(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】便器装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20240802BHJP
E03D 11/00 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
E03D9/08 A
E03D11/00 Z
(21)【出願番号】P 2020081407
(22)【出願日】2020-05-01
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 龍次
(72)【発明者】
【氏名】森川 雄大
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-096079(JP,A)
【文献】特開2017-180060(JP,A)
【文献】特開2014-095234(JP,A)
【文献】特開2017-214742(JP,A)
【文献】特開2009-221745(JP,A)
【文献】特開2017-061806(JP,A)
【文献】特開2017-227080(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108867797(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便鉢部が形成され、前記便鉢部の開口縁よりも後方で上面に開口する機能部収容空間が形成された便器本体と、
前記機能部収容空間に収容される機能部本体と、
前記機能部本体を上方から覆う上壁部と、前記機能部本体の少なくとも一部を囲み前記上壁部に接続された側壁部とを有し、平面視で前記側壁部の少なくとも一部の下端が、前記機能部収容空間の開口縁よりも内側に配置されているカバーと、
を備
え、
平面視で前記側壁部の下端の全周が前記機能部収容空間の開口縁よりも内側に配置されている、
便器装置。
【請求項2】
前記機能部本体は、前記便器本体の上面よりも上方に突出する突出部分を有する、
前記上壁部は前記突出部分を上方から覆い、前記側壁部は平面視で前記突出部分を囲む、
請求項1に記載の便器装置。
【請求項3】
平面視で前側及び両側の前記側壁部下端が前記開口縁よりも内側に配置されている、
請求項1又は2に記載の便器装置。
【請求項4】
前記カバーは、前記側壁部の下端から径方向の外方に拡がり、前記便器本体の周縁に沿った形状を有するフランジ部を有する、
請求項1から
3の何れか一項に記載の便器装置。
【請求項5】
前記フランジ部と前記便器本体との間に防水部材が設けられている、
請求項
4に記載の便器装置。
【請求項6】
前記フランジ部は、前記側壁部の下端の全周に設けられている、
請求項
4又は
5に記載の便器装置。
【請求項7】
前記防水部材は前記フランジ部の下面に接している、
請求項
5に記載の便器装置。
【請求項8】
前記便器本体に接続され、前記機能部本体を支持し、上下方向で前記便器本体と重なる端部を有するベースプレートを更に備え、
前記カバーは、前記側壁部の下端から径方向の外方に拡がり、平面視で前記端部を覆っているフランジ部を有する、
請求項1から
3の何れか一項に記載の便器装置。
【請求項9】
前記フランジ部と前記便器本体との間に防水部材が設けられ、
平面視で前記ベースプレートの少なくとも一部が前記防水部材よりも内側に配置されている、
請求項
8に記載の便器装置。
【請求項10】
前記フランジ部は、前記便器本体の周縁に沿った形状を有する、
請求項
8又は
9に記載の便器装置。
【請求項11】
前記フランジ部は、前記側壁部の下端の全周に設けられている、
請求項9
又は10に記載の便器装置。
【請求項12】
前記便器本体に接続され、前記機能部本体を支持し、上下方向で前記便器本体と重なる端部を有するベースプレートを更に備え、
前記ベースプレートは、前後方向及び幅方向において前記防水部材同士の間の領域に配置されている、
請求項
5に記載の便器装置。
【請求項13】
平面視において、
前記ベースプレートの少なくとも一部は、
前記側壁部の下端で囲まれる領域内に配置されている、
請求項
8から
11の何れか一項に記載の便器装置。
【請求項14】
前記カバーに便座本体又は便蓋が取り付けられている、
請求項1から13の何れか一項に記載の便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、便器本体の上面に設けられた洗浄装置が開示されている。この洗浄装置は、使用者の肛門を洗浄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に開示されている洗浄装置は、便鉢部の開口よりも後方の便器本体に形成された開口に比べて大きく形成されている。前述の洗浄装置の大きさは、幅方向で前述の便器本体と略同じであるとともに、前後方向で前述の便器本体において便鉢部の開口よりも後方の部分と略同じであり、且つ部分的には後方の部分よりも大きい。便器装置においては、洗浄装置の小型化が望まれていた。ひいては、少なくとも洗浄装置を備える機能部の構成部品の小型化が望まれていた。
【0005】
本開示は、機能部の小型化を実現可能な便器装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る便器装置は、便鉢部が形成され、前記便鉢部の開口縁よりも後方で上面に開口する機能部収容空間が形成された便器本体と、前記機能部収容空間に収容される機能部本体と、前記機能部本体を上方から覆う上壁部と、前記機能部本体の少なくとも一部を囲み前記上壁部に接続された側壁部とを有し、平面視で前記側壁部の少なくとも一部の下端が、前記機能部収容空間の開口縁よりも内側に配置されているカバーと、を備え、平面視で前記側壁部の下端の全周が前記機能部収容空間の開口縁よりも内側に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示に係る一実施形態の便器装置の斜視図である。
【
図2】
図1に示す便器装置の便座装置を外した状態の斜視図である。
【
図4】
図3に示すV1-V1線で矢視した便器装置の部分断面図である。
【
図5】
図1に示す便器装置の機能部の構成を示す斜視図である。
【
図6】
図3に示すV2-V2線で矢視した便器装置の部分断面図である。
【
図7】
図1に示す便器装置の機能部の構成を示す斜視図である。
【
図8】
図3に示すV3-V3線で矢視した便器装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び
図2に示すように、本開示に係る一実施形態に係る便器装置5は、便器本体20と、便座装置110と、機能部400と、を備える。便器本体20は、陶器で形成されている。
図2及び
図3は、
図1に示す便器装置5から便座装置110を外した状態を表す。便器本体20の前部には、便鉢部22が形成されている。便座装置110は、便器本体20の前部上方に設置され、便鉢部22の上端の周縁部24に対して開閉可能に設けられている。
図1では、便座装置110は、周縁部24に接し、閉じている。以下の説明では、便器装置5が置かれている床面から鉛直に延びる方向を上下方向Hとし、上下方向Hで床面に近い方を下と記載し、上下方向Hで床面から遠い方を上と記載する。上下方向Hに直交する一方向を前後方向Lとし、不図示の使用者が便座装置110に座ったときに使用者が向く方向の前方を前とし、使用者が向く方向の後方を後と記載する。上下方向H及び前後方向Lに直交する方向を幅方向Wと記載する。使用者が便座装置110に座ったときに使用者から見て右側を右とし、使用者から見て左側を左と記載する。
【0009】
便座装置110は、便座本体50と、便蓋70と、を備える。便座本体50は、便器本体20の便鉢部22よりも上に設けられている。便座本体50は、便鉢部22に対して開閉可能な状態で回転軸部材111を介して機能部400に接続されている。便蓋70は、便座本体50と同軸で便座本体50に対して開閉可能な状態で設けられ、回転軸部材111を介して機能部400に接続されている。
図1では、便座本体50及び便蓋70は閉じており、便座本体50が便蓋70に覆われている。
【0010】
図3に示すように、便鉢部22よりも後側の便器本体20には、機能部収容空間500が形成されている。機能部収容空間500は、便器本体20の上面21に開口している。便器本体20の上面21において、機能部収容空間500の開口縁510は、便鉢部22の開口縁23よりも後方に形成されている。
【0011】
機能部400は、便鉢部22の内周面や使用者の洗浄、便座本体50の温度調整等の各種機能の少なくとも一部を実行する。機能部400は、機能部本体405と、カバー410と、第1ベースプレート501と、第2ベースプレート502と、を備える。機能部本体405は、機能部400の各種機能を実行するための電源、回路、洗浄ノズル、洗浄ノズルの移動機構、シャッタ等の各種部品を有する。機能部400における各種部品の種類、数、相対配置は機能部400が実行する各種機能に応じて適宜設定され、特に限定されない。
【0012】
