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特許7578144観客監視装置、観客監視システム、観客監視方法及び観客監視プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】観客監視装置、観客監視システム、観客監視方法及び観客監視プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20241029BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20241029BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20241029BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20241029BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241029BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
G08B25/04 K
G08B21/02
H04N7/18 D
G06T7/00 660Z
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2022558712
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(86)【国際出願番号】 JP2020040633
(87)【国際公開番号】W WO2022091297
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】平田 怜
(72)【発明者】
【氏名】山下 統
(72)【発明者】
【氏名】藍野 健太
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-32424(JP,A)
【文献】特開2015-19296(JP,A)
【文献】特開2008-102784(JP,A)
【文献】特開2006-285504(JP,A)
【文献】特開2020-67939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/00-31/00
G08B 21/02
H04N 7/18
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の施設における複数の観客を含む観客領域が撮影された第1の撮影画像を取得する取得手段と、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する検知手段と、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定する特定手段と、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する通知手段と、
を備える観客監視装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記非着用者の座席位置を前記部分領域として特定する
請求項1に記載の観客監視装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記第1の撮影画像を撮影した撮影装置の撮影方向と前記第1の撮影画像内の前記非着用者の検知位置とに基づいて、前記座席位置を特定する
請求項2に記載の観客監視装置。
【請求項4】
前記複数の観客それぞれの顔特徴情報に対応する識別情報と座席位置を対応付けて記憶手段に登録する登録手段と、
前記第1の撮影画像内の前記非着用者の顔領域に基づき前記記憶手段を参照して顔認証を制御する認証制御手段と、
をさらに備え、
前記特定手段は、前記顔認証に成功した非着用者である観客に対応付けられた座席位置を前記部分領域として特定する
請求項2に記載の観客監視装置。
【請求項5】
前記非着用者が検知された場合、所定条件を満たすか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記所定条件を満たすと判定された場合、前記警告情報を通知する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の観客監視装置。
【請求項6】
前記非着用者が検知された場合、前記マスクの非着用に関する指標値を測定する第1の測定手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記指標値が前記所定条件を満たすか否かを判定する
請求項5に記載の観客監視装置。
【請求項7】
前記第1の測定手段は、前記非着用者がマスクを着用していない非着用時間を前記指標値として測定し、
前記判定手段は、前記非着用時間が所定時間を超えた場合、前記所定条件を満たすと判定する
請求項6に記載の観客監視装置。
【請求項8】
前記第1の測定手段は、前記観客領域に対して複数回撮影された複数の撮影画像から、特定の観客が非着用者として検知された検知回数を前記指標値として測定し、
前記判定手段は、前記検知回数が所定数を超える場合、前記所定条件を満たすと判定する
請求項6に記載の観客監視装置。
【請求項9】
前記第1の測定手段は、前記観客領域において前記検知された非着用者の検知人数を前記指標値として測定し、
前記判定手段は、前記検知人数が所定数を超える場合、前記所定条件を満たすと判定する
請求項6に記載の観客監視装置。
【請求項10】
前記第1の測定手段は、前記非着用者が検知された場合、前記観客領域の混雑状況を前記指標値として測定し、
前記判定手段は、前記混雑状況が所定度合いを超える場合、前記所定条件を満たすと判定する
請求項6に記載の観客監視装置。
【請求項11】
前記判定手段は、前記検知された非着用者が飲食を行っていない場合に、前記所定条件を満たすと判定する
請求項5に記載の観客監視装置。
【請求項12】
前記判定手段は、前記特定された部分領域がマスクの着用を求められる指定領域である場合に、前記所定条件を満たすと判定する
請求項5に記載の観客監視装置。
【請求項13】
前記非着用者が検知された場合、前記マスクの非着用に関する指標値を測定する第2の測定手段と、
前記指標値に応じた警告度合いを示す警告情報を決定する決定手段と、をさらに備え、
前記通知手段は、前記決定された警告情報を通知する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の観客監視装置。
【請求項14】
前記第2の測定手段は、前記非着用者がマスクを着用していない非着用時間を前記指標値として測定し、
前記決定手段は、前記非着用時間に応じて前記警告情報を決定する
請求項13に記載の観客監視装置。
【請求項15】
前記第2の測定手段は、前記観客領域に対して複数回撮影された複数の撮影画像から、特定の観客が非着用者として検知された検知回数を前記指標値として測定し、
前記決定手段は、前記検知回数に応じて前記警告情報を決定する
請求項13に記載の観客監視装置。
【請求項16】
前記第2の測定手段は、前記観客領域において前記検知された非着用者の検知人数を前記指標値として測定し、
前記決定手段は、前記検知人数に応じて前記警告情報を決定する
請求項13に記載の観客監視装置。
【請求項17】
前記第2の測定手段は、前記非着用者が検知された場合、前記観客領域の混雑状況を前記指標値として測定し、
前記決定手段は、前記混雑状況に応じて前記警告情報を決定する
請求項13に記載の観客監視装置。
【請求項18】
前記観客領域内の複数の部分領域のそれぞれについて、前記検知された非着用者の検知人数を測定する第3の測定手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記複数の部分領域のうち、前記検知人数がより多い部分領域を特定し、
前記通知手段は、前記特定された部分領域を優先して前記警告情報を通知する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の観客監視装置。
【請求項19】
前記取得手段は、前記警告情報が通知された後に前記観客領域が撮影された第2の撮影画像を取得し、
前記通知手段は、前記第1の撮影画像において前記非着用者として検知された観客が、前記第2の撮影画像において前記非着用者として検知されなかった場合、その旨を前記情報端末に対して通知する
請求項1乃至18のいずれか1項に記載の観客監視装置。
【請求項20】
前記取得手段は、前記警告情報が通知された後に前記観客領域が撮影された第3の撮影画像を取得し、
前記検知手段は、前記第1の撮影画像において前記非着用者として検知された観客が、前記第3の撮影画像において前記特定された部分領域から移動したことを検知し、
前記通知手段は、前記移動したことが検知された旨を前記情報端末に対して通知する
請求項1乃至19のいずれか1項に記載の観客監視装置。
【請求項21】
前記特定手段は、前記移動したことが検知された観客の移動後の位置を特定し、
前記通知手段は、前記特定された移動後の位置を前記情報端末に対して通知する
請求項20に記載の観客監視装置。
【請求項22】
前記通知手段は、前記施設内の所定の出力装置に対して、前記警告情報をさらに通知する
請求項1乃至21のいずれか1項に記載の観客監視装置。
【請求項23】
所定の施設における複数の観客を含む観客領域を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置と接続された観客監視装置と、
を備え、
前記観客監視装置は、
前記撮影装置により撮影された第1の撮影画像を取得する取得手段と、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する検知手段と、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定する特定手段と、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する通知手段と、
を備える観客監視システム。
【請求項24】
前記特定手段は、前記非着用者の座席位置を前記部分領域として特定する
請求項23に記載の観客監視システム。
【請求項25】
コンピュータが、
所定の施設における複数の観客を含む観客領域が撮影された第1の撮影画像を取得し、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知し、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定し、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する、
観客監視方法。
【請求項26】
