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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-26
(45)【発行日】2024-09-03
(54)【発明の名称】霧化装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 9/03 20060101AFI20240827BHJP
   B05B 7/30 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B05B9/03
B05B7/30
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023559552
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(86)【国際出願番号】 JP2022040227
(87)【国際公開番号】W WO2023085113
(87)【国際公開日】2023-05-19
【審査請求日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2021183033
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河崎 洋平
(72)【発明者】
【氏名】新 耕華
(72)【発明者】
【氏名】井上 大夢
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107970482(CN,A)
【文献】特開平2-35958(JP,A)
【文献】特開2003-320287(JP,A)
【文献】特開2007-181653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 9/03
B05B 7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向の一方端に第1端を有し、前記第1方向の他方端に第2端を有する筐体と、
前記筐体に形成された第1筒状体および第2筒状体と、
前記第1筒状体に配置され、気体を吸入する吸入孔と気体を吐出する吐出孔とを備えるポンプと、
前記ポンプの吐出孔から吐出された気体によって、前記筐体内に供給された液体を霧化する霧化部と、
を備え、
前記第1筒状体は、第1開口と、前記第2筒状体に連通する第1連通孔とを備え、
前記第2筒状体は、第2開口と、前記第1連通孔に連通する第2連通孔とを備え、
前記霧化部は、前記第2連通孔に隣接して配置され、
前記第1開口は、前記第1連通孔よりも前記第1端側に配置され、
前記ポンプは、前記第1方向において、前記第1連通孔と前記第1開口との間、かつ、前記第2連通孔と前記第1開口との間に配置され、
前記ポンプの吐出孔は、前記第1方向において、前記第1連通孔よりも前記第1端側、かつ、前記第2連通孔よりも前記第1端側に配置される、
霧化装置。
【請求項2】
前記第1筒状体と前記第2筒状体は、前記第1方向に直交する第2方向に並んで配置されており、
前記第1連通孔または前記第2連通孔は、前記第2方向に直交しない方向に延びる形状である、
請求項1に記載の霧化装置。
【請求項3】
前記第1連通孔および前記第2連通孔は、前記第2方向に平行な方向に延びる形状である、
請求項2に記載の霧化装置。
【請求項4】
前記第1連通孔または前記第2連通孔は、
前記第2筒状体の中空部に連通する側の端部が前記第1筒状体の中空部に連通する側の端部よりも前記第2端側にある、
請求項2に記載の霧化装置。
【請求項5】
前記第1連通孔または前記第2連通孔は、
前記第1筒状体の中空部に連通する側の端部が前記第2筒状体の中空部に連通する側の端部よりも前記第2端側にある、
請求項2に記載の霧化装置。
【請求項6】
前記第1筒状体は、前記第1連通孔よりも前記第2端側に凹む第1凹部を備える、
請求項1に記載の霧化装置。
【請求項7】
前記第1筒状体は、前記第1連通孔と反対側の壁面から凹む第2凹部を備える、
請求項1に記載の霧化装置。
【請求項8】
前記第1筒状体は、前記第1連通孔の開口面に直交する直線に交わる方向において壁面から凹む第2凹部を備える、
請求項1に記載の霧化装置。
【請求項9】
前記第2連通孔よりも前記第2端側に配置され、前記液体を貯留する貯留部を備える、
請求項1に記載の霧化装置。
【請求項10】
前記貯留部は、前記第2筒状体における前記第2連通孔よりも前記第2端側に形成され、
前記貯留部の前記第1筒状体側の壁面は、
断面視して前記第2連通孔よりも前記第1筒状体側にある、
請求項9に記載の霧化装置。
【請求項11】
前記第1筒状体と前記第2筒状体との間に第3開口を備え、
前記第3開口は、前記第2筒状体に連通し、
前記第3開口と前記第2筒状体の連通部の少なくとも一部は、前記第2連通孔の前記第2筒状体側の面よりも前記第1筒状体側に配置される、
請求項10に記載の霧化装置。
【請求項12】
前記ポンプに装着される熱伝導部材を備え、
前記熱伝導部材の少なくとも一部は、前記第3開口に突出している、
請求項11に記載の霧化装置。
【請求項13】
前記第1連通孔および前記第2連通孔よりも前記第2端側に、補助筐体を備える、
請求項1に記載の霧化装置。
【請求項14】
前記ポンプを駆動させる駆動回路部材を備え、
前記駆動回路部材は、前記第1連通孔および前記第2連通孔を挟んで前記補助筐体と反対側に配置される、