図2に示すように、機能部本体405の上部は、便器本体20の上面21よりも上方に突出している。機能部本体405は、便器本体20の上面21よりも突出する突出部分406を有する。カバー410は、機能部本体405の突出部分406を少なくとも上方及び側方から覆っている。カバー410は、上壁部412と、側壁部414と、フランジ部430と、を備える。上壁部412は、機能部本体405の突出部分406を上方から覆っている。側壁部414は、平面視で突出部分406の全周を囲み、上壁部412の周縁に接続されている。
図3では、機能部収容空間500への機能部本体405の収容状態をわかりやすく示すために、カバー410については輪郭のみが示されている。
【0013】
図3に示すように、平面視すると、カバー410の側壁部414の下端421は、全周で便器本体20の便鉢部22よりも後部の外縁よりも内側に配置されている。平面視では、カバー410の前側の側壁部414の下端415は、機能部収容空間500の開口縁510よりも内側に配置されている。平面視では、幅方向Wの両側の側壁部414の下端417、418は、機能部収容空間500の開口縁510よりも内側に配置されている。平面視では、カバー410の後側の側壁部414の下端419の幅方向Wの両端部は、機能部収容空間500の開口縁510よりも内側に配置されている。カバー410の後側の側壁部414の下端419の幅方向Wの両端部よりも中央側の部分は、機能部収容空間500の開口縁510よりも後方に配置されている。
【0014】
カバー410のフランジ部430は、平面視で側壁部414の下端421から径方向の外方に拡がっている。フランジ部430は、側壁部414の下端421の全周に設けられている。フランジ部430は、平面視で便器本体20の周縁25に沿った形状を有する。平面視では、フランジ部430の周縁431は、便器本体20の周縁25よりも内側に、且つ機能部収容空間500の開口縁510よりも外側に配置されている。フランジ部430の下面432は、全周で便器本体20の上面21に上下方向Hで向き合っている。
【0015】
上下方向Hに関して、カバー410のフランジ部430と便器本体20との間には、パッキン(防水部材)470が設けられている。
図4に示すように、パッキン470は、フランジ部430の下面432に下方から接すると共に、便器本体20の上面21に上方から接している。パッキン470は、例えば合成ゴム等で形成されている。
【0016】
前述のように、機能部本体405は複数の部品や機械、電源等の集合体である。機能部本体405の複数の各種部品は、平面視で所定の領域内で、上下方向Hにわたって配置されている。機能部本体405においてカバー410で覆われている上部よりも下方の大部分は、機能部収容空間500に収容されている。機能部本体405の複数の各種部品は、第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502の何れかに支持されている。機能部本体405の複数の各種部品は、第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502に支持されることによって、平面視で機能部収容空間500と重なる領域内に配置されている。
【0017】
図5は、第1ベースプレート501及び第1ベースプレート501に支持されている機能部本体405の構成要素を示す。
図5に示すように、第1ベースプレート501には、機能部本体405の複数の各種部品のうち、例えば洗浄装置602、乾燥装置604、脱臭装置606及びシャッタ装置608が支持されている。洗浄装置602は、使用者の肛門を洗浄する。洗浄装置602は、2つの洗浄ノズル621、622と、洗浄ノズル621、622の進行方向の前方に配置されたシャッタ装置608と、を備える。乾燥装置604は、前方に温風を吹き出し、使用者の肛門、周囲の機能部本体405を乾燥させる。脱臭装置606は、周囲の空気中の不純物(例えばカビ)を除去して脱臭や空気清浄を行う。第1ベースプレート501に支持されている機能部本体405の各種部品及び装置は、洗浄装置602、乾燥装置604、脱臭装置606及びシャッタ装置608に限定されず、適宜取捨選択される。第1ベースプレート501の前部の幅方向Wの前端部504には、貫通孔508が形成されている。貫通孔508は、両側の前端部504の各々に形成されている。
【0018】
