(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-12
(45)【発行日】2024-11-20
(54)【発明の名称】作業時間予測装置、サーバ装置、端末装置、作業時間予測方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20241113BHJP
【FI】
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2023528799
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(86)【国際出願番号】 JP2021022666
(87)【国際公開番号】W WO2022264258
(87)【国際公開日】2022-12-22
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平川 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】村田 聡
(72)【発明者】
【氏名】坂口 壮太
(72)【発明者】
【氏名】並木 勝平
(72)【発明者】
【氏名】久田 亮太
(72)【発明者】
【氏名】木全 隆一
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-031992(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0046193(US,A1)
【文献】特開2020-119166(JP,A)
【文献】国際公開第2020/136811(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/136812(WO,A1)
【文献】特開2021-56918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
今回の作業エリアに関するエリア情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記エリア情報と、過去の作業エリアに関するエリア情報及び前記過去の作業エリアでの作業時間に関する時間情報が関連付けられた履歴情報とに基づいて、前記今回の作業エリアでの作業時間を予測する予測手段と、を備
え、
前記予測手段は、前記履歴情報に基づく演算式を用いて、前記今回の作業エリアでの作業に要する作業時間を予測し、
前記演算式は、前記履歴情報に基づく値を説明変数及び目的変数とした回帰分析によって得られた回帰式である、ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業時間予測装置であって、
前記エリア情報は、前記作業エリアの広さに関する広さ情報と、前記作業エリアにおける作業のしやすさに関する作業性情報と、を含む、
ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項3】
請求項2に記載の作業時間予測装置であって、
前記エリア情報は、作業の区分に関する区分情報を含み、
前記広さ情報は、前記作業の区分ごとの面積についての情報を含み、
前記作業性情報は、前記作業の区分ごとの作業性に関する情報を含む、
ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の作業時間予測装置であって、
前記取得手段は、前記エリア情報として、ユーザが入力した情報を取得する、
ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項5】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の作業時間予測装置であって、
前記取得手段は、前記エリア情報として、前記作業エリアを撮影可能な装置の撮影画像に基づく情報を取得する、
ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の作業時間予測装置であって、
前記エリア情報は、作業の区分に関する区分情報を含み、
前記演算式は、前記履歴情報に含まれる各区分の広さ及び広さに掛けられる係数の値を説明変数、作業時間を目的変数とした単回帰分析又は重回帰分析によって得られた回帰式である、ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の作業時間予測装置であって、
前記係数は、傾斜、水辺、物体及び植物のうちの少なくとも1つに関する係数を含む
ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項8】
請求項1から
7までのいずれか1項に記載の作業時間予測装置であって、
前記予測手段により予測された前記作業時間に基づく作業費用の見積もりを出力する出力手段をさらに備える、
ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項9】
請求項
8に記載の作業時間予測装置であって、
前記出力手段は、今回の作業における作業機の使用台数に応じた複数パターンの前記作業費用の見積もりを出力する、
ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項10】
請求項1から
9までのいずれか1項に記載の作業時間予測装置であって、
前記履歴情報を記憶する記憶手段をさらに備える、
ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項11】
請求項2に記載の作業時間予測装置であって、
前記作業性情報は、前記作業エリアの傾斜、前記作業エリアにおける作業機の非進入領域、前記作業エリア上に配置された物体及び前記作業エリア上の植物の種類、からなる群から選択される少なくとも1つについての情報を含む、
ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項12】
請求項2に記載の作業時間予測装置であって、
前記広さ情報は、作業対象の生垣の表面積についての情報を含む、
ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項13】
請求項3に記載の作業時間予測装置であって、
