(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-30
(45)【発行日】2024-08-07
(54)【発明の名称】電子機器、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20240731BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20240731BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240731BHJP
G06F 3/0487 20130101ALI20240731BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20240731BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240731BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20240731BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20240731BHJP
【FI】
G06F3/02 400
H04N23/63
H04N23/50
G06F3/0487
G06F3/04842
G03B17/02
G03B17/18
G02B7/02 E
(21)【出願番号】P 2022067121
(22)【出願日】2022-04-14
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 瑠璃果
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-303581(JP,A)
【文献】特開2010-262561(JP,A)
【文献】特開2013-083866(JP,A)
【文献】特開2003-228455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02
H04N 23/63
H04N 23/50
G06F 3/0487
G06F 3/04842
G03B 17/02
G03B 17/18
G02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転操作部材と、
前記回転操作部材の一回の操作あたりの回転角度を制御する制御手段
であって、表示部に表示される複数の項目に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御する
制御手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記表示部に第1の種類の複数の項目が表示されている場合は、表示される項目数に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御し、
前記表示部に第2の種類の複数の項目が表示されている場合は、表示される項目数に関わらず前記一回の操作あたりの回転角度を制御する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
電子機器であって、
回転操作部材と、
前記回転操作部材の一回の操作あたりの回転角度を制御する制御手段であって、表示部に表示される複数の項目に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御する制御手段と、を有し、
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記項目は、画像である
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記表示部に第1の種類の複数の項目が表示されている場合は、表示される項目数に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御し、
前記表示部に第2の種類の複数の項目が表示されている場合は、表示される項目数に関わらず前記一回の操作あたりの回転角度を制御することを特徴とする請求項
2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1の種類の複数の項目は、一覧表示される画像であり、
前記第2の種類の複数の項目は、所定の条件で絞り込まれた画像であることを特徴とする請求項1または3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1の種類の複数の項目は、画像であり、
前記第2の種類の複数の項目は、設定項目またはアイコンであることを特徴とする請求項1または3に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1の種類の複数の項目は、画像再生画面において表示される複数の画像であり、
前記第2の種類の複数の項目は、設定画面において表示される複数の設定項目であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御手段は、前記表示部に前記第2の種類の複数の項目が表示されている場合は、前記表示部に表示される項目数に関わらず前記一回の操作あたりの回転角度が一定となるように制御することを特徴とする請求項1、3、6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記表示部に前記複数の項目が選択可能に配列された画面を表示する表示制御手段を有し、
前記表示制御手段は、前記回転操作部材の操作に応じて前記一回の操作あたりの回転角度ごとに選択中の項目を切り替えることを特徴とする請求項
1、2、3、6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記回転操作部材が操作された角度を検出する検出手段を有し、
前記表示制御手段は、前記回転操作部材が操作された角度と前記一回の操作あたりの回転角度とに基づいて選択する項目を決定することを特徴とする請求項
8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記制御手段は、前記表示部に表示される複数の項目の数に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御することを特徴とする請求項
2に記載の電子機器。
【請求項11】
前記制御手段は、前記表示部に表示される複数の項目の数に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を予め決められた回転角度に設定することを特徴とする請求項
