(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】データ制御装置、データ制御システム、データ制御方法およびデータ制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 9/50 20060101AFI20241029BHJP
G06F 13/10 20060101ALI20241029BHJP
G06F 3/06 20060101ALI20241029BHJP
G06F 1/3221 20190101ALI20241029BHJP
G06F 1/3234 20190101ALI20241029BHJP
【FI】
G06F9/50 150D
G06F13/10 310B
G06F3/06 304N
G06F1/3221
G06F1/3234
(21)【出願番号】P 2020202355
(22)【出願日】2020-12-07
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】山科 真文
【審査官】坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-092951(JP,A)
【文献】特開2013-210744(JP,A)
【文献】特開2019-164857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/50
G06F 13/10
G06F 3/06
G06F 1/3221
G06F 1/3234
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記憶装置のうち、いずれかの前記記憶装置へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、前記データの書き込みにより前記記憶装置が発する熱の大きさを表す第1の発熱量と、書き込まれた前記データの読み出しにより、前記データの書き込みから所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発すると予測される熱の大きさを表す第2の発熱量とに基づいて、前記所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発する熱の冷却に用いられる電力量である予測電力量を前記記憶装置ごとに算出する算出部と、
前記予測電力量に基づいて、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置を特定する特定部と、
特定された前記記憶装置に、前記記憶装置の記憶部への前記データの書き込みを実行させる制御部と、
を備えるデータ制御装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置として、前記予測電力量が最も小さい前記記憶装置を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ制御装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記データの書き込みにより前記記憶装置が消費する電力の大きさを表す第1の電力量と、書き込まれた前記データの読み出しにより、前記所定期間において前記記憶装置が消費すると予測される電力の大きさを表す第2の電力量とをさらに算出し、
前記特定部は、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置として、前記第1の電力量、前記第2の電力量、および前記予測電力量の和が最も小さい前記記憶装置を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ制御装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記データのデータ量に基づいて、前記第1の発熱量を算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のデータ制御装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記所定期間が経過するまでの、前記データの読み出し回数の予測値を示す情報である回数情報に基づいて、前記第2の発熱量を算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデータ制御装置。
【請求項6】
前記算出部は、前記記憶装置が設置された位置および前記記憶装置を冷却する冷却設備の性能に基づいて前記予測電力量を算出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のデータ制御装置。
【請求項7】
前記記憶装置は、テープドライブまたはハードディスクドライブである
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のデータ制御装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のデータ制御装置と、
複数の前記記憶装置と、
を備えるデータ制御システム。
【請求項9】
複数の記憶装置のうち、いずれかの前記記憶装置へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、前記データの書き込みにより前記記憶装置が発する熱の大きさを表す第1の発熱量と、書き込まれた前記データの読み出しにより、前記データの書き込みから所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発すると予測される熱の大きさを表す第2の発熱量とに基づいて、前記所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発する熱の冷却に用いられる電力量である予測電力量を前記記憶装置ごとに算出し、
前記予測電力量に基づいて、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置を特定し、
特定された前記記憶装置に、前記記憶装置の記憶部への前記データの書き込みを実行させる、
データ制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
複数の記憶装置のうち、いずれかの前記記憶装置へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、前記データの書き込みにより前記記憶装置が発する熱の大きさを表す第1の発熱量と、書き込まれた前記データの読み出しにより、前記データの書き込みから所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発すると予測される熱の大きさを表す第2の発熱量とに基づいて、前記所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発する熱の冷却に用いられる電力量である予測電力量を前記記憶装置ごとに算出する算出機能と、
前記予測電力量に基づいて、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置を特定する特定機能と、
特定された前記記憶装置に、前記記憶装置の記憶部への前記データの書き込みを実行させる制御機能と、
を実現させるデータ制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ制御装置、データ制御システム、データ制御方法およびデータ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定のサーバ装置が記憶装置にデータを記憶させる場合に、データの書き込み先である記憶装置が複数存在する場合がある。特許文献1には、このようなシステムにおける、システム全体で消費される電力を低減するための方法が記載されている。特許文献1に記載の方法では、管理サーバ装置、空調装置、および記憶装置を含むシステムについて、管理サーバ装置が、複数の記憶装置のうち、ある記憶装置の稼働量が上限値を超えた場合に、記憶装置に格納されているデータを他の記憶装置に移動させる。具体的には、管理サーバ装置が、複数の記憶装置に対し、稼働量の割り当ての組み合わせを複数算出し、組み合わせのそれぞれについて各記憶装置から発される熱の大きさである発熱量を推定する。さらに、管理サーバ装置が、推定した発熱量に基づいて、それぞれの記憶装置から伝わる熱量を冷却するために空調装置が消費する電力を算出し、空調装置が消費する電力が最も小さい稼働量の割り当ての組み合わせを選択する。また、管理サーバ装置が、選択した稼働量の割り当ての組み合わせに基づいて、ある記憶装置に記憶されているデータを、移動後の記憶装置全体で消費する電力を削減することができる記憶装置に移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の方法では、いずれかの記憶装置の稼働量が、記憶装置ごとに設定されている稼働量の上限値を超えるまで、管理サーバ装置は、記憶装置に記憶されているデータを移動させない。