(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-09
(45)【発行日】2024-09-18
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240910BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20240910BHJP
【FI】
G03G21/16 171
G03G21/18 121
(21)【出願番号】P 2021016078
(22)【出願日】2021-02-03
【審査請求日】2023-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】細川 康宏
(72)【発明者】
【氏名】山口 渡
(72)【発明者】
【氏名】橋本 洋平
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-163380(JP,A)
【文献】特開2014-071363(JP,A)
【文献】特開2020-183991(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0171158(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
G03G 15/00
G03G 21/16-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に配置される第1感光ドラムと、
前記第1感光ドラムを前記筐体にロックするロック位置と、前記筐体に対する前記第1感光ドラムのロックを解除するロック解除位置との間を移動可能なロック部材と、
第1方向に延びる軸について、前記筐体に対して回動可能な回動部材であって、前記ロック部材を押すことによって、前記ロック部材を前記ロック解除位置から前記ロック位置に移動させる回動部材と、を備え、
前記回動部材は、
前記ロック部材を前記ロック位置に位置させる第1カム面を有するカム部と、
前記カム部から前記軸と直交する径方向に突出する突起であって、前記ロック部材を前記ロック解除位置から前記ロック位置に向けて移動させる第2カム面であり、前記ロック部材が前記ロック位置に位置する状態で前記ロック部材から離れる第2カム面を有する突起と、を備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記筐体内に配置される第2感光ドラムと、
前記第2感光ドラムに接触する接触位置と、前記第2感光ドラムから離れる離間位置との間を移動可能な現像ローラと、をさらに備え、
前記回動部材は、
前記ロック部材を前記ロック解除位置に位置させ、かつ、前記現像ローラを前記接触位置に位置させる第1位置と、
前記ロック部材を前記ロック位置に位置させ、かつ、前記現像ローラを前記接触位置に位置させる第2位置と、
前記ロック部材を前記ロック位置に位置させ、かつ、前記現像ローラを前記離間位置に位置させる第3位置との間を、前記筐体に対して移動可能であり、
前記第2カム面は、前記回動部材が前記第1位置から前記第2位置に移動する途中で、前記ロック部材を前記ロック解除位置から前記ロック位置に向けて移動させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2感光ドラムを備えるドラムカートリッジであって、前記筐体に対して着脱可能なドラムカートリッジをさらに備え、
前記回動部材が前記第1位置に位置する状態で、前記ドラムカートリッジは、前記筐体に対して着脱可能であり、
前記回動部材が前記第2位置または前記第3位置に位置する状態で、前記ドラムカートリッジは、前記筐体に対して着脱不能である、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1位置から前記第2位置に回動するときの前記回動部材の回転方向において、前記第2カム面は、前記第1カム面に対して上流側に位置する、請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ロック部材は、前記回動部材が前記第2位置または前記第3位置に位置した状態で、前記突起を収容する凹部を有する、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ロック部材は、
前記回動部材の前記第1カム面と接触する第1ロックカム面と、
前記回動部材の前記第2カム面と接触する第2ロックカム面と、を備える、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2カム面は、
前記第1位置から前記第2位置に回動するときの前記回動部材の回転方向において上流側に配置される上流側面と、
前記第1位置から前記第2位置に回動するときの前記回動部材の回転方向において下流側に配置される下流側面と、を備え、
前記上流側面が前記ロック部材の前記第2ロックカム面と接触しているときに、前記ロック部材の前記第1ロックカム面は、前記第1カム面と隙間を空けて配置され、
前記ロック部材の前記第1ロックカム面が前記第1カム面と接触しているときに、前記下流側面は、前記ロック部材の前記第2ロックカム面と隙間を空けて配置される、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記上流側面の前記回動部材の前記軸からの距離は、前記下流側面の前記回動部材の前記軸からの距離よりも大きい、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1方向における前記第1カム面の寸法は、前記第1方向における前記第2カム面の寸法よりも大きい、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第1カム面は、前記軸を中心とする円弧面である、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、筐体と、感光ドラムと、ロック部材と、回動部材とを備える。ロック部材は、感光ドラムを筐体にロックするロック位置と、筐体に対する感光ドラムのロックを解除するロック解除位置との間を移動可能である。回動部材は、筐体に対して回動可能である。回動部材は、カム部を有する。
