(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】通信端末、通信システム、共有方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20241029BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20241029BHJP
H04N 7/14 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
H04L67/00
H04M1/00 Q
H04N7/14 110
(21)【出願番号】P 2020125345
(22)【出願日】2020-07-22
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三神 惇平
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 尭志
(72)【発明者】
【氏名】戸田 勝之
(72)【発明者】
【氏名】堀内 岳志
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-005273(JP,A)
【文献】特開2015-022492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
H04M 1/00
H04N 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された入力情報を他の通信端末と共有する通信端末であって、
表示された所定領域の全体に対する入力が可能な第1のモードから、前記所定領域の全体に対する入力が不可能な第2のモードに変更する
モード変更を行うモード変更手段と、
前記他の通信端末が送信したモード変更の指示を受信する受信手段と、
前記第2のモードにおいて、前記所定領域のうちの特定領域に対する入力を可能にする入力可能手段と、
を有
し、
前記モード変更の指示は、前記特定領域の候補である入力可能候補領域の情報を含み、
前記モード変更手段は、前記受信手段によって受信された前記モード変更の指示に基づいて、前記モード変更手段が前記第1のモードから前記第2のモードに変更し、
前記受信手段は、前記他の通信端末が前記入力可能候補領域に対応するアイコンを押下することにより送信した変更情報を受信し、
前記入力可能手段は、前記受信手段によって受信された前記変更情報に基づいて、前記他の通信端末が押下した前記アイコンに対応する入力可能候補領域に対する入力を可能にすることを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記
入力可能候補領域の外縁を表示する表示制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記
入力可能候補領域に対する入力が不可能な状態で前記表示制御手段が前記
入力可能候補領域の外縁を第1の表示形態で表示した後、前記入力可能手段が前記
入力可能候補領域に対する入力を可能にする際に、前記表示制御手段が前記外縁を前記第1の表示形態から第2の表示形態に変更することを特徴とする請求項2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記第1の表示形態と前記第2の表示形態は、形状及び色の少なくとも一方が異なることを特徴とする請求項3に記載の通信端末。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記他の通信端末が押下していない前記アイコンと、前記他の通信端末が押下した前記アイコンを、異なる表示形態で表示することを特徴とする請求項2に記載の通信端末。
【請求項6】
前記他の通信端末が前記モード変更を受け付けることによって、前記モード変更の指示を送信することを特徴とする請求項
1に記載の通信端末。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記入力可能候補領域の情報に含まれる前記
入力可能候補領域の外縁を示すデータに基づいて、
前記入力可能候補領域の外縁を表示することを特徴とする
請求項2に記載の通信端末。
【請求項8】
請求項1に記載の通信端末と、
前記他の通信端末と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項9】
入力された入力情報を他の通信端末と共有する通信端末が実行する共有方法であって、
表示された所定領域の全体に対する入力が可能な第1のモードから、前記所定領域の全体に対する入力が不可能な第2のモードに変更する
モード変更を行うモード変更ステップと、
前記他の通信端末が送信したモード変更の指示を受信する受信ステップと、
前記第2のモードにおいて、前記所定領域のうちの特定領域に対する入力を可能にする入力可能ステップと、
を有し、
前記モード変更の指示は、前記特定領域の候補である入力可能候補領域の情報を含み、
前記モード変更ステップは、前記受信ステップによって受信された前記モード変更の指示に基づいて、前記モード変更ステップが前記第1のモードから前記第2のモードに変更し、
前記受信ステップは、前記他の通信端末が前記入力可能候補領域に対応するアイコンを押下することにより送信した変更情報を受信し、
前記入力可能ステップは、前記受信ステップによって受信された前記変更情報に基づいて、前記他の通信端末が押下した前記アイコンに対応する入力可能候補領域に対する入力を可能にすることを特徴とする共有方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、通信端末、通信システム、共有方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗業務のスリム化及び効率化の観点から、リモートコンシェルジュ(遠隔接客)のサービスが行われるようになった。これにより、例えば、店舗内の従業員が接客中のため、顧客が接客応対の順番待ちをしなければならない場合であっても、顧客は店舗端末からインターネット等を介して遠隔のサービスセンタの専門的なスキルを有する説明者(コンシェルジュ)の説明者端末にアクセスし、説明者と映像通話を行うことで、接客応対のサービスを受けることができる(特許文献1参照)。
【0003】
また、最近は、接客応対する従業員が在籍する有人店舗以外に、従業員が在籍していない無人店舗が運営されるようになった。このような無人店舗にも店舗端末が設置されており、顧客は無人店舗に赴き、店舗端末を利用してサービスセンタの説明者と映像通話を行うことで、接客応対のサービスを受けることができる。
【0004】
更に、説明者端末と店舗端末とで同じ申込書等の画像(画面)を表示させ、説明者の映像通話の指示によって顧客が所定の記入欄に電子ペン等で名前等を入力することも可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、遠隔による映像通話の場合、説明者が面と向かって顧客に指示する場合に比べて伝えづらい場合も生じる。よって、顧客は説明者が意図しない場所に名前等を入力することで、話し合いの時間が長くなってしまうという課題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、入力された入力情報を他の通信端末と共有する通信端末であって、表示された所定領域の全体に対する入力が可能な第1のモードから、前記所定領域の全体に対する入力が不可能な第2のモードに変更するモード変更を行うモード変更手段と、前記他の通信端末が送信したモード変更の指示を受信する受信手段と、前記第2のモードにおいて、前記所定領域のうちの特定領域に対する入力を可能にする入力可能手段と、を有し、前記モード変更の指示は、前記特定領域の候補である入力可能候補領域の情報を含み、前記モード変更手段は、前記受信手段によって受信された前記モード変更の指示に基づいて、前記モード変更手段が前記第1のモードから前記第2のモードに変更し、前記受信手段は、前記他の通信端末が前記入力可能候補領域に対応するアイコンを押下することにより送信した変更情報を受信し、前記入力可能手段は、前記受信手段によって受信された前記変更情報に基づいて、前記他の通信端末が押下した前記アイコンに対応する入力可能候補領域に対する入力を可能にすることを特徴とする通信端末である。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明によれば、説明時間が長くなってしまうということを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る通信ルートを示した概念図である。
【
図2】店舗の顧客とサービスセンタの説明者が遠隔的に映像通話をしている状況を示したイメージ図である。
【
図3】本実施形態の通信システムを構築する各端末及び各装置のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態に係る通信システムの各機能ブロック図である。
【
図5】店舗端末、通信管理装置、及び説明者端末でそれぞれ管理されている共通のストロークデータ管理テーブルを示す概念図である。
【
図6】(A)は認証管理テーブルを示す概念図、(B)は端末状態管理テーブルを示す概念図である。
【