また、データを移動させるために記憶装置や管理サーバ装置が電力を消費しなければ、空調装置および記憶装置が消費する電力を減らすことができない。このように、特許文献1に記載の方法には、記憶装置に対するデータの読み書きにより消費される電力を減らすことができないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、記憶装置に対するデータの読み書きにより消費される電力を減らすことを可能にするデータ制御装置、システム、方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様において、データ制御装置は、複数の記憶装置のうち、いずれかの記憶装置へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、データの書き込みにより記憶装置が発する熱の大きさを表す第1の発熱量と、書き込まれたデータの読み出しにより、データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置が発すると予測される熱の大きさを表す第2の発熱量とに基づいて、所定期間が経過するまでに記憶装置が発する熱の冷却に用いられる電力量である予測電力量を記憶装置ごとに算出する算出部と、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置を特定する特定部と、特定された記憶装置に、記憶装置の記憶部へのデータの書き込みを実行させる制御部と、を備える。
【0007】
また、本発明の他の態様において、データ制御方法は、複数の記憶装置のうち、いずれかの記憶装置へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、データの書き込みにより記憶装置が発する熱の大きさを表す第1の発熱量と、書き込まれたデータの読み出しにより、データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置が発すると予測される熱の大きさを表す第2の発熱量とに基づいて、所定期間が経過するまでに記憶装置が発する熱の冷却に用いられる電力量である予測電力量を記憶装置ごとに算出し、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置を特定し、特定された記憶装置に、記憶装置の記憶部へのデータの書き込みを実行させる。
【0008】
また、本発明の他の態様において、データ制御プログラムは、コンピュータに、複数の記憶装置のうち、いずれかの記憶装置へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、データの書き込みにより記憶装置が発する熱の大きさを表す第1の発熱量と、書き込まれたデータの読み出しにより、データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置が発すると予測される熱の大きさを表す第2の発熱量とに基づいて、所定期間が経過するまでに記憶装置が発する熱の冷却に用いられる電力量である予測電力量を記憶装置ごとに算出する算出機能と、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置を特定する特定機能と、特定された記憶装置に、記憶装置の記憶部へのデータの書き込みを実行させる制御機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のデータ制御装置、システム、方法およびプログラムにより、記憶装置に対するデータの読み書きにより消費される電力を減らすことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第一の実施形態のデータ制御装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態のデータ制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の第二の実施形態のデータ制御システムの構成例を示す図である。
【
図4】本発明の第二の実施形態のデータ制御システムの構成例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第二の実施形態のデータ制御システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図6】本発明の第二の実施形態のデータ制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の各実施形態のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態のデータ制御装置1の構成例を示すブロック図である。本実施形態のデータ制御装置1は、算出部11と、特定部12と、制御部13とを含む。
【0013】
算出部11は、複数の記憶装置のうち、いずれかの記憶装置(図示せず)へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、第1の発熱量と第2の発熱量とに基づいて予測電力量を記憶装置ごとに算出する。第1の発熱量は、データの書き込みにより記憶装置が発する熱の大きさを表す。また、第2の発熱量は、書き込まれたデータの読み出しにより、当該データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置が発すると予測される熱の大きさを表す。予測電力量は、データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置が発する熱の冷却に用いられる電力量である。
【0014】
特定部12は、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置を特定する。
【0015】
制御部13は、特定された記憶装置に、記憶装置の記憶部へのデータの書き込みを実行させる。
【0016】
このように、データ制御装置1は、複数の記憶装置のうち、いずれかの記憶装置へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、第1の発熱量と第2の発熱量とに基づいて予測電力量を記憶装置ごとに算出する。また、データ制御装置1は、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置を特定し、特定された記憶装置に、記憶装置の記憶部へのデータの書き込みを実行させる。このように、データ制御装置1は、予測電力量を記憶装置ごとに算出し、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置を特定し、特定された記憶装置に、記憶装置の記憶部へのデータの書き込みを実行させる。これにより、データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置が発する熱の冷却に用いられる予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置を特定することが可能になる。このため、予測電力量がより小さい記憶装置に、データの書き込みを実行させることにより、記憶装置に対するデータの読み書きにより消費される電力を減らすことが可能になる。
【0017】
次に、
図2を参照して、本実施形態のデータ制御装置1の動作例を説明する。
図2は、データ制御装置1の動作例を示すフローチャートである。
【0018】
算出部11は、複数の記憶装置のうち、いずれかの記憶装置へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、第1の発熱量と第2の発熱量とに基づいて予測電力量を記憶装置ごとに算出する(ステップS101)。第1の発熱量は、データの書き込みにより記憶装置が発する熱の大きさを表す。また、第2の発熱量は、書き込まれたデータの読み出しにより、当該データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置が発すると予測される熱の大きさを表す。予測電力量は、データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置が発する熱の冷却に用いられる電力量である。
【0019】
特定部12は、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置を特定する(ステップS102)。
【0020】
制御部13は、特定された記憶装置に、記憶装置の記憶部へのデータの書き込みを実行させる(ステップS103)。
【0021】
このように、データ制御装置1は、予測電力量を記憶装置ごとに算出し、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置を特定し、特定された記憶装置に、記憶装置の記憶部へのデータの書き込みを実行させる。これにより、データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置が発する熱の冷却に用いられる予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置を特定することが可能になる。このため、予測電力量がより小さい記憶装置に、データの書き込みを実行させることにより、記憶装置に対するデータの読み書きにより消費される電力を減らすことが可能になる。