【0003】
回動部材は、筐体に対して回動する。回動部材が回動したときに、カム部は、ロック部材を押すことにより、ロック部材をロック解除位置からロック位置に向けて移動させる。ロック部材がロック位置に位置する状態において、カム部は、ロック部材と接触して、ロック部材をロック位置に位置させる(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているような画像形成装置では、ロック部材がロック解除位置からロック位置に向けて移動するとき、および、ロック部材がロック位置に位置するときの両方において、カム部がロック部材と接触する。
【0006】
そのため、ロック位置におけるロック部材の安定性を確保しながら、ロック部材をロック解除位置からロック位置に向けて移動させるときの動作荷重の低減を図るには限度がある。
【0007】
そこで、本開示の目的は、ロック位置におけるロック部材の安定性の確保と、ロック部材をロック解除位置からロック位置に向けて移動させるときの動作荷重の低減とを両立できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の画像形成装置は、筐体と、第1感光ドラムと、ロック部材と、回動部材と、を備える。
【0009】
第1感光ドラムは、筐体内に配置される。
【0010】
ロック部材は、ロック位置と、ロック解除位置との間を移動可能である。ロック部材がロック位置に位置する状態で、ロック部材は、第1感光ドラムを筐体にロックする。ロック部材がロック解除位置に位置する状態で、ロック部材は、筐体に対する第1感光ドラムのロックを解除する。
【0011】
回動部材は、軸について筐体に対して回動可能である。軸は、第1方向に延びる。回動部材は、ロック部材を押すことによって、ロック部材をロック解除位置からロック位置に移動させる。
【0012】
回動部材は、カム部と、突起とを備える。カム部は、第1カム面を有する。第1カム面は、ロック部材をロック位置に位置させる。突起は、カム部から径方向に突出する。径方向は、軸と直交する。突起は、第2カム面を有する。第2カム面は、ロック部材をロック解除位置からロック位置に向けて移動させる。第2カム面は、ロック部材がロック位置に位置する状態でロック部材から離れる。
【0013】
このような構成によれば、回動部材が備える突起が、カム部から径方向に突出しており、第2カム面を有する。そして、突起の第2カム面が、ロック部材を押すことによって、ロック部材をロック解除位置からロック位置に移動させる。そのため、ロック部材をロック解除位置からロック位置に向けて移動させるときの動作荷重を低減することができる。
【0014】
また、回動部材が備えるカム部は、第1カム面を有する。そして、カム部の第1カム面が、ロック部材をロック位置に位置させる。そのため、突起の第2カム面がロック部材をロック位置に位置させる場合と比較して、ロック位置におけるロック部材の安定性の向上を図ることができる。
【0015】
(2)画像形成装置は、第2感光ドラムと、現像ローラとをさらに備えてもよい。
【0016】
第2感光ドラムは、筐体内に配置される。現像ローラは、接触位置と、離間位置との間を移動可能であってもよい。現像ローラが接触位置に位置した状態で、現像ローラは、第2感光ドラムに接触する。現像ローラが離間位置に位置した状態で、現像ローラは、第2感光ドラムから離れる。
【0017】
回動部材は、第1位置と第2位置と第3位置との間を、筐体に対して移動可能であってもよい。回動部材が第1位置に位置する状態で、回動部材は、ロック部材をロック解除位置に位置させ、かつ、現像ローラを接触位置に位置させる。回動部材が第2位置に位置する状態で、回動部材は、ロック部材をロック位置に位置させ、かつ、現像ローラを接触位置に位置させる。回動部材が第3位置に位置する状態で、回動部材は、ロック部材をロック位置に位置させ、かつ、現像ローラを離間位置に位置させる。第2カム面は、回動部材が第1位置から第2位置に移動する途中で、ロック部材をロック解除位置からロック位置に向けて移動させる。
【0018】
(3)画像形成装置は、ドラムカートリッジをさらに備えてもよい。ドラムカートリッジは、第2感光ドラムを備える。ドラムカートリッジは、筐体に対して着脱可能である。回動部材が第1位置に位置する状態で、ドラムカートリッジは、筐体に対して着脱可能であってもよい。この場合、回動部材が第2位置または第3位置に位置する状態で、ドラムカートリッジは、筐体に対して着脱不能である。
【0019】
(4)第1位置から第2位置に回動するときの回動部材の回転方向において、第2カム面は、第1カム面に対して上流側に位置してもよい。
【0020】
(5)ロック部材は、凹部を有してもよい。回動部材が第2位置または第3位置に位置した状態で、凹部は、突起を収容する。
【0021】
(6)ロック部材は、第1ロックカム面と、第2ロックカム面と、を備えてもよい。第1ロックカム面は、回動部材の第1カム面と接触する。第2ロックカム面は、回動部材の第2カム面と接触する。
【0022】
