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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/18 20200101AFI20240806BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20240806BHJP
   H05B 47/115 20200101ALI20240806BHJP
   H05B 47/125 20200101ALI20240806BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240806BHJP
【FI】
H05B47/18
H05B47/11
H05B47/115
H05B47/125
H05B47/19
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020205482
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022092654
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】岩坪 幸喜
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-009535(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0245451(US,A1)
【文献】特開2019-029099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/18
H05B 47/11
H05B 47/115
H05B 47/125
H05B 47/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明空間を照明する第1照明器具と第2照明器具と
前記第1照明器具及び/又は前記第2照明器具を制御する照明コントローラと、
前記照明コントローラと前記第1照明器具との間で通信を行う、特定のプロトコルによる第1通信手段と、
前記照明コントローラと前記第2照明器具との間で通信を行う、前記第1通信手段とは異なるプロトコルによる第2通信手段と、
を備える照明制御システムであって、
前記照明コントローラと前記第2通信手段との間には変換装置が設けられ、
前記変換装置は、前記第1通信手段のプトロコルによる信号と前記第2通信手段のプロトコルによる信号とを変換する変換機能、前記第2通信手段側に電源を給電する給電機能、前記第2通信手段に対して制御をおこなう制御機能を有する照明制御システム。
【請求項2】
前記第2通信手段は前記変換装置を介して、前記第1通信手段又は前記照明コントローラと通信する請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記第1通信手段及び前記第2通信手段は、相互に通信速度が異なる請求項1又は2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記第1通信手段及び前記2通信手段は、一方が動作不能なときにも、他方は動作可能である請求項1~3のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記変換装置は、前記照明コントローラからの第1アドレス情報、及び、前記第2通信手段のプロトコルによる第2アドレス情報を、相互に変換する請求項1~4のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記第1アドレス情報、及び、前記第2アドレス情報は、アドレス設定器及び/又は前記変換装置により自動的に設定される請求項5に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記変換装置はデータベースを備えており、前記第1照明器具及び/又は前記第2照明器具のアドレス情報、グループ情報、又は、シーン情報の少なくとも1つを記憶する請求項1~6のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記第1通信手段に接続されたスイッチ、及び/又は、前記第2通信手段に接続されたスイッチにより、前記第1照明器具及び/又は前記第2照明器具の個別制御、グループ制御、又は、シーン制御の少なくとも1つが可能である請求項1~7のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項9】
前記第2通信手段に接続されたスイッチ操作に対して、前記変換装置に記憶された情報に基づき前記第2通信手段に接続された照明が制御されると共に、