【0022】
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施の形態におけるデータ制御装置2について具体的に説明する。第二の実施形態のデータ制御装置2は、第1の電力量と第2の電力量とを算出する点で、第一の実施形態のデータ制御装置1と異なる。第1の電力量および第2の電力量の詳細については、後述する。
【0023】
図3および
図4を参照して、本実施形態のデータ制御システムの構成例を説明する。
図3は、本実施形態のデータ制御システムの構成例を示す図である。
図4は、本実施形態のデータ制御システムの構成例を示すブロック図である。
【0024】
図3に示すように、本実施形態のデータ制御システムは、データ制御装置2と、記憶装置3-1,3-2,3-3,・・・,3-n(nは2以上の整数)とを含む。以降、記憶装置3-1,3-2,3-3,・・・,3-nの各々を、「記憶装置3」という。データ制御システムには、複数の記憶装置3が含まれる。データ制御システムに含まれる記憶装置の数は、2以上の複数の任意である。また、記憶装置3は、たとえば、データセンターに設置されている。データ制御システムは、所定のデータセンターに設置されているすべての記憶装置3を含んでもよい。所定のデータセンターに設置されているデータ制御装置2が、当該データセンターに設置されているすべての記憶装置3を制御してもよい。
【0025】
また、データ制御システムに含まれるデータ制御装置の数は、1つまたは2以上の複数の任意である。複数のデータ制御装置2がデータ制御システムに含まれる場合、それぞれのデータ制御装置2は、当該データ制御装置2に予め対応付けられている記憶装置3の中から、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定する。そして、データ制御装置2は、対応付けられている記憶装置3のうち、特定した記憶装置3にデータの書き込みを実行させる。また、データ制御装置2は、対応付けられている記憶装置3が設置されているデータセンターに設置されてもよい。なお、データ制御装置2は、物理サーバであってもよいし、仮想サーバであってもよい。
【0026】
たとえば、データ制御システムは、バックアップ機能およびリストア機能を備えるバックアップシステムである。バックアップ機能は、所定のデータの複製であるバックアップデータを記憶装置3に記憶させる機能である。また、リストア機能は、記憶装置3の記憶部32に記憶されているバックアップデータを記憶装置3に読み出させる機能である。たとえば、データ制御システムは、ファイル単位でバックアップを行うシステムであってもよい。データ制御システムがファイル単位でバックアップを行うシステムである場合、データ制御装置2が、記憶装置3に記憶装置3の記憶部32への書き込みを実行させるデータは、ファイル形式のバックアップデータである。
【0027】
次に、
図4を参照して、本実施形態のデータ制御装置2の構成について詳細に説明する。データ制御装置2は、算出部22と、特定部23と、制御部24とを含む。また、入出力部21は、算出部22と制御部24とに接続される。また、記憶部25は、算出部22に接続される。
【0028】
入出力部21は、算出部22と制御部24とに接続される。入出力部21は、複数の記憶装置3のうち、いずれかの記憶装置3へのデータの書き込みを指示する書き込み指示情報と、データとを、データ制御システムの外部から受信する。本実施形態の書き込み指示情報は、データの制御に用いられる情報であるデータ情報を含む。
【0029】
データ情報には、受信したデータのデータ識別情報、当該データのデータ量を示すサイズ情報、当該データの書き込み先を示す書き込み先情報、および回数情報が含まれる。データ識別情報は、データの各々を識別可能な情報である。たとえば、データ識別情報は、データの各々に予め設定された識別子である。回数情報は、データの書き込みから所定期間が経過するまでの、当該データの読み出し回数の予測値を示す情報である。
【0030】
データの書き込みから所定期間が経過するまでに当該データが読み出される頻度が、過去のある期間においてデータが読み出された頻度から変化しないとして、後述する算出部22は、予測電力量と、第1の電力量と、第2の電力量とを算出してもよい。この場合、回数情報が示す回数は、過去の所定の期間においてデータが読み出された頻度に基づいて算出された回数である。また、回数情報が示す回数は、過去の所定の期間のデータの読み出し回数であってもよい。
【0031】
また、後述する算出部22が、統計的な方法でデータの読み出し回数を予測し、回数情報を生成してもよい。算出部22が回数情報を生成する場合、データ情報には、回数情報ではなく、過去の所定の期間のデータの読み出しの傾向を示す情報が含まれている。また、算出部22が統計的な方法でデータの読み出し回数を予測する場合、回数情報は、統計的な方法で予測された、データの読み出し回数の予測値を示す情報である。算出部22は、データ情報に含まれる、データの読み出しの傾向を示す情報に基づいて、統計的な方法でデータの読み出し回数を予測し、回数情報を生成する。読み出しの傾向を示す情報は、たとえば、データ制御システムの外部の所定の装置によってデータが読み出された場合の、読み出しの履歴を示す情報である。また、たとえば、所定の装置が、統計的な方法でデータの読み出し回数を予測して回数情報を生成し、生成された回数情報を含むデータ情報と、データとを関連付けてデータ制御装置2に出力してもよい。
【0032】
また、本実施形態の書き込み先情報は、データを書き込むことができる記憶装置3の識別情報である記憶装置識別情報である。記憶装置識別情報は、記憶装置3の各々を識別可能な情報である。たとえば、記憶装置識別情報は、記憶装置3の各々に予め設定された識別子である。なお、書き込み先情報は、データを書き込むことができる記憶装置3に対応付けられたデータ制御装置2の識別情報であるデータ制御装置識別情報であってもよい。データ制御装置識別情報は、データ制御装置2の各々を識別可能な情報である。たとえば、データ制御装置識別情報は、データ制御装置2の各々に予め設定された識別子である。たとえば、書き込み先情報としてデータ制御装置識別情報が用いられる場合、データ制御装置識別情報が示すデータ制御装置2は、対応付けられている記憶装置3の中から、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定する。
【0033】
入出力部21は、書き込み指示情報を受信した場合に、受信した書き込み指示情報に含まれるデータ情報を算出部22に出力する。また、入出力部21は、受信したデータと、データ情報に含まれるデータ識別情報とを関連付けて制御部24に出力する。
【0034】
また、入出力部21は、データ制御システムの外部から、複数の記憶装置3のうち、いずれかの記憶装置3に記憶されているデータの読み出しを指示する読み出し指示情報を受信する。読み出し指示情報には、読み出されるデータを示すデータ識別情報が含まれる。データ制御装置2の制御情報記憶部(図示せず)には、記憶装置3に記憶されているデータのデータ識別情報と、当該データ識別情報が示すデータを記憶している記憶装置3の記憶装置識別情報とが対応付けられて記憶されている。また、データ制御装置2の制御情報記憶部には、当該データ制御装置2に対応付けられている、当該データ制御装置2が制御する記憶装置3の記憶装置識別情報のリストが記憶されている。入出力部21は、受信した読み出し指示情報に含まれるデータ識別情報が示すデータを記憶している記憶装置3を特定する。さらに、入出力部21は、特定した記憶装置3に対し、読み出しを指示されているデータの読み出しの実行を要求する。具体的には、入出力部21は、読み出しを指示されているデータのデータ識別情報を、特定した記憶装置3に出力する。また、入出力部21は、読み出されたデータを記憶装置3から受信する。入出力部21は、読み出し指示情報をデータ制御装置2に出力した、データ制御システムの外部の装置(図示せず)に、記憶装置3から受信したデータを出力する。なお、読み出し指示情報に、読み出されるデータの出力先の装置を示す出力先情報が含まれている場合、入出力部21は、出力先情報が示す出力先の装置(図示せず)に、記憶装置3から受信したデータを出力する。
【0035】
データ制御システムがバックアップシステムである場合、データの読み出しを記憶装置3にデータ制御装置2が実行させ、記憶装置3に読み出させたデータを所定の装置にデータ制御装置2が出力する処理は、リストア処理に相当する。また、後述する、記憶装置3に、記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みをデータ制御装置2が実行させる処理は、バックアップ処理に相当する。
【0036】