図7】(A)は宛先リスト管理テーブルを示す概念図、(B)はセッション管理テーブルを示す概念図、(C)は通信情報管理テーブルを示す概念図である。
【
図9】店舗端末の映像通話の準備処理を示し、特に各端末の稼働状態を取得する処理を示すシーケンス図である。
【
図10】店舗端末で表示される画面を示す図である。
【
図11】通信確立制御の詳細な処理を示したシーケンス図である。
【
図12】双方向入力機能を起動する処理を示したシーケンス図である。
【
図13】説明者端末側の入力用画像の表示例を示す図である。
【
図14】資料画像を共有するための処理を示したシーケンス図である。
【
図15】(A)は説明者端末側の表示画像を示す図、(B)は店舗端末側の表示画像を示す図である。
【
図16】入力可能候補領域の共有処理を示したシーケンス図である。
【
図17】(A)は説明者端末側の表示画像を示す図、(B)は店舗端末側の表示画像を示す図である。
【
図18】(A)は説明者端末側の表示画像を示す図、(B)は店舗端末側の表示画像を示す図である。
【
図19】入力許可の共有処理を示したシーケンス図である。
【
図20】(A)は説明者端末側の表示画像を示す図、(B)は店舗端末側の表示画像を示す図である。
【
図21】入力内容の共有処理を示したシーケンス図である。
【
図22】(A)は説明者端末側の表示画像を示す図、(B)は店舗端末側の表示画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔通信システムの全体構成〕
図1を用いて、通信システムの全体構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体構成図である。ここでは、顧客、この顧客に旅行商品を販売する旅行会社、及びこの旅行会社にリモートコンシェルジュ(遠隔接客)を行うためのシステムを提供するシステム提供者が登場する。
【0010】
旅行会社は、関東や関西等の複数のエリア毎に、有人店舗、無人店舗、及びサービスセンタを運営している。なお、
図1では、無人店舗USが一店舗しか示されていないが、複数あってもよいし、有人店舗であってもよい。
【0011】
有人店舗では、通常、来店した顧客に対して従業員が旅行商品の案内を行うが、従業員が接客中のため、新たに来店した顧客に接客応対できない場合がある。また、無人店舗には、そもそも接客対応する従業員がいない。このような場合、顧客は、有人店舗又は無人店舗US内の店舗端末1を利用し、インターネット等の通信ネットワーク100を介してサービスセンタSCの任意の説明者Eの説明者端末9にアクセスして、説明者から旅行商品に関する遠隔接客を受けることができる。
図1の例では、顧客Cは、無人店舗USに来店した者である。
【0012】
店舗端末1及び説明者端末9は、PC(personal computer)によって構成されている。有人店舗、無人店舗USには複数の店舗端末が設置されていてもよい。また、サービスセンタSCには、複数の説明者端末が設置されてもよい。
【0013】
中継装置3、及び通信管理装置5は、サーバ等のコンピュータである。中継装置3は、店舗端末1のいずれかと説明者端末9のいずれかとの間で映像通話をする場合の画像データ及び音データを中継する。通信管理装置5は、店舗端末1及び説明者端末9からのログイン認証、店舗端末1及び説明者端末9の通信状況の管理、宛先リストの管理、及び中継装置3の通信状況等を一元的に管理する。中継装置3、及び通信管理装置5に関しては、後ほど詳細に説明する。
【0014】
また、店舗端末1、説明者端末9、中継装置3、及び通信管理装置5は、インターネット等の通信ネットワーク100に接続することが可能である。
【0015】
なお、中継装置3、及び通信管理装置5は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
【0016】
図2は、店舗の顧客とサービスセンタの説明者が遠隔的に映像通話をしている状況を示したイメージ図である。
図2では、無人店舗USに来店した顧客Cが店舗端末1を利用すると共に、サービスセンタSCの説明者Eが説明者端末9を利用している状態が示されている。このように、顧客Cは、遠隔接客によって説明者Eから旅行商品等の説明を受けることができる。なお、説明者端末9側には、「双方向入力開始」ボタン990が表示されている。
【0017】
〔通信システムの各ハードウェア構成〕
続いて、
図3を用いて、
図1に示される通信システムを構築している各端末(店舗端末1、説明者端末9及び各装置(中継装置3、通信管理装置5、サービス情報管理装置7)のハードウェア構成について説明する。なお、本実施形態では、各端末及び各装置は全て同じ構成であるとして、店舗端末1のハードウェア構成を説明し、他の端末及び装置のハードウェア構成の説明を省略する。
【0018】
図3に示されているように、店舗端末1は、コンピュータにより構成されており、CPU101、ROM102、RAM103、HD104、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ105、ディスプレイ106、外部機器接続I/F(Interface)108、ネットワークI/F109、バスライン110、キーボード111、ポインティングデバイス112、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ114、メディアI/F116を備えている。
【0019】
これらのうち、CPU101は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM102は、IPL等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。HD104は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ105は、CPU101の制御にしたがってHD104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ106は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F108は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F109は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン110は、
図3に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0020】
また、キーボード111は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス112は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ114は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW113に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-RやBlu-ray Disc(ブルーレイディスク)等であってもよい。メディアI/F116は、フラッシュメモリ等の記録メディア115に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0021】
また、外部機器接続I/Fには、集音装置の一例としてのマイク121、音出力装置の一例としてのスピーカ122、及び撮像装置の一例としてのカメラ123が接続されている。なお、
図3では、マイク121、スピーカ122、及びカメラ123は、外付けの装置として示されているが、外部機器接続I/Fを介さずに内蔵装置としても良い。
【0022】
〔通信システムの各機能構成〕
次に、
図3乃至
図8を用いて、本実施形態の通信システムの各機能構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る通信システムの各機能ブロック図である。
【0023】
<店舗端末の機能構成>
まず、
図3及び
図4を用いて、店舗端末1の機能構成について説明する。
図4に示されているように、店舗端末1は、送受信部11、受付部12、通信制御部13、表示制御部14、判断部15、双方向入力部16、モード変更部17、算出部18、及び記憶・読出処理部19を有している。これら各部は、
図3に示されている各構成要素のいずれかが、HD104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、店舗端末1は、
図3に示されているRAM103及びHD104によって構築される記憶部1000を有している。
【0024】
(ストローク情報管理テーブル)
図5は、店舗端末、通信管理装置、及び説明者端末でそれぞれ管理されている共通のストロークデータ管理テーブルを示す概念図である。
【0025】
記憶部1000には、
図5で示されているようなストローク情報管理テーブルによってストローク情報管理DB1001が構築されている。このストローク情報管理テーブルでは、後述のステップS248~S250によって説明者端末9から送られて来たストローク情報、及び、後述のステップS281によって店舗端末1が顧客Cから受け付けたストローク情報が管理されている。ストローク情報は、ストロークID、接続ID、画面ID、ストローク座標、ストロークの色、ストロークの幅、閉領域化の有無、及び入力可否の各情報が関連付けられて含まれている。
