(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-02
(45)【発行日】2024-10-10
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/14 20120101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/14
(21)【出願番号】P 2021146739
(22)【出願日】2021-09-09
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 隆一
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-205053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の拠点のうちユーザが滞在した拠点において当該ユーザに対して提供された提供物を示す履歴情報を取得する情報取得部と、
前記複数の拠点のうち対象ユーザが滞在を希望する拠点である指定拠点の指定を受け付ける受付部と、
前記履歴情報に基づいて、複数の前記提供物のうち、前記指定拠点において提供された数又は割合が所定条件を満たす前記提供物を、前記指定拠点において前記対象ユーザに対して提供する予定の対象提供物として選択する選択部と、
前記対象提供物と前記指定拠点とを関連付けた提供予定情報を出力する出力部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記対象ユーザが有する属性の指定を受け付け、
前記選択部は、前記属性に対応する前記ユーザに対して前記指定拠点において提供された前記提供物の前記履歴情報を用いて、前記対象提供物を選択する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記対象ユーザが前記指定拠点に滞在する予定の時期の指定を受け付け、
前記選択部は、前記時期に前記指定拠点において提供された前記提供物の前記履歴情報を用いて、前記対象提供物を選択する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記対象ユーザが前記指定拠点に滞在する予定の期間の長さの指定を受け付け、
前記選択部は、前記指定拠点に前記期間の長さで滞在した前記ユーザに対して前記指定拠点において提供された前記提供物の前記履歴情報を用いて、前記対象提供物を選択する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記対象ユーザである前記ユーザに対して前記指定拠点において提供された前記提供物の前記履歴情報を用いて、前記対象提供物を選択する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報取得部は、前記拠点において前記ユーザが前記提供物を使用したか否かを示す使用状況を取得し、
前記選択部は、前記指定拠点において提供された前記提供物であって、前記使用状況が前記ユーザにより使用されたことを示す前記提供物の前記履歴情報を用いて、前記対象提供物を選択する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受付部は、前記ユーザが前記拠点に滞在した後に当該ユーザが当該拠点において提供されることを希望する、前記提供物とは異なる要望物の指定を受け付け、
前記選択部は、前記所定条件を満たす前記提供物に加えて、前記指定拠点において希望された前記要望物を、前記対象提供物として選択する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報取得部は、前記ユーザが前記拠点に滞在している間に当該拠点において購買した購買物を示す購買情報を取得し、
前記選択部は、前記所定条件を満たす前記提供物に加えて、前記購買情報が前記指定拠点において購買されたことを示す前記購買物を、前記対象提供物として選択する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記選択部は、前記購買情報が前記指定拠点において購買されたことを示す前記購買物と、前記指定拠点を基準とした所定範囲内にある店舗が取り扱う物品と、の関係に基づいて、前記対象提供物を選択する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記情報取得部は、前記対象ユーザに対して提供可能な物品を示す物品管理情報を取得し、
前記選択部は、前記所定条件を満たす前記提供物であって、前記物品管理情報が提供可能であることを示す前記提供物を、前記対象提供物として選択する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記物品管理情報は、前記提供物が、前記対象ユーザが所有している所有物と、前記対象ユーザが所有していない非所有物と、のどちらであるかを示し、
前記選択部は、前記所定条件を満たす前記提供物のうち、前記所有物を、前記非所有物よりも優先して前記対象提供物として選択する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記選択部は、第1ユーザの前記所有物が前記第1ユーザに対して提供されない予定の期間において、当該所有物を、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザに対して提供する予定の前記対象提供物として選択する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