請求項13に記載の霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を霧化して吐出する霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ネブライザが記載されている。特許文献1のネブライザは、ケース体の上方先端に、圧縮空気を噴出させるノズル孔を備える。圧縮空気は、ケース体の上方に噴出される。
【0003】
特許文献1のネブライザは、霧化させる液体が排出されるエアロゾル排出口を、ケース体の上方先端に備える。液体は、エアロゾル排出口から、ケース体の上方先端に排出され、ケース体から噴出された圧縮空気によって霧化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-132471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、液体がノズル孔を通じて、ケース体の内部に流れ込んでしまうことが考えられる。この場合、圧縮空気を生成するポンプが、ケース体の内部に配置されていると、液体がポンプに入り、ポンプが故障してしまうことがある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、液体の不所望な流れが生じても、故障等の不具合を抑制できる霧化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の霧化装置は、第1方向の一方端に第1端を有し、第1方向の他方端に第2端を有する筐体、筐体に形成された第1筒状体および第2筒状体、ポンプ、および、霧化部を備える。ポンプは、第1筒状体に配置され、気体を吸入する吸入孔と気体を吐出する吐出孔とを備える。霧化部は、ポンプの吐出孔から吐出された気体によって、筐体内に供給された液体を霧化する。第1筒状体は、第1開口と第2筒状体に連通する第1連通孔とを備える。第2筒状体は、第2開口と第2連通孔とを備える。霧化部は、第2連通孔に隣接して配置される。第1開口は、第1連通孔よりも第1端側に配置される。ポンプは、第1方向において第1連通孔と第1開口との間に配置される。ポンプの吐出孔は、第1方向において第1連通孔よりも第1端側に配置される。
【0008】
この構成では、霧化部から第1筒状体に流れ込んだ液体は、第1筒状体の第2端である底面(筐体の底面側の内壁面)に溜まる。したがって、第1筒状体に流れ込んだ液体は、ポンプに到達し難い。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、液体の不所望な流れが生じても、故障等の不具合を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態に係る霧化装置の外観斜視図である。
図2図2(A)は、第1の実施形態に係る霧化装置の一部を示す正面図であり、図2(B)は、第1の実施形態に係る霧化装置の一部の構成を示す側面断面図であり、図2(C)は、第1の実施形態に係る霧化装置の一部を示す背面図である。
図3図3は、図2に示す側面断面図における霧化部を含む部分を拡大した図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る霧化装置の通常動作時の側面断面図である。
図5図5は、液体が凹部に収容される一例を示す拡大断面図である。
図6図6は、霧化装置が横転したときの図である。
図7図7は、第2の実施形態に係る霧化装置の一部の構成を示す側面断面図である。
図8図8は、第2の実施形態に係る霧化装置の派生例の一部の構成を示す断面図である。
図9図9は、第3の実施形態に係る霧化装置の一部の構成を示す側面断面図である。
図10図10は、第3の実施形態に係る霧化装置の流路の一部を平面視した断面図である。
図11図11は、第3の実施形態に係る霧化装置の気体の流れを概略的に示す他側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る霧化装置について、図を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る霧化装置の外観斜視図である。図2(A)は、第1の実施形態に係る霧化装置の一部を示す正面図であり、図2(B)は、第1の実施形態に係る霧化装置の一部の構成を示す側面断面図であり、図2(C)は、第1の実施形態に係る霧化装置の一部を示す背面図である。なお、図2(A)、図2(C)における正面および背面は、説明の便宜上、名付けたものであり、定義の一例を示すものである。また、図2(B)は、霧化装置の構成要素の位置関係を明確にするための側面断面図であり、厳密な断面図とは部分的に異なる。図3は、図2に示す側面断面図における霧化部を含む部分を拡大した図である。
【0012】
(霧化装置10の外観形状)
図1に示すように、霧化装置10は、本体20と補助筐体90とを備える。本体20および補助筐体90は、略直方体形状である。略直方体形状とは、直方体形状を基本として、角部がR面取りされている形状である。なお、本体20および補助筐体90の形状はこれに限るものではない。
【0013】
本体20および補助筐体90は、z軸方向(霧化装置10の第1方向)に沿って配置されており、繋がっている。本体20および補助筐体90は、平面視して(第1方向に視て)、x軸方向(霧化装置10の第2方向)およびy軸方向(霧化装置10の第3方向)にそれぞれ広がる略矩形であり、略同じ形状である。本体20および補助筐体90は、平面視して、重なっている。
【0014】
これら本体20と補助筐体90からなる部分が霧化装置10の筐体を構成する。筐体のz軸方向における本体20側の端面が、筐体の天面101であり、筐体のz軸方向における補助筐体90側の端面が、筐体の底面102である。天面101が、本発明の筐体の「第1端」に対応し、底面102が、本発明の筐体の「第2端」に対応する。すなわち、霧化装置10は、通常の使用時、本体20が補助筐体90の上側になるように、言い換えれば、補助筐体90が本体20の下側になるように配置される。
