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特許7554998雨樋飾り板及び雨樋飾り板を備えた軒樋構造
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  • 特許-雨樋飾り板及び雨樋飾り板を備えた軒樋構造 図1
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  • 特許-雨樋飾り板及び雨樋飾り板を備えた軒樋構造 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-12
(45)【発行日】2024-09-24
(54)【発明の名称】雨樋飾り板及び雨樋飾り板を備えた軒樋構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/064 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
E04D13/064 503J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021052340
(22)【出願日】2021-03-25
(65)【公開番号】P2022149971
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 晋太郎
(72)【発明者】
【氏名】幸山 枝里香
(72)【発明者】
【氏名】四谷 智子
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-013230(JP,A)
【文献】特開2007-092308(JP,A)
【文献】特開2007-092309(JP,A)
【文献】特開2008-202368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/064
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軒樋の前側耳部に取付けられる軒樋飾り板であって、
雨水が前記軒樋から飛び越えることを抑制する飾り板本体と、前記飾り板本体の下方に設けられ、前記前側耳部を挟持して前記前側耳部に取付ける取付け部と、を有し、
前記飾り板本体は、下端に底壁部と、前記底壁部から上方に立設される立壁部と、を有し、
前記取付け部は、前記底壁部の前端から下方に延設されて、前記前側耳部の前側に設けられた耳部前面に当接される当接部と、前記底壁部の後方に備えられて、前記前側耳部の後側に設けられた耳部後面に係止される係止部と、を有して、前記前側耳部を挟持するものであり、
前記係止部は、異なる種類の前記耳部後面に対応した複数の嵌合面を有し、
前記複数の嵌合面は、第一の軒樋の前記耳部後面の形状に対応した形状を有する第一嵌合面と、第二の軒樋の前記耳部後面の形状に対応した形状を有する第二嵌合面とを含み、
前記係止部の第一の面には、前記第一嵌合面が設けられ、前記第一嵌合面が前記第一の軒樋の前記耳部後面に当接し、
前記係止部の第二の面には、前記第二嵌合面が設けられ、前記第二嵌合面が前記第二の軒樋の前記耳部後面に当接し、
前記係止部は、前記第一嵌合面と前記第二嵌合面とのうち前記耳部後面の形状に対応した前記嵌合面を、選択的に前方に向けて前記底壁部に設けられることを特徴とする軒樋飾り板。
【請求項2】
前記係止部は、前記底壁部と一体に形成され、前記耳部後面の形状に合わせて選択的に切断して前記底壁部から切り離し、前記耳部後面の形状に対応した形状を有する前記嵌合面を前方に向けて前記底壁部に取付けられることを特徴とする請求項1に記載の軒樋飾り板。
【請求項3】
請求項1または2に記載の前記軒樋飾り板と、軒先に設けられた軒樋と、を備えた軒樋構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、L字状に曲がった軒樋に取り付けられて、雨水が軒樋を飛び越えることを抑制する雨樋飾り板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、入隅の屋根から軒樋に流れ込む雨水が跳ね返って飛散しても、鼻板を濡らすことが無いように、軒樋に軒樋飾り板が取り付けられる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-229675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された軒樋飾り板は、一の軒樋の耳部の形状に応じた取付け部であり、軒樋の耳部の形状が異なれば軒樋に取付けすることができず、軒樋の耳部の形状が異なるごとに軒樋飾り板を準備しなければならなかった。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであり、一の軒樋飾り板にて複数の軒樋に取付けられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一様態に係る軒樋飾り板は、屋根の入隅に配置された軒樋の前側耳部に取付けられる。前記軒樋飾り板は、雨水が前記軒樋から飛び越えることを抑制する飾り板本体と、前記飾り板本体の下方に設けられ、前記前側耳部を挟持して前記前側耳部に取付ける取付け部と、を有する。前記飾り板本体は、下端に底壁部と、前記底壁部から上方に立設される立壁部と、を有する。前記取付け部は、前記底壁部の前端から下方に延設されて、前記前側耳部の前側に設けられた耳部前面に当接される当接部と、前記底壁部の後方に備えられて、前記前側耳部の後側に設けられた耳部後面に係止される係止部と、を有して、前記前側耳部を挟持するものである。前記係止部は、異なる種類の前記耳部後面に対応した複数の嵌合面を有する。前記係止部の一の面には、一の軒樋の前記耳部後面の形状に対応した形状を有する第一嵌合面を有して、前記耳部後面に当接するものであって、前記係止部の二の面には、二の軒樋の前記耳部後面の形状に対応した形状を有する第二嵌合面を有して、前記耳部後面に当接するものである。前記係止部は、前記耳部後面の形状に対応した前記嵌合面を、選択的に前方に向けて前記底壁部に設けられることを特徴とする。
【0007】
本開示の一態様に係る軒樋構造は、前記軒樋飾り板と、軒先に設けられた軒樋と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の軒樋飾り板は、一の軒樋飾り板で複数の軒樋に取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る軒樋飾り板を軒樋に取り付けた状態を示す屋根の入隅の斜視図である。