前記第2通信手段に接続されたスイッチ操作に対して、前記第1通信手段に接続された照明が制御される請求項1~8のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記照明コントローラは、前記第1通信手段に接続されたスイッチ、及び、前記第2通信手段に接続されたスイッチの表示を制御する請求項1~9のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項11】
前記照明コントローラは、前記第1通信手段に対してグループ制御情報を送信し、前記第2通信手段に対して照明パターン制御情報を送信することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項12】
前記第2通信手段にセンサが接続されている場合、前記センサの情報に応じて前記第2通信手段に接続されて前記第2照明器具が制御されると共に、
前記センサの情報は前記照明コントローラに通知されて、前記センサの情報に基づき前記第1通信手段に接続された前記第1照明器具が制御される請求項1~11のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【請求項13】
前記第1通信手段及び/又は前記第2通信手段には、前記第1照明器具及び/又は前記第2照明器具と同様にグループ制御可能なリレー端末が接続されている請求項1~12のいずれか1項に記載の照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から照明コントローラと複数の照明器具との間で所定の通信プロトコルにより通信することにより、照明コントローラが複数の照明器具を制御する技術が知られている。特許文献1では、有線変換器が照明コントローラに有線で接続され、有線変換器には複数の照明器具が有線で接続され、有線変換器が照明コントローラと照明器具との間でコマンド及び応答を変換及び中継し、照明コントローラと有線変換器との間の通信プロトコルが、照明コントローラと照明器具との通信プロトコルと異なる場合には、プロトコル変換を行う照明システムの技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-009535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されている照明システムでは、照明コントローラと全ての照明器具との間に有線変換器又は無線変換器等の変換器が必要であり、照明コントローラと照明器具との通信プロトコルが同じ場合であっても変換器を介する必要があるため、照明システムの構成が複雑となるという問題がある。
【0005】
例えば、照明制御システムにおいて、専用通信方式とDALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)とを連携するにあたり、サブシステム同士を接続する方式があるが、従来はコントローラが2個必要であり、連携の複雑さとコストが問題であった。
【0006】
本発明の目的は、通信プロトコルが異なる照明器具が混在した場合にも簡易な構成により適切に各照明器具を制御することが可能な照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の1つの態様の照明制御システムは、
照明空間を照明する第1照明器具と第2照明器具と
前記第1照明器具及び/又は前記第2照明器具を制御する照明コントローラと、
前記照明コントローラと前記第1照明器具との間で通信を行う、特定のプロトコルによる第1通信手段と、
前記照明コントローラと前記第2照明器具との間で通信を行う、前記第1通信手段とは異なるプロトコルによる第2通信手段と、
を備える照明制御システムであって、
前記照明コントローラと前記第2通信手段との間には変換装置が設けられ、
前記変換装置は、前記第1通信手段のプトロコルによる信号と前記第2通信手段のプロトコルによる信号とを変換する変換機能、前記第2通信手段側に電源を給電する給電機能、前記第2通信手段に対して制御をおこなう制御機能が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施態様によれば、通信プロトコルが異なる照明器具が混在した場合にも簡易な構成により適切に各照明器具を制御することが可能な照明制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における照明制御システムのブロック図である。
図2】実施の形態1における照明制御システムにおけるネットワークアドレス設定の動作シーケンス図である。