【0026】
これらのうち、ストロークIDは、ストローク情報を識別するためのストローク識別情報の一例である。接続IDは、通信情報管理テーブル(
図7(C)参照)の接続IDと同じである。画面IDは、入力画面100(900)を識別するための画面識別情報の一例である。ストローク座標は、入力画面100(900)上におけるストロークの位置を特定するための座標である。ストロークの色は、利用者(顧客C又は説明者E)によって設定されたストロークの色を示す情報である。ストロークの幅は、利用者(顧客C又は説明者E)によって設定されたストロークの幅を示す情報である。「閉領域化の有無」は、例えば、
図17(A)に示されているように、電子ペン90で入力可能候補領域940が描かれることで、閉ざされた領域が形成されたか否かを示す情報である。入力可否は、入力可能モードになっているか又は入力不可モードになっているかを示す情報である。入力可能モードの場合は、店舗端末1側で顧客Cが電子ペン10により資料画像上に文字等を入力可能な状態である。入力不可モードは、店舗端末1側で顧客Cが電子ペン10により資料画像上に文字等を入力不可能な入力不可モードに設定されているかを示す情報である。これに関しては、後ほど、詳細に説明する。なお、入力可能モードは第1のモードの一例である。入力不可モードは第2のモードの一例である。また、電子ペン10(90)を用いなくても、指等で直接ディスプレイ106(906)に触れて入力しても良い。
【0027】
(店舗端末の各機能構成)
次に、店舗端末1の各構成要素について説明する。送受信部11は、
図3に示されているCPU101からの命令、並びに外部機器接続I/F108及びネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0028】
受付部12は、主に、
図3に示されているCPU101からの命令、並びにキーボード111及びポインティングデバイス112操作ボタン108及電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。
【0029】
通信制御部13は、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、外部機器接続I/F108に接続された外付けのカメラから、このカメラが被写体を撮像して得た画像データを入力する。また、通信制御部13は、外部機器接続I/F108に接続された外付けのマイクから、このマイクが集音して得た音データを入力する。更に、通信制御部13は、映像通話の相手から受信した画像データ及び自端末で得た画像データを表示制御部14に出力する。また、通信制御部13は、映像通話の相手から受信した音データ及び自端末で得た音データを、外部機器接続I/F108に接続された外付けのスピーカに出力する。
【0030】
表示制御部14は、主に、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、ディスプレイ106又は外部機器接続I/Fに接続された外付けのディスプレイに対して画像データを出力することで、画像を表示させる。
【0031】
判断部15は、主に、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、各種判断を行う。判断内容については後述する。
【0032】
双方向入力部16は、主に、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、通信端末1が説明者端末9との間で双方向入力を実現する機能である。例えば、通信端末1側で入力された文字は説明者端末9側で表示される。
【0033】
モード変更部17は、主に、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、入力可能モードから入力不可モードへの変更、及び、入力不可モードから入力可能モードへの変更を行う。
【0034】
算出部18は、顧客Cによって入力されたストロークに基づいて、相手側の説明者端末9でも同じストロークを再生するためのストローク座標を算出する。
【0035】
記憶・読出処理部19は、主に、
図3に示されているCPU101からの命令及びHDDコントローラ105によって実行され、記憶部1000に各種データを記憶したり、記憶部1000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0036】
更に、記憶部1000には、他の端末との通信を行う際に受信される画像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の画像データによってディスプレイ106又は外付けのディスプレイに画像が表示され、上書きされる前の音データによって外付けのスピーカから音声が出力される。
【0037】
<説明者端末の機能構成>
続いて、
図3及び
図4を用いて、説明者端末9の機能構成について説明する。
図4に示されているように、説明者端末9は、送受信部91、受付部92、通信制御部93、表示制御部94、判断部95、双方向入力部96、モード変更部97、算出部98、及び記憶・読出処理部99を有している。また、説明者端末9は、
図3に示されているRAM103及びHD104によって構築される記憶部9000を有している。記憶部9000には、ストローク情報管理DB9001が構築されている。このストローク情報管理DB9001は、既に説明したストローク情報管理DB1001と同じ構造を有しているため、説明を省略する。
【0038】
なお、説明者端末9の送受信部91、受付部92、通信制御部93、表示制御部94、判断部95、双方向入力部96、モード変更部97、算出部98、及び記憶・読出処理部99は、それぞれ、店舗端末1の送受信部11、受付部12、通信制御部13、表示制御部14、判断部15、双方向入力部16、モード変更部17、算出部18、及び記憶・読出処理部19と同様の機能を有するため、これらの説明を省略する。なお、算出部98は、説明者Eによって入力されたストロークに基づいて、相手側の店舗端末1でも同じストロークを再生するためのストローク座標を算出する。
【0039】
<中継装置の機能構成>
続いて、
図3及び
図4を用いて、中継装置3の機能構成について説明する。
図4に示されているように、中継装置3は、転送部を兼ねた送受信部31、判断部32、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、
図3に示されている各構成要素のいずれかが、HD104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、中継装置3は、
図3に示されているRAM103及びHD104によって構築される記憶部3000を有している。
【0040】
(中継装置の各機能構成)
次に、中継装置3の各機能構成について詳細に説明する。
図4に示されている中継装置3の送受信部31は、
図3に示されているCPU101からの命令、及び
図3に示されているネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。また、送受信部31は、転送部としての役割も果たし、所定の端末ら送信されて来た画像データ及び音データを、他の端末に転送する。
【0041】
判断部32は、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、データの遅延状態の判断等を行なう。
【0042】
記憶・読出処理部39は、
図3に示されているCPU101からの命令、及び
図3に示されているHDD105によって実現され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0043】
<通信管理装置の機能構成>
続いて、
図3及び
図4を用いて、通信管理装置5の機能構成について説明する。
図4に示されているように、通信管理装置5は、送受信部51、選択部53、作成部54、判断部55、及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、
図4に示されている各構成要素のいずれかが、HD104からRAM103上に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は機能する手段である。また、通信管理装置5は、
図3に示されているRAM103及びHD104により構築される記憶部5000を有している。
【0044】
(認証管理テーブル)
図6(A)は、認証管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、
図6(A)に示されているような認証管理テーブルによって構成されている認証管理DB5001が構築されている。この認証管理テーブルでは、通信管理装置5によって管理される全ての端末1,9の各通信IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。なお、パスワードは認証情報の一例であり、認証情報にはアクセストークンも含まれる。
【0045】
(端末状態管理テーブル)
