(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】トナー補給容器および取付けユニット
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240805BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G03G15/08 341
G03G15/08 345
G03G21/00 510
(21)【出願番号】P 2020187416
(22)【出願日】2020-11-10
【審査請求日】2023-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】久保 行生
(72)【発明者】
【氏名】宗次 広幸
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-226289(JP,A)
【文献】特開2012-022119(JP,A)
【文献】特開2017-173676(JP,A)
【文献】特開2020-154300(JP,A)
【文献】特開2020-154299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー補給容器であって、
情報を記憶するメモリと、前記メモリに電気的に接続された第1電極を含む導電部と、を有するメモリユニットと、
トナーを収容するための容器部と、
第1方向について、前記容器部の一端側に配置された排出部であって、前記第1方向に交差する方向に向けて開かれた、前記トナーを排出するための排出口を有する排出部と、
前記第1方向に延びる第1軸線の周りに回転するように構成されたシャッタであって、前記排出口を覆う閉鎖位置と、前記閉鎖位置から退避した退避位置との間を移動するように構成されたシャッタと、
を有し、
前記第1電極は外部に露出された第1露出面を有し、前記第1電極は前記第1露出面が前記第1方向を向くように配置され、
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面が、前記第1軸線を中心として前記シャッタの外端を通る仮想円の内側に配置され
、
前記シャッタは、前記第1方向と交差する方向に延びる交差壁であって、前記第1露出面を露出させる貫通穴が形成された交差壁を有することを特徴とするトナー補給容器。
【請求項2】
前記シャッタは、前記シャッタが前記閉鎖位置にあるときに前記排出口と対向する対向部を備え、
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面が、前記第1軸線を中心として前記対向部を通る仮想円の内側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のトナー補給容器。
【請求項3】
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面が、前記第1軸線を中心として前記シャッタの内端を通る仮想円の内側に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー補給容器。
【請求項4】
前記第1方向について、前記交差壁は、前記第1電極と前記排出口の間に配置されることを特徴とする請求項
1から3のいずれか1項に記載のトナー補給容器。
【請求項5】
前記排出部は、前記第1露出面が前記第1方向を向くように、前記第1電極を位置決めするための位置決め部と、前記第1方向に突出し、前記位置決め部を備えた突出部を有し、
前記突出部は、前記貫通穴に挿入されることを特徴とする請求項
4に記載のトナー補給容器。
【請求項6】
前記突出部は、前記第1方向と交差する方向に延びる突出壁を有することを特徴とする請求項
5に記載のトナー補給容器。
【請求項7】
前記排出部は、前記第1露出面が前記第1方向を向くように、前記第1電極を位置決めするための位置決め部を有することを特徴とする請求項1から
4のいずれか1項に記載のトナー補給容器。
【請求項8】
前記導電部は、前記メモリに電気的に接続された第2電極を有し、前記第2電極は外部に露出された第2露出面を有する、ことを特徴とする請求項1から
7のいずれか1項に記載のトナー補給容器。
【請求項9】
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1軸線は前記第1露出面と前記第2露出面の間に配置されることを特徴とする請求項
8に記載のトナー補給容器。
【請求項10】
前記排出部は、前記排出口に接続され、前記トナーが通過するトナー経路を備え、
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面と前記トナー経路が重なることを特徴とする請求項1から
9のいずれか1項に記載のトナー補給容器。
【請求項11】
前記トナー経路は、前記第1方向に対して傾斜し、前記排出口に対向するガイド面を有し、
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面と前記ガイド面が重なることを特徴とする請求項
10に記載のトナー補給容器。
【請求項12】
前記容器部は可撓性を有し、前記容器部の剛性は前記排出部の剛性よりも低いことを特徴とする請求項1から
11のいずれか1項に記載のトナー補給容器。
【請求項13】
トナーを収容するための容器部に取り付け可能な取付けユニットであって、
情報を記憶するメモリと、前記メモリに電気的に接続された第1電極を含む導電部と、を有するメモリユニットと、
第1方向について、前記容器部の一端側に配置された排出部であって、前記第1方向に交差する方向に向けて開かれた、前記トナーを排出するための排出口を有する排出部と、
前記第1方向に延びる第1軸線の周りに回転するように構成されたシャッタであって、前記排出口を覆う閉鎖位置と、前記閉鎖位置から退避した退避位置との間を移動するように構成されたシャッタと、
を有し、
前記第1電極は外部に露出された第1露出面を有し、前記第1電極は前記第1露出面が前記第1方向を向くように配置され、
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面が、前記第1軸線を中心として前記シャッタの外端を通る仮想円の内側に配置され
、
前記シャッタは、前記第1方向と交差する方向に延びる交差壁であって、前記第1露出面を露出させる貫通穴が形成された交差壁を有することを特徴とする取付けユニット。
【請求項14】
前記シャッタは、前記シャッタが前記閉鎖位置にあるときに前記排出口と対向する対向部を備え、
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面が、前記第1軸線を中心として前記対向部を通る仮想円の内側に配置されることを特徴とする請求項13に記載の取付けユニット。
【請求項15】
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面が、前記第1軸線を中心として前記シャッタの内端を通る仮想円の内側に配置されることを特徴とする請求項13または14に記載の取付けユニット。
【請求項16】
前記第1方向について、前記交差壁は、前記第1電極と前記排出口の間に配置されることを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の取付けユニット。
【請求項17】
前記排出部は、前記第1露出面が前記第1方向を向くように、前記第1電極を位置決めするための位置決め部と、前記第1方向に突出し、前記位置決め部を備えた突出部を有し、
前記突出部は、前記貫通穴に挿入されることを特徴とする請求項16に記載の取付けユニット。
【請求項18】
前記突出部は、前記第1方向と交差する方向に延びる突出壁を有することを特徴とする請求項17に記載の取付けユニット。
【請求項19】
前記排出部は、前記第1露出面が前記第1方向を向くように、前記第1電極を位置決めするための位置決め部を有することを特徴とする請求項13から16のいずれか1項に記載の取付けユニット。
【請求項20】
前記導電部は、前記メモリに電気的に接続された第2電極を有し、前記第2電極は外部に露出された第2露出面を有する、ことを特徴とする請求項13から19のいずれか1項に記載の取付けユニット。
【請求項21】
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1軸線は前記第1露出面と前記第2露出面の間に配置されることを特徴とする請求項20に記載の取付けユニット。
【請求項22】
前記排出部は、前記排出口に接続され、前記トナーが通過するトナー経路を備え、
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面と前記トナー経路が重なることを特徴とする請求項13から21のいずれか1項に記載の取付けユニット。
【請求項23】
前記トナー経路は、前記第1方向に対して傾斜し、前記排出口に対向するガイド面を有し、
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面と前記ガイド面が重なることを特徴とする請求項22に記載の取付けユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置に用いるトナー補給容器、およびトナー補給容器に用いられる取付けユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置は、感光ドラムの表面に形成したトナー像を、転写媒体としての転写材に転写することで、画像を形成する。このような画像形成装置の一例として、トナー補給方式が知られている。
【0003】
特許文献1には、トナーを補給するためのトナー供給箱を画像形成装置に取りつけて、トナーを補給する構成が記載されている。特許文献2には、トナーを補給するための補給装置がメモリ装置を備える構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平08-30084号公報
【文献】国際公開第2020/046338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、トナー補給容器の一形態を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願に係る発明の一つは、以下のようなものである。
【0007】
トナー補給容器であって、
情報を記憶するメモリと、前記メモリに電気的に接続された第1電極を含む導電部と、を有するメモリユニットと、