図3】実施の形態1における照明制御システムのグループ設置およびパターン設定の動作シーケンス図である。
図4】実施の形態1における照明制御システムのグループ操作およびパターン操作の動作シーケンス図である。
図5】実施の形態2における照明制御システムの人感センサの動作シーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る照明制御システムについて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するための照明制御システムを例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【0011】
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る照明制御システムについて、図1~4を参照して説明する。
【0012】
図1は、照明制御システムのブロック図である。照明コントローラ11にはPC設定器10がLAN17により接続されている。照明コントローラ11は専用BUSにより通信機能が搭載された各照明器具20(以下照明器具)等に接続されている。照明コントローラ11は専用BUS18を介して例えばリレー端末12及びスイッチ13に接続されている。また、照明コントローラ11は専用BUS18を介して増幅器14及びDALI増幅器15に接続されている。増幅器14には、専用BUS18を介して照明器具20及びスイッチ21等が接続されている。
【0013】
専用BUSとは、専用の規格の照明システムにおける伝送線のことであり、例えば三菱電機照明株式会社のFBUSを採用することができるが、本実施形態はこれに限定されるものでは無く、専用BUSとしては他の様々な方式の伝送線を採用することができる。
【0014】
DALI増幅器15には、DALI伝送線19を介してDALI規格の照明器具25、DALI規格のスイッチ26及びDALI規格のセンサ(照度センサ、人感センサ、画像センサを示す)27等のDALI規格の器具が接続されている。なお、本実施形態では専用BUSと連携する通信プロトコルとしてDALI規格を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものでは無く、通信規格としては他の様々な通信規格を採用することが可能である。なお、DALIは、Digital Addressable Lighting Interfaceの略であり、IEC62386に準拠した照明制御の国際標準通信規格である。なお、スイッチ13、スイッチ21又はスイッチ26としては、特に限定されるものではないが、例えば壁スイッチ等が挙げられる。
【0015】
照明コントローラ11により、専用BUS接続機器だけでなく、DALI増幅器15に接続されたDALI通信規格の機器を制御することが可能である。照明コントローラ11によりDALI規格機器を制御するために、本実施形態のシステムでは、DALI増幅器15がプロトコルを変換する機能と危険分散のため給電機能と、壁スイッチ操作、人感センサ動作を制御できる機能を付加した照明制御システムを提供することができる。
【0016】
図2は、照明制御システムにおけるDALI変換の説明図である。DALI増幅器15は、DALIのユニークアドレス体系に合わせたユニークアドレスを有する照明器具や壁スイッチおよびセンサに対して、照明コントローラ11の管理するユニークアドレスに対応するDALIのユニークアドレスを設定する機能を持つ。
【0017】
(a)ユニークアドレス読込
PC設定器10から照明コントローラ11に対してユニークアドレス読込要求が送信される。図2の「UA要求」がユニークアドレス読込要求に相当する。照明コントローラ11からのUA要求は増幅器14を介して、端末器具20に伝達される。ここで端末具20としては、例えば専用BUS対応の照明器具20等が挙げられる。
【0018】
一方、照明コントローラ11からのUA要求がDALI増幅器15に伝達されると、DALI増幅器15は、DALIセンサ27、DALIスイッチ26及びDALI端末器具25等に対して自動的にユニークアドレスを設定する。前記設定されたユニークアドレスはDALI増幅器15の不揮発メモリに保存される。また、DALI端末器具25としては、例えばDALI規格の照明器具等が挙げられる。
【0019】
(b)ユニークアドレス表示
端末器具20からのユニークアドレス読込要求に対する応答として、端末器具20のユニークアドレスアドが増幅器14を介して照明コントローラ11に送信され、照明コントローラ11のデータベース30に記憶される。なお、図2の「UA応答」は、ユニークアドレス読込要求に対する応答に相当する。
【0020】