プロセッサが実行する、
複数の拠点のうちユーザが滞在した拠点において当該ユーザに対して提供された提供物を示す履歴情報を取得するステップと、
前記複数の拠点のうち対象ユーザが滞在を希望する拠点である指定拠点の指定を受け付けるステップと、
前記履歴情報に基づいて、複数の前記提供物のうち、前記指定拠点において提供された数又は割合が所定条件を満たす前記提供物を、前記指定拠点において前記対象ユーザに対して提供する予定の対象提供物として選択するステップと、
前記対象提供物と前記指定拠点とを関連付けた提供予定情報を出力するステップと、
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが滞在する拠点においてユーザに対して提供する物品を選択するための情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが宿泊施設等の拠点に滞在する際に、自宅と拠点との間又は複数の拠点の間で多数の荷物を運ぶ手間が掛かっていた。特許文献1には、ユーザから旅行先で利用を希望する物品のリクエストを受け付け、リクエストされた物品を旅行先の宿泊施設や店舗で利用可能にする発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、ユーザが旅行先で利用を希望する物品を予め検討してリクエストする手間が掛かるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが滞在する拠点において利用する物品を用意する手間を軽減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、複数の拠点のうちユーザが滞在した拠点において当該ユーザに対して提供された提供物を示す履歴情報を取得する情報取得部と、前記複数の拠点のうち対象ユーザが滞在を希望する拠点である指定拠点の指定を受け付ける受付部と、前記履歴情報に基づいて、複数の前記提供物のうち、前記指定拠点において提供された数又は割合が所定条件を満たす前記提供物を、前記指定拠点において前記対象ユーザに対して提供する予定の対象提供物として選択する選択部と、前記対象提供物と前記指定拠点とを関連付けた提供予定情報を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記受付部は、前記対象ユーザが有する属性の指定を受け付け、前記選択部は、前記属性に対応する前記ユーザに対して前記指定拠点において提供された前記提供物の前記履歴情報を用いて、前記対象提供物を選択してもよい。
【0008】
前記受付部は、前記対象ユーザが前記指定拠点に滞在する予定の時期の指定を受け付け、前記選択部は、前記時期に前記指定拠点において提供された前記提供物の前記履歴情報を用いて、前記対象提供物を選択してもよい。
【0009】
前記受付部は、前記対象ユーザが前記指定拠点に滞在する予定の期間の長さの指定を受け付け、前記選択部は、前記指定拠点に前記期間の長さで滞在した前記ユーザに対して前記指定拠点において提供された前記提供物の前記履歴情報を用いて、前記対象提供物を選択してもよい。
【0010】
前記選択部は、前記対象ユーザである前記ユーザに対して前記指定拠点において提供された前記提供物の前記履歴情報を用いて、前記対象提供物を選択してもよい。
【0011】
前記情報取得部は、前記拠点において前記ユーザが前記提供物を使用したか否かを示す使用状況を取得し、前記選択部は、前記指定拠点において提供された前記提供物であって、前記使用状況が前記ユーザにより使用されたことを示す前記提供物の前記履歴情報を用いて、前記対象提供物を選択してもよい。
【0012】
前記受付部は、前記ユーザが前記拠点に滞在した後に当該ユーザが当該拠点において提供されることを希望する、前記提供物とは異なる要望物の指定を受け付け、前記選択部は、前記所定条件を満たす前記提供物に加えて、前記指定拠点において希望された前記要望物を、前記対象提供物として選択してもよい。
【0013】
前記情報取得部は、前記ユーザが前記拠点に滞在している間に当該拠点において購買した購買物を示す購買情報を取得し、前記選択部は、前記所定条件を満たす前記提供物に加えて、前記購買情報が前記指定拠点において購買されたことを示す前記購買物を、前記対象提供物として選択してもよい。
【0014】
前記選択部は、前記購買情報が前記指定拠点において購買されたことを示す前記購買物と、前記指定拠点を基準とした所定範囲内にある店舗が取り扱う物品と、の関係に基づいて、前記対象提供物を選択してもよい。
【0015】
前記情報取得部は、前記対象ユーザに対して提供可能な物品を示す物品管理情報を取得し、前記選択部は、前記所定条件を満たす前記提供物であって、前記物品管理情報が提供可能であることを示す前記提供物を、前記対象提供物として選択してもよい。
【0016】
前記物品管理情報は、前記提供物が、前記対象ユーザが所有している所有物と、前記対象ユーザが所有していない非所有物と、のどちらであるかを示し、前記選択部は、前記所定条件を満たす前記提供物のうち、前記所有物を、前記非所有物よりも優先して前記対象提供物として選択してもよい。
【0017】
前記選択部は、第1ユーザの前記所有物が前記第1ユーザに対して提供されない予定の期間において、当該所有物を、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザに対して提供する予定の前記対象提供物として選択してもよい。