10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記制御手段は、前記表示部に表示される全項目への操作が所定の角度となるように、前記表示部に表示される項目の数と、前記所定の角度とに基づいて前記一回の操作あたりの回転角度を決定することを特徴とする請求項
10に記載の電子機器。
【請求項13】
前記回転操作部材への操作とは異なるユーザ操作に応じて、前記表示部に表示される項目の数を変更する表示制御手段を有することを特徴とする請求項
10から
12のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項14】
前記制御手段は、前記表示部に表示される項目が描画されている座標を基準として前記一回の操作あたりの回転角度を決定することを特徴とする請求項
2に記載の電子機器。
【請求項15】
前記制御手段は、前記一回の操作あたりの回転角度が所定の範囲内になるように前記一回の操作あたりの回転角度を制御することを特徴とする請求項
1、2、3、6、10、11、12、14のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項16】
前記回転角度ごとにクリック感を付与する付与手段を有することを特徴とする請求項1
、2、3、6、10、11、12、14のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項17】
前記回転操作部材の回転速度を検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1
、2、3、6、10、11、12、14のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項18】
前記制御手段は、前記回転速度が所定の速度より低下した場合に、前記回転角度を拡大することを特徴とする請求項
17に記載の電子機器。
【請求項19】
前記回転操作部材の回転速度を検出する検出手段を有し、
前記付与手段は、前記回転速度が所定の速度より低下した場合に、前記クリック感の強度を増大することを特徴とする請求項
16に記載の電子機器。
【請求項20】
前記回転操作部材の回転速度を検出する検出手段を有し、
前記表示制御手段は、前記回転速度が所定の速度より低下した場合に、前記表示部に表示される項目の数を減少させることを特徴とする請求項
8に記載の電子機器。
【請求項21】
回転操作部材を備える電子機器の制御方法であって、
前記回転操作部材の一回の操作あたりの回転角度を制御するステップ
であって、表示部に表示される複数の項目に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御する
ステップを有し、
前記ステップでは、
前記表示部に第1の種類の複数の項目が表示されている場合は、表示される項目数に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御し、
前記表示部に第2の種類の複数の項目が表示されている場合は、表示される項目数に関わらず前記一回の操作あたりの回転角度を制御する
ことを特徴とする制御方法。
【請求項22】
回転操作部材を備える電子機器の制御方法であって、
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記制御方法は、
前記回転操作部材の一回の操作あたりの回転角度を制御するステップであって、表示部に表示される複数の項目に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御するステップを有し、
前記項目は、画像であることを特徴とする制御方法。
【請求項23】
コンピュータ
に、請求項
21または22に記載された
制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器を操作する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の操作や設定変更を行う操作部材として、ダイヤルなどの回転操作部材がある。回転操作部材には所定の回転角度ごとまたは所定の回転方向に機械的な振動や回転抵抗を印加して回転時にユーザが回転操作部材から手応え(クリック感または節度)を触感できるようにする機構が設けられているものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、回転操作部材の一回の操作あたりの入力感度に対応するクリック感が付与される回転角度(以下、クリック角度)は固定となっている。このため、回転操作部材を操作して複数の項目が表示されている項目一覧から所望の項目を選択する場合には、少なくとも所望の項目に到達するまでの表示項目数分に相当する回転量だけ回転操作部材を操作する必要がある。これは、ユーザが回転操作部材を操作して同じ項目を選択する場合に、表示項目数が多いほど、項目一覧において所望の項目に到達するまでの操作量が増加するということであるが、特許文献1には、このような課題を解決する方法は記載されていない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、複数の項目が表示されている項目一覧から所望の項目を選択する際の回転操作部材の操作性を改善できる技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の電子機器は、回転操作部材と、前記回転操作部材の一回の操作あたりの回転角度を制御する制御手段であって、表示部に表示される複数の項目に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記表示部に第1の種類の複数の項目が表示されている場合は、表示される項目数に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御し、前記表示部に第2の種類の複数の項目が表示されている場合は、表示される項目数に関わらず前記一回の操作あたりの回転角度を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の項目が表示されている項目一覧から所望の項目を選択する際の回転操作部材の操作性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態のデジタルカメラの構成を示すブロック図。
【
図3】本実施形態の入力角度制御処理を説明するフローチャート。
【
図4】本実施形態の入力角度決定処理を説明するフローチャート。
【
図5】本実施形態の入力角度決定方法を説明する図。
【
図6】本実施形態の回転操作部材の回転速度に応じた制御処理を説明するフローチャート。
