印刷を行ってもらうことができる。しかも、他のユーザーがアクセスするためのBOX設定を行う必要はないから、その分の手間も不要となる。
【0050】
図5は画像形成装置1の他の動作を説明するためのフローチャートである。
図5の例では、代理出力ジョブデータの代理出力を行った場合、代理出力ジョブデータの送信元のユーザーに出力完了を通知する構成となっている。
【0051】
図5のフローチャートにおいてステップS01~S10は、
図4のフローチャートにおけるステップS01~S10と同じであるので、同一のステップ番号を付し、説明は省略する。
【0052】
ステップS10のプリント指示を受け付けると、ステップS31で、プリントを指示されたジョブデータは代理出力ジョブデータかどうかを判断する。代理出力ジョブデータであれば(ステップS31でYES)、ステップS32で代理出力ジョブデータをプリントしたのち、ステップS33で、代理出力ジョブデータの送信元のユーザーに出力完了を通知する。通知手段は限定はされないが、電子メールやSNMP(Simple Network Management Protocol)での通知などを挙げることができる。完了通知後はステップS35に進む。
【0053】
ステップS31で、プリントを指示されたジョブデータが代理出力ジョブデータでなければ(ステップS31でNO)、ステップS34でログインユーザー自身のジョブデータをプリントしたのち、ステップS35に進む。
【0054】
ステップS35では、ジョブデータは全てプリント完了したかどうかを調べ、完了していなければ(ステップS35でNO)、ステップS31に戻り、完了するまでステップS31~S35を繰り返す。ジョブデータを全てプリント完了すると(ステップS35でYES)、処理を終了する。
【0055】
図5の例では、代理出力ジョブデータのプリント完了通知を、そのジョブデータの完了毎に行う構成としたが、プリント指示を受け付けたタイミングで通知しても良いし、全ての代理出力ジョブデータのプリント完了後に一括して通知しても良い。
【0056】
図5に示した実施形態では、代理出力ジョブデータが印刷されたときは、印刷されたジョブデータを依頼したユーザーに、該当ジョブデータが出力されたことが通知されるから、ジョブデータの依頼ユーザーは依頼したジョブデータが印刷されたことを知ることができ、便利である。
【0057】
図6は画像形成装置1のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
図6の例では、画像形成装置1の制御部100は印刷されたジョブデータの印刷枚数カウントを行うことができるようになっている。
【0058】
図6のフローチャートにおいてステップS01~S11は、
図4のフローチャートにおけるステップS01~S11と同じであるので、同一のステップ番号を付し、説明は省略する。
【0059】
画像形成装置1は、ステップS11のプリント実行後、ステップS51で、代理出力ジョブデータをプリントしたかどうかを調べる。代理出力ジョブデータをプリントした場合(ステップS51でYES)、ステップS52で、代理出力ジョブデータの依頼ユーザー(送信元ユーザー)が行ったプリントとしてジョブテータのプリント枚数をカウントする。代理出力ジョブデータのプリントではない場合(ステップS51でNO)、ステップS53で、ログインしているユーザー(プリントを指示操作したユーザー)に対してカウントする。
【0060】
このように、代理出力されたジョブデータについては当該ジョブデータを送信したユーザーにカウントされるから、代理出力であるにもかかわらず代理出力を行ったユーザーのプリント枚数としてカウントされるのを防止できる。
【0061】
図7は画像形成装置1のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。ログインしたユーザーが、必ずしも代理出力ジョブデータをプリントするとは限らない。例えば急いでいるとか操作がわからない等の理由で、代理出力が実行されない場合がある。
図7の例では、このようにログインしたユーザーによって代理出力が行われなかった場合の処理を示す。
【0062】
ステップS01でジョブデータを受信すると、ステップS02で、受信したジョブデータを記憶装置110に記憶蓄積する。次に、ステップS03で、画像形成装置1を使用するユーザーの認証を行い、ログインを許可すると、ステップS61では、代理出力ジョブデータが存在しているかどうかを判断する。存在していれば(ステップS61でYES)、ステップS62で代理出力ジョブリストを表示する。表示された代理出力ジョブリストの中からユーザーが代理出力を行うジョブリストを選択してプリント指示を行うと、ステップS63でこの指示を受け付けてプリントを行う。代理出力を行うことが選択されなかった代理出力ジョブデータは、そのまま残存する。
【0063】
ステップS64で、ユーザーがログアウトすると、ステップS65では、代理出力ジョブデータは全て出力されたかどうかを判断し、全て出力されていない場合(ステップS65でNO)、ステップS03に戻り、ステップS03、ステップS61~S65が繰り返される。つまり、次のユーザーがログインしたときに、まだ代理出力されていない代理出力ジョブデータのリストを表示し、プリント指示があれば代理出力を行う。
【0064】
ステップS65で、代理出力ジョブデータが全て出力されると(ステップS65でYES)、処理を終了する。
【0065】
