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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240805BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20240805BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240805BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G15/01 Y
G03G15/00 303
B41J29/38 350
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020203548
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2022090938
(43)【公開日】2022-06-20
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】土士田 享彬
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-236684(JP,A)
【文献】特開2014-170195(JP,A)
【文献】特開2009-192463(JP,A)
【文献】特開2011-170053(JP,A)
【文献】特開2001-127964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/01
G03G 15/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から排出されたシート上の画像を読み取る画像読取装置であって、
シートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送されたシート上を、シートが前記搬送手段により搬送される搬送方向とは異なる所定方向に移動しながらシート上の前記画像を照射する光源と、
前記搬送手段により搬送されたシート上を前記所定方向に移動しながらシート上の前記画像を読み取る読取センサと、
画像形成装置用のカラープロファイルを作成するための第1画像を前記読取センサが読み取る場合、前記光源を第1時間発光させた後に前記読取センサに第1シート上の前記第1画像を読み取らせ、前記画像形成装置により形成される画像の主走査方向の濃度ムラを検知するための第2画像を前記読取センサが読み取る場合、前記光源を前記第1時間より短い第2時間発光させた後に前記読取センサに第2シート上の前記第2画像を読み取らせる制御手段と、を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記光源は、前記搬送手段による搬送が停止された状態で、シート上を前記所定方向に移動しながら前記画像の第1領域を照射し、
前記読取センサは、前記搬送手段による搬送が停止された状態で、シート上を前記所定方向に移動しながら前記画像の前記第1領域を読み取り、
前記搬送手段は、前記読取センサにより前記第1領域が読み取られた後、前記画像の前記第1領域とは異なる第2領域を読み取るためにシートを搬送し、
前記光源は、前記搬送手段による搬送が停止された状態で、シート上を前記所定方向に移動しながら前記画像の前記第2領域を照射し、
前記読取センサは、前記搬送手段による搬送が停止された状態で、シート上を前記所定方向に移動しながら前記画像の前記第2領域を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記第1画像は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックを用いた混色画像を含み、
前記第2画像は、シアンの画像、マゼンタの画像、イエローの画像、及びブラックの画像を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第1画像は、前記第1シートにおいて前記所定方向の異なる位置に形成された異なる色の画像を含み、
前記第2画像は、所定色の帯画像を含み、前記帯画像の長手方向は前記搬送方向と異なることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記第1画像は色の異なる複数の画像を含み、
前記第2画像は色の異なる複数の画像を含み、
前記第2画像に含まれる前記複数の画像の色の数は、前記第1画像に含まれる前記複数の画像の色の数より少ないことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記所定方向に移動するキャリッジを備え、
前記キャリッジは、前記光源と前記読取センサを有することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項7】
基準部材をさらに備え、
