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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】溶接装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/028 20060101AFI20240826BHJP
   B23K 9/022 20060101ALI20240826BHJP
   B23K 9/00 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
B23K9/028 C
B23K9/022 Z
B23K9/00 501B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020173164
(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公開番号】P2022064496
(43)【公開日】2022-04-26
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】516093356
【氏名又は名称】株式会社シービーリサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】尾形 素臣
(72)【発明者】
【氏名】小川 大貴
【審査官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-144272(JP,A)
【文献】特開平02-070382(JP,A)
【文献】特開2000-033476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/00-9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置させた一対の鉄筋の端面同士を溶接する溶接装置であって、
先端部に溶接ワイヤーを有する溶接トーチと、
鉄筋の長手方向において、一対の鉄筋の端面同士の間に備えられた開先部の所定位置に前記溶接ワイヤーを位置させる状態で、鉄筋の長手方向で前記溶接トーチを位置保持する位置保持部と、
その位置保持部にて鉄筋の長手方向で位置保持された前記溶接トーチを、鉄筋の長手方向に沿う揺動軸心周りで揺動自在に支持する揺動支持部とが備えられ
前記溶接トーチは、作業者が把持する状態で前記溶接トーチを操作可能とするハンドル部が備えられ、作業者が前記ハンドル部を把持して前記溶接トーチを前記揺動軸心周りで揺動させる揺動操作を行うことで、前記溶接トーチを鉄筋の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行う人為操作式に構成され、
前記溶接トーチを揺動操作させる際の前記揺動軸心は、前記溶接トーチを鉄筋の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行う際の前記ハンドル部の軌跡から外れた位置に配設されている溶接装置。
【請求項2】
前記揺動軸心は、前記溶接トーチの姿勢が前記溶接トーチの先端部が鉄筋の中心部を向く基本姿勢である状態において、鉄筋の中心部と前記溶接トーチの中央部とを結ぶ基本線を延長させた延長線上に配設されている請求項1に記載の溶接装置。
【請求項3】
前記溶接トーチを鉄筋の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行う際の前記溶接トーチの位置を、鉄筋の長手方向で調整自在な第1位置調整部と、
前記溶接トーチを鉄筋の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行う際の前記溶接トーチの位置を、前記開先部に対して前記溶接ワイヤーを挿脱させる挿脱方向で調整自在な第2位置調整部とが備えられている請求項1又は2に記載の溶接装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向配置させた一対の鉄筋の端面同士を溶接する溶接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような溶接装置として、例えば、水平方向に沿って一対の鉄筋を配置し、その端面同士の間に所定の間隔を設けて開先部を備え、その開先部の外周部の下方側を覆うように裏当材を配置し、アーク溶接により開先部の底部から下向溶接するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
