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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-05
(45)【発行日】2024-11-13
(54)【発明の名称】トナー収容容器および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20241106BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20241106BHJP
   G03G 21/18 20060101ALI20241106BHJP
【FI】
G03G15/08 330
G03G21/16 176
G03G15/08 340
G03G21/18 178
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020166827
(22)【出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2022059229
(43)【公開日】2022-04-13
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】荒澤 信一
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-004783(JP,A)
【文献】特開2013-202885(JP,A)
【文献】特表2020-508246(JP,A)
【文献】特開平09-179476(JP,A)
【文献】特開2016-197162(JP,A)
【文献】特開2020-046687(JP,A)
【文献】米国特許第10649389(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/16
G03G 15/00
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対して着脱可能に装着され、情報記憶媒体を備えたトナー収容容器であって、
前記情報記憶媒体を保護するカバー部材を備え、
前記情報記憶媒体は、前記画像形成装置本体に設置された本体側端子に接触して情報を通信する複数の端子からなる複数の通信面を有し、
前記カバー部材は、前記複数の通信面を露出する複数の開口部を有し、隣接する前記開口部の間は、前記通信面に対応した前記開口部を区画するリブ状部を有し、
前記リブ状部は、
隣接する前記通信面の間と、前記通信面の一部分とに対向する面と、
前記対向する面と反対側の面の端部から前記通信面に向かって傾斜する傾斜面と、を有し、
前記傾斜面を有する領域において、前記通信面から前記端部に向う方向で前記開口部の開口面積が拡大することを特徴とするトナー収容容器。
【請求項2】
前記リブ状部は、隣接する前記通信面の間の複数の間隙部に対応して複数設けられたことを特徴とする請求項1に記載のトナー収容容器。
【請求項3】
前記情報記憶媒体の長手方向において、前記リブ状部の幅は、隣接する前記通信面の間の間隙部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のトナー収容容器。
【請求項4】
前記リブ状部の前記通信面に対して垂直方向の高さは、露出した前記通信面の配列方向の幅の0.5倍以上であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のトナー収容容器。
【請求項5】
前記カバー部材は、前記情報記憶媒体の可動範囲を規制する位置規制部を有することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のトナー収容容器。
【請求項6】
前記開口部を被覆する保護シートを備え、
前記保護シートは、前記開口部上に、切れ込みからなる前記本体側端子の挿通部を有し、前記本体側端子の前記開口部内への挿通により前記リブ状部に沿って屈曲することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のトナー収容容器。
【請求項7】
前記保護シートは、前記リブ状部に沿って屈曲したとき、前記切れ込みの遊端部が前記通信面と当接しないことを特徴とする請求項に記載のトナー収容容器。
【請求項8】
前記保護シートは、可撓性を有する部材であることを特徴とする請求項またはに記載のトナー収容容器。
【請求項9】
前記情報記憶媒体を保持する筐体部と前記カバー部材とが一体に形成された情報記憶媒体収容部を有することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のトナー収容容器。
【請求項10】
画像形成装置本体に対して着脱可能に装着され、情報記憶媒体を備えたトナー収容容器であって、
前記情報記憶媒体を保護するカバー部材を備え、
前記情報記憶媒体は、前記画像形成装置本体に設置された本体側端子に接触して情報を通信する複数の端子からなる複数の通信面を有し、