【
図7】本実施形態の回転操作部材の回転速度に応じた制御処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に、本発明の電子機器をデジタルカメラなどの撮像装置に適用した実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明の電子機器は撮像装置に限らず、タブレットPCやスマートフォンなどのように回転操作が可能な操作部材(以下、回転操作部材)を備える装置などに適用可能である。また、本発明は、デスクトップPCなどの情報処理装置を操作するためのマウス、電子機器を遠隔操作するためのリモートコントローラなどにも適用可能である。
【0011】
<装置構成>まず、
図1および
図2を参照して、本実施形態のデジタルカメラの構成および機能について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態のデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
図2は、本実施形態のデジタルカメラの外観図である。
【0013】
撮影レンズ104はズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。シャッター105は絞り機能を備えるシャッターである。撮像部106は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子などで構成される撮像素子である。A/D変換部107は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換部107は、撮像部106から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。バリア103は、デジタルカメラ100の撮影レンズ104を含む撮像系を覆うことにより、撮影レンズ104、シャッター105、撮像部106を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
【0014】
画像処理部102は、A/D変換部107からのデータ、又は、メモリ制御部108からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部102では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部101が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。さらに、画像処理部102では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0015】
A/D変換部107からの出力データは、画像処理部102およびメモリ制御部108を介して、或いは、メモリ制御部108を介してメモリ109に直接書き込まれる。メモリ109は、撮像部106によって得られA/D変換部107によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部111に表示するための画像データを格納する。メモリ109は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。また、メモリ109は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
【0016】
D/A変換部110は、メモリ109に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部111に供給する。こうして、メモリ109に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換部110を介して表示部111により表示される。
【0017】
表示部111は、液晶または有機ELなどの表示デバイスに、D/A変換部110からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換部107によって一度A/D変換されメモリ109に蓄積されたデジタル信号をD/A変換部110においてアナログ変換し、表示部111に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能し、スルー画像(ライブビュー画像)を表示する。
【0018】
不揮発性メモリ114は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROMなどが用いられる。不揮発性メモリ114には、システム制御部101の動作用の定数、プログラムなどが記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0019】
システム制御部101は、デジタルカメラ100全体を制御するプロセッサを有する。不揮発性メモリ114に格納されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ112はRAMが用いられる。システムメモリ112には、システム制御部101の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ114から読み出したプログラムなどを展開する。また、システム制御部101は、メモリ109、D/A変換部110、表示部111などを制御することにより表示制御も行う。
【0020】
システムタイマー113は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0021】
シャッターボタン115、モード切替ダイヤル118、電源ボタン119、操作部120は、システム制御部101に各種の動作指示を入力するための操作部材である。
【0022】
モード切替ダイヤル118は、システム制御部101の動作モードを静止画撮影モード、動画記録モード、再生モード、および各動作モードに含まれる詳細モードに切り替えるための動作指示を入力するための操作部材である。
【0023】
第1シャッタースイッチ116は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン115の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でオンとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理などの動作を開始する。
【0024】
