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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240820BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023187369
(22)【出願日】2023-11-01
(62)【分割の表示】P 2023009359の分割
【原出願日】2023-01-25
(65)【公開番号】P2024105174
(43)【公開日】2024-08-06
【審査請求日】2023-11-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-013557(JP,A)
【文献】特開2021-174069(JP,A)
【文献】特開2022-148548(JP,A)
【文献】国際公開第2020/008524(WO,A1)
【文献】特表2010-532890(JP,A)
【文献】特開2021-086337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0277533(US,A1)
【文献】特許第7245890(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実空間上に配置された物である現実物を示す情報と、仮想空間上に配置されたオブジェクトである仮想オブジェクトを示す情報と、を関連付けた関連情報を取得する第1取得部と、
前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報を取得する第2取得部と、
記憶部に予め記憶された前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報から前記現実物の価値を決定するための規則に従って、前記第2取得部が取得した前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報に対応する前記現実物の価値であって、前記第1取得部が取得した前記関連情報において前記仮想オブジェクトに関連付けられた前記現実物の価値を決定する決定部と、
前記仮想空間上で前記仮想オブジェクトが取引されたことを契機として、前記決定部が決定した前記現実物の価値に対応する情報を出力する出力部と、
を有
前記現実物の価値を決定するための規則は、前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報から前記現実物の価値を計算するための計算式と、前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報と前記現実物の価値とを関連付けたテーブルと、のうちいずれか一方を含む、
情報処理装置。
【請求項2】
現実空間上に配置された物である現実物を示す情報と、仮想空間上に配置されたオブジェクトである仮想オブジェクトを示す情報と、を関連付けた関連情報を取得する第1取得部と、
前記仮想空間上の前記仮想オブジェクトの位置における一又は複数のアバタに対応する情報を取得する第2取得部と、
記憶部に予め記憶された前記アバタに対応する情報から前記現実物の価値を決定するための規則に従って、前記第2取得部が取得した前記アバタに対応する情報に対応する前記現実物の価値であって、前記第1取得部が取得した前記関連情報において前記仮想オブジェクトに関連付けられた前記現実物の価値を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記現実物の価値に対応する情報を出力する出力部と、
を有
前記現実物の価値を決定するための規則は、前記アバタに対応する情報から前記現実物の価値を計算するための計算式と、前記アバタに対応する情報と前記現実物の価値とを関連付けたテーブルと、のうちいずれか一方を含む、
情報処理装置。
【請求項3】
前記現実物の価値に対応する情報は、前記現実物の取引価格と、前記現実物において販売又は貸与される商品の取引価格と、のうちいずれか一方を含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記現実物の価値に対応する情報は、前記現実物の価値を表す文字列を含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報は、前記仮想オブジェクトに関する権利の取引価格と、前記仮想オブジェクトにおいて販売又は貸与される商品の取引価格と、のうちいずれか一方を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記アバタに対応する情報は、前記仮想オブジェクトを基準とした所定範囲内にいる前記アバタの人数又は密度を算出するための情報を含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記アバタに対応する情報は、前記仮想オブジェクトを基準とした所定範囲内にいる前記アバタの人気度を含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記アバタに対応する情報は、前記アバタと前記仮想オブジェクトである店舗との間の商品の取引情報を含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記アバタに対応する情報は、前記アバタに対応する前記現実空間上のユーザに付与されている属性を含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記現実物及び前記仮想オブジェクトは、同種のサービスを提供する店舗である、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記現実物及び前記仮想オブジェクトは、同種の施設である、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記仮想空間上の前記仮想オブジェクトの位置は、前記現実空間上の前記現実物の位置に対応している、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記出力部は、前記仮想空間上で前記仮想オブジェクトが取引されたことを契機として、前記現実物の価値に対応する情報を出力する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
プロセッサが実行する、
現実空間上に配置された物である現実物を示す情報と、仮想空間上に配置されたオブジェクトである仮想オブジェクトを示す情報と、を関連付けた関連情報を取得するステップと、
前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報を取得するステップと、
記憶部に予め記憶された前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報から前記現実物の価値を決定するための規則に従って、前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報を取得するステップにおいて取得した前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報に対応する前記現実物の価値であって、前記関連情報を取得するステップにおいて取得した前記関連情報において前記仮想オブジェクトに関連付けられた前記現実物の価値を決定するステップと、
前記仮想空間上で前記仮想オブジェクトが取引されたことを契機として、前記決定するステップにおいて決定した前記現実物の価値に対応する情報を出力するステップと、
を有
前記現実物の価値を決定するための規則は、前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報から前記現実物の価値を計算するための計算式と、前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報と前記現実物の価値とを関連付けたテーブルと、のうちいずれか一方を含む、
情報処理方法。
【請求項15】
プロセッサが実行する、
現実空間上に配置された物である現実物を示す情報と、仮想空間上に配置されたオブジェクトである仮想オブジェクトを示す情報と、を関連付けた関連情報を取得するステップと、
前記仮想空間上の前記仮想オブジェクトの位置における一又は複数のアバタに対応する情報を取得するステップと、
記憶部に予め記憶された前記アバタに対応する情報から前記現実物の価値を決定するための規則に従って、前記アバタに対応する情報を取得するステップにおいて取得した前記アバタに対応する情報に対応する前記現実物の価値であって、前記関連情報を取得するステップにおいて取得した前記関連情報において前記仮想オブジェクトに関連付けられた前記現実物の価値を決定するステップと、
前記決定するステップにおいて決定した前記現実物の価値に対応する情報を出力するステップと、
を有
前記現実物の価値を決定するための規則は、前記アバタに対応する情報から前記現実物の価値を計算するための計算式と、前記アバタに対応する情報と前記現実物の価値とを関連付けたテーブルと、のうちいずれか一方を含む、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現実空間及び仮想空間に関する情報を処理するための情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、仮想空間において、アバタの属性及び行動を関連付けて解析することにより、アバタに対する広告等のマーケティングを行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-216073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現実空間を模した仮想空間上でユーザがアバタを操作することによって所定の活動をするためのサービスが知られている。このようなサービスでは、仮想空間上のオブジェクトは現実空間上の物に対応しており、ユーザはアバタを介して仮想空間上で現実空間上の特定の場所にいるような体験をすることができる。
【0005】