トナーを収容するための容器部と、
第1方向について、前記容器部の一端側に配置された排出部であって、前記第1方向に交差する方向に向けて開かれた、前記トナーを排出するための排出口を有する排出部と、
前記第1方向に延びる第1軸線の周りに回転するように構成されたシャッタであって、前記排出口を覆う閉鎖位置と、前記閉鎖位置から退避した退避位置との間を移動するように構成されたシャッタと、
を有し、
前記第1電極は外部に露出された第1露出面を有し、前記第1電極は前記第1露出面が前記第1方向を向くように配置され、
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面が、前記第1軸線を中心として前記シャッタの外端を通る仮想円の内側に配置され、
前記シャッタは、前記第1方向と交差する方向に延びる交差壁であって、前記第1露出面を露出させる貫通穴が形成された交差壁を有することを特徴とするトナー補給容器。
【0008】
本出願に係る発明の一つは、以下のようなものである。
【0009】
トナーを収容するための容器部に取り付け可能な取付けユニットであって、
情報を記憶するメモリと、前記メモリに電気的に接続された第1電極を含む導電部と、を有するメモリユニットと、
第1方向について、前記容器部の一端側に配置された排出部であって、前記第1方向に交差する方向に向けて開かれた、前記トナーを排出するための排出口を有する排出部と、
前記第1方向に延びる第1軸線の周りに回転するように構成されたシャッタであって、前記排出口を覆う閉鎖位置と、前記閉鎖位置から退避した退避位置との間を移動するように構成されたシャッタと、
を有し、
前記第1電極は外部に露出された第1露出面を有し、前記第1電極は前記第1露出面が前記第1方向を向くように配置され、
前記第1方向に沿って見たとき、前記第1露出面が、前記第1軸線を中心として前記シャッタの外端を通る仮想円の内側に配置され、
前記シャッタは、前記第1方向と交差する方向に延びる交差壁であって、前記第1露出面を露出させる貫通穴が形成された交差壁を有することを特徴とする取付けユニット。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、トナー補給容器の一形態を提供することができる。また、取付けユニットの一形態を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】補給部の配置を説明する画像形成装置の側面図
【
図4】補給部の配置を説明する画像形成装置の上面図
【
図10】実施例1に係るシャッタユニットと補給ベースの構成を説明する斜視図
【
図12】実施例1に係るトナーパックの先端部の斜視図
【
図13】実施例1に係るメモリユニットの配置を説明する図
【
図14】実施例1に係るメモリユニットの配置を説明する図
【
図17】実施例1に係るトナーパックの取り付けを説明する図
【
図18】実施例1に係るトナーパックが取り付けられた補給部の説明図
【
図19】実施例1に係るトナーパックが取り付けられた補給部の説明図
【
図20】実施例1に係るシャッタユニットと受け部シャッタの動作の説明図
【
図21】実施例1に係るトナーパックの移動を規制する構成についての説明図
【
図22】実施例2に係るメモリユニットを説明する図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。また、以下の説明に用いる図面においては、説明のため、部品や部品の一部を省略して示すこと、部品や部品の一部を簡略化して示すことがある。
【0013】
(実施例1)
[画像形成装置の全体構成]
本実施例における画像形成装置1の全体構成について説明する。本実施例の画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いたモノクロレーザビームプリンタであり、パーソナルコンピュータなどの外部機器から送信された画像情報に応じて、記録材Pに現像剤(トナー)による画像を形成するものである。記録材Pの一例としては、記録紙、ラベル紙、OHPシート、布等が挙げられる。
【0014】
また、以下の説明において、画像形成装置1が水平な面に設置された場合における画像形成装置1の高さ方向(重力方向とは反対の方向)をZ方向とする。Z方向と交差し、後述する感光ドラム411の回転軸線方向(主走査方向)と平行な方向をX方向とする。X方向及びZ方向と交差する方向をY方向とする。X方向、Y方向、Z方向は、好ましくは互いに垂直に交差する。また便宜上、X方向においてプラス側を右側、マイナス側を左側と呼び、Y方向においてプラス側を前側または正面側、マイナス側を後側または背面側と呼び、Z方向においてプラス側を上側、マイナス側を下側と呼ぶ。本実施形態において、Z方向は鉛直方向と平行であり、X方向、Y方向は水平方向と平行である。
【0015】
図1は画像形成装置1の斜視図を示しており、
図2はX方向(感光ドラム411の回転軸線方向)から見た画像形成装置1の内部構成を説明する図である。
図2は画像形成プロセスに関係のある部材を主に示している。
図1において画像形成装置1は、記録材Pが収容される給送トレイ4、排出された記録材Pが積載される排出トレイ114を有している。給送トレイ4はY方向に引き出せるようになっており、ユーザが記録材Pを補充することができる。給送トレイ4から給送され、画像が形成された記録材Pは排出口115から
図1に記載された排出方向(Y方向)に向かって排出され、排出トレイ114に積載される。
【0016】
排出方向の下流側における画像形成装置1の端面の一部(正面の一部)には前カバー70が設けられる。前カバー70が設けられている箇所以外の正面の一部、画像形成装置1の側面や天面には外装カバー71が設けられている。前カバー70と外装カバー71、そして上述した排出トレイ114はともに画像形成装置1の筐体72を形成している。ここで、筐体72とは画像形成装置1の全体を覆う部材であり、後述するスキャナユニット50などのプロセス部材を内部に備えている。上述した排出口115は筐体72の一部に形成された開口であり、記録材Pはこの開口を通って画像形成装置1の外部へと排出される。
【0017】
画像形成装置1は、感光ドラム411、帯電ローラ(帯電部材)417を備える感光ユニット401、現像ローラ412、収容部418を備える現像ユニット402を有する画像形成部400を備える。感光ドラム411は、静電潜像を担持する像担持体である。現像ローラ412は、現像剤としてのトナーを担持する現像剤担持体である。
【0018】
図2を用いて、記録材Pに対する画像形成動作の流れについて説明する。画像形成装置1に対して画像情報が送信されると、プリントスタート信号に基づいて、回転体である感光ドラム411は矢印DR方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。スキャナユニット50は、入力された画像情報に基づいて、感光ドラム411に向けてレーザ光を照射する。スキャナユニット50は、レーザ光を出力するレーザ発振器、レーザ光を感光ドラム411に照射するためのポリゴンミラーやレンズ、ポリゴンミラーを回転させるためのスキャナモータ、そしてこれらの部材を支持するフレームを備える。感光ドラム411は、帯電ローラ417により予め帯電されており、レーザ光が照射されることで感光ドラム411上には静電潜像が形成される。その後、収容部418に収容されているトナーが現像ローラ412により感光ドラム411へ運ばれることにより、この静電潜像が現像され、感光ドラム411上にトナー像が形成される。
【0019】
上述の画像形成プロセスと並行して、給送トレイ4からは記録材Pが給送される。画像形成装置1の搬送路上には、ピックアップローラ3、給送ローラ5a、搬送ローラ対5cが設けられている。ピックアップローラ3は給送トレイ4に収容されている記録材Pの内、最上位に位置するものと接触し、ローラ自身が回転することで記録材Pを給送する。給送ローラ5aとこれに圧接する分離ローラ5bは分離ニップを形成している。記録材P同士の摩擦力の影響によって複数枚の記録材Pが分離ニップに給送されてしまった場合、給送ローラ5aと分離ローラ5bは複数枚の記録材Pを分離し、最上位に位置するもののみを下流側に給送する。
【0020】
給送トレイ4から給送された記録材Pは、搬送ローラ対5cによって転写ローラ7に向けて搬送される。転写ローラ7に転写バイアスが印加されることで、感光ドラム411上に形成されたトナー像が記録材Pに転写される。転写ローラ7によってトナー像が転写された記録材Pは定着装置9によって加熱・加圧処理され、記録材Pにトナー像が定着される。定着装置9は、定着ヒータ9cを内蔵する加熱ローラ9aと、加熱ローラ9aに向けて付勢される加圧ローラ9bによって構成される。そして、トナー像が定着された記録材Pは、排出ローラ対310によって排出トレイ114に排出される。
【0021】
記録材Pの両面に画像を形成する場合には、排出ローラ対310は、第1面に画像が形成された記録材Pをスイッチバックさせることで、記録材Pを両面搬送路16に案内する。両面搬送路16に案内された記録材Pは両面搬送ローラ対5dによって再び転写ローラ7に向けて搬送される。記録材Pは転写ローラ7によって第2面に画像が形成された後、排出ローラ対310によって排出トレイ114に排出される。
【0022】
また、記録材Pにトナー像が転写された後、感光ドラム411上に残存したトナーはクリーニングユニット413によってクリーニングされる。
【0023】
画像形成装置1は制御部としてのCPU399を備える。
【0024】
[補給部の配置と構成]
次に、
図3、
図4、
図5(a)、
図5(b)を用いて、補給部200について説明する。
【0025】
画像形成装置1には収容部418内のトナー残量が少なくなった場合に、収容部418を筐体72から外すことなく、ユーザやサービスマンが外部からトナーを補給することができる補給部200が設けられている。補給部200には後述するトナーパック10が着脱可能な構成となっている。本実施例における画像形成装置1は、画像形成部400を筐体72から取り外すことなく、補給部200を介して収容部418にトナーを補給することができる。
【0026】
図3は補給部200の配置を説明する画像形成装置1の側面図である。
図3は、感光ドラム11の回転軸方向に沿ってみたときの画像形成装置1の左側面図である。
図3においては外装カバー71の一部が省略されており、画像形成装置1の内部が示されている。補給部200はトナーパック10(
図3では不図示)が取り付けられる取付け部210、トナー受け部220、収容部418とトナー受け部220をつなぐ補給経路部403を備えている。
【0027】