【0018】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、複数の拠点のうちユーザが滞在した拠点において当該ユーザに対して提供された提供物を示す履歴情報を取得するステップと、前記複数の拠点のうち対象ユーザが滞在を希望する拠点である指定拠点の指定を受け付けるステップと、前記履歴情報に基づいて、複数の前記提供物のうち、前記指定拠点において提供された数又は割合が所定条件を満たす前記提供物を、前記指定拠点において前記対象ユーザに対して提供する予定の対象提供物として選択するステップと、前記対象提供物と前記指定拠点とを関連付けた提供予定情報を出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザが滞在する拠点において利用する物品を用意する手間を軽減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
【
図4】例示的な要望情報及び購買情報の模式図である。
【
図5】指定拠点の指定を受け付けるための画面の模式図である。
【
図7】提供予定情報を出力する方法を説明するための模式図である。
【
図8】実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【
図10】所有物を提供する方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[情報処理システムの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。情報処理システムは、情報処理装置1と、ユーザ端末2と、管理端末3と、を備える。情報処理システムは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0022】
情報処理装置1は、拠点に滞在するユーザに対して提供する提供物を選択するコンピュータである。ユーザは、レジャーやビジネス等の目的で、自宅とは異なる拠点に一時的に滞在する人間である。また、ユーザは、複数の拠点に順次滞在する多拠点生活者であってもよい。拠点は、ユーザが一時的に滞在可能な施設であり、例えば、ホテルや旅館等の宿泊施設、又は民泊のために貸し出されている住宅である。
【0023】
提供物は、ユーザが滞在する拠点において、ユーザに対して提供される物品である。提供物は、ユーザに対して貸与又は販売される衣類、機械、消耗品等を含む。事業者は、例えば、情報処理装置1が選択した提供物、又はユーザが依頼した提供物を、ユーザが滞在する拠点に配送することによって、ユーザに対して提供する。
【0024】
ユーザ端末2は、ユーザが利用するコンピュータであり、例えばスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。ユーザ端末2は、液晶ディスプレイ等の表示部と、キーボードやタッチパネル等の操作部とを有する。ユーザ端末2は、有線通信又は無線通信によって、情報処理装置1に情報を送信し、情報処理装置1から情報を受信する。
【0025】
管理端末3は、ユーザに対して提供物を提供する事業者が利用するコンピュータであり、例えばスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。管理端末3は、液晶ディスプレイ等の表示部と、キーボードやタッチパネル等の操作部とを有する。管理端末3は、有線通信又は無線通信によって、情報処理装置1に情報を送信し、情報処理装置1から情報を受信する。
【0026】
本実施形態に係る情報処理システムが実行する処理の概要を以下に説明する。事業者は、ユーザに対して提供可能な複数の提供物を、倉庫等の保管施設に保管する。保管施設に保管された複数の提供物それぞれは、複数の拠点のうちいずれかの拠点に提供され得る。
【0027】
情報処理装置1は、複数の拠点のうち複数のユーザそれぞれが滞在した拠点において当該ユーザに対して提供された提供物を示す履歴情報を、記憶部に予め記憶している。情報処理装置1は、ユーザ端末2において、複数の拠点のうち、対象ユーザが滞在を希望する拠点である指定拠点の指定を受け付ける。対象ユーザは、いずれかの拠点への滞在を予定しているユーザである。
【0028】
情報処理装置1は、記憶部から取得した履歴情報に基づいて、保管施設に保管されている複数の提供物のうち、指定拠点において提供された数又は割合が所定条件を満たす提供物を、指定拠点において対象ユーザに対して提供する予定の対象提供物として選択する。情報処理装置1は、例えば、複数の提供物それぞれについて、指定拠点に過去に滞在したユーザの中で当該提供物が提供されたユーザの割合が所定の基準値以上である場合に、当該提供物を対象提供物として選択する。
【0029】
情報処理装置1は、対象提供物と指定拠点とを関連付けた提供予定情報を、ユーザ端末2又は管理端末3の少なくとも一方に出力する。ユーザ端末2は、例えば、対象ユーザに対して提供予定情報を表示し、対象ユーザから提供を希望する対象提供物の選択を受け付けてもよい。管理端末3は、例えば、情報処理装置1から受信した提供予定情報に基づいて、指定拠点への対象提供物の提供を自動的に手配してもよい。
【0030】
このように、情報処理装置1は、対象ユーザが滞在を希望する指定拠点において過去に提供された提供物の履歴に基づいて、対象ユーザに提供する予定の対象提供物を選択する。これにより、情報処理装置1は、拠点ごとに必要となる傾向がある対象提供物を対象ユーザに提供することを可能にし、対象ユーザが滞在する拠点において利用する物品を用意する手間を軽減できる。
【0031】
[情報処理システムの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0032】