図6(B)は、端末状態管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、
図6(B)に示されているような端末状態管理テーブルによって構成されている端末状態管理DB5002が構築されている。この端末状態管理テーブルでは、各端末1,9の通信ID毎に、各端末1,9を宛先とした場合の宛先名、各端末1,9の稼動状態、後述のログイン要求情報が通信管理装置5で受信された受信日時、及び店舗端末1,9のIPアドレスが関連付けられて管理される。なお、通信ID、宛先名、及び端末のIPアドレスは、各端末1,9が、通信管理装置5によるサービスの提供を受けるために事前登録する際に記憶される。
【0046】
(宛先リスト管理テーブル)
図7(A)は、宛先リスト管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、
図7(A)に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5003が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、通話の開始を要求する開始端末の通信IDに対して、宛先端末の候補として登録されている宛先端末の通信IDが全て関連付けられて管理される。なお、宛先リストは、宛先情報の一例であり、宛先情報には、リスト形式になっておらず、通信ID等の宛先に関する情報が羅列されていてもよい。
【0047】
(セッション管理テーブル)
図7(B)は、セッション管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、
図7(B)に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5004が構築されている。このセッション管理テーブルでは、各端末と中継装置3との間で相互通信を行なうためのセッションを識別するための通信セッションID毎に、使用される中継装置3の中継装置ID、開始端末の通信ID、宛先端末の通信ID、宛先端末において画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末から送られて来て通信管理装置5で受信された受信日時が関連付けられて管理される。
【0048】
(通信情報管理テーブル)
図7(C)は、通信情報管理テーブルを示す概念図である。記憶部5000には、
図7(C)に示されているような通信情報管理テーブルによって構成されている通信情報管理DB5005が構築されている。この通信情報管理テーブルでは、各端末と中継装置3との間で行なわれる相互通信を識別するための接続ID毎に、この使用される中継装置3の中継装置のIPアドレス、及び相互通信する端末の通信IDが関連付けられて管理される。
【0049】
(ストローク情報管理テーブル)
記憶部5000には、
図5に示されているようなストローク情報管理テーブルによって構成されているストローク情報管理DB5006が構築されている。ストローク情報管理DB5006は、既に説明したストローク情報管理DB1001と同じ構造を有しているため、説明を省略する。
【0050】
(通信管理装置の各機能構成)
次に、通信管理装置5の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、通信管理装置5の各機能構成を説明するにあたって、
図3に示されている各構成要素のうち、通信管理装置5の各機能構成を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
【0051】
図4に示されている通信管理装置5の送受信部31は、
図3に示されているCPU101からの命令及びネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワーク100を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0052】
選択部53は、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、各端末のIPアドレスに基づいて、相互通信に最適な中継装置を選択する。
【0053】
作成部54は、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、各端末からの相互通信の開始要求に応じて、通信情報を作成する。この通信情報は、選択部53によって選択された中継装置のIPアドレス、及び上述の通信ID等を含んでいる。
【0054】
判断部55は、
図3に示されているCPU101からの命令によって実現され、各種判断を行なう。
【0055】
記憶・読出処理部59は、
図3に示されているCPU101からの命令及びHDDコントローラ105によって実現され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0056】
<各画像レイア>
続いて、
図8を用いて、電子黒板1に表示される各画像レイアについて説明する。
図8に示されているように、表示制御部14(94)は、4つの画像レイアを重畳する画像を作成する。
図8は、各画像レイヤの構成図である。各画像レイヤは、重なっても利用者が見える順に、左から、UI画像(A)、店舗端末1のストローク画像(B1)、説明者端末9のストローク画像(B2)、及び資料画像の各レイアの構成となっている。これらのうち、UI画像(A)、店舗端末のストローク画像(B1)、説明者端末のストローク画像(B2)及び背景画像(C)は、店舗端末1及び説明者端末9で表示される画像のレイアである。なお、この画像のレイヤとはン別に、ピクチャー・イン・ピクチャーの技術により、相手側の拠点の映像が表示される。以下に、各画像のレイヤについて説明する。
【0057】
UI画像(A)のレイヤは、利用者が電子ペン10(90)で所定の入力又は選択を行うことができるように、アイコン等を表示して入力又は選択等のUI操作を受け付けるレイヤである。
図8では、後述のタスクバー920,930(130)が表示されている。
【0058】
店舗端末1のストローク画像(B1)のレイヤは、顧客が電子ペン10で描画したストローク画像を相手側の説明者端末9と共有するためのレイヤである。この場合、電子黒板1は、通信ネットワーク100を介して相手側の説明者端末9にストローク情報を送信する。ここでは、顧客の氏名等の入力内容を表すストローク画像b1が表示されている。
【0059】
説明者端末9のストローク画像(B2)のレイヤは、説明者Eが電子ペン90で描画したストローク画像を相手側の顧客端末1と共有するためのレイヤである。この場合、説明者端末9は、通信ネットワーク100を介して相手側の顧客端末1にストローク情報を送信する。ここでは、後述の入力可能領域等の入力内容を表すストローク画像b2が表示されている。
【0060】
資料画像(C)のレイヤは、説明者Eが相手側の顧客端末1と、資料画像を共有するためのレイヤである。この場合、説明者端末9は、通信ネットワーク100を介して相手側の顧客端末1に資料画像のデータを送信する。ここでは、資料画像の一例として、
図15に示されているような個入会員申込書の画像が表示されている。
【0061】
〔実施形態の処理又は動作〕
次に、
図9乃至
図22を用いて、本実施形態に係る通信システムにおける処理または動作を説明する。ここでは、
図2に示されているように、顧客Cが、無人店舗USに入店し、店舗端末1を使ってサービスセンタSCに対して映像通話を開始することで、説明者Eから資料情報の書き方の説明を受ける場合について説明する。なお、以下、映像通話の開始を要求する要求元としての店舗端末1は「開始端末」と表され、要求先である宛先(中継先)としての説明者端末9は「宛先端末」と表される場合もある。
【0062】
<映像通話の開始処理>
顧客Cが店舗端末1で映像通話を開始する操作を行うことで、
図9に示されているように、店舗端末1の作成部54は、自ら通信セッションを識別するためのセッションIDを作成する(S22)。次に、送受信部11は、通信ネットワーク100を介して通信管理装置5に、ログイン要求を示すログイン要求情報を送信する(S23)。このログイン要求情報には、ステップS22で作成されたセッションID、自端末の通信ID及びパスワードが含まれている。なお、ここでは、通信IDは、ステップS23でログイン要求を送信した店舗端末1を識別するためのIDであり、端末を識別する端末ID、顧客等の利用者を識別する利用者IDであってもよい。
【0063】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている通信ID及びパスワードを検索キーとして、認証管理テーブル(
図6(A)参照)を検索し、同一の通信ID及び同一のパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(S24)。ここでは、記憶・読出処理部59によって、同一の通信ID及び同一のパスワードが管理されているものとして、続けて説明する。
【0064】
記憶・読出処理部59によって、同一の通信ID及び同一のパスワードが管理されているものとして、正当な利用権限を有する端末からのログイン要求であると判断された場合には、記憶・読出処理部59は、端末状態管理テーブル(