このように、この実施形態では、代理出力を許可したユーザーにより、代理出力を行うことが選択されなかった場合、次にログインしたユーザーに代理出力を行うかどうかを再度選択させるから、代理出力ジョブデータが出力されないまま放置されるのを防止できる。
【0066】
図8は画像形成装置1のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
図8の例では、代理出力の依頼ユーザー(送信元ユーザー)は、代理出力ジョブデータを画像形成装置1に送信する場合に、代理出力が可能であることを示す情報を付加し、さらに依頼内容を示す情報を付加して送信できるようになっている。つまり、代理出力とともに代理出力以外の作業を依頼できるようになっている。
【0067】
即ち、
図9(A)に示す情報処理装置3または携帯端末装置2のジョブデータの送信設定画面において、「代理出力」の項目32にチェックを入れ、「作業依頼登録」ボタンを押すと、同図(B)に示す作業依頼登録画面に遷移する。作業依頼登録画面において、「作業内容を入力してください。」のメッセージに従い、具体的な作業内容を入力できるようになっている。入力後、同図(A)の「OK」ボタンを押すことで、作業内容が登録され、代理出力の設定と共にジョブデータが画像形成装置1へ送信される。
【0068】
依頼内容付きの代理出力ジョブデータを受信した画像形成装置1は、付加された依頼内容の出力も許可してログインしたユーザーに知らせる。
【0069】
図8のフローチャートに戻って、ステップS01~S09は、
図4のフローチャートにおけるステップS01~S09と同じであるので、同一のステップ番号を付し、説明は省略する。
【0070】
画像形成装置1は、ステップS07で、記憶部110に蓄積されている自身のジョブデータのリストと、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示し、あるいはステップS09で、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示したのち、ステップS81で、代理出力ジョブデータに作業依頼内容が登録さているかどうかを調べる。登録されていれば(ステップS81でYES)、ステップS82で、作業依頼内容の出力を許可して表示部134に表示(出力)したのち、ステップS83に進む。作業依頼内容が登録されていなければ(ステップS81でNO)、そのままステップS83に進む。
【0071】
ステップS83で、ログインしたユーザーのプリント指示を受け付けると、ステップS84でプリントを実行する。なお、作業依頼内容も併せて印刷しても良い。
【0072】
このように、この実施形態では、代理出力ジョブデータを送信するユーザーは、ジョブデータにさらに依頼内容を示す情報を付加することができ、ログインしたユーザーに代理出力を許可した場合、依頼内容を示す情報の出力も許可されて、その内容が表示される。
【0073】
図10は、画像形成装置1のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。
図8の例では、代理出力の依頼ユーザー(送信元ユーザー)は、代理出力ジョブデータを画像形成装置1に送信する場合に、代理出力が可能であることを示す情報を付加し、さらにさらに依頼内容を示す情報を付加して送信できるようになっている場合を説明した。
図10に示す実施形態においても同様に、代理出力の依頼ユーザーは、代理出力ジョブデータに依頼内容を示す情報を付加できるが、ログインしたユーザーへの依頼内容の表示タイミングが、ログインしたユーザーが代理出力ジョブデータを選択したタイミングに設定されている点が、
図8に示した実施形態とは異なる。
【0074】
図10のフローチャートにおいて、ステップS01~S09は、
図4のフローチャートにおけるステップS01~S09と同じであるので、同一のステップ番号を付し、説明は省略する。
【0075】
画像形成装置1は、ステップS07で、記憶部110に蓄積されている自身のジョブデータのリストと、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示し、あるいはステップS09で、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示したのち、ステップS101で、ログインしたユーザーの選択操作に基づいて、表示されたジョブデータのリストからプリント対象を選択する。
【0076】
ステップS102では、選択されたジョブデータは代理出力ジョブデータかどうかを調べ、代理出力ジョブデータであれば(ステップS102でYES)、ステップS103で、その代理出力ジョブデータに作業依頼が登録されているかどうかを調べる。登録されていれば(ステップS103でYES)、ステップS104で、作業依頼内容を表示部134に表示したの、ステップS105に進む。ステップS102で代理出力ジョブデータでない場合(ステップS102でNO)、及びステップS103で作業依頼が登録されていない場合(ステップS103でNO)、そのままステップS105に進む。
【0077】
ステップS105では、ログインしたユーザーのプリント指示を受け付けると、ステップS106でプリント(印刷)を実行する。なお、作業依頼内容も併せて印刷しても良い。
【0078】