情報処理装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0033】
記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部11は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部12との間でデータの授受を行ってもよい。
【0034】
記憶部11は、履歴情報記憶部111と、要望情報記憶部112と、購買情報記憶部113と、を有する。履歴情報記憶部111は、複数の拠点のうちユーザが滞在した拠点において当該ユーザに対して提供された提供物を示す履歴情報を記憶する。要望情報記憶部112は、ユーザが拠点に滞在した後に当該ユーザが当該拠点において提供されることを希望する要望物を示す要望情報を記憶する。購買情報記憶部113は、ユーザが拠点に滞在している間に当該拠点において購買した購買物の履歴を示す購買情報を記憶する。履歴情報記憶部111、要望情報記憶部112及び購買情報記憶部113は、それぞれ記憶部11上の記憶領域であってもよく、あるいは記憶部11上で構成されたデータベースであってもよい。
【0035】
制御部12は、情報取得部121と、受付部122と、選択部123と、出力部124と、を有する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部121、受付部122、選択部123及び出力部124として機能する。制御部12の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部12の機能の少なくとも一部は、制御部12がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0036】
以下、情報処理装置1が実行する処理について詳細に説明する。履歴情報記憶部111は、複数の拠点のうち複数のユーザそれぞれが滞在した拠点において当該ユーザに対して提供された提供物を示す履歴情報を、予め記憶している。
【0037】
図3は、例示的な履歴情報の模式図である。履歴情報は、例えば、ユーザが滞在した拠点と、当該ユーザと、当該ユーザの滞在期間と、当該ユーザのユーザ属性と、当該拠点において当該ユーザに対して提供された提供物と、当該提供物の使用状況(
図3の使用有無)と、を関連付けた情報である。
【0038】
滞在期間は、ユーザが拠点に滞在した期間である。滞在期間は、例えば、ユーザが拠点に滞在した期間の開始日付及び終了日付を含む。すなわち、滞在期間は、ユーザが拠点に滞在した滞在時期(月、季節等)と、ユーザが拠点に滞在した滞在期間の長さ(1週間、1ヶ月等)と、を示す。ユーザ属性は、ユーザが有する属性である。ユーザ属性は、例えば、ユーザの家族構成、趣味、滞在の目的等を含む。
【0039】
使用状況は、拠点においてユーザが提供物を使用したか否かを示す情報である。情報取得部121は、例えば、提供物に設けられた加速度センサや通電センサ等によって測定されたデータを取得し、取得したデータに基づいてユーザが滞在期間中に拠点において提供物を使用したか否かを判定し、判定結果を含む履歴情報を履歴情報記憶部111に記憶させる。使用状況を取得できない提供物については、履歴情報中の使用状況は設定されなくてもよい。
【0040】
図3では視認性のために履歴情報が含む複数の項目それぞれの内容は文字列によって表されているが、それぞれの内容を識別するためのID(Identification)によって表されてもよい。履歴情報が含む複数の項目は、1つのデータ(テーブル等)として履歴情報記憶部111に記憶されてもよく、複数のデータに分割されて履歴情報記憶部111に記憶されてもよい。履歴情報は、その他の情報を含んでもよい。
【0041】
要望情報記憶部112は、ユーザが拠点に滞在した後に当該ユーザが当該拠点において提供されることを希望する、提供物とは異なる要望物を示す要望情報を、予め記憶している。すなわち、要望物は、ユーザが滞在した拠点において当該ユーザに対して提供されなかった物品であって、当該ユーザが当該拠点において提供してほしかった物品である。
【0042】
図4(a)は、例示的な要望情報の模式図である。要望情報は、例えば、ユーザが滞在した拠点と、当該ユーザと、当該ユーザの滞在期間と、当該ユーザのユーザ属性と、当該拠点において当該ユーザが提供されることを希望する要望物と、を関連付けた情報である。受付部122は、例えば、ユーザが拠点に滞在した後、ユーザ端末2において要望物の指定を受け付け、指定された要望物を含む要望情報を要望情報記憶部112に記憶させる。
【0043】
図4(a)では視認性のために要望情報が含む複数の項目それぞれの内容は文字列によって表されているが、それぞれの内容を識別するためのIDによって表されてもよい。要望情報が含む複数の項目は、1つのデータとして要望情報記憶部112に記憶されてもよく、複数のデータに分割されて要望情報記憶部112に記憶されてもよい。要望情報は、その他の情報を含んでもよい。
【0044】
購買情報記憶部113は、ユーザが拠点に滞在している間に当該拠点において購買した購買物を示す購買情報を、予め記憶している。すなわち、購買物は、拠点において提供された提供物とは異なる物品であって、ユーザが自ら拠点において通信販売等で購入した物品である。
【0045】
図4(b)は、例示的な購買情報の模式図である。購買情報は、例えば、ユーザが滞在した拠点と、当該ユーザと、当該ユーザの滞在期間と、当該ユーザのユーザ属性と、当該拠点において当該ユーザが購買した購買物と、を関連付けた情報である。
【0046】
