(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
A63F7/02 332B
(21)【出願番号】P 2022067403
(22)【出願日】2022-04-15
【審査請求日】2024-07-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100188086
【氏名又は名称】石原 五郎
(72)【発明者】
【氏名】岡村 鉉
(72)【発明者】
【氏名】三木 悠大
【審査官】平井 隼人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-045539(JP,A)
【文献】特開2012-050608(JP,A)
【文献】特開2014-083372(JP,A)
【文献】特開2021-180782(JP,A)
【文献】特開2017-051560(JP,A)
【文献】特開2018-187290(JP,A)
【文献】特開2022-052033(JP,A)
【文献】特開2010-246788(JP,A)
【文献】特開2010-000215(JP,A)
【文献】特許第7509171(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を発射可能な発射手段と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、
前記遊技領域に設けられ、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技球が入球困難または不能な第2状態と、遊技球が前記第2状態より入球可能な第1状態との間で状態が切り替わり得る可変入球手段と、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、を備えた遊技機であって、
本遊技機は、
前記更新手段によって前記特定情報を更新し得る特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった場合に特定表示を行い、
前記特定表示の後に利益状態発生条件が成立した場合に、所定の利益状態を発生させ得るよう構成され、
報知態様表示として、第1報知態様表示、又は、該第1報知態様表示とは異なる第2報知態様表示で、所定の報知態様表示を実行する報知制御手段、を備え、
本遊技機は、
前記発射手段によって発射された遊技球が、前記第1状態の前記可変入球手段に入球して、所定の遊技条件が成立することに基づいて特定利益を発生させるよう構成され、
所定の遊技状態において、前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、その後に第1の所定遊技操作を実行する方が、第2の所定遊技操作を実行するよりも遊技者にとって不利になり得るよう構成されており、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングでは前記第1報知態様表示を実行し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて前記第2報知態様表示を実行するように前記報知態様表示を切り替える報知切替を実行可能に構成され、
本遊技機は、
前記報知切替を実行した場合に、前記特定判定結果に対して前記第2報知態様表示で前記所定の報知態様表示を実行し、遊技者に対して前記第2の所定遊技操作の実行を促すよう構成され、
本遊技機は、
少なくとも、前記報知切替を実行する場合における前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、前記第1報知態様表示と前記第2報知態様表示とは異なる表示であって、遊技機から遊技者への遊技操作指示表示ではなく遊技者の判断に基づいて所定遊技操作を実行し得ることを報知する所定遊技操作報知表示
を実行し得るように構成され、
少なくとも、前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間の所定の前記変動表
示において、遊技機から遊技者への遊技操作指示表示ではなく遊技者が判断し得る遊技選択の選択肢に関する表示を行う選択肢報知表示を実行し得るよう構成され、
少なくとも前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の数値情報を所定の記憶領域に設定し得るよう構成され、
前記所定の数値情報に基づいて、前記特定情報が初期状態から前記特定タイミングに到達するまでの期間が変化し得るよう構成された
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、所定の始動条件の成立に基づいて当たり等の抽選が行われ、例えば、当たりに当選した場合には、所定の獲得条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技媒体を払い出す遊技機がある。
【0003】
この遊技機では、少なくとも、所定の第1遊技状態と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態とを発生可能に構成され、該第2遊技状態において当たり遊技に当選させて、再度、第2遊技状態を連続的に発生可能に構成されているものもある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記例示したような遊技機等に対して、遊技の興趣向上のため、遊技への注目度を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を好適に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技球が入球困難または不能な第2状態と、遊技球が前記第2状態より入球可能な第1状態との間で状態が切り替わり得る可変入球手段と、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、を備えた遊技機であって、本遊技機は、前記更新手段によって前記特定情報を更新し得る特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった場合に特定表示を行い、前記特定表示の後に利益状態発生条件が成立した場合に、所定の利益状態を発生させ得るよう構成され、報知態様表示として、第1報知態様表示、又は、該第1報知態様表示とは異なる第2報知態様表示で、所定の報知態様表示を実行する報知制御手段、を備え、本遊技機は、前記発射手段によって発射された遊技球が、前記第1状態の前記可変入球手段に入球して、所定の遊技条件が成立することに基づいて特定利益を発生させるよう構成され、所定の遊技状態において、前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、その後に第1の所定遊技操作を実行する方が、第2の所定遊技操作を実行するよりも遊技者にとって不利になり得るよう構成されており、前記報知制御手段は、前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングでは前記第1報知態様表示で前記所定の報知情報表示を実行し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて前記第2報知態様表示で前記所定の報知情報表示を実行するように前記報知態様表示を切り替える報知切替を実行可能に構成され、本遊技機は、前記報知切替を実行した場合に、前記特定判定結果に対して前記第2報知態様表示で前記所定の報知態様表示を実行し、遊技者に対して前記第2の所定遊技操作の実行を促すよう構成され、本遊技機は、少なくとも、前記報知切替を実行する場合における前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、前記第1報知態様表示と前記第2報知態様表示とは異なる表示であって、遊技機から遊技者への遊技操作指示表示ではなく遊技者の判断に基づいて所定遊技操作を実行し得ることを報知する所定遊技操作報知表示を実行し得るように構成され、少なくとも、前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間の所定の前記変動表示において、遊技機から遊技者への遊技操作指示表示ではなく遊技者が判断し得る遊技選択の選択肢に関する表示を行う選択肢報知表示を実行し得るよう構成され、少なくとも前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の数値情報を所定の記憶領域に設定し得るよう構成され、前記所定の数値情報に基づいて、前記特定情報が初期状態から前記特定タイミングに到達するまでの期間が変化し得るよう構成されている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の遊技機によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技球が入球困難または不能な第2状態と、遊技球が前記第2状態より入球可能な第1状態との間で状態が切り替わり得る可変入球手段と、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、を備えた遊技機であって、本遊技機は、前記更新手段によって前記特定情報を更新し得る特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった場合に特定表示を行い、前記特定表示の後に利益状態発生条件が成立した場合に、所定の利益状態を発生させ得るよう構成され、報知態様表示として、第1報知態様表示、又は、該第1報知態様表示とは異なる第2報知態様表示で、所定の報知態様表示を実行する報知制御手段、を備え、本遊技機は、前記発射手段によって発射された遊技球が、前記第1状態の前記可変入球手段に入球して、所定の遊技条件が成立することに基づいて特定利益を発生させるよう構成され、所定の遊技状態において、前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、その後に第1の所定遊技操作を実行する方が、第2の所定遊技操作を実行するよりも遊技者にとって不利になり得るよう構成されており、前記報知制御手段は、前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングでは前記第1報知態様表示で前記所定の報知情報表示を実行し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて前記第2報知態様表示で前記所定の報知情報表示を実行するように前記報知態様表示を切り替える報知切替を実行可能に構成され、本遊技機は、前記報知切替を実行した場合に、前記特定判定結果に対して前記第2報知態様表示で前記所定の報知態様表示を実行し、遊技者に対して前記第2の所定遊技操作の実行を促すよう構成され、本遊技機は、少なくとも、前記報知切替を実行する場合における前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、前記第1報知態様表示と前記第2報知態様表示とは異なる表示であって、遊技機から遊技者への遊技操作指示表示ではなく遊技者の判断に基づいて所定遊技操作を実行し得ることを報知する所定遊技操作報知表示を実行し得るように構成され、少なくとも、前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間の所定の前記変動表示において、遊技機から遊技者への遊技操作指示表示ではなく遊技者が判断し得る遊技選択の選択肢に関する表示を行う選択肢報知表示を実行し得るよう構成され、少なくとも前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の数値情報を所定の記憶領域に設定し得るよう構成され、前記所定の数値情報に基づいて、前記特定情報が初期状態から前記特定タイミングに到達するまでの期間が変化し得るよう構成されている。これにより、遊技への注目度を好適に高めることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
【
図4】(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
【
図5】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図であり、主に主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】各種カウンタ、各保留球格納エリア、保留球実行エリアの構成を模式的に示した図である。
【
図7】(a)は、特
図1大当たり乱数テーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、特
図2大当たり乱数テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図8】特
図2大当たり種別テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図9】(a)は、特
図1小当たり種別テーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、特
図2小当たり種別テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図10】各遊技状態における、該遊技状態への移行契機、特別図柄の大当たり確率、普通図柄の当たり確率、奨励される球の発射態様、主要入賞先、第1特別図柄の変動時間、第2特別図柄の変動時間、及び、右打ち可否を説明した一覧である。
【
図11】各遊技状態における発射態様と、当選した大当たり種別等に基づく遊技状態の移行先を示した図である。
【
図12】(a)は、特
図1用保留数テーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、特
図2用保留数テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図13】(a)は、停止パターンテーブルのAテーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、停止パターンテーブルのBテーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図14】(a)は、停止パターンテーブルのCテーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、停止パターンテーブルのDテーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図15】(a)は、停止パターンテーブルのEテーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、停止パターンテーブルのFテーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図16】(a)は、特
図1ハズレ変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、特
図1小当たり用変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図17】(a)は、特
図2ハズレ変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図18】大当たり開放テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図19】小当たり開放テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図20】第1特別図柄の動的表示において小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は「時短C(小当たりA)」に当選した場合における大入賞口ソレノイド及び特定領域ソレノイドの駆動パターンと、大入賞口スイッチ及び特定領域スイッチの検知態様と、大当たりフラグの設定態様とを示しており、特定領域に球を通過させた場合のタイミングチャートである。
【
図21】第1特別図柄の動的表示において小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は「時短C(小当たりA)」に当選した場合における大入賞口ソレノイド及び特定領域ソレノイドの駆動パターンと、大入賞口スイッチ及び特定領域スイッチの検知態様と、大当たりフラグの設定態様とを示しており、特定領域に球を通過させなかった場合のタイミングチャートである。
【
図22】第2特別図柄の動的表示において小当たり種別「時短D(小当たりB)」に当選した場合における大入賞口ソレノイド及び特定領域ソレノイドの駆動パターンと、大入賞口スイッチ及び特定領域スイッチの検知態様と、大当たりフラグの設定態様とを示しており、特定領域に球を通過させた場合のタイミングチャートである。
【
図23】(a)は、普図当たり乱数テーブルの一例を模式的に示した図であり、(b)は、普図変動時間テーブルの一例を模式的に示した図であり、(c)は、普通電役開放テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図24】時短終了条件テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図25】主に音声ランプ制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図26】第1保留情報格納エリア、第2保留情報格納エリア及び実行情報格納エリアの構成を模式的に示した図である。
【
図27】「通常遊技状態A」において小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は「時短C(小当たりA)」に当選した場合に、該小当たり当選時に右打ち遊技を行って大当たりを発生させた場合の平均獲得球数と、該小当たり当選時に右打ち遊技を行わず、「通常遊技状態A」に戻って再び特別図柄の動的表示を実行させ、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行させた場合の平均獲得球数と、について、遊技状態別に2の平均獲得球数の差異をまとめた表である。
【
図28】損益分岐回数テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図29】主に表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図31】(a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。
【
図33】変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図34】追加データテーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図35】転送データテーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図36】描画リストの一例を模式的に示した図である。
【
図37】主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
【
図38】主制御装置内のMPUにより実行される設定変更処理を示すフローチャートである。
【
図39】主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【
図40】主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【
図41】主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
【
図42】主制御装置内のMPUにより実行されるゲート通過処理を示すフローチャートである。
【
図43】主制御装置内のMPUにより実行される特図変動処理を示すフローチャートである。
【
図44】主制御装置内のMPUにより実行される変動開始処理を示すフローチャートである。
【
図45】主制御装置内のMPUにより実行される変動停止処理を示すフローチャートである。
【
図46】主制御装置内のMPUにより実行される時短計数処理を示すフローチャートである。
【
図47】主制御装置内のMPUにより実行される救済到達計数処理を示すフローチャートである。
【
図48】主制御装置内のMPUにより実行される当たり処理を示すフローチャートである。
【
図49】主制御装置内のMPUにより実行される小当たり開閉制御処理を示すフローチャートである。
【
図50】主制御装置内のMPUにより実行される特定領域装置開閉制御処理を示すフローチャートである。
【
図51】主制御装置内のMPUにより実行される小当たり時大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。
【
図52】主制御装置内のMPUにより実行される小当たり終了処理を示すフローチャートである。
【
図53】主制御装置内のMPUにより実行される大当たり開閉制御処理を示すフローチャートである。
【
図54】主制御装置内のMPUにより実行される大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。
【
図55】主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。
【
図56】主制御装置内のMPUにより実行される普図変動処理を示すフローチャートである。
【
図57】主制御装置内のMPUにより実行される普通電役制御処理を示すフローチャートである。
【
図58】主制御装置内のMPUにより実行されるベース値処理を示すフローチャートである。
【
図59】主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
【
図60】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
【
図61】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【
図62】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
【
図63】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特
図1コマンド処理を示したフローチャートである。
【
図64】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される特
図2コマンド処理を示したフローチャートである。
【
図65】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される救済関連コマンド受信処理を示したフローチャートである。
【
図66】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動演出処理を示したフローチャートである。
【
図67】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理を示したフローチャートである。
【
図68】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される表示用特
図1停止種別コマンド設定処理を示したフローチャートである。
【
図69】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり演出処理を示したフローチャートである。
【
図70】音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される小当たり当選時右打ち報知演出処理を示したフローチャートである。
【
図71】表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【
図72】(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
【
図73】表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
【
図74】(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される保留球数コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるデモコマンド処理を示したフローチャートである。
【
図75】表示制御装置内のMPUにより実行される変動演出系コマンド処理を示したフローチャートである。
【
図76】(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される確定コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートである。
【
図77】表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
【
図78】表示制御装置内のMPUにより実行される当たり系コマンド処理を示したフローチャートである。
【
図79】表示制御装置内のMPUにより実行される文字系コマンド処理を示したフローチャートである。
【
図80】(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像系コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
【
図81】表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
【
図82】表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
【
図83】(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される保留画像設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートである。
【
図84】表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
【
図85】(a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
【
図86】表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
【
図87】表示制御装置内のMPUにより実行される画像転送詳細処理を示したフローチャートである。
【
図88】表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
【
図89】「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置での演出の推移を示しており、(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり(b)は、(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図であり、(c)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(d)は、(c)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【
図90】第2実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成を示すブロック図である。
【
図91】第2実施形態における損益分岐回数テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図92】第2実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
【
図93】第2実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される表示用特
図1停止種別コマンド設定処理を示したフローチャートである。
【
図94】第2実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり演出処理を示したフローチャートである。
【
図95】第2実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される小当たり当選時右打ち報知演出処理を示したフローチャートである。
【
図96】第2実施形態において、表示制御装置内のMPUにより実行される当たり系コマンド処理を示したフローチャートである。
【
図97】第2実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示しており、(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図であり、(c)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(d)は、(c)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【
図98】第2実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示しており、(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「551」(即ち、曖昧報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【
図99】第3実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示しており、(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rの値が「524~563回転」の期間(即ち、曖昧報知期間)において特
図1小当たりに当選し、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から、引き続き小当たり遊技のオープニングが実行中の状態であって、(a)の状態から一定期間が経過して右打ち報知演出の内容が切り替わった状態を示した図であり、(c)は、(b)の状態から、引き続き小当たり遊技のオープニングが実行中の状態であって、(b)の状態から一定期間が経過して右打ち報知演出の内容が切り替わった状態を示した図であり、(d)は、(c)の状態から、引き続き小当たり遊技のオープニングが実行中の状態であって、(c)の状態から一定期間が経過して右打ち報知演出の内容が切り替わった状態を示した図である。
【
図100】第4実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理を示したフローチャートである。
【
図101】第4実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示しており、(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図であり、(c)は、(b)の状態から、特定領域65dを球が通過せず、大当たり状態に移行することなく小当たり状態が終了して「通常遊技状態A」に戻り、第1特別図柄の変動表示が実行されている状態を示した図である。
【
図102】第5実施形態における表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図103】第5実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理を示したフローチャートである。
【
図104】(a)は、第5実施形態において、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像系コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、第5実施形態において、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
【
図105】第5実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示しており、(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「551」(即ち、曖昧報知期間)となっている状態において第1特別図柄の変動表示が実行中となっている状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から、実行中となっていた特別図柄の変動表示が特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(c)は、(b)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【
図106】第6実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示しており、(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図であり、(c)は、(b)の状態から、特定領域65dを球が通過せず、大当たり状態に移行することなく小当たり状態が終了して「通常遊技状態A」に戻り、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「550」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(d)は、(c)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【
図107】第6実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示しており、(a)は、
図106(d)の状態から、特定領域65dを球が通過せず、大当たり状態に移行することなく小当たり状態が終了して「通常遊技状態A」に戻り、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【
図108】第7実施形態における主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図109】第7実施形態における救済条件成立回数テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図110】第7実施形態における音声ランプ制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図111】第7実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり当選時に右打ち遊技を行って大当たりを発生させた場合の平均獲得球数と、該小当たり当選時に右打ち遊技を行わず、「通常遊技状態A」に戻って再び特別図柄の動的表示を実行させ、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行させた場合の平均獲得球数と、について、遊技状態別に2の平均獲得球数の差異をまとめた表である。
【
図112】第7実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり当選時に右打ち遊技を行って大当たりを発生させた場合の平均獲得球数と、該小当たり当選時に右打ち遊技を行わず、「通常遊技状態A」に戻って再び特別図柄の動的表示を実行させ、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行させた場合の平均獲得球数と、について、遊技状態別に2の平均獲得球数の差異をまとめた表である。
【
図113】第7実施形態における損益分岐回数テーブルの一例を模式的に示した図である。
【
図114】第7実施形態において、主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。
【
図115】第7実施形態において、主制御装置内のMPUにより実行される救済条件成立回数抽選処理を示すフローチャートである。
【
図116】第7実施形態において、主制御装置内のMPUにより実行される当たり処理を示すフローチャートである。
【
図117】第7実施形態において、主制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了処理を示すフローチャートである。
【
図118】第7実施形態において、主制御装置内のMPUにより実行されるベース値処理を示すフローチャートである。
【
図119】第7実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
【
図120】第7実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される救済関連コマンド受信処理を示したフローチャートである。
【
図121】第7実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される表示用特
図1停止種別コマンド設定処理を示したフローチャートである。
【
図122】第7実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり演出処理を示したフローチャートである。
【
図123】第7実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される小当たり当選時右打ち報知演出処理を示したフローチャートである。
【
図124】第8実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示しており、(a)は、(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「550」(即ち、曖昧報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図であり、(c)は、(b)の状態から、遊技者の右打ち遊技によって特定領域65dを球が通過したことを報知している状態を示した図であり、(d)は、(c)の状態から、大当たり状態に移行したことを示した図である。
【
図125】第9実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示しており、(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図であり、(c)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(d)は、(c)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【
図126】第10実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理を示したフローチャートである。
【
図127】第10実施形態において、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるサブ救済カウンタ表示処理を示したフローチャートである。
【
図128】第10実施形態の「通常遊技状態A」において特別図柄の変動表示が実行された場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示しており、(a)は、(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「541」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において第1特別図柄の変動表示が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(b)は、(a)の状態から、次の第1特別図柄の変動表示が実行を開始した状態を示した図であり、(c)は、(b)の状態から、第1特別図柄の変動表示が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(d)は、(c)の状態から、次の第1特別図柄の変動表示が実行を開始した状態を示した図である。
【
図129】第10実施形態の「通常遊技状態A」において特別図柄の変動表示が実行された場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示しており、(a)は、
図128(d)の状態から、第1特別図柄の変動表示が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、(b)は、救済カウンタ203rが「791」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において第1特別図柄の変動表示が実行を開始した状態を示した図である。
【
図130】第11実施形態における遊技盤の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1~
図89を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、
図2はパチンコ機10の背面図であり、
図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
【0011】
従来、所定の期間が経過した後に予め定めた遊技者に有利な遊技状態に移行して遊技者に利益を付与する遊技機がある。有利な遊技状態において、遊技者の遊技により所定の条件が成立した場合に遊技者は賞球を得ることができる。
【0012】
このような遊技機において、所定の期間における遊技者への有利な遊技状態の発生に対する示唆は十分に好適なものではなく、さらなる示唆の内容の向上が求められている。
【0013】
具体的には、例えば、所定期間において、有利な遊技状態の発生に対する示唆が一様である場合、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低を遊技者が理解し難い若しくは理解することができない。また、示唆を利益の高低に応じて変化させることに関して生じる興趣も得難い若しくは得ることができない。
【0014】
本発明は上記の問題点を鑑みて発明されたものであり、所定期間における有利な遊技状態の発生に対する示唆を好適に行い、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低に対する遊技者の理解を深め、示唆に関する興趣を高めることを目的としている。
【0015】
より具体的には、例えば、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において、大当たりを発生可能な(即ち、特定領域65dを通過可能な)小当たり当選時に、該小当たりで大当たりを発生させるか否かの選択肢を設けた遊技性とすることで、遊技のバリエーションを豊富にするとともに、遊技者に対して、獲得可能な出玉の期待値がより高くなる打ち方報知を実行できる遊技機を提供することを目的としている。
【0016】
本目的を達成するために、第1実施形態のパチンコ機10は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様または前記第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備えている。
【0017】
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「射出装置」を備え、「始動入球領域」としての「始動検知領域」を備え、「表示手段」としての「結果報知装置」を備え、「可変入球手段」としての「可動装置」を備え、「更新条件」としての「遊技条件」を備え、「特定情報」としての「遊技情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「更新状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「付与利益」を備え、「報知態様」としての「通知態様」を備え、「報知制御手段」としての「表示制御」を備え、「判定手段」としての「判別制御」を備え、「特定判定結果」としての「制御判定結果」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定利益」としての「付与価値」を備え、「利益発生手段」としての「利益付与制御」を備え、「所定タイミング」としての「所定時期」を備え、「特定タイミング」としての「特定時期」を備える。
【0018】
なお、発射手段は、該発射手段によって発射された遊技球が始動入球領域に入球可能となるように発射できるものであればよく、例えば、電動式の発射制御装置、又は、手動式の発射装置などが挙げられる。
【0019】
また、所定の利益状態は、遊技者に何らかの利益を付与可能なものであればよく、例えば、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の特典画像の表示、特定の特典音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
【0020】
さらに、「特定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する特定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【0021】
また、可変入球手段は、複数回の可変動作が実行可能なものであればよく、例えば、可変入賞装置(大入賞口)、小入賞口、普通電役、非電動式入賞口、その他可動式の入球手段などが挙げられる。
【0022】
さらに、特定利益は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発行手段の発光制御、などが挙げられる。
【0023】
また、特定情報は、遊技機において更新条件が発生した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、かつ、更新状態によって所定の期間を識別可能なものであって、本発明の要旨を実現可能であればよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファ、フラグ、予め定められた一連のデータ群、又は、データ群における現在の更新位置を把握するためのポインタ、特別図柄の動的表示の実行回数、特別図柄の動的表示が実行を開始してからの時間、特別図柄の動的表示が実行を停止してからの時間、特定の遊技状態における特別図柄の動的表示の実行回数、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行するまでの特別図柄の動的表示の残り実行回数、大入賞口など可動体の1の可動における可動時間、大入賞口など可動体の1の可動が停止した場合の停止してからの時間、大入賞口などの入賞口の1の開放における入賞数、表示手段によって所定の図柄の抽選結果を表示するための描画情報、遊技機の立ち上げ処理開始からの時間、遊技機の設定値、主制御装置から副制御装置へ送信するためのコマンド情報、副制御装置から表示制御装置へ送信するためのコマンド情報、特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出された球の数(ベース値)、遊技機に何らかの異常が発生したことをホール関係者に報知するためのエラー情報若しくは報知態様、電源断の発生情報、現在時刻、枠ボタンの入力有無などが挙げられる。
【0024】
さらに、特定情報を更新する更新手段は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード等であってもよく、ハード回路による更新であってもよい。
【0025】
また、判定手段は、始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行するものであればよく、例えば、始動入賞処理、特図変動処理、変動開始処理、当たり処理、ゲート通過処理、普図変動処理などが挙げられる。
【0026】
さらに、所定の更新状態は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、例えば、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になること、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になること、所定のフラグがオンされること、所定のフラグがオフされること、所定の時間が経過すること、所定の期間が経過すること、予め定められた一連のデータ群をすべて使用すること、所定領域への入球が検知されること、遊技者による枠ボタンの入力が検知されることなどが挙げられる。
【0027】
また、始動入球領域は、遊技球が入球することで所定の図柄の変動表示が可能となるものであればよく、例えば、特
図1始動口、特
図2始動口、普図始動口などが挙げられる。
【0028】
さらに、表示手段は、所定の図柄の抽選結果を報知可能なものであればよく、例えば、第3図柄表示装置、セグメント表示装置、ドラム表示装置、光導光式の導光板、又は、各表示装置に表示するための制御装置などが挙げられる。
【0029】
また、特定の遊技状態は、特定情報が更新手段に更新されて所定の更新状態となった場合に所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、例えば、更新条件が発生した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態は、例えば、所謂変動によって特定情報を更新可能な「通常遊技状態」、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、「確率変動状態」、「時間短縮状態」、電源投入から所定の大当たりが発生するまでの状態、電源投入から所定の大当たりが終了するまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が開始されてから、該動的表示が終了されるまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が終了してから、次の動的表示が実行開始可能となるまでの状態、大当たりとなる特別図柄の動的表示の実行から終了してから、大当たり遊技が開始されるまでの状態、大当たり遊技が開始されてから、大当たり遊技が終了して特別図柄の動的表示が実行可能となるまでの状態、大当たり遊技が開始されることとなる入球口への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示が実行されておらず、始動入球領域への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示の実行中のうち、遊技者による枠ボタンの入力を待機している状態、などが挙げられる。
【0030】
さらに、特定判定結果は、判定手段によって導出される結果であればよく、例えば、特別図柄の動的表示が大当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の大当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示が小当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の小当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示がハズレに当選すること、特別図柄の動的表示が時短図柄に当選すること、特別図柄の動的表示が転落抽選に該当すること、特別図柄の動的表示の実行回数が特定回数に達すること、普通図柄の可変表示が当たりに当選すること、普通図柄の可変表示がハズレに当選すること、特定の遊技状態に移行することなどが挙げられる。
【0031】
また、所定の遊技条件は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、例えば、遊技球を発射すること、遊技球の発射を停止すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、発射された遊技球が所定の領域に所定球数以上入球すること、発射された遊技球が所定の領域に入球しないこと、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出ボタンを操作すること、遊技者が演出ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
【0032】
さらに、更新条件は、所定の図柄の変動表示があらかじめ定められた状態となったか否かを判別可能なものであればよく、例えば、特別図柄の動的表示が実行を開始すること、特別図柄の動的表示が実行中であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以上であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以内であること、特別図柄の動的表示が実行を停止すること、特別図柄の動的表示が実行を停止してから、次の特別図柄の動的表示が実行開始可能となるまでの間であること、特別図柄の動的表示が実行不可であること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数に達すること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数よりも少なくなること、遊技機の立ち上げ処理が実行されること、主制御装置から副制御装置へコマンド送信されること、副制御装置がコマンドを受信すること、表示制御装置がコマンドを受信すること、各種処理を実行するための期間が経過すること、各種処理を実行するための命令が発生すること、各種処理を実行するためのコマンドが発生することなどが挙げられる。
【0033】
また、「所定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する所定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【0034】
さらに、報知態様は、少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能となるものであればよく、例えば、文字情報の種類、数字情報の内容、絵柄の種類、キャラクタの種類、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度、それらの表示時間、それらの表示回数を異ならせることで、発射態様の示唆の識別、発射可否の示唆の識別、遊技可否の示唆の識別、操作手段に対する操作実行タイミングの識別、遊技状態の示唆の識別、賞球数の多寡の識別、ラウンド数の大小の識別、確変図柄と通常図柄との識別、時短図柄と通常図柄との識別、確変図柄と時短図柄との識別、を可能にすることなどが挙げられる。
【0035】
パチンコ機10は、
図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
【0036】
内枠12には、多数の釘や入賞口(入球口)63,64,71等を有する遊技盤13(
図3参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(
図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。なお、遊技盤13の詳細については、
図3において後述する。
【0037】
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(
図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
【0038】
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
【0039】
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(
図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(
図5参照)へと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
【0040】
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(
図3参照)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、第3図柄の変動表示(以下、第3図柄の変動表示を「変動演出」という。)において実行される予告表示での演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
【0041】
また、変動演出とは、後述する第3図柄表示装置81(
図3参照)にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(例えば、後述の第1始動口64又は第2始動口71(
図3参照))へ入賞したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。
【0042】
さらに、ステージとは、後述する第3図柄表示装置81(
図3参照)に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行される「リーチ表示」などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
【0043】
また、「リーチ表示」とは、後述する第3図柄表示装置81(
図3参照)において実行される変動演出において、大当たりが発生することを示す「大当たり表示」の一歩手前の表示のことをいう。具体的には、後述する左図柄列Z1及び右図柄列Z3(
図4参照)の第3図柄が同一図柄で停止し、中図柄列Z2(
図4参照)が未だ停止せず変動を継続している状態のことをいう。
【0044】
本実施形態のパチンコ機10では、「リーチ表示」として、大別して、「ノーマルリーチ」の演出を構成する一単位の要素(以下、演出を構成する一単位の要素を「変動要素」という)と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、該「ノーマルリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スーパーリーチ」の変動要素と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、「スーパーリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スペシャルリーチ」の変動要素とが用意されている。
【0045】
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間(即ち、デモ表示中)や、変動演出において第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動される「高速変動」の変動要素中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われる。そして、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
【0046】
また、後述する第3図柄表示装置81(
図3参照)にて行われる変動演出において「ノーマルリーチ」の変動要素が開始された場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するときは、「ノーマルリーチ」の変動要素中に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成してもよい。
【0047】
具体的には、選択画面では、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素として選択可能な複数の候補が表示され、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作された場合に、選択された候補が変更されるように構成する。そして、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素へ発展するときに選択されていた演出候補に基づいて、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定され、その決定に従って「スーパーリーチ」の変動要素は「スペシャルリーチ」の変動要素が第3図柄表示装置81にて実行される。
【0048】
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定されたりしてもよい。
【0049】
また、枠ボタン22を上皿17の側面視正面側に配置するように構成しているが、枠ボタン22の配置位置は、遊技者が押下操作可能な位置であれば如何様な配置位置でも良く、例えば、上皿17の上面側に配置してもよいし、後述する下皿50の近傍(上面又は側面)に配置してもよい。
【0050】
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定の「リーチ表示」時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。
【0051】
パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や「リーチ表示」時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前の「リーチ表示」中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
【0052】
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(
図3参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
【0053】
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
【0054】
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
【0055】
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(
図5参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
【0056】
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
【0057】
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
【0058】
次に、
図2に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
【0059】
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro-Processing Unit。以下、「MPU」と略す)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
【0060】
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
【0061】
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
【0062】
主制御装置110を構成する主基板上には、ベース表示装置401が配設されており、パチンコ機10の背面側を見たときにベース表示装置401の表示画面が見えるように組付けられている。ベース表示装置401には、通常時においてベース値(通常遊技状態において100発の球の発射に対して払い出される(賞球される)球の数(割合))が表示される一方、設定変更モード及び設定確認モードのときには確率設定値が表示される。また、ベース表示装置401には、エラー履歴も表示可能に構成される。
【0063】
また、主制御装置110を構成する主基板上には、設定された確率設定値を変更する場合や設定されている確率設定値を確認する場合に使用する設定キー501と、ベース表示装置401にエラー履歴を表示させる場合に使用するエラー表示ボタン502が設けられている。設定キー501とエラー表示ボタン502とは、基板ボックス100に設けられた孔から主基板より突出して設けられ、基板ボックス100を開封しなくても、ホール関係者等によって操作可能になっている。
【0064】
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(
図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
【0065】
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ503が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(
図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ503は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
【0066】
次に、
図3を参照して遊技盤13の具体的構成について説明する。まず、
図3に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、球が入賞することで付与利益として所定の賞球を得ることができる一般入賞口63、第3図柄の大当たりが発生した場合に開放される可変入賞装置65、第3図柄(所謂、特別図柄)の1つである第1特別図柄の抽選契機となる始動検知領域としての第1始動口64、第3図柄の1つである第2特別図柄の抽選契機となる第2始動口71、第2図柄(所謂、普通図柄)の抽選契機となるスルーゲート67、開放状態となることで第2始動口71へ球が入球可能となる普通電役72、第3図柄表示装置81及び第2図柄表示装置83等を有した可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。
【0067】
一般入賞口63、第1始動口64、可変入賞装置65、スルーゲート67、第2始動口71、普通電役72、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(
図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に
図3を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
【0068】
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(
図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
【0069】
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(
図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(
図3の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球を再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(
図3の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される(以下、返しゴム69に当たる勢い等で球を発射して、該球を可変表示装置ユニット80の正面視右側を通過させる行為を「右打ち遊技」と称する一方、発射した球が可変表示装置ユニット80の正面視左側を通過させる行為を「左打ち遊技」と称する)。第1実施形態では、左打ち遊技において、第1始動口64へ球が入球し得る若しくは入球し易い一方、第2始動口71、可変入賞装置65、スルーゲート67に球が入球し難い若しくは入球しないように構成されている。また、右打ち遊技において、第2始動口71、可変入賞装置65、スルーゲート67へ球が入球し得る若しくは入球し易い一方、第1始動口64に球が入球し難い若しくは入球しないように構成されている。
【0070】
また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
【0071】
遊技領域の正面視右側上部(
図3の右側上部)には、発光手段である複数のLEDで構成された状態LED群37aと特別LED群37bと右打ち報知ランプ37cとが設けられた特別図柄表示装置37が配設されている。特別図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(
図5参照)で行われる各制御に応じた第1特別図柄および第2特別図柄の各変動表示(以下、両特別図柄の変動表示を「動的表示」という)がなされると共に、パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
【0072】
状態LED群37aは、後述する第1始動口64又は第2始動口71に入賞(入球)した球のうち、変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たりのラウンド(以下、ラウンドを、単に「R」と称する場合がある)数やエラー表示も、該状態に対応する状態LED群37aの点灯状態により示される。なお、状態LED群37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
【0073】
なお、大当たりにおける「ラウンド」とは、大当たりの賞球個数を区切るために後述する可動装置としての可変入賞装置65を開閉する大入賞口開閉板65aが、開放されてから閉鎖されるまでのことをいい、第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口開閉板65aが開放開始されてから「30秒」経過するか、若しくは、大入賞口開閉板65aの開放中に球が10個入賞することで、1回の「ラウンド」が実行されるように構成されている。
【0074】
特別LED群37bは、6個のLEDで構成された上方LED群37b1と、同じく6個のLEDで構成された下方LED群37b2との計12個のLEDで構成されている。上方LED群37b1は、始動検知領域としての第1始動口64への球の入球に基づいて実行される第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄が動的表示される。また、下方LED群37b2は、第2始動口71への球の入球に基づいて実行される第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄が動的表示される。
【0075】
具体的には、上方LED群37b1には、遊技盤13の盤面中央に設けられた第1始動口64への入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第1実施形態では、上方LED群37b1の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
【0076】
また、下方LED群37b2には、遊技盤13の右側側方に設けられた第2始動口71への入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで動的表示(第1実施形態では、下方LED群37b2の最も上方のLEDから下方のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、6個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計64種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
【0077】
いずれのLED群37b1,37b2においても、判定結果がハズレである場合には、最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、該大当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで各LED群が点灯表示され、判定結果が小当たりである場合には、該小当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで各LED群が点灯表示される。各LED群の停止パターンの詳細については、後述する。
【0078】
本パチンコ機10では、第2始動口71への入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、各当否判定において大当たりと判定された場合は、入賞した入賞口71に応じてその大当たり種別の判定も行い、大当たり種別に応じて可動装置としての可変入賞装置65を開閉駆動する。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示における当否判定において小当たりと判定された場合は、可変入賞装置65及び後述する特定領域ソレノイド65f(
図5参照)をそれぞれ開閉駆動する。そして、可変入賞装置65内に設けられた特定領域ソレノイド65fの開放に伴って後述する特定領域スイッチ65g(
図5参照)によって球が検知された場合には、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示における各小当たり種別に応じた大当たり遊技として可変入賞装置65を開閉駆動する。
【0079】
第1実施形態において判定される大当たり種別としては、第2始動口71への入賞に基づいて、可変入賞装置65が10回開放する「10ラウンド時短大当たり(以下、「時短A」と称する場合がある)」が用意されている(
図8参照)。
【0080】
また、第1実施形態において判定される小当たり種別としては、始動検知領域としての第1始動口64への入賞に基づいて、可変入賞装置65が1回開放する「1ラウンド時短無し小当たり(以下、「小当たりA」と称する場合がある)」、可動装置としての可変入賞装置65が5回開放する「5ラウンド時短大当たり(以下、「時短B」と称する場合がある)」及び可変入賞装置65が7回開放する「7ラウンド時短大当たり(以下、「時短C」と称する場合がある)」が用意されている(
図9(a)参照)。また、第2始動口71への入賞に基づいて、可変入賞装置65が1回開放する「1ラウンド時短無し小当たり(以下、「小当たりB」と称する場合がある)」、可変入賞装置65が10回開放する「10ラウンド時短大当たり(以下、「時短D」と称する場合がある)」が用意されている(
図9(b)参照)。
【0081】
ここで、「通常遊技状態」とは、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」(以下、「普図高確時間短縮状態」と「普図低確時間短縮状態」とを総称して、「時間短縮状態」と称する場合がある)でない遊技状態の時をいい、各特別図柄の大当たり確率及び小当たり確率が一定確率であって、かつ、普通図柄の当たり確率が「普図高確時間短縮状態」の時より低い状態(「普図低確時間短縮状態」とは同等)、かつ、普通電役72の開放が短時間である状態をいう。即ち、「通常遊技状態」は、「時間短縮状態」と大当たり確率及び小当たり確率が同等である一方、「普図高確時間短縮状態」の時より普通図柄の当たり確率が低い状態であって普通電役72の開放時間も短時間である。
【0082】
詳細は後述するが、「通常遊技状態」において、所謂右打ち遊技をした場合に、第2始動口71へ球が入賞し易い遊技状態(以下、第2始動口71へ球が入賞し易い状態のことを、「入賞補助状態」と称する場合がある)ではなく、遊技者にとって最も不利な遊技状態となる。なお、「通常遊技状態」において、右打ち遊技で発射された球が検知された場合(例えば、スルーゲート67への球の通過検知等)、奨励されていない遊技が実行されているということを遊技者およびホール関係者に示唆するために、所定の警報(例えば、「左打ち遊技に戻して下さい」の音声出力や、第3図柄表示装置81において「左打ち遊技に戻してください」の表示等)を出力するように構成されている。このように構成することで、「通常遊技状態」において非奨励の右打ち遊技が継続して実行されることを抑制し、遊技仕様通りの遊技性を実現することが可能となる。
【0083】
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」として、右打ち遊技が禁止されて左打ち遊技が奨励され、第1特別図柄の動的表示が主に実行され得る「通常遊技状態A」と、右打ち遊技が禁止されておらず、「普図高確時間短縮状態」及び「普図低確時間短縮状態」の終了後の第2特別図柄の動的表示の保留球数が残存している「通常遊技状態B」と、が発生可能に構成されている(
図10参照)。
【0084】
「通常遊技状態A」は、RAMクリアによる初期化後、「時間短縮状態」の終了時点において第2特別図柄の保留球数が残存していない場合、又は、「通常遊技状態B」の終了後(即ち、第2特別図柄の動的表示のすべての残保留の実行後)に移行される遊技状態であり、上述したように、右打ち遊技が禁止され、左打ち遊技によって第1始動口64へ球を入賞させる遊技を行うことが可能に構成されている(
図10参照)。
【0085】
「通常遊技状態B」(以下、「通常遊技状態A」と「通常遊技状態B」とを総称して、「通常遊技状態」と称する場合がある)は、「通常遊技状態A」と、特別図柄の大当たり確率および普通図柄の当たり確率は同一であるものの、「時間短縮状態」の終了条件が成立した後であって、第2特別図柄の動的表示の保留球が残存している遊技状態である。第1実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄の動的表示が第1特別図柄の動的表示より優先的に実行されるため(所謂、特
図2優先変動)、「通常遊技状態B」では、「時間短縮状態」において貯留された該第2特別図柄の動的表示の抽選結果がすべての保留球数で現出されるまで「通常遊技状態B」が継続される。また、この「通常遊技状態B」は、上述したように、普通図柄の当たり確率が低確率、及び、普通電役72の開放時間(突出時間、駆動時間)が短時間であることから第2始動口71へ球が入賞し得ないものの、右打ち遊技が禁止されておらず、右打ち遊技によって始動検知領域としてのスルーゲート67によって球が検知された場合であっても、上記警報音および警報表示が実行されないように構成されている。そして、この「通常遊技状態B」において、第2特別図柄の動的表示のすべての保留球が大当たり又は小当たりに当選しなかった場合、「通常遊技状態A」に移行するように構成されている。
【0086】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の当選確率が低確率状態である場合に、動的表示において所定回数(第1実施形態では、「800回」)連続して大当たり状態(小当たり当選に基づく大当たりを含む)が発生しなかったとき、遊技者への救済措置として、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率は低確率状態であるものの、普通図柄の変動時間が短くなるとともに、普通電役72の開放時間(突出時間、駆動時間)が長くなる「普図低確時間短縮状態」を発生させる機能(所謂、天井機能)が搭載されている(以下、特別図柄の当選確率が低確率状態である場合に、動的表示において所定回数連続して大当たり状態が発生せずに「普図低確時間短縮状態」に突入することを、「救済条件成立」と称し、特別図柄の当選確率が低確率状態である場合に「救済条件成立」となる特別図柄の動的表示の実行回数を「救済条件成立回数」と称する場合がある)。
【0087】
次いで、「普図高確時間短縮状態」とは、各特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」及び後述する「普図低確時間短縮状態」と同様に低確率状態であるが、普通図柄の当たり確率がアップするとともに普通図柄の変動表示(以下、普通図柄の変動表示を「可変表示」という)時間が短縮され、普通電役72の開放時間が長くなる状態をいう(以下、普通図柄の当たり確率がアップするとともに普通図柄の可変表示時間が短縮され、普通電役72の開放時間が長くなることを「高確時短機能」と称する場合がある)。この「普図高確時間短縮状態」は、第2始動口71の正面視右側に設けられた普通電役72が開放状態となり易くなり、右打ち遊技で発射された球が第2始動口71へ入球し易い状態となる。
【0088】
即ち、「普図高確時間短縮状態」は、特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同等であるものの、普通図柄による当たりが「通常遊技状態」より短時間で導出され易く、また、普通電役72の開放状態が長くなる状態である。よって、「普図高確時間短縮状態」では、右打ち遊技により発射された球を第2始動口71へ入賞させ易いため、該第2始動口71への入賞に基づく賞球(例えば、1個/入賞)を得て持ち球の減少を抑えながらの遊技を行うことが可能となる。
【0089】
第1実施形態のパチンコ機10では、「普図高確時間短縮状態」は、該「普図高確時間短縮状態」の終了条件(
図24の時短終了条件テーブル202mで後述)が異なる複数の状態(第1実施形態では、「普図高確時間短縮状態A」及び「普図高確時間短縮状態B」)が発生可能に構成されている。そして、いずれかの時短終了条件が成立するまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となる。なお、上記時短終了条件が成立した場合、第2特別図柄の動的表示の保留球が残存している状態となるため、「普図高確時間短縮状態」から上記「通常遊技状態B」に移行するように構成されている。
【0090】
「普図高確時間短縮状態A」は、「高確時短機能」が付与される大当たり種別又は小当たり種別に当選した場合の大当たり終了後に発生する遊技状態であり、主に、第2特別図柄の動的表示が1回実行されるまでの間、「高確時短機能」が付与された状態となる。そして、主に第2特別図柄の動的表示が1回実行されたことを条件に「通常遊技状態B」へと移行する。その他、「普図高確時間短縮状態A」は、第1特別図柄の動的表示が7回実行された場合、第1特別図柄と第2特別図柄との動的表示が合計8回実行された場合に、「普図高確時間短縮状態A」の終了条件が成立したと判断されて、「通常遊技状態B」へと移行する。
【0091】
よって、「普図高確時間短縮状態A」に移行した場合、該「普図高確時間短縮状態A」中に第2特別図柄の動的表示が「1回」実行可能であって、該「普図高確時間短縮状態A」終了後に移行する「通常遊技状態B」において、第2特別図柄の動的表示が残保留分の「4回」実行可能となるため、合わせて、第2特別図柄の動的表示を「5回」実行可能となるように構成されている。
【0092】
ここで、詳細は後述するが、第2特別図柄の動的表示の大当たり確率は0.02/100~0.04/100、小当たり確率は15.5/100となっており(
図7(b)参照)、平均すると約6回転に1回の割合で、大当たり(小当たり当選に基づく大当たり)が発生可能となるように構成されている。
【0093】
従って、「普図高確時間短縮状態A」に移行した場合に、該「普図高確時間短縮状態A」又は「通常遊技状態B」において大当たりする確率(即ち、所謂「連荘」確率)は、約57%となるように構成されている。
【0094】
「普図高確時間短縮状態B」(以下、「普図高確時間短縮状態A」と「普図高確時間短縮状態B」を総称して、「普図高確時間短縮状態」と称する場合がある)は、「高確時短機能」が付与される大当たり又は小当たりに当選した場合の大当たり終了後に発生する遊技状態であり、主に、第2特別図柄の動的表示が5回実行されるまでの間、「高確時短機能」が付与された状態となる。そして、主に第2特別図柄の動的表示が5回実行されたことを条件に「通常遊技状態B」へと移行する。その他、「普図高確時間短縮状態B」は、第1特別図柄の動的表示が7回実行された場合、第1特別図柄と第2特別図柄との動的表示が合計12回実行された場合に、「普図高確時間短縮状態B」の終了条件が成立したと判断されて、「通常遊技状態B」へと移行する。
【0095】
よって、「普図高確時間短縮状態B」に移行した場合、該「普図高確時間短縮状態B」中に第2特別図柄の動的表示が「5回」実行可能であって、該「普図高確時間短縮状態B」終了後に移行する「通常遊技状態B」において、第2特別図柄の動的表示が残保留分の「4回」実行可能となるため、合わせて、第2特別図柄の動的表示を「9回」実行可能となるように構成されている。
【0096】
ここで、上述したように、第2特別図柄の動的表示の大当たり確率は0.02/100~0.04/100、小当たり確率は15.5/100となっており(
図7(b)参照)、平均すると約6回転に1回の割合で、大当たり(小当たり当選に基づく大当たり)が発生可能となるように構成されている。
【0097】
従って、「普図高確時間短縮状態B」に移行した場合に、該「普図高確時間短縮状態B」又は「通常遊技状態B」において大当たりする確率(即ち、所謂「連荘」確率)は、約78%となるように構成されている。
【0098】
即ち、「普図高確時間短縮状態A」と「普図高確時間短縮状態B」とを比較すると、「普図高確時間短縮状態B」に移行した場合の方が大当たり(小当たり当選に基づく大当たり)が発生し易く、「連荘」可能となって、より多くの出玉が獲得可能となるように構成されている。
【0099】
なお、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」において、左打ち遊技により球が発射されたことが検知された場合(例えば、第1始動口64への球の入賞検知等)、奨励されていない遊技が実行されているということを遊技者およびホール関係者に示唆するために、所定の警報(例えば、「右打ちして下さい」の音声出力や、「右打ちして下さい」の表示等)を出力するように構成されている。このように構成することで、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」において非奨励の左打ち遊技が継続して実行されることを抑制し、遊技仕様通りの遊技性を実現することが可能となる。
【0100】
次いで、「普図低確時間短縮状態」とは、各特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」及び「普図高確時間短縮状態」と同様に低確率状態であり、普通図柄の当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低い状態である一方、普通図柄の可変表示時間が短縮し、普通電役72の開放時間が「普図高確時間短縮状態」と同様に長時間となる(以下、普通図柄の当たり確率が低い状態である一方、普通図柄の可変表示時間が短縮され、普通電役72の開放時間が長くなることを「低確時短機能」と称する場合がある。また、「高確時短機能」及び「低確時短機能」を総称して、「時短機能」と称する場合がある)ように構成されているため、右打ち遊技で発射された球が第2始動口71へ入球し易い状態となる。
【0101】
即ち、「普図低確時間短縮状態」は、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が「通常遊技状態」と同等であるものの、普通図柄の可変表示による当たりが「通常遊技状態」より短時間で導出され易く、また、普通電役72の開放状態が長くなる状態である。よって、「普図低確時間短縮状態」では、右打ち遊技により発射された球を第2始動口71へ入賞させ易いため、該第2始動口71への入賞に基づく賞球(例えば、1個/入賞)を得て持ち球の減少を抑えながらの遊技を行うことが可能となる。
【0102】
この「普図低確時間短縮状態」は、大当たり終了後、特別図柄の低確率状態において連続して所定回数(第1実施形態では「800回」)大当たりが発生しなかった場合、即ち、特別図柄の低確率状態において所定回数の動的表示が行われる間、ハズレが抽出し続けた場合、又は、小当たり当選時に特定領域スイッチ65gによって入球が検知されず、大当たり状態が発生しなかった場合に、該「普図低確時間短縮状態」に移行するように構成されている。
【0103】
また、「普図低確時間短縮状態」は、該「普図低確時間短縮状態」が開始されてから予め定められた規定回数(第1実施形態では、100回)の特別図柄の動的表示が実行されるまでの間、普通図柄の可変表示時間が短縮し、普通電役72の開放時間が長時間となる。そして、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後は、「普図低確時間短縮状態」から上記「通常遊技状態B」に移行するように構成されている。
【0104】
なお、上述したように、「普図低確時間短縮状態」において右打ち遊技を行った場合に実行され得る第2特別図柄の動的表示の大当たり確率は0.02/100~0.04/100、小当たり確率は15.5/100となっており(
図7(b)参照)、平均すると約6回転に1回の割合で、大当たり(小当たり当選に基づく大当たり)が発生可能となるように構成されている。また、小当たり当選時には、小当たり遊技中において特定領域65dに球を通過させることによって大当たりが発生し得るように構成されている。
【0105】
よって、「普図低確時間短縮状態」において右打ち遊技を行った場合、遊技条件として第2特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間に大当たりが発生する蓋然性が高い。即ち、「普図低確時間短縮状態」に移行した場合、実質的に次回大当たりが約束された状態となる。
【0106】
そして、「普図低確時間短縮状態」において第2特別図柄の動的表示で大当たり(小当たり当選に基づく大当たり)すると、「普図高確時間短縮状態B」に移行し、所謂「連荘」状態となって大量の出玉を獲得し易い状態へと移行する。
【0107】
即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の低確率状態において所定回数の動的表示が行われる間、ハズレが抽出し続けることで、又は、小当たり当選時に特定領域スイッチ65gによって入球が検知されず、大当たり状態を発生させないことで、「普図低確時間短縮状態」に移行し、大量の出玉を獲得可能な「連荘」状態に移行するように構成されている。
【0108】
また、「普図低確時間短縮状態」から「通常遊技状態」に移行した場合、再度「普図低確時間短縮状態」には移行し得ないように構成されている。一方、救済条件成立に基づいて「普図低確時間短縮状態」が発生し、該「普図低確時間短縮状態」において特別図柄の動的表示の実行回数に基づく時短終了条件が成立して「通常遊技状態」に移行した場合に、再度、特別図柄の動的表示の実行回数が救済条件成立回数に達した場合に、「普図低確時間短縮状態」に移行し得るように構成してもよい。
【0109】
ここで、各大当たり種別について説明する。大当たり種別「時短A」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりであって、1ラウンド目から10ラウンド目まで可動装置としての可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aが開放される大当たりである。第1実施形態では、第2特別図柄の動的表示において大当たりに当選した場合に、この大当たり種別「時短A」が選択され得て、該大当たり終了後に「普図高確時間短縮状態B」へと移行するように構成されている。
【0110】
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たりとなる乱数の値は設定されておらず、第1特別図柄の動的表示においては大当たりに当選し得ないように構成されている。これは、第1特別図柄の動的表示が主に実行され得る「通常遊技状態A」、即ち、救済条件が成立し得る遊技状態においては、小当たり当選に基づく大当たりのみが発生可能とするためである。
【0111】
詳細は後述するが、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において後述する小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は「時短C(小当たりA)」に当選した場合(以降、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は「時短C(小当たりA)のことを「特
図1小当たり」と称する場合がある)、その時点での救済条件成立回数までの残りの回転数によっては、制御判定結果としての特
図1小当たり当選時に右打ち遊技を実行して、利益付与条件として特定領域65dに球を通過させ、付与価値としての大当たり遊技を発生させるよりも、該特
図1小当たり当選時に右打ち遊技を実行せず、特定領域65dに球を通過させないことによって大当たり遊技を発生させずにそのまま「通常遊技状態A」に戻り、遊技球を借りて、又は、手持ちの遊技球を使用して再び第1特別図柄の動的表示を実行させて更新終了状態となる救済条件成立回数まで到達させ、付与利益としての「普図低確時間短縮状態」に移行させた方が獲得し得る出玉の期待値が高くなることがあるように構成されている(以降、「通常遊技状態A」における特
図1小当たりの当選時に、右打ち遊技を実行して特定領域65dに球を通過させて大当たり遊技を発生させることを「小当たり当選時の右打ち遊技方法」と称する場合がある。また、「通常遊技状態A」における特
図1小当たりの当選時に、右打ち遊技を実行せずに大当たり遊技を発生させず、「通常遊技状態A」に戻って左打ち遊技を継続し、救済条件成立回数まで第1特別図柄の動的表示を実行させて「普図低確時間短縮状態」に移行させることを「小当たり当選時の左打ち遊技方法」と称する場合がある)。
【0112】
ここで、仮に、第1特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たりとなる乱数の値が設定されており、「通常遊技状態A」における第1特別図柄の動的表示の実行時に大当たり種別に当選し得る場合、小当たり当選時の左打ち遊技方法を実行して救済条件成立を目指している最中に第1特別図柄の動的表示が大当たり種別に当選してしまう可能性がある。そして、第1特別図柄の動的表示が大当たり種別に当選すると、小当たり種別への当選とは異なり、遊技方法にかかわらず、無条件に大当たり遊技が開始されてしまう。
【0113】
このように構成されている場合、遊技者は、特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出に従って、小当たり当選時の左打ち遊技方法によって小当たり当選に基づく大当たりの発生を回避し、救済条件成立に向けて持ち玉を消費して左打ちを実行していたにもかかわらず、救済条件成立回数に到達する前に大当たりが発生してしまい、消費した持ち玉が無駄になってしまうおそれがある。
【0114】
よって、第1実施形態のパチンコ機10では、このような事象が発生し得ないようにするため、第1特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たりとなる乱数の値は設定されておらず、第1特別図柄の動的表示では大当たりに当選し得ないように構成されている。
【0115】
次に、小当たり種別について説明する。第1実施形態のパチンコ機10において選択され得る小当たり種別「時短B」とは、最大合計ラウンド数が5ラウンドの小当たり及び大当たりであって、1ラウンド目の小当たり遊技中に可動装置としての可変入賞装置65が開放され、また、該1ラウンド目の可変入賞装置65が開放されることに伴って後述する特定領域ソレノイド65f(
図5参照)が駆動されて特定領域65dが開放される。そして、該小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して可変入賞装置65内に球を入球させ、更新終了状態として、特定領域65dに設けられた特定領域スイッチ65g(
図5参照)によって球が検知された場合に、大当たり遊技として2ラウンド目から5ラウンド目まで可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aが開放される。この小当たり種別「時短B」の小当たり及び大当たり終了後には、「通常遊技状態」における小当たり種別「時短B」当選時には「普図高確時間短縮状態A」へ、「通常遊技状態」以外(即ち、「時間短縮状態」)における小当たり種別「時短B」当選時には「普図高確時間短縮状態B」へ、移行するように構成されている。
【0116】
次いて、小当たり種別「時短C」とは、最大合計ラウンド数が7ラウンドの小当たり及び大当たりであって、1ラウンド目の小当たり遊技中に可動装置としての可変入賞装置65が開放され、また、該1ラウンド目の可変入賞装置65が開放されることに伴って後述する特定領域ソレノイド65f(
図5参照)が駆動されて特定領域65dが開放される。そして、該小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して可変入賞装置65内に球を入球させ、特定領域65dに設けられた特定領域スイッチ65g(
図5参照)によって球が検知された場合に、大当たり遊技として2ラウンド目から7ラウンド目まで可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aが開放される。この小当たり種別「時短C」の小当たり及び大当たり終了後には、「通常遊技状態」における小当たり種別「時短C」当選時には「普図高確時間短縮状態A」へ、「通常遊技状態」以外(即ち、「時間短縮状態」)における小当たり種別「時短C」当選時には「普図高確時間短縮状態B」へ、移行するように構成されている。
【0117】
一方、小当たり種別「時短B」に当選した場合であっても、1ラウンド目の小当たり遊技中に右打ち遊技を実行せず、特定領域スイッチ65gによって球が検知されなかった場合、2ラウンド目から5ラウンド目の可変入賞装置65が開放されず、大当たり遊技が付与されないように構成されている。同様に、小当たり種別「時短C」に当選した場合であっても、1ラウンド目の小当たり遊技中に右打ち遊技を実行せず、特定領域スイッチ65gによって球が検知されなかった場合、2ラウンド目から7ラウンド目の可変入賞装置65が開放されず、大当たり遊技が付与されないように構成されている。(以下、この現象を、小当たり種別「小当たりA」と称する場合がある)。そして、小当たり種別「小当たりA」の終了後には、大当たり遊技が実行されていないことから、該小当たり種別「小当たりA」当選時の遊技状態に戻り、遊技条件として次の特別図柄の動的表示が実行可能となるように構成されている。
【0118】
このように構成することで、制御判定結果としての小当たり種別「時短B」又は小当たり種別「時短C」(即ち、特
図1小当たり)当選時において、1ラウンド目の小当たり遊技中に右打ち遊技を実行し、利益付与条件として特定領域65dに球を通過させるか否かによって、付与価値としての大当たり遊技の発生有無を制御することができる。
【0119】
よって、例えば、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、1ラウンド目の小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して特定領域65dに球を通過させれば大当たり遊技へと移行する一方で、1ラウンド目の小当たり遊技中に右打ち遊技を実行せず、特定領域65dに球を通過させなければ大当たり遊技へと移行することなく、再び「通常遊技状態A」に戻る。
【0120】
ここで、詳細は後述するが、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」における制御判定結果としての特
図1小当たり当選時に、1ラウンド目の小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して利益付与条件として特定領域65dに球を通過させて付与価値として大当たり遊技を発生させ、「普図高確時間短縮状態A」に移行させた場合と、更新終了状態である救済条件成立回数に達して付与利益としての「普図低確時間短縮状態」に移行した場合と、の2の事象を比較すると、後者である救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行した場合の方が、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている(
図27において詳細を後述)。
【0121】
従って、仮に、「通常遊技状態A」において、救済条件成立回数に達する1回転前の特別図柄の動的表示で特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり中に右打ち遊技を実行して特定領域65dに球を通過させて大当たり遊技を発生させ、「普図高確時間短縮状態A」に移行させるよりも、該小当たり中に右打ち遊技を実行せずに大当たり遊技を発生させず、「通常遊技状態A」に戻って、1回転だけ特別図柄の動的表示を実行させて救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行させた方が、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなる。
【0122】
即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において制御判定結果としての特
図1小当たりに当選した場合、その時点での更新終了状態としての救済条件成立回数までの残りの回転数によっては、該特
図1小当たり当選時に右打ち遊技を実行せず、特定領域65dに球を通過させないことによって大当たり遊技を発生させずにそのまま「通常遊技状態A」に戻り、遊技球を借りて、又は、手持ちの遊技球を使用して再び第1特別図柄の動的表示を実行させて更新終了状態である救済条件成立回数まで到達させ、付与利益としての「普図低確時間短縮状態」に移行させた方が獲得し得る出玉の期待値が高くなることがあるように構成されている。(以降、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時に大当たり遊技を発生させた場合に獲得し得る出玉の期待値よりも、該特
図1小当たり当選時に右打ち遊技を実行せずに「通常遊技状態A」に戻り、左打ち遊技を継続して救済条件成立回数に到達させて「普図低確時間短縮状態」に移行させた場合に獲得し得る出玉の期待値の方が高くなる期間のことを「救済優先報知期間」と称する場合がある。また、救済優先報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出を「救済優先報知演出」と称する場合がある。さらに、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時に右打ち遊技を実行せずに「通常遊技状態A」に戻り、左打ち遊技を継続して救済条件成立回数に到達させて「普図低確時間短縮状態」に移行させた場合に獲得し得る出玉の期待値よりも、該特
図1小当たり当選時に大当たり遊技を発生させた場合に獲得し得る出玉の期待値の方が高くなる期間のことを「大当たり優先報知期間」と称する場合がある。また、大当たり優先報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出を「大当たり優先報知演出」と称する場合がある。さらに、大当たり優先報知期間と救済優先報知期間とが切り替わることになる特別図柄の動的表示の回転数を「損益分岐回数」と称する場合がある。なお、該損益分岐回数は、遊技機の製造時に一義的に決まるので、分岐回数をあらかじめ遊技機(音声ランプ制御装置113)に設定しておくことができる。)
【0123】
そして、「通常遊技状態A」の特定の回転数で特
図1小当たりに当選した場合に、小当たり当選時の右打ち遊技方法と、小当たり当選時の左打ち遊技方法と、のうち、いずれの打ち方を選択した方が獲得し得る出玉の期待値が高くなるかについては、パチンコ機10の出玉に関する構成内容(即ち、大当たり確率、小当たり確率、賞球数など)、遊技釘の状況(即ち、後述するベース値)、救済条件成立回数までの残りの回転数等によって特定される。
【0124】
このため、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」で特
図1小当たりに当選した場合の小当たりオープニング時間において第3図柄表示装置81で実行される右打ち報知演出の内容を、特別図柄の実行回数(救済条件成立回数までの残りの回転数)によって、異ならせるように構成されている。
【0125】
具体的には、「通常遊技状態A」における制御判定結果としての特
図1小当たりの当選時に、小当たり当選時の右打ち遊技方法を実行した方が獲得し得る出玉の期待値が高くなる場合には、該小当たり当選時の右打ち報知演出において、第1通知態様として、右打ち遊技を強く示唆して大当たり発生を強調させる演出(即ち、大当たり優先報知演出)を行うように構成されている(
図89(b)参照)。
【0126】
一方、「通常遊技状態A」における制御判定結果としての特
図1小当たりの当選時に、小当たり当選時の左打ち遊技方法を実行した方が獲得し得る出玉の期待値が高くなる場合には、該小当たり当選時の右打ち報知演出において、第2通知態様として、大当たり優先報知演出よりも右打ち遊技を強く示唆せず、大当たりを発生させることを強調しない演出(即ち、救済優先報知演出)を行うように構成されている(
図89(d)参照)。
【0127】
ここで、仮に、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時に行われる右打ち報知演出を1の演出のみで構成し、右打ち遊技を実行して大当たりを発生させる示唆のみを一律で実行するように構成した場合、遊技者は、該小当たり当選時に行われる右打ち報知演出を鵜呑みにして右打ち遊技を実行し、大当たり遊技を発生させる可能性が高い。
【0128】
しかしながら、小当たり当選時の救済条件成立回数までの回転数によっては、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が獲得し得る出玉の期待値が高くなるため、該小当たり当選時に大当たり遊技を発生させたことによって獲得し得る出玉の期待値が低くなってしまうおそれがある。
【0129】
よって、第1実施形態のパチンコ機10のように構成することで、「通常遊技状態A」中に特
図1小当たりに当選した場合に、遊技者が第3図柄表示装置81で実行される右打ち報知演出の内容を判別し、該小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して大当たりを発生させるべきか否かを判断することで、いずれの打ち方をした方が獲得し得る出玉の期待値が高くなるのかを推測でき、新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。なお、この右打ち報知演出の詳細については
図28、
図70及び
図89において後述する。
【0130】
なお、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合以外の小当たり当選時、及び、大当たり当選時は、いずれの小当たり及び大当たりにおいても右打ち遊技を実行し、大当たりを発生させた方が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されているため、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時以外の右打ち報知演出は同一の演出で構成されている。
【0131】
次いで、「時短D」の小当たり種別とは、最大合計ラウンド数が10ラウンドの小当たり及び大当たりであって、1ラウンド目の小当たり遊技中に可変入賞装置65が開放され、また、該1ラウンド目の可変入賞装置65が開放されることに伴って後述する特定領域ソレノイド65f(
図5参照)が駆動されて特定領域65dが開放される。そして、該特定領域65dに設けられた特定領域スイッチ65g(
図5参照)によって球が検知された場合に、大当たり遊技として2ラウンド目から10ラウンド目まで可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aが開放される。この「時短D」の小当たり及び大当たり終了後には「普図高確時間短縮状態」へと移行するように構成されている。
【0132】
一方、この「時短D」の小当たりに当選した場合であっても、1ラウンド目の小当たり遊技中に特定領域スイッチ65gによって球が検知されなかった場合、2ラウンド目から5ラウンド目の可変入賞装置65が開放されず、大当たり遊技が付与されないように構成されている(以下、この現象を、「小当たりB」と称する場合がある)。そして、「小当たりB」の終了後には、大当たり遊技が実行されていないことから、該小当たり種別「小当たりB」当選時の遊技状態に戻るように構成されている。
【0133】
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、特定領域スイッチ65gによって常時球の通過を検知可能に構成されているが、該特定領域スイッチ65gの有効タイミング及び無効タイミングを設定するように構成してもよい。具体的には、例えば、小当たり遊技中のみや、特定領域ソレノイド65fがオンされている期間のみ、大入賞口ソレノイド65bがオンされてから所定期間経過まで、特定領域スイッチ65gによる球の通過検知を有効に設定し、上記例示したタイミング以外は特定領域スイッチ65gによる球の通過検知を無効に設定して、上記例示したタイミング以外の特定領域65dへの球の通過に基づく大当たり遊技状態の発生を防止するように構成してもよい。この場合、上記例示したタイミング以外、即ち、特定領域スイッチ65gの無効状態で該特定領域スイッチ65gを球が通過した場合、何らかの異常(例えば、不正行為等)の発生により特定領域65dを球が通過したということで、エラー報知等の異常検知処理を実行するように構成してもよい。
【0134】
ここで、各大当たり種別及び各小当たり種別の特別LED群37bの表示態様について説明する。第1特別図柄用の上方LED群37b1の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、小当たり種別「時短B」に対応する表示パターンは31種類、小当たり種別「時短C」に対応する表示パターンは32種類、の計64種類の表示パターンが設けられている。
【0135】
また、第2特別図柄用の下方LED群37b2の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、小当たり種別「時短D」に対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「時短A」に対応する表示パターンは62種類、の計64種類の表示パターンが設けられている。
【0136】
特別図柄表示装置37の右打ち報知ランプ37cは、右打ち遊技での球の発射が奨励される遊技状態を示唆するためのランプである。この右打ち報知ランプ37cは、左打ち遊技が奨励されて右打ち遊技が非奨励である「通常遊技状態」では非点灯状態である一方、右打ち遊技が奨励される「普図高確時間短縮状態」若しくは「普図低確時間短縮状態」、又は、小当たり遊技中若しくは大当たり遊技中に点灯状態となる。遊技者は、この右打ち報知ランプ37cや第3図柄表示装置81における右打ち遊技示唆表示を確認することで、右打ち遊技を行うべき状態か否かを認識することができる。
【0137】
なお、上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、該特
図1小当たり当選時のオープニング時間に第3図柄表示装置81で実行される右打ち報知演出の内容を異ならせるように構成されているが、右打ち報知ランプ37cは該オープニング時間において、常に点灯状態となるように構成されている。このように構成することで、遊技者は、該小当たり当選時において右打ち遊技を実行することで、いずれかの賞球を獲得可能であることを認識することができる。
【0138】
遊技盤13の遊技領域には、球が入賞することにより3個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。
【0139】
また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口64への入球又は第2始動口71への入球(以下、第1始動口64又は第2始動口71への球の入球を「始動入賞」という場合がある)をトリガとして、結果報知装置としての特別図柄表示装置37における第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示と同期させながら、遊技状態に応じて第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして普通図柄の可変表示を実行可能なLEDで構成される第2図柄表示装置83(以下、第2図柄表示装置83に関し、説明の便宜上、「普通図柄表示装置83」と称する場合がある)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
【0140】
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(
図5参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列Z1~Z3(
図4参照)が表示される。
【0141】
各図柄列Z1~Z3(
図4参照)は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列Z1~Z3毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変的に表示されるようになっている。第1実施形態の第3図柄表示装置81は、第1特別図柄の第1抽選遊技および第2特別図柄の第2抽選遊技で共通的に使用されるものであり、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が結果報知装置としての特別図柄表示装置37で行われるのに対して、その特別図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を第3図柄表示装置81の第3図柄を用いて行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リールやLED等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
【0142】
第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とが共に保留されている場合、第2特別図柄の動的表示を優先的に実行(所謂、特
図2優先変動)可能に構成されている。即ち、第1始動口64への始動入賞に基づいて第1特別図柄の動的表示の実行中に、第1始動口64への始動入賞に基づいて第1特別図柄の動的表示が保留された状態で、さらに、第2始動口71に始動入賞した場合に、先に入賞していた第1特別図柄の動的表示より、後に入賞した第2特別図柄の動的表示が先に実行され得るように構成されている。
【0143】
ここで、
図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。
図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、
図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、
図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
【0144】
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄、及び「チャレンジ図柄」の文字が記載された1種類の主図柄(
図89(c)参照)、の計11種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(「1」,「3」,「5」,「7」,「9」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(「0」,「2」,「4」,「6」,「8」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。さらに、「チャレンジ図柄」の文字が記載された主図柄は、図柄列Z2においてのみ現出し得るように構成され、木箱の前面ほぼ一杯に「チャレンジ図柄」の文字が付加されている(
図89(c)参照)。
【0145】
また、第1実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(
図5参照)によるいずれかの特別図柄の抽選結果が大当たり又は小当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が行われ、その変動演出が終わった後に大当たり又は小当たりが発生するよう構成されている。例えば、「通常遊技状態A」の大当たり優先報知期間(
図28参照)において、小当たり種別「時短B(小当たりA)」に当選した場合は、主に、「0」,「2」,「4」,「6」,「8」の数字を付した主図柄が揃う変動演出が行われる。また、「通常遊技状態A」の救済優先報知期間(
図28参照))において小当たり種別「時短B(小当たりA)」に当選した場合は、主に、「0」,「2」,「4」,「6」,「8」の数字を付した主図柄が左図柄列Z1及び右図柄列Z3に停止し、中図柄列Z2に「チャレンジ図柄」の文字を付した主図柄が停止し得る変動演出が行われる。
【0146】
さらに、「通常遊技状態A」の大当たり優先報知期間(
図28参照)において、小当たり種別「時短B(小当たりA)」より大当たりラウンド数が多い小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選した場合は、主に、「1」,「3」,「5」,「7」,「9」の数字を付した主図柄が揃う変動演出が行われる。また、「通常遊技状態A」の救済優先報知期間(
図28参照))において小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選した場合は、主に、「1」,「3」,「5」,「7」,「9」の数字を付した主図柄が左図柄列Z1及び右図柄列Z3に停止し、中図柄列Z2に「チャレンジ図柄」の文字を付した主図柄が停止し得る変動演出が行われる。
【0147】
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり当選時における特別図柄の動的表示の実行回数(救済条件成立回数までの残り回数)によっては、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【0148】
よって、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が獲得し得る平均獲得球数が多くなりうる期間(即ち、救済優先報知期間)において、該特
図1小当たりに当選した場合には、遊技者が大当たりと認識し得る「1」~「9」の数字を付した同一の主図柄を各図柄列に表示するのではなく、中図柄列Z2に「チャレンジ図柄」の文字を付した主図柄を停止するように構成されている。
【0149】
このように構成することで、救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合に、必ずしも該小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して大当たりを発生させた方がよい訳ではなく、該小当たり遊技中に右打ち遊技を実行せずに「通常遊技状態A」を継続させるという選択肢を示唆することができる。
【0150】
また、上述したように、「通常遊技状態A」で特
図1小当たりに当選した場合に実行される右打ち報知演出においても、該小当たりに当選した期間に応じて異なる右打ち報知演出を実行するように構成されているため、遊技者は、各図柄列に表示される主図柄および右打ち報知演出の内容を判別することで、該小当たり遊技中に右打ち遊技を実行するべきか否かを判断することができる。
【0151】
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において、大当たり状態を発生することで7R大当たりとなり得る小当たり種別「時短C」に当選した場合の「リーチ表示」変動演出の実行時点においては、すべての主図柄が現出可能に構成されている。具体的には、例えば、小当たり種別「時短C」に当選した場合であっても、「2」や「8」の数字を付した同一の主図柄で「リーチ表示」の変動演出が行われる場合がある。このように構成することで、例えば、変動演出の実行時点では、付与され得る遊技価値の内容が確定し得ない、即ち、最大ラウンド数が5Rの小当たり種別「時短B(小当たりA)」に当選しているのか、又は、最大ラウンド数が7Rの小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選しているのか、が遊技者には判別し得ないように構成し、「リーチ表示」の変動演出において小当たり当選したことを報知した後で、昇格演出を行って小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選したことを報知することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【0152】
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下方向に3分割され、下側の2/3が第3図柄を変動演出する主表示領域Dmと保留球数などを表示するコクピット表示領域Dbとで構成され、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。
【0153】
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1~Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に左図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に中図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に右図柄列Z3が表示される。
【0154】
各図柄列Z1~Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1~Z3には、数字の昇順(または降順)に主図柄が配列され、各図柄列Z1~Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動演出が行われる。なお、各図柄列Z1~Z3において、数字の配列をそれぞれ異ならせるように構成してもよい。例えば、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列する一方、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列してもよい。
【0155】
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1~Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、各遊技状態ごとに設定されている(表示される)特別図柄に対応する変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ)で揃えば、遊技状態ごとに設定されている(表示される)特別図柄の大当たり又は小当たりとして大当たり動画又は小当たり動画が表示される。
【0156】
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、更に左右方向に3つの小領域Ds1~Ds3に等区分されている。小領域Ds1~Ds3は、それぞれ、通知態様としてのキャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1~Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動表示の結果として大当たり又は小当たりとなる期待感を遊技者に与えている。
【0157】
コクピット表示領域Dbは、各遊技状態ごとに設定されている特別図柄に対応する第1始動口64又は第2始動口71に入球された球のうち変動表示(変動演出)が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。
【0158】
副表示領域Dsの右の小領域Ds3には、第1特別図柄の動的表示および保留球数と同期して変化可能な通知態様としての特
図1用第4図柄表示領域87と、第2特別図柄の動的表示および保留球数と同期して変化可能な通知態様としての特
図2用第4図柄表示領域88と、主表示用右打ち指示89とが表示可能に構成されている。
【0159】
特
図1用第4図柄表示領域87は、第1特別図柄の動的表示の保留数を数字で表示する特
図1用保留数表示87aと、第1特別図柄の動的表示(変動演出)の実行と同期して変化可能な特
図1用変動領域87bとで構成されている。
【0160】
特
図1用保留数表示87aは、第1特別図柄の動的表示の保留数を「0」~「4」の範囲で数字図柄で表示可能に構成されている。具体的には、特
図1用保留数表示87aが「0」を表示している場合は、第1特別図柄の動的表示の保留数が0個であることを示し、特
図1用保留数表示87aが「1」を表示している場合は、第1特別図柄の動的表示の保留数が1個であることを示し、特
図1用保留数表示87aが「2」を表示している場合は、第1特別図柄の動的表示の保留数が2個であることを示し、特
図1用保留数表示87aが「3」を表示している場合は、第1特別図柄の動的表示の保留数が3個であることを示し、特
図1用保留数表示87aが「4」を表示している場合は、第1特別図柄の動的表示の保留数が4個であることを示している。
【0161】
即ち、特
図1用第4図柄表示領域87の特
図1用保留数表示87aは、上述した特別図柄表示装置37の状態LED群37aの第1特別図柄の動的表示の保留球数の内容と一致するように表示されるとともに、第1特別図柄の動的表示が主表示領域Dmにおいて表示される「通常遊技状態A」において、後述する保留図柄表示領域Db1の保留球数の内容と一致するように表示される。
【0162】
特
図1用変動領域87bは、第1特別図柄の動的表示の実行及び結果を示すための表示領域であり、四角図柄の表示色が変化可能に構成されている。具体的には、第1特別図柄の動的表示が実行されている場合は、特
図1用変動領域87bの四角図柄の表示色が、白→赤→橙→黄→緑→水色→青→紫の順で高速に変化し、紫の後は、再び、白→赤→・・・と第1特別図柄の動的表示の実行中は変化を繰り返すように構成されている。そして、第1特別図柄の動的表示が停止した場合に、特
図1用変動領域87bの四角図柄が該動的表示の抽選結果と対応する表示色で表示される。
【0163】
より詳細には、特
図1用変動領域87bの四角図柄が白で停止した場合は、第1特別図柄の動的表示がハズレであったことを示し、特
図1用変動領域87bの四角図柄が青で停止した場合は、第1特別図柄の動的表示が小当たりであったことを示すように構成されている。即ち、特
図1用変動領域87bの四角図柄は、上述した特別図柄表示装置37の上方LED群37b1の表示内容に対応するように表示されるとともに、第1特別図柄の動的表示が主表示領域Dmにおいて表示される「通常遊技状態A」において、主表示領域Dmの表示内容と同期するように構成されている。
【0164】
特
図2用第4図柄表示領域88は、第2特別図柄の動的表示の保留数を数字で表示する特
図2用保留数表示88aと、第2特別図柄の動的表示(変動演出)の実行と同期して変化可能な特
図2用変動領域88bとで構成されている。
【0165】
特
図2用保留数表示88aは、第2特別図柄の動的表示の保留数を「0」~「4」の範囲で数字図柄を表示可能に構成されている。具体的には、特
図2用保留数表示88aが「0」を表示している場合は、第2特別図柄の動的表示の保留数が0個であることを示し、特
図2用保留数表示88aが「1」を表示している場合は、第2特別図柄の動的表示の保留数が1個であることを示し、特
図2用保留数表示88aが「2」を表示している場合は、第2特別図柄の動的表示の保留数が2個であることを示し、特
図2用保留数表示88aが「3」を表示している場合は、第2特別図柄の動的表示の保留数が3個であることを示し、特
図2用保留数表示88aが「4」を表示している場合は、第2特別図柄の動的表示の保留数が4個であることを示している。
【0166】
即ち、特
図2用第4図柄表示領域88の特
図2用保留数表示88aは、上述した特別図柄表示装置37の状態LED群37aの第2特別図柄の動的表示の保留球数の内容と一致するように表示されるとともに、第2特別図柄の動的表示が主表示領域Dmにおいて表示されるすべての遊技状態において、後述する保留図柄表示領域Db2の保留球数の内容と一致するように表示される。
【0167】
特
図2用変動領域88bは、第2特別図柄の動的表示の実行及び結果を示すための表示領域であり、特
図1用変動領域87bと同様、四角図柄の表示色が変化可能に構成されている。具体的には、第2特別図柄の動的表示が実行されている場合は、特
図2用変動領域88bの四角図柄の表示色が、白→赤→橙→黄→緑→水色→青→紫の順で高速に変化し、紫の後は、再び、白→赤→・・・と第2特別図柄の動的表示の実行中は変化を繰り返すように構成されている。そして、第2特別図柄の動的表示が停止した場合に、特
図2用変動領域88bの四角図柄が該動的表示の抽選結果と対応する表示色で表示される。
【0168】
より詳細には、特
図2用変動領域88bの四角図柄が白で停止した場合は、第2特別図柄の動的表示がハズレであったことを示し、特
図2用変動領域88bの四角図柄が赤で停止した場合は、第2特別図柄の動的表示が大当たりであったことを示し、特
図2用変動領域88bの四角図柄が青で停止した場合は、第2特別図柄の動的表示が小当たりであったことを示すように構成されている。即ち、特
図2用変動領域88bの四角図柄は、上述した特別図柄表示装置37の下方LED群37b2の表示内容に対応するように表示されるとともに、第2特別図柄の動的表示が主表示領域Dmにおいて表示されるすべての遊技状態において、主表示領域Dmの表示内容と同期するように構成されている。
【0169】
主表示用右打ち指示89は、特別図柄表示装置37の右打ち報知ランプ37cと常に同期して表示を行うものであり、右打ち遊技が奨励される「普図高確時間短縮状態」若しくは「普図低確時間短縮状態」、又は、小当たり遊技中若しくは大当たり遊技中において、常に第3図柄表示装置81に表示されている。
【0170】
また、主表示用右打ち指示89は、遊技者に打ち方を示唆する重要な表示情報であるため、第3図柄表示装置81において遊技中に実行されるその他の表示内容(例えば、主表示領域Dmの中央部分に表示される各図柄列の第3図柄やスーパーリーチ演出など)よりも優先され、最前面(最手前レイヤ)に表示されるように構成されている。
【0171】
第3図柄表示装置81の実際の表示画面では、
図4(b)に示すように、例えば、「通常遊技状態A」では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計3個表示される。副表示領域Dsにおいては、左の小領域Ds1、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることを示す表示や、遊技状態に応じて奨励される発射態様等が遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として限定演出として、所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
【0172】
第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81(結果報知装置としての特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第1始動口64へ入球した場合、又は、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が第2始動口71へ入球した場合、その入球回数(保留球数)はそれぞれ最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、特
図1用第4図柄表示領域87の特
図1用保留数表示87a若しくは特
図2用第4図柄表示領域88の特
図2用保留数表示88aにおいても表示され、さらに、遊技状態に応じて対応する特別図柄の変動演出がコクピット表示領域Dbの保留図柄表示領域Db1の第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dにおいても示される。
【0173】
第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dには、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dに表示された保留図柄の表示数に応じて、遊技状態に応じて表示設定(優先表示)されている第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の保留球数が表示される。
【0174】
即ち、第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dにおいて、第1保留図柄表示領域Db1aに1つの保留図柄が表示されている場合は、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球数が1回であることを示し、第1・第2保留図柄表示領域Db1a,Db1bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球数が2回であることを示し、第1~第3保留図柄表示領域Db1a~Db1cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球数が3回であることを示し、第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、第1~第4保留図柄表示領域Db1a~Db1dに保留図柄が表示されていない場合は、遊技状態に応じて表示設定されている第1特別図柄又は第2特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
【0175】
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とのいずれか一方の抽選遊技のみを実行可能であって第2特別図柄の抽選遊技を優先的に実行可能に構成されているが、入賞した順に応じて特別図柄の抽選遊技を実行するように構成してもよい(所謂、入賞順変動)し、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の抽選遊技とを同時に実行可能に構成してもよい。さらに、第1特別図柄の変動演出と第2特別図柄の変動演出とを第3図柄表示装置81において同時に表示可能に構成してもよい。
【0176】
コクピット表示領域Dbの中央部分には、主表示領域Dmで変動演出が実行されていることを示す実行図柄が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、コクピット表示領域Dbの中央部分、即ち、第1保留図柄表示領域Db1aの右側に設けられ、保留図柄表示領域Db1a~Db1dに表示される各保留図柄より大きい実行図柄が表示されるように構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた保留図柄が移動(シフト)して実行図柄として表示される。
【0177】
実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、主表示領域Dmで実行されている変動演出が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側の保留図柄として移動して表示される。具体的には、例えば、「通常遊技状態A」において第1特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、第1保留図柄表示領域Db1aに表示されていた保留図柄が、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、第2保留図柄表示領域Db1bに表示されていた保留図柄が、第1保留図柄表示領域Db1aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、第3保留図柄表示領域Db1cに表示されていた保留図柄が、第2保留図柄表示領域Db1bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、第4保留図柄表示領域Db1dに表示されていた保留図柄が、第3保留図柄表示領域Db1cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
【0178】
なお、第1実施形態においては、第1始動口64又は第2始動口71への入球に基づく変動演出の保留球数は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、それぞれ3回以下、又は、それぞれ5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを第1特別図柄および第2特別図柄の最大保留数分の4つそれぞれ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
【0179】
図3に戻って、説明を続ける。可変表示装置ユニット80の正面視右側には、スルーゲート67が設けられている。このスルーゲート67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。このスルーゲート67を球が通過すると、貫通孔に設けられた普通図柄スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で普通図柄の当たり抽選が行われる。なお、このスルーゲート67は、普通図柄の可変表示の抽選契機となるのみであり、球が通過した場合であっても賞球等の払い出しは行われないように構成されている。なお、普通図柄の抽選契機を取得可能な普通入賞口を設け、普通図柄の抽選契機を取得するとともに、所定の賞球を払い出すように構成してもよい。
【0180】
可変表示装置ユニット80の正面視右側側方には、普通電役72が配設されている。この普通電役72は、主に、出没板72aと、該出没板72aを出没駆動する普通電役ソレノイド(図示せず)と、により構成されている。
【0181】
第1実施形態の主制御装置110(
図5参照)は、通常時、普通電役72の出没板72aを遊技盤13盤面内に没入させた状態を維持させており、第2始動口71の正面視上方側(スルーゲート67側)から流下してきた球は、遊技盤13盤面内に没入状態となっている出没板72aを通過し、始動検知領域としての第2始動口スイッチ71aによって検知されることなく盤面下方(可変入賞装置65側)へと流下していく。そして、普通図柄の可変表示で当たりに当選した場合に、上記普通電役ソレノイド(図示せず)を所定時間駆動し、普通電役72の出没板72aを所定時間の間、遊技盤13盤面から突出した状態に駆動させて、第2始動口71の正面視上方側(スルーゲート67側)から流下してきた球は、遊技盤13盤面から突出した状態となっている出没板72aの上面を右側から左側へと転動し、第2始動口スイッチ71aによって入賞検知される。これにより、第2始動口71への球の流入を可能に構成して、右打ち遊技されて可変表示装置ユニット80の正面視右側を流下する球が第2始動口71へ入賞し易い状態、即ち、入賞補助状態となるように構成されている。
【0182】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、普通電役72が開放され、出没板72aが遊技盤13盤面から突出した状態となっている場合、第2始動口71の正面視上方側(スルーゲート67側)から流下してきた球が出没板72aの上面を右端から左端まで転動しきって第2始動口スイッチ71aによって入賞検知されるまでに約1秒程度の時間を要するように構成されている。
【0183】
一方、詳細は後述するが、「通常遊技状態(「通常遊技状態A」及び「通常遊技状態B」)」において、普通図柄に当選した場合に設定される普通電役72の開放回数は1回であり、その開放時間は「0.1秒」となるように普通電役開放テーブル202kで規定されている(
図23(c)参照)。
【0184】
即ち、「通常遊技状態」において右打ち遊技を実施した場合、普通図柄の可変表示が当たりに当選して普通電役72が開放状態となり、出没板72aが遊技盤13盤面から突出した状態となったとしても、第2始動口71の正面視上方側(スルーゲート67側)から流下してきた球が出没板72aの上面を右端から左端まで転動しきって第2始動口スイッチ71aによって入賞検知される前に普通電役72は閉鎖状態となるため、出没板72aの上面を転動していた球は該出没板72aが没入状態となることで普通電役72の下方へと流下していき、第2始動口スイッチ71aによって入賞検知され得ないように構成されている。
【0185】
ここで、仮に、「通常遊技状態」における普通電役72の開放態様を、該普通電役72の開放時に右打ち遊技することで該普通電役72内へ入球可能となるように構成した場合(例えば、開放時間が「1.0秒」など)、「通常遊技状態A」において右打ち遊技を実行することで普通図柄が当たりに当選し、普通電役72が開放することで第2始動口スイッチ71aによって入賞検知され、第2特別図柄の動的表示が実行されてしまう。
【0186】
上述したように、第2特別図柄の動的表示は、平均すると約6回転に1回の割合で小当たり又は大当たりが発生し得るように構成されているため、「通常遊技状態A」においても第2特別図柄の動的表示が小当たり又は大当たりに当選し易い状態となってしまい、当初設定していた遊技仕様に基づく出玉率と異なる遊技結果が導出されてしまい、遊技ホールに不測の不利益を生じさせるおそれがある。
【0187】
従って、普通電役72を第1実施形態のパチンコ機10のように構成することで、「通常遊技状態」に右打ち遊技した場合に、従来のパチンコ機における普通電役72よりも入賞し難くなるように構成することができる。また、「通常遊技状態A」において、右打ち遊技で発射された球が検知された場合(例えば、スルーゲート67への球の通過検知等)、奨励されていない遊技が実行されているということを遊技者およびホール関係者に示唆するために、所定の警報(例えば、「左打ち遊技に戻して下さい」の音声出力や、第3図柄表示装置81において「左打ち遊技に戻してください」の表示等)を出力することで、「通常遊技状態A」において非奨励の右打ち遊技が継続して実行されることを抑制し、遊技仕様通りの遊技性を実現することが可能となる。
【0188】
また、第2始動口スイッチ71aを出没板72aの左端と近接した位置に配設することにより、特定時期である普通電役72の1回の開放における最大入賞個数(例えば、「10個」)に達した場合に、即座に該出没板72aを没入状態とすることができ、最大入賞個数を上回って入賞することが発生し難いように構成することができる。
【0189】
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて、普通図柄の可変表示での当たりに当選する確率が変化するように構成されている。具体的には、「通常遊技状態」及び「普図低確時間短縮状態」では、普通図柄の当選確率を低確率状態(例えば、70/100)とし、普通図柄の可変表示において「普図高確時間短縮状態」より当たりに当選し難くすることで、普通電役72の出没板72aを突出状態(開放状態)とし難くして、「普図高確時間短縮状態」より第2始動口71へ入賞し難いように構成する。一方、「普図高確時間短縮状態」では、普通図柄の当選確率を高確率状態(例えば、99/100)とし、普通図柄の可変表示において「通常遊技状態」及び「普図低確時間短縮状態」より当たりに当選し易くすることで、普通電役72の出没板72aを突出状態(開放状態)とし易くし、第2始動口71へ容易に入賞し得るように構成する。
【0190】
第1実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の高確率状態では、可変表示が高確率(即ち、99%)で当たりを導出するため、普通図柄が高確率状態である「普図高確時間短縮状態」では、右打ち遊技で発射された球の多くが第2始動口71に入賞し得るように構成される。一方、普通図柄の低確率状態のうち、「通常遊技状態」では、可変表示が低確率(即ち、70%)で当たりを導出し得るものの、普通電役72の開放時間が短時間のため、右打ち遊技で発射された球が第2始動口71に入賞し難いように構成される。また、普通図柄の低確率状態のうち、「普図低確時間短縮状態」では、可変表示が低確率(即ち、70%)で当たりを導出し得る状態であり、普通電役72の開放時間が「普図高確時間短縮状態」と同様に長時間となるため、右打ち遊技で発射された球が第2始動口71に入賞し得るように構成される。
【0191】
これにより、「普図高確時間短縮状態」及び「普図低確時間短縮状態」では、右打ち遊技で発射された球を第2始動口71へと入賞させながら遊技を行うことが可能となることで、第2始動口71への入賞に基づく賞球の払い出しによって、遊技者は「通常遊技状態」より自身の持ち球の減少を抑えながら遊技を行うことができる。
【0192】
なお、「普図高確時間短縮状態」のように、普通図柄の当たり確率を「通常遊技状態」から変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、可動装置としての普通電役72の出没板72aが没入する(開放される)時間や、1回の当たりで普通電役72の出没板72aが没入する(開放される)回数を変更するものとしても良い。具体的には、「普図高確時間短縮状態」において、普通電役72の出没板72aが没入する時間を「通常遊技状態」よりも長くしたり、1回の当たりで普通電役72の出没板72aが没入する回数を「通常遊技状態」よりも多くしたりしてもよい。また、「普図高確時間短縮状態」において、普通図柄の当たり確率のアップと、普通電役72の出没板72aの没入時間の長時間化と、普通電役72の出没板72aの没入回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
【0193】
普通図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(普通図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、普通図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第2始動口71正面視右側に設けられた普通電役72が所定時間だけ作動状態となり、所定図柄以外(第1実施形態においては「×」の図柄)で停止した場合には普通電役72が非作動状態となる(閉鎖状態が維持される)よう構成されている。
【0194】
スルーゲート67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第2図柄保留ランプ84(以下、第2図柄保留ランプ84に関し、説明の便宜上、「普通図柄保留ランプ84」と称する場合がある)においても点灯表示される。普通図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。そして、普通図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
【0195】
なお、普通図柄の可変表示は、第1実施形態のように、普通図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、特別図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、普通図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の通過は、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、普通図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
【0196】
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1始動口64が配設されている。この第1始動口64へは、左打ち遊技で発射された球が1分間に約6個程度(所謂、S1=6)入賞するように遊技釘等が周辺に植設されている。始動検知領域としての第1始動口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110(
図5参照)で第1特別図柄の抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた動的表示が結果報知装置としての特別図柄表示装置37の特別LED群37bの上方LED群37b1で示されると共に、遊技状態に応じて可動装置としての第3図柄表示装置81にて第1特別図柄に基づく変動演出が実行される。なお、第1始動口64は、球が入球すると3個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
【0197】
可変表示装置ユニット80の正面視右側側方には、普通電役72が開放状態である場合にのみ球が入球し得る第2始動口71が配設されている。この第2始動口71へは、普通電役72が開放状態である場合、右打ち遊技で発射された球が1分間に約90個程度入賞するように遊技釘が周辺に植設されている。上述したように、普通電役72が開放状態である場合に第2始動口スイッチ71aによって入賞検知され易いように構成されており、その第2始動口スイッチ71aのオンに起因して主制御装置110(
図5参照)で第2特別図柄の大当たりの抽選がなされる。そして、その抽選結果に応じた表示が結果報知装置としての特別図柄表示装置37の特別LED群37bの下方LED群37b2で示されると共に、遊技状態に応じて第3図柄表示装置81にて第2特別図柄に基づく変動演出が実行される。なお、第2始動口71は、球が入球すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
【0198】
遊技盤13の正面視右側下方には可変入賞装置65が配設されている。この可変入賞装置65には、遊技盤13盤面から出没可能に構成された大入賞口開閉板65aと、該大入賞口開閉板65aを開閉駆動可能な大入賞口ソレノイド65b(
図5参照)と、可変入賞装置65内に設けられた大入賞口スイッチ65cと、特定領域65dと、可変入賞装置65内に流入した球を排出するための排出口65hと、が設けられている。また、特定領域65dは、遊技盤13盤面から出没可能に構成された特定領域開閉板65eと、該特定領域開閉板65eを開閉駆動可能な特定領域ソレノイド65f(
図5参照)と、特定領域65dを通過する球を検知可能な特定領域スイッチ65gと、で構成されている。
【0199】
大入賞口開閉板65aは、横長板状に形成され、突出状態と没入状態とに変化し得ることで、球の流下方向を変更可能に構成されている。即ち、大入賞口開閉板65aは、通常状態において、遊技盤13盤面から突出した状態(即ち、閉鎖状態)を維持して、可変入賞装置65の上流側(可変入賞装置65の正面視右側)から流下する球を大入賞口開閉板65aの上面を転動させて可変入賞装置65の下流側(可変入賞装置65の正面視左側)へと流下させることで、可変入賞装置65内への球の流入を阻止するように構成されている。そして、第1特別図柄又は第2特別図柄において小当たり又は大当たりに当選した場合に、所定時間の間、大入賞口開閉板65aが大入賞口ソレノイド65b(
図5参照)によって遊技盤13盤面内に没入駆動され、可変入賞装置65内に球が流入可能な状態となる。
【0200】
可変入賞装置65内に流入した球は、該可変入賞装置65内に設けられた始動検知領域としての大入賞口スイッチ65cによって検知された後、同じく可変入賞装置65内に設けられた特定領域65d側へと流下する。大入賞口スイッチ65cによって球が検知されることで、15個の球が賞球として払い出されるように構成されている。
【0201】
第1実施形態のパチンコ機10では、小当たりに当選した特別図柄の種類によって、可動装置としての可変入賞装置65の開放態様が異なるように構成されている。具体的には、第1特別図柄の動的表示において小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選した場合には、1のラウンドにおける可変入賞装置65の開放回数が6回に設定され、開放時間が「0.1秒」に設定され、可変入賞装置65が閉鎖された後の次の開放までのインターバル時間(即ち、閉鎖時間)が「1.2秒」に設定される(
図19参照)。即ち、第1特別図柄の小当たりによる可変入賞装置65の開放時間の合計時間が「0.6秒」に設定される。一方、第2特別図柄の動的表示において小当たり種別「時短D(小当たりB)」に当選した場合には、1のラウンドにおける可変入賞装置65の開放回数が10回に設定され、第1特別図柄の小当たりと同様、開放時間が「0.1秒」に設定され、可変入賞装置65が閉鎖された後の次の開放までのインターバル時間が「1.2秒」に設定される(
図19参照)。即ち、第2特別図柄の小当たりによる可変入賞装置65の開放時間の合計時間が「1.0秒」に設定される。
【0202】
従って、第1特別図柄の動的表示において小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選した場合の方が、第2特別図柄の動的表示において小当たり種別「時短D(小当たりB)」に当選した場合よりも可変入賞装置65の開放時間の合計時間が短くなるように構成されている。これは、上述したように、「通常遊技状態A」の救済優先報知期間においては、特
図1小当たりに当選した場合に右打ち遊技を行わず、大当たり遊技を発生させずにそのまま「通常遊技状態A」に戻ることがあるためである。
【0203】
より詳細には、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時に右打ち遊技を行わずにそのまま「通常遊技状態A」に戻る場合、遊技者は、小当たり遊技の実行時間において利益付与条件として球の発射を中断し、該小当たり遊技の終了を待つことになる。よって、特
図1小当たり当選時の開放時間が長時間に設定されていると、その分、球の発射を中断する期間も長くなってしまい、遊技者にストレスを与えかねず、また、パチンコ機10の稼働低下につながるおそれがある。
【0204】
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、特
図1小当たり当選時において、右打ち遊技を実行することで特定領域65dに球を通過可能な期間であって、かつ、特
図1小当たり当選時に右打ち遊技を行わない場合にも、球の発射を中断する期間が長くなりすぎないように構成している。
【0205】
また、一方で、特
図1小当たり当選時における可変入賞装置65の開放時間の合計時間が短く構成されているため、遊技者によっては、可変入賞装置65の開放中に右打ち遊技を実行するのに手間取ってしまい、特定領域65dに球を通過させられず、意に反して大当たり遊技を発生されられないおそれがある。このため、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合のオープニング時間を長めに(即ち、「10秒」)設定し、該オープニング時間において右打ち遊技の報知を十分に行うことで、このような失敗が発生し難くなるように構成されている。なお、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれの小当たりの場合も、1のラウンドにおける可変入賞装置65への最大入賞個数が「10個」に設定される(
図19参照)。
【0206】
可変入賞装置65内であって、大入賞口スイッチ65cの下流側に配設されている特定領域開閉板65eは、横長板状に形成され、突出状態と没入状態とに変化し得ることで、球の流下方向を変更可能に構成されている。即ち、特定領域開閉板65eは、通常状態において、遊技盤13盤面から突出した状態(即ち、閉鎖状態)を維持して、特定領域65dの上流側(特定領域開閉板65eの正面視左側)から流下する球を特定領域開閉板65eの上面を転動させて可変入賞装置65内の排出口65h側(特定領域開閉板65eの正面視右側)へと流下させることで、可変入賞装置65内に流入した球の特定領域65dへの流入を阻止するように構成されている。そして、所定条件の成立(第1実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄での小当たり当選に基づく大入賞口開閉板65aの最初の開放開始後)に基づいて、特定領域開閉板65eが特定領域ソレノイド65f(
図5参照)によって遊技盤13盤面内に没入駆動され、特定領域65d内(特定領域スイッチ65g側)に球が流入可能な状態となる。
【0207】
即ち、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示において小当たりに当選した場合には、大入賞口開閉板65aの開放開始と同時に特定領域開閉板65eが開放され、可変入賞装置65へ球が流入可能となっている状態で特定領域65dが開放されている状態となる。よって、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示において小当たりに当選した場合には、右打ち遊技を実施することで球が特定領域65dへ流入可能となる。
【0208】
特定領域65d内に流入した球は、該特定領域65d内に設けられた特定領域スイッチ65gによって検知された後、下流側に設けられた排出口(図示せず)側へと流下する。第1実施形態のパチンコ機10では、特定領域スイッチ65gによって球が検知された場合、第2特別図柄で大当たりした場合と同様に大当たり遊技が開始されるように構成されている(所謂、1種2種混合機)。特定領域スイッチ65gによって球が検知された場合に発生する大当たりの内容は、後述する小当たり種別カウンタCK(
図6参照)の値に応じて決定される。なお、特定領域スイッチ65gによる賞球の払い出しは無いように構成されている。
【0209】
一方、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示において小当たりに当選した場合に右打ち遊技を実行せず、特定領域スイッチ65gによって球が検知されなかった場合、大当たり遊技は開始されずに小当たり当選時の遊技状態に戻るように構成されている。
【0210】
第1実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110(
図5参照)での第2特別図柄の抽選が大当たりとなる場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるように特別図柄表示装置37の特別LED群37bを点灯表示させると共に、第3図柄表示装置81にその大当たりに対応した停止図柄(例えば、同一図柄の3つ揃い(「777」等))を表示させて、大当たり遊技の発生が示される。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選で小当たりに当選して、該小当たりに基づく可動装置としての可変入賞装置65の開放中に該可変入賞装置65内の特定領域65dを球が通過した場合、結果報知装置としての特別図柄表示装置37の特別LED群37bを点灯表示させるとともに、第3図柄表示装置81に特定領域65dを通過した旨を示す表示(例えば、「V獲得」等)を表示させて、大当たり遊技の発生が示される。その後、大当たり種別(小当たりに基づく大当たりの場合は、小当たり種別)に応じて、可変入賞装置65に設けられた大入賞口開閉板65aが開放(遊技盤13盤面内に没入駆動)されて、球が大入賞口内に入賞し易い特別遊技状態(大当たり遊技)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖(遊技盤13盤面から突出した状態)されている大入賞口開閉板65aが、所定条件が成立するまで(例えば、「30秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
【0211】
この大入賞口開閉板65aは、開放された場合に、開放から所定時間が経過、又は、所定数の入賞を検知すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その大入賞口開閉板65aが開放される。この大入賞口開閉板65aの開閉動作は、最高で例えば10回(10ラウンド)繰り返し可能に構成されている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、球を可変入賞装置65内に入賞させることで、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、大当たり遊技中において、大入賞口開閉板65aの開放中に右打ち遊技を行わず、該可変入賞装置65に入球させなかった場合、該大入賞口開閉板65aの開放から「30秒」経過すると該当の大当たりラウンドが終了して大入賞口開閉板65aが閉鎖される。よって、10ラウンドに渡って可変入賞装置65に入球させなかった場合は、賞球が発生せずに大当たりが終了し、各特別図柄の動的表示の実行が開始される。
【0212】
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(
図1参照)を通じて視認することができる。
【0213】
さらに、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口(入球口)63,64,65,71にも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。なお、各入賞口63,64,65,71に入賞した球も、アウト口66を通過した球と同様、球排出路へ案内され、パチンコ機10外へと排出される。
【0214】
次に、
図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0215】
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す)202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0216】
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
【0217】
主制御装置110では、大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における各特別図柄の動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における普通図柄の可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203cが設けられている。
【0218】
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、小当たり種別テーブル202c、保留数テーブル202d、停止パターンテーブル202e、変動パターンテーブル202f、大当たり開放テーブル202g、小当たり開放テーブル202h、普図当たり乱数テーブル202i、普図変動テーブル202j、普通電役開放テーブル202k、時短終了条件テーブル202mを少なくとも格納している。主制御装置110は、RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、上記の主要な制御を実行する。
【0219】
ここで、
図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や、結果報知装置としての特別図柄表示装置37の動的表示の設定、第3図柄表示装置81の変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、
図7から
図24を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブル、各種制御タイミング及び遊技状態の遷移等についても説明する。
【0220】
大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たり又は小当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、小当たり図柄の停止種別の選択に使用する小当たり種別カウンタCKと、が用いられる。
