IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トッパン・フォームズ株式会社の特許一覧 ▶ TFペイメントサービス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-端末装置、発光方法 図1
  • 特許-端末装置、発光方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-31
(45)【発行日】2024-11-11
(54)【発明の名称】端末装置、発光方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20241101BHJP
【FI】
G06K7/10 252
G06K7/10 216
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021082704
(22)【出願日】2021-05-14
(65)【公開番号】P2022175924
(43)【公開日】2022-11-25
【審査請求日】2024-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515039797
【氏名又は名称】TOPPANエッジ・ペイメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】石川 真司
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-524077(JP,A)
【文献】国際公開第2018/164243(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0103915(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置における表示領域が設けられた第1の主面とは異なる第2の主面のうち、非接触通信によって記録媒体と通信を行う通信ユニットが設けられた位置に貼り付けられる発光ラベルを有し、
前記発光ラベルは、前記通信ユニットが前記記録媒体と通信を行う際に当該通信ユニットから出力される無線信号を基に生成される電力によって発光する発光部
を有する端末装置。
【請求項2】
前記記録媒体と通信を行うことで決済処理を行う決済機能部を有し、
前記通信ユニットは、決済を行うための記録媒体の読取を行うタイミングに従って前記記録媒体に対する無線信号を出力し、
前記発光ラベルは、前記決済機能部によって前記記録媒体と通信を行うための通信が開始されたことに応じて出力される無線信号を受けて前記発光部を発光させる
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
端末装置における表示領域が設けられた第1の主面とは異なる第2の主面のうち、非接触通信によって記録媒体と通信を行う通信ユニットが設けられた位置に発光ラベルが貼り付けられ、
前記発光ラベルは、前記通信ユニットが前記記録媒体と通信を行う際に当該通信ユニットから出力される無線信号を基に生成される電力によって発光する
発光方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、発光方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品を購入する際に、現金による支払いの他に、電子マネーによる支払いを行なうことが可能な決済システムがある。例えば、店舗に決済用の端末装置が設けられており、買い物をするユーザは、決済用の記録媒体(例えばICカード)を端末装置に近づけて非接触通信を行わせることで、決済を行うことができる。
このような決済用の端末装置は、近年、スマートフォンやタブレット等を用いることが広がりつつある。例えば、店舗用のスマートフォンに決済処理アプリケーションをインストールして実行することにより、記録媒体と通信を行うとともに、決済サーバと通信を行い、決済処理をすることができる。
特許文献1には、RFIDタグを読みとることが可能なハンディ型の読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6106138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スマートフォンの画面がスマートフォンの1つの主面に対して全体的な領域を占めるようになってきているため、記録媒体と通信可能な通信ユニットが、表示画面とは反対側の面(たとえば背面)に設けられるケースが増えてきている。さらに、スマートフォンは、様々な回路が搭載されるようになってきており、電磁波の影響の関係から、記録媒体を読み取ることができる範囲がきわめて小さい。そうすると、通信可能な領域が小さいため、ユーザは、速やかに記録媒体を正確な位置に近づけることが困難な場合がある。そうすると、記録媒体を読み取らせるための位置合わせなどに時間がかかり、レジ等における混雑の原因にもなり得る。
