(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-23
(45)【発行日】2024-09-02
(54)【発明の名称】飲料、特にコーヒーまたは茶の調製機の淹出装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/36 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
A47J31/36 124
A47J31/36 122
A47J31/36 126
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022201423
(22)【出願日】2022-12-16
(62)【分割の表示】P 2019569701の分割
【原出願日】2018-06-27
【審査請求日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】102017000071902
(32)【優先日】2017-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519201606
【氏名又は名称】カリマリ ソチエタ ペル アツィオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】メラティ,アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ペレッタ,マッシモ
(72)【発明者】
【氏名】デ ニコロ,ミケーレ
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-507981(JP,A)
【文献】特表2013-538663(JP,A)
【文献】特公昭46-032957(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0139697(US,A1)
【文献】特表2020-525079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製機のための淹出装置(1)であって、前記淹出装置(1)が、
-長軸(9)と、淹出する材料が装填され排出され得る開口(11)を有する淹出チャンバ(10)と、
-前記淹出チャンバ(10)の対向する側部に配置された2つの横壁(6)と、互いに同軸であり前記横壁(6)から外側に突出する2つの支点ピン(31)を有するフレーム(4)と、
-前記フレーム(4)に対して相対的に可動な閉鎖体(26)であって、前記閉鎖体が前記淹出チャンバ(10)の前記開口(11)を封止して閉鎖する封止閉位置に対して遠ざかる方向と接近する方向に可動な閉鎖体と、
-前記閉鎖体(26)に対して軸方向に対向する位置で前記淹出チャンバ(10)にスライド可能に取り付けられたピストン(12)と、
-前記閉鎖体(26)を移動させるためのものであり、モータ(34)と、前記モータ(34)と前記閉鎖体(26)との間に配置されたカムドライブ(35)とを備えた作動装置(32)と、を備え、
前記カムドライブ(35)が、前記淹出チャンバ(10)と前記フレーム(4)の前記横壁(6)との間に前記淹出チャンバ(10)と同軸に取り付けられた円筒カム(36)と、それぞれの鏡面スロット(39)にスライド可能に係合した2つのカムフォロワ(38)とを備え、前記鏡面スロット(39)の各々は対応する前記横壁(6)に形成され前記長軸(9)に平行に延在して、動作中に、前記円筒カム(36)の前記長軸(9)周りの回転を、前記2つのカムフォロワ(38)のそれぞれの前記長軸(9)に沿った並進運動に変換することを特徴とする淹出装置(1)。
【請求項2】
前記閉鎖体(26)は、各々がそれぞれの横壁(6)に面し、それぞれの支点ピン(31)によってスライド可能に係合されるスロット(30)を有する2つのガイドプレート(29)と、前記淹出チャンバ(10)に面する第1のトラック(40)とを備え、
前記カムドライブ(35)はさらに、前記円筒カム(36)上に配置された第2のトラック(37)を備え、
前記2つのカムフォロワ(38)は、前記第2のトラック(37)
に対して対蹠的に対向した位置で係合し、各カムフォロワ(38)は、前記円筒カム(36)からそれぞれの第1のトラック(40)
まで延出して前記それぞれの第1のトラック(40)と係合し、前記長軸(9)周りの前記円筒カム(36)の回転に応答して、前記2つのガイドプレート(29)のそれぞれを移動させる、請求項1に記載の淹出装置(1)。
【請求項3】
前記閉鎖体(26)は、前記封止閉位置から、前記封止閉位置から角度方向に離間した開位置まで、前記閉鎖体(26)が前記封止閉位置に対して前記長軸(9)に沿って上昇している中間位置を通って可動であり、前記第2のトラック(37)は、前記閉鎖体(26)の前記開位置を規定する上部ピークと、前記封止閉位置を規定する下部ピークとを有する正弦状プロファイルを有する、請求項2に記載の淹出装置(1)。
【請求項4】
前記第2のトラック(37)の前記正弦状プロファイルは、前記円筒カム(36)の完全一回転が、前記開位置から前記封止閉位置への、および前記封止閉位置から再び前記開位置(11)への、前記閉鎖体(26)の移動を引き起こすように設計されている、請求項3に記載の淹出装置(1)。