【0221】
また、普通図柄表示装置83の抽選には、普図当たりカウンタC4が用いられ、普図当たりカウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。
【0222】
これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、特定時期である最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
【0223】
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(
図40参照)の実行間隔である「2ミリ秒」間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(
図39参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203cに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1特別図柄に関する4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)からなる第1保留球格納エリア203dと、第2特別図柄に関する4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)からなる第2保留球格納エリア203eとが設けられており、第1保留球格納エリア203dには、始動検知領域としての第1始動口64への入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び小当たり種別カウンタCKの各値がそれぞれ格納され、第2保留球格納エリア203eには、第2始動口71への入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び小当たり種別カウンタCKの各値がそれぞれ格納される。
【0224】
各カウンタについて詳しく説明する。大当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0~9999」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0~9999」の値を取り得るカウンタの場合は「9999」)に達した後所定時期にすべく「0」に戻る構成となっている。特に、大当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から大当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
【0225】
第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、大当たり乱数カウンタC1が「0~9999」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0~9999」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(
図40参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(
図39参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
【0226】
大当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(
図40参照)毎に1回)更新される。そして、球が始動検知領域としての第1始動口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1始動口64(第1特別図柄)に対応する第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1~第4エリアのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納される。また、球が第2始動口71に入賞(始動入賞)したタイミングで、第2始動口71(第2特別図柄)に対応する第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1~第4エリアのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納される。
【0227】
大当たり乱数カウンタC1が大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される各特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aによって設定されている。つまり、第2保留球格納エリア203eの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、第2特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
【0228】
なお、上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たりとなる乱数の値は設定されていない。これは、第1特別図柄の動的表示が主に実行され得る「通常遊技状態A」、即ち、救済条件が成立し得る遊技状態においては、小当たり当選に基づく大当たりのみが発生可能とするためである。
【0229】
ここで、
図7を参照して、各特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。
図7(a)は、ROM202に記憶される第1特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202a1(以下、「特
図1大当たり乱数テーブル202a1」と称する)の一例を模式的に示した模式図であり、
図7(b)は、ROM202に記憶される第2特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202a2(以下、「特
図2大当たり乱数テーブル202a2」と称する)の一例を模式的に示した模式図である。
【0230】
上述したように、第1実施形態の特
図1大当たり乱数テーブル202a1では、大当たりとなる乱数の値は設定値にかかわらず設定されていない。一方、特
図2大当たり乱数テーブル202a2では、設定値毎にそれぞれ、大当たり乱数値の個数が異なって設定されている。また、設定毎に変位させるために必要となる大当たり乱数値の個数の増加分を、ハズレに対応するハズレ乱数値の個数から補填するように構成されている。即ち、設定毎に変位させるために大当たり乱数値の個数を増加させる場合、ハズレ乱数値の個数を減少させ、その減少分を大当たり乱数値の個数として割り当てるように構成する。このように、遊技状態に応じて大当たり乱数値の個数を異ならせることにより、設定ごとに大当たりとなる確率が変更される。
【0231】
一方、各特別図柄において、設定値毎に小当たり乱数値の個数が同一となるように設定されている。即ち、第1特別図柄における小当たり乱数値の個数は、設定値毎で同一の個数となるように構成される。同じく、第2特別図柄における小当たり乱数値の個数も、設定値毎で同一の個数となるように構成される。このように、小当たり乱数値の個数を、各特別図柄において、設定値毎で同一とすることにより、各特別図柄におけるすべての設定値での小当たり遊技のみを考慮した遊技価値の付与割合が同等となる。
【0232】
このように、第1実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄の設定毎の大当たり乱数値の個数の増加分を、すべての設定値においてハズレ乱数値の個数から補うように構成する。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の小当たり乱数値の個数を、設定毎に変化させないように構成する。即ち、設定変更に伴う大当たり乱数値の個数の増加分を、ハズレ乱数値の個数を減少させて、その減少分を大当たり乱数値に割り当てることで補填するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄小当たり乱数値の個数は、第1特別図柄又は第2特別図柄設定毎に同一とする。このように構成することで、設定値毎の出玉率の計算を、大当たり乱数値の個数の増加分のみを考慮することで計算することが可能となり、遊技仕様の設計時における工数の増加を抑制することができる。
【0233】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、設定変更に伴う大当たり乱数値の個数の増加分を、遊技情報としての大当たり乱数カウンタC1のうち、遊技を行う上で最も滞在し易い場合に取得さ得る大当たり乱数値以外の最も多い乱数値の役(即ち、ハズレ乱数値)から補填するように構成する。このように構成することで、例えば、第2特別図柄の変動演出で最も多い役であるハズレ役の出現回数からは設定判別を困難にすることができる。よって、遊技者による設定判別要素を、ハズレ役より現出確率が低い大当たりの出現割合のみとして、パチンコ機10の設定値を看破され難くすることができる。その結果、低設定(即ち、設定値1等)であっても遊技者に設定看破させずに遊技を継続させ、パチンコ機10の稼働を促進することができる。
【0234】
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、設定変更に伴う大当たり乱数値の個数の増加分を、大当たり乱数カウンタC1のうち、遊技者に遊技価値を付与しないハズレ役に対応するハズレ乱数値の個数から補填するように構成する。
【0235】
ハズレ役は、大当たり役や小当たり役と異なり、遊技価値を付与しない役であるため、パチンコ機10毎に設けられ、該パチンコ機10における遊技結果等を表示するデータランプ(図示せず)に明確に(大々的に)表示されない役である。ここで、仮に、データランプに明確に(大々的に)表示され易い大当たり遊技に対応する大当たり乱数値の個数と、小当たり遊技に対応する小当たり乱数値の個数とを設定毎にともに変更した場合、その大当たり遊技および小当たり遊技の2つの要素の出現率を遊技者がデータランプで一瞥(確認)することで、パチンコ機10の設定判別が推測され易くなってしまう。その結果、例えば、低設定(例えば、設定値「1」)に設定されたパチンコ機10の設定を遊技者に看破されてしまった場合、遊技者は該パチンコ機10で遊技を行わず、パチンコ機10の稼働が低下してしまうおそれがある。
【0236】
そこで、確率設定値の設定変更に伴う大当たり乱数値の個数の増加分を、大当たり乱数カウンタC1のうち、遊技者に遊技価値を付与せず、データランプに明確に(大々的に)表示されないハズレ役に対応するハズレ乱数値の個数から補填するように構成することで、遊技者による設定判別要素を大当たりの出現割合のみとして、小当たりの出現率からはパチンコ機10の設定値を看破され難くすることができる。よって、確率設定値の判別要素を1つの乱数値に基づく役の出現率に限定し、例えば、出玉率の低い低設定(即ち、設定値「1」等)であっても遊技者に設定看破させずに遊技を継続させ、パチンコ機10の稼働を促進することができる。
【0237】
図7(a)で示すように、第1実施形態の特
図1大当たり乱数テーブル202a1では、大当たりとなる乱数の値は設定値にかかわらず設定されていない。つまり、設定値にかかわらず、第1特別図柄の動的表示において大当たり(大当たり種別に基づく大当たり)は発生し得ないように構成されている。
【0238】
詳細に説明すると、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり当選時における特別図柄の動的表示の実行回数(救済条件成立回数までの残り回数)によっては、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。そして、小当たり当選時の左打ち遊技方法を実行する場合、通常時の小当たり当選時に右打ち遊技を実行せず、特定領域65dに球を通過させないことによって大当たりを発生させずに「通常遊技状態A」に戻って左打ち遊技を継続し、更新終了状態である救済条件成立回数まで第1特別図柄の動的表示を実行させて付与利益としての「普図低確時間短縮状態」に移行させることになる。
【0239】
ここで、仮に、第1特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たりとなる乱数の値が設定されており、「通常遊技状態A」において大当たり種別に当選し得る場合、小当たり当選時の左打ち遊技方法を実行して救済条件成立を目指している最中に第1特別図柄の動的表示が大当たり種別に当選してしまう可能性がある。
【0240】
そして、第1特別図柄の動的表示が大当たり種別に当選すると、小当たり種別への当選とは異なり、遊技者の遊技方法にかかわらずに大当たり遊技が開始されてしまうため、小当たり当選時の左打ち遊技方法によって大当たりの発生を回避し、救済条件成立に向けて持ち玉を消費して左打ちを実行していた分が無駄になってしまうおそれがある。
【0241】
さらに、遊技者は、通常時の小当たり当選時の右打ち示唆(この場合、救済優先報知演出(
図89(d)参照))に従って左打ち遊技を継続し、救済条件成立を目指していたたにもかかわらず途中で大当たりが発生したことで、パチンコ機10に対して懐疑的になり、パチンコ機10の遊技を中止してしまうおそれがある。
【0242】
よって、第1実施形態のパチンコ機10では、このような事象が発生し得ないようにするため、第1特別図柄に対応する大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たりとなる乱数の値が設定されていない。
【0243】
また、設定値が「1」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、33個で、その値「0~32」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第1特別図柄における小当たり確率は、33/10000=0.33/100(即ち、0.33%)となるように設定されている。
【0244】
よって、設定値が「1」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1におけるハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9967個で、その値「33~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第1特別図柄における第1特別図柄のハズレ確率は、9967/10000=99.67/100(即ち、99.67%)となるように設定されている。
【0245】
次いで、設定値が「2」の場合も、設定値が「1」の場合と同様に大当たりとなる乱数の値は設定されていない。
【0246】
また、設定値が「2」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」の場合と同様、33個で、その値「0~32」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第1特別図柄における小当たり確率は、33/10000=0.33/100(即ち、0.33%)となるように設定されている。
【0247】
従って、設定値が「2」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1におけるハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、小当たり乱数値以外の残りの9967個で、その値「33~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第1特別図柄における第1特別図柄のハズレ確率は、9967/10000=99.67/100(即ち、99.67%)となるように設定されている。
【0248】
次いで、設定値が「3」の場合も、設定値が「1」の場合又は「2」の場合と同様に大当たりとなる乱数の値は設定されていない。
【0249】
また、設定値が「3」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1における小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」及び設定値「2」の場合と同様、33個で、その値「0~32」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第1特別図柄における小当たり確率は、33/10000=0.33/100(即ち、0.33%)となるように設定されている。
【0250】
従って、設定値が「3」の場合、特
図1大当たり乱数テーブル202a1におけるハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの9967個で、その値「33~9999」が、特
図1大当たり乱数テーブル202a1に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第1特別図柄における第1特別図柄のハズレ確率は、9967/10000=99.67/100(即ち、99.67%)となるように設定されている。
【0251】
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の動的表示において、大当たり種別に基づく大当たりは発生し得ず、小当たり種別に基づく大当たりのみが発生し得るように構成されている。
【0252】
このように構成することで、第1特別図柄の動的表示が主に実行され得る「通常遊技状態A」、即ち、救済条件が成立し得る遊技状態においては、小当たり当選に基づく大当たりのみが発生し得るようにすることができる。
【0253】
そして、「通常遊技状態A」において制御判定結果としての特
図1小当たりに当選した場合に、右打ち遊技を実行せず、特定領域65dに球を通過させないことによって付与価値としての大当たりを発生させずに「通常遊技状態A」に戻って左打ち遊技を継続し、更新終了状態である救済条件成立回数まで第1特別図柄の動的表示を実行させて付与利益としての「普図低確時間短縮状態」に移行させることができる。
【0254】
その結果、「通常遊技状態A」中に特
図1小当たりに当選した場合に、遊技者が第3図柄表示装置81において実行される右打ち報知演出の内容を判別し、該小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して大当たりを発生させるべきか否かを判断することで、いずれの打ち方をした方が獲得し得る出玉の期待値が高くなるのかを推測でき、新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
【0255】
次に、
図7(b)で示すように、第1実施形態の特
図2大当たり乱数テーブル202a2では、設定値が「1」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は2個で、その値「0,1」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第2特別図柄における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、2/10000=0.02/100(即ち、0.02%)となるように設定されている。
【0256】
ここで、設定値が「1」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、1550個で、その値「2~1551」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第2特別図柄における小当たり確率は、1550/10000=15.50/100(即ち、15.50%)となるように設定されている。
【0257】
従って、設定値が「1」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2におけるハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの8448個で、その値「1552~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「1」の第2特別図柄のハズレ確率は、8448/10000=84.48/100(即ち、84.48%)となるように設定されている。
【0258】
即ち、設定値「1」において、特
図2における大当たり乱数値の個数の増加分を、遊技において最も現出率が高いハズレ乱数値の個数を減少させて、その減少分から補うように構成されている。
【0259】
このように、第2特別図柄の小当たり確率は、大当たり確率と比べてもすこぶる選択され易い個数に設定されている。即ち、第2特別図柄における抽選遊技では、ハズレ→小当たり→大当たりの順に選択され易い設定となっており、「時間短縮状態」及び「通常遊技状態B」において実行され得る第2特別図柄の動的表示において大当たりが発生する場合、小当たり遊技への当選に基づく大当たりの割合が高くなるように構成されている。
【0260】
次いで、設定値が「2」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は3個で、その値「0~2」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第2特別図柄における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、3/10000=0.03/100(即ち、0.03%)となるように設定されている。
【0261】
ここで、設定値が「2」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」の場合と同様、1550個で、その値「3~1552」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第2特別図柄における小当たり確率は、1550/10000=15.50/100(即ち、15.50%)となるように設定されている。
【0262】
従って、設定値が「2」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2におけるハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの8447個で、その値「1553~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「2」の第2特別図柄のハズレ確率は、8447/10000=84.47/100(即ち、84.47%)となるように設定されている。
【0263】
即ち、設定値「2」において、特
図2における大当たり乱数値の個数の増加分を、遊技において最も現出率が高いハズレ乱数値の個数を減少させて、その減少分から補うように構成されている。
【0264】
よって、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における設定値「2」は、設定値「1」と比べて、小当たり確率は同等(ともに15.50%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(0.02%→0.03%)、設定値「1」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【0265】
次いで、設定値が「3」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の個数は4個で、その値「0~3」が特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第2特別図柄における第2特別図柄の大当たり確率は、第1特別図柄と同様、4/10000=0.04/100(即ち、0.04%)となるように設定されている。
【0266】
ここで、設定値が「3」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における小当たりとなる乱数の値(小当たり乱数値)の数は、設定値「1」及び「2」の場合と同様、1550個で、その値「4~1553」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第2特別図柄における小当たり確率は、1550/10000=15.50/100(即ち、15.50%)となるように設定されている。
【0267】
従って、設定値が「3」の場合、特
図2大当たり乱数テーブル202a2におけるハズレとなる乱数の値(ハズレ乱数値)の数は、大当たり乱数値及び小当たり乱数値以外の残りの8446個で、その値「1554~9999」が、特
図2大当たり乱数テーブル202a2に規定(設定)されている。つまり、設定値「3」の第2特別図柄のハズレ確率は、8446/10000=84.46/100(即ち、84.46%)となるように設定されている。
【0268】
即ち、設定値「3」において、特
図2における大当たり乱数値の個数の増加分を、遊技において最も現出率が高いハズレ乱数値の個数を減少させて、その減少分から補うように構成されている。
【0269】
よって、特
図2大当たり乱数テーブル202a2における設定値「3」は、設定値「2」と比べて、小当たり確率は同等(ともに15.50%)であるものの、大当たり確率が若干向上しており(0.03%→0.04%)、設定値「2」の場合より大当たり遊技が発生し易い設定であるといえる。
【0270】
なお、第1実施形態の特
図1大当たり乱数テーブル202a1では、大当たりとなる乱数の値は設定値にかかわらず設定されていないが、特
図2大当たり乱数テーブル202a2と同様に、各設定値毎の大当たりとなる乱数値が設定されるように構成してもよい。
【0271】
図6に戻って、説明を続ける。大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0~99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0~99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(
図40参照)毎に1回)更新される。
【0272】
そして、球が第2始動口71に入賞したタイミングで、第2始動口71に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eの第2保留第1~第4エリアのうち、大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアと同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納される。
【0273】
なお、上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、特
図1大当たり乱数テーブル202a1において、大当たりとなる乱数の値が設定値にかかわらず設定されておらず、第1特別図柄の動的表示は大当たりに当選し得ないため(
図7参照)、RAM203の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1~第4エリアには、大当たり種別カウンタC2の格納エリアが設けられていない。
【0274】
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数(大当たり乱数値)又は小当たりとなる乱数(小当たり乱数値)でなければ、即ち、制御判定結果としてのハズレとなる乱数(ハズレ乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。また、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が小当たりとなる乱数(小当たり乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、小当たり時のものとなる。一方で、第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数(大当たり乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
【0275】
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10における遊技情報としての大当たり種別カウンタC2の値は、「0~99」の範囲のループカウンタとして構成されて、該大当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。
【0276】
ここで、
図8を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。
図8は、ROM202に記憶される第2特別図柄に対応する特
図2大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。
【0277】
図8に示すように、大当たり種別テーブル202bは、遊技状態と、大当たり種別カウンタC2の値とが対応付けられたテーブルである。
【0278】
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別として、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりであって、特別図柄が規定回数(第1実施形態では、主に第2特別図柄の動的表示が5回)行われるまで間、普通図柄の当たり確率が「通常遊技状態」と比べて高確率状態となる「普図高確時間短縮状態」に移行する大当たり種別「時短A」がある。
【0279】
大当たり種別テーブル202bでは、大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。
【0280】
図8で示す大当たり種別テーブル202bの例では、すべての遊技状態において大当たりが発生した場合に、大当たり種別「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0~99」が対応付けられている。
【0281】
即ち、すべての遊技状態における第2特別図柄の当否抽選において、第2保留球格納エリア203eのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから選定され得て、大当たり種別カウンタC2の値にかかわらず大当たり種別「時短A」が選定され得る。
【0282】
従って、第2特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合に、大当たり種別「時短A」が99/99の割合で当選することとなる。即ち、第2特別図柄の動的表示で大当たりに当選した場合には、大当たり種別「時短A」のみが選定され得るように構成されている。
【0283】
図6に戻って、説明を続ける。小当たり種別カウンタCKは、小当たりに当選して該小当たり遊技中に特定領域65dを球が通過した場合に付与される小当たり種別(大当たり内容)を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0~99」)内で順に1ずつ加算され、特定時期である最大値(例えば、「0~99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に所定時期にすべく「0」に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタCKの値は、例えば、定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(
図40参照)毎に1回)更新される。
【0284】
そして、球が第1始動口64に入賞したタイミングで、始動検知領域としての第1始動口64に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1~第4エリアのうち、大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアと同じ第1保留エリアの小当たり種別カウンタ格納エリア203d5に格納される。また、球が第2始動口71に入賞したタイミングで、第2始動口71に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eの第2保留第1~第4エリアのうち、大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアと同じ第2保留エリアの小当たり種別カウンタ格納エリア203e5に格納される。
【0285】
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数(大当たり乱数値)又は小当たりとなる乱数(小当たり乱数値)でなければ、即ち、ハズレとなる乱数(ハズレ乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。また、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数(大当たり乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、大当たり時のものとなる。一方で、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が小当たりとなる乱数(小当たり乱数値)であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は小当たり時のものとなる。この場合、その小当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された小当たり種別カウンタCKの値が示す小当たり種別に対応して決定される。
【0286】
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10における遊技情報としての小当たり種別カウンタCKの値は、「0~99」の範囲のループカウンタとして構成されて、該小当たり種別カウンタCKとROM202に格納された小当たり種別テーブル202cとに基づいて、小当たり種別が決定される。この小当たり種別テーブル202cには、第1特別図柄の第1抽選遊技で参照される特
図1小当たり種別テーブル202c1と、第2特別図柄の第2抽選遊技で参照される特
図2小当たり種別テーブル202c2とが設けられている。
【0287】
ここで、
図9を参照して、特
図1小当たり種別テーブル202c1及び特
図2小当たり種別テーブル202c2について説明する。
図9(a)は、ROM202に記憶される第1特別図柄に対応する特
図1小当たり種別テーブル202c1の一例を模式的に示した図であり、
図9(b)は、同じくROM202に記憶される第2特別図柄に対応する特
図2小当たり種別テーブル202c2の一例を模式的に示した図である。
【0288】
第1実施形態のパチンコ機10では、上述したように、各特別図柄の抽選遊技において小当たりに当選した場合に、可動装置としての可変入賞装置65(
図3参照)を開放駆動するとともに、各特別図柄の種類に応じたタイミングで該可変入賞装置65内の特定領域65dを開放するように構成されている。そして、小当たり遊技中に特定領域65dを球が通過した場合には、小当たり種別カウンタCKの値に応じた大当たり遊技が開始されるように構成されている。
【0289】
図9(a)及び
図9(b)に示すように、小当たり種別テーブル202cは、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで分けられ、その中でさらに、遊技状態によって分けられ、その中でさらに、該小当たり中に特定領域65dを通過したか否かに応じて、該特別図柄の種別に応じた小当たり種別と、小当たり種別カウンタCKの値とが対応付けられたテーブルである。
【0290】
第1実施形態のパチンコ機10では、小当たり種別として、特定領域65dを球が通過しなかった場合には、最大ラウンド数が1ラウンドの「小当たりA」及び「小当たりB」が設けられる一方、特定領域65dを球が通過した場合には、最大ラウンド数が1+4ラウンドの「時短B」と、最大ラウンド数が1+6ラウンドの「時短C」と、最大ラウンド数が1+9ラウンドの「時短D」と、が設けられている。
【0291】
具体的には、第1特別図柄の抽選遊技では、「時短機能」が作動していない「通常遊技状態(主に、「通常遊技状態A」)」において、小当たりに当選した場合には、特定領域65dを球が通過しないときに小当たり遊技のみの小当たり種別「小当たりA」となる一方、特定領域65dを球が通過したときに小当たり種別「時短B」又は「時短C」となり、該特定領域65dへの通過に伴う大当たり遊技後に、主に第2特別図柄の動的表示が「1回」実行されるまでの間、「高確時短機能」が付与されるように構成されている。また、「普図高確時間短縮状態」及び「普図低確時間短縮状態」において、小当たりに当選した場合には、特定領域65dを球が通過しないときに小当たり遊技のみの小当たり種別「小当たりA」となる一方、特定領域65dを球が通過したときに小当たり種別「時短B」又は「時短C」となり、該特定領域65dへの通過に伴う大当たり遊技後に、主に第2特別図柄の動的表示が「5回」実行されるまでの間、「高確時短機能」が付与されるように構成されている。
【0292】
なお、本実施形態における「普図高確時間短縮状態」及び「普図低確時間短縮状態」においては、右打ち遊技が推奨されており、第2始動口71へ入賞し得て第2特別図柄の動的表示が実行され得る一方、第1始動口64へ入賞し難いことで第1特別図柄の動的表示が実行され難く構成されている。
【0293】
次いで、第2特別図柄の抽選遊技では、すべての遊技状態において小当たりに当選した場合に、特定領域65dを球が通過しないときには小当たり遊技のみの小当たり種別「小当たりB」となる一方、特定領域65dを球が通過したときに小当たり種別「時短D」となり、該特定領域65dへの通過に伴う大当たり遊技後に、主に第2特別図柄の動的表示が「5回」実行されるまでの間、「時短機能」が付与されるように構成されている。
【0294】
また、詳細は後述するが、「通常遊技状態」において救済条件成立回数(第1実施形態では「800回」)に達した場合に、「普図低確時間短縮状態」として、主に第2特別図柄の動的表示が「100回」実行されるまでの間、「低確時短機能」が付与されるように構成されている(
図24参照)。
【0295】
よって、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選し、特定領域65dを球が通過した場合の大当たり遊技後には、主に第2特別図柄の動的表示が「1回」実行されるまでの間、「高確時短機能」が付与され、一方で、「通常遊技状態」において救済条件成立回数に達した場合には、主に第2特別図柄の動的表示が「100回」実行されるまでの間、「低確時短機能」が付与されるように構成されている。
【0296】
即ち、「通常遊技状態(主に、「通常遊技状態A」)」においては、特
図1小当たりに当選し、特定領域65dを球が通過した場合の大当たり遊技後に移行する「普図高確時間短縮状態」よりも、救済条件成立回数に達した場合に移行する「普図低確時間短縮状態」の方が、第2特別図柄の動的表示で大当たり(小当たりへの当選に基づく大当たりを含む)に当選する蓋然性が高くなるように構成されている。
【0297】
このため、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」において特
図1小当たりに当選し、特定領域65dを球が通過した場合の大当たり遊技後に移行する「普図高確時間短縮状態A」よりも、救済条件成立回数に達した場合に移行する「普図低確時間短縮状態」の方が、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。それぞれのケースにおける出玉期待値の詳細については
図27にて後述する。
【0298】
特
図1小当たり種別テーブル202c1及び特
図2小当たり種別テーブル202c2では、それぞれ、各小当たり種別に対して、その小当たり種別を決定する小当たり種別カウンタCKの取り得る値が対応付けられている。
【0299】
図9(a)で示す特
図1小当たり種別テーブル202c1の例では、すべての遊技状態において、第1特別図柄の小当たりが発生した場合は、特定領域65dの通過有無に応じて「小当たりA」、「時短B」又は「時短C」に対して小当たり種別カウンタCKの値「0~99」が対応付けられている。
【0300】
即ち、第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が小当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの小当たり種別カウンタ格納エリア203d5に格納された小当たり種別カウンタCKの値に対応付けられた小当たり種別が特
図1小当たり種別テーブル202c1から決定され、例えば、特定領域通過の有無に応じて、小当たり種別カウンタCKの値が「7」である場合には小当たり種別として「時短B」が決定され、小当たり種別カウンタCKの値が「95」である場合には小当たり種別として「時短C」が決定される。
【0301】
従って、第2特別図柄の動的表示で小当たりに当選した場合には、特定領域65dを通過しなければ、小当たり種別「小当たりA」が100%の割合で当選することとなる。また、特定領域65dを通過すれば、小当たり種別「時短B」が50.0%、小当たり種別「時短C」が50.0%の割合で、それぞれ当選するように構成されている。
【0302】
次いで、
図9(b)で示す特
図1小当たり種別テーブル202c1の例では、すべての遊技状態において、第2特別図柄の小当たりが発生した場合は、特定領域65dの通過有無に応じて「小当たりB」又は「時短D」に対して小当たり種別カウンタCKの値「0~99」が対応付けられている。
【0303】
即ち、第2特別図柄の当否抽選において、第2保留球格納エリア203eのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が小当たりとなる値であった場合に、同じ第2保留エリアの小当たり種別カウンタ格納エリア203e5に格納された小当たり種別カウンタCKの値に対応付けられた小当たり種別が特
図2小当たり種別テーブル202c2から決定され、例えば、小当たり種別カウンタCKの値がいずれの値であっても、特定領域65dの通過有無に応じて小当たり種別として「小当たりB」又は「時短D」が決定される。
【0304】
従って、第2特別図柄の動的表示で小当たりに当選した場合には、特定領域65dの通過有無に応じて、「小当たりB」又は「時短D」の小当たり種別が100%の割合で当選することとなる。
【0305】
ここで、
図10及び
図11を参照して、第1実施形態のパチンコ機10における各遊技状態における遊技態様と、各遊技状態における遊技状態の移行条件および移行先について説明する。
図10は、各遊技状態における、該遊技状態への移行契機、特別図柄の大当たり確率、普通図柄の当たり確率、奨励される球の発射態様、主要入賞先、第1特別図柄の変動時間、第2特別図柄の変動時間、及び、右打ち可否を説明した一覧である。また、
図11は、各遊技状態における発射態様と、当選した大当たり種別等に基づく遊技状態の移行先を示した図である。なお、
図11において、非推奨の発射態様で遊技を行った場合における遊技状態の移行も表記しているが、ここでは、説明の便宜上、その説明を省略する。また、
図10及び
図11に記載した電サポ回数は、右打ち遊技によって主に実行され得る第2特別図柄の動的表示の実行回数となっており、時短終了条件については
図24で詳細を後述する。
【0306】
図10で示すように、「通常遊技状態A」への移行契機は、工場出荷時の初期状態及びRAMクリア状態、「通常遊技状態A」において第1特別図柄の動的表示で小当たり種別「小当たりA」に当選した場合(即ち、小当たり遊技中に特定領域65dに球を通過させなかった場合)、「通常遊技状態B」において保留されていた第2特別図柄の動的表示がすべて実行された場合、となる。
【0307】
また、
図10で示すように、「通常遊技状態A」では、上述したように、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であり、普通図柄の当たり確率も低確率状態である。さらに、「通常遊技状態A」では、左打ち遊技が奨励され、該左打ち遊技で発射された球が主に第1始動口64に入賞する。そして、第1特別図柄の1の動的表示の変動時間が「5秒~210秒」の範囲で行われ、第2特別図柄の1の動的表示の変動時間は「5秒~190秒」で行われる(後述する
図12~
図17参照)。なお、この「通常遊技状態A」では、右打ち遊技が行われた場合に、その発射態様をスルーゲート67等で検知して、該検知に基づいて右打ち遊技での発射を抑制させるべく、音声出力装置226(
図5参照)等によって右打ち禁止報知を実行するように構成されている。
【0308】
次いで、「普図高確時間短縮状態A」への移行契機は、「通常遊技状態A」において第1特別図柄の動的表示で小当たり種別「時短B」又は小当たり種別「時短C」に当選した場合(即ち、小当たり遊技中に特定領域65dに球を通過させた場合)となる(
図11参照)。
【0309】
この「普図高確時間短縮状態A」では、上述したように、特別図柄の大当たり確率が低確率状態である一方、普通図柄の当たり確率は高確率状態である。さらに、「普図高確時間短縮状態A」では、右打ち遊技が奨励され、該右打ち遊技で発射された球が、高確時短機能が作動している第2始動口71に入賞し得る。そして、第2特別図柄の1の動的表示の変動時間が「70秒」又は「80秒」で行われる一方、第1特別図柄の1の動的表示の変動時間が「2秒~190秒」の範囲で行われる(後述する
図12~
図17参照)。なお、この「普図高確時間短縮状態A」では、右打ち遊技が奨励されているため、上記右打ち禁止報知は実行されない。
【0310】
次いで、「普図高確時間短縮状態B」への移行契機は、すべての遊技状態において大当たり種別「時短A」若しくは小当たり種別「時短D」のいずれかに当選した場合、又は、「時間短縮状態」(即ち、「普図高確時間短縮状態A」、「普図高確時間短縮状態B」又は「普図低確時間短縮状態」)において小当たり種別「時短B」若しくは「時短C」に当選した場合、となる(
図11参照)。
【0311】
この「普図高確時間短縮状態B」では、上述したように、特別図柄の大当たり確率が低確率状態である一方、普通図柄の当たり確率は高確率状態である。さらに、「普図高確時間短縮状態B」では、右打ち遊技が奨励され、該右打ち遊技で発射された球が、高確時短機能が作動している第2始動口71に入賞し得る。そして、第2特別図柄の1の動的表示の変動時間が「15秒~190秒」の範囲で行われる一方、第1特別図柄の1の動的表示の変動時間が「2秒~190秒」の範囲で行われる(後述する
図12~
図17参照)。なお、この「普図高確時間短縮状態B」では、右打ち遊技が奨励されているため、上記右打ち禁止報知は実行されない。
【0312】
次いで、「通常遊技状態B」への移行契機は、「普図高確時間短縮状態A」において時短終了条件が成立した場合(即ち、第1特別図柄の動的表示が7回、第2特別図柄の動的表示が1回、第1特別図柄・第2特別図柄の動的表示の合計回数が8回のいずれかが成立した場合)、又は、「普図高確時間短縮状態B」において時短終了条件が成立した場合(即ち、第1特別図柄の動的表示が7回、第2特別図柄の動的表示が5回、第1特別図柄・第2特別図柄の動的表示の合計回数が12回のいずれかが成立した場合)であって、第2特別図柄の保留球が残存している場合、となる(
図11参照)。
【0313】
なお、「普図低確時間短縮状態」において時短終了条件が成立した場合(即ち、第1特別図柄の動的表示が100回、第2特別図柄の動的表示が100回、第1特別図柄・第2特別図柄の動的表示の合計回数が100回のいずれかが成立した場合)にも、「通常遊技状態B」に移行し得るが、上述したように、「普図低確時間短縮状態」において右打ち遊技を行った場合、第2特別図柄の動的表示が平均すると約6回転に1回の割合で大当たりが発生し得るように構成されているため、該「普図低確時間短縮状態」において、第2特別図柄の動的表示が100回実行されるまでの間に大当たりが発生する蓋然性が高く、実質的に次回大当たりが約束された状態であり、「通常遊技状態B」へは移行し難い遊技状態となっているため、
図10及び
図11においては該当の移行契機を記載していない。
【0314】
この「通常遊技状態B」では、上述したように、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であり、普通図柄の当たり確率も低確率状態である。さらに、「通常遊技状態B」では、保留球として残存している第2特別図柄の動的表示の遊技結果待ちの状態であるため、右打ち報知ランプ37c(
図3参照)は非点灯状態であって左打ち遊技が奨励されている状態であるものの、第3図柄表示装置81等ではいずれの発射態様も奨励されていない状況である。そして、第1特別図柄の動的表示が実行される場合は「通常遊技状態A」に移行するため、第1特別図柄の動的表示は実行されず、第2特別図柄の1の動的表示の変動時間が「15秒~190秒」の範囲で行われる(後述する
図12~
図17参照)。
【0315】
次いで、「普図低確時間短縮状態」への移行契機は、大当たり終了後、特別図柄の低確率状態において連続して所定回数(第1実施形態では、「800回」)大当たり状態が発生しなかった場合、即ち、特別図柄の低確率状態において所定回数の動的表示が行われる間、ハズレが抽出し続けた場合、又は、小当たり当選時に特定領域65dに球を通過させなかった場合、となる(
図11参照)。
【0316】
また、「普図低確時間短縮状態」では、上述したように、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であり、普通図柄の当たり確率も低確率状態であるものの、普通電役72の開放時間は長時間となる(
図23参照)。さらに、「普図低確時間短縮状態」では、右打ち遊技が奨励され、該右打ち遊技で発射された球が、低確時短機能が作動している第2始動口71に入賞し得る。そして、第2特別図柄の1の動的表示の変動時間が「15秒~190秒」の範囲で行われる一方、第1特別図柄の1の動的表示の変動時間が「2秒~190秒」の範囲で行われる(後述する
図12~
図17参照)。なお、この「普図低確時間短縮状態」では、右打ち遊技が奨励されているため、スルーゲート67を球が通過した場合でも上記右打ち禁止報知は実行されない。
【0317】
また、上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」における制御判定結果としての特
図1小当たり当選時に、1ラウンド目の小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して利益付与条件として特定領域65dに球を通過させて大当たり遊技を発生させ、「普図高確時間短縮状態A」に移行させた場合と、「通常遊技状態A」において特別図柄の動的表示の実行回数が更新終了状態である救済条件成立回数に到達し、付与利益としての「普図低確時間短縮状態」に移行した場合と、の2の事象を比較すると、後者である「普図低確時間短縮状態」に移行した場合の方が、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている(
図27参照)。
【0318】
従って、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、その時点での救済条件成立回数までの残りの回転数によっては、該特
図1小当たり当選時に大当たり遊技を発生させずにそのまま「通常遊技状態A」に戻り、再び第1特別図柄の動的表示を実行させて救済条件成立回数まで到達させ、「普図低確時間短縮状態」に移行させた方が獲得し得る出玉の期待値が高くなることがある。
【0319】
このため、従来のパチンコ機では、大当たり遊技を発生し得る小当たり種別に当選した場合(即ち、特定領域に球を通過可能な小当たり種別に当選した場合)には、該小当たり遊技中に球を発射して可変入賞装置に入賞させ、特定領域に球を通過させて大当たり遊技を発生させるべく、可変入賞装置に向けて球を発射させるように第3図柄表示装置等によって演出を実施するように構成されているが、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」で特
図1小当たりに当選した場合の特別図柄の実行回数(救済条件成立回数までの残りの回転数)によって、小当たりオープニング時間において第3図柄表示装置81で実行される右打ち報知演出の内容を異ならせるように構成されている。
【0320】
具体的には、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が獲得し得る出玉の期待値が高くなる場合(即ち、大当たり優先報知期間における特
図1小当たり当選時)には、右打ち報知演出において、第1通知態様として、右打ち遊技を強く示唆して大当たり発生を強調させる演出を行うように構成されている(
図89(b)参照)。
【0321】
一方、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が獲得し得る出玉の期待値が高くなる場合(即ち、救済優先報知期間における特
図1小当たり当選時)には、右打ち報知演出において、第2通知態様として、大当たり優先報知演出よりも右打ち遊技を強く示唆せず、大当たりを発生させることを強調しない演出(即ち、救済優先報知演出)を行うように構成されている(
図89(d)参照)。なお、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出についての詳細は
図28、
図70及び
図89において後述する。
【0322】
図6に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0~99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後、所定時期にすべく「0」に戻る構成となっている。
【0323】
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。また、第1実施形態のパチンコ機10では、各演出態様に比較的長めの変動時間が選択され易いロングパターン(以下、「ロング」と称する場合がある)と、該ロングパターンより短めの変動時間が選択され易いミドルパターン(以下、「ミドル」と称する場合がある)と、該ミドルパターンより短めの変動時間が選択され易いショートパターン(以下、「ショート」と称する場合がある)と、が用意されている。
【0324】
具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(ロング)」演出態様、「非リーチ(ミドル)」又は「非リーチ(ショート)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の変動要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に昇格演出を行う「ノーマルリーチ(昇格演出)」演出態様と、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に昇格演出を行う「スーパーリーチ(昇格演出)」演出態様と、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後に昇格演出を行う「スペシャルリーチ(昇格演出)」演出態様と、所定の遊技状態において固定的な演出が実行される「特殊変動」演出態様と、の10個の演出態様のいずれかが選択され得る。
【0325】
ここで、各演出態様について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(ロング)」演出態様と「非リーチ(ミドル)」演出態様と「非リーチ(ショート)」演出態様(以下、「非リーチ(ロング)」演出態様、「非リーチ(ミドル)」演出態様、「非リーチ(ショート)」演出態様を総称して、『「非リーチ」演出態様』と称する場合がある)とは、特別図柄の変動演出として3つの図柄列Z1~Z3が変動する第3図柄表示装置81にて、各図柄列Z1~Z3を高速でシャッフルする「高速変動」の変動要素が行われた後に、先に停止する2の図柄列Z1,Z3において同一の第3図柄が停止せず、「リーチ表示」を発生しない演出態様である。
【0326】
なお、「高速変動」の変動要素とは、例えば、第3図柄表示装置81で行われる第3図柄の変動演出において、各図柄列Z1~Z3(
図4参照)に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている変動要素をいう。この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出が実行される。
【0327】
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(ミドル)」演出態様、「非リーチ(ショート)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。
【0328】
「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81で行われる第3図柄の変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、各図柄列Z1~Z3を順に停止表示する。先に停止表示する2の図柄列(例えば、左図柄列Z1と右図柄列Z3(
図4参照))において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、該先に停止表示する2の図柄列Z1,Z3において異なる第3図柄が停止した場合は、残りの図柄列Z2を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている。なお、「高速変動」の変動要素、又は、「低速変動」の変動要素を含む各変動要素の詳細については、後述する。
【0329】
従って、「非リーチ(ロング)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列Z1~Z3がそれぞれ順番に停止し、先に停止する2つの図柄列Z1,Z3に異なる第3図柄が停止し、残りの1の図柄列Z2が停止して、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(ミドル)」演出態様及び「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動」が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列Z1~Z3が同時に停止し、2の図柄列Z1,Z3(例えば、「非リーチ(ロング)」演出態様で先に停止する2の図柄列)に異なる第3図柄が停止するとともに、他の図柄列Z2も停止し、1の変動演出が終了する。
【0330】
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出において、先に停止表示する2の図柄列Z1,Z3に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。
【0331】
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。
【0332】
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。
【0333】
演出態様の中で、「ノーマルリーチ(昇格演出)」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素において小当たりに当選したことを報知(即ち、図柄列Z1~Z3に「0」,「2」,「4」,「6」若しくは「8」のうち、いずれかの同一の第3図柄が停止、又は、図柄列Z1及びZ3に同一の第3図柄が停止し、中図柄列Z2に「チャレンジ図柄」の文字を付した第3図柄が停止)した後に、各図柄列Z1~Z3に「1」,「3」,「5」,「7」又は「9」のうち、いずれかの同一の数字を付した第3図柄を停止させる「昇格演出」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。
【0334】
演出態様の中で、「スーパーリーチ(昇格演出)」演出態様とは、「スーパーリーチ」の変動要素において小当たりに当選したことを報知した後に、「昇格演出」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。
【0335】
演出態様の中で、「スペシャルリーチ(昇格演出)」演出態様とは、「スペシャルリーチ」の変動要素において小当たりに当選したことを報知した後に、「昇格演出」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。
【0336】
演出態様の中で、「特殊変動」演出態様とは、「普図高確時間短縮状態」における最後の第2特別図柄の動的表示の実行時において選択され得る演出態様であり、限定演出として、右打ち遊技を実行して該第2特別図柄の動的表示の保留球を貯留するように第3図柄表示装置81において報知演出を実行し、その後、当該の変動演出の当否を報知する演出態様である。
【0337】
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(
図40参照)毎に1回)更新される。そして、球が第1始動口64に入賞したタイミングで、始動検知領域としての第1始動口64に対応する第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納される。また、球が第2始動口71に入賞したタイミングで、第2始動口71に対応する第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3に格納される。
【0338】
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の両特別図柄の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202eが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202eは、複数種類設けられ、待機中の両特別図柄の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。
【0339】
また、第1実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202dに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202eが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202eと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな態様である演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
【0340】
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202eは、各停止パターンテーブル202e毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202eが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「普図高確時間短縮状態」、「普図低確時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるか、及び、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
【0341】
これは、第1の理由として、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、停止パターン、即ち、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、及び、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。
【0342】
このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
【0343】
第1実施形態のパチンコ機10では、具体的には、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202eに基づいて変動演出の大まかな内容である演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202eに基づいて変動演出の演出態様(停止パターン)を選択するように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様(停止パターン)ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
【0344】
また、第2の理由として、第1特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第1始動口64への入球、又は、第2特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における第2始動口71への入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による特別図柄の無抽選)を極力削減するためである。
【0345】
具体的に説明すると、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の待機回数はそれぞれ最大4回と上限が設けられていると共に、変動演出は少なくとも一定時間が実行されることから、「普図高確時間短縮状態」および「普図低確時間短縮状態」における第2始動口71へ球が入球し易い遊技状態では、第2特別図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第2特別図柄の最大保留球数に到達した状態での第2始動口71への入球が頻発し、折角、利益付与条件として第2始動口71へ入球したにもかかわらず、第2特別図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」においても、第1特別図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第1特別図柄の保留球数が消化されないため、その間に第1始動口64への入球が発生しても、第1特別図柄の抽選契機を取得できない。このような状態になると、遊技者は、第1始動口64へ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場の経営に影響を与えてしまう。
【0346】
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202eに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数に到達している状態での第1始動口64又は第2始動口71への入球を抑制することができる。
【0347】
さらに、第3の理由として、実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに第1始動口64又は第2始動口71のいずれかに球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、第1始動口64、第2始動口71へ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
【0348】
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202eに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
【0349】
また、第4の理由として、右打ち遊技を実行する遊技状態において、第1特別図柄の変動表示の実行時間を短く設定することで、該右打ち遊技を実行する遊技状態における第1特別図柄の動的表示の実行期間が短くするためである。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「普図高確時間短縮状態」及び「普図低確時間短縮状態」においては右打ち遊技が推奨されており、該右打ち遊技によって普通電役72が開放状態である場合に第2始動口71へ入球可能となるため、第2特別図柄の動的表示が実行され易いように構成されている。そして、該第2特別図柄の動的表示は平均すると約6回転に1回の割合で大当たり(小当たり)が発生し得るように構成されている。
【0350】
一方、右打ち遊技中において、第1始動口64へは入賞し難く、第1特別図柄の動的表示が実行され難く構成されている。そして、第1特別図柄の動的表示は、平均すると約300回転に1回の割合でしか大当たり(小当たり)が発生し得ないように構成されている。このため、右打ち遊技中においては、第1特別図柄の動的表示は、第2特別図柄の動的表示と比較すると実行され難く、かつ、大当たり(小当たり)が発生し難い動的表示であるため、第1実施形態のパチンコ機10では、「普図高確時間短縮状態」及び「普図低確時間短縮状態」においてハズレとなる第1特別図柄の動的表示が実行される場合、短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202eに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。
【0351】
これにより、「普図高確時間短縮状態」及び「普図低確時間短縮状態」においては、ハズレとなる第1特別図柄の動的表示の実行期間を短くすることで、大当たり又は小当たりに当選し易い第2特別図柄の動的表示の変動演出のみを遊技者に注目させ、遊技の間延びを抑制することができる。
【0352】
ここで、
図12を参照して、保留数テーブル202dの詳細について説明する。
図12(a)は、第1特別図柄に対応する特
図1用保留数テーブル202d1を模式的に示した図であり、
図12(b)は、第2特別図柄に対応する特
図2用保留数テーブル202d2を模式的に示した図である。
【0353】
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、第1始動口64に球が入球したことに基づいて第1特別図柄の変動演出を行う場合に、該変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、同じくその時点における第1特別図柄の変動演出の合計保留数に基づいて特
図1用保留数テーブル202d1を参照し、いずれかの停止パターンテーブル202e1~202e5を選択するように構成されている。また、第2始動口71に球が入球したことに基づいて第2特別図柄の変動演出を行う場合に、該変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、同じくその時点における第2特別図柄の変動演出の合計保留数に基づいて特
図2用保留数テーブル202d2を参照し、いずれかの停止パターンテーブル202e1~202e6を選択するように構成されている。そして、選択された停止パターンテーブル202e1~202e6のいずれかと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様が決定される。
【0354】
具体的には、
図12(a)の特
図1用保留数テーブル202d1で示すように、「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって、第1特別図柄の保留球数が「1個~3個」の場合には、停止パターンテーブル202eのAテーブル202e1(
図13(a)参照)が選択される。また、「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって、第1特別図柄の保留球数が「4個」の場合には、停止パターンテーブル202eのBテーブル202e2(
図13(b)参照)が選択される。一方、「通常遊技状態」の小当たり種別「時短C」抽出時には、いずれの保留球数であっても、停止パターンテーブル202eのCテーブル202e3(
図14(a)参照)が選択される。さらに、「通常遊技状態」の小当たり種別「時短B」抽出時には、いずれの保留球数であっても、停止パターンテーブル202eのDテーブル202e4(
図14(b)参照)が選択される。
【0355】
次いで、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」のハズレ抽出時には、いずれの保留球数であっても、停止パターンテーブル202eのEテーブル202e5(
図15(a)参照)が選択される。また、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」の小当たり抽出時には、いずれの保留球数であっても、停止パターンテーブル202eのDテーブル202e4(
図14(b)参照)が選択される。
【0356】
次に、
図12(b)の特
図2用保留数テーブル202d2で示すように、「通常遊技状態A」のハズレ抽出時であって、第2特別図柄の保留球数が「1個~3個」の場合には、停止パターンテーブル202eのAテーブル202e1(
図13(a)参照)が選択される。また、「通常遊技状態A」のハズレ抽出時であって、第2特別図柄の保留球数が「4個」の場合には、停止パターンテーブル202eのBテーブル202e2(
図13(b)参照)が選択される。一方、「通常遊技状態A」の大当たり又は小当たり抽出時には、いずれの保留球数であっても、停止パターンテーブル202eのCテーブル202e3(
図14(a)参照)が選択される。
【0357】
次いで、「普図高確時間短縮状態A」、又は、「普図高確時間短縮状態B」における第2特別図柄の5回転目には、いずれの抽選結果、及び、いずれの保留球数でも、停止パターンテーブル202eのFテーブル202e6(
図15(b)参照)が選択される。また、「普図高確時間短縮状態B」の1~4回転目、「普図低確時間短縮状態」又は「通常遊技状態B」のハズレ抽出時には、いずれの保留球数であっても、停止パターンテーブル202eのAテーブル202e1(
図13(a)参照)が選択される。一方、「普図高確時間短縮状態B」の1~4回転目、「普図低確時間短縮状態」又は「通常遊技状態B」の大当たり又は小当たり抽出時には、いずれの保留球数であっても、停止パターンテーブル202eのDテーブル202e4(
図14(b)参照)が選択される。
【0358】
なお、「通常遊技状態」における第1特別図柄のハズレ抽出時、及び、「通常遊技状態A」における第2特別図柄のハズレ抽出時以外においても、保留球数応じて停止パターンテーブル202eが異なるように構成してもよい。例えば、大当たりに当選した場合に保留球数が多いとき、比較的短い変動パターンが選ばれ易い停止パターンテーブル202eを選択し得るように構成してもよい。
【0359】
この場合、例えば、「リーチ表示」が実行される各演出態様において、「高速変動」の変動要素の部分の時間のみが10秒間から5秒間のみに変更された演出態様を選択するように構成する。このように構成することで、例えば、第1特別図柄の最大保留球数が4回ある状態で変動演出を開始する場合に、「高速変動」の変動要素が5秒間で行われたとしても、該5秒間の「高速変動」の変動要素が終了した時点(5秒間の「高速変動」の変動要素と認識した時点)では、その変動演出において「リーチ表示」が発生することがある。そのため、5秒間の「高速変動」の変動要素が行われた場合であっても、「非リーチ(ショート)」演出態様以外の「リーチ表示」が実行される演出態様が実行されるように構成することで、5秒間の「高速変動」の変動要素の実行時点では該変動演出が大当たりとなるかハズレとなるか分からなくすることができる。
【0360】
次に、
図13を参照して、各停止パターンテーブル202eについて説明する。
図13(a)は、停止パターンテーブル202eのAテーブル202e1の一例を模式的に示した図であり、
図13(b)は、停止パターンテーブル202eのBテーブル202e2の一例を模式的に示した図であり、
図14(a)は、停止パターンテーブル202eのCテーブル202e3の一例を模式的に示した図である。また、
図14(b)は、停止パターンテーブル202eのDテーブル202e4の一例を模式的に示した図であり、
図15(a)は、停止パターンテーブル202eのEテーブル202e5の一例を模式的に示した図であり、
図15(b)は、停止パターンテーブル202eのFテーブル202e6の一例を模式的に示した図である。
【0361】
図13(a)で示すように、停止パターンテーブル202eのAテーブル202e1では、「非リーチ(ロング)」演出態様別に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」~「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」~「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」~「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98」,「99」に設定されている。
【0362】
なお、Aテーブル202e1では、「非リーチ(ミドル)」演出態様、「非リーチ(ショート)」演出態様、昇格演出系の演出態様、及び、「特殊変動」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、いずれの「非リーチ(ミドル)」演出態様、「非リーチ(ショート)」演出態様、昇格演出系の演出態様、及び、「特殊変動」演出態様も選択されないように設定されている。
【0363】
次に、
図13(b)で示すように、停止パターンテーブル202eのBテーブル202e2では、「非リーチ(ミドル)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」~「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」~「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」~「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98,99」に設定されている。
【0364】
なお、Bテーブル202e2では、「非リーチ(ロング)」演出態様、「非リーチ(ショート)」演出態様、昇格演出系の演出態様、及び、「特殊変動」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、いずれの「非リーチ(ロング)」演出態様、「非リーチ(ショート)」演出態様、昇格演出系の演出態様、及び、「特殊変動」演出態様も選択されないように設定されている。
【0365】
即ち、Aテーブル202e1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。また、Bテーブル202e2では、「非リーチ(ミドル)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。
【0366】
つまり、Aテーブル202e1では、「非リーチ(ロング)」演出態様が選択され、Bテーブル202e2では、「非リーチ(ロング)」演出態様の代わりに「非リーチ(ミドル)」演出態様が選択されるように構成されている。一方、Aテーブル202e1及びBテーブル202e2では、各「リーチ表示」に関しては、同一の割合で選択されるように構成されている。
【0367】
従って、Aテーブル202e1及びBテーブル202e2は、「非リーチ」演出態様でのみロング演出態様かミドル演出態様かが異なるように選択されているため、Aテーブル202e1はBテーブル202e2と比べて選択される変動演出の変動時間が比較的長くなり易いと言える。換言すれば、Bテーブル202e2は、Aテーブル202e1と比べて選択される変動演出の変動時間が短くなり易いといえる。
【0368】
このように、左打ち遊技が奨励されている「通常遊技状態A」において、ハズレの抽選結果が抽出された場合に、保留中の変動演出の保留球数に基づいて、変動演出の演出態様を選択するように構成する。例えば、変動演出の保留球数が多い場合には、変動演出時間が比較的短い「非リーチ(ミドル)」演出態様を選択する。これにより、変動演出の保留球数が多い場合に、実行される変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高めることができる。
【0369】
また、例えば、変動演出の保留球数が少ない場合には、第1始動口64(第2始動口71)への球の入球時間を確保するために、「非リーチ(ミドル)」演出態様より変動演出時間が長い「非リーチ(ロング)」演出態様を選択する。これにより、「非リーチ(ミドル)」演出態様が選択される場合より変動演出時間の長い「非リーチ(ロング)」演出態様を行うことができるので、第1始動口64への球の入球時間を確保し易くなり、第3図柄表示装置81における変動演出の実行時間中に新たな始動入賞が発生する可能性を高くすることで、変動演出が実行されている状況を維持することができる。
【0370】
なお、第1実施形態では、ハズレの変動演出における演出態様の選択において、変動演出の保留球数に基づいて選択される停止パターンテーブル202eが異なるように構成されているが、第1始動口64又は第2始動口71への球の入球時に基づく変動演出の決定と、該入球に基づく変動演出の開始時に基づく変動演出の決定とで、実質的に同一の演出態様が選択されるように構成されている。
【0371】
具体的には、例えば、ハズレの変動演出である場合は、変動演出の保留球数に基づいて、Aテーブル202e1又はBテーブル202e2のいずれか一方が選択されるように構成されているが、Aテーブル202e1とBテーブル202e2とでは、「非リーチ(ロング)」演出態様若しくは「非リーチ(ミドル)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、又は、「スペシャルリーチ」演出態様に割り振られた停止パターン選択カウンタC3の値がそれぞれ同一に設定されている。
【0372】
即ち、変動演出の保留球数に基づいて、「非リーチ」演出態様における「非リーチ(ロング)」演出態様が選択されるか「非リーチ(ミドル)」演出態様が選択されるかが異なるのみであり、「高速変動」の変動要素の時間が異なるだけで、実質的同一の演出態様が選択される。よって、始動入賞時に選択される演出態様と、変動開始時に選択される演出態様とは、遊技状態が遷移(例えば、保留球数が増加)した場合であっても、実質的に同一(同種)の演出態様が選択される。その結果、始動入賞時に選択された演出態様に基づいて「保留変化予告」等の先読み予告を行った場合であっても、実行される変動演出の内容が実質的に同一(同種)となり、先読み予告の対象となった変動演出において、該先読み予告の内容に対して齟齬が発生しない演出を実行することができる。
【0373】
次に、
図14(a)で示すように、停止パターンテーブル202eのCテーブル202e3では、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」~「2」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「3」~「20」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「21」~「50」に設定され、「ノーマルリーチ(昇格演出)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「51,52」に設定され、「スーパーリーチ(昇格演出)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「53」~「69」に設定され、「スペシャルリーチ(昇格演出)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「70」~「99」に設定されている。
【0374】
なお、Cテーブル202e3は、「通常遊技状態A」における第1特別図柄の動的表示の小当たり時に選択される停止パターンテーブル202eであり、必ず「リーチ表示」が発生するので、「非リーチ」演出態様及び「特殊変動」演出態様は選択されないように設定されている。
【0375】
次に、
図14(b)で示すように、停止パターンテーブル202eのDテーブル202e4では、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」~「4」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「5」~「39」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「40」~「99」に設定されている。
【0376】
なお、Dテーブル202e4は、「通常遊技状態A」における第1特別図柄の動的表示の小当たり時及び第2特別図柄の動的表示の大当たり時に選択される停止パターンテーブル202eであり、必ず「リーチ表示」が発生するので、「非リーチ」演出態様、昇格演出系の演出態様及び「特殊変動」演出態様は選択されないように設定されている。
【0377】
ここで、
図14(a)の及び
図14(b)に示すように、第1特別図柄の動的表示において大当たり状態を発生可能な小当たり及び大当たりに当選した場合であっても、選択し得る停止パターンテーブル202eが異なるように構成されている。即ち、大当たり状態となった場合に最大10ラウンド分の出玉が獲得可能であって、該大当たり後に「普図高確時間短縮状態B」に移行する大当たり種別「時短A」に当選した場合には、停止パターンテーブル202eのCテーブル202e3が参照され、大当たり状態となった場合に最大5ラウンド分の出玉が獲得可能であって、該大当たり後に「普図高確時間短縮状態A」に移行する小当たり種別「時短C」に当選した場合には、停止パターンテーブル202eのDテーブル202e4が参照されるように構成されている。
【0378】
従って、「通常遊技状態A」において主に実行される第1特別図柄の動的表示が小当たりに当選した場合、大当たり遊技によってより多くの出玉が獲得可能であって、該大当たり後に移行する遊技状態も「連荘」状態となり易い「普図高確時間短縮状態B」に移行する大当たりに当選した場合にのみ、「ノーマルリーチ(昇格演出)」演出態様、「スーパーリーチ(昇格演出)」演出態様及び「スペシャルリーチ(昇格演出)」演出態様が選択され得るように構成されている。
【0379】
このように構成することで、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」の変動要素において小当たりに当選したことを報知(即ち、図柄列Z1~Z3に「0」,「2」,「4」,「6」若しくは「8」のうち、いずれかの同一の第3図柄が停止、又は、図柄列Z1及びZ3に同一の第3図柄が停止し、中図柄列Z2に「チャレンジ図柄」の文字を付した第3図柄が停止)した後に、続けて「昇格演出」の変動要素が実行されて大当たりに当選したことが報知(即ち、各図柄列Z1~Z3に「1」,「3」,「5」,「7」又は「9」のうち、いずれかの同一の数字を付した第3図柄が停止)される否か、という遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる。
【0380】
次に、
図15(a)で示すように、停止パターンテーブル202eのEテーブル202e5では、「非リーチ(ショート)」演出態様のみに停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られ(「0」~「99」)、「非リーチ(ロング)」演出態様、「非リーチ(ミドル)」演出態様、「リーチ表示」演出態様、及び、「特殊変動」演出態様には停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られていない。従って、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」における第1特別図柄のハズレ抽出時は、必ず「非リーチ(ショート)」演出態様となるように設定されている。
【0381】
なお、上述したように、「普図高確時間短縮状態」及び「普図低確時間短縮状態」では、第1特別図柄の動的表示より優先的に実行される第2特別図柄の動的表示を早期に実行させて遊技の間延びを抑制するため、該第1特別図柄の動的表示の1の変動時間を固定的、かつ、小刻みな変動秒数が選択されるように、ハズレ抽出時には「非リーチ(ショート)」演出態様がもれなく選択されるEテーブル202e5を選択するように構成されている。
【0382】
次に、
図15(b)で示すように、停止パターンテーブル202eのFテーブル202e6では、「特殊変動」演出態様のみに停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られ(「0」~「99」)、「非リーチ」演出態様および「リーチ表示」演出態様には停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られていない。従って、「普図高確時間短縮状態A」及び「普図高確時間短縮状態B」における第2特別図柄の5回転目には、必ず「特殊変動」演出態様となるように設定されている。
【0383】
なお、「普図高確時間短縮状態A」における第2特別図柄の1回転目、及び、「普図高確時間短縮状態B」における第2特別図柄の5回転目、即ち、「普図高確時間短縮状態A」及び「普図高確時間短縮状態B」における第2特別図柄の動的表示の最後の実行時には、右打ち遊技を実行して該第2特別図柄の動的表示の保留球を貯留するように第3図柄表示装置81において報知演出を実行し、その後当該の変動演出の当否を報知するため、第2特別図柄の動的表示の変動時間が固定して選択されるように、「特殊変動」演出態様がもれなく選択されるFテーブル202e6を選択するように構成されている。
【0384】
よって、Cテーブル202e3及びDテーブル202e4で示すように、大当たり当選時の変動演出において、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様(「スペシャルリーチ(昇格演出)」演出態様>「スーパーリーチ(昇格演出)」演出態様>「ノーマルリーチ(昇格演出)」演出態様)の順で選択割合が高く、Aテーブル202e1及びBテーブル202e2で示すように、ハズレ時の変動演出において、「ノーマルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「スペシャルリーチ」演出態様の順で選択割合が高くなるように設定されている。従って、各「リーチ表示」の現出時における大当たり期待度は、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順に大当たりの表示結果が現出する可能性が高くなるように構成される。これにより、変動演出の演出態様によって遊技者に大当たりへの期待度を示すことができ、遊技者は実行された変動演出の演出態様に応じて大当たりへの高揚感を味わうことができる。
【0385】
以上より、特別図柄の種別と、変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、その時点における変動演出の保留球数とに基づいて、実行する変動演出の演出態様を決定することにより、遊技が行われている状況に基づいて変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高める演出態様を選択することができる。
【0386】
なお、変動演出の保留球数が多い場合(例えば、「4」個)に、「リーチ表示」が選択されたとき、各「リーチ表示」の「高速変動」の演出要素が短縮された停止パターンテーブル202eを設けてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄の合計保留数に基づいて演出態様を選択するように構成してもよい。さらに、変動演出の保留球数が多い場合に、各演出態様において「低速変動」の演出要素を省略した停止パターンテーブル202eを設けてもよい。さらに、変動演出の保留球数に応じて、各演出態様の選択率が全く異なる停止パターンテーブル202eを設けてもよい。ただし、変動演出の保留球数に応じて各演出態様の選択率が異なるような場合は、「保留変化予告」等の先読み予告を行う上で、先読み予告実行決定時における保留球数と、該先読み予告の対象となった変動演出の実行時における保留球数とが異なる場合がある。このような場合、先読み予告の内容と変動演出の内容との整合性を保つ処理が必要となるため、処理が煩雑となる。
【0387】
図6に戻って、説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば「0~9」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「9」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(
図40参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(
図39参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、球が第1始動口64に入賞したタイミングで、その時点での変動種別カウンタCS1の値が、始動検知領域としての第1始動口64に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納される。また、球が第2始動口71に入賞したタイミングで、その時点での変動種別カウンタCS1の値が、第2始動口71に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1~第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4に格納される。
【0388】
この変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動時間(大まかな変動パターン)の決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202e及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202fとによって、詳細な変動時間を決定する。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
【0389】
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
【0390】
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
【0391】
ここで、
図16及び
図17を参照して、変動パターンテーブル202fの詳細について説明する。本パチンコ機10は、変動パターンテーブル202fとして、第1特別図柄のハズレ時に用いられる特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1と、第1特別図柄の小当たり時に用いられる特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2と、第2特別図柄のハズレ時に用いられる特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3と、第2特別図柄の大当たり時又は小当たり時に用いられる特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4と、が用意されている。
【0392】
図16(a)は、ROM202に記憶される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1の一例を模式的に示した図であり、
図16(b)は、ROM202に記憶される特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2の一例を模式的に示した図である。また、
図17(a)は、ROM202に記憶される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3の一例を模式的に示した図であり、
図17(b)は、ROM202に記憶される特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4の一例を模式的に示した図である。
図16及び
図17に示すように、各変動パターンテーブル202f1~202e4は、選択された演出態様に基づいてグループ分けされている。
【0393】
具体的には、ハズレ時の演出態様として、「非リーチ(ロング)」演出態様が決定された場合に参照される「E0:非リーチ・ロング」用と、「非リーチ(ミドル)」演出態様が決定された場合に参照される「E1:非リーチ・ミドル」用と、「非リーチ(ショート)」演出態様が決定された場合に参照される「E2:非リーチ・ショート」用と、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:スペシャルリーチ」用と、「特殊変動」演出態様が決定された場合に参照される「E9:特殊変動」用と、に区分けされている。
【0394】
また、大当たり時又小当たり時の演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E3:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E4:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:スペシャルリーチ」用と、「ノーマルリーチ(昇格演出)」演出態様が決定された場合に参照される「E6:ノーマルリーチ(昇格演出)」用と、「スーパーリーチ(昇格演出)」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スーパーリーチ(昇格演出)」用と、「スペシャルリーチ(昇格演出)」演出態様が決定された場合に参照される「E8:スペシャルリーチ(昇格演出)」用と、「特殊変動」演出態様が決定された場合に参照される「E9:特殊変動」用と、に区分けされている。
【0395】
そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
【0396】
第1実施形態では、第1特別図柄に対応する第1保留球格納エリア203dのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が小当たりとなる値(小当たり乱数値)ではない場合、即ち、ハズレとなる値であった場合に、特
図1用保留数テーブル202d1を参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202eを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202eとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1の中で参照するグループ(群)を決定する。その特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
【0397】
第1特別図柄のハズレ時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において、「E0:非リーチ・ロング」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターン(変動時間。以下、「変動パターン」を「変動時間」と置き換えることは当然に可能である。)が用意されている。
【0398】
図16(a)で示す例では、「E0:非リーチ・ロング」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』のみを選択可能に設定されている。
【0399】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において「非リーチ(ロング)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「非リーチ(ロング)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が選択される。
【0400】
ここで、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第1実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素、「再変動」の変動要素、「昇格演出」の変動要素、「特殊変動」の変動要素、が設けられている。
【0401】
「高速変動」の変動要素とは、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。この「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(ロング)」演出態様等が選択された場合は、変動演出の冒頭に「10秒」行われ(以下、「高速変動(長)」と称する場合がある)、「非リーチ(ミドル)」演出態様等が選択された場合は、変動演出の冒頭に「5秒」行われ(以下、「高速変動(中)」と称する場合がある)、「非リーチ(ショート)」演出態様等が選択された場合は、変動演出の冒頭に「2秒」行われる(以下、「高速変動(短)」と称する場合がある)。なお、この「高速変動」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
【0402】
「低速変動」の変動要素とは、「10秒」の「高速変動」の変動要素の実行後に開始され、第3図柄を視認可能にスクロール変動して「リーチ表示」を発生するか否かを見せる変動要素である。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(ミドル)」演出態様及び「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(ロング)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、又は、「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に「5秒」行われる。
【0403】
即ち、「非リーチ(ミドル)」演出態様又は「非リーチ(ショート)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後、第3図柄表示装置81の各図柄列が「低速変動」の変動要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。なお、この「低速変動」の変動要素が終了した場合は、そのまま変動演出が終了する場合がある。
【0404】
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、「非リーチ(ロング)」演出態様は、「10秒」の「高速変動」の変動要素と「5秒」の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。また、「非リーチ(ミドル)」演出態様は、「5秒」の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。さらに、「非リーチ(ショート)」演出態様は、「2秒」の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。
【0405】
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素において先に停止する2の図柄列に同一の図柄(以下、「リーチ形成図柄」と称する場合がある)が停止表示した場合に、残りの図柄列の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」演出態様等が選択された場合は、「低速変動」の変動要素の後に「5秒」行われる。
【0406】
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、「大当たり表示」の現出後に「昇格演出」の変動要素に発展するパターンと、が用意されている。
【0407】
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに残りの図柄列の変動が継続された場合に発展して実行され、第3図柄表示装置81において所定演出(例えば、「バトル演出」)を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「40秒」行われる。
【0408】
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、「大当たり表示」の現出後に「昇格演出」の変動要素に発展するパターンと、が用意されている。
【0409】
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに残りの図柄列の変動が継続された場合に発展して実行され、第3図柄表示装置81において上記所定演出と異なる特殊演出(例えば、「競争演出」)を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「160秒」行われる。
【0410】
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」するパターンと、「大当たり表示」の現出後に「昇格演出」の変動要素に発展するパターンと、が用意されている。
【0411】
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、直接「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
【0412】
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に「10秒」行われる。
【0413】
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンと、該「大当たり表示」の現出後に「昇格演出」の変動要素に発展するパターンと、が用意されている。
【0414】
また、この「再変動」の変動要素は、大当たり遊技又は小当たり遊技に当選した場合にのみ発生するように構成されている。即ち、「ハズレ表示」の場合には、「再変動」の変動要素は実行されないように構成されている。これは、「再変動」の変動要素は、仮に停止表示された「ハズレ表示」をいずれかの「大当たり表示」に変更する変動要素であるため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。よって、この「再変動」の変動要素は、特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2及び特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4(
図16(b)及び
図17(b)参照)でのみ選定され、ハズレ用変動パターンテーブル202f1,202f3(
図16(a)及び
図17(a)参照)では選定されないように構成されている。
【0415】
このように構成することで、「再変動」の変動要素が実行される変動パターンが選択されて大当たり(小当たり当選に基づく大当たり)となる場合に、該「再変動」の変動要素が実行される直前までは、「ハズレ表示」となる変動パターンが選択された場合と同様の変動演出を第3図柄表示装置81において実行しておき、続いて「再変動」の変動要素が実行されることで、大当たり(小当たり当選に基づく大当たり)に当選したことを遊技者に報知することができる。
【0416】
その結果、「ハズレ表示」となる変動演出が実行されている場合であっても、大当たり(小当たり当選に基づく大当たり)に当選している可能性があり、実行中の変動演出が終了するまで遊技者が期待感を継続させることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0417】
「昇格演出」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において「大当たり表示」が現出した後に発展して実行される変動要素である。この「昇格演出」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」又は「再変動」の変動要素後に「10秒」行われる。
【0418】
第1実施形態のパチンコ機10では、「昇格演出」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンが用意されている。
【0419】
また、この「昇格演出」の変動要素は、「通常遊技状態A」において第1特別図柄の動的表示が小当たり種別「時短C」に当選した場合にのみ発生するように構成されている。即ち、「通常遊技状態A」において第1特別図柄の動的表示が「ハズレ表示」又は「小当たり表示」の場合には、「昇格演出」の変動要素は実行されないように構成されている。これは、「昇格演出」の変動要素は、仮に停止表示された「小当たり表示」(図柄列Z1~Z3に「0」,「2」,「4」,「6」若しくは「8」のうち、いずれかの同一の第3図柄が停止、又は、図柄列Z1及びZ3に同一の第3図柄が停止し、中図柄列Z2に「チャレンジ図柄」の文字を付した第3図柄が停止)をいずれかの「大当たり表示」(図柄列Z1~Z3に「1」,「3」,「5」,「7」又は「9」のうち、いずれかの同一の数字を付した第3図柄を停止)に変更する変動要素となっているためである。このため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」又は「小当たり表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。
【0420】
また、この「昇格演出」の変動要素は、第1特別図柄の動的表示における最大5ラウンドの大当たり(小当たり当選に基づく大当たり)を、最大7ラウンドの大当たり(小当たり当選に基づく大当たり)に変更するための変動要素である。このため、小当たり及び大当たりが、ともに最大10ラウンド分の出玉を獲得可能となる第2特別図柄の動的表示の小当たり当選時又は大当たり当選時に行ってしまった場合も、演出上の齟齬が発生してしまう。
【0421】
よって、この「昇格演出」の変動要素は、特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2(
図16(b)参照)でのみ選定され、ハズレ用変動パターンテーブル202f1,202f3及び特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブルf4(
図16(a)、
図17(a)及び
図17(b)参照)では選定されないように構成されている。
【0422】
「特殊変動」の変動要素は、「普図高確時間短縮状態」における第2特別図柄の最後の動的表示の実行時に選択される変動要素であり、「普図高確時間短縮状態」における第2特別図柄の最後の動的表示の、すべての抽選結果の変動演出の開始時から「70秒(すべての抽選結果時)」又は「80秒(大当たり又は小当たり時)」行われる。
【0423】
第1実施形態のパチンコ機10では、「特殊変動」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり・小当たり表示」の成功パターンを現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
【0424】
次いで、特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において、「E1:非リーチ・ミドル」には、全体の変動時間が「5秒」の『「高速変動(中)」の変動要素のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
【0425】
図16(a)で示す例では、「E1:非リーチ・ミドル」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(中)」の変動要素のみ』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(中)」の変動要素のみ』だけを選択可能に設定されている。
【0426】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において「非リーチ(ミドル)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(中)」の変動要素のみ』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「非リーチ(ミドル)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(中)」の変動要素のみ』が選択される。
【0427】
次いで、特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において、「E2:非リーチ・ショート」には、全体の変動時間が「2秒」の『「高速変動(短)」の変動要素のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
【0428】
図16(a)で示す例では、「E2:非リーチ・ショート」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(短)」の変動要素のみ』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(短)」の変動要素のみ』だけを選択可能に設定されている。
【0429】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において「非リーチ(ショート)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「非リーチ(ショート)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(短)」の変動要素のみ』が選択される。
【0430】
次いで、特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において、「E3:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0431】
図16(a)の示す例では、「E3:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0432】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「ノーマルリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が選択される。
【0433】
次いで、特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において、「E4:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「60秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0434】
図16(a)の示す例では、「E4:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0435】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「スーパーリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』が選択される。
【0436】
次いで、特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において、「E5:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「180秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0437】
図16(a)の示す例では、「E5:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0438】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1ハズレ用変動パターンテーブル202f1において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第1特別図柄の変動演出における「スペシャルリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が選択される。
【0439】
なお、第1特別図柄のハズレ時の変動パターンは、演出態様がそのまま変動パターンとして決定されるため、変動種別カウンタCS1を使用せずに変動パターンを決定するように構成してもよい。また、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。
【0440】
次に、
図16(b)を参照して、第1特別図柄の小当たり時に参照される特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2について説明する。第1実施形態では、第1特別図柄に対応する第1保留球格納エリア203dのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が小当たりとなる値である場合に、特
図1用保留数テーブル202d1を参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202eを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202eとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2の中で参照するグループ(群)を決定する。その特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
【0441】
特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において、「E3:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0442】
図16(b)の示す例では、「E3:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0~2」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「3~9」、となっている。
【0443】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが70%、の割合で選択されるように設定されている。
【0444】
従って、特
図1の小当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の70%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、いずれの変動パターンからでも小当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0445】
次いで、特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において、「E4:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「60秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「70秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0446】
図16(b)の示す例では、「E4:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0~3」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「4~9」、となっている。
【0447】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが40%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが60%、の割合で選択されるように設定されている。
【0448】
従って、特
図1の小当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の60%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、いずれの変動パターンからでも小当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0449】
次いで、特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において、「E5:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「180秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「190秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0450】
図16(b)の示す例では、「E5:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0~4」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「5~9」、となっている。
【0451】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが50%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
【0452】
従って、第1特別図柄の小当たり時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンと『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンとが均等に選択されるように(50%ずつ)なっている。その結果、いずれの変動パターンでも同等に小当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0453】
次いで、特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において、「E6:ノーマルリーチ(昇格演出)」には、全体の変動時間が「40秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』と、全体の変動時間が「50秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0454】
図16(b)の示す例では、「E6:ノーマルリーチ(昇格演出)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』に対して「0~2」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』に対して「3~9」、となっている。
【0455】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において「ノーマルリーチ(昇格演出)」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンが70%、の割合で選択されるように設定されている。
【0456】
従って、第1特別図柄の小当たり種別「時短C」当選時に選択され得る「ノーマルリーチ(昇格演出)」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の70%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、いずれの変動パターンからでも小当たり種別「時短C」の当選を期待できる遊技性を提供できる。
【0457】
次いで、特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において、「E7:スーパーリーチ(昇格演出)」には、全体の変動時間が「80秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』と、全体の変動時間が「90秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0458】
図16(b)の示す例では、「E7:スーパーリーチ(昇格演出)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』に対して「0~3」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』に対して「4~9」、となっている。
【0459】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において「スーパーリーチ(昇格演出)」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンが40%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンが60%、の割合で選択されるように設定されている。
【0460】
従って、第1特別図柄の小当たり種別「時短C」当選時に選択され得る「スーパーリーチ(昇格演出)」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の60%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、いずれの変動パターンからでも小当たり種別「時短C」の当選を期待できる遊技性を提供できる。
【0461】
次いで、特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において、「E8:スペシャルリーチ(昇格演出)」には、全体の変動時間が「200秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』と、全体の変動時間が「210秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0462】
図16(b)の示す例では、「E8:スペシャルリーチ(昇格演出)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』に対して「0~4」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』に対して「5~9」、となっている。
【0463】
即ち、第1特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2において「スペシャルリーチ(昇格演出)」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンが50%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
【0464】
従って、第1特別図柄の小当たり種別「時短C」当選時に選択される「スペシャルリーチ(昇格演出)」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンと『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』の変動パターンとが均等に選択されるように(50%ずつ)なっている。その結果、いずれの変動パターンでも同等に小当たり種別「時短C」の当選を期待できる遊技性を提供できる。
【0465】
次に、
図17(a)を参照して、第2特別図柄のハズレ時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3について説明する。第2特別図柄に対応する第2保留球格納エリア203eのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)及び小当たりとなる値(小当たり乱数値)ではない場合、即ち、ハズレとなる値であった場合に、特
図2用保留数テーブル202d2を参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202eを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202eとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3の中で参照するグループ(群)を決定する。その特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
【0466】
第2特別図柄のハズレ時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において、「E0:非リーチ・ロング」には、全体の変動時間が「15秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』の1つの変動パターン(変動時間。以下、「変動パターン」を「変動時間」と置き換えることは当然に可能である。)が用意されている。
【0467】
図17(a)で示す例では、「E0:非リーチ・ロング」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』のみを選択可能に設定されている。
【0468】
即ち、第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において「非リーチ(ロング)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「非リーチ(ロング)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素』が選択される。
【0469】
次いで、特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において、「E1:非リーチ・ミドル」には、全体の変動時間が「5秒」の『「高速変動(中)」の変動要素のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
【0470】
図17(a)で示す例では、「E1:非リーチ・ミドル」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(中)」の変動要素のみ』に対して「0~9」となっており、『「高速変動(中)」の変動要素のみ』だけを選択可能に設定されている。
【0471】
即ち、第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において「非リーチ(ミドル)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(中)」の変動要素のみ』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「非リーチ(ミドル)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(中)」の変動要素のみ』が選択される。
【0472】
次いで、特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において、「E3:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0473】
図17(a)の示す例では、「E3:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0474】
即ち、第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「ノーマルリーチ」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』が選択される。
【0475】
次いで、特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において、「E4:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「60秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0476】
図17(a)の示す例では、「E4:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0477】
即ち、第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「スーパーリー」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』が選択される。
【0478】
次いで、特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において、「E5:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「180秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の1つの変動パターンが用意されている。
【0479】
図17(a)の示す例では、「E5:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0~9」となっており、該『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』だけを選択可能に設定されている。
【0480】
即ち、第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「スペシャルリーチ(ミドル)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』が選択される。
【0481】
次いで、特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において、「E9:特殊変動」には、全体の変動時間が「70秒」の『「特殊変動」の変動要素のみ』の1つの変動パターンが用意されている。
【0482】
図17(a)で示す例では、「E9:特殊変動」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「特殊変動」の変動要素のみ』に対して「0~9」となっており、『「特殊変動」の変動要素のみ』だけを選択可能に設定されている。
【0483】
即ち、第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2ハズレ用変動パターンテーブル202f3において「特殊変動」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0~9」)に対して『「特殊変動」の変動要素のみ』が対応付けられている。つまり、第2特別図柄の変動演出における「特殊変動」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず『「特殊変動」の変動要素のみ』が選択される。
【0484】
次に、
図17(b)を参照して、第2特別図柄の大当たり時又は小当たり時に参照される特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4について説明する。第1実施形態では、第2特別図柄に対応する第2保留球格納エリア203eのある保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり又は小当たりとなる値である場合に、特
図2用保留数テーブル202d2を参照して、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202eを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202eとに基づいて演出態様を選択する。そして、選択された演出態様に基づいて特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4の中で参照するグループ(群)を決定する。その特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターン(変動時間)が、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
【0485】
特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4において、「E3:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が「20秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「30秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0486】
図17(b)の示す例では、「E3:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』に対して「0~2」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「3~9」、となっている。
【0487】
即ち、第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4において「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンが30%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが70%、の割合で選択されるように設定されている。
【0488】
従って、第2特別図柄の大当たり時又は小当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の70%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たり又は小当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0489】
次いで、特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4において、「E4:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が「60秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「70秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0490】
図17(b)の示す例では、「E4:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』に対して「0~3」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「4~9」、となっている。
【0491】
即ち、第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4において「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンが40%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが60%、の割合で選択されるように設定されている。
【0492】
従って、第2特別図柄の大当たり時又は小当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが選択され易く(全体の60%)なっている。また、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素』の変動パターンも選択されるように構成されることで、いずれの変動パターンからでも大当たり又は小当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0493】
次いで、特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4において、「E5:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が「180秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』と、全体の変動時間が「190秒」の『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0494】
図17(b)の示す例では、「E5:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』に対して「0~4」、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「5~9」、となっている。
【0495】
即ち、第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4において「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンが50%、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
【0496】
従って、第2特別図柄の大当たり時又は小当たり時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スペシャルリーチ」の変動要素』の変動パターンと『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「スーパーリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンとが均等に選択されるように(50%ずつ)なっている。その結果、いずれの変動パターンでも同等に大当たり又は小当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0497】
次いで、特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4において、「E9:特殊変動」には、全体の変動時間が「70秒」の『「特殊変動」の変動要素のみ』と、全体の変動時間が「80秒」の『「特殊変動」の変動要素+「再変動」の変動要素』との2つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
【0498】
図17(b)の示す例では、「E9:特殊変動」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、『「特殊変動」の変動要素のみ』に対して「0~4」、『「特殊変動」の変動要素+「再変動」の変動要素』に対して「5~9」、となっている。
【0499】
即ち、第2特別図柄の変動演出の実行時に参照される特
図2大当たり・小当たり用変動パターンテーブル202f4において「特殊変動」演出態様が選択された場合、『「特殊変動」の変動要素のみ』の変動パターンが50%、『「特殊変動」の変動要素「再変動」の変動要素』の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
【0500】
従って、第2特別図柄の大当たり時又は小当たり時に選択される「特殊変動」演出態様では、『「特殊変動」の変動要素のみ』の変動パターンと『「特殊変動」の変動要素+「再変動」の変動要素』の変動パターンとが均等に選択されるように(50%ずつ)なっている。その結果、いずれの変動パターンでも同等に大当たり又は小当たりを期待できる遊技性を提供できる。
【0501】
図6に戻って、説明を続ける。普図当たりカウンタC4は、例えば「0~99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、普図当たりカウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普図当たりカウンタC4の初期値として読み込まれる。
【0502】
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、普図当たりカウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0~99」)、タイマ割込処理(
図40参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(
図39参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
【0503】
普図当たりカウンタC4の値は、例えば定期的(第1実施形態では、タイマ割込処理(
図40参照)毎に1回)更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知されたタイミングで、RAM203の普図保留球格納エリア203hに設けられた普図保留第1~第4エリアのいずれかの普図保留エリアに格納される。そして、普図保留球格納エリア203hに格納された順に順次普図保留球実行エリア203iにデータをシフトし、該普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たりカウンタC4の値に対して当たり判定を行う。
【0504】
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、遊技状態毎に主制御装置110のROM202に格納される普図当たり乱数テーブル202iによって設定(例えば、低確率状態で70/100、高確率状態で99/100等)されており、RAM203の普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル202iによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、当たりと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動テーブル202jが参照されて、普通図柄の可変表示時間が設定(例えば、時短機能非作動時は15秒、時短機能作動時は0.1秒等)され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。その後、遊技状態に応じて普通電役開放テーブル202kが参照されて、普通電役72の開放時間が設定(例えば、時短機能非作動時は0.1秒×1回、時短機能作動時は5.8秒×1回等)され、該開放時間の間、普通電役72の出没板72aが開放作動し、その間、第2始動口71へ球が入賞可能に構成される。
【0505】
一方、普図保留エリアに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル202iによって設定された当たりとなる乱数の値と一致しない場合には、ハズレと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動テーブル202jが参照されて可変表示時間が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「×」の図柄が点灯表示される。なお、普図当たり乱数テーブル202i、普図変動テーブル202j及び普通電役開放テーブル202kについては、
図23において後述する。
【0506】
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、
図6に図示したカウンタ用バッファ203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0507】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、所定時期としての電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(
図39参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は、遊技条件としての電源投入時の立ち上げ処理(
図37参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(
図59参照)が即座に実行される。
【0508】
RAM203は、さらに、第1保留球数カウンタ203a、第2保留球数カウンタ203b、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、保留球実行エリア203f、普図保留球数カウンタ203g、普図保留球格納エリア203h、普図保留球実行エリア203i、時短低確フラグ203j、時短高確フラグ203k、特
図1時短カウンタ203m、特
図2時短カウンタ203n、合計時短カウンタ203o、大当たりフラグ203p、救済カウンタ203r及び救済設定済みフラグ203sを少なくとも有している。
【0509】
第1保留球数カウンタ203aは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(
図40参照)の中で検出される第1始動口64への入球に基づいて、結果報知装置としての特別図柄表示装置37で行われる第1特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
【0510】
この第1保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(
図37のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第1始動口64への始動入賞が検出されて第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(
図41のS305参照)。一方、第1保留球数カウンタ203aは、第1特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(
図43のS508参照)。
【0511】
第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(
図40参照)の中で検出される第2始動口71への始動入賞に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第2特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
【0512】
この第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(
図37のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、第2始動口71への始動入賞が検出されて第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(
図41のS309参照)。一方、第2保留球数カウンタ203bは、第2特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(
図43のS505参照)。
【0513】
この第1保留球数カウンタ203aの値(即ち、第1特別図柄の保留球数)又は第2保留球数カウンタ203bの値(即ち、第2特別図柄の保留球数)は、遊技条件として第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(
図41のS312参照)。第1保留球数コマンドは、第1始動口64への始動入賞が検出されて第1保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、第2保留球数コマンドは、第2始動口71への第2保留球数カウンタ203bが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
【0514】
音声ランプ制御装置113は、第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、第1始動口64、第2始動口71への始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
【0515】
また、第1実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドを送信する場合、その第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドにおいて、1加算された第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値だけでなく、その第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ203c(
図6参照)より取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタCK、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
【0516】
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタCK、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
【0517】
音声ランプ制御装置113では、第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドにより伝えられた大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタCK、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定できるようになっている。
【0518】
なお、変動演出の保留球数を示す第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドと、大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドとは別の大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、第1始動口64、第2始動口71への球の入球タイミングで第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
【0519】
第1保留球格納エリア203dは、上述したように、始動検知領域としての第1始動口64への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、小当たり種別カウンタCK、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(
図40参照)の中で、球が第1始動口64へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1,C3,CK,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203dに格納する。第1保留球格納エリア203dは、第1特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1,C3,CK,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)を有している(
図6参照)。
【0520】
第2保留球格納エリア203eは、上述したように、第2始動口71への始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタCK、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(
図40参照)の中で、球が第2始動口71へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1~C3,CK,CS1の値を取得し、第2保留球格納エリア203eに格納する。第2保留球格納エリア203eは、第2特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1~C3,CK,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)を有している(
図6参照)。
【0521】
保留球実行エリア203fは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1~C3,CK,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
【0522】
MPU201は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに記憶されている始動入賞に対応するデータ(カウンタC1~C3,CK,CS1の各値)のうち、最も古い始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
【0523】
ここで、再び
図6を参照して、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、および保留球実行エリア203fの詳細について説明する。第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
【0524】
上述したように、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別カウンタC2と、小当たり種別の決定に使用する小当たり種別カウンタCKと、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。第1保留球格納エリア203dは、球が始動検知領域としての第1始動口64へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1,C3,CK,CS1の各値をそれぞれ記憶し、第2保留球格納エリア203eは、球が第2始動口71へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1~C3,CK,CS1の各値を記憶する。
【0525】
第1保留球格納エリア203dは、4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)にはそれぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4と、小当たり種別カウンタCKの値を格納する小当たり種別カウンタ格納エリア203d5とが設けられている。
【0526】
また、第2保留球格納エリア203eは、第1保留球格納エリア203dと同様、4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)にはそれぞれ、第1保留球格納エリア203dと同様、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203e4と、小当たり種別カウンタCKの値を格納する小当たり種別カウンタ格納エリア203d5とが設けられている。
【0527】
なお、第1実施形態では、大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1と、大当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3,203e3と、変動種別カウンタ格納エリア203d4,203e4と、小当たり種別カウンタ格納エリア203d5,203e5とを1つの保留球格納エリア203d,203eの中にそれぞれまとめて設けているが、各カウンタC1~C3,CK,CS1毎に保留球格納エリアを複数設けるようにしてもよい。
【0528】
上述した通り、第1保留球格納エリア203dには、球が始動検知領域としての第1始動口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1,C3,CK,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第1保留第1~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第1始動口64への始動入賞に対応するデータが記憶され、第1保留第1エリアには、時間的に最も古い第1始動口64への始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
【0529】
また、第2保留球格納エリア203eには、球が第2始動口71へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1~C3,CK,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第2保留第1~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い第2始動口71への始動入賞に対応するデータが記憶され、第2保留第1エリアには、時間的に最も古い第2始動口71への始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
【0530】
一方、保留球実行エリア203fは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203fには、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203f2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203f4と、小当たり種別カウンタCKの値を格納する小当たり種別カウンタ格納エリア203f5とが設けられている。
【0531】
MPU201は、特別図柄の変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータ(各カウンタC1~C3,CK,CS1の各値)が記憶されている場合は、該第2保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1~203f5にそれぞれシフトする。一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが記憶されているとき、該第1保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1~203f5にそれぞれシフトする。
【0532】
そして、保留球実行エリア203fにシフトされたデータを、変動開始処理(
図44参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。結果報知装置としての特別図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
【0533】
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび特
図1停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、特別図柄の変動演出が行われる。
【0534】
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第2保留第1エリアにデータが格納されていると判断された場合は、第2保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第2保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第2保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第2保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトし、第2保留第1エリアの小当たり種別カウンタ格納エリア203e5の乱数値を、小当たり種別カウンタ格納エリア203f5へシフトする。