溶接トーチにて溶接する場合には、溶接トーチの先端部に備えられた溶接ワイヤーを開先部に位置させた状態で、溶接トーチを前後方向(鉄筋の長手方向に直交する方向)に移動させる運棒を行うことで、開先部の溶接を行っている。
【0004】
このとき、開先間隔を狭くするほど、溶接で埋める間隔が小さくなり、溶接時間の短縮化を図れるとともに、溶接材料の低減を図ることができる。しかしながら、溶接ワイヤーが鉄筋の端面に接触すると、その接触部分が溶接欠陥となってしまい、逆に、溶接ワイヤーが鉄筋の端面から離れ過ぎても、鉄筋断面が溶け残り、溶接欠陥となってしまう。よって、鉄筋間で鉄筋断面を溶かすことができながら、鉄筋端面と接触することなく、溶接ワイヤーを前後方向に移動させる運棒を正確に行うことが求められている。
【0005】
そこで、特許文献1に記載の溶接装置では、溶接トーチを前後方向(鉄筋の長手方向に直交する方向)にスライド移動させる前後移動部と、溶接トーチを上下方向にスライド移動させる上下移動部とが備えられている。溶接トーチにて開先部を溶接する場合には、溶接トーチの先端部に備えられた溶接ワイヤーを開先部の所望位置に停止させた状態で、前後移動部にて溶接トーチを前後方向で往復スライド移動させ、且つ、上下移動部にて溶接トーチを上下方向でスライド移動させることで、溶接トーチを前後方向のトーチ反復点で反転させながら前後方向に往復スライド移動させて、運棒を正確に行いながら、開先部を一層ごと積層していき、多層溶接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平7-185814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の溶接装置では、溶接トーチを前後方向(鉄筋の長手方向に直交する方向)にスライド移動させる前後移動部を備えているが、前後移動部は、溶接トーチを前後方向にスライド移動させるためのレール等のスライド移動機構を備えなければならず、特に、前後方向において大きなものとなり、装置の大型化を招くものとなる。
【0008】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、装置の小型化を図りながら、溶接トーチを鉄筋の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行うことができる溶接装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1特徴構成は、対向配置させた一対の鉄筋の端面同士を溶接する溶接装置であって、
先端部に溶接ワイヤーを有する溶接トーチと、
鉄筋の長手方向において、一対の鉄筋の端面同士の間に備えられた開先部の所定位置に前記溶接ワイヤーを位置させる状態で、鉄筋の長手方向で前記溶接トーチを位置保持する位置保持部と、
その位置保持部にて鉄筋の長手方向で位置保持された前記溶接トーチを、鉄筋の長手方向に沿う揺動軸心周りで揺動自在に支持する揺動支持部とが備えられている点にある。
【0010】
本構成によれば、位置保持部は、鉄筋の長手方向において開先部の所定位置に溶接ワイヤーを位置させる状態で、鉄筋の長手方向で溶接トーチを位置保持しているので、鉄筋の長手方向での溶接トーチの移動が規制されている。この位置保持部にて溶接トーチを位置保持した状態で、揺動支持部が、鉄筋の長手方向に沿う揺動軸心周りで揺動自在に溶接トーチを支持しているので、鉄筋の長手方向における溶接ワイヤーと鉄筋の端面との距離を一定の距離に保ちながら、鉄筋の長手方向に沿う揺動軸心周りで溶接トーチを揺動させることができる。
【0011】
これにより、鉄筋の長手方向に沿う揺動軸心周りで溶接トーチを揺動させるだけで、溶接ワイヤーが鉄筋の端面に接触せずに、鉄筋断面を溶かしながら、溶接ワイヤーを鉄筋の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行うことができる。しかも、揺動支持部は、単に、鉄筋の長手方向に沿う揺動軸心周りで溶接トーチを揺動自在に支持するだけでよく、特許文献1における前後移動部のように、溶接トーチを前後方向にスライド移動させるためのレール等のスライド移動機構を備えなくてもよいので、装置の小型化を図ることができる。
【0012】
本発明の第2特徴構成は、前記揺動軸心は、前記溶接トーチの姿勢が前記溶接トーチの先端部が鉄筋の中心部を向く基本姿勢である状態において、鉄筋の中心部と前記溶接トーチの中央部とを結ぶ基本線を延長させた延長線上に配設されている点にある。
【0013】
例えば、基本線を延長させた延長線から外れた位置に揺動軸心を配設した場合には、溶接トーチを揺動軸心周りで揺動させると、溶接トーチの先端部と鉄筋との距離の変化量が大きくなり、適切な溶接を行い難くなる可能性がある。
【0014】