ところで、現実空間上に配置された物(建物、店舗、看板等)の価格や賃料等の価値は、現実空間における人流や注目度等によって決定される。しかしながら、従来、仮想空間上のオブジェクト及び現実空間上の物が対応している状況において、仮想空間上のオブジェクトに関する情報を現実空間上の物の価値に反映することはできなかった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、仮想空間上のオブジェクト及び現実空間上の物が対応している状況において、仮想空間上のオブジェクトに関する情報を現実空間上の物の価値に反映できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、現実空間上に配置された物である現実物を示す情報と、仮想空間上に配置されたオブジェクトである仮想オブジェクトを示す情報と、を関連付けた関連情報を取得する第1取得部と、前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報を取得する第2取得部と、記憶部に予め記憶された前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報から前記現実物の価値を決定するための規則に従って、前記第2取得部が取得した前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報に対応する前記現実物の価値であって、前記第1取得部が取得した前記関連情報において前記仮想オブジェクトに関連付けられた前記現実物の価値を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記現実物の価値に対応する情報を出力する出力部と、を有する。
本発明の第2の態様の情報処理装置は、現実空間上に配置された物である現実物を示す情報と、仮想空間上に配置されたオブジェクトである仮想オブジェクトを示す情報と、を関連付けた関連情報を取得する第1取得部と、前記仮想空間上の前記仮想オブジェクトの位置における一又は複数のアバタに対応する情報を取得する第2取得部と、記憶部に予め記憶された前記アバタに対応する情報から前記現実物の価値を決定するための規則に従って、前記第2取得部が取得した前記アバタに対応する情報に対応する前記現実物の価値であって、前記第1取得部が取得した前記関連情報において前記仮想オブジェクトに関連付けられた前記現実物の価値を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記現実物の価値に対応する情報を出力する出力部と、を有する。
【0008】
前記現実物の価値に対応する情報は、前記現実物の取引価格と、前記現実物において販売又は貸与される商品の取引価格と、のうちいずれか一方を含んでもよい。
【0009】
前記現実物の価値に対応する情報は、前記現実物の価値を表す文字列を含んでもよい。
【0010】
前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報は、前記仮想オブジェクトに関する権利の取引価格と、前記仮想オブジェクトにおいて販売又は貸与される商品の取引価格と、のうちいずれか一方を含んでもよい。
【0011】
前記アバタに対応する情報は、前記仮想オブジェクトを基準とした所定範囲内にいる前記アバタの人数又は密度を算出するための情報を含んでもよい。
【0012】
前記アバタに対応する情報は、前記仮想オブジェクトを基準とした所定範囲内にいる前記アバタの人気度を含んでもよい。
【0013】
前記アバタに対応する情報は、前記アバタと前記仮想オブジェクトである店舗との間の商品の取引情報を含んでもよい。
【0014】
前記アバタに対応する情報は、前記アバタに対応する前記現実空間上のユーザに付与されている属性を含んでもよい。
【0015】
前記現実物及び前記仮想オブジェクトは、同種のサービスを提供する店舗であってもよい。
【0016】
前記現実物及び前記仮想オブジェクトは、同種の施設であってもよい。
【0017】
前記仮想空間上の前記仮想オブジェクトの位置は、前記現実空間上の前記現実物の位置に対応していてもよい。
【0018】
前記出力部は、前記仮想空間上で前記仮想オブジェクトが取引されたことを契機として、前記現実物の価値に対応する情報を出力してもよい。
【0019】
前記現実物の価値を決定するための規則は、前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報から前記現実物の価値を計算するための計算式と、前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報と前記現実物の価値とを関連付けたテーブルと、のうちいずれか一方を含んでもよい。
【0020】
前記現実物の価値を決定するための規則は、前記アバタに対応する情報から前記現実物の価値を計算するための計算式と、前記アバタに対応する情報と前記現実物の価値とを関連付けたテーブルと、のうちいずれか一方を含んでもよい。
【0021】
本発明の第3の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、現実空間上に配置された物である現実物を示す情報と、仮想空間上に配置されたオブジェクトである仮想オブジェクトを示す情報と、を関連付けた関連情報を取得するステップと、前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報を取得するステップと、記憶部に予め記憶された前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報から前記現実物の価値を決定するための規則に従って、前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報を取得するステップにおいて取得した前記仮想オブジェクトの価値に対応する情報に対応する前記現実物の価値であって、前記関連情報を取得するステップにおいて取得した前記関連情報において前記仮想オブジェクトに関連付けられた前記現実物の価値を決定するステップと、前記決定するステップにおいて決定した前記現実物の価値に対応する情報を出力するステップと、を有する。