【0015】
本体20の天面101には、開口2110(第1開口)、開口2230(第2開口)、および、開口240(第3開口)が形成されている。詳細は後述するが、開口2110および開口240が、液体の霧化を行うための気体の吸入口である。開口2230が、霧化された液体を吐出する吐出口である。
【0016】
(霧化装置10の具体的な内部構成)
図2(A)、図2(B)、図2(C)、図3に示すように、霧化装置10の本体20は、筒状体21(第1筒状体)、筒状体22(第2筒状体)、筒状体24(第3筒状体)を備える。本体20は、棒体30、複数のポンプ41、42(ポンプ41、ポンプ42)、複数の熱伝導部材51、52(熱伝導部材51、熱伝導部材52)を備える。本体20は、駆動回路用ケース23を備える。
【0017】
筒状体21、筒状体22、筒状体24、および、駆動回路用ケース23は、x軸方向に沿って、筒状体21、筒状体24、駆動回路用ケース23、筒状体22の順に配置される。
【0018】
(筒状体21の形状)
筒状体21は、天壁211、底壁212、側壁2131、側壁2132、および、一対の側壁2133を備える。
【0019】
より具体的には、側壁2131、側壁2132、および、側壁2133は、z軸方向に平行な壁面を有する。側壁2131と側壁2132は、x軸方向において離れた位置に配置される。側壁2133は、側壁2131と側壁2132とに連接する。
【0020】
天壁211および底壁212は、z軸方向の直交する壁面(x軸方向およびy軸方向に平行な)を有する。天壁211は、側壁2131、側壁2132、および、一対の側壁2133における天面101側の端部に連接する。底壁212は、側壁2131、側壁2132、および、一対の側壁2133における底面102側の端部に連接する。
【0021】
これにより、筒状体21は、天壁211、底壁212、側壁2131、側壁2132、および、一対の側壁2133によって囲まれる中空部210を有する。中空部210は、z軸方向に延びる形状である。
【0022】
筒状体21は、天壁211に開口2110を有する。これにより、筒状体21の中空部210は、開口2110を通じて、霧化装置10の天面101側の外部に連通する。
【0023】
筒状体21は、筒状の吐出用筐体219を備える。吐出用筐体219は、x軸方向の両端に開口を有する開口2190(第1連通孔)を有する。吐出用筐体219は、側壁2132に設置されており、側壁2132を貫通する。これにより、吐出用筐体219の開口2190は、筒状体21の中空部210に連通する。
【0024】
この際、吐出用筐体219は、筒状体21における底壁212側の端部よりも、所定距離をおいて天壁211側の位置に配置される。これにより、筒状体21は、吐出用筐体219が接続する部分よりも底壁212側に、凹部218(第1凹部)を備える。
【0025】
(筒状体22)
筒状体22は、筒状の第1部分221、および筒状の第2部分222を有する。第1部分221と第2部分222は、連接しており、これらによって、筒状体22の中空部220を形成する。
【0026】
第1部分221は、z軸方向に延びる形状である。第1部分221における天面101側の端部には、蓋部材223が接続されている。蓋部材223は、筒状の開口2230を有する。蓋部材223は、開口2230を除き、第1部分221の天面101側を塞ぐ。この構成によって、蓋部材223の開口2230は、筒状体22の中空部220に連通する。そして、この構成によって、筒状体22の中空部220は、蓋部材223の開口2230を通じて、霧化装置10の天面101側の外部に連通する。
【0027】
第2部分222は、第1部分221における底面102側の端部に連接する。第2部分222は、z軸方向に延びる形状からx軸方向に延びる形状に変化する湾曲形状である。
【0028】
第2部分222における第1部分221に連接する端部と反対側の端部は、筒状体21の底壁212側の近傍に連接する。より具体的には、第2部分222における第1部分221に連接する端部と反対側の端部は、筒状体21の吐出用筐体219を内包するように、筒状体21に連接する。言い換えれば、吐出用筐体219が筒状体22の第2部分222の内部に突出するように、筒状体22の第2部分222と筒状体21とは連接される。
【0029】
この際、吐出用筐体219は、第2部分222の底面(霧化装置10の底面102側の内壁面)よりも、所定距離をおいて天面101側の位置に配置される。これにより、第2部分222は、吐出用筐体219よりも底面102側に所定体積の空間を備える。この空間が液体の貯蔵部として利用される。
【0030】
第2部分222は、吐出用筐体219を覆うように壁を備える。この壁には、貫通孔2240(第2連通孔)が形成されている。貫通孔2240は、開口2190に連通する。貫通孔2240の開口断面積は、開口2190の開口断面積よりも小さい。貫通孔2240によって、筒状体21の吐出用筐体219の開口2190と筒状体22の中空部220とが連通する。言い換えれば、筒状体21の中空部210と筒状体22の中空部220とは、筒状体21の吐出用筐体219の開口2190と貫通孔2240とを通じて、連通する。この部分が、本発明の連通部に対応する。
【0031】
(棒体30)
棒体30は、z軸方向に延びる形状である。棒体30は、筒状体22の中空部220に配置される。より具体的には、棒体30は、吐出用筐体219を覆う壁に装着される。棒体30の延びる方向の一方端301は、z軸方向において吐出用筐体219よりも底面102側の位置にあり、他方端302は、z軸方向において貫通孔2240と略同じ位置に配置される。他方端302は、x軸方向に視て、貫通孔2240の一部に重なる。