図6(B)参照)において、上記ステップS23で受信された通信IDのレコードの稼動状態のフィールド部分を「Online(通話可能)」に変更すると共に、受信日時のフィールド部分に上記ステップS23によってログイン要求が受信された受信日時を記憶する(S25)。これにより、例えば、端末状態管理テーブルには、通信ID「01aa」に、稼動状態「Online(通話可能)」、受信日時「2020.4.10.13:40」及びIPアドレス「1.2.1.4」が関連付けて管理されることになる。なお、端末のIPアドレスは、事前に登録されているのではなく、上記ステップS23で店舗端末1から送信されるようにしてもよい。
【0065】
次に、記憶・読出処理部59は、上記ステップS23によって受信された店舗端末1の通信ID及びパスワードを含む新しいレコードを、セッション管理テーブル(
図7(B)参照)で追加して管理する(S26)。そして、通信管理装置5の送受信部51は、上記ステップ24の処理によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク100を介して、上記ログイン要求してきた店舗端末1に送信する(S27)。
【0066】
ログイン要求端末(店舗端末1)の送受信部11が、正当な利用権限を有する端末であると判断された結果が示された認証結果情報を受信すると、送受信部11が通信ネットワーク100を介して通信管理装置5へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(S28)。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
【0067】
次に、記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信ID「01ab」を検索キーとして、宛先リスト管理テーブル(
図7(A)参照)を検索し、ログイン要求端末(店舗端末1)と通信することができる宛先候補の通信IDを読み出すと共に、この通信IDに対応する宛先名を端末状態管理テーブル(
図6(B)参照)から読み出す(ステップS29)。ここでは、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信ID「01ab」に対応する宛先候補のそれぞれの通信IDと、これらに対応する宛先名が抽出される。
【0068】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、記憶部5000から宛先リスト枠のデータを読み出す(S30)。そして、送受信部51は、この宛先リスト枠及び上記記憶・読出処理部59によって読み出された通信ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、通信ID、宛先名)」を、ログイン要求端末(店舗端末1)に送信する(S31)。これにより、ログイン要求端末(店舗端末1)では、送受信部11が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部19が記憶部1000へ宛先リスト情報を記憶する(S32)。
【0069】
このように、本実施形態では、各端末で宛先リスト情報を管理するのではなく、通信管理装置5が全ての端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、通信システムに新たな端末が含まれるようになったり、既に含まれている端末に替えて新機種の端末を含めるようになったり、宛先リスト枠の見栄え等を変更することになった場合でも、通信管理装置5側で一括して対応するため、各端末側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
【0070】
また、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、上述の読み出した宛先候補の通信IDを検索キーとして、端末状態管理テーブル(
図6(B)参照)を検索し、上記通信ID毎に、対応する稼動状態を読み出すことで、宛先候補としての通信端末の各稼動状態を取得する(S33)。
【0071】
次に、送受信部51は、上記ステップS26で使用された検索キーとしての各通信IDと、対応する各宛先端末の稼動状態とが含まれた「端末の状態情報」を、通信ネットワーク100を介して開始端末(店舗端末1)に送信する(S34)。
【0072】
次に、開始端末(店舗端末1)の記憶・読出処理部19は、順次、通信管理装置5から受信した端末の状態情報を記憶部1000に記憶する(S35)。よって、開始端末(店舗端末1)は、上記各端末の状態情報を受信することで、開始端末(店舗端末1)と通信することができる宛先候補である説明者端末9等の現時点のそれぞれの稼動状態を取得することができる。
【0073】
次に、ログイン要求端末(店舗端末1)の表示制御部14は、記憶部1000に記憶されている宛先リスト情報、及び端末の状態情報に基づいて、宛先候補としての端末の状態を反映させた宛先リストを作成する(S36)。この宛先リストは、
図10に示すように、店舗端末1で表示される。
【0074】
一方、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDに基づいて宛先リスト管理テーブル(
図7(A)参照)を検索することにより、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDを宛先候補として登録している他の端末の通信IDを抽出する(S37)。
【0075】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、ログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDに基づいて端末状態管理テーブル(
図6(B)参照)を検索し、ログイン要求端末(店舗端末1)の稼動状態を取得する(S38)。
【0076】
そして、送受信部51は、上記ステップS37で抽出された通信IDに係る端末のうち、端末状態管理テーブル(
図6(B)参照)で稼動状態が「Online」となっている端末に、上記ステップS38で取得されたログイン要求端末(店舗端末1)の通信IDと稼動状態が含まれる「端末の状態情報」を送信する(S39)。なお、送受信部51が説明者端末9に端末の状態情報を送信する際に、各通信IDに基づいて、端末状態管理テーブル(
図6(B)参照)で管理されている通信端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求端末(店舗端末1)を宛先候補として通信することができる他の宛先端末のそれぞれに、上記ログイン要求端末(店舗端末1)の通信ID、及び稼動状態を伝えることができる。これにより、宛先候補(説明者端末9)においても、
図10(C)に示されているような宛先候補の状態を表示させることができる(S40)。
【0077】
<通信確立制御の処理>
続いて、
図11を用いて、店舗端末1と説明者端末9の間の通信確立制御の処理(S90参照)について詳細に説明する。
図11は、通信確立制御の詳細な処理を示したシーケンス図である。
【0078】
まず、店舗端末1は、通信管理装置5に対して、映像通信を開始する要求を示す開始要求情報を送信する(ステップS101)。この開始要求情報には、開始端末(ここでは、店舗端末1)の通信ID、及び、宛先端末(ここでは、説明者端末9)の説明者Eの通信IDが含まれている。これにより、通信管理装置5は、開始要求情報を受信する。
【0079】
次に、通信管理装置5では、選択部53が、開始端末及び宛先端末の各IPアドレスに基づいて、最寄の中継装置を選択する(ステップS102)。各端末のIPアドレスは端末管理テーブルで管理されており、各中継装置のIPアドレスは記憶部5000に予め記憶されている。次に、作成部54は、中継装置のIPアドレス、及び上述の通信IDを含む通信情報を作成する(ステップS103)。そして、記憶・読出処理部59は、通信情報管理DB5005(
図7(C)参照)に、通信情報の内容である通信ID及び中継装置のIPアドレス、並びに、ステップS101で受信された開始端末及び宛先端末の説明者の各通信IDを関連付けて記憶することにより管理する。その後、送受信部51は、宛先端末(ここでは、説明者端末9)に対して、開始要求情報を送信する(ステップS105)。この開始要求情報には、上記ステップS101で開始端末から送られて来た各通信IDに加え、通信情報が含まれている。これにより、宛先端末の送受信部91は、開始要求情報を受信する。
【0080】
次に、宛先端末では、説明者端末9の判断部15が、ステップS105で受信された開始端末(店舗端末1)の通信IDが、予め取得している店舗端末1の通信IDと同じであるかを判断する(S106)。この場合、基本的に同じであるため、送受信部91は、通信管理装置5に対して応答可情報を送信する(ステップS107)。この場合の応答可情報は応答可である旨を示し、開始端末の通信IDが含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、応答可情報を受信する。
【0081】
次に、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、ステップS107で受信された開始端末の通信IDを検索キーとして、通信情報管理DB5005を検索することにより、対応する通信情報(通信ID、中継装置IPアドレス)を読み出す(ステップS108)。そして、送受信部51は、開始端末に対して、応答可情報を送信する。この場合の応答可情報には、ステップS108で読み出された通信情報が含まれている。これにより、開始端末の送受信部11は、応答可情報を受信する。