一方、DALI増幅器15は、UA応答として、DALIセンサ27、DALIスイッチ26及びDALI端末器具25等に対して割り当てたユニークアドレスを照明コントローラ11に送信し、このユニークアドレスは照明コントローラ11のデータベース30のフラッシュメモリに記憶される。
【0021】
照明コントローラ11のデータベース30に記憶された各ユニークアドレスは、PC設定器10に送信され、PC設定器10に接続されたマンマシンインターフェイスのディスプレイに表示される。
【0022】
(c)ネットワークアドレス設定
PC設定器10から照明コントローラ11にネットワークアドレス設定要求が伝達される。照明コントローラ11は、増幅器14を介して端末器具20に対してネットワークアドレスを設定する。図2の「NA設定」がネットワークアドレス設定に相当する。2バイトのデータ長のネットワークアドレスを10バイトのデータ長からなるユニークアドレスに対応付ける事により通信のデータ量を削減する目的で使用される。データ長は、システム規模に応じて変更してもよい。
【0023】
一方、照明コントローラ11は、DALI増幅器に対してNA設定要求を送信する。照明コントローラ11からのNA設定要求を受信すると、DALI増幅器15は、DALIスイッチ26及びDALI端末器25に対してそれぞれネットワークアドレスを設定する。
【0024】
図3は、照明制御システムのグループ及びパターン設定の動作シーケンス図である。専用BUS側で設定されたネットワークアドレスNA、ユニークアドレスUA、グループ番号及びパターン番号に対応して、DALI増幅器15はDALI側に対して、それぞれネットワークアドレスNA、ユニークアドレスUA、グループ番号及びパターン番号を設定する。DALI増幅器15のデータベース32には、専用BUS側のネットワークアドレスNA、ユニークアドレスUA、グループ番号及びパターン番号、並びに、これらに対応するDALI側のネットワークアドレスNA、ユニークアドレスUA、グループ番号及びパターン番号がフラッシュメモリに記憶されている。
【0025】
(d)グループ設定
PC設定器10から照明コントローラ11に対してグループ設定要求が送信される。照明コントローラ11は、増幅器14を介して端末器具20のグループを設定する。これにより、端末器具20には専用BUS側グループ番号が付与される。
【0026】
一方、照明コントローラ11は、DALI増幅器14に対して、グループ設定要求を送信する。DALI増幅器14は、DALI端末器具25に対してグループ設定を行う。これにより、DALI端末器具25には、DALI側グループ番号が付与され、DALI増幅器15のデータベース32には、このDALI端末器25にはDALI側グループ番号及びこれに対応する専用BUS側グループ番号が記憶される。これにより、照明コントローラ11は、壁スイッチ21の操作に応じて、DALI増幅器15が管理しているグループ情報に基づきDALI端末器具25を制御することができる。なお、スイッチ21及びDALIスイッチ26に対しても、グループ設定が行われている。
【0027】
(d)パターン設定
PC設定器10から照明コントローラ11に対してパターン設定要求が送信される。照明コントローラ11は、DALI増幅器15に対して、パターン設定要求を送信する。DALI増幅器15は照明コントローラ11からパターン設定要求を受信すると、DALI側端末器具25に対してパターン設定を行う。DALI側で設定されたパターン番号は、対応する専用BUS側パターン番号と共にDALI増幅器15のデータベース32のフラッシュメモリに記憶される。パターン番号に応じて対応する端末器具20及びDALI端末器具25のオン・オフ・輝度等のパターンが設定されている。なお、これらのパターン情報のことは、シーン情報と呼ばれることもある。スイッチ21及びDALIスイッチ26に対してパターンを設定しておけば、スイッチ21及びDALIスイッチ26の操作により照明シーンの制御が可能となる。
【0028】
図4は、照明制御システムの、グループ制御、パターン制御、表示合わせの動作シーケンス図である。DALI増幅器15に接続されたDALIスイッチ26の操作に対して、DALI増幅器15が管理しているグループ情報に基づき照明器具が制御される。DALI増幅器15は、壁スイッチの操作情報を照明コントローラ11に通知し、照明コントローラ11が壁スイッチ情報に基づき、照明コントローラに接続された照明器具やリレー端末をグループ制御することができる。
【0029】
(f)専用BUSのスイッチによるグループ操作
スイッチ21からのグループ操作信号が増幅器14を介して照明コントローラ11に送信される。照明コントローラ11は、端末器具20に対してグループ操作信号に対応したグループ制御信号を送信する。端末器具20が照明コントローラ11からのグループ制御指令を受信すると、端末器具メモリ31に設定されている設定内容が、グループ制御内容と一致した場合にその制御を実行する。