(7)第2カム面は、上流側面と、下流側面とを備えてもよい。上流側面は、第1位置から第2位置に回動するときの回動部材の回転方向において上流側に配置される。下流側面は、第1位置から第2位置に回動するときの回動部材の回転方向において下流側に配置される。上流側面がロック部材の第2ロックカム面と接触しているときに、ロック部材の第1ロックカム面は、第1カム面と隙間を空けて配置されてもよい。ロック部材の第1ロックカム面が第1カム面と接触しているときに、下流側面は、ロック部材の第2ロックカム面と隙間を空けて配置されてもよい。
【0023】
(8)上流側面の回動部材の軸からの距離は、下流側面の回動部材の軸からの距離よりも大きくてもよい。
【0024】
(9)第1方向における第1カム面の寸法は、第1方向における第2カム面の寸法よりも大きくてもよい。
【0025】
(10)第1カム面は、軸を中心とする円弧面であってもよい。
【発明の効果】
【0026】
本開示の画像形成装置によれば、ロック位置におけるロック部材の安定性の確保と、ロック部材をロック解除位置からロック位置に向けて移動させるときの動作荷重の低減とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、画像形成装置の概略構成図であって、カバーが閉位置に位置する状態を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示す画像形成装置の概略構成図であって、カバーが開位置に位置する状態を示す。
【
図3】
図3Aは、
図1に示すドラムカートリッジおよび現像カートリッジの概略構成図であって、現像カートリッジが接触位置に位置する状態を示す。
図3Bは、
図1に示すドラムカートリッジおよび現像カートリッジの概略構成図であって、現像カートリッジが離間位置に位置する状態を示す。
【
図4】
図4は、
図3Aに示すドラムカートリッジおよび現像カートリッジの側面図である。
【
図5】
図5は、
図4に示すドラムカートリッジおよび現像カートリッジの側面図であって、側壁を除いた状態を示す。
【
図6】
図6は、
図1に示す画像形成装置が備える、第1回動部材、第2回動部材、ロック部材およびカムの側面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す第1回動部材および第2回動部材の一方の側面図であって、第1回動部材が第1位置に位置する状態を示す。
【
図8】
図8は、
図6に示す第1回動部材および第2回動部材の他方の側面図であって、第1回動部材が第1位置に位置する状態を示す。
【
図9】
図9は、
図6に示す第1回動部材および第2回動部材の一方の側面図であって、第1回動部材が第2位置に位置する状態を示す。
【
図10】
図10は、
図6に示す第1回動部材および第2回動部材の他方の側面図であって、第1回動部材が第2位置に位置する状態を示す。
【
図11】
図11は、
図6に示す第1回動部材および第2回動部材の一方の側面図であって、3つの第1回動部材が第2位置に位置し、1つの第1回動部材が第1位置に位置する状態を示す。
【
図12】
図12は、
図6に示す第1回動部材および第2回動部材の一方の側面図であって、第1回動部材が第3位置に位置する状態を示す。
【
図13】
図13は、
図6に示す第1回動部材および第2回動部材の他方の側面図であって、第1回動部材が第3位置に位置する状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
1.画像形成装置1
図1を参照して、画像形成装置1について説明する。
【0029】
図1に示すように、画像形成装置1は、筐体2と、カバー3と、シートカセット4と、4つのドラムカートリッジ5Y、5M、5C、5Kと、4つの露光装置7Y、7M、7C、7Kと、4つの現像カートリッジ6Y、6M、6C、6Kと、転写装置8と、定着装置9とを備える。
【0030】
1.1 筐体2
筐体2は、シートカセット4と、4つのドラムカートリッジ5Y、5M、5C、5Kと、4つの露光装置7Y、7M、7C、7Kと、4つの現像カートリッジ6Y、6M、6C、6Kと、転写装置8と、定着装置9とを収容する。
【0031】
筐体2は、開口21を有する。開口21は、筐体2の上端に位置する。
【0032】
1.2 カバー3
カバー3は、開口21を開閉する。カバー3は、閉位置(
図1参照)と開位置(
図2参照)との間を移動可能である。カバー3が閉位置に位置する状態で、カバー3は、開口21を閉じる。カバー3が開位置に位置する状態で、開口21は、開く。カバー3は、筐体2に回動可能に支持される。
【0033】
1.3 シートカセット4
シートカセット4は、シートSを収容可能である。シートカセット4内のシートSは、ドラムカートリッジ5Yの感光ドラム51Yに向かって搬送される。感光ドラム51Yについては、後で説明する。
【0034】
1.4 4つのドラムカートリッジ5Y、5M、5C、5K
4つのドラムカートリッジ5Y、5M、5C、5Kは、互いに同じ構成を有する。そのため、ドラムカートリッジ5Kについて説明し、ドラムカートリッジ5Y、5M、5Cについての説明は、省略される。
【0035】
ドラムカートリッジ5Kは、感光ドラム51Kと、帯電装置52Kとを備える。
【0036】
感光ドラム51Kは、第1方向に延びる。第1方向は、上下方向と交差する。感光ドラム51Kは、円筒形状を有する。感光ドラム51Kは、ドラム軸510について回転可能である。ドラム軸510は、第1方向に延びる。
【0037】
帯電装置52Kは、感光ドラム51Kの周面を帯電させる。帯電装置52Kは、具体的には、スコロトロン型の帯電器である。なお、帯電装置52Kは、帯電ローラであってもよい。
【0038】
カバー3が開位置に位置する状態で、ドラムカートリッジ5Kは、筐体2に対して着脱可能である(
図2参照)。
【0039】