【0032】
(駆動回路用ケース23)
駆動回路用ケース23は、天壁231、側壁232、および、側壁233を備える。天壁231は、z軸方向に直交する壁面を有する。側壁232および側壁233は、z軸方向に延びる形状である。側壁232と側壁233とは、x軸方向において離れた位置に配置される。側壁232における天面101側の端部と側壁233における天面101側の端部は、天壁231に連接する。側壁232および側壁233の天面101側以外の部分は、互いに連接する。これにより、駆動回路用ケース23は、天壁231、側壁232、および、側壁233によって密閉された中空部230を有する。
【0033】
駆動回路用ケース23は、筒状体22の第2部分222よりも天面101側に配置される。駆動回路用ケース23の側壁232は、筒状体22の第1部分221の外面に当接する。駆動回路用ケース23の側壁233は、x軸方向において、筒状体21の側壁2132から離れた位置に配置される。
【0034】
駆動回路用ケース23の内部には、基板60とバッテリ600とが収容されている。基板60には、ポンプ41およびポンプ42を駆動するための回路が形成されている。基板60とバッテリ600とによって、駆動回路部材が構成される。
【0035】
(筒状体24)
筒状体24は、筒状体21と駆動回路用ケース23との間に形成される。より具体的には、筒状体24は、筒状体21の側壁2132、駆動回路用ケース23の側壁233、側壁2132と側壁233とを連接する側壁に挟まれた開口240を備える。筒状体24および開口240は、z軸方向に延びる形状であり、筒状体24の一方の開口は、霧化装置10の天面101から外部に連通する。筒状体24の他方の開口は、筒状体22の中空部220における第2部分222の領域に連通する。
【0036】
(ポンプ41、ポンプ42)
ポンプ41およびポンプ42は、外筐体を有する。外筐体の内部には、圧電素子を振動させて気体を搬送する圧電ポンプ素子が配置されている。ポンプ41およびポンプ42は、外筐体の対向する側面にそれぞれ吸入孔と吐出孔とを備える。ポンプ41およびポンプ42は、圧電素子を駆動することによって、吸入孔から気体を吸入し、吐出孔から吐出する。圧電ポンプ素子を用いることで、ポンプ41およびポンプ42は薄型に形成できる。
【0037】
ポンプ41およびポンプ42は、筒状体21の中空部210に配置される。より具体的には、z軸方向に沿って、天面101側からポンプ41、ポンプ42の順で配置される。ポンプ41の吸入孔は、開口2110に配置される。ポンプ41の吐出孔とポンプ42の吸入孔は連通する。ポンプ42の吐出孔は、ポンプ42の底壁212側に配置される。すなわち、ポンプ41とポンプ42とは直列に接続され、ポンプ装置を構成する。ポンプ装置の吸入孔401(ポンプ41の吸入孔)は、開口2110に配置され、ポンプ装置の吐出孔402は、ポンプ装置の底壁212側に配置される。なお、ポンプ装置を構成するポンプの個数は2個に限らず、1個、3個以上であってもよい。
【0038】
この際、z軸方向において、ポンプ装置の吐出孔402は、吐出用筐体219よりも天面101側に配置される。さらに、ポンプ装置の吐出孔402は、吐出用筐体219の開口2190よりも天面101側に配置される。
【0039】
また、ポンプ装置の吐出孔402は、x軸方向において、筒状体21の側壁2131の内壁面から離れた位置に配置される。
【0040】
(熱伝導部材51および熱伝導部材52)
熱伝導部材51および熱伝導部材52は、熱伝導性の高い材料からなる。熱伝導部材51は、ポンプ41における筒状体21の側壁2132側の面に当接する。熱伝導部材52は、ポンプ42における筒状体21の側壁2132側の面に当接する。熱伝導部材51および熱伝導部材52の一部は、筒状体24の開口240内に突出する。例えば、図3に示すように、熱伝導部材52は、ベース部材521と複数のフィン522とを備える。ベース部材521は、ポンプ42に当接し、複数のフィン522は、筒状体24の開口240内に突出する。
【0041】
(動作例)
図4は、第1の実施形態に係る霧化装置の通常動作時の側面断面図である。図4は、図2(B)と同じ断面を示す。
【0042】
霧化装置10は、通常の使用時、天面101が鉛直方向の上側、底面102が鉛直方向の下側になるように配置される。
【0043】
霧化すべき液体89は、筒状体22の第2部分222における底面付近に貯蔵される。この際、液体89は、吐出用筐体219に達しない高さで貯蔵される。このとき、棒体30の一方端301は、液体89内に浸かる。
【0044】
この状態で、ポンプ41およびポンプ42を駆動すると、ポンプ41およびポンプ42は、吸入孔401から気体を吸入し、吐出孔402から気体を吐出する。これにより、本体20の天面101の開口2110から気体が筒状体21に吸入され、筒状体21の底壁212側に吐出される。
【0045】
ポンプ42の吐出孔402から吐出された気体は、吐出用筐体219の開口2190に流入し、貫通孔2240から筒状体22の中空部220に吐出される。この際、貫通孔2240の開口断面積が開口2190の開口断面積よりも小さい。したがって、筒状体22の中空部220に吐出される気体の流速は向上する。
【0046】
この吐出された気体は、棒体30の他方端302に当たりながら、筒状体22の中空部220内に流入する。
【0047】
