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特許7578924エレベータかご、エレベータ及びかご手摺
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-29
(45)【発行日】2024-11-07
(54)【発明の名称】エレベータかご、エレベータ及びかご手摺
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20241030BHJP
【FI】
B66B11/02 Q
B66B11/02 R
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024003255
(22)【出願日】2024-01-12
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】物部 愛
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-101576(JP,U)
【文献】特開2015-218028(JP,A)
【文献】特開2017-019661(JP,A)
【文献】特開平08-239184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉されるかご扉と、
内部に配置されるかご手摺と、を備え、
前記かご手摺は、
第1横方向へ延びる手摺部と、
前記かご扉の個数を示すために、前記手摺部の表面に凹凸状に形成される扉表示部と、を備え
前記扉表示部は、前記かご扉の個数を示す点字である、エレベータかご。
【請求項2】
開閉されるかご扉と、
内部に配置されるかご手摺と、を備え、
前記かご手摺は、
第1横方向へ延びる手摺部と、
前記かご扉の個数を示すために、前記手摺部の表面に凹凸状に形成される扉表示部と、を備える、エレベータかごであって、
前記かご扉は、互いに離れる第1かご扉及び第2かご扉の二つを備えられ、
前記扉表示部は、第1矢先が前記第1かご扉の位置を指し且つ第2矢先が前記第2かご扉の位置を指す両矢印形状である、エレベータかご。
【請求項3】
開閉されるかご扉と、
内部に配置されるかご手摺と、を備え、
前記かご手摺は、
第1横方向へ延びる手摺部と、
前記かご扉の個数を示すために、前記手摺部の表面に凹凸状に形成される扉表示部と、を備える、エレベータかごであって、
前記かご扉は、一つのみ備えられ、
前記扉表示部は、矢先が前記かご扉の位置を指す片矢印形状である、エレベータかご。
【請求項4】
前記扉表示部は、前記第1横方向へ並ぶように、複数備えられる、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータかご。
【請求項5】
前記かご手摺は、前記手摺部の端部であることを示すために、前記手摺部の前記第1横方向の端部の表面に、凹凸状に形成される端部表示部を備え、
前記端部表示部は、前記扉表示部の形状と異なる形状である、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータかご。
【請求項6】
請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータかごを備える、エレベータ。
【請求項7】
請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータかごに用いられる、かご手摺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エレベータかご、エレベータ及びかご手摺に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータかごは、開閉するかご扉と、内部に配置される操作盤とを備えている(例えば、特許文献1)。そして、操作盤は、視覚障害者のために、点字を備えている。ところで、エレベータかごにおいて、かご扉が一つである型式と、かご扉が2つである型式とが存在する。そして、視覚障害者にかご扉の個数を認識させたいという要望が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-76600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、視覚障害者にかご扉の個数を認識させ易くすることができるエレベータかご、エレベータ及びかご手摺を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]