ドラムカートリッジ5Yは、感光ドラム51Yと、帯電装置52Yとを備える。ドラムカートリッジ5Mは、感光ドラム51Mと、帯電装置52Mとを備える。ドラムカートリッジ5Cは、感光ドラム51Cと、帯電装置52Cとを備える。言い換えれば、画像形成装置1は、4つの感光ドラム51Y、51M、51C、51Kを備える。
【0040】
4つのドラムカートリッジ5Y、5M、5C、5Kが筐体2に装着された状態で、4つの感光ドラム51Y、51M、51C、51Kは、筐体2内に配置され、搬送ベルト81によるシートSの搬送方向に順に並ぶ。搬送方向は、上下方向および第1方向と交差する。搬送ベルト81については、後で説明する。
【0041】
1.5 4つの露光装置7Y、7M、7C、7K
4つの露光装置7Y、7M、7C、7Kは、カバー3に支持される。4つの露光装置7Y、7M、7C、7Kは、互いに同じ構成を有する。そのため、露光装置7Kについて説明し、露光装置7Y、7M、7Cについての説明は、省略される。
【0042】
露光装置7Kは、感光ドラム51Kの表面を露光可能である。感光ドラム51Kの表面が帯電された状態で、露光装置7Kが感光ドラム51Kの表面を露光することにより、静電潜像が、感光ドラム51Kの表面に形成される。露光装置7Yは、具体的には、LEDアレイである。
【0043】
露光装置7Yは、感光ドラム51Yの表面を露光可能である。露光装置7Mは、感光ドラム51Mの表面を露光可能である。露光装置7Cは、感光ドラム51Cの表面を露光可能である。
【0044】
1.6 4つの現像カートリッジ6Y、6M、6C、6K
4つの現像カートリッジ6Y、6M、6C、6Kは、互いに同じ構成を有する。そのため、現像カートリッジ6Kについて説明し、現像カートリッジ6Y、6M、6Cについての説明は、省略される。
【0045】
現像カートリッジ6Kは、ドラムカートリッジ5Kに対して着脱可能である。現像カートリッジ6Kは、現像ローラ61Kを備える。言い換えれば、画像形成装置1は、現像ローラ61Kを備える。現像ローラ61Kは、第1方向に延びる。現像ローラ61Kは、現像軸610について回転可能である。現像軸610は、第1方向に延びる。
【0046】
図3Aおよび
図3Bに示すように、現像カートリッジ6Kがドラムカートリッジ5Kに装着された状態で、現像ローラ61Kは、接触位置(
図3A参照)と、離間位置(
図3B参照)との間を移動可能である。現像ローラ61Kが接触位置に位置した状態で、現像ローラ61Kは、感光ドラム51Kに接触する。(
図3A参照)。現像ローラ61Kが接触位置に位置する状態で、現像ローラ61Kは、感光ドラム51Kにトナーを供給する。現像ローラ61Kが離間位置に位置した状態で、現像ローラ61Kは、感光ドラム51Kから離れる(
図3B参照)。
【0047】
図1に示すように、現像カートリッジ6Yは、ドラムカートリッジ5Yに対して着脱可能である。現像カートリッジ6Yは、現像ローラ61Yを備える。現像カートリッジ6Yがドラムカートリッジ5Yに装着された状態で、現像ローラ61Yは、接触位置と離間位置との間を移動可能である。
【0048】
現像カートリッジ6Mは、ドラムカートリッジ5Mに対して着脱可能である。現像カートリッジ6Mは、現像ローラ61Mを備える。現像カートリッジ6Mがドラムカートリッジ5Mに装着された状態で、現像ローラ61Mは、接触位置と離間位置との間を移動可能である。
【0049】
現像カートリッジ6Cは、ドラムカートリッジ5Cに対して着脱可能である。現像カートリッジ6Cは、現像ローラ61Cを備える。現像カートリッジ6Cがドラムカートリッジ5Cに装着された状態で、現像ローラ61Cは、接触位置と離間位置との間を移動可能である。
【0050】
1.7 転写装置8
転写装置8は、搬送ベルト81を備える。搬送ベルト81は、シートカセット4から供給されたシートSを定着装置9に向かって搬送する。搬送ベルト81によって搬送されるシートSは、転写装置8と4つの感光ドラム51Y、51M、51C、51Kとの間を通る。このとき、転写装置8は、4つの感光ドラム51Y、51M、51C、51K上のトナーをシートSに転写する。
【0051】
1.9 定着装置9
定着装置9は、トナーが転写されたシートSを加熱および加圧して、シートSにトナーを定着させる。定着装置9を通過したシートSは、閉位置に位置するカバー3の上面に排紙される。
【0052】
2.ドラムカートリッジ5Kの詳細
次に、
図4および
図5を参照して、ドラムカートリッジ5Kの詳細について説明する。
【0053】
ドラムカートリッジ5Kは、上記した感光ドラム51K(
図3A参照)と、上記した帯電装置52K(
図3A参照)とに加えて、ドラムフレーム53Kと、離間レバー54Kと、押圧部材55K(
図5参照)とを備える。
【0054】
2.1 ドラムフレーム53K
ドラムフレーム53Kは、感光ドラム51Kおよび帯電装置52Kを支持する(
図3A参照)。
図4に示すように、現像カートリッジ6Kは、ドラムフレーム53Kに対して着脱可能である。ドラムフレーム53Yは、側壁531を備える。
【0055】
2.1.1 側壁531
側壁531は、第1方向におけるドラムフレーム53Kの一端に位置する。側壁531は、軸受5311と、突起5312とを含む。
【0056】
軸受5311は、第1方向における感光ドラム51Kの一端を支持する。第1方向における感光ドラム51Kの一端は、軸受5311に嵌まる。軸受5311は、円筒形状を有する。軸受5311は、第1方向に延びる。
【0057】
突起5312は、ロック部材19Kがロック位置に位置する状態で、ロック部材19Kが有するロックアーム191と接触する。ロック部材19Kについては、後で説明する。突起5312は、軸受5311と連続する。突起5312は、軸受5311の径方向において、軸受5311から突出する。ドラムカートリッジ5Kが筐体2に装着された状態で、突起5312は、軸受5311に対して上方に位置する。上方とは、画像形成装置1を通常の使用状態に置いたときの、重力方向における上方である。