前記制御手段は、前記光源に前記基準部材を照射させ、前記読取センサに前記基準部材を読み取らせ、前記光源の発光強度を前記読取センサによる前記基準部材の読取結果に基づいて制御することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記光源は、前記第1画像を前記読取センサが読み取る場合、前記所定方向においてシートが通過する領域外で前記第1時間発光し、
前記光源は、前記第2画像を前記読取センサが読み取る場合、前記所定方向においてシートが通過する領域外で前記第2時間発光することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記読取センサは、前記画像からの反射光を分光する回折格子と、前記回折格子により分光された前記反射光を受光する複数の画素を有する受光部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項10】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
シートを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された前シート上を、シートが前記搬送手段により搬送される搬送方向と異なる所定方向に移動しながらシート上の前記画像を照射する光源と、
前記搬送手段により搬送されたシート上を前記所定方向に移動しながらシート上の前記画像を読み取る読取センサと、
画像形成装置用のカラープロファイルを作成するための第1画像が前記画像形成手段により第1シートに形成された場合、前記光源を第1時間発光させた後に前記読取センサに前記第1シート上の前記第1画像を読み取らせ、画像の主走査方向の濃度ムラを検知するための第2画像が前記画像形成手段により第2シートに形成された場合、前記光源を前記第1時間より短い第2時間発光させた後に前記読取センサに前記第2シート上の前記第2画像を読み取らせる制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記光源は、前記搬送手段による搬送が停止された状態で、シート上を前記所定方向に移動しながら前記画像の第1領域を照射し、
前記読取センサは、前記搬送手段による搬送が停止された状態で、シート上を前記所定方向に移動しながら前記画像の前記第1領域を読み取り、
前記搬送手段は、前記読取センサにより前記第1領域が読み取られた後、前記画像の前記第1領域とは異なる第2領域を読み取るために前記シートを搬送し、
前記光源は、前記搬送手段による搬送が停止された状態で、シート上を前記所定方向に移動しながら前記画像の前記第2領域を照射し、
前記読取センサは、前記搬送手段による搬送が停止された状態で、シート上を前記所定方向に移動しながら前記画像の前記第2領域を読み取ることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第1画像は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックを用いた混色画像を含み、
前記第2画像は、シアンの画像、マゼンタの画像、イエローの画像、及びブラックの画像を含むことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第1画像は、前記第1シートにおいて前記所定方向の異なる位置に形成された異なる色の画像を含み、
前記第2画像は、所定色の帯画像を含み、前記帯画像の長手方向は前記搬送方向と異なることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1画像は色の異なる複数の画像を含み、
前記第2画像は色の異なる複数の画像を含み、
前記第2画像に含まれる前記複数の画像の色の数は、前記第1画像に含まれる前記複数の画像の色の数より少ないことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記所定方向に移動するキャリッジを備え、
前記キャリッジは、前記光源と前記読取センサを有することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項16】
基準部材をさらに備え、
前記制御手段は、前記光源に前記基準部材を照射させ、前記読取センサに前記基準部材を読み取らせ、前記光源の発光強度を前記読取センサによる前記基準部材の読取結果に基づいて制御することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記光源は、前記第1画像を前記読取センサが読み取る場合、前記所定方向においてシートが通過する領域外で前記第1時間発光し、
前記光源は、前記第2画像を前記読取センサが読み取る場合、前記所定方向においてシートが通過する領域外で前記第2時間発光することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記読取センサは、前記画像からの反射光を分光する回折格子と、前記回折格子により分光された前記反射光を受光する複数の画素を有する受光部とを含むことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート上の測定用画像を測定する光学センサの予備発光制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置は、レーザープリンターや複合機と呼ばれるオフィス市場に留まらず、商業印刷市場への参入を加速させている。