エレベータかごは、
開閉されるかご扉と、
内部に配置されるかご手摺と、を備え、
前記かご手摺は、
第1横方向へ延びる手摺部と、
前記かご扉の個数を示すために、前記手摺部の表面に凹凸状に形成される扉表示部を備える。
【0006】
[2]
また、上記[1]のエレベータかごにおいては、
前記かご扉は、互いに離れる第1かご扉及び第2かご扉の二つを備えられ、
前記扉表示部は、第1矢先が前記第1かご扉の位置を指し且つ第2矢先が前記第2かご扉の位置を指す両矢印形状である、
という構成でもよい。
【0007】
[3]
また、上記[1]のエレベータかごにおいては、
前記かご扉は、一つのみ備えられ、
前記扉表示部は、矢先が前記かご扉の位置を指す片矢印形状である、
という構成でもよい。
【0008】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか1つのエレベータかごにおいては、
前記扉表示部は、前記第1横方向へ並ぶように、複数備えられる、
という構成でもよい。
【0009】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか1つのエレベータかごにおいては、
前記かご手摺は、前記手摺部の端部であることを示すために、前記手摺部の前記第1横方向の端部の表面に、凹凸状に形成される端部表示部を備え、
前記端部表示部は、前記扉表示部の形状と異なる形状である、
という構成でもよい。
【0010】
[6]
エレベータは、上記[1]~[5]の何れか1つのエレベータかごを備える。
【0011】
[7]
かご手摺は、上記[1]~[5]の何れか1つのエレベータかごに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係るエレベータの概要図
図2】同実施形態に係るエレベータの内視平面図
図3】同実施形態に係るエレベータかごの内視側面図
図4図2のIV領域拡大図
図5図4のV-V線の拡大断面図
図6】他の実施形態に係るかご手摺の拡大平面図
図7】さらに他の実施形態に係るかご手摺の拡大平面図
図8】さらに他の実施形態に係るエレベータかごの内視要部平面図
図9】さらに他の実施形態に係るエレベータかごの内視平面図
図10】さらに他の実施形態に係るエレベータかごの内視要部平面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0014】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0015】
以下、エレベータ、エレベータかご及びかご手摺における一実施形態について、図1図5を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、エレベータ、エレベータかご及びかご手摺の構成等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータ、エレベータかご及びかご手摺の構成を限定するものではない。
【0016】
図1に示すように、エレベータ1は、人(乗客)が乗るためのエレベータかご(以下、単に「かご」ともいう)10を備えている。そして、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、かご10を走行させるかご駆動部2と、かご10を案内するかごレール(図示していない)と、エレベータ1の各部を制御する処理部3とを備えていてもよい。なお、かご駆動部2の駆動方式は、特に限定されない。
【0017】
エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、第1端部がかご10に接続されるかごロープ4と、かごロープ4の第2端部に接続される釣合錘5と、釣合錘5を案内する錘レール(図示していない)とを備えていてもよい。そして、かご駆動部2は、例えば、本実施形態のように、かごロープ4が巻き掛けられる綱車2aと、綱車2aを回転させる駆動源2b(例えば、モータ)と、綱車2aを制動する制動部(図示していない)とを備えていてもよい。
【0018】
即ち、かご駆動部2は、巻上機であって、エレベータ1は、ロープ式の駆動方式である、という構成でもよい。なお、斯かる構成に限られず、例えば、かご駆動部2は、油圧装置であり、エレベータ1は、油圧式の駆動方式である、という構成でもよく、また、例えば、かご駆動部2は、リニアモータであって、エレベータ1は、リニアモータ式の駆動方式である、という構成でもよい。