棒体30の一方端301が液体89に浸かっていることにより、液体89は、毛細管現象によって、棒体30を伝って他方端302まで搬送される。この状態で、気体が他方端302に所定の流速で当たると、液体89は霧化する。この部分が霧化装置10の霧化部となる。すなわち、貫通孔2240と棒体30とが当接または近接して配置される部分が、霧化装置10の霧化部となる。言い換えれば、霧化部は、筒状体21と筒状体22とを連通する開口2190および貫通孔2240に隣接する。
【0048】
霧化した液体891および892は、貫通孔2240から中空部220への気流によって、中空部220内を搬送される。ここで、筒状体22は、x軸方向に延びる第2部分222からz軸方向に延びる第1部分221へ湾曲して繋がる形状である。したがって、粒径の大きな液体892は、第1部分221の側壁に衝突し、貯留部に戻る。一方、粒径の小さな液体891は、気流に乗って、z軸方向に搬送され、天面101の開口2230まで到達し、開口2230から外部に吐出される。
【0049】
これを言い換えれば、霧化装置10は、天面101から気体を吸入し、鉛直下方向に気体を搬送して、本体20の底面付近で、水平方向に気体を搬送する。この水平方向に気体が搬送されている状態において、液体89は霧化され、霧化装置10は、霧化した液体891を鉛直上方向に搬送し、本体20の天面101から外部に吐出する。
【0050】
(霧化装置10の構成により得られる作用効果のいくつかの具体例)
・ポンプ42の吐出孔402は、吐出用筐体219の開口2190よりも天面101側に配置される。この構成によって、霧化装置10は、液体89が開口2190から筒状体21に流入しても、液体89がポンプ42の吐出孔402に達することを抑制できる。
【0051】
これにより、液体89がポンプ42およびポンプ41内に流入することは抑制される。したがって、霧化装置10は、ポンプ42およびポンプ41の故障を抑制でき、霧化装置10の信頼性は向上する。特に、圧電ポンプを用いた場合、電極等を必要とするため、液体89の流入による故障が生じ易い。しかしながら、この構成によって、ポンプ41およびポンプ42が圧電ポンプによって形成されていても、故障を抑制でき、霧化装置10の信頼性は向上する。
【0052】
・液体89を霧化する気体が挿通する貫通孔2240および開口2190は、x軸方向に貫通し、x軸方向に気体を搬送する形状である。このような構成によって、貫通孔2240および開口2190がz軸方向に貫通し、天面101方向に気体を搬送する構造と比較して、液体89が貫通孔2240に溜まりにくく、筒状体21側に流入し難い。
【0053】
これにより、液体89がポンプ42の吐出孔402に流入することは抑制され、ポンプ42およびポンプ41の故障は抑制される。
【0054】
・筒状体21は、吐出用筐体219よりも底壁212側に凹部218を備える。図5は、液体が凹部に収容される一例を示す拡大断面図である。図5に示すように、この構成によって、液体89が開口2190から筒状体21に流入しても、液体89は、凹部218に流れ込む。
【0055】
これにより、霧化装置10は、液体89がポンプ42の吐出孔402に達することを抑制できる。
【0056】
なお、凹部218は、省略することが可能である。この場合も、筒状体21におけるポンプ42の吐出孔402と底壁212の内面との間に、所定の距離を確保できるので、中空部210におけるこの部分に液体89を溜めることができる。したがって、霧化装置10は、液体89がポンプ42の吐出孔402に達することを抑制できる。ただし、凹部218を設けることによって、筒状体21内におけるポンプ42の吐出孔402よりも底壁212側に、液体89を溜める体積を大きくできる。したがって、霧化装置10は、液体89がポンプ42の吐出孔402に達することを、より確実に抑制できる。
【0057】
・液体89の貯留部が貫通孔2240よりも筐体90の底面102側に形成されている。この構成によって、貯留部に貯留された液体89は、貫通孔2240内に流入し難い。
【0058】
これにより、霧化装置10は、液体89がポンプ42の吐出孔402に達することを抑制できる。
【0059】
・吐出用筐体219は、筒状体22の第2部分222における筒状体21側の壁面よりも、筒状体22の中空部220側に突出している。この構成によって、筒状体21が下側となるように霧化装置10が横転しても、液体89は、吐出用筐体219が筒状体22の中空部220の内部に突出する高さまでは貯留部に貯留され、貫通孔2240に流入しない。
【0060】
これにより、霧化装置10は、横転しても、液体89が筒状体21に流入することを抑制できる。
【0061】
・筒状体24の開口240は、筒状体22の中空部220に連通している。図6は、霧化装置が横転したときの図である。図6に示すように、貫通孔2240の開口断面積は、開口240の開口断面積よりも小さい。また、横転した状態での筒状体24の底面は、吐出用筐体219の端面よりも低い位置にある。この構成によって、液体89が吐出用筐体219の端面上に流入しても、液体89は、貫通孔2240を流入するよりも、開口240に流入し易い。
【0062】
これにより、霧化装置10は、横転しても、液体89が筒状体21に流入することを抑制できる。したがって、霧化装置10は、液体89がポンプ42の吐出孔402に達することを抑制できる。
【0063】
・ポンプ42の吐出孔402と側壁2131とは、離れている。この構成によって、図6に示すように、霧化装置10が横転したとき、ポンプ42の吐出孔402は、横転した状態での筒状体21の底面となる側壁2131の内面から離れた上方に位置する。
【0064】
これにより、霧化装置10が横転して、液体89が筒状体21内に流入しても、図6に示すように、所定の高さに達するまでは、液体89は、ポンプ42の吐出孔402に流入しない。したがって、霧化装置10は、液体89がポンプ42の吐出孔402に達することを抑制できる。
【0065】