【請求項5】
前記閉鎖体(26)の前記移動を制御するものであり、2つの第3のトラック(44)を含むカム制御装置(33)をさらに備え、前記第3のトラックの各々が、それぞれの横壁(6)上に配置され、前記横壁(6)に面した前記ガイドプレート(29)により担持されるそれぞれのさらなるカムフォロワ(45)により係合する、請求項
2から4のいずれか一項に記載の淹出装置(1)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の淹出装置(1)を備えた飲料調製機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2017年6月27日に出願されたイタリア特許出願第102017000071902号の優先権を主張し、その内容を本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、飲料、特にコーヒーまたは茶の調製機の淹出装置に関する。
【背景技術】
【0003】
淹出する材料を充填および排出可能な開口を有する淹出チャンバと、淹出チャンバと協働して飲料を調製するように動作可能な1つ以上の部材と、部材と淹出チャンバを相互に動かして飲料を調製するように動作可能な1つ以上の電動アクチュエータと、飲料調製サイクル中に部材と淹出チャンバのうち1つ以上の相対位置が決定されることを可能にする電気信号を出力するセンサシステムと、センサシステムに接続されてセンサシステムから電気信号を受信し、電気アクチュエータそれぞれに接続されて電気アクチュエータに電気制御信号を供給するオンボード型電子制御ユニットとを備えた電子制御システムを備えた淹出装置が配設された、特にコーヒーまたは茶の飲料調製機が従来技術で周知である。
【0004】
上記のタイプの飲料調製機が、例えば、特許文献1から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2013/127476号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
出願人は、上記のタイプの淹出装置はいくつかの問題の影響を受けるということを実験的に経験しているが、その問題は、閉鎖体の電気駆動に関する問題と、オンボード型センサシステムに関する問題、の2つの大きなカテゴリーにグループ化され得る。
【0007】
閉鎖体の電気駆動に関する問題に関しては、出願人は、これら問題は基本的に、電気駆動のキャラクタライゼーションと使用を困難にするほどの電気駆動における大きな電流吸収範囲につながる製造偏差によって引き起こされるものであるということを実験的に経験した。
【0008】
特に、上記のタイプの淹出装置は2つの機械式止め具を有して、淹出チャンバ開位置では淹出する材料が充填されることを可能にし、また淹出チャンバ閉位置では淹出された飲料が調製され分注されることを可能にする。
【0009】
出願人はさらに、新規の淹出装置では、より通用している淹出装置とは異なる機械的挙動をもたらすという事実により、機械的リバウンドにより、または付帯的な機械的剛性により、また、キャラクタライゼーションとは有意に異なる電気的吸収故にバッチが違う電動モータでは互いに異なって動作することにより、淹出装置の頻繁な不具合の発生をもたらすということを実験的に経験した。
【0010】
これらの理由により、上記のタイプの淹出装置は閉鎖体の運動の早期中断を頻繁に蒙り、その結果目標位置に達することが適わなくなった。
【0011】
出願人はさらに、上記のタイプの淹出装置において、特定された問題は、現在の閾値に対処するのでは容易に解決され得ず、不正な位置決めが検出された場合に閉鎖体がロック解除されて位置が復元されることを可能にする、より多数のパッチの制御ソフトウェアの導入を要することを実験的に経験したが、それは、分注サイクルのタイミングを悪化させるばかりでなく制御ソフトウェアの負担を有意に増やし、結果として、必要な計算的リソースの利用の負担を増やす。
【0012】
他方で、オンボード型センサシステムに関する問題に関して、出願人は、これらは基本的に、淹出装置へのセンサの不正な配置によって引き起こされるということを実験的に経験した。
【0013】
実際、上記のタイプの淹出装置において、閉鎖体の種々の位置は、淹出チャンバの開口に、淹出装置のヘッドに配置されて、淹出チャンバの対向する両側部に配置された2つのディスクカムのうち1つの上に取り付けられた4個の磁石の通過を識別する2つのホールエフェクトセンサを介して感知される。
【0014】
この運動中に閉鎖体の位置のうちいくつかが再発するとすれば、製造偏差によって引き起こされた閉鎖体の電気アクチュエータの異なる電流吸収ならびにホールエフェクトセンサの上記の位置取りが、頻繁に感知される実際の位置とは異なる位置に対応する閉鎖体の位置をもたらす。
【0015】
最後に、出願人はさらに、上記の問題に加えて、上記のタイプの淹出装置は、使用される構成要素およびアーキテクチャ両方に関して、制御エレクトロニクスに起因するいくつかの技術的制約を蒙っているということを経験しており、主な制約は、淹出装置の、異なるタイプの他の淹出装置との、または、同じタイプではあるがより現代的なタイプの淹出装置との互換性に関係する困難性であり、その互換性は、電気的マッチングおよび/または補足電子回路基板などの有意な電気的および電子的修正を要する。