前記作業の区分は、芝地作業、草地作業、手作業及び生垣作業、からなる群から選択される少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項14】
請求項6に記載の作業時間予測装置であって、
前記係数の値のユーザ入力を受け付ける入力部をさらに備える、ことを特徴とする作業時間予測装置。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の作業時間予測装置の各手段として機能するサーバ装置。
【請求項16】
請求項1から14までのいずれか1項に記載の作業時間予測装置の各手段として機能する端末装置。
【請求項17】
請求項15に記載のサーバ装置に対して、今回の作業エリアに関するエリア情報を送信する送信手段と、
前記予測手段の予測結果を前記サーバ装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記予測結果を表示する表示手段と、を備える、
ことを特徴とする端末装置。
【請求項18】
作業時間予測装置が実行する作業時間予測方法であって、
前記作業時間予測装置の取得手段が、今回の作業エリアに関するエリア情報を取得する取得工程と、
前記作業時間予測装置の予測手段が、前記取得工程で取得した前記エリア情報と、過去の作業エリアに関するエリア情報及び前記過去の作業エリアでの作業時間に関する時間情報が関連付けられた履歴情報とに基づいて、前記今回の作業エリアでの作業時間を予測する予測工程と、を含
み、
前記予測工程では、前記履歴情報に基づく演算式を用いて、前記今回の作業エリアでの作業に要する作業時間を予測し、
前記演算式は、前記履歴情報に基づく値を説明変数及び目的変数とした回帰分析によって得られた回帰式である、ことを特徴とする作業時間予測方法。
【請求項19】
コンピュータを、
今回の作業エリアに関するエリア情報を取得する取得手段、
前記取得手段が取得した前記エリア情報と、過去の作業エリアに関するエリア情報及び前記過去の作業エリアでの作業時間に関する時間情報が関連付けられた履歴情報とに基づいて、前記今回の作業エリアでの作業時間を予測する予測手段、
の各手段として機能させるためのプログラム
であって、
前記予測手段は、前記履歴情報に基づく演算式を用いて、前記今回の作業エリアでの作業に要する作業時間を予測し、
前記演算式は、前記履歴情報に基づく値を説明変数及び目的変数とした回帰分析によって得られた回帰式である、プログラム。
【請求項20】
サーバ装置と通信可能な端末装置のコンピュータに作業予測時間の表示方法を実行させるプログラムであって、
前記サーバ装置は、
今回の作業エリアに関するエリア情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記エリア情報と、過去の作業エリアに関するエリア情報及び前記過去の作業エリアでの作業時間に関する時間情報が関連付けられた履歴情報とに基づいて、前記今回の作業エリアでの作業時間を予測する予測手段と、を備え、
前記予測手段は、前記履歴情報に基づく演算式を用いて、前記今回の作業エリアでの作業に要する作業時間を予測し、
前記演算式は、前記履歴情報に基づく値を説明変数及び目的変数とした回帰分析によって得られた回帰式であり、
前記表示方法は、
前記サーバ装置に対して、今回の作業エリアに関するエリア情報を送信する送信工程と、
前記予測手段の予測結果を前記サーバ装置から受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した前記予測結果を表示する表示工程と、を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業時間予測装置、サーバ装置、端末装置、作業時間予測方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
公園や庭園等において、芝刈りや草刈り等の作業が造園業者(ランドスケーパ)によって行われることがある。造園業者は、芝刈り機(例えば特許文献1)、トリマー又はブロワー等の装置を用いて、或いは手作業で作業を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ランドスケーパは、依頼者から作業の依頼を受けると、作業対象のエリアを観察して作業時間を予測し、予測した作業時間に基づいて作業費用の見積もり等を行うことがある。したがって、適切な見積もりを行うために作業時間の予測精度の向上が望まれる。
【0005】
本発明は、作業時間を適切に予測する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、
今回の作業エリアに関するエリア情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記エリア情報と、過去の作業エリアに関するエリア情報及び前記過去の作業エリアでの作業時間に関する時間情報が関連付けられた履歴情報とに基づいて、前記今回の作業エリアでの作業時間を予測する予測手段と、を備え、
前記予測手段は、前記履歴情報に基づく演算式を用いて、前記今回の作業エリアでの作業に要する作業時間を予測し、
前記演算式は、前記履歴情報に基づく値を説明変数及び目的変数とした回帰分析によって得られた回帰式である、ことを特徴とする作業時間予測装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業時間を適切に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【
図1】一実施形態に係る作業時間予測システムの概要を示す図。
【
図2】作業時間の予測の対象となる作業エリアの一例を示す図。
【
図4】サーバ装置及び端末装置の制御例を示すシーケンス図。
【
図5】エリア情報の入力受付時の表示部の画面例を示す図。
【
図6】予測作業時間及び見積もりに関する表示部の画面例を示す図。
【
図9】一実施形態に係る作業時間予測システムの概要を示す図。
【
図10】サーバ装置及び端末装置の制御例を示すシーケンス図。
【
図11】判定結果確認処理において表示部に表示される画面例を示す図。
【
図12】エリア情報の入力受付時の表示部の画面例を示す図。
【
図13】
図4の処理の具体例を示すフローチャート。
【
図14】
図4の処理の具体例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<第1実施形態>
<システムの概略>
