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特許7586559情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-11
(45)【発行日】2024-11-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20241112BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024051615
(22)【出願日】2024-03-27
【審査請求日】2024-04-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.https://anycommu.web.app/ (公開日:令和5年3月31日) 2.ChatGPT meetup Tokyo #3 (開催日:令和5年6月16日) 3.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000115171.html (公開日:令和5年12月6日)
(73)【特許権者】
【識別番号】523066772
【氏名又は名称】KDDIアジャイル開発センター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 智弘
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/015992(WO,A1)
【文献】特開2017-091328(JP,A)
【文献】特開2014-222435(JP,A)
【文献】特開2022-045057(JP,A)
【文献】特開2019-062489(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2024/0037324(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザを含むグループがネットワーク通信を介して行う会議に関する情報を処理する情報処理装置であって、
第1会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第1付箋情報を受け付けるとともに、前記第1会議より後に行われる第2会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第2付箋情報を受け付ける付箋情報受付部と、
前記第1会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第1付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けるとともに、前記第2会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第2付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付ける領域受付部と、
前記第1付箋情報を配置する領域と、前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定する決定部と、
情報端末上の前記第2付箋情報を配置する領域に、前記表示効果を付した前記第2付箋情報を表示させる表示制御部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部は、複数の前記第1会議における前記第1付箋情報を配置する領域と、1つの前記第2会議における前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた前記表示効果を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、複数の前記第1会議において複数の領域それぞれに前記第1付箋情報が配置された割合を算出し、算出した前記割合と、前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた前記表示効果を決定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記第2会議が行われる前に、複数の領域それぞれに対して前記割合に応じた前記表示効果を決定し、前記第2会議が行われている間に、複数の領域の前記表示効果の中から前記第2付箋情報を配置する領域の前記表示効果を選択する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記決定部が複数の領域それぞれに対して算出した前記割合を、前記情報端末に表示させる、
請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1付箋情報及び前記第2付箋情報を配置可能な複数の領域は、前記第1付箋情報及び前記第2付箋情報の内容を分類するための複数の種類に対応している、
請求項1からの4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1付箋情報及び前記第2付箋情報を配置可能な複数の領域は、互いに重複している領域を含む、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記決定部は、前記第1付箋情報を配置する領域と、前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に加えて、前記第2付箋情報の内容又は評価に応じた前記表示効果を決定する、
請求項1からの4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決定部は、前記付箋情報受付部が前記複数のユーザのうち特定のユーザから受け付けた前記第1付箋情報を配置する領域と、前記付箋情報受付部が前記特定のユーザから受け付けた前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じて前記表示効果を決定する、