取付け部210は後述する天面部340上に配置され、トナーパック10が取り付けられる装着穴210cが形成されている。トナーは、装着穴210cに取り付けられたトナーパック10から、トナー受け部220、補給経路部403の順に移動し、最終的に収容部418へ供給される。
【0028】
図4は補給部200の配置を説明する画像形成装置1の側面図である。
図4は外装カバー71を外した画像形成装置1の上面図である。前述した通り、取付け部210には装着穴210cが形成されている。さらに、取付け部210は、装着穴210cを囲むように配置されたリング部210bと、リング部210bに接続された把持部210aを備えている。
図4に記載されている通り、X方向における補給部200の幅はX方向における収容部418の幅よりも短い。補給部200は、スキャナユニット50から照射されるレーザの照射領域(
図4における格子状のハッチング部)をよけて配置される。
【0029】
図5は補給部200の拡大斜視図である。
図5(a)は、把持部210aが初期位置に位置した状態、
図5(b)は、把持部210aが補給位置に位置した状態を示す図である。
【0030】
円筒形状のトナー受け部220の内壁には補給経路部403へとつながる受け開口220cが形成されている。トナーはトナー受け部220からこの受け開口220cを通って補給経路部403へと導かれた後、補給経路部403を通って収容部418へと収容される。
【0031】
図5(a)において、トナー受け部220に形成された受け開口220cは受け部シャッタ230によってふさがれており、実際には見えないため点線で示されている。受け部シャッタ230はトナー受け部220と同心の円筒形状の部材であり、トナー受け部220の内側に設けられている。受け部シャッタ230には、トナーが通過するためのシャッタ開口230cが形成されているが、実際には見えない位置にあるため点線で示されている。シャッタ開口230cの周囲に、受けシール241が配置されている。
図5(a)において受け開口220cとシャッタ開口230cはずれた位置にあるため、受け開口220cは遮断されている。
【0032】
本実施例では、トナーパック10を装着しない状態で、取付け部210を回転させた場合でも、受け部シャッタ230は回転しないように構成されている。一方、トナーパック10が装着されたとき、取付け部210の係合突起210dと受け部シャッタ230の伝達部230gは、後述するトナーパック10のシャッタ部材11と係合する。それにより、ユーザが把持部210aを把持し、
図5(a)の状態から
図5(b)の状態まで把持部210aを約90°回転させることで、受け部シャッタ230をトナー受け部220の中で回転させることができる。
【0033】
図5(b)において受け開口220cとシャッタ開口230cは重なった位置にあるため、受け開口220cは開放され、受け開口220cを通してトナーを補給できる状態にある。
【0034】
記録材Pに画像形成を行う際には、不図示の撹拌部材によって収容部418内においてトナーが撹拌され、受け開口220cからトナーが漏れ出さないように、受け開口220cを遮断する必要がある。従って、画像形成時には
図5(a)に示す位置に把持部210aを移動させる。この位置を把持部210aの初期位置と呼ぶ。一方、後述するトナーパック10から収容部418へトナーを補給する際には、受け開口220cを開く必要がある。従って、トナー補給時には
図5(b)に示す位置に把持部210aを移動させる。この位置を把持部210aの補給位置と呼ぶ。
【0035】
画像形成装置1には、レバー位置検知センサ224が備えられている。取付け部210には、レバー位置センサ224と接触する被検知部210eが備えられている。把持部210aが補給位置にあるとき、被検知部210eがレバー位置センサ224に接触する。その結果、レバー210aが補給位置にあることを検知することが出来る。把持部210aが初期位置にあるとき、被検知部210eはレバー位置センサ224から離れている。
【0036】
トナー受け部220は、後述するシャッタ部材11の円周溝部11gと係合するベース支持部220eを備える。ベース支持部220eは、把持部210aを初期位置から補給位置に移動する過程で、円周溝部11gと係合し、トナーパック10が取り外されることを規制する。
【0037】
[補給容器の取り付け手順]
次に、
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)、
図7(b)を用いて、トナーパック10を用いたトナーの補給手順について説明する。
【0038】
図6は画像形成装置1の斜視図を示している。
図6(a)は、排出トレイ114が閉まった状態の画像形成装置1の斜視図である。
図6(b)は、排出トレイ114が開いた状態の画像形成装置1の斜視図である。
【0039】
図7は画像形成装置1の斜視図を示している。
図7(a)は、トナーパック10が取り付けられ、把持部210aが初期位置にある画像形成装置1の斜視図である。
図7(b)は、トナーパック10が取り付けられ、把持部210aが補給位置にある画像形成装置1の斜視図である。
【0040】
補給部200は画像形成装置1の本体前面の上部の天面部340に設けられている。排出トレイ114は、補給部200を覆う位置と、補給部200を露出する位置の間を移動可能に構成されている。
【0041】
具体的には、本実施例において排出トレイ114は、補給部200を覆い、排出口115から排出された記録材Pを積載可能な位置(
図6(a))と、補給部200を露出させた位置(
図6(b))の間で移動可能な構成となっている。補給部200は画像形成装置1の本体前面の上部に設けられているため、補給時にもユーザがアクセスしやすい。
【0042】
トナーを補給するときには、排出トレイ114に積載された記録材Pを取り除き、排出トレイ114を開いて
図6(b)に示す位置に移動させる。排出トレイ114を開くと、補給部200と、補給部200と隣接して設けられた天面部340と、天面部340上に位置する取付け部210が露出する。そして、露出された補給部200にトナーパック10を挿入する。
【0043】
ここで、画像形成装置1およびトナーパック10の全体を指して、画像形成システム1Aと呼ぶ。
【0044】
図7(a)は補給部200にトナーパック10を挿入した状態を示している。
図7(b)は把持部210aを初期位置から補給位置へと動かした状態を示している。
【0045】
補給部200にトナーパック10を挿入して、把持部210aを初期位置から補給位置へと動かすことで、トナーパック10からのトナーの補給が可能な状態となる。その状態で、トナーパック10からトナーが排出され、収容部418に供給される。
【0046】
トナー補給完了後、把持部210aを元の初期位置に戻す。この時、補給部200の受け部シャッタ230とトナーパック10のシャッタ部材11がともに回転する。そして、受け部シャッタ230が受け開口220cを覆い、シャッタ部材11が後述するトナーパック10の排出口13aを覆う。そして、補給部200とトナーパック10のロック(円周溝部11gとベース支持部220eの係合)が外れ、トナーパック10を補給部200から取り外すことが可能になる。言い換えれば、トナーパック10を画像形成装置1から取り外すためには、シャッタ部材11によって排出口13aを覆う必要がある。
【0047】
[トナーパックの構成]
トナーパック(トナー補給容器、トナー補給カートリッジ)10の構成について説明する。
【0048】
図8は、本実施例に係るトナーパック10の斜視図である。
図8(a)は組み立てられた状態のトナーパック10の斜視図である。
図8(b)は分解された状態のトナーパック10の斜視図である。
【0049】
図8(a)、
図8(b)に示すように、トナーパック10は、シャッタ部材11、シール部材12、補給ベース13、メモリタグ14、拡張部材15、およびパウチ16を有している。
【0050】
以下、各部品の形状と部品間の関係を説明する。
【0051】
トナーを収容するための容器部(容器)としてのパウチ(袋)16は、可撓性容器である。パウチ16の内部には、トナーを収容するための収容部(空間)16dが形成されている。
【0052】
パウチ16は、第1方向について一端部(第1端部)16b、一端部16dと反対側の他端部(第2端部)16cを備える。一端部16bには、収容部16dからトナーを排出するための開口部16aが形成されている。本実施例では、第1方向は、後述するシャッタ部材11の回転軸線zの方向と平行である。また、本実施例では、トナーパック10の長手方向とは、第1方向と平行な方向である。つまり、トナーパック10の長さは、第1方向の長さが、第1方向と直交する方向の長さよりも長い。
【0053】
収容部16dは、開口部16aに接続された第1収容部16d1、第1収容部16d1に接続された第2収容部16d2を含む。本実施例においては、第1収容部16d1は、開口部16a向けて細くなる形状を有しており、トナーが開口部16aに向かいやすくなるように形成されている。
【0054】
パウチ16は、第1方向と直交する方向について、パウチ16の外側から内側に向けて、収容部16dを圧縮するように変形することができ、これによってトナーTの排出が促進される。パウチ16は収容部16dを介して対向する壁(後述するシート部16eの一部)同士が接触するよう。第1方向と直交する方向に向けて変形することができる。トナー補給を容易にするため、パウチ16を変形させてトナーを排出する力は、小さいことが好ましい。
【0055】
本実施例においては、トナーパック10が画像形成装置1に取り付けて使用するときと同じ姿勢をとり、後述する排出口13aからトナーが排出可能な状態で、上記のようにパウチ16を変形させ、トナーを排出することができる。この際、パウチ16は、収容部16dの少なくとも一部において、回転軸線zに直交する方向に40N以下の力が作用した時に、収容部16dを介して対向する壁同士が接触するように構成されることが好ましい。より好ましくは、パウチ16は、収容部16dの少なくとも一部において、回転軸線zに直交する方向に10N以下(より好ましくは5N以下)の力が作用した時に、収容部16dを介して対向する壁同士が接触するように構成されることが好ましい。
【0056】
本実施例においては、パウチ16は、収容部16dを形成するためのシート部16eを含んでいる。シート部16eの厚みは500μm以下(より好ましくは200μm以下)が好ましい。本実施例において、シート部16eは、100μm以下の厚みを有するポリプロピレン製シートである。パウチ16は、シート部16eを熱溶着等することにより、袋状に形成される。なお、パウチ16の形態はこの限りではなく、シート部16eの材質は、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートなどでもよい。