【0082】
次に、宛先端末の送受信部91は、ステップS105で受信した通信情報に含まれる中継装置のIPアドレスに対して、相互通信のセッションを確立する要求を示す確立要求情報を送信する(ステップS110)。この確立要求情報には、開始端末の通信IDと宛先端末の説明者の通信IDが含まれている。また、送信元である宛先端末のIPアドレスも送信される。一方、開始端末の送受信部11は、ステップS109で受信した通信情報に含まれる中継装置のIPアドレスに対して、相互通信のセッションを確立する要求を示す確立要求情報を送信する(ステップS111)。この確立要求情報には、開始端末の通信IDと宛先端末の説明者の通信IDが含まれている。また、送信元である開始端末のIPアドレスも送信される。これにより、中継装置3と開始端末との間で、画像及び音を相互通信するための映像通話用の通信セッションが確立すると共に(ステップS112-1)、中継装置3と宛先端末との間で、画像及び音を相互通信するための映像通話用の通信セッションが確立する(ステップS112-2)。
【0083】
次に、開始端末の送受信部11は、通信管理装置5に対して自端末(開始端末)の状態情報を送信する(ステップS113-1)。この状態情報には、開始端末の通信ID、及び稼動状態情報(ここでは「通信中」)が含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、開始端末の状態情報を受信する。一方、宛先端末の送受信部91は、通信管理装置5に対して自端末(宛先端末)の状態情報を送信する(ステップS113-2)。この状態情報には、宛先端末の通信ID、及び稼動状態情報(ここでは「Chat(通信中)」)が含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、宛先端末の状態情報を受信する。このように、各端末は、通信管理装置5に対して、自ら自端末の稼動状態を通知する。そして、通信管理装置5では、記憶・読出処理部59が、端末状態管理DB(
図6(B)参照)において、開始端末の通信IDに関連付けられている稼動状態を「Chat(通信中)」に変更すると共に、宛先端末の通信IDに関連付けられている稼動状態を「Chat(通信中)」に変更する(ステップS114)。以上より、開始端末(店舗端末1)及び宛先端末(説明者端末9)では、
図2に示されているように、相互通信により映像通話をすることができる。
【0084】
<双方向入力の処理>
続いて、
図12乃至
図22を用いて、店舗端末1と説明者端末9との間の双方向入力の処理について説明する。
【0085】
(双方向入力部の起動処理)
まずは、
図12及び
図13を用いて、店舗端末1及び説明者端末9における双方向入力部の起動処理について説明する。
図12は、双方向入力部を起動する処理を示したシーケンス図である。
図13は、説明者端末側の入力用画像の表示例を示す図である。
【0086】
図12に示されているように、店舗端末1と説明者端末9との間で映像通話中に、説明者Eが店舗側の顧客Cに対して、電子書類にサイン等の入力をしてもらいたい場合、説明者Eが
図2に示されている「双方向入力開始」ボタン990を押下すると、受付部92が、双方向入力部96の起動を受け付ける(S201)。これにより、双方向入力部96が起動する(S202)。そして、表示制御部94が、ディスプレイ906上に、
図13に示されているような入力画面を表示させる。
【0087】
図13に示されているように、説明者端末9側で表示される入力画面900の上端部には、隠すことが可能なタスクバー920が表示され、入力画面900の左端部には、隠すことが可能なタスクバー930が表示される。
【0088】
更に、タスクバー920には、ファイル選択ボタン921、保存ボタン922、ページ戻しボタン923、各ページのサムネイル924、ページ送りボタン925、ページ追加ボタン926、ページ削除ボタン927、及び入力不可モードボタン928が含まれている。
【0089】
これらのうち、ファイル選択ボタン921は、説明者が入力画面900に表示するファイルを追加(選択)するためにファイルの選択を開始するボタンである。これにより、ファイルブラウザが表示される。保存ボタン922は、入力されたストロークのデータ及び(又は)資料画像等の画像データを1つのファイルに保存するためのボタンである。ページ戻しボタン923は、現在、入力画面900に表示されているページに対し1ページ前のページを入力画面900に表示するためのボタンである。各ページのサムネイル924は、例えば、3つ分の各ページのサムネイルが表示される。ページ送りボタン925は、現在、入力画面900に表示されているページに対し1ページ先のページを入力画面に表示するためのボタンである。ページ追加ボタン926は、新たに初期状態のページを追加するためのボタンである。ページ削除ボタン927は、現在、入力画面900に表示中のページを削除するためのボタンである。そして、入力不可モードボタン928は、通信相手としての店舗端末1に対して、店舗端末1側で表示されている入力画面100への入力が可能な入力可能モードから入力が不可能な入力不可モードに変更させる場合のボタンである。なお、入力可能モードは第1のモードの一例である。入力不可モードは第2のモードの一例である。
【0090】
一方、タスクバー930には、ペンボタン931、蛍光ボタン932、マーカーボタン933、部分消しゴムボタン934、全部消しゴムボタン935、Undoボタン936、Redoボタン937、カーソルボタン938、及びサイズ変更ボタン939が含まれている。
【0091】
これらのうち、ペンボタン931は、現在設定されている色で説明者Eが入力画面900にストロークを書き込む(入力する)ことができる状態にするためのボタンである。蛍光ボタン932は、現在設定されている色で説明者Eがやや太い蛍光色のストロークを書き込む(入力する)ことができる状態にするためのボタンである。マーカーボタン933は、一時的に表示されるが自動的に消去されるマーカーを説明者Eが書き込む(入力する)ことができる状態にするためのボタンである。部分消しゴムボタン934は、一旦書き込んだストローク画像を説明者Eが削除できる状態にするためのボタンである。この場合、説明者Eが指定したストローク画像の部分だけが削除される。全部消しゴムボタン935は、入力画面900一面全体に書き込まれている(入力されている)ストローク画像を一度の操作で全て削除するためのボタンである。Undoボタン936は、ストローク画像を1操作分前の状態に戻すボタンである。一筆書きが1操作分に該当する。Redoボタン937は、ストローク画像を1操作分先の状態に戻すボタンである。カーソルボタン938は、入力画面900上にカーソルを表示させるためのボタンである。このカーソルにより、入力画面900上の特定の位置を指し示すことができる。サイズ変更ボタン939は、押下されることで、拡大及び縮小率の候補がプルダウンメニュー等で表示され、説明者Eによって特定の候補が選択されることで、入力画面900内の表示を拡大(又は縮小)するためのボタンである。
【0092】
なお、店舗端末1側でも入力画面100が表示されるが、入力画面100にはタスクバー920と同じタスクバーは表示されず、タスクバー930と同じタスクバー130のみが表示される。
【0093】
次に、送受信部91が通信管理装置5に対して、双方向入力部16の起動要求を送信する(S204)。この起動要求には、説明者端末9及び店舗端末1と中継装置3との間で行なわれる相互通信を識別するための接続IDが含まれている。これにより、通信管理装置5は、双方向入力部16の起動要求を受信する。
【0094】
次に、通信管理装置5の送受信部51は、ステップS204で受信した双方向入力部16の起動要求を、店舗端末1に送信(又は転送)する(S205)。これにより、店舗端末1の送受信部11は、接続IDを含めて双方向入力部16の起動要求を受信する。
【0095】
次に、店舗端末1では、双方向入力部16が起動する(S206)。そして、表示制御部14が、ディスプレイ106上に入力画面100を表示させる(S207)。
【0096】
次に、店舗端末1の送受信部101は、通信管理装置5に対して、双方向入力部16の起動が完了した旨を示す起動完了通知を送信する(S208)。この起動完了通知には、店舗端末1と説明者端末9の通信を識別するための接続IDが含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は起動完了通知を受信する。
【0097】
次に、通信管理装置5の送受信部51は、説明者端末9に対して、起動完了通知を送信(転送)する(S209)。これにより、説明者端末9の送受信部91は、起動完了通知を受信する。そして、説明者端末9では、表示制御部94がディスプレイ906上に、起動が完了した旨の情報を表示する(S210)。
【0098】
(資料画像の共有処理)
続いて、
図14及び
図15を用いて、説明者端末9が店舗端末1と資料画像を共有するための処理について説明する。
図14は、資料画像を共有するための処理を示したシーケンス図である。