所定の施設における複数の観客を含む観客領域が撮影された第1の撮影画像を取得する取得処理と、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する検知処理と、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定する特定処理と、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する通知処理と、
をコンピュータに実行させる観客監視プログラ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観客監視装置、観客監視システム、観客監視方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関し、特に、観客のマスクの着用を監視するための観客監視装置、観客監視システム、観客監視方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、感染症拡大防止の観点から、大勢の観客が集まる施設においては、原則としてマスクの着用が求められている。特許文献1には、顔画像からマスクを検知して、マスクを着用している場合にマスクを外すように促す技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/212967号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多数の観客が集合する施設内で、施設スタッフ(運営要員)がマスクを外している観客を見つけて、声掛けをすることが困難であった。
【0005】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、施設の運営要員が多数の観客の中からマスクを外している観客を容易に特定するための観客監視装置、観客監視システム、観客監視方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様にかかる観客監視装置は、
所定の施設における複数の観客を含む観客領域が撮影された第1の撮影画像を取得する取得手段と、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する検知手段と、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定する特定手段と、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する通知手段と、
を備える。
【0007】
本開示の第2の態様にかかる観客監視システムは、
所定の施設における複数の観客を含む観客領域を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置と接続された観客監視装置と、
を備え、
前記観客監視装置は、
前記撮影装置により撮影された第1の撮影画像を取得する取得手段と、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する検知手段と、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定する特定手段と、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する通知手段と、
を備える。
【0008】
本開示の第3の態様にかかる観客監視方法は、
コンピュータが、
所定の施設における複数の観客を含む観客領域が撮影された第1の撮影画像を取得し、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知し、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定し、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する。
【0009】
本開示の第4の態様にかかる観客監視プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体は、
所定の施設における複数の観客を含む観客領域が撮影された第1の撮影画像を取得する取得処理と、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する検知処理と、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定する特定処理と、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する通知処理と、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、施設の運営要員が多数の観客の中からマスクを外している観客を容易に特定するための観客監視装置、観客監視システム、観客監視方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態1にかかる観客監視装置の構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態1にかかる観客監視方法の流れを示すフローチャートである。
図3】本実施形態2にかかる観客監視システムの全体構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態2にかかるスタジアムの観客領域とカメラ設置位置の例を示す図である。
図5】本実施形態2にかかる認証装置の構成を示すブロック図である。
図6】本実施形態2にかかる顔情報登録処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本実施形態2にかかる認証装置による顔認証処理の流れを示すフローチャートである。
図8】本実施形態2にかかる観客監視装置の構成を示すブロック図である。
図9】本実施形態2にかかる観客監視処理の流れを示すフローチャートである。
図10】本実施形態2にかかるマスクの非着用者の警告情報の表示例を示す図である。
図11】本実施形態2にかかるマスクの非着用者の警告情報の表示例を示す図である。
図12】本実施形態2にかかるマスクの非着用者の警告情報の表示例を示す図である。
図13】本実施形態3にかかる観客監視装置の構成を示すブロック図である。
図14】本実施形態3にかかる観客監視処理の流れを示すフローチャートである。
図15】本実施形態4にかかる観客監視装置の構成を示すブロック図である。
図16】本実施形態4にかかる観客監視処理の流れを示すフローチャートである。
図17】本実施形態4にかかるマスクの非着用者の警告情報の表示例を示す図である。
図18】本実施形態4にかかるマスクの非着用者の警告情報の表示例を示す図である。
図19】本実施形態4にかかるマスクの非着用者の警告情報の表示例を示す図である。
図20】本実施形態4にかかるマスクの非着用者の警告情報の表示例を示す図である。
図21】本実施形態5にかかる観客監視処理の流れを示すフローチャートである。
図22】本実施形態5にかかるマスクの非着用者の警告情報の表示例を示す図である。
図23】本実施形態6にかかる観客監視処理の流れを示すフローチャートである。
図24】本実施形態7にかかる観客監視装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0013】
<実施形態1>
図1は、本実施形態1にかかる観客監視装置1の構成を示すブロック図である。観客監視装置1は、所定の施設における複数の観客のマスクの着用を監視するための情報処理装置である。ここで、観客監視装置1は、ネットワーク(不図示)に接続される。ネットワークは、有線であっても無線であってもよい。また、当該ネットワークには、撮影装置と情報端末とが接続されている。撮影装置は、所定の施設における複数の観客を含む観客領域を撮影する。撮影装置は、観客領域を撮影した撮影画像をネットワークを介して観客監視装置1へ送信する。また、情報端末は、施設の運営要員が操作する情報処理装置である。
【0014】
観客監視装置1は、取得部11と、検知部12と、特定部13と、通知部14とを備える。取得部11は、所定の施設における複数の観客を含む観客領域が撮影された第1の撮影画像を取得する。検知部12は、第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する。例えば、検知部12は、画像認識により撮影画像内の人物の顔領域にマスクが存在するか否かを判定する。特定部13は、観客領域のうちマスクの非着用者を含む部分領域を特定する。通知部14は、施設の運営要員の情報端末に対して、特定した部分領域についての警告情報を通知する。ここで、警告情報は、撮影画像内の部分領域を特定(識別)するための表示情報であるか、部分領域を特定できる音声情報であってもよい。
【0015】
図2は、本実施形態1にかかる観客監視方法の流れを示すフローチャートである。まず、取得部11は、所定の施設における複数の観客を含む観客領域が撮影された第1の撮影画像を取得する(S11)。次に、検知部12は、第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する(S12)。尚、非着用者を検知しなかった場合、所定時間後、ステップS11に戻る。
【0016】
ステップS12により非着用者が検知された場合、特定部13は、観客領域のうち非着用者を含む部分領域を特定する(S13)。そして、通知部14は、施設の運営要員の情報端末に対して、特定した部分領域についての警告情報を通知する(S14)。すなわち、通知部14は、ネットワークを介して情報端末へ警告情報を送信する。これにより、情報端末は、ネットワークを介して観客監視装置1から警告情報を受信し、警告情報を画面に表示するか、警告情報に対応する音声を出力する。
【0017】
このように、本実施形態により、施設の運営要員は、情報端末を介して観客領域にマスクを着用していない観客が存在することをリアルタイムに認識できる。特に、運営要員は、警告情報により観客領域のうちマスクの非着用者が存在する部分領域を容易に特定することができる。そのため、運営要員がマスクを外している観客に対してマスクを着用を促すように声掛け等を行うことを支援できる。
【0018】
尚、観客監視装置1は、図示しない構成としてプロセッサ、メモリ及び記憶装置を備えるものである。また、当該記憶装置には、本実施形態にかかる観客監視方法の処理が実装されたコンピュータプログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムを前記メモリへ読み込ませ、当該コンピュータプログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、取得部11、検知部12、特定部13及び通知部14の機能を実現する。
【0019】