【0003】
これは、印刷物を商品にしている市場において、従来のオフセット印刷機と比較して少部数、且つ、多品種の印刷要求に短期間、且つ、低コストで実現できることに起因している。他方、画質を評価する項目としては、粒状性、面内一様性、文字品位、色再現性などがあるが、その中でも色再現性は重要となっている。色再現性は、印刷原稿の色味と同一の色味を出力する能力である。近年の画像形成装置は、シートに定着させた測定用画像を測定した結果に基づいて画像の濃度や色を制御するため、前記シートが搬送される搬送経路に光学センサを設けている。この光学センサは、発光部が発光を開始した直後に発光部が発熱してしまうので、発熱部の発光が安定せず、高精度に測定用画像を測定できない可能性がある。
【0004】
そこで、特許文献1の画像形成装置は、測定用画像を測定する前に発光部を発光させ、発光部からの熱によってセンサの温度が十分に上昇した後に測定用画像の測定を実施している。これは予備発光と呼ばれる。センサの温度が十分に上昇した状態であれば、温度変化が小さくなり、高精度に測定用画像を測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-111379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の画像形成装置は、予備発光に要する時間を、階調調整が事前に実行されているか否かに応じて切り替えている。具体的に述べると、特許文献1に記載の画像形成装置は、階調調整が前もって実行されていれば、多次色補正を開始する前に発光部を5秒間発光させ、階調調整が前もって実行されていなければ、多次色補正を開始する前に発光部を20秒間発光させる。これは、階調調整が前もって実行されていれば、階調調整の実行前に既に20秒間予備発光が実施されており、センサの温度が上昇した状態だからである。
【0007】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置は、階調調整のみが実行される場合も多次色補正のみが実行される場合も発光部が20秒間発光する。つまり、特許文献1に記載の画像形成装置はキャリブレーションの種類によらず発光時間が所定時間になっている。
【0008】
そのため、特許文献1の画像形成装置は、キャリブレーションの実行が指示されてから測定用画像を測定し終えるまでの時間(ダウンタイム)が長くなってしまうという課題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、キャリブレーションの種類に適した予備発光を実行することで、予備発光に要する時間が過剰に長くなることを抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の画像読取装置は、画像形成装置から排出されたシート上の画像を読み取る画像読取装置であって、シートを搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送されたシート上を、シートが前記搬送手段により搬送される搬送方向とは異なる所定方向に移動しながらシート上の前記画像を照射する光源と、前記搬送手段により搬送されたシート上を前記所定方向に移動しながらシート上の前記画像を読み取る読取センサと、画像形成装置用のカラープロファイルを作成するための第1画像を前記読取センサが読み取る場合、前記光源を第1時間発光させた後に前記読取センサに第1シート上の前記第1画像を読み取らせ、前記画像形成装置により形成される画像の主走査方向の濃度ムラを検知するための第2画像を前記読取センサが読み取る場合、前記光源を前記第1時間より短い第2時間発光させた後に前記読取センサに第2シート上の前記第2画像を読み取らせる制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、予備発光に要する時間が過剰に長くなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】画像形成装置の概略断面図
図2】画像形成装置の制御ブロック図
図3】測色センサに搬送されたチャートの模式図
図4】測定装置の制御ブロック図
図5】測色センサの要部断面図
図6】測定用画像の分光反射率を生成するシーケンスの説明図
図7】測色センサの温度遷移図
図8】カラープロファイル作成用チャートの模式図
図9】主走査シェーディング用チャートの模式図
図10】測色センサの温度遷移図
図11】測定シーケンスを示すフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
図1は、画像形成装置の概略断面図である。画像形成装置は、印刷物を生成するプリンタ100と、印刷された画像をセンサで測定し各種調整制御を実行する測定装置200と、シートに対して後処理(ソート処理、ステイプル処理等)を行うフィニッシャ300とを備える。
【0014】