そこで、本構成によれば、基本線を延長させた延長線上に揺動軸心を配設している。これにより、溶接トーチを揺動軸心周りで揺動させた場合に、溶接トーチの先端部と鉄筋との距離の変化量が小さくなり、適切な溶接を行い易くなる。
【0015】
本発明の第3特徴構成は、前記溶接トーチを鉄筋の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行う際の前記溶接トーチの位置を、鉄筋の長手方向で調整自在な第1位置調整部と、
前記溶接トーチを鉄筋の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行う際の前記溶接トーチの位置を、前記開先部に対して前記溶接ワイヤーを挿脱させる挿脱方向で調整自在な第2位置調整部とが備えられている点にある。
【0016】
本構成によれば、第1位置調整部にて鉄筋の長手方向での溶接トーチの位置を調整することができるとともに、第2位置調整部にて挿脱方向での溶接トーチの位置を調整することができるので、鉄筋の長手方向において開先部の所望位置に溶接ワイヤーを位置させ、且つ、挿脱方向において開先部の所望位置に溶接ワイヤーを位置させる状態に、溶接トーチの位置を調整することができる。これにより、溶接トーチを適切な位置に位置調整した上で、その溶接トーチを位置保持して溶接トーチを鉄筋の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行うことができるので、溶接トーチによる溶接を適切に行うことができる。
【0017】
本発明の第4特徴構成は、前記溶接トーチは、前記揺動支持部にて支持された状態で人為操作により鉄筋の長手方向に沿う揺動軸心周りで揺動操作される人為操作式に構成されている点にある。
【0018】
本構成によれば、例えば、作業者等が、揺動支持部にて支持された溶接トーチを揺動操作するだけで、溶接ワイヤーを鉄筋の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行うことができ、作業者の負担軽減を適切に図ることができる。しかも、揺動支持部の他に、溶接トーチを揺動操作させるための構成を備えなくてもよく、構成の簡素化を図ることができる。
【0019】
本発明の第5特徴構成は、前記揺動支持部にて支持された前記溶接トーチを、鉄筋の長手方向に沿う揺動軸心周りで揺動駆動させる揺動駆動部が備えられている点にある。
【0020】
本構成によれば、揺動駆動部は、揺動支持部にて支持された溶接トーチを、鉄筋の長手方向に沿う揺動軸心周りで揺動駆動させるので、作業者等が、溶接トーチを揺動操作することもなく、作業者の負担軽減を効果的に図ることができながら、溶接ワイヤーを鉄筋の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態における溶接装置を示す図
図2】第2実施形態における溶接装置を示す図
図3】第3実施形態における溶接装置を示す図
図4】第4実施形態における溶接装置を示す図
図5】運棒の際の溶接トーチの軌跡を示す図
図6】運棒の際の溶接トーチの軌跡を示す図
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る溶接装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
以下、図1に基づいて、第1実施形態における溶接装置1を説明する。
この溶接装置1は、図1に示すように、対向配置させた一対の鉄筋2、3の端面同士を溶接するためのものであり、作業者等の人為操作により溶接を行う人為操作式(人為操作式の溶接治具)に構成されている。図1(A)は、鉄筋2、3の長手方向視での溶接装置1を示しており、図1(B)は、鉄筋2、3の長手方向に直交する方向視での溶接装置1を示している。
【0023】
一対の鉄筋2、3は、水平方向に沿う姿勢で配置されており、鉄筋2、3の端面同士の間に、所定の開先間隔(例えば、4~10mm)の開先部4(図1(B)を参照)形成する状態で図外のクランプ装置にてクランプされている。一対の鉄筋2、3の間の開先部4に対して、溶接装置1の溶接ワイヤー54を上方側から挿入させてアーク溶接法による下向溶接にて、一対の鉄筋2、3の端面同士を溶接している。
【0024】
溶接装置1は、一対の鉄筋2、3の一方側に支持されており、溶接トーチ5と、その溶接トーチ5を支持するトーチ支持部6とが備えられている。
【0025】
溶接トーチ5は、ハンドル部51とトーチボディ部52とノズル部53とが備えられ、上方側(開先部4から遠ざかる側)から、ハンドル部51、トーチボディ部52、ノズル部53の順に備えられている。ハンドル部51は、作業者等が把持自在な形状に形成され、作業者等が、ハンドル部51を把持する状態で溶接トーチ5を操作可能としている。トーチボディ部52は、その途中部位にて屈曲された屈曲状に形成され、ハンドル部51が延びる方向とノズル部53が延びる方向とを異ならせている。ノズル部53の先端部には、その先端部から下方側(開先部4に近づく側)に突出する状態で溶接ワイヤー54が備えられている。