情報取得部121は、例えば、ユーザが拠点に滞在している間に通信販売で購買した商品のデータを当該通信販売のサービスを提供するシステムからネットワークを介して取得し、取得したデータに基づいて購買物を特定し、特定した購買物含む購買情報を購買情報記憶部113に記憶させる。
【0047】
図4(b)では視認性のために購買情報が含む複数の項目それぞれの内容は文字列によって表されているが、それぞれの内容を識別するためのIDによって表されてもよい。購買情報が含む複数の項目は、1つのデータとして購買情報記憶部113に記憶されてもよく、複数のデータに分割されて購買情報記憶部113に記憶されてもよい。購買情報は、その他の情報を含んでもよい。
【0048】
図3、
図4(a)、
図4(b)に示した例では、履歴情報、要望情報及び購買情報は別々のデータとして記憶部11に記憶されているが、履歴情報、要望情報及び購買情報が統合された1つのデータとして記憶部11に記憶されてもよい。
【0049】
情報取得部121は、後述の選択部123が提供物を選択する前に、履歴情報記憶部111、要望情報記憶部112及び購買情報記憶部113に記憶されている履歴情報、要望情報及び購買情報を取得する。また、情報取得部121は、ネットワークを介して情報処理装置1の外部から履歴情報、要望情報及び購買情報のうち少なくとも一部を取得してもよい。
【0050】
受付部122は、複数の拠点のうち対象ユーザが滞在を希望する拠点である指定拠点の指定を受け付ける。対象ユーザは、いずれかの拠点への滞在を予定しているユーザである。対象ユーザは、履歴情報において提供物が提供された一又は複数のユーザに含まれているユーザであってもよく、含まれていないユーザであってもよい。受付部122は、指定拠点の指定を受け付けるための画面を、対象ユーザのユーザ端末2に表示させる。
【0051】
図5は、指定拠点の指定を受け付けるための画面の模式図である。
図5に例示した画面は、対象ユーザが指定拠点に滞在するための予約をする画面であるが、対象ユーザが指定拠点を指定可能なその他の画面であってもよい。ユーザ端末2は、
図5の画面におけるユーザによる操作に応じて、指定拠点の指定を受け付ける。
【0052】
また、ユーザ端末2は、
図5の画面におけるユーザによる操作に応じて、対象ユーザのユーザ属性と、対象ユーザが指定拠点に滞在する予定の滞在時期と、対象ユーザが指定拠点に滞在する予定の滞在期間の長さと、のうち少なくとも1つの指定を受け付けてもよい。ユーザが滞在する予定の滞在時期及び滞在期間の長さは、例えば、滞在期間の開始日付及び終了日付によって表される。ユーザ属性は、例えば、ユーザの家族構成、趣味、滞在の目的等を含む。ユーザ属性は、ユーザが予め登録した会員登録情報等であってもよい。
【0053】
ユーザ端末2は、ユーザによって指定された内容を示す情報を、情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、受付部122は、ユーザ端末2から受信した情報に基づいて、対象ユーザが指定した指定拠点、ユーザ属性、滞在時期及び滞在期間の長さを受け付ける。
【0054】
選択部123は、情報取得部121が取得した履歴情報に基づいて、複数の提供物のうち、指定拠点において過去に提供された数又は割合が所定条件を満たす提供物を、指定拠点において対象ユーザに対して提供する予定の対象提供物として選択する。対象提供物は、情報処理装置1が指定拠点において対象ユーザに対して提供することを提案する物品である。
【0055】
選択部123は、例えば、情報取得部121が取得した履歴情報を用いて、複数の提供物それぞれについて、指定拠点に滞在した複数のユーザのうち、当該提供物が提供されたユーザの割合(比率)を、提供割合として算出する。また、選択部123は、提供割合に代えて、複数の提供物それぞれについて、指定拠点において当該提供物が提供されたユーザの数を、提供数として算出してもよい。選択部123は、受付部122が指定拠点の指定を受け付けた際に指定拠点について提供割合又は提供数を算出し、又は予め複数の拠点それぞれについて提供割合又は提供数を算出する。
【0056】
図6は、例示的な提供割合の模式図である。
図6の例は、複数の提供物それぞれについて、滞在時期(
図6の例では月)ごとに算出された、指定拠点に滞在した複数のユーザのうち当該提供物が提供されたユーザの割合を表している。
【0057】
図6の例では、指定拠点において、8月にはセーターが5%の割合のユーザに提供されているのに対して、10月にはセーターが70%の割合のユーザに提供されている。また、
図6の例では、指定拠点において、医療品セットは8月、9月、10月の全てで80%の割合のユーザに提供されている。
【0058】
選択部123は、滞在時期(月、季節等)ごとに限らず、滞在期間の長さ(宿泊日数等)ごと、又はユーザ属性(家族構成、趣味等)ごとに、提供割合又は提供数を算出してもよい。また、選択部123は、滞在時期、滞在期間の長さ及びユーザ属性によらず、提供割合又は提供数を算出してもよい。また、選択部123は、滞在時期、滞在期間の長さ及びユーザ属性のうち2つ以上の組み合わせごとに提供割合又は提供数を算出してもよい。また、選択部123は、対象ユーザが指定した滞在期間を基準とした所定期間(滞在期間から遡って1年間等)における提供割合又は提供数を算出してもよい。
【0059】
選択部123は、例えば、指定拠点について算出した提供割合又は提供数が所定の基準値以上である提供物を、対象提供物として選択する。これにより、情報処理装置1は、過去の提供実績から、指定拠点において必要となる傾向がある対象提供物を選択できる。
【0060】