第2シャッタースイッチ117は、シャッターボタン115の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でオンとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部101は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部106からの信号読み出しから記録媒体124に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0025】
電源制御部121は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り換えるスイッチ回路などにより構成され、電源ボタン119の状態、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部121は、その検出結果およびシステム制御部101の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体124を含む各部へ供給する。
【0026】
電源部122は、アルカリ電池やリチウム電池などの一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Liイオン電池などの二次電池であるが、ACアダプタなどであってもよい。
【0027】
記録媒体インターフェース(I/F)123は、メモリカードやハードディスクなどの記録媒体124とのインターフェースである。記録媒体124は、撮影された画像を記録するためのメモリカードなどの記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスクなどから構成される。
【0028】
音声制御部125は、マイクなどにより入力された音声データをデジタル信号に変換して記録媒体124に格納したり、記録媒体124に格納されている音声データを読み出してスピーカーなどの音声出力部126から出力したりする。音声制御部125は、動画記録モードにおいては音声データを動画データと同期させて記録したり、静止画撮影モードにおいては音声データを静止画データに添付して記録したりすることができる。また、音声制御部125は、警告などの通知を行うための音声データを生成し、音声出力部126から発音することができる。
【0029】
操作部120の各操作部材は、表示部111に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタンなどがある。例えば、
図2に示すメニューボタン201が押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部111に表示される。ユーザは、表示部111に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向にボタンを備えた十字ボタン202やSETボタン203とを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0030】
コントローラホイール204および電子ダイヤル205は、操作部120に含まれる回転操作部材であり、方向ボタンと共に選択項目を指示する場合などに使用される。
【0031】
電子ダイヤル205は、回転時にユーザが電子ダイヤル205から手応え(クリック感または節度)を触感できるように、所定の方向や角度位置ごとに電子ダイヤル205に印加する振動や回転抵抗(トルク)を可変に制御するトルク制御部128を有する。所定の方向や所定の角度位置は、例えば、所定の角度位置ごとに割り当てられた設定値の増減方向や設定可能な値の数や位置、間隔(分解能)に対応する。トルク制御部128は、電子ダイヤル205の回転軸に連結された小型モータと電子ダイヤル205の回転軸の回転角度を検出するエンコーダを含み、電子ダイヤル205の回転角度に応じてモータのトルクの大きさを変化させることで、電子ダイヤル205の回転時のクリック感を変化させる。例えば、電子ダイヤル205を所定の位置から離れる方向に回転したときに電子ダイヤル205の回転方向とは反対方向にモータのトルクを印加することにより、ユーザは電子ダイヤル205から受ける手応えを重く感じ、また所定の位置に近づく方向に回転したときに電子ダイヤル205の回転方向と同じ方向にモータのトルクを印加することにより、ユーザは電子ダイヤル205から受ける手応えとして、所定の位置に向かって吸着するような手応えを触感できる。所定の角度ごとに所定の位置を設けた場合は、モータ回転時のトルク制御を滑らかに連続的に行うと、ユーザは電子ダイヤル205の回転時に所定の角度ごとにクリック感を手応えとして得ることができる。また、モータのトルクを変化させることによってクリック感の強さ(強度)を変化させることができる。この場合に、所定の角度や所定の位置をクリック角度として定義すると、電子ダイヤル205のクリック角度を電気的に可変に制御することができる。なお、本実施形態において電子ダイヤル205にクリック感を付与する方法は上述した方法に限らず、例えば特許文献1に記載されている方法やその他の方法でもよい。
【0032】
システム制御部101は、トルク制御部128を制御して、
図3で後述する電子ダイヤル205の一回の操作あたりの入力感度に対応する回転角度(入力角度)を制御する処理(以下、入力角度制御処理)を実行する。また、トルク制御部128は、電子ダイヤル205の回転速度を監視し、システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度に基づいて電子ダイヤル205の回転開始(操作開始)、回転停止(操作停止)、回転速度の上昇/低下を判定し、判定結果に応じて後述する入力角度制御処理を実行する。
【0033】
なお、トルク制御部128は、電子ダイヤル205の入力角度を制御すると共に、入力角度ごとに電子ダイヤル205に付与するクリック感を制御することも可能である。なお、電子ダイヤル205の入力角度は、例えば、電子ダイヤル205の一回転(360度)を複数の角度θnに分割したそれぞれの角度θnに対応するが、角度θnは同じ角度である場合に限らず、異なる角度に制御される場合もある。
【0034】
デジタルカメラ100の底面部にはカバー209により開閉可能な電池122および記録媒体124の収納部が設けられており、カバー209を開閉することで電池122と記録媒体124をデジタルカメラ100に対して脱着可能である。
【0035】