【0019】
また、本実施形態においては、かごロープ4の第1端部がかご10に接続され、かごロープ4の第2端部が釣合錘5に接続されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、かごロープ4の両端部がそれぞれ昇降路X1の上部又は下部に固定され、かごロープ4がかご10のシーブ及び釣合錘5のシーブにそれぞれ巻き掛けられることによって、かごロープ4がかご10及び釣合錘5にそれぞれ接続されている、という構成でもよい。
【0020】
また、本実施形態に係るエレベータ1は、かご駆動部2である巻上機を機械室X2の内部に配置する、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、機械室X2が備えられておらず、エレベータ1は、巻上機を昇降路X1の内部に配置する、という構成でもよい。
【0021】
なお、各図において、第1方向D1は、第1横方向D1であり、第2方向D2は、第1横方向D1と直交する横方向である第2横方向D2であり、第3方向D3は、各横方向D1,D2とそれぞれ直交する上下方向D3であり、かご10及び釣合錘5が昇降する昇降方向である。
【0022】
エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、乗場X3,X4の出入口を開閉する乗場扉6と、乗場X3,X4に配置される乗場操作盤7とを備えていてもよい。かご10は、例えば、本実施形態のように、人が乗るかご室11と、かご室11の出入口を開く開位置と閉じる閉位置との間を移動するかご扉12,13と、かご扉12,13の開閉動作を行う扉駆動部14とを備えていてもよい。
【0023】
これにより、扉駆動部14がかご扉12,13を移動させることによって、かご扉12,13は、かご室11の出入口を開閉する。そして、かご扉12,13がかご室11の出入口を開閉することによって、かご10が停止している乗場X3,X4の乗場扉6は、かご扉12,13と連動して、乗場X3,X4の出入口を開閉する、という構成でもよい。
【0024】
図2及び図3に示すように、かご室11は、例えば、第1~第4側壁11a~11dを備えていてもよい。例えば、本実施形態のように、第1側壁11a及び第2側壁11bは、第1横方向D1で離れており、第3側壁11c及び第4側壁11dは、第2横方向D2で離れており、それぞれ第1側壁11a及び第2側壁11bに連結されている、という構成でもよい。
【0025】
かご10は、例えば、本実施形態のように、第1側壁11a及び第2側壁11bの第2横方向D2の端部に固定される第1かご操作盤(「主かご操作盤」ともいう)15,15と、第3側壁11cの第1横方向D1の中央部に固定される第2かご操作盤(「副かご操作盤」ともいう)16とを備えていてもよい。そして、処理部3は、例えば、操作盤7,15,16に入力された情報(例えば、かご操作盤15,16に入力される行先階情報及び戸開閉情報、乗場操作盤7に入力される行先方向情報等)に基づいて、かご10の走行及びかご扉12,13の開閉を制御してもよい。
【0026】
かご扉12,13は、第1横方向D1に互いに離れる第1かご扉12及び第2かご扉13の二つを備えられている。これにより、第1かご扉12及び第2かご扉13は、第1横方向D1で対面しており、第1かご扉12は、かご室11の第1側壁11aの出入口を開閉し、第2かご扉13は、かご室11の第2側壁11bの出入口を開閉する。
【0027】
かご10は、かご室11の内部に配置されるかご手摺20,21を備えている。かご手摺20,21の個数は、特に限定されないが、かご手摺20,21は、例えば、本実施形態のように、かご室11の第3側壁11cに固定される第1かご手摺20と、かご室11の第4側壁11dに固定される第2かご手摺21との二つを備えられていてもよい。なお、かご手摺20,21は、例えば、一つ備えられていてもよく、また、例えば、三つ以上備えられていてもよい。
【0028】
ここで、かご手摺20,21の構成について、図3図5を参照しながら説明する。なお、以下、第1かご手摺20(以下、単に「かご手摺」ともいう)についてのみ説明するが、第2かご手摺21は、例えば、上下方向D3視にて、第1横方向D1を基準にして第1かご手摺20と線対称となる形状であってもよく、また、例えば、第1かご手摺20と非対称となる形状であってもよい。
【0029】