図6に示すように、機能部収容空間500の前端部の開口縁510よりも平面視で内側の便器本体20には、前側下段部30が設けられている。前側下段部30は、平面視で前側の開口縁510から機能部収容空間500の周方向の中心側に突出している。前側下段部30の上面31は、便器本体20の上面21よりも下方に位置している。前側下段部30よりも機能部収容空間500の内側の領域は、下方で機能部本体405が収容されている領域につながっている。前側下段部30の上壁部32には、上下方向Hに貫通する貫通孔36が形成されている。第1ベースプレート501の前端部504の貫通孔508と便器本体20に形成されている貫通孔36とは、平面視で互いに重なっている。幅方向Wの両側の貫通孔36、508には、固定用ビス511、512が挿入されている。第1ベースプレート501は、固定用ビス511、512及び不図示の固定具等によって、便器本体20に固定されている。
【0019】
図7は、第2ベースプレート502及び第2ベースプレート502に支持されている機能部本体405の構成要素を示す。
図7に示すように、第2ベースプレート502には、機能部本体405の複数の各種部品のうち、下部に配置されている装置として、例えば湯沸かし装置612、流路切替装置614、ポンプ装置616、電力供給装置620が支持されている。湯沸かし装置612は、洗浄ノズル621、622等に供給する温水を作成する。流路切替装置614は、不図示の水道管等から機能部本体405に供給された水の機能部本体405内での流路を適宜切り替える。ポンプ装置616は、機能部本体405内の各種部材に対して水や空気等の流体を供給するために作動する。電力供給装置620は、電源を備え、機能部本体405の電動の部材及び装置に対して電力を供給する。
【0020】
図8に示すように、機能部収容空間500の後端部の開口縁510よりも平面視で内側の便器本体20には、後側下段部37が設けられている。後側下段部37は、平面視で前側の開口縁510から機能部収容空間500の周方向の中心側に突出している。後側下段部37の上面38は、便器本体20の上面21よりも下方に位置し、前側下段部30の上面31よりも上方に位置している。後側下段部37よりも機能部収容空間500の内側の領域は、下方で機能部本体405が収容されている領域につながっている。後側下段部37の上壁部39には、幅方向Wで間隔をあけて上下方向Hに貫通する2つの貫通孔40が形成されている。
【0021】
連結板部材42は、上板部43と、側板部44と、を備える。上板部43は、便器本体20の後側下段部37の上壁部39に上方から接し、平面視で後側下段部37に略重なっている。上板部43は、幅方向Wに沿って見ると、上下方向Hで便器本体20の上面21よりも下方に配置されている。上板部43には、幅方向Wで間隔をあけて上下方向Hに貫通する2つの貫通孔45が形成されている。
図8に示すように、連結板部材42の上板部43の貫通孔45と便器本体20に形成されている貫通孔40とは、平面視で互いに重なっている。幅方向Wの両側の貫通孔40、45には、固定用ビス560が挿入されている。後側下段部37の上壁部39には、連結板部材42が接続されている。連結板部材42は、固定用ビス511、512及び不図示の固定具等によって、便器本体20に固定されている。
【0022】
側板部44は、上板部43の前端から機能部収容空間500の下部に向かって下側に延びている。側板部44は、幅方向Wに沿って見ると上端から下端に進むにしたがって僅かに前方に移動するように上下方向Hに対して傾斜する。周壁面27は、便器本体20において、機能部収容空間500の後側の周壁面である。側板部44は、周壁面27の形状及び上下方向Hに対する傾斜度に合わせて形成されている。
【0023】
第2ベースプレート502は、前壁部505と、後壁部506と、底壁部507と、を備える。周壁面28は、便器本体20において、機能部収容空間500の前側の周壁面である。前壁部505は、上下方向Hに延び、周壁面28に後方から接し、不図示のビス等によって周壁面28の便器本体20に固定されている。後壁部506は、上下方向Hに延び、連結板部材42の側板部44の下端部に前方から接し、不図示のビス等によって側板部44に固定されている。機能部本体405の複数の各種部品のうち、前述の湯沸かし装置612、流路切替装置614、ポンプ装置616、電力供給装置620等は、前壁部505、後壁部506及び底壁部507の何れかに不図示のビス等によって適宜固定されている。第2ベースプレート502は、連結板部材42を介して便器本体20に固定されている。
【0024】
図3及び
図8に示すように、第1ベースプレート501の後端部509は、平面視で便器本体20の後側下段部37と重なっている。第1ベースプレート501の後端部509の後端は、機能部収容空間500の開口縁510よりも後側に位置している。連結板部材42の上板部43は、上下方向Hで便器本体20の後側下段部37の上壁部39と第1ベースプレート501の後端部509との間に配置されている。第1ベースプレート501の後端部509は、便器本体20の上面21よりも上側に配置されている。