または、取得部11、検知部12、特定部13及び通知部14は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)等を用いることができる。
【0020】
また、観客監視装置1の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、観客監視装置1の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0021】
<実施形態2>
実施形態2は、上述した実施形態1の具体例である。図3は、本実施形態2にかかる観客監視システム1000の全体構成を示すブロック図である。観客監視システム1000は、スタジアム100における複数の観客領域101から10n(nは2以上の自然数。)に存在する複数の観客のマスクの着用を監視するための情報システムである。尚、スタジアム100は、所定の施設の一例である。また、観客領域101は、ブロック1011から101i(iは1以上の自然数。)に分割されており、各ブロックには1以上の座席が含まれるものとする。観客領域102(不図示)から10nについても同様である。例えば、観客領域10nは、複数のブロック10n1から10nj(jは2以上の自然数。)に分割されており、各ブロックには1以上の座席が含まれるものとする。尚、観客領域は、座席のない立見席であってもよい。
【0022】
観客監視システム1000は、カメラ110と、スタッフ端末120と、管理端末130と、認証装置200と、観客監視装置300を備える。カメラ110、スタッフ端末120、管理端末130、認証装置200及び観客監視装置300のそれぞれは、ネットワークNを介して接続されている。ここで、ネットワークNは、有線又は無線の通信回線である。
【0023】
スタジアム100は、カメラ110、スタッフ端末120及び管理端末130を備える。カメラ110は、観客領域101から10nのそれぞれを観客領域単位で撮影する撮影装置である。具体的には、カメラ110は、所定の間隔で撮影方向(カメラの向き)を移動し、観客領域101から10nを順番に所定時間撮影し、観客領域10nを撮影した後、再度、観客領域101の撮影方向へ移動し、これを繰り返すものとする。また、カメラ110は、観客領域を撮影した撮影画像をネットワークNを介して観客監視装置300へ送信する。このとき、カメラ110は、撮影画像と共に撮影方向(カメラの向き又はカメラの設置位置)も併せて観客監視装置300へ送信する。尚、カメラ110は、観客領域101から10nの少なくとも1つを撮影すればよい。例えば、カメラ110が観客領域101を撮影する場合、他の観客領域10n等については、他のカメラにより撮影されてもよい。そして、他のカメラも同様に、撮影画像及び撮影方向を観客監視装置300へ送信するものとする。
【0024】
図4は、本実施形態2にかかるスタジアム100の観客領域とカメラ設置位置の例を示す図である。例えば、カメラ110aは、スタジアム100のスタンドの最上段に設置された一例を示す。つまり、カメラ110aは、グランドを挟んで観客領域101から103(スタンド)の反対側のスタンドに設置されている。図4では、カメラ110aは、観客領域101の方向を撮影方向としていることを示す。そして、上述の通り、カメラ110aは、一定間隔で、観客領域101、102、103の順で撮影方向を移動し、各撮影方向において観客領域を撮影し、都度、ネットワークNを介して観客監視装置300へ撮影画像を送信する。また、カメラ110bは、カメラ設置位置の他の例である。カメラ110bは、観客領域101から103側のスタンドの手前に設置された例である。この場合も、カメラ110bは、一定間隔で、観客領域101、102、103の順で撮影方向を移動し、各撮影方向において観客領域を撮影してもよい。または、観客領域101から103のそれぞれの手前に個別のカメラを設置してもよい。
【0025】
図3に戻り説明を続ける。管理端末130は、観客の監視における管理者U2が操作する情報処理装置である。管理者U2は、スタジアム100の運営要員の一例である。そして、管理端末130は、上述した情報端末の一例である。管理端末130は、ネットワークNを介して観客監視装置300から後述する警告情報を受信し、画面に警告情報を表示する。そして、管理者U2は、管理端末130に表示された警告情報に基づいて、管理端末130を介してスタッフ端末120へマスクの非着用者の位置等を伝える。例えば、管理端末130は、管理者U2が発した、非着用者の座席位置の音声をネットワークNを介してスタッフ端末120へ送信してもよい。または、管理端末130は、管理者U2により選択されたスタッフ端末120に対して、警告情報を転送してもよい。これにより、スタジアムスタッフU1は、警告情報をスタッフ端末120の画面で確認できるため、マスクの非着用者をより把握し易くなる。
【0026】
スタッフ端末120は、スタジアム100の運営要員の一例であるスタジアムスタッフU1が操作する情報処理装置である。スタッフ端末120は、ネットワークNを介して管理端末130から音声情報を受信し、出力する。これにより、スタジアムスタッフU1は、音声情報を介してマスクの非着用者の具体的な座席位置を把握できる。そのため、スタジアムスタッフU1は、マスクの非着用者の近くまで赴いて、マスクの着用を呼びかけることができる。尚、スタッフ端末120は、上述した情報端末の一例であってもよい。その場合、スタッフ端末120は、管理端末130の代わりに、又は管理端末130と共に、ネットワークNを介して観客監視装置300から後述する警告情報を受信し、画面に警告情報を表示する。この場合でも、スタジアムスタッフU1は、マスクの非着用者の具体的な座席位置を把握できる。
【0027】
尚、管理端末130及びスタッフ端末120は、例えば、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末、カメラを搭載又は接続したPC(Personal Computer)等である。また、警告情報が音声情報の場合、管理端末130及びスタッフ端末120は、受信した音声情報を出力する。
【0028】
ここで、観客監視システム1000における観客監視を実現するための事前登録の一例について説明する。観客は、事前に、スタジアム100での特定日のイベントにおける座席の予約を行う。例えば、観客は、PCやスマートフォン等の情報処理装置を用いて、イベントの予約サイトにおいてイベントのチケットを購入し、その際、座席位置を指定し、必要に応じて個人情報等を入力する。そして、観客は、当該イベントで予約された座席位置及び個人情報等を示す識別情報(例えば、二次元コード)を取得する。例えば、観客のスマートフォンは、二次元コードを受信する。または、観客は、電子メール等で二次元コードを取得し、印刷する。
【0029】
また、スタジアム100は、入場ゲートに観客の入場を制御する入口端末(不図示)を備えるものとする。入口端末は、カメラ等を備えた情報端末であり、ネットワークNに接続されている。そのため、観客監視システム1000は、入口端末を含むものであってもよい。
【0030】
観客は、イベントの当日にスタジアム100に到着し、入口端末に二次元コードを提示する。例えば、観客は、スマートフォンに二次元コードを表示させて、二次元コードを入口端末のカメラにかざす。または、観客は、二次元コードを印刷した紙を入口端末のカメラにかざす。入口端末は、カメラにより撮影された二次元コードを解析して、予約された座席位置及び個人情報等を抽出し、座席位置及び個人情報等を含む登録要求をネットワークNを介して観客監視装置300へ送信する。観客監視装置300は、登録要求に含まれる座席位置及び個人情報等に問題がなければ、座席位置及び個人情報等を対応付けて登録すると共に、顔情報の登録依頼を入口端末に返信する。入口端末は、登録依頼を示すメッセージを画面に表示し、観客の顔を含む領域を撮影し、撮影画像を含む顔情報登録要求をネットワークNを介して認証装置200又は観客監視装置300へ送信する。認証装置200は、後述するように顔情報登録要求に応じて顔情報登録処理を行い、登録結果を入口端末へ返信する。正常に登録された場合、観客は、入口ゲートからスタジアム100内に入場できる。また、認証装置200は、登録時に発行されたユーザID(観客ID)を観客監視装置300へ通知する。
【0031】
尚、観客は、座席の予約の際に、併せて、自身の顔画像を登録してもよい。例えば、観客の情報処理装置は、イベントの予約サイトを介して撮影画像を含む顔情報登録要求をネットワークNを介して認証装置200又は観客監視装置300へ送信してもよい。または、観客は、事前に座席の予約をしていなくても、イベント当日に入口端末にて、入場手続きにより座席が確定し、その際に、座席位置及び個人情報等を含む登録要求と撮影画像を含む顔情報登録要求をネットワークNを介して観客監視装置300へ送信してもよい。
【0032】
認証装置200は、複数の人物(観客)の顔特徴情報を記憶する情報処理装置である。また、認証装置200は、外部から受信した顔認証要求に応じて、当該要求に含まれる顔画像又は顔特徴情報について、各ユーザの顔特徴情報と照合を行い、照合結果(認証結果)を要求元へ返信する。
【0033】
図5は、本実施形態2にかかる認証装置200の構成を示すブロック図である。認証装置200は、顔情報DB(DataBase)210と、顔検出部220と、特徴点抽出部230と、登録部240と、認証部250とを備える。顔情報DB210は、ユーザID211と当該ユーザIDの顔特徴情報212とを対応付けて記憶する。顔特徴情報212は、顔画像から抽出された特徴点の集合である。尚、認証装置200は、顔特徴情報212の登録ユーザからの要望に応じて、顔特徴DB210内の顔特徴情報212を削除してもよい。または、認証装置200は、顔特徴情報212の登録から一定期間経過後に削除してもよい。
【0034】
顔検出部220は、顔情報を登録するための登録画像に含まれる顔領域を検出し、特徴点抽出部230に出力する。特徴点抽出部230は、顔検出部220が検出した顔領域から特徴点を抽出し、登録部240に顔特徴情報を出力する。また、特徴点抽出部230は、観客の情報処理装置、入口端末又は観客監視装置300から受信した顔画像に含まれる特徴点を抽出し、認証部250に顔特徴情報を出力する。
【0035】
登録部240は、顔特徴情報の登録に際して、ユーザID211を新規に発行する。登録部240は、発行したユーザID211と、登録画像から抽出した顔特徴情報212とを対応付けて顔情報DB210へ登録する。認証部250は、顔特徴情報212を用いた顔認証を行う。具体的には、認証部250は、顔画像から抽出された顔特徴情報と、顔情報DB210内の顔特徴情報212との照合を行う。認証部250は、照合に成功した場合、照合された顔特徴情報212に対応付けられたユーザID211を特定する。認証部250は、顔特徴情報の一致の有無を顔認証結果として観客監視装置300に返信する。顔特徴情報の一致の有無は、認証の成否に対応する。尚、顔特徴情報が一致する(一致有)とは、一致度が所定値以上である場合をいうものとする。また、顔認証結果は、顔認証に成功した場合、特定されたユーザIDを含むものとする。