【0058】
2.2 離間レバー54K
図5に示すように、離間レバー54Kは、側壁531に支持される。離間レバー54Kは、軸について回転可能である。離間レバー54Kの軸は、第1方向に延びる。離間レバー54Kは、第1部分541と、第2部分542とを有する。ドラムカートリッジ5Kが筐体2に装着された状態で、第1部分541は、第1回動部材16Kと接触可能である。第1回動部材16Kについては、後で説明する。第2部分542は、離間レバー54Kの軸に対して、第1部分541の反対側に位置する。第1部分541が第1回動部材16Kと接触した状態で、第2部分542は、現像カートリッジ6Kが備える突起6241と接触する。突起6241については、後で説明する。
【0059】
2.3 押圧部材55K
現像カートリッジ6Kがドラムカートリッジ5Kに装着された状態で、押圧部材55Kは、現像ローラ61Kを接触位置(
図3A参照)に向かって押圧する。押圧部材55Kは、ドラムフレーム53Kに支持される。押圧部材56Kは、離間レバー54Kに対して、感光ドラム51Kの反対側に位置する。
【0060】
3.現像カートリッジ6Kの詳細
次に、
図4および
図5を参照して、現像カートリッジ6Kの詳細について説明する。
【0061】
現像カートリッジ6Kは、上記した現像ローラ61K(
図3A参照)に加えて、現像フレーム62Kを備える。
【0062】
3.1 現像フレーム62K
図5に示すように、現像フレーム62Kは、現像筐体621と、支持部624とを備える。現像筐体621は、トナーを収容する。現像筐体621は、第1方向に延びる。現像カートリッジ6Kがドラムカートリッジ5Kに装着された状態で、現像筐体621は、側壁531と第1方向に並ぶ。
【0063】
支持部624は、第1方向における現像ローラ61K(
図3A参照)の一端を支持する。支持部624は、第1方向における現像筐体621の側面に位置する。支持部624は、現像筐体621に支持される。現像カートリッジ6Kがドラムカートリッジ5Kに装着された状態で、支持部624は、押圧部材55Kと感光ドラム51Kとの間に位置する。現像カートリッジ6Kがドラムカートリッジ5Kに装着された状態で、支持部624は、押圧部材55Kと接触する。
【0064】
支持部624は、突起6241を含む。突起6241は、第1方向に延びる。現像カートリッジ6Kがドラムカートリッジ5Kに装着された状態で、突起6241は、離間レバー54の第2部分542と押圧部材55Kとの間に位置する。
【0065】
4.画像形成装置の詳細
次に、
図6から
図13を参照して、画像形成装置1の詳細について説明する。
【0066】
図6に示すように、画像形成装置1は、4つの第1回動部材16Y、16M、16C、16Kと、第2回動部材17と、4つのロック部材19Y、19M、19C、19Kと、カム11とを備える。
【0067】
4.1 4つの第1回動部材16Y、16M、16C、16K
4つの第1回動部材16Y、16M、16C、16Kは、筐体2に支持される。4つの第1回動部材16Y、16M、16C、16Kは、第2方向に互いに間隔を空けて位置する。第2方向は、第1方向および上下方向と交差する。4つの第1回動部材16Y、16M、16C、16Kは、互いに同様の構成を有する。そのため、第1回動部材16Kについて詳細に説明し、第1回動部材16Y、16M、16Cについての説明は、省略する。
【0068】
4.1.1 第1回動部材16K
図7に示すように、第1回動部材16Kは、軸160について筐体2に対して回動可能である。軸160は、第1方向に延びる。第1回動部材16Kは、ロック部材19Cを押すことによって、ロック部材19Cをロック解除位置からロック位置に移動させる。なお、第1回動部材16Mは、ロック部材19Yを押すことによって、ロック部材19Yをロック解除位置からロック位置に移動させる(
図6参照)。第1回動部材16Cは、ロック部材19Mを押すことによって、ロック部材19Mをロック解除位置からロック位置に移動させる(
図6参照)。
【0069】
第1回動部材16Kは、第1位置(
図7参照)と、第2位置(
図9参照)と、第3位置(
図12参照)との間を、筐体2に対して移動可能である。
【0070】
第1回動部材16Kが第1位置に位置する状態で、第1回動部材16Kは、ロック部材19Cをロック解除位置に位置させ、かつ、現像ローラ61Kを接触位置に位置させる(
図7参照)。第1回動部材16Kが第2位置に位置する状態で、第1回動部材16Kは、ロック部材19Cをロック位置に位置させ、かつ、現像ローラ61Kを接触位置に位置させる(
図9参照)。第1回動部材16Kが第3位置に位置する状態で、第1回動部材16Kは、ロック部材19Cをロック位置に位置させ、かつ、現像ローラ61Kを離間位置に位置させる(
図12参照)。
【0071】
図7および
図8に示すように、第1回動部材16Kは、本体161と、シャフト164と、カム部162と、突起163と、ボス165とを備える。
【0072】
4.1.1.1 本体161
本体161は、シャフト164と、カム部162と、図示しないボスとを支持する。
図7に示すように、本体161は、第1端部1611と、第1端部1611から離れて位置する第2端部1612とを有する。
【0073】
4.1.1.2 シャフト164
シャフト164は、軸160に沿って延びる。シャフト164は、本体161の中央に設けられる。シャフト164は、筐体2に回転可能に支持される。
【0074】
4.1.1.3 カム部162
図8に示すように、カム部162は、本体161から第1方向に突出する。カム部162は、シャフト164と、本体161の第1端部1611との間に位置する(