【0016】
本発明の目的は、上述のタイプであって、上記の問題と制約を少なくとも部分的に克服することを可能にする改善をもたらす淹出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明により、飲料、特にコーヒーまたは茶を調製するための機械の淹出装置のための電子制御システム、そのような電子制御システムを備えた淹出装置、およびそのような淹出装置を備えた飲料調製機が、添付の特許請求の範囲に記載のように提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明による淹出装置の好ましい実施形態の分解図である。
【
図2】開構成に配置され、飲料調製機の一部である支持体に実装された
図1の淹出装置の斜視図である。
【
図3】閉構成に配置された
図2の淹出装置の図である。
【
図4】支持体から解放した位置にある
図3の淹出装置の図である。
【
図5】支持体から取り外した
図3の淹出装置の図である。
【
図6】中央対称面上の
図3の淹出装置の断面図である。
【
図7】
図3の淹出装置の詳細の斜視部分分解図である。
【
図11】
図10の淹出装置の詳細の、線XI-XIに沿った断面図である。
【
図12】淹出装置の電子制御システムの構成要素のレイアウトの図である。
【
図13】淹出装置の電子制御システムの電子制御プリント基板のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の詳細を、当業者が本発明を実施し使用できるように、添付の図を参照して説明する。当業者ならば、本明細書に記載の実施形態に種々の改変を行い得るものであり、また、本明細書に開示の一般原則は、添付の特許請求の範囲に開示される本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態および応用例に応用され得る。したがって、本発明の範囲は本明細書で説明し図示する実施形態に限定されず、本明細書で説明し図示する原理および特徴に一致する最も広い範囲に従うものとする。
【0020】
図1は、全体として、飲料調製機で加圧熱水淹出プロセスによって、飲料、特にコーヒーまたは茶を調製するための淹出装置を示す。
【0021】
通常の動作条件では、淹出装置1は飲料調製機内に配置され、加圧熱水源と、淹出する材料、例えばコーヒーパウダーまたは茶葉の一投与分量を淹出サイクル開始時に淹出装置1に供給するように動作可能な自動供給装置に接続されている。一変形例では、材料は、ユーザによって、ばら材料の一投与分量または既知のシングルサーブポッドもしくはカプセルを装填することによって手動で供給されてよい。
【0022】
図2、3および5に示すように、淹出装置1は、淹出装置1の可動部品を以下に述べるように動作させる動力取り出し装置と、各飲料調製サイクルの最後に淹出装置1からの排出物が排出され得る排出経路3とを備えた支持体2上に、以下に図示するように解放可能に留め付けられるように構成されている。
【0023】
図1に示すように、淹出装置1は、互いに確りと接続されているとともにそれぞれが横壁6を備えた2つのシェル5によって形成されたフレーム4を備え、横壁6は他方のシェル5の横壁6に対向し、他方の横壁6の面7に対して平行な外部平面7を備えている。
【0024】
2つのシェル5は間に空間を画定し、その中に円筒形の筒体8が装着され、筒体8は長軸線9を有し内部に淹出チャンバ10を画定し、淹出チャンバ10は、淹出する材料が充填され排出される上部開口11を介して外部と連通し、底部では、材料を圧縮/排出するように動作可能なピストン12によって閉じられている。
【0025】
図1および6に示すように、ピストン12は、フレーム4と一体化した円筒体15にスライド可能に装着されたヘッド13と管状ロッド14を備え、ロッド14の長手方向スロットそれぞれにスライド式に係合する2つの正反対に配置された横付属体が配設されている。2つの横付属体のうち一方は中実であるのに対し、他方の付属体は管状であり、動作中に、ピストン12によって淹出チャンバ10に供給される淹出水のための入口路16を画定している。
【0026】
このため、ピストン12のヘッド13は、シャワープラテンの形態であり、給水路17から淹出水を受け、給水路17は、ヘッド13と一体の長形要素18内に配置され、円筒体15の軸穴19内にスライド可能に装着され、また、長形要素18と穴19との間の環状隙間と流体連通する1つ以上の横穴20を有する。
【0027】
ピストン12は、支持体2に実装され動力取り出し装置22(
図5)を備えた反転電動モータ21a(
図12)と、軸線9と同軸であり、ロッド14の外ねじ山24と噛み合う内歯と、フレーム4の凹部に収容され動力取り出し装置22に解除可能に結合されたスピンドル25のウォームねじと噛み合う外歯が配設された歯車23を備えたギヤトランスミッションを備えた作動装置21によって作動される。
【0028】
図1~3および6に示すように、淹出装置1はさらに、フレーム4に対して、また、淹出チャンバ10に対して、封止位置に対して接離両方向に可動な閉鎖体26をさらに備え、閉位置では閉鎖体は上部開口11を封止可能に閉鎖し、閉位置は、前記位置で飲料の分注と淹出が発生するため、以後、分注位置とも呼ばれる。