プリンタ100は、原稿から読み取った画像データもしくはPCなどから受信した画像データに基づいてシートに画像を形成する。プリンタ100は、感光体、帯電器、露光装置、現像器、転写装置、及び定着器を有する。プリンタ100は、帯電器が感光体を帯電し、感光体に静電潜像を形成するために露光装置が画像データに基づいて感光体を露光し、現像器が感光体上の静電潜像をトナーを用いて現像する。こうして感光体上に形成されたトナー像は転写装置によりシートに転写され、定着器の熱によってトナー像がシートに定着される。定着器によりトナー像が定着されたシートはプリンタ100から排出され、プリンタ100の後続の測定装置200の搬送経路へ供給される。ファン120はプリンタ100内に設けられた負荷である。ファン120は不図示の電源回路から電源供給され、定着器から測定装置200へ搬送されるシートを冷却する。
【0015】
測定装置200はシートに形成された測定用画像を測定する。画像形成装置は、プリンタ100により形成される画像の濃度(又は色)を調整する画像調整を実行する。画像形成装置はプリンタ100に画像調整の種類に対応したチャートを形成させる。チャートとは測定用画像が形成されたシートを指す。プリンタ100は、プリンタ100により形成される画像の濃度のムラを調整するための測定用画像をシートに形成することで主走査シェーディング用チャートを印刷する。また、プリンタ100は、プリンタ100により形成される画像の色を調整するための測定用画像をシートに形成することでカラープロファイル用チャートを印刷する。
【0016】
測定装置200は、測定用画像が形成されたシート(チャート)が供給されると、フラッパ210によりチャートを測色ユニット202の測定位置へ向けて搬送させる。フラッパ210はシートの搬送先を切り替える切替部材として機能する。測定装置200は、チャートが測色ユニット202の測定位置を通過した後、フラッパ211によってチャートをトレイ201へ向けて搬送させる。これによりチャートはトレイ201に排紙される。
【0017】
一方、測定用画像が形成されていないシートがプリンタ100から排出された場合、測定装置200は、シートを測定位置へと搬送しないよう、フラップ210、及び211によりシートをフィニッシャ300へ向けて搬送する。フィニッシャ300は、測定装置200から排出されたシートに対して、ユーザー指定の後処理を実施可能である。後処理とは例えばソート処理やステイプル処理である。フィニッシャ300は、後処理が実施されたシートをトレイ310へ向けて搬送する。なお、フィニッシャ300は測定装置200から排出されたシートに後処理を実施しない場合も当該シートをトレイ310へ搬送する。
【0018】
図2は、画像形成装置の制御ブロックである。
【0019】
プリンタコントローラ150はプリンタ100の各部を制御する。またプリンタコントローラ150は操作パネル172と通信可能になっている。プリンタコントローラ150は操作パネル172を介してユーザー指示情報を受信したり、操作パネル172の表示を制御する。プリンタコントローラ150はCPU151、ROM152、RAM153、制御回路154、レーザドライバ回路155を有する。CPU151はROM152に格納された制御プログラムに基づいて命令を実行する。制御回路154はCPU151からの指令に基づいてファン120の回転を制御する。レーザドライバ回路155は感光体を露光する露光装置のレーザ光源156を制御する。プリンタ100は、レーザ光源156が感光体を露光するレーザ光の強度や露光時間を制御し、シートに付着するトナーの付着量を調整し、シートに形成される画像の濃度を制御する。
【0020】
CPU151は通信インターフェース(通信I/F)161を介して測定装置200のコントローラ250やフィニッシャ300のコントローラ350と通信可能である。また、CPU151は測定装置200やフィニッシャ300の電源供給を制御することができる。
【0021】
また、プリンタコントローラ150は、イメージプロセッサ51を有する。イメージプロセッサ51はプリンタ100の色空間に適した画像データを生成するカラーマネジメントモジュール(CMM)52を有する。CMM52は、例えば、モニタに依存した画像データ(RGBデータ)をデバイス非依存の色空間の画像データへ変換し、デバイス非依存の色空間の画像データをプリンタ100の色空間の画像データ(CMYKデータ)へ変換する。CMM52は、デバイス非依存の色空間の画像データをプリンタ100の色空間の画像データ(CMYKデータ)へ変換するため、カラープロファイルに基づいて画像データを変換する。カラープロファイルは例えば三次元の入力値を四次元の出力値へ変換する多次元変換テーブルである。
【0022】
さらにイメージプロセッサ51はプリンタ100により形成される画像の階調特性(濃度特性)が理想的な階調特性となるように画像データを変換する階調補正部53を有する。階調補正部53は、CMM52により生成された画像データを色成分に対応する一次元の変換テーブルに基づいて変換する。一次元の変換テーブルは階調補正テーブルと呼ばれる。プリンタコントローラ150は、イメージプロセッサ51から転送された画像データ(CMYKデータ)に基づきレーザドライバ回路155を制御し、シートに画像を形成する。
【0023】