【0025】
図3に示すように、平面視では、機能部本体405の主要部分(少なくとも一部)と第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502とは、互いに重なっている。平面視では、カバー410は、第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502を覆っている。カバー410の前部のフランジ部430は、第1ベースプレート501の前端部(端部)504を覆っている。カバー410の後部のフランジ部430は、第1ベースプレート501の後端部509よりも後側に配置されている。第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502は、パッキン470よりも内側に配置されている。
【0026】
以上説明した便器装置5は、便器本体20と、機能部400と、を備える。便器本体20には、便鉢部22が形成されている。便器本体20には、便鉢部22の開口縁23よりも後方の上面21に開口する機能部収容空間500が形成されている。機能部400は、機能部本体405と、カバー410と、を備える。機能部本体405は、機能部収容空間500に収容されている。カバー410は、上壁部412と、側壁部414と、を備える。上壁部412は、機能部本体405の少なくとも一部を上方から覆っている。側壁部414は、平面視で機能部本体405の少なくとも一部を径方向の外方から囲み、上壁部412の上端に接続されている。平面視で側壁部414の少なくとも一部の下端が機能部収容空間500の開口縁510よりも径方向の内側に配置されている。
【0027】
例えば、機能部本体405は、便器本体20の上面21の上方に突出する突出部分406を有する。上壁部412は、機能部本体405において便器本体20の上面21の上方に突出する突出部分406を覆っている。側壁部414は、平面視で突出部分406を径方向の外方から囲んでいる。平面視で前側の側壁部414の下端421及び幅方向Wの両側の側壁部414の下端421は、機能部収容空間500の開口縁510よりも径方向の内側に配置されている。
【0028】
上述の配置構成によれば、便器装置5では、従来のように便器装置の幅方向Wで便器本体と略同じ大きさを有する機能部よりも平面視で機能部400が設けられる領域を抑え、機能部400の小型化を実現できる。
【0029】
本開示に係る便器装置5では、カバー410は、側壁部414の下端421から径方向の外方に拡がるフランジ部430を有する。フランジ部430は、便器本体20の周縁25に沿った形状を有する。フランジ部430を備えることによって、カバー410と便器本体20との平面視での隙間を塞ぎ、機能部収容空間500及びカバー410の内側の機能部本体405への異物の侵入を防止できる。
【0030】
上述の便器装置5では、カバー410のフランジ部430と便器本体20との間にパッキン470が設けられている。パッキン470が設けられることによって、カバー410のフランジ部430と便器本体20との上下方向Hの隙間を塞ぎ、機能部収容空間500及びカバー410の内側の機能部本体405への水、水以外の液体及び塵や埃等の異物の侵入を防止できる。
【0031】
上述の便器装置5では、カバー410のフランジ部430は、カバー410の側壁部414の下端421の全周に設けられている。フランジ部430が下端421の全周に設けられることによって、フランジ部430と便器本体20との上下方向Hの隙間を周方向の全体で塞ぎ、平面視で任意の周方向の外方からの機能部本体405への異物の侵入を防止できる。
【0032】
上述の便器装置5では、パッキン470は、フランジ部430の下面432に接している。このことによって、平面視で任意の周方向の外方からフランジ部430の下面432直下に隙間が生じず、機能部本体405への異物の侵入を防止できる。
【0033】
上述の便器装置5では、機能部400は、便器本体20に接続されるとともに、機能部本体405を支持する第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502を備える。平面視で機能部本体405の少なくとも一部と第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502とが互いに重なっている。第1ベースプレート501及び第1ベースプレート501よりも下方に配置される第2ベースプレート502が便器本体20に固定することによって、機能部本体405を平面視で機能部収容空間500に安定して配置することができる。機能部本体405を平面視で第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502と重ね、これらのプレートに集約させて機能部本体405の平面視での領域を抑えることができる。