図7参照)。カム部162は、第1カム面1621を有する。第1カム面1621は、ロック部材19Cをロック位置に位置させる。ロック部材19Cについては後で説明する。第1カム面1621は、シャフト164の径方向において、シャフト164から離れて位置する。第1カム面1621は、軸160を中心とする円弧面である。第1カム面1621は、第1位置から第2位置に回動するときの第1回動部材16Kの回転方向Rにおいて、突起163に対して下流側に位置する。
【0075】
4.1.1.4 突起163
突起163は、カム部162から径方向に突出する。径方向は、軸160と直交する。突起163は、第1方向に延びる。突起163は、第2カム面1631を有する。第2カム面1631は、ロック部材19Cをロック解除位置からロック位置に向けて移動させる(
図7および
図9参照)。第2カム面1631は、ロック部材19Cがロック位置に位置する状態でロック部材19Cから離れる(
図12参照)。より詳しくは、第2カム面1631は、第1回動部材16Kが第1位置から第2位置に移動する途中で、ロック部材19Cをロック解除位置からロック位置に向けて移動させる(
図7および
図9参照)。
【0076】
第2カム面1631は、第1カム面1621から径方向に離れている。第2カム面1631は、径方向において、第1カム面1621と第1端部1611との間に位置する。第2カム面1631は、ロック部材19Cのロック軸190と第1カム面1621との間に位置する。第1位置から第2位置に回動するときの第1回動部材16Kの回転方向Rにおいて、第2カム面1631は、第1カム面1621に対して上流側に位置する。第1方向における第1カム面1621の寸法は、第1方向における第2カム面1631の寸法よりも大きい。これによって、ロック部材19Cがロック位置に位置する状態で、ロック部材19Cと第1カム面1621とを安定して接触させることができる(
図13参照)。
【0077】
図7に示すように、第2カム面1631は、上流側面16311と、下流側面16312とを備える。上流側面16311は、回転方向Rにおいて下流側面16312に対して上流側に配置される。下流側面16312は、回転方向Rにおいて上流側面16311に対して下流側に配置される。上流側面16311の第1回動部材16Kの軸160からの距離は、下流側面16312の第1回動部材16Kの軸160からの距離よりも大きい。
【0078】
上流側面16311がロック部材19Cの第2ロックカム面19221と接触しているときに(
図9参照)、ロック部材19Cの第1ロックカム面19261は、第1カム面1621と隙間を空けて配置される(
図10参照)。ロック部材19Cの第1ロックカム面19261が第1カム面1621と接触しているときに(
図13参照)、下流側面16312は、ロック部材19Cの第2ロックカム面19221と隙間を空けて配置される(
図12参照)。第1ロックカム面19261および第2ロックカム面19221については、後で説明する。
【0079】
4.1.1.4 ボス165
図13に示すように、ボス165は、本体161の第2端部1612に設けられる。ボスは、本体161から第1方向に延びる。ボスは、カム11と接触する。図示しないが、第1回動部材16が第1位置または第2位置に位置する状態で、ボスは、第1溝111Kに嵌まる。第1溝111Kについては、後で説明する。第1回動部材16が第3位置に位置する状態で、ボスは、カム11の上面と接触する。
【0080】
4.2 第2回動部材17
第2回動部材17は、筐体2に支持される。第2回動部材17は、第2方向において、第1回動部材16Kに対して、第1回動部材16Cの反対側に位置する(
図6参照)。第2回動部材17は、本体161が第1端部1611を有しないことを除いて、第1回動部材16Kと同様に説明される。そのため、第2回動部材17の説明は、省略される。第2回動部材17は、ロック部材19Kを押すことによって、ロック部材19Kをロック解除位置からロック位置に移動させる。
【0081】
4.3 4つのロック部材19Y、19M、19C、19K
図6に示すように、4つのロック部材19Y、19M、19C、19Kは、筐体2に支持される。4つのロック部材19Y、19M、19C、19Kは、第2方向に互いに間隔を空けて位置する。4つのロック部材19Y、19M、19C、19Kは、互いに同様の構成を有する。そのため、ロック部材19Cについて詳細に説明し、ロック部材19Y、19M、19Kについての説明は、省略する。
【0082】
4.3.1 ロック部材19C
図7および
図9に示すように、ロック部材19Cは、ロック位置(
図7参照)と、ロック解除位置(
図9参照)との間を移動可能である。ロック部材19Cがロック位置に位置する状態で、ロック部材19Cは、感光ドラム51Cを筐体2にロックする。ロック部材19Cがロック解除位置に位置する状態で、ロック部材19Cは、筐体2に対する感光ドラム51Cのロックを解除する。
【0083】
図7に示すように、ロック部材19Cは、ロック位置とロック解除位置との間を、ロック軸190について回転可能である。ロック軸190は、第1方向に延びる。ロック部材19Yのロック軸190は、第1回動部材16Yの軸160から離れている。ロック軸190は、第1回動部材16Yの軸160よりも上方に位置する。
【0084】
ロック部材19Cは、ロックアーム191と、ロックレバー192と、ばね193とを備える。
【0085】
4.3.1.1 ロックアーム191
ロックアーム191は、筐体2に支持される。ロックアーム191は、ロック軸190について回転可能である。
【0086】
図9に示すように、ドラムカートリッジ5Cが筐体2に装着され、第1回動部材16Kが第2位置または第3位置に位置する状態で、ロック部材19Cは、ロック位置に位置する。ロック部材19Cがロック位置に位置する状態で、ロックアーム191は、ドラムカートリッジ5Cの突起5312と接触する(