【0030】
照明コントローラ11から送信されたグループ制御指令は、DALI増幅器15にも伝達される。DALI増幅器15は、照明コントローラ11からのグループ制御指令をDALI端末器具25に対してグループ制御指令を送信する。DALI端末器具25はDALI増幅器15からのグループ制御指令を受信すると、DALI端末器具メモリ34に設定されている設定内容が、グループ制御内容と一致した場合にその制御を実行する。
【0031】
照明コントローラ11からはスイッチ21に対して、グループ制御指令に対応する表示指示指令が送信される。照明コントローラ11からの表示指示指令にしたがって、スイッチ21の表示が制御される。
【0032】
照明コントローラ11から送信されたグループ制御指令に対応する表示指示指令は、DALI増幅器15に対しても伝達される。DALI増幅器15は照明コントローラ11から表示指示指令を受信すると、DALIスイッチ26に対して表示指示指令を送信する。DALI増幅器15を経由して伝達された照明コントローラ11からの表示指示指令にしたがって、DALIスイッチ26の表示が制御される。
【0033】
(g)DALIスイッチ26によるグループ制御
DALIスイッチ26からのグループ操作信号がDALI増幅器15を介して照明コントローラ11に送信される。照明コントローラ11は、端末器具20に対してグループ操作信号に対応したグループ制御信号を送信する。端末器具20が照明コントローラ11からのグループ制御指令を受信すると、端末器具メモリ31に設定されている設定内容が、グループ制御内容と一致した場合にその制御を実行する。
【0034】
一方、DALI増幅器15はDALIスイッチ26からのグループ操作信号を受信すると、照明コントローラ11を介することなく、直接、DALI端末器具25に対して、そのグループ操作信号に対応するグループ制御指令を送信する。DALI端末器具25がDALI増幅器15からのグループ制御指令を受信すると、DALI端末器具メモリ34に設定されている設定内容が、グループ制御内容と一致した場合にその制御を実行する。
【0035】
照明コントローラ11からはスイッチ21に対して、グループ制御指令に対応する表示指示指令が送信される。照明コントローラ11からの表示指示指令にしたがって、スイッチ21の表示が制御される。
【0036】
照明コントローラ11から送信されたグループ制御指令に対応する表示指示指令は、DALI増幅器15に対しても伝達される。DALI増幅器15は照明コントローラ11から表示指示指令を受信すると、DALIスイッチ26に対して表示指示指令を送信する。DALI増幅器15を経由して伝達された照明コントローラ11からの表示指示指令にしたがって、DALIスイッチ26の表示が制御される。
【0037】
(h)専用BUSのスイッチによるパターン操作
スイッチ21から増幅器14を介して照明コントローラ11にパターン操作信号が送信されると、照明コントローラ11は端末器具20に対してそのパターン操作信号に対応したグループ制御指令を送信する。端末器具20が照明コントローラ11からのグループ制御指令を受信すると、端末器具メモリ31に設定されている設定内容が、グループ制御内容と一致した場合にその制御を実行する。専用BUS側の端末器具メモリ31にはパターン情報を記憶させていない、すなわち、端末器具20にはパターン情報を待たせていないため、専用BUS側のパターン制御はグループ情報によって行われている。
【0038】
一方、スイッチ21から増幅器14を介して照明コントローラ11にパターン操作信号が送信されると、照明コントローラ11はDALI増幅器15に対してそのパターン操作信号に対応したパターン制御指令を送信する。DALI増幅器15がパターン制御指令を受信すると、DALI端末器具25に対してパターン制御指令を送信する。DALI端末器具25は、DALI増幅器15からのグループ制御指令を受信すると、DALI端末器具メモリ34に設定されている設定内容が、パターン制御内容と一致した場合にその制御を実行する。DALI通信側のDALI端末器具メモリ34にはパターン情報を記憶させている、すなわち、DALI端末器具25にはパターン情報を待たせているため、DALI通信側のパターン制御はパターン情報によって行われている。
【0039】
このようにスイッチ21によるパターン操作信号に対する照明コントローラ1による制御において、専用BUSに接続された照明器具20に対してはグループ制御が行われ、DALI増幅器15に接続された照明器具25に対してはパターン制御が行われる。
【0040】
照明コントローラ11からはスイッチ21に対して、パターン操作信号に対応する表示指示指令が送信される。照明コントローラ11からの表示指示指令にしたがって、スイッチ21の表示が制御される。