【0026】
トーチ支持部6は、一方側の鉄筋3に固定させるための固定部61と、鉄筋3の横側部において固定部61から上下方向(鉄筋2、3の長手方向に直交する方向)に延びる延設部62と、その延設部62の上端側に配置されて溶接トーチ5を取り付けるための取付部63とが備えられている。
【0027】
固定部61は、鉄筋3に当接する当接部64と、その当接部64と対向する位置に延びる対向部65とが備えられている。固定部61は、鉄筋3の長手方向に延びるL字状の部材により当接部64と対向部65とを一体的に備えさせた1枚の板状体にて構成されている。
【0028】
当接部64は、鉄筋3の下方側部位に当接する下方側当接部64aと鉄筋3の横側部位に当接する横側当接部64bとを有するL字状に形成されている。対向部65は、当接部64における横側当接部64bから連続して斜め上方側に延びる連続部65aと、固定ネジ66を取り付けるネジ取付部65bとが備えられている。対向部65は、連続部65aとネジ取付部65bとの間で折り曲げた頂上部を有する山形状に形成されている。ネジ取付部65bは、当接部64に当接される鉄筋3に対して斜め上方側から対向する位置に配設されており、固定ネジ66を取り付けるためのナット67やボルト孔部(図示省略)等が備えられている。これにより、当接部64と固定ネジ66とで両側から鉄筋3を挟み込む状態で、鉄筋3に対して固定部61が固定されている。
【0029】
延設部62は、鉄筋3の長手方向で固定部61よりも幅狭で上下方向に延びるパイプ状に形成されている。延設部62は、当接部64における横側当接部64bの裏側に当接する状態で溶接等により上下方向(鉄筋3の長手方向に直交する方向)に延びる姿勢に備えられている。
【0030】
取付部63は、下方側(開先部4に近い側)から順に、第1ブロック部68、第2ブロック部69が備えられている。第1ブロック部68の上部に第2ブロック部69が備えられており、第1ブロック部68と第2ブロック部69とが、一体的に上下方向(鉄筋3の長手方向に対して直交する方向)に移動自在に備えられている。例えば、第1調整ネジ70の回転操作により、延設部62の内部に内蔵されたネジ機構等により延設部62の長さを調整することで、第1ブロック部68を上下方向に移動させて、第1ブロック部68と第2ブロック部69とを一体的に上下方向に移動自在としている。第2ブロック部69は、第1ブロック部68に対して鉄筋3の長手方向に移動自在に備えられている。例えば、第2調整ネジ71の回転操作により、第1ブロック部68の内部に内蔵されたネジ機構等により、第1ブロック部68に対して第2ブロック部69を鉄筋3の長手方向に移動自在としている。
【0031】
第2ブロック部69には、鉄筋3の長手方向に沿う回転軸心72周りで回転自在な回転軸部73が備えられ、その回転軸部73の先端部に溶接トーチ5が支持されている。回転軸部73は、第2ブロック部69に内蔵された回転機構(図示省略)により、鉄筋3の長手方向に沿う回転軸心72周りで回転自在に第2ブロック部69に支持されている。溶接トーチ5を回転軸心(揺動軸心)72周りで回転自在(揺動自在)に支持する揺動支持部が、回転軸部73、第2ブロック部69等から構成されている。溶接トーチ5は、そのトーチボディ部52の屈曲部位が回転軸部73の先端部のトーチ固定部74にて固定されている。これにより、溶接トーチ5は、鉄筋3の長手方向で位置保持された状態で、回転軸部73の回転により回転軸心72周りで揺動自在に支持されている。
【0032】
対向配置させた一対の鉄筋2、3の端面同士を溶接するときは、鉄筋設置工程、位置調整工程、運棒工程を順次行うことで、開先部4に対して上方側から溶接トーチ5の溶接ワイヤー54を挿入させて、鉄筋2、3の長手方向に直交する方向に溶接トーチ5を移動させる運棒を行い、一対の鉄筋2、3の端面同士を溶接している。
【0033】
鉄筋設置工程では、鉄筋2、3の端面同士の間に、所定の開先間隔(例えば、4~10mm)の開先部4を形成する状態で、クランプ装置にて鉄筋2、3を水平方向に沿う姿勢でクランプしている。この鉄筋設置工程では、鉄筋2、3の設置に加えて、鉄筋2、3に支持させる状態で、開先部4の下方側を覆うように裏当て材7を設置している。裏当て材7は、U字状に形成され、例えば、セラミック材料にて構成することができるが、セラミック材料に限らず、その他の材料を用いることもできる。
【0034】
位置調整工程では、溶接トーチ5の位置について、開先部4の所望位置に溶接ワイヤー54を位置させるように、鉄筋2、3の長手方向及び上下方向の両方向で溶接トーチ5の位置調整を行う。