【0029】
特に、閉鎖体26は、ピストン27と、ピストン27に直接接続されたトラバース部28と、トラバース部28の端部から下方に延在して互いに対面し鏡面的に配置された2枚のガイドプレート29を備え、鏡面故に、以下では、可能な場合、2枚のガイドプレート29のうち一枚のみについて説明する。
【0030】
各ガイドプレート29には、それぞれの横壁6の対向面7が配置され、横壁6によって担持されそこから突出する対応する支点ピン31がスライド可能に係合するスロット30を有する。
【0031】
閉鎖体26は作動装置32によって作動され、その運動は、作動装置32と同様に淹出装置1の一部である制御装置33によってガイドされる。
【0032】
特に、作動装置32と制御装置33は、閉鎖体26を支点ピン31の周りで並進かつ回転させて、閉鎖体26を、ピストン24が開口11を封止係合する閉位置(
図3)と、ピストン27が開口11を完全に露出した状態にし、閉位置に対して角度方向に変位した開位置(
図2)と、閉鎖体26が閉位置に対して昇位しておりピストン27が外部にあり開口11と軸方向に整列している中間位置または排出物排出位置(図示せず)に配置させるように構成される。
【0033】
このため、作動装置32は、支持体2上に実装され動力取り出し装置34(
図5)を備えた電動モータ32a(
図12)と、モータと閉鎖体26の間に配置されたカムドライブ35を備えている。
【0034】
カムドライブ35は、淹出チャンバ10の周りに、円筒形筒体8とフレーム4の横壁6の間に、軸線9と同軸に配置された円筒カム36を備えている。円筒カム36は、その横壁にトラック37と、トラック37に対して対蹠的に対向した位置で係合し、円筒カム36から外側に軸線9に対して横方向に、対応する横壁6を通って横壁6を越えて鏡面的に延出する2つのカムフォロワ38を備えている。
【0035】
特に、
図7に示すように、横壁6はそれぞれの鏡面スロット39を備え、それらはそれぞれ軸線9に対して平行な方向に延出して、それぞれのカムフォロワ38によってスライド可能に係合されて、動作中に、軸線9周りの円筒カム36の回転を、軸線9に沿ったカムフォロワ38の線形運動に変換する。
【0036】
2つのカムフォロワ38は
図1に示す実施形態のように物理的に分離されていてもよく、または、図示しない変形例によれば、互いに確りと接続されてもよく、2つのカムフォロワ38は例えば同軸に配置されて円筒カム36の外部に配置された支持リング上に取り付けられ得る。この解決策の利点は、カムフォロワ38とトラック37との間の隙間を排除または少なくとも制限して、運動の伝達精度の利点が得られるということである。
【0037】
カムドライブ35はさらに2つのトラック40を備え、それらはそれぞれ、対応するガイドプレート29の一側部上に、淹出チャンバ10に向けて互いに対して鏡面状に形成され、対応する横壁6に面している。各トラック40は対応するガイドプレート29に面して横壁6のスロット39の正面に延出してスロット39を通りそこより先に延出するカムフォロワ38の端部によってスライド可能に係合される。
【0038】
したがって、カムフォロワ38とトラック40の間の結合は、トラック40のプロファイルによって定義される、または言及した制御装置33によって定義される運動法則に従って、スロット39に沿ったカムフォロワ38の線形運動を、支点ピン31に対する閉鎖体26の回転および並進運動に変換することによって、運動が円筒カム36から閉鎖体26に伝達されることを可能にする。
【0039】
円筒カム36は、スロット39に沿ったカムフォロワ38の運動を、円筒カム36のトラック37のプロファイルとその回転速度に依存した法則で制御する。
【0040】
好ましい実施形態において、トラック37は正弦状プロファイルを有し、上側ピークは閉鎖体26の開位置を画定し、下側ピークは閉位置を画定している。
【0041】
図に示すように、トラック37のプロファイルは好ましくは、円筒カム36の軸線9周りでの時計回りまたは反時計回りの完全回転中に、閉鎖体26が、開位置から閉位置に、または逆に閉位置から開口位置に移動させるように設計されている。
【0042】
図1から6に示すように、円筒カム36は、円筒カム36と一体であり且つフレーム4によって支持されるとともに動力取り出し装置34と迅速且つ解除可能に結合するように設計された歯車43と角度的に一体であるピニオン42と噛み合う歯付きクラウン41を備えた歯車減速機構を介して作動装置32によって作動される。
【0043】
図7に示すように、カムドライブ35によって動かされる閉鎖体26の運動を制御する制御装置33は、2つの固定トラック44を備え、固定トラック44はそれぞれ対応する横壁6の面7上に配置され、横壁6に対面するガイドプレート29によって担持されるカムフォロワ45によって係合される。
【0044】
閉鎖体26の運動を閉位置、中間位置および開位置の間でガイドするために、各トラック44は軸線9に対して平行な直線部分46と、支点ピン31に対して同軸な円形円弧状部分47を備えている。
【0045】
図2および3に示すように、淹出装置1はさらに、閉鎖体26とともに移動して、飲料調製の最後にピストン12によって淹出チャンバ10から排出される排出物を排出するスクレーパ部材48を備えている。
【0046】