・ポンプ41、ポンプ42、熱伝導部材51および熱伝導部材52は、吐出用筐体219よりも天面101側に配置され、液体89の貯留部は、吐出用筐体219よりも底面102に配置される。この構成では、ポンプ41、ポンプ42、熱伝導部材51および熱伝導部材52と、貯留された液体89との距離を大きくできる。
【0066】
これにより、ポンプ41、ポンプ42、熱伝導部材51および熱伝導部材52等の発熱体からの熱が貯留部の液体89に伝わることは、抑制される。したがって、霧化装置10は、貯留されている液体89の熱による変性を抑制できる。
【0067】
・基板60およびバッテリ600が吐出用筐体219よりも天面101側に配置され、液体89の貯留部が吐出用筐体219よりも底面102に配置される。この構成では、基板60およびバッテリ600と、貯留された液体89との距離を大きくできる。
【0068】
これにより、基板60およびバッテリ600等の発熱体からの熱が貯留部の液体89に伝わることが抑制される。したがって、霧化装置10は、貯留されている液体89の熱による変性を抑制できる。
【0069】
・ポンプ41、ポンプ42、熱伝導部材51、熱伝導部材52、基板60およびバッテリ600等の発熱体は、吐出用筐体219よりも天面101側に配置され、補助筐体90は、吐出用筐体219よりも底面102に配置される。この構成では、霧化装置10の各種発熱体と補助筐体90との距離を大きくできる。
【0070】
これにより、霧化装置10の各種発熱体からの熱が補助筐体90に伝わることが抑制される。したがって、例えば、補助筐体90を把持部として利用する場合、把持部が高熱になることを抑制でき、ユーザに優しい構造を実現できる。
【0071】
・熱伝導部材51および熱伝導部材52は、開口240に突出している。そして、開口240は、天面101から外部に連通する。さらに、開口240の開口断面積は、貫通孔2240よりも大きい。また、開口240が中空部220に連通する箇所は、貫通孔2240よりも筒状体21側である。この構成によって、熱伝導部材51および熱伝導部材52は、開口240を流れる空気によって効果的に冷却される。
【0072】
これにより、ポンプ41およびポンプ42を効果的に冷却でき、霧化装置10は、連続運転で生じる熱による霧化効率の低下を抑制できる。
【0073】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る霧化装置について、図を参照して説明する。図7は、第2の実施形態に係る霧化装置の一部の構成を示す側面断面図である。
【0074】
図7に示すように、第2の実施形態に係る霧化装置10Aは、第1の実施形態に係る霧化装置10に対して、筒状体21Aを備える点で異なる。霧化装置10Aの他の構成は、霧化装置10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0075】
筒状体21Aは、第1の実施形態に係る筒状体21に対して、凹部218Aを備える点で異なる。筒状体21Aの他の構成は、筒状体21と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0076】
筒状体21Aは、凹部218A(第2凹部)を備える。凹部218Aは、吐出用筐体219および開口2190が形成されている側壁2132と反対側の側壁2131における中空部210側に形成される。より具体的には、凹部218Aは、z軸方向において、吐出用筐体219と同じ位置に形成される。
【0077】
このような構成によって、霧化装置10Aが横転した場合(図6と同様の横転の場合)、液体89が筒状体21Aに流入しても、凹部218Aに溜まる。したがって、霧化装置10Aは、液体89がポンプ42の吐出孔402に達することを、より確実に抑制できる。
【0078】
なお、凹部は、側壁2131に形成されるものに限らず、次の構成であってもよい。図8は、第2の実施形態に係る霧化装置の派生例の一部の構成を示す断面図である。
【0079】
図8に示すように、筒状体21Bは、複数の凹部218Bを備える。複数の凹部218Bは、側壁2131と側壁2132とを連通する複数の側壁2133の中空部210側に形成される。
【0080】
なお、凹部218Bは、側壁2133毎に設けられていてもよく、少なくとも1つの側壁2133に設けられていればよい。すなわち、凹部218Bは、筒状体21Bにおける開口2190の開口面に直交する直線(例えば、図8のSL)に交わる方向において壁面から凹む形状であればよい。さらに、ポンプが配置される筒状体は、凹部218Aと凹部218Bの両方を備えていてもよい。
【0081】
なお、上述の各実施形態では、開口2190と貫通孔2240が別体の場合を示したが、これらを一体に形成してもよい。この場合、本発明の「第1連通孔」と「第2連通孔」は、同じものを指す。
【0082】
また、上述の各実施形態では、開口2190と貫通孔2240が第2方向に平行に延びる形状を示した。しかしながら、開口2190と貫通孔2240の両端の開口を結ぶ方向は、第2方向に対して傾いていてもよい。言い換えれば、開口2190と貫通孔2240の両端の開口を結ぶ方向は、第1方向および第2方向の両方に平行でなくてもよい。
【0083】
例えば、開口2190と貫通孔2240の筒状体22側の端部は、筒状体21側の端部より、底面102側にあってもよい。この場合、液体89は、貫通孔2240に漏れても、筒状体22側に戻る。これにより、霧化装置は、液体89がポンプ42の吐出孔402に達することを抑制できる。
【0084】
また、開口2190と貫通孔2240の筒状体21側の端部は、筒状体22側の端部より、底面102側にあってもよい。この場合、ポンプ42の吐出孔402と開口2190との距離を長くできる。これにより、霧化装置は、液体89がポンプ42の吐出孔402に達することを抑制できる。