【0035】
鉄筋2、3の長手方向での溶接トーチ5の位置調整については、作業者等が、第2調整ネジ71の回転操作を行い、鉄筋2、3の長手方向で第1ブロック部68に対して第2ブロック部69を移動させることで、鉄筋2、3の長手方向において、開先部4の所望位置に溶接ワイヤー54が位置するように、溶接トーチ5の位置が調整される。このとき、鉄筋2、3の長手方向における開先部4に対する溶接ワイヤー54の所望位置については、例えば、開先部4の中央部に溶接ワイヤー54が位置する状態とすることができる。このようにして、溶接ワイヤー54を鉄筋2、3の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行う際の溶接トーチ5の位置を鉄筋2、3の長手方向で調整自在とする第1位置調整部を、第2調整ネジ71、第1ブロック部68、第2ブロック部69等から構成することができる。
【0036】
上下方向での溶接トーチ5の位置調整については、作業者等が、第1調整ネジ70の回転操作を行い、上下方向で第1ブロック部68と第2ブロック部69とを一体的に移動させることで、上下方向において、開先部4の所望位置に溶接ワイヤー54が位置するように、溶接トーチ5の位置が調整される。ここで、上下方向で溶接トーチ5を位置調整することで、開先部4に対して溶接ワイヤー54を挿入又は離脱させるので、開先部4に対して溶接ワイヤー54を挿脱させる挿脱方向が上下方向となっている。そして、上下方向(挿脱方向)における開先部4に対する溶接ワイヤー54の所望位置については、例えば、溶接ワイヤー54の先端部が溶接箇所の下端部の対応位置に位置する状態とすることができる。このようにして、溶接ワイヤー54を鉄筋2、3の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行う際の溶接トーチ5の位置を上下方向(挿脱方向)で調整自在とする第2位置調整部を、第1調整ネジ70、第1ブロック部68、第2ブロック部69等から構成することができる。
【0037】
鉄筋2、3の長手方向での溶接トーチ5の位置調整と上下方向での溶接トーチ5の位置調整とを行う順序については、先に、鉄筋2、3の長手方向での溶接トーチ5の位置調整を行ったり、逆に、先に、上下方向での溶接トーチ5の位置調整を行うこともでき、各種の状況に応じて適宜変更することができる。また、鉄筋2、3の長手方向での溶接トーチ5の位置調整と上下方向での溶接トーチ5の位置調整とを同時的に併行して行うこともできる。
【0038】
先に、鉄筋2、3の長手方向での溶接トーチ5の位置調整を行う場合には、例えば、開先部4から鉄筋2、3の長手方向に直交する方向に外れた位置(例えば、上方側に外れた位置)に溶接ワイヤー54を配置させた状態で、鉄筋2、3の長手方向での溶接トーチ5の位置調整を行い、その後、上下方向での溶接トーチ5の位置調整を行うことができる。逆に、先に、上下方向での溶接トーチ5の位置調整を行う場合には、鉄筋2、3の長手方向において、開先部4に対して溶接ワイヤー54が挿入可能な位置に配置させた状態で、上下方向での溶接トーチ5の位置調整を行い、その後、鉄筋2、3の長手方向での溶接トーチ5の位置調整を行うことができる。
【0039】
運棒工程では、作業者等がハンドル部51を把持して溶接トーチ5を操作することで、回転軸部73を第2ブロック部69に対して回転軸心72周りで回転させて、溶接トーチ5を回転軸心72(揺動軸心)周りで揺動させている。これにより、溶接トーチ5を鉄筋2、3の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行い、開先部4において溶接ワイヤー54を鉄筋2、3の長手方向に直交する方向に移動させている。このとき、鉄筋2、3の長手方向において溶接トーチ5の位置がトーチ支持部6(位置保持部に相当する)にて位置保持されており、鉄筋2、3の長手方向における溶接ワイヤー54と鉄筋2、3の端面との距離を一定の距離に保ちながら、回転軸心72周りで溶接トーチ5を揺動させることができる。
【0040】
運棒工程では、図1に示すように、溶接トーチ5の姿勢について、まず、溶接トーチ5におけるノズル部53の先端部が鉄筋3の中心部Pを向く基本姿勢にセットすることができる。溶接トーチ5の基本姿勢は、例えば、溶接トーチ5におけるノズル部53の先端部と鉄筋3の中心部Pとの距離が最小距離となる姿勢とすることができる。その基本姿勢にセットした後、作業者等がハンドル部51を上下に移動させることで、回転軸心72周りで溶接トーチ5を揺動させて、開先部4において溶接ワイヤー54を鉄筋2、3の長手方向に直交する方向に移動させ、鉄筋断面を溶かして鉄筋2、3の端面同士を溶接している(図5(A)参照)。ちなみに、図5(A)は、ハンドル部51を上下に移動させて、開先部4において溶接ワイヤー54を鉄筋2、3の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行ったときの溶接トーチ5の軌跡を示している。