【0535】
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第2保留第1エリアが空き状態となるため、第2保留球格納エリア203eの各エリア(第2~第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第2保留球格納エリア203eにおいて、データが記憶(保留)されている第2保留エリア(第1~第4)についてのみデータのシフトを行う。
【0536】
ここで、第2保留球格納エリア203e内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であり、第2保留球格納エリア203eの全エリア(第1~第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第2保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第2保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2~第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)にシフトする。すなわち、第2保留第2エリアのデータを、第2保留第1エリアへシフトし、第2保留第3エリアのデータを、第2保留第2エリアへシフトし、第2保留第4エリアのデータを、第2保留第3エリアへシフトする。
【0537】
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば、MPU201は、第2保留第2エリアのデータのみを、第2保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第2保留エリア(第3~第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
【0538】
なお、データの有無に関わらず、第2保留エリア(第2~第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリア(第2~第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
【0539】
一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったときに、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されていないと判断された場合は、次いで、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第1保留第1エリアにデータが格納されていれば、該第1保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第1保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第1保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第1保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトし、第1保留第1エリアの小当たり種別カウンタ格納エリア203d5の乱数値を、小当たり種別カウンタ格納エリア203f5へシフトする。
【0540】
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第1保留第1エリアが空き状態となるため、第1保留球格納エリア203dの各エリア(第2~第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第1保留球格納エリア203dにおいて、データが記憶(保留)されている第1保留エリア(第1~第4)についてのみデータのシフトを行う。
【0541】
ここで、第1保留球格納エリア203d内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、第1保留球格納エリア203dの全エリア(第1~第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第1保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第1保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2~第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)にシフトする。すなわち、第1保留第2エリアのデータを、第1保留第1エリアへシフトし、第1保留第3エリアのデータを、第1保留第2エリアへシフトし、第1保留第4エリアのデータを、第1保留第3エリアへシフトする。
【0542】
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、第1保留第2エリアのデータのみを、第1保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第1保留エリア(第3~第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
【0543】
なお、データの有無に関わらず、第1保留エリア(第2~第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留エリア(第2~第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
【0544】
このように、実行される第1特別図柄の動的表示に関するデータと、実行される第2特別図柄の動的表示に関するデータとを、それぞれ別々に記憶し、第2特別図柄の動的表示に関するデータが記憶されている場合は、該第2特別図柄の動的表示を優先的に実行し、第2特別図柄の動的表示に関するデータが記憶されていない場合であって、第1特別図柄の動的表示が記憶されている場合は、該第1特別図柄の動的表示を実行する。このように構成することで、第2特別図柄の動的表示を第1特別図柄の動的表示より優先的に実行するとともに、各データに基づいてそれぞれ動的表示を行うことで、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを実行することができる。
【0545】
図5に戻って、説明を続ける。普図保留球数カウンタ203gは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(
図40参照)の中で検出されるスルーゲート67への球の通過に基づいて、普通図柄表示装置83で行われる普通図柄の可変表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するためのカウンタである。
【0546】
この普図保留球数カウンタ203gは、保留球数カウンタ203a,203bと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(
図37のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。そして、スルーゲート67への球の通過が検出されて普通図柄に関する可変表示の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(
図42のS406参照)。一方、普図保留球数カウンタ203gは、普通図柄の可変表示が実行される毎に1減算される(
図56のS705参照)。
【0547】
普図保留球格納エリア203hは、スルーゲート67への球の通過の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した普図当たりカウンタC4を記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(
図40参照)の中で、球がスルーゲート67を通過したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから普図当たりカウンタC4の値を取得し、普図保留球格納エリア203hに格納する。普図保留球格納エリア203hは、普通図柄の一の保留球に対応するデータ(普図当たりカウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(普図保留第1~第4エリア)を有している(
図6参照)。
【0548】
普図保留球実行エリア203iは、実行を開始する、或いは、実行中の普通図柄の当たり抽選や可変表示の処理において参照すべきデータ(普図当たりカウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
【0549】
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングであることを検出すると、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を実行するために、上述した普図保留球格納エリア203hに記憶されているデータ(普図当たりカウンタC4の値)のうち、一のデータをこの普図保留球実行エリア203iへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
【0550】
ここで、再び
図6を参照して、普図保留球格納エリア203hおよび普図保留球実行エリア203iの詳細について説明する。普図保留球格納エリア203hおよび普図保留球実行エリア203iは、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
【0551】
上述したように、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定には、普通図柄の当たり抽選に使用する普図当たりカウンタC4が用いられる。普図保留球格納エリア203hは、球がスルーゲート67を通過した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される普図当たりカウンタC4の値を記憶する。
【0552】
普図保留球格納エリア203hは、4つの保留エリア(普図保留第1~第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(普図保留第1~第4エリア)にはそれぞれ、普図当たりカウンタC4の値を格納する普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
【0553】
この普図保留球格納エリア203hには、球がスルーゲート67を通過したタイミングで取得されるデータ(普図当たりカウンタC4の値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(普図保留第1~第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1~第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号が小さいエリアほど、時間的に古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶され、普図保留第1エリアには、時間的に最も古いスルーゲート67への球の通過に対応するデータが記憶されることになる。
【0554】
一方、普図保留球実行エリア203iは、1つのエリアのみで構成されている。この普図保留球実行エリア203iには、普図保留球格納エリア203hと同様に、普図当たりカウンタC4の値を格納する普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
【0555】
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行タイミングになったことを判断すると、普図保留球格納エリア203hの普図保留第1エリアに記憶されているデータを、この普図保留球実行エリア203iにシフトする。
【0556】
そして、普図保留球実行エリア203iにシフトされたデータを、普図変動処理(
図56参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて、当たり抽選を行うと共に、可変表示の内容を決定する。普通図柄表示装置83では、主制御装置110の制御により、この決定された内容に基づいて、可変表示が行われる。
【0557】
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングとなったことを判断すると、普図保留球格納エリア203hの普図保留第1エリアの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)の乱数値を、普図保留球実行エリア203iの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)へシフトする。
【0558】
そして、普図保留球実行エリア203iへのデータのシフトが終了すると、普図保留第1エリアが空き状態となるため、普図保留球格納エリア203hの各エリア(第2~第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号が1小さいエリア(第1~第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、普図保留球格納エリア203hにおいて、データが記憶(保留)されている普図保留エリア(第1~第4)についてのみデータのシフトを行う。
【0559】
ここで、普図保留球格納エリア203h内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普図保留球数カウンタ203gの値が「4」であり、普図保留球格納エリア203hの全エリア(第1~第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、普図保留第1エリアのデータが、普図保留球実行エリア203iへシフトされ、普図保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2~第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1~第3)にシフトする。すなわち、普図保留第2エリアのデータを、普図保留第1エリアへシフトし、普図保留第3エリアのデータを、普図保留第2エリアへシフトし、普図保留第4エリアのデータを、普図保留第3エリアへシフトする。
【0560】
また、例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普図保留球数カウンタ203gの値が「2」であれば、MPU201は、普図保留第2エリアのデータのみを、普図保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない普図保留エリア(第3~第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
【0561】
なお、データの有無に関わらず、普図保留エリア(第2~第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、普図保留エリア(第2~第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不要となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
【0562】
図5に戻り、説明を続ける。時短低確フラグ203jは、オン状態で「普図低確時間短縮状態」であって、普通図柄の低確率状態である一方、普通図柄の可変表示時間の短縮状態、普通電役72の開放長期化状態であること示すためのフラグである。この時短低確フラグ203jは、パチンコ機10の電源投入時のRAMクリア時(
図37のS116参照)に初期値としてオフに設定される。そして、第1実施形態では、救済設定済みフラグ203sがオフであって(
図47のS5401:No参照)、特別図柄の動的表示が低確率状態において救済条件成立回数(第1実施形態では、「800回」)に達した場合に、「普図低確時間短縮状態」に移行させるために該時短低確フラグ203jがオンに設定される(
図47のS5406参照)。その後、特別図柄の動的表示の停止時に実行される変動停止処理において実行される時短計数処理内で、後述する特
図1時短カウンタ203mの値が「0」より大きい値でなくなったとき、特
図2時短カウンタ203nの値が「0」より大きい値でなくなったとき、若しくは合計時短カウンタ203oの値が「0」より大きい値でなくなったとき、かつ、該時短低確フラグ203jがオンに設定されている場合(
図46のS5310:No参照)、又は、大当たりに当選した場合の当たり処理の冒頭でオフに設定される(
図48のS602参照)。
【0563】
第1実施形態のパチンコ機10では、遊技情報としての時短低確フラグ203jがオンされている場合に、特別図柄は低確率状態であり、かつ、普通図柄も低確率状態として普図当たり乱数テーブル202iが参照されて普通図柄の当たり抽選が行われるものの、普通図柄の短縮状態として普図変動テーブル202jが参照されて普通図柄の可変表示時間が設定され、普通電役72の開放長期化状態として普通電役開放テーブル202kが参照されて普通電役72の開放駆動が行われる。
【0564】
時短高確フラグ203kは、オン状態で「普図高確時間短縮状態」であって、普通図柄の高確率状態であり、かつ、普通図柄の可変表示時間の短縮状態、普通電役72の開放長期化状態であること示すためのフラグである。この時短高確フラグ203kは、パチンコ機10の電源投入時のRAMクリア時(
図37のS116参照)に初期値としてオフに設定される。そして、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりの終了時において、当選した大当たり種別にかかわらず、時短高確フラグ203kがオンに設定される(
図55のS6601参照)。その後、特別図柄の動的表示の停止時の処理である変動停止処理において実行される時短計数処理内で、後述する特
図1時短カウンタ203mの値が「0」より大きい値でなくなったとき、特
図2時短カウンタ203nの値が「0」より大きい値でなくなったとき、若しくは合計時短カウンタ203oの値が「0」より大きい値でなくなったとき、かつ、該時短高確フラグ203kがオンに設定されている場合(
図46のS5310:Yes参照)、又は、大当たりに当選した場合の当たり処理の冒頭でオフに設定される(
図48のS602参照)。
【0565】
第1実施形態のパチンコ機10では、遊技情報としての時短高確フラグ203kがオンされている場合に、普通図柄の高確率状態として、普図当たり乱数テーブル202iが参照されて普通図柄の当たり抽選が行われるとともに、普通図柄の短縮状態として普図変動テーブル202jが参照されて普通図柄の可変表示時間が設定され、普通電役72の開放長期化状態として普通電役開放テーブル202kが参照されて普通電役72の開放駆動が行われる。
【0566】
次いで、特
図1時短カウンタ203mは、「時短機能」の1の終了条件を判別するためのカウンタであって、大当たり終了後及び救済条件成立時に第1特別図柄の動的表示の実行回数を計数し、時短終了条件の判別を行うためのカウンタである。第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり時と救済条件成立時とで、特別図柄の実行回数による時短終了条件が異なるように設定されており、該設定された特別図柄の動的表示の実行回数が行われた場合、実行中の「時短機能」を終了して、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」から「通常遊技状態」へ移行するように構成されている。
【0567】
この特
図1時短カウンタ203mは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(
図37のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。また、当たり処理においても大当たり時の初期化処理として、特
図1時短カウンタ203mの値が「0」クリアされる(
図48のS603参照)。そして、大当たり終了処理において、当選した大当たり種別又は小当たり種別にかかわらず、特
図1時短カウンタ203mの値に「7」が設定される(
図55のS6604及びS6607参照)。また、特別図柄の低確率状態において、動的表示の実行回数が救済条件成立回数(第1実施形態では、「800回」)に達した場合であって、かつ、同じく後述する遊技情報としての救済設定済みフラグ203sがオンに設定されていない場合に、特
図1時短カウンタ203mの値に「100」が設定される(
図47のS5404参照)。一方、特
図1時短カウンタ203mの値は、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」において、第1特別図柄の動的表示が1回実行されるごとに、1減算される(
図46のS5302参照)。
【0568】
そして、特
図1時短カウンタ203mの値が「0」となった場合に(
図46のS5303:No)、第1特別図柄の実行回数による時短終了条件が成立したと判断して、オンされている時短高確フラグ203k又は時短低確フラグ203jをオフに設定し(
図46のS5311又はS5312参照)、「時短機能」を終了するように構成されている。
【0569】
なお、特
図1時短カウンタ203mの値は、第1特別図柄の動的表示が1回実行されるごとに、1減算されるように構成してもよい。このように構成する場合、特
図1時短カウンタ203mの値が所定の値(例えば、「7」)に達した場合に時短終了条件が成立したと判断する。
【0570】
次いで、特
図2時短カウンタ203nは、「時短機能」の1の終了条件を判別するためのカウンタであって、大当たり終了後及び救済条件成立時に第2特別図柄の動的表示の実行回数を計数し、時短終了条件の判別を行うためのカウンタである。第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり時と救済条件成立時とで、特別図柄の実行回数による時短終了条件が異なるように設定されており、該設定された特別図柄の動的表示の実行回数が行われた場合、実行中の「時短機能」を終了して、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」から「通常遊技状態」へ移行するように構成されている。
【0571】
この特
図2時短カウンタ203nは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(
図37のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。また、当たり処理においても大当たり時の初期化処理として、特
図2時短カウンタ203nの値が「0」クリアされる(
図48のS603参照)。そして、大当たり終了処理において、「通常遊技状態」中に大当たり種別「時短B」又は「時短C」に当選した場合には、特
図2時短カウンタ203nの値に「1」が設定され(
図55のS6608参照)、「通常遊技状態」中に大当たり種別「時短B」又は「時短C」に当選した場合以外の大当たり終了時には、特
図2時短カウンタ203nの値に「5」が設定される(
図55のS6605参照)。また、特別図柄の低確率状態において、動的表示の実行回数が救済条件成立回数(第1実施形態では「800回」)に達した場合であって、かつ、同じく後述する救済設定済みフラグ203sがオンに設定されていない場合に、特
図2時短カウンタ203nの値に「100」が設定される(
図47のS5404参照)。一方、特
図2時短カウンタ203nの値は、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」において、第2特別図柄の動的表示が1回実行されるごとに、1減算される(
図46のS5306参照)。
【0572】
そして、特
図2時短カウンタ203nの値が「0」となった場合に(
図46のS5307:No)、第2特別図柄の実行回数による時短終了条件が成立したと判断して、オンされている時短高確フラグ203k又は時短低確フラグ203jをオフに設定し(
図46のS5311又はS5312参照)、「時短機能」を終了するように構成されている。
【0573】
なお、特
図2時短カウンタ203nの値は、第2特別図柄の動的表示が1回実行されるごとに、1減算されるように構成してもよい。このように構成する場合、特
図2時短カウンタ203nの値が所定の値(例えば、「5」又は「1」)に達した場合に時短終了条件が成立したと判断する。
【0574】
次いで、合計時短カウンタ203oは、「時短機能」の1の終了条件を判別するためのカウンタであって、大当たり終了後及び救済条件成立時に特別図柄の動的表示の実行回数を計数し、時短終了条件の判別を行うためのカウンタである。第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり時と救済条件成立時とで、特別図柄の実行回数による時短終了条件が異なるように設定されており、該設定された特別図柄の動的表示の実行回数が行われた場合、実行中の「時短機能」を終了して、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」から「通常遊技状態」へ移行するように構成されている。
【0575】
この合計時短カウンタ203oは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(
図37のS117参照)によって、初期値として「0」が設定される。また、当たり処理においても大当たり時の初期化処理として、合計時短カウンタ203oの値が「0」クリアされる(
図48のS603参照)。そして、大当たり終了処理において、「通常遊技状態」中に大当たり種別「時短B」又は「時短C」に当選した場合には、合計時短カウンタ203oの値に「8」が設定され(
図55のS6609参照)、「通常遊技状態」中に大当たり種別「時短B」又は「時短C」に当選した場合以外の大当たり終了時には、合計時短カウンタ203oの値に「12」が設定される(
図55のS6606参照)。また、特別図柄の低確率状態において、動的表示の実行回数が救済条件成立回数(第1実施形態では「800回」)に達した場合であって、かつ、同じく後述する救済設定済みフラグ203sがオンに設定されていない場合に、合計時短カウンタ203oの値に「100」が設定される(
図47のS5404参照)。一方、合計時短カウンタ203oの値は、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」において、特別図柄の動的表示が1回実行されるごとに、1減算される(
図46のS5304及びS5308参照)。
【0576】
そして、合計時短カウンタ203oの値が「0」となった場合に(
図46のS5305:No又はS5309:No)、特別図柄の実行回数による時短終了条件が成立したと判断して、オンされている時短高確フラグ203k又は時短低確フラグ203jをオフに設定し(
図46のS5311又はS5312参照)、「時短機能」を終了するように構成されている。
【0577】
なお、合計時短カウンタ203oの値は、各特別図柄の動的表示が1回実行されるごとに、1減算されるように構成してもよい。このように構成する場合、合計時短カウンタ203oの値が所定の値(例えば、「12」又は「8」)に達した場合に時短終了条件が成立したと判断する。
【0578】
大当たりフラグ203pは、特定領域65dを球が通過したことに基づいて大当たり状態を発生させるか否かを判別するためのフラグである。
【0579】
この大当たりフラグ203pは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(
図37のS117参照)によって、初期値としてオフに設定される。そして、小当たり遊技中に開放され得る特定領域65dに設けられた特定領域スイッチ65gによって球が検知された場合に、大当たりフラグ203pがオンに設定される(
図51のS6209参照)。一方、後述する当たり処理(
図48参照)において、大当たりフラグ203pがオンに設定されていると判別された場合(
図48のS608:Yes参照)、この大当たりフラグ203pがオフに設定される(
図48のS609参照)。大当たりフラグ203pがオンからオフに設定された後は、大当たり種別又は小当たり種別に応じた大当たり遊技が開始されるように構成されている。
【0580】
救済カウンタ203rは、特別図柄の動的表示の実行回数に基づいて「普図低確時間短縮状態」に移行するか否かを計数するためのカウンタである。第1実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の動的表示が所定回数(即ち、「800回」)実行された場合、即ち、遊技情報としての救済カウンタ203rの値が救済条件成立回数格納エリア203qに格納されている値に達した場合に、遊技状態を「普図低確時間短縮状態」に移行するように構成されている。
【0581】
この救済カウンタ203rは、パチンコ機10の立ち上げ処理において、初期値として「0」が設定される(
図37のS117参照)。そして、特別図柄の低確率状態、即ち、「通常遊技状態」又は「普図高確時間短縮状態」において、遊技条件として、特別図柄の動的表示が1回実行されるごとに、変動停止処理(S513)内の更新処理としての救済到達計数処理において1加算される(
図47のS5402参照)。第1実施形態のパチンコ機10では、この救済カウンタ203rの値が救済条件成立回数格納エリア203qに格納されている値(即ち、「800回」)に達した場合に、特
図1時短カウンタ203m、特
図2時短カウンタ203n及び合計時短カウンタ203oの値に「100」を設定するとともに、時短低確フラグ203jをオンに設定して(
図47のS5404及びS5406参照)、「普図低確時間短縮状態」へ移行する。
【0582】
一方、「通常遊技状態」であっても、後述する救済設定済みフラグ203sがオンの場合、即ち、大当たり遊技後、1度でも天井機能が発動している遊技状態であれば、特別図柄の動的表示が実行されたタイミングにおいて救済カウンタ203rは更新されないように構成されている(
図47のS5401:Yes参照)。
【0583】
従って、遊技情報としての救済カウンタ203rは、特定の遊技状態、即ち、救済設定済みフラグ203sがオフの場合における「通常遊技状態」においてのみ更新可能に構成されている。
【0584】
なお、この救済カウンタ203rは、大当たりに当選した場合の当たり処理の冒頭で「0」クリアされる(
図48のS603参照)。これにより、大当たりが発生するごとに、救済条件成立回数を再設定し、大当たり遊技後、特別図柄の動的表示において大当たりに当選しない期間が所定期間に達した場合に、遊技者への救済措置として「普図低確時間短縮状態」を発生させることが可能となる。
【0585】
また、遊技情報としての救済カウンタ203rの値の更新は、特別図柄の動的表示が1回実行されるごとに、1減算されるように構成してもよいし、その他の方法で更新するように構成してもよい。救済カウンタ203rの値の更新処理としての更新方法を減算とする場合、電源投入後のRAM203の初期設定時及び大当たり終了時における救済条件成立回数抽選処理で抽選された救済条件成立回数の値を、この救済カウンタ203rにセットするように構成する。
【0586】
さらに、救済カウンタ203rの値の更新タイミングは、特別図柄の動的表示の停止時でなくてもよく、特別図柄の動的表示の実行開始時(
図44参照)や、更新状態としての図柄確定時間の終了時(
図43のS503参照)に更新するように構成してもよい。
【0587】
また、「普図低確時間短縮状態」に移行するタイミングは、あらかじめ定めておけば、特別図柄の動的表示の終了時、図柄確定時間の終了時、又は、救済カウンタ203rの値が救済条件成立回数に達した後に実行される特別図柄の動的表示の実行開始時などのタイミングでもよい。
【0588】
救済設定済みフラグ203sは、大当たり遊技後、特別図柄の動的表示が救済条件成立回数に1度達したか否かを判別するためのフラグである。この救済設定済みフラグ203sは、パチンコ機10の立ち上げ処理において、初期値としてオフに設定される(
図37のS117参照)。そして、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の動的表示が連続して所定回数(即ち、「800回」)大当たり状態に移行しなかった場合、即ち、遊技情報としての救済カウンタ203rの値が救済条件成立回数格納エリア203qに格納されている値(即ち、「800回」)に達した場合に、大当たり遊技後、天井機能が1回発動したとして、オンに設定される(
図47のS5405参照)。一方、大当たりに当選した場合の当たり処理の冒頭でオフに設定される(
図48のS602参照)。
【0589】
第1実施形態のパチンコ機10では、救済設定済みフラグ203sがオンに設定されている場合、即ち、大当たり遊技後、1度でも天井機能が発動している場合は、再び天井機能を発生させないように構成されており、救済設定済みフラグ203sを参照することで、大当たり遊技後に発動する天井機能を1回に制限することができる。
【0590】
また、救済設定済みフラグ203sがオンに設定されている場合、遊技条件としての特別図柄の動的表示が実行されたタイミングにおいて救済カウンタ203rは更新されないように構成されている(
図47のS5401:Yes参照)。
【0591】
換言すれば、救済設定済みフラグ203sがオンに設定されている遊技状態は、遊技情報としての救済カウンタ203rの更新が可能な遊技状態ではなく、即ち、救済設定済みフラグ203sがオフの場合における「通常遊技状態」ではなく、更新状態としての特定の遊技状態ではない。
【0592】
主制御装置110のROM202には、第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選遊技において大当たりに当選した場合に、可動装置としての可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aの開放制御のために参照される大当たり開放テーブル202gが格納されている。
【0593】
ここで、
図18を参照して、大当たり開放テーブル202gについて説明する。
図18は、ROM202に記憶される大当たり開放テーブル202gの一例を模式的に示した模式図である。大当たり開放テーブル202gは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり時に参照され、各特別図柄の大当たりを発生した大当たり種別又は小当たり種別に基づいて、可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aの開放態様等(ラウンド回数、オープニング時間、インターバル時間、エンディング時間、最大開放時間、最大入賞個数、賞球数)、及び、大当たり終了後に移行する遊技状態が規定されている。
【0594】
まず、大当たり開放テーブル202gは、遊技状態毎に入賞し易い第1始動口64又は第2始動口71(以下、第1始動口64と第2始動口71とを総称して、「始動口64,71」と称する場合がある)に基づいて選択される大当たりに当選した大当たり種別又は小当たりに当選した小当たり種別に基づいて開放態様等が区分けされている。
【0595】
具体的には、「通常遊技状態A」において、小当たり種別「時短B」又は「時短C」に当選した場合に参照される「通常遊技状態A」用と、「普図高確時間短縮状態」、「普図低確時間短縮状態」又は「通常遊技状態B」において、大当たり種別「時短A」、又は、小当たり種別「時短B」、「時短C」若しくは「時短D」に当選した場合に参照される「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態・通常遊技状態B」用とで、大入賞口開閉板65aの開放態様等が規定されている。
【0596】
図18で示すように、大当たり開放テーブル202gの「通常遊技状態A」用において、小当たり種別「時短B」に当選し、1ラウンド目の可変入賞装置65の開放中における特定領域65dへの球の通過を条件に、可変入賞装置65(大入賞口)が4ラウンドに亘って開放される。そして、その大当たりのオープニング時間が「30秒」に設定され、IT時間が「1秒」に設定され、ED時間が「30秒」に設定される。また、1のラウンドの最大開放時間が「30秒」に設定され、1のラウンドにおける最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、「通常遊技状態A」における小当たり種別「時短B」当選時の大当たり遊技終了後には、「普図高確時間短縮状態A」に移行するように構成されている。なお、大当たり開放テーブル202gにおけるいずれかの小当たり種別に当選時のOP時間は、小当たり遊技(1ラウンド目)で特定領域65dへ球を通過させた場合に大当たり遊技(2ラウンド目)へ移行する際の時間を意味する。
【0597】
次いで、大当たり開放テーブル202gの「通常遊技状態A」用において、小当たり種別「時短C」に当選し、1ラウンド目の可変入賞装置65の開放中における特定領域65dへの球の通過を条件に、可変入賞装置65(大入賞口)が6ラウンドに亘って開放される。そして、その大当たりのオープニング時間が「30秒」に設定され、IT時間が「1秒」に設定され、ED時間が「30秒」に設定される。また、1のラウンドの最大開放時間が「30秒」に設定され、1のラウンドにおける最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、「通常遊技状態A」における小当たり種別「時短C」当選時の大当たり遊技終了後には、「普図高確時間短縮状態A」に移行するように構成されている。
【0598】
次いで、大当たり開放テーブル202gの「通常遊技状態A」用において、小当たり種別「時短D」に当選し、1ラウンド目の可変入賞装置65の開放中における特定領域65dへの球の通過を条件に、可動装置としての可変入賞装置65(大入賞口)が9ラウンドに亘って開放される。そして、その大当たりのオープニング時間が「30秒」に設定され、IT時間が「1秒」に設定され、ED時間が「30秒」に設定される。また、1のラウンドの最大開放時間が「30秒」に設定され、1のラウンドにおける最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、「通常遊技状態A」において、小当たり種別「時短D」の大当たり遊技終了後には、「普図高確時間短縮状態B」に移行するように構成されている。
【0599】
次いで、大当たり開放テーブル202gの「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態・通常遊技状態B」用において、大当たり種別「時短A」に当選した場合には、可動装置としての可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aが、10ラウンドに亘って繰り返し開閉される。そして、OP時間が「10秒」に設定され、IT時間が「1秒」に設定され、ED時間が「10秒」に設定される。また、1のラウンドの最大開放時間が「30秒」に設定され、1のラウンドにおける最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、「普図高確時間短縮状態」、「普図低確時間短縮状態」又は「通常遊技状態B」において、大当たり種別「時短A」の大当たり遊技終了後には、「普図高確時間短縮状態B」に移行するように構成されている。
【0600】
次いで、大当たり開放テーブル202gの「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態・通常遊技状態B」用において、小当たり種別「時短B」に当選し、1ラウンド目の可変入賞装置65の開放中における特定領域65dへの球の通過を条件に、可動装置としての可変入賞装置65(大入賞口)が4ラウンドに亘って開放される。そして、その大当たりのオープニング時間が「10秒」に設定され、IT時間が「1秒」に設定され、ED時間が「30秒」に設定される。また、1のラウンドの最大開放時間が「30秒」に設定され、1のラウンドにおける最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、「普図高確時間短縮状態」、「普図低確時間短縮状態」又は「通常遊技状態B」において、小当たり種別「時短B」の大当たり遊技終了後には、「普図高確時間短縮状態B」に移行するように構成されている。
【0601】
次いで、大当たり開放テーブル202gの「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態・通常遊技状態B」用において、小当たり種別「時短C」に当選し、1ラウンド目の可変入賞装置65の開放中における特定領域65dへの球の通過を条件に、可動装置としての可変入賞装置65(大入賞口)が6ラウンドに亘って開放される。そして、その大当たりのオープニング時間が「10秒」に設定され、IT時間が「1秒」に設定され、ED時間が「30秒」に設定される。また、1のラウンドの最大開放時間が「30秒」に設定され、1のラウンドにおける最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、「普図高確時間短縮状態」、「普図低確時間短縮状態」又は「通常遊技状態B」において、小当たり種別「時短C」の大当たり遊技終了後には、「普図高確時間短縮状態B」に移行するように構成されている。
【0602】
次いで、大当たり開放テーブル202gの「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態・通常遊技状態B」用において、小当たり種別「時短D」に当選し、1ラウンド目の可変入賞装置65の開放中における特定領域65dへの球の通過を条件に、可動装置としての可変入賞装置65(大入賞口)が9ラウンドに亘って開放される。そして、その大当たりのオープニング時間が「10秒」に設定され、IT時間が「1秒」に設定され、ED時間が「30秒」に設定される。また、1のラウンドの最大開放時間が「30秒」に設定され、1のラウンドにおける最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、「普図高確時間短縮状態」、「普図低確時間短縮状態」又は「通常遊技状態B」において、小当たり種別「時短D」の大当たり遊技終了後には、「普図高確時間短縮状態B」に移行するように構成されている。
【0603】
このように、右打ち遊技が維持されて連続的に特別図柄の大当たりが頻発する「連荘」状態において、いずれかの大当たり種別に当選した場合における大当たり時のOP時間、IT時間、及び、ED時間を、「通常遊技状態」における初回大当たりのOP時間、IT時間、及び、ED時間より短く構成することで、「連荘」状態中における大当たり全体の消化時間を短くし、「連荘」状態において次の大当たりへの到達時間を短くすることが可能となる。これにより、「連荘」状態における次の大当たり発生までの時間を短くし得ることで、「連荘」状態にもかかわらず次の大当たりが到達するまでの時間が長引くことによる遊技者の遊技への興覚めを抑制しつつ、連続する大当たりが早期に発生させることで、遊技者に爽快感を与えて遊技の興趣を向上することができる。
【0604】
さらに、「通常遊技状態」における初回大当たりのOP時間、IT時間、及び、ED時間を、「連荘」状態における大当たりのOP時間、IT時間、及び、ED時間より長くすることで、その時間において多種多様な演出を実行することが可能となる。このように構成することで、例えば、初回大当たりのOP時間やED時間にパチンコ機10における遊技方法の説明(例えば、発射態様の示唆や、カードサンドに挿入中のカードの抜き忘れ防止示唆、今後の遊技状態の説明等)や、「通常遊技状態」から初回大当たりしたことを祝福する演出を実行することができ、遊技者にパチンコ機10の遊技方法を理解させ易くしたり、漸く大当たりしたことを実感させて遊技者の興趣向上に資する演出を行うことができる。
【0605】
なお、大当たり種別に基づく大当たり時の大入賞口開閉板65aの開放態様等(OP時間、IT時間、ED時間、回数、最大開放時間、最大入賞個数、賞球数および移行遊技状態)は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。具体的には、大当たり種別毎に開放回数(ラウンド数)を異ならせるように構成してもよいし、大当たり種別毎に最大開放時間を変更するように構成してもよいし、最大入賞個数を変更するように構成してよい。当選した大当たり種別毎に払い出され得る賞球数が異なることで、当選した大当たり種別に応じて直接的に付与される遊技価値に違いを生じさせることができる。
【0606】
また、大当たり種別毎に別々の遊技状態に移行する必要はなく、複数の大当たり種別で共通的な遊技状態に移行するように構成してもよい。さらに、OP時間とED時間とを異ならせるように構成してもよいし、IT時間をOP時間やED時間より長い時間に設定してもよい。また、1のラウンドの最小開放時間を、IT時間やOP時間、ED時間より短い時間に設定してもよい。さらに、大当たり種別毎にOP時間、IT時間又はED時間の少なくとも1つ以上を同一な時間となるように設定してもよい。
【0607】
次に、
図19を参照して、小当たり開放テーブル202hについて説明する。
図19は、ROM202に記憶される小当たり開放テーブル202hの一例を模式的に示した模式図である。小当たり開放テーブル202hは、第1特別図柄又は第2特別図柄の小当たり時に参照され、各特別図柄の小当たり発生時の小当たり種別に基づいて、可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aの開放態様等(1のラウンドにおける開放回数、オープニング時間、インターバル時間、エンディング時間、最大開放時間、最大入賞個数、賞球数)が規定されている。
【0608】
この小当たり開放テーブル202hは、小当たり当選時の遊技状態と、特別図柄の種類と、小当たり種別とに基づいて開放態様等が区分けされている。具体的には、「通常遊技状態A」において小当たりに当選した場合に参照される「通常遊技状態A」用と、「普図高確時間短縮状態」、「普図低確時間短縮状態」又は「通常遊技状態B」において小当たりに当選した場合に参照される「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態・通常遊技状態B」用とで、大入賞口開閉板65aの開放態様が規定されている。
【0609】
図19で示すように、小当たり開放テーブル202hの「通常遊技状態A」用において、小当たり種別「小当たりA」に当選した場合には、可動装置としての可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aが1のラウンド中に6回開放され、OP時間が「10秒」に設定され、IT時間が「1.2秒」に設定され、ED時間が「5秒」に設定される。また、1の開放の最大開放秒数が「0.1秒」に設定され、1のラウンドの最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、小当たり種別「小当たりA」の小当たり遊技終了後は、特定領域65dを球が通過していないため、「通常遊技状態A」に移行する。
【0610】
次いで、小当たり開放テーブル202hの「通常遊技状態A」用において、小当たり種別「時短B」又は「時短C」に当選した場合には、可動装置としての可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aが1のラウンド中に6回開放され、OP時間が「10秒」に設定され、IT時間が「1.2秒」に設定される。また、1の開放の最大開放秒数が「0.1秒」に設定され、1のラウンドの最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、小当たり種別「時短B」又は「時短C」の小当たり遊技終了後は、特定領域65dを球が通過したことに基づいて大当たり遊技(4ラウンド又は6ラウンド)へと移行する。なお、小当たり種別「時短B」又は「時短C」の当選時に特定領域65dを球が通過した場合、小当たり遊技としてのエンディング時間へは移行せず、大当たり遊技のオープニング時間(「10秒」(
図18参照))へ移行する。このため、小当たり種別「時短B」又は「時短C」の当選時に特定領域65dを球が通過した場合のED時間は設定されない。
【0611】
次いで、小当たり開放テーブル202hの「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態・通常遊技状態B」用において、小当たり種別「小当たりA」に当選した場合には、可動装置としての可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aが1のラウンド中に6回開放され、OP時間が「5秒」に設定され、IT時間が「1.2秒」に設定され、ED時間が「5秒」に設定される。また、1の開放の最大開放秒数が「0.1秒」に設定され、1のラウンドの最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、小当たり種別「小当たりA」の小当たり遊技終了後は、特定領域65dを球が通過していないため、小当たり当選時の遊技状態に戻る。
【0612】
次いで、小当たり開放テーブル202hの「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態・通常遊技状態B」用において、小当たり種別「時短B」又は「時短C」に当選した場合には、可動装置としての可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aが1のラウンド中に6回開放され、OP時間が「5秒」に設定され、IT時間が「1.2秒」に設定される。また、1の開放の最大開放秒数が「0.1秒」に設定され、1のラウンドの最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、小当たり種別「時短B」又は「時短C」の小当たり遊技終了後は、特定領域65dを球が通過したことに基づいて大当たり遊技(4ラウンド又は6ラウンド)へと移行する。
【0613】
次いで、小当たり開放テーブル202hの「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態・通常遊技状態B」用において、小当たり種別「小当たりB」に当選した場合には、可動装置としての可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aが1のラウンド中に10回開放され、OP時間が「5秒」に設定され、IT時間が「1.2秒」に設定され、ED時間が「5秒」に設定される。また、1の開放の最大開放秒数が「0.1秒」に設定され、1のラウンドの最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、小当たり種別「小当たりB」の小当たり遊技終了後は、特定領域65dを球が通過していないため、小当たり当選時の遊技状態に移行する。
【0614】
次いで、小当たり開放テーブル202hの「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態・通常遊技状態B」用において、小当たり種別「時短D」に当選した場合には、可動装置としての可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aが1のラウンド中に10回開放され、OP時間が「5秒」に設定され、IT時間が「1.2秒」に設定される。また、1の開放の最大開放秒数が「0.1秒」に設定され、1のラウンドの最大入賞個数が「10個」に設定され、1の入賞に基づく賞球の払い出す数が「10個」に設定される。そして、小当たり種別「時短D」の小当たり遊技終了後は、特定領域65dを球が通過したことに基づいて大当たり遊技(9ラウンド)へと移行する。
【0615】
このように、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の動的表示で小当たりに当選した場合(即ち、小当り種別「小当たりA」、「時短B」又は「時短C」に当選した場合)の大入賞口開閉板65aの開放回数(即ち「6回」)は、第2特別図柄の動的表示で小当たりに当選した場合(即ち、小当り種別「小当たりB」又は「時短D」に当選した場合)の大入賞口開閉板65aの開放回数(即ち「10回」)よりも少なく構成されている。
【0616】
ここで、上述したように、「通常遊技状態A」の救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の左打ち遊技方法による遊技の方が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。
【0617】
この救済優先報知期間における特
図1小当たり当選時には、該小当たりのオープニング時間において、大当たり優先報知演出よりも右打ち遊技を強く示唆せず、大当たりを発生させることを強調しない右打ち報知演出(即ち、救済優先報知演出)が行われるように構成されている(
図89(d)参照)。そして、小当たり遊技中において球を特定領域65dに通過させない場合、遊技者は球の発射を一時中断し、該小当たり遊技が終了するのを待つことになる。よって、特
図1小当たり当選時の開放時間が長時間に設定されていると、その分、球の発射を中断する期間も長くなってしまい、遊技者にストレスを与えかねず、また、パチンコ機10の稼働低下につながるおそれがある。
【0618】
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、特
図1小当たりの当選時において、右打ち遊技を実行することで特定領域65dに球を通過可能な期間であって、かつ、特
図1小当たりの当選時に右打ち遊技を行わない場合にも、球の発射を中断する期間が長くなりすぎないように構成されている。
【0619】
また、「通常遊技状態A」の大当たり優先報知期間(
図28参照)において特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法による遊技の方が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。そして、大当たり優先報知期間における特
図1小当たり当選時には、該小当たりのオープニング時間において、第1通知態様として、右打ち遊技を強く示唆して大当たり発生を強調させる右打ち報知演出が行われるように構成されている(
図89(b)参照)。
【0620】
即ち、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、遊技者は、小当たり当選時の右打ち遊技方法をすべきか、小当たり当選時の左打ち遊技方法をすべきかを、右打ち報知演出の行われるOP時間において判断することになる。
【0621】
ここで、仮に、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時のOP時間が短く(例えば、「3秒」)設定されている場合、たとえ各期間(大当たり優先期間又は救済優先報知期間)の右打ち報知演出が異なっていたとしても、遊技者は該右打ち報知演出の差異、又は、各報知演出の示唆内容を認識しきれず、誤った打ち方の判断をしてしまう可能性がある。また、該OP時間が短いことによって、小当たり当選時の右打ち遊技方法と、小当たり当選時の左打ち遊技方法との、いずれの打ち方をすべきかを遊技者が判断しきれないおそれがある。
【0622】
このため、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時のOP時間を長めに設定(即ち「10秒」)することで、遊技者は該OP時間において実行される右打ち報知演出を確認し、小当たり遊技中における右打ち遊技の要否を判断することができる。
【0623】
また、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合以外の小当たり当選時(即ち、「通常遊技状態A」における小当たり種別「小当たりB」若しくは「時短D」当選時、又は、「普図高確時間短縮状態」、「普図低確時間短縮状態」若しくは「通常遊技状態B」における小当たり種別「小当たりA」、「時短B」、「時短C」、「小当たりB」若しくは「時短D」当選時)には、該小当たり遊技中に球を特定領域65dに通過させて大当たりを発生させた方が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されており、該小当たりOP時間における右打ち報知も1の演出のみが実行されるため、該小当たり当選時のOP時間は一律「5秒」に設定されている。
【0624】
ここで、
図20~
図22を参照して、各特別図柄での小当たり当選に基づく大入賞口ソレノイド65bによる大入賞口開閉板65aの開閉態様、大入賞口スイッチ65cにおける球の検出態様、特定領域ソレノイド65fによる特定領域開閉板65eの開閉態様、特定領域スイッチ65gにおける球の検出態様、及び、該特定領域スイッチ65gへの球の検出に基づく大当たりフラグ203p(
図5参照)の設定態様等を説明する。
図20は、第1特別図柄の動的表示において小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選した場合における大入賞口ソレノイド65b及び特定領域ソレノイド65fの駆動パターンと、大入賞口スイッチ65c及び特定領域スイッチ65gの検知態様と、大当たりフラグ203pの設定態様とを示しており、特定領域65dに球を通過させた場合のタイミングチャートである。また、
図21は、第1特別図柄の動的表示において小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選した場合における大入賞口ソレノイド65b及び特定領域ソレノイド65fの駆動パターンと、大入賞口スイッチ65c及び特定領域スイッチ65gの検知態様と、大当たりフラグ203pの設定態様とを示しており、特定領域65dに球を通過させなかった場合のタイミングチャートである。さらに、
図22は、第2特別図柄の動的表示において小当たり種別「時短D(小当たりB)」に当選した場合における大入賞口ソレノイド65b及び特定領域ソレノイド65fの駆動パターンと、大入賞口スイッチ65c及び特定領域スイッチ65gの検知態様と、大当たりフラグ203pの設定態様とを示しており、特定領域65dに球を通過させた場合のタイミングチャートである。
【0625】
図20で示すように、「通常遊技状態A」において、第1特別図柄の動的表示が小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選した場合、OP時間が「10秒」に設定される。そして、小当たり遊技として1のラウンド中に6回、「0.1秒」間、大入賞口ソレノイド65bがオンされて、該オンに伴って大入賞口開閉板65aが閉鎖状態から開放状態へと変位する。そして、大入賞口開閉板65aの開放中に、右打ち遊技で発射された球が可変入賞装置65内へと流入し、大入賞口スイッチ65cによって検知される。
【0626】
第1特別図柄の動的表示において小当たりに当選した場合、特定領域ソレノイド65fは、大入賞口ソレノイド65bのオンが開始された直後にオンされて特定領域開閉板65eが閉鎖状態から開放状態へと変位する。そして、特定領域ソレノイド65fがオンされて特定領域65dへ球が流入可能となった状態の後も大入賞口ソレノイド65bが複数回(第1実施形態では、6回)オンされて大入賞口開閉板65aが開放されるため、可変入賞装置65内に流入した球が特定領域65d側へと流下する。そして、特定領域65dへと流下した球が特定領域スイッチ65gによって検知された場合、該検知に伴って大当たりフラグ203pがオンに設定され、付与利益としての小当たり遊技状態から大当たり遊技状態へと移行する。
【0627】
次いで、
図21で示すように、「通常遊技状態A」において、第1特別図柄の動的表示が小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選した場合であって、特定領域65dに球を通過させない場合、OP時間、大入賞口ソレノイド65b、特定領域ソレノイド65fのオンされるタイミングは
図20と同様となる。そして、大入賞口開閉板65aの開放中に右打ち遊技を実行しない場合、可変入賞装置65内に球が流入せず、大入賞口スイッチ65c及び特定領域スイッチ65gによって検知されないため、大当たりフラグ203pがオフのままとなり、更新状態としての大当たり遊技状態へは移行せずに小当たり当選時の遊技状態へ戻る。
【0628】
次いで、
図22で示すように、「時間短縮状態」において、第2特別図柄の動的表示が小当たり種別「時短D(小当たりB)」に当選した場合、OP時間が「5秒」に設定される。そして、小当たり遊技として1のラウンド中に10回、「0.1秒」間、大入賞口ソレノイド65bがオンされて、該オンに伴って大入賞口開閉板65aが閉鎖状態から開放状態へと変位する。そして、大入賞口開閉板65aの開放中に、右打ち遊技で発射された球が可変入賞装置65内へと流入し、大入賞口スイッチ65cによって検知される。
【0629】
この第2特別図柄の動的表示において小当たりに当選した場合、特定領域ソレノイド65fは、大入賞口ソレノイド65bのオンが開始された直後にオンされて特定領域開閉板65eが閉鎖状態から開放状態へと変位する。そして、特定領域ソレノイド65fがオンされて特定領域65dへ球が流入可能となった状態の後も大入賞口ソレノイド65bが複数回(第1実施形態では、10回)オンされて大入賞口開閉板65aが開放されるため、可変入賞装置65内に流入した球が特定領域65d側へと流下する。そして、特定領域65dへと流下した球が特定領域スイッチ65gによって検知された場合、該検知に伴って大当たりフラグ203pがオンに設定される。
【0630】
次に、
図23(a)から
図23(c)を参照して、普図当たり乱数テーブル202i、普図変動テーブル202j及び普通電役開放テーブル202kの詳細について説明する。まず、
図23(a)は、ROM202に記憶される普図当たり乱数テーブル202iの一例を模式的に示した模式図である。
【0631】
上述したように、普図当たり乱数テーブル202iは、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」又は「普図低確時間短縮状態」である普通図柄の低確率状態(「普図高確時間短縮状態」ではない期間(特別図柄の大当たり中を含む))の場合に使用される「普通図柄低確率状態」用と、パチンコ機10の遊技状態が、「普通図柄低確率状態」より普通図柄が当たりとなる確率の高い状態である「普図高確時間短縮状態」の場合に使用される「普通図柄高確率状態」用との2種類に分けられる。そして、「普通図柄低確率状態」用と「普通図柄高確率状態」用とのそれぞれに含まれる当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、「普通図柄低確率状態」と「普通図柄高確率状態」とで当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、「普通図柄低確率状態」と「普通図柄高確率状態」とで、普通図柄の可変表示において当たりとなる確率が変更される。
【0632】
図23(a)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、「普通図柄低確率状態」の場合に当たりとなる普図当たりカウンタC4の値の数は70個で、その値「30~99」が、普図当たり乱数テーブル202iに規定(設定)されている。つまり、「普通図柄低確率状態」(即ち、「通常遊技状態」又は「普図低確時間短縮状態」)における普通図柄の当たり確率は、70/100となり、普通図柄の可変表示において当たりが導出され易いように設定されている。
【0633】
一方で、「普通図柄高確率状態」の場合に当たりとなる普図当たりカウンタC4の値の数は99個で、その値「1~99」が、普図当たり乱数テーブル202iに規定(設定)されている。つまり、「普通図柄高確率状態」(即ち、「普図高確時間短縮状態」)における普通図柄の当たり確率は、99/100となり、普通図柄の可変表示においてほぼ当たりが導出されるように設定されている。
【0634】
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の当否確率を変更することで、普通電役72が開放し易い状況か、該開放し易い状況より開放し難い状況か否かの違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を球が通過した場合に、普通電役72が開放し易い状況であることによって第2始動口71へ入賞し得る状況か、普通電役72が開放し易い状況より開放難い状況であることで球が第2始動口71へ入賞し難い状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
【0635】
特に、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態」では、「普通図柄低確率状態」となり、普通図柄の可変表示時間も長く、また、普通電役72が開放し難く、さらに、開放した場合でも普通電役72が短時間しか開放しないため、仮に右打ち遊技で球が発射された場合でも「普通図柄高確率状態」より第2始動口71へ入賞し難くなるように構成されている。また、第1始動口64には普通電役72のような入賞を補助する装置が備え付けられておらず、さらに、左打ち遊技で発射された球の流下領域にスルーゲート67が配置されていないため、左打ち遊技により発射された球が時短機能によって第1始動口64へ入賞し易くなる構成ではない。よって、換言すれば、「通常遊技状態」では、右打ち遊技されたとしても、その右打ちされた球は、第2始動口71へ入賞し難く、また、左打ち遊技で発射された球も、時短機能を使わずに第1始動口64へ入賞させなければならず、第1特別図柄の動的表示を実行させるために自力で第1始動口64へ入賞させるように構成されている。なお、「通常遊技状態」において、普通図柄の可変表示時間や普通電役72の開放パターンを複数種類設けておくことで、「通常遊技状態」において遊技者が第2始動口71へ入賞可能なタイミングを把握させ難く構成して、第2始動口71への入賞を困難に構成するとより好適である。また、「通常遊技状態」において、右打ち遊技された場合に、スルーゲート67への球の通過を起因してエラー報知するように構成することで、遊技者および遊技場の従業員に対して奨励されていない遊技態様であることを示唆することで、遊技者に右打ち遊技での遊技を抑制させてもよい。
【0636】
次いで、
図23(b)を参照して、普通図柄の可変表示時間を決定するための普図変動テーブル202jの詳細について説明する。
図23(b)は、ROM202に記憶される普図変動テーブル202jの一例を模式的に示した模式図である。
【0637】
普図変動テーブル202jは、「通常遊技状態」で参照される「通常遊技状態」用と、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」で参照される「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態」用との2種類に分けられる。そして、「通常遊技状態」用と「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態」用とで設定される普通図柄の可変表示時間が異なって設定されている。このように、各遊技状態で普通図柄の可変表示時間を異ならせることにより、各遊技状態で普通図柄の当否結果が導出される時間が変更される。
【0638】
図23(b)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「15秒」となるように普図変動テーブル202jで規定されている。つまり、「通常遊技状態」において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「15秒」となるように設定されている。
【0639】
また、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」の場合に設定される普通図柄の可変表示時間は「0.1秒」となるように普図変動テーブル202jで規定されている。つまり、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」において普通図柄の可変表示が開始されてから停止図柄が導出されるまでの時間は、もれなく「0.1秒」となるように設定されている。
【0640】
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の可変表示時間を変更することで、スルーゲート67を球が通過してから、普通電役72が開放されるまでの期間を変更することができる。その結果、球がスルーゲート67を通過した場合に、該スルーゲート67の通過に起因する可変表示で当たりとなり、該当たりに基づいて普通電役72が開放されて、スルーゲート67を通過した球がそのまま第2始動口71へ流入し得るか否かを遊技状態によって異ならせることができる。よって、普通図柄の可変表示時間を遊技状態毎に変更することで、1の球のスルーゲート67及び第2始動口71への入賞態様を異ならせることができ、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
【0641】
特に、右打ち遊技が奨励される遊技状態のうち、「普図高確時間短縮状態」では、普通図柄の可変表示時間が短く、当たりに当選し易く、かつ、普通電役72の開放時間も長時間となるため、普通電役72の上面を球が転動している間に普通電役72が開放(没入)状態となって、右打ち遊技により発射された球が第2始動口71へと入賞し得るように構成されている。換言すれば、「普図高確時間短縮状態」で右打ちされた球は、第2始動口71へ入賞し易く、可変入賞装置65へ入賞し難いように構成されている。
【0642】
また、右打ち遊技が奨励される遊技状態のうち、「普図低確時間短縮状態」では、「普図高確時間短縮状態」よりも当たりに当選し難いものの、普通図柄の可変表示時間が短く、かつ、普通電役72の開放時間も長時間となるため、右打ち遊技により発射された球が第2始動口71へと入賞し得るように構成されている。換言すれば、「普図低確時間短縮状態」で右打ちされた球は、第2始動口71へ入賞し易く、可変入賞装置65へ入賞し難いように構成されている。
【0643】
次いで、
図23(c)を参照して、普通電役開放テーブル202kについて説明する。
図23(c)は、ROM202に記憶される普通電役開放テーブル202kの一例を模式的に示した模式図である。普通電役開放テーブル202kは、普通図柄の当たり時に参照され、普通図柄の当たりが発生したタイミングにおける遊技状態に基づいて、普通電役72の開放(没入)時間および開放回数が規定されている。
【0644】
普通電役開放テーブル202kは、普通図柄が抽選された遊技状態に基づいてグループ毎に区分けされている。具体的には、「通常遊技状態」で参照される「通常遊技状態」用と、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」で参照される「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態」用とで、普通電役72の開放態様(開放時間)が変更される。
【0645】
図23(c)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」において、普通図柄に当選した場合に設定される普通電役72の開放回数は1回であり、その開放時間は「0.1秒」となるように普通電役開放テーブル202kで規定されている。つまり、「通常遊技状態」において普通図柄に当選した場合には、普通電役72は、「0.1秒」×1回=「0.1秒」の間、開放されるように設定されている。
【0646】
また、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」において、普通図柄に当選した場合に設定される普通電役72の開放時間は「5.8秒」、かつ、開放回数が1回となるように普通電役開放テーブル202kで規定されている。つまり「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」において普通図柄に当選した場合には、普通電役72は、「5.8秒」×1回=「5.8秒」の間、開放されるように構成される。
【0647】
これにより、遊技状態に応じて普通電役72の開放態様を変更することで、普通電役72が開放している期間の長短の違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を球が通過した場合に、普通電役72が開放している期間が長いことによって第2始動口71へ入賞し易い状況か、普通電役72が開放している状況が短いことによって球が第2始動口71へ入賞し難い状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
【0648】
特に、右打ち遊技が奨励される遊技状態のうち、「普図高確時間短縮状態」においては、普通図柄の高確率状態となり、可変表示時間が短時間で、普通電役72の開放期間が長くなって、右打ち遊技により発射された球が第2始動口71へと入賞し易いように構成されている。
【0649】
また、右打ち遊技が奨励される遊技状態のうち、「普図低確時間短縮状態」においては、普通図柄の低確率状態であるものの、可変表示時間が短時間で、普通電役72の開放期間が長くなって、右打ち遊技により発射された球が第2始動口71へと入賞し易いように構成されている。
【0650】
よって、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」で右打ちされた球は、第2始動口71へ入賞し易く、第2特別図柄の動的表示の保留球数が溜まり易いため、変動短縮機能が作動し易く、第2特別図柄の動的表示が効率良く実行され易いように構成されている。
【0651】
このように、特別図柄の高確率状態又は低確率状態と、普通図柄の高確率状態又は低確率状態と、可変表示時間及び普通電役72の開放時間の長時間又は短時間と、をそれぞれ組み合わせた各遊技状態を設けることで、各遊技状態に遊技性を変化させ、バリエーションが豊富な遊技を提供することができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0652】
なお、普通図柄の可変表示の当たり確率や可変表示の可変表示時間は、上記実施形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。具体的には、「通常遊技状態」等より「普図高確時間短縮状態」等の方が普通図柄に当選し易い確率であれば如何様な割合でもよく、例えば、「通常遊技状態」における普通図柄の当たり確率を1/100程度として当たり難くなるように構成してもよいし、「普図高確時間短縮状態」における普通図柄の当たり確率を50/100=1/2程度としてもよいし、普通図柄の低確率状態において当たりに当選しないように構成してもよい。また、「通常遊技状態」より「普図高確時間短縮状態」等の方が可変表示時間が短ければ如何様な時間でもよく、例えば、「通常遊技状態」における普通図柄の可変表示時間を「30秒」以上の長い時間(例えば、「100秒」)としてもよいし、「10秒」未満の短い時間(例えば、「1秒」)としてもよい。
【0653】
また、普通電役72の開放時間や開放回数も、上記実施形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。具体的には、普通電役72の開放時間として、「通常遊技状態」等より「普図高確時間短縮状態」等の方が遊技者にとって有利な開放時間であれば如何様な開放時間でもよく、例えば、「通常遊技状態」等における普通電役72の開放時間を「0.1秒」以上(例えば、「1秒」)に設定してもよいし、開放回数を「1回」以上(例えば、「3回」)に設定してもよい。また、「普図高確時間短縮状態」等における普通電役72の開放時間を「5.8秒」以上の長い時間(例えば、「10秒」)としてもよいし、「5.8秒」未満の短い時間(例えば、「1秒」)としてもよい。さらに、「普図高確時間短縮状態」等における普通電役72の開放回数を「1回」以上の多い回数(例えば、「5回」)としてもよい。
【0654】
次に、
図24を参照して、時短終了条件テーブル202mについて説明する。
図24は、ROM202に記憶される時短終了条件テーブル202mの一例を模式的に示した模式図である。時短終了条件テーブル202mは、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示において当選した大当たり遊技の終了時(遊技状態移行時)又は救済条件成立時に参照され、該大当たりに当選した時点での遊技状態に応じて付与される「時短機能」の終了条件が各遊技状態ごとにそれぞれ規定されている。
【0655】
第1実施形態の時短終了条件テーブル202mは、遊技状態ごとに区分けされている。具体的には、「通常遊技状態」で大当たりに当選した場合に参照される「通常遊技状態A」用と、「普図高確時間短縮状態」、「普図低確時間短縮状態」又は「通常遊技状態B」で大当たりに当選した場合に参照される「普図高確時間短縮状態・普図低確時間短縮状態・通常遊技状態B」用と、救済条件成立時に参照される「救済条件成立時」用とで、「時短機能」の終了条件が設定される。
【0656】
第1実施形態の「時短機能」は、いずれかの特別図柄において大当たり遊技が導出されるか、或いは、以下に示す複数の時短終了条件のうち、いずれか1の条件が成立することによって終了するように構成されている。具体的な時短終了条件としては、大当たり終了後の第1特別図柄の動的表示の実行回数を示す「特
図1時短回数」と、大当たり終了後の第2特別図柄の動的表示の実行回数を示す「特
図2時短回数」と、大当たり終了後の第1特別図柄および第2特別図柄の動的表示の合計実行回数を示す「合計時短回数」と、が規定されている。
【0657】
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、「時短機能」が有効となる「普図低確時間短縮状態」又は「普図高確時間短縮状態」においては右打ち遊技が推奨されており、該右打ち遊技による第2始動口71への入賞によって第2特別図柄の動的表示が実行され易いため、「特
図2時短回数」に基づく時短終了条件が成立し易いように構成されている。
【0658】
図24で示すように、「通常遊技状態A」において小当たり種別「時短B」又は「時短C」が実行された場合、「特
図1時短回数」は「7回」、「特
図2時短回数」は「1回」、「合計時短回数」は「8回」に設定される。
【0659】
次いで、「普図高確時間短縮状態」、「普図低確時間短縮状態」又は「通常遊技状態B」において大当たり種別「時短A」、又は、小当たり種別「時短D」が実行された場合、「特
図1時短回数」は「7回」、「特
図2時短回数」は「5回」、「合計時短回数」は「12回」に設定される。なお、本実施形態における「普図高確時間短縮状態」及び「普図低確時間短縮状態」においては、右打ち遊技が推奨されており、第1始動口64へ入賞し難いため、第1特別図柄の動的表示に基づく小当たり種別「時短B」又は「時短C」は当選し難くなるように構成されている。
【0660】
また、「通常遊技状態」において更新終了状態である救済条件成立回数(第1実施形態では「800回」)に達した場合に、付与利益である「普図低確時間短縮状態」として、「特
図1時短回数」は「100回」、「特
図2時短回数」は「100回」、「合計時短回数」は「100回」に設定される。
【0661】
このように、「通常遊技状態(主に「通常遊技状態A」)」において小当たり種別「時短B」又は「時短C」に当選した場合の時短終了条件(特
図2時短回数が「1回」)を、「普図低確時間短縮状態」移行時における時短終了条件(特
図2時短回数が「100回」)よりも少なく設定することで、「通常遊技状態A」における制御判定結果としての特
図1小当たり当選時に、1ラウンド目の小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して利益付与条件として特定領域65dに球を通過させて付与価値としての大当たり遊技を発生させ、「普図高確時間短縮状態A」に移行させた場合と、更新終了状態としての救済条件成立回数に達して付与利益としての「普図低確時間短縮状態」に移行させた場合と、の2の事象を比較した場合に、後者である救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行させた場合の方が遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成することができる。
【0662】
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、
図6に図示したカウンタ用バッファ203c等のほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0663】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(
図39参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(
図37参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(
図59参照)が即座に実行される。
【0664】
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、各入賞口63,64,65,71に入賞した球や、スルーゲート67を通過した球、アウト口66を通って球排出路へ案内された球をそれぞれ検出するためのスイッチ(例えば、大入賞口スイッチ65c等)を含むスイッチ群並びにセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源投入時の立ち上げモードを設定するための設定キー501、「設定変更モード」時に押下操作されることにより確率設定値を更新するための設定変更スイッチ502、RAM203に記憶されているデータを消去するためのRAM消去スイッチ503、MPU201からの駆動・制御信号に基づいて、ベース表示装置401の表示制御を行うベース表示装置制御回路402が接続される。
【0665】
また、入出力ポート205の出力側には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、特別図柄表示装置37、普通図柄表示装置83、普通図柄保留ランプ84、可変入賞装置65の大入賞口開閉板65aの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大入賞口ソレノイド65bや、普通電役72の出没板72aを駆動するための普通電役ソレノイド(図示せず)、その他ソレノイド209が接続されている。MPU201は、各種スイッチ208,502,503から出力される信号や、設定キー501の状態に基づいて各種処理を実行するとともに、各種処理の実行結果の1つとしてベース表示装置401の表示内容等を設定する。
【0666】
利益付与制御としての払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
【0667】
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(
図59参照)が即座に実行される。
【0668】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0669】
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるように球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
【0670】
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や、後述する小当たり当選時の右打ち報知演出、「保留変化予告」といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
【0671】
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
【0672】
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。第1実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成され、音声ランプ制御装置113から主制御装置110へコマンド送信ができないように構成されている。一方、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、互いにコマンドの送受信が可能に構成されている。
【0673】
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、更新終了状態として遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御すると共に、表示制御装置114へ枠ボタン22の押下に基づいた表示を第3図柄表示装置81に表示させるように指示する。
【0674】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出や後述する小当たり当選時の右打ち報知演出の表示、「保留変化予告」の表示制御を実行するものである。なお、この表示制御装置114の詳細については、
図29を、小当たり当選時の右打ち報知演出の表示内容の詳細については、
図70及び
図89を、それぞれ参照して後述する。
【0675】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
【0676】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(
図59参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
【0677】
ベース表示装置401は、主制御装置110内に設けられ且つ入出力ポート205と接続されたベース表示装置制御回路402に接続される。ベース表示装置制御回路402は、MPU201からの駆動・制御信号に基づいて、ベース表示装置401の各7セグメント表示器(
図2参照)を駆動・制御して、ベース値に関する各種表示を行うものである。
【0678】
ベース値とは、大当たり状態、時間短縮状態を除く通常時において、100発の球に対して払い出される(賞球される)球の数(割合)である。第1実施形態のパチンコ機10では、遊技領域から球排出路へ案内されたアウト球の数(即ち、遊技領域に打ち出された球の数、換言すれば、遊技で使用された球の数。以下「総アウト個数」と称す。)が60000個となる毎に、その60000個の球に対するベース値を計測し、保存する。
【0679】
そして、ベース表示装置401には、総アウト個数が60000個に到達するまでの期間中リアルタイムに計測しているベース値(以下「リアルタイムベース値」と称す)と、前回(直近で)総アウト個数が60000個に達したときに計測されたベース値とに加え、前回よりも1つ前に(前々回)総アウト個数が60000個に達したときに計測されたベース値と、前々回よりも1つ前に(前々々回)総アウト個数が60000個に達したときに計測されたベース値とが、所定期間(本実施形態では5秒)毎に切り替えて表示される。リアルタイムベース値以外に過去複数回分のベース値も表示することで、不正行為があったか否かの判断をより正確に行えるようになり、また、その不正行為があった時期もある程度予測可能とすることができる。
【0680】
ここで、
図25を参照して、音声ランプ制御装置113の詳細な電気的構成について説明する。
図25は、主に音声ランプ制御装置113の電気的構成を示すブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、MPU221にて実行される各種制御プログラムの他、固定値データとして、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、小当たり種別テーブル222c、停止パターンテーブル222d、変動パターンテーブル222e、損益分岐回数テーブル222fが少なくとも格納されている。これらのテーブル222a~222eは、いずれも主制御装置110のROM202に設けられた大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、小当たり種別テーブル202c、停止パターンテーブル202e、変動パターンテーブル202fと同じものである。
【0681】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタCK、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、小当たり種別テーブル222c、停止パターンテーブル222dおよび変動パターンテーブル222eとに基づいて、先読み処理を実行可能に構成されている。
【0682】
そして、この先読み処理によって、その先読み処理の対象となった保留中の変動演出が、結果としてどのような演出となるか(大当たりとなるか否か、「リーチ表示」となるか否か等)をその変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、コクピット表示領域Db(
図4参照)に表示される保留図柄の表示態様を変化させる「保留変化予告」の演出内容(及び実行時期(タイミング))を決定したりする制御を実行する。
【0683】
RAM223には、特
図1変動開始フラグ223a、特
図2変動開始フラグ223b、サブ第1保留球数カウンタ223c、サブ第2保留球数カウンタ223d、第1保留情報格納エリア223e、第2保留情報格納エリア223f、実行情報格納エリア223g、サブ救済カウンタ223i、サブ救済設定済みフラグ223j、損益分岐回数格納エリア223kが少なくとも設けられている。
【0684】
特
図1変動開始フラグ223aは、オン状態で第1特別図柄の変動演出を開始すべきことを示すフラグである。この特
図1変動開始フラグ223aは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された特
図1停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(
図63のS1235参照)。そして、第1特別図柄の変動演出の設定がなされるときにオフされる(
図66のS1302参照)。
【0685】
そして、第1実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のMPU221は、この特
図1変動開始フラグ223aがオンされたことを契機として、待機中の第1特別図柄の変動演出が存在する場合に、該待機中の第1特別図柄の変動演出を実行させるための第1特別図柄の変動演出の設定処理(
図66のS1306~S1308参照)を行う。
【0686】
特
図2変動開始フラグ223bは、オン状態で第2特別図柄の変動演出を開始すべきことを示すフラグである。この特
図2変動開始フラグ223bは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された特
図2停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(
図64のS1255参照)。そして、第2特別図柄の変動演出の設定がなされるときにオフされる(
図66のS1310参照)。
【0687】
そして、第1実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113のMPU221は、この特
図2変動開始フラグ223bがオンされたことを契機として、待機中の第2特別図柄の変動演出が存在する場合に、該待機中の第2特別図柄の変動演出を実行させるための第2特別図柄の変動演出の設定処理(
図66のS1314~S1316参照)を行う。
【0688】
サブ第1保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同様に、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)で実行され得る第1特別図柄の変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
【0689】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンド(保留球数コマンド)に基づいて保留球数を格納・更新し、サブ第1保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を管理するようになっている。
【0690】
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1始動口64への入球によって第1特別図柄の変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において第1保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される第1保留球数コマンドを受信すると、その第1保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄の変動演出の保留球数)をサブ第1保留球数カウンタ223cに格納する(
図62のS1207参照)。
【0691】
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において第1保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される第1特別図柄の変動演出に対応する特
図1変動パターンコマンド及び特
図1停止種別コマンドを受信し、それらの受信に伴って第1特別図柄の変動演出の態様を設定する場合に、サブ第1保留球数カウンタ223cの値を1減算(更新)する(
図66のS1305参照)。このように、第1保留球数カウンタ203aの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ第1保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同期させながら、サブ第1保留球数カウンタ223cの値を更新することができる。
【0692】
サブ第2保留球数カウンタ223dは、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同様に、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)で実行され得る第2特別図柄の変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている第2特別図柄の変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
【0693】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第2保留球数カウンタ203bの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数を格納・更新し、サブ第2保留球数カウンタ223dにて、その保留球数を管理するようになっている。
【0694】
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第2始動口71への入球によって第2特別図柄の変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において第2保留球数カウンタ203bの値が加算された場合に主制御装置110より送信される第2保留球数コマンドを受信すると、その第2保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された第2特別図柄の変動演出の保留球数)をサブ第2保留球数カウンタ223dに格納する(
図62のS1211参照)。
【0695】
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において第2保留球数カウンタ203bの値が減算される場合に主制御装置110から送信される第2特別図柄の変動演出に対応する特
図2変動パターンコマンド及び特
図2停止種別コマンドを受信し、それらの受信に伴って第2特別図柄の変動演出の態様を設定する場合に、サブ第2保留球数カウンタ223dの値を1減算(更新)する(
図66のS1313参照)。このように、第2保留球数カウンタ203bの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ第2保留球数カウンタ223dの値を更新するので、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同期させながら、サブ第2保留球数カウンタ223dの値を更新することができる。
【0696】
サブ第1保留球数カウンタ223c又はサブ第2保留球数カウンタ223dの値は、各特別図柄の変動演出が奨励される遊技状態において、第3図柄表示装置81における保留図柄及び実行図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数をサブ第1保留球数カウンタ223c又はサブ第2保留球数カウンタ223dに格納したり(
図62のS1207又はS1211参照)、特
図1変動パターンコマンド及び特
図1停止種別コマンド、又は、特
図2変動パターンコマンド及び特
図2停止種別コマンドの受信に応じて、サブ第1保留球数カウンタ223c又はサブ第2保留球数カウンタ223dの値を更新したりするタイミングで(
図66のS1305又はS1313参照)、遊技状態に応じて奨励される特別図柄に対応する格納後もしくは更新後のサブ第1保留球数カウンタ223c及びサブ第2保留球数カウンタ223dの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用第1保留球数コマンド又は表示用第2保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
【0697】
表示制御装置114では、この表示用第1保留球数コマンド又は表示用第2保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223c及びサブ第2保留球数カウンタ223dの値分の保留図柄と、実行中の変動演出を示す実行図柄とを第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(
図4(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。
【0698】
上述したように、サブ第1保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更され、また、サブ第2保留球数カウンタ223dは、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(
図4(b)参照)に表示される保留図柄の数も、奨励される特別図柄に関する主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、遊技状態に応じて奨励される特別図柄の変動演出が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
【0699】
第1保留情報格納エリア223eは、保留されている第1特別図柄の変動演出等を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、第1保留球数コマンドによって送信された第1特別図柄の変動演出に関する大当たり乱数カウンタC1小当たり種別カウンタCK、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を格納するためのエリアである。
【0700】
音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223eに格納された各カウンタC1,C3,CK,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a~222eとを用いて、第1特別図柄の変動演出を実行するように構成されている。
【0701】
第2保留情報格納エリア223fは、保留されている第2特別図柄の変動演出等を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、第2保留球数コマンドによって送信された第2別図柄の変動演出に関する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタCK、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を格納するためのエリアである。
【0702】
音声ランプ制御装置113は、第2保留情報格納エリア223fに格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a~222dとを用いて、第2特別図柄の変動演出を実行するように構成されている。
【0703】
実行情報格納エリア223gは、少なくとも特別図柄表示装置37で実行され、遊技状態に応じて第3図柄表示装置81で実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得され、第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドによって送信された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、小当たり種別カウンタCK、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を格納するためのエリアである。
【0704】
音声ランプ制御装置113のMPU221は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の設定等を実行するために、上述した第1保留情報格納エリア223eの第1保留情報格納第1エリア又は第2保留情報格納エリア223fの第2保留情報格納第1エリアに記憶されている変動演出を行うための情報(カウンタC1~C3,CK,CS1等の各値)を、この実行情報格納エリア223gへシフトする。
【0705】
サブ救済カウンタ223iは、主制御装置110内の救済カウンタ203rと同様に、特別図柄の低確率状態における該特別図柄の動的表示の実行回数を計数するためのカウンタである。
【0706】
このサブ救済カウンタ223iは音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理におけるRAMの初期値設定処理及び当たり処理の開始時において「0」が設定される(
図60のS1010及び
図69のS1403参照)。そして、主制御装置110から送信される救済カウンタコマンドの受信時に、該当情報をサブ救済カウンタ223iに格納する(
図65のS1280参照)。
【0707】
第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり当選時のサブ救済カウンタ223iの値と、後述する損益分岐回数格納エリア223kに格納された値とを比較して、大当たり優先報知期間又は救済優先報知期間のうち、いずれの報知期間に属しているのかを判断し、該小当たり当選時のOP時間において行う右打ち報知演出の内容を決定する。
【0708】
サブ救済設定済みフラグ223jは、主制御装置110内の救済設定済みフラグ203sと同様に、大当たり遊技後、特別図柄の動的表示が救済条件成立回数に1度達したか否かを判別するためのフラグである。
【0709】
このサブ救済設定済みフラグ223jは音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理におけるRAMの初期値設定処理及び当たり処理の開始時においてオフに設定される(
図60のS1010及び
図69のS1404参照)。そして、主制御装置110から送信される救済設定済みコマンドの受信時に、サブ救済設定済みフラグ223jをオンに設定する(
図65のS1278参照)。
【0710】
第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に行う小当たり当選時右打ち報知演出処理(
図70参照)において、このサブ救済設定済みフラグ223jを判別して右打ち報知演出の内容を決定する。
【0711】
例えば、サブ救済設定済みフラグ223jがオンである場合、前回の大当たり(又は、電源投入時のRAM203初期化処理)から一度救済条件成立回数に達しており、「普図低確時間短縮状態」に移行し得ない遊技状態であり、この場合は小当たり当選時の右打ち遊技方法を選択した方が獲得可能な出玉の期待値が高くなるため、右打ち報知演出において、右打ち遊技を強く示唆して大当たり発生を強調させる演出を行うように構成されている(
図89(b)参照)。
【0712】
損益分岐回数格納エリア223kは、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に行う右打ち報知演出の内容を決定するための1の判別条件であり、大当たり優先報知期間と救済優先報知期間との境目となる特別図柄の動的表示の回転数が格納されるエリア(記憶領域)である。
【0713】
この損益分岐回数格納エリア223kは、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理におけるRAMの初期値設定処理において、損益分岐回数(第1実施形態では、「543回」がセットされる(
図60のS1021参照)。
【0714】
第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合にこの損益分岐回数格納エリア223kが参照され(
図70のS1505参照)、サブ救済カウンタ223iに格納された値と比較して、該小当たりの右打ち報知演出において実行される右打ち報知演出のコマンドが設定される(
図70のS1506又はS1509参照)。
【0715】
ここで、
図27を参照して、「通常遊技状態A」において、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」の当選時に大当たりさせた場合、及び、該小当たり遊技で大当たりさせずに「通常遊技状態A」に戻り、救済条件成立回数まで特別図柄の動的表示を実行させた場合、の各状態別の期待獲得球数について説明する。
図27は、「通常遊技状態A」において小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選した場合に、該小当たり当選時に右打ち遊技を行って大当たりを発生させた場合の平均獲得球数と、該小当たり当選時に右打ち遊技を行わず、「通常遊技状態A」に戻って再び特別図柄の動的表示を実行させ、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行させた場合の平均獲得球数と、について、小当たり当選時の回転数別に2の平均獲得球数の差異をまとめた表である。
【0716】
第1実施形態のパチンコ機10では、
図27の表から算出される所定時期としての損益分岐回数に基づいて、後述する損益分岐回数テーブル222f(
図28参照)が設定されている。そして、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に損益分岐回数テーブル222fを参照し、損益分岐回数と小当たり当選時の回転数と、を比較し、該小当たり当選時のOP時間において行う右打ち報知演出の内容を決定する。
【0717】
図27のNo.1のケースに示すように、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選し、該小当たり当選時の回転数(サブ救済カウンタ223iの値)が「500回転」の場合、該小当たり遊技において右打ち遊技を行い、特定領域65dに球を通過させて大当たりさせた場合の連荘終了までに遊技者が獲得し得る平均獲得球数は約4000発(この場合における平均獲得球数を「α」とする)となる。
【0718】
ここでの連荘終了とは、「通常遊技状態A」における小当たり種別「時短B」又は「時短C」当選時に右打ち遊技を開始して大当たり状態に移行させてから、「普図高確時間短縮状態(普図高確時間短縮状態A及び普図高確時間短縮状態B)」及び「通常遊技状態B」を経由して、再び「通常遊技状態A」に戻る事象を意味する(
図11参照)。
【0719】
一方、該小当たり当選時において右打ち遊技を行わずに大当たりを発生させなかった場合、救済条件成立回数が「800回転」であって、該小当たり当選時の回転数が「500回転」であるから、救済条件成立回数までの残りの回転数は「300回転」となる。
【0720】
また、第1実施形態のパチンコ機10では、左打ち遊技で発射された球が第1始動口64へ1分間に約6個程度(所謂、S1=6)入賞するように構成されているため、左打ち遊技を継続した場合に、救済条件成立回数に達するまで(即ち、残りの「300回転」を実行するまで)に要する時間は約50分となる(
図27における「救済条件成立回数までの「時間(分)」」欄)。よって、約50分の左打ち遊技で発射した球数は約5000発となり、第1実施形態のパチンコ機10における「通常遊技状態」のベース値は「30」となるように構成されているため、この間に賞球として払い出された球数は約1500発となる。つまり、約50分(約5000発の球の発射時)の左打ち遊技によって消費した球数は約3500発となる(
図27における「救済条件成立回数までの「使用球数」」欄)。
【0721】
また、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行した場合、連荘終了までに遊技者が獲得し得る平均獲得球数は約7000発となる(
図27における「救済条件成立時の平均獲得球数」欄)。
【0722】
ここで、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選してから、該小当たりで大当たりを発生させずに救済条件成立回数に達するまでに消費した球数は約3500発であるから、該特
図1小当たり当選時から、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行した場合の平均獲得球数は、「救済条件成立時の平均獲得球数(7000)-救済条件成立回数までの使用球数(3500)」から、約3500発(この場合における平均獲得球数を「β」とする)となる(
図27における「小当たりA当選時から連荘終了までの「平均獲得球数(β)」」欄)。なお、該特
図1小当たり当選時から、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行させ、連荘が終了するまでの時間は約70分となる(
図27における「小当たりA当選時から連荘終了までの「平均消化時間(分)」」欄)。
【0723】
従って、No.1のケースにおける小当たり当選時の右打ち遊技方法による平均獲得球数は約4000発(α)であって、小当たり当選時の左打ち遊技方法による平均獲得球数は約3500発(β)であるから、2の平均獲得球数の差分(α―β)は約500発となる(
図27における「差分(α-β)」欄)。
【0724】
即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の低確率状態における回転数が「500回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約500発多くなるように構成されている。
【0725】
同様に、No.2のケースにおいては、特別図柄の低確率状態における回転数が「542回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約10発多くなるように構成されている。
【0726】
さらに、No.3のケースにおいては、特別図柄の低確率状態における回転数が「543回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約2発少なくなるように構成されている。
【0727】
また、No.4のケースにおいては、特別図柄の低確率状態における回転数が「600回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約667発少なくなるように構成されている。
【0728】
このように、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が542回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【0729】
一方、小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が543回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【0730】
よって、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数である「543回転」を所定時期である損益分岐回数として、後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図28参照)。
【0731】
次に、
図28を参照して、損益分岐回数テーブル222fについて説明する。
図28は、音声ランプ制御装置113のROM222に記憶される損益分岐回数テーブル222fの一例を模式的に示した模式図である。上述したように、損益分岐回数テーブル222fは、
図27の各状態別の期待獲得球数表に基づいて設定されている。音声ランプ制御装置113は、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の実行回数と、損益分岐回数テーブル222fに規定された損益分岐回数とを比較して、該小当たり遊技のOP時間において実行する右打ち報知演出の内容を決定する。
【0732】
図28に示すように、第1実施形態の損益分岐回数テーブル222fは、所定時期としての損益分岐回数が「543回転」、大当たり優先報知期間が「0~542回転」、特定時期としての救済優先報知期間が「543~800回転」に設定されている。
【0733】
従って、特別図柄の低確率状態における回転数が「0~542回転」、即ち、大当たり優先報知期間において制御判定結果としての特
図1小当たりに当選した場合は、第1通知態様として大当たり優先報知演出を行い(
図89(b)参照)、特別図柄の低確率状態における回転数が「543~800回転」、即ち、特定時期としての救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合は、第2通知態様として救済優先報知演出を行うように構成されている(
図89(d)参照)。
【0734】
ここで、従来のパチンコ機では、大当たり遊技を発生し得る小当たり種別に当選した場合(即ち、特定領域に球を通過可能な小当たり種別に当選した場合)には、該小当たり遊技中に球を発射して可変入賞装置に入賞させ、特定領域に球を通過させて大当たり遊技を発生させるべく、可変入賞装置に向けて球を発射させるように第3図柄表示装置等によって演出を実施するように構成されていた。
【0735】
しかしながら、このような従来のパチンコ機の場合、小当たり当選時の右打ち報知演出において1の報知演出が固定で実行されるのみであり、遊技のバリエーションが乏しく、また、遊技状態によっては、遊技者が獲得可能となる出玉の期待値が低下してしまうおそれがある。
【0736】
よって、第1実施形態のパチンコ機10のように構成することで、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり遊技のOP時間において実行される右打ち報知演出の内容を確認することで、小当たり当選時の右打ち遊技方法と、小当たり当選時の左打ち遊技方法と、のいずれの打ち方を選択した方が獲得し得る平均獲得球数が多くなるかを判別することができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0737】
次に、
図26を参照して、第1保留情報格納エリア223e、第2保留情報格納エリア223f及び実行情報格納エリア223gの詳細について説明する。
図26は、第1保留情報格納エリア223e、第2保留情報格納エリア223f及び実行情報格納エリア223gの構成を模式的に示す模式図である。
【0738】
第1保留情報格納エリア223eは、第1保留情報格納第1~第4エリアの4つのエリアを有している。各第1保留情報格納第1~第4エリアには、それぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223e1と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223e3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223e4と、小当たり種別カウンタCKの値が格納される小当たり種別カウンタ格納エリア223e5が少なくとも設けられている。
【0739】
また、第2保留情報格納エリア223fは、第1保留情報格納エリア223eと同様、第2保留情報格納第1~第4エリアの4つのエリアを有している。各第2保留情報格納第1~第4エリアには、それぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223f1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223f2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223f3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223f4と、小当たり種別カウンタCKの値が格納される小当たり種別カウンタ格納エリア223f5が少なくとも設けられている。
【0740】
さらに、実行情報格納エリア223gには、現在実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出に対応する大当たり乱数カウンタC1の値が格納される大当たり乱数カウンタ格納エリア223g1と、大当たり種別カウンタC2の値が格納される大当たり種別カウンタ格納エリア223g2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223g3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223g4と、小当たり種別カウンタCKの値が格納される小当たり種別カウンタ格納エリア223g5が少なくとも設けられている。
【0741】
具体的には、実行情報格納エリア223gが、現在実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出に対応するエリアである。さらに、第1保留情報格納エリア223eの第1保留情報格納第1エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第2エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第3エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第1保留情報格納第4エリアが、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された第1特別図柄の変動演出に対応するエリアである。
【0742】
また、第2保留情報格納エリア223fの第2保留情報格納第1エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第2エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第3エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアであり、第2保留情報格納第4エリアが、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された第2特別図柄の変動演出に対応するエリアである。
【0743】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より第1保留球数コマンドを受信すると、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、小当たり種別カウンタCK、変動種別カウンタCS1の各値を、第1保留球数コマンドより抽出する。そして、音声ランプ制御装置113は、抽出した各カウンタC1,C3,CK,CS1の値をそれぞれ、対応する第1保留情報格納第1~第4エリアのうち該第1保留球数コマンドに含まれる保留球数に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア223e1、停止パターン選択カウンタ格納エリア223e3、変動種別カウンタ格納エリア223e4、小当たり種別カウンタ格納エリア223e5に格納する。
【0744】
具体的には、第1保留球数コマンドに含まれる保留球数がX(1≦X≦4)であれば、その時点で保留されている第1特別図柄の変動演出の数はXであり、その第1保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1,C3,CK,CS1の値は、保留された第1特別図柄の変動演出のうち時間的にX番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応したものとなるので、第1保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223e1~223e5に対応するカウンタC1,C3,CK,CS1の値を格納する。このとき、主制御装置110では、第1保留球数コマンドに含めた各カウンタC1,C3,CK,CS1の値を第1保留球格納エリア203dの第1保留第Xエリアに格納する。つまり、主制御装置110の第1保留第Xエリアに格納された各カウンタC1,C3,CK,CS1と同じ値が、第1保留情報格納第Xエリアに格納されることになる。
【0745】
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より第2保留球数コマンドを受信すると、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、小当たり種別カウンタCK、変動種別カウンタCS1の各値を、第2保留球数コマンドより抽出する。そして、音声ランプ制御装置113は、抽出した各カウンタC1~C3,CK,CS1の値をそれぞれ、対応する第3保留情報格納第1~第4エリアのうち該第3保留球数コマンドに含まれる保留球数に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア223f1、大当たり種別カウンタ格納エリア223f2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223f3、変動種別カウンタ格納エリア223f4、小当たり種別カウンタ格納エリア223f5に格納する。
【0746】
具体的には、第2保留球数コマンドに含まれる保留球数がX(1≦Y≦4)であれば、その時点で保留されている第2特別図柄の変動演出の数はYであり、その第2保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1~C3,CK,CS1の値は、保留された第2特別図柄の変動演出のうち時間的にY番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応したものとなるので、第1保留情報格納第Yエリアの各カウンタ格納エリア223f1~223f5に対応するカウンタC1~C3,CK,CS1の値を格納する。このとき、主制御装置110では、第2保留球数コマンドに含めた各カウンタC1~C3,CK,CS1の値を第2保留球格納エリア203eの第2保留第Yエリアに格納する。つまり、主制御装置110の第2保留第Yエリアに格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1と同じ値が、第2留情報格納第Yエリアに格納されることになる。
【0747】
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より第1特別図柄の変動演出の開始を意味する特
図1変動パターンコマンドおよび特
図1停止種別コマンドを受信すると、第1保留情報格納エリア223eに格納された情報を、実行情報格納エリア223gに対してシフトする処理を実行する。つまり、第1特別図柄に関する保留情報が存在する場合は、時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された第1特別図柄の変動演出に対応する第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1~223e5に格納された各カウンタC1,C3,CK,CS1の値を、現在実行中の第1特別図柄の変動演出に対応する実行情報格納エリア223gの各格納エリア223g1~223g5に移動させる。
【0748】
そして、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1~223e5に格納された各カウンタC1,C3,CK,CS1の値を実行情報格納エリア223gの各格納エリア223g1~223g5に移動させた場合は、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1~223e5に格納された各カウンタC1,C3,CK,CS1の値を、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1~223e5に移動させ、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1~223e5に格納された各カウンタC1,C3,CK,CS1の値を、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1~223e5に移動させ、第1保留情報格納第4エリアの各格納エリア223e1~223e5に格納された各カウンタC1,C3,CK,CS1の値を、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1~223e5に移動させる。
【0749】
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より第2特別図柄の変動演出の開始を意味する特
図2変動パターンコマンドおよび特
図2停止種別コマンドを受信すると、第2保留情報格納エリア223fに格納された情報を、実行情報格納エリア223gに対してシフトする処理を実行する。つまり、第2特別図柄に関する保留情報が存在する場合は、時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された第2特別図柄の変動演出に対応する第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223f1~223f5に格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1の値を、現在実行中の第2特別図柄の変動演出に対応する実行情報格納エリア223gの各格納エリア223g1~223g5に移動させる。
【0750】
そして、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223f1~223f5に格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1の値を実行情報格納エリア223gの各格納エリア223g1~223g5に移動させた場合は、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223f1~223f5に格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1の値を、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223f1~223f5に移動させ、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223f1~223f5に格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1の値を、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223f1~223f5に移動させ、第2保留情報格納第4エリアの各格納エリア223f1~223f5に格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1の値を、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223f1~223f5に移動させる。
【0751】
これにより、実行情報格納エリア223gには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1と同じ値が格納されることになる。さらに、第1保留情報格納第1~第4エリア及び第2保留情報格納第1~第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1~第4エリア、及び、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1~第4エリアに格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて実行中および保留中の第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出に対応する各カウンタC1~C3,CK,CS1が、実行情報格納エリア223g並びに第1保留情報格納エリア223e及び第2保留情報格納エリア223fに格納される。
【0752】
音声ランプ制御装置113では、先読み処理(図示せず)を行う場合に、サブ第1保留球数カウンタ223c又はサブ第2保留球数カウンタ223dから保留されている第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の数(保留球数)を把握する。そして、その保留球数に基づき、第1保留情報格納第1~第4エリア又は第2保留情報格納第1~第4エリアのうち、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出が保留されているエリアに格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1の値を先読みし、その変動演出において大当たりとなるか否かや、変動時間等が判定される。例えば、サブ第1保留球数カウンタ223cの値が「1」であって、サブ第2保留球数カウンタ223dの値が「0」であれば、第1特別図柄の変動演出の保留球数が1回であって第2特別図柄の変動演出の保留球数が0回であるので、第1保留情報格納第1エリアについて、格納された各カウンタC1,C3,CK,CS1の値を先読みし、判定を行う。また、サブ第1保留球数カウンタ223cの値が「0」であって、サブ第2保留球数カウンタ223dの値が「4」であれば、第1特別図柄の変動演出の保留球数が0回であって第2特別図柄の変動演出の保留球数が4回であるので、第2保留情報格納第4エリアについて、格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1の値を先読みし、判定を行う。
【0753】
パチンコ機10は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成されており、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110のRAM203等にアクセスすることはできない。これに対し、音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223e及び第2保留情報格納エリア223fを設けて、主制御装置110にて保留された第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出に対応する各カウンタC1~C3,CK,CS1を音声ランプ制御装置113にも格納するので、この第1保留情報格納エリア223e及び第2保留情報格納エリア223fに格納された各カウンタC1~C3,CK,CS1を参照することで、先読み処理を音声ランプ制御装置113にて実行できるようになっている。即ち、保留された第1特別図柄又は/及び第2特別図柄の変動演出が実行された場合に、その変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定することができる。
【0754】
なお、第1保留情報格納エリア223e又は第2保留情報格納エリア223f、および、実行情報格納エリア223gにおける上述のシフト処理は、特
図1変動パターンコマンドおよび特
図1停止種別コマンド又は特
図2変動パターンコマンド及び特
図2停止種別コマンドを受信したときの保留球数(特
図1変動パターンコマンドおよび特
図1停止種別コマンド又は特
図2変動パターンコマンド及び特
図2停止種別コマンドの受信に基づく更新が行われる前のサブ第1保留球数カウンタ223c及びサブ第2保留球数カウンタ223dの値)に基づいて、第1保留情報格納第1~第4エリア又は第2保留情報格納第1~第4エリアのうち保留されている変動演出に対応するエリアについてのみデータの移動(シフト)を行う。
【0755】
例えば、特
図1変動パターンコマンドおよび特
図1停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ第1保留球数カウンタ223cの値が「4」であり、第1保留情報格納エリア223eの全エリア(第1保留情報格納第1~第4エリア)にデータが記憶されているとする。この場合、第1保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223gへシフトし、第1保留情報格納第2エリアのデータを第1保留情報格納第1エリアへシフトし、第1保留情報格納第3エリアのデータを第1保留情報格納第2エリアへシフトし、第1保留情報格納第4エリアのデータを第1保留情報格納第3エリアへシフトする。
【0756】
一方、特
図1変動パターンコマンドおよび特
図1停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ第1保留球数カウンタ223cの値が「2」であれば、第1保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223gへシフトし、第1保留情報格納第2エリアのデータを第1保留情報格納第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施形態では、変動演出が保留されていない第1保留情報格納第3,第4エリアについては、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
【0757】
なお、データの有無に関わらず、第1保留情報格納第1~第4エリア又は第2保留情報格納第1~第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリア(実行情報格納エリア223g又は第1保留情報格納第1~第3エリア若しくは第2保留情報格納第1~第3エリア)にそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留情報格納第1~第4エリア又は第2保留情報格納第1~第4エリアの各々のエリアについて、データが記憶(保留)されているか否かの判定を不用とするので、プログラムの作成を容易とすることができる。
【0758】
図25に戻って説明を続ける。RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。
【0759】
コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(
図62参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
【0760】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における特別図柄の変動演出や連続予告演出を制御するものである。
【0761】
第1実施形態のパチンコ機10では、遊技状態毎に第3図柄表示装置81で行われる変動演出の変動態様が異なるとともに、各遊技状態ごとに奨励される球の発射態様が遊技者に示されるように構成されている。具体的には、例えば、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態A」では、左打ち遊技を促す「左打ち」という文字表示が主表示領域Dmの左下領域に表示されつつ、アラビア数字で構成される各変動図柄が縦スクロールで変動すると共に、主表示領域Dmにおいて1の有効ラインのみ(所謂、シングルライン)を形成するように表示される。また、右打ち遊技が奨励される「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」では、右打ち遊技を促す主表示用右打ち指示89が主表示領域Dmの右上領域に表示されつつ、漢数字で構成される各変動図柄が縦スクロールで変動すると共に、主表示領域Dmにおいて1の有効ライン(所謂、シングルライン)を形成するように表示される。このように、各遊技状態において変動図柄の表示態様を明確に異ならせることで、遊技状態を遊技者に認識させ易くしつつ、奨励される遊技を行うために必要な遊技態様(発射態様)を認識し易くすることができる。
【0762】
次に、
図29を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。
図29は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、プログラムROM232と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
【0763】
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続されており、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113によって決定された第3図柄表示装置81の表示態様を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信する。入力ポート238の出力側には、バスライン240を介して、MPU231、プログラムROM232、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237が接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
【0764】
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
【0765】
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、プログラムROM232、ワークRAM233について説明する。
【0766】
まず、MPU231は、音声ランプ制御装置113から入力されたコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。
【0767】
キャラクタROM234は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)といった各スプライトの画像データを記憶したメモリであり、多くの画像データを格納するために、小さな面積で大きな記憶容量が得られ、かつ、安価なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。第1実施形態では、2ギガバイトのNAND型フラッシュメモリ234aが用いられる。これにより、第3図柄表示装置81に表示される数多くの画像を格納できるので、第3図柄表示装置81に表示される画像を多種多様化することができ、遊技の興趣を高めるように構成されている。
【0768】
なお、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データを書き込むことができない不良ブロックデータが発生する。そこで、キャラクタROM234には、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるようにデータアドレスの変換を実行する公知の調停回路234b(例えば、特開2006-223598号を参照)を設けている。この調停回路234bにより、キャラクタROM234内部で、NAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
【0769】
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(
図36参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(第1実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
【0770】
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して遊技条件としての垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称する)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(
図72(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる表示処理を実行する。
【0771】
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
【0772】
画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されており、画像コントローラ237による画像の描画で必要となる画像データが、描画前に予めMPU231によりキャラクタROM234から読み出され、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に転送される。このとき、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するか(さらに、どのアドレスに格納するか)は、MPU231が、プログラムROM232に格納されたプログラム又はテーブルに基づき、画像の内容に応じて決定する。
【0773】
また、画像コントローラ237が画像を描画する場合、キャラクタROM234の画像データは使わず、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に格納された画像データを使用して、画像の描画処理を実行する。これにより、キャラクタROM234が読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されていても、画像コントローラ237は、予めキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて画像の描画を行うので、キャラクタROM234の読み出し速度の遅さに影響されることなく、画像の描画を即座に実行することができる。よって、所望の画像を所望の時間に第3図柄表示装置81へ表示させることができる。
【0774】
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するように構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐するように制御される。
【0775】
これにより、電源投入時の初期設定処理(メイン処理(
図71参照))の終了後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度が遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【0776】
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113又は表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
【0777】
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の(展開されていない)画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するように構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【0778】
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
【0779】
画像コントローラ237が画像を描画する場合に必要となる画像データが常駐用ビデオRAM235と通常用ビデオRAM236とのいずれに格納されているか(さらに、どのアドレスに格納されているか)は、MPU231がプログラムROM232に格納されたプログラム又はテーブルに基づき画像の内容に応じて判断し、画像コントローラ237に対して画像の描画を指示するときに、必要となる画像データの格納先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236のいずれに格納されているか、どのアドレスに格納されているか)を併せて指示する。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に基づいて、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236の所定のアドレスから必要な画像データを読み出す。これにより画像コントローラ237は、画像の描画に集中することができる。
【0780】
なお、画像コントローラ237が、MPU231から画像の描画の指示を受けたときに、描画に必要な画像の種別から、描画に必要となる画像のデータの格納先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236のいずれに格納されているか、どのアドレスに格納されているか)を判断するように構成してもよい。この場合、MPU231によってキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に画像データが格納されるときに、画像コントローラ237が、その格納される画像データによって表示される画像の種別(又は対応する画像データが格納されているキャラクタROM234のアドレス)と、その画像データの格納先とを、MPU231からの制御信号に基づいて判断し、画像コントローラ237に設けられたRAM(図示せず)に、画像の種別(又は対応する画像データが格納されているキャラクタROM234のアドレス)とその画像データの格納先とを対応付けて格納しておいてもよい。そして、そのRAMに記憶された情報に基づいて、画像コントローラ237が画像に必要となる画像データの格納先を判断してもよい。画像コントローラ237により、画像データの格納先を判断することによって、MPU231の処理負担の軽減を図ることができる。
【0781】
画像コントローラ237には、バッファRAM237aが設けられている。このバッファRAM237aは、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へのデータ転送用バッファメモリとして機能し、キャラクタROM234に設けられたNAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の記憶容量(例えば、132キロバイト)を持つスタティックRAM(Static RAM。以下、「SRAM」という。)によって構成され、MPU231から直接アクセス可能に構成されている。
【0782】
MPU231は、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像を転送する場合に、キャラクタROM234から1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236の未使用時を見計らって、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に転送する。
【0783】
仮に、バッファRAM237aを設けず、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ直接画像データを転送した場合、キャラクタROM234はNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているためにその読み出し速度が遅いので、所望サイズの画像データを転送する間、入出力ポートが1ポート(以下、「1ポート型」と称する場合がある)のダイナミックRAM(Dynamic RAM。以下、「DRAM」という。)で構成された常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236は、その1ポートをキャラクタROM234からの画像データ転送で占有されてしまい、長時間その他のデータアクセスを行えない状態となってしまう。これにより、その間、画像コントローラ237により、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行ったり、第3図柄表示装置81へ描画画像データを転送することができなくなり、第3図柄表示装置81の画像表示が滞ってしまうおそれがある。また、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236にマルチポート型(入出力ポートが複数設けられたタイプ)のDRAMを使用した場合であっても、画像コントローラ237において常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を使用した制御に制限がかかり、その制御が複雑になるおそれがある。
【0784】
これに対し、本パチンコ機10は、高速動作可能なSRAMによって構成されたバッファRAM237aを画像コントローラ237に設けているので、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。
【0785】
また、MPU231が転送指示が描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
【0786】
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
【0787】
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
【0788】
また、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である時間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
【0789】
常駐用ビデオRAM235は、上述したように、1ポート型のDRAMによって構成され、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることなく保持され続けるように用いられる。これにより、常駐用ビデオRAM235には、キャラクタROM234より転送された画像データが常駐される。この常駐用ビデオRAM235には、第3図柄表示装置81に表示される画像のうち、電源投入時に表示される画像に対応するデータや、頻繁に表示される画像に対応するデータ、及び、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)によって表示が決定された画像のうち即座に表示されるべき画像に対応するデータが、キャラクタROM234より転送され、常駐される。
【0790】
常駐用ビデオRAM235には、電源投入時主画像エリア235a、電源投入時変動画像エリア235b、背面画像エリア235c、第3図柄エリア235d、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235f、保留図柄エリア235g、コクピット画像エリア235h、副表示画像エリア235i、文字図柄エリア235jが少なくとも設けられている。
【0791】
電源投入時主画像エリア235aは、表示制御装置114が電源投入時の初期化処理を行っている間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像282(
図30参照)に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像282が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像283(
図30(b)及び
図30(c)参照)に対応する画像データを格納する領域である。
【0792】
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、先ず初めにキャラクタROM234から、電源投入時主画像282に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送すると共に、電源投入時変動画像283に対応する画像データを電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(
図71のS2002及びS2003参照)。
【0793】
ここで、
図30を参照して、電源投入時主画像282及び電源投入時変動画像283について説明する。
図30は、パチンコ機10の電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
【0794】
表示制御装置114は、電源投入直後に、先ずキャラクタROM234から電源投入時主画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送すると、電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時変動画像エリア235bへ転送する。そして、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて。
図30(a)に示す電源投入時主画像282を第3図柄表示装置81に表示させる。
【0795】
このとき、音声ランプ制御装置113から変動開始の指示コマンドである表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信すると、表示制御装置114は、
図30(b)に示すように、電源投入時主画像282の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時停止画像283aと、
図30(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時停止画像283bとを、変動演出の期間中、交互に繰り返して表示する。そして、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「大当たり表示」である場合は、
図30(b)に示す電源投入時停止画像283aを変動演出の停止後に一定期間表示し、「ハズレ表示」である場合は、
図30(c)に示す電源投入時停止画像283bを変動演出の停止後に一定時間表示する。
【0796】
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に対して全て転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いた電源投入時主画像282の描画を指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者や遊技場の関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像282を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像282を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者や遊技場の関係者は、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき残りの画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化処理が終了するまで待機することができる。
【0797】
また、パチンコ機10の製造時における動作チェックにおいても、電源投入時主画像282がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることを即座に確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
【0798】
さらに、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像283に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像283が描画され、
図30(b)及び
図30(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示がされる。よって、電源投入時変動画像283を用いて簡単な変動演出を行うことができる。従って、遊技者は、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
【0799】
また、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動画像283に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64への入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
【0800】
さらに、電源投入時主画像282及び電源投入時変動画像283に対応する画像データが、常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235a及び電源投入時変動画像エリア235bに格納されるので、瞬間的に停電が発生した場合に、常駐用ビデオRAM235に常駐されたデータが残っていれば、復電時に電源投入時主画像エリア235a及び電源投入時変動画像エリア235bに常駐された画像データを用いて、電源投入時主画像282や電源投入時変動画像283を即座に第3図柄表示装置81へ表示させることができる。
【0801】
図29に戻って説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、
図31及び
図32を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。
図31及び
図32は、3種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、
図31(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、
図31(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対して、
図32は、「島ステージ」に対応する背面Cに対してそれぞれ示したものである。
【0802】
各背面A~Cのうち、背面及びに対応する背面画像は、
図31に示すように、いずれも第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるように、画像の描画をおこなう。
【0803】
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称する。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
【0804】
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが変更されると、MPU231は、まず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるように画像コントローラ237を制御し、さらに、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmには、位置a~位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
【0805】
一方、
図32で示すように、背面Cにおける背面画像は、時間の経過とともに、
図32の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される。具体的には、背面Cは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
【0806】
遊技者による枠ボタン22の操作によりステージが「島ステージ」に変更されると、背面Cの初期背面画像として、
図32(a)に示す背面画像が表示される。この
図32(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、
図32(b)に示す背面画像が表示される。
図32(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、
図32(c)に示す背面画像が表示される。
図32(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、
図32(a)に示す背面画像に戻って、再び
図32(a)~(c)の背面画像が第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される。
【0807】
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、
図31(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
【0808】
一方、空ステージに対応する背面Bは、
図31(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。また、島ステージに対応する背面Cは、
図32(a)を含み、
図32(b)を除く
図32(a)~
図32(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
【0809】
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながる恐れがある。
【0810】
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲または
図32(a)~
図32(b)の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像または
図32(a)~
図32(b)の間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bおよび背面Cについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
【0811】
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させることができる。
【0812】
同様に、背面Cは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて
図32(a)~
図32(b)の画像を表示させている間に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送が完了できるように、
図32(a)~
図32(b)の範囲が設定されている。これにより、
図32(a)~
図32(b)の画像を表示させる間に
図32(b)~
図32(c)および
図32(c)~
図32(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて
図32(a)~
図32(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、
図32(b)~
図32(c)および
図32(c)~
図32(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させることができる。
【0813】
なお、背面B及び背面Cにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、後述する通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(
図29参照)に設けられた背面画像専用のサブエリア(図示せず)に格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
【0814】
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
【0815】
さらに、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmには、位置a~位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
【0816】
図29に戻って説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄及び「チャレンジ図柄」の文字が記載された1種類の主図柄、の計11種類の主図柄(
図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
【0817】
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄及び「チャレンジ図柄」の文字が記載された主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データの一部は、1の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10が更新状態としてのデモ状態にあることを容易に認識することができる。
【0818】
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐される。これにより、表示制御装置114は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。その結果、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
【0819】
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。そして、表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
【0820】
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
【0821】
保留図柄エリア235gは、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示される実行図柄及び保留図柄の初期設定(デフォルト設定)の表示態様に関するデータを常駐するためのエリアである。即ち、保留図柄エリア235gには、実行図柄及び保留図柄の初期設定(デフォルト設定)の表示態様である「白色」の「○」図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0又は保留図柄表示領域Db1~Db4において実行図柄及び保留図柄を表示する場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く実行図柄又は保留図柄を表示することができる。よって、第1入球口64への複数の入球が発生して、第1図柄表示装置37のLED37aにおいて保留図柄が表示されているにも関わらず、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbにおいて保留図柄(実行図柄)が表示されないような状態が発生することを抑制することができる。
【0822】
コクピット画像エリア235hは、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示されるコクピット画像に対応する画像データを常駐するための領域である。即ち、コクピット画像エリア235hには、コクピット表示領域Dbにおいて表示される実行図柄及び保留図柄以外のコクピット画像に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234からコクピット表示領域Dbに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早くコクピット表示領域Dbを表示することができる。よって、変動演出においてコクピット表示領域Dbを表示し続ける場合や、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素を実行した後にコクピット表示領域Dbを再表示する場合であっても、該コクピット画像エリア235hに記憶されるコクピット画像を読み出すことで、第3図柄表示装置81にコクピット表示領域Dbを即座に表示することができる。
【0823】
また、コクピット表示領域Dbは、主表示領域Dmの背面画像がスクロール表示された場合であっても、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素が実行されない限り、常時、第3図柄表示装置81の表示領域の一定の位置(表示領域下部)に固定的に表示されるように構成されている。よって、コクピット表示領域Dbは、特定の第3図柄や特定の背面画像より表示頻度が高い表示物である。従って、常駐用ビデオRAM235にコクピット表示領域Db用のコクピット画像エリア235hを設け、該コクピット画像エリア235hに格納されたコクピット画像に基づいて表示制御を行うように構成することで、NAND型フラッシュメモリ234aから直接読み込む場合と比べて、表示頻度が高いコクピット表示領域Dbの表示をスムースに行うことが可能となる。
【0824】
副表示画像エリア235iは、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示される各小領域Ds1~Ds3に対応する画像データを常駐するための領域である。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から副表示領域Dsに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く副表示領域Dsを表示することができる。よって、変動演出において副表示領域Dsを表示し続ける場合や、「リーチ表示」を実行した後に副表示領域Dsを再表示する場合であっても、該副表示画像エリア235iに記憶される副表示領域Dsに対応する画像データを読み出すことで、第3図柄表示装置81に副表示領域Dsを即座に表示することができる。
【0825】
また、副表示領域Dsは、コクピット表示領域Dbと同様、主表示領域Dmの背面画像がスクロール表示した場合であっても、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素が実行されない限り、常時、第3図柄表示装置81の表示領域の一定の位置(表示領域上部)に固定的に表示されるように構成されている。よって、副表示領域Dsは、コクピット表示領域Dbと同様、特定の第3図柄や特定の背面画像より表示頻度が高い表示物である。従って、常駐用ビデオRAM235に副表示領域Ds用の副表示画像エリア235iを設け、該副表示画像エリア235iに格納された副表示領域Dsに対応する画像データに基づいて表示制御を行うように構成することで、NAND型フラッシュメモリ234aから直接読み込む場合と比べて、表示頻度が高い副表示領域Dsの表示をスムースに行うことが可能となる。
【0826】
文字図柄エリア235jは、変動演出において「リーチ表示」が発生した場合に表示されるリーチ発生時文字表示Se1の初期設定(デフォルト設定)に対応する画像データを格納する領域である。即ち、文字表示Se1の通常の表示色である「白色」と、「弱パターン」の文字パターンとに関するデータがこの文字図柄エリア235jに格納される。上述したように、本パチンコ機10では、いずれかの「リーチ表示」が実行される場合に、該「リーチ表示」に対応した文字表示Se1を第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
【0827】
ここで、文字表示Se1の表示態様は、変動演出の開始時に各種カウンタ223g等によっていずれの表示態様にするか否かが決定され、該決定に基づいて変動演出において速やかに文字表示Se1を表示することが求められる。
【0828】
そこで、本パチンコ機10では、文字図柄エリア235jに、文字表示Se1の初期設定(デフォルト設定)に対応する画像データが予め常駐されている。よって、表示制御装置114は、受信した表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235の文字図柄エリア235jに予め常駐されている文字表示Se1に対応する画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて文字表示Se1を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から、逐次、文字表示Se1に対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、該文字図柄エリア235jに記憶される文字表示Se1に対応する画像データを読み出すことで、第3図柄表示装置81に文字表示Se1を即座に表示することができる。
【0829】
また、文字表示Se1の初期設定(デフォルト設定)は、最も現出頻度が高い表示態様である。よって、現出頻度の高い文字表示Se1を文字図柄エリア235jに格納することで、文字表示Se1に関する表示制御の処理負担を軽減させることができる。
【0830】
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられ、1ポート型のDRAMによって構成される。通常用ビデオRAM236には、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを用いて第3図柄表示装置81に表示させる画像を描画する場合に、予めキャラクタROM234から読み出されたその画像データを一時的に格納するためのものである。この通常用ビデオRAM236には、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
【0831】
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
【0832】
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
【0833】
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
【0834】
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
【0835】
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
【0836】
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に指定される。
【0837】
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【0838】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【0839】
プログラムROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、データテーブル格納エリア232aを少なくとも有している。
【0840】
データテーブル格納エリア232aは、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づき表示させる1の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した遊技情報としての表示データテーブル232a1と、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づく1の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載した追加データテーブル232a2と、表示データテーブル232a1により表示される1の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブル232a3と、が格納された領域である。
【0841】
表示データテーブル232a1は、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、再始動演出に対応する表示データテーブル232a1が用意されている。
【0842】
なお、デモ演出は、上述したように、1の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
【0843】
また、確定表示演出は、変動演出後に音声ランプ制御装置113を介して、主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄がハズレ図柄である場合は、「ハズレ表示」を強調する演出が行われ、停止図柄が大当たり種別「時短A」である場合は、「大当たり表示」が強調される演出が行われ、停止図柄が小当たり種別「小当たりA」、「時短B」、「時短C」、「小当たりB」又は「時短D」のいずれかである場合は、それぞれの「小当たり表示」が強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することで、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
【0844】
また、再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても主制御装置110(音声ランプ制御装置113)から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合に、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
【0845】
データテーブル格納エリア232aには、デモ演出、確定表示演出および再始動演出に対応する表示データテーブル232a1をそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブル232a1である変動用表示データテーブル232a1は、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
【0846】
さらに、変動用表示データテーブル232a1には、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、例えば、変動演出パターンが当たり用の変動演出パターンであった場合にハズレの停止図柄が主制御装置110(音声ランプ制御装置113)より指示された場合に用いられる、通常の変動演出とは明確に異なる変動演出であるデフォルト変動用の表示データテーブル232a1も用意されている。このデフォルト変動は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させ、確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄としてハズレを示す特殊停止図柄(例えば、左列から順に「9」「8」「7」と表示される図柄)を確定させるものである。
【0847】
音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、表示制御装置114では、主制御装置110において行われた抽選の結果を正しく反映させて変動演出や確定表示演出を行うことができないおそれがある。
【0848】
これに対し、本パチンコ機10では、このような場合はデフォルト変動演出が行われ、変動演出後に特殊なハズレを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における抽選の結果がハズレであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たり又は小当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。
【0849】
また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たり又は小当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は大当たり状態又は小当たり状態へ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。
【0850】
さらに、確定表示を特殊停止図柄とすることで、確定表示がハズレであっても、パチンコ機10が大当たり状態又は小当たり状態となっている可能性があることを遊技者に対して示唆することができるので、確定表示がハズレであるにも関わらず、パチンコ機10が大当たり状態又は小当たり状態となることで、遊技者に不安感を与えないようにすることができる。
【0851】
ここで、
図33を参照して、表示データテーブル232a1の詳細について説明する。
図33は、表示データテーブル232a1のうち、変動用表示データテーブル232a1の一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブル232a1は、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を事細かに規定したものである。
【0852】
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
【0853】
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
【0854】
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
【0855】
変動用表示データテーブル232a1では、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、1つのコクピット画像、11個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・)、リーチ発生時文字表示Se1などの文字図柄(文字図柄1,文字図柄2,・・・)といった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクト、キャラクタ、文字図柄に関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
【0856】
第1実施形態のパチンコ機10では、「リーチ表示」において現出する文字表示Se1は、初期設定(デフォルト設定)の表示態様として、文字表示Se1の表示色が「白色」であると共に、リーチ発生時文字表示Se1の文字パターンがそれぞれ「弱パターン」が表示されるように構成されている。よって、仮に、文字表示Se1のチャンスアップパターンに関する抽選処理が適切に行われなかった場合であっても、文字表示Se1を初期設定の表示態様で表示することができる。従って、文字表示Se1の抽選処理に関してエラー等が発生した場合であっても、文字表示Se1を表示することができる。また、文字表示Se1の初期設定の表示態様を、最も有利示唆度が低い「白色」の表示色、かつ、「弱パターン」の文字パターンで表示することで、ハズレの変動演出であっても大当たり期待度が過度に高まらないように構成することができる。このため、エラー等の発生により文字表示Se1の抽選処理が適切に行われなかった場合であっても、遊技者の期待を煽るような表示を現出しないように構成し、遊技者に不信感等を抱かせず快適な遊技を提供することができる。
【0857】
なお、文字表示Se1の初期設定の表示態様として、文字表示Se1を表示しないように構成してもよい。エラー等によって文字表示Se1の抽選処理が適切に行われない場合に、文字表示Se1を表示しないことで、遊技者の大当たりへの期待を過度に煽らず、遊技者に不信感等を抱かせず快適な遊技を提供することができる。
【0858】
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブル232a1では、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A~Cのいずれかを表示させるか、背面A~Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A~Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
【0859】
MPU231は、この背面種別によって、背面A~Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A~Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A~Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
【0860】
なお、本実施形態では、表示データテーブル232a1において、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
【0861】
また、位置情報は、この表示データテーブル232a1に基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示データテーブル232a1に基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
【0862】
さらに、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブル232a1に基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示データテーブル232a1に基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
【0863】
コクピット画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面下側中央に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブル232a1では、背面画像と同様、コクピット画像の種別を特定するための情報であるコクピット種別のみが規定されている。このコクピット種別は、変動演出においてコクピット表示領域Dbを表示し続けるか、或いは、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中においてコクピット表示領域Dbを消去するかを特定する情報が記載されている。
【0864】
MPU231は、このコクピット種別によって、コクピット表示領域Dbを表示させることが特定される場合は、コクピット表示領域Dbに対応するコクピット画像を描画対象として特定する。一方、コクピット種別によって、コクピット表示領域Dbを表示しない(消去する)ことが特定される場合は、コクピット表示領域Dbに対応するコクピット画像を描画対象としないことを特定する。
【0865】
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
【0866】
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
【0867】
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
【0868】
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
【0869】
変動用表示データテーブル232a1の先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、変動用表示データテーブル232a1の最終アドレス(
図35の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレス「02F0H」との間の各アドレスに対して、その変動用表示データテーブル232a1で規定すべき演出に対応させた描画内容が記載されている。
【0870】
MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブル232a1を選定して、データテーブル格納エリア232aから読み出して、後述するワークRAM233の表示データテーブルバッファ233bに格納すると共に、後述するポインタ233eを「0」に初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度に更新処理によってポインタ233eを1加算し、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1において、ポインタ233eが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する遊技情報としての描画リスト(
図36参照)を作成し、画像コントローラ237にその描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233eの更新に従って、表示データテーブル232a1で規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブル232a1で規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
【0871】
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113からコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
【0872】
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。
【0873】
これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【0874】
また、このように各演出に対応して表示データテーブル232a1を用意し、表示すべき演出に応じた表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定して、その設定された表示データテーブル232a1に従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。
【0875】
これに対し、パチンコ機10といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出に対応する表示データテーブル232a1を持たせることはできない。このように、各演出に対応して表示データテーブル232a1を用意し、表示すべき演出に応じた表示データテーブルバッファ233bを設定して、その設定された表示データテーブル232a1に従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
【0876】
次いで、
図34を参照して、追加データテーブル232a2の詳細について説明する。
図34は、追加データテーブル232a2の一例を模式的に示した模式図である。追加データテーブル232a2は、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づく1の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載したものである。ここで、「1の演出に追加」するとは、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づく1の演出の表示内容を変更することを意味し、例えば、1の演出において通常は表示されない画像を表示させて、その1の演出に別の演出を重ねて表示させたり、その1の演出における一部または全部の色調を変化させたり、1の演出において表示される画像を変更したりする概念を含むものである。
【0877】
即ち、追加データテーブル232a2は、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からのコマンドに基づき選定された表示データテーブル232a1によって表示される1の演出に対して、通常は表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容や、その1の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容、また、1の演出において初期設定(デフォルト設定)として表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものである。
【0878】
なお、本実施形態では、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からの変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)に基づき選定された変動用表示データテーブル232a1によって表示される変動演出の「リーチ表示」に対して、追加して表示される変化パターンを表示するための表示内容が、追加データテーブル232a2によって規定される場合について説明する。
【0879】
即ち、追加データテーブル232a2は、例えば、変動演出の「リーチ表示」における文字表示Se1の文字パターン等の変化パターンに対応して用意されており、具体的には、文字表示Se1の変化パターンに対応した複数の追加データテーブル232a2がデータテーブル格納エリア232aに格納されている。
【0880】
なお、第1実施形態のリーチ発生時文字表示Se1には、「弱パターン」と「強パターン」の2種類の表示態様が現出可能に構成されている。具体的には、リーチ発生時文字表示Se1の「弱パターン」が選択された場合には、「いくぜぇ!」という文字パターンが表示される。また、リーチ発生時文字表示Se1の「強パターン」が選択された場合には、「いけるぜぇ!」という「弱パターン」より楽観的な表現の文字パターンが表示される。
【0881】
また、リーチ発生時文字表示Se1は、表示される文字色(表示色)が変化可能に構成されている。具体的には、リーチ発生時文字表示Se1の通常の表示色として「白色」で文字が表示される。また、該通常の表示色より大当たり期待度が高いチャンスアップパターンの表示色として「赤色」で文字が表示される。
【0882】
この追加データテーブル232a2では、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)が事細かに規定されている。描画内容には、1フレーム分の画像に追加表示すべき表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
【0883】
例えば、
図34で示す追加データテーブル232a2の例では、表示データテーブル232a1において規定されるアドレス「01F4H」に対応付けて、1つのキャラクタ(キャラクタ1)及び1つの文字図柄(文字図柄1)に対して、それぞれのスプライト種別(キャラクタ種別,文字種別)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。一方、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスによって示される時間に、追加表示すべき表示物が存在しない場合は、追加データテーブル232a2では、そのアドレスに対応する追加すべき表示物が存在しないことを意味するNullデータが規定される(
図34のアドレス「0001H」が該当)。
【0884】
なお、追加データテーブル232a2の先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブル232a1と同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、追加データテーブル232a2の最終アドレス(
図34の例では、「02EFH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレス「02EFH」との間の各アドレスに対して、その追加データテーブル232a2で規定すべき演出に対応させた描画内容が記載されている。
【0885】
また、
図34で示す追加データテーブル232a2は、「ノーマルリーチのみ」の変動パターンである変動演出の変化パターンに対応したものを例示しており、「ノーマルリーチのみ」の変動演出の変動時間に対応した時間、即ち、15秒の変動時間に対応して設定されている。具体的には、「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時である変動開始後から10秒に対応するアドレスとして、「01F4H」が設定され、該「ノーマルリーチ」の変動要素の開始時に中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄の表示態様(例えば、髪の毛の色の変化等)と、該キャラクタ図柄から発せられるリーチ発生時文字表示Se1との変化パターン(例えば、文字パターン)とが設定されるように構成されている。
【0886】
MPU231は、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信すると、その表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドにより示される変動演出の変化パターンに応じた追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出して、後述するワークRAM233の追加データテーブルバッファ233cに格納する。そして、ポインタ233eの更新毎に、表示データテーブルバッファ233bに格納された1の表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された1又は複数の追加データテーブル232a2とから、ポインタ233eが示すアドレスに規定された描画内容を特定し、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(
図36参照)を作成する。なお、追加データテーブルバッファ233cに追加データテーブル232a2が格納されていない場合は、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1のみから描画リストが作成されるように構成されている。
【0887】
例えば、
図34の例では、ポインタ233eが「0001H」である場合、追加データテーブル232a2のアドレス「0001H」には、Nullデータが規定されているので、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブル232a1のアドレス「0001H」に規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。一方、ポインタ233eが「01F4H」となった場合に、MPU231は、表示データテーブル232a1のアドレス「01F4H」に規定された各種スプライトに、追加データテーブル232a2のアドレス「01F4H」に規定されたキャラクタ1,文字図柄1の各スプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。
【0888】
そして、画像コントローラ237にその描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233eの更新に従って、表示データテーブル232a1で規定された順に描画内容が特定されると共に、追加データテーブル232a2で規定された描画内容が追加されるので、その表示データテーブル232a1と追加データテーブル232a2とで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
【0889】
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113からのコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して他の演出画像(例えば、リーチ発生時文字表示Se1の「強パターン」画像)を表示させる場合に、その追加して表示させる他の演出画像に対応する追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定することで、容易にその演出画像をベースの演出画像に追加して表示させることができる。
【0890】
これにより、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が5種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に他の演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×5=160種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブル232a2として別に規定することで、32+5=37種類の表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2を用意すればよく、データテーブル格納エリア232aの容量増大を抑制することができる。よって、データテーブル格納エリア232aに用意された容量の中で多種態様な演出に対応したデータテーブル232a1,232a2を格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
【0891】
また、本パチンコ機10のように、追加して表示させる他の演出画像を追加データテーブル232a2として規定することによって、元の演出画像に対応する表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定した後に、追加して表示させる他の演出画像の表示を決定した場合であっても、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1を変更することなく、他の演出画像に対応する追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定するだけで、その追加して表示させる他の演出画像が元の演出画像に追加して容易に表示させることができる。
【0892】
さらに、追加データテーブル232a2は、表示データテーブル232a1と同様のデータ構造を有して構成されているので、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに設定された追加データテーブル232a2とから、時間毎にポインタ233eを更新しながらそのポインタ233eに示されるアドレスに規定された描画内容をそれぞれ容易に特定することができると共に、これらから1つのフレームに対応する1つの描画リストを容易に生成することができる。よって、主制御装置110からのコマンドに基づいて行われる演出に追加して、音声ランプ制御装置113などによってその他の演出の表示を決定した場合でもあっても、その追加して表示すべき演出の表示内容を追加データテーブル232a2で規定することによって、少ないデータテーブル232a1,232a2から多種多様な演出表示を容易に行うことができる。
【0893】
次いで、
図35を参照して、転送データテーブル232a3の詳細について説明する。
図35は、転送データテーブル232a3の一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブル232a3は、各演出毎に用意された表示データテーブル232a1に対応して用意されるものである。即ち、転送データテーブル232a3には、表示データテーブル232a1で規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
【0894】
なお、表示データテーブル232a1に規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3は用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア232aの容量増大を抑制することができる。
【0895】
転送データテーブル232a3は、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称する)の転送データ情報が記載されている(
図35のアドレス「0001H」及び「01F4H」が該当)。ここで、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブル232a3では、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
【0896】
一方、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、転送データテーブル232a3では、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(
図35のアドレス「0002H」が該当)。
【0897】
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
【0898】
なお、転送データテーブル232a3の先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブル232a1と同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブル232a3の最終アドレス(
図35の例では、「02EFH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレス「02EFH」との間の各アドレスに対して、その転送データテーブル232a3で規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
【0899】
MPU231は、音声ランプ制御装置113からコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブル232a1を選定すると、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3が存在する場合は、その転送データテーブル232a3をデータテーブル格納エリア232aから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233dに格納する。
【0900】
そして、ポインタ233eの更新毎に、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された追加データテーブル232a2とから、ポインタ233eが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(
図36参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3から、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
【0901】
例えば、
図35の例では、ポインタ233eが「0001H」や「01F4H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブル232a3の当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2に基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233eが「0002H」である場合、転送データテーブル232a3のアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
【0902】
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に設けられた画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
【0903】
ここで、上述したように、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブル232a3では、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。このため、この転送データテーブル232a3に規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブル232a1に基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
【0904】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送しておくことができるので、表示データテーブル232a1で指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブル232a3の記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
【0905】
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113からコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定するのに合わせて、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3が転送データテーブルバッファ233dに設定されるので、その表示データテーブル232a1で用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
【0906】
さらに、転送データテーブル232a3では、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへの画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、きめ細かく画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
【0907】
また、転送データテーブル232a3は、表示データテーブル232a1と同様のデータ構造を有し、表示データテーブル232a1において規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されている。よって、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1に基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【0908】
図29に戻って説明を続ける。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。このワークRAM233には、簡易画像表示フラグ233a、表示データテーブルバッファ233b、追加データテーブルバッファ233c、転送データテーブルバッファ233d、ポインタ233e、描画リストエリア233f、計時カウンタ233g、格納画像判別フラグ233h、描画対象バッファフラグ233i、文字パターンメモリ233j、赤文字フラグ233kを少なくとも有している。
【0909】
簡易画像表示フラグ233aは、第3図柄表示装置81に、
図30(a)~
図30(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像282および電源投入時変動画像283)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233aは、電源投入後にMPU231により実行されるメイン処理(
図71参照)の初期化処理の中で、電源投入時主画像282を第3図柄表示装置81に表示させるために、画像コントローラ237へ電源投入時主画像282の描画を指示するのに合わせて、オンに設定される(
図71のS2004参照)。そして、転送設定処理(
図85(a)参照)の常駐画像転送設定処理(
図85(b)参照)によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(
図85(b)のS2415参照)。
【0910】
この簡易画像表示フラグ233aは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(
図72(b)のS2021参照)、簡易画像表示フラグ233aがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(
図72(b)のS2028参照)および簡易表示設定処理(
図72(b)のS2029参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233aがオフである場合は、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(
図73~
図80参照)および表示設定処理(
図81~
図84参照)が実行される。
【0911】
また、簡易画像表示フラグ233aは、V割込処理(
図72(b)参照)の中でMPU231により実行される転送設定処理(
図85(a)参照)の中で参照される。この転送設定処理において、簡易画像表示フラグ233aがオンであると判定された場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(
図85(b)参照)を実行する一方、簡易画像表示フラグ233aがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(
図85参照)を実行する。
【0912】
表示データテーブルバッファ233bは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出に対応する1の表示データテーブル232a1を格納するためのバッファである。MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出を判断し、その演出に対応する表示データテーブル232a1をデータテーブル格納エリア232aから選定して、その選定された表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに格納する。
【0913】
そして、MPU231は、後述するポインタ233eを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1において、そのポインタ233eで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(
図36参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する演出が表示される。
【0914】
追加データテーブルバッファ233cは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1によって、第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出(文字表示Se1の表示色等の変化パターン)に対応する1又は複数の追加データテーブル232a2を格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに表示データテーブル232a1を格納するのに合わせて、一旦、追加データテーブルバッファ233cに追加して表示すべき表示物がないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
【0915】
その後、MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1によって、第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出の有無を判断する。そして、追加して表示させる演出が発生する毎に、その演出に対応する追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから選定して、その選定された追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに格納する。
【0916】
そして、MPU231は、後述するポインタ233eを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1において、そのポインタ233eで示されるアドレスに規定された描画内容と、追加データテーブルバッファ233cに格納された追加データテーブル232a2において、そのポインタ233eで示されるアドレスに規定された描画内容とに基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(
図36参照)を生成する。
【0917】
これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブル232a1に対応する演出に、追加データテーブル232a2に対応する演出が追加して表示される。また、追加データテーブルバッファ233cに追加データテーブル232a2が格納されなかった場合、追加データテーブルバッファ233cにはNullデータが格納されている。よって、第3図柄表示装置81には、表示データテーブル232a1に対応する演出がそのまま表示される。
【0918】
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10において、追加データテーブルバッファ233cには、複数(例えば、32)の追加データテーブル232a2を格納可能に構成されている。このため、追加したい演出が加わるごとにその演出に対応する追加データテーブル232a2を決定し、該追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに追加して格納するだけで、表示データテーブル232a1に対応する演出に、複数の追加データテーブル232a2に対応する複数の演出を追加して表示することができる。
【0919】
転送データテーブルバッファ233dは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3を格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに表示データテーブル232a1を格納するのに合わせて、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3をデータテーブル格納エリア232aから選定して、その選定された転送データテーブル232a3を転送データテーブルバッファ233dに格納する。
【0920】
なお、表示データテーブルバッファ233bに格納される表示データテーブル232a1において用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3が用意されていない。よって、MPU231は、転送データテーブルバッファ233dに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
【0921】
そして、MPU231は、後述するポインタ233eを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3において、そのポインタ233eで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(
図36参照)に、その転送データ情報を追加する。
【0922】
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブル232a3では、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブル232a3に規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
【0923】
また、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送しておくことができる。よって、表示データテーブル232a1で指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブル232a3の記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
【0924】
ポインタ233eは、表示データテーブルバッファ233b、追加データテーブルバッファ233c及び転送データテーブルバッファ233dの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル232a1、追加データテーブル232a2及び転送データテーブル232a3から、対応する描画内容若しくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。
【0925】
MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに表示データテーブル232a1が格納されるのに合わせて、ポインタ233eを一旦「0」に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理(
図72(b)参照)の表示設定処理(
図81参照)の中で、ポインタ更新処理(
図84参照)が実行され、ポインタ233eの値が1ずつ加算される。
【0926】
MPU231は、このようなポインタ233eの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに格納された追加データテーブル232a2とから、ポインタ233eが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(
図36参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3から、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データに関する転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
【0927】
これにより、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する演出が第3図柄表示装置81に表示されると共に、追加データテーブルバッファ233cに追加データテーブル232a2が格納されている場合は、格納されている追加データテーブル232a2に対応する演出が、表示データテーブル232a1に対応する演出に追加して第3図柄表示装置81へ表示させることができる。よって、表示データテーブルバッファ233bに格納する表示データテーブル232a1や、追加データテーブルバッファ233cに格納する追加データテーブル232a2を変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
【0928】
また、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3が格納されている場合は、その転送データテーブル232a3に基づいて、対応する表示データテーブル232a1によって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
【0929】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送しておくことができる。よって、表示データテーブル232a1で指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブル232a3の記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
【0930】
描画リストエリア233fは、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1、追加データテーブルバッファ233cに格納された追加データテーブル232a2、及び、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3に基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
【0931】
ここで、
図36を参照して、描画リストの詳細について説明する。
図36は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表である。
図36に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・),コクピット画像,実行図柄,保留図柄(保留図柄1,保留図柄2,・・・),文字図柄(文字図柄1,・・・),エラー図柄といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
【0932】
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているROM種別を示す情報(又はRAM種別を示す情報)と、そのアドレスとが記述されている。画像コントローラ237は、そのROM種別(又はRAM種別)およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれている。
【0933】
画像コントローラ237は、キャラクタROM234(又は各種ビデオRAM235,236)より読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、後述する描画対象バッファフラグ233iで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
【0934】
MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1および追加データテーブルバッファ233cに格納された追加データテーブル232a2において、ポインタ233eによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、実行図柄又は保留図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
【0935】
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納ROM種別(又はRAM種別)とアドレスとは、表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2に規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されるキャラクタROM234(又は常駐用ビデオRAM235若しくは通常用ビデオRAM236)が固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納ROM種別(又はRAM種別)とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
【0936】
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2に規定されるそれらの情報をそのままコピーする。なお、本実施形態において、背面画像およびコクピット画像には、その他の情報が設定されていない。
【0937】
さらに、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・)、コクピット画像、実行図柄、保留図柄(保留図柄1,保留図柄2,・・・)、文字図柄(文字図柄1,文字図柄2・・・)、エラー図柄の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
【0938】
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファ236b,236cにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
【0939】
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233dに格納された転送データテーブル232a3において、ポインタ233eによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。
【0940】
そして、画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
【0941】
図29に戻って説明を続ける。計時カウンタ233gは、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1により第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに1の表示データテーブル232a1を格納するのに合わせて、その表示データテーブル232a1に基づいて表示される演出の演出時間(変動演出時間)を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
【0942】
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(
図72(b)参照)の表示設定処理(
図81参照)が実行される度に、計時カウンタ233gが1ずつ減算される(
図81のS2309参照)。その結果、計時カウンタ233gの値が「0」以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1により表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
【0943】
格納画像判別フラグ233hは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
【0944】
この格納画像判別フラグ233hは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(
図71のS2001参照)によって生成される。ここで生成される格納画像判別フラグ233hは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
【0945】
そして、格納画像判別フラグ233hの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(
図86参照)の中で、1のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された1のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その1のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、1のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
【0946】
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像判別フラグ233hを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(
図87のS2454参照)。
【0947】
そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(
図87のS2455参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
【0948】
描画対象バッファフラグ233iは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称する)を指定するためのフラグである。MPU231は、描画対象バッファフラグ233iが「0」である場合は、描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、「1」である場合は、第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(
図88のS2502参照)。
【0949】
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
【0950】
描画対象バッファフラグ233iは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233iの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(
図72(b)参照)の描画処理が実行される度に行われる(
図88のS2502参照)。
【0951】
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【0952】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【0953】
文字パターンメモリ233jは、「リーチ表示」時に第3図柄表示装置81に表示されるリーチ発生時文字表示Se1において、「弱パターン」又は「強パターン」のいずれの文字パターンを表示するかを記憶するためのメモリである。MPU231は、この文字パターンメモリ233jの記憶内容に基づいて、リーチ発生時文字表示Se1における文字パターンを「弱パターン」にするか「強パターン」にするかを判断し、その判断内容に基づいてリーチ発生時文字表示Se1に表示する「弱パターン」又は「強パターン」を設定する。
【0954】
この文字パターンメモリ233jは、まず、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(
図71のS2001参照)によって初期化(即ち、0クリア)される。そして、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113からリーチ発生時文字表示Se1の文字パターンに関するコマンドを受信した場合に、それらのコマンドに応じた内容が設定される(
図79のS2192参照)。
【0955】
具体的には、例えば、表示用弱パターンコマンドを受信した場合には、リーチ発生時文字表示Se1として「弱パターン」を示すデータが文字パターンメモリ233jに設定される。また、表示用強パターンコマンドを受信した場合には、リーチ発生時文字表示Se1として「強パターン」を示すデータが文字パターンメモリ233jに設定される。
【0956】
このように、MPU231は、音声ランプ制御装置113から、表示用弱パターンコマンド、表示用強パターンコマンド(以下、表示用弱パターンコマンド、表示用強パターンコマンドを総称して「パターン系コマンド」という場合がある)を受信した場合に、受信したパターン系コマンドに基づいて文字パターンメモリ233jを設定する。一方、MPU231は、変動演出が終了する場合、即ち、音声ランプ制御装置113から表示用確定コマンドを受信した場合に、表示設定処理(
図81参照)において、後述する赤文字フラグ233k等と共に該文字パターンメモリ233jを0クリア(オフ)する(
図81のS2314参照)。
【0957】
MPU231は、文字パターンメモリ233jにパターン系コマンドの内容が設定された場合に、該文字パターンメモリ233jの記憶内容に対応した文字パターン用追加データテーブル232a2を決定し、該文字パターン用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)する(
図79の2196参照)。そして、MPU231は、上述したように、表示データテーブルバッファ233bに設定(格納)された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)された文字パターン用追加データテーブル232a2とに基づいて描画リストを作成する。
【0958】
これにより、上記文字パターン用追加データテーブル232a2が追加データテーブルバッファ233cに設定されることで、変動演出におけるリーチ発生時文字表示Se1の文字パターンが、表示データテーブル232a1によって規定された当初の内容から変更(例えば、リーチ発生時文字表示Se1が「弱パターン」から「強パターン」)されて表示される。よって、追加データテーブルバッファ233cに文字パターン用追加データテーブル232a2を格納するだけで、第3図柄表示装置81に表示させるリーチ発生時文字表示Se1の文字パターンを容易に変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
【0959】
第1実施形態において、文字パターンメモリ233jにおいて、文字表示Se1の初期設定(デフォルト設定)の文字パターン、即ち、リーチ発生時文字表示Se1に関して「弱パターン」の文字パターンが設定された場合であっても、該文字パターンに基づいて文字パターン用追加データテーブル232a2を選定して追加データテーブルバッファ233cに格納するように構成されている。このように構成することで、文字表示Se1の表示態様が初期設定か否かを確認する処理が不要となり、処理の共通化を図り、プログラムの設計時における工数を削減することができる。
【0960】
なお、上記構成に代えて、文字パターンメモリ233jに設定されている内容が初期設定(デフォルト設定)である場合には、追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに格納しようないように構成してもよい。このように構成した場合には、初期設定か否かを判別する処理が必要になる一方、余分な追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに格納しなくて済むので、表示制御に関する処理負担を軽減することができる。
【0961】
赤文字フラグ233kは、「リーチ表示」時に第3図柄表示装置81に表示される文字表示Se1の表示色を「赤色」に設定するためのフラグである。MPU231は、この赤文字フラグ233kの設定内容に基づいて、文字表示Se1の表示色を「赤色」に設定する。
【0962】
この赤文字フラグ233kは、まず、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(
図71のS2001参照)によって初期化(即ち、オフ)される。そして、MPU231は、音声ランプ制御装置113から表示用赤文字コマンドを受信した場合に、この赤文字フラグ233kをオンに設定する(
図79のS2194参照)。一方、MPU231は、変動演出が終了する場合、即ち、音声ランプ制御装置113から表示用確定コマンドを受信した場合に、表示設定処理(
図81参照)において、文字パターンメモリ233j等と共に該赤文字フラグ233kをオフ(0クリア)する(
図81のS2314参照)。
【0963】
MPU231は、赤文字フラグ233kがオンに設定された場合に、該赤文字フラグ233kのオンに対応した文字色用追加データテーブル232a2を決定し、該文字色用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)する(
図79のS2196参照)。そして、MPU231は、上述したように、表示データテーブルバッファ233bに設定(格納)された表示データテーブル232a1と、追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)された文字色用追加データテーブル232a2とに基づいて描画リストを作成する。
【0964】
なお、この文字パターン用追加データテーブル232a2と、文字色用追加データテーブル232a2とが共に追加データテーブルバッファ233cに設定(格納)されている場合は、該文字パターン用追加データテーブル232a2と、文字色用追加データテーブル232a2とに基づいて、描画リストが作成される。
【0965】
これにより、上記赤文字フラグ233kに基づく文字色用追加データテーブル232a2が設定されることで、変動演出における文字表示Se1の表示色が、文字パターンの如何に関わらず、表示データテーブル232a1によって規定された当初の内容(「白色」)から「赤色」に変更されて表示される。よって、赤文字フラグ233kの設定内容に基づいて文字色用追加データテーブル232a2を作成し、追加データテーブルバッファ233cに該文字色用追加データテーブル232a2を格納するだけで、第3図柄表示装置81に表示される文字表示Se1の表示色を容易に変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
【0966】
次に、
図37から
図59のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。
【0967】
図37は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
【0968】
この立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期値設定処理を実行する(S101)。例えば、RAM203へのアクセス許可を設定し、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では、「1秒」)を実行する(S102)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
【0969】
その後は、主制御装置110に設けたRAM消去スイッチ503(
図5参照)がオンされているか否かを判別する(S104)。判別の結果、RAM消去スイッチ503がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S105)。そして、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合は、RAM203の初期化を行うため、処理をS116へ移行する。
【0970】
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS116へ移行する。
【0971】
なお、
図39のS156の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
【0972】
一方、RAM消去スイッチ503がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次いで、設定キー501がオンされているか否かを判別する(S109)。
【0973】
S109の処理において、設定キー501がオンされていると判別された場合(S109:Yes)、電源投入時においてRAM消去スイッチ503:オフ、かつ、設定キー501:オンに操作されているので、立ち上げモードを「設定確認モード」で立ち上げるべく、まず、ベース表示装置401において確率設定値の表示を開始し(S110)、その後、設定キー501がオフされたか否かを判別し(S111)、設定キー501がオフされるまで該「設定確認モード」を維持する(S111:No)。一方、設定キー501がオフされた場合は(S111:Yes)、ベース表示装置401における確率設定値の表示を終了して(S112)、「設定確認モード」を終了して、処理をS113へ移行する。なお、S109の処理において、設定キー501がオンされていなければ(S109:No)、立ち上げモードを「通常モード」で立ち上げるべく、S110~S112の処理をスキップして、処理をS113へ移行する。
【0974】
S113の処理では、確率設定値に基づいて設定値コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S113)、処理をS163に移行する。
【0975】
第1実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113は電源のバックアップ機能を有しておらず、該音声ランプ制御装置113内のRAM223は立ち上げ処理によって初期化されるため(
図60のS1010参照)、パチンコ機10の立ち上げ処理の都度、設定値コマンドが設定され、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に送信されるように構成されている。
【0976】
ここで設定された設定値コマンドは、後述するタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)において、音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113は、この設定値コマンドを受信すると、RAM223に設けられた設定値メモリ(図示せず)に該設定値コマンドが示す確率設定値を格納(記憶)するように構成されている。
【0977】
S163の処理では、ベース表示装置関連の処理を行い(S163)、その後、割込みを許可し(S114)、後述するメイン処理(
図39参照)に移行する。このベース表示装置関連の処理では、ベース表示装置401に設けられた7セグメント表示器の全てのセグメント(ドットセグメントを含む)を点灯し、その状態で、5秒間ウエイト処理を実行する。これにより、パチンコ機10に電源が投入される度に、ベース表示装置401に設けられた7セグメント表示器の全てのセグメント(ドットセグメントを含む)が少なくとも5秒間継続して点灯されるため、全てのセグメントが正常に点灯できるかを確認でき、ベース表示装置401の表示が正常に行われるか否かを容易に判断できる。
【0978】
一方、S104の処理において、RAM消去スイッチ503がオンされていると判別された場合は(S104:Yes)、立ち上げモードを「RAMクリアモード」か「設定変更モード」のいずれで立ち上げるかを判別すべく、設定キー501がオンされているか否かを判別する(S115)。
【0979】
S115の処理において、設定キー501がオンされていないと判別された場合は(S115:No)、立ち上げモードを「RAMクリアモード」で立ち上げるべく、処理をS116へ移行する。
【0980】
S116の処理では、RAM203の初期化処理(S116及びS117)を実行する。
【0981】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、設定変更の如何を問わず電源投入時にRAMデータを初期化する場合には、RAM消去スイッチ503を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ503が押されていれば、RAMの初期化処理(S116及びS117)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合(S105:No)や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合(S107:No)も同様に、RAM203の初期化処理(S116及びS117)を実行する。
【0982】
RAMの初期化処理(S116及びS117)、即ち、「RAMクリアモード」では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S116)、その後、RAM203に初期値(例えば、第1保留球数カウンタ203aの「0」クリア等)を設定し(S117)、処理をS113へ移行する。
【0983】
なお、このRAMの初期化処理(S116及びS117)では、RAM203の使用領域のうち、ベース表示装置401に表示するベース値に関連する領域(総アウト個数カウンタ、低確払出個数カウンタ、リアルタイムベース値データなど(いずれも図示せず))を除いた領域のクリアを行う。これにより、電源投入時にRAM消去スイッチ503が操作されても、その操作が行われる前から行われているリアルタイムベース値の計測が継続され、その計測されたリアルタイムベース値をベース表示装置401に表示させることができる。
【0984】
S115の処理において、設定キー501がオンされていると判別された場合は(S115:Yes)、立ち上げモードを「設定変更モード」にするべく、設定変更処理を行う(S118)。
【0985】
ここで、
図38を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される設定変更処理(S118)について説明する。
図38は、この設定変更処理(S118)を示すフローチャートである。
【0986】
この設定変更処理(S118)は、立ち上げモードが「設定変更モード」である場合に実行される処理であり、ホール関係者等からの確率設定値の変更(更新)を受け付け、確定されるための処理である。
【0987】
この設定変更処理(S118)では、まず、ベース表示装置401において現在の確率設定値の表示の開始を設定し(S121)、処理をS122へ移行する。この確率設定値の表示の開始設定により、ベース表示装置401に確率設定値の表示が開始される。
【0988】
なお、ここで表示される確率設定値は、電源断前に設定されていた確率設定値ではなく、必ず特定の値に固定されるようにしてもよい。即ち、立ち上げモードが「設定変更モード」となった場合、ベース表示装置401には、必ず特定の確率設定値で表示が開始されるようにしてもよい。特定の確率設定値としては、例えば、確率設定値(「1」~「3」)の最小値である「1」であってもよいし、確率設定値の中間値である「2」であってもよいし、確率設定値の最大値である「3」であってもよい。これにより、電源断される前に設定されていた確率設定値にかかわらず、ホール関係者等は確率設定値を特定の確率設定値から変更できる。
【0989】
一方で、立ち上げモードが「設定変更モード」となった場合、ベース表示装置401には、電源断される前に設定されていた確率設定値をそのままで表示が開始されるようにしてもよい。これにより、ホール関係者等は、電源断される前に設定されていた確率設定値を考慮しながら、確率設定値を変更できる。
【0990】
また、立ち上げモードが「設定変更モード」となった場合、ベース表示装置401には、電源断される前に設定されていた確率設定値が「2」以上であれば、確率設定値を「2」として表示を開始し、電源断される前に設定されていた確率設定値が「1」であれば、その電源断される前に設定されていた確率設定値をそのままで表示が開始されるようにしてもよい。例えば、電源断される前に設定された確率設定値が「3」のように高い場合、確率設定値を少しだけ(例えば1だけ)小さくしたい場合が多々生じ得る。このような場合において、確率設定値を、電源断される前に設定された確率設定値そのままで表示を開始すると、次のような問題が生じる。即ち、確率設定値の更新は、RAM消去スイッチ503をオンする毎に1ずつ加算され、確率設定値が「3」の場合にRAM消去スイッチ503がオンされた場合には、確率設定値を「1」に戻すことで行われる。よって、例えば、確率設定値を「3」から「2」に変更したい場合、RAM消去スイッチ503のオンを繰り返しながら、ほぼ確率設定値を1周させなければならない。これに対し、電源断される前に設定された確率設定値が高い場合に、確率設定値を「2」で表示を開始することで、RAM消去スイッチ503をオンする回数を抑えながら、確率設定値の更新を行うことができる。
【0991】
次に、S122の処理では、確率設定値が「1」~「3」の範囲にあるか否かを判断し(S122)、所定の範囲内にない、即ち、異常な確率設定値となっている場合は(S122:No)、確率設定値を初期値に変更し(S123)、S124の処理へ移行する。この初期値としては、確率設定値(「1」~「3」)の最小値である「1」であってもよいし、確率設定値の中間値である「2」であってもよいし、確率設定値の最大値である「3」であってもよい。一方、S122の処理の結果、確率設定値が「1」~「3」の範囲内にあると判断される場合は(S122:Yes)、確率設定値は正常な値であるので、S123の処理をスキップして、S124の処理へ移行する。
【0992】
S124の処理では、RAM消去スイッチ503がオンになったか否かを判断する(S124)。その結果、RAM消去スイッチ503がオンになっていないと判断される場合は(S124:No)、次いで、設定変更スイッチ502がオンになったか否かを判断する(S125)。
【0993】
S125の結果、設定変更スイッチ502がオンされていないと判断されれば(S125:No)、S122の処理へ戻る一方、設定変更スイッチ502がオンされたと判断されれば(S125:Yes)、確率設定値を更新して(S126)、S122の処理に戻る。
【0994】
S126の処理である確率設定値の更新は、それまでの確率設定値が「1」~「2」である場合は、その確率設定値に1を加算し、それまでの確率設定値が「3」である場合は、確率設定値を「1」に戻すことで行われる。S126の処理により更新された確率設定値は、ベース表示装置401に表示される。
【0995】
S122→S123→S124:No→S125(及びS126)→S122のループ処理は、S124の処理において、RAM消去スイッチ503がオンとなったと判断されるまで(S124:Yes)実行され続ける。そして、S124の処理により、RAM消去スイッチ503がオンとなったと判断される場合は(S124:Yes)、ベース表示装置401に表示されている確率設定値を、これからの遊技で使用する確率設定値として確定し(S127)、該確率設定値に応じた大当たり乱数テーブル202aを設定する(S128)。
【0996】
S128の処理の後、次いで、設定キー501がオフ状態となったか否かを判断する(S129)。S129の処理では、設定キー501から出力される信号のレベルがオン状態からオフ状態へと遷移したことを検出した場合に、設定キー501がオフ状態になったと判断してもいし、設定キー501から出力される信号のレベルがオフ状態にあることを検出することで、設定キー501がオフ状態になったと判断してもよい。
【0997】
S129の処理の結果、設定キー501がオフ状態になっていないと判断される間は(S129:No)、S129の処理を繰り返し実行する。そして、S129の処理の結果、設定キー501がオフ状態になったと判断される場合は(S129:Yes)、ベース表示装置401における確率設定値の表示の終了を設定し(S130)、この設定変更処理(S118)を終了する。
【0998】
なお、設定変更処理の終了後は、立ち上げ処理(
図37参照)に戻り、処理をS116へ移行し、RAM203初期化処理を実行(S116及びS117)し、RAM203のデータを消去(クリア)する。このように、S124の処理においてホール関係者等にRAM消去スイッチ503をオンさせて確率設定値を確定させることにより、その後、RAM203のデータの消去が行われることを、ホール関係者等に強く認識させることができる。
【0999】
また、S124の処理において、RAM消去スイッチ503のオン検出によって確率設定値を確定させていたが、設定キー501のオフ検出によって確率設定値を確定するように構成してもよい。
【1000】
次に、
図39を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。
図39は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
【1001】
メイン処理では、まず、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S151)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S151:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S152,S153)。
【1002】
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S152)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では「9999」、「99」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203cにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、後述するタイマ割込処理のS207(
図40参照)の処理と同一の方法によって実行し(S153)、S151の処理へ移行する。
【1003】
ここで、このメイン処理が実行されている間、後述するタイマ割込処理(
図40参照)が所定時間間隔(本実施形態では2ミリ秒)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、可変入賞装置65の開閉を制御する処理が行われ、スルーゲート67への球の通過があれば、普通図柄表示装置83による普通図柄の表示制御が行われる。また、結果報知装置としての特別図柄表示装置37での変動表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した大当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
【1004】
メイン処理の一処理である上記のS152,S153の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値、普図当たりカウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する大当たり乱数カウンタC1及び普図当たりカウンタC4の更新に、ランダム性を持たせることができる。
【1005】
S151の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S151:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、
図59において後述するNMI割込処理が実行されたということなので、S154以降の電源遮断時の処理が実行される。
【1006】
S154の処理では、各割込処理の発生を禁止し(S154)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S155)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S156)、RAM203のアクセスを禁止して(S157)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
【1007】
なお、S151の処理は、タイマ割込処理(
図40参照)の残余時間内に行われるS152とS153の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS151の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS151の処理から開始することができる。
【1008】
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S151の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
【1009】
次に、
図40を参照して、第1実施形態に係るパチンコ機10の主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。
図40は、第1実施形態のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【1010】
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S201)。タイマ割込処理やメイン処理(
図39参照)では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113、ホールコンピュータ(図示せず)等へ送信すべきコマンド又は信号等を生成し、コマンドが生成された場合はRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに一旦記憶し、信号が生成された場合は該信号に対応する装置(例えば、ホールコンピュータとパチンコ機10とを接続するための外部出力端子板(図示せず)等)に信号を出力する。S201の外部出力処理では、上記コマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信するとともに、上記信号を各種装置へ出力する。
【1011】
S201の処理の後は、次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S202)、次いで、各特別図柄の当たり時における処理を実行する当たり処理を実行する(S203)。この当たり処理(S203)については、
図48において後述する。
【1012】
S203の後は、次に、普通電役72の駆動制御処理を実行する普通電役制御処理を実行する(S204)。簡単に説明すると、球がスルーゲート67を通過したことを条件に普通図柄表示装置83にて普通図柄の可変表示が実施され、普通図柄の可変表示の結果、制御判定結果として普通図柄の当たり図柄(例えば、「○」図柄)が現出して当たり状態となると、普通電役72を所定時間開放状態とする一方、普通図柄のハズレ図柄(例えば、「×」図柄)が現出した場合は、普通電役72の閉鎖状態を維持する。この普通電役制御処理については、
図57を参照して後述する。
【1013】
S204の処理の後は、次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S205)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(S201)によって、所定の賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
【1014】
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S206)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「9999」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「99」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
【1015】
次いで、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、普図当たりカウンタC4及び小当たり種別カウンタCKの更新を実行する(S207)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1、普図当たりカウンタC4及び小当たり種別カウンタCKをそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、それぞれ、「9999」,「99」,「99」,「9」,「99」,「99」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を大当たり乱数カウンタC1又は普図当たりカウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1~C4,CKの更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
【1016】
次に、第1始動口64、第2始動口71への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S208)。なお、この始動入賞処理(S208)の詳細は、
図41を参照して後述する。
【1017】
次いで、スルーゲート67への球の通過有無を判断するゲート通過処理を実行する(S209)。このゲート通過処理(S209)においてスルーゲート67を球が通過したと判別された場合に、普図当たりカウンタC4の値がカウンタ用バッファ203cから取得され、その普図当たりカウンタC4の値が普図保留球格納エリア203h(
図6参照)に格納されるとともに普通図柄保留ランプ84に普通図柄の可変表示の保留数が表示等される。なお、このゲート通過処理(S209)の詳細は、
図42を参照して後述する。
【1018】
ゲート通過処理(S209)を実行した後は、上記始動入賞処理(S208)の処理内容に基づいて結果報知装置としての特別図柄表示装置37による特別図柄の動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特図変動処理を実行する(S210)。なお、特図変動処理(S210)の詳細は、
図43を参照して後述する。
【1019】
次いで、上記ゲート通過処理(S209)の処理内容に基づいて、普通図柄の当否判別を行うとともに、該判別結果に基づく普通図柄の可変表示を普通図柄表示装置83において行うための設定処理である普図変動処理を実行する(S211)。この普図変動処理(S211)では、上述した遊技状態に応じて、普通図柄の当たり確率が、高確率(例えば、99/100)か低確率(70/100)のいずれかで行われる。そして、当否結果に基づいて普通図柄の可変表示を行うとともに、該当否結果に応じた表示結果を普通図柄表示装置83に表示する。なお、普図変動処理(S211)の詳細は、
図56を参照して後述する。
【1020】
普図変動処理(S211)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S212)、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S213)、このタイマ割込処理を終了する。
【1021】
なお、発射制御処理(S212)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、射出装置としての発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(S201)によって、球発射信号が払出制御装置111を介して射出装置としての発射制御装置112へ送信される。
【1022】
また、本実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(
図40参照)で実行し、メイン処理において、タイマ割込処理の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理の中で所定時間(例えば、2ミリ秒)毎に実行するように構成してもよい。例えば、本実施形態においてタイマ割込処理にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S202)、当たり処理(S203)、普通電役制御処理(S204)及びスイッチ読み込み処理(S205)の一部または全部を、タイマ割込処理ではなく、メイン処理の中で2ミリ秒毎に実行するように構成してもよい。
【1023】
この場合、メイン処理の中で所定時間(2ミリ秒)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
【1024】
次に、
図41のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(
図40参照)の一処理である始動入賞処理(S208)を説明する。
図41は、この始動入賞処理(S208)を示すフローチャートである。
【1025】
始動入賞処理(S208)は、第1始動口64、第2始動口71への球の入賞の有無を判断し、入賞があった場合は、各カウンタC1~C3,CS1,CKの値を入賞した始動口64,71に対応する第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1~C3,CS1,CKの値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
【1026】
MPU201は、この始動入賞処理(S208)において、まず、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S301)。ここでは、スイッチ読み込み処理(
図40のS205参照)において読み込んだ、第1始動口64への入球(入賞)を検出する第1始動口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第1始動口64への入球を3回のタイマ割込処理(
図40参照)にわたって検出する。
【1027】
S301の判別の結果、球が第1始動口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S301:Yes)、次いで、遊技状態が「通常遊技状態」か否か、即ち、左打ち遊技が奨励されている遊技状態か否かを判別する(S302)。判別の結果、「通常遊技状態」でなければ(S302:No)、奨励される右打ち遊技ではなく非奨励の(禁止されている)左打ち遊技によって発射された球が第1始動口64に入賞したということなので、音声出力装置226(
図5参照)から警報音を出力するとともに、第3図柄表示装置81において「右打ちしてください」という文字表示を表示する等の左打ちエラー処理を実行し(S303)、処理をS304へ移行する。
【1028】
このように構成することで、左打ち遊技が奨励されていない「普図高確時間短縮状態」、又は「普図低確時間短縮状態」において第1始動口スイッチ(図示せず)で球が検知された場合に、警報音を出力する等のエラー処理を行い、左打ち遊技が奨励されていない遊技状態において遊技者に左打ち遊技の実行を敬遠させ(右打ち遊技を促し)、奨励される遊技仕様と異なる遊技形態での遊技を極力排除し、各遊技状態において想定されている遊技性を実現することができる。
【1029】
なお、S302の処理において、遊技状態が「通常遊技状態」であると判断された場合は(S302:Yes)、左打ち遊技が奨励される遊技状態であるので、S303の処理をスキップし、S303の左打ちエラー処理を行わず、処理をS304へ移行する。
【1030】
S301の処理の結果、球が第1始動口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S301:Yes)、次いで、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S304)。そして、第1始動口64への入賞があっても作動保留球数N1<4でなければ(S304:No)、この始動入賞処理(S208)を終了し、タイマ割込処理(
図40参照)へ戻る。
【1031】
一方、作動保留球数N1<4であれば(S304:Yes)、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1加算する(S305)。そして、今回、第1特別図柄に対応する第1始動口64への入賞であるので、第1保留球格納エリア203dを各乱数値C1,C3,CS1,CKの格納先として設定し(S306)、処理をS311へ移行する。
【1032】
S301の処理において、球が第1始動口64へ入賞していないと判別された場合(S301:No)、次いで、球が第2始動口71に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S307)。ここでは、第1始動口64と同様、スイッチ読み込み処理(
図40のS205参照)において読み込んだ、第2始動口71への入球(入賞)を検出する第2始動口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第2始動口71への入球を3回のタイマ割込処理(
図40参照)に亘って検出する。
【1033】
球が第2始動口71に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S307:Yes)、処理をS308へ移行する。
【1034】
なお、S307の処理において、第2始動口71に球が入賞したと判別された場合に(S307:Yes)、遊技状態が「通常遊技状態」か否かを判定し、遊技状態が「通常遊技状態」であると判別された場合、左打ち遊技が奨励される遊技状態であるので、通常時右打ちエラー処理を行うように構成してもよい。
【1035】
球が第2始動口71に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S307:Yes)、次いで、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S308)。そして、第2始動口71への入賞がないか(S307:No)、或いは、第2始動口71への入賞があっても作動保留球数N2<4でなければ(S308:No)、この始動入賞処理(S208)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)へ戻る。
【1036】
一方、作動保留球数N2<4であれば(S308:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1加算する(S309)。そして、今回、第2特別図柄に対応する第2始動口71への入賞であるので、第2保留球格納エリア203eを各乱数値C1~C3,CS1の格納先として設定し(S310)、処理をS311へ移行する。
【1037】
また、S301及びS307の処理において、第1始動口64及び第2始動口71に同時に球が入賞した場合は、第1始動口64への球の入賞処理を優先的に実行し、第2始動口71への球の入賞処理を待機し、次のタイマ割込処理(
図40参照)における始動入賞処理(S208)において、該待機した第2始動口71への球の入賞処理を実行するように構成してもよい。
【1038】
S311の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び小当たり種別カウンタCKの各値をカウンタ用バッファ203c(
図5参照)から読み出し、各保留球格納エリアに格納する。つまり、S306で格納先として設定された第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1~第4エリアのうち、第1保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3、変動種別カウンタ格納エリア203d4及び小当たり種別カウンタ格納エリアd5に各々保留(格納)する(S311)。
【1039】
具体的には、例えば、第1始動口64への入賞に基づくS306の処理において第1保留球格納エリア203dが格納先として設定され、また、S305の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、第1保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1,C3,CS1,CKの値が保留される。また、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば第1保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば第1保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば第1保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1,C3,CS1,CKの値が保留される。
【1040】
同様に、第2始動口71への入賞に基づくS310の処理において第2保留球格納エリア203eが格納先として設定され、また、S309の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「1」であれば、第2保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1~C3,CS1,CKの値が保留される。また、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば第2保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「3」であれば第2保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であれば第2保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1~C3,CS1,CKの値が保留される。
【1041】
次に、S305の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)と、S306の処理により第1保留球格納エリア203dに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び小当たり種別カウンタCKの各値を含む第1保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該第1保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する(S312)。また、S309の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1)と、S310の処理により第2保留球格納エリア203eに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び小当たり種別カウンタCKの各値を含む第2保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該第2保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定する(S312)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)によって、第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S312の処理を終えると、この始動入賞処理(S208)を終了し、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1042】
なお、S312の処理において第1保留球数コマンド又は第2保留球数コマンドに含める各カウンタC1~C3,CS1,CKの値は、S312の処理によりカウンタ用バッファ203cから読み出した値そのものを用いてもよいし、S312の処理において第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
【1043】
次に、
図42を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(
図40参照)の一処理であるゲート通過処理(S209)を説明する。
図42は、このゲート通過処理(S209)を示すフローチャートである。ゲート通過処理(S209)は、スルーゲート67への球の通過(入球)の有無を判断し、球が通過(入球)した場合は、普図当たりカウンタC4の値を普図保留球格納エリア203hに格納する(保留する)処理を実行する。
【1044】
このゲート通過処理(S209)では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判別する(S401)。ここでは、スイッチ読み込み処理(
図40のS205参照)において読み込んだスルーゲート67への球の通過(入球)を検出するスルーゲートスイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、スルーゲート67への通過(入球)を3回のタイマ割込処理(
図40参照)にわたって検出する。
【1045】
S401の処理において、スルーゲート67を球が通過していない場合は(S401:No)、このゲート通過処理(S209)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)へ戻る。一方、球がスルーゲート67を通過(入球)したと判別されると(S401:Yes)、次いで、遊技状態が「通常遊技状態」か否か、即ち、左打ち遊技の球の発射が奨励されている遊技状態か否かを判別する(S402)。判別の結果、「通常遊技状態」であれば(S402:Yes)、次いで、第2特別図柄の動的表示の変動中か、或いは、第2特別図柄の動的表示の保留球が存在する状態か否かを判別する(S403)。判別の結果、第2特別図柄の動的表示の変動中でない場合、かつ、第2特別図柄の動的表示の保留球数が存在しない場合は(S403:No)、「通常遊技状態A」において奨励される左打ち遊技ではなく非奨励の(禁止されている)右打ち遊技によって発射された球がスルーゲート67を通過したということなので、音声出力装置226(
図5参照)から警報音を出力するとともに、限定演出として第3図柄表示装置81において「左打ちに戻してね」という文字表示を表示する等の通常時右打ちエラー処理を実行し(S404)、処理をS405へ移行する。
【1046】
このように構成することで、右打ち遊技が推奨されていない「通常遊技状態」においてスルーゲート67で球が検知された場合に、警報音を出力する等のエラー処理を行うことで、右打ち遊技が奨励されていない遊技状態において遊技者に右打ち遊技の実行を敬遠させ、奨励される遊技仕様と異なる遊技形態での遊技を極力排除し、各遊技状態において想定されている遊技性を実現することができる。
【1047】
なお、S402の処理において、遊技状態が「通常遊技状態」でなければ(S402:No)、右打ち遊技が奨励される「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」であるので、S404の通常時右打ちエラー処理を行わず、S403及びS404の処理をスキップして、処理をS405へ移行する。
【1048】
S405の処理では、普図保留球数カウンタ203gの値(主制御装置110において保留されている普通図柄の可変表示の作動保留球数HN)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S404)。そして、スルーゲート67への通過(入球)があっても作動保留球数HN<4でなければ(S405:No)、このゲート通過処理(S209)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)へ戻る。
【1049】
一方、作動保留球数HN<4であれば(S405:Yes)、普図保留球数カウンタ203gの値(作動保留球数HN)を1加算する(S406)。そして、普図当たりカウンタC4の値をカウンタ用バッファ203c(
図5参照)から読み出し、読み出したデータを、普図保留球格納エリア203hに設けられた普図保留第1~第4エリアのうち、普図保留球数カウンタ203gで示される値に対応するエリアに格納する(S407)。
【1050】
具体的には、例えば、S406の処理による加算後の普図保留球数カウンタ203gの値が「1」であれば、普図保留第1エリアに普図当たりカウンタC4の値が保留される。また、加算後の普図保留球数カウンタ203gの値が「2」であれば普図保留第2エリアに、加算後の普図保留球数カウンタ203gの値が「3」であれば普図保留第3エリアに、加算後の普図保留球数カウンタ203gの値が「4」であれば普図保留第4エリアに、普図当たりカウンタC4の値が保留される。S407の処理の終了後は、このゲート通過処理(S209)を終了し、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1051】
なお、第1実施形態では、普通図柄の可変表示に関する普図保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信しないように構成されているが、普通図柄の可変表示に関する普図保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信して、普通図柄の可変表示に関する保留図柄等に関する演出(報知)を行うように構成してもよい。この場合に、普図当たりカウンタC4の値を普図保留球数コマンドに含めて送信することで、音声ランプ制御装置113で普通図柄に関する所謂先読み処理を実行可能に構成し、普通図柄に関する演出のバリエーションを設けるように構成してもよい。
【1052】
次に、
図43を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(
図40参照)の一処理である特図変動処理(S210)について説明する。
図43は、この特図変動処理(S210)を示すフローチャートである。
【1053】
この特図変動処理(S210)は、第1特別図柄および第2特別図柄に関する結果報知装置としての特別図柄表示装置37における動的表示や、第3図柄表示装置81にて遊技状態に応じて行う変動演出に関する制御を行うものである。
【1054】
MPU201は、この特図変動処理(S210)において、まず、今現在、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれか一方が大当たり中であるか否かを判別する(S501)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び特別図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と、大当たり遊技開始前(即ち、大当たりオープニング)の所定時間の最中と、大当たり遊技終了後(即ち、大当たりエンディング)の所定時間の最中とが含まれる。S501における判別の結果、いずれかの特別図柄の大当たり中であれば(S501:Yes)、そのまま特図変動処理(S210)を終了し、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1055】
S501の処理において、大当たり中でないと判別された場合は(S501:No)、次に、今現在、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれか一方が小当たり中であるか否かを判別する(S551)。小当たり中としては、小当たりの際に第3図柄表示装置81及び結果報知装置としての特別図柄表示装置37で表示される小当たり遊技の最中と、小当たり遊技開始前(即ち、小当たりオープニング)の所定時間の最中と、小当たり遊技終了後(即ち、小当たりエンディング)の所定時間の最中とが含まれる。S551における判別の結果、いずれかの特別図柄の小当たり中であれば(S551:Yes)、そのまま特図変動処理(S210)を終了し、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1056】
S551の処理において、小当たり中でないと判別された場合は(S551:No)、次に、特別図柄表示装置37において第1特別図柄(特
図1)又は第2特別図柄(特
図2)が動的表示中であるか否かを判別し(S502)、特別図柄表示装置37において第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示中でなければ(S502:No)、次いで、特別図柄表示装置37における第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S503)。その結果、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S503:No)、特図変動処理(S210)を終了し、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。これにより、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ特別図柄表示装置37(第3図柄表示装置81)に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
【1057】
一方、S503の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S503:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S504)。その結果、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」でなければ(S504:Yes)、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1減算する(S505)。これは、後述する変動開始処理(S510)によって、保留されていた第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第2特別図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
【1058】
次いで、第2保留球格納エリア203eに格納されたデータをシフト処理する(S506)。このデータシフト処理(S506)は、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1~第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第2保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第2保留第2エリア→第2保留第1エリア、第2保留第3エリア→第2保留第2エリア、第2保留第4エリア→第2保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
【1059】
一方、S504の処理において、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」であると判別されると(S504:No)、次に、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S507)。その結果、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」でなければ(S507:Yes)、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1減算する(S508)。これは、後述する変動開始処理(S510)によって、保留されていた第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
【1060】
次いで、第1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S509)。このデータシフト処理(S509)は、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1~第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第1保留第2エリア→第1保留第1エリア、第1保留第3エリア→第1保留第2エリア、第1保留第4エリア→第1保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
【1061】
S506又はS509のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づいて、結果報知装置としての特別図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S510)、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1062】
ここで、
図44を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(S210)の一処理である変動開始処理(S510)について説明する。
図44は、この変動開始処理(S510)を示したフローチャートである。
【1063】
この変動開始処理(S510)では、上述したように、各特別図柄の動的表示を行うか否かや、各特別図柄の動的表示を行う場合における該動的表示の設定処理等を行う。
【1064】
この変動開始処理(S510)では、まず、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、大当たり乱数テーブル202aとに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S5101)。
【1065】
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かは、確率設定値に基づいて設定された大当たり乱数テーブル202aを参照して、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態(モード)との関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、大当たり確率が設定値「1」で2/10000、設定値「3」で4/10000となるように大当たり乱数値が規定されている。
【1066】
S5101の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S5101の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S5101:Yes)、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、各特別図柄に対応する大当たり種別テーブル202b(
図8参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S5102)。
【1067】
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に「普図高確時間短縮状態A」へ移行する大当たり種別「時短A」か否かかが判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、特別図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(特別LED群37bの表示態様)が設定される。
【1068】
具体的には、保留球実行エリア203fに格納されているデータが、第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータか第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータかを保留球実行エリア203fのシフト元バッファ(図示せず)に記憶しておき、第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特
図2大当たり種別テーブル202b2(
図8参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。
【1069】
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、特
図1大当たり乱数テーブル202a1において、大当たりとなる乱数の値は設定値にかかわらず設定されておらず(
図7参照)、第1特別図柄の動的表示が大当たりに当選し得ないように構成されているため、第1特別図柄の動的表示の変動開始処理におけるS5101の処理においては、必ずS5101:Noとなる判別結果が導出される。
【1070】
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S5103)、S5109の処理へ移行する。具体的には、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、大当たり時の表示態様(停止種別)と、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて演出態様を選択し、その選択された演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たりの停止種別に応じて、使用する停止パターンテーブル202e(
図13~
図15参照)を選択する。
【1071】
そして、S5103の処理において設定された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202fにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
【1072】
S5101の処理において、大当たりではないと判別された場合には(S5101:No)、続いて、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、大当たり乱数テーブル202aとに基づいて小当たりか否かを判別する小当たり抽選(当否判定)処理を行う(S5104)。
【1073】
第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の動的表示において小当たりか否かは、全確率設定値で同一となるように設定されている。また、第2特別図柄の動的表示において小当たりか否かは、全確率設定値で同一となるように設定されている。具体的には、特
図1大当たり乱数テーブル202a1において、小当たり確率が全設定で33/10000となるように小当たり乱数値が規定されている。また、特
図2大当たり乱数テーブル202a2において、小当たり確率が全設定で1550/10000となるように小当たり乱数値が規定されている。
【1074】
S5104の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される小当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、第1特別図柄又は第2特別図柄の小当たりであると判別する。S5104の処理の結果、小当たりであると判別された場合(S5104:Yes)、保留球実行エリア203fに格納されている小当たり種別カウンタCKの値と、小当たり種別テーブル202c(
図9(a)又は
図9(b)参照)とに基づいて、小当たり時の表示態様を設定する(S5105)。
【1075】
この処理では、小当たり種別テーブル202cによって、保留球実行エリア203fに格納されている小当たり種別カウンタCKの値に対応付けられた小当たり種別、即ち、大当たり状態が発生しない「小当たりA」か、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たり後に「普図高確時間短縮状態A」へ移行する「時短B」か、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たり後に「普図高確時間短縮状態A」へ移行する「時短C」か、大当たり状態が発生しない「小当たりB」か、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たり後に「普図高確時間短縮状態B」へ移行する「時短D」か、が判別される。そして、判別された小当たり種別に基づいて、結果報知装置としての特別図柄表示装置37における小当たり時の表示態様(特別LED群37bの表示態様)が設定される。
【1076】
具体的には、保留球実行エリア203fに格納されているデータが、第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータか第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータかを保留球実行エリア203fのシフト元バッファ(図示せず)に記憶しておき、第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている小当たり種別カウンタCKの値と、特
図1小当たり種別テーブル202c1(
図9(a)参照)とに基づいて小当たり種別が決定される。また、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている小当たり種別カウンタCKの値と、特
図2小当たり種別テーブル202c2(
図9(b)参照)とに基づいて小当たり種別が決定される。
【1077】
次に、小当たり時の変動パターンを決定し(S5106)、S5109の処理へ移行する。具体的には、結果報知装置としての特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、小当たり時の表示態様(停止種別)と、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて演出態様を選択し、その選択された演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この小当たり時の変動パターンの決定では、まず、その小当たりの停止種別に応じて、使用する停止パターンテーブル202e(
図13~
図15参照)を選択する。
【1078】
そして、S5106の処理において設定された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202fにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
【1079】
一方、S5104の処理において、小当たりでないと判別された場合(S5104:No)、各特別図柄の動的表示の結果はハズレであるので、ハズレ時の表示態様を設定する(S5107)。S5107の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様、「特殊変動」演出態様のいずれかを設定する。第1実施形態では、パチンコ機10の遊技状態に応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202eが設定されている。
【1080】
次に、各遊技状態におけるハズレ時の変動パターンを決定し(S5108)、S5109の処理へ移行する。
【1081】
S5108の処理では、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。具体的には、S5107の処理において決定されたハズレ時の表示態様(演出態様)毎に設けられた停止パターンテーブル202eにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
【1082】
S5109の処理では、S5103、S5106又はS5108の処理によって決定された変動パターンに応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S5109)。
【1083】
具体的には、例えば、第2特別図柄の動的表示において大当たり抽選に当選し、該大当たりが大当たり種別「時短A」であって、さらに、「60秒」の「スーパーリーチ」演出態様の変動パターンが選択されていた場合は、第2特別図柄・大当たり・「時短A」・「60秒」の「スーパーリーチ」演出態様を示す変動パターンコマンド(即ち、特
図1変動パターンコマンド。以下、第1特別図柄に関する変動パターンコマンドを、「特
図1変動パターンコマンド」と称する場合がある。)が設定される。また、第2特別図柄の動的表示において大当たり抽選及び小当たり抽選にハズレて、さらに、「60秒」の「スーパーリーチ」演出態様の変動パターンが選択されていた場合は、第2特別図柄・ハズレ・「60秒」の「スーパーリーチ」演出態様を示す変動パターンコマンド(即ち、特
図2変動パターンコマンド。以下、第2特別図柄に関する変動パターンコマンドを、「特
図2変動パターンコマンド」と称する場合がある。)が設定される。
【1084】
このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細な変動演出の変動パターンを決定することができる。
【1085】
次いで、S5102、S5105又はS5107の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S5110)、この変動開始処理(S510)を終了して特図変動処理(
図43)へ戻る。
【1086】
図43に戻って、説明を続ける。S507の処理において、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」であると判別されると(S507:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S511)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)のいずれかの値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
【1087】
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S511:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S512)、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S511:Yes)、そのままタイマ割込処理(
図40参照)に戻る。S512の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【1088】
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
【1089】
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
【1090】
なお、S511の処理においてデモ中ではない(S511:No)と判断された場合に、さらに、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS512の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
【1091】
S502の処理において、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S502:Yes)、実行中の第1特別図柄の動的表示の変動時間が経過したか否か、又は、実行中の第2特別図柄の動的表示の変動時間が経過したか否かを判別し、判別結果に応じて第1特別図柄の動的表示または第2特別図柄の動的表示を停止させる変動停止処理(S513)を行い、この特図変動処理(S210)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1092】
ここで、
図45を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(
図43参照)の一処理である変動停止処理(S513)について説明する。
図45は、この変動停止処理(S513)を示すフローチャートである。
【1093】
この変動停止処理(S513)では、各特別図柄の動的表示の変動時間が経過したか否かを判別し、変動時間が経過している場合は、各停止種別に応じた停止結果を特別図柄表示装置37に表示するとともに、各確定コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。また、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」である場合は、該特別図柄の動的表示の変動回数の計数結果に応じて「時短機能」の時短終了条件が成立したか否かを判別し、「時短機能」の時短終了条件が成立した場合は、「時短機能」を有効から無効に切り替える処理等を行う。また、特別図柄の低確率状態である場合は、特別図柄の動的表示の実行回数が救済条件成立回数に達しているか否かを判別し、救済条件成立回数に達している場合は、「普図低確時間短縮状態」に移行するための時短回数の設定処理を行う。
【1094】
変動停止処理(S513)では、まず、実行中の特別図柄の動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S5201)。特別図柄表示装置37における特別図柄の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1等により選択された変動パターンに応じて決められており(特
図1変動パターンコマンド又は特
図2変動パターンコマンドに応じて決められており)、この特別図柄の動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S5201:No)、実行中の特別図柄に応じた特別図柄表示装置37の特別LED群37bの表示を更新して(S5202)、この変動停止処理を終了して、特図変動処理(
図43参照)に戻る。
【1095】
第1実施形態では、特別図柄表示装置37の特別LED群37bにおいて、第1特別図柄の動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、上方LED群37b1が所定の点灯パターンで点灯又は消灯する表示態様が設定され、第2特別図柄の動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、下方LED群37b2が所定の点灯パターンで点灯又は消灯する表示態様が設定される。
【1096】
一方、S5201の処理において、特別図柄表示装置37の特別LED群37bにおける特別図柄の動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S5201:Yes)、特別図柄表示装置37の特別LED群37bに対して、特別図柄の動的表示の停止図柄に対応した表示態様を停止させる(S5203)。停止図柄は、変動開始処理(
図44参照)のS5102、S5105又はS5107の処理によって予め設定される。
【1097】
第1実施形態では、各特別図柄の動的表示の判定結果がハズレである場合には、上方LED群37b1又は下方LED群37b2の最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、該大当たりの種類(種別)に対応した点灯パターンで上方LED群37b1又は下方LED群37b2が点灯表示される。
【1098】
S5203の処理で各特別図柄の動的表示の停止図柄に対応した特別図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における各特別図柄の変動演出の停止図柄を、特別図柄表示装置37における特別LED群37bの表示と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S5204)、処理をS5205へ移行する。第3図柄表示装置81にて第1特別図柄の変動演出が実行されている場合は、該第1特別図柄の変動演出を確定表示させるための確定コマンド(即ち、特
図1確定コマンド。以下、第1特別図柄に関する確定コマンドを、「特
図1確定コマンド」と称する場合がある。)を設定し、第3図柄表示装置81にて第2特別図柄の変動演出が実行されている場合は、該第2特別図柄の変動演出を確定させるための確定コマンド(即ち、特
図2確定コマンド。以下、第2特別図柄に関する確定コマンドを、「特
図2確定コマンド」と称する場合がある。)を設定する。
【1099】
音声ランプ制御装置113は、この特
図1確定コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81で実行されている第1特別図柄の変動演出を停止させるべく、表示制御装置114に対して表示用特
図1確定コマンドを送信し、特
図2確定コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81で実行されている第2特別図柄の変動演出を停止させるべく、表示制御装置114に対して表示用特
図2確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用特
図1確定コマンド又は表示用特
図2確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
【1100】
S5205の処理では、「時間短縮状態(「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」)」であるか否かを判別し、「時間短縮状態」であると判別された場合(S5205:Yes)、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」における時短終了条件が成立したか否かの判別処理を実行する時短計数処理を実行し(S5206)、その後、処理をS5207へ移行する。また、S5205の判別の結果、「時間短縮状態」でないと判別された場合(S5205:No)、時短終了条件の判別処理を行わないため、S5206の処理をスキップしてS5207へ移行する。
【1101】
なお、時短計数処理(S5206)は、特別図柄の動的表示の実行開始時(変動開始処理(S510))において実行するように構成してもよいし、特別図柄の動的表示の確定時(特図変動処理(S210)の所定時間経過時(S503:Yes))において実行するように構成してもよい。
【1102】
ここで、
図46を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動停止処理(
図45参照)の一処理である時短計数処理(S5206)について説明する。
図46は、この時短計数処理(S5206)を示すフローチャートである。
【1103】
この時短計数処理(S5206)では、「時短機能」が有効に設定されている場合に、「時短機能」の終了条件である特別図柄の動的表示の実行回数(例えば、第1特別図柄の変動回数、及び、第2特別図柄の変動回数)を計数し、該計数結果が時短終了条件を満たしたか否かを判別して、判別結果に応じて「時短機能」を有効から無効に変化させる。
【1104】
この時短計数処理(S5206)では、まず、停止した特別図柄の動的表示の種類を判別する(S5301)。判別の結果、第1特別図柄の動的表示が停止したタイミングであれば(S5301:「特
図1」)、第1特別図柄の動的表示が1回実行されたということなので、特
図1時短カウンタ203mの値から1減算して(S5302)、次いで、減算した特
図1時短カウンタ203mの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S5303)。判別の結果、特
図1時短カウンタ203mの値が「0」より大きい値であれば(S5303:Yes)、第1特別図柄の動的表示回数に基づく時短終了条件が成立していないので、続いて、合計時短カウンタ203oの値から1減算して(S5304)、次いで、減算した合計時短カウンタ203oの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S5305)。判別の結果、合計時短カウンタ203oの値が「0」より大きい値であれば(S5305:Yes)、第1特別図柄および第2特別図柄の合計動的表示回数に基づく時短終了条件が成立していないので、S5310~S5312の処理をスキップして、この時短計数処理(S5206)を終了して、変動停止処理(
図45参照)に戻る。
【1105】
一方、S5303の処理において、特
図1時短カウンタ203mの値が「0」より大きい値でない場合(S5303:No)、即ち、特
図1時短カウンタ203mの値が「0」以下である場合は、第1特別図柄の動的表示回数に基づく時短終了条件が成立しているので、「時短機能」を無効化すべく、処理をS5310へ移行する。また、S5305の処理において、合計時短カウンタ203oの値が「0」より大きい値でない場合(S5305:No)、即ち、合計時短カウンタ203oの値が「0」以下である場合は、第1特別図柄および第2特別図柄の合計動的表示回数に基づく時短終了条件が成立しているので、この場合も「時短機能」を無効化すべく、処理をS5310へ移行する。
【1106】
また、S5301の処理において、第2特別図柄の動的表示が停止したタイミングであると判別された場合は(S5301:「特
図2」)、第2特別図柄の動的表示が1回実行されたということなので、特
図2時短カウンタ203nの値から1減算して(S5306)、次いで、減算した特
図2時短カウンタ203nの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S5307)。判別の結果、特
図2時短カウンタ203nの値が「0」より大きい値であれば(S5307:Yes)、第2特別図柄の動的表示回数に基づく時短終了条件が成立していないので、続いて、合計時短カウンタ203oの値から1減算して(S5308)、次いで、減算した合計時短カウンタ203oの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S5309)。判別の結果、合計時短カウンタ203oの値が「0」より大きい値であれば(S5309:Yes)、第1特別図柄および第2特別図柄の合計動的表示回数に基づく時短終了条件が成立していないので、S5310~S5312の処理をスキップして、この時短計数処理(S5206)を終了して、変動停止処理(
図45参照)に戻る。
【1107】
一方、S5307の処理において、特
図2時短カウンタ203nの値が「0」より大きい値でない場合(S5307:No)、即ち、特
図2時短カウンタ203nの値が「0」以下である場合は、第2特別図柄の動的表示回数に基づく時短終了条件が成立しているので、「時短機能」を無効化すべく、処理をS5310へ移行する。また、S5309の処理において、合計時短カウンタ203oの値が「0」より大きい値でない場合(S5309:No)、即ち、合計時短カウンタ203oの値が「0」以下である場合は、第1特別図柄および第2特別図柄の合計動的表示回数に基づく時短終了条件が成立しているので、この場合も「時短機能」を無効化すべく、処理をS5310へ移行する。
【1108】
S5310の処理では、「普図高確時間短縮状態」か「普図低確時間短縮状態」かを判別すべく、時短高確フラグ203kがオンされているか否かを判別する(S5310)。判別の結果、時短高確フラグ203kがオンされている場合は(S5310:Yes)、「普図高確時間短縮状態」を終了させるために、時短高確フラグ203kをオフに設定し(S5311)、この時短計数処理(S5206)を終了して、変動停止処理(
図45参照)に戻る。一方、時短高確フラグ203kがオンに設定されていないと判別された場合は(S5310:No)、時短低確フラグ203jがオンに設定されている状態であって、「普図低確時間短縮状態」であるので、該時短低確フラグ203jをオフに設定して(S5312)この時短回数処理(S5206)を終了して、変動停止処理(
図45参照)に戻る。
【1109】
このように、「時短機能」が有効な状態において、「時短機能」の終了条件に応じて、「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」を終了させることができ、「時短機能」の有効又は無効を適切に行い、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【1110】
図45に戻って、説明を続ける。S5206の時短計数処理が終わった場合、又は、S5205の処理において「時間短縮状態」でないと判別された場合(S5205:No)、特別図柄の動的表示の実行回数が救済条件成立回数に達しているか否かを判別し、判別結果によって「普図低確時間短縮状態」に移行させるべく、救済到達計数処理を実行し(S5207)、この変動停止処理(S513)を終了して、特図変動処理(
図43参照)に戻る。
【1111】
なお、救済到達計数処理(S5207)、即ち、特別図柄の動的表示の実行回数が救済条件成立回数に達したか否かの判別は、特別図柄の動的表示の実行開始時(変動開始処理(S510))において実行するように構成してもよいし、特別図柄の動的表示の確定時(特図変動処理(S210)の所定時間経過時(S503:Yes))において実行するように構成してもよい。また、それに伴い、「普図低確時間短縮状態」に移行するタイミングも、救済条件成立回数に達した後のあらかじめ定められたタイミングとなる。
【1112】
ここで、
図47を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動停止処理(
図45参照)の一処理である救済到達計数処理(S5207)について説明する。
図47は、この救済到達計数処理(S5207)を示すフローチャートである。
【1113】
この救済到達計数処理(S5207)では、特別図柄の動的表示の実行回数を計数し、該計数結果が救済条件成立回数に達したか否かを判別して、判別結果に応じて「普図低確時間短縮状態」への移行に基づく時短回数の設定処理を行う。
【1114】
この救済到達計数処理(S5207)では、まず、救済設定済みフラグ203sがオンされているか否かを判別し(S5401)、救済設定済みフラグ203sがオンされていれば(S5401:Yes)、既に「普図低確時間短縮状態」へ一度移行済みであるので、S5402~S5406の処理をスキップし、この救済到達計数処理(S5207)を終了して、変動停止処理(
図45参照)に戻る。
【1115】
一方、S5401の判別の結果、救済設定済みフラグ203sがオンされていなければ(S5401:No)、特別図柄が低確率状態になってから未だ「普図低確時間短縮状態」へ移行していない状態、即ち、更新状態であるので、遊技情報としての救済カウンタ203rの値を1加算する(S5402)。続いて、救済カウンタコマンドを設定し(S5451)、処理をS5403に移行する。S5451の処理で設定された救済カウンタコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【1116】
音声ランプ制御装置113では、救済カウンタコマンドを受信すると、該当情報をサブ救済カウンタ223iに格納し、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり当選時のサブ救済カウンタ223iの値と損益分岐回数格納エリア223kに格納された値とを比較して、大当たり優先報知期間又は救済優先報知期間のうち、いずれの報知期間に属しているのかを判断し、該小当たり当選時のOP時間において行う右打ち報知演出の内容を決定する。
【1117】
S5403の処理では、S5402の処理で加算した救済カウンタ203rの値が救済条件成立回数、即ち、救済条件成立回数格納エリア203qに格納された値より小さい値であるか否かを判別する(S5403)。
【1118】
S5403の判別の結果、S5402の処理で加算した救済カウンタ203rの値が救済条件成立回数より小さい値の場合(S5403:Yes)、特別図柄の動的表示の実行回数が救済条件成立回数まで到達していないため、S5404~S5406の処理をスキップし、この救済到達計数処理(S5207)を終了して、変動停止処理(
図45参照)に戻る。
【1119】
一方、S5403の処理において、S5402の処理で加算した救済カウンタ203rの値が救済条件成立回数より小さい値でない場合、即ち、救済カウンタ203rの値が救済条件成立回数以上である場合(S5403:No)、救済条件が成立しているため、特
図1時短カウンタ203m、特
図2時短カウンタ203n及び合計時短カウンタ203oのそれぞれの値に「100」をセットし(S5404)、「普図低確時間短縮状態」へ移行したことを示すべく救済設定済みフラグ203sをオンに設定する(S5405)。そして、救済設定済みフラグコマンドを設定し(S5452)、「普図低確時間短縮状態」に遊技状態を移行するために、時短低確フラグ203jをオンに設定し(S5406)、この救済到達計数処理(S5207)を終了して、変動停止処理(
図45参照)に戻る。これにより、救済条件成立に基づく「普図低確時間短縮状態」を発生させることができる。なお、S5452の処理で設定された救済設定済みフラグコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【1120】
また、遊技情報としての救済カウンタ203rの値の更新は、遊技条件として、特別図柄の動的表示が1回実行されるごとに、1減算されるように構成してもよいし、その他の方法で更新するように構成してもよい。救済カウンタ203rの値の更新方法を減算とする場合、電源投入後のRAM203の初期設定時及び大当たり終了時における救済条件成立回数抽選処理で抽選された救済条件成立回数の値を、この救済カウンタ203rにセットするように構成する。
【1121】
さらに、救済カウンタ203rの値の更新タイミングは、特別図柄の動的表示の停止時でなくてもよく、特別図柄の動的表示の実行開始時(
図44参照)や、図柄確定時間の終了時(
図43のS503参照)に更新するように構成してもよい。
【1122】
次に、
図48を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(
図40参照)の一処理である当たり処理(S203)について説明する。
図48は、利益付与制御としての当たり処理(S203)を示したフローチャートである。
【1123】
この当たり処理(S203)は、各特別図柄の大当たりが発生する場合に、大当たりの種類に応じて可変入賞装置65(大入賞口)の開放回数(ラウンド数)を設定すると共に、可変入賞装置65の開放時間を設定する。そして、大当たり状態(遊技)である場合において、可変入賞装置65を開放又は閉鎖するための大当たり開閉制御処理(S620)を実行し、大当たり状態が終了するタイミングで、大当たり状態の終了を設定する大当たり終了処理(S622)を実行する。
【1124】
また、この当たり処理(S203)は、各特別図柄の小当たりが発生する場合に、小当たりに応じて可変入賞装置65の開放回数(ラウンド数)を設定すると共に、可変入賞装置65の開放時間を設定する。そして、小当たり状態(遊技)である場合において、可変入賞装置65を開放又は閉鎖するための小当たり開閉制御処理(S616)を実行し、小当たり状態が終了するタイミングで、小当たり状態の終了を設定する小当たり終了処理(S618)を実行する。
【1125】
さらに、この当たり処理(S203)は、小当たり遊技中に開放され得る特定領域65dを球が通過した場合に、該通過に伴って発生する大当たりの種類に応じて可変入賞装置65の開放回数(ラウンド数)を設定するとともに、可変入賞装置65の開放時間を設定する。そして、特定領域65d通過に基づく大当たり状態(遊技)である場合において、特別図柄で大当たりした場合と同様、可変入賞装置65を開放又は閉鎖するための大当たり開閉制御処理(S620)を実行し、大当たり状態が終了するタイミングで、大当たり状態の終了を設定する大当たり終了処理(S622)を実行する。
【1126】
当たり処理(S203)では、まず、いずれかの特別図柄の動的表示において大当たりに当選したか否かを判別する(S601)。判別の結果、大当たりに当選していれば(S601:Yes)、大当たり遊技を行うために、まず、時短高確フラグ203k、時短低確フラグ203j及び救済設定済みフラグをオフに設定する(S602)。そして、特
図1時短カウンタ203m、特
図2時短カウンタ203n、合計時短カウンタ203o及び救済カウンタ203rの値を「0」クリアする(S603)。次に、大当たり種別又は小当たり種別に応じたラウンド数をRAM203に設けられたラウンドカウンタ(図示せず)にセットする(S605)。そして、大当たりが開始されることを示す大当たりオープニングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、大当たりオープニングコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S606)、次いで、該大当たり種別に応じたオープニング時間(例えば、「30秒」又は「10秒」)を設定して(S607)、処理をS615へ移行する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)によって、大当たり種別又は小当たり種別に応じた大当たりオープニングコマンドが音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【1127】
なお、上述したラウンドカウンタは、電源投入時に初期値として「0」がセットされる。MPU201は、該ラウンドカウンタの値を確認して、ラウンドカウンタに値が設定されている場合(即ち、「1」以上)は、大当たり遊技に応じて可変入賞装置65を開放制御しつつ、該ラウンドカウンタの値を1減算する。そして、ラウンドカウンタの値が「0」になった場合に、実行中の大当たりを終了するように構成されている。
【1128】