算出部22には、データ情報が入出力部21から入力される。算出部22は、制御情報記憶部に記憶されている記憶装置識別情報のリストから、データ情報に含まれる書き込み先情報が示す記憶装置3の記憶装置識別情報を抽出する。さらに、算出部22は、記憶装置識別情報が抽出された記憶装置3のそれぞれについて、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量を算出する。なお、算出部22は、第1の発熱量と第2の発熱量とに基づいて予測電力量を算出する。
【0037】
第1の電力量は、データの書き込みにより記憶装置3が消費する電力の大きさを表す。第2の電力量は、書き込まれたデータの読み出しにより、データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置3が消費すると予測される電力の大きさを表す。
【0038】
また、第1の発熱量は、データの書き込みにより記憶装置3が発する熱の大きさを表す。また、第2の発熱量は、書き込まれたデータの読み出しにより、当該データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置3が発すると予測される熱の大きさを表す。予測電力量は、データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置3が発する熱の冷却に用いられる電力量である。
【0039】
ここで、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量を算出部22が算出する処理について具体的に説明する。最初に、第1の電力量、第1の発熱量、第2の電力量、および第2の発熱量を算出部22が算出する処理を説明する。次に、第1の発熱量と第2の発熱量とに基づいて予測電力量を算出部22が算出する処理を説明する。
【0040】
まず、書き込み先情報が示す記憶装置3のうち、ある記憶装置3(以下、算出対象の記憶装置3という)について、第1の電力量、第1の発熱量、第2の電力量、および第2の発熱量を算出部22が算出する場合を例に説明する。
【0041】
なお、算出部22は、第1の電力量、第1の発熱量、第2の電力量、および第2の発熱量を任意の順序で算出する。また、第1の電力量、第1の発熱量、第2の電力量、および第2の発熱量を算出する方法には、以下に説明する方法以外にも、任意の方法を使用することができる。
【0042】
まず、第1の電力量、第1の発熱量、第2の電力量、および第2の発熱量を算出部22が算出する処理に共通の処理について説明し、その後、それぞれの場合に特有の処理を説明する。
【0043】
最初に、第1の電力量、第1の発熱量、第2の電力量、および第2の発熱量を算出部22が算出する処理に共通の処理について説明する。
【0044】
算出部22は、算出対象の記憶装置3の記憶装置識別情報に対応付けられている記憶装置関連情報を、記憶部25から読み出す。記憶部25には、記憶装置3に対するデータの読み書きに関する特性を示す記憶装置関連情報が記憶されている。記憶装置関連情報には、以下の7つの情報が含まれる。
・単位時間あたりの、記憶装置3の記憶部32に書き込まれるデータのデータ量を示す情報
・単位時間あたりの、データの書き込みにより記憶装置3が消費する電力の電力量を示す情報
・単位時間あたりの、データの書き込みにより記憶装置3が発する熱の発熱量を示す情報
・単位時間あたりの、記憶装置3の記憶部32から読み出されるデータのデータ量を示す情報
・単位時間あたりの、データの読み出しにより記憶装置3が消費する電力の電力量を示す情報
・単位時間あたりの、データの読み出しにより記憶装置3が発する熱の発熱量を示す情報
・単位発熱量当たりの冷却にかかる電力量を示す情報
【0045】
次に、第1の電力量、第1の発熱量、第2の電力量、および第2の発熱量を算出部22が算出する処理のそれぞれに特有の処理を説明する。
【0046】
(A)第1の電力量を算出する処理
算出部22は、算出対象の記憶装置3について、算出対象の記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みにかかる時間を算出する。算出部22は、たとえば、次の(1)の式を用いる。なお、単位時間あたりの、記憶装置3の記憶部32に書き込まれるデータのデータ量を示す情報は、記憶装置3のデータの書き込み速度を示す情報である。また、書き込みにかかる時間の算出には、書き込まれるデータのデータ情報に含まれるサイズ情報が示すデータ量が用いられる。
<書き込みにかかる時間>=<サイズ情報が示すデータ量>÷<単位時間あたりの、記憶装置3の記憶部32に書き込まれるデータのデータ量>・・・(1)
【0047】
さらに、算出部22は、算出対象の記憶装置3について、算出した、書き込みにかかる時間を用いて、第1の電力量を算出する。算出部22は、たとえば、次の(2)の式を用いる。
<第1の電力量>=<書き込みにかかる時間>×<単位時間あたりの、データの書き込みにより記憶装置3が消費する電力の電力量>・・・(2)
【0048】
(B)第1の発熱量を算出する処理
算出部22は、算出対象の記憶装置3について、算出対象の記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みにかかる時間を、(1)の式を用いて算出する。さらに、算出部22は、算出対象の記憶装置3について、算出した、書き込みにかかる時間を用いて、第1の発熱量を算出する。算出部22は、たとえば、次の(3)の式を用いる。
<第1の発熱量>=<書き込みにかかる時間>×<単位時間あたりの、データの書き込みにより記憶装置3が発する熱の発熱量>・・・(3)
【0049】
(C)第2の電力量を算出する処理
算出部22は、算出対象の記憶装置3について、算出対象の記憶装置3の記憶部32からのデータの読み出しにかかる時間を算出する。算出部22は、たとえば、次の(4)の式を用いる。なお、単位時間あたりの、記憶装置3の記憶部32から読み出されるデータのデータ量を示す情報は、記憶装置3のデータの読み出し速度を示す情報である。また、読み出しにかかる時間の算出には、書き込まれるデータのデータ情報に含まれるサイズ情報が示すデータ量が用いられる。
<読み出しにかかる時間>=<サイズ情報が示すデータ量>÷<単位時間あたりの、記憶装置3の記憶部32から読み出されるデータのデータ量>・・・(4)
【0050】
さらに、算出部22は、算出対象の記憶装置3について、算出した、読み出しにかかる時間を用いて、第2の電力量を算出する。算出部22は、たとえば、次の(5)の式を用いる。また、第2の電力量の算出には、書き込まれるデータのデータ情報に含まれる回数情報が示す回数が用いられる。
<第2の電力量>=<読み出しにかかる時間>×<単位時間あたりの、データの読み出しにより記憶装置3が消費する電力の電力量>×<回数情報が示す回数>・・・(5)
【0051】
(D)第2の発熱量を算出する処理
算出部22は、算出対象の記憶装置3について、算出対象の記憶装置3の記憶部32からのデータの読み出しにかかる時間を、(4)の式を用いて算出する。さらに、算出部22は、算出対象の記憶装置3について、算出した、読み出しにかかる時間を用いて、第2の発熱量を算出する。算出部22は、たとえば、次の(6)の式を用いる。
<第2の発熱量>=<読み出しにかかる時間>×<単位時間あたりの、データの読み出しにより記憶装置3が発する熱の発熱量>×<回数情報が示す回数>・・・(6)
【0052】
次に、第1の発熱量と第2の発熱量とに基づいて予測電力量を算出部22が算出する処理について説明する。書き込み先情報が示す記憶装置3のうち、ある記憶装置3(以下、算出対象の記憶装置3という)の予測電力量を算出部22が算出する場合を例に説明する。
【0053】
算出部22は、算出対象の記憶装置3の単位発熱量当たりの冷却にかかる電力量を示す情報に基づいて、データの書き込みから所定期間が経過するまでに、算出対象の記憶装置3が発する熱の冷却に用いられる電力量である予測電力量を算出する。単位発熱量当たりの冷却にかかる電力量を示す情報は、前述したように記憶部25に記憶されている。算出部22は、たとえば、次の(7)の式を用いる。
<予測電力量>=<第1の発熱量>×<単位発熱量当たりの冷却にかかる電力量>+<第2の発熱量>×<単位発熱量当たりの冷却にかかる電力量>・・・(7)
【0054】
ここで、単位発熱量当たりの冷却にかかる電力量は、たとえば、データ制御システムに含まれる記憶装置3が設置されているデータセンターの冷却設備が消費する電力量である。冷却設備は、たとえば、データセンターに設置された空調設備である。本実施形態では、単位発熱量当たりの冷却にかかる電力量の値は、それぞれの記憶装置3が設置された位置、および記憶装置3を冷却する冷却設備の性能に基づいて、記憶装置3ごとに予め設定されている。また、データセンター内または外の、気温、湿度、および時間帯のいずれか少なくとも一つ以上の条件に基づいて、算出部22は、単位発熱量当たりの冷却にかかる電力量の値を変更してもよい。
【0055】