請求項1からの4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1付箋情報と前記第2付箋情報との少なくとも一方を機械学習モデルに入力することで当該機械学習モデルが出力した前記第1付箋情報と前記第2付箋情報との少なくとも一方に関する質問を含む質問情報を生成する生成部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記質問情報を前記情報端末に表示させる、
請求項1からの4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
複数のユーザを含むグループがネットワーク通信を介して行う会議に関する情報を処理するための情報処理方法であって、
プロセッサが実行する、
第1会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第1付箋情報を受け付けるステップと、
前記第1会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第1付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けるステップと、
前記第1会議より後に行われる第2会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第2付箋情報を受け付けるステップと、
前記第2会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第2付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けるステップと、
前記第1付箋情報を配置する領域と、前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定するステップと、
情報端末上の前記第2付箋情報を配置する領域に、前記表示効果を付した前記第2付箋情報を表示させるステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項12】
複数のユーザを含むグループがネットワーク通信を介して行う会議に関する情報を処理するためのプログラムであって、
プロセッサに、
第1会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第1付箋情報を受け付けるステップと、
前記第1会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第1付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けるステップと、
前記第1会議より後に行われる第2会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第2付箋情報を受け付けるステップと、
前記第2会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第2付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けるステップと、
前記第1付箋情報を配置する領域と、前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定するステップと、
情報端末上の前記第2付箋情報を配置する領域に、前記表示効果を付した前記第2付箋情報を表示させるステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザによって共有される付箋情報を処理するための情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザが電子コンテンツ上に付箋情報を貼り付け、貼り付けられた付箋情報を他のユーザに閲覧可能にし、他のユーザから貼り付けられた付箋情報に対する評価を受け付けるシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-8382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ソフトウェアのアジャイル開発等の作業を行うグループでは、グループに属する複数のユーザが会議を繰り返し行うことで、作業の振り返りを行う。特許文献1に記載されたシステムのように、各会議において複数のユーザそれぞれから作業に関する付箋情報を受け付け、受け付けた付箋情報を複数のユーザが互いに閲覧及び評価することが考えられる。このような場合に、過去の会議において受け付けた付箋情報を、進行中の会議においても活用できると効果的である。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、過去の会議において受け付けた付箋情報を進行中の会議に活用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、複数のユーザを含むグループがネットワーク通信を介して行う会議に関する情報を処理する情報処理装置であって、第1会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第1付箋情報を受け付けるとともに、前記第1会議より後に行われる第2会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第2付箋情報を受け付ける付箋情報受付部と、前記第1会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第1付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けるとともに、前記第2会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第2付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付ける領域受付部と、前記第1付箋情報を配置する領域と、前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定する決定部と、情報端末上の前記第2付箋情報を配置する領域に、前記表示効果を付した前記第2付箋情報を表示させる表示制御部と、を有する。