【0057】
パウチ16は、シート部16eの一部同士が重ねられて形成された重ね部16fを備える。本実施例においては、重ね部16fは、シート16eを熱溶着することで形成される。重ね部16fは、パウチ16の側面に配置された側面重ね部16f1を含む。パウチ16は、一枚のシート部16eを折り曲げることで形成されていてもよいし、複数のシート16eから形成されていてもよい。
【0058】
第1方向に直交する方向について、パウチ16の他端部16cの大きさは、後述する基板設置部131の先端部の大きさよりも大きくなっている。トナーパック10を、他端部16cが鉛直方向についての底部に位置する姿勢で、水平面に置いたとき、トナーパック10は自立することができる。このときのトナーパック10の姿勢は、トナーパック10を画像形成装置1に取り付ける時とは逆の姿勢である。その結果、メモリタグ14は他端部16cの上方に位置し、トナーパック10が置かれる面からメモリタグ14を離した状態で、トナーパック10を置くことができる。
【0059】
重ね部16fによって、パウチ16は補強される。側面重ね部16f1が第1方向に延びる。その結果、他端部16cを下にしてトナーパック10を置いたとき、トナーパック10を安定して置くことができるとともに、パウチ16が変形して、パウチ16が倒れることが抑制される。
【0060】
パウチ16の開口部16aには、拡張部材(拡張部、端部保持部、環状部)15が取り付けられている。拡張部材15は外周面が略六角形状に形成された樹脂部材であり、パウチ16の開口部16aに対して結合されている。これにより、可撓性のパウチ16であっても、拡張部材15によって開口部16aが開いた状態を維持できる。拡張部材15にはトナーが通過する穴が形成された環形状を有している。拡張部材15は、後述するように、開口部16aと排出口13aとが通ずるように補給ベース13に固定される。
【0061】
拡張部材15とパウチ16との結合方法は、どのような方法であってもよく、例えば、ホットメルトなどの各種接着剤を用いた結合方法や、拡張部材15に対してパウチ16を熱溶着する結合方法などを用いることができる。なお、拡張部材15の外周面の形状は、ユーザが掴んだときに滑りにくい形状であることが好ましく、多角形が好ましい。本実施例においては、拡張部材15の外周面の構造は、略六角形としている。これにより、パウチ16の開口部16aも拡張部材15の外周面に沿って変形し、六角形となる。
【0062】
第1方向について、パウチ16の一端側には、補給ベース(排出部、排出部材、トナー案内部、容器受け部)13が配置されている。補給ベース13は、トナーパック10を画像形成装置1に取り付ける際、画像形成装置1に挿入されて支持される被挿入部(被支持部、被取付け部)としての機能を有する。本実施例においては、補給ベース13は、拡張部材15を介してパウチ16の一端部16bに取り付けられている。ただし、拡張部材15と補給ベース13とを、一体的に形成することもできる。つまり、補給ベース13に拡張部材15の機能を持たせて、補給ベース13をパウチ16に直接接続してもよい。
【0063】
補給ベース13には、シャッタ部材11を有するシャッタユニット102が取り付けられる。シャッタ部材11は、補給ベース13の外周を覆うように形成された略円筒状の樹脂部品であり、所定の位相で回転可能な状態で補給ベース13に支持されている。
図8(a)、
図8(b)に示したように、補給ベース13に対するシャッタ部材11の回転軸を回転軸線(第1軸線)zとする。回転軸線zは第1方向に延びている。
【0064】
補給ベース13にはパウチ16に収納されたトナーを排出する貫通孔であるトナー排出口(排出口)13a、およびメモリタグ14が取り付けられる基板設置部(突出部)131が設けられている。
【0065】
補給ベース13の内部には、パウチ16と排出口13aの間に配置され、トナーが通過するためのトナー経路13c(後述)が形成されている。
【0066】
基板設置部131は回転軸線zに平行な方向(第1方向)において、トナーパック10の先端部に位置している。本実施例では、回転軸線zと重なる位置にメモリタグ14が固定されている。
【0067】
基板設置部131は、回転軸線zの方向に向けて突出している。一方で、シャッタ部材11には、回転軸線zの方向と交差する方向に延び、貫通穴11w1が形成された交差壁11wを備える。貫通穴11w1は、導電部14aをトナーパック10の外部に露出させる。本実施例では、貫通穴11w1に基板設置部131が挿入されることで、導電部14aがトナーパック10の外部に露出する。
【0068】
メモリタグ14は基板設置部131に対して両面テープや接着剤等の手段を用いて固定されている。ただし、メモリタグ14を基板設置部131に取り付ける方法として、圧入やスナップフィットを用いてもよい。
【0069】
また、後述するように、メモリタグ14は電気接点である導電部14aを有する(
図11参照)。メモリタグ14の導電部14aは、回転軸線zに平行な方向において、トナーパック10の外側に露出するように配置されている。
【0070】
シャッタ部材11には、シール部材12が取り付けられている。シール部材12は、回転軸線zに対する半径方向において補給ベース13とシャッタ部材11の間の領域に位置しており、シャッタ部材11の内周面に不図示の両面テープを用いて貼り付け固定されている。
【0071】
本実施例におけるトナーパック10は、パウチ16を変形させることで、トナーパック10からのトナーの排出を促進することができる。そのためパウチ16は可撓性を有する構造(剛性が低い構造)を採用することが好ましい。一方、トナーパック10を画像形成装置1に安定して取り付けるため、補給ベース13はパウチ16よりも剛性が高い構造を採用することが好ましい。つまり、同じ大きさの力が作用した際、パウチ16の変形は、補給ベース13の変形よりも大きい。
【0072】
補給ベース13よりも剛性の低いパウチ16によってメモリタグ14の導電部14aが位置決めされると、メモリタグ14の導電部14aの位置がずれやすくなる。本実施例では、補給ベース13によってメモリタグ14の導電部14aを位置決めすることにより、メモリタグ14の導電部14aの位置がずれにくくなる。その結果、例えば、画像形成装置1に対して、メモリタグ14の導電部14aを精度よく位置決めすることができる。
【0073】
以下、一体に結合された補給ベース13、メモリタグ14、拡張部材15及びパウチ16を補給ユニット101とし、シャッタ部材11及びシール部材12をシャッタユニット102とする。すなわち、トナーパック10は、補給ユニット101と、シャッタユニット102を有する。
【0074】
本実施例においては、第1方向について、トナーパック10の一端部に補給ベース13とシャッタユニット102が配置され、トナーパック10の他端部にパウチ16が配置される。
【0075】
なお、本実施例においては、シャッタユニット102がシャッタ部材11と補給ベース13の間を封止するシール部材12を有する。しかし、トナーが通過する穴を備えたシール部材を補給ベース13に取り付けることで、シャッタ部材11と補給ベース13の間を封止し、シャッタユニット102からシール部材12を省略することもできる。この場合、シャッタユニット102は、シール部材12を有さない。
【0076】
また、補給ベース13、メモリタグ14、シャッタユニット102を備える部分を、画像形成装置1に取り外し可能に取り付けられる取付けユニット、と呼ぶことができる。当該取付けユニットは、パウチ16に取り付け可能である。本実施例においては、拡張部材15を介して、パウチ16と取り付けユニットが結合される。
【0077】
<シャッタユニット、補給ベースの構造および動作>
シャッタユニット(シャッタ)102、補給ベース13の構造、および動作を、
図9(a)、
図9(b)、
図10(a)、
図10(b)を用いて説明する。
【0078】
図9は、トナーパック10の斜視図であり、
図9(a)はシャッタユニット102が排出口13aを封止する閉鎖位置にある状態、
図9(b)はシャッタユニット102が退避位置にある状態をそれぞれ示している。
図10(
図10(a)、
図10(b))は、シャッタユニット102と補給ベース13の構成を説明する斜視図である。
【0079】
シャッタユニット102は、補給ユニット101に対して回転軸線zを中心として、回転軸線zの周りに回転可能である。つまり、シャッタ部材11およびシール部材12の回転軸線は、回転軸線zである。
【0080】
シャッタユニット102は、排出口13aを覆って、トナーの排出を規制する閉鎖位置(カバー位置、第一位置)と、閉鎖位置から退避した退避位置(第二位置、露出位置)との間を移動可能に構成されている。本実施例において、シャッタユニット102が第二位置にあるとき、排出口13aがトナーパック10の外部に向けて露出しており、排出口13aからのトナーの排出が許容される。第二位置を、排出口13aが開かれる開放位置、と呼ぶこともできる。
【0081】
図9(a)、
図9(b)において、z1方向はシャッタユニット102が第一位置から第二位置へ移動する時の移動方向、z2方向はシャッタユニット102が第二位置から第一位置へ移動する時の移動方向である。
【0082】
本実施例においては、回転軸線z周りのシャッタユニット102の回動角度(第一位置と第二位置の差)は、180度以下とすることができる。回転軸線z周りのシャッタユニット102の回動角度は、45度以上とすることができる。本実施例では、シャッタユニット102の回転角度は、約90度である。
【0083】
排出口13aは、第1方向と交差する方向(好ましくは、第1方向と直交する方向)に向けて開かれている。言い換えれば、排出口13aは、第1方向と交差する方向(好ましくは、第1方向と直交する方向)を向いて配置されている。
【0084】
次に、シャッタユニット102と補給ベース13の各部の関係について
図10(a)、
図10(b)を用いて説明する。
【0085】
補給ベース13には、前述の排出口13a、基板設置部131に加えて、外周部13f、本体係合部13e、軸部13r、フランジ部13s、爪部(シャッタ規制部)13kが設けられている。
【0086】
外周部(第2面、開口形成部、開口形成壁)13fには、排出口13aが形成されている。外周部13fの表面(トナーパック10の外側を向いた面)は、第1方向と交差する方向(好ましくは、第1方向と直交する方向)を向いている。つまり、外周部13fの法線方向は第1方向と交差する方向(好ましくは、第1方向と直交する方向)である。本実施例においては、外周部13fは、第1方向に平行な方向に沿って延びており、円弧面(円弧形状)を有する。つまり、円弧面の母線方向が、第1方向と平行な方向である。外周部13fの円弧面の中心は、回転軸線zと一致する。