図1は、一実施形態に係る作業時間予測システムSY1(以下、システムSY1)の概要を示す図である。システムSY1は、ランドスケーパ等が公園や庭園等において芝刈りや草刈り等の作業を行うにあたり、作業に要する時間を予測するためのシステムである。システムSY1は、サーバ装置1と端末装置2とを含む。サーバ装置1と端末装置2は、インターネット等のネットワークNWを介して通信可能に設けられる。
【0011】
サーバ装置1は、作業に要する時間を予測するための作業時間予測装置として機能する。サーバ装置1は、処理部101と、記憶部102と、通信部103とを含む。処理部101と、記憶部102と、通信部103とは不図示のバスにより接続されている。処理部101はCPUに代表されるプロセッサであり、記憶部102に記憶されたプログラムを実行することにより、作業時間予測装置としてのサーバ装置1に係る種々の機能を実現する。記憶部102は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等であり、処理部101が実行するプログラムの他、各種のデータが格納される。通信部103は、外部装置との通信インタフェースである。
【0012】
端末装置2は、例えば作業を行うユーザが操作する端末である。端末装置2は、例えばタブレットやスマートフォン、PC等であってもよい。端末装置2は、処理部201と、記憶部202と、通信部203と、表示部204と、入力部205とを含む。処理部201と、記憶部202と、通信部203と、表示部204と、入力部205とは不図示のバスにより接続されている。処理部201はCPUに代表されるプロセッサであり、記憶部202に記憶されたプログラムを実行することにより、端末装置2に係る種々の機能を実現する。記憶部202は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等であり、処理部201が実行するプログラムの他、各種のデータが格納される。通信部203は、外部装置との通信インタフェースである。
【0013】
表示部204は、各種情報を表示するユーザインタフェースである。例えば、表示部204は、液晶ディスプレイ又は有機ELパネル等であってもよい。また、入力部205は、ユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースである。例えば、入力部205は、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイス、又はハードキー等であってもよい。
【0014】
なお、
図1に1つの端末装置2が示されているが、サーバ装置1に対して2以上の端末装置2が通信可能に構成されてもよい。また、サーバ装置1は必要に応じて2以上の要素に分けられてもよい。すなわち、複数の装置が組み合わされることで作業時間予測装置としてのサーバ装置1が構成されてもよい。また、サーバ装置1が実現する機能の少なくとも一部が、PLD(Programmable Logic Device)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、公知の半導体装置により実現されてもよい。
【0015】
<作業エリア>
図2は、作業時間の予測の対象となる作業エリア5の一例を示す図である。本実施形態の作業エリア5は、ランドスケーパによる作業の内容に応じて、芝地エリア51と、草地エリア52と、ハンドヘルドエリア53と、生垣エリア54とに分けられる。
【0016】
芝地エリア51は、芝生が植えられているエリアである。例えば、ランドスケーパは、乗用芝刈機61又は歩行用芝刈機(不図示)等によって芝刈作業を行う。或いは、自律型のロボット芝刈機等によって芝刈作業が行われてもよい。本実施形態では芝地エリア51には木58が植えられており、ランドスケーパは木58及びその周囲を避けながら作業を行う。すなわち、木58及びその周囲の領域は、作業機の非進入領域となる。
【0017】
草地エリア52は、草が生えているエリアである。例えば、ランドスケーパは、乗用草刈機62又は歩行用草刈機等によって草刈作業を行う。或いは、自律型のロボット草刈機等によって草刈作業が行われてもよい。本実施形態では、草地エリア52には池55が配置されており、ランドスケーパは池55及びその周囲を避けながら作業を行う。
【0018】
ハンドヘルドエリア53は、ランドスケーパが手作業を行うエリアである。本実施形態では、建物56又は通路57と隣接している部分は、乗用芝刈機61又は乗用草刈機62等による作業が困難なため、ランドスケーパがエッジャー等のハンドヘルド作業機63等を用いて手作業で作業を行う。
【0019】
生垣エリア54は、生垣が植えられているエリアである。例えば、ランドスケーパは、トリマー64を用いて生垣の外形を整える。
【0020】
なお、作業エリア5の分け方は作業内容に応じた便宜的なものであり、適宜設定が可能である。
【0021】
<データ構成>
図3は、記憶部102に記憶されるデータの一例を示す図である。本実施形態では、記憶部102には、作業履歴データベース1021が構築され、過去の作業に関する履歴情報を記憶している。本実施形態では、履歴情報は、過去の作業エリアに関するエリア情報と、過去の作業時間に関する時間情報とが関連付けられた情報を含む。また、その他、履歴情報は、作業費用の見積もりに関する情報を含む。本実施形態では、記憶部102は、エリアIDを用いて作業エリア毎に履歴情報を管理して記憶する。
【0022】
過去の作業エリアに関するエリア情報は、作業区分と、作業エリアの広さと、係数と、を含む。作業区分は、ランドスケーパが行う作業に応じて作業エリア内の領域を区分けしたものである。
図3では、
図2の作業エリア5に合わせて、芝地、草地、ハンドヘルド、及び生垣が作業区分として示されている。
【0023】
作業エリアの広さは、作業区分ごとにそれぞれ示されている。芝地、草地及びハンドヘルドについては、それぞれの面積が示されている。また、生垣については、作業対象となる部分の表面積が示されている。なお、生垣の広さは、例えば生垣の植えられている領域の面積で示されてもよい。しかしながら、生垣の広さを表面積で表すことにより、作業量をより適切に把握することができる。
【0024】