前記カバー部材は、前記複数の通信面を露出する複数の開口部を有し、隣接する前記開口部の間は、前記通信面に対応した前記開口部を区画するリブ状部を有し、
前記開口部を被覆する保護シートをさらに備え、
前記保護シートは、前記開口部上に、切れ込みからなる前記本体側端子の挿通部を有し、前記本体側端子の前記開口部内への挿通により前記リブ状部に沿って屈曲することを特徴とするトナー収容容器。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載のトナー収容容器が装着されたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー収容容器および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機等の画像形成装置においては、画像形成装置本体に対して現像剤を収容した容器や装置(トナー収容容器、プロセスカートリッジ等)の着脱可能な手段を設置する技術が多く用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
トナー収容容器やプロセスカートリッジには、画像形成装置本体との間でやり取りするための情報が記憶されたIDチップ等の情報記憶媒体(「IDチップ」、「ICチップ」等ともいう)が設置されている。
情報記憶媒体に記憶された情報(着脱可能装置の製造年月日、製造ロット番号、トナーの色、種類等)が画像形成装置本体の制御部に送信されたり、画像形成装置本体からの情報(画像形成装置での使用履歴等)が情報記憶媒体へ送信されたりすることで、画像形成装置本体との間で品質管理がなされる。
また、使用回数等によって寿命が定められたプロセスカートリッジ等では、情報記憶媒体の情報を元に使用限界を判断してユーザに交換時期を促すことが行われている。
【0004】
このような情報記憶媒体としては、接触式のものが知られている。
接触式の情報記憶媒体は、画像形成装置本体にセットされると、その端子表面(通信面)が画像形成装置本体に設置されたコネクタの本体側端子に接触することにより、画像形成装置の制御部(本体側情報記録部)との情報のやり取りが可能になる。
【0005】
ところで、接触式の情報記憶媒体では、端子表面に異物や人の手指等が接触することで汚れや腐食が発生し、通信不良が発生するという問題があった。
この問題に対し、情報記憶媒体を保護するカバー部材を設ける技術が提案されている。
【0006】
しかしながら、情報記憶媒体にカバー部材を設けた場合、画像形成装置本体に装着する前に、当該カバー部材を取り外す作業が必要となる。一方、画像形成装置本体に対する着脱に応じて自動的に開閉するシャッター型式のカバー部材を用いると、シャッター格納のための空間部およびシャッター開閉機構を設ける必要が生じ、機構を収容するスペースと駆動手段が必要となる。
【0007】
これに対し、特許文献2には、プロセスカートリッジの転写開口部や露光開口部を自動開閉するシャッターに、プロセスカートリッジの情報記憶媒体を保護する保護カバーを一体的に設ける態様が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2の技術によれば、現像カートリッジの現像ローラを保護するカバー部材に、現像カートリッジのメモリタグを保護するメモリタグ保護カバーを一体的に設けて、部品点数を削減することができる。
しかしながら、情報記憶媒体を保護するカバー部材を、感光体を保護する部材(感光体シャッター)と一体に形成するという構成は、当該感光体シャッターを備えていない構成の容器や装置には適用することができない。また、情報記憶媒体を保護する目的に特化されていないため、開閉に伴い異物が侵入し、侵入した異物が情報記憶媒体の端子表面に付着してしまうおそれがある。
【0009】
そこで本発明は、省スペースかつ簡易な構成で情報記憶媒体を保護し、情報記憶媒体の通信面である端子表面への接触や異物付着に起因した腐食の発生や通信不良を防止可能なトナー収容容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のトナー収容容器は、画像形成装置本体に対して着脱可能に装着され、情報記憶媒体を備えたトナー収容容器であって、前記情報記憶媒体を保護するカバー部材を備え、前記情報記憶媒体は、前記画像形成装置本体に設置された本体側端子に接触して情報を通信する複数の端子からなる複数の通信面を有し、前記カバー部材は、前記複数の通信面を露出する複数の開口部を有し、隣接する前記開口部の間は、前記通信面に対応した前記開口部を区画するリブ状部を有し、前記リブ状部は、隣接する前記通信面の間と、前記通信面の一部分とに対向する面と、前記対向する面と反対側の面の端部から前記通信面に向かって傾斜する傾斜面と、を有し、前記傾斜面を有する領域において、前記通信面から前記端部に向う方向で前記開口部の開口面積が拡大することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、省スペースかつ簡易な構成で情報記憶媒体を保護し、情報記憶媒体の通信面である端子表面への接触や異物付着に起因した腐食の発生や通信不良を防止可能なトナー収容容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】情報記憶媒体が筐体に保持された状態の一例を示す模式図である。