図11は、画像形成装置1のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。この例では、認証装置190による認証が、ユーザーの認証情報の入力操作を必要としない認証方法、例えばカード認証により行われ、認証後に、ユーザーの操作を待つことなく印刷処理さらにはログアウトまでの処理が自動的に行われる構成となっている。
【0079】
ステップS111でジョブデータを受信すると、ステップS112で、受信したジョブデータを記憶装置110に記憶蓄積する。
【0080】
画像形成装置1を使用するユーザーは、自身の認証情報が記録されたICカード等を所有している。ステップS113ではカードの検知を待つ(ステップS113でNO)。ユーザーがカードを図示しない読み取り装置に近付けあるいはタッチすると、カードが検知されて(ステップS113でYES)、カード内の認証情報が自動的に読み取られ、ステップS114で、カード情報(認証情報)を確認し、ステップS115で登録されているユーザーかどうか、つまりユーザー認証を行う。登録されていないユーザーであれば(ステップS115でNO)、処理を終了する。
【0081】
登録されているユーザーであれば(ステップS115でYES)、ステップS116で、ログインしたユーザー自身のジョブデータが記憶装置110に蓄積されているかどうかを調べる。蓄積されている場合(ステップS116でYES)、ステップS117で、代理出力ジョブデータが記憶装置110に蓄積されているかどうかを調べる。蓄積されている場合(ステップS117でYES)、ステップS118で、自身のジョブデータのリストと、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示したのち、ステップS122に進む。代理出力ジョブデータが記憶装置110に蓄積されていない場合は(ステップS117でNO)、ステップS121で、ユーザー自身のジョブデータのリストを表示部134に表示したのち、ステップS122に進む。
【0082】
ステップS116で、ユーザー自身のジョブデータが記憶装置110に蓄積されていない場合(ステップS116でNO)、ステップS119で、代理出力ジョブデータが記憶装置110に蓄積されているかどうかを調べる。蓄積されていない場合(ステップS119でNO)、ステップS123に進む。蓄積されている場合(ステップS119でYES)、ステップS120で、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示したのち、ステップS122に進む。
【0083】
ステップS122では、ユーザーのプリント指示を待つことなく、所定時間経過後にプリントを実行したのち、ステップS123で、画像形成装置1からログアウトする。
【0084】
このようにこの実施形態では、画像形成装置1を使用するユーザーが、カードを画像形成装置1の読み取り装置に近付けあるいはタッチするだけで、自動的に代理出力ジョブデータや自身のジョブデータの印刷が行われるから便利である。
【0085】
図12は、画像形成装置1のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。この例では、代理出力ジョブデータのプリントが実行されると、その代理出力ジョブデータについては再度の代理出力を許可しない状態に変更する構成となっている。
【0086】
図12のフローチャートにおいて、ステップS01~S09は、
図4のフローチャートにおけるステップS01~S09と同じであるので、同一のステップ番号を付し、説明は省略する。
【0087】
画像形成装置1は、ステップS07で、記憶部110に蓄積されている自身のジョブデータのリストと、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示し、あるいはステップS09で、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示する。
【0088】
その後、ステップS141でプリン指示を受け付けると、ステップS142で、代理出力ジョブデータの代理出力可能状態を解除し、代理出力を許可しない状態に変更する。そして、ステップS143でプリントを実行する。なお、プリントの実行後に、代理出力ジョブデータの代理出力可能状態を解除し、代理出力を許可しない状態に変更しても良い。
【0089】
このように、この実施形態では、代理出力ジョブデータがプリントされると、代理出力可能状態を解除し、代理出力を許可しない状態に変更されるから、一旦代理出力されたジョブデータが再度代理出力されるのを防止することができる。
【0090】
図13は、画像形成装置1のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。この例では、ユビキタスプリントシステムに画像形成装置1を応用したものである。ユビキタスプリントシステムは、複数の画像形成装置1が設置されている環境において、蓄積されたジョブデータをどの画像形成装置でも印刷できるシステムである。ユーザーは代理出力ジョブデータを含むジョブデータをサーバーに送信し、サーバーは受信したジョブデータを蓄積する。サーバーは、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって構成されていても良い。あるいは、複数の画像形成装置の少なくともいずれかにサーバー機能を搭載してこの画像形成装置1にジョブデータを蓄積する、サーバレスユビキタスプリントシステムとしても良い。
【0091】