【0036】
図6は、本実施形態2にかかる顔情報登録処理の流れを示すフローチャートである。ここで、情報登録端末(不図示)は、観客(ユーザ)の顔を含む身体を撮影し、撮影画像(登録画像)を含む顔情報登録要求をネットワークNを介して認証装置200へ送信する。情報登録端末は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレット端末等の情報処理装置である。例えば、情報登録端末は、スタジアム100の入口に設置された入口端末であってもよい。または、情報登録端末は、入口端末から顔情報登録要求を受け付けた観客監視装置300であってもよい。
【0037】
まず、認証装置200は、顔情報登録要求に含まれる登録画像を取得する(S21)。例えば、認証装置200は、顔情報登録要求を、情報登録端末からネットワークNを介して受け付ける。次に、顔検出部220は、登録画像に含まれる顔領域を検出する(S22)。次に、特徴点抽出部230は、ステップS22で検出した顔領域から特徴点を抽出し、登録部240に顔特徴情報を出力する(S23)。最後に、登録部240は、ユーザID211を発行し、当該ユーザID211と顔特徴情報212とを対応付けて顔情報DB210に登録する(S24)。なお、認証装置200は、情報登録端末から顔特徴情報212を受信し、ユーザID211と対応付けて顔情報DB210に登録してもよい。また、登録部240は、登録(発行)したユーザIDを観客監視装置300へ通知してもよい。
【0038】
図7は、本実施形態2にかかる認証装置200による顔認証処理の流れを示すフローチャートである。まず、特徴点抽出部230は、顔認証要求に含まれる認証用の顔画像を取得する(S31)。例えば、認証装置200は、観客監視装置300からネットワークNを介して顔認証要求を受信し、顔認証要求に含まれる顔画像からステップS21からS23のように顔特徴情報を抽出する。または、認証装置200は、観客監視装置300から顔特徴情報を受信してもよい。次に、認証部250は、取得した顔特徴情報を、顔情報DB210の顔特徴情報212と照合する(S32)。顔特徴情報が一致した場合、つまり、顔特徴情報の一致度が所定値以上である場合(S33のYes)、認証部250は、顔特徴情報が一致したユーザのユーザID211を特定し(S34)、顔認証に成功した旨と特定したユーザID211とを観客監視装置300に返信する(S35)。一致する顔特徴情報が存在しない場合(S33のNo)、認証部250は、顔認証に失敗した旨を観客監視装置300に返信する(S36)。
【0039】
図3に戻り説明を続ける。観客監視装置300は、カメラ110による観客領域の撮影画像の中からマスクの非着用者を検知し、非着用者を含む部分領域を特定し、警告情報として管理端末130又はスタッフ端末120に通知する情報処理装置である。観客監視装置300は、複数台のサーバに冗長化されてもよく、各機能ブロックが複数台のコンピュータで実現されてもよい。
【0040】
次に、観客監視装置300について詳細に説明する。図8は、本実施形態2にかかる観客監視装置300の構成を示すブロック図である。観客監視装置300は、記憶部310と、メモリ320と、IF(InterFace)部330と、制御部340とを備える。記憶部310は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置の一例である。記憶部310は、プログラム311と、観客ID312と、座席位置313と、撮影方向314と、観客領域315とを記憶する。プログラム311は、本実施形態2にかかる観客監視方法の処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0041】
観客ID312は、スタジアム100の観客の識別情報である。観客ID312は、特定日のイベントにおける観客の識別情報であってもよい。座席位置313は、観客領域101から10n内の各座席の位置を特定するための情報である。観客ID312と座席位置313とは対応付けられている。また、観客ID312は、認証装置200の顔情報DB210内のユーザID211と対応するものである。そのため、記憶部310は、顔情報DB210内の顔特徴情報212に対応する観客ID312と座席位置313を対応付けて記憶しているものといえる。
【0042】
撮影方向314は、カメラ110におけるカメラの向き(又はカメラの設置位置)を示す情報である。観客領域315は、観客領域101から10nのそれぞれについて、ブロック及び座席位置を定義した情報である。具体的には、一つの観客領域315は、複数のブロック3151から315iを含む。そして、各ブロックは、複数の座席位置を含む。例えば、ブロック3151は、座席位置31511から3151k(kは2以上の自然数。)を含む。また、撮影方向314と観客領域315とは対応付けられている。
【0043】
メモリ320は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部340の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。IF部330は、ネットワークNとの通信インタフェースである。
【0044】
制御部340は、観客監視装置300の各構成を制御するプロセッサつまり制御装置である。制御部340は、記憶部310からプログラム311をメモリ320へ読み込ませ、プログラム311を実行する。これにより、制御部340は、登録部341、取得部342、検知部343、認証制御部344、特定部345及び通知部346の機能を実現する。
【0045】
登録部341は、複数の観客それぞれの顔特徴情報に対応する識別情報(観客ID)と座席位置を対応付けて記憶部310に登録する。例えば、登録部341は、上述した事前登録の例のように、入口端末からネットワークNを介して、座席位置及び個人情報等を含む登録要求を受信する。登録部341は、受信した座席位置及び個人情報等が予約サイト等での予約内容と相違ないことを確認した場合、座席位置及び個人情報等を対応付けて記憶部310に登録する。そして、登録部341は、入口端末に対して顔情報の登録依頼を返信する。登録部341は、入口端末から観客の顔画像を含む顔情報登録要求を受信した場合、認証装置200へネットワークNを介して顔情報登録要求を送信する。そして、登録部341は、認証装置200からネットワークNを介して顔情報の登録時に発行されたユーザIDを受信し、ユーザIDを観客ID312として、事前に登録済みの座席位置313と対応付けて記憶部310に保存する。尚、登録部341は、観客の情報処理装置から登録要求や顔情報登録要求を受信した場合にも、同様に処理するものとする。
【0046】
取得部342は、上述した取得部11の一例である。取得部342は、カメラ110からネットワークNを介して観客領域101等のいずれかが撮影された撮影画像を取得する。尚、取得部342は、カメラ110から撮影画像と共に、撮影方向を取得するものとする。
【0047】
検知部343は、上述した検知部12の一例である。検知部343は、取得部342により取得された撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する。尚、検知部343は、公知技術を用いて撮影画像を解析して、撮影画像内の各人物の顔領域にマスクが存在するか否かを判定してもよい。例えば、検知部343は、マスクを着用した人物の顔画像を学習したAI(Artificial Intelligence)モデルを用いて、マスクの非着用者を検知してもよい。
【0048】
認証制御部344は、撮影画像内の非着用者の顔領域に基づき記憶部310及び認証装置200(これらを合わせて記憶手段の一例である。)を参照して顔認証を制御する。つまり、認証制御部344は、非着用者の顔特徴情報について認証装置200に対して顔認証を行わせる。例えば、認証制御部344は、検知部343により検知されたマスクの非着用者に対応する顔領域を、撮影画像から抽出する。そして、認証制御部344は、抽出された顔領域の画像を含めた顔認証要求を、ネットワークNを介して認証装置200へ送信し、認証装置200からユーザ(非着用者)の顔認証結果を受信する。または、認証制御部344は、顔領域から顔特徴情報を抽出し、顔特徴情報を顔認証要求に含めてもよい。
【0049】
特定部345は、上述した特定部13の一例である。特定部345は、観客領域のうちマスクの非着用者を含む部分領域を特定する。ここでは、特定部345は、非着用者の座席位置を部分領域として特定する。すなわち、特定部345は、受信した顔認証結果に含まれるユーザIDを観客ID312として特定し、観客ID312に対応付けられた座席位置313を部分領域として特定する。尚、受信した顔認証結果が顔認証の失敗を示す場合、特定部345は、観客IDを特定できない。その場合、特定部345は、撮影画像を撮影したカメラ110の撮影方向と撮影画像内の非着用者の検知位置とに基づいて、座席位置を特定するとよい。例えば、特定部345は、取得した撮影方向314に対応付けられた観客領域315を特定する。そして、特定部345は、取得部342により検知された非着用者の撮影画像内の検知位置を特定する。そして、特定部345は、特定した観客領域315の中から、検知位置に対応するブロック及び座席位置を部分領域として特定する。尚、特定部345は、座席位置まで特定せず、ブロックを部分領域として特定してもよい。または、特定部345は、撮影画像の撮影対象である観客領域自体を部分領域として特定してもよい。
【0050】
通知部346は、上述した通知部14の一例である。通知部346は、管理端末130又はスタッフ端末120に対して、ネットワークNを介して警告情報を送信する。ここで、警告情報は、特定部345により特定された座席位置を含む。警告情報は、撮影画像内の非着用者の座席位置を特定できる情報である。例えば、警告情報は、非着用者の顔付近を囲んだ枠線であってもよい。そのため、通知部346は、管理端末130又はスタッフ端末120において、撮影画像を表示させた上で、撮影画像内に警告情報を表示させるように送信するとよい。これにより、管理者U2又はスタジアムスタッフU1は、非着用者の位置を特定し易くなり、声掛けをし易くなる。または、警告情報は、非着用者の座席位置(座席番号等)の音声情報であってもよい。また、警告情報は、特定部345により特定されたブロックを少なくとも含むものであればよい。
【0051】
尚、通知部346は、スタジアム100内の所定の出力装置に対して、警告情報をさらに通知してもよい。出力装置としては、例えば、スピーカやオーロラビジョン(液晶ディスプレイ)、デジタルサイネージ等であってもよい。このとき、通知部346は、特定部345により特定されたブロックの近くのスピーカ又はデジタルサイネージを出力装置としてもよい。例えば、出力装置として指向性スピーカを用いても良い。その場合、通知部346は、指向性スピーカから特定されたブロックに向けて警告情報(音声)出力させるとよい。これらにより、観客にも直接、通知することができる。また、このときの警告情報には、例えば「マスク着用にご協力ください」といった音声又はメッセージ情報を含めても良い。