本発明の第4の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、現実空間上に配置された物である現実物を示す情報と、仮想空間上に配置されたオブジェクトである仮想オブジェクトを示す情報と、を関連付けた関連情報を取得するステップと、前記仮想空間上の前記仮想オブジェクトの位置における一又は複数のアバタに対応する情報を取得するステップと、記憶部に予め記憶された前記アバタに対応する情報から前記現実物の価値を決定するための規則に従って、前記アバタに対応する情報を取得するステップにおいて取得した前記アバタに対応する情報に対応する前記現実物の価値であって、前記関連情報を取得するステップにおいて取得した前記関連情報において前記仮想オブジェクトに関連付けられた前記現実物の価値を決定するステップと、前記決定するステップにおいて決定した前記現実物の価値に対応する情報を出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、仮想空間上のオブジェクト及び現実空間上の物が対応している状況において、仮想空間上のオブジェクトに関する情報を現実空間上の物の価値に反映できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図3】例示的な関連情報の模式図である。
図4】決定部が現実物の価値を決定する方法を説明するための模式図である。
図5】決定部が決定した例示的な現実物の価値を説明するための模式図である。
図6】出力部が現実価値情報を出力する方法を説明するための模式図である。
図7】実施形態に係る情報処理装置が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、一又は複数の情報端末2と、を含む。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0025】
情報処理装置1は、現実空間及び仮想空間に関する情報を管理するコンピュータである。仮想空間は、コンピュータ上に形成された仮想的な空間(例えば、メタバース)である。仮想空間は、情報端末2において面積又は体積を有する領域として表示される。一方、現実空間は、人間であるユーザが生活する実際の空間(例えば、地球上の空間)である。
【0026】
仮想空間上には、複数のユーザそれぞれが操作するアバタが表示される。アバタは、例えば、ユーザが予め登録した2次元又は3次元の画像である。アバタは、例えば、ユーザによる操作に応じて、仮想空間上を移動し、文字、音声又は動作のうち少なくとも1つを用いて他のアバタと交流(コミュニケーション)をする。
【0027】
仮想空間上には、複数のオブジェクト(以下、仮想オブジェクトO)が配置されている。仮想オブジェクトOは、仮想空間上の所定の位置に配置された仮想的な建物、店舗、施設、看板等である。仮想オブジェクトOの位置は、例えば、仮想空間上の座標によって特定される。
【0028】
現実空間上には、複数の物(以下、現実物T)が配置されている。現実物Tは、例えば、現実空間上の所定の位置に配置された実際の建物、店舗、施設、看板等である。現実物Tの位置は、例えば、現実空間上の座標又は住所によって特定される。
【0029】
仮想空間は、現実空間を模した空間であることが望ましい。この場合に、仮想空間は、現実空間上の複数の現実物Tの位置に基づいて生成され、仮想空間上には現実空間上の複数の現実物Tの少なくとも一部が再現される。仮想オブジェクトOは、当該仮想オブジェクトOに関連付けられた現実空間上の現実物Tの位置に対応する仮想空間上の位置に生成される。これにより、仮想空間上の仮想オブジェクトOの位置は、現実空間上のいずれかの現実物Tの位置に対応する。
【0030】
情報端末2は、複数のユーザそれぞれが利用するコンピュータである。ユーザは、例えば、情報端末2を用いて仮想空間上のアバタを操作する人間や、現実物T又は仮想オブジェクトOの所有者である。情報端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。情報端末2は、操作を受け付けるためのタッチパネルやキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、を有する。情報端末2は、ネットワークを介して情報処理装置1と通信可能である。
【0031】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、現実物Tを示す情報と仮想オブジェクトOを示す情報とを関連付けた関連情報を取得する。関連情報は、現実空間上の現実物Tに対応する仮想空間上の仮想オブジェクトOを示す情報である。
【0032】
情報処理装置1は、仮想オブジェクトOの価値に対応する仮想価値情報と、仮想空間上の仮想オブジェクトOの位置における一又は複数のアバタに対応するアバタ情報と、の少なくとも一方を取得する。仮想価値情報は、例えば、仮想オブジェクトOに関する権利の取引価格を含む。アバタ情報は、例えば、仮想オブジェクトO周辺にいるアバタの人数又は密度を算出するための情報を含む。また、アバタ情報は、例えば、仮想オブジェクトO周辺にいるアバタの友達の数やフォロワーの数等に対応する人気度(知名度)を含んでもよい。