算出部22は、書き込み先情報が示す記憶装置3の各々について、前述の第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量を算出する。算出部22は、算出した第1の電力量と、第2の電力量と、予測電力量と、予測電力量の算出対象の記憶装置3の記憶装置識別情報と、予測電力量の算出対象のデータのデータ識別情報とを関連付けて特定部23に出力する。なお、算出部22は、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量の和を予測総消費電力量として、予測電力量の算出対象の記憶装置3の記憶装置識別情報、および予測電力量の算出対象のデータのデータ識別情報と関連付けて特定部23に出力してもよい。予測総消費電力量は、記憶装置3のデータの読み書きにより消費されると予測される電力量を示す。
【0056】
なお、算出部22は、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量の算出によりデータ制御装置2が消費する電力量と、データ制御装置2が発する発熱量とを算出してもよい。また、算出部22は、データ制御装置2と書き込みを実行させる記憶装置3との通信により消費される電力量を算出してもよい。後述する特定部23は、第1の電力量、第2の電力量、予測電力量の他に、データ制御装置2の電力量、発熱量、および通信により消費される電力量の少なくともいずれか1つに基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定してもよい。
【0057】
記憶部25は、算出部22に接続される。記憶部25には、データ制御システムに含まれる記憶装置3の記憶装置識別情報に対応付けられて、記憶装置関連情報が記憶されている。
【0058】
なお、記憶部25に記憶されている記憶装置関連情報は、対応する記憶装置3の関連情報記憶部(図示せず)に記憶されていてもよい。各記憶装置3の関連情報記憶部に記憶装置関連情報が記憶されている場合、データ制御装置2の算出部22は、書き込み先情報が示す記憶装置3に記憶装置関連情報の出力を要求する。さらに、データ制御装置2の算出部22は、各記憶装置3から受信した記憶装置関連情報に基づいて、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量を算出する。
【0059】
特定部23には、第1の電力量と、第2の電力量と、予測電力量と、予測電力量が算出された算出対象の記憶装置3の記憶装置識別情報と、予測電力量が算出された算出対象のデータのデータ識別情報とが算出部22から入力される。特定部23は、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定する。本実施形態の特定部23は、データの書き込みを実行させる記憶装置3として、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量の和が最も小さい記憶装置3を特定する。特定部23は、データの書き込みを実行させる記憶装置3として特定した記憶装置3の記憶装置識別情報と、当該記憶装置3に書き込まれるデータのデータ識別情報とを制御部24に出力する。
【0060】
なお、特定部23は、データの書き込みを実行させる記憶装置3として、予測電力量が最も小さい記憶装置3を特定してもよい。また、特定部23は、データの書き込みを実行させる記憶装置3として、第1の発熱量および第2の発熱量の和、または第1の電力量および第2の電力量の和が最も小さい記憶装置3を特定してもよい。
【0061】
制御部24には、データと、当該データのデータ識別情報とが入出力部21から入力される。また、制御部24には、データの書き込みを実行させる記憶装置3として特定された記憶装置3の記憶装置識別情報と、当該記憶装置3に書き込まれるデータのデータ識別情報とが特定部23から入力される。制御部24は、特定された記憶装置3に、記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みを実行させる。本実施形態の制御部24は、特定された記憶装置3に、書き込ませるデータと、書き込ませるデータのデータ識別情報とを関連付けて出力する。また、制御部24は、記憶装置3に出力されたデータのデータ識別情報と、当該データの出力先の記憶装置3の記憶装置識別情報とを対応付けてデータ制御装置2の制御情報記憶部に記憶させる。
【0062】
次に、
図4を参照して、本実施形態の記憶装置3の構成について詳細に説明する。記憶装置3は、入出力部31と記憶部32とを含む。
【0063】
記憶装置3は、データの書き込みと、データの読み出しとを行う記録媒体である。記憶装置3は、たとえば、前述したようにデータセンターに設置されている。また、記憶装置3は、たとえば、有線通信または無線通信によりデータ制御装置2と通信を行うテープドライブまたはハードディスクドライブである。記憶装置3は、ネットワークインタフェースを備える。データ制御システムに含まれる記憶装置3は、1種類の記録媒体によって構成されていてもよいし、複数種類の記録媒体によって構成されていてもよい。記憶装置3としてテープドライブを用いる場合、ハードディスクドライブに比べると消費する電力が少ない。
【0064】
入出力部31は、データと、データのデータ識別情報とをデータ制御装置2の制御部24から受信する。入出力部31は、データと、データのデータ識別情報とを受信した場合に、記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みを実行する。入出力部31は、データが書き込まれた記憶部32の領域を示す情報と、書き込まれたデータのデータ識別情報とを対応付けて記憶装置3の領域情報記憶部(図示せず)に記憶させる。
【0065】
また、入出力部31は、読み出しを指示されているデータのデータ識別情報を、データ制御装置2の入出力部21から受信する。記憶装置3の入出力部31は、受信したデータ識別情報に基づいて、読み出しを指示されているデータが書き込まれている記憶部32の領域を特定する。入出力部31は、記憶部32からデータを読み出し、読み出したデータをデータ制御装置2に出力する。
【0066】
記憶部32には、データが記憶される。記憶部32に記憶されているデータは、たとえばバックアップデータである。
【0067】
このように、データ制御装置2は、複数の記憶装置3のうち、いずれかの記憶装置3へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、第1の発熱量と第2の発熱量とに基づいて予測電力量を記憶装置3ごとに算出する。また、データ制御装置2は、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定し、特定された記憶装置3に、記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みを実行させる。このように、データ制御装置2は、予測電力量を記憶装置3ごとに算出し、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定し、特定された記憶装置3に、記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みを実行させる。これにより、データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置3が発する熱の冷却に用いられる予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定することが可能になる。このため、予測電力量がより小さい記憶装置3に、データの書き込みを実行させることにより、記憶装置3に対するデータの読み書きにより消費される電力を減らすことが可能になる。
【0068】
また、上述のように、本実施形態のデータ制御装置2は、データの書き込みを実行させる記憶装置3として、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量の和が最も小さい記憶装置3を特定する。さらに、データ制御装置2は、特定された記憶装置3に、記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みを実行させる。これにより、記憶装置3に対するデータの読み書きによって記憶装置3と冷却設備とが消費する電力を減らすことが可能になる。また、記憶装置3と冷却設備とが設置されたデータセンター内で消費される電力を減らすことが可能になる。
【0069】
また、本実施形態のデータ制御システムは、記憶装置関連情報が記憶装置3の関連情報記憶部に予め記憶されている場合、データ制御システムに記憶装置3を容易に追加することができる。なぜならば、データ制御装置2は、データ制御システムに新たに追加された記憶装置3の記憶装置識別情報を把握すればよく、新たに追加された記憶装置3の記憶装置関連情報をデータ制御装置2の記憶部25に記憶させる必要がないためである。
【0070】
次に、
図5および
図6を参照して、本実施形態のデータ制御システムの動作例を説明する。
図5は、データ制御システムの動作例を示すシーケンス図である。
図6は、データ制御装置2の動作例を示すフローチャートである。
【0071】
まず、
図5を参照して、データの書き込みを実行させる記憶装置3をデータ制御装置2が特定し、記憶装置3の記憶部32へデータを記憶装置3が書き込む動作を説明する。