スクレーパ装置48はU字状であり、ガイドプレート29に枢着され、2本の横アームを備え、アームはそれぞれ、閉鎖体26が開口位置から中間位置に移動するときに開口11上に移動して、排出物を、筒体8の頂部に接続されたスライド50の上方に押しやって排出経路3へと落下させるように動作可能なドクターブレード49の端部に接続されている。
【0047】
最後に、淹出装置1は、淹出装置1を支持体2に解除可能に接続する固定具51を備えている。
【0048】
図1、3、4および5に示すように、固定具51は、軸線9に横断する軸の周りで、淹出装置1が支持体2に確りと固締された正接続位置(
図3)と、淹出装置1が支持体2に迅速に取り付けられ且つ支持体2から迅速に離脱される解放位置(
図4)の間で回転するべくフレーム4に枢着されたリリースレバー52を備えている。
【0049】
リリースレバー52はU字形であり、互いに鏡面であって対応するガイドプレート29に面してフレーム4のそれぞれの外壁54に枢着された2本のロッカーアーム53と、支持体2に対して反対どうしの淹出装置1に配置され、ロッカーアーム53の端部どうしを接続し、リリースレバー52の操作ハンドル56を画定するような形状のトランスバースメンバ55を備えている。
【0050】
図2に示すように、各ロッカーアーム53はそれぞれの外壁54に枢着されて、それぞれの回転ピン57周りで回転し、回転ピン57は他のピン57と同軸であり軸線9に対して横断方向であって、ロッカーアーム53上の2つのアームを画定し、第1のアーム58はピン57からトランスバースメンバ55まで延在し、第2のアーム59はピン57から支持体2まで延在する。
【0051】
各アーム59は、支持体2によって担持されるそれぞれのフックピン61を横方向に係合することを意図したフック状端部60を有する。
【0052】
ロッカーアーム53は好ましくは、互いに対して平行であるとともに軸線9に対して平行な面上にある。さらに、各外壁54は、ロッカーアーム53が接続位置から解放位置に移動したときに対応するロッカーアーム53のための機械的エンドストロークを画定する止め54aを備えている。図示の例において、止め54aは外壁54から突出する隆部から作られ、リリースレバー52が解放位置に達したときにロッカーアーム53が当接する肩状部を画定する傾斜面によってロッカーアーム53のほうの境界を決められている。
【0053】
リリースレバー52に加えて、固定具51は、接続の安定性を確実にすると同時にリリースレバー52の作動による淹出装置1の断絶および特に再配置を単純且つ迅速にするために、淹出装置1が支持体2に取り付けられた場合(
図3)に接続位置からのリリースレバー52の偶発的な離脱を防止するように設計されたロック機構62を備えている。
【0054】
ロック機構62は磁石式であり、各ロッカーアーム53につき、ロッカーアーム53に接続された磁石63と、関連する外壁54に接続された磁石64を備えている。磁石63および64は、リリースレバー52が接続位置(
図3)にある場合にリリースレバー52が互いに接触し、リリースレバー52が解放位置(
図4)にある場合にリリースレバー52が互いに離れており、引力によって、対応するロッカーアーム53をピン57の周りで回転させる傾向にあるトルクがリリースレバー52を接続位置に戻すように、互いに配置されている。
【0055】
図示の例において(
図2)、接続位置から解放位置へのリリースレバー52の移動は、ユーザによるハンドル56の下方への操作の結果として生じる。図示しない変形例では、リリースレバー52は、必要な変更を加えて、逆に解除可能に、すなわち、ハンドル56を上方に操作することによって実装されてよい。同様に、磁石63および64は、図示の例のようにアーム58に配置されてもよいし、または、それらが例えば上記の効果を達成する位置にある限り、すなわち、リリースレバー52を接続位置に戻して保持する限り、アーム59に配置されてもよい。
【0056】
作動中、淹出装置1を切り離すためには、磁石63と64の引力に打ち勝つようにハンドル56を操作してロッカーアーム53を上向きに回転させることで、それぞれのフック部位60をフックピン61から離脱してリリースレバー52を開放位置に持ってくることが必要である。この時点で、動力取り出し装置22および34を、スピンドル25から、およびそれに対応して歯車43から離脱するためには、淹出装置1を支持体2から移動させるだけでよい。
【0057】
同様に、淹出装置1を支持体2に接続するには、動力取り出し装置22および34を対応する連結ギアと位置合わせして、ハンドル56によってリリースレバー52を解放位置に維持しながら淹出装置1を支持体2のほうに移動させるだけで十分である。最終位置に達し、リリースレバー52が解除されると、リリースレバー52は磁石63と64の引力の結果として自動的に接続位置に移動する。
【0058】
図5、7、10および11に示すように、固定具51は、リリースレバー52およびロック機構62に加えて、ハンドル56の偶発的な作動の結果としての、淹出装置1の支持体2からの離脱を防止するための安全装置65をさらに備えることが好ましい。
【0059】
安全装置65は、支持体2内に形成された対応する凹部67にスナップフィット係合するためにフレーム4に弾性的に取り付けられた2つの弾性戻り止め66を備えている。弾性戻り止め66は、ロッド14の対向する両側に、弾性戻り止め66が、対応する凹部67に係合する通常拡張位置(