【0033】
情報処理装置1は、仮想価値情報又はアバタ情報の少なくとも一方に基づいて、関連情報において仮想オブジェクトOに関連付けられた現実物Tの価値を決定する。情報処理装置1は、例えば、仮想価値情報が示す仮想オブジェクトOに関する権利の取引価格が高いほど、現実物Tの価値を高く決定する。また、情報処理装置1は、例えば、アバタ情報に基づいて算出した仮想オブジェクトO周辺にいるアバタの人数又は密度が大きいほど、現実物Tの価値を高く決定する。情報処理装置1は、決定した価値に対応する現実価値情報を、情報端末2に出力する。
【0034】
このように、情報処理システムSは、仮想オブジェクトOの価値又は仮想オブジェクトOの位置におけるアバタの情報に基づいて、仮想オブジェクトOに関連付けられた現実物Tの価値を決定する。これにより、情報処理システムSは、仮想空間上のオブジェクト及び現実空間上の物が対応している状況において、仮想空間上のオブジェクトに関する情報を現実空間上の物の価値に反映することができる。
【0035】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0036】
情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0037】
通信部11は、ネットワークを介して情報端末2との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、情報端末2からネットワークを介して受信したデータを制御部13に通知する。また、通信部11は、ネットワークを介して、制御部13から出力されたデータを情報端末2に送信する。
【0038】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部12は、現実物Tを示す情報と仮想オブジェクトOを示す情報とを関連付けた関連情報を予め記憶している。また、記憶部12は、仮想オブジェクトOに関する情報に基づいて現実物Tの価値を決定するための価値決定規則を示す規則情報を予め記憶している。記憶部12は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0039】
制御部13は、第1取得部131と、第2取得部132と、決定部133と、出力部134と、を有する。制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、第1取得部131、第2取得部132、決定部133及び出力部134として機能する。
【0040】
以下、情報処理システムSが実行する処理について詳細に説明する。情報処理装置1において、第1取得部131は、記憶部12から、現実空間上に配置された物である現実物Tを示す情報と、仮想空間上に配置されたオブジェクトである仮想オブジェクトOを示す情報と、を関連付けた関連情報を取得する。関連情報は、現実空間上の現実物Tに対応する仮想空間上の仮想オブジェクトOを示す情報である。第1取得部131は、記憶部12に限られず、情報処理装置1とは異なる装置から関連情報を取得してもよい。
【0041】
図3は、例示的な関連情報の模式図である。関連情報は、例えば、現実物Tを示す情報と、仮想オブジェクトOを示す情報と、を関連付けた情報である。図3に例示した関連情報では視認性のために現実物Tの名称及び仮想オブジェクトOの名称が表されているが、関連情報は現実物Tを識別するための識別情報(ID;Identification)と仮想オブジェクトOを識別するためのIDとを関連付けた情報であってもよい。また、関連情報は、現実物Tの位置(現実空間上の座標又は住所)及び仮想オブジェクトOの位置(仮想空間上の座標)を含んでもよい。
【0042】
1つの仮想オブジェクトOは、複数の現実物Tに関連付けられていてもよい。これにより、情報処理システムSは、例えば、仮想空間上の1つの建物に、現実空間上の建物、当該建物内の店舗又は施設、当該建物に設置された看板等の複数の物を関連付けることができる。
【0043】
関連情報によって関連付けられる現実物T及び仮想オブジェクトOは、例えば、同種のサービスを提供する店舗であってもよい。同種のサービスを提供する店舗は、例えば、同じ商品を販売する店舗である。
【0044】
関連情報によって関連付けられる現実物T及び仮想オブジェクトOは、例えば、同種の施設であってもよい。同種の施設は、例えば、公園、公共施設、寺院等の同じ種類の施設である。
【0045】
第2取得部132は、仮想オブジェクトOの価値に対応する仮想価値情報と、仮想空間上の仮想オブジェクトOの位置における一又は複数のアバタに対応するアバタ情報と、の少なくとも一方を取得する。
【0046】
仮想価値情報が示す仮想オブジェクトOの価値は、例えば、仮想オブジェクトOに関する権利(仮想オブジェクトOを識別するためのIDに関する権利を含む)が取引された際の取引価格である。仮想オブジェクトOに関する権利の取引は、例えば、仮想オブジェクトOに関する権利の所有者が他者に仮想オブジェクトOに関する権利を販売すること、所有者が他者に仮想オブジェクトOに関する権利を貸与すること、所有者が他者に仮想オブジェクトOを利用させること(広告の掲示等)を付与すること等を含む。仮想オブジェクトOの価値は、仮想オブジェクトO自体の取引価格であってもよく、店舗である仮想オブジェクトOにおいて販売又は貸与される商品の取引価格であってもよい。取引価格は、仮想オブジェクトOが過去に取引された際に所有者が他者から受領した法定通貨又は仮想通貨等の金額である。