コントローラ250は測定装置200のセンサや各負荷(搬送ローラ、フラッパ210、及び211)制御し、通信インターフェース(通信I/F)261によってプリンタコントローラ150やフィニッシャ300のコントローラ350との通信を行う。
【0024】
コントローラ350はフィニッシャ300の各負荷(搬送ローラ、パンチユニット、ステイプルユニットなど)を制御し、通信インターフェース(通信I/F)361によってプリンタコントローラ150や測定装置200のコントローラ250との通信を行う。
【0025】
図3は、測色ユニット202の構成を示した図である。
【0026】
測定装置200へ供給されたチャートは測色ユニット202の測定位置へ向けて搬送される。測色センサ2001aは用紙搬送方向と直交する方向に移動する。なお、測定位置とは測色センサ2001aが測定用画像を測定する搬送経路上の位置に相当する。
【0027】
測色センサ2001aは、測色センサホルダー2001bに保持されており、測色センサホルダー2001bは走査方向に移動するためのレール2006と連結されている。なお、測色センサ2001aと測色センサホルダー2001bを合わせて測色キャリッジ2001と呼ぶ。測色キャリッジ2001は、モータ204(図4)により、レール2006上を移動する。
【0028】
測色キャリッジ2001は、チャートが測定位置に到達する際、チャートが搬送される領域外に退避している。具体的には、測色キャリッジ2001は基準部材の真上に位置している。基準部材は例えば白色の白色基準板2002とする。測定装置200は、測色キャリッジ2001の位置を検知するための位置検知センサ2005a、及び2005bを有する。位置検知センサ2005aにより測色キャリッジ2001が検知されたタイミングから測色キャリッジ2001を所定量移動させることで測色センサ2001aが白色基準板2002の真上に移動する。
【0029】
チャートは、所定サイズの四角形の測定用画像を2次元配列状に多数配置した構成となっている。また、チャートの背面はバッキング部材2003により支持される構成となっている。
【0030】
測色動作時の測色キャリッジ2001と、チャート搬送制御の動作に関して説明する。チャートは搬送ローラ2004aと2004bにより測色ユニット202内の所定の位置で停止する。
【0031】
測色キャリッジ2001が最初に検知する測定用画像は、用紙搬送方向に直交する方向で端部領域に形成されたトリガパッチである。トリガパッチの検知タイミングに基づき2つ目以降(Patch1、Patch2等)の測定用画像を検知するタイミングが制御される。測色キャリッジ2001が一列目の測定用画像を測定し終えると、測色キャリッジ2001は、位置検知センサ2005bに検知されるまで移動する。位置検知センサ2005bにより測色キャリッジ2001が検知された後、測色キャリッジ2001は停止する。
【0032】
その後、測定装置200は、搬送ローラ2004a、2004bにより、チャートを用紙搬送方向に測定用画像1列分の長さに相当する移動量だけ搬送する。そして、測色キャリッジ2001は逆方向に移動しながら2列目の測定用画像の列を測定する。測色センサ2001aが奇数列目の測定用画像を測定する場合、測色キャリッジ2001は1列目の測定用画像の測定と同じ第一方向へ移動しながら測定を行う。また、測色センサ2001aが偶数列目の測定用画像を測定する場合、測色キャリッジ2001は2列目の測定用画像の測定と同じ第二方向へ移動しながら測定を行う。
【0033】
図4は、測定装置200の制御ブロック図である。CPU251はROM252に格納されているプログラムに基づいて測定装置200の各部を制御する。RAM253はシステムワークメモリとして機能する。制御回路254は、モータ204、及び205を制御したり、位置検知センサ2005a、及び2005bから検知結果を取得する。また、CPU251は、測色センサ2001aのCPU24(図5)と通信可能に接続されている。
【0034】
モータ204は、測色キャリッジ2001をレール2006に沿って移動させるための駆動源である。モータ205は、搬送ローラ2004a、2004bを駆動するための駆動源である。なお、制御回路254は、測定装置200内の各搬送ローラを制御するための不図示のモータ、SL、フォトセンサも制御している。
【0035】
図5は、測色センサ2001aの構成を説明する図である。測色センサ2001aは、分光センサとなっている。測色センサ2001aは、光を発する光源20、光源20からの光を測定用画像へ導くライトガイド21、測定用画像から反射された光を分光する回折格子22、及び回折格子22により分光された光を受光するラインセンサ23を備える。発光部として機能する光源20は例えば白色LEDである。ラインセンサ23は複数の画素が所定方向に並んだ受光部である。各画素は受光強度に応じた出力値を出力する。回折格子22により分光された光に対応するラインセンサ23の各画素の出力値は反射光の波長ごとの強度を示すデータである。CPU24は、ROM25に格納されたプログラムに基づいて、光源20、ラインセンサ23を制御する。
【0036】