【0087】
本体係合部13eは、排出口13aに対してz2方向に約90度回転した側面に所定の間隔を空けて設けられた突起であり、トナーパック10を画像形成装置1に装着した際に画像形成装置1の一部と係合する。
【0088】
軸部13rは外周部13fよりも小さい半径を有する円弧面(円弧形状)を有する。フランジ部13sは、外周部13fよりも大きい半径の円弧面(円弧形状)を有する。本実施例において、軸部13rの円弧面、フランジ部13sの円弧面の中心は、回転軸線zと一致する。これらの円弧面の母線方向も、第1方向と平行な方向である。
【0089】
爪部13kは、回転軸線zを中心とする円の半径方向に移動可能なように、可撓性を有している。爪部13kの先端部は、回転軸線zを中心とする円の半径方向において、外周面13fよりも外側の位置と、外周面13fよりも内側の位置との間を移動可能である。
【0090】
シャッタ部材11は、略円筒形状の樹脂部材である。シャッタ部材11には、貫通穴11w1、軸受部11sが備えられる。さらに、シャッタ部材11には、係止爪11cおよび係止爪11d、露出部11f、円周溝部11g、係止溝(シャッタ被規制部)11k、および外周凹部11hが形成されている。
【0091】
貫通穴11w1および軸受部11sは、補給ベース13に設けられた軸部13rおよびフランジ部13sと係合する。これによりシャッタ部材11およびシール部材12を有するシャッタユニット102が、回転軸線zに対して補給ベース13の周りを回転可能となる。
【0092】
係止爪11c、係止爪11dはフランジ部13sと係合しており、補給ベース13に対して、シャッタ部材11が第1方向に移動することを規制している。
【0093】
露出部11f、円周溝部11gおよび外周凹部11hは、シャッタ部材11の外周部に形成される。露出部11fは、略矩形状であり、シャッタユニット102が第二位置にあるとき、排出口13aをトナーパック10の外部に露出させる。
【0094】
円周溝部11gは、回転軸線zの方向と交差する方向に延びる溝である。本実施例において、円周溝部11gは、シャッタ部材11の周方向(シャッタ部材11の回転方向)に向けて延びており、シャッタ部材11の一部の領域(約90°)に形成されている。円周溝部11gの一端は、露出部11fに繋がっている。
【0095】
外周凹部11hはシャッタ部材11の周方向において、回転軸線zを挟んで露出部11fの反対側に設けられている。外周凹部11hは、回転軸線zを中心とする円の半径方向において、シャッタ部材11の外周よりも内側に向けて凹んだ面である。
【0096】
係止溝11kは、シャッタユニット102が第一位置にあるときに補給ベース13の爪部13kが係合する位置に設けられている。爪部13kと係止溝11kが係合することで、シャッタユニット102の回転が規制される。これにより、ユーザが意図せずシャッタユニット102を第二位置に移動させてトナーが漏れ出してしまう事を防止している。シャッタユニット102を回転させる場合には、爪部13kに外力を加えて回転軸線zに近づく方向に変位させて、爪部13kと係止溝11kの係合を解除する。
【0097】
シール部材12は、弾性変形可能な発泡ウレタンや不織布等の材質で構成された所定の厚みのシート状の部材である。シール部材12のシャッタ部材11側の面は両面テープ等でシャッタ部材11の内周面に固定されている。これによりシール部材12は、シャッタ部材11と一体的に回転可能となっている。
【0098】
また、シール部材(封止部)12は、補給ベース13にシャッタ部材11を組付けた状態で、外周部13fによってシャッタ部材11に近づく方向、すなわち回転軸線zの方向に直交する径方向で外側に押圧されて変形する。つまり、シール部材12は、外周部13fに対して所定の圧力で押し付けられている状態である。これにより、シール部材12は外周部13fとシャッタ部材11の間で圧縮され、シール部材12と補給ベース13の外周部13fとの境界からのトナー漏れを抑制できる。
【0099】
本実施例において、シール部材12(シール部材12のうち、排出口13aに対向する面)は、シャッタユニット102が第一位置にあるときに排出口13aと対向する対向部である。
【0100】
なお、シャッタユニット102の対向部の構成は、上記のものに限られない。例えば、シャッタユニット102が第一位置にあるときに、シャッタ部材11の一部が排出口13aと対向する構成であってもよい。その場合、当該シャッタ部材11の一部が対向部としての機能を有する。
【0101】
図9(a)に示すように、シャッタユニット102が第一位置にあるときは、シール部材12が排出口13aを覆っている。これにより、パウチ16の内部に収容されたトナーが排出口13aからトナーパック10の外部に漏れ出すことが防止される。そして、
図9(b)に示すように、シャッタユニット102が第二位置にあるときはシャッタ部材11の露出部11fが排出口13aに対応する位置にある。そのため、排出口13aが、トナーパック10の外部に露出され、排出口13aからトナーをトナーパック10の外部に排出することができる。
【0102】
<メモリユニットの構成>
次に、メモリユニットの構成について、
図11を用いて説明する。
図11は、メモリユニットの説明図である。
【0103】
図11に示すように、本実施例におけるメモリユニットとしてのメモリタグ14は、トナーパック10に関する情報を記憶するメモリ(記憶素子)14d、メモリ14dに電気的に接続された導電部(電極部、インターフェース部)14aを有する。導電部14aは、第1電極(第1端子、第1メモリ電極)14a1、第2電極(第2端子、第2メモリ電極)14a2を含み、第1電極14a1、第2電極14a2がメモリ14dに電気的に接続されている。
【0104】
メモリタグ14は、導電部14a(第1電極14a1、第2電極14a2)を保持する保持部(保持基板)14bを備える。メモリタグ14は、メモリ14dを覆って保護する保護部14cを備える。本実施形態において、保持部14bの一方の面(表面)に導電部14aが配置され、保持部14bの他方の面(裏面)にメモリ14dが配置されている。
【0105】
第1電極14a1は、トナーパック10の外部に露出される第1露出面14a11を備える。第2電極14a2は、トナーパック10の外部に露出される第2露出面14a21を備える。
【0106】
本実施例におけるメモリタグ14は、面積が5.5mm×5mm、厚みが1.4mmの板状の部材である。保持部14bと保護部14cは一体化されている。メモリタグ14は、保持部14bと保護部14cによって形成される2層構造を有している。保持部14bと保護部14cとは、導電部14aを備える基板部(基板)の一部ということができる。
【0107】
メモリ14dには、トナーパック10に関する情報が記憶される。トナーパック10に関する情報には、トナーパック10のロットに関する情報、トナーパック10に収容されているトナーの量や特性に関する情報が含まれる。
【0108】
メモリ14dには、トナーパック10が装着される画像形成装置1に関する情報が記憶される場合もある。画像形成装置1に関する情報には、制御部399による画像形成装置1の制御に用いられる情報が含まれる。画像形成装置1の制御部399は、導電部14aを介してメモリ14dと電気的に接続することで、メモリ14dに格納された情報を読み出して、画像形成装置1を制御する。
【0109】
本実施例においては、導電部14aに配置された電極の数は2つであるが、本発明はこれに限られない。例えば、導電部14aが、3つ以上の電極を有していてもよい。また、保持部14bに一つの電極を配置して、他の電極は別の部分に配置してもよい。
【0110】
【0111】
図12はトナーパック10の先端部を示す斜視図である。
図12(a)は、メモリタグ14が組みつけられたトナーパック10の先端部の斜視図である。
図12(b)は、メモリタグ14が組みつけられる前のトナーパック10の先端部の斜視図である。
図13は本実施例におけるメモリユニットの配置を説明する図である。
図13(a)は、トナーパック10の下面図である。
図13(b)は、メモリタグ14の拡大図である。
図14は本実施例におけるメモリユニットの配置を説明する図である。
図14(a)は、トナーパック10の側面図である。
図14(b)は、トナーパック10の断面図である。
【0112】
図12(a)に示すように、基板設置部131は回転軸線zの方向において、トナーパック10の先端に設けられている。また、
図12(b)に示すように基板設置部131には、メモリタグ14が接着固定される設置面(設置部、位置決め面、位置決め部)131aが設けられている。
【0113】
本実施例において、設置面131aは、保護部14cおよび保持部14bを含む基板を介して、導電部14a(第1電極14a1、第2電極14a2)を位置決めする。つまり、メモリタグ14の基板が設置面131aに固定され、設置面131aによって位置決めされることにより、補給ベース13に対して導電部14aが位置決めされる。本実施例では、設置面131aは、導電部14aを、第1方向および第1方向と直交する方向について位置決めする。
【0114】
設置面131aによってメモリタグ14が位置決めされた状態で、第1電極14a1の第1露出面14a11は、第1方向に対して交差する方向(好ましくは直交する方向)に沿って配置される。言い換えれば、メモリタグ14が位置決めされた状態で、第1電極14a1の第1露出面14a11は、第1方向に対して交差する方向(好ましくは直交する方向)に沿って延びる平面(仮想平面)上に配置される。
【0115】
この状態で、第1露出面14a11は、第1方向を向く。つまり、第1方向の直交方向に対して、第1露出面14a11の法線方向が交差(好ましくは直交)する。第1露出面14a11はトナーパック10の外側に露出されている。本実施例では、第1方向について、第1露出面14a11の裏側に、補給ベース13や、パウチ16が配置される。また、第1露出面14a11は、第1方向に対して交差する方向(好ましくは直交する方向)に延びている一方で、補給ベース13の外周部13fは、第1露出面14a11が延びる方向に交差する方向(好ましくは直交する方向)に延びている。
【0116】
同様に、設置面131aによってメモリタグ14が位置決めされた状態で、第2電極14a2の第2露出面14a21は、第1方向に対して交差する方向(好ましくは直交する方向)に沿って配置される。言い換えれば、メモリタグ14が位置決めされた状態で、第2電極14a2の第2露出面14a21は、第1方向に対して交差する方向(好ましくは直交する方向)に沿って延びる平面(仮想平面)上に配置される。