【0047】
仮想オブジェクトOは、仮想空間上のコンテンツ(デジタルデータ)であってもよい。この場合に、仮想オブジェクトOは、ブロックチェーンによってNFT(Non-Fungible Token)に関連付けて管理されてもよい。NFTは、例えば、NFTを識別するためのトークンIDと、仮想オブジェクトOを識別するためのオブジェクトIDと、当該NFTの所有者であるユーザを識別するためのユーザIDと、を示す情報である。オブジェクトIDは、例えば、仮想オブジェクトOにアクセスするためのURI(Uniform Resource Identifier)を示す情報である。仮想オブジェクトOは、URIに対応するネットワーク上の記憶装置に記憶されている。
【0048】
仮想オブジェクトOに対応するNFTが販売されると、ブロックチェーン上に、仮想オブジェクトOに対応するNFTの所有者の移転が記録されるとともに、当該移転時の当該NFTの販売価格が記録される。第2取得部132は、ブロックチェーンから、仮想オブジェクトOに対応するNFTの販売価格を、仮想価値情報として取得する。第2取得部132は、NFTの販売価格の直近の値を仮想価値情報として取得してもよく、過去の所定期間のNFTの販売価格の統計値(平均値、中央値等)を仮想価値情報として取得してもよい。
【0049】
また、仮想オブジェクトO及び仮想オブジェクトOの販売価格は、ブロックチェーンに限られず、データベース等によって管理されてもよい。この場合に、第2取得部132は、データベースから、仮想オブジェクトOの販売価格の直近の値又は統計値を仮想価値情報として取得する。
【0050】
アバタ情報は、例えば、仮想オブジェクトOを基準とした所定範囲内にいるアバタの人数又は密度に対応する注目度を算出するための情報として、一又は複数のアバタそれぞれの位置情報を含んでもよい。位置情報は、例えば、一又は複数のアバタそれぞれの日時ごとの仮想空間上の座標を示す。第2取得部132は、記憶部12又は位置情報を管理するサーバから、位置情報をアバタ情報として取得する。第2取得部132は、取得した位置情報に基づいて、仮想オブジェクトOを基準とした所定範囲内に位置するアバタの数を集計することにより、日時ごとのアバタの人数又は密度を注目度として算出する。
【0051】
アバタ情報は、例えば、アバタと仮想オブジェクトOである店舗との間の商品の取引情報を含んでもよい。取引情報は、例えば、ユーザがアバタを介して仮想オブジェクトOである店舗から商品(物品又はサービス)を購入した履歴を示す。第2取得部132は、記憶部12又は取引情報を管理するサーバから、取引情報をアバタ情報として取得する。
【0052】
アバタ情報は、例えば、仮想オブジェクトOを基準とした所定範囲内にいるアバタに対応する現実空間上のユーザに付与されている属性を示す属性情報を含んでもよい。属性情報は、例えば、アバタを操作するユーザの年齢、性別、居住地、国籍等の属性を示す。第2取得部132は、記憶部12又は属性情報を管理するサーバから、属性情報をアバタ情報として取得する。
【0053】
アバタ情報は、例えば、仮想オブジェクトOを基準とした所定範囲内にいるアバタ間のコミュニケーションに関する交流情報を含んでもよい。交流情報は、例えば、仮想オブジェクトOを基準とした所定範囲内で行われたアバタ間のコミュニケーション(音声、チャット等)の日時ごとの有無又は頻度を示す。また、交流情報は、仮想オブジェクトOを基準とした所定範囲内にいるアバタの人気度(友達の数やフォロワーの数等)を示してもよい。第2取得部132は、記憶部12又は交流情報を管理するサーバから、交流情報をアバタ情報として取得する。
【0054】
決定部133は、記憶部12から、仮想オブジェクトOに関する情報に基づいて現実物Tの価値を決定するための価値決定規則を示す規則情報を取得する。価値決定規則は、例えば、仮想価値情報又はアバタ情報の少なくとも一方から現実物Tの価値を決定するための計算式又はテーブル等の情報を含む。決定部133は、記憶部12に限られず、情報処理装置1とは異なる装置から規則情報を取得してもよい。
【0055】
価値決定規則によって決定される現実物Tの価値は、例えば、現実物Tが取引される際の推定の取引価格である。現実物Tの取引は、例えば、所有者が他者に現実物Tを販売すること、所有者が他者に現実物Tを貸与すること、所有者が他者に現実物Tを利用させること(広告の掲示等)を付与すること等を含む。現実物Tの価値は、現実物T自体の取引価格であってもよく、店舗である現実物Tにおいて販売又は貸与される商品の取引価格であってもよい。取引価格は、現実物Tが取引される際に所有者が他者から受領する法定通貨又は仮想通貨等の金額である。
【0056】
価値決定規則によって決定される現実物Tの価値は、例えば、現在の現実物Tの取引価格に対する差分又は倍率であってもよい。現在の現実物Tの取引価格に対する差分は、例えば、現在の取引価格に加算又は減算される値(プラス10万円、マイナス10万円等)である。現在の現実物Tの取引価格に対する倍率は、例えば、現在の取引価格に乗算される値(2倍、0.5倍等)である。
【0057】