【0052】
尚、本実施形態2においては、必ずしも検知された非着用者の座席位置を顔認証により特定しなくてもよい。その場合、観客監視装置300は、観客ID312及び座席位置313の対応付けた情報や認証制御部344が不要である。そして、特定部345は、上述したように、撮影画像を撮影したカメラ110の撮影方向と撮影画像内の非着用者の検知位置とに基づいて、座席位置を部分領域として特定するとよい。または、特定部345は、上述したように、撮影画像を撮影したカメラ110の撮影方向と撮影画像内の非着用者の検知位置とに基づいて、ブロックを部分領域として特定してもよい。この場合、通知部346は、座席位置を特定できなくとしても、ブロック単位などの部分領域の画像と、マスクの非着用者を赤枠などで示した画像を警告情報としてスタッフ端末120等に送信するとよい。
【0053】
図9は、本実施形態2にかかる観客監視処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、例えば、カメラ110は、観客領域101の撮影方向に対して撮影し、撮影画像及び撮影方向をネットワークNを介して観客監視装置300へ送信したものとする。これに応じて、取得部342は、カメラ110からネットワークNを介して撮影画像及び撮影方向を取得する(S41)。
【0054】
次に、検知部343は、ステップS41で取得された撮影画像からマスクの非着用者を検知したか否かを判定する(S42)。例えば、検知部343は、撮影画像を解析し、撮影画像に含まれる1以上の観客の顔領域を特定する。そして、検知部343は、特定した各顔領域についてマスク着用の有無を判定する。非着用者が一人も検知されなかった場合、検知部343は、ネットワークNを介してカメラ110に対して、カメラ110の撮影方向を次の観客領域に移動するように指示を送信する(S43)。
【0055】
ステップS42において非着用者が一人以上検知された場合、認証制御部344及び特定部345は、各非着用者について部分領域の特定処理を行う(S44)。以下では、非着用者が一人検知されたものとして説明するが、非着用者が二人以上検知された場合、各非着用者について、ステップS44を行うものとする。
【0056】
具体的には、まず、認証制御部344は、非着用者の顔認証制御を行う(S441)。具体的には、認証制御部344は、撮影画像から非着用者の顔領域を抽出し、顔領域から顔特徴情報を取得する。そして、認証制御部344は、顔特徴情報を顔認証要求に含めてネットワークNを介して認証装置200へ送信する。そして、認証制御部344は、認証装置200から顔認証結果を受信する。
【0057】
そして、認証制御部344は、顔認証に成功したか否かを判定する(S442)。具体的には、認証制御部344は、受信した顔認証結果に成功を示す情報が含まれるか否かを判定する。ステップS442において顔認証に成功したと判定された場合、特定部345は、非着用者の観客IDに基づき座席位置を特定する(S443)。具体的には、特定部345は、顔認証結果から顔認証に成功したユーザIDを観客IDとして取得する。そして、特定部345は、記憶部310の中から、取得した観客ID312に対応付けられた座席位置313を特定する。
【0058】
ステップS442において顔認証に失敗したと判定された場合、特定部345は、撮影方向に基づき座席位置を特定する(S444)。具体的には上述したように、特定部345は、撮影方向と非着用者の検知位置とに基づいて、座席位置を特定する。
【0059】
ステップS443又はS444の後、通知部346は、特定した座席位置を示す情報を含めた警告情報を、ネットワークNを介して管理端末130又はスタッフ端末120へ通知する(S45)。警告情報は、撮影画像及び座席位置を含めても良い。尚、通知部346は、管理端末130又はスタッフ端末120に対してスタジアム100全体のマップ内にマスクの非着用者が検知されたエリアを強調して表示させるような警告情報を送信してもよい。これにより、例えば、管理端末130又はスタッフ端末120は、画面に、スタジアム100全体のマップを表示し、マスクの非着用者が検知された観客領域又はブロックを(例えば赤色で)強調できる。図10は、本実施形態2にかかるマスクの非着用者の警告情報R0の表示例を示す図である。ここでは、管理端末130等は、画面にスタジアム100全体のマップを表示し、観客領域102内の一部の部分領域(ブロック)に警告情報R0を強調して表示していることを示す。尚、管理端末130又はスタッフ端末120は、管理者U2又はスタジアムスタッフU1により警告情報R0又は観客領域102の選択を受け付けた場合、後述する図11図12の画面を表示してもよい。
【0060】
図11は、本実施形態2にかかるマスクの非着用者の警告情報R1の表示例を示す図である。ここでは、管理端末130又はスタッフ端末120は、画面に、撮影画像における検知された座席位置に警告情報R1を表示していることを示す。警告情報R1は、非着用者の顔領域の枠線(破線)と座席番号(例えば、「S123」)とを含む例である。例えば、管理者U2は、管理端末130に表示された警告情報R1を確認して、座席位置(座席番号等)をスタッフ端末120へ通知してもよい。これにより、スタジアムスタッフU1は、スタッフ端末120によりマスクの非着用者が存在する座席位置を把握でき、非着用者の近くまで行き、マスクを着用するよう促すことができる。または、スタッフ端末120が観客監視装置300から直接、警告情報を受信し、表示しても同様である。尚、管理端末130又はスタッフ端末120は、画面に、マスクの非着用者の座席番号及び枠線のいずれか一方のみを警告情報R1として表示してもよい。
【0061】
図12は、本実施形態2にかかるマスクの非着用者の警告情報R11の表示例を示す図である。つまり、図11の警告情報R1は、非着用者の枠線や座席番号に限定されない。図12では、管理端末130等は、画面に、撮影画像において非着用者が検知された観客領域内のブロックに警告情報R11を表示していることを示す。警告情報R11は、撮影画像内の観客領域における非着用者が存在するブロックの枠線(破線)とブロック番号(例えば、「A23」)とを含む例である。尚、管理端末130等は、画面に、ブロックの枠線及びブロック番号のいずれか一方のみを警告情報R11として表示してもよい。尚、警告情報R11は、非着用者が検知された観客領域全体を枠線で囲むものであってもよい。または、警告情報R11は、撮影画像内の特定のブロックのうち非着用者が存在する部分領域を枠線で囲むものであってもよい。または、警告情報R11は、観客領域内の複数のブロックをまたがった領域を枠線で囲むものであってもよい。さらに、上述した警告情報R1及びR11の一部又は全てを組み合わせてもよい。
【0062】
このように、本実施形態では、管理者U2やスタジアムスタッフU1である運営要員が、多数の観客の中からマスクの非着用者の存在位置を容易に把握できる。そのため、運営要員が非着用者に対して声掛けすることを支援できる。特に、観客ごとの座席位置が事前登録されている場合、顔認証を用いることで、正確に座席位置を特定できる。
【0063】
<実施形態3>
実施形態3は、上述した実施形態2の変形例である。本実施形態3にかかる観客監視装置は、非着用者が検知された場合、所定条件を満たすか否かを判定する判定部をさらに備えるものである。そして、通知部は、所定条件を満たすと判定された場合、警告情報を通知する。これにより、警告情報の過剰な通知を制限し、より必要性が高い場合に、スタジアムスタッフU1がマスク着用の声掛けを行うことができる。
【0064】
さらに、本実施形態3にかかる観客監視装置は、非着用者が検知された場合、マスクの非着用に関する指標値を測定する第1の測定部をさらに備えることが望ましい。この場合、判定部は、指標値が所定条件を満たすか否かを判定する。このように、測定された指標値を用いて判定するため、より正確に警告情報の通知の要否を判定できる。
【0065】
尚、本実施形態3の全体構成は、図3と同等であるため図示を省略し、以下では差異について説明する。図13は、本実施形態3にかかる観客監視装置300aの構成を示すブロック図である。観客監視装置300aの記憶部310は、上述した観客監視装置300と比べて、プログラム311がプログラム311aに置き換わったものである。また、観客監視装置300aの制御部340は、上述した観客監視装置300と比べて、測定部347及び判定部348が追加されたものである。その他の構成は、観客監視装置300と同等である。
【0066】
プログラム311aは、本実施形態3にかかる観客監視方法の処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0067】
測定部347は、上述した第1の測定部の一例である。例えば、測定部347は、非着用者がマスクを着用していない非着用時間を指標値として測定してもよい。または、測定部347は、観客領域に対して複数回撮影された複数の撮影画像から、特定の観客が非着用者として検知された検知回数を指標値として測定してもよい。この場合、測定部347は、検知回数をメモリ320等に保持するものとする。または、測定部347は、観客領域において検知された非着用者の検知人数を指標値として測定してもよい。または、測定部347は、非着用者が検知された場合、観客領域の混雑状況を指標値として測定してもよい。尚、測定部347は、非着用者と周囲の観客との距離を混雑状況に含めても良い。
【0068】
判定部348は、上述した判定部の一例である。例えば、判定部348は、測定された非着用時間が所定時間を超えた場合、所定条件を満たすと判定するとよい。これにより、観客がマスクを外して間もない間は、その後、マスクを再着用する可能性もあるため、警告情報の過剰な通知を抑制できる。
【0069】
または、判定部348は、測定された検知回数が所定数を超える場合、所定条件を満たすと判定するとよい。これにより、短時間であっても何度もマスクを外している観客に対して、適切なマスク着用の声掛けが可能となる。
【0070】
または、判定部348は、測定された検知人数が所定数を超える場合、所定条件を満たすと判定するとよい。これにより、非着用者が少ない場合に、警告情報の過剰な通知を抑制できる。
【0071】
または、判定部348は、測定された混雑状況が所定度合いを超える場合、所定条件を満たすと判定するとよい。例えば、判定部348は、測定された混雑状況のうち非着用者の所定範囲内に他の観客が存在するか否かにより、混雑状況が所定度合いを超えるか否かを判定してもよい。これにより、観客領域が密な場合に、非着用者に対して、適切なマスク着用の声掛けが可能となる。
【0072】