また、端末装置は店員によって保持された状態で、読取開始のための操作がなされるため、ユーザは、端末装置において記録媒体を読み取ることができる状態に移行したか否かを把握することが難しい。そうすると、記録媒体を端末装置にかざすタイミングも把握しにくい。そのため。端末装置に対する記録媒体の読取を円滑に行えることが好ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、記録媒体を端末装置に円滑に読み取らせることができる端末装置、発光方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、端末装置における表示領域が設けられた第1の主面とは異なる第2の主面のうち、非接触通信によって記録媒体と通信を行う通信ユニットが設けられた位置に貼り付けられる発光ラベルを有し、前記発光ラベルは、前記通信ユニットが前記記録媒体と通信を行う際に当該通信ユニットから出力される無線信号を基に生成される電力によって発光する発光部を有する端末装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、端末装置における表示領域が設けられた第1の主面とは異なる第2の主面のうち、非接触通信によって記録媒体と通信を行う通信ユニットが設けられた位置に発光ラベルが貼り付けられ、前記発光ラベルは、前記通信ユニットが前記記録媒体と通信を行う際に当該通信ユニットから出力される無線信号を基に生成される電力によって発光する発光方法である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明によれば、記録媒体を端末装置に円滑に読み取らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】端末装置の構成を示す概略ブロック図である。
図2】店舗において端末装置1を決済用端末として用いて決済を行う場合を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による端末装置について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態による端末装置の構成を示す概略ブロック図である。
端末装置1は、例えば、スマートフォンやタブレット等であり、表示画面と通信ユニットが設けられる。第1の主面には、表示画面が設けられる。この表示画面は、近年は大画面化されつつあり、そのため、表示画面の表示領域は、第1の主面のほぼ全体に亘る。第1の主面はほぼ表示画面によって占められているため、通信ユニットは、第1の主面とは反対側にある第2の主面のうち、いずれかの位置に設けられる。この第2の主面には、カメラ等が設けられることがあるが、表示画面は設けられていない。
【0011】
発光ラベル2は、この第2の主面のうち、非接触通信によって記録媒体と通信を行う通信ユニットが設けられた位置に貼り付けられる。ここで、通信ユニットには、通信用のアンテナが設けられている。通信ユニットが設けられた位置に発光ラベル2が貼り付けられることで、アンテナから放射される無線信号(電波)を受けやすい位置に発光ラベル2が貼り付けられる。
発光ラベル2は、端末装置1に対して貼り付けられればよく、例えば、発光ラベルの1つの面に粘着部材または接着部材が塗布されており、端末装置1に貼り付けられるようにしてもよい。また、粘着シートと端末装置1との間に発光ラベル2を挟むようにして貼り付けられてもよい。
【0012】
発光ラベル2は、アンテナ回路20と、整流回路21と、点灯回路22とを有する。
アンテナ回路20は、端末装置1の通信ユニットから発信される無線信号(電波)を受信する。整流回路21は、アンテナ回路20が受信した無線信号を整流する。点灯回路22は、発光ランプを有しており、整流回路21によって無線信号が整流されることで得られる電圧を電源として発光ランプに供給することで、発光ランプを発光させる。すなわち、発光ラベル2は、発光ランプを点灯させるための電池等の電源装置を備えることなく、端末装置1から供給される無線信号を基に生成される電力によって発光ランプを発光させることができる。
【0013】
端末装置1は、入力部11と、演算部12と、出力部13とを有する。
入力部11は、外部から各種データを入力する。入力部11は、例えば、タッチパネル等の入力デバイスである。
演算部12は、例えばCPU(中央処理装置)等の処理ユニットであり、各種プログラムを実行する。実行されるプログラムは、複数種類あるが、そのうちの1つのプログラムとして、店舗用の決済処理を行うためのアプリケーションプログラムがある。演算部12は、決済用アプリケーションプログラムを実行することにより、通信ユニットを駆動されて記録媒体と通信を行い、決済処理を行う決済機能部として機能する。
【0014】
演算部12が、この店舗用のアプリケーションプログラムを実行した後、店舗の店員によって入力部11から記録媒体の読取を行わせるための指示が入力されると、演算部12は、決済用の記録媒体と通信を行うように通信ユニットを駆動させる。
通信ユニットは、駆動を開始すると、記録媒体と無線によって通信を行うための無線信号を出力する。
出力部13は、各種データを出力する。出力部13は、例えば、表示画面であり、端末装置1の第1の主面側に取り付けられる。