図2】カバー部材の一例を示す模式図であり、(A)はカバー部材が装着された状態の斜視図であり、(B)は平面図である。
図3】保護シートが装着された状態の一例を示す模式図である。
図4】情報記憶媒体上にカバー部材及び保護シートが装着された状態の断面説明図である。
図5】画像形成装置本体に設置された本体側端子が通信面に接触するまでの流れを示す説明図である。
図6】情報記憶媒体収容部に収容される情報記憶媒体を示す模式図である。
図7】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るトナー収容容器および画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0014】
本発明に係るトナー収容容器は、画像形成装置本体に対して着脱可能に装着され、情報記憶媒体を備えたトナー収容容器である。
「トナー収容容器」としては、トナー容器本体(ボトル本体)と、その頭部に設けられたキャップ部(ボトルキャップ)とで構成されるトナー容器の態様と、プロセスカートリッジの態様を含む。「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置される装置である。
なお、トナー容器の態様において、情報記憶媒体は例えばキャップ部に設置される。
【0015】
図1は、情報記憶媒体がトナー収容容器の筐体に保持された状態の一例を示す模式図である。
情報記憶媒体(「IDチップ」、「ICチップ」等ともいう)42は、画像形成装置装置本体との間で必要な情報の授受を行うために用いられる。双方の間で通信される情報としては、トナー収容容器や情報記憶媒体そのものの製造番号、製造日、リサイクル回数等の情報や、トナーの容量、ロット番号、色等の情報や、画像形成装置本体の使用履歴等の情報が挙げられる。情報記憶媒体には、これらの電子情報が画像形成装置本体に設置される前に予め記憶され、さらに設置された後に装置本体から受け取った情報が記憶される。
【0016】
図1に示すように、情報記憶媒体42は、4つの通信面43a(端子43)が長手方向に並設されている。
また、情報記憶媒体42には、位置決め用の切欠部と穴部が4つの通信面43aを挟むように配列方向の両端部にそれぞれ形成され、位置決めピン41aにより筐体側に固定されている。
【0017】
図1のように通信面43aが保護されずに露出していると、トナー収容容器の着脱操作時などにユーザの手指が触れたり、異物が付着したりすることがある。
通信面43aに汚れや腐食が生じると通信不良が発生するため、カバー部材を設けることによりこのような弊害を防止する必要がある。
【0018】
図2(A)は図1の情報記憶媒体42上にカバー部材44が装着された状態を模式的に示す斜視図であり、図2(B)はカバー部材44の平面図である。
本実施形態のトナー収容容器は、画像形成装置本体に対して着脱可能に装着され、情報記憶媒体42を備えたトナー収容容器であって、情報記憶媒体42を保護するカバー部材を44備え、情報記憶媒体42は、画像形成装置本体に設置された本体側端子50(図5参照)に接触して情報を通信する複数の端子43からなる複数の通信面43aを有し、カバー部材44は、複数の通信面43aを露出する複数の開口部40を有し、隣接する開口部40の間は、通信面43aに対応した開口部40を区画するリブ状部44aを有する。
【0019】
図2(A)に示すように、カバー部材44のリブ状部44aは、隣接する通信面43aの間の複数の間隙部43b(図1参照)に対応して複数設けられている。
【0020】
またカバー部材44は、情報記憶媒体42の可動範囲を規制する位置規制部を有することが好ましい。
図2(A)及び図2(B)に示すように、カバー部材44は、位置決めピン41aと係合する位置決め孔44cを有することにより、通信面43aに対して垂直の方向への移動を規制することができる。
【0021】
カバー部材44は、筐体41に対してスナップフィットやボスの圧入等により固定されることが好ましい。カバー部材44をネジやカシメを使用しない方法により固定することで、部品点数とコストを低減することができる。
【0022】
図3は、カバー部材44上に保護シート45が装着された状態の一例を示す模式図である。
本実施形態のトナー収容容器は、図3に示すようにカバー部材44の開口部40を被覆する保護シート45を備えることが好ましい。
保護シート45を設けることにより、開口部40内への異物の侵入を防止することができ、侵入した異物の通信面43aへの付着を防止することができる。
【0023】
保護シート45は、可撓性を有する部材であることが好ましい。可撓性を有する部材としては、例えば、ウレタンシートなどが挙げられる。