【0085】
なお、上述の各実施形態において、筒状体の中空部の形状は、直方体形状に限らず、円筒形等、他の形状であってもよい。
【0086】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る霧化装置について、図を参照して説明する。図9は、第3の実施形態に係る霧化装置の一部の構成を示す側面断面図である。図10は、第3の実施形態に係る霧化装置の流路の一部を平面視した断面図である。図11は、第3の実施形態に係る霧化装置の気体の流れを概略的に示す他側面断面図である。
【0087】
図9図10に示すように、第3の実施形態に係る霧化装置10Cの基本的な機能部の構成は、第1の実施形態に係る霧化装置10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0088】
霧化装置10Cは、本体20Cと補助筐体(図示を省略)を備える。本体20Cは、筒状体21C、筒状体22C、複数のポンプ41、42、熱伝導部材50C、および、配管71を備える。
【0089】
筒状体21Cは、天壁211C、底壁212C、側壁2131C、側壁2133C、および、隔壁214Cを備える。筒状体21Cは、天壁211C、底壁212C、側壁2131C、側壁2133C、および、これらに直交する側壁(図示を省略)によって外形を形成している。天壁211Cは、底壁212C側に凹む凹部215Cを有する。凹部215Cにおけるz軸方向に平行な壁が側壁2133Cである。
【0090】
筒状体21Cは、中空部210C、および、中空部240Cを有する。中空部240Cは、中空部241Cと中空部242Cを有する。
【0091】
中空部210Cは、側壁2131Cと隔壁214Cとに挟まれた空間であり、本体20Cのz軸方向に延びる形状である。中空部210Cのz軸方向の一方端は、開口2110Cによって筒状体21Cの外部に連通する。開口2110Cは、側壁2131Cにおける天壁211Cに連接する側の端部付近に形成されている。中空部210Cのz軸方向の他方端は、配管71の中空部710に連通する。
【0092】
天壁211Cの凹部215Cの底壁と側壁2133Cとの接続する部分付近には、貫通孔2150が形成されている。貫通孔2150の一方端は、配管71の中空部710に連通する。
【0093】
中空部241Cは、天壁211Cにおける凹部215Cの底壁と、底壁212Cとに挟まれた空間であり、本体20Cのx軸方向に延びる形状である。中空部241Cのx軸方向の一方端は、側壁2133Cに形成された開口2410Cによって筒状体21Cの外部に連通する。中空部241Cのx軸方向の他方端は、中空部242Cに連通する。
【0094】
中空部242Cは、側壁2133Cと隔壁214Cとに挟まれた空間であり、本体20Cのz軸方向に延びる形状である。中空部242Cは、中空部210Cに並んで存在する。中空部242Cのz軸方向の一方端は、中空部241Cに連通している。中空部242Cのz軸方向の他方端は、側壁2133Cに形成された開口2420Cによって筒状体21Cの外部に連通する。
【0095】
筒状体22Cは、筒状体21Cの凹部215Cに配置される。
【0096】
筒状体22Cは、筒状の壁221C、天壁224C、および、底壁225Cを備える。筒状体22Cは、筒状の壁221C、天壁224C、および、底壁225Cによって外形を形成しており、中空部220Cを有する。
【0097】
中空部220Cは、筒状の壁221Cに形成された開口2210Cによって、筒状体22Cの外部に連通する。開口2210Cは、筒状体21Cの開口2420Cに連通する。
【0098】
中空部220Cは、筒状の壁221Cにおける開口2210Cが形成されている壁部と反対側の壁部に凸部226を備える。凸部226には中空部2260が形成されている。中空部2260は、中空部220Cに連通する。中空部2260は、凸部226に形成された開口2261によって筒状体22Cの外部に連通する。開口2261には、ノズルN22Cが装着されている。
【0099】
中空部220Cの底壁225Cには、ノズルN225Cが形成されている。ノズルN225Cの孔は、底壁225Cに形成された貫通孔2250Cに連通する。
【0100】
ポンプ41およびポンプ42は、中空部210Cに配置される。より具体的には、開口2110C側からz軸方向に沿って、ポンプ41、ポンプ42の順に直列に配置される。
【0101】
熱伝導部材50Cは、主として中空部242C内に配置され、ポンプ41およびポンプ42に当接している。
【0102】
より具体的には、図10に示すように、熱伝導部材50Cは、ベース部材501C、複数のフィン502C、および、接触部材503Cを備える。
【0103】
ベース部材501Cは、中空部242Cの延びる方向(ポンプ41およびポンプ42の配列方向)に延びる形状の平板である。ベース部材501Cの延びる方向の長さは、ポンプ装置の長さ(ポンプ41とポンプ42を直列した長さ)以上であることが好ましい。
【0104】
ベース部材501Cは、中空部242Cにおける隔壁214C側に配置される。例えば、ベース部材501Cは、隔壁214Cに当接して配置される。この際、ベース部材501Cは、x軸方向に視てポンプ装置の少なくとも一部と重なり、ポンプ装置の全部と重なることが好ましい。
【0105】
複数のフィン502Cは、それぞれに平板である。複数のフィン502Cは、中空部242Cに配置される。複数のフィン502Cは、中空部242Cの延びる方向に対して平行に配置される。複数のフィン502Cは、複数のフィン502Cの主平面がベース部材501Cの主平面(y軸に平行な面)に直交するように、ベース部材501Cに接続される。複数のフィン502Cは、y軸方向(複数のフィン502Cが延びる方向に直交する方向)に間隔を空けて配置される。