【0117】
この状態で、第2露出面14a21は、第1方向を向く。つまり、第1方向の直交方向に対して、第2露出面14a21の法線方向が交差(好ましくは直交)する。第2露出面14a21はトナーパック10の外側に露出されている。本実施例では、第1方向について、第2露出面14a21の裏側に、補給ベース13や、パウチ16が配置される。補給ベース13の外周部13fは、第2露出面14a21が延びる方向に交差する方向(好ましくは直交する方向)に延びている。
【0118】
本実施例において、第2露出面14a21と第1露出面14a11は、同一平面上に配置されている。ただし、第1方向について、第2露出面14a21の位置と第1露出面14a11の位置とが異なっていてもよい。
【0119】
ここで、メモリタグ14の周りに、第1方向において、第1露出面14a11および第2露出面14a21よりも突出した突出部としての最先端部131bが備えられる。設置面131aは、第1方向において基板設置部131の最先端部131bよりも内側に位置している。
【0120】
最先端部131bは、第1方向について、最先端部131bから設置面131aまでの距離は、メモリタグ14の厚み(本実施例では、基板の厚みと同等)である1.4mmよりも長い。これにより、メモリタグ14が設置面131aに固定されると、第1方向に対して導電部14aよりも基板設置部131の最先端部131bの方がより先端側に突出した関係になる。従って、ユーザが安易に導電部14aに触れたり、ユーザの取り扱いで導電部14aに物が接触したりすることで生じる導電部14aの損傷を防止できる。
【0121】
また、基板設置部131は、第1方向と交差する方向に延びる突出壁131cを備える。本実施例では、突出壁131cはメモリタグ14を挟んで複数設けられている。突出壁131cは、後述するコネクタ250と係合し、コネクタ250を位置決めするためのコネクタ位置決め部(装置側接点位置決め部)としての機能を有する。
【0122】
図13(a)は、回転軸線zの方向(第1方向)に沿ってトナーパック10を見た図である。
【0123】
本実施例において、第1方向に沿って見たとき、第1露出面14a11、第2露出面14a21は、回転軸線zを中心として、シャッタユニット102の外端(最外部)を通る第1仮想円L1の内側に配置される。ここで、シャッタユニット102の外端とは、回転軸線zに直交する方向において、回転軸線zから最も離れた部分を指す。本実施例において、シャッタユニット102の外端は、シャッタ部材11の外端(回転軸線zから最も離れた部分)と一致する。第1方向に沿って見たとき、シャッタユニット102の全体が、仮想円L1の内側に位置する。
【0124】
また、第1方向に沿って見たとき、第1露出面14a11、第2露出面14a21は、回転軸線zを中心として、排出口13aと対向する対向部を通る第2仮想円L2の内側に配置される。上述した様に、本実施例においては、対向部とは、シール部材12の面のうち、排出口13aを覆い、排出口13aに対向する面(排出口13aの周囲(外周部13f)に接触する面)である。
【0125】
さらに、第1方向に沿って見たとき、第1露出面14a11、第2露出面14a21は、回転軸線zを中心として、シャッタユニット102の内端(最内部)を通る第3仮想円L3の内側に配置される。ここで、シャッタユニット102の内端とは、回転軸線zに直交する方向において、回転軸線zに最も近い部分を指す。本実施例では、シャッタユニット102の内端は、シャッタ部材11の貫通穴11w1の内壁面と一致する。つまり、シャッタユニット102の内端は、シャッタ部材11の内端(回転軸線zに最も近い部分)と一致する。第1方向に沿って見たとき、シャッタユニット102の全体が、仮想円L3の外側に位置する。
【0126】
本実施例の構成によれば、第1露出面14a11、第2露出面14a21を、省スペースで配置することができる。
【0127】
本実施例では、導電部14aが、第1仮想円L1、第2仮想円L2、第2仮想円L3の内側に配置される。また、保持部14bが、第1仮想円L1、第2仮想円L2、第2仮想円L3の内側に配置される。さらに、メモリ14dを含むメモリタグ14の全体が、第1仮想円L1、第2仮想円L2、第2仮想円L3の内側に配置される。
【0128】
図13(b)は、
図13(a)のメモリタグ14付近の拡大図である。第1方向に沿って見たとき、回転軸線zは、第1露出面14a11と第2露出面14a21の間に位置する。
【0129】
第1方向に沿って見たとき、第1方向と直交する第1直交方向xについて、メモリタグ14の保持部14bは、第1基板端14fx1と、第1基板端14fx1と反対の第2基板端14fx2を有する。第1方向に沿って見たとき、第1方向および第1直交方向xと直交する第2直交方向yについて、メモリタグ14の保持部14bは、第3基板端14fy1と、第3基板端14fy1と反対の第4基板端14fy2を有する。
【0130】
第1直交方向xについて、回転軸線zは、第1基板端14fx1と第2基板端14fx2の間に位置する。第1直交方向xについて、導電部14aの全体は、第1基板端14fx1と第2基板端14fx2の間に位置する。第2直交方向yについて、回転軸線zは、第3基板端14fy1と第4基板端14fy2の間に位置する。第2直交方向yについて、導電部14aの全体は、第3基板端14fy1と第4基板端14fy2の間に位置する。なお、第1方向に沿って見た時、保持部14bの外形は、保護部14cの外形と同一である。
【0131】
第1方向に沿って見たとき、第1直交方向xについて、メモリタグ14の導電部14aは、第1導電部端14gx1と、第1導電部端14gx1と反対の第2導電部端14gx2を有する。第1方向に沿って見たとき、第2直交方向yについて、メモリタグ14の導電部14aは、第3導電部端14gy1と、第3導電部端14gy1と反対の第4導電部端14gy2を有する。第1導電部端14gx1、第2導電部端14gx2、第3導電部端14gy1、第4導電部端14gy2は、第1露出面14a11と第2露出面14a21の少なくともいずれか一方の端部と一致する。
【0132】
第1直交方向xについて、回転軸線zは、第1導電部端14gx1と第2導電部端14gx2の間に位置する。第1直交方向xについて、導電部14aの全体は、第1導電部端14gx1と第2導電部端14gx2の間に位置する。第2直交方向yについて、回転軸線zは、第3導電部端14gy1と第4導電部端14gy2の間に位置する。第2直交方向yについて、導電部14aの全体は、第3導電部端14gy1と第4導電部端14gy2の間に位置する。
【0133】
第1方向と直交する方向について、メモリタグ14の保持部14b、導電部14aは、シャッタユニット102の回転軸線zの近傍に配置されている。したがって、メモリタグ14の保持部14b、導電部14aと、シャッタユニット102とを、省スペースで配置することができる。
【0134】
シャッタユニット102は、導電部14aがトナーパック10の外部に露出されるように構成される。本実施例では、シャッタユニット102の回転軸線zに近い部分にメモリタグ14の導電部14aを配置することで、シャッタユニット102の形状、配置に関する設計自由度を向上できる。
【0135】
図14(a)は、
図13(a)における上方から下方に向けてトナーパック10を見た、トナーパック10の側面図である。
図14(b)は、
図14(a)の回転軸線zに沿った線A-Aにおけるトナーパック10の断面図である。
【0136】
メモリタグ14の固定位置は、
図13に太破線で図示した、第1方向に投影したシャッタ部材11の回転半径(仮想円L1の半径)の内側にある。シャッタ部材11の回転半径は、シャッタユニット102の回転半径と一致する。メモリタグ14の固定位置は
図14(a)および(b)に細破線で示したように、排出口13aの第1方向への投影範囲Wに対しても内側に配置されている。
【0137】
[補給部の構成]
次に、補給部200の構成について
図15、
図16を用いて説明する。
【0138】
図15は、補給部200の構成を説明する図である。
図15(a)は補給部200の部分斜視図、
図15(b)および
図15(c)は補給部200をそれぞれ異なる方向から見た分解斜視図である。
図16は、補給部200の構成を説明する図である。
図16(a)は補給部200を回転軸線zの直上から見た概略図、
図16(b)は
図16(a)に示したA-A方向の断面図、
図16(c)は
図16(b)の方向から見た断面における補給部200の分解図である。
【0139】
補給部200は天面部340に配置され、取付け部210、トナー受け部220、受け部シャッタ230、シャッタシール240、受けシール241、コネクタ250、受入底260、底シール242を備える。
【0140】
図15(a)~(c)、
図16(a)~(c)に示した回転軸線zは、受け部シャッタ230、取付け部210の回転軸線であり、トナーパック10を装着した状態で、前述したシャッタユニット102の回転軸線zと一致する。
【0141】
取付け部210は、ユーザが操作する把持部210a、天面部340と係合するリング部210b、トナーパック10が装着される装着穴210c、シャッタ部材11と係合する係合突起210dを有する。
【0142】
天面部340は筐体72の一部であり、ガイド溝340aを有する。
【0143】
トナー受け部220は、受け開口220c、シール内壁220d、ベース支持部220eを有する。
【0144】
受け部シャッタ230は、円筒状の部品であり、内周部230a、シャッタ係合部230b、シャッタ開口230c、フランジ部230d、接続穴230e、爪解除部(規制解除部)230fを有する。また、受け部シャッタ230には、発泡ウレタン等のフォーム材で形成されたシャッタシール240、受けシール241、底シール242がそれぞれ両面テープで貼り付け固定されている。
【0145】
コネクタ250は、メモリタグ14の導電部14aと接触するコネクタ電極250a、付勢バネ250bを有している。コネクタ電極250aおよび付勢バネ250bは金属製のバネで、回転軸線zに沿う方向に可撓性を有している。更に、コネクタ電極250aは、不図示の信号線によって画像形成装置1の制御部399と電気的に接続している。コネクタ250は、コネクタ電極250aを保持する保持部材である。
【0146】
受入底260は、コネクタ収容部260aを有しており、トナー受け部220に対して固定される。
【0147】