【0041】
回転軸心72の位置について、図1及び図5(A)に示すように、上下方向(挿脱方向)では、作業者等の操作対象となるハンドル部51(操作対象部材)よりも下方側(開先部4に近づく側)でトーチボディ52と重複する位置に、回転軸心72が配設されている。また、鉄筋3等との相対位置については、溶接トーチ5の姿勢が、溶接トーチ5におけるノズル部53の先端部が鉄筋3の中心部P(鉄筋3の軸心部)を向く基本姿勢である状態において、鉄筋3の中心部Pと溶接トーチ5におけるノズル部53の中央部とを結ぶ基本線を延長させた延長線K上に、回転軸心72が配設されている。この実施形態では、溶接トーチ5におけるノズル部53の先端部の中央部から溶接ワイヤー54が直線状に延びる状態で備えられているので、延長線Kがノズル部53の先端部から溶接ワイヤー54が延びる延長線となっている。これにより、溶接トーチ5を回転軸心72周りで揺動させた場合に、図5(A)に示すように、溶接トーチ5におけるハンドル部51の先端部と鉄筋3との距離の変化量が小さくなり、適切な溶接を行い易くなる。ちなみに、図5(A)では、図1における回転軸心72の位置を左右方向で移動させて、鉄筋3の中心部Pの真上に回転軸心72を配置させた状態を示している。図5(A)における溶接トーチ5の基本姿勢を実線にて示している。
【0042】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、第1実施形態において、鉄筋3に当接する当接部64、及び、回転軸心72の位置についての別実施形態である。以下、図2に基づいて、鉄筋3に当接する当接部81、及び、回転軸心72の位置について、中心に説明する。その他の構成については、第1実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明を省略する。図2(A)は、鉄筋2、3の長手方向視での溶接装置1を示しており、図2(B)は、鉄筋2、3の長手方向に直交する方向視での溶接装置1を示している。
【0043】
第1実施形態では、図1に示すように、当接部64が、下方側当接部64aと横側当接部64bとを有するL字状に形成されている。それに対して、第2実施形態では、図2に示すように、当接部81が、鉄筋3の左右方向において一方側の斜め下方側部位に当接する第1斜め当接部81aと、鉄筋3の左右方向において他方側の斜め下方側部位に当接する第2斜め当接部81bとを有するV字状に形成されている。これにより、溶接対象の鉄筋2、3の径が異なる場合に、第1実施形態では、鉄筋2、3の中心部Pが左右方向で変化するのに対して、第2実施形態では、鉄筋2、3の中心部Pが左右方向で変化せずに同一位置となる。
【0044】
また、第2実施形態では、図2に示すように、対向部82についても、第1実施形態の対向部65とは異なり、第2斜め当接部81bから連続して上方側に延びる連続部82aと、固定ネジ66を取り付けるネジ取付部82bとが備えられている。対向部82は、連続部82aとネジ取付部82bとの間で屈曲部を有するL字状に形成されている。ネジ取付部82bは、当接部64に当接される鉄筋3に対して上方側から対向する位置に配設されており、固定ネジ66を取り付けるためのナット67やボルト孔部(図示省略)等が備えられている。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、ナット67やボルト孔部が2つ備えられており、ネジ取付部82bに2つの固定ネジ66が取り付けられている。これにより、当接部64と2つの固定ネジ66とで両側から鉄筋3を挟み込む状態で、鉄筋3に対して固定部61が固定されている。
【0045】
回転軸心72の位置について、第1実施形態では、図1に示すように、上下方向(挿脱方向)において、作業者等の操作対象となるハンドル部51(操作対象部材)よりも下方側(開先部4に近づく側)でトーチボディ52と重複する位置に、回転軸心72が配設されている。それに対して、第2実施形態では、図2に示すように、上下方向(挿脱方向)において、トーチボディ部52よりも上方側でハンドル部51の上方側部位と重複する位置に、回転軸心72が配設されている。これにより、回転軸部73の先端部のトーチ固定部83は、上下方向に延びる形状に形成されており、トーチ固定部83の下端部に、溶接トーチ5におけるトーチボディ部52の屈曲部位が固定されている。
【0046】