【0072】
データ制御装置2は、複数の記憶装置3のうち、いずれかの記憶装置3へのデータの書き込みを指示する書き込み指示情報と、データとを、データ制御システムの外部から受信する。データ制御装置2は、第1の発熱量と第2の発熱量とに基づいて予測電力量を記憶装置3ごとに算出する(ステップS201)。また、データ制御装置2は、第1の電力量と第2の電力量とを記憶装置3ごとに算出する。なお、データ制御装置2は、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量を任意の順序で算出する。
【0073】
データ制御装置2は、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定する(ステップS202)。データ制御装置2は、特定された記憶装置3に、データと、当該データのデータ識別情報とを関連付けて出力する(ステップS203)。また、データ制御装置2は、記憶装置3に出力されたデータのデータ識別情報と、当該データの出力先の記憶装置3の記憶装置識別情報とを対応付けてデータ制御装置2の制御情報記憶部に記憶させる。
【0074】
記憶装置3は、データと、データのデータ識別情報とを受信する。記憶装置3は、記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みを実行する(ステップS204)。記憶装置3は、データが書き込まれた記憶部32の領域を示す情報と、書き込まれたデータのデータ識別情報とを対応付けて記憶装置3の領域情報記憶部に記憶させる。
【0075】
次に、
図6を参照して、データ制御装置2の動作例を説明する。
【0076】
入出力部21は、複数の記憶装置3のうち、いずれかの記憶装置3へのデータの書き込みを指示する書き込み指示情報と、データとを、データ制御システムの外部から受信する(ステップS301)。入出力部21は、受信した書き込み指示情報に含まれるデータ情報を算出部22に出力する。また、入出力部21は、受信したデータと、データ情報に含まれるデータ識別情報とを関連付けて制御部24に出力する。
【0077】
算出部22は、制御情報記憶部に記憶されている記憶装置識別情報のリストから、データ情報に含まれる書き込み先情報が示す記憶装置3の記憶装置識別情報を抽出する。さらに、算出部22は、記憶装置識別情報が抽出された記憶装置3のそれぞれについて、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量を算出する。具体的には、算出部22は次のS302およびS303の動作を行う。
【0078】
算出部22は、データ情報に含まれるサイズ情報に基づいて、算出対象の記憶装置3の第1の電力量と第1の発熱量とを算出する。また、算出部22は、データ情報に含まれるサイズ情報および回数情報に基づいて、算出対象の記憶装置3の第2の電力量と第2の発熱量とを算出する(ステップS302)。算出部22は、第1の発熱量と第2の発熱量とに基づいて算出対象の記憶装置3の予測電力量を算出する(ステップS303)。
【0079】
算出部22は、記憶装置識別情報が抽出されたすべての記憶装置3について、予測電力量が算出されたか否かを確認する(ステップS304)。ここでいう記憶装置識別情報が抽出されたすべての記憶装置3とは、データ情報に含まれる書き込み先情報が示す、データ情報に含まれるデータ識別情報が示すデータを書き込むことができるすべての記憶装置3である。また、ここで、記憶装置識別情報が抽出された記憶装置3のことを、候補装置とよぶ。予測電力量が算出されていない記憶装置3がある場合(ステップS304、NO)、算出部22は、予測電力量が算出されていない記憶装置3について、ステップS302およびステップS303の動作を行う。また、抽出されたすべての記憶装置3について、予測電力量が算出されている場合(ステップS304、YES)、算出部22は、次の動作を行う。算出部22は、第1の電力量と、第2の電力量と、予測電力量と、予測電力量の算出対象の記憶装置3の記憶装置識別情報と、予測電力量の算出対象のデータのデータ識別情報とを関連付けて特定部23に出力する。また、ここで、第1の電力量と、第2の電力量と、予測電力量と、予測電力量の算出対象の記憶装置3の記憶装置識別情報と、予測電力量の算出対象のデータのデータ識別情報とを、予測電力量等の情報とよぶ。
【0080】
特定部23には、第1の電力量と、第2の電力量と、予測電力量と、予測電力量が算出された算出対象の記憶装置3の記憶装置識別情報と、予測電力量が算出された算出対象のデータのデータ識別情報とが算出部22から入力される。特定部23は、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定する(ステップS305)。特定部23は、データの書き込みを実行させる記憶装置3として特定した記憶装置3の記憶装置識別情報と、当該記憶装置3に書き込まれるデータのデータ識別情報とを制御部24に出力する。
【0081】
なお、上記の説明では、算出部22は、予測電力量等の情報を、ステップS304でYESの場合に、特定部23に出力する。これに対し、算出部22は、予測電力量等の情報を、ステップS303において、算出対象の記憶装置3の予測電力量を算出する度に特定部23に出力してもよい。また、算出部22に加えて、特定部23が、ステップS304の動作を行ってもよい。この場合、特定部23は、予測電力量等の情報が算出部22から入力された場合にステップS305の動作を行うのではなく、ステップS304における特定部23の判断に基づいて、ステップS305の動作を行ってもよい。特定部23がステップS305の動作の開始の判断を行う場合、算出部22は、ステップS303で予測電力量等の情報を特定部23に出力するより前に、候補装置の記憶装置識別情報を特定部23に出力する。さらに、ステップS304において、すべての候補装置について、予測電力量等の情報が特定部23に入力されたか否かを判断する。そして、すべての候補装置についての予測電力量等の情報が特定部23に入力されるまで、特定部23はステップS305の動作を開始せず、待機する。また、すべての候補装置についての予測電力量等の情報が特定部23に入力された場合に、特定部23は、ステップS305の動作を開始する。
【0082】
制御部24には、データと、当該データのデータ識別情報とが入出力部21から入力される。また、制御部24には、データの書き込みを実行させる記憶装置3として特定された記憶装置3の記憶装置識別情報と、当該記憶装置3に書き込まれるデータのデータ識別情報とが特定部23から入力される。制御部24は、特定された記憶装置3に、書き込ませるデータと、書き込ませるデータのデータ識別情報とを関連付けて出力し、特定された記憶装置3に、記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みを実行させる(ステップS306)。なお、特定された記憶装置3は、データと、そのデータのデータ識別情報とを関連付けて記憶する。
【0083】
以上で説明したように、本発明の第二の実施形態では、データ制御装置2は、複数の記憶装置3のうち、いずれかの記憶装置3へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、第1の発熱量と第2の発熱量とに基づいて予測電力量を記憶装置3ごとに算出する。また、データ制御装置2は、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定し、特定された記憶装置3に、記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みを実行させる。このように、データ制御装置2は、予測電力量を記憶装置3ごとに算出し、予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定し、特定された記憶装置3に、記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みを実行させる。これにより、データの書き込みから所定期間が経過するまでに記憶装置3が発する熱の冷却に用いられる予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定することが可能になる。このため、予測電力量がより小さい記憶装置3に、データの書き込みを実行させることにより、記憶装置3に対するデータの読み書きにより消費される電力を減らすことが可能になる。
【0084】
また、本実施形態のデータ制御装置2は、データの書き込みを実行させる記憶装置3として、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量の和が最も小さい記憶装置3を特定する。さらに、データ制御装置2は、特定された記憶装置3に、記憶装置3の記憶部32へのデータの書き込みを実行させる。これにより、記憶装置3に対するデータの読み書きによって記憶装置3と冷却設備とが消費する電力を減らすことが可能になる。また、記憶装置3と冷却設備とが設置されたデータセンター内で消費される電力を減らすことが可能になる。
【0085】