図14は、本実施形態3にかかる観客監視処理の流れを示すフローチャートである。尚、ステップS41からS44並びにS45は、上述した図9と同様であるため、以下では、図9との差異について説明する。ステップS44の後、測定部347は、マスクの非着用に関する指標値を測定する(S46)。ここで、指標値は、例えば、上述した非着用時間、検知回数、検知人数又は混雑状況が挙げられるが、これらに限定されない。また、測定部347は、非着用時間、検知回数、検知人数及び混雑状況のうち2以上を組み合わせて測定してもよい。
【0073】
そして、判定部348は、ステップS46で測定された指標値が所定条件を満たすか否かを判定する(S47)。例えば、指標値が非着用時間である場合、判定部348は、非着用時間が所定時間を超えるか否かを判定する。また、指標値が検知回数である場合、判定部348は、検知回数が所定数を超えるか否かを判定する。また、指標値が検知人数である場合、判定部348は、検知人数が所定数を超えるか否かを判定する。また、指標値が混雑状況である場合、判定部348は、混雑状況が所定度合いを超えるか否かを判定する。
【0074】
ステップS47において指標値が所定条件を満たすと判定された場合、通知部346は、上述したように警告情報を通知する(S45)。一方、ステップS47において指標値が所定条件を満たさないと判定された場合、ステップS43へ進む。
【0075】
尚、本実施形態3は、必ずしも測定部347を備える必要はない。その場合、例えば、判定部348は、検知された非着用者が飲食を行っていない場合に、所定条件を満たすと判定するとよい。つまり、判定部348は、検知された非着用者について飲食を行っているか否かを判定する。例えば、判定部348は、人が飲食を行っている顔周辺の画像を学習したAIモデルを用いて、検知された非着用者について飲食を行っているか否かを判定してもよい。これにより、飲食を行っている場合に、警告情報の過剰な通知を抑制できる。または、管理者U2が管理端末130に表示された撮影画像及び警告情報を見た上で、非着用者が飲食しているか否かを判定し、判定結果を管理端末130を介して観客監視装置300へ入力してもよい。その場合、判定部348は、入力された判定結果が飲食を行っていることを示す場合、所定条件を満たさないと判定する。つまり、マスクの非着用者であっても警告対象から除外される。このとき、通知部346は、既に通知した警告情報を取り消す指示を行うと良い。よって、この場合も警告情報の過剰な通知を抑制できる。但し、判定部348は、検知された非着用者が飲食を行っている飲食回数をカウントしてもよい。そして、判定部348は、飲食回数が所定値を超える場合、所定条件を満たすと判定してもよい。
【0076】
または、判定部348は、特定された部分領域がマスクの着用を求められる指定領域である場合に、所定条件を満たすと判定するとよい。例えば、スタジアム100内のイートスペースなどでは、マスクの非着用が許可されることがある。そのため、観客監視装置300は、通常の観覧席などマスクの着用が求められるスペース(イートスペース以外)を予め指定領域として登録するものとする。この場合、判定部348は、ステップS44により特定された座席位置又はブロックが指定領域か否かを判定する。これにより、イートスペースでは、警告情報の通知を抑制できる。
【0077】
<実施形態4>
実施形態4は、上述した実施形態2又は3の変形例である。本実施形態4にかかる観客監視装置は、非着用者が検知された場合、マスクの非着用に関する指標値を測定する第2の測定部と、指標値に応じた警告度合いを示す警告情報を決定する決定部と、をさらに備えるものである。これにより、運営要員は、警告度合いに応じた通知を受けることで、声掛けの頻度や度合いを調整でき、きめ細かな対応が可能となる。また、警告度合いに応じて通知先を増減するか、選択しても良い。
【0078】
尚、本実施形態4の全体構成は、図3と同等であるため図示を省略し、以下では差異について説明する。図15は、本実施形態4にかかる観客監視装置300bの構成を示すブロック図である。観客監視装置300bの記憶部310は、上述した観客監視装置300aと比べて、プログラム311aがプログラム311bに置き換わったものである。また、観客監視装置300bの制御部340は、上述した観客監視装置300aと比べて、判定部348が決定部349に置き換わったものである。尚、本実施形態4にかかる測定部347は、上述した第2の測定部の一例である。その他の構成は、観客監視装置300aと同等である。尚、観客監視装置300bは、実施形態2にかかる観客監視装置300に改良を加えても実現可能である。
【0079】
プログラム311bは、本実施形態4にかかる観客監視方法の処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0080】
決定部349は、上述した決定部の一例である。例えば、決定部349は、非着用者の顔領域を囲む枠線の色を青、黄、赤の順で警告度合いが強くなるように決定してもよい。例えば、決定部349は、非着用時間に応じて警告情報の警告度合い(例えば、枠線の色)を決定するとよい。つまり、決定部349は、非着用時間が長くなるにつれて、警告度合いが強く(高く)なるように警告情報を決定してもよい。これにより、非着用者のうち長時間、マスクを外している観客(とその所在位置)を容易に識別できるようになるため、スタジアムスタッフU1は、長時間、マスクを外している観客に対して優先的に声掛けを行うことができる。
【0081】
または、決定部349は、検知回数に応じて警告情報の警告度合い(例えば、枠線の色)を決定してもよい。つまり、決定部349は、検知回数が多くなるにつれて、警告度合いが強く(高く)なるように警告情報を決定してもよい。これにより、短時間であっても何度もマスクを外している観客(とその所在位置)を容易に識別できるようになるため、スタジアムスタッフU1は、当該観客に対して、優先的に声掛けを行うことができる。
【0082】
または、決定部349は、検知人数に応じて警告情報の警告度合い(例えば、枠線の色)を決定してもよい。つまり、決定部349は、検知人数多くなるにつれて、警告度合いが強く(高く)なるように警告情報を決定してもよい。これにより、スタジアムスタッフU1は、マスクの非着用者の検知人数に応じた声掛けを行うことができる。さらに、決定部349は、検知人数が所定数を超える場合、特定された部分領域の近くのスピーカ等を警告情報の通知先に加えても良い。これにより、スタジアムスタッフU1が大勢に声掛けを行う負担を軽減できる。
【0083】
または、決定部349は、混雑状況に応じて警告情報の警告度合い(例えば、枠線の色)を決定してもよい。つまり、つまり、決定部349は、非着用者と他の観客との距離が近いほど、また、近くにより多くの観客がいるほど、警告度合いが強く(高く)なるように警告情報を決定してもよい。これにより、スタジアムスタッフU1は、観客領域が密な場所でマスクの非着用者が存在することを容易に把握でき、より優先的に声掛けを行うことができる。
【0084】
尚、決定部349は、警告情報に測定した非着用時間、検知回数、検知人数又は混雑状況といった指標値自体を含めても良い。これにより、警告情報を受信した管理端末130等は、画面に指標値を表示できる。そのため、管理者U2やスタジアムスタッフU1は、色や指標値を視認して、非着用者をより容易に把握できる。
【0085】
図16は、本実施形態4にかかる観客監視処理の流れを示すフローチャートである。尚、ステップS41からS44、S46並びにS45は、上述した図14と同様であるため、以下では、図14との差異について説明する。ステップS46の後、決定部349は、指標値に応じた警告度合いを示す警告情報を決定する(S48)。ここで、決定部349は、上述したように非着用時間、検知回数、検知人数及び混雑状況のいずれか又は複数の組合せに応じて、警告度合いを示す警告情報を決定する。その後、通知部346は、決定された警告情報を上述したように通知する(S45)。
【0086】
図17から図20は、本実施形態4にかかるマスクの非着用者の警告情報の表示例を示す図である。図17は、指標値として非着用時間が測定された場合に、警告情報R1aとして「マスク非着用時間5分!」との表記が表示された例を示す。図18は、指標値として検知回数が測定された場合に、警告情報R1bとして「マスク非着用回数5回/15分!」との表記が表示された例を示す。図19は、指標値として観客領域あたりの検知人数が測定された場合に、警告情報R1cとして「マスク非着用者3人!」との表記が表示された例を示す。図20は、指標値として混雑状況が測定された場合に、警告情報R1dとして「マスク非着用者の周囲に3人!」との表記が表示された例を示す。尚、図20では、マスク非着用者の周囲を囲む領域を枠線(破線)で囲んだ例を示すが、枠線は必須ではない。また、図17から図20のおいて、警告情報R1aからR1dの非着用者の顔領域の枠線の代わりに、上述した図12の警告情報R11のようにブロック単位等の枠線やブロック番号を用いても良い。
【0087】
尚、図17から図20における警告情報の表示例は、実施形態3において適用しても構わない。
【0088】
尚、検知部343においてマスクの非着用者が大声を出す、声援を送る、会話をする、立ち上がるなどが検知された場合に、決定部349は、警告度合いが高くなるように警告情報を決定してもよい。例えば、検知部343は、人が会話を行っている顔周辺の画像を学習したAIモデルを用いて、検知された非着用者が会話等を行っていることを検知してもよい。または、スタジアム100は、観客領域ごとやブロックごとに観客の声を集音するマイクを備えても良い。この場合、検知部343は、特定されたブロックに対応するマイクから集音された音量が所定値以上である場合に、検知された非着用者が会話等を行っていることを検知してもよい。
【0089】
<実施形態5>
実施形態5は、上述した実施形態2から4の変形例である。本実施形態5にかかる観客監視装置は、観客領域内の複数の部分領域のそれぞれについて、検知された非着用者の検知人数を測定する第3の測定部をさらに備えるものである。そして、特定部は、複数の部分領域のうち、検知人数がより多い部分領域を特定し、通知部は、特定された部分領域を優先して警告情報を通知する。これにより、感染症の感染リスクがより高いブロックに対して、スタジアムスタッフU1が優先して声掛けを行うことができる。また、通知部は、通知先に、特定されたブロックに対応するスピーカを加えてもよい。尚、第3の測定部は、観客領域内の複数の部分領域のそれぞれについて、マスクの非着用に関する指標値を測定するものであってもよい。指標値は、上述した第2の測定部のように、例えば、非着用時間、非着用者の検知回数、非着用者の周囲の混雑状況等であってもよい。この場合、特定部は、複数の部分領域のうち、指標値がより大きい部分領域を特定し、通知部は、特定された部分領域を優先して警告情報を通知する。つまり、特定部は、部分領域ごとの指標値に基づいて、警告情報を通知する優先順位を決定してもよい。
【0090】