また、選択部123は、対象ユーザが指定した滞在時期に指定拠点において提供された提供物の履歴情報を用いて、対象提供物を選択してもよい。この場合に、選択部123は、例えば、履歴情報から滞在時期ごとに算出された提供割合又は提供数に基づいて、対象ユーザが指定した滞在時期と同じ滞在時期における提供割合又は提供数が所定の基準値以上である提供物を、対象提供物として選択する。これにより、情報処理装置1は、指定された滞在時期に対象ユーザが指定拠点に滞在する場合に必要となる傾向がある対象提供物を選択できる。
【0061】
また、選択部123は、対象ユーザが指定した滞在期間の長さで指定拠点に滞在したユーザに対して指定拠点において提供された提供物の履歴情報を用いて、対象提供物を選択してもよい。この場合に、選択部123は、例えば、履歴情報から滞在期間の長さごとに算出された提供割合又は提供数に基づいて、対象ユーザが指定した滞在期間の長さにおける提供割合又は提供数が所定の基準値以上である提供物を、対象提供物として選択する。これにより、情報処理装置1は、指定された滞在期間の長さで対象ユーザが指定拠点に滞在する場合に必要となる傾向がある対象提供物を選択できる。
【0062】
また、選択部123は、対象ユーザのユーザ属性に対応するユーザに対して指定拠点において提供された提供物の履歴情報を用いて、対象提供物を選択してもよい。この場合に、選択部123は、例えば、履歴情報からユーザ属性ごとに算出された提供割合又は提供数に基づいて、対象ユーザのユーザ属性と同一の又は類似したユーザ属性における提供割合又は提供数が所定の基準値以上である提供物を、対象提供物として選択する。これにより、情報処理装置1は、指定されたユーザ属性を有する対象ユーザが指定拠点に滞在する場合に必要となる傾向がある対象提供物を選択できる。
【0063】
また、選択部123は、指定拠点において提供された提供物であって、使用状況がユーザにより使用されたことを示す提供物の履歴情報を用いて、対象提供物を選択してもよい。この場合に、選択部123は、例えば、履歴情報のうち、ユーザが使用したことを示す使用状況に関連付けられた提供物を抽出し、抽出した提供物について提供割合又は提供数を算出し、算出した提供割合又は提供数を用いて対象提供物を選択する。履歴情報がユーザにより使用された提供物のみを含む場合には、選択部123は当該履歴情報全体を用いて提供割合又は提供数を算出してもよい。これにより、情報処理装置1は、ユーザが実際に使用した提供物の履歴情報のみを考慮し、対象ユーザが指定拠点に滞在する場合に必要となる対象提供物を選択する精度を向上できる。
【0064】
また、選択部123は、対象ユーザであるユーザに対して指定拠点において提供された提供物の履歴情報を用いて、対象提供物を選択してもよい。この場合に、選択部123は、例えば、履歴情報のうち、対象ユーザに関連付けられた提供物を抽出し、抽出した提供物について提供割合又は提供数を算出し、算出した提供割合又は提供数を用いて対象提供物を選択する。これにより、情報処理装置1は、対象ユーザ自身の履歴情報のみを考慮し、対象ユーザが指定拠点に滞在する場合に必要となる対象提供物を選択する精度を向上できる。
【0065】
また、選択部123は、指定拠点において過去に提供された数又は割合が所定条件を満たす提供物に加えて、指定拠点において希望された要望物を、対象提供物として選択してもよい。この場合に、選択部123は、例えば、情報取得部121が取得した要望情報を用いて、複数の要望物それぞれについて、指定拠点に滞在した複数のユーザのうち、当該要望物を希望したユーザの割合を、要望割合として算出する。また、選択部123は、要望割合に代えて、複数の要望物それぞれについて、指定拠点において当該要望物を希望されたユーザの数を、要望数として算出してもよい。また、選択部123は、滞在時期ごと、滞在期間の長さごと、又はユーザ属性ごとに、要望割合又は要望数を算出してもよい。また、選択部123は、対象ユーザの要望情報のみを用いて、要望割合又は要望数を算出してもよい。
【0066】
選択部123は、例えば、指定拠点について算出した要望割合又は要望数が所定の基準値以上である要望物を、対象提供物として選択する。これにより、情報処理装置1は、過去に指定拠点において要望された物品を、対象提供物として選択できる。
【0067】
また、選択部123は、指定拠点において過去に提供された数又は割合が所定条件を満たす提供物に加えて、購買情報が指定拠点において購買されたことを示す購買物を、対象提供物として選択してもよい。この場合に、選択部123は、例えば、情報取得部121が取得した購買情報を用いて、複数の購買物それぞれについて、指定拠点に滞在した複数のユーザのうち、当該購買物を購買したユーザの割合を、購買割合として算出する。また、選択部123は、購買割合に代えて、複数の購買物それぞれについて、指定拠点において当該購買物を購買したユーザの数を、購買数として算出してもよい。また、選択部123は、滞在時期ごと、滞在期間の長さごと、又はユーザ属性ごとに、購買割合又は購買数を算出してもよい。また、選択部123は、対象ユーザの購買情報のみを用いて、購買割合又は購買数を算出してもよい。
【0068】
選択部123は、例えば、指定拠点について算出した購買割合又は購買数が所定の基準値以上である購買物を、対象提供物として選択する。また、選択部123は、同じユーザが複数回にわたって同じ購買物を購買していたこと等、その他の基準で購買物を対象提供物として選択してもよい。これにより、情報処理装置1は、過去に指定拠点において購買された物品を、対象提供物として選択できる。
【0069】