保護シート45は、開口部40上に、切れ込み45aからなる本体側端子50の挿通部を有している。
【0024】
図4は、情報記憶媒体42上にカバー部材44が装着された状態の長手方向の断面図である。カバー部材44上には保護シート45が装着されている。
図4に示すように、カバー部材44は、情報記憶媒体42の通信面43aの間の複数の間隙部43bに対応して複数設けられた複数のリブ状部44aを有する。
長手方向において、リブ状部44aの幅Wdは、隣接する通信面43aの間の間隙部43bの幅よりも大きいことが好ましい。すなわち、端子43の幅Wcよりも、開口部40の通信面43aに近接した領域の幅Waが小さいことが好ましい。
【0025】
また、図4に示すように、リブ状部44aは、画像形成装置本体側端子50を通信面43aに向けて案内する傾斜面44bを有し、傾斜面44bを有する領域において、通信面43aから画像形成装置方向に向かって開口部40の開口面積が拡大している。すなわち、断面においては図4に示すように、通信面43aに近いWaよりも、画像形成装置方向の開口幅Wbの方が大きくなっていることが好ましい。
【0026】
また、リブ状部44aの通信面43aに対して垂直方向の高さHは、露出した通信面43aの配列方向の幅Waの0.5倍以上であることが好ましい。
H≧Wa×0.5の関係を満たすことにより、ユーザの手指が通信面43aに接触するのを防止することができる。情報記憶媒体42の小型化、トナー収容容器の挿入時の位置規制の観点(トナー収容容器がマシンがセットされる過程で、情報記憶媒体42の通信面43aの位置が本体側端子50の位置に合うように規制される)から、Waを1~3mmとし、H≧Wa×0.5の関係を満たしつつHを1~3mmとすることがより好ましい。
【0027】
図5は、トナー収容容器が画像形成装置本体に設置されるとき、画像形成装置の本体側端子50が通信面43aに接触するまでの流れを示す説明図である。
図5(A)は本体側端子50が保護シート45に当接した状態であり、本体側端子50は通信面43aに対する目的の接触位置からずれた状態にある。本体側端子50は、矢印Dの方向に進み、図5(B)に示す位置で開口部40に侵入する。
保護シート45は、開口部40上に切れ込み45aからなる本体側端子50の挿通部を有し、図5(B)に示すように、本体側端子50の開口部40内への挿通によりリブ状部44aに沿って屈曲する。本体側端子50は、リブ状部44aの傾斜面44bに沿って進み、図5(C)に示す位置で通信面43aと接触する。
【0028】
図5(A)~(C)に示したように、本実施形態のトナー収容容器が備えるカバー部材44によれば、本体側端子50が本来の通信面43aとの当接位置に対してずれた位置で開口部40に挿入された場合であっても、傾斜面44bによって適切な位置へ案内される。
【0029】
なお、図5(C)に示すように、保護シート45は、リブ状部44aに沿って屈曲したとき、切れ込みの自由端45bが通信面43aと当接しない長さとなっていることが好ましい。
【0030】
図6は、情報記憶媒体収容部46に収容される情報記憶媒体42を示す模式図である。
本実施形態のトナー収容容器は、情報記憶媒体42を保持する筐体部41とカバー部材44とが一体に形成された情報記憶媒体収容部46を有する構成とすることができる。
カバー部材44を一体に形成することにより、カバー部材44を固定するための工程及び部品を削減することができる。また情報記憶媒体42を筐体41に設けたスリット47に挿入して保持することで、情報記憶媒体42の固定に必要な部品点数も削減することができる。
スリット47を設ける位置、及び情報記憶媒体42を挿入する方向は、図6に示す態様に限定されず、適宜変更することができる。
【0031】
本実施形態のトナー収容容器によれば、省スペースかつ簡易な構成で情報記憶媒体42を保護し、情報記憶媒体42の通信面43aである端子表面への接触や異物付着に起因した腐食の発生や通信不良を防止することができる。
【0032】
本発明に係る画像形成装置の一実施形態の全体構成を図7に示す。
本実施形態の画像形成装置は、上述の本発明に係るトナー収容容器が装着されている。
【0033】
図7に示すように、画像形成装置100本体の上方にあるトナー収容容器設置部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つの本発明に係るトナー収容容器38(38Y,38M,38C,38K)が着脱自在(交換自在)に設置されている。
【0034】
トナー収容容器設置部31の下方には中間転写ユニット15が配設されている。中間転写ユニット15の中間転写ベルト8の下方には、中間転写ベルト8に対向する各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6(6Y,6M,6C,6K)がベルト移動方向に並設されている。
【0035】
トナー収容容器38(38Y,38M,38C,38K)は、トナー補給装置160(160Y,160M,160C,160K)に保持される。
トナー収容容器38に収容された現像剤は、それぞれ、トナー補給装置160によって、作像部6の現像装置内に供給(補給)される。