再生ボタン206はカメラの撮影モードと再生モードを切り替えることができる。再生モードにおいて表示部111に画像が1枚表示されている状態で拡大ボタン207を押すと、表示部111に表示された画像を拡大して表示することができ、さらに拡大ボタン207を複数回押すと押した回数に応じて画像の拡大倍率が大きくなる。拡大状態において十字ボタン202、コントローラホイール204および電子ダイヤル205を操作することにより表示部111に表示される拡大範囲を移動することができる。また、画像の拡大状態において縮小ボタン208を押すと拡大された画像の拡大倍率を小さくすることができる。表示部111に画像が1枚表示されている状態で縮小ボタン208を押すと表示部111に一度に複数の縮小画像が表示される、いわゆるインデックス再生が実行される。さらに縮小ボタン208を複数回押すと押した回数に応じて一度に表示される画像の枚数が多くなる。また、インデックス再生状態において、現在選択されているカレント画像は縮小画像の周囲にカーソルが表示されることによって示される。このとき、十字ボタン202、コントローラホイール204や電子ダイヤル205を操作することによりカレント画像を変更することができる。また、1回の回転操作でカレント画像をいくつ分変更するかを設定によって変更することができる。インデックス再生状態において拡大ボタン207が押されると、表示部111に表示される画像の枚数を減らすことができる。
【0036】
操作部120の一つとして、表示部111に対する接触を検出可能なタッチパネル127を有する。タッチパネル127と表示部111とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル127を光の透過率が表示部111の表示を妨げないように構成し、表示部111の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル127における入力座標と、表示部111上の表示座標とを対応付ける。これにより、あたかもユーザが表示部111上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(Graphical User Interface)を構成することができる。システム制御部101はタッチパネルへの以下の操作を検出できる。タッチパネルを指やペンで触れたこと(以下、タッチダウン)。タッチパネルを指やペンで触れている状態であること(以下、タッチオン)。タッチパネルを指やペンで触れたまま移動していること(以下、ムーブ)。タッチパネルへ触れていた指やペンを離したこと(以下、タッチアップ)。タッチパネルに何も触れていない状態(以下、タッチオフ)。これらの操作や、タッチパネルに指やペンが触れている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部101に通知され、システム制御部101は通知された情報に基づいてタッチパネルにどのような操作が行われたかを判定する。ムーブについてはタッチパネル上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル上の垂直成分・水平成分ごとに判定できる。また、タッチパネル上をタッチダウンから一定のムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作をフリックと呼ぶ。フリックは、タッチパネル上に指を触れたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行われたと判定できる。また、所定距離以上を、所定速度未満でムーブしたことが検出された場合はドラッグが行われたと判定するものとする。また、タッチパネルを指やペンでムーブしながら特定領域に入る操作(以下、ムーブイン)、ムーブしながら特定領域から外に出る操作(以下、ムーブアウト)を検出することもできる。タッチパネルは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式など、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いてもよい。
【0037】
<入力角度制御処理>次に、
図3から
図5を参照して、本実施形態の電子ダイヤル205の入力角度制御処理について説明する。
【0038】
図3および
図4は、本実施形態の電子ダイヤル205の入力角度制御処理を示すフローチャートである。なお、
図3および
図4の処理は、システム制御部101が不揮発性メモリ114に格納されたプログラムを実行し、デジタルカメラ100の各構成要素を制御することにより実現される。また、
図3および
図4の処理は、例えば、システム制御部101の動作モードが再生モードに設定され、複数の項目(サムネイルなどの画像)が選択可能に配列された画面(以下、項目選択画面)を表示する指示が入力された場合に開始される。
【0039】
本実施形態の入力角度制御処理は、例えば、複数の画像が一覧表示されるインデックス再生状態において、ユーザが電子ダイヤル205を操作することにより所望の画像を選択するときに実行される。
【0040】
ステップS301では、システム制御部101は、表示部111に項目選択画面を表示する。
【0041】
ステップS302では、システム制御部101は、項目選択画面に表示される項目数に基づいて電子ダイヤル205の入力角度を決定する。入力角度を決定する処理および方法は
図4および
図5を用いて後述する。その後、システム制御部101は、ユーザ操作の待ち受け状態に移行する。
【0042】
ステップS303では、システム制御部101は、所定の操作が行われたか否かを判定し、所定の操作が行われたと判定した場合は処理を終了し、所定の操作が行われたと判定しない場合は処理をステップS304に進める。なお、所定の操作は、SETボタン203が操作されたことに応じて選択中の項目が確定された操作、あるいはモード切替ダイヤル118が操作されたことに応じて動作モードが変更された操作である。
【0043】
ステップS304では、システム制御部101は、拡大ボタン207や縮小ボタン208が操作されたことに応じて項目選択画面に表示されている項目数が変更されたか否かを判定する。システム制御部101は、項目選択画面の表示項目数が変更されたと判定した場合は処理をステップS301に戻し、変更された項目数で項目選択画面を表示や入力角度の決定を行う。システム制御部101は、項目選択画面の表示項目数が変更されていないと判定した場合は処理をステップS305に進める。
【0044】
ステップS305では、システム制御部101は、電子ダイヤル205が操作されたか否かを判定し、操作されたと判定した場合は処理をステップS306に進め、操作されていないと判定した場合は処理をステップS303に戻す。
【0045】
ステップS306では、システム制御部101は、電子ダイヤル205の入力角度をステップS302で決定した入力角度に設定し、トルク制御部128により電子ダイヤル205の入力角度を制御する。ここで、トルク制御部128は、電子ダイヤル205の入力角度ごとにクリック感を付与してもよく、この場合、電子ダイヤル205に印加するトルクは予め決めた値であったり、ユーザが任意のトルクを選択可能であってもよい。