尚、本実施形態5の全体構成は、図3と同等であるため図示を省略する。また、本実施形態5の観客監視装置の構成は、図8に測定部347を追加したものであるため図示を省略し、以下では差異について説明する。尚、本実施形態5の観客監視装置は、実施形態2から4にかかる観客監視装置300、300a又は300bに改良を加えても実現可能である。
【0091】
図21は、本実施形態5にかかる観客監視処理の流れを示すフローチャートである。尚、ステップS41からS43は、上述した図9と同様であるため、以下では、図9との差異について説明する。
【0092】
ステップS42において非着用者が一人以上検知された場合、測定部347は、観客領域内の複数のブロックのそれぞれについて、ブロック単位で非着用者の検知人数を測定する(S51)。そして、特定部345は、複数のブロックの中で検知人数がより多いブロックを特定する(S52)。そして、通知部346は、特定されたブロックを識別するための警告情報を、ネットワークNを介して管理端末130又はスタッフ端末120へ通知する(S53)。このとき、通知部346は、ネットワークNを介して、特定されたブロックに対応するスピーカに対して、警告情報をさらに通知してもよい。
【0093】
その後、特定部345は、非着用者が検知されたブロックのうちステップS53により未通知のブロックが存在するか否かを判定する(S54)。未通知のブロックが存在すると判定された場合、特定部345は、未通知のブロックのうち、検知人数がより多いブロックを特定する(S55)。そして、通知部346は、上述したように警告情報を通知する(S53)。そして、ステップS54で未通知のブロックが存在しないと判定された場合、当該観客監視処理を終了する。
【0094】
図22は、本実施形態5にかかるマスクの非着用者の警告情報の表示例を示す図である。図22は、観客領域のうち正面から左側のブロックに非着用者が3人検知され、右側のブロックに非着用者が1人検知された例を示す。図21のフローに従うと、先に、左側のブロックに警告情報R2aが表示され、その後、右側のブロックに警告情報R2bが表示されることとなる。但し、警告情報R2a及びR2bは、同時に表示されてもよい。警告情報R2aは、「(1)マスク非着用者3人!」との表記を示し、警告情報R2bは、「(2)マスク非着用者1人!」との表記を示す。そのため、「(1)」の表記を含む警告情報R2aは、「(2)」の表記を含む警告情報R2bよりも優先度が高いことを示す。また、この例では、警告情報R2aの文字サイズが警告情報R2bの文字サイズよりも大きい。これによっても警告情報R2aは警告情報R2bよりも優先度が高いことを示す。つまり、管理者U2等は、警告情報R2aと警告情報R2bの表示順、冒頭の番号又は文字サイズの少なくともいずれかにより、非着用者の密度がより高いブロックを把握できる。言い換えると、管理者U2等は、警告情報の表示順、冒頭の番号又は文字サイズの少なくともいずれかにより、マスク着用の声掛けを行う優先度の高いブロックを把握できる。よって、スタジアムスタッフU1は、警告情報R2aに対応するブロックに対して優先的に声掛けを行うことができる。
【0095】
このように、本実施形態により、管理端末130又はスタッフ端末120は、マスクの非着用者の検知人数が多いブロックから順番に警告情報を受信できる。よって、管理者U2及びスタジアムスタッフU1は、声掛けを行う優先度が高いブロックを把握できる。よって、スタジアムスタッフU1は、感染症の感染リスクを効果的に抑制するように声掛けを行うことができる。
【0096】
<実施形態6>
実施形態6は、上述した実施形態2から5の変形例である。本実施形態6では、一旦、警告情報を通知した後に、当初検知された観客の状況に応じた通知を行うものである。例えば、本実施形態6にかかる取得部は、警告情報が通知された後に(同じ)観客領域が撮影された第2の撮影画像を取得する。そして、通知部は、第1の撮影画像において非着用者として検知された観客が、第2の撮影画像において非着用者として検知されなかった場合、その旨を情報端末に対して通知するとよい。これにより、観客が一旦、マスクを外した後、マスクを再着用した場合に、スタジアムスタッフU1はその旨を把握できるため、当該観客に対する声掛けを中止できる。よって、過剰な声掛けを抑制し、また、スタジアムスタッフU1の負担を軽減できる。
【0097】
また、本実施形態6にかかる取得部は、警告情報が通知された後に(同じ)観客領域が撮影された第3の撮影画像を取得する。尚、第2の撮影画像と第3の撮影画像は同じものであってもよい。そして、検知部は、第1の撮影画像において非着用者として検知された観客が、第3の撮影画像において、特定された部分領域から移動したことを検知したものとする。このとき、通知部は、移動したことが検知された旨を情報端末に対して通知するとよい。これにより、マスクを外した状態で観客が離席したことを通知できる。そのため、スタジアムスタッフU1は、より優先的に、当該観客に声掛けを行うことができる。
【0098】
この場合、さらに、特定部は、移動したことが検知された観客の移動後の位置を特定するとよい。このとき、通知部は、特定された移動後の位置を情報端末に対して通知するとよい。これにより、マスクを外した状態で観客の直近の存在位置を通知できる。そのため、スタジアムスタッフU1は、当該観客を追跡した上で、声掛けを行うことができる。よって、スタジアムスタッフU1の負担を軽減できる。
【0099】
尚、本実施形態6の全体構成及び観客監視装置の構成は、図3及び図8と同等であるため図示を省略し、以下では差異について説明する。
【0100】
図23は、本実施形態6にかかる観客監視処理の流れを示すフローチャートである。尚、図9と同等の処理については同じ符号を付している。前提として、例えば、すでに図9の処理により、観客領域101において非着用者が検知され、警告情報が通知済みであるものとする。そして、観客監視装置300は、検知された非着用者の観客ID又は座席位置(並びに検知又は通知時刻)をメモリ320内に保持しているものとする。
【0101】
その後、カメラ110は、再度、観客領域101の撮影方向に対して撮影し、撮影画像及び撮影方向をネットワークNを介して観客監視装置300へ送信したものとする。これに応じて、取得部342は、カメラ110からネットワークNを介して(第2、第3の)撮影画像及び撮影方向を取得する(S41)。
【0102】
次に、検知部343は、取得した撮影方向において前回、マスクの非着用者が検知されたか否かを判定する(S61)。例えば、検知部343は、メモリ320を参照し、観客領域101において前回の撮影画像において非着用者が検知されたか否かを判定する。さらに、検知されたと判定した場合、検知部343は、検知された非着用者の観客ID又は座席位置を特定する。
【0103】
前回、マスクの非着用者が検知されたと判定された場合(ステップS61でYES)、検知部343は、前回の非着用者が、今回の撮影画像においてマスクの着用者として検知されたか否かを判定する(S62)。例えば、検知部343は、ステップS42と同様に、撮影画像内の非着用者の検知を行い、検知された場合、検知された非着用者が上記で特定された座席位置に存在するか否かを判定する。または、検知部343は、撮影画像内の上記で特定された座席位置の顔領域について、マスクの非着用者か否かを判定してもよい。
【0104】
前回の非着用者が今回は着用者として検知された場合(ステップS62でYES)、通知部346は、前回の非着用者がその後、マスクを着用した旨(よって声掛け等は不要な旨)を、管理端末130又はスタッフ端末120へ通知する(S63)。
【0105】
前回の非着用者が今回も非着用者として検知された場合(ステップS62でNO)、検知部343は、前回の非着用者が移動したか否かを判定する(S64)。例えば、検知部343は、非着用者に対する顔認証を利用したトラッキングを行い、当該非着用者(観客)の移動後の位置を特定する(S65)。このとき、検知部343は、複数のカメラで顔認証を行うことで、非着用者の動きをトラッキング(測定、検知、特定)してもよい。そして、通知部346は、マスクの非着用者の移動後の位置を、管理端末130又はスタッフ端末120へ通知する(S66)。
【0106】
前回、マスクの非着用者が検知されなかったと判定された場合(ステップS61でNO)、観客監視装置300は、図9と同様に、ステップS42からS45を行う。尚、ステップS42からS45は、ステップS61の判定結果に関わらず実行してもよい。
【0107】
このように本実施形態6では、一旦、警告情報を通知した後に、当初検知された観客の状況に応じた通知を行うことで、スタジアムスタッフU1が適切な対応を取ることができる。例えば、マスクを再着用した観客に対する過剰な声掛けを抑制できる。また、非着用者が移動した場合、スタジアムスタッフU1は優先して声掛けを行うことができる。特に、その際、スタジアムスタッフU1は、非着用者の移動先の位置を把握できるため、効果的に声掛けを行うことができる。また、これらによりスタジアムスタッフU1の負担を軽減できる。
【0108】
<実施形態7>
実施形態7は、上述した実施形態2から6の変形例である。本実施形態7は、生体認証機能を観客監視装置に内蔵させたものである。本実施形態7にかかる観客監視システムは、上述した観客監視システム1000のうち認証装置200が観客監視装置300cに内蔵されたものと同様であるため、図示及び説明を省略する。
【0109】
図24は、本実施形態7にかかる観客監視装置300cの構成を示すブロック図である。観客監視装置300cの記憶部310は、上述した観客監視装置300と比べて、プログラム311がプログラム311aに置き換わり、観客ID312に顔特徴情報316が対応付けられたものである。また、観客監視装置300cの制御部340は、上述した観客監視装置300と比べて、認証制御部344が認証制御部344cに置き換わったものである。
【0110】
プログラム311aは、本実施形態7にかかる観客監視方法の処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0111】
顔特徴情報316は、上述した認証装置200の顔特徴情報212に相当するものである。顔特徴情報316は、観客ID312(ユーザの識別情報)と対応付けられている。つまり、記憶部310は、上述した顔情報DB210を包含するものである。
【0112】
認証制御部344cは、複数の人物の顔特徴情報とマスクの非着用者の顔特徴情報とを照合して顔認証を制御する。すなわち、認証制御部344cは、検知された非着用者の顔領域から抽出された顔特徴情報と、記憶部310に記憶された顔特徴情報316とを照合して顔認証を行うことにより、顔認証結果を取得する。
【0113】
尚、本実施形態では、上述した図9のステップ441が、認証制御部344cによる観客監視装置300c内での顔認証処理に置き換わる。
【0114】
このように、本実施形態7においても上述した実施形態2と同様の効果を奏することができる。そのため、実施形態3から6にかかる観客監視装置に対しても同様の改良を行うことで、実施形態3から6と同様の効果を奏することができる。