図4参照)。これによって、ロック部材19Cがロック位置に位置する状態で、感光ドラム51Cを筐体2に安定してロックできる。第1回動部材16Kが第2位置または第3位置に位置する状態で、ドラムカートリッジ5Cは、筐体2に対して着脱不能である(
図1参照)。
【0087】
図7に示すように、ドラムカートリッジ5Cが筐体2に装着され、第1回動部材16Kが第1位置に位置する状態で、ロック部材19Cは、ロック解除位置に位置する。ロック部材19Cがロック位置に位置する状態で、ロックアーム191は、ドラムカートリッジ5Cの突起5312から離れている(
図4参照)。これによって、第1回動部材16Kが第1位置に位置する状態で、ドラムカートリッジ5Cは、筐体2に対して着脱可能である(
図2参照)。
【0088】
4.3.1.2 ロックレバー192
ロックレバー192は、ロックアーム191に支持される。ロックレバー192は、第1方向において、第1回動部材16Kの本体161と並ぶ。ロックレバー192は、ロック軸190について回転可能である。ロックレバー192は、本体1921と、ロックカム1926(
図8参照)と、第1リブ1923(
図12参照)と、第2リブ1924(
図12参照)と、ボス1922とを有する。
【0089】
本体1921は、ロック軸190と直交する方向に延びる。本体1921は、ロックカム1926と、第1リブ1923と、第2リブ1924とを支持する。
【0090】
図8に示すように、ロックカム1926は、本体1921から下方に突出する。ロックカム1926は、第1ロックカム面19261を有する。言い換えれば、ロック部材19Cは、第1ロックカム面19261を備える。第1回動部材16Kが第1位置に位置する状態で、第1ロックカム面19261は、回転方向Rにおいて第1回動部材16Kのカム部162と向かい合う。第1回動部材16Kが第3位置に位置する状態で、第1ロックカム面19261は、第1回動部材16Kの第1カム面1621と接触する(
図13参照)。
【0091】
図12に示すように、第1リブ1923は、本体1921から第1方向に突出する。1923は、本体1921と同じ方向に延びる。第2リブ1924は、第1リブ1923に対してロック軸190の反対側に位置する。第2リブ1924は、第1リブ1923から、第1リブ1923の延びる方向と交差する方向に突出する。第1リブ1923および第2リブ1924は、凹部1925を構成する。言い換えれば、ロック部材19Cは、凹部1925を有する。第1回動部材16Kが第2位置または第3位置に位置した状態で、凹部1925は、突起163を収容する。そのため、画像形成装置1の小型化を図ることができる。
【0092】
ボス1922は、第1リブ1923に設けられる。ボス1922は、第1方向において、第1リブ1923に対して本体1921の反対側に位置する。ボス1922は、第1リブ1923から第1方向に延びる。ボス1922は、第2リブ1924から離れている。ボス1922は、第2ロックカム面19221を有する。言い換えれば、ロック部材19Cは、第2ロックカム面19221を備える。第1回動部材16Kが第1位置から第2位置に回動するときに、第2ロックカム面19221は、第1回動部材16Kの第2カム面1631と接触する(
図9参照)。第2ロックカム面19221は、ボス1922の周面である。
【0093】
4.3.1.3 ばね193
図7に示すように、ばね193は、具体的には、トーションばねである。ばね193の一端は、ロックアーム191に支持される。ばね193の他端は、ロックレバー192に支持される。
【0094】
4.5. カム11
図6に示すように、カム11は、4つの第1回動部材16Y、16M、16C、16Kと、第2回動部材17と接触して、4つの第1回動部材16Y、16M、16C、16Kおよび第2回動部材17を一括して移動させる(
図7から
図13参照)。カム11は、第2方向に延びる。
【0095】
カム11は、4つの第1溝111Y、111M、111C、111Kと、第2溝112とを有する。
【0096】
4つの第1溝111Y、111M、111C、111Kは、第1方向におけるカム11の側面に位置する。4つの第1溝111Y、111M、111C、111Kは、第2方向に順に並ぶ。4つの第1溝111Y、111M、111C、111Kのそれぞれは、第1方向に凹む。第1溝111Yには、第1回動部材16Yのボスが嵌る。第1溝111Mには、第1回動部材16Mのボスが嵌る。第1溝111Cには、第1回動部材16Cのボスが嵌る。第1溝111Kには、第1回動部材16Kのボスが嵌る。第1溝111Y、111M、111Cの第2方向の寸法は、互いに同じである。第1溝111Kの第2方向の寸法は、第1溝111Yの第2方向の寸法よりも大きい。
【0097】
第2溝112は、第1方向におけるカム11の側面に位置する。第2溝112は、第2方向において、第1溝111Kに対して、第1溝111Cの反対側に位置する。第2溝112は、第1方向に凹む。第2溝112には、第2回動部材17のボスが嵌る。
【0098】
カム11は、カム第1位置(
図7参照)と、カム第2位置(
図9参照)と、カム第3位置(
図11参照)と、カム第4位置(
図12参照)との間を第2方向に移動可能である。
【0099】
図7に示すように、カバー3が開位置に位置した状態で、カム11は、カム第1位置に位置する。カム11がカム第1位置に位置した状態で、4つの第1回動部材16Y、16M、16C、16Kと、第2回動部材17とは、第1位置に位置する。これによって、4つのロック部材19Y、19M、19C、19Kは、ロック解除位置に位置し、4つの現像ローラ61Y、61M、61C、61Kは、接触位置に位置する。
【0100】