【0046】
ステップS307では、システム制御部101は、トルク制御部128により電子ダイヤル205の回転角度を検出する。トルク制御部128またはシステム制御部101は、検出された回転角度と入力角度とから電子ダイヤル205の操作量を決定する。
【0047】
ステップS308では、システム制御部101は、ステップS307で決定された電子ダイヤル205の操作量に応じて選択された項目を遷移させ、表示部111に選択された項目を視認可能に表示する。
【0048】
なお、ステップS306およびS307の処理は、ステップS305で電子ダイヤル205の操作が検出された後、完全に操作が停止してから実行してもよい、また、タイマーにより一定時間ごとに操作を監視し、完全に操作が停止するまで逐次実行してもよい。
【0049】
図4は、
図3のステップS302における入力角度決定処理を示すフローチャートである。
【0050】
入力角度決定処理は、
図4(a)に示す表示項目数に基づいて動的に入力角度を変更する第1の入力角度決定処理、または、
図4(b)に示す項目数に応じて予め決められた入力角度に切り替える第2の入力角度決定処理を含む。
【0051】
まず、
図4(a)を用いて、第1の入力角度決定処理を説明する。
【0052】
ステップS401、S402では、システム制御部101は、項目選択画面に表示されている項目数を取得し、表示項目数に応じて入力角度を計算する。入力角度の計算方法は、以下の(1)、(2)および(3)の方法がある。
(1)表示されている全項目への操作が所定の角度となるように、表示項目数と所定の角度とに基づいて入力角度を決定する方法(例えば、表示されている全項目を選択するまでの総角度を基準として、表示項目数に基づいて入力角度を決定する方法)
(2)所定の項目数に対する角度を基準として、項目数に基づいて相対的に入力角度を決定する方法
(3)表示項目が描画されている座標を基準として入力角度を決定する方法
ここで、上記(1)、(2)および(3)の各計算方法では、表示項目数によって入力角度が極端に大きくなる場合や小さくなる場合がある。そこで、システム制御部101は、ステップS403からS405の処理を実行する。
【0053】
ステップS403では、システム制御部101は、ステップS402で計算された入力角度が所定の範囲内であるか否かを判定する。システム制御部101は、ステップS402で計算された入力角度が所定の範囲内であると判定した場合は処理をステップS404に進める。システム制御部101は、ステップS402で計算された入力角度が所定の範囲外にあると判定した場合は処理をステップS405に進める。
【0054】
ステップS404では、システム制御部101は、ステップS402の計算結果を入力角度に決定する。
【0055】
ステップS405では、システム制御部101は、所定の範囲内になるように入力角度を決定する。システム制御部101は、例えば、所定の範囲の上限値または下限値を入力角度とする。
【0056】
図5は、(1)の計算方法による入力角度決定方法を説明する図である。
【0057】
図5では、表示項目数に基づいて入力角度を決定する方法の一例として、表示部111に表示する画像選択画面の表示枚数とそれに応じて計算される電子ダイヤル205の入力角度を例示している。画像選択画面は、例えば、インデックス再生時に表示される画像一覧画面である。
【0058】
以下、
図5の表示画像を全て選択するまでの総角度を360度とし、総角度を表示画像枚数で除算し、入力角度の範囲θを5度~45度とした場合の例を説明する。
【0059】
図5(a)に示すように、表示画像枚数が4枚の場合は、
360度/4=90>θ(45度)
となり、入力角度の範囲θを超えるため、入力角度は所定の範囲の上限値である45度となる。
【0060】
図5(b)に示すように、表示画像枚数が36枚の場合は、
360度/36=10度
となるため、入力角度は10度となる。
【0061】
図5(c)に示すように、表示画像枚数が100枚の場合は、
360度/100=3.6度<θ(5度)
となり、入力角度の範囲θを下回るため、入力角度は所定の範囲の下限値である5度となる。
【0062】
上記の例では、(1)の計算方法について総角度に対して除算を行う方法を説明したが、(1)~(3)の計算方法において基準となる指標に対して入力角度を決定するための計算は指数計算など、例示した方法に限られない。また、(1)~(3)の計算方法以外でもよい。さらに、画像選択画面を例として挙げたが、設定項目の選択など、項目選択を行う画面の操作に適用してもよい。
【0063】
次に、
図4(b)を用いて、第2の入力角度決定処理を説明する。
【0064】
ステップS406、S407では、システム制御部101は、項目選択画面に表示されている項目数を取得し、表示項目数に応じて予め決められた入力角度に決定する。予め決められた入力角度は、上述した(1)、(2)および(3)の計算方法を用いて決定してもよく、表示項目数に対応する入力角度を任意に設定した角度としてもよい。
【0065】
次に、
図6および
図7を参照して、電子ダイヤル205の回転速度に応じて入力角度やクリック感、表示項目数を制御する処理について説明する。
【0066】
図6の処理は、
図3のステップS305において電子ダイヤル205の操作が検出された場合のステップS306からS308の処理を置き換えて実行される。
【0067】
表示項目数が増加するほど入力角度は小さくなり、ユーザが電子ダイヤル205を回転させて項目を選択する際に所望の項目で操作を停止することが難しくなる可能性がある。そのため、入力角度が小さくなっても所望の項目を選択する際にユーザが電子ダイヤル205の回転を停止しやすくなれば操作性が良くなる。そこで、本実施形態では、電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下した場合に、ユーザによる電子ダイヤル205を回転し項目を選択する操作が所望の項目に近づいていると判定し、入力角度やクリック感、表示項目数を制御する。
【0068】
【0069】
図3のステップS305において電子ダイヤル205が操作されたと判定されると、システム制御部101は、
図6の処理を開始する。
【0070】
ステップS601では、システム制御部101は、電子ダイヤル205の入力角度をステップS302で決定した入力角度に設定し、トルク制御部128により電子ダイヤル205の入力角度および/またはクリック感を制御する。
【0071】
ステップS602では、システム制御部101は、トルク制御部128により電子ダイヤル205の回転角度と回転速度を検出する。トルク制御部128またはシステム制御部101は、検出された回転角度と入力角度とにもとづいて電子ダイヤル205の操作量を決定し、操作量と操作時間とから回転速度を算出する。