係数は、作業エリアの広さに掛けられる値である。本実施形態では、各係数は1~2の間の値に設定されている。この係数は、後述する作業時間の予測にあたり、作業エリアの広さだけでなく、作業エリアの作業のしやすさも考慮するために用いられる。例えば、作業エリアに傾斜がある場合又は作業エリアの水辺を避けながら作業を行う必要がある場合等においては、作業機の移動速度を低下させる必要がある等の理由により、作業に時間をより要することがある。よって、作業時間の増加の要因となる要素が作業エリア内に存在する場合に、作業エリアの広さに所定の係数を掛けた数値を作業時間の予測に用いることで、作業エリアの作業のしやすさを考慮して作業時間の予測を行うことができる。すなわち、ここでの広さ×係数の値は、作業エリアにおける作業のしやすさを加味した、作業時間の予測に用いる情報であるといえる。
【0025】
本実施形態では、過去の作業エリアに関するエリア情報には、傾斜、水辺、物体及び植物に関する係数が含まれている。すなわち、作業エリアに傾斜がある場合、水辺がある場合、避ける必要のある物体がある場合等には、作業により時間を要すると考えられるため、これらの要因が係数として設定されている。また、作業エリアにおいて刈られる対象となる植物の種類によっては、硬くて刈りにくい等の理由により、作業に時間をより要することが考えられるため、植物の種類も係数として設定されている。なお、係数が設定される対象はこれらに限られず、適宜設定可能である。
【0026】
なお、本実施形態では、作業エリアにおける作業のしやすさに関する作業性情報として傾斜、水辺、物体及び植物に関する係数が含まれているが、作業性情報は係数以外の情報であってもよい。例えば、作業性情報は、作業エリアの平均斜度、水辺又は物体の面積、水辺又は物体の外周の長さ等、作業性に関する種々の情報であってもよい。また例えば、作業性情報は、作業エリアの日当たり、日照時間、温度、湿度、降水量等、天候に関する情報であってもよい。例えば、同じ植物でも日当たりや降水量等により成長度合いが変わってくるため、これらが作業時間に影響する場合がある。また例えば、作業当日や前日に雨が降った場合には、作業エリアのぬかるみ等が作業時間に影響する場合がある。よって、これらの情報に関して前述した係数が設定されてもよい。
【0027】
過去の作業時間に関する時間情報は、実作業時間、作業人数及び作業機台数を含む。また、作業費用の見積もりに関する情報としては、作業機の燃料消費量及び実際の費用(実費)が含まれる。また、本実施形態では、過去の作業時間に関する時間情報には、作業の区分ごとの、作業時間についての情報、作業人数についての情報及び作業台数についての情報が含まれている。
【0028】
<制御例>
図4は、サーバ装置1及び端末装置2の制御例を示すシーケンス図である。例えば、本シーケンスは、ランドスケーパ(ユーザ)が作業エリアの作業時間の予測及び費用の見積もりを行う際に実行される。なお、以下の説明では、各ステップを単にS1等と表記する。
【0029】
S1で、処理部201は、今回の作業エリアに関するエリア情報の入力受付処理を実行する。処理部201は、入力部205に、ユーザの入力を受け付けるように命令する。ここで、
図5は、エリア情報の入力受付時の表示部204の画面例を示す図である。本実施形態では、入力部205は、エリア情報として、作業エリアの広さに関する広さ情報、及び、作業エリアにおける作業のしやすさに関する作業性情報の入力を受け付ける。ここでは、「広さ」が広さ情報に対応し、「係数」が作業のしやすさに関する作業性情報に対応する。
【0030】
また、本実施形態では、入力部205は、エリア情報として、作業の区分に関する区分情報の入力を受付可能である。そして、入力部205は、各作業の区分ごとに広さ情報としての面積及び作業性情報としての係数の入力を受け付ける。作業の区分は、芝地作業、草地作業、手作業及び生垣作業の少なくとも1つを含んでもよい。また、本実施形態では、入力部205は、生垣については、作業対象部分の表面積を広さ情報として受け付ける。
【0031】
また、本実施形態では、入力部205は、見積もりを作成するための情報として、作業区分ごとの作業人数、及び、見積もりを作成する作業パターン数を受け付ける。
【0032】
また、本実施形態では、入力を受け付ける作業性情報として、作業エリアの傾斜、作業エリアにおける作業機の非進入領域、作業エリア上に配置された物体及び作業エリア上の植物の種類についての情報が含まれている。具体的には、入力部205は、各項目の係数を受付可能に構成されている。なお、入力を受け付ける係数の項目は限定されず、例示されている項目の少なくとも1つを含んでいてもよいし、例示されている項目以外の項目が含まれてもよい。
【0033】
S2で、通信部203は、処理部201からの命令に基づき、S1で取得されたエリア情報をサーバ装置1に送信する。
【0034】
S3で、サーバ装置1の処理部101は、端末装置2から送信されたエリア情報の受信処理を実行する。処理部101は、通信部103により、端末装置2から送信されたエリア情報を受信する。すなわち、処理部101は、端末装置2からの情報の受信により、今回の作業エリアに関するエリア情報を取得する。さらに言えば、処理部101は、エリア情報として、ユーザが端末装置2に入力した情報を取得する。
【0035】
S4で、処理部101は、作業時間を予測する。処理部101は、S3で取得したエリア情報と、過去の作業エリアに関するエリア情報及び過去の作業エリアでの作業時間に関する時間情報が関連付けられた履歴情報とに基づいて、今回の作業エリアでの作業時間を予測する本ステップの詳細については後述する。
【0036】
S5で、処理部101は、S4で予測された作業時間に基づく作業費用の見積もりを生成する。例えば、処理部101は、各作業区分の作業時間、作業人数、作業機台数、作業機の燃料費等を考慮した見積もりを算出する。
【0037】
S6で、通信部103は、処理部101からの命令に基づき、予測作業時間及び見積もりに関する情報を送信する。すなわち、処理部101は、通信部103を介して、S4で予測された作業時間、及び作業時間に基づく作業費用の見積もりを端末装置2に対して出力する。なお、本実施形態では、処理部101は、今回の作業における作業機の使用台数に応じた複数パターンの作業費用の見積もりを出力する(
図6参照)。
【0038】
S7で、端末装置2の処理部201は、サーバ装置1から送信された情報の受信処理を実行する。処理部201は、通信部203により、サーバ装置1から送信された予測作業時間(予測結果)及び見積もりに関する情報を受信する。
【0039】
S8で、処理部201は、受信した情報の表示処理を実行する。処理部201は、表示部204に、S7で受信した情報に関する表示をするよう命令する。