また、本実施形態のデータ制御システムは、記憶装置関連情報が記憶装置3の関連情報記憶部に予め記憶されている場合、データ制御システムに記憶装置3を容易に追加することができる。なぜならば、データ制御装置2は、データ制御システムに新たに追加された記憶装置3の記憶装置識別情報を把握すればよく、新たに追加された記憶装置3の記憶装置関連情報をデータ制御装置2の記憶部25に記憶させる必要がないためである。
【0086】
また、本実施形態のデータ制御システムは、記憶装置3のデータの読み書きにより消費されると予測される電力量である、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量に基づいて、データの書き込みを実行させる記憶装置3を特定する。これにより、データを記憶装置3に書き込ませる処理、および将来の一定期間においてデータを記憶装置3から読み出させる処理によって記憶装置3と冷却設備とが消費する電力量を減らすことが可能になる。また、データ制御システムがバックアップシステムである場合、バックアップ処理、および将来の一定期間におけるリストア処理で記憶装置3と冷却設備とが消費する電力量を減らすことが可能になる。
【0087】
[変形例]
上述した実施形態の変形例について述べる。本発明は、上述した実施形態と異なる形態でも実施可能である。例えば、本発明に対しては、以下の変形例を適用することが可能である。
【0088】
(変形例1)
データ制御装置2は、二つの情報処理装置を用いて実現されてもよい。たとえば、データ制御装置2は、算出部22の機能と記憶部25とを備える情報処理装置、および入出力部21の機能と特定部23の機能と制御部24の機能とを備える情報処理装置によって実現されてもよい。また、算出部22の機能と記憶部25とを備える情報処理装置は、所定の情報処理装置のOS(Operating System)がもつ機能の一つであるファイルシステムを用いて実装されてもよい。
【0089】
(変形例2)
算出部22は、前述の(2)の式、(3)の式、(5)の式、および(6)の式の少なくともいずれか1つの代わりに、以下の、記憶装置3の特性に応じた関数を用いてもよい。
【0090】
算出部22が用いる(2)の式について、各記憶装置3の特性に応じた、データの書き込みにより記憶装置3が消費する電力の電力量と書き込みにかかる時間との関数を用いてもよい。算出部22は、前述の関数を積分することにより第1の電力量を算出してもよい。
【0091】
また、算出部22が用いる(3)の式について、各記憶装置3の特性に応じた、データの書き込みにより記憶装置3が発する熱の発熱量と書き込みにかかる時間との関数を用いてもよい。算出部22は、前述の関数を積分することにより第1の発熱量を算出してもよい。
【0092】
また、算出部22が用いる(5)の式について、各記憶装置3の特性に応じた、データの読み出しにより記憶装置3が消費する電力の電力量と読み出しにかかる時間との関数を用いてもよい。算出部22は、前述の関数を積分し、さらに回数情報が示す回数を掛けることにより第2の電力量を算出してもよい。
【0093】
また、算出部22が用いる(6)の式について、各記憶装置3の特性に応じた、データの読み出しにより記憶装置3が発する熱の発熱量と読み出しにかかる時間との関数を用いてもよい。算出部22は、前述の関数を積分し、さらに回数情報が示す回数を掛けることにより第2の発熱量を算出してもよい。
【0094】
(変形例3)
算出部22は、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量の算出によりデータ制御装置2が消費する電力量と、データ制御装置2が発する発熱量に基づいて、データ制御装置2が発する熱の冷却に用いられる電力量を算出してもよい。また、データ制御装置2により消費される電力量が所定の値を超える場合に、算出部22は、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量の算出を終了してもよい。データ制御装置2により消費される電力量は、予測電力量の算出によりデータ制御装置2が消費する電力量と、データ制御装置2が発する熱の冷却に用いられる電力量の少なくとも一方を含む。データ制御装置2が消費する電力量が所定の値を超える場合、特定部23は、所定の値を超えるまでに予測電力量が算出された記憶装置3の中からデータの書き込みを実行させる記憶装置3を特定してもよい。
【0095】
データ制御装置2は、データ制御装置2が消費する電力量が所定の値を超える場合に、第1の電力量、第2の電力量、および予測電力量の算出を終了する。これにより、データ制御装置2が消費する電力を抑えることが可能になる。また、データ制御装置2がデータセンターに設置されている場合、データセンター内に設置されたデータ制御装置2と記憶装置3と冷却設備とによって消費される電力を抑えることが可能になる。
【0096】
[ハードウェア構成例]
上述した本発明の各実施形態におけるデータ制御装置(1または2)、または記憶装置3を、一つの情報処理装置(コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。なお、データ制御装置、または記憶装置は、物理的または機能的に少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現してもよい。また、データ制御装置、または記憶装置は、専用の装置として実現してもよい。また、データ制御装置、または記憶装置の一部の機能のみを情報処理装置を用いて実現してもよい。
【0097】
図7は、本発明の各実施形態のデータ制御装置、または記憶装置を実現可能な情報処理装置のハードウェア構成例を概略的に示す図である。情報処理装置4は、通信インタフェース41、入出力インタフェース42、演算装置43、記憶装置44、不揮発性記憶装置45およびドライブ装置46を含む。
【0098】
たとえば、
図1の算出部11、特定部12、および制御部13は、演算装置43で実現することが可能である。
【0099】
通信インタフェース41は、各実施形態のデータ制御装置、または記憶装置が、有線あるいは/および無線で外部装置と通信するための通信手段である。なお、データ制御装置、または記憶装置を、少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現する場合は、それらの装置の間を通信インタフェース41経由で相互に通信可能なように接続してもよい。
【0100】
入出力インタフェース42は、入力デバイスの一例であるキーボードや、出力デバイスとしてのディスプレイ等のマンマシンインタフェースである。
【0101】
演算装置43は、汎用のCPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算処理装置や複数の電気回路によって実現される。演算装置43は、たとえば、不揮発性記憶装置45に記憶された各種プログラムを記憶装置44に読み出し、読み出したプログラムに従って処理を実行することが可能である。
【0102】
記憶装置44は、演算装置43から参照可能な、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置であり、プログラムや各種データ等を記憶する。記憶装置44は、揮発性のメモリ装置であってもよい。
【0103】
不揮発性記憶装置45は、たとえば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、等の、不揮発性の記憶装置であり、各種プログラムやデータ等を記憶することが可能である。
【0104】
ドライブ装置46は、たとえば、後述する記録媒体47に対するデータの読み取りや書き込みを処理する装置である。
【0105】
記録媒体47は、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等、データを記録可能な任意の記録媒体である。
【0106】
本発明の各実施形態は、たとえば、
図7に例示した情報処理装置4によりデータ制御装置、または記憶装置を構成し、このデータ制御装置、または記憶装置に対して、上記各実施形態において説明した機能を実現可能なプログラムを供給することにより実現してもよい。
【0107】
この場合、データ制御装置、または記憶装置に対して供給したプログラムを、演算装置43が実行することによって、実施形態を実現することが可能である。また、データ制御装置、または記憶装置のすべてではなく、一部の機能を情報処理装置4で構成することも可能である。
【0108】
さらに、上記プログラムを記録媒体47に記録しておき、データ制御装置、または記憶装置の出荷段階、あるいは運用段階等において、適宜上記プログラムが不揮発性記憶装置45に格納されるよう構成してもよい。なお、この場合、上記プログラムの供給方法は、出荷前の製造段階、あるいは運用段階等において、適当な治具を利用してデータ制御装置、または記憶装置内にインストールする方法を採用してもよい。また、上記プログラムの供給方法は、インターネット等の通信回線を介して外部からダウンロードする方法等の一般的な手順を採用してもよい。
【0109】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