【0072】
ステップS603では、システム制御部101は、ステップS602で決定された電子ダイヤル205の操作量に応じて選択された項目を遷移させ、表示部111に選択された項目を視認可能に表示する。
【0073】
ステップS604では、システム制御部101は、電子ダイヤル205の操作が停止されたか否かを判定し、停止されたと判定した場合は処理を
図3のステップS303に戻し、停止されていないと判定した場合は処理を、後述する
図7(a)、(b)、(c)のいずれかのステップS701に進める。
【0074】
図7(a)は、電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下した場合に入力角度を制御する処理を示すフローチャートである。
【0075】
ステップS701では、システム制御部101は、ステップS602で検出された電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下したか否かを判定する。システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下したと判定した場合は処理をステップS702に進める。システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下していないと判定した場合は処理をステップS703に進める。
【0076】
ステップS702では、システム制御部101は、ステップS302で決定された入力角度を所定の角度だけ拡大するように設定し、処理をステップS601に戻し、入力角度が拡大するようにトルク制御部128で電子ダイヤル205の入力角度を制御する。なお、所定の角度は、表示項目数によって動的に変更されてもよいし、予め決められた角度としてもよい。
【0077】
ステップS703では、システム制御部101は、ステップS701で判定した電子ダイヤル205の回転速度の低下中に回転速度が上昇したか否かを判定する。システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度低下中に回転速度が上昇したと判定した場合は処理をステップS704に進める。システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度の低下中に回転速度が上昇していないと判定した場合は処理をステップS601に戻す。
【0078】
ステップS704では、システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度低下中に回転速度が上昇した場合は、所望の項目に近づいているわけではないと予測できるため、所定の角度だけ拡大した入力角度を、拡大前の入力角度に戻し、処理をステップS601に戻し、拡大前の入力角度に戻すようにトルク制御部128で電子ダイヤル205の入力角度を制御する。
【0079】
図7(b)は、電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下した場合にクリック感を制御する処理を示すフローチャートである。
【0080】
ステップS701では、システム制御部101は、ステップS602で検出された電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下したか否かを判定する。システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下したと判定した場合は処理をステップS705に進める。システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下していないと判定した場合は処理をステップS703に進める。
【0081】
ステップS705では、システム制御部101は、現在のクリック感の強度を所定の強度だけ増大するように設定し、処理をステップS601に戻し、トルク制御部128でクリック感が増大するように電子ダイヤル205のトルクを制御する。なお、所定の強度は、表示項目数によって動的に変更されてもよいし、予め決められた強度としてもよい。
【0082】
ステップS703では、システム制御部101は、ステップS701で判定した電子ダイヤル205の回転速度の低下中に回転速度が上昇したか否かを判定する。システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度低下中に回転速度が上昇したと判定した場合は処理をステップS706に進める。システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度の低下中に回転速度が上昇していないと判定した場合は処理をステップS601に戻す。
【0083】
ステップS706では、システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度低下中に回転速度が上昇した場合は、所望の項目に近づいているわけではないと予測できるため、ステップS705で所定の強度だけ増大したクリック感の強度を、変更前の強度に戻し、処理をステップS601に戻し、増大前の強度になるようにトルク制御部128により電子ダイヤル205のトルクを制御する。
【0084】
図7(c)は、電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下した場合に表示項目数を制御する処理を示すフローチャートである。
【0085】
ステップS701では、システム制御部101は、ステップS602で検出された電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下したか否かを判定する。システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下したと判定した場合は処理をステップS707に進める。システム制御部101は、電子ダイヤル205の回転速度が所定の速度より低下していないと判定した場合は処理をステップS601に戻す。
【0086】
ステップS707では、システム制御部101は、
図3のステップS301で表示されている項目選択画面の表示項目数を所定数に減少して表示する。なお、所定数は、
図5で例示したように2の偶数倍ごとに1段階ずつ設定され、1段階ずつ減少するようにしてもよいし、その他の項目数としてもよい。
【0087】
ステップS708では、システム制御部101は、
図4の入力角度決定処理を行い、表示項目数に応じた入力角度に設定し、処理をステップS601に戻し、設定した入力角度になるように、トルク制御部128で電子ダイヤル205の入力角度を制御する。
【0088】
なお、上述した