図15において、(A)は説明者端末側の表示画像を示す図、(B)は店舗端末側の表示画像を示す図である。
【0099】
図14に示されているように、説明者端末9の送受信部91は、説明者Eからファイル名等の資料画像の指定を受け付けると、受付部92が資料画像の指定を受け付ける(S221)。これにより、記憶・読出処理部99は、記憶部9000から資料画像データを読み出し、
図15(A)に示されているように、表示制御部94がディスプレイ906の入力画面900上に資料画像を表示させる(S222)。ここでは、資料画像は個人会員申込書の画像である。
【0100】
次に、送受信部91は、通信管理装置5に対して、資料画像データのアップロードを行う(S223)。これにより、通信管理装置5では、記憶・読出処理部59が、記憶部9000に資料画像データを記憶する。そして、送受信部51は、説明者端末9に対して、アップロードが完了した旨を示すアップロード完了通知を送信する(S225)。これにより、説明者端末9の送受信部91は、アップロード完了通知を受信する。
【0101】
一方、通信管理装置5の送受信部51は、店舗端末1に対して、資料画像のダウンロードを行わせる旨を示すダウンロード指示を送信する(S226)。このダウンロード指示には、資料画像データの保存場所を示すURL(Uniform Resource Locator)が含まれている。これにより、店舗端末1の送受信部11は、資料画像データのダウンロード指示を受信する。
【0102】
次に、店舗端末1では、ステップS226で受信されたURLに対して、資料画像データのダウンロードを要求する(S227)。これにより、通信管理装置5では、記憶・読出処理部59が、URLで示される記憶部5000の記憶領域から資料画像データを読み出す(S228)。そして、送受信部51は、店舗端末1に対して、資料画像データのダウンロードを行う(S229)。これにより、店舗端末1の送受信部11が、資料画像データを受信する。
【0103】
次に、店舗端末1では、
図15(B)に示されているように、表示制御部14がディスプレイ106の入力画面100上に、説明者端末9側と同じ資料画像を表示させる(S230)。そして、店舗端末1の送受信部11は、通信管理装置5に対して、入力画面100の表示を完了した旨を示す表示完了通知を送信する(S231)。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、表示完了通知を受信する。
【0104】
次に、通信管理装置5では、送受信部51が説明者端末9に対して、表示完了通知を送信(転送)する(S232)。これにより、説明者端末9の送受信部91は、表示完了通知を受信する。そして、説明者端末9では、表示制御部94がディスプレイ906の入力画面900上に、表示が完了した旨を示す情報を表示させる(S233)。
【0105】
(入力可能候補領域の共有処理)
続いて、
図15乃至
図18を用いて、説明者端末9が店舗端末1と入力可能候補領域を共有する処理を説明する。
図16は、入力可能候補領域の共有処理を示したシーケンス図である。
図17において、(A)は説明者端末側の表示画像を示す図、(B)は店舗端末側の表示画像を示す図である。
図18において、(A)は説明者端末側の表示画像を示す図、(B)は店舗端末側の表示画像を示す図である。
【0106】
まず、
図15(A)に示されているように、説明者Eが電子ペン90で入力不可モードボタン928を押下することで、受付部92が入力不可モードへの変更を受け付ける(S241)。これにより、モード変更部97が、入力可能モードから入力不可モードに変更する(S242)。
【0107】
次に、
図17(A)に示されているように、説明者Eが電子ペン90で顧客Cに入力して欲しい領域(入力可能候補領域940)を囲むと、受付部92が入力可能候補領域940の選択を受け付ける(S243)。入力可能候補領域940は、入力不可モード下であっても、入力を可能にする領域の候補であって、この時点では候補であって入力可能候補領域940内に入力はできない。これにより、表示制御部94は、
図17(A)に示されているように、入力可能候補領域940を表示させる(S244)。ここでは、入力可能候補領域940の外縁が破線によって表されているが、実線であってもよく、又は領域内が周囲と異なる色で表示されてもよい。後述の入力可能候補領域960も同様である。なお、ストローク座標のデータは、入力可能領域(入力可能候補領域)の外縁を示すデータである。
更に、表示制御部94は、入力可能候補領域940がロックされ、まだ入力できないことを視覚的に示す施錠アイコン950を、入力可能候補領域940の近くに表示させる(S245)。この施錠アイコン950及び後述の解錠アイコン951は、ストローク情報管理DB9001において、特定のテーブル(例えば、ストロークID「S901」のテーブル)に対応している。
【0108】
次に、説明者端末9では、算出部98が、入力可能候補領域940のストローク座標を算出する(S246)。そして、記憶・読出処理部99が、ストローク情報管理DB9001(
図5(C)参照)に、ストローク座標を含むストローク情報を新たな一レコードして記憶する(S247)。このステップS247で記憶されたストローク情報には、
図5(C)に示されているように、ストロークデータID、接続ID、画像ID、ストローク座標、ストロークの色、ストロークの幅、閉領域化の有無、及び、入力可否が含まれている。なお、記憶・読出処理部99は、ステップS243で算出したストローク座標等をストローク情報管理DB9001に記憶する際に、ストロークIDを生成する。また、この時点では、入力可能候補領域940は、閉領域であるため閉領域化の有無は、「1(有)」として示され、ロックが掛かっているため入力可否は「否」で示されている。
【0109】
次に、送受信部91は、通信管理装置5に対して、入力可能モードから入力不可モードへ変更する指示を示すモード変更指示を送信する(S248)。このモード変更指示には、ステップS247で記憶されたストローク情報が含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、ストローク情報を受信する。そして、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、ストローク情報管理DB5006に、ステップS248で受信したストローク情報を新たな一レコードして記憶する(S249)。
【0110】
次に、通信管理装置5の送受信部51が、店舗端末1に対して、ステップS248で受信したモード変更指示を送信(転送)する(S250)。これにより、店舗端末1の送受信部11が、ストローク情報を含むモード変更指示を受信する。
【0111】
次に、店舗端末1では、記憶・読出処理部19が、ストローク情報管理DB1001に、ステップS250で受信されたストローク情報を新たな一レコードして記憶する(S251)。そして、モード変更部17は、ステップS250で受信したモード変更指示に基づき入力可能モードから入力不可モードにモード変更する(S252)。そして、
図17(B)に示されているように、表示制御部14は、ストローク情報に基づき、ディスプレイ106の入力画面100上において、説明者端末9側と同じ位置に、入力可能候補領域940に対応する入力可能候補領域140を表示させる(S253)。この場合、表示制御部14は、入力画面900上に入力された入力可能候補領域940を、ストローク情報によって入力画面100上における同じ位置に同じ色及び同じ幅で入力可能候補領域140として表示する。ここでも、入力可能候補領域140の外縁が破線によって表されているが、実線であってもよく、又は領域内が周囲と異なる色で表示されてもよい。後述の入力可能候補領域160も同様である。
また、上記ステップS247,S249,S251の処理によって、店舗端末1、通信管理装置5、及び説明者端末9の3カ所で、同じストローク情報を共有することができる。
【0112】
なお、
図17(A)では、店舗端末1側で施錠アイコン950に対応する施錠アイコンを表示していないが、表示するようにしてもよい。
【0113】
以上により、説明者端末9側で入力及び表示された入力可能候補領域940は、店舗端末1側でも入力可能候補領域140として表示される。
【0114】
また、
図18(A)に示されているように、説明者Eが、入力可能候補領域940とは異なる入力可能候補領域960を入力すると、上記ステップS241~S251の処理が繰り返され、表示制御部94は入力可能候補領域960及び施錠アイコン970を表示させると共に、表示制御部14は入力可能候補領域160を表示させる。
【0115】
(入力可能領域への変更処理)
続いて、
図19及び
図20を用い、説明者端末9から店舗端末1に対して、入力可能候補領域から入力可能領域に変更する処理を説明する。なお、入力可能候補領域は入力できない状態の領域であり、入力可能領域は入力できる状態の領域である。
図19は、入力可能候補領域から入力可能領域への変更処理を示したシーケンス図である。
図20において、(A)は説明者端末側の表示画像を示す図、(B)は店舗端末側の表示画像を示す図である。
【0116】
まず、説明者Eが電子ペン90で
図18(A)に示されている施錠アイコン950を押下すると、受付部92は入力可能候補領域940に対する入力許可の受け付けを行う(S261)。これにより、表示制御部94が、施錠アイコン950から