決定部133は、価値決定規則に従って、第2取得部132が取得した仮想価値情報又はアバタ情報の少なくとも一方に基づいて、第1取得部131が取得した関連情報において仮想オブジェクトOに関連付けられた現実物Tの価値を決定する。決定部133は、複数の現実物Tそれぞれの価値を決定してもよい。また、決定部133は、複数の現実物Tの中から情報端末2を利用するユーザによって指定されたいずれかの現実物Tの価値を決定してもよい。決定部133が決定する現実物Tの価値は、例えば、現実物T自体の取引価格、又は店舗である現実物Tにおいて販売又は貸与される商品の取引価格である。
【0058】
図4は、決定部133が現実物Tの価値を決定する方法を説明するための模式図である。決定部133は、価値決定規則によって、仮想価値情報が示す仮想オブジェクトOに関する権利の価値に対応する現実物Tの価値を決定してもよい。決定部133は、例えば、仮想オブジェクトOに関する権利の取引価格が高いほど現実物Tの価値を高く決定し、当該取引価格が低いほど現実物Tの価値を低く決定する。仮想オブジェクトOに関する権利の価値は、例えば、仮想オブジェクトOに関する権利自体の取引価格、又は店舗である仮想オブジェクトOにおいて販売又は貸与される商品の取引価格である。これにより、決定部133は、仮想オブジェクトOに関する権利の取引価格を当該仮想オブジェクトOに対応する現実物Tの価値に反映することができる。
【0059】
決定部133は、価値決定規則によって、アバタ情報が含む位置情報に基づいて算出された仮想オブジェクトOの注目度(例えば、仮想オブジェクトOを基準とした所定範囲内にいる一又は複数のアバタの人数又は密度)に対応する現実物Tの価値を決定してもよい。決定部133は、例えば、仮想オブジェクトOの注目度が高いほど現実物Tの価値を高く決定し、当該注目度が低いほど現実物Tの価値を低く決定する。これにより、決定部133は、仮想オブジェクトO周辺にいるアバタの人数や密度を当該仮想オブジェクトOに対応する現実物Tの価値に反映することができる。
【0060】
決定部133は、価値決定規則によって、アバタ情報が含む取引情報が示す一又は複数のユーザがアバタを介して仮想オブジェクトOである店舗から商品を購入した履歴(店舗における商品の販売数等)に対応する現実物Tの価値を決定してもよい。決定部133は、例えば、店舗における商品の販売数が多いほど現実物Tの価値を高く決定し、当該販売数が少ないほど現実物Tの価値を低く決定する。これにより、決定部133は、仮想オブジェクトOである店舗における商品の取引状況を当該仮想オブジェクトOに対応する現実物Tの価値に反映することができる。
【0061】
決定部133は、価値決定規則によって、アバタ情報が含む属性情報が示す仮想オブジェクトOを基準とした所定範囲内にいる一又は複数のアバタを操作する現実空間上のユーザの属性に対応する現実物Tの価値を決定してもよい。決定部133は、例えば、仮想オブジェクトO周辺において所定の属性(若者や外国人等)を有するアバタの人数又は割合が高いほど現実物Tの価値を高く決定し、当該人数又は割合が低いほど現実物Tの価値を低く決定する。これにより、決定部133は、仮想オブジェクトO周辺にいるアバタを操作するユーザの年齢、性別、居住地、国籍等の属性を当該仮想オブジェクトOに対応する現実物Tの価値に反映することができる。
【0062】
決定部133は、価値決定規則によって、アバタ情報が含む交流情報が示す仮想オブジェクトOを基準とした所定範囲内にいる複数のアバタ間のコミュニケーションの有無又は頻度に対応する現実物Tの価値を決定してもよい。決定部133は、例えば、仮想オブジェクトO周辺にいるアバタ間でコミュニケーションの頻度が高いほど現実物Tの価値を高く決定し、当該頻度が低いほど現実物Tの価値を低く決定する。これにより、決定部133は、仮想オブジェクトO周辺にいるアバタ同士のコミュニケーション状況を当該仮想オブジェクトOに対応する現実物Tの価値に反映することができる。
【0063】
決定部133は、価値決定規則によって、アバタ情報が含む交流情報が示す仮想オブジェクトOを基準とした所定範囲内にいる一又は複数のアバタの人気度に対応する現実物Tの価値を決定してもよい。決定部133は、例えば、仮想オブジェクトO周辺にいるアバタの人気度が高いほど現実物Tの価値を高く決定し、当該人気度が低いほど現実物Tの価値を低く決定する。これにより、決定部133は、仮想オブジェクトO周辺にいるアバタの人気度(友達の数やフォロワーの数)を当該仮想オブジェクトOに対応する現実物Tの価値に反映することができる。
【0064】
図5(a)、図5(b)は、決定部133が決定した例示的な現実物Tの価値を説明するための模式図である。図5(a)の例では、仮想空間において仮想オブジェクトOの注目度が上昇している。これに応じて、決定部133は、現実空間における現実物Tの価値として上昇した取引価格を決定する。また、決定部133は、現在の現実物Tの取引価格に対する差分又は倍率を決定し、現在の取引価格に対して差分を加算し又は倍率を乗算することによって上昇した取引価格を決定してもよい。
【0065】
図5(b)の例では、仮想空間において仮想オブジェクトOに関する権利の取引価格が下降している。これに応じて、決定部133は、現実空間における現実物Tの価値として下降した取引価格を決定する。また、決定部133は、現在の現実物Tの取引価格に対する差分又は倍率を決定し、現在の取引価格に対して差分を加算し又は倍率を乗算することによって下降した取引価格を決定してもよい。
【0066】