図7(a)~(c)の処理は、個々に実行してもよいし、少なくとも2つの処理を組み合わせて実行してもよい。
【0089】
上述した実施形態によれば、インデックス再生時などに表示される項目選択画面から所望の項目を選択する際に、表示項目数に応じて電子ダイヤル205の入力角度が制御される。このように、表示項目数が多い場合でも電子ダイヤル205の入力角度が表示項目数に合わせて決定されるので、従来より電子ダイヤル205の操作量を少なくすることが可能となり、項目選択画面から所望の項目を選択する際の電子ダイヤル205の操作性を改善することができる。
【0090】
上述した実施形態によれば、表示項目数に応じて電子ダイヤル205の入力角度を制御した。これに対して、表示項目数ではなく、表示画面の種類に応じて電子ダイヤル205の入力角度を制御するようにしてもよい。例えば、通常のインデックス再生時には、上述した実施形態のように電子ダイヤル205の入力角度を制御するが、日付などの条件を指定して絞り込み再生した場合のインデックス表示時には、通常再生時とは異なる入力角度の制御を行うようにしてもよい。この時、絞り込み再生時には、通常再生時よりも再生対象となる画像数が少なくなるので、通常再生時よりも入力角度が大きくなるように制御するようにしてもよい。また、画像表示時には、表示画像数に応じて電子ダイヤル205の入力角度を制御するが、設定画面表示時には、アイコンや設定項目の表示項目数によらずに、電子ダイヤル205の入力角度を一定にするように制御してもよい。
【0091】
[他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0092】
本明細書の開示は、以下の電子機器、制御方法およびプログラムを含む。
[構成1]
回転操作部材と、
前記回転操作部材の一回の操作あたりの回転角度を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、表示部に表示される複数の項目に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御することを特徴とする電子機器。
[構成2]
前記表示部に前記複数の項目が選択可能に配列された画面を表示する表示制御手段を有し、
前記表示制御手段は、前記回転操作部材の操作に応じて前記一回の操作あたりの回転角度ごとに選択中の項目を切り替えることを特徴とする構成1に記載の電子機器。
[構成3]
前記回転操作部材が操作された角度を検出する検出手段を有し、
前記表示制御手段は、前記回転操作部材が操作された角度と前記一回の操作あたりの回転角度とに基づいて選択する項目を決定することを特徴とする構成2に記載の電子機器。
[構成4]
前記制御手段は、前記表示部に表示される複数の項目の数に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御することを特徴とする構成1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
[構成5]
前記制御手段は、前記表示部に表示される複数の項目の数に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を予め決められた回転角度に設定することを特徴とする構成4に記載の電子機器。
[構成6]
前記制御手段は、前記表示部に表示される全項目への操作が所定の角度となるように、前記表示部に表示される項目の数と、前記所定の角度とに基づいて前記一回の操作あたりの回転角度を決定することを特徴とする構成4に記載の電子機器。
[構成7]
前記回転操作部材への操作とは異なるユーザ操作に応じて、前記表示部に表示される項目の数を変更する表示制御手段を有することを特徴とする構成4から6のいずれか1項に記載の電子機器。
[構成8]
前記制御手段は、前記表示部に表示される項目が描画されている座標を基準として前記一回の操作あたりの回転角度を決定することを特徴とする構成1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
[構成9]
前記制御手段は、前記一回の操作あたりの回転角度が所定の範囲内になるように前記一回の操作あたりの回転角度を制御することを特徴とする構成1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
[構成10]
前記回転角度ごとにクリック感を付与する付与手段を有することを特徴とする構成1から9のいずれか1項に記載の電子機器。
[構成11]
前記回転操作部材の回転速度を検出する検出手段を有することを特徴とする構成1から10のいずれか1項に記載の電子機器。
[構成12]
前記制御手段は、前記回転速度が所定の速度より低下した場合に、前記回転角度を拡大することを特徴とする構成11に記載の電子機器。
[構成13]
前記回転操作部材の回転速度を検出する検出手段を有し、
前記付与手段は、前記回転速度が所定の速度より低下した場合に、前記クリック感の強度を増大することを特徴とする構成10に記載の電子機器。
[構成14]
前記回転操作部材の回転速度を検出する検出手段を有し、
前記表示制御手段は、前記回転速度が所定の速度より低下した場合に、前記表示部に表示される項目の数を減少させることを特徴とする構成2または3に記載の電子機器。
[構成15]
前記電子機器は、撮像装置であり、
前記項目は、画像であることを特徴とする構成1から6、8、10から13のいずれか1項に記載の電子機器。
[構成16]
前記制御手段は、
前記表示部に第1の種類の複数の項目が表示されている場合は、表示される項目数に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御し、
前記表示部に第2の種類の複数の項目が表示されている場合は、表示される項目数に関わらず前記一回の操作あたりの回転角度を制御することを特徴とする構成1から3、9から13のいずれか1項に記載の電子機器。
[構成17]
回転操作部材を備える電子機器の制御方法であって、
前記回転操作部材の一回の操作あたりの回転角度を制御するステップを有し、
前記制御するステップでは、表示部に表示される複数の項目に応じて前記一回の操作あたりの回転角度を制御することを特徴とする制御方法。
[構成18]
コンピュータを、構成1から16のいずれか1項に記載された電子機器の制御手段として機能させるためのプログラム。
【0093】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神および範囲から離脱することなく、様々な変更および変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0094】
100…デジタルカメラ、101…システム制御部、128…トルク制御部、205…電子ダイヤル