また、選択部123は、購買情報が指定拠点において購買されたことを示す購買物と、指定拠点を基準とした所定範囲内にある店舗が取り扱う物品と、の関係に基づいて、対象提供物を選択してもよい。選択部123は、例えば、指定拠点を基準とした所定範囲内にある店舗で取り扱われている商品のリストを取得し、購買情報が指定拠点において購買されたことを示す購買物が当該リストに含まれていない場合に、当該購買物を対象提供物として選択する。また、選択部123は、対象ユーザの購買情報のみを用いて、対象提供物を選択してもよい。これにより、情報処理装置1は、指定拠点周辺の店舗で取り扱われていない物品を優先的に対象提供物として選択できる。
【0070】
出力部124は、選択部123が選択した対象提供物と、対象ユーザが指定した指定拠点と、を関連付けた提供予定情報を出力する。また、出力部124は、対象ユーザのユーザ属性及び滞在期間に応じて対象提供物の数量を決定し、決定した数量を含む提供予定情報を出力してもよい。
【0071】
図7は、提供予定情報を出力する方法を説明するための模式図である。出力部124は、例えば、ユーザ端末2に提供予定情報を送信する。この場合に、ユーザ端末2は、受信した提供予定情報を表示部上に表示し、対象ユーザによる操作に応じて、提供予定情報が示す一又は複数の対象提供物のうち、指定拠点における提供を希望する対象提供物の選択を受け付けてもよい。管理端末3は、ユーザ端末2において選択された対象提供物を指定拠点に配送するための手配を行う。これにより、情報処理システムは、情報処理装置1が提案した対象提供物を、対象ユーザによる取捨選択を受けた上で提供することができる。
【0072】
また、出力部124は、例えば、管理端末3に提供予定情報を送信する。この場合に、管理端末3は、提供予定情報が示す一又は複数の対象提供物を、自動的に指定拠点に配送するための手配を行ってもよい。これにより、情報処理システムは、情報処理装置1が提案した対象提供物を、対象ユーザに追加の手間を掛けることなく自動的に提供することができる。
【0073】
対象ユーザが指定拠点に滞在した後、情報取得部121は、指定拠点と、対象ユーザと、対象ユーザの滞在期間と、対象ユーザのユーザ属性と、対象提供物と、対象提供物の使用状況と、を関連付けた履歴情報を、履歴情報記憶部111に記憶させる。また、対象ユーザが対象提供物とは異なる提供物の提供を自ら事業者に依頼した場合に、指定拠点と、対象ユーザと、対象ユーザの滞在期間と、対象ユーザのユーザ属性と、当該提供物と、当該提供物の使用状況と、を関連付けた履歴情報を、履歴情報記憶部111に記憶させる。これにより、情報処理装置1は、履歴情報を自動的に更新し、対象ユーザ又は他のユーザが次に指定拠点に滞在する際に対象提供物を選択するために用いることができる。
【0074】
[情報処理方法のフローチャート]
図8は、本実施形態に係る情報処理装置1が実行する情報処理方法のフローチャートを示す図である。情報取得部121は、履歴情報記憶部111に記憶されている履歴情報を取得する(S11)。また、情報取得部121は、要望情報記憶部112及び購買情報記憶部113に記憶されている要望情報及び購買情報を取得してもよい。また、情報取得部121は、ネットワークを介して情報処理装置1の外部から履歴情報、要望情報及び購買情報のうち少なくとも一部を取得してもよい。
【0075】
受付部122は、ユーザ端末2において、複数の拠点のうち対象ユーザが滞在を希望する拠点である指定拠点の指定を受け付ける(S12)。また、受付部122は、ユーザ端末2において、対象ユーザのユーザ属性と、対象ユーザが指定拠点に滞在する予定の滞在時期と、対象ユーザが指定拠点に滞在する予定の滞在期間の長さと、のうち少なくとも1つの指定を受け付けてもよい。
【0076】
選択部123は、例えば、情報取得部121が取得した履歴情報を用いて、複数の提供物それぞれについて、指定拠点に滞在した複数のユーザのうち、当該提供物が提供されたユーザの割合を、提供割合として算出する(S13)。また、選択部123は、提供割合に代えて、複数の提供物それぞれについて、指定拠点において当該提供物が提供されたユーザの数を、提供数として算出してもよい。また、選択部123は、指定拠点について予め算出された提供割合又は提供数を取得してもよい。
【0077】
選択部123は、例えば、指定拠点について算出した提供割合又は提供数が所定の基準値以上である提供物を、対象提供物として選択する(S14)。また、選択部123は、滞在時期ごと、滞在期間の長さごと、又はユーザ属性ごとに算出された提供割合又は提供数を用いて、対象提供物を選択してもよい。
【0078】
出力部124は、選択部123が選択した対象提供物と、対象ユーザが指定した指定拠点と、を関連付けた提供予定情報を出力する(S15)。出力部124は、例えば、ユーザ端末2又は管理端末3に、提供予定情報を送信する。
【0079】
対象ユーザが指定拠点に滞在した後、情報取得部121は、指定拠点と、対象ユーザと、対象ユーザの滞在期間と、対象ユーザのユーザ属性と、対象提供物と、対象提供物の使用状況と、を関連付けた履歴情報を、履歴情報記憶部111に記憶させる(S16)。また、対象ユーザが対象提供物とは異なる提供物の提供を自ら事業者に依頼した場合に、指定拠点と、対象ユーザと、対象ユーザの滞在期間と、対象ユーザのユーザ属性と、当該提供物と、当該提供物の使用状況と、を関連付けた履歴情報を、履歴情報記憶部111に記憶させる。
【0080】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムによれば、情報処理装置1は、対象ユーザが滞在を希望する指定拠点において過去に提供された提供物の履歴に基づいて、対象ユーザに提供する予定の対象提供物を選択する。これにより、情報処理装置1は、拠点ごとに必要となる傾向がある対象提供物を対象ユーザに提供することを可能にし、対象ユーザが滞在する拠点において利用する物品を用意する手間を軽減できる。