図5を用いて、回転軸心72の位置について説明を加える。図5は、上述の如く、ハンドル部51を上下に移動させて、開先部4において溶接ワイヤー54を鉄筋2、3の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行ったときの溶接トーチ5の軌跡を示している。
【0047】
第2実施形態においても、第1実施形態(図5(A)参照)と同様に、図5(B)に示すように、溶接トーチ5の姿勢が、溶接トーチ5におけるノズル部53の先端部が鉄筋3の中心部Pを向く基本姿勢である状態において、鉄筋3の中心部Pと溶接トーチ5におけるノズル部53の中央部とを結ぶ基本線を延長させた延長線K上に、回転軸心72が配設されている。
【0048】
〔第3実施形態〕
この第3実施形態は、第1実施形態における回転軸部73を回転させるための構成についての別実施形態である。以下、図3に基づいて、回転軸部73を回転させるための構成について、中心に説明し、その他の構成については第1実施形態と同様であるので、同符号を記す等により説明を省略する。図3(A)は、鉄筋2、3の長手方向視での溶接装置1を示しており、図3(B)は、鉄筋2、3の長手方向に直交する方向視での溶接装置1を示している。
【0049】
第1実施形態では、回転軸部73が、鉄筋3の長手方向に沿う回転軸心72周りで回転自在に第2ブロック部69に支持されており、作業者等が溶接トーチ5のハンドル部51を操作することで、回転軸部73を回転させている。それに対して、第3実施形態では、図3に示すように、回転軸部73を回転駆動する回転駆動部91(揺動駆動部に相当する)が備えられ、その回転駆動部91にて回転軸部73を自動的に回転駆動させて、溶接トーチ5を鉄筋2、3の長手方向に沿う回転軸心72周りで揺動駆動させている。これにより、第1実施形態では、溶接装置1が、運棒を作業者等による人為操作にて行う人為操作式の溶接治具として構成されているのに対して、第3実施形態では、溶接装置1が、運棒を回転駆動部91による回転駆動により行う自動溶接機として構成されている。
【0050】
回転駆動部91は、詳細な図示は省略するが、例えば、第2ブロック部69の内部に内蔵された制御部やモータ等のアクチュエータを有する回転駆動機構等から構成されている。また、回転駆動部91を回転駆動させるための操作部(例えば、回転駆動部91の回転駆動の開始や終了を指令する操作釦等)を第2ブロック部69やリモートコントローラー等に備えることもできる。これにより、運棒工程において、作業者等が操作部を操作するだけで、回転駆動部91にて回転軸部73を自動的に回転駆動させて、溶接トーチ5を鉄筋2、3の長手方向に沿う回転軸心72周りで揺動駆動させることができる。
【0051】
回転軸部73の先端部のトーチ固定部92は、第1実施形態と異なり、上下方向に延びる形状に形成されている。そして、トーチ固定部92に、溶接トーチ5におけるトーチボディ部52が固定されている。また、溶接トーチ5についても、第1実施形態とは異なり、トーチボディ部52は、屈曲状に形成されておらず、直線状に形成されている。
【0052】
〔第4実施形態〕
この第4実施形態は、第3実施形態において、鉄筋3に当接する当接部64、及び、回転軸心72の位置について、第2実施形態と同様の構成を採用したものである。
【0053】
図4に示すように、第3実施形態と同様に、回転駆動部91が、第2ブロック部69の内部に内蔵されている。また、第2実施形態と同様に、当接部81が、第1斜め当接部81aと第2斜め当接部81bとを有するV字状に形成されている。図4(A)は、鉄筋2、3の長手方向視での溶接装置1を示しており、図4(B)は、鉄筋2、3の長手方向に直交する方向視での溶接装置1を示している。
【0054】
回転軸心72の位置については、第2実施形態と異なり、上下方向において、ハンドル部51と重複してハンドル部51の下方側部位に相当する位置に、回転軸心72が配設されている。また、トーチ固定部93の上端部及び下端部に、溶接トーチ5におけるハンドル部51が固定されている。
【0055】
〔回転軸心72の位置について〕
図5及び図6に基づいて、回転軸心72の位置について説明を加える。図5及び図6は、いずれも、開先部4において溶接ワイヤー54を鉄筋2、3の長手方向に直交する方向に移動させる運棒を行ったときの溶接トーチ5の軌跡を示しており、図1(A)~図4(A)に対して、鉄筋2、3の長手方向の反対側から見た状態を示している。図5は、第1実施形態や第2実施形態のように、人為操作式の溶接治具における溶接トーチ5を適用させた場合を示しており、図6は、第3実施形態や第4実施形態のように、自動溶接機における溶接トーチ5を適用させた場合を示している。
【0056】