【0007】
前記決定部は、複数の前記第1会議における前記第1付箋情報を配置する領域と、1つの前記第2会議における前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた前記表示効果を決定してもよい。
【0008】
前記決定部は、複数の前記第1会議において複数の領域それぞれに前記第1付箋情報が配置された割合を算出し、算出した前記割合と、前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた前記表示効果を決定してもよい。
【0009】
前記決定部は、前記第2会議が行われる前に、複数の領域それぞれに対して前記割合に応じた前記表示効果を決定し、前記第2会議が行われている間に、複数の領域の前記表示効果の中から前記第2付箋情報を配置する領域の前記表示効果を選択してもよい。
【0010】
前記表示制御部は、前記決定部が複数の領域それぞれに対して算出した前記割合を、前記情報端末に表示させてもよい。
【0011】
前記第1付箋情報及び前記第2付箋情報を配置可能な複数の領域は、前記第1付箋情報及び前記第2付箋情報の内容を分類するための複数の種類に対応していてもよい。
【0012】
前記第1付箋情報及び前記第2付箋情報を配置可能な複数の領域は、互いに重複している領域を含んでもよい。
【0013】
前記決定部は、前記第1付箋情報を配置する領域と、前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に加えて、前記第2付箋情報の内容又は評価に応じた前記表示効果を決定してもよい。
【0014】
前記決定部は、前記付箋情報受付部が前記複数のユーザのうち特定のユーザから受け付けた前記第1付箋情報を配置する領域と、前記付箋情報受付部が前記特定のユーザから受け付けた前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じて前記表示効果を決定してもよい。
【0015】
前記情報処理装置は、前記第1付箋情報と前記第2付箋情報との少なくとも一方を機械学習モデルに入力することで当該機械学習モデルが出力した前記第1付箋情報と前記第2付箋情報との少なくとも一方に関する質問を含む質問情報を生成する生成部をさらに有し、前記表示制御部は、前記質問情報を前記情報端末に表示させてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、複数のユーザを含むグループがネットワーク通信を介して行う会議に関する情報を処理するための情報処理方法であって、プロセッサが実行する、第1会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第1付箋情報を受け付けるステップと、前記第1会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第1付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けるステップと、前記第1会議より後に行われる第2会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第2付箋情報を受け付けるステップと、前記第2会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第2付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けるステップと、前記第1付箋情報を配置する領域と、前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定するステップと、情報端末上の前記第2付箋情報を配置する領域に、前記表示効果を付した前記第2付箋情報を表示させるステップと、を有する。
【0017】
本発明の第3の態様のプログラムは、複数のユーザを含むグループがネットワーク通信を介して行う会議に関する情報を処理するためのプログラムであって、プロセッサに、第1会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第1付箋情報を受け付けるステップと、前記第1会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第1付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けるステップと、前記第1会議より後に行われる第2会議において前記複数のユーザそれぞれから文字列を含む第2付箋情報を受け付けるステップと、前記第2会議において前記複数のユーザのうちいずれかから前記第2付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けるステップと、前記第1付箋情報を配置する領域と、前記第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定するステップと、情報端末上の前記第2付箋情報を配置する領域に、前記表示効果を付した前記第2付箋情報を表示させるステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、過去の会議において受け付けた付箋情報を進行中の会議に活用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図3】例示的な付箋情報画面を表示している情報端末の模式図である。
図4】例示的な縮小付箋情報を表示している情報端末の模式図である。
図5】例示的な付箋情報を表示している情報端末の模式図である。
図6】領域受付部が付箋情報を配置する領域の指定を受け付ける方法を説明するための模式図である。
図7】決定部が表示効果を決定する方法を説明するための模式図である。
図8】記憶部に記憶された付箋情報の模式図である。
図9】例示的な質問画面を表示している情報端末の模式図である。