図3及び図4に示すように、かご手摺20は、第1横方向D1に延びる手摺部22を備えている。また、かご手摺20は、例えば、本実施形態のように、手摺部22を第3側壁11cに固定するために、手摺部22と第3側壁11cとを接続する接続部23を備えていてもよい。
【0030】
手摺部22は、例えば、本実施形態のように、第2かご操作盤16よりも下方に配置されていてもよい。そして、手摺部22は、例えば、本実施形態のように、断面が円形である円柱状に形成されていてもよく、また、例えば、断面が四角である四角柱状に形成されていてもよく、また、例えば、板状に形成されていてもよい。
【0031】
接続部23は、例えば、本実施形態のように、手摺部22が固定される手摺固定部23aと、側壁11cが固定される側壁固定部23bとを備えていてもよい。手摺固定部23aは、例えば、本実施形態のように、手摺部22の第1横方向D1の側端部に固定されていてもよく、また、例えば、手摺部22の下部に固定されていてもよく、また、例えば、手摺部22の第2横方向D2の側端部に固定されていてもよい。
【0032】
ところで、視覚障害者が手摺部22を掴むことが多いことに対して、図4に示すように、かご手摺20は、かご扉12,13の個数を示すために、手摺部22の表面に凹凸状に形成される扉表示部24を備えている。扉表示部24は、第1矢先24aが第1かご扉12の位置(具体的には、第1側壁11a)を指し且つ第2矢先24bが第2かご扉13の位置(具体的には、第2側壁11b)を指す両矢印形状である。
【0033】
これにより、視覚障害者が扉表示部24に接触した場合に、視覚障害者は、第1矢先24aによって、第1かご扉12の位置を認識し、且つ、第2矢先24bによって、第2かご扉13の位置を認識する。しかも、矢先24a,24bが二つあるため、視覚障害者は、かご扉12,13の個数が二つであることも認識する。したがって、視覚障害者は、かご扉12,13の個数及び位置を、認識する。
【0034】
なお、扉表示部24は、例えば、本実施形態のように、先鋭の第1矢先24aと先鋭の第2矢先24bとを接続する直線状の矢柄24cを備えていてもよい。これにより、扉表示部24が分離していない一つの連続した形状で構成されているため、視覚障害者が一つの形状に接触することによって、かご扉12,13の個数及び位置を認識することができる。なお、扉表示部24は、例えば、本実施形態のように、全て同じ形状であってもよい。
【0035】
また、扉表示部24は、第1横方向D1へ並ぶように、複数備えられている。これにより、視覚障害者が、手摺部22を掴んだ際に、扉表示部24は、視覚障害者に接触され易くなる。なお、扉表示部24の個数は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、11個としてもよく、また、例えば、2~10個又は12個以上としてもよい。
【0036】
なお、扉表示部24の間隔は、特に限定されないが、例えば、視覚障害者が手摺部22を掴んだ際に、視覚障害者の手が少なくとも一つの扉表示部24に接触することが好ましい。これにより、扉表示部24の間隔は、例えば、50mm以下としてもよく、また、例えば、40mm以下とすることが好ましく、また、例えば、30mm以下とすることがより好ましい。
【0037】
かご手摺20は、手摺部22の端部であることを示すために、手摺部22の第1横方向D1の端部の表面に、凹凸状に形成される端部表示部25を備えている。端部表示部25は、扉表示部24の形状と異なる形状である。これにより、視覚障害者が端部表示部25に接触した場合に、視覚障害者は、手摺部22の端部にいることを認識する。したがって、例えば、視覚障害者は、かご扉12,13の近くにいることを認識する。
【0038】
かご扉12,13が二つ備えられていることに対して、端部表示部25は、例えば、本実施形態のように、複数の扉表示部24を第1横方向D1で挟むように、第1横方向D1の両端部にそれぞれ配置されていてもよい。なお、端部表示部25は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2へ延びる直線形状であってもよい。また、端部表示部25は、例えば、本実施形態のように、全て同じ形状であってもよい。
【0039】
また、視覚障害者が手摺部22を上方から掴むことが多いことに対して、扉表示部24及び端部表示部25は、例えば、図4及び図5に示すように、手摺部22の上下方向D3の中心よりも、上方に配置されていてもよい。これにより、視覚障害者が、手摺部22を掴んだ際に、扉表示部24及び端部表示部25は、視覚障害者に接触され易くなる。