S601の処理において、いずれかの特別図柄の動的表示において大当たりに当選していないと判別された場合は(S601:No)、次いで、可変入賞装置65内の特定領域65dを球が通過したことに基づいて大当たりフラグ203pがオンされているか否かを判別する(S608)。判別の結果、大当たりフラグ203pがオンされていれば(S608:Yes)、小当たり遊技中に可変入賞装置65内の特定領域65dを球が通過したということなので、まず、大当たりフラグ203pをオフに設定し(S609)、処理をS602へ移行して、特別図柄で大当たりにした場合と同様の処理を行う。この場合、小当たり種別に応じたラウンド数をラウンドカウンタに設定する処理(S602)等を行う。
【1129】
このように構成することで、特別図柄の動的表示において大当たりに当選する以外にも、小当たりに当選して、該小当たり遊技中に特定領域65dに球を通過させることで、特別図柄の動的表示と同等の大当たり遊技を行うことができる。よって、大当たり遊技が付与されるバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。一方、該小当たり遊技中に特定領域65dに球を通過させなければ、大当たりフラグ203pはオフのままとなり、大当たり遊技は実行されず、該小当たり当選時の遊技状態に戻ることができる。よって、小当たり遊技における遊技方法のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。
【1130】
S608の処理において、大当たりフラグ203pがオンされていないと判別された場合は(S608:No)、次いで、いずれかの特別図柄の動的表示において小当たりに当選したか否かを判別する(S610)。判別の結果、小当たりに当選していれば(S610:Yes)、小当たり遊技を行うために、小当たり種別に応じた可変入賞装置65の開放回数をRAM203に設けられた開放カウンタ(図示せず)にセットする(S611)。
【1131】
そして、小当たりが開始されることを示す小当たりオープニングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、小当たりオープニングコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S612)、次いで、該小当たりのオープニング時間(例えば、「5秒」や「10秒」)を設定する(S613)。そして、入賞カウンタ(図示せず)に「10」をセットし(S614)、処理をS615へ移行する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)によって、小当たりオープニングコマンドが音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【1132】
音声ランプ制御装置113では、該小当たりオープニングコマンドを受信すると、小当たり当選時右打ち報知演出処理を実行し、オープニング時間において行う右打ち報知演出の内容を決定して実行する(
図70にて後述)。
【1133】
なお、上述した開放カウンタは、電源投入時に初期値として「0」がセットされる。MPU201は、該開放カウンタの値を確認して、開放カウンタに値が設定されている場合(即ち、「1」以上)は、小当たり遊技に応じて可変入賞装置65を開放制御しつつ、該開放カウンタの値を1減算する。そして、開放カウンタの値が「0」になった場合に、実行中の小当たりを終了するように構成されている。
【1134】
また、上述した入賞カウンタは、電源投入時に初期値として「0」がセットされる。MPU201は、該入賞カウンタの値を確認して、入賞カウンタに値が設定されている場合(即ち、「1」以上)は、大当たり遊技又は小当たり遊技に応じて可変入賞装置65を開放制御しつつ、大入賞口スイッチ65cにより球が検知されるごとに入賞カウンタの値を1減算する。そして、入賞カウンタの値が「0」になった場合に、実行中の大当たり遊技又は小当たり遊技の1のラウンドを終了するように構成されている。
【1135】
S615の処理では、小当たり中か否かを判別する(S615)。判別の結果、小当たり中であると判別された場合は(S615:Yes)、小当たり遊技中における可変入賞装置65の開閉制御を実行する小当たり開閉制御処理を実行する(S616)。
【1136】
ここで、
図49を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S203)の一処理である小当たり開閉制御処理(S616)について説明する。
図49は、この小当たり開閉制御処理(S616)を示したフローチャートである。
【1137】
この小当たり開閉制御処理(S616)では、当たり処理(S203)で設定された可変入賞装置65の開放回数(即ち、開放カウンタ)に基づいて、可変入賞装置65の開閉制御を実行する。
【1138】
この小当たり開閉制御処理(S616)では、まず、開放カウンタ(図示せず)の値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S6001)。判別の結果、開放カウンタが「0」より大きい値でない場合、即ち、開放カウンタの値が「0」以下である場合は(S6001:No)、小当たり遊技中における可変入賞装置65の開放回数が残存していないため、この小当たり開閉制御処理(S616)を終了して、当たり処理(
図48参照)に戻る。
【1139】
一方、S6001の判別の結果、開放カウンタの値が「0」より大きい値である場合は(S6001:Yes)、次いで、当たり処理(S203)のS613で設定されたオープニング時間、又は、小当たり開放テーブル202hに基づいて設定されるインターバル時間が経過したか否かを判別する(S6002)。判別の結果、小当たり時におけるオープニング時間又はインターバル時間が経過していなければ(S6002:No)、可変入賞装置65の開放タイミングではないため、S6003~S6005の処理をスキップして、処理をS6006へ移行する。
【1140】
一方、S6002の処理において、小当たり時におけるオープニング時間又はインターバル時間が経過していれば(S6002:Yes)、可変入賞装置65の開放タイミングなので、まず、可変入賞装置65の開放設定を行う(S6003)。そして、可変入賞装置65における1の開放時間を設定し(S6004)、次いで、可変入賞装置65が開放されたことを示す大入賞口開放コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S6005)、処理をS6006へ移行する。
【1141】
S6006の処理では、小当たり時において可変入賞装置65が開放中であるか否かを判別する(S6006)。判別の結果、小当たり時において可変入賞装置65が開放中でなければ(S6006:No)、小当たり時おいて可変入賞装置65が開放中ではなく、オープニング時間中又はインターバル時間中であるので、S6007及びS6008の処理をスキップして、この小当たり開閉制御処理(S616)を終了し、当たり処理(
図48参照)に戻る。一方、S6006の処理において、小当たり時において可変入賞装置65が開放中であると判別された場合は(S6006:Yes)、まず、特定領域65dの開閉制御を実行する特定領域装置開閉制御処理を行う(S6007)。
【1142】
ここで、
図50を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開閉制御処理(S616)の一処理である特定領域装置開閉制御処理(S6007)について説明する。
図50は、この特定領域装置開閉制御処理(S6007)を示したフローチャートである。
【1143】
この特定領域装置開閉制御処理(S6007)では、小当たり遊技中における特定領域65dの開閉制御を行う。
【1144】
この特定領域装置開閉制御処理(S6007)では、まず、特定領域65dが開放中か否か、即ち、特定領域ソレノイド65fがオンされているか否かを判別する(S6101)。判別の結果、特定領域65dが開放されていない場合、即ち、特定領域ソレノイド65fがオフされている場合は(S6101:No)、次いで、特定領域65dの開放条件が成立しているか否か、即ち、可変入賞装置65が開放しているか否かを判別する(S6102)。判別の結果、特定領域65dの開放条件が成立している場合、即ち、可変入賞装置65が開放したタイミングで(S6102:Yes)、特定領域ソレノイド65fをオフからオンに設定して、特定領域65dの開放設定を行い(S6103)、処理をS6104へ移行する。
【1145】
なお、S6101の処理において、特定領域65dが開放されていると判別された場合、即ち、特定領域ソレノイド65fがオンされている場合は(S6101:Yes)、S6102及びS6103の処理をスキップして、処理をS6104へ移行する。また、S6102の処理において、特定領域65dの開放条件が成立していない場合は(S6102:No)、S6103~S6105の処理をスキップして、この特定領域装置開閉制御処理(S6007)を終了し、小当たり開閉制御処理(
図49参照)に戻る。
【1146】
S6104の処理では、特定領域65dの閉鎖条件が成立しているか否か、即ち、特定領域スイッチ65gによって球が検知された場合や特定領域65dの開放時間(例えば、特定領域65dの開放から「30秒」)が経過した場合に(S6104:Yes)、特定領域65dの閉鎖条件が成立したと判断して、特定領域65dを閉鎖するために、特定領域ソレノイド65fをオンからオフに設定して、特定領域65dの閉鎖設定を行い(S6105)、この特定領域装置開閉制御処理(S6007)を終了して、小当たり開閉制御処理(
図49参照)に戻る。
【1147】
このように、小当たり遊技中に所定条件の成立に基づいて特定領域65dの開閉制御処理を行い、小当たり遊技中に特定領域65dを開放させて球が通過させ得ることで、小当たり遊技に基づく大当たり遊技を発生させることが可能となる。また、小当たり遊技中に特定領域65dを球が通過しなければ、大当たり遊技を発生させずに該小当たり当選時の遊技状態に戻ることができる。
【1148】
図49に戻って、説明を続ける。S6007の特定領域装置開閉制御処理の後は、次いで、開放中の可変入賞装置65の閉鎖条件を判別するべく、小当たり時大入賞口開放中処理を行い(S6008)、この小当たり開閉制御処理(S616)を終了し、当たり処理(
図48参照)に戻る。
【1149】
ここで、
図51を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開閉制御処理(S616)の一処理である小当たり時大入賞口開放中処理(S6008)について説明する。
図51は、この小当たり時大入賞口開放中処理(S6008)を示したフローチャートである。
【1150】
この小当たり時大入賞口開放中処理(S6008)では、小当たり遊技中において開放中の可変入賞装置65の閉鎖条件が成立するか否かを判別する処理を実行する。
【1151】
この小当たり時大入賞口開放中処理(S6008)では、まず、上述した小当たり開閉制御処理(S616)のS6004において設定された可変入賞装置65の1の開放時間が経過したか否かを判別する(S6201)。判別の結果、可変入賞装置65の1の開放時間が経過したタイミングでなければ(S6201:No)、次いで、大入賞口スイッチ65cがオンされたか否か、即ち、可変入賞装置65内へ球が入賞したか否かを判断する(S6202)。
【1152】
S6202の処理において、大入賞口スイッチ65cによって球が検出され可変入賞装置65内へ球が入賞していれば(S6202:Yes)、入賞カウンタの値を1減算して(S6203)、次いで、1減算した入賞カウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S6204)。入賞カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S6204:No)、即ち、入賞カウンタの値が「0」以下である場合は、可変入賞装置65に球が10個以上入賞して小当たり遊技の終了条件(可変入賞装置65の閉鎖条件)が成立しているので、可変入賞装置65を閉鎖させるために、処理をS6205へ移行する。
【1153】
S6205からの可変入賞装置65の閉鎖処理では、まず、可変入賞装置65の閉鎖設定を行い(S6205)、次いで、音声ランプ制御装置113に対して可変入賞装置65が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖コマンドを設定して(S6206)、処理をS6207へ移行する。なお、S6206の処理で設定された大入賞口閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【1154】
次いで、S6207の処理では、小当たり遊技の終了条件が成立したことから、開放カウンタの値を「0」クリアし(S6207)、この小当たり時大入賞口開放中処理(S6008)を終了して、小当たり開閉制御処理(
図49参照)に戻る。
【1155】
S6202の処理において、大入賞口スイッチ65cがオンされていないと判別された場合は(S6202:No)、次いで、特定領域スイッチ65gがオンされたか否かを判別する(S6208)。判別の結果、特定領域スイッチ65gがオンされていれば(S6208:Yes)、小当たり遊技中の特定領域65dの開放中に球が特定領域65dを通過したということなので、小当たり遊技後に大当たり遊技を発生させるため、大当たりフラグ203pをオンに設定して(S6209)、この小当たり時大入賞口開放中処理(S6008)、小当たり開閉制御処理(
図49参照)に戻る。一方、S6208の処理において、特定領域スイッチ65gがオンされていないと判断された場合は(S6208:No)、S6209の処理をスキップして、この小当たり時大入賞口開放中処理(S6008)、小当たり開閉制御処理(
図49参照)に戻る。
【1156】
これにより、小当たり遊技中において、特定領域65dが開放されているタイミングで球が特定領域65dを通過することに基づいて、小当たり遊技後に大当たり遊技を発生させることができ、大当たり遊技が付与されるバリエーションを豊富にし、遊技の興趣を向上することができる。一方、該小当たり遊技中に特定領域65dに球を通過させなければ、大当たりフラグ203pはオフのままとなり、大当たり遊技は実行されず、該小当たり当選時の遊技状態に戻ることができる。
【1157】
このように構成することで、小当たり当選時の右打ち報知演出の内容を遊技者が確認し、状況によっては該小当たりで大当たりを発生させず、小当たり当選時の左打ち遊技方法を実行した方が獲得し得る出玉の期待値が高くなると遊技者が判断した場合には、右打ち遊技を実行せず、特定領域65dに球を通過させないことによって大当たりの発生を抑制することができる。
【1158】
その結果、救済条件成立回数までの残りの特別図柄の動的表示の実行回数によって小当たり当選時の右打ち報知演出の内容を切り替え、該右打ち報知演出の内容によって、遊技者が小当たり当選時の右打ち遊技方法と、小当たり当選時の左打ち遊技方法との、いずれの遊技方法を選択するかという新たな遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる。
【1159】
S6201の処理において、可変入賞装置65の1の開放時間が経過したタイミングと判断された場合は(S6201:Yes)、可変入賞装置65の1の開放における閉鎖条件が成立し、その開放における可変入賞装置65の閉鎖タイミングであるため、可変入賞装置65を閉鎖させるために、処理をS6210へ移行する。
【1160】
S6210の処理では、開放中の可変入賞装置65を閉鎖せるため、大入賞口ソレノイド65bをオンからオフにして、可変入賞装置65の閉鎖を設定し(S6210)、次いで、音声ランプ制御装置113に対して可変入賞装置65の1の開放の終了を示す大入賞口閉鎖コマンドを設定する(S6211)。S6211の処理で設定された大入賞口閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【1161】
音声ランプ制御装置113は、小入賞口閉鎖コマンドを受信すると、可変入賞装置65が閉鎖された旨の演出を実行する。なお、小当たり遊技における可変入賞装置65の開閉は、それぞれ短時間(開放「0.1秒」、閉鎖「1.2秒」)であるため、音声ランプ制御装置113は、大入賞口閉鎖コマンドを受信した場合であっても、可変入賞装置65の1の開閉に伴う演出を実行しないように構成してもよい。
【1162】
S6211の処理の後は、可変入賞装置65の1の開放が終了したということなので、開放カウンタの値を1減算し(S6212)、この小当たり時大入賞口開放中処理(S6008)を終了して、小当たり開閉制御処理(
図49参照)に戻る。これにより、小当たり遊技中において、1のラウンド中に開放カウンタの値に設定された開放回数分、可変入賞装置65を開放させることができる。
【1163】
図48の当たり処理(S203)に戻って、説明を続ける。S616の小当たり開閉制御処理(
図49参照)の終了後は、次いで、開放カウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S617)。判別の結果、開放カウンタが「0」より大きい値であれば(S617:Yes)、小当たりを継続するため、小当たりの終了設定処理であるS618の処理をスキップして、この当たり処理(S203)を終了する。
【1164】
一方、S617の処理において、開放カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S617:No)、即ち、開放カウンタの値が「0」以下である場合は、この小当たりにおける可変入賞装置65の開放動作がすべて終了しているので、小当たり状態を終了させるために、小当たり終了処理を行い(S618)、この当たり処理(S203)を終了する。
【1165】
ここで、
図52を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S203)の一処理である小当たり終了処理(S618)について説明する。
図52は、この小当たり終了処理(S618)を示したフローチャートである。
【1166】
この小当たり終了処理(S618)では、まず、入賞カウンタの値を「0」クリアし(S6301)、次いで、特定領域65dが開放されている場合は、特定領域65dの閉鎖処理を設定する(S6302)。そして、小当たりの終了時の各種処理を実行する小当たり終了設定処理を行い(S6303)、この小当たり終了処理(S618)を終了して、当たり処理(
図48参照)に戻る。
【1167】
図48に戻って、説明を続ける。S615の処理において、小当たり遊技中ではないと判別された場合は(S615:No)、次いで、大当たり中か否かを判別する(S619
)。判別の結果、大当たり中であると判別された場合は(S619:Yes)、可変入賞装置65の開閉制御を実行する大当たり開閉制御処理を実行する(S620)。
【1168】
ここで、
図53を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S203)の一処理である大当たり開閉制御処理(S620)について説明する。
図53は、この大当たり開閉制御処理(S620)を示したフローチャートである。
【1169】
この大当たり開閉制御処理(S620)では、当たり処理(S203)で設定された可変入賞装置65の開放回数に基づいて、可変入賞装置65の開閉制御を実行する。
【1170】
この大当たり開閉制御処理(S620)では、まず、当たり処理(S203)のS607で設定されたオープニング時間、又は、後述する大入賞口開放中処理(S6407)のS6510(
図54参照)で設定されたインターバル時間が経過したか否かを判別する(S6401)。判別の結果、大当たり時におけるオープニング時間又はインターバル時間が経過していなければ(S6401:No)、可変入賞装置65の開放タイミングではないため、該可変入賞装置65を閉鎖し続けるため、S6002~S6005の処理をスキップして、処理をS6406へ移行する。
【1171】
一方、S6401の処理において、大当たり時におけるオープニング時間又はインターバル時間が経過していれば(S6401:Yes)、可変入賞装置65の開放タイミングなので、可変入賞装置65の開放設定を行い(S6402)、次いで、入賞カウンタ(図示せず)に「10」をセットする(S6403)。そして、大当たり時おける可変入賞装置65の最大開放時間(第1実施形態では、「30秒」)を設定して(S6404)、可変入賞装置65が開放されたことを示す大入賞口開放コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S6405)、処理をS6406に移行する。この大入賞口開放コマンドを受信した音声ランプ制御装置113は、可変入賞装置65が開放された旨を第3図柄表示装置81において実行し、開放されている可変入賞装置65へ球を入賞させることを遊技者に促すように構成されている。
【1172】
S6406の処理では、可変入賞装置65が開放中であるか否かを判別する(S6406)。判別の結果、可変入賞装置65が開放中でなければ(S6406:No)、可変入賞装置65が開放中ではなく、オープニング時間中又はインターバル時間中であるので、S6407の処理をスキップして、この大当たり開閉制御処理(S620)を終了し、当たり処理(
図48参照)に戻る。一方、S6406の処理において、可変入賞装置65が開放中であると判別された場合は(S6406:Yes)、開放中の可変入賞装置65の閉鎖条件を判別するべく、大入賞口開放中処理を行い(S6407)、この大当たり開閉制御処理(S620)を終了し、当たり処理(
図48参照)に戻る。
【1173】
ここで、
図54を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり開閉制御処理(S620)の一処理である大入賞口開放中処理(S6407)について説明する。
図54は、この大入賞口開放中処理(S6407)を示したフローチャートである。
【1174】
この大入賞口開放中処理(S6407)では、開放中の可変入賞装置65の閉鎖条件が成立するか否かを判別する処理を実行する。
【1175】
この大入賞口開放中処理(S6407)では、まず、上述した大当たり開閉制御処理(S620)のS6404において設定された可変入賞装置65の開放時間が経過したか否かを判別する(S6501)。判別の結果、可変入賞装置65の開放時間が経過したタイミングであれば(S6501:Yes)、可変入賞装置65の閉鎖条件が成立し、そのラウンドにおける可変入賞装置65の閉鎖タイミングであるため、入賞カウンタの値を「0」クリアして(S6502)、可変入賞装置65を閉鎖させるために、処理をS6506へ移行する。S6506からの可変入賞装置65の閉鎖処理については、後述する。
【1176】
一方、S6501の処理において、可変入賞装置65の開放時間が経過したタイミングでなければ(S6501:No)、次いで、大入賞口スイッチ65cがオンされたか否か、即ち、可変入賞装置65へ球が入賞したか否かを判断する(S6503)。
【1177】
S6503の処理において、大入賞口スイッチ65cによって球が検出されていないと判別された場合は(S6503:No)、この大入賞口開放中処理(S6407)を終了して、大当たり開閉制御処理(
図53参照)に戻る。一方、大入賞口スイッチ65cによって球が検出され可変入賞装置65へ球が入賞していれば(S6503:Yes)、入賞カウンタの値を1減算して(S6504)、次いで、入賞カウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S6505)。入賞カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S6505:No)、即ち、入賞カウンタの値が「0」以下である場合は、可変入賞装置65に球が10個以上入賞して可変入賞装置65の閉鎖条件が成立しているので、可変入賞装置65を閉鎖させるために、処理をS6506へ移行する。
【1178】
一方、S6505の処理において、入賞カウンタの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S6505:Yes)、可変入賞装置65の閉鎖条件が成立しておらず、可変入賞装置65の開放を継続するために、S6506~S6510の処理をスキップして、この大入賞口開放中処理(S6407)を終了する。この大入賞口開放中処理(S6407)の終了後は、大当たり開閉制御処理(
図53参照)へ戻る。
【1179】
S6506からの可変入賞装置65の閉鎖処理では、まず、可変入賞装置65の閉鎖設定を行い(S6506)、次いで、音声ランプ制御装置113に対して可変入賞装置65が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖コマンドを設定して(S6507)、処理をS6508へ移行する。なお、S6507の処理で設定された大入賞口閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【1180】
次いで、S6508の処理では、可変入賞装置65の1のラウンドが消化されたことから、ラウンドカウンタの値を1減算し(S6508)、次に、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S6509)。ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値である場合(S6509:Yes)、該大当たりにおけるラウンド回数(可変入賞装置65の残り開放回数)が残存している状態であるので、次の可変入賞装置65を開放させるまでのインターバル時間(例えば、「1秒」)を設定し(S6510)、この大入賞口開放中処理(S6007)を終了し、大当たり開閉制御処理(
図53参照)に戻る。
【1181】
一方、S6509の処理において、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S6509:No)、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおける可変入賞装置65の開放動作がすべて終了したので、大当たり状態を終了させるために、インターバル時間を設定せず(即ち、S6510をスキップして)、この大入賞口開放中処理(S6007)を終了して、大当たり開閉制御処理(
図53参照)に戻る。
【1182】
図48の当たり処理(S203)に戻って、説明を続ける。S620の大当たり開閉制御処理(
図53参照)の終了後は、次いで、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S621)。判別の結果、ラウンドカウンタが「0」より大きい値であれば(S621:Yes)、大当たり状態を継続するため、大当たりの終了設定処理であるS622の処理をスキップして、この当たり処理(S203)を終了する。
【1183】
一方、S621の処理において、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S621:No)、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおける可変入賞装置65の開放動作がすべて終了しているので、大当たり状態を終了させるために、大当たり終了処理を行い(S622)、この当たり処理(S203)を終了する。
【1184】
ここで、
図55を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S203)の一処理である大当たり終了処理(S622)について説明する。
図55は、この大当たり終了処理(S610)を示したフローチャートである。
【1185】
この大当たり終了処理(S622)では、当選した大当たり種別(小当たり種別に基づく大当たり)及び当選時の遊技状態に基づいて、各時短カウンタの値の設定等を行う。
【1186】
この大当たり終了処理(S622)では、まず、「高確時短機能」を発動させるために、時短高確フラグ203kをオンに設定する(S6601)。次いで、「通常遊技状態」で当選した大当たりであったか否かを判別する(S6602)。判別の結果、「通常遊技状態」で当選した大当たりではなかった場合は(S6602:No)、処理をS6604に移行する。
【1187】
一方、S6602の判別の結果、「通常遊技状態」で当選した大当たりであった場合は(S6602:Yes)、次いで、大当たり種別「時短B」又は「時短C」(小当たり種別に基づく大当たり)に当選したか否かを判別し(S6603)、大当たり種別「時短B」又は「時短C」(小当たり種別に基づく大当たり)に当選していなければ(S6603:No)、処理S6604に移行する。
【1188】
S6604の処理では、特
図1時短カウンタ203mに「7」をセットし(S6604)、次いで、特
図2時短カウンタ203nに「5」をセットし(S6605)、合計時短カウンタ203oに「12」をセットして(S6606)、処理をS6610に移行する。
【1189】
S6603の処理において、大当たり種別「時短C」(小当たり種別に基づく大当たり)に当選したと判別された場合(S6603:Yes)、特
図1時短カウンタ203mに「7」をセットし(S6607)、次いで、特
図2時短カウンタ203nに「1」をセットし(S6608)、合計時短カウンタ203oに「8」をセットして(S6609)、処理をS6610に移行する。
【1190】
S6610の処理では、音声ランプ制御装置113に対して大当たりのエンディング演出の開始を示すエンディングコマンドを設定する(S6610)。S6610の処理で設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、大当たりのエンディング演出を実行する。
【1191】
S6611の処理の終了後は、遊技状態に応じてエンディング時間(例えば、「10秒」)を設定し(S6611)、該大当たりの終了時の各種処理を実行する大当たり終了設定処理を行い(S6613)、この大当たり終了処理(S622)を終了して、当たり処理(
図48参照)に戻る。
【1192】
次に、
図56を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(
図40参照)の一処理である普図変動処理(S211)について説明する。
図56は、この普図変動処理(S211)を示したフローチャートである。
【1193】
この普図変動処理(S211)は、スルーゲート67への球の通過に起因して、普通図柄表示装置83における普通図柄の可変表示を制御するものである。
【1194】
この普図変動処理(S211)では、まず、今現在、普通電役72が突出中(作動中)か否か、即ち、普通図柄の当たり中であるか否かを判別する(S701)。判別の結果、普通電役72が突出中であれば(S701:Yes)、普通図柄の当たり中であるので、そのまま普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)へ戻る。
【1195】
一方、普通電役72が突出中でなければ(S701:No)、普通図柄の当たり中ではないため、次いで、普通図柄表示装置83の表示態様が普通図柄の可変表示中であるか否かを判別する(S702)。判別の結果、普通図柄表示装置83の表示態様が普通図柄の可変表示中でなければ(S702:No)、次いで、普通図柄表示装置83における可変表示が停止後、所定時間(例えば、「1秒」)経過したか否かを判別する(S703)。その結果、可変表示の停止後、所定時間経過していなければ(S703:No)、この普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。これにより、可変表示における停止図柄が所定時間だけ普通図柄表示装置83に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
【1196】
一方、S703の処理の結果、可変表示の停止後、所定時間経過していれば(S703:Yes)、普図保留球数カウンタ203gの値(主制御装置110において保留されている普通図柄に関する可変表示の作動保留球数HN)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S704)。
【1197】
S704の処理の結果、普図保留球数カウンタ203gの値(作動保留球数HN)が「0」より大きくなければ(S704:No)、実行すべき普通図柄の可変表示の保留球数が存在しないということなので、この普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。一方、普図保留球数カウンタ203gの値(作動保留球数HN)が「0」より大きい値であれば(S704:Yes)、保留されていた普通図柄に関する可変表示の実行開始タイミングであると判断し、まず、普図保留球数カウンタ203gの値(作動保留球数HN)を1減算する(S705)。これは、後述する処理(S706~S712)によって、保留されていた普通図柄に関する可変表示のうち1の可変表示の実行が開始されることに伴って、普通図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
【1198】
次いで、普図保留球格納エリア203hに格納されたデータをシフト処理する(S706)。このデータシフト処理は、普図保留球格納エリア203hの普図保留第1~第4エリアに格納されているデータを普図保留球実行エリア203iへ向けて順にシフトさせる処理であって、普図保留第1エリア→普図保留球実行エリア203i、普図保留第2エリア→普図保留第1エリア、普図保留第3エリア→普図保留第2エリア、普図保留第4エリア→普図保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
【1199】
S706のデータシフト処理の後は、データシフト処理により普図保留球実行エリア203iに格納されたデータ(即ち、普図当たりカウンタC4の値)に基づいて、普通図柄表示装置83における普通図柄の可変表示を実行するために、まず、時短低確フラグ203j又は時短高確フラグ203kがオンされているか否かを判別する(S707)。判別の結果、時短低確フラグ203j及び時短高確フラグ203kがオンされていない場合は(S707:No)、「時短機能」が無効となる「通常遊技状態」であると判断し、普通図柄の可変表示時間を「15秒」に設定し(S708)、処理をS710へ移行する。一方、時短低確フラグ203j又は時短高確フラグ203kがオンされていると判別された場合(S707:Yes)、「時短機能」が有効な「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」であると判断し、普通図柄の可変表示時間を「0.1秒」に設定して(S709)、処理をS710へ移行する。
【1200】
S710の処理では、時短高確フラグ203kがオンされているか否かを判別し(S710)、時短高確フラグ203kがオンされていない場合(S710:No)、即ち、普通図柄の低確率状態では、普図当たり乱数テーブル202iにおける低確率状態用のグループを参照して、普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たりカウンタC4の値を判定し、普通図柄の可変表示の停止図柄(即ち、普通図柄の当否)を決定する(S711)。また、時短高確フラグ203kがオンされている場合(S710:Yes)、即ち、普通図柄の高確率状態では、普図当たり乱数テーブル202iにおける高確率状態用のグループを参照して、普図保留球実行エリア203iに格納されている普図当たりカウンタC4の値を判定し、普通図柄の可変表示の停止図柄(即ち、普通図柄の当否)を決定する(S712)。S711及びS712の処理の後は、この普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1201】
これにより、遊技状態に応じて普通図柄の当否確率を変更することで、遊技者が右打ちした場合に、スルーゲート67を球が通過したとき、普通電役72が開放し易いか否かの違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を球が通過した場合に、普通電役72が開放し易い状況(即ち、普通図柄の高確率状態)であって第2始動口71側へ流入し易い状況か、普通電役72が開放し易い状況よりも開放し難い状況(即ち、普通図柄の低確率状態)であって、閉鎖(没入)している普通電役72の前面を流下していき、可変入賞装置65側へ流入し得る状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
【1202】
S702の処理において、普通図柄表示装置83の表示態様が可変表示中であると判別されると(S702:Yes)、可変表示時間が経過したか否かを判別する(S713)。普通図柄表示装置83の可変表示時間は、S708又はS709の処理により遊技状態に応じて決定されており、この可変表示時間が経過していなければ(S713:No)、普通図柄表示装置83の表示を更新して(S714)、この普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1203】
一方、普通図柄表示装置83における可変表示の可変表示時間が経過していれば(S713:Yes)、普通図柄表示装置83に対して、S711又はS712によって予め設定された停止図柄に対応した表示態様を設定し(S715)、この普図変動処理(S211)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1204】
これにより、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普図変動処理(S211)に基づいて普通図柄表示装置83における可変表示が設定され、該普通図柄表示装置83において可変表示が開始されてから可変表示時間が経過するまでは、「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる。そして、可変表示結果が当たりである場合には「○」の図柄を点灯する一方、ハズレである場合には「×」の図柄を点灯させる。
【1205】
次に、
図57を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(
図40参照)の一処理である普通電役制御処理(S204)について説明する。
図57は、この普通電役制御処理(S204)を示したフローチャートである。
【1206】
この普通電役制御処理(S204)は、普通図柄の当たりが発生する場合に、遊技状態に応じて普通電役72の開閉(突出及び没入)駆動制御を実行する。即ち、遊技状態に応じて普通電役72の開放(突出)時間を設定すると共に、設定された時間に基づいて該普通電役72を開放駆動し、設定した突出時間が経過した場合に、開放(突出)中の普通電役72を閉鎖(没入)させる制御を実行する。
【1207】
この普通電役制御処理(S204)では、まず、普通電役72が開放(突出)中か否か、即ち、普通図柄の当たり中か否かを判別する(S801)。判別の結果、普通電役72が開放中でないと判別された場合(S801:No)、即ち、普通図柄の当たり中でないと判別された場合は、次に、普通図柄の可変表示が終了したか否かを判別する(S802)。
【1208】
S802における判別の結果、普通図柄の可変表示が終了していなければ(S802:No)、この普通電役制御処理(S204)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る一方、普通図柄の可変表示が終了していれば(S802:Yes)、次いで、該可変表示において当たりに当選したか否かを判別する(S803)。
【1209】
S803における判別の結果、可変表示において当たりに当選していないと判別された場合は(S803:No)、この普通電役制御処理(S204)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)へ戻る。一方、可変表示において当たりに当選していると判別された場合は(S803:Yes)、当選した当たりに関する制御を実行するために、まず、時短低確フラグ203j又は時短高確フラグ203kがオンされているか否かを判別する(S804)。
【1210】
S804における判別の結果、時短低確フラグ203j及び時短高確フラグ203kがオンされていないと判別された場合は(S804:No)、「時短機能」が無効となる「通常遊技状態」であると判断し、普通電役開放テーブル202kの規定内容に基づいて当たり状態における普通電役72の開放時間を「0.1秒」に設定し(S805)、該当たりに基づく普通電役72の開放回数を1回行うために、電役カウンタ(図示せず)の値に「1」をセットして(S806)、処理をS809へ移行する。
【1211】
一方、S804の処理において、時短低確フラグ203j又は時短高確フラグ203kがオンされていると判別された場合は(S804:Yes)、「時短機能」が有効な「普図高確時間短縮状態」又は「普図低確時間短縮状態」であると判断し、普通電役開放テーブル202kの規定内容に基づいて当たり状態における普通電役72の開放(没入)時間を「5.8秒」に設定し(S807)、該当たりに基づく普通電役72の開放回数を1回行うために、電役カウンタ(図示せず)の値に「1」をセットして(S808)、処理をS809へ移行する。
【1212】
S809の処理では、普通電役72の開放(突出)処理を行い(S809)、閉鎖(没入)状態であった普通電役72を開放状態に駆動し、この普通電役制御処理(S204)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1213】
これにより、遊技者が右打ちした場合において、スルーゲート67を通過した球が普通電役72の配設位置に到達し、該普通電役72が開放されている時間の長い状態か短い状態かの違いを生じさせることができる。その結果、スルーゲート67を通過した球が第2始動口71側へ誘導され易い状況か、該普通電役72の閉鎖状態において該普通電役72の前面を流下して、その球が可変入賞装置65側へ流下され得る状況か、を遊技状態によって異ならせることで、遊技状態毎に異なる遊技性を生むことができる。
【1214】
S801の処理において、普通電役72が開放中であると判別された場合(S801:Yes)、即ち、普通図柄の当たり中であると判別された場合は、次いで、S805又はS807において設定された普通電役72の1回の開放時間が経過しているかを判別する(S810)。判別の結果、設定された普通電役72の1回の開放時間が経過していないと判別された場合は(S810:No)、普通電役72の開放状態を維持するため、S811~S813の処理をスキップして、この普通電役制御処理(S204)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1215】
一方、S810の処理において、設定された普通電役72の1回の開放時間が経過していると判別された場合は(S810:Yes)、まず、普通電役72の閉鎖(没入)処理を行い(S811)、S806又はS808の処理で設定された電役カウンタの値から「1」を減算する(S812)。そして、減算された電役カウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S813)。判別の結果、電役カウンタの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S813:Yes)、該当たりに基づく普通電役72の開放回数が残存しているため、処理をS809へ移行し、所定のインターバル処理を行った上で再び普通電役72の開放処理を行う。一方、電役カウンタの値が「0」より大きい値でないと判別された場合(S813:No)、即ち、電役カウンタの値が「0」以下である場合は、該当たりに基づく普通電役72の開放がすべて終了したということなので、普通電役72の再開放を行わず、この普通電役制御処理(S204)を終了して、タイマ割込処理(
図40参照)に戻る。
【1216】
次いで、
図58を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるベース値処理(S251)について説明する。
図58は、このベース値処理(S251)を示すフローチャートである。このベース値処理(S251)では、ベース値の算出(計測)と、ベース値の表示とを行う。
【1217】
このベース値処理(S251)では、まず、ベース値算出処理を実行する(S851)。このベース値算出処理では、リアルタイムベース値を算出(計測)するとともに、総アウト個数が60000個となった場合に、該リアルタイムベース値データを前回リアルタイムベース値データへシフトする等の処理を実行する。
【1218】
次いで、前回、ベース値処理(S853)を実行してから5秒経過したか否かを判別し(S852)、前回、ベース値処理(S853)を実行してから5秒経過していれば(S852:Yes)、ベース値表示処理を実行して(S853)、ベース表示装置401にベース値を表示する処理を実行し、このベース値処理(S251)を終了する。
【1219】
一方、S852の処理において、前回、ベース値処理(S853)を実行してから5秒経過していなければ(S852:No)、S853の処理をスキップして、このベース値処理(S251)を終了する。
【1220】
次いで、
図59を参照して、停電等の発生した場合に主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。
図59は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。
【1221】
このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。NMI端子に停電信号SG1が入力されたMPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S901)、NMI割込処理を終了する。
【1222】
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
【1223】
次に、
図60から
図70を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(
図60参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(
図61参照)とがある。
【1224】
まず、
図60を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。
図60は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
【1225】
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1116の電源断処理(
図61参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。
図61を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、S1116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、更新終了状態にすべく電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
【1226】
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
【1227】
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
【1228】
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
【1229】
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
【1230】
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が「0」クリアされる。
【1231】
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
【1232】
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1116の電源断処理の実行時にオンされる(
図61のS1115参照)。つまり、電源断フラグは、S1116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、損益分岐回数格納エリア223kに損益分岐回数テーブル222fより取得した損益分岐回数「543」をセットし(S1021)、割込み許可を設定して(S1011)、処理をS1012へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
【1233】
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、処理をS1012へ移行する。
【1234】
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
【1235】
S1012の処理では、主制御装置110から設定値コマンドを受信したか否かを判別し(S1012)、該設定値コマンドを受信するまでS1012の処理を繰り返し実行して待機する(S1012:No)。そして、主制御装置110から設定値コマンドを受信した場合に(S1012:Yes)、該設定値コマンドが示す確率設定値を設定値メモリ(図示せず)に格納し(S1013)、メイン処理(
図61参照)へ移行する。
【1236】
このように、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理において、主制御装置110の立ち上げ処理(
図37参照)の終盤で生成される設定値コマンドを受信するまでメイン処理(
図61参照)への移行を待機することで、主制御装置110で設定された確率設定値を音声ランプ制御装置113側で確実に把握し、該確率設定値に基づいてメイン処理以降の処理を実行できる。また、主制御装置110から設定値コマンドを受信しない場合、主制御装置110の立ち上げ処理の終盤まで到達しておらず、主制御装置110の立ち上げ処理が正常に終了していないので、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理も正常に終了させず、メイン処理へ移行させない。このように構成することで、音声ランプ制御装置113側で主制御装置110の立ち上げ処理が正常に実行されたか否かを把握することが可能となるとともに、主制御装置110が正常に立ち上がっていない状態における音声ランプ制御装置113の暴走を未然に防止できる。
【1237】
次に、
図61を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。
図61は、このメイン処理を示したフローチャートである。
【1238】
メイン処理が実行されると、まず、前回S1101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上が経過したか否かが判別され(S1101)、「1ミリ秒」以上経過していなければ(S1101:No)、S1102~S1109の処理を行わずにS1110の処理へ移行する。S1101の処理で、「1ミリ秒」経過したか否かを判別するのは、S1102~S1109が短い周期(「1ミリ秒」以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S1110の変動演出処理やS1111のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。S1111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1110の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
【1239】
S1101の処理において、前回S1101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上経過していると判断される場合は(S1101:Yes)、S1102の処理へ移行する。なお、S1101の処理が、
図60に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS1102の処理へ移行する。
【1240】
S1102の処理では、S1103~S1112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様になるように各ランプの出力を設定し(S1103)、その後電源投入報知処理を実行する(S1104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば、「30秒」)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1105の処理へ移行する。
【1241】
次いで、S1105の処理では、後述するS1111のコマンド判定処理によって設定される大当たりに関する演出を実行する当たり演出処理を行い(S1105)、S1106の処理へ移行する。なお、第1実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄による大当たり及び小当たりに関する可変入賞装置65の開放中に所定の演出(例えば、可変入賞装置65が開放されたことを示す演出や右打ち報知演出)を実行するように構成されている。この当たり演出処理(S1105)の詳細については、
図69を参照して後述する。
【1242】
次いで、S1106の処理では、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22の有効期間において、該枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、上記有効期間に枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。
【1243】
枠ボタン入力監視・演出処理(S1106)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1107)、その後音編集・出力処理を実行する(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29~33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
【1244】
S1108の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理が実行され、また、S1108の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間で実行される。
【1245】
S1110の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した特
図1変動パターンコマンドおよび特
図1停止種別コマンド、又は、特
図2変動パターンコマンドおよび特
図2停止種別コマンドに基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する変動演出処理を実行し(S1110)、処理をS1111へ移行する。この変動演出処理(S1110)の詳細については、
図66を参照して後述する。
【1246】
S1111の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行い(S1111)、S1112の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S1111)の詳細については、
図62を参照して後述する。
【1247】
S1112では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた各種カウンタを更新するカウンタ更新処理を実行する(S1112)。例えば、変動演出の詳細な変動パターンを決定するカウンタの更新や、「保留変化予告」を抽選する保留変化カウンタ(図示せず)の更新が、このカウンタ更新処理の中で行われる。該カウンタの更新は、所定の範囲(本実施形態では、「0~99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(「99」)に達した後「0」に戻すことによって行われる。
【1248】
S1112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1115)、電源断処理を実行する(S1116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1117)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
【1249】
一方、S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1114)、RAM223が破壊されていなければ(S1114:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
【1250】
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼び、パチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
【1251】
次に、
図62を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1111)について説明する。
図62は、このコマンド判定処理(S1111)を示したフローチャートである。
【1252】
このコマンド判定処理(S1111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(
図61参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110又は表示制御装置114から受信したコマンドを判定する。
【1253】
コマンド判定処理(S1111)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域に、主制御装置110からのコマンドを受信しているか否かを判別する(S1201)。判別の結果、主制御装置110からコマンドを受信していれば(S1201:Yes)、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より第1特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンド(即ち、特
図1変動パターンコマンド、特
図1停止種別コマンド又は特
図1確定コマンド等)を受信したか否かを判別する(S1202)。そして、第1特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンドを受信したと判別された場合(S1202:Yes)、該コマンドに関する各処理を実行する特
図1コマンド処理を行い(S1203)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図61参照)に戻る。
【1254】
ここで、
図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特
図1コマンド処理(S1203)について説明する。
図63は、この特
図1コマンド処理(S1203)を示したフローチャートである。
【1255】
この特
図1コマンド処理(S1203)では、主制御装置110から送信された第1特別図柄の動的表示(変動演出)に関する各種設定処理を実行する。
【1256】
特
図1コマンド処理(S1203)では、まず、主制御装置110より特
図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1231)。判別の結果、特
図1変動パターンコマンドを受信していれば(S1231:Yes)、受信した特
図1変動パターンコマンドに含まれる第1特別図柄の変動パターン種別を抽出する(S1232)。
【1257】
ここで抽出された第1特別図柄の変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動演出処理(
図66参照)において、表示制御装置114に対して遊技状態に応じて第1特別図柄の変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用特
図1変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。その後、この特
図1コマンド処理(S1203)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【1258】
一方、特
図1変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1231:No)、次いで、主制御装置110より特
図1停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1233)。そして、特
図1停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1233:Yes)、該特
図1停止種別コマンドから停止種別を抽出する(S1234)。
【1259】
ここで抽出された第1特別図柄の停止種別は、RAM223に記憶され、後述する変動演出処理(
図66参照)において、表示制御装置114に対して遊技状態に応じて第1特別図柄の変動演出の停止種別を通知する表示用特
図1停止種別コマンドを設定する場合に用いられる。その後、第1特別図柄の変動演出が開始されることを示す特
図1変動開始フラグ223aをオンに設定して(S1235)、この特
図1コマンド処理(S1203)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【1260】
なお、特
図1停止種別コマンドは、第1特別図柄の変動演出を開始する場合に主制御装置110が特
図1変動パターンコマンドを送信後、その特
図1変動パターンコマンドによって変動パターンが示された第1特別図柄の変動演出の停止種別を示すものとして、主制御装置110より必ず送信されるコマンドである。S1235の処理によって特
図1変動開始フラグ223aをオンに設定することにより、後に実行される変動演出処理(
図66参照)において、先に第1保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された第1特別図柄の変動演出の変動パターン種別と、受信した特
図1変動パターンコマンドより抽出した第1特別図柄の変動演出の変動パターン種別とが一致するか否かの判定を行う。また、先に第1保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された第1特別図柄の変動演出の停止種別と、受信した特
図1停止種別コマンドより抽出した第1特別図柄の変動演出の停止種別とが一致するか否かの判定を行う。それらの判定の結果、1の第1特別図柄の変動演出において、第1保留球数コマンドに基づく変動パターンと特
図1変動パターンコマンドに基づく変動パターンとが一致していない場合、又は、第1保留球数コマンドに基づく停止種別と特
図1停止種別コマンドに基づく停止種別とが一致していない場合は、何らかの異常(例えば、ノイズによるコマンド受信異常)が発生していると判断し、異常を示すためのエラー処理を行うように構成されている。
【1261】
S1233の処理の結果、特
図1停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1233:No)、次いで、主制御装置110より特
図1確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1236)。特
図1確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて第1特別図柄の変動演出が実行されている場合に該第1特別図柄の変動演出を確定表示させるためコマンドである。この特
図1確定コマンドを受信したと判別された場合は(S1236:Yes)、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動演出が実行されている場合に、該第1特別図柄の変動演出を確定表示させる表示用特
図1確定コマンドを設定し(S1237)、この特
図1コマンド処理(S1203)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【1262】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示用特
図1確定コマンドを受信した場合、第3図柄表示装置81において第1特別図柄の変動演出が実行されている場合は、該第1特別図柄の変動演出を確定表示する一方、第3図柄表示装置81において第1特別図柄の変動演出が実行されていない場合は、該表示用特
図1確定コマンドを無視する(に基づく処理を実行しない、に基づいて表示内容を変化させない)ように構成されている。
【1263】
S1236の処理の結果、特
図1確定コマンドを受信していないと判別された場合(S1236:No)、その他の第1特別図柄の変動演出に関する処理を行い(S1238)、この特
図1コマンド処理(S1203)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【1264】
図62に戻って、説明を続ける。S1202の処理において、第1特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンドを受信していないと判別された場合は(S1202:No)、次いで、主制御装置110より第2特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンド(即ち、特
図2変動パターンコマンド、特
図2停止種別コマンド又は特
図2確定コマンド等)を受信したか否かを判別する(S1204)。そして、第2特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンドを受信したと判別された場合(S1204:Yes)、該コマンドに関する各処理を実行する特
図2コマンド処理を行い(S1205)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図61参照)に戻る。
【1265】
ここで、
図64を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特
図2コマンド処理(S1205)について説明する。
図64は、この特
図2コマンド処理(S1205)を示したフローチャートである。
【1266】
この特
図2コマンド処理(S1205)では、主制御装置110から送信された第2特別図柄の動的表示(変動演出)に関する各種設定処理を実行する。
【1267】
特
図2コマンド処理(S1205)では、まず、主制御装置110より特
図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1251)。判別の結果、特
図2変動パターンコマンドを受信していれば(S1251:Yes)、受信した特
図2変動パターンコマンドに含まれる第2特別図柄の変動パターン種別を抽出する(S1252)。
【1268】
ここで抽出された第2特別図柄の変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動演出処理(
図66参照)において、表示制御装置114に対して遊技状態に応じて第2特別図柄の変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用特
図2変動パターンコマンドを設定する場合に用いられる。その後、この特
図2コマンド処理(S1205)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【1269】
一方、特
図2変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1251:No)、次いで、主制御装置110より特
図2停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1253)。そして、特
図2停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1253:Yes)、該特
図2停止種別コマンドから停止種別を抽出する(S1254)。
【1270】
ここで抽出された第2特別図柄の停止種別は、RAM223に記憶され、後述する変動演出処理(
図66参照)において、表示制御装置114に対して遊技状態に応じて第2特別図柄の変動演出の停止種別を通知する表示用特
図2停止種別コマンドを設定する場合に用いられる。その後、第2特別図柄の変動演出が開始されることを示す特
図2変動開始フラグ223bをオンに設定して(S1255)、この特
図2コマンド処理(S1205)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【1271】
なお、特
図2停止種別コマンドは、第2特別図柄の変動演出を開始する場合に主制御装置110が特
図2変動パターンコマンドを送信後、その特
図2変動パターンコマンドによって変動パターンが示された第2特別図柄の変動演出の停止種別を示すものとして、主制御装置110より必ず送信されるコマンドである。S1255の処理によって特
図2変動開始フラグ223bをオンに設定することにより、後に実行される変動演出処理(
図66参照)において、先に第2保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された第2特別図柄の変動演出の変動パターン種別と、受信した特
図2変動パターンコマンドより抽出した第2特別図柄の変動演出の変動パターン種別とが一致するか否かの判定を行う。また、先に第2保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された第2特別図柄の変動演出の停止種別と、受信した特
図2停止種別コマンドより抽出した第2特別図柄の変動演出の停止種別とが一致するか否かの判定を行う。それらの判定の結果、1の第2特別図柄の変動演出において、第2保留球数コマンドに基づく変動パターンと特
図2変動パターンコマンドに基づく変動パターンとが一致していない場合、又は、第2保留球数コマンドに基づく停止種別と特
図2停止種別コマンドに基づく停止種別とが一致していない場合は、何らかの異常(例えば、ノイズによるコマンド受信異常)が発生していると判断し、異常を示すためのエラー処理を行うように構成されている。
【1272】
S1253の処理の結果、特
図2停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1253:No)、次いで、主制御装置110より特
図2確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1256)。特
図2確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて第2特別図柄の変動演出が実行されている場合は該第2特別図柄の変動演出を確定表示させるためコマンドである。この特
図2確定コマンドを受信したと判別された場合は(S1256:Yes)、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動演出が実行されている場合に、該第2特別図柄の変動演出を確定表示させる表示用特
図2確定コマンドを設定し(S1257)、この特
図2コマンド処理(S1205)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【1273】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示用特
図2確定コマンドを受信した場合、第3図柄表示装置81において第2特別図柄の変動演出が実行されている場合は、該第2特別図柄の変動演出を確定表示する一方、第3図柄表示装置81において第2特別図柄の変動演出が実行されていない場合は、該表示用特
図2確定コマンドを無視する(に基づく処理を実行しない、に基づいて表示内容を変化させない)ように構成されている。
【1274】
S1256の処理の結果、特
図2確定コマンドを受信していないと判別された場合(S1256:No)、その他の第2特別図柄の変動演出に関する処理を行い(S1258)、この特
図2コマンド処理(S1205)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【1275】
図62に戻って、説明を続ける。S1204の処理において、第2特別図柄の動的表示(変動演出)に関するコマンドを受信していないと判別された場合は(S1204:No)、次いで、主制御装置110より第1保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1206)。そして、第1保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1206:Yes)、第1保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1保留球数カウンタ203a(
図5参照)の値(即ち、主制御装置110に保留された第1特別図柄の変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223cに格納する(S1207)。そして、同じく第1保留球数コマンドに含まれる大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、、変動種別カウンタCS1及び小当たり種別カウンタCKの各値を、S1207で更新されたサブ第1保留球数カウンタ223cの値が示す第1保留情報格納エリア223eの第1保留情報格納第1~第4エリアに格納する(S1208)。そして、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動演出の保留球数を通知する表示用第1保留球数コマンドを設定して(S1209)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図61参照)に戻る。
【1276】
ここで、第1保留球数コマンドは、球が第1始動口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1207の処理によって、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223cの値を、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113のサブ第1保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の第1保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
【1277】
また、音声ランプ制御装置113は、第1保留情報格納エリア223eに格納された各カウンタC1,C3,CS,CKを参照することで、先読み処理を実行できるようになっている。即ち、保留された第1特別図柄の変動演出が実行された場合にその変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定することができる。
【1278】
S1206の処理の結果、第1保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S1206:No)、次いで、主制御装置110より第2保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1210)。そして、第2保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1210:Yes)、第2保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第2保留球数カウンタ203b(
図5参照)の値(即ち、主制御装置110に保留された第2特別図柄の変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のサブ第2保留球数カウンタ223dに格納する(S1211)。そして、同じく第2保留球数コマンドに含まれる大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び小当たり種別カウンタCKの各値を、S1211で更新されたサブ第2保留球数カウンタ223dの値が示す第2保留情報格納エリア223fの第2保留情報格納第1~第4エリアに格納する(S1212)。そして、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動演出の保留球数を通知する表示用第2保留球数コマンドを設定して(S1213)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図61参照)に戻る。
【1279】
ここで、第2保留球数コマンドは、球が第2始動口71に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1211の処理によって、音声ランプ制御装置113のサブ第2保留球数カウンタ223dの値を、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のサブ第2保留球数カウンタ223dの値が主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113のサブ第2保留球数カウンタ223dの値を修正し、主制御装置110の第2保留球数カウンタ203bの値に合わせることができる。
【1280】
また、音声ランプ制御装置113は、第2保留情報格納エリア223fに格納された各カウンタC1~C3,CS,CKを参照することで、先読み処理を実行できるようになっている。即ち、保留された第2特別図柄の変動演出が実行された場合にその変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定することができる。
【1281】
S1210の処理の結果、第2保留球数コマンドを受信していないと判別された場合は(S1210:No)、次いで、主制御装置110より救済関連の各種コマンドを受信したか否かを判別する救済関連コマンド受信処理を実行し(S1214)、処理をS1215に移行する。
【1282】
ここで、
図65を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される救済関連コマンド受信処理(S1214)について説明する。
図65は、この救済関連コマンド受信処理(S1214)を示したフローチャートである。
【1283】
この救済関連コマンド受信処理(S1214)では、主制御装置110から送信された救済関連の各コマンドに基づいて各種設定処理を実行する。
【1284】
救済関連コマンド受信処理(S1214)では、まず、主制御装置110より救済設定済みコマンドを受信したか否かを判別する(S1277)。判別の結果、救済設定済みコマンドを受信していれば(S1277:Yes)、サブ救済設定済みフラグ223jをオンに設定し(S1278)、この救済関連コマンド受信処理(S1214)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【1285】
S1277の処理において、救済設定済みコマンドを受信していないと判別された場合(S1277:No)、次いで、主制御装置110より救済カウンタコマンドを受信したか否かを判別する(S1279)。判別の結果、救済カウンタコマンドを受信していれば(S1279:Yes)、該当情報をサブ救済カウンタ223iに格納し(S1280)、この救済関連コマンド受信処理(S1214)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【1286】
また、S1279の処理において、救済カウンタコマンドを受信していないと判別された場合(S1279:No)、この救済関連コマンド受信処理(S1214)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【1287】
図62に戻って、説明を続ける。S1214の救済関連コマンド受信処理を終えると、次いで、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1215)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(
図61参照)に戻る。ここで、受信したその他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。例えば、主制御装置110より受信したデモコマンドは、このS1215の処理によって、表示用デモコマンドとして設定され、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに一旦格納された後、メイン処理のコマンド出力処理(S1102)により表示制御装置114に対して送信される。
【1288】
次に、
図66を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1110)について説明する。
図66は、この変動演出処理(S1110)を示したフローチャートである。
【1289】
この変動演出処理(S1110)は、メイン処理(
図61参照)の中で実行され、遊技状態に応じて第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(
図4参照)において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出を実行させるための各種処理を実行する。具体的には、第1特別図柄の変動演出の開始条件が成立している場合には、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第1特別図柄の変動演出を行うように構成される。また、第2特別図柄の変動演出の開始条件が成立している場合には、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第2特別図柄の変動演出を行うように構成される。
【1290】
変動演出処理(S1110)では、まず、RAM223に設けられた特
図1変動開始フラグ223aがオンか否かを判別する(S1301)。判別の結果、特
図1変動開始フラグ223aがオンであると判別された場合(S1301:Yes)、特
図1変動パターンコマンドおよび特
図1停止種別コマンドをともに受信しているので、第1特別図柄の変動演出を開始すべく、特
図1変動開始フラグ223aをオフし(S1302)、次いで、第1保留情報格納エリア223eに設けられた第1保留情報格納第1エリアに含まれるデータを実行情報格納エリア223gへシフトし(S1303)、さらに、第1保留情報格納エリア223eに設けられた第1保留情報格納第2~第4エリアに含まれるデータを第1保留情報格納第1~第3エリアへシフトして(S1304)、サブ第1保留球数カウンタ223cの値を1減算し(S1305)、処理をS1306へ移行する。
【1291】
つまり、この場合は、保留された第1特別図柄の変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された第1特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する第1保留情報第1エリアの各格納エリア223e1~223e5に格納された各カウンタC1,C3,CS1,CKの値を、実行中の第1特別図柄の変動演出に対応する実行情報格納エリア223gの各格納エリア223g1~223g5に移動させる。また、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1~223e5に格納された各カウンタC1,C3,CS1,CKの値を、第1保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1~223e5に移動させ、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1~223e5に格納された各カウンタC1,C3,CS1,CKの値を、第1保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1~223e5に移動させ、第1保留情報格納第4エリアの各格納エリア223e1~223e5に格納された各カウンタC1,C3,CS1,CKの値を、第1保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1~223e5に移動させる。
【1292】
これにより、実行情報格納エリア223gには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1,C3,CS1,CKと同じ値が格納されることになり、第1保留情報格納エリア223eの第1保留情報格納第1~第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第1保留球格納エリア203dの第1保留第1~第4エリアに格納された各カウンタC1,C3,CS1,CKと同じ値が格納されることになる。
【1293】
S1306の処理では、S1305の処理で減算したサブ第1保留球数カウンタ223cの値に基づいて表示用第1保留球数コマンドを設定して(S1306)、処理をS1307へ移行する。
【1294】
ここで設定された表示用第1保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(
図61のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用第1保留球数コマンドによって示される第1特別図柄の変動演出の保留球数に応じて第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示制御を行う。
【1295】
次いで、S1307の処理では、第1特別図柄の変動演出を表示させるための表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理を実行し(S1307)、処理をS1308に移行する。
【1296】
ここで、
図67を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)について説明する。
図67は、この表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)を示したフローチャートである。
【1297】
この表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)は、変動演出処理(
図66参照)の中で実行され、実行情報格納エリア223gに記憶される各カウンタC1,C3,CS1,CKの値に基づいて、今から実行する第1特別図柄の変動演出の変動パターンを取得し、該変動パターンに基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第1特別図柄の変動演出を表示させるために表示用特
図1変動パターンコマンドを設定する。
【1298】
この表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)では、まず、「通常遊技状態」であるか否かを判別し(S1351)、「通常遊技状態」であれば(S1351:Yes)、次いで、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが再変動用の変動パターン(
図16(b)参照)であるか否かを判別し(S1355)、再変動用の変動パターンであれば(S1355:Yes)、表示用再変動演出コマンドを設定し(S1356)、処理をS1357に移行する。
【1299】
また、S1355の判別の結果、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが再変動用の変動パターンでなければ(S1355:No)、S1356の処理をスキップして、処理をS1357に移行する。
【1300】
S1357の処理では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが昇格演出用の変動パターン(
図16(b)参照)であるか否かを判別し(S1357)、昇格演出用の変動パターンであれば(S1357:Yes)、表示用昇格演出コマンドを設定し(S1358)、この表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)を終了して、変動演出処理(
図66参照)に戻る。
【1301】
また、S1357の判別の結果、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが昇格演出用の変動パターンでなければ(S1357:No)、処理をS1359に移行する。さらに、S1351の処理において、「通常遊技状態」でないと判別された場合(S1351:No)、この場合も処理をS1359に移行する。
【1302】
S1359の処理では、その他の表示用特
図1変動パターンコマンドを設定し(S1359)、この表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)を終了して、変動演出処理(
図66参照)に戻る。
【1303】
ここで設定された表示用特
図1変動パターンコマンド、表示用再変動演出コマンド及び表示用昇格演出コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(
図61のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用特
図1変動パターンコマンド、表示用再変動演出コマンド及び表示用昇格演出コマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに第1特別図柄に対応する第3図柄の変動表示が行われるように、その第1特別図柄の変動演出の表示制御を開始する。
【1304】
なお、本実施形態では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに応じて表示用の演出コマンドを設定するように構成しているが、その他、遊技状態に応じて演出コマンドを設定するように構成してもよい。例えば、パチンコ機10の立ち上げ処理から特定回転数の変動表示が実行されるまでの間、特別な演出が実行されるように構成してもよいし、前回の大当たりからの変動表示の実行回数に応じて、演出が変化するように構成してもよい(例えば、背景が切り替わったり、図柄が切り替わったり、変動演出自体が切り替わるなど)。
【1305】
図66に戻って、説明を続ける。表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)が終わると、S1308の処理において、第1特別図柄の変動演出における停止種別コマンドを設定すべく、表示用特
図1停止種別コマンド設定処理を実行し(S1308)、この変動演出処理(S1110)を終了して、メイン処理(
図61参照)に戻る。
【1306】
ここで、
図68を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)について説明する。
図68は、この表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)を示したフローチャートである。
【1307】
この表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)は、実行情報格納エリア223gに記憶される各カウンタC1,C3,CS1,CKの値に基づいて、今から実行する第1特別図柄の変動演出の停止種別を取得し、該停止種別に基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第1特別図柄の変動演出を表示させるために表示用特
図1停止種別コマンドを設定する。
【1308】
また、特
図1小当たりに当選している場合は、遊技状態及びその他各種条件によって第3図柄表示装置81に表示する変動演出後の停止図柄を区別させるべく、該特
図1小当たり当選時における停止種別コマンドを設定する。
【1309】
この表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)では、まず、特
図1小当たり、即ち、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は「時短C(小当たりA)」に当選しているか否かを判別し(S1371)、特
図1小当たりに当選していなければ(S1371:No)、その他の各カウンタC1,C3,CS1,CKの値に基づく表示用特
図1停止種別コマンドを設定し(S1372)、この表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)を終了して、変動演出処理(
図66参照)に戻る。
【1310】
S1371の処理において、特
図1小当たりに当選していると判別された場合(S1371:Yes)、次いで、「通常遊技状態A」であるか否かを判別し(S1373)、「通常遊技状態A」であれば(S1373:Yes)、さらに、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされているか否かを判別する(S1374)。
【1311】
S1374の判別の結果、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされていない場合、即ち、サブ救済設定済みフラグ223jがオフ状態の場合(S1374:No)、前回の大当たり(又は、電源投入時のRAM203初期化処理)から一度も救済条件成立回数に達していないため、次いで、サブ救済カウンタ223iの値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値より小さい値であるか否かを判別し(S1376)、サブ救済カウンタ223iの値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値より小さい値でない、即ち、サブ救済カウンタ223iの値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値以上であれば(S1376:No)、救済優先報知期間(
図28参照)において特
図1小当たりに当選したということであるため、表示用チャレンジ図柄コマンドを設定し(S1378)(
図89(c)参照)、この表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)を終了して、変動演出処理(
図66参照)に戻る。
【1312】
一方、S1376の処理において、サブ救済カウンタ223iの値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値より小さい値であれば(S1376:Yes)、大当たり優先報知期間(
図28参照)において特
図1小当たりに当選したということであるため、S1377に移行する。
【1313】
またS1373の判別の結果、「通常遊技状態A」でなければ(S1373:No)、この場合もS1377に移行する。さらに、S1374の処理において、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされていると判別された場合(S1374:Yes)、前回の大当たり(又は、電源投入時のRAM203初期化処理)から一度救済条件成立回数に達しており、「普図低確時間短縮状態」に移行し得ない遊技状態であるため、この場合も処理をS1377に移行する。
【1314】
S1377の処理では、表示用小当たり図柄コマンドを設定し(S1377)(
図89(a)参照)、この表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)を終了して、変動演出処理(
図66参照)に戻る。
【1315】
このように構成することで、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時の特別図柄の動的表示の実行回数(救済条件成立回数までの残り回数)及びその他各種状況によって、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を区別させることができる。その結果、特
図1小当たり当選時において、右打ち遊技を実行して大当たりを発生させるか、又は、右打ち遊技を実行せずに大当たりを発生させず、「通常遊技状態A」に戻って救済条件成立回数まで特別図柄を実行させるか、という選択肢を遊技者に与え、新たな遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる。
【1316】
なお、ここで設定された表示用特
図1停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(
図61のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、S1307の処理により設定された表示用特
図1変動パターンコマンド、表示用再変動演出コマンド及び表示用昇格演出コマンドによって実行される第1特別図柄の変動演出を確定表示させる場合に、この表示用特
図1停止種別コマンドにて示される停止種別に対応する停止図柄を設定する。
【1317】
図66の変動演出処理(S1110)に戻って、説明を続ける。S1301の処理において、特
図1変動開始フラグ223aがオンでないと判別された場合(S1301:No)、次いで、RAM223に設けられた特
図2変動開始フラグ223bがオンか否かを判別する(S1309)。判別の結果、特
図2変動開始フラグ223bがオンであると判別された場合(S1309:Yes)、特
図2変動パターンコマンドおよび特
図2停止種別コマンドをともに受信しているので、第2特別図柄の変動演出を開始すべく、特
図2変動開始フラグ223bをオフし(S1310)、次いで、第2保留情報格納エリア223fに設けられた第2保留情報格納第1エリアに含まれるデータを実行情報格納エリア223gへシフトし(S1311)、さらに、第2保留情報格納エリア223fに設けられた第2保留情報格納第2~第4エリアに含まれるデータを第1保留情報格納第1~第3エリアへシフトして(S1312)、サブ第2保留球数カウンタ223dの値を1減算し(S1313)、処理をS1314へ移行する。
【1318】
つまり、この場合は、保留された第2特別図柄の変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された第2特別図柄の変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する第2保留情報第1エリアの各格納エリア223f1~223f5に格納された各カウンタC1~C3,CS1,CKの値を、実行中の第2特別図柄の変動演出に対応する実行情報格納エリア223gの各格納エリア223h1~223h5に移動させる。また、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223f1~223f5に格納された各カウンタC1~C3,CS1,CKの値を、第2保留情報格納第1エリアの各格納エリア223f1~223f5に移動させ、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223f1~223f5に格納された各カウンタC1~C3,CS1,CKの値を、第2保留情報格納第2エリアの各格納エリア223f1~223f5に移動させ、第2保留情報格納第4エリアの各格納エリア223f1~223f5に格納された各カウンタC1~C3,CS1,CKの値を、第2保留情報格納第3エリアの各格納エリア223f1~223f5に移動させる。
【1319】
これにより、実行情報格納エリア223gには、主制御装置110の保留球実行エリア203fに格納された各カウンタC1~C3,CS1,CKと同じ値が格納されることになり、第2保留情報格納エリア223fの第1保留情報格納第1~第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の第2保留球格納エリア203eの第1保留第1~第4エリアに格納された各カウンタC1~C3,CS1,CKと同じ値が格納されることになる。
【1320】
S1314の処理では、S1313の処理で減算したサブ第2保留球数カウンタ223dの値に基づいて表示用第2保留球数コマンドを設定して(S1314)、処理をS1315へ移行する。
【1321】
ここで設定された表示用第2保留球数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(
図61のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用第2保留球数コマンドによって示される第2特別図柄の変動演出の保留球数に応じて第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示制御を行う。
【1322】
次いで、S1315の処理では、実行情報格納エリア223gに記憶される各カウンタC1~C3,CS1,CKの値に基づいて、今から実行する第2特別図柄の変動演出の変動パターンを取得し、該変動パターンに基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第2特別図柄の変動演出を表示させるために表示用特
図2変動パターンコマンドを設定し(S1315)、処理をS1316へ移行する。
【1323】
ここで設定された表示用特
図2変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(
図61のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用特
図2変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに第2特別図柄に対応する第3図柄の変動表示が行われるように、その第2特別図柄の変動演出の表示制御を開始する。
【1324】
次いで、S1316の処理において、実行情報格納エリア223gに記憶される各カウンタC1~C3,CS1,CKの値に基づいて、今から実行する第2特別図柄の変動演出の停止種別を取得し、該停止種別に基づいて第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて第2特別図柄の変動演出を表示させるために表示用特
図2停止種別コマンドを設定し(S1316)、この変動演出処理(S1110)を終了して、メイン処理(
図61参照)に戻る。
【1325】
ここで設定された表示用特
図2停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(
図61のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、S1317の処理により設定された表示用特
図2変動パターンコマンドによって実行される第2特別図柄の変動演出を確定表示させる場合に、この表示用特
図2停止種別コマンドにて示される停止種別に対応する停止図柄を設定する。
【1326】
次に、
図69を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり演出処理(S1105)について説明する。
図69は、この当たり演出処理(S1105)を示したフローチャートである。
【1327】
この当たり演出処理(S1105)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(
図61参照)の中で実行され、主制御装置110の大当たり遊技の実行中における処理を実行する。また、この当たり演出処理(S1105)では、主制御装置110の小当たり遊技の実行中において、遊技状態その他各種状況に基づいて右打ち報知演出を実行する。
【1328】
この当たり演出処理(S1105)では、まず、大当たりに当選したか否かを判別し(S1401)、大当たりに当選した場合(S1401:Yes)、初期化処理として、サブ救済カウンタ223iを「0」クリアする(S1403)。
【1329】
次いで、サブ救済設定済みフラグ223jをオフに設定し(S1404)、その他の初期化処理を実行して(S1405)、処理をS1406に移行する。
【1330】
S1406の処理では、大当たりオープニングに関する処理を実行し(S1406)、次いで、表示用大当たり時右打ち報知コマンドを設定して(S1407)、処理をS1411に移行する。
【1331】
一方、S1401の処理において、大当たりに当選していないと判別された場合は(S1401:No)、次いで、小当たりに当選しているか否かを判別し(S1408)、小当たりに当選していれば(S1408:Yes)、該小当たり当選時に行う右打ち報知演出の内容を決めるべく、表示制御としての小当たり当選時右打ち報知演出処理を実行し(S1409)、処理をS1410に移行する。
【1332】
ここで、
図70を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)について説明する。
図70は、表示制御としての小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)を示したフローチャートである。
【1333】
この小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり演出処理(
図69参照)の中で実行され、小当たり当選時のオープニング時間に第3図柄表示装置81において実行される右打ち報知演出の内容を決定する。
【1334】
この小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)では、まず、「通常遊技状態A」であるか否かを判別し(S1501)、「通常遊技状態A」であれば(S1501:Yes)、次いで、当選した小当たり種別が小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短B(小当たりA)」であるか、即ち、特
図1小当たりであるか否かを判別する(S1502)。
【1335】
S1502の判別の結果、特
図1小当たりに当選していれば(S1502:Yes)、続いて、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされているか否かを判別し(S1503)、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされていない場合、即ち、サブ救済設定済みフラグ223jがオフ状態の場合(S1503:No)、前回の大当たり(又は、電源投入時のRAM203初期化処理)から一度も救済条件成立回数に達していないため、次いで、サブ救済カウンタ223iの値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値より小さい値であるか否かを判別し(S1505)、サブ救済カウンタ223iの値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値より小さい値でない、即ち、サブ救済カウンタ223iの値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値以上であれば(S1505:No)、救済優先報知期間(
図28参照)において特
図1小当たりに当選しているため、表示用救済優先報知コマンドを設定し(S1509)(
図89(d)参照)、この小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)を終了し、当たり演出処理(
図69参照)に戻る。
【1336】
また、S1505の処理において、サブ救済カウンタ223iの値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値より小さい値であれば(S1505:Yes)、大当たり優先報知期間(
図28参照)において特
図1小当たりに当選しているため、S1506に移行する。
【1337】
さらに、S1501の判別の結果、「通常遊技状態A」でなければ(S1501:No)、いずれの小当たり種別に当選した場合であっても、右打ち遊技を実行して大当たりを発生させた方が獲得可能な出玉の期待値が高くなるため、処理をS1506に移行する。また、S1502において、当選した小当たり種別が特
図1小当たりでないと判別された場合(S1502:No)、この場合も、右打ち遊技を実行して大当たりを発生させた方が獲得可能な出玉の期待値が高くなるため、処理をS1506に移行する。さらに、S1503の処理において、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされていれば(S1503:Yes)、前回の大当たり(又は、電源投入時のRAM203初期化処理)から一度救済条件成立回数に達しており、「普図低確時間短縮状態」に移行し得ない遊技状態であって、右打ち遊技を実行して大当たりを発生させた方が獲得可能な出玉の期待値が高くなるため、S1506に移行する。
【1338】
S1506の処理では、表示用大当たり優先報知コマンドを設定し(S1506)(
図89(b)参照)、この小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)を終了し、当たり演出処理(
図69参照)に戻る。
【1339】
このように構成することで、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時の特別図柄の動的表示の実行回数(救済条件成立回数までの残り回数)及びその他各種状況により、該小当たり当選時のオープニング時間において第3図柄表示装置81で実行する右打ち報知演出の種類を決定することができる。その結果、小当たり当選時の右打ち遊技方法を実行するか、又は、小当たり当選時の左打ち遊技方法を実行するか、という選択肢を遊技者に与え、新たな遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる。
【1340】
また、救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選し、救済優先報知演出(
図89(d)参照)が実行され、該小当たりで右打ち遊技を実行せずに「通常遊技状態A」に戻った場合、その後、救済条件成立回数に到達して「普図低確時間短縮状態」に移行する前に、再度特
図1小当たりに当選した場合も、該小当たり時の右打ち報知演出は救済優先報知演出となる。
【1341】
即ち、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選し、該小当たりの右打ち報知演出で救済優先報知演出が実行された場合、以降、いずれかの大当たりを発生させるまでは、特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出は救済優先報知演出となり、大当たり優先報知期間演出に切り替わることがないように構成されている。
【1342】
一方、仮に、特
図1小当たりに当選し、該小当たりの右打ち報知演出で救済優先報知演出が実行され、その後、小当たり当選時の左打ち遊技方法で遊技を実行中に二度目の特
図1小当たりに当選し、該二度目の小当たりにおいて大当たり優先報知演出が実行された場合を想定する。この場合、一度目の特
図1小当たりにおいて、救済優先報知演出に従って大当たり遊技への移行を回避し、持ち玉を使って左打ち遊技を継続していたにもかかわらず、二度目の特
図1小当たりにおいて大当たり優先報知演出が実行されているため、遊技者はパチンコ機10に不信感を覚え、該パチンコ機10の遊技を中止してしまうおそれがある。
【1343】
しかしながら、第1実施形態のパチンコ機10のように構成することで、救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選し、小当たり当選時の左打ち遊技方法で遊技を実行中に、再度特
図1小当たりに当選した場合であっても、前回と同様に救済優先報知期間演出(
図89(d)参照)が実行されるため、遊技者は安心して、継続して「普図低確時間短縮状態」を目指すことができる。
【1344】
図69の当たり演出処理(S1105)に戻って、説明を続ける。S1409の小当たり当選時右打ち報知演出処理を終えると、次いで、その他小当たり当選時処理を実行し(S1410)、処理をS1411に移行する。
【1345】
S1411の処理では、大当たり中であるか否かを判別し(S1411)、大当たり中であれば(S1411:Yes)、大当たり中演出処理を実行し(S1412)、この当たり演出処理(S1105)を終了してメイン処理(
図61参照)に戻る。
【1346】
一方、S1411の判別の結果、大当たり中でなければ(S1411:No)、次いで小当たり中であるか否かを判別し(S1413)、小当たり中であれば(S1413:Yes)、小当たり中演出処理を実行し(S1414)、この当たり演出処理(S1105)を終了してメイン処理(
図61参照)に戻る。
【1347】
S1413の処理において、小当たり中でないと判別された場合(S1413:No)、S1414の処理をスキップして、この当たり演出処理(S1105)を終了してメイン処理(
図61参照)に戻る。
【1348】
次に、
図71から
図88を参照して、表示制御としての表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理(
図71参照)と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理(
図72(a)参照)と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理(
図72(b)参照)とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
【1349】
まず、
図71を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。
図71は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
【1350】
このメイン処理は、電源投入時にMPU231によって起動されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2001)。具体的には、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。また、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
【1351】
さらに、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
【1352】
次いで、電源投入時主画像282に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2002)。この転送指示には、電源投入時主画像282(
図30参照)に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像282に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
【1353】
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231は、この転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。この電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
【1354】
なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
【1355】
S2002の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像282に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像283に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2003)。
【1356】
この転送指示には、電源投入時変動画像283に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時変動画像283に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
【1357】
S2003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像283に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233aをオンする(S2004)。これにより、簡易画像表示フラグ233aがオンの間は、後述する転送設定処理(
図85(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理(
図85(b)参照)が実行される。
【1358】
また、簡易画像表示フラグ233aは、この常駐画像転送設定処理(
図85(b)参照)による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(
図72(b)参照)において、
図30に示す画像投入時画像(電源投入時主画像282や電源投入時変動画像283)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(
図72(b)のS2028参照)および簡易表示設定処理(
図72(b)のS2029参照)が実行される。
【1359】
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。
【1360】
そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像282および電源投入時変動画像283をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像282を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像282を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像282を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。
【1361】
一方、遊技者等は、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
【1362】
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像282がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができる。よって、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、電源投入時主画像282を確認することができ、動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
【1363】
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像282とあわせて電源投入時変動画像283もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように構成されている。よって、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信した場合は、
図30(b)及び
図30(c)に示す電源投入時変動画像283をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。従って、遊技者は、電源投入時主画像282が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、電源投入時変動画像283による簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
【1364】
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像282が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像282が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像283を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像282が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
【1365】
S2004の処理の後、割込許可を設定し(S2005)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2005の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理(
図72(a)参照)およびV割込処理(
図72(b)参照)を実行する。
【1366】
次いで、
図72(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。
図72(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
【1367】
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2011)、このコマンド割込処理を終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理(
図72(b)参照)のコマンド判定処理(
図72(b)のS2022参照)または簡易コマンド判定処理(
図72(b)のS2028参照)によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
【1368】
次いで、
図72(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。
図72(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(
図36参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
【1369】
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。従って、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがない。その結果、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
【1370】
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、
図72(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233aがオンであるか否かを判別し(S2021)、簡易画像表示フラグ233aがオンであると判別されると(S2021:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了するまでの間、
図30に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了したか否か等を判定する簡易コマンド判定処理(S2028)を実行し、次いで、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示する簡易表示設定処理(S2029)を実行して、S2404の処理へ移行する。
【1371】
一方、S2021の処理において、簡易画像表示フラグ233aがオンではない、即ち、オフであれば(S2021:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、
図30に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2022)を実行し、次いで、表示設定処理(S2023)を実行し、処理をS2024へ移行する。
【1372】
コマンド判定処理(S2022)では、コマンド割込処理(
図72(a)参照)によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。また、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル232a1又は変動パターン種別に応じた変動用表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定する。さらに、設定された表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3を転送データテーブルバッファ233dに設定する。また、「リーチ表示」時に表示される文字表示Se1に関するコマンド(以下、「文字系コマンド」という場合がある)が格納されていた場合は、文字表示Se1の表示態様に対応する追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する。
【1373】
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。
【1374】
特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンド、文字系コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出や「リーチ表示」の文字表示Se1の表示態様を素早く把握し、その表示態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、
図73から
図80を参照して後述する。
【1375】
表示設定処理(S2023)では、コマンド判定処理(S2022)などによって表示データテーブルバッファ233bおよび追加データテーブルバッファ233cに設定された表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2の内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出を決定し、その決定した演出に対応する表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、
図81から
図84を参照して後述する。
【1376】
表示設定処理(S2023)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2024)。このタスク処理では、表示設定処理(S2023)もしくは簡易表示設定処理(S2029)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【1377】
次に、転送設定処理を実行する(S2025)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233aがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233aがオフである間は、転送データテーブルバッファ233dに設定される転送データテーブル232a3の転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。さらに、音声ランプ制御装置113から文字系コマンドや背面画像系コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、文字表示Se1の初期設定(デフォルト設定)以外の表示態様で使用する文字図柄の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、この転送設定処理の詳細については、
図85~
図87を参照して後述する。
【1378】
次いで、描画処理を実行する(S2026)。この描画処理では、タスク処理(S2024)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2025)により設定された転送指示とから、
図36に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。なお、この描画処理の詳細については、
図88を参照して後述する。
【1379】
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2027)。そして、このV割込処理を終了する。S2027の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理(S2022)において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(「10R時短大当たり」、「9R時短大当たり」、「4R時短大当たり」、「小当たり(大当たり図柄)」、「小当たり(チャレンジ図柄)」、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様、「非リーチ」演出態様、「特殊変動」演出態様)に対応する停止種別テーブル(図示せず)と停止図柄カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
【1380】
次いで、
図73から
図80を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2022)の詳細について説明する。まず、
図73は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
【1381】
図73で示すように、このコマンド判定処理では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2101)、未処理の新規コマンドがなければ(S2101:No)、このコマンド判定処理を終了して、V割込処理(
図72(b)参照)に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2101:Yes)、新規コマンドを処理したことを示し、表示設定処理(S2023)にて判別される新規コマンドフラグをオンに設定し(S2102)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2103)。
【1382】
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用保留球数コマンドがあるか否かを判定し(S2104)、表示用保留球数コマンドがあれば(S2104:Yes)、保留球数コマンド処理を実行して(S2105)、S2101の処理に戻る。
【1383】
ここで、
図74(a)を参照して、保留球数コマンド処理(S2105)の詳細について説明する。
図74(a)は、保留球数コマンド処理を示すフローチャートである。この保留球数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用保留球数コマンドに対応する処理を実行するものである。
【1384】
保留球数コマンド処理(S2105)では、まず、表示用保留球数コマンドを処理したことを示し、表示設定処理(S2023)にて判別される新規保留球数コマンドフラグをオンし(S2121)、次いで、表示用保留球数コマンドに含まれる保留球数情報を取得する(S2122)。なお、S2122の処理において、2以上の表示用保留球数コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていれば、最後に格納された表示用保留球数コマンドから保留球数情報を取得する。これにより、最新の保留球数情報を取得することができる。
【1385】
そして、保留球数毎に設けられた個数判別フラグのうち、S2122の処理で取得した保留球数に対応する個数判別フラグをオンすると共に、その他の保留球数に対応する個数判別フラグをオフにして(S2123)、この保留球数コマンド処理(S2105)を終了して、コマンド判定処理(
図73参照)に戻る。
【1386】
これにより、表示設定処理(S2023)では、更新終了状態である新規保留球数コマンドフラグがオンである場合に、個数判別フラグを参照することで、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄が第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示されるように、保留画像データを展開する。
【1387】
図73に戻り、S2104の処理において、表示用保留球数コマンドがないと判別されると(S2104:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用デモコマンドがあるか否かを判別し(S2106)、表示用デモコマンドがあれば(S2106:Yes)、デモコマンド処理を実行して(S2107)、S2101の処理へ戻る。
【1388】
ここで、
図74(b)を参照して、デモコマンド処理(S2107)の詳細について説明する。
図74(b)は、デモコマンド処理を示すフローチャートである。このデモコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用デモコマンドに対応する処理を実行するものである。
【1389】
デモコマンド処理(S2107)では、まず、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブル232a1をデータテーブル格納エリア232aから選定して、表示データテーブルバッファ233bに設定する(S2131)。次いで、追加データテーブルバッファ233cにNullデータを書き込むことでその内容をクリアし、また、転送データテーブルバッファ233dにもNullデータを書き込んでその内容をクリアする(S2132)。これは、デモ用表示データテーブル232a1では、描画に必要な画像データを新たにキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送する必要がないように画像の描画が規定されているため、対応する転送データテーブル232a3がデータテーブル格納エリア232aに用意されていないからである。
【1390】
次いで、デモ表示に対応する時間データを計時カウンタ233gに設定し(S2133)、ポインタ233eを「0」に初期化する(S2134)。そして、オン状態で第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されることを示すデモ表示フラグ(図示せず)をオンに設定する共に、オン状態で第3図柄表示装置81に確定表示演出が表示されることを示す確定コマンドフラグ(図示せず)をオフに設定し、さらに、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオフに設定して(S2135)、デモコマンド処理(S2107)を終了し、コマンド判定処理(
図73参照)に戻る。
【1391】
このデモコマンド処理(S2107)が実行されることにより、表示設定処理(
図81参照)では、S2134の処理によって初期化されたポインタ233eを更新しながら、S2131の処理によって表示データテーブルバッファ233bに設定されたデモ用表示データテーブル232a1から、ポインタ233eに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。
【1392】
また、表示設定処理(
図81参照)では、S2133の処理によってデモ表示に対応する時間データの設定された計時カウンタ233gを用いて、デモ用表示データテーブル232a1で規定されたデモ演出の時間を計時する。また、S2135の処理によって設定されたデモ表示フラグおよび確定表示フラグの状態に基づいて、表示設定処理において計時カウンタ233gの計時によってデモ用表示データテーブル232a1におけるデモ演出が終了したと判断された場合に、次に表示すべき演出として、再度デモ演出が表示されるように制御する。
【1393】
図73に戻って説明を続ける。S2106の処理において、表示用デモコマンドがないと判別されると(S2106:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド又は表示用確定コマンド(以下、表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド及び表示用確定コマンドを総称して、「変動演出系コマンド」という場合がある)があるか否かを判別し(S2108)、変動演出系コマンドがあれば(S2108:Yes)、変動演出系コマンド処理を実行して(S2109)、S2101の処理へ戻る。
【1394】
ここで、
図75を参照して、変動演出系コマンド処理(S2109)の詳細について説明する。
図75は、変動演出系コマンド処理を示すフローチャートである。この変動演出系コマンド処理は、上述したように、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド又は表示用確定コマンドの変動演出系コマンドに対応する処理を実行するものである。
【1395】
変動演出系コマンド処理(S2109)では、まず、未処理のコマンドの中に、表示用確定コマンドがあるか否かを判別し(S2141)、表示用確定コマンドがあれば(S2141:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S2142)、この変動演出系コマンド処理を終了し、コマンド判定処理(
図73参照)へ戻る。
【1396】
ここで、
図76(a)を参照して、確定コマンド処理(S2142)の詳細について説明する。
図76(a)は、確定コマンド処理を示すフローチャートである。この確定コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用確定コマンドに対応する処理を実行するものである。
【1397】
確定コマンド処理(S2142)では、オン状態で表示用確定コマンドを受信したことを表示設定処理(
図81参照)に通知する確定コマンドフラグをオンに設定して(S2151)、この確定コマンド処理(S2142)を終了し、変動演出系コマンド処理(
図75参照)に戻る。
【1398】
これにより、表示設定処理(
図81参照)では、確定コマンドフラグの状態を監視し、そのフラグがオンとなった場合に、第3図柄表示装置81に確定表示演出の表示が開始されるように、表示の設定処理を実行する。また、変動演出の表示の設定を処理した場合に、その変動演出に設定された演出時間を経過しても確定コマンドフラグがオンとならない場合は、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示させるように、表示の設定処理を実行する。
【1399】
図75に戻って説明を続ける。S2141の処理において、表示用確定コマンドがないと判別された場合は(S2141:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2143)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2143:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して、(S2144)、この変動演出系コマンド処理を終了し、コマンド判定処理(
図73参照)へ戻る。
【1400】
ここで、
図76(b)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2144)の詳細について説明する。
図76(b)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
【1401】
変動パターンコマンド処理(S2144)では、まず、未処理のコマンドの中に、音声ランプ制御装置113における表示用特図変動パターンコマンド設定処理で設定(
図67のS1356参照)される表示用昇格演出パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2161)、表示用昇格演出パターンコマンドがあれば(S2161:Yes)、次いで、表示用昇格演出パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動用表示データテーブル232a1を決定し、その決定した変動用表示データテーブル232a1をデータテーブル格納エリア232aから読み出して、表示データテーブルバッファ233bに設定する(S2162)。
【1402】
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはない。よって、コマンド判定処理(
図73参照)を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2162の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定する。
【1403】
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動用表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定してしまうと、実際には、設定した変動用表示データテーブル232a1よりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合は、設定された変動用表示データテーブル232a1に従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110(音声ランプ制御装置113)から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することとなり、変動中の第3図柄が急に停止表示されてしまい、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
【1404】
これに対し、第1実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定することで、実際には、設定した変動用表示データテーブル232a1よりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233bに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、再始動演出が表示されるように、表示設定処理(S2023)によって、第3図柄表示装置81の表示が制御される。よって、遊技者は、再始動演出を変動演出の一貫として視認し、第3図柄の停止表示が確定するまで違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
【1405】
次いで、S2162で設定された変動用表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3を決定してデータテーブル格納エリア232aから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233dに設定する(S2163)。そして、追加データテーブルバッファ233cにNullデータを書き込むことでその内容をクリアする(S2164)。
【1406】
その後、変動パターンに対応する変動用表示データテーブル232a1毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2162の処理によって設定された変動用表示データテーブル232a1に対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動用表示データテーブル232a1に対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2165)。表示制御装置114における表示制御では、S2165の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233bに設定された変動用表示データテーブル232a1が、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。そして、表示制御装置114では、設定された変動用表示データテーブル232a1の変動パターンと、後に受信する表示用停止種別コマンドによって設定される停止図柄とに矛盾がないか否かを判断し、矛盾がある場合は、デフォルト変動に対応する表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定するようになっている。
【1407】
次いで、S2162の処理によって表示データテーブルバッファ233bに設定された変動用表示データテーブル232a1に対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233gに設定し(S2166)、ポインタ233eを「0」に初期化する(S2167)。そして、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2168)、さらに、表示設定処理(
図81参照)で用いられる再始動タイマカウンタを「0」に初期化して(S2169)、この変動パターンコマンド処理(S2144)を終了し、変動演出系コマンド処理(
図75参照)に戻る。
【1408】
一方、S2161の処理において、表示用昇格演出パターンコマンドがないと判別された場合(S2161:No)、その他の変動パターンコマンド処理を実行し(S2170)、この変動パターンコマンド処理(S2144)を終了し、変動演出系コマンド処理(
図75参照)に戻る。
【1409】
この変動パターンコマンド処理(S2144)が実行されることにより、表示設定処理(
図81参照)では、S2167の処理によって初期化されたポインタ233eを更新しながら、S2162の処理によって表示データテーブルバッファ233bに設定された変動用表示データテーブル232a1から、ポインタ233eに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、ポインタ233eに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動用表示データテーブル232a1において必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
【1410】
また、表示設定処理(
図81参照)では、S2166の処理によって変動用表示データテーブル232a1を基に時間データが設定された計時カウンタ233gを用いて、変動用表示データテーブル232a1で規定された変動演出の時間を計時する。そして、変動用表示データテーブル232a1における変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110(音声ランプ制御装置113)からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示し、変動演出終了後所定時間内に確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信できなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御する。
【1411】
ここで、表示用確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用確定コマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。
【1412】
これに対し、本変動演出系コマンド処理(S2109)では、表示用確定コマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用確定コマンドに対応する処理である確定コマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2168の処理のように、表示用確定コマンドによって設定された確定コマンドフラグを上書きによってオフに設定することができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用確定コマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【1413】
同様に、表示用デモコマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用デモコマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。
【1414】
これに対し、コマンド判定処理(
図73参照)では、表示用デモコマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用デモコマンドに対応する処理であるデモコマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2162の処理のように、表示用デモコマンドによって表示データテーブルバッファ233bに設定されたデモ用表示データテーブル232a1を上書きによって変動用表示データテーブル232a1に書き換えることができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用デモコマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【1415】
図75に戻って説明を続ける。S2143の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2143:No)、変動演出に関する未処理のコマンドは表示用停止種別コマンドであるので、停止種別コマンド処理を実行して(S2145)、この変動演出系コマンド処理(S2109)を終了し、コマンド判定処理(
図73参照)へ戻る。
【1416】
ここで、
図77を参照して、停止種別コマンド処理(S2145)の詳細について説明する。
図77は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
【1417】
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(「10R時短大当たり」、「9R時短大当たり」、「4R時短大当たり」、「小当たり(大当たり図柄)」、「小当たり(チャレンジ図柄)」、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様、「非リーチ」演出態様、「特殊変動」演出態様)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2175)、その停止種別テーブルと、V割込処理(
図72(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値と、を比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2176)。
【1418】
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2176の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2177)、この停止種別コマンド処理(S2145)を終了して、変動演出系コマンド処理(
図75参照)へ戻る。
【1419】
ここで、上述したように、変動用表示データテーブル232a1では、その変動用表示データテーブル232a1に基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2176の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(
図72(b)のS2024)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2177によって設定された停止図柄判別フラグからS2176の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して後述する表示設定処理(
図81参照)により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。なお、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
【1420】
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、表示制御装置114が20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはない。よって、コマンド判定処理(
図73参照)を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2175の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が「非リーチ」であると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、「ハズレ表示」である「非リーチ」に対応する停止図柄(例えば、「456」)がS2176の処理によって設定される。
【1421】
仮に、大当たりに対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、ハズレであった場合であっても、第3図柄表示装置81には大当たりの停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10の遊技状態が大当たりとなったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、「ハズレ表示」の「非リーチ」演出態様に対応する停止図柄が設定されることで、実際には、大当たりであれば、第3図柄表示装置81に「ハズレ表示」に対応する停止図柄が表示されても、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態に移行するので、遊技者を喜ばせることができる。
【1422】
図73に戻って説明を続ける。S2108の処理において、変動演出系コマンドがないと判別されると(S2108:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、当たり系コマンドがあるか否かを判別し(S2110)、当たり系コマンドがあれば(S2110:Yes)、当たり系コマンド処理を実行して(S2111)、S2101の処理へ戻る。
【1423】
ここで、
図78を参照して、当たり系コマンド処理(S2111)の詳細について説明する。
図78は、当たり系コマンド処理を示すフローチャートである。この当たり系コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した大当たり中又は小当たり中のコマンドに対応する処理を実行するものである。
【1424】
当たり系コマンド処理(S2111)では、まず、未処理のコマンドの中に、音声ランプ制御装置113の小当たり当選時右打ち報知演出処理(
図70参照)において設定される表示用大当たり優先報知コマンドがあるか否かを判別し(S2181)、表示用大当たり優先報知コマンドがあれば(S2181:Yes)、処理をS2185に移行する。なお、S2185については後述する。
【1425】
一方、S2181の処理において、表示用大当たり優先報知コマンドがないと判別された場合(S2181:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用救済優先報知コマンドがあるか否かを判別し(S2183)、表示用救済優先報知コマンドがあれば(S2183:Yes)、処理をS2185に移行する。
【1426】
S2185の処理では、小当たり用右打ち報知コマンドフラグをオンに設定する(S2185)。そして、小当たり用右打ち報知演出毎に設けられた小当たり用右打ち報知画像判別フラグのうち、小当たり用右打ち報知コマンドによって示された小当たり用右打ち報知演出に対応する小当たり用右打ち報知画像判別フラグをオンすると共に、その他の小当たり用右打ち報知演出に対応する小当たり用右打ち報知画像判別フラグをオフに設定して(S2186)、この当たり系コマンド処理(S2111)を終了し、コマンド判定処理(
図73参照)に戻る。
【1427】
なお、S2185の処理により設定される小当たり用右打ち報知コマンドフラグがオンされていることが通常画像転送設定処理(
図86及び
図87参照)で検出されると、S2186の処理によって設定される小当たり用右打ち報知画像判別フラグから小当たり用右打ち報知画像種別を特定する。そして、その特定された小当たり用右打ち報知画像種別に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
【1428】
また、表示設定処理(
図81参照)では、S2185の処理によって設定された小当たり用右打ち報知コマンドフラグに基づいて、S2186の処理によって設定された小当たり用右打ち報知画像判別フラグから小当たり用右打ち報知画像種別を特定し、その小当たり用右打ち報知画像種別に対応する右打ち報知画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
【1429】
S2183の処理において、未処理のコマンドの中に、表示用救済優先報知コマンドがないと判別された場合(S2183:No)、その他の当たり中コマンド処理を実行し(S2184)、この当たり系コマンド処理(S2111)を終了して、コマンド判定処理(
図73参照)に戻る。
【1430】
図73に戻って説明を続ける。S2110の処理において、当たり系コマンドがないと判別されると(S2110:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用弱パターンコマンド、表示用強パターンコマンド、のパターン系コマンド、表示用赤文字コマンドの色系コマンド、の第3図柄表示装置81で表示される文字表示Se1に関するコマンド(以下、パターン系コマンド及び色系コマンドを総称して「文字系コマンド」と表現する場合がある)があるか否かを判別し(S2112)、文字系コマンドがあれば(S2112:Yes)、文字系コマンド処理を実行して(S2113)、S2101の処理へ戻る。
【1431】
ここで、
図79を参照して、文字系コマンド処理(S2113)の詳細について説明する。
図79は、文字系コマンド処理を示すフローチャートである。この文字系コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した文字系コマンドに対応する処理を実行するものである。
【1432】
文字系コマンド処理(S2113)では、まず、未処理のコマンドの中に、パターン系コマンドがあるか否かを判別し(S2191)、パターン系コマンドがあれば(S2191:Yes)、受信したパターン系コマンドに基づいて文字パターンメモリ233jを設定する(S2192)。そして、処理をS2195へ移行し、文字変化コマンドフラグをオンに設定する(S2195)。文字変化コマンドフラグは、オン状態でパターン系コマンドを含む文字系コマンドを処理したことを、後述する通常画像転送設定処理(
図86及び
図87参照)に通知するように構成されている。
【1433】
次いで、文字パターンメモリ233jによって示される文字変化画像種別に対応した文字パターン用追加データテーブル232a2を決定して、その決定した文字パターン用追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出し、該文字パターン用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する(S2196)。
【1434】
これにより、表示設定処理(
図81参照)では、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する演出に対し、S2196の処理によって追加データテーブルバッファ233cに格納された、文字パターンメモリ233jに基づく文字パターン用追加データテーブル232a2に対応する文字表示Se1の表示態様が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。
【1435】
その後、文字変化画像種別毎に設けられた文字変化判別フラグのうち、文字パターンメモリ233jによって示される文字変化画像種別に対応する文字変化判別フラグをオンに設定して(S2197)、この文字系コマンド処理(S2113)を終了し、コマンド判定処理(
図73参照)へ戻る。
【1436】
なお、ここで設定された文字変化判別フラグは、今回実行される変動演出が終了するタイミング、即ち、表示設定処理(
図81参照)において、表示用確定コマンドを受信したことを示す確定コマンドフラグがオンである場合に、該文字変化判別フラグがオフに設定されるように構成されている(
図81のS2314参照)。
【1437】
S2191の処理において、パターン系コマンドがないと判別されると(S2191:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用赤文字コマンドがあるか否かを判別し(S2193)、表示用赤文字コマンドがあれば(S2193:Yes)、赤文字フラグ233kをオンに設定し(S2194)、処理をS2195へ移行する
【1438】
S2194を経た後のS2195の処理では、パターン系コマンドを受信した場合と同様、オン状態で表示用赤文字コマンドを含む文字系コマンドを処理したことを、後述する通常画像転送設定処理(
図86参照)に通知する文字変化コマンドフラグをオンに設定する(S2195)。
【1439】
次いで、赤文字フラグ233kによって示される文字変化画像種別と実行する変動演出(表示データテーブル232a1)とに対応した文字色用追加データテーブル232a2を決定して、その決定した文字色用追加データテーブル232a2をデータテーブル格納エリア232aから読み出し、該文字色用追加データテーブル232a2を追加データテーブルバッファ233cに設定する(S2196)。
【1440】
これにより、表示設定処理(
図81参照)では、表示データテーブルバッファ233bに格納された表示データテーブル232a1に対応する演出に対し、S2203の処理によって追加データテーブルバッファ233cに格納された、赤文字フラグ233kに基づく文字色用追加データテーブル232a2に対応する文字表示Se1の表示態様が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。
【1441】
その後、文字変化画像種別毎に設けられた文字変化判別フラグのうち、赤文字フラグ233kによって示される文字変化画像種別に対応する文字変化判別フラグをオンに設定して(S2197)、この文字系コマンド処理(S2113)を終了し、コマンド判定処理(
図73参照)へ戻る。
【1442】
従って、文字変化判別フラグでは、例えば、該変動演出に関して、パターン系コマンドと表示用赤文字コマンドとをそれぞれ受信していた場合、パターン系コマンドに基づく文字変化判別フラグのオンと、表示用赤文字コマンドに基づく文字変化判別フラグのオンとがそれぞれ設定される。
【1443】
具体的には、1の変動演出において、パターン系コマンドとして表示用強パターンコマンドを受信していると共に、表示用赤文字コマンドを受信していた場合を例示する。この場合、文字変化判別フラグは、リーチ発生時文字表示Se1が「強パターン」で表示されると共に、文字表示Se1の表示色が「赤色」で表示されることを示す値が設定される。従って、追加データテーブル232a2として、文字パターン用追加データテーブル232a2と、文字色用追加データテーブル232a2とが追加データテーブルバッファ233cに格納される。
【1444】
S2193の処理において、表示用赤文字コマンドがないと判別されると(S2193:No)、次いで、その他の文字系コマンド処理を実行し(S2198)、この文字系コマンド処理(S2113)を終了し、コマンド判定処理(
図73参照)へ戻る。
【1445】
第1実施形態の表示制御装置114のMPU231は、後述する通常画像転送設定処理(