図10】実施形態に係る情報処理システムが実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数の情報端末2と、を含む。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0021】
情報処理装置1は、情報端末2から受け付けた付箋情報を管理するコンピュータである。付箋情報は、複数のユーザそれぞれが情報端末2において入力した文字列を含んでおり、複数のユーザを含むグループ内で共有される。情報処理装置1は、あるグループに属する1人のユーザが入力した付箋情報を、当該グループに属する他の一又は複数人のユーザそれぞれの情報端末2に表示させる。
【0022】
情報端末2は、複数のユーザそれぞれが利用するコンピュータである。ユーザは、情報端末2を用いて付箋情報を入力及び閲覧する人間である。情報端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。情報端末2は、操作を受け付けるためのタッチパネルやキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、を有する。情報端末2は、当該情報端末2を利用するユーザを識別するためのユーザ識別情報(Identifier: ID)が設定されることにより、当該ユーザに予め関連付けられている。情報端末2は、ネットワークを介して情報処理装置1と通信可能である。
【0023】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。複数のユーザを含むグループは、ネットワーク通信を介して会議(オンライン会議、Web会議ともいう)を繰り返し行う。グループが含む複数のユーザそれぞれは、当該ユーザが利用する情報端末2を用いて会議に参加し、会議が行われている最中に付箋情報を入力する。本実施形態において、過去に行われた会議を過去会議といい、過去会議より後に行われる会議を今回会議という。
【0024】
過去会議において、情報処理装置1は、複数のユーザそれぞれから文字列を含む付箋情報を受け付ける。情報処理装置1は、過去会議において複数のユーザのうちいずれかから、付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付ける。過去会議において付箋情報を配置可能な複数の領域は、付箋情報の内容を分類するための複数の種類に対応している。
【0025】
過去会議より後に行われる今回会議において、情報処理装置1は、複数のユーザそれぞれから文字列を含む付箋情報を受け付ける。情報処理装置1は、今回会議において複数のユーザのうちいずれかから、付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付ける。今回会議において付箋情報を配置可能な複数の領域は、過去会議において付箋情報を配置可能な複数の領域と同じである。
【0026】
情報処理装置1は、過去会議において指定された付箋情報である第1付箋情報を配置する領域と、今回会議において指定された付箋情報である第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定する。情報処理装置1は、例えば、第2付箋情報を配置する領域が過去に第1付箋情報が配置された領域であるか否かに応じて表示効果を異ならせる。
【0027】
情報処理装置1は、グループが含む複数のユーザそれぞれが利用する情報端末2上の第2付箋情報を配置する領域に、決定した表示効果を付した第2付箋情報を表示させる。
【0028】
このように情報処理システムSは、過去会議において指定された付箋情報を配置する領域と、今回会議において指定された付箋情報を配置する領域と、の関係に応じて表示効果を決定し、決定した表示効果を付して今回会議において付箋情報を表示する。これにより情報処理システムSは、過去会議において受け付けた付箋情報と今回会議において受け付けた付箋情報との差を表示効果としてユーザに直感的にわかりやすく提供するため、過去会議において受け付けた付箋情報を、進行中の今回会議に活用することができる。
【0029】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0030】
情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0031】
通信部11は、ネットワークを介して情報端末2との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、情報端末2からネットワークを介して受信したデータを制御部13に通知する。また、通信部11は、ネットワークを介して、制御部13から出力されたデータを情報端末2に送信する。
【0032】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0033】
制御部13は、付箋情報受付部131と、表示制御部132と、評価受付部133と、領域受付部134と、決定部135と、生成部136と、を有する。制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、付箋情報受付部131、表示制御部132、評価受付部133、領域受付部134、決定部135及び生成部136として機能する。
【0034】
以下、情報処理システムSが実行する処理について詳細に説明する。グループは、ネットワーク通信を介して作業に関する会議(オンライン会議、Web会議ともいう)を行う。グループに含まれる複数のユーザそれぞれは、当該ユーザが利用する情報端末2を用いて会議に参加する。本実施形態において、過去に行われた会議を過去会議(第1会議)といい、過去会議より後に行われる会議を今回会議(第2会議)という。過去会議は、1回の会議であってもよく、複数回の会議であってもよい。
【0035】
過去会議が行われている最中に、付箋情報受付部131は、複数のユーザそれぞれから、文字列を含む付箋情報であってグループ内で共有される付箋情報を受け付ける。
【0036】