図6は、予測作業時間及び見積もりに関する表示部204の画面例を示す図である。表示部204は、3パターンの予測作業時間(予測結果)及び見積もりを表示する。
【0040】
具体的には、
図6では、各パターンについて、作業区分ごとに、作業人数及び作業機台数に応じた予測作業時間及び見積もりが示されている。例えば、パターン1は、入力部205が受け付けた作業人数で作業をしたパターンである。また、パターン2はなるべく作業人数及び作業機台数を抑えたパターンであり、パターン3は作業時間の短縮を優先したパターンである。このように、複数パターンの予測作業時間及び見積もりが表示されることにより、人員配置や作業機の空き状況等に応じて適切なパターンを選択することができる。
【0041】
図7は、S4のステップの具体例を示すフローチャートである。
S401で、処理部101は、作業時間の予測の対象区分を選択する。例えば、処理部101は、対象区分として、芝地を選択する。
【0042】
S402で、処理部101は、今回の対象区分に類似する過去の対象区分に関するデータを抽出する。
図8は、芝地に関する過去の情報を示す図である。ここで、本実施形態では、作業履歴データベース1021により作業エリア毎に履歴情報が管理されているが、必要に応じて特定の作業区分(
図8の例では芝地)のデータを取り出して使用可能に構成されているものとする。
【0043】
例えば、処理部101は、今回の対象区分に類似するデータとして、区分IDがA0001のデータを抽出する。ここで、類似データの抽出方法は適宜設定可能である。例えば、係数が1を超える項目が一致するデータが類似データとして抽出されてもよい。また、各項目の差が所定値以内又は所定割合以内であるデータが類似データとして抽出されてもよい。さらに、広さ×係数の値の差が所定値以内又は所定割合以内であるデータが類似データとして抽出されてもよい。また、本実施形態では処理部101は類似データを1つ抽出したが、抽出するデータの数は2以上であってもよい。この場合、処理部101は、例えば2~5個等、抽出するデータの数を予め規定しておいてもよいし、類似度に関して所定の条件を満たすデータを全て抽出してもよい。
【0044】
S403で、処理部101は、予測作業時間を特定する。一例を述べる。まず、処理部101は、端末装置2から受信した情報に基づき、今回の作業エリアの芝地の広さ×係数の値を算出する。本例では、
450(広さ)×1.3(傾斜係数)×1.4(物体係数)=819
となる。次に、処理部101は、算出した広さ×係数の値と、S402で抽出した過去の類似データに基づいて、芝地の作業時間を予測する。本例では、過去データでは、広さ×係数の値が900、作業人数が1人、作業機台数が1台で、実作業時間が40分である。一方で、今回の芝地では、広さ×係数の値が819、他の条件が同じであるため、広さ×係数の値の差を考慮して、作業時間を
40(分)×(819/900)=36.4(分)≒36(分)
【0045】
このように、処理部101は、今回の作業エリアに類似する過去の作業エリアの履歴情報を抽出し、抽出した履歴情報に基づいて、今回の作業エリアでの作業時間を予測する。なお、S402で、類似データが複数抽出された場合には、これらのデータの平均値をとって、平均値をもとに今回の作業時間を算出してもよい。
【0046】
S404で、処理部101は、予測時間を未算出の区分があるか否かを確認し、未算出の区分があればS401に戻り、なければ本フローチャートを終了する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、処理部101は、過去の作業の履歴情報に基づいて今回の作業エリアでの作業時間を予測するので、作業時間を適切に予測することができる。
【0048】
<第2実施形態>
図9は、一実施形態に係る作業時間予測システムSY2(以下、システムSY2)の概要を示す図である。第2実施形態では、システムSY2は、作業エリアを撮影する撮影装置3を含む。以下、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。
【0049】
撮影装置3は、作業エリアでの作業時間の予測に用いる撮影画像を撮影するための装置である。撮影装置3は、例えばドローンのような飛行体であってもよく、上空から作業エリアを撮影可能に構成されてもよい。また例えば、撮影装置3は、作業エリア上を走行可能な移動体であってもよい。移動体は、例えば自律芝刈り機等の作業機であってもよく、作業機に設けられた周辺検知用のカメラが後述する撮影部304として機能してもよい。また例えば、撮影装置3は、監視カメラ等であってもよい。なお、撮影装置3は、ランドスケーパが所有するものでもよいし、作業エリアの管理者等が所有するものでもよい。或いは、撮影装置3は、作業エリアの利用者等の一般ユーザが所有するデジタルカメラやスマートフォン等の携帯端末であってもよい。撮影装置3は、処理部301と、記憶部302と、通信部303と、撮影部304と、移動部305とを含む。処理部301と、記憶部302と、通信部303と、撮影部304と、移動部305とは不図示のバスにより接続されている。
【0050】
処理部301はCPUに代表されるプロセッサであり、記憶部302に記憶されたプログラムを実行することにより、端末装置2に係る種々の機能を実現する。記憶部302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等であり、処理部301が実行するプログラムの他、各種のデータが格納される。通信部303は、外部装置との通信インタフェースである。撮影部304は、例えばカメラであり、静止画又は動画を撮影可能に構成される。移動部305は、撮影装置3を移動させる。例えば、撮影装置3がドローンの場合には、移動部305は、プロペラと、プロペラを駆動させるモータ等により構成され得る。なお、撮影装置3が作業エリアに設置された監視カメラ又はデジタルカメラ等の携帯端末の場合等には、移動部305が省略される。
【0051】
本実施形態では、撮影装置3は通信部303により端末装置2と有線又は無線で接続可能である。例えば、撮影部304で撮影された作業エリアの画像が、通信部303により端末装置2に送信される。ここでの通信方式は公知の技術を適宜採用可能であるが、端末装置2と撮影装置3とは、例えばWi‐Fi(Wireless Fidelity)やBluetooth(登録商標)等により通信可能であってもよい。或いは、撮影装置3は、サーバ装置1又は端末装置2インターネット等のネットワークNWを介して通信可能であってもよい。なお、