ステップS151で、いずれかの画像形成装置1の使用時にユーザーの認証を行い、ログインを許可すると、ステップS152で、ログインしたユーザーの所属部署の識別を行う。
【0092】
ステップS153では、代理出力ジョブがサーバーに蓄積されているかどうかを調べ、代理出力ジョブが蓄積されていなければ(ステップS153でNO)、処理を終了する。蓄積されていれば(ステップS153でYES)、ステップS154で、ログインしたユーザーは画像形成装置1の設置部署のユーザーかどうかを判断する。画像形成装置1の設置部署のユーザーでなければ(ステップS154でNO)、処理を終了する。
【0093】
画像形成装置1の設置部署のユーザーであれば(ステップS154でYES)、ステップS155で、代理出力を依頼したユーザーは画像形成装置1の設置部署のユーザーかどうかを判断する。画像形成装置1の設置部署のユーザーでなければ(ステップS155でNO)、処理を終了する。
【0094】
画像形成装置1の設置部署のユーザーであれば(ステップS155でYES)、ステップS156で、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示した後、ステップS157で、代理出力ジョブデータのプリント指示を受け付け、プリントを実行する。その後、ステップS158で、ユーザー操作に基づいてログアウト処理を行う。
【0095】
ユーザーの所属部署や画像形成装置1の設置部署の管理は、サーバーで行われても良いし、画像形成装置1で行われても良い。
【0096】
このようにこの実施形態では、複数の画像形成装置1のいずれかにユーザーがログインすると、ログインしている画像形成装置1が設置されている部署と、ログインしたユーザーの所属部署と、代理出力の依頼ユーザー(送信元ユーザー)が一致したときに、代理出力ジョブデータを表示してプリントが可能となる。
【0097】
図14は表示部134に表示されるジョブデータの表示例を示す図である。画像形成装置1にログインしたユーザーのジョブデータと代理出力ジョブデータが、識別可能に表示される。
【0098】
図14(A)の例では、「保存文書」タブと「代理出力」タブにより、表示するジョブデータを切り替えており、「保存文書」タブが押されると、ログインしたユーザーのジョブデータが表示され、「代理出力」タブが押されると、代理出力ジョブデータが表示されるようになっている。ログインしたユーザーが、表示されたジョブデータを選択して「OK」ボタンを押すと、選択されたログインユーザーのジョブデータ及び/または代理出力ジョブデータがプリントされる。
【0099】
図14(B)は、ログインしたユーザーのジョブデータと代理出力ジョブデータが混在表示されるとともに、代理出力ジョブデータについては「出力依頼中」といった表示が付与されることにより、代理出力ジョブデータであることが識別できるようになっている。なお、代理出力ジョブデータの表示を例えば強調表示にする等表示態様を変更して、ログインしたユーザーのジョブデータと代理出力ジョブデータの表示態様を代えることで、両者を識別しても良い。
【0100】
図15は、画像形成装置1のさらに他の動作を説明するためのフローチャートである。この例では、画像形成装置1はユーザー認証機能とは別に部門管理機能を有している。代理出力を依頼するユーザーはジョブデータに組織情報として部門情報を付加することが可能であり、部門情報で示される部門と、ログインしたユーザーにより選択された部門が同じかどうかを画像形成装置1が判断し、同じである場合に、ジョブデータの代理出力を許可する構成となっている。
【0101】
なお、部門管理はプロジェクトなどを業務単位で管理するときに使用される。ユーザー認証機能と部門管理機能は独立しており、単独で使用される場合もあるし、併用して使用される場合もある。
図15は併用して使用される場合の例である。
【0102】
ステップS161では、画像形成装置1を使用するユーザーの認証を行い、ログインを許可すると、ステップS162で、ログインしたユーザーに部門を選択させる。
【0103】
ステップS163では、代理出力ジョブが記憶装置110に蓄積されているかどうかを調べ、蓄積されていなければ(ステップS163でNO)、処理を終了する。蓄積されていれば(ステップS163でYES)、ステップS164で、代理出力ジョブデータで指定された部門と、ログインしたユーザーによって選択された部門が同じかどうかを判断する。同じでなければ(ステップS164でNO)、処理を終了する。
【0104】
部門が同じであれば(ステップS164でYES)、ステップS165で、代理出力ジョブデータのリストを表示部134に表示した後、ステップS166で代理出力ジョブデータのプリント指示を受け付け、ステップS167でプリントを実行する。
【0105】
このように、代理出力ジョブデータで指定された部門と、ログインしたユーザーによって選択された部門が同じかどうかを判断し、同じである場合に代理出力ジョブデータのプリントを許可するから、高いセキュリティを確保することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 画像形成装置
2 携帯端末装置
3 情報処理装置
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
110 記憶装置
120 画像読取装置
130 操作パネル
134 表示部
140 画像出力装置(印刷手段)
160 ネットワークインターフェース(受信手段)
170 無線通信インターフェース(受信手段)
190 認証装置