付箋情報受付部131は、複数のユーザそれぞれの情報端末2に、付箋情報を受け付けるための付箋情報画面Aを表示させる。図3は、例示的な付箋情報画面Aを表示している情報端末2の模式図である。
【0037】
付箋情報画面Aは、文字列の入力を受け付けるための入力領域A1を含む。ユーザは、情報端末2の操作部を用いて、付箋情報としてグループ内で共有する文字列を入力領域A1に入力する。また、付箋情報画面Aは、付箋情報の色、模様、大きさ、形状等の表示態様の指定を受け付けてもよい。
【0038】
情報端末2は、入力領域A1に入力された文字列を含む付箋情報と、当該情報端末2を利用するユーザのユーザIDと、を情報処理装置1に送信する。
【0039】
付箋情報受付部131は、複数のユーザそれぞれの情報端末2が送信した付箋情報及びユーザIDを受け付ける。付箋情報受付部131は、受け付けた付箋情報及びユーザIDを、付箋情報を識別するための付箋情報ID及び付箋情報が入力された会議を識別するための会議IDと関連付けて、記憶部12に記憶させる。
【0040】
過去会議が行われている最中に、表示制御部132は、過去会議において複数のユーザから受け付けた複数の付箋情報に対応する複数の縮小付箋情報A2を、複数のユーザそれぞれの情報端末2の付箋情報画面A上に表示させる。
【0041】
図4は、例示的な縮小付箋情報A2を表示している情報端末2の模式図である。縮小付箋情報A2は、後述の付箋情報A3よりも小さい状態で表示される。複数の縮小付箋情報A2それぞれは、当該縮小付箋情報A2に対応する付箋情報の付箋情報IDと関連付けられている。
【0042】
縮小付箋情報A2は、例えば、付箋情報が含む文字列の少なくとも一部を、後述の付箋情報A3よりも小さい文字サイズで表す。また、縮小付箋情報A2は、例えば、付箋情報が含む文字列を表すことなく、付箋情報を入力したユーザの情報(ユーザの名前、ID等)を表してもよい。また、縮小付箋情報A2は、例えば、付箋情報が含む文字列を表すことなく、入力された付箋情報の数を表してもよい。
【0043】
図4の例では、表示制御部132は、複数の縮小付箋情報A2を互いに重なった状態で表示させているが、複数の縮小付箋情報A2をばらばらに表示させてもよい。
【0044】
複数のユーザのうちいずれかのユーザは、情報端末2上に表示されている複数の縮小付箋情報A2のうち、いずれかの付箋情報を拡大対象として指定する。拡大対象を指定するユーザは、グループが含む複数のユーザのうち予め指定された特定のユーザ(管理者等)、又はグループが含む複数のユーザのうち任意のユーザである。情報端末2は、拡大対象として指定された付箋情報の付箋情報IDを、情報処理装置1に送信する。
【0045】
情報処理装置1において、付箋情報受付部131は、いずれかのユーザの情報端末2が送信した付箋情報IDを受け付ける。表示制御部132は、付箋情報受付部131が受け付けた付箋情報IDに対応する付箋情報を示す付箋情報A3を、複数のユーザそれぞれの情報端末2の付箋情報画面A上に表示させる。
【0046】
図5は、例示的な付箋情報A3を表示している情報端末2の模式図である。付箋情報A3は、縮小付箋情報A2よりも大きい状態で表示される。付箋情報A3は、例えば、付箋情報が含む文字列を、縮小付箋情報A2よりも大きい文字サイズで表す。付箋情報A3は、付箋情報の入力時に指定された色、模様、大きさ、形状等の表示態様で表示されてもよい。
【0047】
過去会議が行われている最中に、評価受付部133は、拡大対象の付箋情報に対する評価を受け付けるための評価領域A4を、複数のユーザそれぞれの情報端末2の付箋情報画面A上に表示させる。評価領域A4は、例えば、良い、悪い、祝意、共感等の複数種類の評価に対応する複数のボタンを含む。
【0048】
ユーザは、情報端末2の操作部を用いて、評価領域A4が含む複数のボタンのいずれかを選択することにより、付箋情報に対する評価を指定する。情報端末2は、評価領域A4で指定された評価を含む評価情報と、当該情報端末2を利用するユーザのユーザIDと、を情報処理装置1に送信する。
【0049】
情報処理装置1において、評価受付部133は、複数のユーザそれぞれの情報端末2が送信した評価情報及びユーザIDを受け付ける。評価受付部133は、受け付けた評価情報及びユーザIDを、付箋情報ID及び会議IDと関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0050】
表示制御部132は、受け付けた評価情報を、複数のユーザそれぞれの情報端末2の付箋情報画面A上に表示させる。また、表示制御部132は、紙吹雪等の表示効果を付した評価情報を表示させてもよい。後述するが評価情報に付される表示効果は、過去の評価情報に基づいて決定される。表示制御部132は、例えば、評価受付部133が受け付けた複数の評価情報が示す複数種類の評価それぞれの数を集計し、複数種類の評価それぞれと当該評価に対して集計した数とを関連付けて評価領域A4に表示させる。
【0051】
過去会議が行われている最中に、領域受付部134は、過去会議において複数のユーザのうちいずれかから付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付ける。領域を指定するユーザは、グループが含む複数のユーザのうち予め指定された特定のユーザ(管理者等)、又はグループが含む複数のユーザのうち任意のユーザである。
【0052】
図6は、領域受付部134が付箋情報を配置する領域の指定を受け付ける方法を説明するための模式図である。領域受付部134は、付箋情報画面A上で配置対象の付箋情報を示す付箋情報A5を、いずれかの領域A6に配置する。配置対象の付箋情報は、図5において付箋情報A3が示す拡大対象の付箋情報である。ユーザは、例えば、配置対象の付箋情報を示す付箋情報A5をドラッグアンドドロップ等の操作によって移動させることにより、いずれかの領域A6に配置する。
【0053】
付箋情報を配置可能な複数の領域A6は、付箋情報の内容(文字列)を分類するための複数の種類に対応している。付箋情報を配置可能な複数の領域A6は、例えば、楽しかったことを示す「Fun」の領域と、やり遂げたことを示す「Done」の領域と、学びがあったことを示す「Learn」の領域と、を含む。付箋情報を配置可能な複数の領域A6は、ここに示した具体的な種類に限られず、その他の種類の領域を含んでもよい。