図9では、1つの撮影装置3が示されているが、2以上の撮影装置3が端末装置2と通信可能であってもよい。
【0052】
図10は、サーバ装置1、端末装置2及び撮影装置3の制御例を示すシーケンス図である。
S21で、処理部301は、撮影部304及び移動部305を制御して、作業エリアを撮影する。なお、本ステップで得られる撮影画像は、静止画でもよいし、動画でもよい。例えば、撮影装置3がドローンや自律芝刈り機等の場合、撮影装置3は、端末装置2からエリア撮影の指示等を受信したことに基づいて作業エリアの撮影を開始する。
【0053】
S22で、通信部303は、処理部301からの命令に基づき、S21で取得された撮影画像を端末装置2に送信する。
【0054】
なお、本実施形態では撮影装置3から端末装置2に撮影画像が送信されるが、撮影装置3からサーバ装置1に撮影画像が送信されてもよい。この場合、サーバ装置1は、端末装置2から撮影画像の送信要求を受け付けると、端末装置2に対して撮影画像を送信してもよい。すなわち、撮影装置3の撮影画像がサーバ装置1に蓄積され、端末装置2が必要に応じてサーバ装置1から蓄積された撮影画像を取得する構成も採用可能である。なお、サーバ装置1は、撮影装置3から受信した撮影画像をそのまま端末装置2に送信してもよいし、端末装置2がその後の処理で必要とする撮影画像を抽出したり、所定の画像処理を施したりした上で端末装置2に送信してもよい。
【0055】
S23で、端末装置2の処理部201は、撮影装置3から送信された撮影画像の受信処理を実行する。処理部201は、通信部203により、撮影装置3から送信された撮影画像を受信する。
【0056】
S24で、処理部201は、受信した撮影画像を用いて、エリア判定処理を実行する。この処理は、撮影した作業エリアを、作業区分で区分けするための処理である。作業エリアの区分けには、公知の画像処理技術を適宜採用可能である。
【0057】
S25で、処理部201は、S24での判定結果の確認処理を実行する。
図11は、判定結果確認処理において表示部204に表示される画面例を示す図である。
図11では、撮影画像に基づき、作業エリアが、芝地と判定された芝地判定エリア71、草地と判定された草地判定エリア72、ハンドヘルドと判定されたハンドヘルド判定エリア73及び生垣と判定された生垣判定エリア74に区分けされている。また、芝地判定エリア71の木58及びその周囲は、作業機の作業機の非進入領域76と判定されている。さらに、草地判定エリア72の池55は、水辺75と判定されている。ユーザは、表示部204に表示された確認画面をもとに、作業エリアの判定が適切に行われていれば入力部205により確定ボタンを押下する。一方で、作業エリアの判定が適切に行われていない場合には、入力部205により修正ボタンを押下する。修正ボタンが押下された場合、処理部201は、再度S24のエリア判定処理を行ってもよい。或いは、表示部204の画面上で各判定領域がユーザにより修正可能に構成されてもよい。
【0058】
S26で、処理部201は、エリア情報の入力受付処理を実行する。
図12は、エリア情報の入力受付時の表示部204の画面例を示す図である。本実施形態では、画面の太枠2041内の数値については、処理部201により生成される。すなわち、処理部201は、撮影装置3の撮影画像及びS24のエリア判定処理の結果に基づき、芝地判定エリア71、草地判定エリア72、ハンドヘルド判定エリア73及び生垣判定エリア74のそれぞれの広さを特定する。また、撮影画像の画像処理により、作業エリア内の傾斜、水辺、避けるべき物体又は植物種等を特定する。本実施形態では、撮影装置3の撮影画像に基づいてエリア情報が生成されるので、ユーザによる当該情報の入力の手間を低減することができる。本実施形態では、ユーザは、各作業区分の作業人数及び見積もりを作成する作業パターン数を入力すればよい。
【0059】
その後のS2以降のステップは
図4と同様のため説明を省略するが、本実施形態では、作業時間予測装置としてのサーバ装置1は、作業エリアに関するエリア情報として、作業エリアを撮影可能な撮影装置3の撮影画像に基づく情報を取得する。したがって、作業時間の予測に際しユーザの手間を低減することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、S24のエリア判定処理を端末装置2が実行しているが、サーバ装置1が実行してもよい。サーバ装置1がエリア判定処理を実行することで、端末装置2側の処理負荷を低減することができる。この場合、S22において、撮影装置3の撮影画像がサーバ装置1に送信されてもよい。そして、サーバ装置1は、エリア判定処理の実行後に、S25で端末装置2が判定結果の確認処理を実行するのに必要な情報を端末装置2に対して送信してもよい。
【0061】
<作業時間の予測の変形例1>
図13は、
図4のS4を示すフローチャートである。本実施形態では、処理部101は、履歴情報を教師データとして用いて機械学習を行った学習済みモデルに、今回取得したエリア情報に応じた入力を行うことで、作業時間の予測結果を取得する。すなわち、本フローチャートを実行するにあたっては、予め、作業履歴データベース1021に蓄積された履歴情報を用いた学習済みモデルを生成しておく。 ここでの学習済みモデルは、CNN(Convolutional Neural Network;畳み込みニューラルネットワーク)などの機械学習の手法により得られるモデルである。学習方法の詳細については、ここでは省略し、公知の方法が適用可能であるとする。本実施形態では、履歴情報に含まれる過去の作業エリアに関するエリア情報(広さ、係数)を入力データ、過去の作業時間に関する時間情報を出力データとした教師データを用いて、学習済みモデルが生成される。これにより、今回の作業エリアのエリア情報を入力すると、今回の作業エリアでの予測作業時間が出力されることとなる。なお、本実施形態では、各作業区分に対して、学習済みモデルが生成されるものとする。なお、学習済みモデルの生成には、大きな負荷がかかるため、予め生成され、サーバ装置1の記憶部102に保持されているものとする。
【0062】
S401及びS404は
図7のフローチャートと同様のため説明を省略する。
S412で、処理部101は、端末装置2から取得したエリア情報を学習済みモデルに入力する。例えば、処理部101は、対象区分の広さ及び各係数を学習済みモデルに入力する。