なお、トナー収容容器38内に収容される現像剤としては、トナー単体に限定されるものではなく、トナーとキャリアを混合させたものでも良い。
【0036】
感光体ドラム1(1Y,1M,1C,1K)は、不図示の駆動モータによって回転駆動され、帯電部で表面が一様に帯電される(帯電工程)。
その後、感光体ドラム1の表面は、露光装置7から発せられたレーザ光の照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される(露光工程)。感光体ドラム1の表面は、現像装置との対向位置(現像領域)で静電潜像が現像され、トナー像が形成される(現像工程)。
【0037】
現像後の感光体ドラム1の表面は、中間転写ベルト8及び1次転写バイアスローラ9(9Y,9M,9C,9K)との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程)。
【0038】
1次転写後の感光体ドラム1の表面は、僅かながら未転写トナーが残存するが、クリーニングブレード等によって機械的に回収される(クリーニング工程)。感光体ドラム1の表面は、除電部との対向位置で残留電位が除去される。こうして、感光体ドラム1上で行なわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0039】
中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、1次転写バイアスローラ9、2次転写バックアップローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング部等で構成されている。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、2次転写バックアップローラ12の回転駆動によって矢印方向に無端移動される。
【0040】
1次転写バイアスローラ9は、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1との間に挟み込んで、1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ9には、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0041】
各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ11との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ11との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング部の位置に達し、未転写トナーが回収される。こうして、中間転写ベルト8上で行われる、一連の転写プロセスが終了する。
【0042】
2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、画像形成装置本体100の下方に配設された給紙部16から、給紙ローラ17やレジストローラ対18等を経由して搬送されたものである。詳しくは、給紙部16には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ17が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対18のローラ間に向けて給送される。
【0043】
レジストローラ対18に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対18のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対18が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
【0044】
定着後の記録媒体Pは、排紙ローラ対19のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対19によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【符号の説明】
【0045】
38 トナー収容容器
40 開口部
41 筐体
41a 位置決めピン
42 情報記憶媒体
43 端子
43a 通信面(端子表面)
43b 間隙部
44 カバー部材
44a リブ状部
44b 傾斜面
44c 位置決め孔
45 保護シート
45a 切れ込み(本体側端子の挿通部)
45b 遊端部
46 情報記憶媒体収容部
47 スリット
50 本体側端子
100 画像形成装置
160 トナー補給装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【文献】特許5447938号公報
【文献】特開2003-195730号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7