【0054】
付箋情報を配置可能な複数の領域A6は、互いに重複している領域を含んでもよい。図6の例では、付箋情報を配置可能な複数の領域A6は、「Fun」の領域と、「Done」の領域と、「Learn」の領域と、のうち2つ又は3つの領域が重複している領域を含んでいる。これにより、情報処理システムSは、付箋情報をより柔軟に分類することができる。
【0055】
情報端末2は、配置対象の付箋情報が配置された領域A6を識別するための領域IDと、当該情報端末2を利用するユーザのユーザIDと、を情報処理装置1に送信する。
【0056】
情報処理装置1において、領域受付部134は、いずれかのユーザの情報端末2が送信した領域ID及びユーザIDを受け付ける。領域受付部134は、受け付けた付箋情報を配置する領域の領域ID及びユーザIDを、当該付箋情報の付箋情報ID及び会議IDと関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0057】
過去会議と同様に、今回会議が行われている最中に、付箋情報受付部131は、複数のユーザそれぞれから情報端末2の付箋情報画面A上で付箋情報を受け付ける。付箋情報受付部131は、受け付けた付箋情報及びユーザIDを、付箋情報ID及び会議IDと関連付けて、記憶部12に記憶させる。表示制御部132は、今回会議において複数のユーザから受け付けた複数の付箋情報に対応する複数の縮小付箋情報A2を、複数のユーザそれぞれの情報端末2の付箋情報画面A上に表示させる。
【0058】
今回会議が行われている最中に、付箋情報受付部131は、いずれかのユーザの情報端末2が送信した拡大対象として指定された付箋情報の付箋情報IDを受け付ける。表示制御部132は、付箋情報受付部131が受け付けた付箋情報IDに対応する付箋情報A3を、複数のユーザそれぞれの情報端末2の付箋情報画面A上に表示させる。
【0059】
今回会議が行われている最中に、評価受付部133は、複数のユーザそれぞれの情報端末2が送信した拡大対象の付箋情報に対する評価を含む評価情報及びユーザIDを受け付ける。評価受付部133は、受け付けた評価情報及びユーザIDを、付箋情報ID及び会議IDと関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0060】
今回会議が行われている最中に、領域受付部134は、今回会議において複数のユーザのうちいずれかから付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付ける。領域受付部134は、受け付けた付箋情報を配置する領域の領域ID及びユーザIDを、当該付箋情報の付箋情報ID及び会議IDと関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0061】
以下、今回会議において行われる処理を説明するが、過去会議において同様の処理が行われてもよい。その場合に、情報処理装置1は、進行中の1つの会議を今回会議として扱い、当該会議より前に行われた一又は複数の会議を過去会議として扱う。
【0062】
今回会議が行われている最中に、決定部135は、過去会議において指定された付箋情報である第1付箋情報を配置する領域と、今回会議において指定された付箋情報である第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定する。すなわち、決定部135は、過去会議において指定された付箋情報を第1付箋情報として扱うとともに、今回会議において指定された付箋情報を第2付箋情報として取り扱う。表示効果は、例えば、付箋情報又は付箋情報の周囲の領域の色、模様、形状、動き等である。表示効果は、例えば、紙吹雪を模したエフェクトである。
【0063】
図7は、決定部135が表示効果を決定する方法を説明するための模式図である。決定部135は、記憶部12から、第1付箋情報を配置する領域を示す情報(例えば、第1付箋情報の付箋情報ID及び領域ID)と、第2付箋情報を配置する領域を示す情報(例えば、第2付箋情報の付箋情報ID及び領域ID)と、を取得する。
【0064】
決定部135は、予め記憶部12に記憶された規則に従って、第1付箋情報を配置する領域と、第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定する。決定部135は、例えば、第1付箋情報を配置する領域と第2付箋情報を配置する領域とが異なる場合に、第1付箋情報を配置する領域と第2付箋情報を配置する領域とが同じ場合とは異なる表示効果を決定する。これにより、情報処理システムSは、例えば過去会議において第1付箋情報を配置されなかった領域に今回会議において第2付箋情報を配置する場合に第2付箋情報に目立たせる表示効果を付与することにより、様々な観点の付箋情報を入力することを促すことができる。
【0065】
過去会議が複数回の会議を含む場合に、決定部135は、例えば、複数の過去会議における第1付箋情報を配置する領域と、1つの今回会議における第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定してもよい。この場合に、決定部135は、複数の過去会議において複数の領域それぞれに第1付箋情報が配置された割合(比率)を算出し、算出した割合と今回会議において第2付箋情報を配置する領域との関係に応じた表示効果を決定する。これにより、情報処理システムSは、例えば過去会議において第1付箋情報を配置された割合が低い領域に今回会議において第2付箋情報を配置する場合に第2付箋情報に目立たせる表示効果を付与することにより、様々な観点の付箋情報を入力することを促すことができる。
【0066】