図2】実施の形態に係る軒樋飾り板の斜視図である。
図3】実施の形態に係る軒樋飾り板を一の軒樋に取り付けた状態を示した断面図である。
図4】実施の形態に係る取付け部の側面図である。
図5】実施の形態に係る軒樋飾り板を二の軒樋に取り付けた状態を示した断面図である。
図6】実施の形態に係る軒樋飾り板から、係止部を切り離した状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0012】
また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る軒樋飾り板100を用いて軒樋200に取り付けた状態を示す屋根300の入隅の斜視図である。図2は、実施の形態に係る軒樋飾り板の斜視図である。図3は、実施の形態に係る軒樋飾り板100を一の軒樋200に取り付けた状態を示した断面図である。図4は、実施の形態に係る係止部142の側面図である。図5は、実施の形態に係る軒樋飾り板100を二の軒樋200に取り付けた状態を示した断面図である。図6は、実施の形態に係る軒樋飾り板100から、係止部142を切り離した状態を示した斜視図である。
【0013】
図1に示すように、軒樋飾り板100は、屋根300の入隅に配置された軒樋200に取付けられるものである。雨水は、図1のWで示されるように、屋根300から軒樋200へ流れるものと、屋根300入隅に向かって流れ、合流して軒樋200の入隅に流れるもの等があり、雨水の量によっては、雨水が軒樋200を飛び越えてしまう場合があるため、軒樋飾り板100を用いて雨水が軒樋200を飛び越えることを抑制している。
【0014】
軒樋200は、前壁210と、底壁220と、後壁(図示なし)と、を有し、さらに前壁210の上部に前側耳部211を有する。軒樋飾り板100は、前側耳部211に取付けられて、前壁210の上方に設けられる。
【0015】
軒樋飾り板100について、図2から図5を用いてさらに詳細に説明する。
【0016】
図2に示すように、軒樋飾り板100は、雨水が軒樋200から飛び越えることを抑制する飾り板本体110と、飾り板本体110の下方に設けられ、前側耳部211を挟持して前側耳部に取り付ける取付け部140と、を有する。飾り板本体110は、下端に底壁部120と、底壁部120から上方に立設される立壁部130と、を有する。立壁部130によって、雨水が軒樋200を飛び越えることを抑制する。
【0017】
図2図3に示すように、取付け部140は、底壁部120の前端から下方に延設されて、前側耳部211の前側に設けられた耳部前面212に当接される当接部141と、底壁部120の後方に備えられて、前側耳部211の後側に設けられた耳部後面213に係止される複数(図示例では、2つ)の係止部142と、を有する。当接部141と複数の係止部142とを用いて、前側耳部211を挟持することによって、軒樋飾り板100が軒樋200に取付けられる。また、図5に示すように当接部141は、軒樋200の前壁210の上端に当接されてもよく、その場合は、当接部141が当接される前壁210の上端を耳部前面212としてもよい。
【0018】
図3、4、5に示すように係止部142は、異なる種類の耳部後面213に対応した複数(図示例では、4つ)の嵌合面143を有している。係止部142の嵌合面143の第一の面には、第一の軒樋の耳部後面213(図3、4参照)の形状に対応した形状を有する第一嵌合面144を有し、係止部142の嵌合面143の第二の面には、第二の軒樋の耳部後面213(図4、5参照)の形状に対応した形状を有する第二嵌合面145を有する。
【0019】
図3に示すように、第一嵌合面144を前方に向けて底壁部120に係止部142を設けることにより、当接部1141と第一嵌合面144とを用いて前側耳部211を挟持して、第一の軒樋に軒樋飾り板100が取付けることが出来る。また、図5に示すように、第二嵌合面145を前方に向けて底壁部120に係止部142を設けることにより、当接部141と第二嵌合面145とを用いて前側耳部211を挟持して、第二の軒樋に軒樋飾り板100が取付けることが出来る。よって、係止部142を耳部後面213の形状に対応した嵌合面143を選択的に前方に向けて、底壁部120に設けることにより、異なる種類の軒樋200に軒樋飾り板100を取付けることが可能となり、軒樋飾り板100の種類を削減することが可能となる。
【0020】
また、係止部142は、底壁部120と一体に形成されても良い。その場合、第一嵌合面144が前方に向けて、係止部142が底壁部120と一体に形成されることにより、一の軒樋に軒樋飾り板100を取付けることが出来る。図6に示すように、二の軒樋に軒樋飾り板100を取付ける場合は、底壁部120から係止部142を鋸やカッターもしくは鋏などで切り離す。切り離した係止部142を第二嵌合面145が前方に向くように底壁部120に取付ける。係止部142を底壁部120に取付ける方法は、接着剤による接着や、ネジによる締結など、係止部142を底壁部120に取り付けることが出来れば、方法は問わない。耳部後面213の形状に合わせて選択的に底壁部120から係止部142を切断して切り離し、耳部後面213の形状に対応した形状を有する嵌合面143を前方に向けて取付けることにより、異なる種類の軒樋200に軒樋飾り板100を取付けることが可能となる。
【0021】
なお、図2の図示例では複数(図示例では、2つ)の係止部142を設けているが、軒樋飾り板100を軒樋200に安定的に取付けることが出来れば、係止部142は一つであっても良い。
【0022】
以上のことにより、一つの軒樋飾り板100を、選択的に複数の軒樋200に取り付けることが出来る。よって、軒樋飾り板100の種類を削減することが可能となる。
【0023】
また、本実施の形態の軒樋飾り板100と、建物の軒先に取り付けられた軒樋200と、を備えることにより、雨水が軒樋200を飛び越えしにくくなる軒樋構造を提供することができる。
【符号の説明】
【0024】
100 軒樋飾り板
110 飾り板本体
120 底壁部
130 立壁部
140 取付け部
141 当接部
142 係止部
143 嵌合面
144 第一嵌合面
145 第二嵌合面
200 軒樋
210 前壁
211 前側耳部
212 耳部前面
213 耳部後面
220 底壁
300 屋根
図1
図2
図3
図4
図5
図6