【0115】
<その他の実施形態>
尚、上述の実施形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0116】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0117】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0118】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記A1)
所定の施設における複数の観客を含む観客領域が撮影された第1の撮影画像を取得する取得手段と、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する検知手段と、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定する特定手段と、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する通知手段と、
を備える観客監視装置。
(付記A2)
前記特定手段は、前記非着用者の座席位置を前記部分領域として特定する
付記A1に記載の観客監視装置。
(付記A3)
前記特定手段は、前記第1の撮影画像を撮影した撮影装置の撮影方向と前記第1の撮影画像内の前記非着用者の検知位置とに基づいて、前記座席位置を特定する
付記A2に記載の観客監視装置。
(付記A4)
前記複数の観客それぞれの顔特徴情報に対応する識別情報と座席位置を対応付けて記憶手段に登録する登録手段と、
前記第1の撮影画像内の前記非着用者の顔領域に基づき前記記憶手段を参照して顔認証を制御する認証制御手段と、
をさらに備え、
前記特定手段は、前記顔認証に成功した非着用者である観客に対応付けられた座席位置を前記部分領域として特定する
付記A2に記載の観客監視装置。
(付記A5)
前記非着用者が検知された場合、所定条件を満たすか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記所定条件を満たすと判定された場合、前記警告情報を通知する
付記A1乃至A4のいずれか1項に記載の観客監視装置。
(付記A6)
前記非着用者が検知された場合、前記マスクの非着用に関する指標値を測定する第1の測定手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記指標値が前記所定条件を満たすか否かを判定する
付記A5に記載の観客監視装置。
(付記A7)
前記第1の測定手段は、前記非着用者がマスクを着用していない非着用時間を前記指標値として測定し、
前記判定手段は、前記非着用時間が所定時間を超えた場合、前記所定条件を満たすと判定する
付記A6に記載の観客監視装置。
(付記A8)
前記第1の測定手段は、前記観客領域に対して複数回撮影された複数の撮影画像から、特定の観客が非着用者として検知された検知回数を前記指標値として測定し、
前記判定手段は、前記検知回数が所定数を超える場合、前記所定条件を満たすと判定する
付記A6に記載の観客監視装置。
(付記A9)
前記第1の測定手段は、前記観客領域において前記検知された非着用者の検知人数を前記指標値として測定し、
前記判定手段は、前記検知人数が所定数を超える場合、前記所定条件を満たすと判定する
付記A6に記載の観客監視装置。
(付記A10)
前記第1の測定手段は、前記非着用者が検知された場合、前記観客領域の混雑状況を前記指標値として測定し、
前記判定手段は、前記混雑状況が所定度合いを超える場合、前記所定条件を満たすと判定する
付記A6に記載の観客監視装置。
(付記A11)
前記判定手段は、前記検知された非着用者が飲食を行っていない場合に、前記所定条件を満たすと判定する
付記A5に記載の観客監視装置。
(付記A12)
前記判定手段は、前記特定された部分領域がマスクの着用を求められる指定領域である場合に、前記所定条件を満たすと判定する
付記A5に記載の観客監視装置。
(付記A13)
前記非着用者が検知された場合、前記マスクの非着用に関する指標値を測定する第2の測定手段と、
前記指標値に応じた警告度合いを示す警告情報を決定する決定手段と、をさらに備え、
前記通知手段は、前記決定された警告情報を通知する
付記A1乃至A4のいずれか1項に記載の観客監視装置。
(付記A14)
前記第2の測定手段は、前記非着用者がマスクを着用していない非着用時間を前記指標値として測定し、
前記決定手段は、前記非着用時間に応じて前記警告情報を決定する
付記A13に記載の観客監視装置。
(付記A15)
前記第2の測定手段は、前記観客領域に対して複数回撮影された複数の撮影画像から、特定の観客が非着用者として検知された検知回数を前記指標値として測定し、
前記決定手段は、前記検知回数に応じて前記警告情報を決定する
付記A13に記載の観客監視装置。
(付記A16)
前記第2の測定手段は、前記観客領域において前記検知された非着用者の検知人数を前記指標値として測定し、
前記決定手段は、前記検知人数に応じて前記警告情報を決定する
付記A13に記載の観客監視装置。
(付記A17)
前記第2の測定手段は、前記非着用者が検知された場合、前記観客領域の混雑状況を前記指標値として測定し、
前記決定手段は、前記混雑状況に応じて前記警告情報を決定する
付記A13に記載の観客監視装置。
(付記A18)
前記観客領域内の複数の部分領域のそれぞれについて、前記検知された非着用者の検知人数を測定する第3の測定手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記複数の部分領域のうち、前記検知人数がより多い部分領域を特定し、
前記通知手段は、前記特定された部分領域を優先して前記警告情報を通知する
付記A1乃至A4のいずれか1項に記載の観客監視装置。
(付記A19)
前記取得手段は、前記警告情報が通知された後に前記観客領域が撮影された第2の撮影画像を取得し、
前記通知手段は、前記第1の撮影画像において前記非着用者として検知された観客が、前記第2の撮影画像において前記非着用者として検知されなかった場合、その旨を前記情報端末に対して通知する
付記A1乃至A18のいずれか1項に記載の観客監視装置。
(付記A20)
前記取得手段は、前記警告情報が通知された後に前記観客領域が撮影された第3の撮影画像を取得し、
前記検知手段は、前記第1の撮影画像において前記非着用者として検知された観客が、前記第3の撮影画像において前記特定された部分領域から移動したことを検知し、
前記通知手段は、前記移動したことが検知された旨を前記情報端末に対して通知する
付記A1乃至A19のいずれか1項に記載の観客監視装置。
(付記A21)
前記特定手段は、前記移動したことが検知された観客の移動後の位置を特定し、
前記通知手段は、前記特定された移動後の位置を前記情報端末に対して通知する
付記A20に記載の観客監視装置。
(付記A22)
前記通知手段は、前記施設内の所定の出力装置に対して、前記警告情報をさらに通知する
付記A1乃至A21のいずれか1項に記載の観客監視装置。
(付記B1)
所定の施設における複数の観客を含む観客領域を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置と接続された観客監視装置と、
を備え、
前記観客監視装置は、
前記撮影装置により撮影された第1の撮影画像を取得する取得手段と、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する検知手段と、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定する特定手段と、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する通知手段と、
を備える観客監視システム。
(付記B2)
前記特定手段は、前記非着用者の座席位置を前記部分領域として特定する
付記B1に記載の観客監視システム。
(付記C1)
コンピュータが、
所定の施設における複数の観客を含む観客領域が撮影された第1の撮影画像を取得し、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知し、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定し、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する、
観客監視方法。
(付記D1)
所定の施設における複数の観客を含む観客領域が撮影された第1の撮影画像を取得する取得処理と、
前記第1の撮影画像からマスクを着用していない観客である非着用者を検知する検知処理と、
前記観客領域のうち前記非着用者を含む部分領域を特定する特定処理と、
前記施設の運営要員の情報端末に対して、前記特定した部分領域についての警告情報を通知する通知処理と、
をコンピュータに実行させる観客監視プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0119】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0120】
1 観客監視装置
11 取得部
12 検知部
13 特定部
14 通知部
1000 観客監視システム
100 スタジアム
101 観客領域
1011 ブロック
101i ブロック
10n 観客領域
10n1 ブロック
10nj ブロック
110 カメラ
110a カメラ
110b カメラ
120 スタッフ端末
130 管理端末
200 認証装置
210 顔情報DB
211 ユーザID
212 顔特徴情報
220 顔検出部
230 特徴点抽出部
240 登録部
250 認証部
300 観客監視装置
300a 観客監視装置
300b 観客監視装置
300c 観客監視装置
310 記憶部
311 プログラム
311a プログラム
311b プログラム
311c プログラム
312 観客ID
313 座席位置
314 撮影方向
315 観客領域
3151 ブロック
31511 座席位置
3151k 座席位置
315i ブロック
316 顔特徴情報
320 メモリ
330 IF部
340 制御部
341 登録部
342 取得部
343 検知部
344 認証制御部
344c 認証制御部
345 特定部
346 通知部
347 測定部
348 判定部
349 決定部
R0 警告情報
R1 警告情報
R11 警告情報
R1a 警告情報
R1b 警告情報
R1c 警告情報
R1d 警告情報
R2a 警告情報
R2b 警告情報
N ネットワーク
U1 スタジアムスタッフ
U2 管理者
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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図24