また、CPU24は測定用画像の分光反射率を求めるためラインセンサ23から出力された測定データに基づき演算処理を行う。図6は、分光反射率を演算するまでの処理フローを説明するための図である。CPU24は、光源20を発光する前にラインセンサ23の暗電圧を測定する(図6(a))。次に、CPU24は、白色基準板2002からの反射光を測定する。CPU24は、白色基準板2002の測定結果に基づき光源20の光量調整を実施する。光量調整は、ラインセンサのピーク出力値(Vpeak)が目標値(Vtar)と等しくなるように、光源20の光量(発光強度)を調整する(図6(b))。これは光源20の寿命や、測色センサ2001の窓面の汚れ、白色基準板2002の汚れに起因したラインセンサ23の出力の変動を補正するために行っている。次に、CPU24は、調整された光量で白色基準板2002の測定データを取得し(図6(c))、ラインセンサ2002に入射した光の位置ズレ量(α)を測定データ(図6(c):実線)に基づいて決定する。位置ズレ量(α)は、測色センサ2001の工場出荷時に測定した白色基準板の測定データ(図6(c):破線)と比較して算出される。なお、工場出荷時に測定した白色基準板の測定データを初期データと呼ぶ。初期データは予めROM25に格納されている。CPU24は、位置ズレ量(α)に基づきラインセンサ23の画素と波長域との対応関係を修正する(図6(d))。本補正をディストーション補正と呼ぶ。また、画素毎の出力値を波長毎の出力値に変換することを画素波長変換と呼ぶ。その後、CPU24は、測定用画像を測定し、測定用画像の測定データに暗電圧補正、及び画素波長変換処理を実行する。次いで、CPU24は、白色基準板2002の測定データと測定用画像の測定データとから測定用画像の分光反射率Rpを算出する(図6(e))。以上、測定用画像の測定を行うための測色センサ2001の動作フローになる。
【0037】
次に、光源20の発熱による影響について説明する。光源20が発光を開始した直後は光源20の温度が急峻に上昇する。LEDの特性においては、電流が一定であってもLEDの熱により、発光スペクトル及び発光量が変動することが知られている。これを防ぐために、白色基準板2002を測定する前に、光源20を前もって発光させる。光源20が発光することで光源20の温度は上昇する。このとき、光源20の発光量を測定用画像を測定する際の発光量より大きな発光量で発光することが好ましい。これは予備発光と呼ばれる。次に予備発光の効果について説明する。
【0038】
図7(a)は、予備発光しない場合の光量調整開始から測定用画像の測定までの光源20の温度推移を示したものである。Ts1は光源20の温度が安定した時間を示している。また、同図に記載している白色キャリブレーションとは、上述した白色基準板2002の測定データを取得する処理とディストーション補正を示したものである。図7(a)で示したように、白色キャリブレーション及び測定用画像の測定をしている間、光源20の温度が安定しないため光源20の発光スペクトル及び発光量が変動してしまう。これにより、測色センサ2001は測定精度が低下する。これを防ぐためには、白色キャリブレーションを温度がほぼ飽和温度で安定するTs1以降に行うことが好ましい。しかし、予備発光が実行されない場合、Ts1まで白色キャリブレーションが実行されないので、光量調整開始から測定用画像の測定までに要する時間が増大してしまう。
【0039】
図7(b)は、予備発光する場合の予備発光開始から測定用画像の測定までの光源20の温度推移を示したものである。図7(b)に示したTp1は予備発光に要する時間(予備発光時間)、Ts2は光源20の温度が安定した時間を示している。予備発光した場合に光源20が発光を開始してから光源20の温度がほぼ飽和温度で安定するまでに要する時間Ts2は、予備発光しない場合の時間Ts1と比べて非常に短くなっている。また、Ts2は白色キャリブレーションを実行する前であるので、白色キャリブレーション、及び測定用画像の測定は光源20の発光スペクトル及び発光量が安定している。そのため、測色センサ2001は高い精度で測定を実行できる。このように予備発光をすることで光源の熱を短時間で飽和温度で安定させることができるので、画像調整に要する時間を短縮できる。以上が、予備発光動作の効果の説明である。
【0040】
次に、画像形成装置における画像調整モードについて説明する。画像形成装置は、カラープロファイル作成制御と、主走査シェーディング調整とを含む複数の画像調整モードを実行可能である。
【0041】
(カラープロファイル生成制御)
図8(a)はカラープロファイル作成用チャートの模式図である。カラープロファイル作成用チャートはIS012642-2で定められた1617色の測定用画像から構成される。本チャートは混色の測定用画像を含む。混色の測定用画像は、プリンタ100により各色成分(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の濃度を様々に変更して形成される。CPU24は、各測定用画像を測色センサ2001aにより測定し、測定用画像毎の分光反射率を算出し、各測定用画像の分光データ(例えば、L*a*b*値)を分光反射率に基づいて生成する。各測定用画像の色成分の配分と測定用画像の分光データ(実測結果)との関係を示したのが図8(b)のCMYK-L*a*b*テーブルである。ここで、L*a*b*値とは、国際照明委員会が策定した色空間における座標を示す値である。L*が色の明度を示し、a*がマゼンタの緑の間の位置を示し、b*が黄色と青の間の位置を示している。