【0040】
また、扉表示部24は、例えば、図5(a)に示すように、手摺部22の表面から突出し、手摺部22の表面に凸状に形成されていてもよく、また、例えば、図5(b)に示すように、手摺部22の表面から凹み、手摺部22の表面に凹状に形成されていてもよい。また、図示していないが、端部表示部25は、例えば、手摺部22の表面から突出し、手摺部22の表面に凸状に形成されていてもよく、また、例えば、手摺部22の表面から凹み、手摺部22の表面に凹状に形成されていてもよい。
【0041】
以上より、エレベータかご10は、本実施形態のように、
開閉されるかご扉12,13と、
内部に配置されるかご手摺20,21と、を備え、
前記かご手摺20,21は、
第1横方向D1へ延びる手摺部22を備え、
前記かご扉12,13の個数を示すために、前記手摺部22の表面に凹凸状に形成される扉表示部24を備える、
という構成が好ましい。
【0042】
斯かる構成によれば、視覚障害者が手摺部22を掴むことが多いことに対して、かご手摺20,21は、手摺部22の表面に凹凸状に形成される扉表示部24を備えており、扉表示部24は、かご扉12,13の個数を示している。これにより、視覚障害者は、手摺部22を掴んだ際に、扉表示部24に接触することによって、かご扉12,13の個数を認識する。したがって、視覚障害者にかご扉12,13の個数を認識させ易くすることができる。
【0043】
また、エレベータかご10においては、本実施形態のように、
前記かご扉12,13は、互いに離れる第1かご扉12及び第2かご扉13の二つを備えられ、
前記扉表示部24は、第1矢先24aが前記第1かご扉12の位置を指し且つ第2矢先24bが前記第2かご扉13の位置を指す両矢印形状である、
という構成が好ましい。
【0044】
斯かる構成によれば、扉表示部24は、両矢印形状であり、第1矢先24aは、第1かご扉12の位置を指しており、第2矢先24bは、第2かご扉13の位置を指している。これにより、視覚障害者は、扉表示部24に接触することによって、かご扉12,13の個数(矢先24a,24bの個数であって、2つ)だけではなく、第1かご扉12及び第2かご扉13の位置(矢先24a,24bが指す位置)も認識する。したがって、視覚障害者に、かご扉12,13の個数だけでなくかご扉12,13の位置も、認識させ易くすることができる。
【0045】
また、エレベータかご10においては、本実施形態のように、
前記扉表示部24は、前記第1横方向D1へ並ぶように、複数備えられる、
という構成が好ましい。
【0046】
斯かる構成によれば、複数の扉表示部24が、第1横方向D1へ並んでいるため、視覚障害者は、手摺部22を掴んだ際に、扉表示部24に接触し易くなる。これにより、視覚障害者にかご扉12,13の個数をさらに認識させ易くすることができる。
【0047】
また、エレベータかご10においては、本実施形態のように、
前記かご手摺20,21は、前記手摺部22の端部であることを示すために、前記手摺部22の前記第1横方向D1の端部の表面に、凹凸状に形成される端部表示部25を備え、
前記端部表示部25は、前記扉表示部24の形状と異なる形状である、
という構成が好ましい。
【0048】
斯かる構成によれば、端部表示部25は、手摺部22の第1横方向D1の端部の表面に配置され、扉表示部24の形状と異なる形状であることによって、手摺部22の端部であることを示している。これにより、視覚障害者が端部表示部25に接触した場合に、視覚障害者に、手摺部22の端部にいることを認識させることができる。
【0049】
また、エレベータ1は、本実施形態のように、前記のエレベータかご10を備える、という構成が好ましい。
【0050】
斯かる構成によれば、視覚障害者にかご扉12,13の個数を認識させ易くすることができる。
【0051】
また、かご手摺20,21は、本実施形態のように、前記エレベータかご10に用いられる、という構成が好ましい。
【0052】
斯かる構成によれば、視覚障害者にかご扉12,13の個数を認識させ易くすることができる。
【0053】
なお、エレベータ1、エレベータかご10及びかご手摺20,21は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1、エレベータかご10及びかご手摺20,21は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0054】