【0110】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0111】
(付記1)
複数の記憶装置のうち、いずれかの前記記憶装置へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、前記データの書き込みにより前記記憶装置が発する熱の大きさを表す第1の発熱量と、書き込まれた前記データの読み出しにより、前記データの書き込みから所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発すると予測される熱の大きさを表す第2の発熱量とに基づいて、前記所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発する熱の冷却に用いられる電力量である予測電力量を前記記憶装置ごとに算出する算出部と、
前記予測電力量に基づいて、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置を特定する特定部と、
特定された前記記憶装置に、前記記憶装置の記憶部への前記データの書き込みを実行させる制御部と、
を備えるデータ制御装置。
【0112】
(付記2)
前記特定部は、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置として、前記予測電力量が最も小さい前記記憶装置を特定する、
ことを特徴とする付記1に記載のデータ制御装置。
【0113】
(付記3)
前記算出部は、前記データの書き込みにより前記記憶装置が消費する電力の大きさを表す第1の電力量と、書き込まれた前記データの読み出しにより、前記所定期間において前記記憶装置が消費すると予測される電力の大きさを表す第2の電力量とをさらに算出し、
前記特定部は、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置として、前記第1の電力量、前記第2の電力量、および前記予測電力量の和が最も小さい前記記憶装置を特定する、
ことを特徴とする付記1に記載のデータ制御装置。
【0114】
(付記4)
前記算出部は、前記データのデータ量に基づいて、前記第1の発熱量を算出する、
ことを特徴とする付記1から付記3のいずれか1項に記載のデータ制御装置。
【0115】
(付記5)
前記算出部は、前記所定期間が経過するまでの、前記データの読み出し回数の予測値を示す情報である回数情報に基づいて、前記第2の発熱量を算出する、
ことを特徴とする付記1から付記4のいずれか1項に記載のデータ制御装置。
【0116】
(付記6)
前記算出部は、前記記憶装置が設置された位置および前記記憶装置を冷却する冷却設備の性能に基づいて前記予測電力量を算出する、
ことを特徴とする付記1から付記5のいずれか1項に記載のデータ制御装置。
【0117】
(付記7)
前記記憶装置は、テープドライブまたはハードディスクドライブである
ことを特徴とする付記1から付記6のいずれか1項に記載のデータ制御装置。
【0118】
(付記8)
付記1から付記7のいずれか1項に記載のデータ制御装置と、
複数の前記記憶装置と、
を備えるデータ制御システム。
【0119】
(付記9)
複数の記憶装置のうち、いずれかの前記記憶装置へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、前記データの書き込みにより前記記憶装置が発する熱の大きさを表す第1の発熱量と、書き込まれた前記データの読み出しにより、前記データの書き込みから所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発すると予測される熱の大きさを表す第2の発熱量とに基づいて、前記所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発する熱の冷却に用いられる電力量である予測電力量を前記記憶装置ごとに算出し、
前記予測電力量に基づいて、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置を特定し、
特定された前記記憶装置に、前記記憶装置の記憶部への前記データの書き込みを実行させる、
データ制御方法。
【0120】
(付記10)
前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置として、前記予測電力量が最も小さい前記記憶装置を特定する、
ことを特徴とする付記9に記載のデータ制御方法。
【0121】
(付記11)
前記データの書き込みにより前記記憶装置が消費する電力の大きさを表す第1の電力量と、書き込まれた前記データの読み出しにより、前記所定期間において前記記憶装置が消費すると予測される電力の大きさを表す第2の電力量とをさらに算出し、
前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置として、前記第1の電力量、前記第2の電力量、および前記予測電力量の和が最も小さい前記記憶装置を特定する、
ことを特徴とする付記9に記載のデータ制御方法。
【0122】
(付記12)
前記データのデータ量に基づいて、前記第1の発熱量を算出する、
ことを特徴とする付記9から付記11のいずれか1項に記載のデータ制御方法。
【0123】
(付記13)
前記所定期間が経過するまでの、前記データの読み出し回数の予測値を示す情報である回数情報に基づいて、前記第2の発熱量を算出する、
ことを特徴とする付記9から付記12のいずれか1項に記載のデータ制御方法。
【0124】
(付記14)
前記記憶装置が設置された位置および前記記憶装置を冷却する冷却設備の性能に基づいて前記予測電力量を算出する、
ことを特徴とする付記9から付記13のいずれか1項に記載のデータ制御方法。
【0125】
(付記15)
前記記憶装置は、テープドライブまたはハードディスクドライブである
ことを特徴とする付記9から付記14のいずれか1項に記載のデータ制御方法。
【0126】
(付記16)
コンピュータに、
複数の記憶装置のうち、いずれかの前記記憶装置へのデータの書き込みを指示する指示情報を受信した場合に、前記データの書き込みにより前記記憶装置が発する熱の大きさを表す第1の発熱量と、書き込まれた前記データの読み出しにより、前記データの書き込みから所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発すると予測される熱の大きさを表す第2の発熱量とに基づいて、前記所定期間が経過するまでに前記記憶装置が発する熱の冷却に用いられる電力量である予測電力量を前記記憶装置ごとに算出する算出機能と、
前記予測電力量に基づいて、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置を特定する特定機能と、
特定された前記記憶装置に、前記記憶装置の記憶部への前記データの書き込みを実行させる制御機能と、
を実現させるデータ制御プログラム。
【0127】
(付記17)
前記特定機能は、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置として、前記予測電力量が最も小さい前記記憶装置を特定する、
ことを特徴とする付記16に記載のデータ制御プログラム。
【0128】
(付記18)
前記算出機能は、前記データの書き込みにより前記記憶装置が消費する電力の大きさを表す第1の電力量と、書き込まれた前記データの読み出しにより、前記所定期間において前記記憶装置が消費すると予測される電力の大きさを表す第2の電力量とをさらに算出し、
前記特定機能は、前記データの書き込みを実行させる前記記憶装置として、前記第1の電力量、前記第2の電力量、および前記予測電力量の和が最も小さい前記記憶装置を特定する、
ことを特徴とする付記16に記載のデータ制御プログラム。
【0129】
(付記19)
前記算出機能は、前記データのデータ量に基づいて、前記第1の発熱量を算出する、
ことを特徴とする付記16から付記18のいずれか1項に記載のデータ制御プログラム。
【0130】
(付記20)
前記算出機能は、前記所定期間が経過するまでの、前記データの読み出し回数の予測値を示す情報である回数情報に基づいて、前記第2の発熱量を算出する、
ことを特徴とする付記16から付記19のいずれか1項に記載のデータ制御プログラム。
【0131】
(付記21)
前記算出機能は、前記記憶装置が設置された位置および前記記憶装置を冷却する冷却設備の性能に基づいて前記予測電力量を算出する、
ことを特徴とする付記16から付記20のいずれか1項に記載のデータ制御プログラム。
【0132】
(付記22)
前記記憶装置は、テープドライブまたはハードディスクドライブである
ことを特徴とする付記16から付記21のいずれか1項に記載のデータ制御プログラム。
【符号の説明】
【0133】
1、2 データ制御装置
21 入出力部
11、22 算出部
12、23 特定部
13、24 制御部
25 記憶部
3 記憶装置
31 入出力部
32 記憶部
4 情報処理装置
41 通信インタフェース
42 入出力インタフェース
43 演算装置
44 記憶装置
45 不揮発性記憶装置
46 ドライブ装置
47 記録媒体