ここで、取付け部210は、リング部210bが天面部340に設けられたガイド溝340aに支持されることで、天面部340に対して回転軸線zの周りに回転可能となっている。
【0148】
また、受け部シャッタ230は、フランジ部230dがトナー受け部220に支持されており、トナー受け部220に対して回転軸線zの周りに回転可能となっている。
【0149】
シャッタシール240は、受け部シャッタ230の外周に設けられており、トナー受け部220と接触して、受け部シャッタ230とトナー受け部220の隙間を塞いでいる。受けシール241は、受け部シャッタ230の内周部230aにおけるシャッタ開口230cの周囲を取り囲むように設けられており、トナー受け部220のシール内壁220dと接触している。底シール242は、フランジ部230dの下部に設けられており、受け部シャッタ230と受入底260の隙間を塞いでいる。
【0150】
また、受け部シャッタ230の底面側には、受け部シャッタ230を貫通する接続穴230eが設けられており、接続穴230eを通してコネクタ250のコネクタ電極250aが、第1方向について上方に向けて露出している。またこのとき、コネクタ250は、受入底260に支持された状態で、付勢バネ250bが圧縮された状態になる。従って、付勢バネ250bの力によって、コネクタ250は回転軸線zの方向で上向きに付勢されている。コネクタ250は、補給ベース13の突出壁131cと係合して、第1方向と直交する方向について位置決めされる。つまり、突出壁131は、コネクタ電極250aを位置決めする電極位置決め部としての機能を有する。
【0151】
[トナーパックからのトナーの補給]
次に、トナーパック10から画像形成装置1へのトナーの補給動作について
図17~
図21を用いて説明する。
【0152】
図17(
図17(a)、
図17(b))は、トナーパック10の取り付けを説明する斜視図である。
図17(a)、
図17(b)は、トナーパック10を補給部200に挿入する前の状態をそれぞれ別の方向から見た斜視図である。
【0153】
トナーパック10は、補給部200への装着方向について、補給ベース13がパウチ16の下流側に位置されるように、補給部200に取付けられる。つまり、本実施例では、トナーパック10は、導電部14aが装着方向で下流側を向くように装着される。したがって、第1露出面14a11および第2露出面14a21は、トナーパック10の装着方向の下流側を向いて配置され、装着方向の下流側に向けて露出されている。
【0154】
本実施例において、トナーパック10は、回転軸線zの方向に沿って、補給部200に取り付けられる。また、本実施例において、トナーパック100は、回転軸線zの方向が鉛直方向と平行になるように取り付けられる。
【0155】
トナーパック10を画像形成装置1の補給部200に装着すると、補給ベース13の本体係合部13eとトナー受け部220のベース支持部220eが係合する。これにより、画像形成装置1に対し、回転軸線zの周りの補給ベース13、拡張部材15、パウチ16の回転が規制される。また同時に、シャッタ部材11の外周凹部11hが、取付け部210の係合突起210dおよび受け部シャッタ230のシャッタ係合部230bとそれぞれ係合する。
【0156】
受け部シャッタ230において、
図16(a)に示した爪解除部230fが爪部13kに対応する位置に設けられている。従って、トナーパック10を補給部200に挿入すると爪解除部230fが爪部13kをシャッタ部材11の内側に退避させる。これにより、爪部13kと係止溝11kの係合が回避されてシャッタ部材11と補給ベース13が相対的に回転可能となる。
【0157】
以上により、補給ユニット101は回転軸線zの周りの回転が規制されるとともに、シャッタユニット102は取付け部210および受け部シャッタ230と一体的に回転可能となる。つまり、補給部200にトナーパック10が装着されると、トナー受け部220、補給ベース13、拡張部材15、パウチ16が互いに固定された状態(互いに対して移動しない状態)となる。この状態で取付け部210を回転すると、シャッタユニット102、受け部シャッタ230が、トナー受け部220、補給ベース13、拡張部材15、パウチ16に対して回転軸線zの周りを回転する。
【0158】
図18は、トナーパック10が取り付けられた補給部200の説明図である。
図18(a)は、回転軸線zおよび排出口13aの中心を通る断面図である。
図18(b)は、回転軸線zを通り、
図18(a)に直交する断面図である。
【0159】
図18(a)に示したように、補給ベース13の軸部13rと受け部シャッタ230の接続穴230eが係合することでシャッタユニット102の回転軸線zと受け部シャッタ230の回転軸線zが一致する。つまり、接続穴230eは、回転軸線zの方向と直交する方向について、画像形成装置1に対するトナーパック10の位置を決めるための位置決め部である。軸部13rは、接続穴230eによって位置決めされる被位置決め部である。本実施例においては、補給ベース13が画像形成装置1に対して固定された状態で、シャッタユニット102は補給ベース13の周りを移動する。
【0160】
本実施例において、設置面131aは、軸部13rの先端部に配置されている。言い換えれば、メモリタグ14の導電部14aは、軸部13rの先端部に配置されている。
【0161】
補給ベース13は、一端が排出口13aに接続されるトナー経路13cを備える。本実施例において、トナー経路13cの他端はトナーパック16の収容部16d(第1収容部16d1)に接続されている。トナー経路13cの内部を、トナーパック16の収容部16d(第1収容部16d1)から供給されたトナーが、排出口13aに向かって通過する。トナー経路13cには、回転軸線zの方向に対して傾斜し、排出口13aに対向するトナーガイド面(ガイド面)13c1を有する。トナーパック16からトナー経路13cに供給されたトナーは、トナーガイド面13c1によって排出口13aに向かいやすくなる。回転軸線zの方向について、トナーガイド面13c1の位置は、排出口13aの位置と重なる。
【0162】
第1の方向に沿って見たとき、導電部14a(第1電極14a1、第2電極14a2)はトナー経路13cおよびトナーガイド面13c1と重なる。より具体的には、第1露出面14a11、第2露出面14a21はトナー経路13cおよびトナーガイド面13c1と重なる。つまり、トナー経路13cおよびトナーガイド面13c1の大きさを確保しつつ、導電部14aを省スペースで配置することができる。
【0163】
また、本実施例においては、第1の方向について、トナー経路13cの位置と導電部14aの位置は重なっていない。つまり、第1の方向について、トナー経路13cと導電部14aは、異なる位置(ずれた位置)に配置されている。したがって、第1方向と直交する方向について、トナー経路13cの配置スペースと、導電部14aの配置スペースの両方を確保しつつ、補給ベース13が大型化することを抑制できる。
【0164】
本実施例において、排出口13aはシャッタユニット102の内側に配置され、第1露出面14a11と第2露出面14a21は、シャッタユニット102の外側に配置される。したがって、第1露出面14a11と第2露出面14a21にトナーが付着することを抑制できる。
【0165】
また、シャッタ部材11の交差壁11wは、回転軸線zの方向(第1方向)について、排出口13aと第1露出面14a11の間に位置する。シャッタ部材11の交差壁11wは、回転軸線zの方向について、排出口13aと第2露出面14a21の間に位置する。本実施例においては、交差壁11wは、回転軸線zの方向について、第1露出面14a11と第2露出面14a21を含むメモリタグ14の導電部14aと、排出口13aの間に位置する。
【0166】
さらに、
図18(a)において、シャッタユニット102は第一位置にあり、シール部材12が排出口13aを覆っている。このとき、交差壁11wは第1露出面14a11と第2露出面14a21を含むメモリタグ14の導電部14aと、排出口13aの間を仕切っている。
【0167】
したがって、第1露出面14a11と第2露出面14a21を含むメモリタグ14の導電部14aにトナーが付着することを抑制できる。
【0168】
また、
図18(a)および
図18(b)に示したように、トナーパック10の先端部に固定されたメモリタグ14が、コネクタ250と接触している。コネクタ250は、前述した突出壁131cと係合する。これにより、第1方向と交差(好ましくは直交)する方向について、トナーパック10に対してコネクタ250が位置決めされる。
【0169】
更に具体的には、トナーパック10の装着に伴って、導電部14aがコネクタ電極250aを回転軸線zに沿った方向で押し込んでいる。これによりコネクタ電極250aが所定の接触圧で導電部14aに接触して、メモリタグ14の記憶素子と画像形成装置1の制御部399が電気的に接続される。より具体的には、一方のコネクタ電極250aが第1露出面14a11に接触し、他方のコネクタ電極250aが第2露出面14a21に接触する。
【0170】
図19は、トナーパック10が取り付けられた補給部200の説明図である。
図19(a)は、取付け部210を回転する前の図である。
図19(b)は、取付け部210を回転した後の図である。
【0171】
トナーパック10から画像形成装置1へのトナーの排出について説明する。トナー排出を行うためには、ユーザは
図19(a)に示したトナーパック10が補給部200に装着された状態から、
図19(b)に示すように取付け部210を回転軸線zに対してz1方向に約90度回転させる。
【0172】
トナーパック10は、補給部200に装着された姿勢(使用時の姿勢、補給時の姿勢)において、トナーパック10の長さは、鉛直方向の長さが、水平方向の長さよりも長くなる。先述のように、トナーパック10を補給部200に装着すると、取付け部210とシャッタユニット102および受け部シャッタ230が一体的に回転可能な状態となっている。従って、取付け部210の回転によって、シャッタユニット102と受け部シャッタ230が取付け部210と一体的に回転する。このとき、画像形成装置1に対して、パウチ16、拡張部材15、補給ベース13は移動(回転)しない。また、シャッタユニット102と受け部シャッタ230が取付け部210と回転するときは、トナー受け部220は移動(回転)しない。
【0173】
ここで、
図20にシャッタユニット102と受け部シャッタ230が回転してトナー排出が可能になる様子を段階的に示す。
【0174】
図20は、シャッタユニット102と受け部シャッタ230の動作の説明図である。
図20(a)は補給部200に装着したトナーパック10を第1方向と直交する方向に沿って排出口13aの反対側から見た図である。