出力部134は、決定部133が決定した現実物Tの価値に対応する現実価値情報を出力する。現実価値情報は、例えば、決定部133が決定した現実物Tの取引価格を含む。また、現実価値情報は、例えば、決定部133が決定した現実物Tの価値を表す文字列を含んでもよい。現実物Tの価値を表す文字列は、例えば、「価値が上昇する」や「価値が下降する」等の説明文である。
【0067】
図6は、出力部134が現実価値情報を出力する方法を説明するための模式図である。出力部134は、例えば、所定のユーザのユーザIDを宛先として、現実価値情報を表示するためのメッセージ(電子メール、SNS(Social Networking Service)のメッセージ等)を送信する。
【0068】
情報端末2は、情報処理装置1から受信したメッセージを表示するためのアプリケーション上に、当該メッセージが示す現実価値情報21を提示する。現実価値情報21は、例えば、現実物Tの名称と、当該現実物Tの価値と、当該現実物Tの価値を表す文字列と、を表す。これにより、情報処理システムSは、仮想オブジェクトOの価値又は仮想オブジェクトOの位置におけるアバタの情報に基づいて、仮想オブジェクトOに関連付けられた現実物Tの価値をユーザに通知することができる。
【0069】
出力部134は、例えば、現実物Tに関連付けられたユーザが利用する情報端末2に、現実価値情報を出力してもよい。現実物Tに関連付けられたユーザは、例えば、現実物Tの所有者であるユーザや、情報端末2において現実物Tの価値の通知を希望する操作を行ったユーザ等である。これにより、情報処理システムSは、現実物Tに関連するユーザに対して当該現実物Tの価値を自動的に通知することができる。
【0070】
出力部134は、例えば、仮想オブジェクトOに関連付けられたユーザが利用する情報端末2に、現実価値情報を出力してもよい。仮想オブジェクトOに関連付けられたユーザは、例えば、仮想オブジェクトOの所有者であるユーザ、仮想オブジェクトOにおいて開催されたイベントに参加したユーザ、仮想オブジェクトOである店舗から商品を購入したユーザ等である。これにより、情報処理システムSは、仮想オブジェクトOに関連するユーザに対して、当該仮想オブジェクトOに関連する現実物Tの価値を自動的に通知することができる。
【0071】
出力部134は、例えば、仮想空間上で仮想オブジェクトOが取引されたことを契機として、当該仮想オブジェクトOに関連付けられた現実物Tの現実価値情報を出力してもよい。これにより、情報処理システムSは、仮想オブジェクトOが取引されることにより現実物Tの価値が変動した蓋然性が高いタイミングで、現実価値情報をユーザに通知することができる。
【0072】
[情報処理方法のフロー]
図7は、本実施形態に係る情報処理装置1が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。第1取得部131は、記憶部12から、現実空間上に配置された物である現実物Tを示す情報と、仮想空間上に配置されたオブジェクトである仮想オブジェクトOを示す情報と、を関連付けた関連情報を取得する(S11)。
【0073】
第2取得部132は、仮想オブジェクトOの価値に対応する仮想価値情報と、仮想空間上の仮想オブジェクトOの位置における一又は複数のアバタに対応するアバタ情報と、の少なくとも一方を取得する(S12)。
【0074】
決定部133は、記憶部12に予め記憶された、仮想オブジェクトOに関する情報に基づいて現実物Tの価値を決定するための価値決定規則を示す規則情報を取得する。決定部133は、価値決定規則に従って、第2取得部132が取得した仮想価値情報又はアバタ情報の少なくとも一方に基づいて、第1取得部131が取得した関連情報において仮想オブジェクトOに関連付けられた現実物Tの価値を決定する(S13)。
【0075】
出力部134は、決定部133が決定した現実物Tの価値に対応する現実価値情報を出力する(S14)。出力部134は、例えば、現実物T又は仮想オブジェクトOに関連付けられたユーザが利用する情報端末2に、現実価値情報を出力してもよい。
【0076】
[実施形態の効果]
仮想空間上のオブジェクト及び現実空間上の物が対応している状況において、例えば、仮想空間上のオブジェクトが人気になった後に、時間差で現実空間上の物が人気になる場合がある。そこで、本実施形態に係る情報処理システムSは、仮想オブジェクトOの価値又は仮想オブジェクトOの位置におけるアバタの情報に基づいて、仮想オブジェクトOに関連付けられた現実物Tの価値を決定する。このような構成により、情報処理システムSは、仮想オブジェクトOにおける人流や注目度が現実物Tの価値にまだ影響していない状態であっても、仮想オブジェクトOに関する情報が反映された現実物Tの価値を決定できる。
【0077】
これにより、情報処理システムSは、仮想空間上のオブジェクト及び現実空間上の物が対応している状況において、仮想空間上のオブジェクトに関する情報を現実空間上の物の価値に反映することができる。
【0078】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0079】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0080】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 第1取得部
132 第2取得部
133 決定部
134 出力部
2 情報端末

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7