図86参照)において、S2195の処理により設定される文字変化コマンドフラグがオンされていることを検出すると、文字系コマンド処理(S2113)によって追加データテーブルバッファ233cに所定の文字変化用追加データテーブル232a2が設定されたと判断し、S2197の処理によって設定される文字変化判別フラグから、追加データテーブルバッファ233cに設定された文字変化用追加データテーブル232a2に対応する文字変化画像種別を特定する。そして、その特定された文字変化画像種別を表示させるのに必要な画像データの転送指示を画像コントローラ237に対して行う。
【1446】
図73に戻って説明を続ける。S2112の処理において、文字系コマンドがないと判別されると(S2112:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像系コマンドがあるか否かを判別し(S2114)、背面画像系コマンドがあれば(S2114:Yes)、背面画像系コマンド処理を実行して(S2115)、S2101の処理へ戻る。
【1447】
ここで、
図80(a)を参照して、背面画像系コマンド処理(S2115)の詳細について説明する。
図80(a)は、背面画像系コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像系コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像系コマンドに対応する処理を実行するものである。
【1448】
背面画像系コマンド処理(S2115)では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を後述する通常画像転送設定処理(
図86参照)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定し(S2202)、処理をS2205へ移行する。
【1449】
S2205の処理では、背面画像コマンドフラグをオンに設定し(S2205)、背面種別(背面A~C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S2206)、この背面画像変更コマンド処理(S2113)を終了し、コマンド判定処理(
図73参照)に戻る。
【1450】
通常画像転送設定処理(
図86参照)では、S2205の処理により設定される背面画像コマンドフラグがオンされていることを検出すると、S2206の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面種別を特定する。そして、その特定された背面画別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
【1451】
また、タスク処理(
図72(b)のS2024)では、表示データテーブル232a1に規定された背面画像の背面種別によって、背面A~Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S2206によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面種別を特定し、さらに、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
【1452】
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理(
図73参照)を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2206の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
【1453】
図73に戻って説明を続ける。S2114の処理において、背面画像系コマンドがないと判別されると(S2114:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2116)、エラーコマンドがあれば(S2116:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2117)、S2101の処理へ戻る。
【1454】
ここで、
図80(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2115)の詳細について説明する。
図80(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
【1455】
エラーコマンド処理(S2117)では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2211)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2212)、エラーコマンド処理(S2117)を終了し、コマンド判定処理(
図73参照)に戻る。
【1456】
表示設定処理(
図81)では、S2211の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2212の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
【1457】
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2212に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
【1458】
図73に戻って説明を続ける。S2116の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2116:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2118)、S2101の処理へ戻る。
【1459】
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2101の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2101:Yes)、再びS2102~S2118の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2101~S2118の処理が繰り返し実行され、S2101の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理(S2022)を終了する。
【1460】
なお、V割込処理(
図72(b)参照)において簡易画像表示フラグ233aがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2028)も、コマンド判定処理(S2022)と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、
図30に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示表確定コマンド、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、確定コマンド処理(
図76(a)参照)、変動パターンコマンド処理(
図76(b)参照)および停止種別コマンド処理(
図77参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
【1461】
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(
図76(b)参照)では、S2162の処理で、電源投入時変動画像283の表示に対応した表示データテーブル232a1が表示データテーブルバッファ233bに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像282および電源投入時変動画像283の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S2163の処理では、転送データテーブルバッファ233dにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
【1462】
次に、
図81から
図84を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理(
図72(b)参照)の一処理である上述の表示設定処理(S2023)の詳細について説明する。
図81及び
図82は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
【1463】
この表示設定処理(S2023)では、まず、
図81で示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S2301:No)、先に実行されるコマンド判定処理(
図73参照)において新規コマンドが処理されていないと判断して、S2302~S2306の処理をスキップし、処理をS2307へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S2301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S2302)、S2303~S2306の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
【1464】
S2303の処理では、新規保留球数コマンドフラグはオンであるか否かを判別し(S2303)、新規保留球数コマンドフラグがオンであれば(S2303:Yes)、先のコマンド判定処理(
図73参照)において表示用保留球数コマンドが処理されたと判断し、保留画像設定処理を実行する(S2304)。
【1465】
ここで、
図83(a)を参照して、保留画像設定処理(S2304)の詳細について説明する。
図83(a)は、保留画像設定処理を示すフローチャートである。この保留画像設定処理は、表示用保留球数コマンドが処理されたことに合わせて、音声ランプ制御装置113より通知された保留球数分の保留図柄及び実行図柄を第3図柄表示装置81に初期設定(デフォルト設定。即ち、「白色」の「○」図柄。)で表示させる画像データを展開するための処理である。
【1466】
保留画像設定処理(S2304)では、まず、個数判別フラグを参照し、オンが設定された個数判別フラグに対応した保留球数分の保留図柄及び実行図柄を第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Db(
図4(a)参照)に表示させる保留画像データを展開する(S2341)。タスク処理(
図72(b)のS2024参照)では、この展開された保留画像データを元に、その保留画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【1467】
そして、新規保留球数コマンドフラグをオフに設定し(S2342)、この保留画像設定処理(S2304)を終了して、表示設定処理(
図81参照)に戻る。
【1468】
図81に戻って説明を続ける。保留画像設定処理(S2304)の後、又は、S2303の処理において、新規保留球数コマンドフラグがオンでなければ(S2303:No)、次いで、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S2305)。判別の結果、エラー発生フラグがオンであれば(S2305:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S2306)。
【1469】
ここで、
図83(b)を参照して、警告画像設定処理(S2306)の詳細について説明する。
図83(b)は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理である。
【1470】
警告画像設定処理(S2306)では、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S2351)。タスク処理(
図72(b)のS2024参照)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【1471】
そして、エラー発生フラグをオフに設定して(S2352)、この警告画像設定処理(S2306)を終了して、表示設定処理(
図81参照)に戻る。
【1472】
図81に戻って説明を続ける。警告画像設定処理(S2306)の後、又はS2305の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別された場合は(S2305:No)、次いで、ポインタ更新処理を実行する(S2307)。
【1473】
ここで、
図84を参照して、ポインタ更新処理(S2307)の詳細について説明する。
図84は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233b、追加データテーブルバッファ233cおよび転送データテーブルバッファ233dの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル232a1、追加データテーブル232a2および転送データテーブル232a3から、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233eの更新を行う処理である。
【1474】
このポインタ更新処理(S2307)では、まず、ポインタ233eを1加算する(S2361)。即ち、ポインタ233eは、原則、V割込処理(
図72(b)参照)が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブル232a1~232a3は、アドレス「0000H」には、「Start」情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブル232a1が表示データテーブルバッファ233bに格納されるのに合わせてポインタ233eの値が「0」に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が「1」に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブル232a1~232a3から実体的なデータを読み出すことができる。
【1475】
S2361の処理によって、ポインタ233eの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1において、その更新後のポインタ233eで示されるアドレスのデータが「End」情報であるか否かを判別する(S2362)。その結果、「End」情報であれば(S2362:Yes)、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1において、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233eが更新されたことを意味する。
【1476】
そこで、表示データテーブルバッファ233bに格納されている表示データテーブル232a1がデモ用表示データテーブル232a1又は再始動表示データテーブル232a1であるか否かを判別して(S2363)、デモ用表示データテーブル232a1又は再始動表示データテーブル232a1であれば(S2363:Yes)、ポインタ233eを「1」に設定し(S2364)、さらに、表示データテーブルバッファ233bに設定されているデモ用表示データテーブル232a1又は再始動表示データテーブル232a1の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233gに設定して(S2365)、S2367の処理へ移行する。これにより、表示設定処理(
図81参照)では、デモ用表示データテーブル232a1又は再始動表示データテーブル232a1の先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出または再始動演出を繰り返し表示させることができる。
【1477】
一方、S2363の処理において、表示データテーブルバッファ233bに格納されている表示データテーブル232a1がデモ用表示データテーブル232a1でも、再始動表示データテーブル232a1でもないと判別された場合は(S2363:No)、ポインタ233eの値を1だけ減算して(S2366)、S2367の処理へ移行する。これにより、表示設定処理(
図81参照)では、表示データテーブルバッファ233bにデモ用表示データテーブル232a1および再始動表示データテーブル232a1以外の表示データテーブル232a1、例えば、変動用表示データテーブル232a1や確定表示データテーブル232a1が設定されている場合は、「End」情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブル232a1で規定される最後の画像で停止させた状態で表示させることができる。
【1478】
なお、S2362の処理において、表示データテーブルバッファ233bに設定された表示データテーブル232a1において、S2361の処理による更新後のポインタ233eで示されるアドレスのデータが「End」情報ではないと判別される場合は(S2362:No)、S2363~S2366の処理をスキップして、S2367の処理へ移行する。
【1479】
S2367の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2367)、確定コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2367:No)、そのままポインタ更新処理(S2307)を終了して、表示設定処理(
図81参照)に戻る。一方、確定コマンドフラグがオンであれば(S2367:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、表示データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブル232a1において「End」情報が格納されているエンド位置アドレスから1だけ減算した値に、ポインタ233eの値を設定する(S2368)。そして、計時カウンタ233gの値を「1」に設定して(S2369)、このポインタ更新処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、確定コマンドを受信した場合は、表示設定処理では、設定された表示データテーブル232a1の最後に規定された描画内容を展開すると共に、確定表示演出の開始を制御することができる。
【1480】
図81に戻って説明を続ける。ポインタ更新処理(S2307)の後は、表示データテーブルバッファ233b及び追加データテーブルバッファ233cに設定されている表示データテーブル232a1および追加データテーブル232a2から、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233eで示されるアドレスの描画内容を展開する(S2308)。タスク処理(
図72(b)のS2024参照)では、先に展開された保留画像や警告画像などと共に、S2308の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【1481】
第1実施形態では、表示データテーブルバッファ233bに表示データテーブル232a1が格納され、追加データテーブルバッファ233cに追加データテーブル232a2が格納されている状態で、ポインタ233eが示すアドレスにおいて、同一のスプライトの描画が設定されていた場合、追加データテーブル232a2で示される描画内容を優先して描画リストを生成するように構成されている。これにより、表示データテーブル232a1で規定されているスプライトの描画内容を、追加データテーブル232a2で規定し直すことで、表示データテーブル232a1の描画内容から追加データテーブル232a2の描画内容に変更して表示することができる。
【1482】
また、第1実施形態では、追加データテーブルバッファ233cに複数の追加データテーブル232a2を格納可能に構成されているが、複数の追加データテーブル232a2が追加データテーブルバッファ233cに格納されている状態で、ポインタ233eが示すアドレスにおいて、同一のスプライトの描画が設定されていた場合、最も新しく格納された追加データテーブル232a2で示される描画内容を優先して描画リストを生成するように構成されている。即ち、追加データテーブル232a2の格納順を記憶しておき、最も新しい追加データテーブル232a2の描画内容を優先して表示することができるので、表示内容を変更した後にさらに変更する場合、的確に表示することが可能となる。
【1483】
なお、追加データテーブル232a2において、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。また、追加データテーブルバッファ233cがNullデータでクリアされているときは、常にNullデータが追加データテーブルバッファ233cから展開されることになる。
【1484】
次いで、計時カウンタ233gの値を1だけ減算し(S2309)、減算後の計時カウンタ233gの値が「0」以下であるか否かを判別する(S2310)。そして、計時カウンタ233gの値が「0」以下でない場合、即ち、「1」以上である場合は(S2310:No)、そのまま表示設定処理(S2023)を終了して、V割込処理(
図72(b)参照)に戻る。
【1485】
一方、S2310の処理において、計時カウンタ233gの値が「0」以下である場合は(S2310:Yes)、表示データテーブルバッファ233bに設定されている表示データテーブル232a1に対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233bに変動用表示データテーブル232a1が設定されている場合は、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)が送信されるはずであるので、続くS2311の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを確認する(S2311)。
【1486】
S2311の判別の結果、確定コマンドフラグがオンであれば(S2311:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、まず、確定表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233cおよび転送データテーブルバッファ233dにそれぞれNullデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2312)。
【1487】
次いで、実行中の変動演出が終了するため、該変動演出用に設定された内容をクリア、即ち、小当たり用右打ち報知コマンドフラグ及び背面画像変更フラグをオフし(S2313)、文字パターンメモリ233j、赤文字フラグ233k及び文字変化判別フラグをオフする(S2314)。このように構成することで、1の変動演出が終了する毎に該変動演出用に設定された内容を初期化することができるので、例えば、前回の変動演出において設定された文字表示Se1の設定内容が、次回の変動演出において現出するといった不具合が発生することを未然に防止することができる。
【1488】
次いで、確定表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233gに設定し(S2315)、さらに、ポインタ233eの値を「0」に初期化する(S2316)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定し(S2317)、次いで、「0」状態(オフ状態)で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオン(即ち、「1」)に設定後(S2318)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S2319)、この表示設定処理(S2023)を終了し、V割込処理(
図72(b)参照)に戻る。
【1489】
これにより、表示データテーブルバッファ233bに変動用表示データテーブル232a1が設定されている状況において、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。
【1490】
また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブル232a1を確定表示データテーブル232a1に変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することが出来る。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【1491】
なお、S2319の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動用表示データテーブル232a1では、その表示データテーブル232a1に基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。
【1492】
よって、タスク処理(
図72(b)のS2024参照)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S2319によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
【1493】
一方、S2311の処理において、確定コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2311:No)、処理を
図82に示すS2320の処理へ移行し、確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2320)。そして、確定表示フラグがオンであれば(S2320:Yes)、S2310の処理において計時カウンタ233gの値が「0」以下と判定(S2310:Yes)されたのは、確定表示演出が終了したことを意味する。そこで、確定表示フラグをオフに設定した後(S2321)、デモ用表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定し(S2322)、次いで、デモ表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233gに設定する(S2323)。そして、ポインタ233eを「0」に初期化し(S2324)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S2325)、処理を
図81に移行し、この表示設定処理(S2023)を終了して、V割込処理(
図72(b)参照)に戻る。
【1494】
これにより、確定表示演出が終了するまでに、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドや、デモ演出の開始を示す表示用デモ演出コマンドを受信しなかった場合には、自動的に第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
【1495】
なお、S2320の処理において、確定表示フラグがオンと判定される場合、即ち、S2320のYesの分岐条件を満たすのは、確定表示演出が行われている場合であり、この場合、S2312の処理によって、追加データテーブルバッファ233c及び転送データテーブルバッファ233dはいずれもその内容がクリアされている。よって、S2322の処理では、それらのデータテーブルバッファ233c,233dのクリア処理を省略している。これにより、MPU231における処理負荷の軽減を図ることができる。
【1496】
一方、S2320の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S2320:No)、次いで、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2326)。そして、デモ表示フラグがオンであれば(S2326:Yes)、S2310の処理において計時カウンタ233gの値が「0」以下と判定(S2310:Yes)されたのは、デモ演出が終了したことを意味する。そこで、処理を
図81へ移行し、この表示設定処理(S2023)を終了して、V割込処理(
図72(b)参照)に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の表示設定処理の中で実行されるポインタ更新処理(S2307)によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【1497】
一方、S2326の処理において、デモ表示フラグがオンではなく、オフである場合は(S2326:No)、S2310の処理において計時カウンタ233gの値が「0」以下と判定(S2310:Yes)されたのは、変動演出が終了したことを意味する。そこで、変動演出が終了してから所定時間経過しても確定コマンドが受信されない場合は、再始動演出を開始するために、変動演出に対応する変動用表示データテーブル232a1が表示データテーブルバッファ233bに設定されるのに合わせて「0」に初期化された再始動タイマカウンタを1加算し(S2327)、加算後の再始動タイマカウンタの値が所定値(例えば、「100」)になったか否かを判別する(S2328)。
【1498】
そして、再始動タイマカウンタが所定値ではない場合(S2328:No)、処理を
図81へ移行し、表示設定処理(
図81参照)を終了して、V割込処理(
図72(b)参照)に戻る。一方、再始動タイマカウンタが所定値である場合は(S2328:Yes)、再始動表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233cおよび転送データテーブルバッファ233dにそれぞれNullデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2329)。そして、再始動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233gに設定し(S2330)、さらに、ポインタ233eの値を「0」に初期化して(S2331)、処理を
図81へ移行し、表示設定処理(S2023)を終了して、V割込処理(
図72(b)参照)に戻る。
【1499】
これにより、表示制御装置114では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。そして、上述したように、再始動演出は、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出であるので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
【1500】
なお、再始動表示データテーブル232a1によって規定された最後の描画内容が展開された後は、上述のポインタ更新処理(S2307)によって、再び再始動表示データテーブル232a1の先頭から描画内容が展開される。従って、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信したり、新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、再始動演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【1501】
また、V割込処理(
図72(b)参照)において簡易画像表示フラグ233aがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(
図72(b)のS2029)も、表示設定処理(S2023)と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像283による変動演出の演出時間が終了後、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像283の一方の画像(
図30(b)および
図30(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブル232a1を、表示データテーブルバッファ233bに設定する処理が行われる。
【1502】
さらに、電源投入時変動画像283による変動演出の演出時間が終了後、本来、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信すべき確定コマンド(表示用確定コマンド)の受信が認められない場合は、そのまま電源投入時変動画像283の変動演出を再始動させることを規定した表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定する処理が行われる。
【1503】
次いで、
図85~
図87を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理(
図72(b)参照)の一処理である上述の転送設定処理(S2025)の詳細について説明する。まず、
図85(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
【1504】
この転送設定処理(S2025)では、まず、簡易画像表示フラグ233aがオンか否かを判別する(S2401)。そして、簡易画像表示フラグ233aがオンであれば、(S2401:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S2402)、この転送設定処理を終了し、V割込処理(
図72(b)参照)へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、
図85(b)を参照して後述する。
【1505】
一方、S2401の処理において、簡易画像表示フラグ233aがオンではない、即ち、オフであれば、(S2401:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S2403)、この転送設定処理(S2025)を終了して、V割込処理(
図72(b)参照)へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、
図86及び
図87を参照して後述する。
【1506】
ここで、
図85(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2025)の一処理である常駐画像転送設定処理(S2402)について説明する。
図85(b)は、この常駐画像転送設定処理(S2402)を示すフローチャートである。
【1507】
この常駐画像転送設定処理(S2402)では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S2411)、転送指示を送信していれば(S2411:Yes)、さらに、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S2412)。このS2412の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S2412の処理において、転送処理が終了していないと判別される場合は(S2412:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理(S2402)を終了して、転送設定処理(
図85(a)参照)へ戻る。
【1508】
一方、S2412の処理において、転送処理が終了したと判別される場合(S2412:Yes)、処理をS2413へ移行する。また、S2411の処理において、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S2411:No)、処理をS2413へ移行する。
【1509】
S2413の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S2413)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S2413:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S2414)、常駐画像転送設定処理(S2402)を終了して、転送設定処理(
図85(a)参照)へ戻る。
【1510】
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リスト(
図36参照)に、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。
【1511】
なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス及び最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、並びに、転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレス、が含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定された常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
【1512】
一方、S2413の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S2413:Yes)、簡易画像表示フラグ233aをオフに設定して(S2415)、常駐画像転送設定処理(S2402)を終了して、転送設定処理(
図85(a)参照)へ戻る。これにより、V割込処理(
図72(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(
図73(b)のS2028参照)および簡易表示設定処理(
図72(b)のS2029参照)ではなく、コマンド判定処理(
図73から
図80参照)および表示設定処理(
図81から
図84参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(
図86及び
図87参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(
図85(a)のS2401:No参照)。
【1513】
MPU231は、この常駐画像転送設定処理(S2402)を実行することにより、既にメイン処理(
図71参照)の中で転送されている電源投入時主画像282および電源投入時変動画像283を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
【1514】
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後は、MPU231は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がない。その結果、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【1515】
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージ、コクピット画像、副表示画像といった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき保留図柄や文字図柄の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
【1516】
次に、
図86及び
図87を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2025)の一処理である通常画像転送設定処理(S2403)について説明する。
図86及び
図87は、この通常画像転送設定処理(S2403)を示すフローチャートである。
【1517】
この通常画像転送設定処理(S2403)では、まず、転送データテーブルバッファ233dに設定されている転送データテーブル232a3から、先に実行された表示設定処理(
図81参照)のポインタ更新処理(S2307)によって更新されたポインタ233eで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S2421)。
【1518】
そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S2422)、転送データ情報であれば(S2422:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S2423)、さらに、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S2424)、S2425の処理へ移行する。
【1519】
一方、S2422の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S2422:No)、S2423及びS2424の処理をスキップして、S2425の処理へ移行する。
【1520】
S2425の処理では、画像転送の終了処理をすべく、画像転送詳細処理を実行し(S2425)、この通常画像転送設定処理(S2403)を終了して、転送設定処理(
図85(a)参照)に戻る。
【1521】
ここで、
図87を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される通常画像転送設定処理(S2403)の一処理である画像転送詳細処理(S2425)について説明する。
図87は、この画像転送詳細処理(S2425)を示すフローチャートである。
【1522】
この画像転送詳細処理(S2425)では、まず、画像コントローラ237に対して、前回の転送処理が終了後に、画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S2441)、転送指示を設定していれば(S2441:Yes)、さらに、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S2442)。
【1523】
このS2442の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S2442の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S2442:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この画像転送詳細処理(S2425)を終了して、通常画像転送設定処理(
図86参照)に戻る。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S2442:Yes)、S2443の処理へ移行する。また、S2441の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S2441:No)、S2443の処理へ移行する。
【1524】
S2443の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S2443)、転送開始フラグがオンであれば(S2443:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S2444)、通常画像転送設定処理(
図86参照)のS2423の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示される画像データを転送対象画像とした上で、S2454の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S2443:No)、次いで、小当たり用右打ち報知コマンドフラグはオンか否かを判別する(S2445)。
【1525】
そして、小当たり用右打ち報知コマンドフラグがオンであれば(S2445:Yes)、小当たり時の右打ち報知に関する演出コマンドが処理され、右打ち報知用追加データテーブル232a2が追加データテーブルバッファ233cに設定されたことを意味するので、小当たり用右打ち報知コマンドフラグをオフに設定した後(S2446)、小当たり用右打ち画像種別毎に設けられた小当たり用右打ち報知判別フラグのうち、オン状態にある小当たり用右打ち報知判別フラグに対応する小当たり用右打ち画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを特定し(S2447)、この特定した各種情報によって示される画像データを転送対象画像とした上で、S2454の処理へ移行する。なお、S2447において、オン状態にある小当たり用右打ち報知判別フラグに対応する小当たり用右打ち画像の画像データが転送対象画像された場合、該オン状態の小当たり用右打ち報知判別フラグはすべてオフに設定されるように構成されている。
【1526】
S2445の処理において、小当たり用右打ち報知コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2445:No)、次いで、背面画像コマンドフラグはオンか否かを判別する(S2448)。そして、背面画像コマンドフラグがオンであれば(S2448:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像コマンドフラグをオフに設定した後(S2449)、背面種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを特定し(S2450)、この特定した各種情報によって示される画像データを転送対象画像とした上で、S2454の処理へ移行する。
【1527】
なお、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S2448の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、背面画像コマンドフラグがオフとみなし(S2448:No)、処理をS2451へ移行する。
【1528】
S2448の処理において、背面画像コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2448:No)、次いで、文字変化コマンドフラグはオンか否かを判別する(S2451)。そして、文字変化コマンドフラグがオフであれば(S2451:No)、この画像転送詳細処理(S2425)を終了して、通常画像転送設定処理(
図87参照)へ戻る。
【1529】
一方、S2451の処理において、文字変化コマンドフラグがオンであれば(S2451:Yes)、文字図柄(リーチ発生時文字表示Se1)の変更を意味するので、文字変化コマンドフラグをオフに設定した後(S2452)、文字変化画像種別毎に設けられた文字変化判別フラグのうち、オン状態にある文字変化判別フラグに対応する文字図柄の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを特定し(S2453)、この特定した各種情報によって示される画像データを転送対象画像とした上で、S2454の処理へ移行する。
【1530】
S2454の処理では、転送対象画像が通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに既に格納されているか否かを判別する(S2454)。このS2454の処理における判別では、格納画像判別フラグ233hを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像とされたスプライトに対応する格納状態を格納画像判別フラグ233hより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されていないと判断する。
【1531】
そして、S2454の処理の結果、転送対象画像が通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されていれば(S2454:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま画像転送詳細処理(S2425)を終了し、処理を通常画像転送設定処理(
図87参照)へ戻る。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
【1532】
一方、S2454の処理の結果、転送対象画像が通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されていなければ(S2454:No)、その転送対象画像の転送指示を設定する(S2455)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像の転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
【1533】
なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAMの指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
【1534】
S2455の処理の後、格納画像判別フラグ233hを更新し(S2456)、この画像転送詳細処理(S2425)を終了し、処理を通常画像転送設定処理(
図87参照)へ戻る。格納画像判別フラグ233hの更新は、上述したように、転送対象画像となったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その1のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
【1535】
このように、この通常用画像転送処理(S2403)を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理(
図73参照)の中で文字系コマンド等に対する処理が実行され、その文字系コマンドで示された文字変化画像に対応する追加データテーブル232a2が追加データテーブルバッファ233cに設定された場合は、その追加データテーブル232a2で用いられる文字変化画像の画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送させることができる。
【1536】
また、先に実行されたコマンド判定処理(
図73参照)の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送させることができる。
【1537】
また、本実施形態では、音声ランプ制御装置113からコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブル232a1を表示データテーブルバッファ233bに設定するのに合わせて、その表示データテーブル232a1に対応する転送データテーブル232a3が転送データテーブルバッファ233dに設定されるように構成されている。よって、その表示データテーブル232a1で用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
【1538】
ここで、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブル232a3では、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブル232a3に規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブル232a1に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
【1539】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送しておくことができるので、表示データテーブル232a1で指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブル232a3の記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ転送することができる。
【1540】
また、転送データテーブル232a3では、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aへの画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、きめ細かく画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
【1541】
次いで、
図88を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理(
図72(b)参照)の一処理である上述の更新処理としての描画処理(S2026)の詳細について説明する。
図88は、この描画処理を示すフローチャートである。
【1542】
描画処理(S2026)では、タスク処理(
図72(b)のS2024参照)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(
図72(b)のS2025)により設定された転送指示から、
図36に示す描画リストを生成する(S2501)。
【1543】
即ち、S2501の処理では、タスク処理で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。
【1544】
このように、第1実施形態のパチンコ機10では、1の変動演出(変動パターン)を第3図柄表示装置81において実行する場合、予め定められた更新条件(即ち、1フレーム分の描画期間である20ミリ秒の経過)の成立に基づいて更新処理としての描画処理(S2026)を実行することにより、描画リストを更新することができる。
【1545】
即ち、例えば、第1特別図柄の動的表示が大当たりに当選し、該動的表示の変動パターンが実行中の状態において、更新終了状態として、該変動パターンの最後まで描画処理を実行し、確定コマンドを実行することで該大当たりとなる動的表示が終了して付与利益としての大当たり遊技状態が発生する。
【1546】
また、1の変動演出が実行される場合の描画リストの更新回数、即ち、変動パターンは、変動パターンテーブル202f(
図16及び
図17参照)に示す複数の変動パターンのうち、抽選によって1の変動パターンが決定される。
【1547】
そして、例えば、大当たり種別「時短A」に当選することとなる動的表示が、特
図1小当たり用変動パターンテーブル202f2(
図16(b)参照)に示す複数の変動パターンのうち、抽選によって1の変動パターンが決定され、「E6:ノーマルリーチ(昇格演出)」の変動パターンである『「高速変動(長)」の変動要素+「低速変動」の変動要素+「ノーマルリーチ」の変動要素+「再変動」の変動要素+「昇格演出」の変動要素』にて実行される場合、「ノーマルリーチ」の変動要素の終了時点までにおいて、大当たり(小当たり当選に基づく大当たり)に当選したことが確定し得ない(即ち、ハズレ表示となる)変動演出を実行し、続いて実行される「再変更」の変動要素の終了時点までにおいて、「大当たり表示」を現出する演出が行われる。
【1548】
また、所定時期である「再変動」の変動要素の終了時点までにおいて、各図柄列に「2」や「8」など、小当たり種別「時短C」(7ラウンド時短大当たり)に当選したことが確定し得ない(即ち、小当たり種別「時短B」(5ラウンド時短大当たり)への当選となる)数字を付した同一の主図柄(以降、小当たり種別「時短C」(7ラウンド時短大当たり)に当選したことが確定し得ない(即ち、小当たり種別「時短B」(5ラウンド時短大当たり)への当選となる)数字を付した同一の主図柄のことを「5R図柄」と称することがある)が3つ停止され、続いて実行される、特定時期である「昇格演出」の変動要素の終了時点までにおいて、5R図柄から、各図柄列に「5」や「7」の数字を付した同一の主図柄(即ち、小当たり種別「時短C」(7ラウンド時短大当たり)に当選したことが確定する主図柄(以降、小当たり種別「時短C」(7ラウンド時短大当たり)に当選したことが確定する主図柄のことを「7R図柄」と称することがある))が3つ停止した状態に変化する演出が行われる。
【1549】
このように、「再変動」の変動要素の終了時点から、変動パターンの終了までの間で行われる限定演出としての「昇格演出」の変動要素では、第1通知態様として5R図柄である主図柄が各図柄列に3つ揃った状態と、第2通知態様として7R図柄である主図柄が各図柄列に3つ揃った状態とが複数回に渡って切り替わり表示され、5R図柄で停止するのか、又は、7R図柄で停止するのか、を示唆する演出が行われ、最終的に7R図柄である主図柄が各図柄列に3つ揃った状態で実行中の変動パターンを終了する。
【1550】
そして、制御判定結果として小当たり種別「時短C」が成立して大当たり遊技が開始されると、利益付与条件として、開放状態となっている可変入賞装置65に入賞させることによって、付与価値としての賞球を獲得することができる。
【1551】
このように、更新状態としての大当たり(小当たりに基づく大当たり)変動では、大当たりとなる結果が報知された場合に、引き続き大当たり状態に制御される。この大当たり状態では、該大当たり状態及び小当たり状態以外では開放されない大入賞口が開放され、遊技者の賞球獲得機会となる。そして、遊技者の球の発射操作によって可変入賞装置65に球が入賞した場合に賞球が発生するように構成されている。
【1552】
なお、「昇格演出」の変動要素において行われる主図柄が切り替わる演出は、「再変動」の変動要素の終了時点までに表示していた主図柄を、「昇格演出」の変動要素において別の主図柄に切り替えることが可能であれば如何様な演出でもよく、例えば、5R図柄と7R図柄とを同時に表示しておいて、いずれか一方の主図柄が消え、残った主図柄が最終的に当選した大当たりの主図柄となるように構成してもよいし、第3図柄表示装置81の中央に表示されている5R図柄を、外部から進入してきた7R図柄が押しのけようとする演出を行い、最終的に7R図柄が第3図柄表示装置81の中央に表示されるか否かを表示するように構成してもよいし、遊技者による枠ボタン22の操作によって、押下の度に5R図柄を切り裂くエフェクトを表示し、最終的に5R図柄を破壊して7R図柄を表示させることができるか否かを表示するように構成してもよい。
【1553】
また、本実施形態では、「昇格演出」として5R図柄及び7R図柄を例に説明したが、「昇格演出」の変動要素の開始前までに表示していた主図柄の示唆する遊技価値から、それよりも遊技価値の高い主図柄に切り替われば如何様な演出でもよい。例えば、5R及び7R以外の大当たりラウンド図柄に切り替わる演出でも良いし、通常図柄から時短図柄に切り替わる演出でも良いし、通常図柄から確変図柄に切り替わる演出でも良いし、時短図柄から確変図柄に切り替わる演出でも良いし、その他、より有利な遊技状態に移行する図柄に切り替わる図柄でも良いし、5R図柄及び7R図柄とは異なる第3の図柄に切り替わるように構成しても良い。
【1554】
さらに、1の動的表示における変動パターンの実行中において、変動パターンの終了までの間に7R図柄である主図柄が各図柄列に3つ揃った状態に切り替わった後は、少なくとも大当たりが発生して賞球が発生するまでは5R図柄である主図柄が各図柄列に3つ揃った状態に切り替わることはない。
【1555】
また、本実施形態では、「昇格演出」として5R図柄から7R図柄に切り替わる演出について説明したが、「昇格演出」を実行した結果、7R図柄には切り替わらず、最終的に5R図柄である主図柄が3つ揃った状態で変動演出を終了するような、「昇格演出」としての失敗演出を実行するように構成してもよい。この場合、5R図柄が現出した状況、又は、7R図柄が現出した状況、のいずれの状況であっても、変動演出の終了後に右打ち報知演出を行い、遊技者に対して打ち方示唆を実行するように構成する。
【1556】
さらに、小当たり種別「時短B」に当選することとなる動的表示が終了して、5R図柄である主図柄が各図柄列に3つ揃った状態(第1報知態様)となった場合であっても、右打ち遊技を行わず、可変入賞装置65に入賞させなければ、賞球(特定利益)は発生せず、かつ特定領域65dにも球を通過させていないため、そのまま小当たり当選時の遊技状態に戻って新たな変動表示が実行される。
【1557】
次いで、転送設定処理(
図72(b)のS2025)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a)の先頭アドレスを追記する。
【1558】
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
【1559】
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233iによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S2502)。ここでは、描画対象バッファフラグ233iが「0」である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233iが「1」である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
【1560】
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
【1561】
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a)の先頭アドレスを抽出する。そして、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納する。その後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
【1562】
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、他方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
【1563】
描画処理(S2026)は、S2502の処理の後、描画対象バッファフラグ233iを更新する(S2503)。そして、この描画処理を終了して、V割込処理(
図72(b)参照)に戻る。描画対象バッファフラグ233iの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
【1564】
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(
図72(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。
【1565】
これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【1566】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。
【1567】
以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【1568】
次に、
図89を参照して、第1実施形態のパチンコ機10において、第3図柄表示装置81で行われる演出について説明する。
図89は、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示した図である。
【1569】
より詳細には、
図89(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示しており、
図89(b)は、
図89(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【1570】
さらに、
図89(c)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示しており、
図89(d)は、
図89(c)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【1571】
図89(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【1572】
図89(a)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「58」となっており、
図28に示す損益分岐回数テーブル222fに設定されている通り、大当たり優先報知期間における変動演出であることを示している。
【1573】
また、主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、特
図1小当たりに当選したことを示している。なお、上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり優先報知期間においては、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。
【1574】
よって、
図89(a)の状況では、この後実行される小当たり遊技において、遊技者に右打ち遊技を実行させ、大当たり遊技を発生させることを示唆するために、第3図柄81bの各図柄列に同一図柄(ここでは数字の「2」)を停止させている。
【1575】
次いで、
図89(b)は、
図89(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。主表示領域Dmの右上部分には主表示用右打ち指示89が表示されており、該小当たり遊技において遊技者に右打ち遊技を実行させることを示唆している。
【1576】
また、主表示領域Dmの中段右部分には「右打ち」の文字メッセージ81cが、主表示領域Dmの下段右部分には「Vを狙え」の文字メッセージ81dが、それぞれ表示されており、いずれも右打ち遊技を示唆するメッセージとなっている。さらに、主表示領域Dmの左側には少年が右側を向いて手を上げたキャラクタ図柄81eが表示されており、こちらも右打ち遊技を示唆する演出となっている。
【1577】
次いで、
図89(c)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【1578】
図89(c)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「637」となっており、
図28に示す損益分岐回数テーブル222fに設定されている通り、救済優先報知期間における変動演出であることを示している。
【1579】
また、主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、特
図1小当たりに当選したことを示している。なお、上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、救済優先報知期間においては、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。
【1580】
よって、
図89(c)の状況では、この後実行される小当たり遊技において、右打ち遊技を実行せず、大当たり遊技を発生させない方が獲得し得る出玉の期待値が高くなることを示唆するために、第3図柄81bの左右の各図柄列に同一図柄(ここでは数字の「2」)を停止させ、中央の図柄列に「チャレンジ図柄」の文字が記載された主図柄を停止させている。
【1581】
次いで、
図89(d)は、
図89(c)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。
【1582】
主表示領域Dmの上部分には「まもなく救済条件成立回数だけど」の文字メッセージ81fが表示されており、文字通り、特別図柄の動的表示を数回転実行することで救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行することを示唆している。
【1583】
また、主表示領域Dmの中段右部分には「右打ち?」の文字メッセージ81gが表示されており、
図89(b)の文字メッセージ81cと比較すると、右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【1584】
さらに、主表示領域Dmの下段右部分には「V獲得で大当たりでぃ」の文字メッセージ81hが表示されており、
図89(b)の文字メッセージ81dと比較すると、こちらも右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【1585】
また、主表示領域Dmの左部分には少年が下を向いているキャラクタ図柄81iが表示されており、
図89(b)のキャラクタ図柄81eと比較すると、こちらも右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える表示となっている。なお、主表示領域Dmの右上部分には主表示用右打ち指示89が表示されており、該小当たり遊技において右打ち遊技することを示唆している。
【1586】
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」における第1特別図柄の動的表示で小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短B(小当たりA)」(即ち、特
図1小当たり)に当選した場合において、小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して特定領域65dに球を通過させて大当たり遊技を発生させた場合と、特別図柄の動的表示を救済条件成立回数まで実行させて「普図低確時間短縮状態」に移行した場合と、の2の事象を比較すると、後者である「普図低確時間短縮状態」に移行した場合の方が、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成する。
【1587】
また、「通常遊技状態A」中に特
図1小当たりに当選した場合の小当たりオープニングで実行される右打ち報知演出において、該小当たり当選時の特別図柄の実行回数(救済条件成立回数までの残りの回転数)、及び、その他各種状況(救済設定済みフラグ203sの状態、救済カウンタ203rの値)を判別し、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が出玉の期待値が高くなるのか、又は、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が出玉の期待値が高くなるのか、によって、該右打ち報知演出の内容を異ならせるように構成する。
【1588】
このように構成することで、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合において、小当たり当選時の右打ち遊技方法と、小当たり当選時の左打ち遊技方法と、2の遊技方法から選択可能とすることができる。
【1589】
その結果、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり遊技のOP時間において実行される右打ち報知演出の内容を確認することで、小当たり当選時の右打ち遊技方法と、小当たり当選時の左打ち遊技方法と、のいずれの打ち方を選択した方が獲得し得る平均獲得球数が多くなるかを判別することができ、遊技方法の選択肢を遊技者に与え、遊技の興趣を向上することができる。
【1590】
<第2実施形態>
次いで、
図90~98を参照して、本発明を適用した第2実施形態のパチンコ機10について説明する。以下、第2実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第2実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【1591】
第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」中に特
図1小当たりに当選した場合に、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が出玉の期待値が高くなるのか、又は、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が出玉の期待値が高くなるのか、を判別するための損益分岐回数を設定し、該損益分岐回数と、小当たり当選時における特別図柄の実行回数と、を比較して、小当たり当選時における右打ち報知演出の内容を異ならせるように構成されている。
【1592】
しかし、実際に遊技ホールにおいてパチンコ機10を遊技した場合には、この損益分岐回数付近で特
図1小当たりに当選した場合における小当たり当選時の右打ち遊技方法と、小当たり当選時の左打ち遊技方法との出玉の期待値の差は僅少であって、遊技状況によって変化する可能性があり、さらなる示唆の内容の向上が求められる。
【1593】
具体的には、例えば、釘の状況や遊技者の遊技方法(打ち方など)によって各入賞口への入賞率が変化する可能性があり、また、遊技者によっては、パチンコ機10のこれまでの遊技結果や、遊技者自身のこれまでの遊技結果を鑑みて遊技方法を決定することも考えられる。
【1594】
第2実施形態のパチンコ機10は、上記の問題点を鑑みて発明されたものであり、所定期間における有利な遊技状態の発生に対する示唆を好適に行い、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低に対する遊技者の理解を深め、示唆に関する興趣を高めることを目的としている。
【1595】
より具体的には、例えば、第2実施形態のパチンコ機10では、大当たり優先報知期間から救済優先報知期間に切り替わるまでの所定期間において曖昧報知期間を設け、該曖昧報知期間における特
図1小当たり当選時には、小当たり当選時の右打ち遊技方法または小当たり当選時の左打ち遊技方法の、いずれの遊技方法を実行した場合であってもその差が僅少であることを右打ち報知演出において示唆し、遊技者自身が判断して遊技方法を決定する遊技機を提供することを目的としている。
【1596】
本目的を達成するために、第2実施形態のパチンコ機10は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で、所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、前記遊技機は、前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に前記第1報知態様と前記第2報知態様とを表示する第3表示態様を表示する第3表示実行手段、を備えている。
【1597】
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「射出装置」を備え、「始動入球領域」としての「始動検知領域」を備え、「表示手段」としての「結果報知装置」を備え、「可変入球手段」としての「可動装置」を備え、「更新条件」としての「遊技条件」を備え、「特定情報」としての「遊技情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「更新状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「付与利益」を備え、「報知態様」としての「通知態様」を備え、「報知制御手段」としての「表示制御」を備え、「判定手段」としての「判別制御」を備え、「特定判定結果」としての「制御判定結果」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定利益」としての「付与価値」を備え、「利益発生手段」としての「利益付与制御」を備え、「所定タイミング」としての「所定時期」を備え、「特定タイミング」としての「特定時期」を備える。
【1598】
なお、発射手段は、該発射手段によって発射された遊技球が始動入球領域に入球可能となるように発射できるものであればよく、例えば、電動式の発射制御装置、又は、手動式の発射装置などが挙げられる。
【1599】
また、所定の利益状態は、遊技者に何らかの利益を付与可能なものであればよく、例えば、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の特典画像の表示、特定の特典音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
【1600】
さらに、「特定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する特定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1601】
また、可変入球手段は、複数回の可変動作が実行可能なものであればよく、例えば、可変入賞装置(大入賞口)、小入賞口、普通電役、非電動式入賞口、その他可動式の入球手段などが挙げられる。
【1602】
さらに、特定利益は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発行手段の発光制御、などが挙げられる。
【1603】
また、特定情報は、遊技機において更新条件が発生した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、かつ、更新状態によって所定の期間を識別可能なものであって、本発明の要旨を実現可能であればよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファ、フラグ、予め定められた一連のデータ群、又は、データ群における現在の更新位置を把握するためのポインタ、特別図柄の動的表示の実行回数、特別図柄の動的表示が実行を開始してからの時間、特別図柄の動的表示が実行を停止してからの時間、特定の遊技状態における特別図柄の動的表示の実行回数、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行するまでの特別図柄の動的表示の残り実行回数、大入賞口など可動体の1の可動における可動時間、大入賞口など可動体の1の可動が停止した場合の停止してからの時間、大入賞口などの入賞口の1の開放における入賞数、表示手段によって所定の図柄の抽選結果を表示するための描画情報、遊技機の立ち上げ処理開始からの時間、遊技機の設定値、主制御装置から副制御装置へ送信するためのコマンド情報、副制御装置から表示制御装置へ送信するためのコマンド情報、特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出された球の数(ベース値)、遊技機に何らかの異常が発生したことをホール関係者に報知するためのエラー情報若しくは報知態様、電源断の発生情報、現在時刻、枠ボタンの入力有無などが挙げられる。
【1604】
さらに、特定情報を更新する更新手段は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード等であってもよく、ハード回路による更新であってもよい。
【1605】
また、判定手段は、始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行するものであればよく、例えば、始動入賞処理、特図変動処理、変動開始処理、当たり処理、ゲート通過処理、普図変動処理などが挙げられる。
【1606】
さらに、所定の更新状態は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、例えば、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になること、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になること、所定のフラグがオンされること、所定のフラグがオフされること、所定の時間が経過すること、所定の期間が経過すること、予め定められた一連のデータ群をすべて使用すること、所定領域への入球が検知されること、遊技者による枠ボタンの入力が検知されることなどが挙げられる。
【1607】
また、始動入球領域は、遊技球が入球することで所定の図柄の変動表示が可能となるものであればよく、例えば、特
図1始動口、特
図2始動口、普図始動口などが挙げられる。
【1608】
さらに、表示手段は、所定の図柄の抽選結果を報知可能なものであればよく、例えば、第3図柄表示装置、セグメント表示装置、ドラム表示装置、光導光式の導光板、又は、各表示装置に表示するための制御装置などが挙げられる。
【1609】
また、特定の遊技状態は、特定情報が更新手段に更新されて所定の更新状態となった場合に所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、例えば、更新条件が発生した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態は、例えば、所謂変動によって特定情報を更新可能な「通常遊技状態」、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、「確率変動状態」、「時間短縮状態」、電源投入から所定の大当たりが発生するまでの状態、電源投入から所定の大当たりが終了するまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が開始されてから、該動的表示が終了されるまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が終了してから、次の動的表示が実行開始可能となるまでの状態、大当たりとなる特別図柄の動的表示の実行から終了してから、大当たり遊技が開始されるまでの状態、大当たり遊技が開始されてから、大当たり遊技が終了して特別図柄の動的表示が実行可能となるまでの状態、大当たり遊技が開始されることとなる入球口への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示が実行されておらず、始動入球領域への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示の実行中のうち、遊技者による枠ボタンの入力を待機している状態、などが挙げられる。
【1610】
さらに、特定判定結果は、判定手段によって導出される結果であればよく、例えば、特別図柄の動的表示が大当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の大当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示が小当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の小当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示がハズレに当選すること、特別図柄の動的表示が時短図柄に当選すること、特別図柄の動的表示が転落抽選に該当すること、特別図柄の動的表示の実行回数が特定回数に達すること、普通図柄の可変表示が当たりに当選すること、普通図柄の可変表示がハズレに当選すること、特定の遊技状態に移行することなどが挙げられる。
【1611】
また、所定の遊技条件は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、例えば、遊技球を発射すること、遊技球の発射を停止すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、発射された遊技球が所定の領域に所定球数以上入球すること、発射された遊技球が所定の領域に入球しないこと、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出ボタンを操作すること、遊技者が演出ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
【1612】
さらに、更新条件は、所定の図柄の変動表示があらかじめ定められた状態となったか否かを判別可能なものであればよく、例えば、特別図柄の動的表示が実行を開始すること、特別図柄の動的表示が実行中であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以上であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以内であること、特別図柄の動的表示が実行を停止すること、特別図柄の動的表示が実行を停止してから、次の特別図柄の動的表示が実行開始可能となるまでの間であること、特別図柄の動的表示が実行不可であること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数に達すること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数よりも少なくなること、遊技機の立ち上げ処理が実行されること、主制御装置から副制御装置へコマンド送信されること、副制御装置がコマンドを受信すること、表示制御装置がコマンドを受信すること、各種処理を実行するための期間が経過すること、各種処理を実行するための命令が発生すること、各種処理を実行するためのコマンドが発生することなどが挙げられる。
【1613】
また、「所定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する所定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1614】
さらに、報知態様は、少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能となるものであればよく、例えば、文字情報の種類、数字情報の内容、絵柄の種類、キャラクタの種類、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度、それらの表示時間、それらの表示回数を異ならせることで、発射態様の示唆の識別、発射可否の示唆の識別、遊技可否の示唆の識別、操作手段に対する操作実行タイミングの識別、遊技状態の示唆の識別、賞球数の多寡の識別、ラウンド数の大小の識別、確変図柄と通常図柄との識別、時短図柄と通常図柄との識別、確変図柄と時短図柄との識別、を可能にすることなどが挙げられる。
【1615】
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、損益分岐回数を境界として、特別図柄の動的表示の実行回数が該損益分岐回数よりも少なければ、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなると判断して、右打ち報知演出において大当たり優先報知演出を実行するように構成されている。また、特別図柄の動的表示の実行回数が該損益分岐回数以上であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなると判断して、右打ち報知演出において救済優先報知演出を実行するように構成されている。
【1616】
しかしながら、該損益分岐回数付近における両者(小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法)の平均獲得球数の差異は僅少であるため(例えば、
図27のNo.2及びNo.3のケース)、いずれかの打ち方をすることで明確に平均獲得球数が多くなるとは言い難い程度の差異となっている。
【1617】
また、ホールに設置されているパチンコ機10それぞれには、遊技釘や球発射ユニット112a等の状態により、若干ながら個体差が存在する可能性があり、さらに、遊技者の遊技方法も同一ではないため、これらの要因によって製造時の始動入球率又は大入賞口への入球率でなくなった場合、遊技時点での実際の分岐回数が、製造時の損益分岐回数(即ち、「543回」)とは異なる可能性もある。このため、損益分岐回数付近における両者(小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法)の平均獲得球数の差異はより不明瞭となり得る。
【1618】
さらに、第1実施形態のパチンコ機10のように、「通常遊技状態A」における救済条件成立回数までの期間を大当たり優先報知期間及び救済優先報知期間の2の期間のみで構成し、特
図1小当たり当選時に該2の期間のいずれに該当しているかを判別して、2の右打ち報知演出のいずれかを実行するように構成した場合、損益分岐回数付近では両者(小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法)の平均獲得球数の差異が僅少であるため、遊技者によっては、右打ち報知演出の内容に疑念を抱いてしまうおそれがある。
【1619】
このため、第2実施形態のパチンコ機10では、第1実施形態のパチンコ機10における損益分岐回数の前後20回転を範囲として、いずれの打ち方を選択しても明確な差異がない期間として曖昧報知期間を設けている(以降、大当たり優先報知期間と救済優先報知期間の間の期間であって、小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法との平均獲得球数がほぼ同程度となる特別図柄の実行回数の前後20回転を「曖昧報知期間」と称する場合がある。また、曖昧報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出を「曖昧報知演出」と称する場合がある)。
【1620】
そして、曖昧報知期間中に制御判定結果としての特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出において、第3通知態様として、大当たり優先報知演出(
図89(b)参照)及び救済優先報知演出(
図89(d)参照)で第3図柄表示装置81に表示している双方の画像データを流用して表示するように構成している。このように構成することで、記憶容量を軽減することができ、画像データの品質を保持することができる。
【1621】
また、遊技客によっては、その日の遊技客自身の「連荘」状態での調子や、遊技しているパチンコ機10の調子等を鑑みて、いずれの打ち方をするのかを選択することができ、遊技の興趣を向上することができる。
【1622】
まず、
図90を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113の詳細な電気的構成について説明する。
図90は、主に第2実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成を示すブロック図である。第1実施形態のブロック図と、第2実施形態のブロック図と、の異なる点は、RAM223において、損益分岐回数格納エリア223kが削除されている点と、大当たり優先報知回数格納エリア223mが追加されている点と、曖昧報知回数格納エリア223nが追加されている点と、である。
【1623】
大当たり優先報知回数格納エリア223mは、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に行う右打ち報知演出の内容を決定するための1の判別条件であり、大当たり優先報知期間と曖昧報知期間との境目となる特別図柄の動的表示の回転数が格納されるエリアである。
【1624】
この大当たり優先報知回数格納エリア223mは、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理におけるRAMの初期値設定処理において、大当たり優先報知期間と曖昧報知期間の境目となる回転数である「524」がセットされる(
図92のS1022参照)。
【1625】
第2実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合にこの大当たり優先報知回数格納エリア223mが参照され(
図95のS1515参照)、サブ救済カウンタ223iに格納された値と比較して、該小当たりの右打ち報知演出において実行される右打ち報知演出のコマンドが設定される(
図70のS1506、S1508又はS1509参照)。
【1626】
曖昧報知回数格納エリア223nは、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に行う右打ち報知演出の内容を決定するための1の判別条件であり、曖昧報知期間と救済優先報知期間との境目となる特別図柄の動的表示の回転数が格納されるエリアである。
【1627】
この曖昧報知回数格納エリア223mは、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理におけるRAMの初期値設定処理において、曖昧報知期間と救済優先報知期間の境目となる回転数である「564」がセットされる(
図92のS1023参照)。
【1628】
第2実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合にこの曖昧報知回数格納エリア223mが参照され(
図95のS1507参照)、サブ救済カウンタ223iに格納された値と比較して、該小当たりの右打ち報知演出において実行される右打ち報知演出のコマンドが設定される(
図70のS1506、S1508又はS1509参照)。
【1629】
次に、
図91を参照して、第2実施形態の損益分岐回数テーブル222fについて説明する。
図91は、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113のROM222に記憶される損益分岐回数テーブル222fの一例を模式的に示した模式図である。
【1630】
第2実施形態の損益分岐回数テーブル222fは、
図27の各状態別の期待獲得球数表に基づいて設定されている。また、第2実施形態の損益分岐回数テーブル222fには、損益分岐回数、大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間が規定されている。音声ランプ制御装置113は、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の実行回数と、損益分岐回数テーブル222fに規定された大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間とを比較して、該小当たり遊技のOP時間において実行する右打ち報知演出の内容を決定する。
【1631】
ここで、上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に第1実施形態の損益分岐回数テーブル222fを参照し、特別図柄の動的表示の実行回数が該損益分岐回数よりも少なければ、右打ち報知演出として大当たり優先報知演出(
図89(b)参照)を実行し、特別図柄の動的表示の実行回数が該損益分岐回数以上であれば、右打ち報知演出として救済優先報知演出(
図89(d)参照)を実行するように構成されている。
【1632】
しかしながら、該損益分岐回数付近における両者(小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法)の平均獲得球数の差異は僅少であるため(例えば、
図28のNo.2及びNo.3のケース)、いずれかの打ち方をすることで明確に平均獲得球数が多くなるとは言い難い程度の差異となっている。
【1633】
また、ホールに設置されているパチンコ機10それぞれには、遊技釘や球発射ユニット112a等の状態により、若干ながら個体差が存在する可能性があり、さらに、遊技者の遊技方法も同一ではないため、損益分岐回数付近における両者(小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法)の平均獲得球数の差異はより不明瞭となり得る。
【1634】
さらに、第1実施形態のパチンコ機10のように、「通常遊技状態A」における救済条件成立回数までの期間を大当たり優先報知期間及び救済優先報知期間の2の期間のみで構成し、特
図1小当たり当選時に該2の期間のいずれに該当しているかを判別して、2の右打ち報知演出のいずれかを実行するように構成した場合、損益分岐回数付近では両者(小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法)の平均獲得球数の差異が僅少であるため、遊技者によっては、右打ち報知演出の内容に疑念を抱いてしまうおそれがある。
【1635】
このため、第2実施形態のパチンコ機10では、該損益分岐回数の前後20回転を範囲として、いずれの打ち方を選択しても明確な差異がない期間として曖昧報知期間を設けている。
【1636】
このように構成することで、遊技客によっては、その日の遊技客自身の「連荘」状態での調子や、遊技しているパチンコ機10の調子等を鑑みて、いずれの打ち方をするのかを選択することができ、遊技の興趣を向上することができる。
【1637】
即ち、第2実施形態の損益分岐回数テーブル222fには、電源投入時のRAM203初期化処理時若しくは大当たり遊技終了後から、損益分岐回数に20減算した回転数までの大当たり優先報知期間と、損益分岐回数の前後20回転を範囲とする曖昧報知期間と、損益分岐回数に20加算した回転数から、救済条件成立回数までの救済優先報知期間と、の3つの期間が規定されている。
【1638】
従って、
図91に示すように、第2実施形態の損益分岐回数テーブル222fでは、救済条件成立回数が「800回転」、損益分岐回数が「543回転」、大当たり優先報知期間が「0~523回転」、曖昧報知期間が「524~563回転」、救済優先報知期間が「564~800回転」に設定されている。
【1639】
そして、第2実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の実行回数と、損益分岐回数テーブル222fに規定された大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間とを比較して、該小当たり遊技のOP時間において実行する右打ち報知演出の内容を決定する。
【1640】
即ち、大当たり優先報知期間において制御判定結果としての特
図1小当たりに当選した場合は、第1通知態様としての大当たり優先報知演出を行い(
図97(b)参照)、救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合は、第2通知態様としての救済優先報知演出を行い(
図97(d)参照)、曖昧報知期間において特
図1小当たりに当選した場合は、大当たり優先報知演出と救済優先報知演出と、で構成される、第3通知態様としての曖昧報知演出を行う(
図98(b)参照)。
【1641】
ここで、仮に、曖昧報知演出として第3図柄表示装置81に表示する画像(
図98(b)参照)が、大当たり優先報知演出(
図97(b)参照)及び救済優先報知演出(
図97(d)参照)として第3図柄表示装置81に表示する画像とは異なる、全く別の画像データで構成されていた場合、曖昧報知演出用として新規の画像データを格納する必要があるため、記憶容量を圧迫し、その他の画像データ削除しなければならなくなったり、画像データの品質(即ち、画質)を落とさなければならなくなり、パチンコ機10の興趣が低下してしまうおそれがある。
【1642】
しかしながら、第2実施形態のパチンコ機10のように、曖昧報知演出として大当たり優先報知演出と、救済優先報知演出と、で使用されている画像データを流用することで、記憶容量を軽減することができ、画像データの品質を保持することができる。
【1643】
次に、
図92~
図95を参照して、第2実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。第1実施形態の音声ランプ制御装置113内の制御処理と第2実施形態の音声ランプ制御装置113内の制御処理との異なる点は、主に、損益分岐回数格納エリア223kに関する処理が削除されている点と、大当たり優先報知回数格納エリア223m及び曖昧報知回数格納エリア223nに関する処理が追加されている点と、である。
【1644】
まず、
図92を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。
図92は、第2実施形態の立ち上げ処理を示したフローチャートである。第1実施形態の立ち上げ処理と、第2実施形態の立ち上げ処理と、の異なる点は、損益分岐回数格納エリア223kに関する処理が削除されている点と、大当たり優先報知回数格納エリア223m及び曖昧報知回数格納エリア223nに関する処理が追加されている点と、である。
【1645】
第2実施形態の立ち上げ処理では、S1010の処理を終えると、次いで、大当たり優先報知回数格納エリア223mに「524」をセットし(S1022)、曖昧報知回数格納エリア223nに「564」をセットして(S1023)、処理をS1011へ移行する。
【1646】
次いで、
図93を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)について説明する。
図93は、第2実施形態の表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)を示したフローチャートである。第1実施形態の表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)と、第2実施形態の表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)と、の異なる点は、損益分岐回数格納エリア223kの値を参照するステップ(S1381)が、大当たり優先報知回数格納エリア223mの値を参照するように変更されている点である。
【1647】
第2実施形態の表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1381)では、S1374の判別の結果、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされていない場合、即ち、サブ救済設定済みフラグ223jがオフ状態の場合(S1374:No)、前回の大当たり(又は、電源投入時のRAM203初期化処理)から一度も救済条件成立回数に達していないため、次いで、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先回数格納エリア223mに格納された値より小さい値であるか否かを判別し(S1381)、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先回数格納エリア223mに格納された値より小さい値でない、即ち、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先回数格納エリア223mに格納された値以上であれば(S1381:No)、曖昧報知期間又は救済優先報知期間(
図91参照)において特
図1小当たりに当選したということであるため、処理をS1378に移行する。
【1648】
一方、S1381の処理において、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先回数格納エリア223mに格納された値より小さい値であれば(S1381:Yes)、大当たり優先報知期間(
図91参照)において特
図1小当たりに当選したということであるため、処理をS1377に移行する。
【1649】
次いで、
図94を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり演出処理(S1105)について説明する。
図94は、第2実施形態の当たり演出処理(S1105)を示したフローチャートである。第1実施形態の当たり演出処理(S1105)と、第2実施形態の当たり演出処理(S1105)と、の異なる点は、大当たり優先報知回数格納エリア223m及び曖昧報知回数格納エリア223nへの値の再設定処理が追加されている点である。
【1650】
第2実施形態の当たり演出処理(S1105)では、S1401の判別の結果、大当たりに当選した場合(S1401:Yes)、初期化処理として、大当たり優先報知回数格納エリア223mに「524」を、曖昧報知回数格納エリア223nに「564」を、それぞれ再設定し(S1421)、処理をS1403に移行する。
【1651】
次いで、
図95を参照して、第2実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)について説明する。
図95は、第2実施形態の小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)を示したフローチャートである。第1実施形態の小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)と、第2実施形態の小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)との異なる点は、損益分岐回数格納エリア223kを参照する処理が削除され、大当たり優先報知回数格納エリア223m及び曖昧報知回数格納エリア223nを参照する処理が追加されている点である。
【1652】
第2実施形態の小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)では、S1503の判別の結果、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされていない場合、即ち、サブ救済設定済みフラグ223jがオフ状態の場合(S1503:No)、前回の大当たり(又は、電源投入時のRAM203初期化処理)から一度も救済条件成立回数に達していないため、次いで、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先回数格納エリア223mに格納された値より小さい値であるか否かを判別し(S1515)、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先回数格納エリア223mに格納された値より小さい値でない、即ち、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先回数格納エリア223mに格納された値以上であれば(S1515:No)、処理をS1507に移行する。
【1653】
S1507の処理では、サブ救済カウンタ223iに格納された値が曖昧報知回数格納エリア223nに格納された値より小さい値であるか否かを判別し(S1507)、サブ救済カウンタ223iに格納された値が曖昧報知回数格納エリア223nに格納された値より小さい値でない、即ち、サブ救済カウンタ223iに格納された値が曖昧報知回数格納エリア223nに格納された値以上であれば(S1507:No)、救済優先報知期間(
図91参照)において特
図1小当たりに当選しているため、表示用救済優先報知コマンドを設定し(S1509)(
図97(d)参照)、この小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)を終了し、当たり演出処理(
図94参照)に戻る。
【1654】
一方、S1507の処理において、サブ救済カウンタ223iに格納された値が曖昧報知回数格納エリア223nに格納された値より小さい値であると判別された場合(S1507:Yes)、曖昧報知期間(
図91参照)において特
図1小当たりに当選しているため、表示用曖昧報知コマンドを設定し(S1508)(
図98(b)参照)、この小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)を終了し、当たり演出処理(
図94参照)に戻る。
【1655】
また、S1515の処理において、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先回数格納エリア223mに格納された値より小さい値であると判別された場合(S1515:Yes)、大当たり優先報知期間(
図91参照)において特
図1小当たりに当選しているため、表示用大当たり優先報知コマンドを設定し(S1506)(
図97(b)参照)、この小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)を終了し、当たり演出処理(
図94参照)に戻る。
【1656】
次に、
図96を参照して、第2実施形態において、表示制御装置114のMPU231により実行される当たり系コマンド処理(S2111)の詳細について説明する。
図96は、第2実施形態の当たり系コマンド処理(S2111)を示すフローチャートである。第1実施形態の当たり系コマンド処理(S2111)と、第2実施形態の当たり系コマンド処理(S2111)との異なる点は、表示用曖昧報知コマンドの判別処理が追加されている点である。
【1657】
第2実施形態の当たり系コマンド処理(S2111)では、S2181の判別の結果、表示用大当たり優先報知コマンドがないと判別された場合(S2181:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用曖昧報知コマンドがあるか否かを判別し(S2182)、表示用曖昧報知コマンドがあれば(S2182:Yes)、処理をS2185に移行する。一方、S2182の処理において表示用曖昧報知コマンドがないと判別された場合(S2182:No)、処理をS2183に移行する。
【1658】
次に、
図97及び
図98を参照して、第2実施形態のパチンコ機10において、第3図柄表示装置81で行われる演出について説明する。
図97及び
図98は、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示した図である。
【1659】
より詳細には、
図97(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図97(b)は、
図97(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【1660】
さらに、
図97(c)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図97(d)は、
図97(c)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【1661】
また、
図98(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「551」(即ち、曖昧報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図98(b)は、
図98(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【1662】
なお、
図97(a)及び
図97(b)は、
図89(a)及び
図89(b)と同様の演出となっており、「通常遊技状態A」の大当たり優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合に実行される右打ち報知演出が、第1実施形態と第2実施形態とで同様であることを示すためのものであるため、詳細な説明は省略する。
【1663】
また、
図97(c)及び
図97(d)は、
図89(c)及び
図89(d)と同様の演出となっており、「通常遊技状態A」の救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合に実行される右打ち報知演出が、第1実施形態と第2実施形態とで同様であることを示すためのものであるため、詳細な説明は省略する。
【1664】
図98(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「551」(即ち、曖昧報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【1665】
図98(a)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「551」となっており、
図91に示す損益分岐回数テーブル222fにおいて、曖昧報知期間における変動演出であることを示している。
【1666】
また、主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、特
図1小当たりに当選したことを示している。なお、上述したように、第2実施形態のパチンコ機10では、曖昧報知期間において特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法を実行した場合と、小当たり当選時の左打ち遊技方法を実行した場合と、において、遊技者が獲得し得る出玉の期待値を比較すると、その差異は僅少であるため、いずれかの打ち方をすることで明確に平均獲得球数が多くなるとは言い難い程度の差異となっている。
【1667】
よって、
図98(a)の状況では、この後実行される小当たり遊技において、右打ち遊技の実行有無にかかわらず、獲得し得る出玉の期待値に大きな差異がないことを示唆するために、第3図柄81bの左右の各図柄列に同一図柄(ここでは数字の「2」)を停止させ、中央の図柄列に「チャレンジ図柄」の文字が記載された主図柄を停止させている。
【1668】
次いで、
図98(b)は、
図98(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。
【1669】
また、主表示領域Dmの中段右部分には「右打ち?」の文字メッセージ81gが表示されており、
図97(b)の文字メッセージ81cと比較すると、右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【1670】
さらに、主表示領域Dmの下段左部分には「V獲得で大当たりでぃ」の文字メッセージ81hが表示されており、
図97(b)の文字メッセージ81dと比較すると、こちらも右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【1671】
また、主表示領域Dmの中段左部分には少年が右側を向いて手を上げたキャラクタ図柄81eが表示されており、さらに、主表示領域Dmの右下部分には少年が下を向いているキャラクタ図柄81iが表示されている。この2のキャラクタ図柄81e及び81iは、大当たり優先報知演出及び救済優先報知演出において表示されるキャラクタ図柄(
図97(b)の81e及び
図97(d)の81i参照)である。
【1672】
このように、曖昧報知演出において第3図柄表示装置81に表示する画像データを、大当たり優先報知演出及び救済優先報知演出において第3図柄表示装置81に表示する画像データから流用することで、記憶容量を軽減することができ、画像データの品質を保持することができる。
【1673】
また、この2のキャラクタ図柄は、大当たり優先報知期間における小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して大当たりを発生させることを強く示唆する
図97(b)と、救済優先報知期間における小当たり遊技中に右打ち遊技を実行せず、大当たりを発生させないことを示唆する
図97(d)と、において、特徴的に描写されたキャラクタ図柄であり、この2のキャラクタ図柄を同時に表示することで、いずれの打ち方を実行してもその差異が僅少であることを示唆している。
【1674】
以上、説明したように、第2実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」における小当たり当選時の右打ち遊技方法の出玉の期待値と、小当たり当選時の左打ち遊技方法の出玉の期待値との差が僅少となる期間として曖昧報知期間を設定する。そして、曖昧報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出において、大当たり優先報知演出及び救済優先報知演出の双方を表示するように構成する。
【1675】
このように構成することで、記憶容量を軽減することができ、画像データの品質を保持することができる。また、大当たり優先報知演出及び救済優先報知演出の双方の演出が表示されることで、いずれの打ち方でも問題ないことを示唆することができる。
【1676】
その結果、遊技客によっては、その日の遊技客自身の「連荘」状態での調子や、遊技しているパチンコ機10の調子等を鑑みて、いずれの打ち方をするのかを選択することができ、遊技の興趣を向上することができる。
【1677】
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
【1678】
<第3実施形態>
次いで、
図99を参照して、本発明を適用した第3実施形態のパチンコ機10について説明する。以下、第3実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第3実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【1679】
第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」中に特
図1小当たりに当選した場合に、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が出玉の期待値が高くなるのか、又は、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が出玉の期待値が高くなるのか、を判別するための損益分岐回数を設定し、該損益分岐回数と、小当たり当選時における特別図柄の実行回数と、を比較して、小当たり当選時における右打ち報知演出の内容を異ならせるように構成されている。
【1680】
しかし、実際に遊技ホールにおいてパチンコ機10を遊技した場合には、この損益分岐回数付近で特
図1小当たりに当選した場合における小当たり当選時の右打ち遊技方法と、小当たり当選時の左打ち遊技方法との出玉の期待値の差は僅少であって、遊技状況によって変化する可能性があり、さらなる示唆の内容の向上が求められる。
【1681】
具体的には、例えば、釘の状況や遊技者の遊技方法(打ち方など)によって各入賞口への入賞率が変化する可能性があり、また、遊技者によっては、パチンコ機10のこれまでの遊技結果や、遊技者自身のこれまでの遊技結果を鑑みて遊技方法を決定することも考えられる。
【1682】
第3実施形態のパチンコ機10は、上記の問題点を鑑みて発明されたものであり、所定期間における有利な遊技状態の発生に対する示唆を好適に行い、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低に対する遊技者の理解を深め、示唆に関する興趣を高めることを目的としている。
【1683】
より具体的には、例えば、第3実施形態のパチンコ機10では、大当たり優先報知期間から救済優先報知期間に切り替わるまでの所定期間において曖昧報知期間を設け、該曖昧報知期間における特
図1小当たり当選時には、小当たり当選時の右打ち遊技方法または小当たり当選時の左打ち遊技方法の、いずれの遊技方法を実行すべきかを右打ち報知演出において明示せず、遊技者自身が判断して遊技方法を決定する遊技機を提供することを目的としている。
【1684】
本目的を達成するために、第3実施形態のパチンコ機10は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で、所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、前記遊技機は、前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に前記第1報知態様と前記第2報知態様とを表示する第3表示態様を表示する第3表示実行手段、を備え、前記第3表示態様は、前記第1報知態様と前記第2報知態様とを複数回切り替えて表示する所定態様、を備えている。
【1685】
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「射出装置」を備え、「始動入球領域」としての「始動検知領域」を備え、「表示手段」としての「結果報知装置」を備え、「可変入球手段」としての「可動装置」を備え、「更新条件」としての「遊技条件」を備え、「特定情報」としての「遊技情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「更新状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「付与利益」を備え、「報知態様」としての「通知態様」を備え、「報知制御手段」としての「表示制御」を備え、「判定手段」としての「判別制御」を備え、「特定判定結果」としての「制御判定結果」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定利益」としての「付与価値」を備え、「利益発生手段」としての「利益付与制御」を備え、「所定タイミング」としての「所定時期」を備え、「特定タイミング」としての「特定時期」を備える。
【1686】
なお、発射手段は、該発射手段によって発射された遊技球が始動入球領域に入球可能となるように発射できるものであればよく、例えば、電動式の発射制御装置、又は、手動式の発射装置などが挙げられる。
【1687】
また、所定の利益状態は、遊技者に何らかの利益を付与可能なものであればよく、例えば、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の特典画像の表示、特定の特典音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
【1688】
さらに、「特定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する特定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1689】
また、可変入球手段は、複数回の可変動作が実行可能なものであればよく、例えば、可変入賞装置(大入賞口)、小入賞口、普通電役、非電動式入賞口、その他可動式の入球手段などが挙げられる。
【1690】
さらに、特定利益は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発行手段の発光制御、などが挙げられる。
【1691】
また、特定情報は、遊技機において更新条件が発生した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、かつ、更新状態によって所定の期間を識別可能なものであって、本発明の要旨を実現可能であればよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファ、フラグ、予め定められた一連のデータ群、又は、データ群における現在の更新位置を把握するためのポインタ、特別図柄の動的表示の実行回数、特別図柄の動的表示が実行を開始してからの時間、特別図柄の動的表示が実行を停止してからの時間、特定の遊技状態における特別図柄の動的表示の実行回数、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行するまでの特別図柄の動的表示の残り実行回数、大入賞口など可動体の1の可動における可動時間、大入賞口など可動体の1の可動が停止した場合の停止してからの時間、大入賞口などの入賞口の1の開放における入賞数、表示手段によって所定の図柄の抽選結果を表示するための描画情報、遊技機の立ち上げ処理開始からの時間、遊技機の設定値、主制御装置から副制御装置へ送信するためのコマンド情報、副制御装置から表示制御装置へ送信するためのコマンド情報、特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出された球の数(ベース値)、遊技機に何らかの異常が発生したことをホール関係者に報知するためのエラー情報若しくは報知態様、電源断の発生情報、現在時刻、枠ボタンの入力有無などが挙げられる。
【1692】
さらに、特定情報を更新する更新手段は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード等であってもよく、ハード回路による更新であってもよい。
【1693】
また、判定手段は、始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行するものであればよく、例えば、始動入賞処理、特図変動処理、変動開始処理、当たり処理、ゲート通過処理、普図変動処理などが挙げられる。
【1694】
さらに、所定の更新状態は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、例えば、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になること、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になること、所定のフラグがオンされること、所定のフラグがオフされること、所定の時間が経過すること、所定の期間が経過すること、予め定められた一連のデータ群をすべて使用すること、所定領域への入球が検知されること、遊技者による枠ボタンの入力が検知されることなどが挙げられる。
【1695】
また、始動入球領域は、遊技球が入球することで所定の図柄の変動表示が可能となるものであればよく、例えば、特
図1始動口、特
図2始動口、普図始動口などが挙げられる。
【1696】
さらに、表示手段は、所定の図柄の抽選結果を報知可能なものであればよく、例えば、第3図柄表示装置、セグメント表示装置、ドラム表示装置、光導光式の導光板、又は、各表示装置に表示するための制御装置などが挙げられる。
【1697】
また、特定の遊技状態は、特定情報が更新手段に更新されて所定の更新状態となった場合に所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、例えば、更新条件が発生した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態は、例えば、所謂変動によって特定情報を更新可能な「通常遊技状態」、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、「確率変動状態」、「時間短縮状態」、電源投入から所定の大当たりが発生するまでの状態、電源投入から所定の大当たりが終了するまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が開始されてから、該動的表示が終了されるまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が終了してから、次の動的表示が実行開始可能となるまでの状態、大当たりとなる特別図柄の動的表示の実行から終了してから、大当たり遊技が開始されるまでの状態、大当たり遊技が開始されてから、大当たり遊技が終了して特別図柄の動的表示が実行可能となるまでの状態、大当たり遊技が開始されることとなる入球口への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示が実行されておらず、始動入球領域への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示の実行中のうち、遊技者による枠ボタンの入力を待機している状態、などが挙げられる。
【1698】
さらに、特定判定結果は、判定手段によって導出される結果であればよく、例えば、特別図柄の動的表示が大当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の大当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示が小当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の小当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示がハズレに当選すること、特別図柄の動的表示が時短図柄に当選すること、特別図柄の動的表示が転落抽選に該当すること、特別図柄の動的表示の実行回数が特定回数に達すること、普通図柄の可変表示が当たりに当選すること、普通図柄の可変表示がハズレに当選すること、特定の遊技状態に移行することなどが挙げられる。
【1699】
また、所定の遊技条件は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、例えば、遊技球を発射すること、遊技球の発射を停止すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、発射された遊技球が所定の領域に所定球数以上入球すること、発射された遊技球が所定の領域に入球しないこと、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出ボタンを操作すること、遊技者が演出ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
【1700】
さらに、更新条件は、所定の図柄の変動表示があらかじめ定められた状態となったか否かを判別可能なものであればよく、例えば、特別図柄の動的表示が実行を開始すること、特別図柄の動的表示が実行中であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以上であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以内であること、特別図柄の動的表示が実行を停止すること、特別図柄の動的表示が実行を停止してから、次の特別図柄の動的表示が実行開始可能となるまでの間であること、特別図柄の動的表示が実行不可であること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数に達すること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数よりも少なくなること、遊技機の立ち上げ処理が実行されること、主制御装置から副制御装置へコマンド送信されること、副制御装置がコマンドを受信すること、表示制御装置がコマンドを受信すること、各種処理を実行するための期間が経過すること、各種処理を実行するための命令が発生すること、各種処理を実行するためのコマンドが発生することなどが挙げられる。
【1701】
また、「所定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する所定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1702】
さらに、報知態様は、少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能となるものであればよく、例えば、文字情報の種類、数字情報の内容、絵柄の種類、キャラクタの種類、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度、それらの表示時間、それらの表示回数を異ならせることで、発射態様の示唆の識別、発射可否の示唆の識別、遊技可否の示唆の識別、操作手段に対する操作実行タイミングの識別、遊技状態の示唆の識別、賞球数の多寡の識別、ラウンド数の大小の識別、確変図柄と通常図柄との識別、時短図柄と通常図柄との識別、確変図柄と時短図柄との識別、を可能にすることなどが挙げられる。
【1703】
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、損益分岐回数を境界として、特別図柄の動的表示の実行回数が該損益分岐回数よりも少なければ、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなると判断して、右打ち報知演出において大当たり優先報知演出を実行するように構成されている。また、特別図柄の動的表示の実行回数が該損益分岐回数以上であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなると判断して、右打ち報知演出において救済優先報知演出を実行するように構成されている。
【1704】
しかしながら、該損益分岐回数付近における両者(小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法)の平均獲得球数の差異は僅少であるため(例えば、
図27のNo.2及びNo.3のケース)、いずれかの打ち方をすることで明確に平均獲得球数が多くなるとは言い難い程度の差異となっている。
【1705】
また、ホールに設置されているパチンコ機10それぞれには、遊技釘や球発射ユニット112a等の状態により、若干ながら個体差が存在する可能性があり、さらに、遊技者の遊技方法も同一ではないため、損益分岐回数付近における両者(小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法)の平均獲得球数の差異はより不明瞭となり得る。
【1706】
さらに、第1実施形態のパチンコ機10のように、「通常遊技状態A」における救済条件成立回数までの期間を大当たり優先報知期間及び救済優先報知期間の2の期間のみで構成し、特
図1小当たり当選時に該2の期間のいずれに該当しているかを判別して、2の右打ち報知演出のいずれかを実行するように構成した場合、損益分岐回数付近では両者(小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法)の平均獲得球数の差異が僅少であるため、遊技者によっては、右打ち報知演出の内容に疑念を抱いてしまうおそれがある。
【1707】
このため、第3実施形態のパチンコ機10では、第1実施形態のパチンコ機10における損益分岐回数の前後20回転を範囲として、いずれの打ち方を選択しても明確な差異がない期間として曖昧報知期間を設けている(以降、大当たり優先報知期間と救済優先報知期間の間の期間であって、小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法との平均獲得球数がほぼ同程度となる特別図柄の実行回数の前後20回転を「曖昧報知期間」と称する場合がある。また、曖昧報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出を「曖昧報知演出」と称する場合がある)。
【1708】
そして、曖昧報知期間において制御判定結果としての特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出において、第3通知態様として、大当たり優先報知演出(
図89(b)参照)及び救済優先報知演出(
図89(d)参照)の双方の演出を交互に複数回切り替えて表示するように構成している。
【1709】
このように構成することで、記憶容量を軽減することができ、画像データの品質を保持することができる。また、大当たり優先報知演出及び救済優先報知演出の双方が表示されることで、遊技者は、いずれの遊技方法(即ち、小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法)を選択した場合であっても、その差が僅少となることを容易に理解することができる。
【1710】
さらに、遊技客によっては、その日の遊技客自身の「連荘」状態での調子や、遊技しているパチンコ機10の調子等を鑑みて、いずれの打ち方をするのかを選択することができ、遊技の興趣を向上することができる。
【1711】
なお、第1実施形態の構成及び処理内容と、第3実施形態の構成及び処理内容との異なる点は、第1実施形態の構成及び処理内容と、第2実施形態の構成及び処理内容とが異なる点と同様であり、第2実施形態の
図90~
図96と同様であるため、説明を省略する。
【1712】
ここで、
図99を参照して、第3実施形態のパチンコ機10において、第3図柄表示装置81で行われる演出について説明する。
図99は、「通常遊技状態A」における特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示した図である。
【1713】
より詳細には、
図99(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rの値が「524~563回転」の期間(即ち、曖昧報知期間(
図91参照))において特
図1小当たりに当選し、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図であり、
図99(b)は、
図99(a)の状態から、引き続き小当たり遊技のオープニングが実行中の状態であって、
図99(a)の状態から一定期間が経過して右打ち報知演出の内容が切り替わった状態を示した図であり、
図99(c)は、
図99(b)の状態から、引き続き小当たり遊技のオープニングが実行中の状態であって、
図99(b)の状態から一定期間が経過して右打ち報知演出の内容が切り替わった状態を示した図であり、
図99(d)は、
図99(c)の状態から、引き続き小当たり遊技のオープニングが実行中の状態であって、
図99(c)の状態から一定期間が経過して右打ち報知演出の内容が切り替わった状態を示した図である。
【1714】
図99(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rの値が「524~563回転」の期間(即ち、曖昧報知期間(
図91参照))において特
図1小当たりに当選し、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。
【1715】
図99(a)では、主表示領域Dmの中段右部分には「右打ち」の文字メッセージ81cが、主表示領域Dmの下段右部分には「Vを狙え」の文字メッセージ81dが、それぞれ表示されており、いずれも右打ち遊技を示唆するメッセージとなっている。さらに、主表示領域Dmの左側には少年が右側を向いて手を上げたキャラクタ図柄81eが表示されており、こちらも右打ち遊技を示唆する演出となっている。
【1716】
なお、
図99(a)の演出内容は、大当たり優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出(即ち、大当たり優先報知演出)(
図89(b)参照)と同様の演出内容となっている。
【1717】
次いで、99(b)は、
図99(a)の状態から、引き続き小当たり遊技のオープニングが実行中の状態であって、
図99(a)の状態から一定期間が経過して右打ち報知演出の内容が切り替わった状態を示している。
【1718】
図99(b)では、主表示領域Dmの上部分には「まもなく救済条件成立回数だけど」の文字メッセージ81fが表示されており、文字通り、特別図柄の動的表示を数回転実行することで救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行することを示唆している。
【1719】
また、主表示領域Dmの中段右部分には「右打ち?」の文字メッセージ81gが表示されており、右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。さらに、主表示領域Dmの下段右部分には「V獲得で大当たりでぃ」の文字メッセージ81hが表示されており、こちらも右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【1720】
また、主表示領域Dmの左部分には少年が下を向いているキャラクタ図柄81iが表示されており、右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える表示となっている。なお、主表示領域Dmの右上部分には主表示用右打ち指示89が表示されており、該小当たり遊技において右打ち遊技することを示唆している。
【1721】
なお、
図99(b)の演出内容は、救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出(即ち、救済優先報知演出)(
図89(d)参照)と同様の演出内容となっている。
【1722】
次いで、
図99(c)は、
図99(b)の状態から、引き続き小当たり遊技のオープニングが実行中の状態であって、
図99(b)の状態から一定期間が経過して右打ち報知演出の内容が切り替わった状態を示している。
【1723】
なお、
図99(c)の演出内容は、
図99(a)の演出内容と同一のものであるため、説明を省略する。
【1724】
次いで、
図99(d)は、
図99(c)の状態から、引き続き小当たり遊技のオープニングが実行中の状態であって、
図99(c)の状態から一定期間が経過して右打ち報知演出の内容が切り替わった状態を示している。
【1725】
なお、
図99(d)の演出内容は、
図99(b)の演出内容と同一のものであるため、説明を省略する。
【1726】
このように、第3実施形態のパチンコ機10では、曖昧報知期間において特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出において、大当たり優先報知演出及び救済優先報知演出が複数回に渡って交互に切り替わって表示され、
図99(d)以降においても、小当たり遊技の終了までこの切り替え表示が繰り返されるように構成されている。
【1727】
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」における小当たり当選時の右打ち遊技方法の出玉の期待値と、小当たり当選時の左打ち遊技方法の出玉の期待値との差が僅少となる期間として曖昧報知期間を設定する。そして、曖昧報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出において、大当たり優先報知演出及び救済優先報知演出の2の演出を複数回に渡って交互に表示するように構成する。
【1728】
このように構成することで、記憶容量を軽減することができ、画像データの品質を保持することができる。また、大当たり優先報知演出及び救済優先報知演出の双方が表示されることで、遊技者は、いずれの遊技方法(即ち、小当たり当選時の右打ち遊技方法と小当たり当選時の左打ち遊技方法)を選択した場合であっても、その差が僅少となることを容易に理解することができる。
【1729】
さらに、遊技客によっては、その日の遊技客自身の「連荘」状態での調子や、遊技しているパチンコ機10の調子等を鑑みて、いずれの打ち方をするのかを選択することができ、遊技の興趣を向上することができる。
【1730】
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
【1731】
<第4実施形態>
次いで、
図100及び
図101を参照して、本発明を適用した第4実施形態のパチンコ機10について説明する。以下、第4実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第4実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【1732】
従来、所定の期間が経過した後に予め定めた遊技者に有利な遊技状態に移行して遊技者に利益を付与する遊技機がある。有利な遊技状態において、遊技者の遊技により所定の条件が成立した場合に遊技者は賞球を得ることができる。
【1733】
このような遊技機において、所定の期間における遊技者への有利な遊技状態の発生に対する示唆は十分に好適なものではなく、さらなる示唆の内容の向上が求められている。
【1734】
具体的には、例えば、所定期間において、有利な遊技状態の発生に対する示唆が一様である場合、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低を遊技者が理解することができない。また、示唆を利益の高低に応じて変化させることに関して生じる興趣も得ることができない。
【1735】
本発明は上記の問題点を鑑みて発明されたものであり、所定期間における有利な遊技状態の発生に対する示唆を好適に行い、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低に対する遊技者の理解を深め、示唆に関する興趣を高めることを目的としている。
【1736】
より具体的には、例えば、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において、大当たりを発生可能な(即ち、特定領域65dを通過可能な)小当たり当選時に、該小当たりで大当たりを発生させるか否かの選択肢を設けた遊技性とすることで、遊技のバリエーションを豊富にするとともに、遊技者に対して、獲得可能な出玉の期待値がより高くなる打ち方報知を実行できる遊技機を提供することを目的としている。
【1737】
本目的を達成するために、第4実施形態のパチンコ機10は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、前記遊技機は、前記特定の遊技状態において、前記判定手段によって前記特定判定結果となって前記第1報知態様が表示された場合に、前記特定利益を発生させることなく新たな変動表示を実行可能に構成されている。
【1738】
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「射出装置」を備え、「始動入球領域」としての「始動検知領域」を備え、「表示手段」としての「結果報知装置」を備え、「可変入球手段」としての「可動装置」を備え、「更新条件」としての「遊技条件」を備え、「特定情報」としての「遊技情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「更新状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「付与利益」を備え、「報知態様」としての「通知態様」を備え、「報知制御手段」としての「表示制御」を備え、「判定手段」としての「判別制御」を備え、「特定判定結果」としての「制御判定結果」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定利益」としての「付与価値」を備え、「利益発生手段」としての「利益付与制御」を備え、「所定タイミング」としての「所定時期」を備え、「特定タイミング」としての「特定時期」を備える。
【1739】
なお、発射手段は、該発射手段によって発射された遊技球が始動入球領域に入球可能となるように発射できるものであればよく、例えば、電動式の発射制御装置、又は、手動式の発射装置などが挙げられる。
【1740】
また、所定の利益状態は、遊技者に何らかの利益を付与可能なものであればよく、例えば、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の特典画像の表示、特定の特典音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
【1741】
さらに、「特定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する特定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1742】
また、可変入球手段は、複数回の可変動作が実行可能なものであればよく、例えば、可変入賞装置(大入賞口)、小入賞口、普通電役、非電動式入賞口、その他可動式の入球手段などが挙げられる。
【1743】
さらに、特定利益は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発行手段の発光制御、などが挙げられる。
【1744】
また、特定情報は、遊技機において更新条件が発生した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、かつ、更新状態によって所定の期間を識別可能なものであって、本発明の要旨を実現可能であればよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファ、フラグ、予め定められた一連のデータ群、又は、データ群における現在の更新位置を把握するためのポインタ、特別図柄の動的表示の実行回数、特別図柄の動的表示が実行を開始してからの時間、特別図柄の動的表示が実行を停止してからの時間、特定の遊技状態における特別図柄の動的表示の実行回数、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行するまでの特別図柄の動的表示の残り実行回数、大入賞口など可動体の1の可動における可動時間、大入賞口など可動体の1の可動が停止した場合の停止してからの時間、大入賞口などの入賞口の1の開放における入賞数、表示手段によって所定の図柄の抽選結果を表示するための描画情報、遊技機の立ち上げ処理開始からの時間、遊技機の設定値、主制御装置から副制御装置へ送信するためのコマンド情報、副制御装置から表示制御装置へ送信するためのコマンド情報、特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出された球の数(ベース値)、遊技機に何らかの異常が発生したことをホール関係者に報知するためのエラー情報若しくは報知態様、電源断の発生情報、現在時刻、枠ボタンの入力有無などが挙げられる。
【1745】
さらに、特定情報を更新する更新手段は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード等であってもよく、ハード回路による更新であってもよい。
【1746】
また、判定手段は、始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行するものであればよく、例えば、始動入賞処理、特図変動処理、変動開始処理、当たり処理、ゲート通過処理、普図変動処理などが挙げられる。
【1747】
さらに、所定の更新状態は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、例えば、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になること、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になること、所定のフラグがオンされること、所定のフラグがオフされること、所定の時間が経過すること、所定の期間が経過すること、予め定められた一連のデータ群をすべて使用すること、所定領域への入球が検知されること、遊技者による枠ボタンの入力が検知されることなどが挙げられる。
【1748】
また、始動入球領域は、遊技球が入球することで所定の図柄の変動表示が可能となるものであればよく、例えば、特
図1始動口、特
図2始動口、普図始動口などが挙げられる。
【1749】
さらに、表示手段は、所定の図柄の抽選結果を報知可能なものであればよく、例えば、第3図柄表示装置、セグメント表示装置、ドラム表示装置、光導光式の導光板、又は、各表示装置に表示するための制御装置などが挙げられる。
【1750】
また、特定の遊技状態は、特定情報が更新手段に更新されて所定の更新状態となった場合に所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、例えば、更新条件が発生した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態は、例えば、所謂変動によって特定情報を更新可能な「通常遊技状態」、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、「確率変動状態」、「時間短縮状態」、電源投入から所定の大当たりが発生するまでの状態、電源投入から所定の大当たりが終了するまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が開始されてから、該動的表示が終了されるまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が終了してから、次の動的表示が実行開始可能となるまでの状態、大当たりとなる特別図柄の動的表示の実行から終了してから、大当たり遊技が開始されるまでの状態、大当たり遊技が開始されてから、大当たり遊技が終了して特別図柄の動的表示が実行可能となるまでの状態、大当たり遊技が開始されることとなる入球口への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示が実行されておらず、始動入球領域への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示の実行中のうち、遊技者による枠ボタンの入力を待機している状態、などが挙げられる。
【1751】
さらに、特定判定結果は、判定手段によって導出される結果であればよく、例えば、特別図柄の動的表示が大当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の大当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示が小当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の小当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示がハズレに当選すること、特別図柄の動的表示が時短図柄に当選すること、特別図柄の動的表示が転落抽選に該当すること、特別図柄の動的表示の実行回数が特定回数に達すること、普通図柄の可変表示が当たりに当選すること、普通図柄の可変表示がハズレに当選すること、特定の遊技状態に移行することなどが挙げられる。
【1752】
また、所定の遊技条件は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、例えば、遊技球を発射すること、遊技球の発射を停止すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、発射された遊技球が所定の領域に所定球数以上入球すること、発射された遊技球が所定の領域に入球しないこと、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出ボタンを操作すること、遊技者が演出ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
【1753】
さらに、更新条件は、所定の図柄の変動表示があらかじめ定められた状態となったか否かを判別可能なものであればよく、例えば、特別図柄の動的表示が実行を開始すること、特別図柄の動的表示が実行中であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以上であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以内であること、特別図柄の動的表示が実行を停止すること、特別図柄の動的表示が実行を停止してから、次の特別図柄の動的表示が実行開始可能となるまでの間であること、特別図柄の動的表示が実行不可であること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数に達すること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数よりも少なくなること、遊技機の立ち上げ処理が実行されること、主制御装置から副制御装置へコマンド送信されること、副制御装置がコマンドを受信すること、表示制御装置がコマンドを受信すること、各種処理を実行するための期間が経過すること、各種処理を実行するための命令が発生すること、各種処理を実行するためのコマンドが発生することなどが挙げられる。
【1754】
また、「所定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する所定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1755】
さらに、報知態様は、少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能となるものであればよく、例えば、文字情報の種類、数字情報の内容、絵柄の種類、キャラクタの種類、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度、それらの表示時間、それらの表示回数を異ならせることで、発射態様の示唆の識別、発射可否の示唆の識別、遊技可否の示唆の識別、操作手段に対する操作実行タイミングの識別、遊技状態の示唆の識別、賞球数の多寡の識別、ラウンド数の大小の識別、確変図柄と通常図柄との識別、時短図柄と通常図柄との識別、確変図柄と時短図柄との識別、を可能にすることなどが挙げられる。
【1756】
まず、
図100を参照して第4実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)について説明する。
図100は、第4実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)を示したフローチャートである。第1実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)と、第4実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)との異なる点は、表示用左打ちコマンドの設定処理が追加されている点である。
【1757】
第4実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)では、S1351の処理において、「通常遊技状態」であると判別された場合(S1351:Yes)、次いで、これから実行する第1特別図柄の変動表示が、右打ち遊技状態(即ち、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態又は「時間短縮状態」)終了後の最初の変動表示であるか否かを判別し(S1361)、右打ち遊技状態終了後の最初の変動表示であれば(S1361:Yes)、表示用左打ちコマンドを設定し(S1362)、処理をS1355に移行する。
【1758】
一方、S1361の判別の結果、右打ち遊技状態終了後の最初の変動表示でなければ(S1361:No)、S1362の処理をスキップして、処理をS1355に移行する。
【1759】
次に、
図101を参照して、第4実施形態のパチンコ機10において、第3図柄表示装置81で行われる演出について説明する。
図101は、「通常遊技状態A」の救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示した図である。
【1760】
より詳細には、
図101(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図101(b)は、
図101(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図であり、
図101(c)は、
図101(b)の状態から、特定領域65dを球が通過せず、大当たり状態に移行することなく小当たり状態が終了して「通常遊技状態A」に戻り、第1特別図柄の変動表示が実行されている状態を示した図である。
【1761】
図101(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【1762】
図101(a)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「58」となっており、
図28に示す損益分岐回数テーブル222fに設定されている通り、大当たり優先報知期間における変動演出であることを示している。
【1763】
また、主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、特
図1小当たりに当選したことを示している。なお、第4実施形態のパチンコ機10では、第1実施形態のパチンコ機10と同様に、救済優先報知期間においては、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。
【1764】
よって、
図101(a)の状況では、この後実行される小当たり遊技において、遊技者に右打ち遊技を実行させ、大当たり遊技を発生させることを示唆するために、第3図柄81bの各図柄列に同一図柄(ここでは数字の「2」)を停止させている。
【1765】
次いで、
図101(b)は、
図101(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。
【1766】
また、主表示領域Dmの中段右部分には「右打ち」の文字メッセージ81cが、主表示領域Dmの下段右部分には「Vを狙え」の文字メッセージ81dが、それぞれ表示されており、いずれも右打ち遊技を示唆するメッセージとなっている。さらに、主表示領域Dmの左側には少年が右側を向いて手を上げたキャラクタ図柄81eが表示されており、こちらも右打ち遊技を示唆する演出となっている。
【1767】
次いで、
図101(c)は、
図101(b)の状態から、特定領域65dを球が通過せず、大当たり状態に移行することなく小当たり状態が終了して「通常遊技状態A」に戻り、第1特別図柄の変動表示が実行されている状態を示した図である。
【1768】
図101(c)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの右上部分、特
図1用保留数表示87aには「2」が表示されており、
図101(a)の状態から第1特別図柄の変動表示の保留球数が1減算されたことを示している。また、主表示領域Dmの右上部分、特
図1用変動領域87bでは点滅している状態が表示されており、第1特別図柄の変動表示が実行中となっていることを示している。
【1769】
さらに、主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「59」となっており、
図101(a)に示す文字メッセージ81aから1加算された値となっている。即ち、
図101(a)に示す「通常遊技状態A」において小当たりに当選した後、
図101(b)に示す小当たり遊技において、遊技者が右打ち遊技を実行せず、特定領域65dを球が通過しなかったことによって大当たり状態に移行しないまま、該小当たり遊技が終了して「通常遊技状態A」に戻ったことを示唆している。
【1770】
また、主表示領域Dmの中央部分には「左打ち」の文字メッセージ81mが表示されており、右打ち遊技を示唆する小当たり状態から、左打ち遊技を示唆する「通常遊技状態A」に戻ったことを示唆している。
【1771】
このように構成することで、第4実施形態のパチンコ機10では、特定の遊技状態である、救済条件が成立可能な(救済設定済みフラグ203sがオフの状態の)「通常遊技状態A」において、制御判定結果としての特
図1小当たりに当選した場合に、遊技者が右打ち遊技を実行しないことによって付与価値としての大当たり状態を発生させず、賞球を発生させることなく次の特別図柄の動的表示を実行させることができる。
【1772】
よって、救済条件が成立可能な「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合であっても、大当たり状態を発生させることなく「通常遊技状態A」に戻り、再度、救済条件成立を目指すことができる。
【1773】
その結果、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出の内容(即ち、大当たり優先報知演出または救済優先報知演出)を遊技者が確認し、いずれの遊技方法(小当たり当選時の右打ち遊技方法または小当たり当選時の左打ち遊技方法)を実行すべきかを判断して遊技することができ、新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
【1774】
一方、仮に、第1特別図柄の動的表示が大当たり種別に当選し得るなど、遊技者の遊技方法にかかわらず、大当たりが無条件に発生可能となるように構成されている場合、遊技者は、特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出に従って、小当たり当選時の左打ち遊技方法によって小当たり当選に基づく大当たりの発生を回避し、救済条件成立に向けて持ち玉を消費して左打ちを実行していたにもかかわらず、救済条件成立回数に到達する前に大当たりが発生してしまい、消費した持ち玉が無駄になってしまうおそれがある。そして、遊技者は、特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出の示唆内容に従って遊技したところで、持ち玉を損してしまう可能性があると判断し、以降、特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出を考慮せずに遊技してしまうおそれがある。
【1775】
よって、第4実施形態のパチンコ機10では、このような事象が発生し得ないようにするため、救済条件が成立可能な「通常遊技状態A」においては、特
図1小当たりにのみ当選可能に構成し、該特
図1小当たりに当選した場合であっても、大当たり状態を発生させることなく「通常遊技状態A」に戻り、再度、救済条件成立を目指すことができるように構成されている。
【1776】
以上、説明したように、第4実施形態のパチンコ機10では、救済条件が成立可能な(救済設定済みフラグ203sがオフの状態の)「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、遊技者が右打ち遊技を実行しないことによって大当たり状態を発生させず、賞球を発生させることなく次の特別図柄の動的表示を実行可能に構成する。
【1777】
このように構成することで、救済条件が成立可能な「通常遊技状態A」において、特
図1小当たりに当選した場合であっても、大当たり状態を発生させることなく「通常遊技状態A」に戻り、再度、救済条件成立を目指すことができる。
【1778】