図10の下半分に表された位置)に制御レバー68を維持するために対応するばね69を介在させて、対応するシェル5の外側に鏡面的に取り付けられた対応する制御レバー68を介して手動操作可能である。
【0060】
安全装置65は制御レバー68に圧力を加えてクローズアップ位置(
図10の上半分に表された位置)にすることによって手動で無効化可能であり、クローズアップ位置では、対応する弾性戻り止め66は凹部67から外れており、淹出装置1は、事前にリリースレバー52を解放位置に移動させた後で支持体2から取り外されてよい。
【0061】
飲料の調製サイクル中の淹出装置1の動作を、
図2、3、8および9を参照して以下に説明する。
【0062】
図2および8は、調製サイクルの開始時の淹出装置1を示す。この位置において、ピストン12は淹出チャンバ10の底部に配置され、閉鎖体26は開位置にあり、円筒カム36のカムフォロワ38はスロット39の上端かつトラック40の下端に配置され、ガイドプレート29によって担持されるカムフォロワ45は、トラック44に沿って、直線部分46から最も遠い円形円弧状部位47の端部に配置されている。
【0063】
淹出する材料が装填されると、作動装置32のモータが作動されて閉鎖体26をその閉位置にする。この運動中に、カムフォロワ38は円筒カム36に任せてスロット39に沿って下降し、トラック40との結合の結果として、ガイドプレート29に下向きの推力を与え、それが、カムフォロワ45とトラック44との結合によって、閉鎖体26を、開位置から中間位置へと支点ピン31の周りで回転させ、それに続いて下向きに、中間位置から閉位置へと並進移動させる。
【0064】
図9に示すように、閉鎖体26の閉位置において、円筒カム36のカムフォロワ38は、スロット39の下端かつトラック40の上端に配置され、ガイドプレート29によって担持されるカムフォロワ45は、トラック44に沿って、円形円弧状部位47から最も遠い直線部分46の端部に配置される。
【0065】
閉鎖体26が閉位置に達して作動装置32が無効化されると、作動装置21が作動されてピストン12を上昇させ、淹出する材料を圧縮する。加圧された熱水は次に、導管16、通路17およびピストン12のヘッド13を通って淹出チャンバ10に供給されて、材料を淹出して飲料の製造をもたらし、飲料はピストン27と、閉鎖体26によって担持される分注導管70を介して退出する(
図3)。
【0066】
分注が終了すると、円筒カム36が再び作動されて軸線9周りに回転して、閉鎖体26を開位置に移動させ、続いて、閉位置に移動させて、ピストン12の上昇の結果として淹出チャンバ10から排出された排出物を、スクレーパ部材48を介して排出経路3へと押しやる。
【0067】
上記に関して、円筒カム36を常に同じ回転方向に回転させることで、円筒カム36を介した閉鎖体26の作動によって、閉鎖体26が開位置から閉位置へと、また逆に閉位置から開位置へと移動することが可能となることを明示しておく。これは、モータ制御ソフトウェアの複雑性を有意に低減しながら、淹出装置1の制御と信頼性両方に利益をもたらすことを包含する。
【0068】
しかしながら、常に同じ回転方向に円筒カム36を回転させることによる全サイクルを実施する可能性は、必要に応じて円筒カム36を逆回転方向に制御する可能性を除外するものではない。例えば、閉鎖体26が排出物を排出するために中間位置に達したときに円筒カム36の回転を都合よく逆転させることで、閉鎖体26を、必ずしも閉位置を通過せずに開位置に戻してもよい。
【0069】
より厳密な構造的見地から見れば、円筒カム36の使用は、類似した既知の装置と比べて、特に、本明細書の導入部分で論じた装置と比べて淹出装置1のコンパクトさに有意な増加を得ることを可能にする。実際、円筒カム36は、閉鎖体26のガイドプレート29を動かすカムドライブ35の全ての構成要素、およびガイドプレート29の運動を制御する制御装置33の全ての構成要素が、淹出チャンバ10とガイドプレート29の間の隙間に配置されることを可能にして、淹出装置1の全体寸法の減少をもたらす。
【0070】
最後に、淹出装置1には、
図12に示す、淹出装置1と連携または淹出装置に結合された、好ましくは淹出装置1内に配置されたオンボード型電子制御システム71が配設されている。
【0071】
図12に示すように、オンボード型電子制御システム71は、
-閉鎖体26による、開位置、閉位置および排出位置への到達が感知されることを可能にするための、また、ピストン12の軸位置が決定されることを可能にするための、電気信号を出力するように構成されたセンサシステム72と、
-センサシステム72に接続可能となるように構成されたオンボード型電子制御プリント基板73と、を備えている。
【0072】
オンボード型電子制御プリント基板73はさらに、飲料調製機100の電子制御基板74に、淹出装置1の外部で接続可能となるように構成されて、そこから淹出装置1の動作に関連するコマンドを受け取り、それに応答して淹出装置1の動作を、特にその電動モータ21aおよび32aの動作を、センサシステム72によって出力される電気信号に基づいて、また、以下に詳細に説明するように、外部電子制御基板74から受け取ったコマンドに基づいて制御して飲料調製サイクルを実行するように構成されている。