【0041】
照明コントローラ11から送信されたパターン操作信号に対応する表示指示指令は、DALI増幅器15に対しても伝達される。DALI増幅器15は照明コントローラ11から表示指示指令を受信すると、DALIスイッチ26に対して表示指示指令を送信する。DALI増幅器15を経由して伝達された照明コントローラ11からの表示指示指令にしたがって、DALIスイッチ26の表示が制御される。
【0042】
DALI増幅器15において専用BUS側システムとDALI通信側システムとの間でのデータ変換が可能である。DALI増幅器データベース32には、専用BUS側のネットワークアドレスNA、ユニークアドレスUA、グループ番号及びパターン番号、並びに、これらに対応するDALI側のネットワークアドレスNA、ユニークアドレスUA、グループ番号及びパターン番号が記憶されており、専用BUS側のネットワークアドレスNAとDALI側のネットワークアドレスNAとの間、専用BUS側のユニークアドレスUAとDALI側のユニークアドレスUAとの間、専用BUS側のグループ番号とDALI側のグループ番号との間、及び、専用BUS側のパターン番号とDALI側のパターン番号との間の各データ変換が可能である。
【0043】
例えば、照明コンローラ11からDALI増幅器15に対してグループ制御指令が送信されると、DALI増幅器15において専用BUS側のグループ番号がDALI通信側のグループ番号に変換されて、DALI端末器具25に対してはDALI通信側のグループ番号に基づくグループ制御指令が送信される。同様にして、照明コンローラ11からDALI増幅器15に対して制御指令が送信されると、DALI増幅器15において専用BUS側のネットワークアドレスNAはDALI側のネットワークアドレスNAへ、専用BUS側のユニークアドレスUAはDALI側のユニークアドレスUAへ、専用BUS側のグループ番号はDALI側のグループ番号へ、及び、専用BUS側のパターン番号はDALI側のパターン番号へと、それぞれデータ変換されて、DALI端末器具25に対してはDALI通信側用にデータ変換された情報に基づく制御指令が送信される。
【0044】
一方、DALI通信側システムから専用BUS側システムへデータ伝送する場合、例えば、(g)においてDALIスイッチ26からのグループ操作信号を照明コントローラ11に送信する場合には、DALI増幅器15においてDALI通信側のグループ番号が専用BUS側のグループ番号に変換されてから、専用BUS側のグループ番号に基づいてグループ操作信号が照明コントローラに送信される。同様にDALI通信側システムから専用BUS側システムへデータ伝送する場合、DALI増幅器15においてDALI側のネットワークアドレスNAは専用BUS側のネットワークアドレスNAへ、DALI側のユニークアドレスUAは専用BUS側のユニークアドレスUAへ、DALI側のグループ番号は専用BUS側のグループ番号へ、及び、DALI側のパターン番号は専用BUS側のパターン番号へと、それぞれデータ変換されて、専用BUS側システムに対してはDALI増幅器5にて専用BUS側用のデータに変換された情報が伝送される。
【0045】
本実施形態の照明制御システムでは、次のような作用効果を奏する。
(1)専用BUSとDALI伝送線との混在が可能であり、1つの照明コントローラ11によって両伝送線に接続された各機器の制御が可能である。
【0046】
(2)分散制御が実現でき、専用BUS制御が不能時にも、DALIだけでも動作可能となる。例えば上記(g)においては、DALI増幅器15はDALIスイッチ26からのグループ操作信号を受信すると、照明コントローラ11を介することなく、直接、DALI端末器具25に対して、そのグループ操作信号に対応するグループ制御指令を送信する。
【0047】
(3)DALI増幅器15のバッファ作用により、通信速度が違うシステム同士の連携が可能である。例えば、専用BUSの通信速度は10KBPSであるのに対して、DALI伝送線の通信速度は1200BPSであり通信速度に大きな開きがあるときに、DALI増幅器15をバッファとして用いることにより、両伝送線間での連携が可能である。
【0048】
(4)DALI増幅器15においてデータ変換可能である。DALI増幅器データベース32には、専用BUS側のネットワークアドレスNA、ユニークアドレスUA、グループ番号及びパターン番号、並びに、これらに対応するDALI側のネットワークアドレスNA、ユニークアドレスUA、グループ番号及びパターン番号が記憶されており、専用BUS側のネットワークアドレスNAとDALI側のネットワークアドレスNAとの間、専用BUS側のユニークアドレスUAとDALI側のユニークアドレスUAとの間、専用BUS側のグループ番号とDALI側のグループ番号との間、及び、専用BUS側のパターン番号とDALI側のパターン番号との間の各データ変換が可能である。