図9に示すように、カバー3が閉位置に位置した状態で、カム11は、カム第1位置から、カム第2位置およびカム第3位置を経て、カム第4位置に移動可能である。カム11がカム第1位置からカム第2位置に移動するときに、4つの第1回動部材16Y、16M、16C、16Kと、第2回動部材17とは、第1位置から第2位置に移動する。これによって、4つのロック部材19Y、19M、19C、19Kは、ロック解除位置からロック位置に移動し、4つの現像ローラ61Y、61M、61C、61Kは、接触位置に維持される。
【0101】
また、
図11に示すように、カム11がカム第2位置からカム第3位置に移動するときに、3つの第1回動部材16Y、16M、16Cは、第2位置から第3位置に移動し、第1回動部材16Kおよび第2回動部材17は、第2位置に維持される。このとき、4つのロック部材19Y、19M、19C、19Kは、ロック位置に維持され、3つの現像ローラ61Y、61M、61Cは、接触位置から離間位置に移動し、現像ローラ61Kは、接触位置に維持される。
【0102】
また、
図12に示すように、カム11がカム第3位置からカム第4位置に移動するときに、3つの第1回動部材16Y、16M、16Cは、第3位置に維持され、第1回動部材16Kおよび第2回動部材17は、第2位置から第3位置に移動する。このとき、4つのロック部材19Y、19M、19C、19Kは、ロック位置に維持され、3つの現像ローラ61Y、61M、61Cは、離間位置に維持され、現像ローラ61Kは、接触位置から離間位置に移動する。
【0103】
4.6 回動部材の動作の詳細
次に、回動部材の動作の詳細について、4つの第1回動部材16Y、16M、16C、16Kを代表して、第1回動部材16Kを挙げて説明する。
【0104】
図7および
図8に示すように、第1回動部材16Kが第1位置に位置する状態で、第1回動部材16Kの第1カム面1621は、ロック部材19Cの第1ロックカム面19261から離れており、第1回動部材16Kの第2カム面1631は、ロック部材19Cの第2ロックカム面19221から離れている。この状態で、ばね193は、ロックアーム191がドラムカートリッジ5Cの突起5312から離れるように、ロックアーム191を保持する。そのため、ロック部材19Cは、ロック解除位置に位置する。
【0105】
また、第1回動部材16Kが第1位置に位置したときに、第1回動部材16Kの第1端部1611は、ドラムカートリッジ5Kの離間レバー54Kの第1部分541から離れている(
図4参照)。第1回動部材16Kが第1位置に位置する状態で、第1回動部材16Kは、現像ローラ61Kを接触位置に位置させる(
図3A参照)。
【0106】
また、
図9および
図10に示すように、第1回動部材16Kが第1位置から第2位置に移動する途中で、第1回動部材16Kの第1カム面1621がロック部材19Cの第1ロックカム面19261から離れた状態で、第1回動部材16Kの第2カム面1631が、ロック部材19Cの第2ロックカム面19221と接触する。これによって、ロックレバー192が、突起163によって押されて、ロック部材19Cがロック解除位置からロック位置に向かって回転する。
【0107】
このとき、第1回動部材16Kの第1端部1611は、離間レバー54Kの第1部分541から離れており(
図4参照)、現像ローラ61Kは、接触位置に維持される(
図3A参照)。
【0108】
また、第2カム面1631が第2ロックカム面19221と接触する状態で、第1回動部材16Kは、第2位置から第3位置に向かって移動可能である。そのため、第1回動部材16Kは、ロック部材19Cをロック位置に維持した状態で、第2位置から第3位置に移動できる。
【0109】
そして、
図12および
図13に示すように、第1回動部材16Kが第2位置から第3位置に移動する途中で、第1回動部材16Kの第2カム面1631が、ロック部材19Cの第2ロックカム面19221から離れるとともに、第1回動部材16Kの第1カム面1621がロック部材19Cの第1ロックカム面19261と接触する。これによって、ロック部材19Cがロック位置に維持される。
【0110】
そして、第1回動部材16Kが第2位置から第3位置に移動するときに、第1端部1611は、離間レバー54Kの第1部分541を押圧する。すると、離間レバー54Kが回転して、離間レバー54Kの第2部分542が、支持部624の突起6241を感光ドラム51Kから離れるように押圧する(
図5参照)。そのため、第1回動部材16Kが第3位置に位置する状態で、第1回動部材16Kは、現像ローラ61Kを離間位置に位置させる(
図3B参照)。
【0111】
5.作用効果
(1)
図7に示すように、画像形成装置1では、第1回動部材16Kが備える突起163は、カム部162から径方向に突出しており、第2カム面1631を有する。そして、
図9に示すように、突起163の第2カム面1631が、ロック部材19Cを押すことによって、ロック部材19Cをロック解除位置からロック位置に移動させる。そのため、ロック部材19Cをロック解除位置からロック位置に向けて移動させるときの動作荷重を低減することができる。
【0112】
また、第1回動部材16Kが備えるカム部162は、第1カム面1621を有する。そして、
図13に示すように、カム部162の第1カム面1621が、ロック部材19Cをロック位置に位置させる。そのため、第2カム面1631がロック部材19Cをロック位置に位置させる場合と比較して、ロック位置におけるロック部材19Cの安定性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0113】
1 画像形成装置
16 第1回動部材
162 カム部
1621 第1カム面
163 突起
1631 第2カム面
16311 上流側面
16312 下流側面
19 ロック部材
19221 第2ロックカム面
19261 第1ロックカム面
2 筐体
51 感光ドラム
61 現像ローラ