【0073】
オンボード型電子制御基板73は、好ましくはコントローラエリアネットワーク(CAN)バスまたは同等物であるフィールドバスベースの通信ネットワーク75を介して外部電子制御基板74に便利に接続されてよく、マスタースレーブ通信アーキテクチャを介してそれと連携し、その場合オンボード型電子制御基板73がスレーブ電子制御基板であり、外部電子制御基板74がマスター電子制御基板である。
【0074】
センサシステム72は、
-オンボード型制御電子基板73と別個であり、淹出装置1に配置されて、閉鎖体26による、開位置、閉位置および排出位置への到達をオンボード型制御電子基板73が感知することを可能にするための、2つの電子センサプリント基板76,77と、
-オンボード型制御電子基板73が、淹出チャンバ10内でのピストン12の軸位置を決定することを可能にするための、電動モータ21aに結合されたエンコーダ78と、を備えている。
【0075】
2つの電子センサ基板76,77は、普通に市販されて、淹出装置1に面した支持体2の壁にねじ留めされるタイプのものである。
【0076】
各電子センサ基板76,77は、適切な導電トラックを介して、対応する電気コネクタ79,80に接続されて、電子センサ基板76,77が専用電気ケーブル(図示せず)を介してオンボード型制御電子基板73に接続されることを可能にする2つのホールエフェクトセンサ76a,76bおよび77a,77bを備えている。
【0077】
電子センサ基板76は、開位置および閉位置に対応する一方の角度位置と、閉鎖体26の排出位置に対応する他方の角度位置とにおいて歯車43に取り付けられた2つの磁気要素81,82の通過が感知され、よって近接度が感知されることを可能にするために取り付けられている。逆に、他方のホールエフェクトセンサは使用されず、したがって省略されてもよい。
【0078】
これに関して、上述のように、トラック37のプロファイルは、円筒カム36の全回転が閉鎖体26の全運動サイクルと等しくなるような様態であり、それによって、閉鎖体26の開位置と閉位置における歯車43の角度位置が一致することを理解されたい。このため、電子センサ基板76は開位置を閉位置から区別するのではなく、これらの位置を排出位置から区別するのみである。
【0079】
このため、電子センサ基板77は、ガイドプレート29によって担持されたさらなる磁気要素83が、閉鎖体26が閉位置にある場合にホールエフェクトセンサ77aに近接している、および閉鎖体26に排出位置にある場合のホールエフェクトセンサ77bに近接しているような位置の近接度を感知することを可能にするために実装されている。
【0080】
周知のように、ホールエフェクトセンサは、強磁性体本体がセンサ要素に接近したときおよびセンサ要素から遠ざかったときに界磁磁束の変動を感知する要素によって形成され、強磁性体本体がホールエフェクトセンサの近傍に配置されている場合の、典型的に高である第1の論理レベル、または考慮中の例では低である第2の論理レベルを有するデジタル信号を出力する。
【0081】
したがって、電子センサ基板76のホールエフェクトセンサ76aの出力デジタル信号は、オンボード型制御電子基板73が、排出位置への到達、また開位置および閉位置のうち一方への到達を感知することを可能にし、その場合出力デジタル電子信号は高論理レベルを有し、その一方で、電子センサ基板77の2つのホールエフェクトセンサ77aおよび77bの出力デジタル電気信号は、オンボード型制御電子基板73が一方では、両出力デジタル電気信号が高論理レベルを有する閉位置および分注位置への到達を感知することを可能にするとともに、他方では、両出力デジタル電気信号が磁気要素83の近接を感知せず、したがって、両方とも低論理レベルを有する開位置の到達を確認することを可能にする。
【0082】
ホールエフェクトセンサは便利に較正可能である、すなわち、界磁磁束の変動に感応する要素によって出力されたアナログ電気信号がデジタル電気信号と比較される閾値に単純に働きかけることによって、高論理レベルと低論理レベル間での対応するデジタル電気信号の整流を引き起こす対応する磁気要素の近接度が正確に調整されることを可能にする。
【0083】
図13に模式的に示すように、オンボード型電子制御基板73は、
-電子センサ基板76,77への接続用の入力インターフェース(コネクタ)84と、
-エンコーダ78への接続用の入力インターフェース(コネクタ)85と、
-電動モータ21a,32aへの接続用の出力インターフェース(コネクタ)86と、
-外部電子制御基板74への接続用の入/出力通信インターフェース(コネクタ)87と、
-特に、例えばオンボード型電子制御基板73およびセンサボード76,77に給電するための+5V、および電動モータ21a,32aに給電するための+12Vを給電可能な、オンボード型電子制御基板73、センサボード76,77および電動モータ21a,32aに給電するための外部電源への接続用の電源インターフェース(コネクタ)88と、
-電源インターフェース88に接続されて、外部電源に供給される電圧を安定化する定電圧装置89と、
-受信した電気制御信号に応答して、電動モータ21aおよび32a用の、便利にはパルス幅変調(PWM)タイプである電気駆動信号を出力し、それによって吸収された電力を示すデータを測定し出力するように構成されたドライバ段90と、