【0042】
CPU151は、カラープロファイル作成用チャートの分光データ(実測結果)に基づいてCMYK-L*a*b*の変換テーブルを作成する。CPU151は、デバイス非依存の色空間データとL*a*b*値との対応関係を参照することで、カラープロファイル作成用チャートの測定結果からカラープロファイルを生成する。CMM52は、入力された画像データをデバイス非依存の色空間の画像データへ変換し、当該変換された画像データをカラープロファイルに基づいてプリンタ100の色空間の画像データ(CMYKデータ)へ変換する。CMM52がソース色空間からプリンタ100の色空間へデータ変換を行うことで、プリンタ100は高い色再現性を実現している。
【0043】
(主走査シェーディング調整)
主走査シェーディング調整は、主走査全域の濃度むらを補正する制御である。
【0044】
図9は主走査方向における濃度補正を行うためのシェーディング用チャートの模式図である。シェーディング用チャートは色成分ごとに形成された複数の帯画像(測定用画像)で構成されている。シェーディング用チャートは、混色の測定用画像を含まず、単色の帯画像(測定用画像)で構成されている。単色の帯画像は、イエローの帯画像、マゼンタの帯画像、シアンの帯画像、及びブラックの帯画像である。シェーディング用チャートは用紙搬送方向に直交する方向(主走査方向)において複数のエリアに分割して測定が行われる。主走査方向のエリアの数は例えば23エリアとする。各エリアの濃度は、例えば、1エリアにおいて10箇所の測定点の分光反射率から濃度を求め、10個の測定濃度を平均した値である。また、測色センサ2001aは用紙搬送方向で異なる位置に形成された同じ色の帯画像をスキャンする。つまり、測色センサ2001aは、シートの先端側に形成された所定の色の帯画像を図9の左から右へ移動しながらスキャンし、シートの後端側に形成された所定の色の帯画像を図9の右から左へ移動しながらスキャンする。CPU151は、主走査方向における同じエリアの濃度を、2回のスキャンで取得された測定濃度を平均化することで求める。また、シェーディング用チャートには各スキャンのタイミングを制御するためのトリガパッチが形成されている。そのため、トリガパッチを含む両端のエリアにおいては、トリガパッチを除いた帯画像の測定濃度のみで、濃度値を求めている。
【0045】
CPU151は、各エリアの濃度を主走査方向で合算し、合算結果をエリアの数でわり算することで平均濃度を求め、さらに平均濃度と各エリアの濃度との差Δd1,Δd2…Δd23を算出する。CPU151は、濃度差分Δd1,Δd2…Δd23に基づいて、レーザ光源156のレーザ光の強度をエリアごとに調整することで、主走査方向における濃度ムラを補正している。
【0046】
(予備発光時間の調整)
カラープロファイル作成制御において1枚のシートに形成される測定用画像の種類は、主走査シェーディング調整において1枚のシートに形成される測定用画像の種類より多い。また、主走査シェーディング調整において1枚のシート上の測定用画像が形成される領域の用紙搬送方向の長さは、カラープロファイル作成制御において1枚のシート上の測定用画像が形成される領域の用紙搬送方向の長さより短い。そのため、カラープロファイル作成制御において1枚のシート上に形成された全ての測定用画像を測定し終えるまでの時間は、主走査シェーディング調整において1枚のシート上に形成された全ての測定用画像を測定し終えるまでの時間に比べて長くなる。
【0047】
また、主走査シェーディング調整は、主走査方向の濃度のムラを検知できれば良いので、発光スペクトルや発光量が多少変動しても、主走査方向の各エリアの相対的な濃度の差を求められればよい。一方、カラープロファイル作成制御は、測定用画像の色を検知しなければならないので発光スペクトルや発光量の変動を抑制できればより高精度な補正が可能となる。
【0048】
予備発光は、全ての測定用画像の測定完了までの期間で画像調整モードに適した測色センサ2001aの測定精度が担保できれば良い。そのため、画像形成装置は、予備発光に要する時間(予備発光時間)を主走査シェーディング調整とカラープロファイル作成制御で異なる時間に設定している。より具体的には、主走査シェーディング調整において実行される予備発光時間がカラープロファイル作成制御において実行される予備発光時間より短い時間に設定されている。これにより、画像調整に要する時間を最適化している。
【0049】
カラープロファイル作成制御では、予備発光時間が図7(b)で示したようにTp1必要となる。発明者の実験によればTp1は60秒である。予備発光時間が60秒であれば、光源20の温度が飽和温度に近い温度となった状態で白色キャリブレーションを実行することが可能となる。そこで、CPU151は、カラープロファイル作成制御時の予備発光において、チャートが測定位置へ到達する前から光源20を60秒(第1の予備発光時間)発光させる。そして、CPU151は第1の予備発光時間発光させた後、白色キャリブレーションへ処理を移行する。なお、第1の予備発光時間が経過した場合、光源20が一度消灯されてもよいし、光源20が点灯したまま白色キャリブレーションへ処理が移行されてもよい。