【0063】
S413で、処理部101は、学習済みモデルの出力を作業時間の予測結果として取得する。
【0064】
本変形例によれば、学習済みモデルを用いることにより、履歴情報に基づきより適切に作業時間を予測することができる。なお、本変形例では、学習済みモデルの教師データの入力データを作業エリアの広さ、係数としたが、例えば撮影装置3が撮影した撮影画像を教師データの入力データとしてもよい。すなわち、教師データの内容は適宜設定可能である。
【0065】
<作業時間の予測の変形例2>
図14は、
図4のS4を示すフローチャートである。本実施形態では、処理部101は作業履歴データベース1021に蓄積された履歴情報に基づく演算式を用いて、今回の作業エリアでの作業に要する作業時間を予測する。すなわち、本フローチャートを実行するにあたっては、予め、作業履歴データベース1021に蓄積された履歴情報に基づき所定の演算式を設定しておく。演算式は、例えば、履歴情報に含まれる広さ×係数の値を説明変数、作業時間を目的変数とした単回帰分析によって得られた回帰式であってもよい。或いは、演算式は、履歴情報に含まれる広さ及び各係数を説明変数、作業時間を目的変数とした重回帰分析によって得られた回帰式であってもよい。具体的な分析方法は周知の方法を採用可能である。
【0066】
S401及びS404は
図7のフローチャートと同様のため説明を省略する。
S422で、処理部101は、端末装置2から取得したエリア情報に基づく演算を行う。例えば、処理部101は、演算式に広さ×係数の値を代入することにより、演算結果としての予測作業時間を取得する。
【0067】
本変形例によれば、演算式を用いて作業時間の予測を行うことができる。また、作業時間の予測時には、作業履歴データベース1021に蓄積された過去のデータの参照等が不要であるため、処理負荷を低減することができる。
【0068】
<他の実施形態>
上記実施形態では、サーバ装置1が作業時間予測装置として機能するが、端末装置2が作業時間予測装置として機能してもよい。この場合、端末装置2は、入力部205によりユーザの入力を受け付けることにより、今回の作業エリアに関する情報を取得してもよい。或いは、端末装置2は、撮影装置3から撮影画像を受信して、その画像に対してエリア判定処理等を行うことにより、今回の作業エリアに関する情報を取得してもよい。
【0069】
また、作業時間の予測に関して、例えば、端末装置2が
図7に示すフローチャートに従って作業時間の予測を行う場合には、端末装置2の処理部201に過去の作業の履歴情報が記憶されてもよい。また例えば、端末装置2が
図13に示すフローチャートに従って作業時間の予測を行う場合には、サーバ装置1が記憶部102に記憶された作業履歴データベース1021の情報を用いて学習済みモデルの生成を行い、生成された学習済みモデルが端末装置2に提供されてもよい。このような場合に、サーバ装置1は、作業履歴データベース1021の情報が蓄積されると、学習済みモデルをアップデートし、定期的にアップデートした学習済みモデルを端末装置2に提供してもよい。また例えば、端末装置2が
図14に示すフローチャートに従って作業時間の予測を行う場合には、サーバ装置1が記憶部102に記憶された作業履歴データベース1021の情報を用いて演算式を取得し、取得された演算式が端末装置2に提供されてもよい。このような場合に、サーバ装置1は、作業履歴データベース1021の情報が蓄積されると、演算式アップデートし、定期的にアップデートした演算式を端末装置2に提供してもよい。
【0070】
上記実施形態では、ランドスケーパが公園又は庭園等において芝刈りや草刈り等の作業を行う際の作業時間が予測されているが、他の種類の作業の予測に対しても、上記実施形態の構成を適用可能である。例えば、除雪機による除雪作業、農機による耕作作業、建設機械による整地作業等にも上記実施形態の構成を適用可能である。
【0071】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は、以下の作業時間予測装置、サーバ装置、端末装置、作業時間予測方法及びプログラムを少なくとも開示する。
【0072】
1.上記実施形態の作業時間予測装置(例えば1)は、
今回の作業エリアに関するエリア情報を取得する取得手段(例えば101,S3)と、
前記取得手段が取得した前記エリア情報と、過去の作業エリアに関するエリア情報及び前記過去の作業エリアでの作業時間に関する時間情報が関連付けられた履歴情報とに基づいて、前記今回の作業エリアでの作業時間を予測する予測手段(例えば101,S4)と、を備える。
【0073】
この実施形態によれば、予測手段が過去の作業の履歴情報に基づいて今回の作業エリアでの作業時間を予測するので、作業時間を適切に予測することができる。
【0074】
2.上記実施形態によれば、
前記エリア情報は、前記作業エリアの広さに関する広さ情報と、前記作業エリアにおける作業のしやすさに関する作業性情報と、を含む。
【0075】
この実施形態によれば、予測手段が作業エリアの作業のしやすさに基づいて作業時間を予測するので、作業時間の予測精度を向上することができる。
【0076】
3.上記実施形態によれば、
前記エリア情報は、作業の区分に関する区分情報を含み、
前記広さ情報は、前記作業の区分ごとの面積についての情報を含み、
前記作業性情報は、前記作業の区分ごとの作業性に関する情報を含む。
【0077】
この実施形態によれば、予測手段が作業の区分ごとに作業のしやすさに基づいて作業時間を予測するので、作業時間の予測精度を向上することができる。
【0078】
4.上記実施形態によれば、
前記取得手段は、前記エリア情報として、ユーザが入力した情報を取得する。
【0079】
この実施形態によれば、ユーザの入力情報に基づいて作業時間が予測されるので、簡易な構成で作業時間を予測することができる。
【0080】
5.上記実施形態によれば、
前記取得手段は、前記エリア情報として、前記作業エリアを撮影可能な装置の撮影画像に基づく情報を取得する。
【0081】
この実施形態によれば、取得手段がエリア情報として撮影画像に基づく情報を取得するので、ユーザがエリア情報を入力する手間を低減することができる。
【0082】
6.上記実施形態によれば、
前記予測手段は、前記今回の作業エリアに類似する前記過去の作業エリアの前記履歴情報を抽出し、抽出した前記履歴情報に基づいて、前記今回の作業エリアでの作業時間を予測する。