【0106】
複数のフィン502Cの高さは、中空部242Cにおける隔壁214Cと側壁2133Cとの距離に近い方が好ましい。
【0107】
接触部材503Cは、ベース部材501Cにおける複数のフィン502Cが接続する主平面と反対側の主平面に接続する。接触部材503Cは、隔壁214Cに形成された開口内を挿通し、ポンプ41およびポンプ42に当接する。
【0108】
このような構成において、ポンプ41およびポンプ42を駆動する。これにより、霧化装置10Cは、図11に示すように気流を発生し、液体を霧化し、吐出する。
【0109】
ポンプ41およびポンプ42の駆動によって、開口2110Cから中空部210Cに気体が吸入される。中空部210Cを通った気体は、配管71の中空部710、貫通孔2150、貫通孔2250Cを通り、ノズルN225Cに達する。
【0110】
例えば、ノズルN225Cが底壁225Cから突出することによりできるノズルN225C周りの凹部には液体89が貯留される(図を省略する)。液体89は、上述の実施形態の棒体30のような部材によって、ノズルN225Cの先端に供給される。
【0111】
液体89は、ノズルN225Cから中空部220Cに吐出される気体によって霧化される。霧化された液体89を含む気体は、中空部220Cの上方(天壁224側)に流れ、ノズルN22Cから外部に吐出される。
【0112】
この際、霧化された液体89を含む気流によって、開口2210C、開口2420Cから中空部220C内に気体が引き込まれる。これにより、霧化装置10Cの筐体20Cの外部から開口2410Cを通じて、中空部241C、中空部242Cの順に気体が引き込まれる。したがって、霧化装置10Cは、開口2410C、中空部241C、中空部242C、開口2420C、開口2210Cを順に通る引き込み気流を発生する。
【0113】
熱伝導部材50Cは、中空部242Cに配置されているので、引き込み気流によって効果的に冷却される。これにより、ポンプ41およびポンプ42は、冷却される。
【0114】
このように、霧化装置10Cは、引き込み気流が通る中空部242Cに熱伝導部材50Cを配置することで、ポンプ41およびポンプ42を効果的に冷却できる。
【0115】
さらに、霧化装置10Cでは、複数のフィン502Cを備え、複数のフィン502Cが気流の方向に平行に配置される。複数のフィン502Cによって、中空部242Cを流れる気流は、中空部241Cに連通する一方端から、開口2420Cに連通する他方端に向かうように整流される。そして、複数のフィン502Cを備えることで、複数のフィン502Cを備えない場合よりも、気体の流速は速くなる。また、気体が熱伝導部材50Cに沿う面積は広くなる。これにより、熱伝導部材50Cは、より効果的に冷却される。この結果、霧化装置10Cは、ポンプ41およびポンプ42をさらに効果的に冷却できる。
【0116】
なお、複数のフィン502Cの個数、および、間隔は、図に示すものに限られるものではなく、冷却効果に基づいて、適宜設定できる。
【0117】
また、この構成では、引き込み気流が中空部220Cに連通する開口2210CとノズルN22Cとを結ぶ直線状に、霧化装置10Cを構成する他の部材(障害物)が存在しない。したがって、引き込み気流は、よどみなくノズルN22Cに流れ、霧化された液体89を含む気流を合流する。これにより、霧化装置10Cは、ノズルN22Cから吐出される気流を大きくでき、液体89を効率的、効果的に吐出できる。
【0118】
また、この構成では、ポンプ41およびポンプ42を通る気体の流れる方向と、引き込み気流の流れる方向とは、逆になる。これにより、霧化装置10Cは、冷却効果をさらに向上できる。
【0119】
なお、図示を省略しているが、霧化装置10Cでは、ポンプ41、ポンプ42、および、熱伝導部材50Cは、底壁212Cから離間した位置に配置される。これにより、補助筐体を底壁212Cの下部に装着すれば、補助筐体は、熱伝導部材50Cから離間した位置に配置される。したがって、霧化装置10Cは、補助筐体が熱くなることを抑制できる。
【0120】
なお、上述の各実施形態の構成は、適宜組み合わせることが可能であり、それぞれの組合せに応じた作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0121】
10、10A、10C:霧化装置
20、20C:本体
21、21A、21C、22、22C、24:筒状体
23:駆動回路用ケース
30:棒体
41、42:ポンプ
51、52、50C:熱伝導部材
60:基板
71:配管
89、891、892:液体
90:補助筐体
101:天面
102:底面
210、210C、220、230、240C、241C、242C、2260:中空部
211、211C:天壁
212、212C:底壁
214C:隔壁
215C:凹部
218、218A:凹部
219:吐出用筐体
221:第1部分
222:第2部分
223:蓋部材
226:凸部
231:天壁
232:側壁
233:側壁
240:開口
301:一方端
302:他方端
401:吸入孔
402:吐出孔
521、501C:ベース部材
522、502C:フィン
503C:接触部材
600:バッテリ
2110、2110C、2190、2210C、2230、2420C:開口
2131、2131C、2132、2133、2133C:側壁
2240、2150、2250C:貫通孔
N22C、N225C:ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11