(A)上記実施形態に係るエレベータかご10においては、扉表示部24は、両矢印形状であり、かご扉12,13の個数の情報と位置の情報とを備えている、という構成である。しかしながら、エレベータかご10は、斯かる構成に限られない。
【0055】
例えば、扉表示部24は、例えば、かご扉12,13の個数の情報を備えており、かご扉12,13の位置の情報を備えていない、という構成でもよい。特に限定されないが、斯かる構成の一例として、例えば、扉表示部24は、点字であり、例えば、「ドア1つ」、「ドア2つ」等と記載されている、という構成でもよい。
【0056】
(B)また、上記実施形態に係るエレベータかご10においては、扉表示部24は、分離していない一つの連続した形状で構成されている、という構成である。しかしながら、エレベータかご10は、斯かる構成に限られない。
【0057】
例えば、扉表示部24は、分離された複数の形状で構成されている、という構成でもよい。特に限定されないが、斯かる構成の一例として、例えば、図6に示すように、扉表示部24は、矢先24a,24b及び矢柄24cをそれぞれ複数の点で構成されている、という構成でもよい。また、特に限定されないが、斯かる構成の他の例として、例えば、図7に示すように、扉表示部24は、分離された複数の矢先24a,24bのみで構成されている、という構成でもよい。
【0058】
(C)また、上記実施形態に係るエレベータかご10においては、扉表示部24は、第1横方向D1へ並ぶように、手摺部22に対して複数形成されている、という構成である。しかしながら、エレベータかご10は、斯かる構成に限られない。例えば、扉表示部24は、手摺部22に対して一つのみ形成されている、という構成でもよい。
【0059】
(D)また、上記実施形態に係るエレベータかご10においては、複数の扉表示部24は、全て同じ形状である、という構成である。しかしながら、エレベータかご10は、斯かる構成に限られない。
【0060】
例えば、扉表示部24は、少なくとも一つの他の扉表示部24と異なる形状である、という構成でもよい。特に限定されないが、斯かる構成の一例として、例えば、図8に示すように、扉表示部24は、第1かご扉12へ近づく位置ほど、第1矢先24aが大きくなり、且つ、第2かご扉13へ近づく位置ほど、第2矢先24bが大きくなるように、形成されている、という構成でもよい。これにより、視覚障害者が扉表示部24に接触した場合に、視覚障害者に、かご扉12,13に対する距離を認識させることができる。
【0061】
(E)また、上記実施形態に係るエレベータかご10においては、端部表示部25は、第2横方向D2へ延びる直線形状である、という構成である。しかしながら、エレベータかご10は、斯かる構成に限られない。
【0062】
端部表示部25は、例えば、丸形状であってもよく、また、例えば、四角形状であってもよく、また、例えば、第2横方向D2へ延びる二つの直線を第1横方向D1へ並べた形状であってもよい。このように、端部表示部25の形状は、特に限定されない。
【0063】
また、端部表示部25は、図形ではなく、例えば、図8に示すように、数字(例えば、1、2)である、という構成でもよい。特に限定されないが、斯かる構成においては、かご10は、例えば、次に動作するかご扉12,13に対応する数字を音で発するかご発音部を備えていてもよい。
【0064】
そして、例えば、次に開閉動作するかご扉12が、「1」の端部表示部25に近くに配置される第1かご扉12である場合には、かご出力部は、「次は、1のドアが開きます」と発音する、という構成でもよい。また、例えば、次に開閉動作するかご扉13が、「2」の端部表示部25に近くに配置される第2かご扉13である場合には、かご出力部は、「次は、2のドアが開きます」と発音する、という構成でもよい。
【0065】
(F)また、上記実施形態に係るエレベータかご10においては、端部表示部25は、全て同じ形状である、という構成である。しかしながら、エレベータかご10は、斯かる構成に限られない。例えば、図8に示すように、端部表示部25は、他の端部表示部25と異なる形状である、という構成でもよい。
【0066】
(G)また、上記実施形態に係るエレベータかご10においては、かご手摺20,21は、端部表示部25を備えている、という構成である。しかしながら、エレベータかご10は、斯かる構成に限られない。例えば、かご手摺20,21は、端部表示部25を備えていない、という構成でもよい。
【0067】