【0081】
[変形例]
保管施設に保管されている複数の提供物のうち少なくとも一部は、ユーザによって所有されている場合がある。本変形例に係る情報処理システムは、ユーザの所有物である提供物を、当該ユーザ又は他のユーザに提供することを可能にする。以下、上述の実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0082】
情報処理装置1において、記憶部11は、ユーザに対して提供可能な物品を示す物品管理情報を記憶している。ユーザに対して提供可能な物品は、保管施設に保管されている提供物である。保管施設に保管されている提供物は、特定のユーザが所有している所有物と、特定のユーザが所有していない非所有物と、を含む。物品管理情報は、提供物が所有物又は非所有物のどちらであるかを示す情報である。
【0083】
図9は、例示的な物品管理情報の模式図である。物品管理情報は、例えば、提供物と、提供物IDと、所有ユーザと、を関連付けた情報である。提供物IDは、個々の提供物を識別するための識別情報である。所有ユーザは、提供物を所有するユーザである。物品管理情報において、特定の所有ユーザに関連付けられている提供物は所有物であり、特定の所有ユーザに関連付けられていない提供物は非所有物である。
【0084】
図9では視認性のために提供物及び所有ユーザの内容は文字列によって表されているが、それぞれの内容を識別するためのIDによって表されてもよい。物品管理情報が含む複数の項目は、1つのデータ(テーブル等)として記憶部11に記憶されてもよく、複数のデータに分割されて記憶部11に記憶されてもよい。物品管理情報は、その他の情報を含んでもよい。
【0085】
選択部123は、例えば、指定拠点において過去に提供された数又は割合が所定条件を満たす提供物であって、物品管理情報が提供可能であることを示す提供物を、対象提供物として選択する。これにより、情報処理装置1は、保管施設に保管されていてユーザに提供可能である対象提供物を選択できる。
【0086】
情報処理装置1は、所有物を所有するユーザに当該所有物を提供する場合と、他のユーザに当該所有物を提供する場合とで、異なる処理を行ってもよい。
図10(a)、
図10(b)は、所有物を提供する方法を説明するための模式図である。
【0087】
図10(a)は、所有物を所有するユーザに当該所有物を提供する場合を表している。選択部123は、例えば、指定拠点において過去に提供された数又は割合が所定条件を満たす提供物のうち、対象ユーザ(
図10(a)のユーザB)の所有物を、非所有物よりも優先して対象提供物として選択する。選択部123は、例えば、物品管理情報において所定条件を満たす提供物である所有物が対象ユーザに関連付けられている場合には当該所有物を対象提供物として選択し、そうでない場合に非所有物を対象提供物として選択する。これにより、情報処理装置1は、対象ユーザが所有物を保管施設に預けている場合に、対象ユーザが自身の所有物を非所有物よりも優先的に提供できる。
【0088】
図10(b)は、所有物を所有するユーザとは異なるユーザに当該所有物を提供する場合を表している。選択部123は、例えば、第1ユーザ(
図10(b)のユーザB)の所有物が第1ユーザに対して提供されない予定の期間において、当該所有物を、第1ユーザとは異なる第2ユーザ(
図10(b)のユーザD)に対して提供する予定の対象提供物として選択する。この場合に、選択部123は、第1ユーザに対して所有物を提供する予定を示す情報(予約情報等)を取得し、取得した情報に基づいて当該所有物が第1ユーザに対して提供されない予定の期間を特定し、特定した期間において当該所有物を第2ユーザに対して提供する予定の対象提供物として選択する。これにより、情報処理装置1は、ユーザが所有物を使用しない期間においては当該所有物を他のユーザに提供することを可能にし、所有物を効率的に利用できる。
【0089】
出力部124は、第2ユーザに第1ユーザの所有物が提供される場合に、当該所有物の提供に係る対価を第2ユーザが第1ユーザに支払うための支払情報を出力してもよい。この場合に、出力部124は、所有物に対して予め設定された料金に基づいて対価を算出し、算出した対価を示す支払情報を第2ユーザのユーザ端末2又は事業者の管理端末3に出力する。第2ユーザは支払情報に基づいて対価を第1ユーザに支払い、又は事業者は支払情報に基づいて第2ユーザから対価を徴収して第1ユーザに支払う。これにより、情報処理装置1は、ユーザの所有物を他のユーザに提供する場合にはユーザに利益を与え、ユーザが所有物を保管施設に預けるモチベーションを高めることができる。
【0090】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0091】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0092】
情報処理装置1のプロセッサは、
図8に示す情報処理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、情報処理装置1のプロセッサは、
図8に示す情報処理方法を実行するためのプログラムを記憶部11から読み出し、該プログラムを実行することによって、
図8に示す情報処理方法を実行する。
図8に示す情報処理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 情報処理装置
11 記憶部
111 履歴情報記憶部
112 要望情報記憶部
113 購買情報記憶部
12 制御部
121 情報取得部
122 受付部
123 選択部
124 出力部
2 ユーザ端末
3 管理端末