【0049】
[実施形態2]
本発明の実施形態2に係る照明制御システムについて、図5を参照して説明する。図5において図1図4と同一の構成には同一の符号を用い、その説明は省略する。図5は、照明制御システムの人感センサの動作シーケンス図である。DALI通信側において、DALIスイッチ2に代えてDALI人感センサ27がDALI増幅器15に接続されている点で実施形態1の照明制御システムと異なっている。
【0050】
DALI増幅器15に接続されたDALI人感センサ27に基づくグループ制御について、DALI通信側システムにおいては、DALI増幅器15が管理しているグループ情報に基づき、DALI増幅器15が照明コントローラ11を介することなく直接、端末器具25を制御する。また、DALI人感センサ27からの人感センサ検出通知は照明コントローラ11にも通知され、照明コントローラ11がDALI人感センサからの人感センサ検出通知に基づき、照明コントローラに接続された専用BUS側の端末器具20である照明器具やリレー端末をグループ制御する。
【0051】
(i)DALI人感センサによる人検知制御
DALI人感センサ27により在・不在・移動の人の存否の状態が検出されると、その人感センサ検出通知がDALI増幅器15に送信される。DALI増幅器15がDALI人感センサ27からの人感センサ検出通知を受信すると、DALI増幅器15は照明コントローラ11に対して人感センサ検出通知を送信する。
【0052】
照明コントローラ11がDALI増幅器15から人感センサ検出通知を受信すると、照明コントローラ11は、端末器具20に対してグループ制御信号を送信する。端末器具20が照明コントローラ11からのグループ制御指令を受信すると、端末器具メモリ31に設定されている設定内容が、グループ制御内容と一致した場合にその制御を実行する。
【0053】
一方、DALI増幅器15はDALI人感センサ27からの人感センサ検出通知を受信すると、照明コントローラ11を介することなく、直接、DALI端末器具25に対して、人感センサ検出通知に対応したグループ制御指令を送信する。DALI端末器具25がDALI増幅器15からのグループ制御指令を受信すると、DALI端末器具メモリ34に設定されている設定内容が、グループ制御内容と一致した場合にその制御を実行する。
【0054】
照明コントローラ11からはスイッチ21に対して、グループ制御指令に対応する表示指示指令が送信される。照明コントローラ11からの表示指示指令にしたがって、スイッチ21の表示が制御される。
【0055】
[実施形態3]
本発明の実施形態3に係る照明制御システムについて説明する。実施形態1又は2においては、専用BUSと連携される通信規格としてDALI通信を例に挙げて説明したが、本実施形態の他の通信規格は、DALI通信に限定されるものではなく、例えば、MODBUS、KNX、ZIGBee、WiFi、BLE、その他の無線通信等の様々な通信規格を採用することが可能である。例えば、MODBUSではシーケンス制御が可能であり、KNXでは照明器具に加え、スイッチやセンサにも接続可能である。
【0056】
また、専用BUS側のシステム又はその他の通信規格側のシステムには、照明器具、リレー端末、スイッチ以外にも例えばセンサ27等、さまざまな機器を接続可能である。センサの一例としては、例えば画像センサや輝度センサ等が挙げられる。画像センサによって、例えば人検知、明るさ検知、輝度から計算した照度の検知、机上面の明るさ検知等が可能である。また、輝度センサは、例えば照明に向かって設けられており、照明の明るさを検出することが可能である。
【0057】
以上、本発明の実施形態に照明制御システムについて説明したが、上記の実施形態は本発明の技術思想を具体化するための照明制御システムを例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、各実施形態の変形例や各実施形態を組み合わせたもの等、その他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【符号の説明】
【0058】
10 PC設定器、11 照明コントローラ、12 リレー端末、13 スイッチ器、14 増幅器、15 DALI増幅器、17 LAN、18 専用BUS、19 DALI伝送線、20 照明器具、21 スイッチ、25 DALI照明器具、26 スイッチ、27 センサ、30 照明コントローラデータベース、31 端末器具メモリ、32 DALI増幅器データベース、34 端末器具メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5