-オンボード型電子制御基板73の動作に関連するデータ(淹出装置ID、診断結果、アラーム履歴等)を記憶するメモリ91と、
-適切な導電トラックを介してスレーブ電子制御基板の他の構成要素に接続されたマイクロコントローラ92を備え、マイクロコントローラ92は、
ホールエフェクトセンサ76a,77a,77bによって、また、エンコーダ78によって出力された電気信号を受信し、
電動モータ21aおよび32aによって吸収された電流を示すデータをドライバ段90から受信し、
入/出力通信インターフェース87を介して、電動モータ21aおよび32aを操作するためのコマンドを外部電子制御基板74から受信し、
受信したコマンドを解釈して実行し、ホールエフェクトセンサ76a,77a,77bから受信した電気信号にも基づいて、また、エンコーダ78から受信した出力にも基づいて、ドライバ段90用の電気制御信号を出力して、それに応答してドライバ段90に電動モータ21a,32a用の電気駆動信号を出力させ、電動モータ21a,32aに上記の分注サイクルを完了させるように動作させ、
電動モータ21aおよび32aの電流消費を決定し、
電動モータ21aおよび32aの電流消費に基づいて、また、ホールエフェクトセンサ76a,77a,77bによって出力された電気信号の電流消費に基づいて、閉鎖体26およびピストン12のロックの可能性を識別し、
公称電流消費を先験的に知悉した上で淹出装置1の種々の運転段階とストレスを区別し(例えば、排出物の排出中には閉鎖体26の運動は流動的であって電流消費は中/低であり運動中に安定しているのに対し、淹出する材料の圧縮中には電流消費は高く圧縮中にピークがある)、
受信したコマンドに応答して、ホールエフェクトセンサによって出力されたアナログ電気信号の読み取りに基づいて、ホールエフェクトセンサを自動較正する、
ようにプログラムされている。
【0084】
全機能の統合専用の局所化されたインテリジェンスを通して上記機能を全て管理することが可能な電気/電子サポートを淹出装置1にオンボードで配設することは、淹出装置1の使用と応答速度を有意に改善することを可能にし、それによってその使用を最適化する。
【0085】
オンボード型電子制御基板73が専用canバスインターフェース(または他のプロトコル)によって外部と通信可能であるという事実によって、これは、診断、制御およびデータストレージ機能が実行されることを可能にし、例えば以下を可能にする:
-通信プロトコルを介して既知のコマンドを再現して、閉鎖体26とピストン12を動かしての、淹出装置1の「ブラックボックス」制御の実施。このコマンドは、より簡単なコマンドと、より複雑なコマンドの両方を要求し得る種々のアプリケーションの横断的かつ包括的な管理のために伝えられてよく、簡単なコマンドは例えば、ピストン12を所与の高さに上昇させることであり、より複雑なコマンドは例えば、淹出チャンバ10を閉じて自動的に加圧し、排出物を完全に排出して初期位置に戻す等である、
-管理および診断を淹出装置1と完全に一体化させた状態に保ち、性能およびソフトウェア管理両方に関してより正確かつ特定目的の結果を得ることを可能にする。電流およびエンコーダ位置読み取り値等の遠隔測定データ伝送に必要な全ての情報は次に、CANバスベースの通信によって搬送される、
-不具合検出と、テストブランチの提供と併せて、オンボード型インテリジェンスを達成可能にする操作自律性による検査と維持の高速化、
-例えば、保証および使用目的に関するこの情報が安全にセーブされることを可能にするために、淹出装置1の運動に関する診断と計数データを格納する、
-バッチ、製造日およびシリアル番号等の製造情報を格納する、
-淹出装置1を、有意な電気的適応を必ずしも実行しなくても他機と互換性とし、将来的に種々のタイプの淹出装置を、電気的適合および/または付加的な一体ボードを準備しなくても新規開発機と一体化して使用することを可能にする、
-淹出装置を、飲料調製機の一般的管理とは独立させて、淹出装置がCANバスベースのネットワークインターフェースに装備されている限り淹出装置があらゆる飲料調製機とインターフェースできるようにする。
【0086】
さらに、オンボード型電子制御基板73の外部システムとの単純なインターフェース(ネットワーク接続と給電)が、本発明を、上記のタイプとは異なる(かなり異なる場合もある)タイプの淹出装置にでも実施可能にし、また、特に、飲料が、上記のものとは異なる淹出装置の部材との淹出チャンバの協働によって、および/または上記とは異なるモードによって調製される淹出装置においても実施可能にする。
【符号の説明】
【0087】
1 淹出装置
9 長軸
10 淹出チャンバ
11 開口
12 ピストン
26 閉鎖体
21、32 電動アクチュエータ
43、83 可動部材
71 電子制御システム
72 センサシステム
73 オンボード型電子制御プリント基板、オンボード型制御電子基板
74 電子制御ユニット、電子制御基板
75 通信ネットワーク
76、77 電子センサプリント基板
76a、77a、77b ホールエフェクトセンサ
78 位置センサ
81、82、83 磁気要素
84、85 入力インターフェース
86 出力インターフェース
87 入出力インターフェース
90 ドライバ段
92 オンボード型電子制御ユニット
100 飲料調製機