【0034】
上述の便器装置5では、第1ベースプレート501は、上下方向Hで便器本体20の前側下段部30と重なる前端部504及び後側下段部37と重なる後端部509を有する。平面視でカバー410のフランジ部430は、第1ベースプレート501の前端部504を覆っている。フランジ部430が第1ベースプレート501の前端部504を覆っているため、平面視で前方からの第1ベースプレート501及び第1ベースプレート501に支持されている機能部本体405への異物の侵入を防止できる。
【0035】
上述の便器装置5では、平面視で第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502はパッキン470よりも内側に配置されている。便器装置5によれば、カバー410のフランジ部430と平面視で第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502の周囲の便器本体20との上下方向Hの隙間を塞ぎ、第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502に支持されている機能部本体405への異物の侵入を防止できる。
【0036】
以上、本開示に係る好ましい実施形態について詳述した。本開示は上述した実施形態に限定されない。本開示は、変更可能である。
【0037】
例えば、本開示に係る便器装置5では、機能部本体405は、必ずしも上述の突出部分406を備えなくてもよい。例えば、機能部本体405の全体が機能部収容空間500の内部、即ち便器本体20の上面21よりも下方に配置されてもよい。
【0038】
本開示に係る便器装置5では、平面視でカバー410における側壁部414の少なくとも一部の下端421が機能部収容空間500の開口縁510よりも内側に配置されていればよい。前側のみの側壁部414の下端421が開口縁510よりも内側に配置されてもよい。両側のみの側壁部414の下端421が開口縁510よりも内側に配置されてもよい。平面視で側壁部414の下端421の全周が開口縁510よりも内側に配置されてもよい。
【0039】
本開示に係る便器装置5では、カバー410のフランジ部430の周方向の少なくとも一部は、平面視で機能部収容空間500の開口縁510よりも外側且つ便器本体20の下方に配置されてもよい。その場合、パッキン470は、フランジ部430と便器本体20との間に設けられ、且つフランジ部430の上面及び便器本体20の下面に接する。
【0040】
本開示に係る便器装置において、機能部の機能部本体を上述の実施形態の構成よりも小型化するために、機能部本体405の全体と第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502とが互いに重なって配置されてもよい。上述の実施形態の便器装置5において、平面視でカバー410のフランジ部430は第1ベースプレート501の前端部504及び後端部509を覆ってもよい。
【0041】
本開示に係る便器装置において、機能部本体の構成は、上述の実施形態で例示した機能部本体405に限定されず、便器装置5及び機能部400に求められる機能に応じて適宜変更可能である。機能部本体を支持するベースプレートの形状及び数は、機能部本体の形状等に応じて適宜変更可能である。機能部本体は、1枚のベースプレートのみによって便器本体に支持されてもよく、3枚以上のベースプレートによって便器本体に支持されてもよい。
【0042】
本開示に係る便器装置において、第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502の少なくとも一方の前側の部分(一部)は、パッキン470よりも前方に配置されてもよい。但し、第1ベースプレート501及び第2ベースプレート502の各々の両側及び後側の部分は、平面視でパッキン470よりも内側に配置されている。
【0043】
本開示に係る便器装置は、便蓋70を備えなくてもよい。本開示に係る便器装置において、機能部400は、便座本体50と切り離されて便器本体20に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0044】
5…便器装置、20…便器本体、22…便鉢部、400…機能部、405…機能部本体、410…カバー、412…上壁部、414…側壁部、470…パッキン(防水部材)、500…機能部収容空間、501…第1ベースプレート、502…第2ベースプレート