図5(A)は、左右方向で回転軸心72の位置を移動させているものの、第1実施形態に相当する回転軸心72の位置を示している。図5(B)は、第2実施形態に相当する回転軸心72の位置を示している。図5(A)と図5(B)とでは、上下方向での回転軸心72の位置が上下方向で下方側か上方側かで異なるものの、いずれの場合でも、鉄筋3等との相対位置については、溶接トーチ5の姿勢が、溶接トーチ5におけるノズル部53の先端部が鉄筋3の中心部Pを向く基本姿勢(図中、実線にて示す溶接トーチ5の位置)である状態において、鉄筋3の中心部Pと溶接トーチ5におけるノズル部53の中央部とを結ぶ基本線を延長させた延長線K上に、回転軸心72が配設されている。これにより、上下方向での回転軸心72の位置にかかわらず、延長線K上に回転軸心72が配設されていれば、溶接トーチ5を回転軸心72周りで揺動させた場合に、溶接トーチ5におけるハンドル部51の先端部と鉄筋3との距離の変化量が小さくなり、適切な溶接を行い易くなる。
【0057】
それに対して、図5(C)は、鉄筋3の中心部Pと溶接トーチ5におけるノズル部53の中央部とを結ぶ基本線を延長させた延長線K上から外れた位置(図中、右側に外れた位置)に、回転軸心72を配設している。溶接トーチ5を回転軸心72周りで揺動させた場合に、図5(A)及び図5(B)の場合と比較すると、溶接トーチ2におけるハンドル部51の先端部と鉄筋3との距離の変化量が大きくなっている。しかしながら、その変化量はそれほど大きくなく、溶接不良等の悪影響が生じないと考えられるので、延長線K上から外れた位置に回転軸心72を配設することもできる。
【0058】
ただし、延長線K上から回転軸心72までの距離が大きくなればなるほど、溶接トーチ5を回転軸心72周りで揺動させた場合のハンドル部51の先端部と鉄筋3との距離の変化量が大きくなる傾向である。よって、延長線K上から回転軸心72までの距離を、溶接不良等の悪影響が生じない範囲に収めておくのが好ましい。
【0059】
図6(A)は、第4実施形態に相当する回転軸心72の位置を示しており、図6(B)は、第3実施形態に相当する回転軸心72の位置を示している。図6(A)では、鉄筋3の中心部Pと回転軸心72の中心とが上下方向で並び、鉄筋3の中心部Pの真上に回転軸心72の中心が位置するように、回転軸心72を配設している。それに対して、図6(B)は、鉄筋3の中心部Pの真上に回転軸心72の中心が位置せずに、鉄筋3の中心部Pを通り上下方向に沿って延長した線S1に対して、回転軸心72の中心を通り上下方向に沿って延長した線S2が外れた位置になるように、回転軸心72を配設している。
【0060】
しかしながら、いずれの場合でも、鉄筋3等との相対位置については、溶接トーチ5の姿勢が、溶接トーチ5におけるノズル部53の先端部が鉄筋3の中心部Pを向く基本姿勢(図中、実線にて示す溶接トーチ5の位置)である状態において、鉄筋3の中心部Pと溶接トーチ5におけるノズル部53の中央部とを結ぶ基本線を延長させた延長線K上に、回転軸心72が配設されている。これにより、鉄筋3の中心部Pの真上に回転軸心72の中心が位置していなくても、延長線K上に回転軸心72が配設されていれば、溶接トーチ5を回転軸心72周りで揺動させた場合に、溶接トーチ2におけるハンドル部51の先端部と鉄筋3との距離の変化量が小さくなり、適切な溶接を行い易くなる。
【0061】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0062】
(1)上記実施形態では、一対の鉄筋2、3を水平方向に沿う姿勢で配置して、一対の鉄筋2、3の端面同士を溶接する場合に、溶接装置を適用した例を示したが、例えば、一対の鉄筋を上下方向に沿う姿勢で配置して、一対の鉄筋の端面同士を溶接する場合に、溶接装置を適用することもできる。この場合、鉄筋の長手方向が上下方向となり、鉄筋の長手方向に直交する方向が水平方向となる。
【0063】
(2)上記実施形態では、溶接ワイヤー54について、溶接トーチ5におけるノズル部53の先端部から直線状に延びる状態で備えられているが、直線状に限らず、例えば、溶接ワイヤーの途中部位で屈曲する屈曲状に備えることもでき、溶接ワイヤーをどのような状態で備えるかは適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 溶接装置
2 鉄筋
3 鉄筋
4 開先部
5 溶接トーチ
6 トーチ支持部(位置保持部)
54 溶接ワイヤー
68 第1ブロック部(第1位置調整部、第2位置調整部)
69 第2ブロック部(揺動支持部、第1位置調整部、第2位置調整部)
70 第1調整ネジ(第2位置調整部)
71 第2調整ネジ(第1位置調整部)
72 回転軸心(揺動軸心)
73 回転軸部(揺動支持部)
91 回転駆動部(揺動駆動部)
K 延長線
P 鉄筋の中心部

図1
図2
図3
図4
図5
図6