(H)また、上記実施形態に係るエレベータかご10においては、扉表示部24及び端部表示部25は、手摺部22の上下方向D3の中心よりも、上方に配置されている、という構成である。しかしながら、エレベータかご10は、斯かる構成に限られない。
【0068】
例えば、扉表示部24は、手摺部22の上下方向D3の中心よりも、下方に配置されている、という構成でもよい。また、例えば、端部表示部25は、手摺部22の上下方向D3の中心よりも、下方に配置されている、という構成でもよい。
【0069】
(I)また、上記実施形態に係るエレベータかご10においては、第1かご扉12及び第2かご扉13は、第1横方向D1で対面しており、第1かご扉12は、第1側壁11aの出入口を開閉し、第2かご扉13は、第2側壁11bの出入口を開閉する、という構成である。しかしながら、エレベータかご10は、斯かる構成に限られない。
【0070】
例えば、図9に示すように、第1かご扉12は、第1側壁11aの出入口を開閉し、第2かご扉13は、第4側壁11dの出入口を開閉する、という構成でもよい。そして、図9に係るかご10は、第3側壁11cに固定されて第1横方向D1へ延びる第1かご手摺20と、第4側壁11dに固定されて第1横方向D1へ延びる第2かご手摺21と、第2側壁11bに固定されて第2横方向D2へ延びる第3かご手摺26とを備えている。
【0071】
図9においては、第1かご手摺20及び第2かご手摺21は、第1横方向D1へ並ぶ複数の扉表示部24を備えており、第3かご手摺26は、第2横方向D2へ並ぶ複数の扉表示部24を備えている。また、図9に係る扉表示部24は、第1矢先24aが第1かご扉12の位置(具体的には、第1側壁11a)を指し且つ第2矢先24bが第2かご扉13の位置(具体的には、第4側壁11d)を指す両矢印形状である。
【0072】
(J)また、上記実施形態に係るエレベータかご10は、二つのかご扉12,13を備えている、という構成である。しかしながら、エレベータかご10は、斯かる構成に限られない。
【0073】
例えば、エレベータかご10は、一つのかご扉12を備えている、という構成でもよい。特に限定されないが、斯かる構成の一例として、かご扉12は、例えば、第1側壁11aの出入口を開閉する、という構成でもよい。そして、図10に係る扉表示部24は、矢先24aが第1かご扉12の位置(具体的には、第1側壁11a)を指す片矢印形状である。
【0074】
このように、エレベータかご10においては、図10に示すように、
前記かご扉12は、一つのみ備えられ、
前記扉表示部24は、矢先24aが前記かご扉12の位置を指す片矢印形状である、
という構成でもよい。
【0075】
斯かる構成によれば、扉表示部24は、片矢印形状であり、矢先24aは、かご扉12を指している。これにより、視覚障害者は、扉表示部24に接触することによって、かご扉12の個数(矢先24aの個数であって、1つ)だけではなく、かご扉12の位置(矢先24aが指す位置)も認識する。したがって、視覚障害者に、かご扉12の個数だけでなくかご扉12の位置も、認識させ易くすることができる。
【0076】
(K)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0077】
1…エレベータ、2…かご駆動部、2a…綱車、2b…駆動源、3…処理部、4…かごロープ、5…釣合錘、6…乗場扉、7…乗場操作盤、10…エレベータかご、11…かご室、11a…第1側壁、11b…第2側壁、11c…第3側壁、11d…第4側壁、12…第1かご扉、13…第2かご扉、14…扉駆動部、15…第1かご操作盤、16…第2かご操作盤、20…第1かご手摺、21…第2かご手摺、22…手摺部、23…接続部、23a…手摺固定部、23b…側壁固定部、24…扉表示部、24a…第1矢先、24b…第2矢先、24c…矢柄、25…端部表示部、26…第3かご手摺、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、X1…昇降路、X2…機械室、X3…乗場、X4…乗場
【要約】      (修正有)
【課題】視覚障害者にかご扉の個数を認識させ易くすることができるエレベータかごを提供する。
【解決手段】エレベータかごは、開閉されるかご扉12,13と、内部に配置されるかご手摺20と、を備え、かご手摺20は、第1横方向へ延びる手摺部22と、かご扉12、13の個数を示すために、手摺部22の表面に凹凸状に形成される扉表示部24を備える。
【選択図】図4
図1
図2
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