決定部135は、ユーザごとの過去に付箋情報を配置した領域に基づいて表示効果を決定してもよい。決定部135は、例えば、付箋情報受付部131が複数のユーザのうち特定のユーザから受け付けた第1付箋情報を配置する領域と、付箋情報受付部131が当該特定のユーザから受け付けた第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じて表示効果を決定する。すなわち、決定部135は、複数のユーザそれぞれに対して、当該ユーザから受け付けた付箋情報を配置する領域に基づき、かつ当該ユーザ以外のユーザから受け付けた付箋情報を配置する領域に基づくことなく、表示効果を決定する。これにより、情報処理システムSは、グループが含む複数のユーザそれぞれによって指定された付箋情報を配置する領域に基づいて、ユーザごとに表示効果を決定することができる。
【0067】
決定部135は、第1付箋情報を配置する領域と、第2付箋情報を配置する領域と、の関係に加えて、第2付箋情報の内容又は評価に応じた表示効果を決定してもよい。この場合に、決定部135は、例えば、第2付箋情報の内容(文字列)が予め指定された言葉を含む場合に、当該言葉を含まない場合とは異なる表示効果を決定する。また、決定部135は、例えば、第2付箋情報に対して評価受付部133が受け付けた評価情報が予め指定された条件を満たす場合(「良い」の評価が所定数以上である場合等)に、当該条件を満たさない場合とは異なる表示効果を決定する。これにより、情報処理システムSは、付箋情報を配置する領域だけでなく付箋情報の内容又は評価に基づいて、より柔軟に表示効果を決定することができる。
【0068】
決定部135は、領域受付部134が第2付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けた後であって、表示制御部132が第2付箋情報を指定された領域上に表示する前に、表示効果を決定してもよい。
【0069】
また、決定部135は、今回会議が行われる前に、表示効果を決定してもよい。この場合に、決定部135は、過去会議が行われた後であって、今回会議が行われる前に、過去会議において指定された第1付箋情報を配置する領域に基づいて、複数の領域それぞれに対して上述の割合を算出する。決定部135は、算出した割合に応じた表示効果を決定し、決定した複数の領域の表示効果を示す情報を記憶部12に記憶させる。決定部135は、今回会議が行われている最中に、記憶部12に記憶された情報が示す複数の領域の表示効果の中から、領域受付部134が受け付けた第2付箋情報を配置する領域の表示効果を選択する。これにより、情報処理システムSは、今回会議の開始前に過去会議において受け付けた第1付箋情報を配置する領域に応じた表示効果を予め決定しておくことができるため、今回会議において表示効果を決定するために掛かる処理の負荷を低減できる。
【0070】
表示制御部132は、複数のユーザそれぞれの情報端末2の付箋情報画面A上の領域受付部134が受け付けた第2付箋情報を配置する領域A6に、決定部135が決定した表示効果A7を付した第2付箋情報を示す付箋情報A5を表示させる。図7の例では、表示制御部132は、付箋情報A5の周囲に、所定形状の図形を含む表示効果A7を表示させている。これにより、情報処理システムSは、過去会議において付箋情報が配置された領域を可視化することができるため、過去会議において受け付けた第1付箋情報を進行中の今回会議に活用することができる。
【0071】
また、表示制御部132は、表示効果A7を付した第2付箋情報に加えて、複数のユーザそれぞれの情報端末2の付箋情報画面Aが含む複数の領域A6それぞれと関連付けて、決定部135が当該領域A6に対して算出した上述の割合を表示させてもよい。これにより、情報処理システムSは、複数の領域A6それぞれに対して過去に付箋情報がどの程度配置されたかをユーザが把握しやすくすることができる。
【0072】
表示制御部132は、決定部135が決定した表示効果を付した第2付箋情報を複数のユーザそれぞれの情報端末2に表示させているが、決定部135が決定した表示効果を付した評価情報を複数のユーザそれぞれの情報端末2に表示させてもよい。この場合に、決定部135は、予め記憶部12に記憶された規則に従って、過去会議において評価受付部133が受け付けた評価情報と、今回会議において評価受付部133が受け付けた評価情報と、の関係に応じた表示効果を決定する。決定部135は、例えば、過去会議になかった評価情報を今回会議において評価受付部133が受け付けた場合に、紙吹雪を模したエフェクト等の表示効果を決定する。
【0073】
表示制御部132は、複数のユーザそれぞれの情報端末2に、決定部135が決定した表示効果を付した評価情報を表示させる。これにより、情報処理システムSは、過去会議において受け付けた評価情報と今回会議において受け付けた評価情報との差を可視化することができるため、過去会議において受け付けた付箋情報に対する評価情報を進行中の今回会議に活用することができる。
【0074】
生成部136は、所定のタイミングで、付箋情報受付部131が受け付けた付箋情報に関する質問を含む質問情報を生成する。本実施形態では生成部136は今回会議において質問情報を生成するが、その他のタイミング(いずれかのユーザが所定の開始操作を行った時点等)で質問情報を生成してもよい。
【0075】
生成部136は、記憶部12に記憶された付箋情報(例えば、上述の第1付箋情報及び第2付箋情報)を取得する。図8は、記憶部12に記憶された付箋情報の模式図である。付箋情報は、例えば、付箋情報の入力日時又は受付日時等の日時と、付箋情報を入力したユーザと、ユーザが入力した付箋情報の内容(文字列)と、ユーザが指定した付箋情報を配置する領域と、を含む。付箋情報は、その他の情報を含んでもよい。
【0076】
生成部136は、例えば、第1付箋情報と第2付箋情報との少なくとも一方を機械学習モデルに入力することで当該機械学習モデルが出力した第1付箋情報と第2付箋情報との少なくとも一方に関する質問を取得する。
【0077】
本実施形態における機械学習モデルは、例えば、情報処理装置1又はその他の装置に予め記憶されている大規模言語モデル(Large language Model: LLM)である。機械学習モデルは、例えば、情報処理装置1又はその他の装置に予め記憶されている大規模言語モデルである。大規模言語モデルは、例えば、DNN(Deep Neural Network)等の既知のディープラーニング(深層学習)処理を用いて大量の文字列データを機械学習することによって予め生成される。大規模言語モデルは、文字列が入力されることによって、入力された文字列に応じた文字列を出力する。