図20(A)に示されているような解錠アイコン951に表示変更させると共に、入力可能候補領域940から
図20(A)に示されているような入力可能領域941に変更表示させることで、入力許可の表示を行う(S262)。ここでは、入力可能領域941の外縁が実線によって表されているが、破線であってもよく、又は領域内が周囲と異なる色で表示されてもよい。但し、施錠アイコン950,970や、解錠アイコン951を表示させない場合、入力可能候補領域940,960と、入力可能領域941の区別がつかなくなるため、
図20(A)で示されているように、入力可能候補領域960を破線で表し、入力可能領域941を実線で表すなどの表示形態の区別をすることが望ましい。このように、入力可能候補領域940と入力可能領域941は、形状及び色の少なくとも一方が異なることが望ましい。なお、入力可能候補領域940が第1の表示形態の一例であり、入力可能領域941が第2の表示形態の一例である。
【0117】
次に、記憶・読出処理部99は、ストローク情報管理DB9001において、表示変更された解錠アイコン951に対応するレコードの「入力可否」欄を「否」から「可」に変更する(S263)。
【0118】
次に、説明者端末9の送受信部91は、通信管理装置5に対して、上記ステップS263で変更した内容(「可」)を示す変更情報を送信する(S264)。この変更情報には、ステップS263で変更されたレコードの接続IDが含まれている。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、変更情報を受信する。
【0119】
次に、通信管理装置5では、上記ステップS263の処理と同様に、記憶・読出処理部59が、ストローク情報管理DB5006において、表示変更された解錠アイコン951(即ち、ステップS264で受信された接続ID)に対応するレコードの「入力可否」欄を「否」から「可」に変更する(S265)。そして、送受信部51は、店舗端末1に対して、上記ステップS264で受信した変更情報を送信(転送)する(S266)。これにより、店舗端末1の送受信部11は、変更情報を受信する。
【0120】
次に、店舗端末1では、上記ステップS263,S265の処理と同様に、記憶・読出処理部19が、ストローク情報管理DB1001において、表示変更された解錠アイコン951(即ち、ステップS266で受信された接続ID)に対応するレコードの「入力可否」欄を「否」から「可」に変更する(S267)。そして、受付部12は、特定領域としての入力可能候補領域140に対する電子ペン10の入力を受け付けることを可能にする(S268)。この場合、受付部12は、入力可能部としての役割を果たす。また、表示制御部14は、
図18(B)に示されている入力可能候補領域140から
図20(B)に示されているような入力可能領域141に変更表示させることで、入力許可の表示を行う(S268)。この際、説明者Eは、念のために、映像通話によって入力可能領域141に対して入力することが可能な状態になった旨を伝えてもよい。ここでも、入力可能領域141の外縁が実線によって表されているが、破線であってもよく、又は領域内が周囲と異なる色で表示されてもよい。但し、入力可能候補領域140,160と、入力可能領域141の区別がつかなくなるため、
図20(B)で示されているように、入力可能領域141を実線で表し、入力可能候補領域160を破線で表すなどの表示形態の区別をすることが望ましい。このように、入力可能領域141と入力可能候補領域160は、形状及び色の少なくとも一方が異なることが望ましい。なお、入力可能候補領域140が第1の表示形態の一例であり、入力可能領域141が第2の表示形態の一例である。
【0121】
以上により、顧客Cは、入力可能領域141に対して、電子ペン10により自分の氏名を入力することが可能になった状態を把握することができる。
【0122】
(入力内容の共有処理)
続いて、
図21及び
図22を用い、店舗端末1から説明者端末9に対して、入力内容を共有する処理を説明する。
図21は、入力内容の共有処理を示したシーケンス図である。
図22において、(A)は説明者端末側の表示画像を示す図、(B)は店舗端末側の表示画像を示す図である。
【0123】
まず、顧客Cが
図22(B)に示されているように、電子ペン10を用いて、入力可能領域141内に所望の情報(ここでは、顧客Cの氏名)を入力すると、受付部12は入力内容の受け付けを行う(S281)。これにより、表示制御部14が、
図22(B)に示されているように、入力可能領域141内に、入力内容を表示させる(S282)。そして、算出部18が、入力可能領域141に入力されたストロークのストローク座標を算出する(S283)。そして、記憶・読出処理部19が、ストローク情報管理DB1001(
図5(C)参照)に、ストローク座標を含むストローク情報を新たな一レコードとして記憶する(S284)。このステップS284で記憶されたストローク情報には、
図5(C)に示されているように、ストロークデータID、接続ID、画像ID、ストローク座標、ストロークの色、ストロークの幅、及び閉領域化の有無が含まれる。この場合も、記憶・読出処理部19は、新たにストロークIDを生成する。なお、店舗端末1側で入力された場合、ストローク情報には入力可否が含まれない。
【0124】
次に、送受信部11は、通信管理装置5に対して、ステップS284で記憶されたストローク情報を送信する(S285)。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、ストローク情報を受信する。そして、通信管理装置5の記憶・読出処理部59は、ストローク情報管理DB5006に、ステップS285で受信したストローク情報を新たな一レコードして記憶する(S286)。
【0125】
次に、通信管理装置5の送受信部51が、説明者端末9に対して、ステップS285で受信したストローク情報を送信(転送)する(S287)。これにより、説明者端末9の送受信部91が、ストローク情報を受信する。
【0126】
次に、説明者端末9では、記憶・読出処理部99が、ストローク情報管理DB9001に、ステップS287で受信したストローク情報を新たな一レコードして記憶する(288)。そして、
図17(B)に示されているように、表示制御部14は、ステップS250で受信したストローク情報に基づいて、ディスプレイ906の入力画面900上において、店舗端末1側と同じ位置に、店舗端末1側の入力内容(ここでは、氏名)に対応する入力情報を表示させる(S289)。この場合、表示制御部94は、入力画面100上に入力された入力内容を、ストローク情報によって入力画面900上における同じ位置に同じ色及び同じ幅で表示する。また、上記ステップS284,S286,S287の処理によって、店舗端末1、通信管理装置5、及び説明者端末9の3カ所で、同じストローク情報を共有することができる。
【0127】
以上により、店舗端末1側で入力及び表示された入力内容は、説明者端末9側でも同じ形態で表示される。
【0128】
〔本実施形態の主な効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、表示された所定領域の全体に対する入力が可能な入力可能モードから、所定領域の全体に対する入力が不可能な入力不可モードに変更することで、顧客Cが勝手に入力することを防止する。更に、この入力不可モードにおいて、所定領域のうちの特定領域に対する入力を可能にすることで、遠隔(リモート)による映像通話の場合であっても、顧客Cは説明者Eによる所望の特定領域を把握することができる。これにより、説明者Eと顧客Cとの話し合いの時間が長くなってしまうことを抑制することができるという効果を奏する。なお、この場合の「所定領域の全体」は、入力画面100の全体であってもよいし、入力画面100上の一部に表示された資料画像の全体であってもよい。
【0129】
〔補足〕
なお、店舗端末1は、通信端末の一例である。店舗端末1には、PCだけでなく、スマートウォッチ、ゲーム機、映像通話専用機なども含まれる。説明者端末は、他の通信端末の一例である。
【0130】
各CPU101,301,501,901等の各構成要素は、単一であってもよく複数であってもよい。
【0131】
また、上述の実施形態における各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本実施形態における「処理回路」は、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上述した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU、及び従来の回路モジュール等のデバイスを含む。
【符号の説明】
【0132】
1 店舗端末(通信端末の一例)
3 中継装置
5 通信管理装置
9 説明者端末(他の通信端末の一例)
11 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
12 受付部(入力可能手段の一例)
13 通信制御部
14 表示制御部(表示制御手段の一例)
15 判断部
16 双方向入力部
17 モード変更部(モード変更手段の一例)
18 算出部
100 通信ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0133】