その結果、「通常遊技状態A」における特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出の内容(即ち、大当たり優先報知演出または救済優先報知演出)を遊技者が確認し、いずれの遊技方法(小当たり当選時の右打ち遊技方法または小当たり当選時の左打ち遊技方法)を実行すべきかを判断して遊技することができ、新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
【1779】
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
【1780】
<第5実施形態>
次いで、
図102~105を参照して、本発明を適用した第5実施形態のパチンコ機10について説明する。以下、第5実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態及び第2実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第5実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態及び第2実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態及び第2実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【1781】
第2実施形態のパチンコ機10では、損益分岐回数の前後20回転を範囲として、いずれの打ち方を選択しても明確な差異がない期間として曖昧報知期間を設け、該曖昧報知期間中に特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出において、大当たり優先報知演出(
図89(b)参照)及び救済優先報知演出(
図89(d)参照)で第3図柄表示装置81に表示している双方の画像データを流用して曖昧報知演出(
図98(b)参照)を実行し、いずれの遊技方法(小当たり当選時の右打ち遊技方法または小当たり当選時の左打ち遊技方法)でも出玉の期待値が僅少となることを示唆するように構成されている。
【1782】
このように構成されている場合、遊技者は、特
図1小当たりに当選した場合の小当たりオープニング時間(即ち、10秒(
図19参照))において表示される右打ち報知演出を確認し、その後、いずれの遊技方法を選択するかを判断する必要があり、さらなる示唆の内容の向上が求められる。
【1783】
具体的には、例えば、曖昧報知期間中に特
図1小当たりに当選し、右打ち報知演出として曖昧報知演出が表示された場合であっても、該演出が表示される小当たりオープニング時間(即ち、10秒(
図19参照))中に、遊技者が報知演出の示唆内容を理解しきれず、いずれの遊技方法を実行すればよいのか戸惑ってしまうおそれがある。
【1784】
また、該曖昧報知演出を確認し、報知演出の示唆内容を理解できたとしても、遊技者は、このオープニング時間中に遊技者自身の残りの遊技時間やホールの営業時間、残りの持ち玉の数や残りの金額等を考慮して判断しなければならず、場合によっては誤った判断をしてしまうおそれがある。
【1785】
第5実施形態のパチンコ機10は、上記の問題点を鑑みて発明されたものであり、所定期間の変動演出において、所定の遊技状態の示唆を好適に行い、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低に対する遊技者の理解を深め、示唆に関する興趣を高めることを目的としている。
【1786】
より具体的には、例えば、第5実施形態のパチンコ機10では、曖昧報知期間の特別図柄の動的表示の実行中において、曖昧報知期間中であることを示唆する演出を実行し、該曖昧報知期間中に特
図1小当たりに当選した場合の遊技方法(小当たり当選時の右打ち遊技方法または小当たり当選時の左打ち遊技方法)を、遊技者が事前に判断し、小当たり遊技において戸惑うことなく円滑に遊技できる遊技機を提供することを目的としている。
【1787】
本目的を達成するために、第5実施形態のパチンコ機10は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、前記遊技機は、前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間の変動表示中に特別演出を実行する特別演出実行手段を備えている。
【1788】
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「射出装置」を備え、「始動入球領域」としての「始動検知領域」を備え、「表示手段」としての「結果報知装置」を備え、「可変入球手段」としての「可動装置」を備え、「更新条件」としての「遊技条件」を備え、「特定情報」としての「遊技情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「更新状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「付与利益」を備え、「報知態様」としての「通知態様」を備え、「報知制御手段」としての「表示制御」を備え、「判定手段」としての「判別制御」を備え、「特定判定結果」としての「制御判定結果」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定利益」としての「付与価値」を備え、「利益発生手段」としての「利益付与制御」を備え、「所定タイミング」としての「所定時期」を備え、「特定タイミング」としての「特定時期」を備え、「特別演出」としての「限定演出」を備える。
【1789】
なお、発射手段は、該発射手段によって発射された遊技球が始動入球領域に入球可能となるように発射できるものであればよく、例えば、電動式の発射制御装置、又は、手動式の発射装置などが挙げられる。
【1790】
また、所定の利益状態は、遊技者に何らかの利益を付与可能なものであればよく、例えば、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の特典画像の表示、特定の特典音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
【1791】
さらに、「特定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する特定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1792】
また、可変入球手段は、複数回の可変動作が実行可能なものであればよく、例えば、可変入賞装置(大入賞口)、小入賞口、普通電役、非電動式入賞口、その他可動式の入球手段などが挙げられる。
【1793】
さらに、特定利益は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発行手段の発光制御、などが挙げられる。
【1794】
また、特定情報は、遊技機において更新条件が発生した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、かつ、更新状態によって所定の期間を識別可能なものであって、本発明の要旨を実現可能であればよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファ、フラグ、予め定められた一連のデータ群、又は、データ群における現在の更新位置を把握するためのポインタ、特別図柄の動的表示の実行回数、特別図柄の動的表示が実行を開始してからの時間、特別図柄の動的表示が実行を停止してからの時間、特定の遊技状態における特別図柄の動的表示の実行回数、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行するまでの特別図柄の動的表示の残り実行回数、大入賞口など可動体の1の可動における可動時間、大入賞口など可動体の1の可動が停止した場合の停止してからの時間、大入賞口などの入賞口の1の開放における入賞数、表示手段によって所定の図柄の抽選結果を表示するための描画情報、遊技機の立ち上げ処理開始からの時間、遊技機の設定値、主制御装置から副制御装置へ送信するためのコマンド情報、副制御装置から表示制御装置へ送信するためのコマンド情報、特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出された球の数(ベース値)、遊技機に何らかの異常が発生したことをホール関係者に報知するためのエラー情報若しくは報知態様、電源断の発生情報、現在時刻、枠ボタンの入力有無などが挙げられる。
【1795】
さらに、特定情報を更新する更新手段は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード等であってもよく、ハード回路による更新であってもよい。
【1796】
また、「特別演出」は、所定の図柄の抽選結果を報知する場合に、現在の状態を示唆可能なものであればよく、図柄を拡大する演出、図柄を縮小する演出、図柄の形状を変化させる演出、図柄の色調を変化させる演出、特定の図柄から別の図柄に変化させる演出、背景を変化させる演出、BGMを変化、追加又は消去させる演出、効果音を変化、追加又は消去させる演出、発光体の点灯、点滅又は消灯方法を変化させる演出、演出表示領域を変化させる演出、特定のキャラクタを一定期間表示させる演出、特定のキャラクタに一定期間、通常時とは異なる動作を行わせる演出、特定の文字列を一定期間表示させる演出、特定の絵柄を一定期間表示させる演出、特定の絵柄の表示領域を一定期間変化させる演出、特定の絵柄の表示色を一定期間変化させる演出、特定の数字を増加又は減少させていく演出、特定の可動物を一定期間可動又は停止させる演出、などが挙げられる。
【1797】
さらに、所定の更新状態は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、例えば、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になること、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になること、所定のフラグがオンされること、所定のフラグがオフされること、所定の時間が経過すること、所定の期間が経過すること、予め定められた一連のデータ群をすべて使用すること、所定領域への入球が検知されること、遊技者による枠ボタンの入力が検知されることなどが挙げられる。
【1798】
また、始動入球領域は、遊技球が入球することで所定の図柄の変動表示が可能となるものであればよく、例えば、特
図1始動口、特
図2始動口、普図始動口などが挙げられる。
【1799】
さらに、表示手段は、所定の図柄の抽選結果を報知可能なものであればよく、例えば、第3図柄表示装置、セグメント表示装置、ドラム表示装置、光導光式の導光板、又は、各表示装置に表示するための制御装置などが挙げられる。
【1800】
また、特定の遊技状態は、特定情報が更新手段に更新されて所定の更新状態となった場合に所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、例えば、更新条件が発生した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態は、例えば、所謂変動によって特定情報を更新可能な「通常遊技状態」、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、「確率変動状態」、「時間短縮状態」、電源投入から所定の大当たりが発生するまでの状態、電源投入から所定の大当たりが終了するまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が開始されてから、該動的表示が終了されるまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が終了してから、次の動的表示が実行開始可能となるまでの状態、大当たりとなる特別図柄の動的表示の実行から終了してから、大当たり遊技が開始されるまでの状態、大当たり遊技が開始されてから、大当たり遊技が終了して特別図柄の動的表示が実行可能となるまでの状態、大当たり遊技が開始されることとなる入球口への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示が実行されておらず、始動入球領域への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示の実行中のうち、遊技者による枠ボタンの入力を待機している状態、などが挙げられる。
【1801】
さらに、特定判定結果は、判定手段によって導出される結果であればよく、例えば、特別図柄の動的表示が大当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の大当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示が小当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の小当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示がハズレに当選すること、特別図柄の動的表示が時短図柄に当選すること、特別図柄の動的表示が転落抽選に該当すること、特別図柄の動的表示の実行回数が特定回数に達すること、普通図柄の可変表示が当たりに当選すること、普通図柄の可変表示がハズレに当選すること、特定の遊技状態に移行することなどが挙げられる。
【1802】
また、所定の遊技条件は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、例えば、遊技球を発射すること、遊技球の発射を停止すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、発射された遊技球が所定の領域に所定球数以上入球すること、発射された遊技球が所定の領域に入球しないこと、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出ボタンを操作すること、遊技者が演出ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
【1803】
さらに、更新条件は、所定の図柄の変動表示があらかじめ定められた状態となったか否かを判別可能なものであればよく、例えば、特別図柄の動的表示が実行を開始すること、特別図柄の動的表示が実行中であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以上であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以内であること、特別図柄の動的表示が実行を停止すること、特別図柄の動的表示が実行を停止してから、次の特別図柄の動的表示が実行開始可能となるまでの間であること、特別図柄の動的表示が実行不可であること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数に達すること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数よりも少なくなること、遊技機の立ち上げ処理が実行されること、主制御装置から副制御装置へコマンド送信されること、副制御装置がコマンドを受信すること、表示制御装置がコマンドを受信すること、各種処理を実行するための期間が経過すること、各種処理を実行するための命令が発生すること、各種処理を実行するためのコマンドが発生することなどが挙げられる。
【1804】
また、「所定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する所定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1805】
さらに、報知態様は、少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能となるものであればよく、例えば、文字情報の種類、数字情報の内容、絵柄の種類、キャラクタの種類、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度、それらの表示時間、それらの表示回数を異ならせることで、発射態様の示唆の識別、発射可否の示唆の識別、遊技可否の示唆の識別、操作手段に対する操作実行タイミングの識別、遊技状態の示唆の識別、賞球数の多寡の識別、ラウンド数の大小の識別、確変図柄と通常図柄との識別、時短図柄と通常図柄との識別、確変図柄と時短図柄との識別、を可能にすることなどが挙げられる。
【1806】
また、判定手段は、始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行するものであればよく、例えば、始動入賞処理、特図変動処理、変動開始処理、当たり処理、ゲート通過処理、普図変動処理などが挙げられる。
【1807】
まず、
図102を参照して、第5実施形態の表示制御装置114の電気的構成について説明する。
図102は、第5実施形態の表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。第1実施形態のブロック図と第5実施形態のブロック図との異なる点は、曖昧報知期間中示唆フラグ233mが追加されている点である。
【1808】
曖昧報知期間中示唆フラグ233mは、「通常遊技状態A」における曖昧報知期間中(
図91参照)において、第3図柄表示装置81に表示される変動演出の背景に「曖昧期間中」の文字列を表示設定(
図104(a)参照)するためのフラグである。MPU231は、この曖昧報知期間中示唆フラグ233mの設定内容に基づいて、限定演出として、変動演出の背景に「曖昧期間中」の文字列を設定する。
【1809】
この曖昧報知期間中示唆フラグ233mは、まず、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(
図71のS2001参照)によって初期化(即ち、オフ)される。そして、MPU231は、音声ランプ制御装置113から曖昧報知期間中示唆コマンドを受信した場合に、この曖昧報知期間中示唆フラグ233mをオンに設定する(
図104のS2204参照)。
【1810】
MPU231は、背面画像コマンドフラグがオンされていることを検出すると、曖昧報知期間中示唆フラグ233mから対応する画像種別を特定する(
図87のS2450参照)。そして、その特定された画像種別に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う(
図87のS2455参照)。
【1811】
次に、
図103を参照して、第5実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)について説明する。
図103は、第5実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)を示したフローチャートである。第1実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)と、第5実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)との異なる点は、曖昧報知期間中示唆コマンドの設定処理が追加されている点である。
【1812】
第5実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)では、S1351の処理において、「通常遊技状態」であると判別された場合(S1351:Yes)、次いで、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先報知回数格納エリア223mに格納された値よりも小さい値であるか否かを判別する(S1352)。
【1813】
S1352の処理において、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先報知回数格納エリア223mに格納された値よりも小さい値でない、即ち、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先報知回数格納エリア223mに格納された値以上の場合(S1352:No)、次いで、サブ救済カウンタ223iに格納された値が曖昧報知回数格納エリア223nに格納された値よりも小さい値であるか否かを判別する(S1353)。
【1814】
S1353の判別の結果、サブ救済カウンタ223iに格納された値が曖昧報知回数格納エリア223nに格納された値よりも小さい値であれば(S1353:Yes)、現在の特別図柄の変動演出の実行回数が曖昧報知期間内の値であるので、曖昧報知期間中示唆コマンドを設定し(S1354)(
図105(a)の81k参照)、処理をS1355に移行する。
【1815】
この曖昧報知期間中示唆コマンドを設定することで、曖昧報知期間において特別図柄の変動演出が実行される期間中は、限定演出として、曖昧報知期間中であることを示唆する表示が第3図柄表示装置81において常に行われる((
図105(a)の81k参照)。
【1816】
仮に、このように特別図柄の変動演出の実行中に曖昧報知期間中であることを示唆する表示がない場合、遊技者は、特
図1小当たりに当選し、該小当たりオープニングにおいて表示される右打ち報知演出(
図105(c)参照)を確認することで、初めて、現在の特別図柄の変動演出の実行回数が曖昧報知期間であることを認識することになる。そして、該オープニング時間(即ち、「10秒」)において、該小当たり遊技で大当たりを発生させるべきか否かを判断しなければならない。この時、遊技者は、遊技者自身の残りの遊技時間やホールの営業時間、残りの持ち玉の数や残りの金額等を考慮して判断しなければならず、場合によっては誤った判断をしてしまうおそれがある。また、いずれの打ち方をすべきかを検討している間に小当たり遊技が終了してしまって、大当たり状態を発生させることができず、本来の意図と異なる結果になってしまうおそれがある。
【1817】
しかしながら、第5実施形態のパチンコ機10のように構成することで、遊技者は、第3図柄表示装置81の変動演出を確認すれば、現在の特別図柄の変動演出の実行回数が曖昧報知期間であることを認識でき、該曖昧報知期間中に特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり遊技で大当たりを発生させるべきか否かを事前に判断することができ、該小当たり遊技中における遊技を戸惑うことなく円滑に実行することができる。
【1818】
一方、S1352の処理において、サブ救済カウンタ223iに格納された値が大当たり優先報知回数格納エリア223mに格納された値よりも小さい値であると判別された場合(S1352:Yes)、現在の特別図柄の変動演出の実行回数が大当たり優先報知期間内の値であるので、S1353及びS1354の処理をスキップして、処理をS1355に移行する。また、S1353の判別の結果、サブ救済カウンタ223iに格納された値が曖昧報知回数格納エリア223nに格納された値よりも小さい値でない場合(S1353:No)、現在の特別図柄の変動演出の実行回数が救済優先報知期間内の値であるので、この場合も、S1354の処理をスキップして、処理をS1355に移行する。
【1819】
次に、
図104(a)を参照して、第5実施形態において、表示制御装置114のMPU231により実行される背面画像系コマンド処理(S2115)の詳細について説明する。
図104(a)は、第5実施形態の背面画像系コマンド処理(S2115)を示すフローチャートである。第5実施形態の背面画像系コマンド処理(S2115)と、第5実施形態の背面画像系コマンド処理(S2115)との異なる点は、曖昧報知期間中示唆フラグ233mの更新処理が追加されている点である。
【1820】
背面画像系コマンド処理(S2113)では、まず、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2201)、背面画像変更コマンドがあれば(S2201:Yes)、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を後述する通常画像転送設定処理(
図86参照)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定し(S2202)処理をS2205へ移行する。
【1821】
S2201の処理において、未処理のコマンドの中に背面画像変更コマンドがないと判別された場合(S2201:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、曖昧報知期間中示唆コマンドがあるか否かを判別し(S2203)、曖昧報知期間中示唆コマンドがあれば(S2203:Yes)、曖昧報知期間中示唆フラグ233mをオンに設定し(S2204)、処理をS2205に移行する。
【1822】
次に、
図105を参照して、第5実施形態のパチンコ機10において、第3図柄表示装置81で行われる演出について説明する。
図105は、「通常遊技状態A」の曖昧報知期間中に特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示した図である。
【1823】
より詳細には、
図105(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「551」(即ち、曖昧報知期間)となっている状態において第1特別図柄の変動表示が実行中となっている状態を示した図であり、
図105(b)は、
図105(a)の状態から、実行中となっていた特別図柄の変動表示が特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図105(c)は、
図105(b)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【1824】
図105(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「551」(即ち、曖昧報知期間)となっている状態において第1特別図柄の変動表示が実行中となっている状態を示している。
【1825】
図105(a)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの右上部分、特
図1用変動領域87bが点滅している状態が表示されており、第1特別図柄の変動表示が実行中となっていることを示している。また、主表示領域Dmの中央部分では、第3図柄が変動中となっている状態が表示されている。
【1826】
また、主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「551」となっており、
図91に示す損益分岐回数テーブル222fのとおり、曖昧報知期間における変動演出であることを示している。
【1827】
さらに、主表示領域Dmの上部分には、文字メッセージ81kが表示されており、「曖昧期間中」の文字が右から左へと流れて表示されている。この文字メッセージ81kは、曖昧報知期間(
図91参照」)における変動演出の実行中において常時表示されるように構成されている。遊技者はこの文字メッセージ81kを確認することで、現在実行中の特別図柄の変動表示が曖昧報知期間における実行であることを認識でき、特別図柄の変動表示が特
図1小当たりに当選した場合の小当たり遊技において、右打ち遊技を実行して大当たり状態を発生させるべきか否かを事前に検討しておくことができる。
【1828】
次いで、
図105(b)は、
図105(a)の状態から、実行中となっていた特別図柄の変動表示が特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【1829】
主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており特
図1小当たりに当選したことを示している。なお、第5実施形態のパチンコ機10では、曖昧報知期間においては、小当たり当選時の右打ち遊技方法と、小当たり当選時の左打ち遊技方法と、において、遊技者が獲得し得る出玉の期待値を比較すると、その差異は僅少であるため、いずれかの打ち方をすることで明確に平均獲得球数が多くなるとは言い難い程度の差異となっている。
【1830】
よって、
図105(b)の状況では、この後実行される小当たり遊技において、右打ち遊技の実行有無にかかわらず、獲得し得る出玉の期待値に大きな差異がないことを示唆するために、第3図柄81bの左右の各図柄列に同一図柄(ここでは数字の「2」)を停止させ、中央の図柄列に「チャレンジ図柄」の文字が記載された主図柄を停止させている。また、主表示領域Dmの右上部分、特
図1用変動領域87bが青で停止しており、第1特別図柄の変動表示が小当たりに当選したことを示している。
【1831】
次いで、
図105(c)は、
図105(b)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。
【1832】
また、主表示領域Dmの中段右部分には「右打ち?」の文字メッセージ81gが表示されており、右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。さらに、主表示領域Dmの下段左部分には「V獲得で大当たりでぃ」の文字メッセージ81hが表示されており、こちらも右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【1833】
また、主表示領域Dmの中段左部分には少年が右側を向いて手を上げたキャラクタ図柄81eが表示されており、さらに、主表示領域Dmの右下部分には少年が下を向いているキャラクタ図柄81iが表示されている。この2のキャラクタ図柄81e及び81iは、大当たり優先報知演出及び救済優先報知演出において表示されるキャラクタ図柄(
図97(b)の81e及び
図97(d)の81i参照)である。
【1834】
以上、説明したように、第5実施形態のパチンコ機10では、大当たり優先報知期間と救済優先報知期間の間の期間である、曖昧報知期間において、特別図柄の変動演出の実行中は、曖昧報知期間中であることを示唆する表示を第3図柄表示装置81において行うように構成する。
【1835】
このように構成することで、遊技者は第3図柄表示装置81の変動演出を確認すれば、現在の特別図柄の変動演出の実行回数が曖昧報知期間であることを認識することができる。
【1836】
その結果、曖昧報知期間中に特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり遊技で大当たりを発生させるべきか否かを事前に判断することができ、該小当たり遊技中において、戸惑うことなく円滑に遊技することができる。
【1837】
その他、第5実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
【1838】
<第6実施形態>
次いで、
図106及び
図107を参照して、本発明を適用した第6実施形態のパチンコ機10について説明する。以下、第6実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第6実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【1839】
従来、所定の期間が経過した後に予め定めた遊技者に有利な遊技状態に移行して遊技者に利益を付与する遊技機がある。有利な遊技状態において、遊技者の遊技により所定の条件が成立した場合に遊技者は賞球を得ることができる。
【1840】
このような遊技機において、所定の期間における遊技者への有利な遊技状態の発生に対する示唆は十分に好適なものではなく、さらなる示唆の内容の向上が求められている。
【1841】
具体的には、例えば、所定期間において、有利な遊技状態の発生に対する示唆が一様である場合、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低を遊技者が理解することができない。また、示唆を利益の高低に応じて変化させることに関して生じる興趣も得ることができない。
【1842】
本発明は上記の問題点を鑑みて発明されたものであり、所定期間における有利な遊技状態の発生に対する示唆を好適に行い、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低に対する遊技者の理解を深め、示唆に関する興趣を高めることを目的としている。
【1843】
より具体的には、例えば、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において、大当たりを発生可能な(即ち、特定領域65dを通過可能な)小当たり当選時に、該小当たりで大当たりを発生させるか否かの選択肢を設けた遊技性とすることで、遊技のバリエーションを豊富にするとともに、遊技者に対して、獲得可能な出玉の期待値がより高くなる打ち方報知を実行できる遊技機を提供することを目的としている。
【1844】
本目的を達成するために、第6実施形態のパチンコ機10は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、前記遊技機は、前記特定タイミングで前記第2報知態様に切り替わった後は少なくとも前記特定利益が発生するまでは前記第1報知態様に切り替わることはないように構成されている。
【1845】
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「射出装置」を備え、「始動入球領域」としての「始動検知領域」を備え、「表示手段」としての「結果報知装置」を備え、「可変入球手段」としての「可動装置」を備え、「更新条件」としての「遊技条件」を備え、「特定情報」としての「遊技情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「更新状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「付与利益」を備え、「報知態様」としての「通知態様」を備え、「報知制御手段」としての「表示制御」を備え、「判定手段」としての「判別制御」を備え、「特定判定結果」としての「制御判定結果」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定利益」としての「付与価値」を備え、「利益発生手段」としての「利益付与制御」を備え、「所定タイミング」としての「所定時期」を備え、「特定タイミング」としての「特定時期」を備える。
【1846】
なお、発射手段は、該発射手段によって発射された遊技球が始動入球領域に入球可能となるように発射できるものであればよく、例えば、電動式の発射制御装置、又は、手動式の発射装置などが挙げられる。
【1847】
また、所定の利益状態は、遊技者に何らかの利益を付与可能なものであればよく、例えば、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の特典画像の表示、特定の特典音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
【1848】
さらに、「特定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する特定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1849】
また、可変入球手段は、複数回の可変動作が実行可能なものであればよく、例えば、可変入賞装置(大入賞口)、小入賞口、普通電役、非電動式入賞口、その他可動式の入球手段などが挙げられる。
【1850】
さらに、特定利益は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発行手段の発光制御、などが挙げられる。
【1851】
また、特定情報は、遊技機において更新条件が発生した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、かつ、更新状態によって所定の期間を識別可能なものであって、本発明の要旨を実現可能であればよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファ、フラグ、予め定められた一連のデータ群、又は、データ群における現在の更新位置を把握するためのポインタ、特別図柄の動的表示の実行回数、特別図柄の動的表示が実行を開始してからの時間、特別図柄の動的表示が実行を停止してからの時間、特定の遊技状態における特別図柄の動的表示の実行回数、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行するまでの特別図柄の動的表示の残り実行回数、大入賞口など可動体の1の可動における可動時間、大入賞口など可動体の1の可動が停止した場合の停止してからの時間、大入賞口などの入賞口の1の開放における入賞数、表示手段によって所定の図柄の抽選結果を表示するための描画情報、遊技機の立ち上げ処理開始からの時間、遊技機の設定値、主制御装置から副制御装置へ送信するためのコマンド情報、副制御装置から表示制御装置へ送信するためのコマンド情報、特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出された球の数(ベース値)、遊技機に何らかの異常が発生したことをホール関係者に報知するためのエラー情報若しくは報知態様、電源断の発生情報、現在時刻、枠ボタンの入力有無などが挙げられる。
【1852】
さらに、特定情報を更新する更新手段は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード等であってもよく、ハード回路による更新であってもよい。
【1853】
また、判定手段は、始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行するものであればよく、例えば、始動入賞処理、特図変動処理、変動開始処理、当たり処理、ゲート通過処理、普図変動処理などが挙げられる。
【1854】
さらに、所定の更新状態は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、例えば、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になること、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になること、所定のフラグがオンされること、所定のフラグがオフされること、所定の時間が経過すること、所定の期間が経過すること、予め定められた一連のデータ群をすべて使用すること、所定領域への入球が検知されること、遊技者による枠ボタンの入力が検知されることなどが挙げられる。
【1855】
また、始動入球領域は、遊技球が入球することで所定の図柄の変動表示が可能となるものであればよく、例えば、特
図1始動口、特
図2始動口、普図始動口などが挙げられる。
【1856】
さらに、表示手段は、所定の図柄の抽選結果を報知可能なものであればよく、例えば、第3図柄表示装置、セグメント表示装置、ドラム表示装置、光導光式の導光板、又は、各表示装置に表示するための制御装置などが挙げられる。
【1857】
また、特定の遊技状態は、特定情報が更新手段に更新されて所定の更新状態となった場合に所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、例えば、更新条件が発生した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態は、例えば、所謂変動によって特定情報を更新可能な「通常遊技状態」、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、「確率変動状態」、「時間短縮状態」、電源投入から所定の大当たりが発生するまでの状態、電源投入から所定の大当たりが終了するまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が開始されてから、該動的表示が終了されるまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が終了してから、次の動的表示が実行開始可能となるまでの状態、大当たりとなる特別図柄の動的表示の実行から終了してから、大当たり遊技が開始されるまでの状態、大当たり遊技が開始されてから、大当たり遊技が終了して特別図柄の動的表示が実行可能となるまでの状態、大当たり遊技が開始されることとなる入球口への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示が実行されておらず、始動入球領域への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示の実行中のうち、遊技者による枠ボタンの入力を待機している状態、などが挙げられる。
【1858】
さらに、特定判定結果は、判定手段によって導出される結果であればよく、例えば、特別図柄の動的表示が大当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の大当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示が小当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の小当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示がハズレに当選すること、特別図柄の動的表示が時短図柄に当選すること、特別図柄の動的表示が転落抽選に該当すること、特別図柄の動的表示の実行回数が特定回数に達すること、普通図柄の可変表示が当たりに当選すること、普通図柄の可変表示がハズレに当選すること、特定の遊技状態に移行することなどが挙げられる。
【1859】
また、所定の遊技条件は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、例えば、遊技球を発射すること、遊技球の発射を停止すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、発射された遊技球が所定の領域に所定球数以上入球すること、発射された遊技球が所定の領域に入球しないこと、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出ボタンを操作すること、遊技者が演出ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
【1860】
さらに、更新条件は、所定の図柄の変動表示があらかじめ定められた状態となったか否かを判別可能なものであればよく、例えば、特別図柄の動的表示が実行を開始すること、特別図柄の動的表示が実行中であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以上であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以内であること、特別図柄の動的表示が実行を停止すること、特別図柄の動的表示が実行を停止してから、次の特別図柄の動的表示が実行開始可能となるまでの間であること、特別図柄の動的表示が実行不可であること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数に達すること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数よりも少なくなること、遊技機の立ち上げ処理が実行されること、主制御装置から副制御装置へコマンド送信されること、副制御装置がコマンドを受信すること、表示制御装置がコマンドを受信すること、各種処理を実行するための期間が経過すること、各種処理を実行するための命令が発生すること、各種処理を実行するためのコマンドが発生することなどが挙げられる。
【1861】
また、「所定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する所定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1862】
さらに、報知態様は、少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能となるものであればよく、例えば、文字情報の種類、数字情報の内容、絵柄の種類、キャラクタの種類、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度、それらの表示時間、それらの表示回数を異ならせることで、発射態様の示唆の識別、発射可否の示唆の識別、遊技可否の示唆の識別、操作手段に対する操作実行タイミングの識別、遊技状態の示唆の識別、賞球数の多寡の識別、ラウンド数の大小の識別、確変図柄と通常図柄との識別、時短図柄と通常図柄との識別、確変図柄と時短図柄との識別、を可能にすることなどが挙げられる。
【1863】
ここで、
図106及び
図107を参照して、第6実施形態のパチンコ機10において、第3図柄表示装置81で行われる演出について説明する。
図106及び
図107は、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示した図である。
【1864】
より詳細には、
図106(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図106(b)は、
図106(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【1865】
さらに、
図106(c)は、
図106(b)の状態から、特定領域65dを球が通過せず、大当たり状態に移行することなく小当たり状態が終了して「通常遊技状態A」に戻り、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「550」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図106(d)は、
図106(c)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【1866】
さらに、
図107(a)は、
図106(d)の状態から、特定領域65dを球が通過せず、大当たり状態に移行することなく小当たり状態が終了して「通常遊技状態A」に戻り、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図107(b)は、
図107(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【1867】
図106(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【1868】
図106(a)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「58」となっており、
図28に示す損益分岐回数テーブル222fに設定されている通り、大当たり優先報知期間における変動演出であることを示している。
【1869】
また、主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、特
図1小当たりに当選したことを示している。なお、第6実施形態のパチンコ機10では、大当たり優先報知期間においては、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。
【1870】
よって、
図106(a)の状況では、この後実行される小当たり遊技において、遊技者に右打ち遊技を実行させ、大当たり遊技を発生させることを示唆するために、第3図柄81bの各図柄列に同一図柄(ここでは数字の「2」)を停止させている。
【1871】
次いで、
図106(b)は、
図106(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。主表示領域Dmの右上部分には主表示用右打ち指示89が表示されており、該小当たり遊技において遊技者に右打ち遊技を実行させることを示唆している。
【1872】
また、主表示領域Dmの中段右部分には「右打ち」の文字メッセージ81cが、主表示領域Dmの下段右部分には「Vを狙え」の文字メッセージ81dが、それぞれ表示されており、いずれも右打ち遊技を示唆するメッセージとなっている。さらに、主表示領域Dmの左側には少年が右側を向いて手を上げたキャラクタ図柄81eが表示されており、こちらも右打ち遊技を示唆する演出となっている。
【1873】
次いで、
図106(c)は、
図106(b)の状態から、特定領域65dを球が通過せず、大当たり状態に移行することなく小当たり状態が終了して「通常遊技状態A」に戻り、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【1874】
図106(c)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「550」となっており、
図106(a)及び
図106(b)に示す状態から、大当たり状態に移行することなく「通常遊技状態A」に戻り、該「通常遊技状態A」において第1特別図柄の変動表示が複数回実行されたことを示している。また、
図106(c)の変動演出は、
図28に示す損益分岐回数テーブル222fに設定されている通り、救済優先報知期間における変動演出であることを示している。
【1875】
さらに、主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、特
図1小当たりに当選したことを示している。なお、上述したように、第6実施形態のパチンコ機10では、救済優先報知期間においては、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。
【1876】
よって、
図106(c)の状況では、この後実行される小当たり遊技において、右打ち遊技を実行せず、大当たり遊技を発生させない方が獲得し得る出玉の期待値が高くなることを示唆するために、第3図柄81bの左右の各図柄列に同一図柄(ここでは数字の「2」)を停止させ、中央の図柄列に「チャレンジ図柄」の文字が記載された主図柄を停止させている。
【1877】
次いで、
図106(d)は、
図106(c)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。
【1878】
主表示領域Dmの上部分には「まもなく救済条件成立回数だけど」の文字メッセージ81fが表示されており、文字通り、特別図柄の動的表示を数回転実行することで救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行することを示唆している。
【1879】
また、主表示領域Dmの中段右部分には「右打ち?」の文字メッセージ81gが表示されており、
図106(b)の文字メッセージ81cと比較すると、右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【1880】
さらに、主表示領域Dmの下段右部分には「V獲得で大当たりでぃ」の文字メッセージ81hが表示されており、
図106(b)の文字メッセージ81dと比較すると、こちらも右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【1881】
また、主表示領域Dmの左部分には少年が下を向いているキャラクタ図柄81iが表示されており、
図106(b)のキャラクタ図柄81eと比較すると、こちらも右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える表示となっている。なお、主表示領域Dmの右上部分には主表示用右打ち指示89が表示されており、該小当たり遊技において右打ち遊技することを示唆している。
【1882】
このように、
図106(d)に示す右打ち報知演出は、
図106(b)に示す、大当たり優先報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出(即ち、大当たり優先報知演出)から、救済優先報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出(即ち、救済優先報知演出)に切り替わったことを示している。
【1883】
次いで、
図107(a)は、
図106(d)の状態から、特定領域65dを球が通過せず、大当たり状態に移行することなく小当たり状態が終了して「通常遊技状態A」に戻り、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【1884】
図107(a)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「637」となっており、
図106(c)及び
図106(d)に示す状態から、大当たり状態に移行することなく「通常遊技状態A」に戻り、該「通常遊技状態A」において第1特別図柄の変動表示が複数回実行されたことを示している。また、
図107(a)の変動演出は、
図28に示す損益分岐回数テーブル222fに設定されている通り、救済優先報知期間における変動演出であることを示している。
【1885】
さらに、主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、特
図1小当たりに当選したことを示している。なお、第6実施形態のパチンコ機10では、救済優先報知期間においては、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。
【1886】
よって、
図107(a)の状況では、この後実行される小当たり遊技において、右打ち遊技を実行せず、大当たり遊技を発生させない方が獲得し得る出玉の期待値が高くなることを示唆するために、第3図柄81bの左右の各図柄列に同一図柄(ここでは数字の「2」)を停止させ、中央の図柄列に「チャレンジ図柄」の文字が記載された主図柄を停止させている。
【1887】
次いで、
図107(b)は、
図107(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。
【1888】
主表示領域Dmの上部分には「まもなく救済条件成立回数だけど」の文字メッセージ81fが表示されており、文字通り、特別図柄の動的表示を数回転実行することで救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行することを示唆している。
【1889】
また、主表示領域Dmの中段右部分には「右打ち?」の文字メッセージ81gが表示されており、
図106(b)の文字メッセージ81cと比較すると、右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【1890】
さらに、主表示領域Dmの下段右部分には「V獲得で大当たりでぃ」の文字メッセージ81hが表示されており、
図106(b)の文字メッセージ81dと比較すると、こちらも右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【1891】
また、主表示領域Dmの左部分には少年が下を向いているキャラクタ図柄81iが表示されており、
図106(b)のキャラクタ図柄81eと比較すると、こちらも右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える表示となっている。なお、主表示領域Dmの右上部分には主表示用右打ち指示89が表示されており、該小当たり遊技において右打ち遊技することを示唆している。
【1892】
このように、
図107(b)に示す右打ち報知演出は、
図106(d)に示す、救済優先報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出(即ち、救済優先報知演出)と同様の演出が実行されており、救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選して以降、右打ち報知演出の内容が切り替わっていないことを示している。
【1893】
このように構成することで、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選し、該小当たりの右打ち報知演出で救済優先報知演出が実行された場合、以降、いずれかの大当たりを発生させるまでは、特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出は救済優先報知演出となり、大当たり優先報知演出に切り替わらないようにすることができる。
【1894】
その結果、救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選し、小当たり当選時の左打ち遊技方法で遊技を実行中に、再度特
図1小当たりに当選した場合であっても、前回と同様に救済優先報知演出が実行されるため、遊技者は安心して、継続して「普図低確時間短縮状態」を目指すことができる。
【1895】
一方、仮に、救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出において大当たり優先報知演出が実行され得るように構成されている場合、救済優先放置期間中に小当たり当選時の左打ち遊技方法を実行して、救済条件成立を目指している最中に、特
図1小当たりに当選し、大当たり優先報知演出が実行されてしまう可能性がある。
【1896】
このような状況が発生した場合、遊技者は、特
図1小当たり当選時の救済優先報知演出に従って、小当たり当選時の左打ち遊技方法によって小当たり当選に基づく大当たりの発生を回避し、救済条件成立に向けて持ち玉を消費して左打ちを実行していたにもかかわらず、次の特
図1小当たりでは大当たり優先報知演出が実行されて大当たり状態に移行することを示唆され、遊技者は困惑し、いずれの打ち方をすべきかが分からなくなり、パチンコ機10の遊技を中止してしまうおそれがある。
【1897】
このような状況を避けるため、第6実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出が大当たり優先報知演出から救済優先報知演出に切り替わった場合、以降、いずれかの大当たりを発生させるまでは、特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出は救済優先報知演出となり、大当たり優先報知演出に切り替わらないように構成されている。
【1898】
以上、説明したように、第6実施形態のパチンコ機10では、大当たり優先報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出では、大当たり優先報知演出が実行され、救済優先報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出では、救済優先報知演出が実行されるように構成する。
【1899】
このように構成することで、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出が大当たり優先報知演出から救済優先報知演出に切り替わった場合、以降、いずれかの大当たりを発生させるまでは、特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出は救済優先報知演出となり、大当たり優先報知演出に切り替わらないようにすることができる。
【1900】
その結果、救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選し、小当たり当選時の左打ち遊技方法で遊技を実行中に、再度特
図1小当たりに当選した場合であっても、前回と同様に救済優先報知期間用の右打ち報知演出が実行されるため、遊技者は安心して、継続して「普図低確時間短縮状態」を目指すことができる。
【1901】
その他、第6実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
【1902】
<第7実施形態>
次いで、
図108~123を参照して、本発明を適用した第7実施形態のパチンコ機10について説明する。以下、第7実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態及び第2実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第7実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態及び第2実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【1903】
第2実施形態のパチンコ機10では、救済条件成立回数が1の値(即ち、「800回」)に設定されており、該救済条件成立回数に基づいて大当たり優先報知期間、曖昧報知期間及び救済優先報知期間が設定され(
図91参照)、各期間と、小当たり当選時における特別図柄の実行回数と、を比較して、小当たり当選時における右打ち報知演出の内容を異ならせるように構成されている。
【1904】
しかし、救済条件成立回数が1の値に設定されている場合、実際の遊技ホールにおけるパチンコ機10の運用状況によっては、遊技ホールの開店後の早いタイミングでパチンコ機10の遊技を中止されてしまい、パチンコ機10の稼働低下を招くおそれがあり、救済条件の設定に関して、さらなる内容の向上が求められる。
【1905】
具体的には、例えば、遊技ホールの開店時からパチンコ機10を遊技し、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合の特別図柄の動的表示の実行回数によっては、遊技ホールの開店時におけるパチンコ機10がRAMクリア直後の状態ではないことが判別可能となり、前稼働日からパチンコ機10の設定値の変更がされていないと判断され、パチンコ機10の遊技を中止されてしまう可能性がある。
【1906】
第7実施形態のパチンコ機10は、上記の問題点を鑑みて発明されたものであり、救済条件成立に関する制御を好適に行い、パチンコ機10の稼働低下を抑制することを目的としている。
【1907】
本目的を達成するために、第7実施形態のパチンコ機10は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、前記遊技機は、前記特定情報が前記所定の更新状態となるまでの更新回数は、複数の更新回数の中から抽選で1の更新回数が決定される。
【1908】
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「射出装置」を備え、「始動入球領域」としての「始動検知領域」を備え、「表示手段」としての「結果報知装置」を備え、「可変入球手段」としての「可動装置」を備え、「更新条件」としての「遊技条件」を備え、「特定情報」としての「遊技情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「更新状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「付与利益」を備え、「報知態様」としての「通知態様」を備え、「報知制御手段」としての「表示制御」を備え、「判定手段」としての「判別制御」を備え、「特定判定結果」としての「制御判定結果」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定利益」としての「付与価値」を備え、「利益発生手段」としての「利益付与制御」を備え、「所定タイミング」としての「所定時期」を備え、「特定タイミング」としての「特定時期」を備える。
【1909】
なお、発射手段は、該発射手段によって発射された遊技球が始動入球領域に入球可能となるように発射できるものであればよく、例えば、電動式の発射制御装置、又は、手動式の発射装置などが挙げられる。
【1910】
また、所定の利益状態は、遊技者に何らかの利益を付与可能なものであればよく、例えば、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の特典画像の表示、特定の特典音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
【1911】
さらに、「特定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する特定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1912】
また、可変入球手段は、複数回の可変動作が実行可能なものであればよく、例えば、可変入賞装置(大入賞口)、小入賞口、普通電役、非電動式入賞口、その他可動式の入球手段などが挙げられる。
【1913】
さらに、特定利益は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発行手段の発光制御、などが挙げられる。
【1914】
また、特定情報は、遊技機において更新条件が発生した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、かつ、更新状態によって所定の期間を識別可能なものであって、本発明の要旨を実現可能であればよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファ、フラグ、予め定められた一連のデータ群、又は、データ群における現在の更新位置を把握するためのポインタ、特別図柄の動的表示の実行回数、特別図柄の動的表示が実行を開始してからの時間、特別図柄の動的表示が実行を停止してからの時間、特定の遊技状態における特別図柄の動的表示の実行回数、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行するまでの特別図柄の動的表示の残り実行回数、大入賞口など可動体の1の可動における可動時間、大入賞口など可動体の1の可動が停止した場合の停止してからの時間、大入賞口などの入賞口の1の開放における入賞数、表示手段によって所定の図柄の抽選結果を表示するための描画情報、遊技機の立ち上げ処理開始からの時間、遊技機の設定値、主制御装置から副制御装置へ送信するためのコマンド情報、副制御装置から表示制御装置へ送信するためのコマンド情報、特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出された球の数(ベース値)、遊技機に何らかの異常が発生したことをホール関係者に報知するためのエラー情報若しくは報知態様、電源断の発生情報、現在時刻、枠ボタンの入力有無などが挙げられる。
【1915】
さらに、特定情報を更新する更新手段は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード等であってもよく、ハード回路による更新であってもよい。
【1916】
また、判定手段は、始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行するものであればよく、例えば、始動入賞処理、特図変動処理、変動開始処理、当たり処理、ゲート通過処理、普図変動処理などが挙げられる。
【1917】
さらに、所定の更新状態は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、例えば、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になること、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になること、所定のフラグがオンされること、所定のフラグがオフされること、所定の時間が経過すること、所定の期間が経過すること、予め定められた一連のデータ群をすべて使用すること、所定領域への入球が検知されること、遊技者による枠ボタンの入力が検知されることなどが挙げられる。
【1918】
また、始動入球領域は、遊技球が入球することで所定の図柄の変動表示が可能となるものであればよく、例えば、特
図1始動口、特
図2始動口、普図始動口などが挙げられる。
【1919】
さらに、表示手段は、所定の図柄の抽選結果を報知可能なものであればよく、例えば、第3図柄表示装置、セグメント表示装置、ドラム表示装置、光導光式の導光板、又は、各表示装置に表示するための制御装置などが挙げられる。
【1920】
また、特定の遊技状態は、特定情報が更新手段に更新されて所定の更新状態となった場合に所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、例えば、更新条件が発生した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態は、例えば、所謂変動によって特定情報を更新可能な「通常遊技状態」、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、「確率変動状態」、「時間短縮状態」、電源投入から所定の大当たりが発生するまでの状態、電源投入から所定の大当たりが終了するまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が開始されてから、該動的表示が終了されるまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が終了してから、次の動的表示が実行開始可能となるまでの状態、大当たりとなる特別図柄の動的表示の実行から終了してから、大当たり遊技が開始されるまでの状態、大当たり遊技が開始されてから、大当たり遊技が終了して特別図柄の動的表示が実行可能となるまでの状態、大当たり遊技が開始されることとなる入球口への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示が実行されておらず、始動入球領域への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示の実行中のうち、遊技者による枠ボタンの入力を待機している状態、などが挙げられる。
【1921】
さらに、特定判定結果は、判定手段によって導出される結果であればよく、例えば、特別図柄の動的表示が大当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の大当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示が小当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の小当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示がハズレに当選すること、特別図柄の動的表示が時短図柄に当選すること、特別図柄の動的表示が転落抽選に該当すること、特別図柄の動的表示の実行回数が特定回数に達すること、普通図柄の可変表示が当たりに当選すること、普通図柄の可変表示がハズレに当選すること、特定の遊技状態に移行することなどが挙げられる。
【1922】
また、所定の遊技条件は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、例えば、遊技球を発射すること、遊技球の発射を停止すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、発射された遊技球が所定の領域に所定球数以上入球すること、発射された遊技球が所定の領域に入球しないこと、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出ボタンを操作すること、遊技者が演出ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
【1923】
さらに、更新条件は、所定の図柄の変動表示があらかじめ定められた状態となったか否かを判別可能なものであればよく、例えば、特別図柄の動的表示が実行を開始すること、特別図柄の動的表示が実行中であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以上であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以内であること、特別図柄の動的表示が実行を停止すること、特別図柄の動的表示が実行を停止してから、次の特別図柄の動的表示が実行開始可能となるまでの間であること、特別図柄の動的表示が実行不可であること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数に達すること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数よりも少なくなること、遊技機の立ち上げ処理が実行されること、主制御装置から副制御装置へコマンド送信されること、副制御装置がコマンドを受信すること、表示制御装置がコマンドを受信すること、各種処理を実行するための期間が経過すること、各種処理を実行するための命令が発生すること、各種処理を実行するためのコマンドが発生することなどが挙げられる。
【1924】
また、「所定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する所定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【1925】
さらに、報知態様は、少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能となるものであればよく、例えば、文字情報の種類、数字情報の内容、絵柄の種類、キャラクタの種類、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度、それらの表示時間、それらの表示回数を異ならせることで、発射態様の示唆の識別、発射可否の示唆の識別、遊技可否の示唆の識別、操作手段に対する操作実行タイミングの識別、遊技状態の示唆の識別、賞球数の多寡の識別、ラウンド数の大小の識別、確変図柄と通常図柄との識別、時短図柄と通常図柄との識別、確変図柄と時短図柄との識別、を可能にすることなどが挙げられる。
【1926】
まず、
図108を参照して、第7実施形態のパチンコ機10の電気的構成について説明する。
図108は、第7実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。第2実施形態のブロック図と、第7実施形態のブロック図との異なる点は、ROM202内に救済条件成立回数テーブル202nが追加されている点と、RAM203内に救済条件成立回数格納エリア203qが追加されている点と、である。
【1927】
ここで、
図109を参照して、第7実施形態の救済条件成立回数テーブル202nについて説明する。
図109は、第7実施形態のROM202に記憶される救済条件成立回数テーブル202nの一例を模式的に示した模式図である。
【1928】
救済条件成立回数テーブル202nは、電源投入時のRAM203初期化処理時及び大当たり遊技の終了時に参照され、3の救済条件成立回数(即ち、「700回」、「800回」又は「900回」)の中から、遊技状態及びその他の状況にかかわらず無作為に1の救済条件成立回数が抽選される。そして、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の動的表示の実行回数が抽選された救済条件成立回数に達した場合に「普図低確時間短縮状態」に移行するように構成されている。
【1929】
従って、詳細は後述するが、第7実施形態のパチンコ機10では、選択されている救済条件成立回数によって、大当たり優先報知期間、曖昧報知期間及び救済優先報知期間に異なる値が設定されるように構成されている(
図113参照)。
【1930】
また、第2実施形態のパチンコ機10及び第7実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の動的表示の演出が実行される第3図柄表示装置81内においては、救済条件成立回数までの残りの回転数の表示を行わないように構成されている。このため、遊技者は、現在の遊技状態において、いずれの救済条件成立回数が選択されているのかを知り得ず、救済条件成立回数までの残りの回転数を知り得ないように構成されている。
【1931】
ここで、第2実施形態のパチンコ機10では、救済条件成立回数が1の値(即ち、「800回」)のみに設定されているため、遊技ホールの開店時からパチンコ機10を遊技した場合において、設定値の変更有無の把握が容易となり、その結果、パチンコ機10の稼働低下を招いてしまうおそれがある。
【1932】
より詳細に説明すると、第2実施形態のパチンコ機10では、救済条件成立回数が1の値(即ち、「800回」)のみに構成されており、損益分岐回数は「543回転」となるように構成されている(
図91参照)。よって、パチンコ機10のRAMクリア時又は大当たり終了後からの特別図柄の動的表示の実行回数が「0回転~523回転」までの間に特
図1小当たりに当選した場合には、右打ち報知演出として大当たり優先報知演出が実行されるように構成されている。
【1933】
従って、仮に、第2実施形態のパチンコ機10において、遊技ホールの開店時からパチンコ機10を遊技した場合であって、遊技開始から特別図柄の動的表示を「430回転」実行させた時点で特
図1小当たりに当選し、右打ち報知演出として曖昧報知演出が実行された場合を想定する。この場合、曖昧報知演出が実行されていることから、遊技中のパチンコ機10のRAMクリア時又は大当たり終了後からの特別図柄の動的表示の実行回数は「524回転~563回転」であると判別可能となる(
図91参照)。
【1934】
しかしながら、遊技者は特別図柄の動的表示を430回転しか実行させていないため、遊技中のパチンコ機10は、遊技ホールの開店時においてRAMクリア直後又は大当たり終了直後の状態ではなかったと推測できる。
【1935】
また、仮に、遊技ホールの開店前にパチンコ機10の設定値を変更していれば、パチンコ機10はRAMクリア状態になることから(
図37のS118及びS117参照)、遊技ホールの開店前にパチンコ機10の設定値の変更がされていないことが判別可能となる。
【1936】
このような状況において、前稼働日のパチンコ機10の稼働データが、あまり出玉を獲得しておらず、魅力的なデータになっていない場合、遊技者はパチンコ機10の設定値が低く設定されていると推測してしまうおそれがあり、かつ、該稼働データの状態からパチンコ機10の設定値の変更がされていないことから、現在のパチンコ機10も出玉を獲得し難い設定値であると判断し、遊技を中止してしまい、パチンコ機10の稼働低下につながるおそれがある。
【1937】
一方、第7実施形態のパチンコ機10のように、救済条件成立回数が3の値(「700回」、「800回」又は「900回」)の中から無作為に抽選されるように構成されている場合を想定する。そして、遊技ホールの開店時からパチンコ機10を遊技した場合であって、遊技開始から特別図柄の動的表示を「430回転」実行させた時点でいずれかの小当たりに当選し、右打ち報知演出として曖昧報知演出が実行された場合、現在のパチンコ機10の救済条件成立回数が「700回」に設定されていれば、曖昧報知期間が「424~463回転」となり(
図113参照)、遊技ホールの開店時におけるパチンコ機10がRAMクリア直後又は大当たり終了直後であって、前稼働日からパチンコ機10の設定値の変更がされた状態であった可能性も考えられ、出玉を獲得し易い設定値に変更されている可能性も考えられるため、少なくとも遊技を中止する理由が減少し、遊技を継続する可能性が高くなる。
【1938】
このように、救済条件成立回数が複数の値の中から無作為に抽選されるように構成されることで、遊技ホールの開店時からパチンコ機10の遊技を開始した場合における設定値の変更有無の判別を困難にすることができ、パチンコ機10の稼働低下を軽減することができる。
【1939】
また、上述したように、第2実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時に、1ラウンド目の小当たり遊技中に右打ち遊技を実行して特定領域65dに球を通過させて大当たり遊技を発生させ、「普図高確時間短縮状態A」に移行させた場合と、「通常遊技状態A」において特別図柄の動的表示の実行回数が救済条件成立回数に到達し、「普図低確時間短縮状態」に移行した場合と、の2の事象を比較すると、後者である「普図低確時間短縮状態」に移行した場合の方が、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。
【1940】
従って、第2実施形態のパチンコ機10のように、救済条件成立回数が1の値(即ち、「800回」)のみに設定されている場合、大当たり優先報知期間、曖昧報知期間及び救済優先報知期間がそれぞれ1の値に設定されるため(
図91参照)、遊技者は、特
図1小当たり当選時において実行される右打ち報知演出を確認しなくても、ホールに設置されたデータ表示器等で特別図柄の動的表示の実行回数を確認することで、いずれの打ち方を実行すべきかが判断可能となってしまうおそれがある。
【1941】
しかしながら、第7実施形態のパチンコ機10のように、救済条件成立回数が救済条件成立回数テーブル202nに設定された3の値の中から無作為に抽選され、その時点で設定されている救済条件成立回数を遊技者が知り得ないように構成することで、遊技者は小当たり当選時のOP時間において実行される右打ち報知演出を確認して、いずれの打ち方をすべきかを判断させるようにすることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【1942】
次に、第7実施形態の主制御装置110において、RAM203に格納される救済条件成立回数格納エリア203qについて説明する。救済条件成立回数格納エリア203qは、特別図柄の動的表示の実行回数に基づいて「普図低確時間短縮状態」に移行するか否かを判定するための救済条件成立回数を記憶するメモリである。
【1943】
MPU201は、電源投入後のRAM203の初期設定時及び大当たり終了時において、救済条件成立回数抽選処理を実施し(
図114のS161及び
図117のS161参照)、該救済条件成立回数抽選処理で抽選された救済条件成立回数の値を救済条件成立回数格納エリア203qへ格納する(
図115のS142参照)。また、大当たり時に初期化処理としてクリアされる(
図116のS604参照)。格納された救済条件成立回数格納エリア203qの値は、救済到達計数処理において、救済条件成立回数に達したか否かの判定処理で参照される(
図47のS5403参照)。
【1944】
次に、
図110を参照して、第7実施形態における音声ランプ制御装置113の詳細な電気的構成について説明する。
図110は、主に第7実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成を示すブロック図である。第2実施形態のブロック図と、第7実施形態のブロック図と、の異なる点は、RAM223において、サブ救済条件成立回数格納エリア223h及びサブベース値格納エリア223oが追加されている点と、RTC245が追加されている点と、である。
【1945】
サブ救済条件成立回数格納エリア223hは、現在のパチンコ機10の救済条件成立回数を記憶するメモリである。
【1946】
音声ランプ制御装置113は、電源投入時及び大当たり終了時において主制御装置110より送信される救済条件成立回数コマンドを受信すると、該当情報をサブ救済条件成立回数格納エリア223hに格納する(
図120のS1274参照)。また、このサブ救済条件成立回数格納エリア223hは、大当たりに当選したタイミングでクリアされる(
図122のS1422参照)。
【1947】
サブベース値格納エリア223nは、主制御装置110によってベース表示装置401に表示されるリアルタイムベース値と同様の値が格納されるエリアである。
【1948】
このサブベース値格納エリア223nは、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理におけるRAMの初期値設定処理においてクリアされる(
図119のS1010参照)。そして、主制御装置110から送信されるベース値コマンドの受信時に、該受信したリアルタイムベース値が格納される(
図120のS1272参照)。
【1949】
第7実施形態のパチンコ機10では、サブベース値格納エリア223oに格納したリアルタイムベース値と、サブ救済条件成立回数格納エリア223hに格納した救済条件成立回数と、に基づいて、現在のパチンコ機10における損益分岐回数を算出し、さらに、該損益分岐回数より大当たり優先報知回数(大当たり優先報知期間と曖昧報知期間との境目となる回転数)及び曖昧報知回数(曖昧報知期間と救済優先報知期間との境目となる回転数)を算出して(
図120のS1275及びS1276参照)、大当たり優先報知期間、曖昧報知期間及び救済優先報知期間を設定する(
図111~113にて詳細を後述)。
【1950】
次いで、RTC245は、現在の日時を計時することができる機能を有しており、RTC制御部246と、レジスタ247と、RTC用電源248とで構成されている。RTC制御部246は、レジスタ247を利用(制御)して、現在の日時の計時など各種の制御を行う。レジスタ247は、レジスタテーブルを有しており、このレジスタテーブルには計時レジスタ247aが含まれている。
【1951】
計時レジスタ247aは、現在の日時を計時するためのレジスタであり、現在日時情報としてのレジスタ値が1秒毎に更新される。本実施形態では、計時レジスタ247aにおける現在日時情報には、現在の「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」を特定可能な情報が含まれている。
【1952】
RTC用電源248は、パチンコ機10の電源とは異なるRTC245専用の電源であり、パチンコ機10の電源が断たれた電断状態でもRTC制御部246及びレジスタ247に電力を供給することができる。したがって、計時レジスタ247aは、電断状態であっても現在日時情報を更新可能である。本実施形態では、RTC用電源248には、ボタン型電池が用いられている。
【1953】
第7実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、RTC245より現在時刻を参照し、現在時刻が20時以降の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の実行回数にかかわらず、大当たり優先報知を行うように構成されている(
図113にて詳細を後述)。
【1954】
次に、
図111及び
図112を参照して、第7実施形態のパチンコ機10において、「通常遊技状態A」中の特
図1小当たり選時に大当たりさせた場合、及び、該小当たり遊技で大当たりさせずに「通常遊技状態A」に戻り、救済条件成立回数まで特別図柄の動的表示を実行させた場合、の各状態別の期待獲得球数について説明する。
図111及び
図112は、第7実施形態の「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり当選時に右打ち遊技を行って大当たりを発生させた場合の平均獲得球数と、該小当たり当選時に右打ち遊技を行わず、「通常遊技状態A」に戻って再び特別図柄の動的表示を実行させ、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行させた場合の平均獲得球数と、について、遊技状態別に2の平均獲得球数の差異をまとめた表である。
【1955】
第7実施形態のパチンコ機10では、この
図111及び
図112の表から算出される損益分岐回数に基づいて、損益分岐回数テーブル222f(
図113参照)が設定されている。また、音声ランプ制御装置113は、電源投入時及び大当たり終了時に主制御装置110より送信される救済条件成立回数コマンドの受信時において損益分岐回数テーブル222fを参照し、その時点でのリアルタイムベース値と救済条件成立回数とに基づいて大当たり優先報知回数格納エリア223m、曖昧報知回数格納エリア223nに値をセットし、大当たり優先報知期間、曖昧報知期間及び救済優先報知期間を設定する。
【1956】
そして、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、設定された大当たり優先報知期間、曖昧報知期間及び救済優先報知期間と、該小当たり当選時の回転数と、を比較し、該小当たり当選時のOP時間において行う右打ち報知演出の内容を決定する。
【1957】
ここで、上述したように、第2実施形態のパチンコ機10では、1の損益分岐回数の値が設定されており、該損益分岐回数に基づいて、1の大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間が設定されている(
図91参照)。そして、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、特別図柄の動的表示の実行回数と、大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間と、を比較して、該小当たり当選時の右打ち報知演出の内容を決定するように構成されている。
【1958】
しかしながら、ホールに設置されているパチンコ機10それぞれには、遊技釘や球発射ユニット112a等の状態により、若干ながら個体差が存在する可能性があり、さらに、遊技者の遊技方法も同一ではないため、第2実施形態のパチンコ機10に設定された損益分岐回数と、実際に遊技されているパチンコ機10における損益分岐回数と、の間に誤差が生じる可能性がある。
【1959】
より詳細には、上述したように、第2実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」におけるベース値は「30」であることを前提として、1の損益分岐回数が設定されている。一方、例えば、長期間のパチンコ機10の稼働によって遊技釘や球発射ユニット112a等の状態が変化し、左打ち遊技時における第1始動口64や一般入賞口63への入賞率が変化することも考えられる。
【1960】
そして、仮に、「通常遊技状態」におけるベース値が変化(例えば、「36」など)した場合、該「通常遊技状態」中の左打ち遊技時において特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出される球の数が変化するため、救済条件成立回数に達するまでの使用する(減少する)持ち玉数も変化する。
【1961】
このような場合、例えば、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり時の右打ち報知演出として大当たり優先報知演出が実行された場合(即ち、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が獲得し得る出玉の期待値が高くなる)であっても、実際には、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が獲得し得る出玉の期待値が高くなることも想定される。
【1962】
従って、第7実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対してコマンド送信されるリアルタイムベース値及び救済条件成立回数に基づいて損益分岐回数を設定し、大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間の算出を行う。
【1963】
このように構成することで、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、より正確な右打ち報知演出を実行することができる。
【1964】
図111のNo.1のケースに示すように、リアルタイムベース値(サブベース値格納エリア223nに格納された値であり、
図111における「ベース値」欄)が「30」で、救済条件成立回数(サブ救済条件成立回数格納エリアに格納された値)が「700回転」の状態において、特
図1小当たりに当選し、該小当たり当選時の回転数(サブ救済カウンタ223iに格納された値)が「400回転」の場合、該小当たり遊技において右打ち遊技を行い、特定領域65dに球を通過させて大当たりさせた場合の連荘終了までに遊技者が獲得し得る平均獲得球数は約4000発(この場合における平均獲得球数を「α」とする)となる。
【1965】
ここでの連荘終了とは、「通常遊技状態A」における特
図1小当たり当選時に右打ち遊技を開始して大当たり状態に移行させてから、「普図高確時間短縮状態(普図高確時間短縮状態A及び普図高確時間短縮状態B)」及び「通常遊技状態B」を経由して、再び「通常遊技状態A」に戻る事象を意味する(
図11参照)。
【1966】
一方、該小当たり当選時において右打ち遊技を行わずに大当たりを発生させなかった場合、救済条件成立回数が「700回転」であって、該小当たり当選時の回転数が「400回転」であるから、救済条件成立回数までの残りの回転数は「300回転」となる。
【1967】
また、第7実施形態のパチンコ機10では、左打ち遊技で発射された球が第1始動口64へ1分間に約6個程度(所謂、S1=6)入賞するように構成されているため、左打ち遊技を継続した場合に、救済条件成立回数に達するまで(即ち、残りの「300回転」を実行するまで)に要する時間は約50分となる(
図111における「救済条件成立回数までの「時間(分)」」欄)。よって、約50分の左打ち遊技で発射した球数は約5000発となり、リアルタイムベース値が「30」であるから、この間に賞球として払い出された球数は約1500発となる。つまり、約50分(約5000発の球の発射時)の左打ち遊技によって消費した球数は約3500発となる(
図111における「救済条件成立回数までの「使用球数」」欄)。
【1968】
また、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行した場合、連荘終了までに遊技者が獲得し得る平均獲得球数は約7000発となる(
図111における「救済条件成立時の平均獲得球数」欄)。
【1969】
ここで、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選してから、該小当たりで大当たりを発生させずに救済条件成立回数に達するまでに消費した球数は約3500発であるから、該特
図1小当たり当選時から、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行した場合の平均獲得球数は、「救済条件成立時の平均獲得球数(7000)-救済条件成立回数までの使用球数(3500)」から、約3500発(この場合における平均獲得球数を「β」とする)となる(
図111における「小当たりA当選時から連荘終了までの「平均獲得球数(β)」」欄)。なお、該特
図1小当たり当選時から、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行させ、連荘が終了するまでの時間は約70分となる(
図111における「小当たりA当選時から連荘終了までの「平均消化時間(分)」」欄)。
【1970】
従って、No.1のケースにおける小当たり当選時の右打ち遊技方法による平均獲得球数は約4000発(α)であって、小当たり当選時の左打ち遊技方法による平均獲得球数は約3500発(β)であるから、2の平均獲得球数の差分(α―β)は約500発となる(
図111における「差分(α-β)」欄)。
【1971】
即ち、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「400回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約500発多くなるように構成されている。
【1972】
同様に、No.2のケースにおいては、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「442回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約10発多くなるように構成されている。
【1973】
さらに、No.3のケースにおいては、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「443回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約2発少なくなるように構成されている。
【1974】
また、No.4のケースにおいては、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「500回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約667発少なくなるように構成されている。
【1975】
このように、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態における「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が442回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【1976】
一方、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態における「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が443回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【1977】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、「443回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【1978】
次いで、No.5のケースにおいては、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「500回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約500発多くなるように構成されている。
【1979】
また、No.6のケースにおいては、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「542回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約10発多くなるように構成されている。
【1980】
さらに、No.7のケースにおいては、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「543回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約2発少なくなるように構成されている。
【1981】
また、No.8のケースにおいては、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「600回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約667発少なくなるように構成されている。
【1982】
従って、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態における「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が542回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【1983】
一方、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態における「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が543回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【1984】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、「543回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【1985】
次いで、No.9のケースにおいては、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「600回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約500発多くなるように構成されている。
【1986】
また、No.10のケースにおいては、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「642回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約10発多くなるように構成されている。
【1987】
さらに、No.11のケースにおいては、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「643回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約2発少なくなるように構成されている。
【1988】
また、No.12のケースにおいては、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「700回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約667発少なくなるように構成されている。
【1989】
従って、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が642回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【1990】
一方、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が643回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【1991】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、「643回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【1992】
次いで、No.13のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「400回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約400発多くなるように構成されている。
【1993】
また、No.14のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「435回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約3発多くなるように構成されている。
【1994】
さらに、No.15のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「436回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約8発少なくなるように構成されている。
【1995】
また、No.16のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「500回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約733発少なくなるように構成されている。
【1996】
従って、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が435回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【1997】
一方、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が436回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【1998】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、「436回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【1999】
次いで、No.17のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「500回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約400発多くなるように構成されている。
【2000】
また、No.18のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「535回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約3発多くなるように構成されている。
【2001】
さらに、No.19のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「536回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約8発少なくなるように構成されている。
【2002】
また、No.20のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「600回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約733発少なくなるように構成されている。
【2003】
従って、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が535回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2004】
一方、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が536回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2005】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、「536回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【2006】
次いで、No.21のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「600回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約400発多くなるように構成されている。
【2007】
また、No.22のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「635回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約3発多くなるように構成されている。
【2008】
さらに、No.23のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「636回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約8発少なくなるように構成されている。
【2009】
また、No.24のケースにおいては、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「700回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約733発少なくなるように構成されている。
【2010】
従って、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が635回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2011】
一方、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が636回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2012】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、「636回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【2013】
次いで、
図112に示すようにNo.1のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「400回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約300発多くなるように構成されている。
【2014】
また、No.2のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「427回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約3発多くなるように構成されている。
【2015】
さらに、No.3のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「428回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約8発少なくなるように構成されている。
【2016】
また、No.4のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「500回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約800発少なくなるように構成されている。
【2017】
従って、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が427回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2018】
一方、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が428回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2019】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、「428回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【2020】
次いで、No.5のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「500回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約300発多くなるように構成されている。
【2021】
また、No.6のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「527回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約3発多くなるように構成されている。
【2022】
さらに、No.7のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「528回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約8発少なくなるように構成されている。
【2023】
また、No.8のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「600回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約800発少なくなるように構成されている。
【2024】
従って、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が527回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2025】
一方、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が528回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2026】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、「528回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【2027】
次いで、No.9のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「600回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約300発多くなるように構成されている。
【2028】
また、No.10のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「627回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約3発多くなるように構成されている。
【2029】
さらに、No.11のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「628回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約8発少なくなるように構成されている。
【2030】
また、No.12のケースにおいては、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「700回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約800発少なくなるように構成されている。
【2031】
従って、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が627回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2032】
一方、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が628回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2033】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、「628回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【2034】
次いで、No.13のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「400回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約200発多くなるように構成されている。
【2035】
また、No.14のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「418回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約8発多くなるように構成されている。
【2036】
さらに、No.15のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「419回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約3発少なくなるように構成されている。
【2037】
また、No.16のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「700回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「500回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約867発少なくなるように構成されている。
【2038】
従って、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が418回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2039】
一方、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が419回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2040】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、「419回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【2041】
次いで、No.17のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「500回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約200発多くなるように構成されている。
【2042】
また、No.18のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「518回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約8発多くなるように構成されている。
【2043】
さらに、No.19のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「519回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約3発少なくなるように構成されている。
【2044】
また、No.20のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「800回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「600回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約867発少なくなるように構成されている。
【2045】
従って、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が518回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2046】
一方、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が519回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2047】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、「519回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【2048】
次いで、No.21のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「600回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約200発多くなるように構成されている。
【2049】
また、No.22のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「618回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約8発多くなるように構成されている。
【2050】
さらに、No.23のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「619回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約3発少なくなるように構成されている。
【2051】
また、No.24のケースにおいては、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「900回転」の状態において、特別図柄の低確率状態における回転数が「700回転」の時点で特
図1小当たりに当選した場合、小当たり当選時の右打ち遊技方法(α)の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法(β)と比較して、遊技者が獲得し得る平均獲得球数が約867発少なくなるように構成されている。
【2052】
従って、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が618回転以内であれば、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2053】
一方、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の回転数が619回転以降であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも遊技者が獲得し得る平均獲得球数が多くなるように構成されている。
【2054】
よって、第7実施形態のパチンコ機10では、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、「619回転」を損益分岐回数として後述する損益分岐回数テーブル222fに格納している(
図113参照)。
【2055】
このように、救済条件成立回数とリアルタイムベース値とを参照することで、より正確に損益分岐回数を算出することができ、より正確な大当たり優先報知期間、曖昧報知期間及び救済優先報知期間を把握することができる。その結果、特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出において、より正確な示唆演出を実行することができる。
【2056】
次に、
図113を参照して、第7実施形態の損益分岐回数テーブル222fについて説明する。
図113は、第7実施形態において、音声ランプ制御装置113のROM222に記憶される損益分岐回数テーブル222fの一例を模式的に示した模式図である。上述したように、損益分岐回数テーブル222fは、
図111及び
図112の各状態別の期待獲得球数表に基づいて設定されている。また、損益分岐回数テーブル222fは、リアルタイムベース値と、救済条件成立回数とに基づいて、損益分岐回数、大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間が規定されている。音声ランプ制御装置113は、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の実行回数と、損益分岐回数テーブル222fに規定された大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間とを比較して、該小当たり遊技のOP時間において実行する右打ち報知演出の内容を決定する。
【2057】
従って、
図113に示すように、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、損益分岐回数が「443回転」、大当たり優先報知期間が「0~423回転」、曖昧報知期間が「424~463回転」、救済優先報知期間が「464~700回転」に設定されている。
【2058】
次いで、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、損益分岐回数が「543回転」、大当たり優先報知期間が「0~523回転」、曖昧報知期間が「524~563回転」、救済優先報知期間が「564~800回転」に設定されている。
【2059】
次いで、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、損益分岐回数が「643回転」、大当たり優先報知期間が「0~623回転」、曖昧報知期間が「624~663回転」、救済優先報知期間が「664~900回転」に設定されている。
【2060】
次いで、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、損益分岐回数が「436回転」、大当たり優先報知期間が「0~416回転」、曖昧報知期間が「417~456回転」、救済優先報知期間が「457~700回転」に設定されている。
【2061】
次いで、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、損益分岐回数が「536回転」、大当たり優先報知期間が「0~516回転」、曖昧報知期間が「517~556回転」、救済優先報知期間が「557~800回転」に設定されている。
【2062】
次いで、リアルタイムベース値が「32」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、損益分岐回数が「636回転」、大当たり優先報知期間が「0~616回転」、曖昧報知期間が「617~656回転」、救済優先報知期間が「657~900回転」に設定されている。
【2063】
次いで、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、損益分岐回数が「428回転」、大当たり優先報知期間が「0~408回転」、曖昧報知期間が「409~448回転」、救済優先報知期間が「449~700回転」に設定されている。
【2064】
次いで、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、損益分岐回数が「528回転」、大当たり優先報知期間が「0~508回転」、曖昧報知期間が「509~548回転」、救済優先報知期間が「549~800回転」に設定されている。
【2065】
次いで、リアルタイムベース値が「34」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、損益分岐回数が「628回転」、大当たり優先報知期間が「0~608回転」、曖昧報知期間が「609~648回転」、救済優先報知期間が「649~900回転」に設定されている。
【2066】
次いで、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「700回転」の場合、損益分岐回数が「419回転」、大当たり優先報知期間が「0~399回転」、曖昧報知期間が「400~439回転」、救済優先報知期間が「440~700回転」に設定されている。
【2067】
次いで、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「800回転」の場合、損益分岐回数が「519回転」、大当たり優先報知期間が「0~499回転」、曖昧報知期間が「500~539回転」、救済優先報知期間が「540~800回転」に設定されている。
【2068】
次いで、リアルタイムベース値が「36」で、救済条件成立回数が「900回転」の場合、損益分岐回数が「619回転」、大当たり優先報知期間が「0~599回転」、曖昧報知期間が「600~639回転」、救済優先報知期間が「640~900回転」に設定されている。
【2069】
なお、リアルタイムベース値が「30」より小さい値である場合は「30」を、「31」である場合は「32」を、「33」である場合は「34」を、「35」である場合は「36」を、「37」より大きい値である場合は「36」を、それぞれ参照するように構成されている。
【2070】
また、上述したように、小当たり当選時の特別図柄の動的表示の実行回数が損益分岐回数よりも大きい値となっている状態で小当たり当選時の左打ち遊技方法を実行した場合、該小当たり当選時から「普図低確時間短縮状態」への移行に伴う連荘終了までの平均消化時間は約60分程度となる(
図111及び
図112参照)。
【2071】
よって、例えば、パチンコホールにおいて第7実施形態のパチンコ機10を遊技している場合で、該パチンコホールの閉店30分前において、救済優先報知期間に特
図1小当たりに当選した場合、本来であれば、小当たり当選時の左打ち遊技方法を実行した方が、遊技者が獲得し得る平均獲得球数は多くなるが、この状況において大当たりを発生させずに左打ち遊技を継続すると、救済条件成立回数に達する前に、又は、救済条件成立回数に達して「普図低確時間短縮状態」に移行して連荘を継続している最中に閉店時間となってしまい、結果的に遊技者が本来獲得し得る出玉よりも少なくなってしまうおそれがある。
【2072】
このため、第7実施形態のパチンコ機10では、通常のパチンコホールにおける閉店時間を考慮し、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、RTC245(
図110参照)より現在時刻を参照し、現在時刻が20時以降の場合、該小当たり当選時の特別図柄の動的表示の実行回数にかかわらず、大当たり優先報知を行うように構成されている。
【2073】
このように構成することで、パチンコホールの閉店時間が近い場合であっても、遊技者が安心してパチンコ機10を遊技することができる。
【2074】
次に、
図114から
図118のフローチャートを参照して、第7実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。第2実施形態の各制御処理と、第7実施形態の各制御処理との異なる点は、主に、救済条件成立回数の抽選処理が追加されている点と、該救済条件成立回数及びベース値に関わるコマンドを音声ランプ制御装置113に送信する処理が追加されている点と、である。
【2075】
まず、
図114は、第7実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。第1実施形態の立ち上げ処理と、第7実施形態の立ち上げ処理との異なる点は、救済条件成立回数抽選処理が追加されている点である。
【2076】
第7実施形態の立ち上げ処理では、S117の処理を終えると、救済条件成立回数を設定すべく、救済条件成立回数抽選処理を実行し(S161)、処理をS113に移行する。
【2077】
ここで、
図115を参照して、第7実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される救済条件成立回数抽選処理(S161)について説明する。
図115は、第7実施形態の救済条件成立回数抽選処理(S161)を示すフローチャートである。
【2078】
この救済条件成立回数抽選処理(S161)は、パチンコ機10の電源投入時のRAM203の初期化処理時および大当たり終了時、即ち、救済条件成立回数が初期化されるタイミングにおいて実行され、救済条件成立回数を新たに設定するための処理である。
【2079】
この救済条件成立回数抽選処理(S161)では、まず、救済条件成立回数を抽選する(S141)。この抽選処理では、救済条件成立回数テーブル202n(
図109参照)に設定された3の値(「700回」、「800回」又は「900回」のいずれか)の中から1の値が無作為に抽選される。
【2080】
次いで、S141の処理における抽選結果を救済条件成立回数格納エリア203qに格納し(S142)、この救済条件成立回数抽選処理(S161)を終了して、立ち上げ処理(
図114参照)に戻る。
【2081】
図114の立ち上げ処理に戻って、説明を続ける。S113の処理を終えると、救済条件成立回数コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S162)、処理をS163に移行する。
【2082】
第1実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113は電源のバックアップ機能を有しておらず、該音声ランプ制御装置113内のRAM223は立ち上げ処理によって初期化されるため(
図119のS1010参照)、パチンコ機10の立ち上げ処理の都度、設定値コマンド及び救済条件成立回数コマンドが設定され、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に送信されるように構成されている。
【2083】
ここで設定された救済条件成立回数コマンドは、タイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)において、音声ランプ制御装置113へと送信される。音声ランプ制御装置113は、救済条件成立回数コマンドを受信すると、該救済条件成立回数より大当たり優先報知回数及び曖昧報知回数を算出し、各情報をRAM223に設けられた各エリアに格納する(
図120にて後述)。
【2084】
次いで、
図116を参照して、第7実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(
図40参照)の一処理である当たり処理(S203)について説明する。
図116は、第7実施形態の当たり処理(S203)を示したフローチャートである。第2実施形態の当たり処理(S203)と、第7実施形態の当たり処理(S203)との異なる点は、大当たり時に救済条件成立回数格納エリア203qのクリア処理が追加されている点である。
【2085】
第7実施形態の当たり処理(S203)では、S603の処理を終えると、救済条件成立回数格納エリア203qをクリアし(S604)、処理をS605に移行する。
【2086】
次いで、
図117を参照して、第7実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行される当たり処理(S203)の一処理である大当たり終了処理(S622)について説明する。
図117は、第7実施形態の大当たり終了処理(S610)を示したフローチャートである。第2実施形態の大当たり終了処理(S610)と、第7実施形態の大当たり終了処理(S610)との異なる点は、救済条件成立回数に関わる処理が追加されている点である。
【2087】
第7実施形態の大当たり終了処理(S610)では、S6611の処理を終えると、次いで、救済条件成立回数を設定すべく、救済条件成立回数抽選処理を実行し(S161)、設定された救済条件成立回数に基づいて救済条件成立回数コマンドを生成して、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに設定し(S162)、処理をS6613に移行する。
【2088】
次いで、
図118を参照して、第7実施形態において、主制御装置110内のMPU201により実行されるベース値処理(S251)について説明する。
図118は、第7実施形態のベース値処理(S251)を示すフローチャートである。第2実施形態のベース値処理(S251)と、第7実施形態のベース値処理(S251)との異なる点は、算出されたベース値に基づいて、音声ランプ制御装置113に送信するためのコマンド設定処理が追加されている点である。
【2089】
第7実施形態のベース値処理(S251)では、S853の処理を終えると、ベース値コマンドを設定して(S854)、このベース値処理(S251)を終了する。なお、S854の処理で設定されたベース値コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(
図40のS201参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
【2090】
音声ランプ制御装置113は、ベース値コマンドを受信すると、該受信したリアルタイムベース値をサブベース値格納エリア223nに格納する。そして、電源投入時及び大当たり終了時において、該サブベース値格納エリア223nに格納したリアルタイムベース値及びサブ救済条件成立回数格納エリア223hに格納した救済条件成立回数に基づいて大当たり優先報知回数及び曖昧報知回数を算出する(
図120にて後述)。
【2091】
次に、
図119から
図123を参照して、第7実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。第2実施形態の各制御処理と、第7実施形態の各制御処理との異なる点は、主に、ベース値コマンド及び救済条件成立回数コマンドに関わる処理が追加されている点である。
【2092】
まず、
図119を参照して、第7実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。
図119は、第7実施形態の立ち上げ処理を示したフローチャートである。第2実施形態の立ち上げ処理と、第7実施形態の立ち上げ処理との異なる点は、大当たり優先報知回数格納エリア223m及び曖昧報知回数格納エリア223nに値を格納する処理が削除されている点である。
【2093】
上述したように、第2実施形態のパチンコ機10では、大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間が、それぞれ1の値に設定されるため、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理において、大当たり優先報知回数格納エリア223m及び曖昧報知回数格納エリア223nに値を格納するように構成されていた(
図92参照)。
【2094】
一方、第7実施形態のパチンコ機10では、現在の救済条件成立回数とベース値とによって大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間が決定されるため、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理では大当たり優先報知回数格納エリア223m及び曖昧報知回数格納エリア223nに値の格納は行わず、救済関連コマンド受信処理において行われる(
図120にて後述)。
【2095】
次いで、
図120を参照して、第7実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される救済関連コマンド受信処理(S1214)について説明する。
図120は、第7実施形態の救済関連コマンド受信処理(S1214)を示したフローチャートである。第2実施形態の救済関連コマンド受信処理(S1214)と、第7実施形態の救済関連コマンド受信処理(S1214)との異なる点は、ベース値コマンド及び救済条件成立回数コマンドに関わる処理が追加されている点である。
【2096】
第7実施形態の救済関連コマンド受信処理(S1214)では、まず、主制御装置110よりベース値コマンドを受信したか否かを判別する(S1271)。判別の結果、ベース値コマンドを受信していれば(S1271:Yes)、受信したリアルタイムベース値をサブベース値格納エリア223nに格納し(S1272)、この救済関連コマンド受信処理(S1214)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【2097】
S1271の処理において、ベース値コマンドを受信していないと判別された場合(S1271:No)、次いで、主制御装置110より救済条件成立回数コマンドを受信したか否かを判別する(S1273)。判別の結果、救済条件成立回数コマンドを受信していれば(S1273:Yes)、受信した救済条件成立回数をサブ救済条件成立回数格納エリア223hに格納する(S1274)。その後、該救済条件成立回数及びサブベース値格納エリア223nに格納されたリアルタイムベース値より、損益分岐回数テーブル222f(
図113参照)に基づいて大当たり優先報知回数及び曖昧報知回数を算出して、大当たり優先報知回数格納エリア223m及び曖昧報知回数格納エリア223nにそれぞれ格納し(S1275及びS1276)、この救済関連コマンド受信処理(S1214)を終了して、コマンド判定処理(
図62参照)に戻る。
【2098】
なお、上述したように、S1275及びS1276の処理は、損益分岐回数テーブル222f(
図113照)を参照して算出される。例えば、リアルタイムベース値が「30」で、救済条件成立回数が「700回」である場合、大当たり優先報知期間が「0~423回転」、曖昧報知期間が「424~463回転」、救済優先報知期間が「464~700回転」に設定されているため、大当たり優先報知回数格納エリア223mに「424回転」が、曖昧報知回数格納エリア223nに「464回転」が、それぞれ格納される。
【2099】
一方、S1273の処理において、救済条件成立回数コマンドを受信していないと判別された場合(S1273:No)、処理をS1277に移行する。
【2100】
次いで、
図121を参照して、第7実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)について説明する。
図121は、第7実施形態の表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)を示したフローチャートである。第2実施形態の表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)と、第7実施形態の表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)と、の異なる点は、現在時刻の判別処理が追加されている点である。
【2101】
第7実施形態の表示用特
図1停止種別コマンド設定処理(S1308)では、S1374の判別の結果、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされていない場合、即ち、サブ救済設定済みフラグ223jがオフ状態の場合(S1374:No)、前回の大当たり(又は、電源投入時のRAM203初期化処理)から一度も救済条件成立回数に達していないため、次いで、RTC245の計時レジスタ247aより現在時刻を読み込み、現在時刻が20時以降であるか否かを判別する(S1375)。
【2102】
S1375の処理において、現在時刻が20時以降でないと判別された場合(S1375:No)、現在時刻は20時より前の時間帯であって、救済条件成立回数まで特別図柄の動的表示を実行し、「普図低確時間短縮状態」へ移行させて連荘状態を消化する時間があると判断し、処理をS1381に移行する。
【2103】
一方、S1375の処理において、現在時刻が20時以降であると判別された場合(S1375:Yes)、救済条件成立回数まで特別図柄の動的表示を実行し、「普図低確時間短縮状態」へ移行させて連荘状態を消化する時間がないと判断し、処理をS1377に移行する。
【2104】
次いで、
図122を参照して、第7実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり演出処理(S1105)について説明する。
図122は、第7実施形態の当たり演出処理(S1105)を示したフローチャートである。第2実施形態の当たり演出処理(S1105)と、第7実施形態の当たり演出処理(S1105)と、の異なる点は、サブ救済条件成立回数格納エリア223hのクリア処理が追加されている点である。
【2105】
第7実施形態の当たり演出処理(S1105)では、S1401の判別の結果、大当たりに当選した場合(S1401:Yes)、初期化処理として、サブ救済条件成立回数格納エリア223h、大当たり優先報知回数格納エリア223m及び曖昧報知回数格納エリア223nをクリアし(S1422)、処理をS1403に移行する。
【2106】
次いで、
図123を参照して、第7実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)について説明する。
図123は、第7実施形態の小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)を示したフローチャートである。第2実施形態の小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)と、第7実施形態の小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)との異なる点は、現在時刻の判別処理が追加されている点である。
【2107】
第7実施形態の小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409)では、S1503の判別の結果、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされていない場合、即ち、サブ救済設定済みフラグ223jがオフ状態の場合(S1503:No)、前回の大当たり(又は、電源投入時のRAM203初期化処理)から一度も救済条件成立回数に達していないため、次いで、RTC245の計時レジスタ247aより現在時刻を読み込み、現在時刻が20時以降であるか否かを判別する(S1504)。
【2108】
S1504の処理において、現在時刻が20時以降でないと判別された場合(S1504:No)、現在時刻は20時より前の時間帯であって、救済条件成立回数まで特別図柄の動的表示を実行し、「普図低確時間短縮状態」へ移行させて連荘状態を消化する時間があると判断し、処理をS1515に移行する。
【2109】
一方、S1504の処理において、現在時刻が20時以降であると判別された場合(S1504:Yes)、救済条件成立回数まで特別図柄の動的表示を実行し、「普図低確時間短縮状態」へ移行させて連荘状態を消化する時間がないと判断し、処理をS1506に移行する。
【2110】
以上、説明したように、第7実施形態のパチンコ機10では、電源投入時のRAM203初期化処理時及び大当たり遊技の終了時に救済条件成立回数テーブル202nを参照し、複数の救済条件成立回数(即ち、「700回」、「800回」又は「900回」)の中から、遊技状態及びその他の状況にかかわらず無作為に1の救済条件成立回数を抽選するように構成する。
【2111】
このように構成することで、大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間の各値が一意ではなくなり、複数種類の期間が設定され得るようにすることができる。
【2112】
その結果、遊技ホールの開店時からパチンコ機10の遊技を開始した場合における設定値の変更有無の判別を困難にすることができ、パチンコ機10の稼働低下を軽減することができる。
【2113】
また、第7実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110によって算出されたリアルタイムベース値及び救済条件成立回数を音声ランプ制御装置113にコマンド送信し、音声ランプ制御装置113において、リアルタイムベース値及び救済条件成立回数から、大当たり優先報知期間、曖昧報知期間および救済優先報知期間を算出するように構成する。
【2114】
このように構成することで、より正確な大当たり優先報知期間、曖昧報知期間及び救済優先報知期間を把握することができる。その結果、特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出において、より正確な示唆演出を実行することができる。
【2115】
その他、第7実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
【2116】
<第8実施形態>
次いで、
図124を参照して、本発明を適用した第8実施形態のパチンコ機10について説明する。以下、第8実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態及び第2実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第8実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態及び第2実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態及び第2実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【2117】
従来、所定の期間が経過した後に予め定めた遊技者に有利な遊技状態に移行して遊技者に利益を付与する遊技機がある。有利な遊技状態において、遊技者の遊技により所定の条件が成立した場合に遊技者は賞球を得ることができる。
【2118】
このような遊技機において、所定の期間における遊技者への有利な遊技状態の発生に対する示唆は十分に好適なものではなく、さらなる示唆の内容の向上が求められている。
【2119】
具体的には、例えば、所定期間において、有利な遊技状態の発生に対する示唆が一様である場合、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低を遊技者が理解することができない。また、示唆を利益の高低に応じて変化させることに関して生じる興趣も得ることができない。
【2120】
本発明は上記の問題点を鑑みて発明されたものであり、所定期間における有利な遊技状態の発生に対する示唆を好適に行い、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低に対する遊技者の理解を深め、示唆に関する興趣を高めることを目的としている。
【2121】
より具体的には、例えば、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において、大当たりを発生可能な(即ち、特定領域65dを通過可能な)小当たり当選時に、該小当たりで大当たりを発生させるか否かの選択肢を設けた遊技性とすることで、遊技のバリエーションを豊富にするとともに、遊技者に対して、獲得可能な出玉の期待値がより高くなる打ち方報知を実行できる遊技機を提供することを目的としている。
【2122】
本目的を達成するために、第8実施形態のパチンコ機10は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、前記利益発生手段は、前記特定の遊技状態では、前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、遊技者による前記所定の遊技操作に基づいて前記所定の遊技条件が成立した場合にのみ前記特定利益を発生させる。
【2123】
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「射出装置」を備え、「始動入球領域」としての「始動検知領域」を備え、「表示手段」としての「結果報知装置」を備え、「可変入球手段」としての「可動装置」を備え、「更新条件」としての「遊技条件」を備え、「特定情報」としての「遊技情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「更新状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「付与利益」を備え、「報知態様」としての「通知態様」を備え、「報知制御手段」としての「表示制御」を備え、「判定手段」としての「判別制御」を備え、「特定判定結果」としての「制御判定結果」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定利益」としての「付与価値」を備え、「利益発生手段」としての「利益付与制御」を備え、「所定タイミング」としての「所定時期」を備え、「特定タイミング」としての「特定時期」を備える。
【2124】
なお、発射手段は、該発射手段によって発射された遊技球が始動入球領域に入球可能となるように発射できるものであればよく、例えば、電動式の発射制御装置、又は、手動式の発射装置などが挙げられる。
【2125】
また、所定の利益状態は、遊技者に何らかの利益を付与可能なものであればよく、例えば、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の特典画像の表示、特定の特典音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
【2126】
さらに、「特定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する特定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【2127】
また、可変入球手段は、複数回の可変動作が実行可能なものであればよく、例えば、可変入賞装置(大入賞口)、小入賞口、普通電役、非電動式入賞口、その他可動式の入球手段などが挙げられる。
【2128】
さらに、特定利益は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発行手段の発光制御、などが挙げられる。
【2129】
また、特定情報は、遊技機において更新条件が発生した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、かつ、更新状態によって所定の期間を識別可能なものであって、本発明の要旨を実現可能であればよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファ、フラグ、予め定められた一連のデータ群、又は、データ群における現在の更新位置を把握するためのポインタ、特別図柄の動的表示の実行回数、特別図柄の動的表示が実行を開始してからの時間、特別図柄の動的表示が実行を停止してからの時間、特定の遊技状態における特別図柄の動的表示の実行回数、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行するまでの特別図柄の動的表示の残り実行回数、大入賞口など可動体の1の可動における可動時間、大入賞口など可動体の1の可動が停止した場合の停止してからの時間、大入賞口などの入賞口の1の開放における入賞数、表示手段によって所定の図柄の抽選結果を表示するための描画情報、遊技機の立ち上げ処理開始からの時間、遊技機の設定値、主制御装置から副制御装置へ送信するためのコマンド情報、副制御装置から表示制御装置へ送信するためのコマンド情報、特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出された球の数(ベース値)、遊技機に何らかの異常が発生したことをホール関係者に報知するためのエラー情報若しくは報知態様、電源断の発生情報、現在時刻、枠ボタンの入力有無などが挙げられる。
【2130】
さらに、特定情報を更新する更新手段は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード等であってもよく、ハード回路による更新であってもよい。
【2131】
また、判定手段は、始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行するものであればよく、例えば、始動入賞処理、特図変動処理、変動開始処理、当たり処理、ゲート通過処理、普図変動処理などが挙げられる。
【2132】
さらに、所定の更新状態は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、例えば、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になること、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になること、所定のフラグがオンされること、所定のフラグがオフされること、所定の時間が経過すること、所定の期間が経過すること、予め定められた一連のデータ群をすべて使用すること、所定領域への入球が検知されること、遊技者による枠ボタンの入力が検知されることなどが挙げられる。
【2133】
また、始動入球領域は、遊技球が入球することで所定の図柄の変動表示が可能となるものであればよく、例えば、特
図1始動口、特
図2始動口、普図始動口などが挙げられる。
【2134】
さらに、表示手段は、所定の図柄の抽選結果を報知可能なものであればよく、例えば、第3図柄表示装置、セグメント表示装置、ドラム表示装置、光導光式の導光板、又は、各表示装置に表示するための制御装置などが挙げられる。
【2135】
また、特定の遊技状態は、特定情報が更新手段に更新されて所定の更新状態となった場合に所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、例えば、更新条件が発生した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態は、例えば、所謂変動によって特定情報を更新可能な「通常遊技状態」、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、「確率変動状態」、「時間短縮状態」、電源投入から所定の大当たりが発生するまでの状態、電源投入から所定の大当たりが終了するまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が開始されてから、該動的表示が終了されるまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が終了してから、次の動的表示が実行開始可能となるまでの状態、大当たりとなる特別図柄の動的表示の実行から終了してから、大当たり遊技が開始されるまでの状態、大当たり遊技が開始されてから、大当たり遊技が終了して特別図柄の動的表示が実行可能となるまでの状態、大当たり遊技が開始されることとなる入球口への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示が実行されておらず、始動入球領域への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示の実行中のうち、遊技者による枠ボタンの入力を待機している状態、などが挙げられる。
【2136】
さらに、特定判定結果は、判定手段によって導出される結果であればよく、例えば、特別図柄の動的表示が大当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の大当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示が小当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の小当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示がハズレに当選すること、特別図柄の動的表示が時短図柄に当選すること、特別図柄の動的表示が転落抽選に該当すること、特別図柄の動的表示の実行回数が特定回数に達すること、普通図柄の可変表示が当たりに当選すること、普通図柄の可変表示がハズレに当選すること、特定の遊技状態に移行することなどが挙げられる。
【2137】
また、所定の遊技条件は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、例えば、遊技球を発射すること、遊技球の発射を停止すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、発射された遊技球が所定の領域に所定球数以上入球すること、発射された遊技球が所定の領域に入球しないこと、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出ボタンを操作すること、遊技者が演出ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
【2138】
さらに、更新条件は、所定の図柄の変動表示があらかじめ定められた状態となったか否かを判別可能なものであればよく、例えば、特別図柄の動的表示が実行を開始すること、特別図柄の動的表示が実行中であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以上であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以内であること、特別図柄の動的表示が実行を停止すること、特別図柄の動的表示が実行を停止してから、次の特別図柄の動的表示が実行開始可能となるまでの間であること、特別図柄の動的表示が実行不可であること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数に達すること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数よりも少なくなること、遊技機の立ち上げ処理が実行されること、主制御装置から副制御装置へコマンド送信されること、副制御装置がコマンドを受信すること、表示制御装置がコマンドを受信すること、各種処理を実行するための期間が経過すること、各種処理を実行するための命令が発生すること、各種処理を実行するためのコマンドが発生することなどが挙げられる。
【2139】
また、「所定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する所定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【2140】
さらに、報知態様は、少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能となるものであればよく、例えば、文字情報の種類、数字情報の内容、絵柄の種類、キャラクタの種類、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度、それらの表示時間、それらの表示回数を異ならせることで、発射態様の示唆の識別、発射可否の示唆の識別、遊技可否の示唆の識別、操作手段に対する操作実行タイミングの識別、遊技状態の示唆の識別、賞球数の多寡の識別、ラウンド数の大小の識別、確変図柄と通常図柄との識別、時短図柄と通常図柄との識別、確変図柄と時短図柄との識別、を可能にすることなどが挙げられる。
【2141】
ここで、
図124を参照して、第8実施形態のパチンコ機10において、第3図柄表示装置81で行われる演出について説明する。
図124は、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示した図である。
【2142】
より詳細には、
図124(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「550」(即ち、曖昧報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図124(b)は、
図124(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【2143】
また、
図124(c)は、
図124(b)の状態から、遊技者の右打ち遊技によって特定領域65dを球が通過したことを報知している状態を示した図であり、
図124(d)は、
図124(c)の状態から、大当たり状態に移行したことを示した図である。
【2144】
図124(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【2145】
図124(a)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「550」となっており、
図91に示す損益分岐回数テーブル222fにおいて、曖昧報知期間における変動演出であることを示している。
【2146】
また、主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、特
図1小当たりに当選したことを示している。なお、第8実施形態のパチンコ機10では、曖昧報知期間において、小当たり当選時の右打ち遊技方法を実行した場合と、小当たり当選時の左打ち遊技方法を実行した場合と、において、遊技者が獲得し得る出玉の期待値を比較すると、その差異は僅少であるため、いずれかの打ち方をすることで明確に平均獲得球数が多くなるとは言い難い程度の差異となっている。
【2147】
よって、
図124(a)の状況では、この後実行される小当たり遊技において、右打ち遊技の実行有無にかかわらず、獲得し得る出玉の期待値に大きな差異がないことを示唆するために、第3図柄81bの左右の各図柄列に同一図柄(ここでは数字の「2」)を停止させ、中央の図柄列に「チャレンジ図柄」の文字が記載された主図柄を停止させている。
【2148】
次いで、
図124(b)は、
図124(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。
【2149】
また、主表示領域Dmの中段右部分には「右打ち?」の文字メッセージ81gが表示されており、右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【2150】
さらに、主表示領域Dmの下段右部分には「V獲得で大当たりよ」の文字メッセージ81hが表示されており、こちらも右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。
【2151】
また、主表示領域Dmの左部分には女性が首をかしげているキャラクタ図柄81jが表示されており、こちらも右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える表示となっている。なお、主表示領域Dmの右上部分には主表示用右打ち指示89が表示されており、該小当たり遊技において右打ち遊技することを示唆している。