【0083】
この実施形態によれば、今回の作業エリアに類似する過去の作業エリアの履歴情報を抽出して作業時間の予測に用いるので、作業時間の予測精度を向上することができる。
【0084】
7.上記実施形態によれば、
前記予測手段は、前記履歴情報を教師データとして用いて機械学習を行った学習済みモデルに、前記取得手段が取得した前記エリア情報に応じた入力を行うことで、前記作業時間の予測結果を取得する。
【0085】
この実施形態によれば、学習済みモデルを用いることにより、履歴情報に基づきより適切に作業時間を予測することができる。
【0086】
8.上記実施形態によれば、
前記予測手段は、前記履歴情報に基づく演算式を用いて、前記今回の作業エリアでの作業に要する作業時間を予測する。
【0087】
この実施形態によれば、演算式により作業時間を予測するので、作業時間の予測に関する処理を簡素化することができる。
【0088】
9.上記実施形態によれば、
前記予測手段により予測された前記作業時間に基づく作業費用の見積もりを出力する出力手段(例えば101,S5)をさらに備える。
【0089】
この実施形態によれば、予測手段により予測された作業の予測時間応じて見積もりが出力されるので、精度の高い見積もりを作業の依頼者に提供することができる。
【0090】
10.上記実施形態によれば、
前記出力手段は、今回の作業における作業機の使用台数に応じた複数パターンの前記作業費用の見積もりを出力する。
【0091】
この実施形態によれば、複数パターンの見積もりを作業の依頼者に提供することができる。
【0092】
11.上記実施形態によれば、
前記履歴情報を記憶する記憶手段(例えば102)をさらに備える。
【0093】
この実施形態によれば、予測手段は、記憶手段に記憶された履歴情報に基づいて、作業時間を予測することができる。
【0094】
12.上記実施形態によれば、
前記作業性情報は、前記作業エリアの傾斜、前記作業エリアにおける作業機の非進入領域、前記作業エリア上に配置された物体及び前記作業エリア上の植物の種類、からなる群から選択される少なくとも1つについての情報を含む。
【0095】
この実施形態によれば、予測手段は、作業のしやすさをより適切に把握することができるので、作業時間の予測精度を向上することができる。
【0096】
13.上記実施形態によれば、
前記広さ情報は、作業対象の生垣の表面積についての情報を含む。
【0097】
この実施形態によれば、作業量をより適切に把握することができるので、作業時間の予測精度を向上することができる。
【0098】
14.上記実施形態によれば、
前記作業の区分は、芝地作業、草地作業、手作業及び生垣作業、からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【0099】
この実施形態によれば、作業の区分に応じてより適切に作業時間の予測を行うことができる。
【0100】
15.上記実施形態のサーバ装置(例えば1)は、上記1.~14.の作業時間予測装置の各手段(例えば101)として機能する。
【0101】
この実施形態によれば、作業時間を適切に予測することができるサーバ装置が提供される。
【0102】
16.上記実施形態の端末装置(例えば2)は、上記1.~14.の作業時間予測装置の各手段(例えば201)として機能する。
【0103】
この実施形態によれば、作業時間を適切に予測することができる端末装置が提供される。
【0104】
17.上記実施形態の端末装置は、
上記16.のサーバ装置に対して、今回の作業エリアに関するエリア情報を送信する送信手段(例えば203)と、
前記予測手段の予測結果を前記サーバ装置から受信する受信手段(例えば203,S7)と、
前記受信手段が受信した前記予測結果を表示する表示手段(例えば204)と、を備える。
【0105】
この実施形態によれば、サーバ装置での作業時間の予測結果を端末装置で確認することができる。
【0106】
18.上記実施形態の作業時間予測方法は、
今回の作業エリアに関するエリア情報を取得する取得工程(例えばS3)と、
前記取得工程で取得した前記エリア情報と、過去の作業エリアに関するエリア情報及び前記過去の作業エリアでの作業時間に関する時間情報が関連付けられた履歴情報とに基づいて、前記今回の作業エリアでの作業時間を予測する予測工程(例えばS4)と、を含む。
【0107】
この実施形態によれば、予測手段が作業エリアの作業のしやすさに基づいて作業時間を予測するので、作業時間の予測精度を向上することができる。
【0108】
19.上記実施形態のプログラムは、
コンピュータを、
今回の作業エリアに関するエリア情報を取得する取得手段(例えばS3)、
前記取得手段が取得した前記エリア情報と、過去の作業エリアに関するエリア情報及び前記過去の作業エリアでの作業時間に関する時間情報が関連付けられた履歴情報とに基づいて、前記今回の作業エリアでの作業時間を予測する予測手段(例えばS4)、
の各手段として機能させる。
【0109】
この実施形態によれば、予測手段が作業エリアの作業のしやすさに基づいて作業時間を予測するので、作業時間の予測精度を向上することができる。
【0110】
20.上記実施形態のプログラムは、
サーバ装置(例えば1)と通信可能な端末装置(例えば2)のコンピュータに作業予測時間の表示方法を実行させるプログラムであって、
前記サーバ装置は、
今回の作業エリアに関するエリア情報を取得する取得手段(例えば101,S3)と、
前記取得手段が取得した前記エリア情報と、過去の作業エリアに関するエリア情報及び前記過去の作業エリアでの作業時間に関する時間情報が関連付けられた履歴情報とに基づいて、前記今回の作業エリアでの作業時間を予測する予測手段(例えば101,S4)と、を備え、
前記表示方法は、
前記サーバ装置に対して、今回の作業エリアに関するエリア情報を送信する送信工程(例えばS2)と、
前記予測手段の予測結果を前記サーバ装置から受信する受信工程(例えばS7)と、
前記受信工程で受信した前記予測結果を表示する表示工程(例えばS8)と、を含む。
【0111】
この実施形態によれば、予測手段が作業エリアの作業のしやすさに基づいて作業時間を予測するので、作業時間の予測精度を向上することができる。
【0112】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0113】
1:サーバ装置、2:端末装置、101:処理部