【0050】
一方、主走査シェーディング調整では、予備発光時間がTp2必要となる。発明者の実験によればTp2は30秒である。予備発光時間が30秒であれば、光源20の温度が飽和温度より低い温度まで上昇する。これにより、主走査シェーディング調整では、白色キャリブレーションや測定用画像の測定中に温度が上昇してしまうが、主走査シェーディング調整で求められる測定精度は十分に担保することができる。CPU151は、主走査シェーディング調整時の予備発光において、チャートが測定位置へ到達する前から光源20を30秒(第2の予備発光時間)発光させる。そして、CPU151は第2の予備発光時間発光させた後、白色キャリブレーションへ処理を移行する。なお、第2の予備発光時間が経過した場合、光源20が一度消灯されてもよいし、光源20が点灯したまま白色キャリブレーションへ処理が移行されてもよい。
【0051】
図10に予備発光時間Tp2を30秒とした場合の光源20の温度推移を示した。予備発光時間を60秒から30秒へ短縮したので、予備発光開始から温度が飽和するまでの時間はTs3必要となる。そのため、白色キャリブレーションや測定用画像の測定では未だ温度が飽和していない状態となっている。しかし、予備発光をしたことにより、Tp2経過後の温度変化は緩やかになっている。そのため、主走査シェーディング調整においては、測定精度を担保することが可能である。
【0052】
次に、実際の測色制御時の動作フローを図11で説明する。図11は、主走査シェーディング調整を実行した際のCPU251の動作フローである。ユーザーにより、プリンタ100の操作パネル172、又は、不図示のPCを通して主走査シェーディング制御指令が実行される(S101)。次に、予備発光時間をTp2(30秒)、測色キャリッジ2001で走査する回数をNsにセットする(S102)。ここでNsは、チャートの主走査パッチ列の数を示したものである。通常はシートのサイズ毎にパッチレイアウトがプリンタ100に登録されている。そのため、チャートのサイズに応じてNsは可変する必要がある。次に、CPU251は、測色キャリッジ2001の初期位置出し制御を実行する(S103)。初期位置出し制御は、位置検知センサ2005a及び、2005bの信号出力をもとに、測色キャリッジ2001の現在位置を把握して実行される。位置検知センサ2005aが検知された場合は、測色キャリッジ2001を位置検知センサ2005bの方向に位置検知センサS2005aが非検知になるまで移動させる。その後、モータ204の回転方向を反転させ、再び位置検知センサで検知させ、所定の移動量で停止させる。これにより、白色基準板2002の直上に測色キャリッジ2001を移動させることが可能となる。次に、プリンタ100よりチャートが出力される。CPU251は、測定装置200内の測色ユニット202の所定の位置までチャートが搬送する(S104)。次に、CPU251は、測色センサ2001aの予備発光を開始する(S105)。予備発光時間が、目標時間Tp2に達したか判断(S106)し、目標時間になった場合は、予備発光を停止する(S107)。次に、CPU251は、測色センサ2001aのキャリブレーション動作を実施する(S108)。キャリブレーション動作は、暗電流補正、光量補正、ディストーション補正が行われる。次に、CPU251は、走査制御を実行する(S109)。走査制御は、測色キャリッジ2001を駆動し、チャート上の主走査方向のパッチ列、1列分の読取動作である。1列分の走査制御が終了すると、走査した回数が目標回数Nsに到達したか判定する(S110)。目標回数未満である場合は、パッチの副走査方向のサイズに相当する距離だけチャートを搬送し(S111)、再び走査制御を実施する。CPU251は、S110において、目標回数であると判定された場合、チャートをトレイ201に排紙し、主走査シェーディング調整の測色制御を終了する。以上が、主走査シェーディング調整を実行した場合のCPU251の動作フローである。なお、本フローで読取動作した結果は、プリンタ100に送られ、濃度調整が実行される。
【0053】
次に、カラープロファイル作成制御を実行した場合の動作フローを説明する。カラープロファイル作成制御では、主走査シェーディング調整の動作フローのS102で行っている予備発光時間と読取列数の設定を変更するのみであり、それ以外は主走査シェーディング調整と同じ動作フローである。カラープロファイル作成制御では、予備発光時間をTp1、読取列数をNpと設定している。また、Tp1>Tp2、Np>Nsとなっている。カラープロファイル作成制御においても、読取結果がプリンタ100に送られ、カラープロファイルが作成される。以上が、測色制御動作の動作フローである。
【符号の説明】
【0054】
100 プリンタ
2004a 搬送ローラ
2004b 搬送ローラ
20 光源
23 ラインセンサ
2001 測色キャリッジ
151 CPU
Tp1 予備発光時間
Tp2 予備発光時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11