【2152】
このように、第8実施形態のパチンコ機10では、曖昧期間中に特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出は、大当たり優先期間中及び救済優先期間中に特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出(
図97(b)及び
図97(d)参照)とは全く異なる報知演出を実行するように構成されている。
【2153】
このように構成することで、大当たり優先期間中及び救済優先期間中とは異なる期間であることを遊技者に示唆することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2154】
次いで、
図124(c)は、
図124(b)の状態から、遊技者の右打ち遊技によって特定領域65dを球が通過したことを報知している状態を示している。主表示領域Dmの中央部分には、「V獲得」の文字メッセージ81oが表示されており、遊技者の右打ち遊技によって特定領域65dを球が通過し、大当たり状態に移行することを示している。
【2155】
次いで、
図124(d)は、
図124(c)の状態から、大当たり状態に移行したことを示している。主表示領域Dmの左上部分には、「2R」の大当たりラウンド表示81oが表示されており、小当たり遊技において特定領域65dを球が通過したことに基づいて大当たり状態へ移行し、2R目が開始されたことを示している。また、主表示領域Dmの中央部分には女性が踊っているキャラクタ図柄81jが表示されている。
【2156】
以上、説明したように、第8実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、遊技者の右打ち遊技によって特定領域65dを球が通過した場合にのみ大当たり状態に移行するように構成する。
【2157】
このように構成することで、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合であっても、遊技者が右打ち遊技を行わず、特定領域65dを球が通過しなければ、大当たり状態に移行しないようにすることができる。
【2158】
その結果、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に実行される右打ち報知演出を遊技者が確認し、遊技者自身が右打ち遊技を行って特定領域65dを通過させるか否かで大当たり状態を発生させるか否かを決定することができ、遊技の興趣を向上することができる。
【2159】
その他、第8実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
【2160】
<第9実施形態>
次いで、
図125を参照して、本発明を適用した第9実施形態のパチンコ機10について説明する。以下、第9実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第9実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【2161】
従来、所定の期間が経過した後に予め定めた遊技者に有利な遊技状態に移行して遊技者に利益を付与する遊技機がある。有利な遊技状態において、遊技者の遊技により所定の条件が成立した場合に遊技者は賞球を得ることができる。
【2162】
このような遊技機において、所定の期間における遊技者への有利な遊技状態の発生に対する示唆は十分に好適なものではなく、さらなる示唆の内容の向上が求められている。
【2163】
具体的には、例えば、所定期間において、有利な遊技状態の発生に対する示唆が一様である場合、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低を遊技者が理解することができない。また、示唆を利益の高低に応じて変化させることに関して生じる興趣も得ることができない。
【2164】
本発明は上記の問題点を鑑みて発明されたものであり、所定期間における有利な遊技状態の発生に対する示唆を好適に行い、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低に対する遊技者の理解を深め、示唆に関する興趣を高めることを目的としている。
【2165】
より具体的には、例えば、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」において、大当たりを発生可能な(即ち、特定領域65dを通過可能な)小当たり当選時に、該小当たりで大当たりを発生させるか否かの選択肢を設けた遊技性とすることで、遊技のバリエーションを豊富にするとともに、遊技者に対して、獲得可能な出玉の期待値がより高くなる打ち方報知を実行できる遊技機を提供することを目的としている。
【2166】
本目的を達成するために、第9実施形態のパチンコ機10は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、前記利益発生手段は、前記特定の遊技状態では、前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、遊技者による前記所定の遊技操作に基づいて前記所定の遊技条件が成立した場合にのみ前記特定利益を発生させる。
【2167】
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「射出装置」を備え、「始動入球領域」としての「始動検知領域」を備え、「表示手段」としての「結果報知装置」を備え、「可変入球手段」としての「可動装置」を備え、「更新条件」としての「遊技条件」を備え、「特定情報」としての「遊技情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「更新状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「付与利益」を備え、「報知態様」としての「通知態様」を備え、「報知制御手段」としての「表示制御」を備え、「判定手段」としての「判別制御」を備え、「特定判定結果」としての「制御判定結果」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定利益」としての「付与価値」を備え、「利益発生手段」としての「利益付与制御」を備え、「所定タイミング」としての「所定時期」を備え、「特定タイミング」としての「特定時期」を備える。
【2168】
なお、発射手段は、該発射手段によって発射された遊技球が始動入球領域に入球可能となるように発射できるものであればよく、例えば、電動式の発射制御装置、又は、手動式の発射装置などが挙げられる。
【2169】
また、所定の利益状態は、遊技者に何らかの利益を付与可能なものであればよく、例えば、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の特典画像の表示、特定の特典音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
【2170】
さらに、「特定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する特定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【2171】
また、可変入球手段は、複数回の可変動作が実行可能なものであればよく、例えば、可変入賞装置(大入賞口)、小入賞口、普通電役、非電動式入賞口、その他可動式の入球手段などが挙げられる。
【2172】
さらに、特定利益は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発行手段の発光制御、などが挙げられる。
【2173】
また、特定情報は、遊技機において更新条件が発生した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、かつ、更新状態によって所定の期間を識別可能なものであって、本発明の要旨を実現可能であればよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファ、フラグ、予め定められた一連のデータ群、又は、データ群における現在の更新位置を把握するためのポインタ、特別図柄の動的表示の実行回数、特別図柄の動的表示が実行を開始してからの時間、特別図柄の動的表示が実行を停止してからの時間、特定の遊技状態における特別図柄の動的表示の実行回数、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行するまでの特別図柄の動的表示の残り実行回数、大入賞口など可動体の1の可動における可動時間、大入賞口など可動体の1の可動が停止した場合の停止してからの時間、大入賞口などの入賞口の1の開放における入賞数、表示手段によって所定の図柄の抽選結果を表示するための描画情報、遊技機の立ち上げ処理開始からの時間、遊技機の設定値、主制御装置から副制御装置へ送信するためのコマンド情報、副制御装置から表示制御装置へ送信するためのコマンド情報、特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出された球の数(ベース値)、遊技機に何らかの異常が発生したことをホール関係者に報知するためのエラー情報若しくは報知態様、電源断の発生情報、現在時刻、枠ボタンの入力有無などが挙げられる。
【2174】
さらに、特定情報を更新する更新手段は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード等であってもよく、ハード回路による更新であってもよい。
【2175】
また、判定手段は、始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行するものであればよく、例えば、始動入賞処理、特図変動処理、変動開始処理、当たり処理、ゲート通過処理、普図変動処理などが挙げられる。
【2176】
さらに、所定の更新状態は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、例えば、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になること、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になること、所定のフラグがオンされること、所定のフラグがオフされること、所定の時間が経過すること、所定の期間が経過すること、予め定められた一連のデータ群をすべて使用すること、所定領域への入球が検知されること、遊技者による枠ボタンの入力が検知されることなどが挙げられる。
【2177】
また、始動入球領域は、遊技球が入球することで所定の図柄の変動表示が可能となるものであればよく、例えば、特
図1始動口、特
図2始動口、普図始動口などが挙げられる。
【2178】
さらに、表示手段は、所定の図柄の抽選結果を報知可能なものであればよく、例えば、第3図柄表示装置、セグメント表示装置、ドラム表示装置、光導光式の導光板、又は、各表示装置に表示するための制御装置などが挙げられる。
【2179】
また、特定の遊技状態は、特定情報が更新手段に更新されて所定の更新状態となった場合に所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、例えば、更新条件が発生した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態は、例えば、所謂変動によって特定情報を更新可能な「通常遊技状態」、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、「確率変動状態」、「時間短縮状態」、電源投入から所定の大当たりが発生するまでの状態、電源投入から所定の大当たりが終了するまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が開始されてから、該動的表示が終了されるまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が終了してから、次の動的表示が実行開始可能となるまでの状態、大当たりとなる特別図柄の動的表示の実行から終了してから、大当たり遊技が開始されるまでの状態、大当たり遊技が開始されてから、大当たり遊技が終了して特別図柄の動的表示が実行可能となるまでの状態、大当たり遊技が開始されることとなる入球口への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示が実行されておらず、始動入球領域への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示の実行中のうち、遊技者による枠ボタンの入力を待機している状態、などが挙げられる。
【2180】
さらに、特定判定結果は、判定手段によって導出される結果であればよく、例えば、特別図柄の動的表示が大当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の大当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示が小当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の小当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示がハズレに当選すること、特別図柄の動的表示が時短図柄に当選すること、特別図柄の動的表示が転落抽選に該当すること、特別図柄の動的表示の実行回数が特定回数に達すること、普通図柄の可変表示が当たりに当選すること、普通図柄の可変表示がハズレに当選すること、特定の遊技状態に移行することなどが挙げられる。
【2181】
また、所定の遊技条件は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、例えば、遊技球を発射すること、遊技球の発射を停止すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、発射された遊技球が所定の領域に所定球数以上入球すること、発射された遊技球が所定の領域に入球しないこと、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出ボタンを操作すること、遊技者が演出ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
【2182】
さらに、更新条件は、所定の図柄の変動表示があらかじめ定められた状態となったか否かを判別可能なものであればよく、例えば、特別図柄の動的表示が実行を開始すること、特別図柄の動的表示が実行中であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以上であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以内であること、特別図柄の動的表示が実行を停止すること、特別図柄の動的表示が実行を停止してから、次の特別図柄の動的表示が実行開始可能となるまでの間であること、特別図柄の動的表示が実行不可であること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数に達すること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数よりも少なくなること、遊技機の立ち上げ処理が実行されること、主制御装置から副制御装置へコマンド送信されること、副制御装置がコマンドを受信すること、表示制御装置がコマンドを受信すること、各種処理を実行するための期間が経過すること、各種処理を実行するための命令が発生すること、各種処理を実行するためのコマンドが発生することなどが挙げられる。
【2183】
また、「所定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する所定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【2184】
さらに、報知態様は、少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能となるものであればよく、例えば、文字情報の種類、数字情報の内容、絵柄の種類、キャラクタの種類、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度、それらの表示時間、それらの表示回数を異ならせることで、発射態様の示唆の識別、発射可否の示唆の識別、遊技可否の示唆の識別、操作手段に対する操作実行タイミングの識別、遊技状態の示唆の識別、賞球数の多寡の識別、ラウンド数の大小の識別、確変図柄と通常図柄との識別、時短図柄と通常図柄との識別、確変図柄と時短図柄との識別、を可能にすることなどが挙げられる。
【2185】
ここで、
図125を参照して、第9実施形態のパチンコ機10において、第3図柄表示装置81で行われる演出について説明する。
図125は、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示した図である。
【2186】
より詳細には、
図125(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図125(b)は、
図125(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【2187】
さらに、
図125(c)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図125(d)は、
図125(c)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示した図である。
【2188】
図125(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「58」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【2189】
図125(a)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「58」となっており、
図28に示す損益分岐回数テーブル222fに設定されている通り、大当たり優先報知期間における変動演出であることを示している。
【2190】
また、主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、特
図1小当たりに当選したことを示している。なお、第9実施形態のパチンコ機10では、大当たり優先報知期間においては、小当たり当選時の右打ち遊技方法の方が、小当たり当選時の左打ち遊技方法よりも、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。
【2191】
よって、
図125(a)の状況では、この後実行される小当たり遊技において、遊技者に右打ち遊技を実行させ、大当たり遊技を発生させることを示唆するために、第3図柄81bの各図柄列に同一図柄(ここでは数字の「2」)を停止させている。
【2192】
次いで、
図125(b)は、
図125(a)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。主表示領域Dmの右上部分には主表示用右打ち指示89が表示されており、該小当たり遊技において遊技者に右打ち遊技を実行させることを示唆している。
【2193】
また、主表示領域Dmの上段右部分には「右打ち」の文字メッセージ81cが、主表示領域Dmの上段左部分には「Vを狙え」の文字メッセージ81dが、それぞれ表示されており、いずれも右打ち遊技を示唆するメッセージとなっている。さらに、主表示領域Dmの中央部分には、V獲得時示唆表示81qが表示されている。このV獲得時示唆表示81qは、左側部分に表示されたV獲得時出玉示唆メッセージ81q1及びV獲得時出玉示唆図柄81q2と、右側部分に表示された大当り後出玉示唆メッセージ81q3及び大当り後出玉示唆図柄81q4と、で構成されている。
【2194】
V獲得時示唆表示81qの左上部分には、「V獲得で出玉獲得」のV獲得時出玉示唆メッセージ81q1が、V獲得時示唆表示81qの左下部分には、ドル箱に獲得出玉が入った図柄及び、該図柄の前面に「○」を付したV獲得時出玉示唆図柄81q2が、それぞれ表示されている。V獲得時出玉示唆メッセージ81q1及びV獲得時出玉示唆図柄81q2は、いずれも、現在実行中の小当たり遊技において右打ち遊技を実行して特定領域65dに球を通過させ、大当たりを発生させた場合に獲得可能な出玉を示唆している。
【2195】
また、V獲得時示唆表示81qの右上部分には、「大当たり後はラッシュ突入?」の大当り後出玉示唆メッセージ81q3が、V獲得時示唆表示81qの右下部分には、V獲得時出玉示唆図柄81q2よりも大量の出玉獲得を示唆した図柄及び、該図柄の前面に「?」を付した大当り後出玉示唆図柄81q4が、それぞれ表示されている。大当り後出玉示唆メッセージ81q3及び大当り後出玉示唆図柄81q4は、いずれも、現在実行中の小当たり遊技において大当たりを発生させた後の遊技状態(即ち、「普図高確時間短縮状態A」(
図11参照))において獲得可能な出玉を示唆しているものの、大当り後出玉示唆図柄81q4に「?」が付されていることから、大当たり後の遊技状態において、大量の出玉獲得の可能性が不明瞭であることを示唆している。
【2196】
よって、
図125(b)では、現在実行中の小当たり遊技において大当たりを発生させ、一定の出玉が獲得可能となることを示唆しているものの、該大当たり後に移行する遊技状態での出玉獲得が不明瞭であり、トータルとして大量の出玉獲得につながる可能性が不明瞭であることを示唆している。
【2197】
次いで、
図125(c)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「637」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において特
図1小当たりに当選し、変動演出が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【2198】
図125(c)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「637」となっており、
図28に示す損益分岐回数テーブル222fに設定されている通り、救済優先報知期間における変動演出であることを示している。
【2199】
また、主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、特
図1小当たりに当選したことを示している。なお、第9実施形態のパチンコ機10では、救済優先報知期間においては、小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも、小当たり当選時の左打ち遊技方法の方が、遊技者が獲得し得る出玉の期待値が高くなるように構成されている。
【2200】
よって、
図125(c)の状況では、この後実行される小当たり遊技において、右打ち遊技を実行せず、大当たり遊技を発生させない方が獲得し得る出玉の期待値が高くなることを示唆するために、第3図柄81bの左右の各図柄列に同一図柄(ここでは数字の「2」)を停止させ、中央の図柄列に「チャレンジ図柄」の文字が記載された主図柄を停止させている。
【2201】
次いで、
図125(d)は、
図125(c)の状態から、小当たり遊技のオープニングが実行中となっている状態を示している。主表示領域Dmの右上部分には主表示用右打ち指示89が表示されており、該小当たり遊技において遊技者に右打ち遊技を実行させることを示唆している。
【2202】
また、主表示領域Dmの上段右部分には「右打ち?」の文字メッセージ81cが、主表示領域Dmの上段左部分には「V獲得で大当たり」の文字メッセージ81dが、それぞれ表示されており、右打ち遊技が強く示唆されていない印象を与える文字メッセージとなっている。さらに、主表示領域Dmの中央部分には、V非獲得時示唆表示81rが表示されている。このV非獲得時示唆表示81rは、左側部分に表示されたV非獲得時出玉示唆メッセージ81r1及びV非獲得時出玉示唆図柄81r2と、右側部分に表示された救済条件成立時出玉示唆メッセージ81r3及び救済条件成立時出玉示唆図柄81r4と、で構成されている。
【2203】
V獲得時示唆表示81qの左上部分には、「V非通過で出玉なし」のV非獲得時出玉示唆メッセージ81r1が、V獲得時示唆表示81qの左下部分には、ドル箱に獲得出玉が入った図柄及び、該図柄の前面に「×」を付したV非獲得時出玉示唆図柄81r2が、それぞれ表示されている。V非獲得時出玉示唆メッセージ81r1及びV非獲得時出玉示唆図柄81r2は、いずれも、現在実行中の小当たり遊技において右打ち遊技を実行せず、特定領域65dに球を通過させずに大当たりを発生させなかった場合に獲得可能な出玉を示唆しており、V非獲得時出玉示唆図柄81r2の前面の「×」が付されていることから、特定領域65dに球を通過させないことで、出玉の獲得が不可又は困難となることを示唆している。
【2204】
また、V獲得時示唆表示81qの右上部分には、「救済条件成立でラッシュ突入」の救済条件成立時出玉示唆メッセージ81r3が、V獲得時示唆表示81qの右下部分には、V獲得時出玉示唆図柄81q2よりも大量の出玉獲得を示唆した図柄及び、該図柄の前面に「○」を付した救済条件成立時出玉示唆図柄81r4が、それぞれ表示されている。救済条件成立時出玉示唆メッセージ81r3及び救済条件成立時出玉示唆図柄81r4は、いずれも、現在実行中の小当たり遊技において大当たりを発生させず、左打ち遊技を継続して救済条件を成立させた場合に移行する遊技状態(即ち、「普図低確時間短縮状態」(
図11参照))において獲得可能な出玉を示唆しており、救済条件成立時出玉示唆図柄81r4に「○」が付されていることから、救済条件成立後の遊技状態において、大量の出玉獲得が容易又は可能であることを示唆している。
【2205】
よって、
図125(d)では、現在実行中の小当たり遊技において大当たりを発生させず、一定の出玉獲得が得られないことを示唆しているものの、左打ち遊技を継続して救済条件を成立させた場合に移行する遊技状態において大量の出玉獲得が容易又は可能であり、結果的に
図125(b)に示す遊技状態(即ち、「普図高確時間短縮状態A」(
図11参照))よりも多くの出玉獲得につながる可能性があることを示唆している。
【2206】
以上、説明したように、第9実施形態のパチンコ機10では、大当たり優先報知期間中に特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出(即ち、大当たり優先報知演出)において、小当たり当選時の右打ち遊技方法によって一定の出玉が獲得可能となるものの、小当たり当選に基づく大当たり後に移行する遊技状態での出玉獲得が不明瞭であり、トータルとして大量の出玉獲得につながる可能性が不明瞭であることを示唆するように構成する。
【2207】
また、救済優先報知期間中に特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出(即ち、救済優先報知演出)において、小当たり当選に基づく大当たり状態を発生させないことで、一定の出玉獲得が得られないものの、小当たり当選時の左打ち遊技方法によって移行する遊技状態において大量の出玉獲得が容易又は可能であり、結果的に小当たり当選時の右打ち遊技方法よりも多くの出玉獲得につながる可能性があることを示唆するように構成する。
【2208】
このように構成することで、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合において、小当たり当選時の右打ち遊技方法と、小当たり当選時の左打ち遊技方法と、2の遊技方法から選択可能とすることができる。
【2209】
その結果、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合、該小当たり遊技のOP時間において実行される右打ち報知演出の内容を確認することで、小当たり当選時の右打ち遊技方法と、小当たり当選時の左打ち遊技方法と、のいずれの打ち方を選択した方が獲得し得る平均獲得球数が多くなるかを判別することができ、遊技の興趣を向上することができる。
【2210】
その他、第9実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
【2211】
<第10実施形態>
次いで、
図126~129を参照して、本発明を適用した第10実施形態のパチンコ機10について説明する。以下、第10実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第10実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【2212】
第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」における特別図柄の動的表示の実行中に、第3図柄表示装置81において救済カウンタ203rの値を示す文字メッセージ81aを示すように構成されている(
図89(a)参照)。
【2213】
しかし、第1実施形態における救済カウンタ203rの表示態様は一様であり、さらなる示唆内容の向上が求められる。
【2214】
具体的には、例えば、救済カウンタ203rの表示態様は一様である場合、該文字メッセージ81aの意図を遊技者が理解することが困難となる。また、該救済カウンタ203rの値が示す変化に関して生じる興趣も得ることができない。
【2215】
第10実施形態のパチンコ機10は、上記の問題点を鑑みて発明されたものであり、所定期間における特定情報の表示態様を好適に変化させ、有利な遊技状態が発生した場合の遊技者が得られる利益の高低に対する遊技者の理解を深め、特定情報の表示態様に関する興趣を高めることを目的としている。
【2216】
より具体的には、例えば、第10実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」における特別図柄の動的表示の実行回数(即ち、大当たり優先報知期間または救済優先報知期間)によって、救済カウンタ203rの表示態様を変化させることで、遊技者に対して、現在の遊技状態において特
図1小当たりに当選した場合の遊技方法を推測させ、検討させる遊技機を提供することを目的としている。
【2217】
本目的を達成するために、第10実施形態のパチンコ機10は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、前記表示手段は、前記特定情報に基づいて表示する特定表示手段を備え、前記特定表示手段は、前記特定の遊技状態における前記変動表示の実行回数によって表示態様を変化させる。
【2218】
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「射出装置」を備え、「始動入球領域」としての「始動検知領域」を備え、「表示手段」としての「結果報知装置」を備え、「可変入球手段」としての「可動装置」を備え、「更新条件」としての「遊技条件」を備え、「特定情報」としての「遊技情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「更新状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「付与利益」を備え、「報知態様」としての「通知態様」を備え、「報知制御手段」としての「表示制御」を備え、「判定手段」としての「判別制御」を備え、「特定判定結果」としての「制御判定結果」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定利益」としての「付与価値」を備え、「利益発生手段」としての「利益付与制御」を備え、「所定タイミング」としての「所定時期」を備え、「特定タイミング」としての「特定時期」を備え、「特定表示手段」としての「報知機能」を備える。
【2219】
なお、発射手段は、該発射手段によって発射された遊技球が始動入球領域に入球可能となるように発射できるものであればよく、例えば、電動式の発射制御装置、又は、手動式の発射装置などが挙げられる。
【2220】
また、所定の利益状態は、遊技者に何らかの利益を付与可能なものであればよく、例えば、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の特典画像の表示、特定の特典音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
【2221】
さらに、「特定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する特定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【2222】
また、可変入球手段は、複数回の可変動作が実行可能なものであればよく、例えば、可変入賞装置(大入賞口)、小入賞口、普通電役、非電動式入賞口、その他可動式の入球手段などが挙げられる。
【2223】
さらに、特定利益は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発行手段の発光制御、などが挙げられる。
【2224】
また、特定情報は、遊技機において更新条件が発生した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、かつ、更新状態によって所定の期間を識別可能なものであって、本発明の要旨を実現可能であればよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファ、フラグ、予め定められた一連のデータ群、又は、データ群における現在の更新位置を把握するためのポインタ、特別図柄の動的表示の実行回数、特別図柄の動的表示が実行を開始してからの時間、特別図柄の動的表示が実行を停止してからの時間、特定の遊技状態における特別図柄の動的表示の実行回数、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行するまでの特別図柄の動的表示の残り実行回数、大入賞口など可動体の1の可動における可動時間、大入賞口など可動体の1の可動が停止した場合の停止してからの時間、大入賞口などの入賞口の1の開放における入賞数、表示手段によって所定の図柄の抽選結果を表示するための描画情報、遊技機の立ち上げ処理開始からの時間、遊技機の設定値、主制御装置から副制御装置へ送信するためのコマンド情報、副制御装置から表示制御装置へ送信するためのコマンド情報、特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出された球の数(ベース値)、遊技機に何らかの異常が発生したことをホール関係者に報知するためのエラー情報若しくは報知態様、電源断の発生情報、現在時刻、枠ボタンの入力有無などが挙げられる。
【2225】
さらに、特定情報を更新する更新手段は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード等であってもよく、ハード回路による更新であってもよい。
【2226】
また、判定手段は、始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行するものであればよく、例えば、始動入賞処理、特図変動処理、変動開始処理、当たり処理、ゲート通過処理、普図変動処理などが挙げられる。
【2227】
さらに、所定の更新状態は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、例えば、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になること、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になること、所定のフラグがオンされること、所定のフラグがオフされること、所定の時間が経過すること、所定の期間が経過すること、予め定められた一連のデータ群をすべて使用すること、所定領域への入球が検知されること、遊技者による枠ボタンの入力が検知されることなどが挙げられる。
【2228】
また、始動入球領域は、遊技球が入球することで所定の図柄の変動表示が可能となるものであればよく、例えば、特
図1始動口、特
図2始動口、普図始動口などが挙げられる。
【2229】
さらに、表示手段は、所定の図柄の抽選結果を報知可能なものであればよく、例えば、第3図柄表示装置、セグメント表示装置、ドラム表示装置、光導光式の導光板、又は、各表示装置に表示するための制御装置などが挙げられる。
【2230】
また、特定の遊技状態は、特定情報が更新手段に更新されて所定の更新状態となった場合に所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、例えば、更新条件が発生した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態は、例えば、所謂変動によって特定情報を更新可能な「通常遊技状態」、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、「確率変動状態」、「時間短縮状態」、電源投入から所定の大当たりが発生するまでの状態、電源投入から所定の大当たりが終了するまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が開始されてから、該動的表示が終了されるまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が終了してから、次の動的表示が実行開始可能となるまでの状態、大当たりとなる特別図柄の動的表示の実行から終了してから、大当たり遊技が開始されるまでの状態、大当たり遊技が開始されてから、大当たり遊技が終了して特別図柄の動的表示が実行可能となるまでの状態、大当たり遊技が開始されることとなる入球口への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示が実行されておらず、始動入球領域への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示の実行中のうち、遊技者による枠ボタンの入力を待機している状態、などが挙げられる。
【2231】
さらに、特定判定結果は、判定手段によって導出される結果であればよく、例えば、特別図柄の動的表示が大当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の大当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示が小当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の小当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示がハズレに当選すること、特別図柄の動的表示が時短図柄に当選すること、特別図柄の動的表示が転落抽選に該当すること、特別図柄の動的表示の実行回数が特定回数に達すること、普通図柄の可変表示が当たりに当選すること、普通図柄の可変表示がハズレに当選すること、特定の遊技状態に移行することなどが挙げられる。
【2232】
また、所定の遊技条件は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、例えば、遊技球を発射すること、遊技球の発射を停止すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、発射された遊技球が所定の領域に所定球数以上入球すること、発射された遊技球が所定の領域に入球しないこと、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出ボタンを操作すること、遊技者が演出ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
【2233】
さらに、更新条件は、所定の図柄の変動表示があらかじめ定められた状態となったか否かを判別可能なものであればよく、例えば、特別図柄の動的表示が実行を開始すること、特別図柄の動的表示が実行中であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以上であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以内であること、特別図柄の動的表示が実行を停止すること、特別図柄の動的表示が実行を停止してから、次の特別図柄の動的表示が実行開始可能となるまでの間であること、特別図柄の動的表示が実行不可であること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数に達すること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数よりも少なくなること、遊技機の立ち上げ処理が実行されること、主制御装置から副制御装置へコマンド送信されること、副制御装置がコマンドを受信すること、表示制御装置がコマンドを受信すること、各種処理を実行するための期間が経過すること、各種処理を実行するための命令が発生すること、各種処理を実行するためのコマンドが発生することなどが挙げられる。
【2234】
また、「所定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する所定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【2235】
さらに、報知態様は、少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能となるものであればよく、例えば、文字情報の種類、数字情報の内容、絵柄の種類、キャラクタの種類、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度、それらの表示時間、それらの表示回数を異ならせることで、発射態様の示唆の識別、発射可否の示唆の識別、遊技可否の示唆の識別、操作手段に対する操作実行タイミングの識別、遊技状態の示唆の識別、賞球数の多寡の識別、ラウンド数の大小の識別、確変図柄と通常図柄との識別、時短図柄と通常図柄との識別、確変図柄と時短図柄との識別、を可能にすることなどが挙げられる。
【2236】
また、「特定表示手段」は、特定情報に基づいた表示機能を有するものであればよく、例えば、所定のパラメータを計数する各種計数カウンタの値に基づいた表示や、所定の計算結果を記憶する各種記憶メモリの記憶内容に基づいた表示、常時若しくは所定条件の成立で更新されるリストの更新内容に基づいた表示、所定の状態を判別する各種フラグに基づいた表示、などが挙げられる。
【2237】
ここで、
図126を参照して、第10実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)について説明する。
図126は、第10実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)を示したフローチャートである。第1実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)と、第10実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)との異なる点は、サブ救済カウンタ表示処理が追加されている点である。
【2238】
第10実施形態の表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)では、S1358又はS1359の処理を終えると、サブ救済カウンタ223iの表示処理を行うべく、サブ救済カウンタ表示処理を実行し(S1361)、この表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307)を終了して、変動演出処理(
図66参照)に戻る。
【2239】
ここで、
図127を参照して、第10実施形態において、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるサブ救済カウンタ表示処理(S1361)について説明する。
図127は、このサブ救済カウンタ表示処理(S1361)を示したフローチャートである。
【2240】
このサブ救済カウンタ表示処理(S1361)は、「通常遊技状態」の特別図柄の変動表示の実行中に表示するサブ救済カウンタ223iに格納された値の表示態様を設定すべく、コマンドを設定する。
【2241】
このサブ救済カウンタ表示処理(S1361)では、まず、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされているか否かを判別し(S1362)、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされていれば(S1362:Yes)、前回の大当たり(又は、電源投入時のRAM203初期化処理)から一度救済条件成立回数に達しており、「普図低確時間短縮状態」に移行し得ない遊技状態であってサブ救済カウンタ223iに格納された値を表示する必要がないため、S1363~S1367の処理をスキップして、このサブ救済カウンタ表示処理(S1361)を終了して、表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(
図126参照)に戻る。
【2242】
一方、S1362の判別の結果、サブ救済設定済みフラグ223jがオンされていない場合、即ち、サブ救済設定済みフラグ223jがオフ状態の場合(S1362:No)、前回の大当たり(又は、電源投入時のRAM203初期化処理)から一度も救済条件成立回数に達していないため、次いで、救済条件成立回数(即ち、「800」)からサブ救済カウンタ223iに格納された値を減算した値が10より小さい値であるか否かを判別し(S1363)、救済条件成立回数(即ち、「800」)からサブ救済カウンタ223iに格納された値を減算した値が10より小さい値でない、即ち、救済条件成立回数(即ち、「800」)からサブ救済カウンタ223iに格納された値を減算した値が10以上であれば(S1363:No)、救済条件成立までの残り回転数は10回転以上であるので、処理をS1365に移行する。
【2243】
S1365の処理では、サブ救済カウンタ223iに格納された値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値(即ち、「543回転」(
図28参照))よりも小さい値であるか否かを判別し(S1365)、サブ救済カウンタ223iに格納された値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値よりも小さい値であれば(S1365:Yes)、大当たり優先報知期間における特別図柄の変動表示の実行中であるので、表示用通常表示コマンドを設定し(S1366)(
図128(a)の81a参照)、このサブ救済カウンタ表示処理(S1361)を終了して、表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(
図126参照)に戻る。
【2244】
一方、S1365において、サブ救済カウンタ223iに格納された値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値より小さい値でない、即ち、サブ救済カウンタ223iの値が損益分岐回数格納エリア223kに格納された値以上であれば(S1365:No)、救済優先報知期間における特別図柄の変動表示の実行中であるので、表示用救済中表示コマンドを設定し(S1367)(
図128(d)の81a参照)、このサブ救済カウンタ表示処理(S1361)を終了して、表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(
図126参照)に戻る。
【2245】
また、S1363の処理において、救済条件成立回数(即ち、「800」)からサブ救済カウンタ223iに格納された値を減算した値が10より小さい値であれば(S1363:Yes)、救済条件成立までの残り回転数は10回転未満であるので、表示用カウントダウンコマンドを設定し(S1364)(
図129(b)の81a及び81n参照)、このサブ救済カウンタ表示処理(S1361)を終了して、表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(
図126参照)に戻る。
【2246】
このように構成することで、救済条件成立までの残り回転数に応じて、サブ救済カウンタ223iの表示態様を異ならせることができる。その結果、特別図柄の変動表示の実行中に表示されるサブ救済カウンタ223iの表示態様を遊技者が確認し、現在の遊技状態がいずれの期間(大当たり優先報知期間又は救済優先報知期間)であるかを推測させ、実行中の変動表示が特
図1小当たりに当選した場合に、いずれの遊技方法を実行するかを事前に検討させることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【2247】
次に、
図128及び
図129を参照して、第10実施形態のパチンコ機10において、報知機能としての第3図柄表示装置81で行われる演出について説明する。
図128及び
図129は、「通常遊技状態A」において特別図柄の変動表示が実行された場合における第3図柄表示装置81での演出の推移を示した図である。
【2248】
より詳細には、
図128(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「541」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において第1特別図柄の変動表示が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図128(b)は、
図128(a)の状態から、次の第1特別図柄の変動表示が実行を開始した状態を示した図である。
【2249】
また、
図128(c)は、
図128(b)の状態から、第1特別図柄の変動表示が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図128(d)は、
図128(c)の状態から、次の第1特別図柄の変動表示が実行を開始した状態を示した図である。
【2250】
さらに、
図129(a)は、
図128(d)の状態から、第1特別図柄の変動表示が終了して第3図柄が停止した状態を示した図であり、
図129(b)は、救済カウンタ203rが「791」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において第1特別図柄の変動表示が実行を開始した状態を示した図である。
【2251】
図128(a)は、「通常遊技状態A」における救済カウンタ203rが「541」(即ち、大当たり優先報知期間)となっている状態において第1特別図柄の変動表示が終了して第3図柄が停止した状態を示している。
【2252】
図128(a)では、第3図柄表示装置81における主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す報知機能としての文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「541」(即ち、大当たり優先報知期間)となっており、
図28に示す損益分岐回数テーブル222fに設定されている通り、大当たり優先報知期間における変動演出であることを示している。
【2253】
また、主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、第1特別図柄の変動表示がハズレとなったことを示唆している。また、主表示領域Dmの右上部分、特
図1用変動領域87bが白で停止しており、第1特別図柄の変動表示がハズレとなる結果であったことを示している。
【2254】
次いで、
図128(b)は、
図128(a)の状態から、次の第1特別図柄の変動表示が実行を開始した状態を示している。主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す報知機能としての文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「542」(即ち、大当たり優先報知期間)となっており、
図128(a)の状態から1加算された状態となっている。また、主表示領域Dmの右上部分、特
図1用変動領域87bが点滅している状態が表示されており、第1特別図柄の変動表示が実行中となっていることを示している。
【2255】
次いで、
図128(c)は、
図128(b)の状態から、第1特別図柄の変動表示が終了して第3図柄が停止した状態を示している。主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、第1特別図柄の変動表示がハズレとなったことを示唆している。また、主表示領域Dmの右上部分、特
図1用変動領域87bが白で停止しており、第1特別図柄の変動表示がハズレとなる結果であったことを示している。
【2256】
次いで、
図128(d)は、
図128(c)の状態から、次の第1特別図柄の変動表示が実行を開始した状態を示している。主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す報知機能としての文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「543」(即ち、救済優先報知期間)となっており、
図128(c)の状態から1加算された状態となっている。また、文字メッセージ81aの文字サイズが
図128(c)の文字メッセージ81aの文字サイズよりも拡大しており、救済条件成立までの残り回転数の状況(即ち、大当たり優先報知期間または救済優先報知期間)に変化があったことを示唆している。また、主表示領域Dmの右上部分、特
図1用変動領域87bが点滅している状態が表示されており、第1特別図柄の変動表示が実行中となっていることを示している。
【2257】
次いで、
図129(a)は、
図128(d)の状態から、第1特別図柄の変動表示が終了して第3図柄が停止した状態を示している。主表示領域Dmの中央部分には、第3図柄81bが停止しており、第1特別図柄の変動表示がハズレとなったことを示唆している。また、主表示領域Dmの右上部分、特
図1用変動領域87bが白で停止しており、第1特別図柄の変動表示がハズレとなる結果であったことを示している。
【2258】
次いで、
図129(b)は、救済カウンタ203rが「791」(即ち、救済優先報知期間)となっている状態において第1特別図柄の変動表示が実行を開始した状態を示している。主表示領域Dmの左上部分に、救済カウンタ203rの値を示す報知機能としての文字メッセージ81aが表示されており、該救済カウンタ203rの値が「791」(即ち、救済優先報知期間)となっている。また、主表示領域Dmの中央部分には、救済カウンタ残り回転数81nに「残り 10」と表示されており、救済条件成立までの残り回転数が「10回転」であることを示唆している。また、主表示領域Dmの右上部分、特
図1用変動領域87bが点滅している状態が表示されており、第1特別図柄の変動表示が実行中となっていることを示している。
【2259】
以上、説明したように、第10実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態A」における特別図柄の動的表示の実行回数(即ち、大当たり優先報知期間または救済優先報知期間)によって、救済カウンタ203rの表示態様を変化させるように構成する。
【2260】
このように構成することで、救済条件成立までの残り回転数に応じて、サブ救済カウンタ223iの表示態様を異ならせることができる。その結果、特別図柄の変動表示の実行中に表示されるサブ救済カウンタ223iの表示態様を遊技者が確認し、現在の遊技状態がいずれの期間(大当たり優先報知期間又は救済優先報知期間)であるかを推測させ、実行中の変動表示が特
図1小当たりに当選した場合に、いずれの遊技方法を実行するかを事前に検討させることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【2261】
その他、第10実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
【2262】
<第11実施形態>
次いで、
図130を参照して、本発明を適用した第11実施形態のパチンコ機10について説明する。以下、第11実施形態のパチンコ機10について、第1実施形態のパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の第11実施形態のパチンコ機10の説明において、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成及び処理については、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
【2263】
第1実施形態のパチンコ機10における遊技盤13では、小当たり遊技中に右打ち遊技を実行した場合、可変入賞装置65に入賞容易又は可能となり、特定領域65dを通過させて大当たり状態を容易に発生可能となるように構成されている(
図3参照)。
【2264】
また、大当たり優先報知期間及び救済優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出は、その報知態様を異ならせているものの、いずれも右打ち遊技を示唆する表示を行っている(
図89(b)の主表示用右打ち指示89及び
図89(d)の主表示用右打ち指示89参照)。
【2265】
このため、遊技者によっては、救済優先報知期間における右打ち報知演出(即ち、救済優先報知演出(
図89(d)参照)を確認した場合に、該右打ち報知演出の意図を理解しきれず、右打ち遊技を実行して特定領域65dに球を通過させ、大当たり状態を発生させてしまう可能性があり、遊技盤13の構成についてさらなる向上が求められる。
【2266】
具体的には、例えば、第1実施形態のパチンコ機10における遊技盤13では、右打ち遊技を実行した場合の球の流下経路はおおよそ一様となる。このため、小当たり遊技中において、遊技盤13の右側領域に球が流下していくように球を発射した場合であれば、如何様な打ち方を実行しても可変入賞装置65に入球可能となってしまう。
【2267】
第11実施形態のパチンコ機10は、上記の問題点を鑑みて発明されたものであり、遊技盤13の右側領域における球の流下経路を複数に分岐させ、大当たり優先報知期間及び救済優先報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出に対応した遊技盤13の構成を実現させることを目的としている。
【2268】
より具体的には、例えば、第11実施形態のパチンコ機10では、遊技盤13の右側領域への進入経路を分岐させ、一方の進入経路に進入した球は可変入賞装置65へ向かって流下していき、他方の進入経路に進入した球は可変入賞装置65側へは流下せず、第1始動口64側へ流下させることで、大当たり優先報知期間及び救済優先報知期間における特
図1小当たり当選時の右打ち報知演出に対応した遊技機を提供することを目的としている。
【2269】
本目的を達成するために、第11実施形態のパチンコ機10は、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、本遊技機は、前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、前記第1報知態様の示唆内容に基づいて遊技操作を行った場合に、前記所定の遊技条件を成立可能であって、前記第2報知態様の示唆内容に基づいて遊技操作を行った場合には、前記所定の遊技条件を成立不可又は困難となる。
【2270】
本遊技機は、本発明の具体的な構成として、「発射手段」としての「射出装置」を備え、「始動入球領域」としての「始動検知領域」を備え、「表示手段」としての「結果報知装置」を備え、「可変入球手段」としての「可動装置」を備え、「更新条件」としての「遊技条件」を備え、「特定情報」としての「遊技情報」を備え、「更新手段」としての「更新処理」を備え、「特定の遊技状態」としての「更新状態」を備え、「所定の更新状態」としての「更新終了状態」を備え、「所定の利益状態」としての「付与利益」を備え、「報知態様」としての「通知態様」を備え、「報知制御手段」としての「表示制御」を備え、「判定手段」としての「判別制御」を備え、「特定判定結果」としての「制御判定結果」を備え、「所定の遊技条件」としての「利益付与条件」を備え、「特定利益」としての「付与価値」を備え、「利益発生手段」としての「利益付与制御」を備え、「所定タイミング」としての「所定時期」を備え、「特定タイミング」としての「特定時期」を備える。
【2271】
なお、発射手段は、該発射手段によって発射された遊技球が始動入球領域に入球可能となるように発射できるものであればよく、例えば、電動式の発射制御装置、又は、手動式の発射装置などが挙げられる。
【2272】
また、所定の利益状態は、遊技者に何らかの利益を付与可能なものであればよく、例えば、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の特典画像の表示、特定の特典音声の出力、特定の発光手段の発光制御、などが挙げられる。
【2273】
さらに、「特定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する特定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【2274】
また、可変入球手段は、複数回の可変動作が実行可能なものであればよく、例えば、可変入賞装置(大入賞口)、小入賞口、普通電役、非電動式入賞口、その他可動式の入球手段などが挙げられる。
【2275】
さらに、特定利益は、所定の遊技条件が成立することに基づいて付与される利益であればよく、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「潜伏確率変動状態」、所定回数または少なくとも大当たりが発生するまでの「時間短縮状態」、その他特定の遊技状態としての「通常遊技状態」よりも有利な遊技状態、大当たり遊技状態そのもの、小当たり遊技状態そのもの、賞球の付与、特定の画像の表示、特定の音声の出力、特定の発行手段の発光制御、などが挙げられる。
【2276】
また、特定情報は、遊技機において更新条件が発生した場合に情報の内容が新たな内容に更新されるものであり、かつ、更新状態によって所定の期間を識別可能なものであって、本発明の要旨を実現可能であればよく、例えば、RAMに設けられるカウンタの値や、RAMの所定アドレスに記憶される情報、各バッファ、フラグ、予め定められた一連のデータ群、又は、データ群における現在の更新位置を把握するためのポインタ、特別図柄の動的表示の実行回数、特別図柄の動的表示が実行を開始してからの時間、特別図柄の動的表示が実行を停止してからの時間、特定の遊技状態における特別図柄の動的表示の実行回数、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行するまでの特別図柄の動的表示の残り実行回数、大入賞口など可動体の1の可動における可動時間、大入賞口など可動体の1の可動が停止した場合の停止してからの時間、大入賞口などの入賞口の1の開放における入賞数、表示手段によって所定の図柄の抽選結果を表示するための描画情報、遊技機の立ち上げ処理開始からの時間、遊技機の設定値、主制御装置から副制御装置へ送信するためのコマンド情報、副制御装置から表示制御装置へ送信するためのコマンド情報、特定球数の球の発射に対して遊技機から払い出された球の数(ベース値)、遊技機に何らかの異常が発生したことをホール関係者に報知するためのエラー情報若しくは報知態様、電源断の発生情報、現在時刻、枠ボタンの入力有無などが挙げられる。
【2277】
さらに、特定情報を更新する更新手段は、特定情報の内容を新たな内容に更新し得るものであればよく、例えば、ソフトウェアによる更新制御、上書き制御、書き込み制御、ロード等であってもよく、ハード回路による更新であってもよい。
【2278】
また、判定手段は、始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行するものであればよく、例えば、始動入賞処理、特図変動処理、変動開始処理、当たり処理、ゲート通過処理、普図変動処理などが挙げられる。
【2279】
さらに、所定の更新状態は、更新手段による特定情報の更新の結果が所定の結果となったことが把握できる状態であればよく、例えば、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になること、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になること、所定のフラグがオンされること、所定のフラグがオフされること、所定の時間が経過すること、所定の期間が経過すること、予め定められた一連のデータ群をすべて使用すること、所定領域への入球が検知されること、遊技者による枠ボタンの入力が検知されることなどが挙げられる。
【2280】
また、始動入球領域は、遊技球が入球することで所定の図柄の変動表示が可能となるものであればよく、例えば、特
図1始動口、特
図2始動口、普図始動口などが挙げられる。
【2281】
さらに、表示手段は、所定の図柄の抽選結果を報知可能なものであればよく、例えば、第3図柄表示装置、セグメント表示装置、ドラム表示装置、光導光式の導光板、又は、各表示装置に表示するための制御装置などが挙げられる。
【2282】
また、特定の遊技状態は、特定情報が更新手段に更新されて所定の更新状態となった場合に所定の利益状態を発生可能な遊技状態であればよく、例えば、更新条件が発生した場合であっても特定情報が更新されない遊技状態や、更新手段が作動しない遊技状態を除くものである。特定の遊技状態は、例えば、所謂変動によって特定情報を更新可能な「通常遊技状態」、大当たり遊技状態、小当たり遊技状態、「確率変動状態」、「時間短縮状態」、電源投入から所定の大当たりが発生するまでの状態、電源投入から所定の大当たりが終了するまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が開始されてから、該動的表示が終了されるまでの状態、所定の特別図柄の動的表示が終了してから、次の動的表示が実行開始可能となるまでの状態、大当たりとなる特別図柄の動的表示の実行から終了してから、大当たり遊技が開始されるまでの状態、大当たり遊技が開始されてから、大当たり遊技が終了して特別図柄の動的表示が実行可能となるまでの状態、大当たり遊技が開始されることとなる入球口への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示が実行されておらず、始動入球領域への入球を待機している状態、特別図柄の動的表示の実行中のうち、遊技者による枠ボタンの入力を待機している状態、などが挙げられる。
【2283】
さらに、特定判定結果は、判定手段によって導出される結果であればよく、例えば、特別図柄の動的表示が大当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の大当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示が小当たりに当選すること、特別図柄の動的表示が特定の小当たり種別に当選すること、特別図柄の動的表示がハズレに当選すること、特別図柄の動的表示が時短図柄に当選すること、特別図柄の動的表示が転落抽選に該当すること、特別図柄の動的表示の実行回数が特定回数に達すること、普通図柄の可変表示が当たりに当選すること、普通図柄の可変表示がハズレに当選すること、特定の遊技状態に移行することなどが挙げられる。
【2284】
また、所定の遊技条件は、遊技者が所定の遊技操作を行った場合に成立する条件であればよく、例えば、遊技球を発射すること、遊技球の発射を停止すること、発射された遊技球が所定の領域に入球すること、発射された遊技球が所定の領域に所定球数以上入球すること、発射された遊技球が所定の領域に入球しないこと、所定の領域に入球した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、遊技者が演出ボタンを操作すること、遊技者が演出ボタンを操作した場合に抽選を行い所定の抽選結果となること、などが挙げられる。
【2285】
さらに、更新条件は、所定の図柄の変動表示があらかじめ定められた状態となったか否かを判別可能なものであればよく、例えば、特別図柄の動的表示が実行を開始すること、特別図柄の動的表示が実行中であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以上であること、特別図柄の動的表示の実行期間が一定期間以内であること、特別図柄の動的表示が実行を停止すること、特別図柄の動的表示が実行を停止してから、次の特別図柄の動的表示が実行開始可能となるまでの間であること、特別図柄の動的表示が実行不可であること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数に達すること、特別図柄の動的表示の保留球数が特定数よりも少なくなること、遊技機の立ち上げ処理が実行されること、主制御装置から副制御装置へコマンド送信されること、副制御装置がコマンドを受信すること、表示制御装置がコマンドを受信すること、各種処理を実行するための期間が経過すること、各種処理を実行するための命令が発生すること、各種処理を実行するためのコマンドが発生することなどが挙げられる。
【2286】
また、「所定タイミング」は、特定情報の更新状態を示唆する所定の時期を示唆可能であればよく、例えば、遊技機の電源投入したタイミング、遊技機の立ち上げタイミング、始動口への入球待機タイミング、特別図柄の動的表示の実行開始タイミング、特別図柄の動的表示の実行中の1タイミング、特別図柄の動的表示の停止タイミング、特別図柄の動的表示の図柄確定タイミング、所定回の更新によってカウンタの値が「0」になるタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値に達するタイミング、所定回の更新によってカウンタの値が所定の値以上になった場合の1タイミング、所定のフラグがオンされるタイミング、所定のフラグがオフされるタイミング、所定の時間が経過するタイミング、所定の期間が経過するタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達したタイミング、予め定められた一連のデータ群のうちの所定のデータに到達してから、データ群をすべて使用するまでの1タイミング、予め定められた一連のデータ群をすべて使用したタイミング、などが挙げられる。
【2287】
さらに、報知態様は、少なくとも2種類の事象を遊技者が識別可能となるものであればよく、例えば、文字情報の種類、数字情報の内容、絵柄の種類、キャラクタの種類、それらの色彩、それらの表示面積、それらの表示濃度、それらの表示時間、それらの表示回数を異ならせることで、発射態様の示唆の識別、発射可否の示唆の識別、遊技可否の示唆の識別、操作手段に対する操作実行タイミングの識別、遊技状態の示唆の識別、賞球数の多寡の識別、ラウンド数の大小の識別、確変図柄と通常図柄との識別、時短図柄と通常図柄との識別、確変図柄と時短図柄との識別、を可能にすることなどが挙げられる。
【2288】
ここで、
図130を参照して、第11実施形態の遊技盤13の具体的構成について説明する。第1実施形態の遊技盤13と、第11実施形態の遊技盤13との異なる点は、主に、遊技盤13の右側領域の進入経路が分岐している点である。
【2289】
図130に示すとおり、第11実施形態の遊技盤13の右側領域は、該右側領域の進入経路が2つに分岐している。そして、一方の進入経路は、返しゴム69に球が当たらない程度の強さで右打ち遊技を実行した場合に進入する経路(以下、返しゴム69に球が当たらない程度の強さで右打ち遊技を実行した場合に進入する経路を「弱右打ち経路」と称する場合がある)の弱右打ち経路74であり、他方の進入経路は、返しゴム69に球が当たる強さで右打ち遊技を実行した場合に進入する経路(以下、返しゴム69に球が当たる強さで右打ち遊技を実行した場合に進入する経路を「強右打ち経路」と称する場合がある)の強右打ち経路75である。
【2290】
弱右打ち経路74に球が進入した場合、該球はスルーゲート67、普通電役72、及び可変入賞装置65が配設されている流下経路には流下し得ず、第1始動口64側へと流下していく。
【2291】
よって、弱右打ち経路74に進入した球は、スルーゲート67、普通電役72、及び可変入賞装置65へは入球不可又は困難となり、第1始動口64及び一般入賞口63に入球可能となる。
【2292】
また、強右打ち経路75に球が進入した場合、球はスルーゲート67、普通電役72、及び可変入賞装置65が配設されている流下経路に流下していく。よって、強右打ち経路75に進入した球は、スルーゲート67、普通電役72、及び可変入賞装置65に入球可能となる一方、第1始動口64、一般入賞口63へは入球不可又は困難となる。
【2293】
即ち、第11実施形態のパチンコ機10では、大当たり優先報知期間(
図28参照)における特
図1小当たり時の右打ち報知演出が、強右打ち経路75に対応した右打ち遊技を示唆した演出であり、該強右打ち経路75に進入する打ち方を実行することで、可変入賞装置65に入球させ、特定領域65dに球を通過させて大当たりを発生させることを示唆するように構成されている。
【2294】
また、救済優先報知期間(
図28参照)における特
図1小当たり時の右打ち報知演出が、弱右打ち経路74に対応した右打ち遊技を示唆した演出であり、該弱右打ち経路74に進入する打ち方を実行することで、可変入賞装置65には入球不可又は困難となり、特定領域65dに球を通過させず、大当たりを発生させないことを示唆するように構成されている。
【2295】
このように構成することで、大当たり優先報知演出及び救済優先報知演出のいずれの右打ち報知を実行した場合であっても、主表示用右打ち指示89(
図89参照)の指示内容に則した右打ち遊技を実行させることができつつ、その右打ち遊技の中で大当たり優先報知演出と救済優先報知演出を現出して遊技者に遊技態様(発射態様)を判別させる遊技を実現することができる。その結果、報知演出と実際の遊技方法との乖離がなくなり、遊技者が違和感なく遊技することができる。
【2296】
以上、説明したように、第11実施形態のパチンコ機10では、遊技盤13の右側領域において、該右側領域の進入経路を2つに分岐させ、一方の進入経路は可変入賞装置65に入球不可又は困難となり、他方の進入経路は可変入賞装置65に入球可能となるように構成する。
【2297】
このように構成することで、特
図1小当たり当選時に右打ち遊技を実行した場合であっても、一方の進入経路に球が進入した場合には、可変入賞装置65に入球不可又は困難となり、特定領域65dを通過させずに大当たりを発生不可又は困難とし、他方の進入経路に球が進入した場合には、65に入球可能となり、特定領域65dに球を通過させて大当たりを発生可能とすることができる。
【2298】
その結果、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出を、他方の進入経路に球が進入し得る遊技方法に対応させ、救済優先報知期間における右打ち報知演出を、一方の進入経路に球が進入し得る遊技方法に対応させることができる。
【2299】
その他、第11実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
【2300】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【2301】
<変形例1>
上記実施形態では、普通図柄のみ確率変動機能を設け、特別図柄に確率変動機能を設けていないように構成されている。これに対し、特別図柄および普通図柄にそれぞれ確率変動機能を設けてもよいし、特別図柄に確率変動機能を設ける一方、普通図柄に確率変動機能を設けないように構成してもよいし、特別図柄および普通図柄のいずれにも確率変動機能を設けないように構成してもよい。また、特別図柄に確率変動機能を設ける場合、次回大当たり又は小当たりの発生まで確率変動機能が有効に設定(所謂、ループタイプ)してもよいし、大当たり後に特別図柄が所定回数(例えば、100回)実行されるまで確率変動機能が有効に設定(所謂、STタイプ)してもよいし、特別図柄の動的表示において大当たり以外の所定の抽選結果が導出された場合に「確率変動状態」が終了(所謂、転落機能)するパチンコ機(所謂、転落タイプ)を用いてもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2302】
<変形例2>
上記実施形態では、普通図柄の高確率状態の終了条件を、特別図柄の動的表示の実行回数や、次の大当たりへの当選によって終了するように構成している。これに対し、特別図柄の大当たり(小当たり種別に基づく大当たりを含む)の連続当選回数が所定回数に到達する毎に、該所定回数到達時における大当たり終了後の遊技状態を、必ず「時短機能」が付与されない遊技状態(即ち、「通常遊技状態」)へ移行して、普通図柄の高確率状態への移行を禁止するように構成してもよい(時短リミッタ)。また、普通図柄の高確率状態への移行を禁止することとなる大当たりの連続当選回数を複数種類で構成してもよい。
【2303】
<変形例3>
上記実施形態では、普通電役72及び可変入賞装置65は、普通図柄又は特別図柄への当選に基づいて開放され得るように構成されている。これに対し、球が通過することによって他の入賞口を閉塞している可動役物(所謂、非電動役物)を開放させる通過口を搭載したパチンコ機を用いてもよい。
【2304】
<変形例4>
上記実施形態では、いずれかの大当たり(小当たり種別に基づく大当たりを含む)に当選した場合に、該大当たり終了後に「時短機能」が付与される遊技状態が発生するように構成されている。これに対し、特別図柄の動的表示において大当たり(小当たり)以外の所定図柄(例えば、時短図柄)が導出された場合に、大当たりを経由せずに「時短機能」が付与される状態に遷移するように構成してもよい。このように構成することで、「時短機能」が付与されるバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2305】
<変形例5>
上記実施形態では、特別図柄の低確率状態における第1特別図柄の動的表示及び第2特別図柄の動的表示の合計実行回数が、大当たり状態に移行せずに所定回数(700回、800回又は900回のいずれか)実行された場合に、大当たりを経由せずに「時短機能」が付与される(所謂、天井機能)ように構成されている。これに対し、第1特別図柄の動的表示の積算実行回数と第2特別図柄の動的表示の積算実行回数とでそれぞれ個別に上記所定回数を計数してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ上記所定回数が異なるように構成してもよい。
【2306】
<変形例6>
上記実施形態では、第2特別図柄の動的表示を第1特別図柄の動的表示より優先して実行(所謂、特
図2優先変動)するように構成している。これに対し、第1特別図柄の動的表示と第2特別図柄の動的表示とを同時並行的に実行可能に構成(所謂、特
図12同時変動)し、各動的表示の制御を行ってもよいし、第1特別図柄の動的表示を第2特別図柄の動的表示より優先して実行(所謂、特
図1優先変動)するように構成し、各動的表示の制御を行ってもよいし、入賞した順に動的表示を実行(所謂、入賞順変動)するように構成し、各動的表示の制御を行ってもよい。
【2307】
<変形例7>
上記実施形態では、「時短機能」の終了条件として、特別図柄の動的表示の所定実行回数や、大当たりへの当選に基づいて終了するように構成している。これに対し、小当たり遊技への当選や、大当たりと異なる時短終了図柄の導出に基づいて「時短機能」が終了するように構成してもよい。このように構成することで、入賞補助状態の終了条件を多様化して、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。また、「時短機能」の有効時に、特別図柄の保留球数が所定数(例えば、保留満タン(即ち、4個)や、保留満タンに対して一定数の保留貯留(例えば、2個))貯留されたことを契機として、「時短機能」を終了するように構成してもよいし、普通電役の作動回数が一定の回数に到達した場合に「時短機能」を終了するように構成してもよいし、普通図柄の可変表示の実行回数が一定回数に到達した場合に「時短機能」を終了するように構成してもよい。
【2308】
<変形例8>
上記実施形態では、普通図柄の低確率状態において70/100で当たりに当選し、普通電役72が可動し得るように構成している。これに対し、普通図柄の低確率状態においては当たりに当選せず、普通図柄の高確率状態でのみ当たりに当選(例えば、100%当選)するように構成してもよい。このように構成することで、普通図柄の低確率状態で普通電役72が可動して第2始動口71に球が入賞することを確実に防止することができる。その結果、遊技仕様通りの遊技性を確実に実現することが可能となる。
【2309】
<変形例9>
上記実施形態では、大当たり遊技において、1の可変入賞装置65を開放するように構成している。これに対し、大当たり遊技において開放し得る入賞口を複数設け、大当たり種別又は小当たり種別に応じて、該複数の入賞口を開放するように構成してもよい。
【2310】
<変形例10>
上記実施形態では、普通図柄の可変表示時間を、遊技状態に応じてそれぞれ1種類ずつ設けている。これに対し、普通図柄の可変表示時間を、遊技状態に応じて、複数種類の可変表示時間の中から抽選で選定するように構成してもよい。具体的には、「通常遊技状態」において、普通図柄の可変表示時間を、「1秒」、「3秒」、「5秒」、「10秒」又は「30秒」の中から抽選により決定する。このように構成することで、右打ち遊技が奨励されていない「通常遊技状態」において、右打ち遊技してスルーゲート67に球を通過させて普通図柄の可変表示を行い、その導出タイミングに応じて開放され得る普通電役72に向けて球を発射しても、第2始動口71の開放タイミングが複数になることで、第2始動口71への入賞を抑制することができる。
【2311】
<変形例11>
上記実施形態では、第1特別図柄の抽選において大当たり又はハズレの中から当選役を選定するとともに、第2特別図柄の抽選においても大当たり又はハズレの中から当選役を選定するように構成している。これに対し、第1特別図柄の抽選のみにおいて小当たりを設け、大当たり、小当たり又はハズレの中から当選役を選定するように構成してもよいし、第2特別図柄の抽選においてのみ小当たりを設け、大当たり、小当たり又はハズレの中から当選役を選定するように構成してもよいし、いずれの特別図柄の抽選において小当たりを設けず、大当たり又はハズレの中から当選役を選定するように構成してもよいし、いずれの特別図柄の抽選においても小当たりを設け、大当たり、小当たり又はハズレの中から当選役を選定するように構成してもよい。
【2312】
<変形例12>
上記実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示の実行回数に応じて遊技状態を変更(例えば、「普図高確時間短縮状態」から「通常遊技状態」)に移行するように構成している。これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示以外の所定演出(例えば、「リーチ表示」や特定役当選に基づく特定演出等)の実行回数に応じて遊技状態を変更可能に構成してもよい。
【2313】
<変形例13>
上記実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ保留球数を計数し、それぞれの保留球数ごとに各特別図柄の変動時間やリーチ確率を変更するように構成している。これに対し、第1特別図柄と第2特別図柄との合計保留球数に応じて各特別図柄の変動時間やリーチ確率を変更するように構成してもよい。
【2314】
<変形例14>
上記実施形態では、「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合に、該小当たり当選時における救済条件成立回数までの残りの特別図柄の実行回数によって、第3図柄表示装置81で実行する右打ち報知演出の内容を異ならせるように構成している。これに対し、右打ち報知演出の実行時における音声出力装置226による音声内容のみを異ならせてもよいし、ランプでの演出内容のみを異ならせてもよいし、第3図柄表示装置81での演出内容、音声内容、ランプ内容のいずれか2つのみを異ならせてもよいし、すべてが異なるように構成してもよい。
【2315】
<変形例15>
上記実施形態では、「通常遊技状態A」において大当たり種別「時短A」又は「時短B」に当選した場合の右打ち報知演出と、該「通常遊技状態A」において特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出とを異ならせるように構成している。これに対し、「通常遊技状態A」の大当たり優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合の右打ち報知演出を、「通常遊技状態A」において大当たり種別「時短A」又は「時短B」に当選した場合の右打ち報知演出と同様の演出に構成してもよい。このように構成することで、「通常遊技状態A」の大当たり優先報知期間において特
図1小当たりに当選した場合と、「通常遊技状態A」において大当たり種別「時短A」又は「時短B」に当選した場合と、の双方がいずれも右打ち遊技を実行すべき大当たり又は小当たりであることが明確になり、その結果、救済優先報知期間及び曖昧報知期間と、大当たり優先報知期間と、において実行される右打ち報知演出の差異が明確になり、より右打ち遊技の示唆内容を差別化することができる。
【2316】
上記実施形態では、第1特別図柄の動的表示における小当たり遊技の小当たり種別、又は、第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技の小当たり種別を、それぞれ1種類で構成している。これに代えて、第1特別図柄の動的表示における小当たり遊技の小当たり種別、又は/及び、第2特別図柄の動的表示における小当たり遊技の小当たり種別を、複数種類設けるように構成してもよい。さらに、小当たり種別に応じて「時短機能」を終了するか否かを異ならせるように構成してもよい。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2317】
上記実施形態では、遊技状態ごとに奨励される特別図柄の変動演出を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて実行し、奨励されていない特別図柄の変動演出を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmで実行しないように構成している。これに代えて、奨励されていない特別図柄の変動演出を、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて所定態様で実行するように構成してもよい。具体的には、例えば、奨励されている特別図柄の変動演出を主表示領域Dmで目立つように(中央部分、大部分、奨励されていない特別図柄の変動演出より大きい領域、図柄表示態様を濃く実行等)実行する一方、奨励されていない特別図柄の変動演出を主表示領域Dmで、奨励されている特別図柄の変動演出より目立たないように(隅部、小部分、奨励されている特別図柄の変動演出より小さい領域、図柄表示態様を薄く等)実行するように構成する。このように構成することで、第3図柄表示装置81によって複数の特別図柄の変動演出の実行態様を把握することが可能となる。
【2318】
上記実施形態では、第1特別図柄の動的表示の保留球数に応じて第1特別図柄の動的表示の変動時間が変化するように構成するとともに、第2特別図柄の動的表示の保留球数に応じて第2特別図柄の動的表示の変動時間が変化するように構成している。換言すると、第1特別図柄の動的表示の保留球数は第1特別図柄の動的表示にのみ影響し、第2特別図柄の動的表示の保留球数は第2特別図柄の動的表示にのみ影響するように構成している。これに代えて、一方の特別図柄の動的表示の保留球数が、他方の特別図柄の動的表示の変動時間に影響するように構成してもよい。具体的には、第1特別図柄の動的表示の変動時間を、第1特別図柄の動的表示の保留球数と第2特別図柄の動的表示の保留球数との合計保留球数に応じて変化するように構成する。このように構成することで、第1特別図柄の動的表示の保留球数と第2特別図柄の動的表示の保留球数とが混在する状態において、特異な変動時間を選択し得るように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2319】
上記実施形態では、確率設定値を「1」~「3」の3段階で変更可能として、大当たり確率及び/又は第2図柄の当たり確率を変更可能としたが、確率設定値が変更可能な段階は3段階に限らず、任意の段階に変更可能としてもよい。
【2320】
上記実施形態では、確率設定値を変更することにより、大当たり確率を変更する場合について説明したが、普通図柄の当たり確率や、小当たりの当選確率を変更するようにしてもよい。
【2321】
また、立ち上げ処理の中で確率設定値が正常範囲内にないと判断された場合に、「1」~「3」の範囲の中から特定の確率設定値(例えば「1」)を確率設定値として強制的に設定するようにしてもよい。なお、遊技途中で(例えば、タイマ割込処理の中で)確率設定値が正常範囲内にないと判断された場合は、確率設定値を強制的に特定の確率設定値に設定しないほうがよい。これは、遊技途中で大当たり確率が突然変更さえることにより、遊技者が何らかの不利益を被ることを抑制するためである。
【2322】
上記実施形態では、RAM判定値(チェックサム)の算出に、確率設定値を含める場合について説明したが、RAM判定値の算出から確率設定値を除いてもよい。この場合、RAM判定値が正常か否かの判定を行う前に、確率設定値が正常の範囲にあるか否かを判定し、正常の範囲内になければ、強制的に設定変更処理を実行してホール関係者等に確率設定値の変更を行わせたり、ホール関係者等にパチンコ機10を設定変更モードで再立ち上げさせるように促したり、確率設定値として正常範囲内の特定の確率設定値を強制的に設定してもよい。
【2323】
上記実施形態では、RAM判定値(チェックサム)の算出に、確率設定値を含めない場合について説明したが、RAM判定値の算出から確率設定値を含めてもよい。
【2324】
上記実施形態では、「設定変更モード」でパチンコ機10を立ち上げた場合に、RAM消去スイッチ503をオンすることによって、又は、設定変更スイッチをオンすることによって、確率設定値を更新する場合について説明したが、これを設定キー501にて行えるようにしてもよい。具体的には、設定キー501を、オン状態から更にオフ側とは反対方向に設けた設定変更位置まで回動可能にし、設定変更位置まで設定キー501が回されると、自動でオン状態に設定キー501が戻るように付勢して構成する。そして、設定キー501をオン状態から設定変更位置まで回動させる度に、確率設定値が更新されるようにする。これによっても、確率設定値の変更を容易に行うことができる。
【2325】
上記実施形態では、「設定変更モード」でパチンコ機10を立ち上げた場合に、設定キー501をオフ状態にすることによって、又は、RAM消去スイッチ503をオンすることによって、確率設定値を確定する場合について説明したが、これを別に設けたスイッチ、例えば、設定確定スイッチが操作されることで行えるようにしてもよい。この設定確定スイッチは、例えば、「設定変更モード」中に操作されることにより、確率設定値を確定するためのスイッチであり、基板ボックス100に設けられた孔から主基板より突出して設けられ、基板ボックス100を開封しなくても、ホール関係者等によって操作可能にしてもよい。これによっても、確率設定値の確定を容易に行うことができる。
【2326】
上記実施形態では、パチンコ機10の電源オン時に「設定変更モード」又は「設定確認モード」で立ち上げる場合に、RAM消去スイッチ503と設定キー501との検知態様に応じて、立ち上げモードを設定していた。これに対し、少なくとも内枠12の開放を必須条件とし、その他、RAM消去スイッチ503と設定キー501との検知態様に応じて、立ち上げモードを設定するように構成してもよい。また、内枠12の開放を設定変更又は設定確認の条件とするか否かをホールが選択可能に設定できるように構成してもよい。
【2327】
上記各実施形態では、RAM消去スイッチ503を主制御装置110に搭載していた。これに対し、RAM消去スイッチ503を電源装置115や払出制御装置111に搭載するように構成してもよい。
【2328】
上記各実施形態では、設定キー501により、大当たり確率等を変更可能に構成していた。これに対し、設定キー501により、1の入賞口に入賞した場合に払い出される賞球数(例えば、3個→5個への変更)や、入賞口への入賞を補助する可動役物の駆動時間(3秒→5秒への変更)や駆動幅(例えば、20mm→30mmへの変更)、或いは、球の流下態様に影響を与える部材(例えば、球が転動可能なステージやクルーン)の傾斜態様(例えば、1度から3度への変更)、パチンコ機10自体の傾斜態様(例えば、1度から3度への変更)等、遊技者に対する有利度合いに関する設定を複数段階に変更可能に構成してもよい。
【2329】
上記各実施形態では、設定キー501の鍵孔をパチンコ機10の裏面側に向くように構成していた。これに対し、設定キー501の鍵孔の向きを、パチンコ機10の横方向(左方向又は右方向)や、パチンコ機10の斜め方向、或いは、パチンコ機10の前面側を向くように構成してもよい。
【2330】
上記実施形態において、大当たり乱数値同士、小当たり乱数値同士、及び、ハズレ乱数値同士を連続的な値とし、大当たりか否かや、小当たりか否かを範囲判定(例えば、「0」以上「49」以下か否か)可能に構成し、主制御装置110の制御負担を軽減するように構成していた。これに対し、遊技価値を付与する各乱数値(即ち、大当たり乱数値および小当たり乱数値)を連続的な配置ではなく、分散(散逸)して配置するように構成してもよい。具体的には、例えば、「0~999」で更新される大当たり乱数カウンタC1の場合に、大当たり乱数値として「7,341,555,777,831」とし、小当たり乱数値として「77,175,223,315,415,526,634,717,845」としてもよい。
【2331】
ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値(例えば、低確率状態および高確率状態において、「0~50」であれば大当たり)が連続的に存在していた場合、その値が外部から予測され得る可能性があり、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなるおそれがある。よって、上記変形例のように構成することで、遊技価値を付与する各乱数値を外部から予測困難にし、不正に対する抑制効果を高め、パチンコ機10のセキュリティ性能を向上することができる。
【2332】
また、上述した変形例において、大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定してもよい。このように構成することで、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、パチンコ機10のセキュリティ性能を向上することができる。
【2333】
上記実施形態では、タイマ割込処理等のソフトウェアの処理で大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2等を更新するように構成していた(所謂、ソフト乱数)。これに対し、更新周期が上記ソフト乱数より速い乱数生成ICによって大当たり乱数カウンタC1等を更新するように構成してもよい(所謂、ハード乱数)。このように構成することで、外部から更新中の乱数値の把握を困難にし、セキュリティ性能を向上することができる。
【2334】
上記実施形態では、設定値が増加するごとに均等に大当たり乱数値が増加するように構成していた。これに対し、設定値が増加するごとに不均等又は所定割合で大当たり乱数値(又は小当たり乱数値)を増加するように構成してもよい。具体的には、例えば、設定値「1」から「2」までは、大当たり乱数値を「2」ずつ増加させる一方、設定値「2」から「3」では、大当たり乱数値を「5」ずつ増加させる。このように構成することで、設定差によって付与され得る遊技価値が大きく変化し、設定差による抑揚(メリハリ)のある遊技を提供可能に構成し、遊技の興趣を向上することができる。
【2335】
上記実施形態では、設定値ごとに大当たり乱数カウンタC1の値における対応役を変化するように構成していた。これに対し、設定値ごとに大当たり種別カウンタC2又は小当たりの内容を決定する小当たり種別カウンタ(図示せず)の値に対応する大当たり種別を変化させ、大当たり種別又は小当たり種別の選択割合が変化することによる設定差が生じるように構成してもよい。
【2336】
上記実施形態では、設定変更に伴い、遊技価値を付与する乱数値(即ち、大当たり乱数値)を変更して、その変更分を遊技価値を付与しない乱数値(即ち、ハズレ乱数値)から補填するように構成していた。これに対し、設定変更に伴い、遊技価値を付与する乱数値(例えば、大当たり乱数値)を変更した場合に、その変更分を、他の遊技価値を付与する乱数値(例えば、小当たり乱数値)から補填するように構成してもよい。このように構成することで、設定毎に付与され得る遊技価値に差を設け、設定毎に抑揚(メリハリ)のある遊技を提供し、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2337】
上記実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、の並びとなるように各乱数値を規定(設定)していた。これに対し、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、「大当たり乱数値の範囲(以下、「再大当たり乱数値の範囲」と称する)」、「ハズレ乱数値の範囲」の並びとなるように各乱数値を規定(設定)するように構成してもよい。ここで、「再大当たり乱数値の範囲」として、設定変更に伴う大当たり乱数値の増加分が対応するように構成する。このように構成することで、設定差によって増加する乱数値(即ち、大当たり乱数値の増加分)を、設定差によって減少する乱数値(即ち、ハズレ乱数値)と隣接させ、設定変更に伴って変更されない乱数値(即ち、設定変更によっても変化しない大当たり乱数値と小当たり乱数値)の範囲を固定的にすることができる。これにより、例えば、当否判定の制御プログラムにおいて、固定的な乱数値の基本的な当否判定を全設定値で共通化しつつ、設定変更に伴う大当たり乱数値の増加分を設定値に応じて追加的に判定することができ、制御プログラムの設計を容易にし、開発工数を削減することができる。
【2338】
上記実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、の並びとなるように各乱数値を規定(設定)していた。これに対し、乱数値の個数が多い順(又は少ない順)に各乱数値を規定(設定)するように構成してもよい。
【2339】
上記実施形態では、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「大当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」、「小当たり乱数値の範囲」、の並びとなるように各乱数値を規定(設定)していた。これに対し、設定変更に伴い増加される「大当たり乱数値の範囲」を、設定変更に伴い減少される乱数値(即ち、「ハズレ乱数値の範囲」)と隣接(隣り合う)ように大当たり乱数テーブル202aに規定(設定)するように構成してもよい。具体的には、大当たり乱数テーブル202aにおいて、「小当たり乱数値の範囲」、「大当たり乱数値の範囲」、「ハズレ乱数値の範囲」の並びとなるように各乱数値を規定(設定)する。このように構成することで、設定差によって増加する乱数値(即ち、大当たり乱数値の増加分)を、設定差によって減少する乱数値(即ち、ハズレ乱数値)と隣接させ、設定変更に伴って変更されない乱数値(即ち、小当たり乱数値)の範囲を固定的にすることができる。これにより、例えば、小当たりの当否判定の制御プログラムにおいて、小当たり乱数値の判定を全設定値で共通化しつつ、設定変更に伴う大当たり乱数値の増加分を設定値に応じて追加的に判定することができ、制御プログラムの設計を容易にし、開発工数を削減することができる。
【2340】
上記実施形態では、第2特別図柄における小当たり遊技の当選確率を、第1特別図柄における小当たり遊技の当選確率より高くなるように構成されていた。これに対し、第1特別図柄における小当たり遊技の当選確率と、第2特別図柄における小当たり遊技の当選確率とが同等となるように構成してもよいし、第2特別図柄における小当たり遊技の当選確率を、第1特別図柄における小当たり遊技の当選確率より低くなるように構成してもよい。
【2341】
上記実施形態では、設定値ごとに大当たり乱数値を増加させて、その大当たり乱数値の増加分をハズレ乱数値から補填するように構成していた。これに対し、設定値ごとに大当たり乱数値を増加させ、その大当たり乱数値の増加分を小当たり乱数及びハズレ乱数値から補填するように構成してもよい。このように構成することで、設定変更に基づく大当たり乱数値の個数の変更分を、小当たり乱数値及びハズレ乱数値のそれぞれから補填することが可能となり、大当たり乱数値の変更分を固定的な1の所定乱数値から補填する必要がなくなる。よって、上記所定乱数値の個数を、大当たり乱数値の変更分、1の所定乱数値から確保する必要性がなくなるので、遊技仕様の設計時における制約がなくなり、遊技仕様の設計自由度を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2342】
上記実施形態では、突出状態と没入状態とに変位する普通電役72を用い、普通電役72の没入タイミングと没入時間とを各遊技状態で変更することで本発明の遊技性を実現するように構成されている。これに対し、回動式の羽根部材を用い、羽根部材の作動タイミングと作動時間とを各遊技状態で変更することで、本発明の遊技性を実現するように構成してもよい。具体的には、例えば、第2始動口71の左右両側に羽根部材を配置し、羽根部材が非作動状態(例えば、直立状態)では、球が羽根部材の外側(非転動側)に衝突し、そのまま下流側へ流下するように構成する。一方、羽根部材が回動した作動状態(直立状態から右側へ120度傾倒状態)では、球が羽根部材の内側(転動側)に衝突し、該羽根部材の内側を第2始動口71側に向けて転動するように構成する。このように構成することで、羽根部材の回動態様は、普通電役72の出没による駆動態様より、羽根部材自体が作動する領域が大きく駆動されたか否かを認識し易いため、普通図柄の可変表示で当選したか否かを遊技者に認識し易くすることができる。
【2343】
特
図1用第4図柄表示領域87と特
図2用第4図柄表示領域88との表示態様及び表示位置を、主表示領域Dmで変動演出している第1特別図柄又は第2特別図柄に応じて変更するように構成してもよい。具体的には、例えば、主表示領域Dmで実行されている特別図柄に対応して、実行されている方の第4図柄表示領域87,88を上側に位置させたりアラビア数字で表示したり赤色で表示し、実行されていない方の第4図柄表示領域88,87を下側に位置させたり上記アラビア数字と異なる表記(例えば、漢数字やローマ数字)で表示したり赤色とは異なる色(例えば、青色)で表示するように構成する。このように構成することで、実行されている変動演出を識別して表示しつつ、いずれの特別図柄が実行されているかを認識し難く構成し、現在滞在している遊技状態を遊技者に認識し難く構成することで、遊技状態を推測する遊技性が生まれ、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2344】
警報音に関し、左打ち遊技が推奨される遊技状態においてスルーゲート67を球が通過した場合にもれなく出力するのではなく、さらに特定の条件が成立した場合に警報音を出力するように構成してもよい。具体的には、例えば、このように構成することで、意図的に遊技仕様より多くの出玉を得ようとする悪意ある遊技者の行為に対してのみ警報音を出力し、不慣れな遊技者や操作ミスによる善意の右打ち遊技に対しては警報音を出力しないことで、不正遊技を抑制しつつ、遊技者の遊技意欲の低下も抑制して、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2345】
普通図柄の当たり確率において、いずれの遊技状態でも同等程度となるように構成してもよい。具体的には、例えば、特別図柄の大当たり確率が低い「通常遊技状態」又は「普図高確時間短縮状態」では、普通図柄の当たり確率を50/100にするとともに、特別図柄の大当たり確率が高い「確率変動状態」や「潜伏確率変動状態」では、普通図柄の当たり確率を50/100や51/100等、「通常遊技状態」等における普通図柄の当たり確率と同一又は同等程度となるように構成する。このように構成することで、普通図柄の当たりに基づく普通電役72の開放に関し、普通図柄の可変表示時間と普通電役72の開放時間とを考慮し、普通図柄の当たり確率を考慮せずに出玉率等を算出することが可能となることで、各遊技状態における遊技仕様の設計を容易化可能となる。
【2346】
大当たりに当選した大当たり図柄ごとに、該大当たり以降に選択される特別図柄の変動パターン群(変動時間)が異なるように構成してもよい。具体的には、例えば、「確率変動状態」を発生させ得る大当たり図柄である1図柄、3図柄、5図柄、7図柄のうち、1図柄で当選した場合には「確率変動状態」において第1特別図柄および第2特別図柄がともに比較的長めの変動時間が選択され易い「両ロング変動確率変動状態」に移行するように構成する。また、3図柄で当選した場合には、「確率変動状態」において第1特別図柄は比較的長めの変動時間が選択され易い一方、第2特別図柄は比較的短い変動時間が選択され易い「特1ロング特2ショート変動確率変動状態」に移行するように構成する。さらに、5図柄で当選した場合には、「確率変動状態」において第1特別図柄および第2特別図柄がともに比較的短めの変動時間が選択され易い「両ショート変動確率変動状態」に移行するように構成する。また、7図柄で当選した場合には、「確率変動状態」において第1特別図柄は比較的短めの変動時間が選択され易い一方、第2特別図柄は比較的長めの変動時間が選択され易い「特1ショート特2ロング変動確率変動状態」に移行するように構成する。このように構成することで、大当たりした図柄の種類によって、大当たり後の遊技状態において、先に導出され得る特別図柄を異ならせることができ、例えば、いずれの特別図柄が先に停止するか否かによって、遊技状態毎に大当たりが先に現出させる確率を異ならせることができる。よって、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2347】
特別図柄の変動回数に基づいて、該特別図柄の変動パターン群(変動時間)が異なるように構成してもよい。具体的には、例えば、「潜伏確率変動状態」において、大当たり終了後1回目~10回目の特別図柄の変動演出に関しては、比較的長めの変動時間が選択され易いように構成し、11回目以降の特別図柄の変動演出に関しては、比較的短めの変動時間が選択され易いように構成する。このように構成することで、遊技にメリハリを設けつつ、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2348】
普通図柄の当たり種別を複数種類設けてもよい。具体的には、例えば、普通電役72が1回開放される1回開放当たりと、出没板72aが3回開放される3回開放当たりと、普通電役72が3回かつ長く開放される3回ロング開放当たりとを設ける。このように構成することで、「確率変動状態」や「普図高確時間短縮状態」において遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2349】
上記実施形態では、「通常遊技状態」→「普図高確時間短縮状態」→「普図低確時間短縮状態」→「確率変動状態」の順で遊技者にとって有利な遊技状態としていた。これに対し、「通常遊技状態」より遊技者にとって不利な遊技状態として、「普図高確時間短縮状態」や「潜伏確率変動状態」、「確率変動状態」が位置づけられるように遊技仕様を設定してもよい。具体的には、例えば、第1特別図柄の始動口を、普通電役72が付属した第2特別図柄の始動口の上流側に設け、「通常遊技状態」では、普通電役72が作動し難いことによって、第2特別図柄より遊技者にとって有利な第1特別図柄の抽選契機を受け易い一方、「普図高確時間短縮状態」では、普通電役72が作動し易いことによって、第1特別図柄より遊技者にとって不利な第2特別図柄の抽選契機を受け易いように構成する。このように構成することで、遊技のバリエーションを豊富にし、遊技の興趣向上を図ることができる。
【2350】
右打ち遊技を示唆する右打ち示唆表示が現出される場合に、第4図柄表示領域87,88の表示位置を変更するように構成してもよい。具体的には、左打ち遊技が奨励される「通常遊技状態」等では、副表示領域Dsの右小領域Ds3に第4図柄表示領域87,88を表示する一方、右打ち遊技が奨励される「確率変動状態」等では、右打ち示唆表示を右小領域Ds3に表示する一方、第4図柄表示領域87,88を左小領域Ds1に表示する。このように構成することで、遊技状態に応じた遊技仕様を遊技者に認識させ易くすることができる。
【2351】
上記実施形態では、同時に実行され得る複数の特別図柄の動的表示に関し、遊技状態に応じて奨励される特別図柄の変動演出を主表示領域Dmで行い、非奨励の特別図柄の変動演出を主表示領域Dmで行わないように構成している。これに対し、同時に実行され得る複数の図柄(例えば、特別図柄と普通図柄)の演出に関し、遊技状態、遊技仕様、付与される遊技価値、或いは、実行頻度等によって、実行すべき演出の優先順を予め設け、該優先順に応じた演出を優先的に実行し、優先順が低い演出に関しては、演出規模を小さくしたり、演出自体を実行しない等、優先順位が高い演出に比べて遊技者が認識し難くなるように構成してもよい。具体的には、第1特別図柄の変動演出が主表示領域Dmで実行されている場合は、第1特別図柄より遊技者に付与され得る遊技価値が低い普通図柄の可変表示に関する演出を、第3図柄表示装置81や音声出力装置226で実行しない若しくは演出規模を小さくして表示したり、第2特別図柄の変動演出が主表示領域Dmで実行されている場合は、第2特別図柄より遊技者に付与され得る遊技価値が低い普通図柄の可変表示に関する演出を、第3図柄表示装置81や音声出力装置226で実行しない若しくは演出規模を小さくして表示してもよい。このように構成することで、遊技を行う上で遊技者に認識させたい演出を優先的に実行しつつ、優先順位が低い演出規模を小さく(なくす)ことで、遊技者が煩わしさを感じない演出を実行することができる。
【2352】
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
【2353】
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113にて実行されるコマンド判定処理(S1111)において、いずれかの停止種別コマンドを受信すれば必ず対応する変動開始フラグ223a,223bをオンに設定する場合について説明したが、各変動パターンコマンドの受信があった上で対応する停止種別コマンドを受信した場合に、各変動開始フラグ223a,223bをオンに設定してもよい。これにより、各変動パターンコマンドの受信がなく、いずれかの停止種別コマンドを受信したような場合に、おかしな変動演出が実行されることを抑制できる。
【2354】
また、各変動パターンコマンドを受信したタイミングで、各変動開始フラグ223a,223bをオンに設定してもよい。この場合、音声ランプ制御装置113にて実行される変動演出処理(S1110)では、各変動開始フラグ223a,223bがオンされたことに基づいて、各変動パターンコマンドにより抽出した変動パターンを表示制御装置114へ通知する各表示用変動パターンコマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113にて各停止種別コマンドの受信を待つことなく、表示制御装置114に対して、この各表示用変動パターンコマンドに基づき、各変動演出を第3図柄表示装置81に実行させることができる。なお、この場合、音声ランプ制御装置113では、各停止種別コマンドを受信したタイミングで、該停止種別コマンドより抽出された停止種別を表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。そして、表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に実行させた変動演出の停止図柄を決定してもよい。
【2355】
上記実施形態において、デモ演出は、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させてもよい。また、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させてもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させてもよい。
【2356】
上記実施形態において、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出を実行してもよいし、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、連続予告演出を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29~33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
【2357】
これにより、第3図柄表示装置81(および特別図柄表示装置37)において変動演出が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29~33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29~33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるで、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29~33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
【2358】
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29~33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
【2359】
尚、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29~33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29~33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
【2360】
また、連続予告演出が行われる場合に、変動演出とは別の連続予告演出用の画像が第3図柄表示装置81に表示させてもよいし、連続予告演出を、変動演出が終了したときに表示される停止図柄として、所定の図柄の組み合わせである、所謂「チャンス目」を表示させることによって行ってもよい。この場合、表示制御装置114のMPUで実行されるコマンド判定処理にて連続予告コマンドの受信を判断すると、チャンス目に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄判別フラグをオフに設定するようにしてもよい。コマンド判定処理では、停止識別コマンド処理の後にその他コマンド処理の中で連続予告コマンドに対応する処理を実行するので、表示用停止識別コマンドの受信によって設定された停止図柄に代えて、チャンス目が停止図柄として設定される。よって、変動停止時にチャンス目を確定表示させることができる。そして、第3図柄表示装置81において、変動演出ごとに停止図柄としてチャンス目が連続して表示されれば、遊技者に対して、最終的に大当たりが得られる期待感を持たせることができる。
【2361】
上記実施形態において、主制御装置110は、第1始動口64又は第2始動口71への入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得された各カウンタC1~C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1~C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられてもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する先読み情報第1~第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
【2362】
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、保留球数コマンドを受信した場合に、該保留球数コマンドにて示される各カウンタC1~C3,CS1の値そのものをRAM223に格納してもよいし、保留球数コマンド(又は、各カウンタの値が示されるコマンド)を受信した場合に、該コマンドにて示される各カウンタの値に基づいて、大当たりか否か、大当たりの場合の大当たり種別、外れの場合の外れ種別等の一部または全部を判定し、これらの判定結果を、該コマンドにて示される各カウンタの値に代えて、または、該カウンタの値の一部または全部とあわせて、RAM223に格納してもよい。
【2363】
上記実施形態においては、第1始動口64又は第2始動口71への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1始動口64又は第2始動口71への入賞に対し、始動口によって別箇に最大保留球数を設定するようにしてもよく、各々の始動口における最大保留球数は「4」以外の任意の数であってもよい。また、各始動口における最大保留球数は必ずしも同一の値とする必要はなく、異なる値であってもよい。また、第1始動口64又は第2始動口71への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、特別図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
【2364】
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
【2365】
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1~Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1~Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1~Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
【2366】
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【2367】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【2368】
スロットマシンでは、所定期間中に払い出された遊技媒体(コイン、メダル)の総数に対する、ボーナス(役物)により払い出された遊技媒体の数の比率が役物比率となる。そこで、各役が成立した場合に払い出される遊技媒体の数を、賞球数テーブルに代えて主制御装置のROMに格納しておき、役物比率管理チップ又は役物比率管理チップと同等の機能を実行する制御装置にて、非ボーナスゲーム期間(通常期間)において成立した(有効ライン上に図柄が揃った)役の数、ボーナスゲーム期間中において成立した役の数、AT期間中において成立した役の数を計数して、役物比率や連続役物比率を管理してもよい。
【2369】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【2370】
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。なお、以下に示す各種発明の概念は、それぞれ、他の発明の概念が有する構成の一部または複数部分を、その発明の概念に追加し或いはその他の発明の概念が有する構成の一部または複数部分と交換等することにより、その発明の概念を変形して構成するようにしても良い。
【2371】
<A群:右打ち報知方法を損益分岐で切り替え>
従来より、所定の始動条件の成立に基づいて当たり等の抽選が行われ、例えば、当たりに当選した場合には、所定の獲得条件の成立に応じて遊技者に所定の遊技媒体を払い出す遊技機がある。
【2372】
この遊技機では、少なくとも、所定の第1遊技状態(例えば、特別図柄の低確率状態)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2遊技状態(例えば、特別図柄の高確率状態)とを発生可能に構成され、該第2遊技状態において当たり遊技に当選させて、再度、第2遊技状態を連続的に発生可能に構成されているものもある(例えば、特許文献1(特開2017-148264号公報))。
【2373】
上記例示したような遊技機等に対して、遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【2374】
A群の発明は、上記事情等に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【2375】
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域(例えば、第1始動口64)と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、を備えた遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立(例えば、特別図柄の動的表示の停止)に基づいて特定情報(例えば、救済カウンタ203r)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(例えば、初期化状態から大当たり実行となるまでの遊技状態)において、前記特定情報が所定の更新状態(例えば、救済条件成立回数に到達)となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態(例えば、「普図低確時間短縮状態」)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(例えば、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出)、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、救済優先報知期間における右打ち報知演出)で、所定の報知を行う報知制御手段(例えば、小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409))と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段によって特定判定結果(例えば、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作(例えば、右打ち遊技)に基づいて所定の遊技条件(例えば、特定領域スイッチ65gを遊技球が通過)が成立した場合に特定利益(例えば、大当たり遊技)を発生させる利益発生手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機A1。
【2376】
遊技機A1によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で、所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備えている。これにより、特定の遊技状態において特定判定結果となった場合に、該特定判定結果の成立タイミングによって、報知制御手段での報知内容を異ならせることができる。その結果、特定の遊技状態において特定判定結果となった場合に、所定の遊技操作を行って特定利益を発生させるか、所定の遊技操作を行わず、所定の更新状態にさせることで所定の利益状態を発生させるか否か、という遊技性を創出し、遊技の興趣向上を図ることができる、という効果がある。
【2377】
<B群:各タイミングの間に複数の報知>
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域(例えば、第1始動口64)と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、を備えた遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立(例えば、特別図柄の動的表示の停止)に基づいて特定情報(例えば、救済カウンタ203r)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(例えば、初期化状態から大当たり実行となるまでの遊技状態)において、前記特定情報が所定の更新状態(例えば、救済条件成立回数に到達)となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態(例えば、「普図低確時間短縮状態」)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(例えば、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出)、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、救済優先報知期間における右打ち報知演出)で、所定の報知を行う報知制御手段(例えば、小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409))と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段によって特定判定結果(例えば、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作(例えば、右打ち遊技)に基づいて所定の遊技条件(例えば、特定領域スイッチ65gを遊技球が通過)が成立した場合に特定利益(例えば、大当たり遊技)を発生させる利益発生手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、
前記遊技機は、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に、前記第1報知態様と前記第2報知態様とを表示する第3表示態様を表示する第3表示実行手段(例えば、表示用曖昧報知コマンド)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B1。
【2378】
遊技機B1によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で、所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、前記遊技機は、前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に前記第1報知態様と前記第2報知態様とを表示する第3表示態様を表示する第3表示実行手段、を備えている。これにより、特定判定結果となったタイミングが所定タイミングと特定タイミングとの間である場合に、第1報知態様及び第2報知態様とは異なる第3報知態様で該特定判定結果となったことを報知することができる。その結果、特定判定結果となったタイミングが所定タイミングと特定タイミングとの間である場合に、所定の遊技操作を行って特定利益を発生させるか、所定の遊技操作を行わず、所定の更新状態にさせることで所定の利益状態を発生させるか、のいずれの遊技方法であっても、獲得し得る利益の期待値に大差のない期間を設けることができ、新たな遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
【2379】
<C群:報知態様を複数回切り替え表示>
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域(例えば、第1始動口64)と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、を備えた遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立(例えば、特別図柄の動的表示の停止)に基づいて特定情報(例えば、救済カウンタ203r)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(例えば、初期化状態から大当たり実行となるまでの遊技状態)において、前記特定情報が所定の更新状態(例えば、救済条件成立回数に到達)となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態(例えば、「普図低確時間短縮状態」)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(例えば、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出)、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、救済優先報知期間における右打ち報知演出)で、所定の報知を行う報知制御手段(例えば、小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409))と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段によって特定判定結果(例えば、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作(例えば、右打ち遊技)に基づいて所定の遊技条件(例えば、特定領域スイッチ65gを遊技球が通過)が成立した場合に特定利益(例えば、大当たり遊技)を発生させる利益発生手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、
前記遊技機は、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に前記第1報知態様と前記第2報知態様とを表示する第3表示態様を表示する第3表示実行手段、を備え、
前記第3表示態様は、
前記第1報知態様と前記第2報知態様とを複数回切り替えて表示する態様である
ことを特徴とする遊技機C1。
【2380】
遊技機C1によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で、所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、前記遊技機は、前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間に前記第1報知態様と前記第2報知態様とを表示する第3表示態様を表示する第3表示実行手段、を備え、前記第3表示態様は、前記第1報知態様と前記第2報知態様とを複数回切り替えて表示する所定態様、を備えている。これにより、特定判定結果となったタイミングが所定タイミングと特定タイミングとの間である場合に、第1報知態様及び第2報知態様の2の報知態様を複数回切り替えて表示し、第3報知態様で該特定判定結果となったことを遊技者に報知することができる。その結果、特定判定結果となったタイミングが所定タイミングと特定タイミングとの間である場合に、所定の遊技操作を行って特定利益を発生させるか、所定の遊技操作を行わず、所定の更新状態にさせることで所定の利益状態を発生させるか、のいずれの遊技方法であっても、獲得し得る利益の期待値に大差のない期間を設けることができ、新たな遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
【2381】
<D群:特定利益を発生せず変動表示を実行>
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域(例えば、第1始動口64)と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、を備えた遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立(例えば、特別図柄の動的表示の停止)に基づいて特定情報(例えば、救済カウンタ203r)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(例えば、初期化状態から大当たり実行となるまでの遊技状態)において、前記特定情報が所定の更新状態(例えば、救済条件成立回数に到達)となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態(例えば、「普図低確時間短縮状態」)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(例えば、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出)、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、救済優先報知期間における右打ち報知演出)で所定の報知を行う報知制御手段(例えば、小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409))と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段によって特定判定結果(例えば、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作(例えば、右打ち遊技)に基づいて所定の遊技条件(例えば、特定領域スイッチ65gを遊技球が通過)が成立した場合に特定利益(例えば、大当たり遊技)を発生させる利益発生手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、
前記遊技機は、
前記特定の遊技状態において、前記判定手段によって前記特定判定結果となって前記第1報知態様が表示された場合に、前記特定利益を発生させることなく新たな変動表示を実行可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機D1。
【2382】
遊技機D1によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、前記遊技機は、前記特定の遊技状態において、前記判定手段によって前記特定判定結果となって前記第1報知態様が表示された場合に、前記特定利益を発生させることなく新たな変動表示を実行可能に構成されている。これにより、特定判定結果となって第1報知態様が表示された場合であっても、所定の遊技操作を行わないことにより、特定利益を発生させることなく新たな変動表示が実行可能となる。その結果、特定判定結果となって第1報知態様が表示された場合であっても、所定の遊技操作を行わないことにより、特定利益を発生させずに変動表示の実行を繰り返すことで所定の更新状態に達し、所定の利益状態を発生させることができ、新たな遊技性を創出し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
【2383】
<E群:各タイミングの間に特定演出実行>
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域(例えば、第1始動口64)と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、を備えた遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立(例えば、特別図柄の動的表示の停止)に基づいて特定情報(例えば、救済カウンタ203r)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(例えば、初期化状態から大当たり実行となるまでの遊技状態)において、前記特定情報が所定の更新状態(例えば、救済条件成立回数に到達)となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態(例えば、「普図低確時間短縮状態」)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(例えば、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出)、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、救済優先報知期間における右打ち報知演出)で所定の報知を行う報知制御手段(例えば、小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409))と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段によって特定判定結果(例えば、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作(例えば、右打ち遊技)に基づいて所定の遊技条件(例えば、特定領域スイッチ65gを遊技球が通過)が成立した場合に特定利益(例えば、大当たり遊技)を発生させる利益発生手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、
前記遊技機は、
前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間の変動表示中に特別演出(例えば、曖昧報知期間中示唆コマンド)を実行する特別演出実行手段(例えば、表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(S1307))、を備えている
ことを特徴とする遊技機E1。
【2384】
遊技機E1によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、前記遊技機は、前記所定タイミングと前記特定タイミングとの間の変動表示中に特別演出を実行する特別演出実行手段を備えている。これにより、所定タイミングと特定タイミングとの間の変動表示中に特別演出を実行することができる。その結果、遊技者は特別演出を確認することで、実行中の変動演出が所定タイミングと特定タイミングとの間の変動演出であることを認識でき、該実行中の変動演出が特定判定結果となった場合に、所定の遊技操作を行って特定利益を発生させるか、所定の遊技操作を行わず、所定の更新状態にさせることで所定の利益状態を発生させるか否か、について、該特定判定結果が導出される前に検討することができる、という効果がある。
【2385】
<F群:切り替わり後、第1報知態様の切り替わり制限>
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域(例えば、第1始動口64)と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、を備えた遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立(例えば、特別図柄の動的表示の停止)に基づいて特定情報(例えば、救済カウンタ203r)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(例えば、初期化状態から大当たり実行となるまでの遊技状態)において、前記特定情報が所定の更新状態(例えば、救済条件成立回数に到達)となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態(例えば、「普図低確時間短縮状態」)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(例えば、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出)、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、救済優先報知期間における右打ち報知演出)で所定の報知を行う報知制御手段(例えば、小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409))と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段によって特定判定結果(例えば、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作(例えば、右打ち遊技)に基づいて所定の遊技条件(例えば、特定領域スイッチ65gを遊技球が通過)が成立した場合に特定利益(例えば、大当たり遊技)を発生させる利益発生手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、
前記遊技機は、
前記特定タイミングで前記第2報知態様に切り替わった後は少なくとも前記特定利益が発生するまでは前記第1報知態様に切り替わることはないように構成されている
ことを特徴とする遊技機F1。
【2386】
遊技機F1によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、前記遊技機は、前記特定タイミングで前記第2報知態様に切り替わった後は少なくとも前記特定利益が発生するまでは前記第1報知態様に切り替わることはないように構成されている。これにより、特定タイミングで第2報知態様に切り替わった後は、特定利益が発生するまでは第1報知態様に切り替わることなく、第2報知態様を継続することができる。その結果、特定タイミングで第2報知態様に切り替わった後は、特定利益が発生するまでは第1報知態様に切り替わることないため、変動演出が特定判定結果となった場合に、遊技者は安心して所定の遊技操作を行わず、所定の更新状態にさせることで所定の利益状態を発生させることができる、という効果がある。
【2387】
<G群:更新回数抽選>
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域(例えば、第1始動口64)と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、を備えた遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立(例えば、特別図柄の動的表示の停止)に基づいて特定情報(例えば、救済カウンタ203r)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(例えば、初期化状態から大当たり実行となるまでの遊技状態)において、前記特定情報が所定の更新状態(例えば、救済条件成立回数に到達)となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態(例えば、「普図低確時間短縮状態」)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(例えば、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出)、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、救済優先報知期間における右打ち報知演出)で所定の報知を行う報知制御手段(例えば、小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409))と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段によって特定判定結果(例えば、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作(例えば、右打ち遊技)に基づいて所定の遊技条件(例えば、特定領域スイッチ65gを遊技球が通過)が成立した場合に特定利益(例えば、大当たり遊技)を発生させる利益発生手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、
前記遊技機は、
前記特定情報が前記所定の更新状態となるまでの更新回数は、複数の更新回数の中から抽選で1の更新回数が決定される
ことを特徴とする遊技機G1。
【2388】
遊技機G1によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、前記遊技機は、前記特定情報が前記所定の更新状態となるまでの更新回数は、複数の更新回数の中から抽選で1の更新回数が決定される。これにより、特定情報は複数の更新回数の中から抽選で1の更新回数に決定されることになる。その結果、特定情報が所定の更新状態となるまでの更新回数を遊技者が判別することが不可若しくは困難な状況となり、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
【2389】
<H群:特定判定結果では所定の遊技条件成立時のみ特定利益発生>
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域(例えば、第1始動口64)と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、を備えた遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立(例えば、特別図柄の動的表示の停止)に基づいて特定情報(例えば、救済カウンタ203r)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(例えば、初期化状態から大当たり実行となるまでの遊技状態)において、前記特定情報が所定の更新状態(例えば、救済条件成立回数に到達)となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態(例えば、「普図低確時間短縮状態」)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(例えば、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出)、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、救済優先報知期間における右打ち報知演出)で所定の報知を行う報知制御手段(例えば、小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409))と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段によって特定判定結果(例えば、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作(例えば、右打ち遊技)に基づいて所定の遊技条件(例えば、特定領域スイッチ65gを遊技球が通過)が成立した場合に特定利益(例えば、大当たり遊技)を発生させる利益発生手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、
前記利益発生手段は、
前記特定の遊技状態では、前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、遊技者による前記所定の遊技操作に基づいて前記所定の遊技条件が成立した場合にのみ前記特定利益を発生させる
ことを特徴とする遊技機H1。
【2390】
遊技機H1によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、前記利益発生手段は、前記特定の遊技状態では、前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、遊技者による前記所定の遊技操作に基づいて前記所定の遊技条件が成立した場合にのみ前記特定利益を発生させる。これにより、特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合にのみ特定利益を発生させることができる。その結果、特定判定結果となった場合であっても、遊技者による所定の遊技操作が実行されなければ、所定の遊技条件が成立し得ず、特定の遊技状態における特定利益の発生を回避することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
【2391】
遊技機H1において、
前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、前記第1報知態様及び前記第2報知態様とは異なる第3報知態様によって特定の遊技操作の実行を報知する
ことを特徴とする遊技機H2。
【2392】
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記判定手段によって前記特定判定結果となった場合に、前記第1報知態様及び前記第2報知態様とは異なる第3報知態様によって特定の遊技操作の実行を報知する。これにより、特定判定結果となった場合に、第3報知態様によって、所定の遊技操作とは異なる特定の遊技操作の実行を報知することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
【2393】
<I群:第2報知は第1報知よりも高価値>
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域(例えば、第1始動口64)と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、を備えた遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立(例えば、特別図柄の動的表示の停止)に基づいて特定情報(例えば、救済カウンタ203r)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(例えば、初期化状態から大当たり実行となるまでの遊技状態)において、前記特定情報が所定の更新状態(例えば、救済条件成立回数に到達)となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態(例えば、「普図低確時間短縮状態」)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(例えば、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出)、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、救済優先報知期間における右打ち報知演出)で所定の報知を行う報知制御手段(例えば、小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409))と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段によって特定判定結果(例えば、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作(例えば、右打ち遊技)に基づいて所定の遊技条件(例えば、特定領域スイッチ65gを遊技球が通過)が成立した場合に特定利益(例えば、大当たり遊技)を発生させる利益発生手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、
前記第2報知態様は、
前記第1報知態様よりも高い価値を得ることができる遊技状態に対応した報知である
ことを特徴とする遊技機I1。
【2394】
遊技機I1によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、前記第2報知態様は、前記第1報知態様よりも高い価値を得ることができる遊技状態に対応した報知である。これにより、第1報知態様の示唆内容に従って遊技した場合に移行し得る遊技状態よりも、第2報知態様の示唆内容に従って遊技した場合に移行し得る遊技状態の方が、平均獲得球数が多くなる。その結果、特定判定結果となった場合であっても、第2報知態様で報知された場合には、所定の遊技操作を行わずに特定利益を発生させない方が平均獲得球数を多くすることができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
【2395】
<J群:特定情報表示が実行回数に応じて変化>
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域(例えば、第1始動口64)と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、を備えた遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立(例えば、特別図柄の動的表示の停止)に基づいて特定情報(例えば、救済カウンタ203r)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(例えば、初期化状態から大当たり実行となるまでの遊技状態)において、前記特定情報が所定の更新状態(例えば、救済条件成立回数に到達)となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態(例えば、「普図低確時間短縮状態」)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(例えば、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出)、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、救済優先報知期間における右打ち報知演出)で所定の報知を行う報知制御手段(例えば、小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409))と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段によって特定判定結果(例えば、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作(例えば、右打ち遊技)に基づいて所定の遊技条件(例えば、特定領域スイッチ65gを遊技球が通過)が成立した場合に特定利益(例えば、大当たり遊技)を発生させる利益発生手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、
前記表示手段は、
前記特定情報に基づいて表示する特定表示手段(例えば、主表示用右打ち指示89)を備え、
前記特定表示手段は、
前記特定の遊技状態の開始時点における前記変動表示の実行回数によって表示態様を変化させる
ことを特徴とする遊技機J1。
【2396】
遊技機J1によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、前記表示手段は、前記特定情報に基づいて表示する特定表示手段を備え、前記特定表示手段は、前記特定の遊技状態の開始時点における前記変動表示の実行回数によって表示態様を変化させる。これにより、特定の遊技状態における変動表示の実行回数に応じて、特定表示手段に基づいて表示される特定情報の表示態様を変化させることができる。その結果、特定表示手段に基づいて表示される特定情報の表示態様によって、判定手段によって特定判定結果となった場合に、第1報知態様又は第2報知態様の、いずれの報知態様の示唆内容に従って遊技操作を実行すべきかを推測することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
【2397】
<K群:第1報知&第2報知がともに遊技領域片側への発射示唆>
遊技球を発射可能な発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域(例えば、第1始動口64)と、
前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、を備えた遊技機であって、
前記変動表示における予め定められた更新条件の成立(例えば、特別図柄の動的表示の停止)に基づいて特定情報(例えば、救済カウンタ203r)を更新する更新手段と、
特定の遊技状態(例えば、初期化状態から大当たり実行となるまでの遊技状態)において、前記特定情報が所定の更新状態(例えば、救済条件成立回数に到達)となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態(例えば、「普図低確時間短縮状態」)を発生させる利益状態発生手段と、
第1報知態様(例えば、大当たり優先報知期間における右打ち報知演出)、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、救済優先報知期間における右打ち報知演出)で所定の報知を行う報知制御手段(例えば、小当たり当選時右打ち報知演出処理(S1409))と、
前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段(例えば、MPU201)と、
前記判定手段によって特定判定結果(例えば、小当たり種別「時短B(小当たりA)」又は小当たり種別「時短C(小当たりA)」に当選)となった場合に、遊技者による所定の遊技操作(例えば、右打ち遊技)に基づいて所定の遊技条件(例えば、特定領域スイッチ65gを遊技球が通過)が成立した場合に特定利益(例えば、大当たり遊技)を発生させる利益発生手段(例えば、当たり処理(S203))と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段、を備え、
前記第1報知態様が現出した状況、又は、前記第2報知態様が現出した状況、のいずれの状況でも、前記発射手段による前記遊技領域片側への遊技球の発射を遊技者に示唆する
ことを特徴とする遊技機K1。
【2398】
遊技機K1によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられる始動入球領域と、前記始動入球領域に遊技球が入球した場合に、所定の図柄を変動表示する表示手段と、前記遊技領域に設けられ、複数回の可変動作を実行する可変入球手段と、を備えた遊技機であって、前記変動表示における予め定められた更新条件の成立に基づいて特定情報を更新する更新手段と、特定の遊技状態において、前記特定情報が所定の更新状態となった後の予め定められたタイミングで所定の利益状態を発生させる利益状態発生手段と、第1報知態様、又は、該第1報知態様とは異なる第2報知態様で所定の報知を行う報知制御手段と、前記始動入球領域に遊技球が入球することに基づいて所定の判定を実行する判定手段と、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、遊技者による所定の遊技操作に基づいて所定の遊技条件が成立した場合に特定利益を発生させる利益発生手段と、を備え、前記報知制御手段は、前記判定手段によって特定判定結果となった場合に、前記特定情報が前記所定の更新状態となるよりも所定期間前の所定タイミングまでは前記第1報知態様で前記特定判定結果となったことを報知し、前記所定タイミングよりも後の特定タイミングにおいて報知態様を前記第2報知態様に切り替える切替手段を備え、前記第1報知態様が現出した状況、又は、前記第2報知態様が現出した状況、のいずれの状況でも、前記発射手段による前記遊技領域片側への遊技球の発射を遊技者に示唆する。これにより、判定手段によって特定判定結果となった場合に、第1報知態様及び第2報知態様に基づいて所定の遊技操作を実行した場合であっても、第1報知態様に基づく所定の遊技操作を行った場合にのみ所定の遊技条件を成立可能とすることができる。その結果、第1報知態様及び第2報知態様によって所定の遊技操作を示唆しつつ、第1報知態様に基づく所定の遊技操作を行った場合にのみ特定利益を発生させることができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
【2399】
なお、上記遊技機A1の構成に対して、上記遊技機B1,C1,D1,E1,F1,G1,H1~H2,I1,J1,K1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【2400】
なお、上記遊技機B1の構成に対して、上記遊技機A1,C1,D1,E1,F1,G1,H1~H2,I1,J1,K1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【2401】
なお、上記遊技機C1の構成に対して、上記遊技機A1,B1,D1,E1,F1,G1,H1~H2,I1,J1,K1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【2402】
なお、上記遊技機D1の構成に対して、上記遊技機A1,B1,C1,E1,F1,G1,H1~H2,I1,J1,K1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【2403】
なお、上記遊技機E1の構成に対して、上記遊技機A1,B1,C1,D1,F1,G1,H1~H2,I1,J1,K1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【2404】
なお、上記遊技機F1の構成に対して、上記遊技機A1,B1,C1,D1,E1,G1,H1~H2,I1,J1,K1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【2405】
なお、上記遊技機G1の構成に対して、上記遊技機A1,B1,C1,D1,E1,F1,H1~H2,I1,J1,K1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【2406】
なお、上記遊技機H1~H2のいずれかの構成に対して、上記遊技機A1,B1,C1,D1,E1,F1,G1,I1,J1,K1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【2407】
なお、上記遊技機I1の構成に対して、上記遊技機A1,B1,C1,D1,E1,F1,G1,H1~H2,J1,K1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【2408】
なお、上記遊技機J1の構成に対して、上記遊技機A1,B1,C1,D1,E1,F1,G1,H1~H2,I1,K1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【2409】
なお、上記遊技機K1の構成に対して、上記遊技機A1,B1,C1,D1,E1,F1,G1,H1~H2,I1,J1のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
【2410】
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
【2411】
遊技機A1,B1,C1,D1,E1,F1,G1,H1~H2,I1,J1,K1のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機X1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【2412】
遊技機A1,B1,C1,D1,E1,F1,G1,H1~H2,I1,J1,K1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機X2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【2413】
遊技機A1,B1,C1,D1,E1,F1,G1,H1~H2,I1,J1,K1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機X3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【符号の説明】
【2414】
10 パチンコ機(遊技機)
37 特別図柄表示装置(表示手段の一部)
64 第1始動口(始動入球領域の一部)
65 可変入賞装置(可変入球手段の一部)
65g 特定領域スイッチ(所定の遊技条件の一部)
89 主表示用右打ち指示(特定表示手段の一部)
112a 球発射ユニット(発射手段の一部)
201 MPU(判定手段の一部)
203r 救済カウンタ(特定情報の一部)
S203 当たり処理(利益発生手段の一部)
S1307 表示用特
図1変動パターンコマンド設定処理(特別演出実行手段の一部)
S1409 小当たり当選時右打ち報知演出処理(報知制御手段の一部)