【0078】
生成部136は、機械学習モデルから取得した質問を含む質問情報を生成する。質問情報は、例えば、第1付箋情報と第2付箋情報との少なくとも一方に関する質問と、当該質問に対する複数の解答の選択肢と、を含む。表示制御部132は、生成部136が生成した質問情報を含む質問画面Bを、複数のユーザのうち一又は複数のユーザの情報端末2に表示させる。
【0079】
図9は、例示的な質問画面Bを表示している情報端末2の模式図である。質問画面Bは、質問情報が含む質問への解答の入力を受け付けるための解答領域B1を含む。ユーザは、情報端末2の操作部を用いて、質問への解答を入力する。図9の例では、ユーザは、質問情報が含むいずれかの選択肢からいずれかの選択肢を解答として選択する。
【0080】
情報端末2は、解答領域B1に入力された解答を含む解答情報と、当該情報端末2を利用するユーザのユーザIDと、を情報処理装置1に送信する。表示制御部132は、いずれかのユーザの情報端末2が送信した解答情報及びユーザIDを受け付け、受け付けた解答情報が示す解答が正解か否かを判定する。表示制御部132は、判定結果を、解答を入力したユーザの情報端末2の質問画面B上に表示させる。これにより、情報処理システムSは、会議において受け付けた付箋情報をユーザが振り返りやすくし、ユーザが会議に積極的に取り組むことを促進できる。
【0081】
[情報処理方法のフロー]
図10は、本実施形態に係る情報処理システムSが実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。過去会議が行われている最中に、付箋情報受付部131は、複数のユーザそれぞれから、文字列を含む付箋情報であってグループ内で共有される付箋情報を受け付ける(S11)。
【0082】
評価受付部133は、複数のユーザそれぞれから、付箋情報に対する評価を含む評価情報を受け付ける(S12)。領域受付部134は、過去会議において複数のユーザのうちいずれかから付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付ける(S13)。
【0083】
今回会議が行われている最中に、付箋情報受付部131は、複数のユーザそれぞれから、文字列を含む付箋情報であってグループ内で共有される付箋情報を受け付ける(S14)。
【0084】
評価受付部133は、複数のユーザそれぞれから、付箋情報に対する評価を含む評価情報を受け付ける(S15)。領域受付部134は、過去会議において複数のユーザのうちいずれかから付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付ける(S16)。
【0085】
決定部135は、過去会議において指定された付箋情報である第1付箋情報を配置する領域と、今回会議において指定された付箋情報である第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定する(S17)。表示制御部132は、複数のユーザそれぞれの情報端末2上の領域受付部134が受け付けた第2付箋情報を配置する領域に、決定部135が決定した表示効果を付した第2付箋情報を表示させる(S18)。
【0086】
生成部136は、過去に付箋情報受付部131が受け付けた付箋情報に関する質問を含む質問情報を生成する(S19)。生成部136は、例えば、第1付箋情報と第2付箋情報との少なくとも一方を機械学習モデルに入力し、当該機械学習モデルが出力した質問を取得することにより、質問情報を生成する。表示制御部132は、生成部136が生成した質問情報を、複数のユーザのうち一又は複数のユーザの情報端末2に表示させる(S20)。
【0087】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSによれば、情報処理装置1は、過去会議において指定された付箋情報である第1付箋情報を配置する領域と、今回会議において指定された付箋情報である第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じて表示効果を決定し、決定した表示効果を付して今回会議において第2付箋情報を表示する。これにより情報処理システムSは、過去会議において受け付けた第1付箋情報と今回会議において受け付けた第2付箋情報との差を表示効果としてユーザに直感的にわかりやすく提供するため、過去会議において受け付けた第1付箋情報を、進行中の今回会議に活用することができる。
【0088】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0089】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0090】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 付箋情報受付部
132 表示制御部
133 評価受付部
134 領域受付部
135 決定部
136 生成部
2 情報端末

【要約】
【課題】過去の会議において受け付けた付箋情報を進行中の会議に活用できるようにする。
【解決手段】情報処理装置1は、第1会議において複数のユーザそれぞれから文字列を含む第1付箋情報を受け付けるとともに、第1会議より後に行われる第2会議において複数のユーザそれぞれから文字列を含む第2付箋情報を受け付ける付箋情報受付部131と、第1会議において複数のユーザのうちいずれかから第1付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付けるとともに、第2会議において複数のユーザのうちいずれかから第2付箋情報を画面上で配置する領域の指定を受け付ける領域受付部134と、第1付箋情報を配置する領域と、第2付箋情報を配置する領域と、の関係に応じた表示効果を決定する決定部と、情報端末上の第2付箋情報を配置する領域に、表示効果を付した第2付箋情報を表示させる表示制御部132と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10