ここで、記録媒体は、例えば、ICカードである。記録媒体は、端末装置1の通信ユニットに近づけられることによって非接触通信を行い、端末装置1と通信を行うことができる。このような記録媒体は、ユーザによって携帯され、店舗において支払をする際に、決済用の記録媒体として利用される。
【0015】
図2は、店舗において端末装置1を決済用端末として用いて決済を行う場合を説明する斜視図である。
店員は、商品の販売やサービスをユーザに提供する際の決済を行う場合に、入力部11から決済指示を入力することで、決済用アプリケーションプログラムを実行させる。端末装置1は、決済用アプリケーションプログラムを実行し、決済処理を開始し、支払金額の設定を行う。支払金額は、店員が入力部11のタッチパネルを介して入力するようにしてもよいし、外部の装置(例えばPOS(Point Of Sales)端末)から端末装置1に対して支払金額が指示されてもよい。演算部12は、設定された支払金額を、出力部13によって表示画面に表示させる。
店員は、支払金額を確認し、ユーザにも提示して確認してもらった後、記録媒体3の読取処理の実行の指示を入力する。
【0016】
演算部12は、読取処理の実行指示が入力されると、通信ユニットを駆動させる。これにより、通信ユニットは、決済を行うための記録媒体3の読取を行うタイミングに従って記録媒体と通信を行うための無線信号を出力する。
ここで、通信ユニットは、端末装置1の第2の主面のうち、いずれかの位置に配置されている。この図2の例では、第2の主面のうち、中央よりもやや上端部側に配置されており、この通信ユニットが配置された位置が、通信領域15として設定されている。
発光ラベル2は、通信領域15に対応する位置に貼り付けられている。そのため、通信ユニットから記録媒体3と通信を行うための無線信号が出力されると、その無線信号を受信し、受信した無線信号を整流して得られる電圧によって発光ランプ25を点灯させる。
【0017】
なお、発光ラベル2の貼り付けは、通信領域15から無線信号が出力された状態において発光ラベルを通信領域15に近づけ、発光ランプ25が点灯することが確認され、貼り付けられていてもよい。
【0018】
このように、記録媒体3の読取を行うための通信が開始されることに応じて、発光ランプ25が、記録媒体3の読取が可能な位置において発光する。そのため、ユーザは、端末装置1に記録媒体3を読み取らせるにあたり、端末装置1の第2の主面のうち、発光ランプ25が点灯している位置に合わせるように記録媒体を近づけることができる。ここでは、通信ユニットから記録媒体3と通信を行うための無線信号が出力されることから、記録媒体3を読み取ることができるようになったタイミングが到来したときに発光ランプ25が点灯する。そのため、ユーザは、記録媒体3を読み取ることが可能な位置を把握することができるとともに、記録媒体3の読取が可能となったことを発光ランプ25の光を確認することで、把握することができる。
【0019】
また、店員によって端末装置1が保持される場合、端末装置1の第1の主面は、店員が視認できるような向きに向けられ、かつ、端末装置1の第2の主面は、ユーザが視認できるような向きに向けられる。このような状態においては、表示画面16は、店員が視認可能な向きに向けられているため、ユーザは確認することができない。そのため、決済用アプリケーションプログラムにおいて、例えば、「記録媒体の読取をします。記録媒体を近づけて下さい」というようなメッセージが表示画面16に表示された場合、店員は、そのメッセージを確認することができるが、ユーザは確認することができない。ユーザに確認してもらうためには、端末装置1の表示画面がある面を店員がユーザに見てもらえるように向きを変えたり、「読取ができるようになりましたのでカードを近づけて下さい」と発話によって伝える必要がある。そうすると、端末装置1の保持の向きを変えなければならないという煩雑さが生じ、また、読取可能となったことをユーザに対して決済の都度、案内しなければならず、負担が生じる。
【0020】
一方でユーザは、記録媒体を端末装置1に読み取らせるにあたり、読取ができるようになったタイミングが解らない場合には、実際に読取ができるタイミングよりも早い段階から端末装置1に記録媒体を近づけておくようにする場合があり、そうすると、端末装置1に記録媒体をかざす時間が長くなり、読取操作にかかる負担が増える。また、実際に読取ができるタイミングよりも遅い段階から端末装置1に記録媒体を近づけた場合には、記録媒体の読取を開始する時間が長引いてしまい、場合によっては読取可能な期間に記録媒体をかざすことができず、通信エラーとなってしまう場合がある。そうすると、決済にかかる時間が長引いてしまう。
【0021】
上述した実施形態によれば、記録媒体の読取ができるようになったタイミングで発光ランプ25を発光させることができるため、読取が可能になったタイミングを、煩雑な操作や店員からの案内がなくてもユーザに把握してもらうことができる。この場合、読取可能な位置も把握してもらうことができる。そのため、記録媒体3を端末装置1に円滑に読み取らせることができる。
【符号の説明】
【0022】
1・・・端末装置、2・・・発光ラベル、3・・・記録媒体、11・・・入力部、12・・・演算部、13・・・出力部、15・・・通信領域、16・・・表示画面、20・・・アンテナ回路、21・・・整流回路、22・・・点灯回路、25・・・発光ランプ
図1
図2