図20(b)~(d)は、
図20(a)に示したトナーパック10と補給部200の一点鎖線D-Dにおける切断面を、トナーパック10の先端側から見た断面図である。また、
図20(b)~(d)には、メモリタグ14および導電部14aの外形を破線で投影している。
【0175】
図20(b)は、トナーパック10を補給部200に装着した直後の状態であり、このとき、排出口13aはシャッタ部材11によって圧縮されたシール部材12によって塞がれている。また、受け部シャッタ230のシャッタ開口230cは、シール内壁220dおよび受けシール241によって塞がれている。ユーザが取付け部210を回転させていくと
図20(c)に示したように、シャッタ部材11、シール部材12、受け部シャッタ230および受けシール241も一体となって回転する。ユーザが取付け部210をさらに回転させると、
図20(d)に示したように、トナーパック10の排出口13a、受け部シャッタ230のシャッタ開口230c、トナー受け部220の受け開口220cが連通した状態となる。従って、パウチ16の内部に収容されたトナーを、受け開口220cから画像形成装置1の内部にある収容部418に排出することができる。
【0176】
以上のように、
図20(b)~(d)に太破線で示したように、シャッタ部材11の仮想円L1の範囲内にメモリタグ14を配置することが可能となっている。
【0177】
次に、シャッタユニット102の回転に伴う、トナーパック10の補給部200に対する抜け止めに関して
図21を用いて説明する。
【0178】
図21は、トナーパック10の移動を規制する構成についての説明図である。
図21(a)は、シャッタユニット102が回転する前の図である。
図21(b)は、シャッタユニット102が回転する途中の図である。
図21(c)は、シャッタユニット102が回転した後の図である。
【0179】
図21は、補給部200にトナーパック10を装着した状態における、トナーパック10を示した図である。
図21では、一部の部品が省略されている。
【0180】
トナーパック10を補給部200に装着した直後の
図21(a)の状態から、シャッタユニット102が回転すると、シャッタ部材11の円周溝部11gに、トナー受け部220のベース支持部220eが入り込む。ここで
図13(c)に示したように、係止爪11c、11dが補給ベース13のフランジ部13sと係合しているため、トナーパック10が第1方向に動くことが規制される。より具体的には、トナーパック10は、第1方向で上方向の動きが規制される。従って、トナーパック10が補給部200から抜け出ることは無い。また同時に、メモリタグ14の導電部14aとコネクタ250のコネクタ電極250aの接触が離れることも無い。
【0181】
また、本実施例においては、パウチ16を鉛直方向の上側、排出口13aを下側となるように補給部200に装着する構成としている。これにより、トナーの排出に重力を利用することができる。また、パウチ16は可撓性の袋状に形成しているため、ユーザがパウチ16を絞ってパウチ16内の体積を小さくすることでパウチ内に残るトナーをより少なくし、効率的にトナーを排出することができる。
【0182】
トナーの排出が終わると、操作レバーを
図20(d)の状態からz2方向に約90度回転させることで排出口13aがシャッタユニット101に封止される。
【0183】
本実施例のトナーパック10では、排出口13aをトナーパック10の側面に形成した。言い換えれば、排出口13aを、第1方向に交差する方向を向いた面(外周面13f)に形成した。一方で、導電部14a(第1電極14a1、第2電極14a2)を、トナーパック10の端面(第1方向を向いた面、トナーパック10の装着方向で下流側を向いた面)に配置した。より具体的には、第1露出面14a11、第2露出面14a21を、トナーパック10の端面に配置した。
【0184】
上述した排出口13aと導電部14aの配置により、排出口13aと導電部14aの両方がトナーパック10の端面に配置された場合と比較して、排出口13aと導電部14aを省スペースで配置することができる。上述した排出口13aと導電部14aの配置により、導電部14aがトナーパック10の側面に配置され、排出口13aが端面に配置された場合と比較して、排出口13aもしくはトナー経路13cと、導電部14aを省スペースで配置することができる。
【0185】
言い換えれば、排出口13aと導電部14aを配置するスペースを確保する際、必要となるスペースを小型化できる。または、排出口13aと導電部14aを配置する自由度を向上できる。
【0186】
また、トナーパック10を画像形成装置1に取り付ける際、ユーザは、補給ベース13(もしくはその周りのシャッタユニット102)を支持することで、トナーパック10を安定して画像形成装置1に取り付けることができる。この際、補給ベース13の端面に導電部14aが配置されているため、ユーザがメモリタグ14の導電部14aに対して触れることを抑制できる。
【0187】
メモリタグ14の導電部14aは、画像形成装置1に対して、第1方向と交差する方向(好ましくは直交する方向)と、回転軸線zの周りの回転方向についての位置決めされる補給ベース13に配置されている。したがって、導電部14aと、画像形成装置1のコネクタ電極250aの位置ずれを抑制することができる。
【0188】
(実施例2)
次に、本発明の第2実施例について、
図22(a)、
図22(b)を用いて説明する。なお、実施例1と同様の部分に関しては、同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0189】
本実施例においては、メモリタグ14とは構成の異なるメモリユニット24を用いる点が、実施例1と異なっている。
【0190】
図22は、本実施例に係るメモリユニットを説明する図である。
図22(a)は本実施例に係るメモリユニット24を説明する図である。
図22(b)は、本実施例におけるメモリユニット24の配置を説明する図である。
【0191】
実施例1で示したメモリタグ14は、メモリ14dと導電部14aが、一つの基板に保持されていた。しかし、本実施例におけるメモリユニット24は、
図22(a)、
図22(b)に示すように、導電部14aを保持する保持部14bに対して、メモリ14dが離れた位置に配置されている。導電部14a(第1電極14a1、第2電極14a2)とメモリ14dとは、導電経路(信号線)14eによって電気的に接続される。
【0192】
本実施例におけるメモリ14dは、補給ベース13とシャッタ部材11の間の空間に配置されている。一方で、導電部14aを保持する保持部14bは、実施例1のメモリタグ14と同じようにトナーパック10の補給ベース13に固定されている。
【0193】
以上、第一の実施例においては、電極部14aと記憶素子14dを一体的に設ける構成としたが、本実施例によれば、メモリ14dを導電部14aから離れた位置に配置できる。従って、メモリ14dの配置の自由度が高まり、大きなサイズのメモリ14dを用いることが可能となる。
【0194】
(変形例)
図23は、変形例に係るトナーを収容する容器部の説明図である。トナーを収容する容器部(容器)の形状は、パウチ16のような袋形状に限られない。例えば、トナーを収容するための容器部として、トナーの収容部が形成されたボトル116を用いることもできる。
【0195】
本実施例におけるトナー補給容器410は、ボトル116、実施例1で示した補給ベース13、シャッタユニット102を備える。
【0196】
ボトル116は、トナーを収容する収容部116dを形成する壁116eを備える。ボトル116には、収容部116dからトナーを排出するための開口部116aが形成されている。ボトル116は、開口部116aに実施例1で示した補給ベース13を取り付けて、パウチ16と同様に使用することができる。なお、補給ベース13は、拡張部材15のような部材を介してボトル116に取り付けられてもよい。
【0197】
この際、ボトル116は可撓性を有することが好ましい。さらに、ボトル116の剛性は、補給ベース13の剛性よりも低いことが好ましい。本実施例においては、トナー補給容器410が画像形成装置1に取り付けて使用するときと同じ姿勢をとり、排出口13aからトナーが排出可能な状態で、ボトル116を変形させ、トナーを排出することができる。この際、ボトル116は、収容部116dの少なくとも一部において、回転軸線zに直交する方向に100N以下の力が作用した時に、収容部116dが10%以上圧縮されるように構成されることが好ましい。より好ましくは、ボトル116は、収容部116dの少なくとも一部において、回転軸線zに直交する方向に40N以下(より好ましくは20N以下)の力が作用した時に、収容部116dが25%以上(より好ましくは50%以上)圧縮されるように変形可能であることが好ましい。
【0198】
本変形例に係るボトル116の壁116eは、樹脂製であることが好ましい。また、壁116eの厚みは1mm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。本実施例において、壁14eの厚みは100~300μmである。壁116eの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0199】
(その他の変形例)
上述の実施例では、現像ローラ412は感光ドラム411と接触して静電潜像を現像する。しかし、現像ローラ412と感光ドラム411の間に隙間が形成された状態で、現像ローラ412が静電潜像を現像する構成を採用することもできる。
【0200】
上述の実施例では、感光ドラム411上に残存したトナーをクリーニングユニット413によってクリーニングする。しかし、感光ドラム411上に残存したトナーを現像ローラ412を介して収容部418に回収する構成を採用することもできる。
【0201】
上述の実施例では、現像剤として、非磁性一成分現像剤を用いることができる。しかし、非磁性一成分現像剤以外の現像剤を用いることもできる。例えば、磁性一成分現像剤、二成分現像剤を用いることもできる。
【0202】
また、パウチ16あるいはボトル116のような容器部と、補給ベース13とが、一体的に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0203】
11 シャッタ部材
11w 交差壁
11w1 貫通穴
13 補給ベース
13a 排出口
131 基板設置部
14 メモリタグ
14a 導電部
14a1 第1電極
14a2 第2電極
14a11 第1露出面
14a21 第2露出面
16 パウチ
116 ボトル
102 シャッタユニット
z 回転軸線